説明

バルサルタンおよびNEP阻害剤を含む医薬組成物

【課題】異なる作用態様の薬物を組合せ、且つ有害な副作用がほとんどないより有効な組合せ治療薬の提供。
【解決手段】(i)AT−1拮抗剤バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および(ii)NEP阻害剤またはその薬学的に許容される塩の組合せ、および必要に応じて薬学的に許容される担体を含む医薬組成。NEP阻害剤として、好ましくは、N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸エチルエステルであって、トリエタノールアミンまたはそのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、またはN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸またはその薬学的に許容される塩等が用いられる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
アンジオテンシンIIは、標的細胞表面の特異的受容体と相互作用する。例えば、AT
1−受容体およびAT−2受容体と呼ばれる受容体のサブタイプを同定することが可能で
あった。最近、大変な努力によりAT1−受容体に結合する物質が同定された。該活性成
分はしばしばアンジオテンシンII拮抗剤と呼ばれる。AT−1受容体の阻害のため、該
拮抗剤は他にも適応はあるが、例えば、降圧剤として、または鬱血性心不全の処置のため
用いられ得る。それゆえ、アンジオテンシンII拮抗剤は、AT1−受容体サブタイプに
結合する活性成分であると理解される。
【0002】
レニンアンジオテンシンシステムの阻害剤は、例えば、N. Eng. J. Med. 316, 23 (198
7) p. 1429-1435に記載されている様に、高血圧および鬱血性心不全で血圧を下げ、かつ
有効に作用するよく知られた薬物である。レニンアンジオテンシンシステムの多数のペプ
チドおよび非ペプチド阻害剤が既知であり、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル
、ベナゼプリルおよびスピラプリルを含むACE阻害剤が最も広く研究されている。AC
E阻害剤の主な作用機序は、血管収縮作用のあるペプチドAng IIの形成の阻止を含
むが、Hypertension, 16, 4 (1990) p. 363−370において、ACEが、血管作用性ペプ
チドブラジキニンおよびサブスタンスPを含む様々なペプチド基質を切断すると報告され
ている。ACE阻害剤によるブラジキニンの減少の阻止が示され、そしてある状態でのA
CE阻害剤の活性はAng II形成の阻止よりむしろブラジキニンレベルの上昇により
仲介されることがCirc. Res., 66, 1 (1990) p. 242−248で報告されている。従って、
ACE阻害剤の作用が、アンジオテンシンの形成の阻止、そしてそれに続くレニンアンジ
オテンシンシステムの阻害に専ら起因するとみなすことはできない。
【0003】
中性エンドペプチダーゼ(EC 3.4.24.11;エンケファリナーゼ;心房性ペプチダーゼ(
atriopeptidase);NEP)は、芳香族性アミノ酸のアミノ末端部位の様々なペプチド基
質を切断する亜鉛含有メタロプロテアーゼである。Biochem. J., 241, (1987) p. 237-24
7を参照されたい。該酵素基質は、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANF、ANPとしても既知)、脳ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、メチオニンエンケファリンおよびロイシンエンケファリン、ブラジキニン、ニューロキニンA、およびサブスタンスPを含むが、これらに制限されない。
【0004】
ANPは、血管拡張作用ペプチド、利尿ペプチドおよび降圧作用ペプチドファミリーで
あり、文献(例えば、Annu. Rev. Pharm. Tox., 29, (1989) p. 23−54)で最近多く報
告されている。1つの形態であるANF99−126は、心拡張状態の間に心臓から放出
されて循環するペプチドホルモンである。ANFの機能は、塩と水のホメオスタシスを維
持すること、ならびに血圧を制御することである。ANFは、少なくとも2つのプロセス
:Am. J. Physiol., 256 (1989) p. R469-R475で報告されている受容体介在性クリアラン
スおよびBiochem. J., 243 (1987) p. 183−187で報告されているNEPによる酵素不活
性化により、循環中に急速に不活性化される。NEPの阻害剤が降圧、利尿、ナトリウム
利尿作用を増強し、かつ実験動物において、血漿ANFがANFの薬理学的投与に応答す
ることが既に示されている。2つの特異的なNEP阻害剤によるANFの増強が、Sybert
z et al. in J. Pharmacol. Exp. Ther. 250, 2 (1989) p. 624−631およびHypertensio
n, 15, 2 (1990) p. 152−161で報告されており、一般的なNEPによるANFの増強は
米国特許番号第4,749,688号で開示されている。米国特許番号第4,740,4
99において、Olinsは心房性ペプチド作用を増強するためのチオルファンおよびケラト
ルファン(kelatorphan)の使用法を開示した。さらに、NEP阻害剤は血圧を下げ、か
つ実験的高血圧のある形態で利尿および環状グアノシン3’,5’−1リン酸(cGMP
)排泄の増加といったANF様の作用をする。NEP阻害剤の降圧作用は、ANFに対す
る抗体が血圧の降下を中和するのでANF介在性である。
【0005】
長期かつ未制御の高血圧性血管疾病は、心臓および腎臓のような標的器官において様々
な病変を最終的に引き起こす。持続性高血圧は、脳卒中の頻度増加も引き起こし得る。それゆえ、組み合わせ処置の利点をさらに認識するために、血圧降下の評価項目以外に、降圧治療の有効性を評価する、さらなる心血管の評価項目の検査が非常に必要である。
【0006】
高血圧性血管疾病の性質は多因子である。ある種の状況下では、異なる作用メカニズム
の薬物が組み合わされてきた。しかしながら、異なる作用態様の薬物の任意の組合せをた
だ考えることが、有効な作用の組合せを必然的に導くわけではない。従って、有害な副作
用がほとんどない、より有効な組合せ治療が必要である。
【0007】
1つの態様において、本発明は、必要に応じて薬学的に許容される担体の存在下で、バ
ルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および中性エンドペプチダーゼ(NEP)
阻害剤またはその薬学的に有効な塩を含む医薬品の組合せ、およびそれらを含む医薬組成
物に関する。
【0008】
別の実施態様において、本発明は、バルサルタン+NEP阻害剤を含む医薬組成物の投
与による心臓および腎臓関連状態の処置方法に関するか、またはバルサルタンまたはその
薬学的に許容される塩、および中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤またはその薬学
的に有効な塩を含む医薬組成物の使用に関する。
【0009】
本発明の別の実施態様において、本発明は、バルサルタンまたはその薬学的に許容され
る塩、および中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤またはその薬学的に有効な塩を含
む医薬組成物、および利尿剤、特にヒドロクロロチアジドに関する。
【0010】
バルサルタンは、式(I)のAT1受容体拮抗剤(S)−N−(1−カルボキシ−2−
メチル−プロプ−1−イル)−N−ペンタノイル−N−[2;(1H−テトラゾール−5
−イル)ビフェニル−4−イル−メチル]アミンであり、本明細書で説明するように全体
として本明細書に取り込まれる式(I)
【化1】


が、EP 0443983Aおよび米国特許番号第5,399,578号で開示される。
【0011】
該組合せで有用なNEP阻害剤は、式(II)
【化2】


[式中、
は、C1〜7アルキル、トリフルオロメチル、フェニル、置換フェニル、−(CH
1〜4−フェニル、または−(CH1〜4−置換フェニルであり;
は、水素、C1〜7アルキル、フェニル、置換フェニル、−(CH1〜4−フ
ェニル、または−(CH1〜4−置換フェニルであり;
は、ヒドロキシ、C1〜7アルコキシ、またはNHであり;
nは、1〜15の整数であり、そして
用語置換フェニルは、C1〜4低級アルキル、C1〜4低級アルコキシ、C1〜4低級
アルキルチオ、ヒドロキシ、Cl、Br、またはFから選択される置換基を意味する。]
の化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0012】
好ましくは、式IIの選択的中性エンドペプチダーゼ阻害剤は、化合物
[式中:
は、ベンジルであり;
は、水素であり;
nは、1〜9の整数であり;かつ
は、ヒドロキシである。]
を含む。
【0013】
なおより好ましくは、式IIの選択的中性エンドペプチダーゼ阻害剤は、式II
[式中、
は、ベンジルであり;
は、水素であり;
nは、1であり;かつ
は、ヒドロキシである。]
の化合物であるSQ28,603として文献で報告される。
【0014】
式II(式中、Rは、トリフルオロメチル以外である)の選択的中性エンドペプチダ
ーゼ阻害剤の調製は、米国特許番号第4,722,810号でDelaneyらにより開示され
る。式II(式中、Rは、トリフルオロメチルである)の選択的中性エンドペプチダー
ゼ阻害剤の調製は、米国特許番号第5,223,516号でDelaneyらにより開示される

【0015】
本発明の範囲にあるNEP阻害剤は、米国特許番号第4,610,816号で開示され
る化合物(引用により本明細書に取り込まれる)を含み、具体的には、N−[N−[1(
S)−カルボキシル−3−フェニルプロプリル]−(S)−フェニルアラニル]−(S)
−イソセリンおよびN−[N−[((1S)−カルボキシ−2−フェニル)エチル]−(
S)−フェニルアラニル]−β−アラニン;米国特許番号第4,929,641号で開示
される化合物、具体的には、N−[2(S)−メルカプトメチル−3−(2−メチルフェ
ニル)−プロピオニル]メチオニン;南アフリカ共和国特許出願番号第84/0670号
で開示されるSQ28,603(N−[2−(メルカプトメチル)−1−オキソ−3−フ
ェニルプロピル]−β−アラニン);UK69578(cis−4−[[[1−[2−カ
ルボキシ−3−(2−メトキシエトキシ)プロピル]−シクロペンチル]カルボニル]ア
ミノ]−シクロヘキサンカルボン酸)およびその活性な鏡像異性体;チオルファンおよび
その鏡像異性体;retro−チオルファン;ホスホラミドン;およびSQ29072(
7−[[2−(メルカプトメチル)−1−オキソ−3−フェニルプロピル]アミノ]−ヘ
プタン酸)を含む。使用に適当な物はまた、上記NEP阻害剤の任意のプロドラッグ形態(例えば、1またはそれ以上のカルボン酸基がエステル化されている化合物)である。
【0016】
本発明の範囲にあるNEP阻害剤は、米国特許番号第5,217,996号で開示され
る化合物、具体的には、N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−
フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸 エチル エステルおよび
N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル
)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸、またはそれぞれの場合でその薬学的に許容され
る塩;EP00342850で開示される化合物、具体的には、(S)−cis−4−[
1−[2−(5−インダニルオキシカルボニル)−3−(2−メトキシエトキシ)プロピ
ル]−1−シクロペンタンカルボキシアミド]−1−シクロヘキサンカルボン酸;GB0
2218983で開示される化合物、具体的には、3−(1−[6−endo−ヒドロキ
シメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−exo−カルバモイル]シクロペンチル
)−2−(2−メトキシエチル)プロパン酸;WO92/14706で開示される化合物
、具体的には、N−(1−(3−(N−t−ブトキシカルボニル−(S)−プロピルアミ
ノ)−2(S)−t−ブトキシ−カルボニルプロピル)シクロペンタンカルボニル)−O
−ベンジル−(S)−セリン メチル エステル;EP00343911で開示される化合
物;JP06234754で開示される化合物;EP00361365で開示される化合
物、具体的には、4−[[2−(メルカプトメチル)−1−オキソ−3−フェニルプロピ
ル]アミノ]安息香酸;WO90/09374で開示される化合物、具体的には、3−[
1−(cis−4−カルボキシカルボニル−cis−3−ブチルシクロヘキシル−r−1
−カルバモイル(carboamoyl)シクロペンチル]−2S−(2−メトキシエトキシメチル
)プロパン酸;JP07157459で開示される化合物、具体的には、N−((2S)
−2−(4−ビフェニルメチル)−4−カルボキシ−5−フェノキシバレリル)グリシン
;WO94/15908で開示される化合物、具体的には、N−(1−(N−ヒドロキシ
カルバモイルメチル)−1−シクロペンタンカルボニル)−L−フェニルアラニン;米国
特許番号第5,273,990号で開示される化合物、具体的には、(S)−(2−ビフ
ェニル−4−イル)−1−(1H−テトラゾール−5−イル)エチルアミノ)メチルスル
ホン酸;米国特許番号第5,294,632号で開示される化合物、具体的には、(S)
−5−(N−(2−(ホスホノメチルアミノ)−3−(4−ビフェニル)プロピオニル)
−2−アミノエチル)テトラゾール;米国特許番号第5,250,522号で開示される
化合物、具体的には、β−アラニン、3−[1,1’−ビフェニル]−4−イル−N−[
ジフェノキシホスフィニルメチル]−L−アラニル;EP00636621で開示される
化合物、具体的には、N−(2−カルボキシ−4−チエニル)−3−メルカプト−2−ベ
ンジルプロパンアミド;WO93/09101で開示される化合物、具体的には、2−(
2−メルカプトメチル−3−フェニルプロピオンアミド)チアゾール−4−イルカルボン
酸;EP00590442で開示される化合物、具体的には、((L)−(1−((2,
2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−メトキシ)カルボニル)−2−フェ
ニルエチル)−L−フェニルアラニル)−β−アラニン、N−[N−[(L)−[1−[
(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−メトキシ]カルボニル]−2
−フェニルエチル]−L−フェニルアラニル]−(R)−アラニン、N−[N−[(L)
−1−カルボキシ−2−フェニルエチル]−L−フェニルアラニル]−(R)−アラニン
、N−[2−アセチルチオメチル−3−(2−メチル−フェニル)プロピオニル]−メチ
オニン エチル エステル、N−[2−メルカプトメチル−3−(2−メチルフェニル)プ
ロピオニル(propioyl)]−メチオニン、N−[2(S)−メルカプトメチル−3−(2
−メチルフェニル)プロパノイル]−(S)−イソセリン、N−(S)−[3−メルカプ
ト−2−(2−メチルフェニル)プロピオニル]−(S)−2−メトキシ−(R)−アラ
ニン、N−[1−[[1(S)−ベンジルオキシカルボニル−3−フェニルプロピル]ア
ミノ]シクロペンチルカルボニル]−(S)−イソセリン、N−[1−[[1(S)−カ
ルボニル−3−フェニルプロピル]アミノ]−シクロペンチルカルボニル]−(S)−イ
ソセリン、1,1’−[ジチオビス−[2(S)−(2−メチルベンジル)−1−オキソ
−3,1−プロパンジイル]]−ビス−(S)−イソセリン、1,1’−[ジチオビス−
[2(S)−(2−メチルベンジル)−1−オキソ−3,1−プロパンジイル]]−ビス
−(S)−メチオニン、N−(3−フェニル−2−(メルカプトメチル)−プロピオニル
)−(S)−4−(メチルメルカプト)メチオニン、N−[2−アセチルチオメチル−3
−フェニル−プロピオニル]−3−アミノ安息香酸、
N−[2−メルカプトメチル−3−フェニル−プロピオニル]−3−アミノ安息香酸、N
−[1−(2−カルボキシ−4−フェニルブチル)−シクロペンタンカルボニル]−(S
)−イソセリン、N−[1−(アセチルチオメチル)シクロペンタン−カルボニル]−(
S)−メチオニン エチル エステル、3(S)−[2−(アセチルチオメチル)−3−フ
ェニル−プロピオニル]アミノ(amimo)−ε−カプロラクタム;およびWO93/10
773で開示される化合物、具体的には、N−(2−アセチルチオメチル−3−(2−メ
チルフェニル)プロピオニル)−メチオニン エチル エステルも含む。
【0017】
利尿剤は、例えば、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、メチルクロロチアジド、
およびクロロサリドンからなる群から選択されるチアジド誘導体である。最も好ましくは
、ヒドロクロロチアジドである。
【0018】
組み合わされるべき化合物は、薬学的に許容される塩として存在し得る。これらの化合
物が、例えば、少なくとも1つの塩基性中心を有すると、それらは酸付加塩を形成し得る
。対応する酸付加塩は、所望ならさらに塩基性中心を有するようにも形成され得る。少な
くとも1つの酸性基(例えば、COOH)を有する化合物は、塩基を有する塩も形成し得
る。対応する内部にある塩は、化合物が例えば、カルボキシ基とアミノ基を共に含む場合
、さらに形成され得る。
【0019】
N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチ
ル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸 エチル エステルについて、好ましい塩は、米
国特許番号第5,217,996号で開示されるナトリウム塩、トリエタノールアミン塩
およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩を含む。トリエタノールアミン塩およ
びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩の調製は、以下の様に行われ得る:
トリエタノールアミン塩
N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチ
ル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸 エチル エステル(349mg、0.848m
mol)に、1mlの酢酸エチル中5mlのエチル エーテルおよび0.113ml(0
.848mmol)のトリエタノールアミンを添加する。固体を集めて乾燥する。融点6
9−71℃。
【化3】

【0020】
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩
N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチ
ル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸 エチル エステル(3.2g(7.78mmo
l))に、32mlの酢酸エチルおよび940mg(7.78mmol)トリス(ヒドロ
キシメチル)アミノメタンを添加する。懸濁液を45mlの酢酸エチルで希釈し、一晩(
〜20時間)還流する。反応物を、0℃に冷却して濾過し、固体を酢酸エチルで洗浄し、
乾燥する。融点114〜115℃。
【0021】
トリエタノールアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンで形成されるN
−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)
−4−アミノ−2R−メチルブタン酸 エチル エステルの塩は新規物質であり、そしてN
EP阻害剤として用いられ得る。本発明の別の実施態様は、該新規塩、特にNEPの阻害
と関連する状態および疾病を予防および処置するため、NEP阻害剤としてのその使用、
該塩を含む医薬組成物、および本発明の組合せについて上記または下記開示の様に、特に
状態および疾病の処置のため、バルサルタンとの組合せである。
【0022】
バルサルタンとNEP阻害剤の組合せがバルサルタン、ACE阻害剤、またはNEP阻害剤のみの投与より高い治療作用を達成し、かつ血管ペプチダーゼ阻害剤のみの投与で見られるより少ない血管性浮腫を促進することは、驚くべく発見であった。より高い効果は、作用の長期持続時間としても示され得る。作用の持続時間は、次の投与前にベースラインまで戻る時間または曲線下面積(AUC)のいずれかとしてモニターされ、そして水銀mmでの血圧変化の結果(mmHgの変化)および作用の持続時間(分、時間、または日)として示される。
【0023】
さらなる利点は、本発明により組み合わされるべき個々の薬物のより少ない用量を用い
て投薬量を減らし得ること、例えば、投薬量がより少ないことがしばしば要求されるだけ
でなく、より少ない頻度で適用されることも必要とされること、または副作用の増加を少
なくするために用いられ得ることである。バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩
、およびNEP阻害剤またはその薬学的に許容される塩の組合せ投与は、より高いパーセ
ンテージの処置患者で優位な応答、つまり原因疾患の状態にも関係なくより高い応答率結
果となる。このことは、処置されるべき患者の希望および要求に一致する。
【0024】
バルサルタンおよびNEP阻害剤での組合せ治療は、改善された効果ならびにより高い
応答率により、より効果的な降圧治療(悪性高血圧、本態性高血圧、腎血管性高血圧、糖
尿病性高血圧、収縮期高血圧、または別の2次性高血圧のいずれであるかに関わらず)と
なることが示され得る。組合せは、(急性および慢性)鬱血性心不全のような心不全、左
心室機能障害および肥大型心筋症、糖尿病性心筋症、上室性不整脈および心室性不整脈、
心房細動、心房粗動または有害な血管リモデリングの処置または予防でも有用である。バ
ルサルタンおよびNEP阻害剤の治療が心筋梗塞およびその続発症の処置および予防で有
益であることがさらに示され得る。バルサルタン+NEP阻害剤の組合せは、アテローム
性動脈硬化症、狭心症(安定性または不安定性に関わらない)、および腎不全(糖尿病性
および非糖尿病性)の処置でも有用である。さらに、バルサルタンおよびNEP阻害剤を
用いる組合せ治療は内皮機能障害を改善し、それにより心不全、狭心症および糖尿病のよ
うに正常内皮機能が損なわれている疾病で有効となり得る。さらに、本発明の組合せは、
続発性アルドステロン症、原発性肺高血圧および2次性肺高血圧、糖尿病性ネフロパチー
の様な腎不全状態、糸球体腎炎、強皮症、糸球体硬化、初期腎臓疾病のタンパク尿、およ
び腎血管性高血圧、糖尿病性網膜症の処置または予防、片頭痛、末梢血管障害、レイノー
病、管腔細胞の過形成(luminal hyperplasia)、認知機能障害(例えば、アルツハイマ
ー病)、緑内障、および発作の様な他の血管性疾病の管理のため用いられ得る。
【0025】
一般名または商標名またはコード番号により同定される活性剤の構造は、標準的インデ
ックスの実体版「メルクインデックス」またはデータベース、例えば、Life Cycle Paten
ts International(例えば、IMS World Publications)から取得され得る。その対応する
内容は、引用により本明細書に取り込まれる。当業者は、この引例に基づき活性剤を完璧
に同定でき、同様に製造して、試験管内および生体内共に標準的な試験モデルで医薬品の
効能および特性を試験できる。
【0026】
例えば、US特許、EP、GB、JPまたはWO特許出願で言及されるNEP阻害剤に
関する主題、特に、請求項または実施例で開示される対応するNEP阻害剤および薬学的
に許容される塩、およびそれらを含む医薬組成物が、引用により本明細書に取り込まれる

【0027】
適当な分野の技術者は、上記および下記の治療効果で本発明の組合せの有効性を示すた
めの適切な試験モデルを充分に選択できる。
【0028】
代表的な試験は、例えば、以下の方法を適用して、バルサルタンとN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸 エチル エステルの組合せで行われ得る:
薬物の有効性は、正常塩量の食事または塩を添加した食事(ラットの固形飼料中4〜8%の塩、または飲料水として1%NaCl)のいずれかで維持された、酢酸デオキシコルチコステロン−塩ラット(DDCA塩)および自然発生高血圧発症ラット(SHR)を含む様々な動物モデルで調べられる。
【0029】
DOCA−塩試験モデルは、急性または慢性試験のプロトコールの何れかを利用する。
急性試験の方法には、大腿動脈および静脈カテーテルを挿着するラットを用いて6時間に
わたる実験時間で、様々な試験物質の効果を評価することを含む。急性試験の方法は、D
OCA−塩高血圧の確立期(established phase)で血圧を降下させる効力について試験
物質を評価する。対照的に、慢性試験の方法は、DOCA−塩高血圧の展開期(developm
ent phase)で血圧の上昇を予防または遅延させる試験物質の効力を評価する。それゆえ
、慢性試験の方法では、血圧は無線送信機によりモニターされる。無線送信機は、DOC
A−塩処置開始前、従って高血圧の誘導前にラットの腹部大動脈に外科的に埋め込まれる
。血圧は、最大6週間(DOCA−塩投与前約1週間および投与後5週間)継続的ににモ
ニターされる。
【0030】
ラットは、2〜3%のイソフルレンを含む酸素吸入に続いてアミタールナトリウム(ア
モバルビタール)(100mg/kg、腹腔)により麻酔される。麻酔レベルは、安定し
たリズムの呼吸パターンにより確認される。
【0031】
急性試験の方法:
ラットは、DOCA移植の際に片側性腎摘出を受ける。左側腹および首の後の毛がから
れ、滅菌アルコール綿およびポビドン/ヨウ素で消毒される。手術の間、ラットを加温パッドの上に置き、37℃の体温を維持する。
【0032】
皮膚とその下の筋肉が20mm切開され、左の腎臓が露出される。腎臓は周囲の組織か
ら離され、体外に出され、そして2度の結紮(3〜0シルク)が、大動脈との結合部に隣
接する腎動脈および腎静脈の周りでしっかりとなされる。続いて、腎動脈および腎静脈が
切断され、腎臓が取り除かれる。筋肉および皮膚の傷口は、4〜0シルク縫合糸およびス
テンレススチール傷用クリップでそれぞれ閉じられる。同時に、首の後が15mm切開さ
れ、そして酢酸デオキシコルチコステロン(100mg/kg)を含有する3週間放出ペ
レット(Innovative Research of America, Sarasota, Florida)が皮下に埋め込まれる
。続いて、傷がステンレス−スチールクリップで閉じられ、そして両方の傷がポビドン/
ヨウ素で処置される;ラットにプロカインペニシリンG(100,000U)の筋肉注射
およびブプレノルフィンの皮下注射(0.05〜0.1mg/kg)が手術後に行われる
。ラットは直ちに、1%NaCl+0.2%KCl飲料水の元に置かれる;この処置は、
少なくとも3週間、該動物が高血圧となり実験に利用可能となるまで続けられる。
【0033】
実験の48時間前に動物はイソフルレンで麻酔され、動脈圧の測定、血液採取、および
試験化合物の投与のため、大腿動脈および大腿静脈にカテーテルが入れられる。ラットは
、実験チャンバーとしても利用するプレキシグラスケージにいられ、48時間かけて回復
させる。
【0034】
慢性試験の方法:
この方法は、ラットが片側性腎摘出およびDOCAおよび塩の開始7〜10日前に無線
送信機を埋め込まれることを除いて、上記と同じである。さらに、このラットは大腿動脈
および大腿静脈にカテーテルを入れる手術を受けない。無線送信機は、M.K. Bazil, C. K
rulan and R.L. Webbに記載の様に埋め込まれる。心血管の遠隔モニタリングは、非麻酔
自然発症高血圧ラットのパラメーターとされる。J.Cardiovasc. Pharmacol. 22: 897-905
, 1993を参照されたい。
【0035】
続いて、事前に決めた時間ポイントで血圧、心拍数などを測定するため、コンピュータ
ーにプロトコールをセットアップする。ベースラインのデータは、様々な時間ポイントお
よび様々な時間間隔で集められる。例えば、ベースラインまたは投与前の値は普通、薬物
投与前24時間で集められたデータおよび3つの連続するデータの平均からなる。
【0036】
血圧、心拍数および活動は、薬物投与前、投与中、投与後の事前に選択した様々な時間
ポイントで測定される。測定全てが、非拘束(unrestrained)かつ平静(undisturbed)で
の動物で行われる。バッテリーの寿命で決まる試験の最長時間は9ヶ月に達し得る。この
継続時間の試験のため、ラットは一日当たり2回未満で経口投与されるか(1〜3ml/
kg添加剤)、または薬物が飲料水を介して、または餌と混ぜられて投与される。より短
い持続時間、つまり最大8週間の試験のため、薬物は皮下に埋め込まれた浸透圧性ミニポ
ンプを介して与えられる。浸透圧性ミニポンプは、薬物送達率および時間に基づき選択さ
れる。バルサルタンの投薬量は1〜10mg/kg/日の範囲であり、N−(3−カルボ
キシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−
2R−メチルブタン酸 エチル エステルは、10〜50mg/kg/日の範囲である。
【0037】
さらに、SHRを利用して、N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)
−p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸 エチル エステル
と組み合わせたバルサルタンの有効性が試験される。SHRの高血圧のバックグランドは
、レニンアンジオテンシンシステム(RAS)を抑制しようと努力しての慢性的な塩添加
、またはSHRでRASを活性化しての慢性的な塩の減少により、変更される。これらの
操作を行い、様々な試験物質の有効性をより広く評価する。自然発症高血圧ラット(SH
R)で行われる実験は、Taconic Farms, Germantown, New York (Tac:N(SHR)fBR)で代行
される。無線遠隔測定装置(Data Sciences International, Inc., St. Paul, Minnesota
)は、14〜16週齢の間の全試験動物のより下部の腹大動脈に埋め込まれる。全SHR
は、実験開始前の少なくとも2週間で外科的埋め込み手術から回復可能である。心臓血管
のパラメーターは、無線送信機を経由して連続してモニターされ、デジタルシグナルが集
められて、電子データ取得システムを用いて保存される受信機に送信される。血圧(動脈
の心臓収縮期圧および心臓拡張期圧の平均)および心拍数が、意識して、自由に動いて、
および影響を受けていないSHRでモニターされる。動脈血圧および心拍数は、10分毎
に10秒間測定されて記録される。各ラットについて記録されるデータは、24時間の平
均値を表し、1日ごとに集められる144〜10分の試料から作り上げられる。血圧およ
び心拍数のベースラインの値は、薬物処置の開始前に行われた3つの連続24時間の測定
値の平均からなる。全ラットは、温度と湿度の制御された部屋で個別に飼育され、12時
間の明暗サイクルで維持される。
【0038】
心臓血管のパラメーターに加えて、体重の毎週の測定値も全ラットで記録される。処置
は、飲料水、毎日の経口栄養補給を介して、または上記の浸透圧性ミニポンプでなされる
。飲料水に入れられる場合、飲料水量は1週間当たり5回測定される。続いて、個々のラ
ットのバルサルタンおよびN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p
−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸 エチル エステルの投
薬量が、各ラットについての飲料水量、飲料水中の薬物の濃度、および個々の体重に基づ
き計算される。飲料水中の薬物溶液は全て、3〜4日毎に新しい物にされる。飲料水中の
典型的な投薬量のバルサルタンは3〜30mg/kg/日の範囲であり、一方N−(3−
カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)−4−ア
ミノ−2R−メチルブタン酸 エチル エステルの投薬量は、用いられる特定の物質に高く
依存する。単一療法として投与される多くの場合、1日の用量は50mg/kg/日を超
えない。組合せの場合、より少ない投薬量の各物質が用いられ、対応してバルサルタンは
1〜30mg/kg/日の範囲で投与され、N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル
)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸 エ
チル エステルの投薬量は50mg/kg/日以下である。しかしながら、応答率が組合
せ処置で増加される場合の投薬量は、単一療法として用いられるものと等しい。
【0039】
薬物が経口栄養補給により投与される場合、バルサルタンの投薬量は1〜50mg/k
g/日の範囲であり、そしてN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−
p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸 エチル エステルは
100mg/kg/日を超えない。
【0040】
慢性試験の終了時に、SHRまたはDOCA−塩ラットは麻酔され、迅速に心臓が取り
出される。心房の付属器の分離および除去の後、左心室、および左心室+右心室(合計)
の重量が測定されて記録される。続いて、左心室、および心室の合計が体重に対して標準
化され記録される。血圧および心臓塊についての全記録値は平均±標準誤差を表す。
【0041】
血管の機能および構造は、組合せの有効性を評価するために処理された後、評価される
。SHRは、Intengan HD, Thibault G, Li JS, Schiffrin EL, Circulation 1999, 100
(22): 2267-2275で記載される方法により試験される。同様に、DOCA−塩ラットの血
管機能の評価方法は、Intengan HD, Park JB, Schiffrin, EL, Hypertension, 1999, 34(
4 Part 2): 907-913に記載される。
利用可能な結果は、本発明に記載の組合せの予測外の治療効果を示す。
【0042】
1つの態様において、本発明の対象は、例えば、高血圧、(急性および慢性)鬱血性心
不全の様な心不全、左心室機能障害および肥大型心筋症、糖尿病性心筋症、上室性不整脈
および心室性不整脈、心房細動、心房粗動、有害な血管リモデリング、心筋梗塞およびそ
の続発症、アテローム性動脈硬化症、狭心症(安定性または不安定性に関わらない)、腎
不全(糖尿病性および非糖尿病性)、心不全、狭心症、糖尿病、続発性アルドステロン症
、原発性肺高血圧および2次性肺高血圧、糖尿病性ネフロパチーの様な腎不全状態、糸球
体腎炎、強皮症、糸球体硬化、初期腎臓疾病のタンパク尿、および腎血管性高血圧、糖尿
病性網膜症からなる群から選択される状態または疾病の処置または予防のため、片頭痛、
末梢血管障害、レイノー病、管腔細胞の過形成、認知機能障害(例えば、アルツハイマー
病)、緑内障および発作の様な他の血管性疾病の管理のため、医薬品の組合せ組成物、(
i)AT1−拮抗剤バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および(ii)NE
P阻害剤またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む組成物
を提供することである。さらなる活性成分は、利尿剤、特にヒドロクロロチアジドであり
得る。
【0043】
該組成物において、成分(i)および(ii)が得られて、一緒に、交互、または1つ
の組み合わされた単位用量剤形または2つの別々の単位用量剤形で別々に投与され得る。
単位用量剤形は、固定した組合せでもあり得る。
【0044】
本発明のさらなる態様は、高血圧、(急性および慢性)鬱血性心不全の様な心不全、左
心室機能障害および肥大型心筋症、糖尿病性心筋症、上室性不整脈および心室性不整脈、
心房細動、心房粗動、有害な血管リモデリング、心筋梗塞およびその続発症、アテローム
性動脈硬化症、狭心症(安定性または不安定性に関わらない)、腎不全(糖尿病性および
非糖尿病性)、心不全、狭心症、糖尿病、続発性アルドステロン症、原発性肺高血圧およ
び2次性肺高血圧、糖尿病性ネフロパチーの様な腎不全状態、糸球体腎炎、強皮症、糸球
体硬化、初期腎臓疾病のタンパク尿、および腎血管性高血圧、糖尿病性網膜症からなる群
から選択される状態または疾病の処置または予防法、片頭痛、末梢血管障害、レイノー病
、管腔細胞の過形成、認知機能障害(例えば、アルツハイマー病)、緑内障および発作の
様な他の血管性疾病の管理方法であり、(i)AT1−拮抗剤バルサルタンまたはその薬
学的に許容される塩、および(ii)NEP阻害剤またはその薬学的に許容される塩の治
療上有効量の組合せ、および薬学的に許容される担体をかかる処置が必要な哺乳類に投与
することを含む。
【0045】
本発明の組合せのうち治療上有効量の各成分は、同時または任意の順序で連続して投与
され得る。
対応する活性成分またはその薬学的に許容される塩は水和物の形でも用いられるか、ま
たは結晶化に用いられる別の溶媒を含み得る。
【0046】
本発明に記載の医薬組成物はそれ自体既知の方法で製剤され、そして治療上有効量の薬
理学的に活性な化合物を単独で、または特に経腸投与または非経腸投与に適当な1または
それ以上の薬学的に許容される担体との組み合わせで含む、ヒトを含む哺乳類(温血動物
)への経口または直腸のような経腸投与、および非経腸投与に最適なものである。典型的
な経口の剤形は、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、エリキシル剤および懸濁剤を含む。典
型的な注射可能剤形は、水剤および懸濁剤を含む。
【0047】
上記の剤形で使用する典型的な薬学的に許容される担体は、ラクトース、スクロース、
マンニトールおよびソルビトールのような糖;コーンスターチ、タピオカスターチおよびかたくり粉のようなスターチ;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよびメチルセルロースのようなセルロースおよび誘導体;ジカルシウムリン酸塩およびトリカルシウムリン酸塩のようなカルシウムリン酸塩;硫酸ナトリウム;硫酸カルシウム;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ステアリン酸;ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類金属のステアリン酸塩;ステアリン酸;ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油およびコーン油のような植物油;非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および陰イオン界面活性剤;エチレングリコールポリマー;βシクロデキストリン;脂肪アルコール;およびシリアル固体加水分解物(hydrolyzed cereal solid)、ならびに毒性のない相性の良い他の充填剤、結合剤、崩壊剤、緩衝剤、保存剤、抗酸化剤、滑沢剤、香味剤、および医薬品製剤で通常用いられるものにより例示される。
【0048】
本発明は、キット形態の別々の医薬組成物の組合せにも関する。それは、2つの別々の
単位:バルサルタン医薬組成物およびNEP阻害剤である医薬組成物を含むキットである
。キットの形態は、別々の成分が異なる投薬形態(例えば、非経腸バルサルタン製剤およ
び経口NEP製剤)で投与されるべき場合、または異なる投薬間隔で投与される場合、特
に好都合である。
【0049】
該医薬品製剤は、薬理学的に活性な化合物を単独で、または通例の医薬補助物質を一緒
に含む製剤を、恒温動物へ経口投与のような経腸投与、および直腸投与または非経腸投与
するためである。例えば、医薬製剤は、約0.1%〜90%、好ましくは約1%〜約80
%の活性な化合物からなる。経腸投与または非経腸投与の医薬製剤は、例えば、コーティ
ングされた錠剤、錠剤、カプセル剤、または座薬およびアンプルのような単位用量剤形で
ある。これらは、例えば、通常の混合、造粒、コーティング、可溶化(solubulizing)ま
たは凍結乾燥工程を用いてそれ自体既知の方法で製剤される。従って、経口使用する医薬
製剤は、固形賦形剤と活性な化合物を組み合わせること、所望なら得られた混合物を造粒
すること、および所望または必要なら、混合物または顆粒を適当な補助物質を加えた後に
錠剤またはコーティングされた錠剤に処理することにより得られ得る。
【0050】
活性な化合物の投薬量は、投与形態、恒温動物、年齢および/または個々の状態のよう
な様々な因子に依存し得る。
本発明に記載の医薬組成物の活性成分の好ましい投薬量は、治療上有効量の投薬量、特
に通常利用可能な量である。
通常経口投与の場合、1日の用量約1mg〜約360mgが、例えば、約75kgの
体重の患者に対して見積もられるべきである。
【0051】
バルサルタンは、適当な単位用量剤形、例えば、カプセル剤または錠剤の形、および例
えば、約20〜320mgである治療上有効量が患者に適用され得るバルサルタンを含ん
だ形で供給され得る。活性成分の使用は、最大1日あたり3回であり、例えば、1日の用
量20mg〜40mgのバルサルタンで開始し、1日あたり80mgから1日あたり16
0mg、最大1日あたり320mgに増加する。好ましくは、バルサルタンは、心不全の
患者において1日当たり1回、または2回、それぞれ80mgの用量または160mgの
用量で適用される。相当する用量は、例えば、朝、昼または夕方に取られ得る。好ましく
は、心不全では1日1回、または1日2回の投与である。
【0052】
NEP阻害剤の場合、好ましい単位用量剤形は、例えば、一日毎に投与される約20m
g〜約800mg、好ましくは、約50mg〜約700mg、なおより好ましくは、約1
00mg〜600mg、そしてなおより好ましくは、約100mg〜約300mgを含む
錠剤またはカプセル剤である。
【0053】
利尿剤の場合、好ましい単位用量剤形は、例えば、約5mg〜約50mg、好ましくは
約6.25mg〜約25mgを含む錠剤またはカプセル剤である。一日の用量である6.
25mg、12.5mg、または25mgのヒドロクロロチアジドは、好ましくは1日に
1回で投与される。
上記の用量は、治療上有効量の本発明の活性成分を含む。
【0054】
以下の実施例は、上記の本発明を例示する;しかしながら、いかなる方法でも本発明の
範囲を制限することは意図しない。
剤形実施例1:
フィルムコーティングされた錠剤:
【表1】

*)処理中に取り除かれる。
【0055】
フィルムコーティングされた錠剤を、例えば以下の様に製造する:
バルサルタン、微結晶性セルロース、クロスポビドン、無水コロイダルシリカ/コロイ
ド二酸化ケイ素/Aerosile 200の一部、コロイド二酸化ケイ素、およびステアリン酸マグ
ネシウムの混合物を、拡散ミキサーで前もって混合し、続いて選別ミルを通してふるう。
生じた混合物を再び拡散ミキサーで前もって混合し、ローラー圧縮機で圧縮し、続いて選
別ミルを通してふるう。生じた混合物に、無水コロイダルシリカ/コロイド二酸化ケイ素
/Aerosile 200の残りを添加し、最終的な混合を拡散ミキサーで行う。混合物全部を、ロ
ータリー打錠機で圧縮し、錠剤を、せん孔パンでDiolack pale redを用いてフィルムでコ
ーティングする。
【0056】
剤形実施例2:
フィルムコーティングされた錠剤:
【表2】

フィルムコーティングされた錠剤を、例えば、剤形実施例1で記載の様に製造する。
【0057】
剤形実施例3:
フィルムコーティングされた錠剤:
【表3】

*)Opadry[登録商標]brown OOF16711着色剤の組成は以下で表にする。
*)処理中に取り除かれる。
【0058】
Opadry[登録商標]の組成:
【表4】

フィルムコーティングされた錠剤を、例えば、剤形実施例1で記載の様に製造する。
【0059】
剤形実施例4:
カプセル剤:
【表5】

【0060】
錠剤を、例えば以下の様に製造する:
造粒/乾燥
バルサルタン微結晶性セルロースを、流動層造粒機中で精製水に溶解したポビドンおよ
びラウリル硫酸ナトリウムからなる造粒溶液でスプレー造粒する。得た顆粒を流動層乾燥
機中で乾燥する。
【0061】
粉砕/混合
乾燥した顆粒を、クロスポビドンおよびステアリン酸マグネシウムと一緒に粉砕する。
続いて該塊を、コニカルスクリュー(srew)型のミキサーで約10分間混合する。
【0062】
カプセル化
空の硬ゼラチンカプセルを、制御した温度および湿度条件下で、混合した大量の顆粒で
詰める。詰めたカプセルを、付着粉を除き、視覚的に検査し、重量検査し、そして品質保
証部で検疫する。
【0063】
剤形実施例5:
カプセル剤:
【表6】

剤形を、例えば、剤形実施例4で記載の様に製造する。
【0064】
剤形実施例6:
硬ゼラチンカプセル剤:
【表7】

【0065】
剤形実施例7:
活性成分として、例えば、(S)−N−(1−カルボキシ−2−メチルプロプ−1−イ
ル)−N−ペンタノイル−N−[2’(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4
−イル−メチル]アミンを含む硬ゼラチンカプセル剤を、例えば、以下の様に製剤できる

【表8】

【0066】
成分(1)および(2)を、水中の成分(3)および(4)溶液で造粒する。成分(5
)および(6)を、乾燥顆粒に添加し、そして混合物をサイズ1の硬ゼラチンカプセルに
詰める。
本明細書で言及した全刊行物および特許は、本明細書で説明した様に全体として引用に
より取り込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)AT1−拮抗剤バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および(ii)
NEP阻害剤またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む、
医薬組成物。
【請求項2】
NEP阻害剤が、SQ28,603、N−[N−[1(S)−カルボキシル−3−フェ
ニルプロプリル]−(S)−フェニルアラニル]−(S)−イソセリン、N−[N−[(
(1S)−カルボキシ−2−フェニル)エチル]−(S)−フェニルアラニル]−β−ア
ラニン、N−[2(S)−メルカプトメチル−3−(2−メチルフェニル)−プロピオニ
ル]メチオニン、(cis−4−[[[1−[2−カルボキシ−3−(2−メトキシエト
キシ)プロピル]−シクロペンチル]カルボニル]アミノ]−シクロヘキサンカルボン酸
)、チオルファン、retro−チオルファン、ホスホラミドン、SQ29072、N−
(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)−
4−アミノ−2R−メチルブタン酸 エチル エステル、(S)−cis−4−[1−[2
−(5−インダニルオキシカルボニル)−3−(2−メトキシエトキシ)プロピル]−1
−シクロペンタンカルボキシアミド]−1−シクロヘキサンカルボン酸、3−(1−[6
−endo−ヒドロキシメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−exo−カルバモ
イル]シクロペンチル)−2−(2−メトキシエチル)プロパン酸、N−(1−(3−(
N−t−ブトキシカルボニル−(S)−プロピルアミノ)−2(S)−t−ブトキシ−カ
ルボニルプロピル)シクロペンタンカルボニル)−O−ベンジル−(S)−セリン メチ
ル エステル、4−[[2−(メルカプトメチル)−1−オキソ−3−フェニルプロピル
]アミノ]安息香酸、3−[1−(cis−4−カルボキシカルボニル−cis−3−ブ
チルシクロヘキシル−r−1−カルバモイル)シクロペンチル]−2S−(2−メトキシ
エトキシメチル)プロパン酸、N−((2S)−2−(4−ビフェニルメチル)−4−カ
ルボキシ−5−フェノキシバレリル)グリシン、N−(1−(N−ヒドロキシカルバモイ
ルメチル)−1−シクロペンタンカルボニル)−L−フェニルアラニン、(S)−(2−
ビフェニル−4−イル)−1−(1H−テトラゾール−5−イル)エチルアミノ)メチル
スルホン酸、(S)−5−(N−(2−(ホスホノメチルアミノ)−3−(4−ビフェニ
ル)プロピオニル)−2−アミノエチル)テトラゾール、β−アラニン、3−[1,1’
−ビフェニル]−4−イル−N−[ジフェノキシホスフィニル]メチル)−L−アラニル
、N−(2−カルボキシ-4−チエニル)−3−メルカプト−2−ベンジルプロパンアミ
ド、2−(2−メルカプトメチル−3−フェニルプロピオンアミド)チアゾール−4−イ
ルカルボン酸、(L)−(1−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル
)−メトキシ)カルボニル)−2−フェニルエチル)−L−フェニルアラニル)−β−アラ
ニン、N−[N−[(L)[1−[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イ
ル)−メトキシ]カルボニル]−2−フェニルエチル]−L−フェニルアラニル]−(R
)−アラニン、N−[N−[(L)−1−カルボキシ−2−フェニルエチル]−L−フェ
ニルアラニル]−(R)−アラニン、N−[2−アセチルチオメチル−3−(2−メチル
−フェニル)プロピオニル]−メチオニン エチル エステル、N−[2−メルカプトメチ
ル−3−(2−メチルフェニル)プロピオニル]−メチオニン、N−[2(S)−メルカ
プトメチル−3−(2−メチルフェニル)プロパノイル]−(S)−イソセリン、N−(
S)−[3−メルカプト−2−(2−メチルフェニル)プロピオニル]−(S)−2−メ
トキシ−(R)−アラニン、N−[1−[[1(S)−ベンジルオキシカルボニル−3−
フェニルプロピル]アミノ]シクロペンチルカルボニル]−(S)−イソセリン、N−[
1−[[1(S)−カルボニル−3−フェニルプロピル]アミノ]−シクロペンチルカル
ボニル]−(S)−イソセリン、1,1’−[ジチオビス−[2(S)−(2−メチルベ
ンジル)−1−オキソ−3,1−プロパンジイル]]−ビス−(S)−イソセリン、1,
1’−[ジチオビス−[2(S)−(2−メチルベンジル)−1−オキソ−3,1−プロ
パンジイル]]−ビス−(S)−メチオニン、N−(3−フェニル−2−(メルカプトメ
チル)−プロピオニル)−(S)−4−(メチルメルカプト)メチオニン、N−[2−アセ
チルチオメチル−3−フェニル−プロピオニル]−3−アミノ安息香酸、N−[2−メル
カプトメチル−3−フェニル−プロピオニル]−3−アミノ安息香酸、N−[1−(2−
カルボキシ−4−フェニルブチル)−シクロペンタンカルボニル]−(S)−イソセリン
、N−[1−(アセチルチオメチル)シクロペンタン−カルボニル]−(S)−メチオニン
エチル エステル、3(S)−[2−(アセチルチオメチル)−3−フェニル−プロピオ
ニル]アミノ−ε−カプロラクタム、およびN−(2−アセチルチオメチル−3−(2−
メチルフェニル)プロピオニル)−メチオニン エチル エステル、またはそれぞれの場合
の薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
NEP阻害剤がN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニ
ルフェニルメチル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸 エチル エステルであって、ト
リエタノールアミンまたはそのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、またはN−
(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)−
4−アミノ−2R−メチルブタン酸またはその薬学的に許容される塩である請求項2に記
載の医薬組成物。
【請求項4】
利尿剤をさらに含む請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
1つのパッケージ中の別々の容器内に医薬組成物を含むキットであって、一方の容器内
にNEP阻害剤を含む医薬組成物を、もう一方の容器内にバルサルタンを含む医薬組成物
を含むキット。
【請求項6】
高血圧、(急性および慢性)鬱血性心不全の様な心不全、左心室機能障害および肥大型
心筋症、糖尿病性心筋症、上室性不整脈および心室性不整脈、心房細動、心房粗動、有害
な血管リモデリング、心筋梗塞およびその続発症、アテローム性動脈硬化症、狭心症(安
定性または不安定性に関わらない)、腎不全(糖尿病性および非糖尿病性)、心不全、狭
心症、糖尿病、続発性アルドステロン症、原発性肺高血圧および2次性肺高血圧、糖尿病
性ネフロパチーの様な腎不全状態、糸球体腎炎、強皮症、糸球体硬化、初期腎臓疾病のタ
ンパク尿、および腎血管性高血圧、糖尿病性網膜症からなる群から選択される状態または
疾病の処置方法または予防方法、片頭痛、末梢血管障害、レイノー病、管腔細胞の過形成
、認知機能障害(例えば、アルツハイマー病)、緑内障および発作の様な他の血管性疾病
の管理方法であって、治療上有効量の(i)AT1−拮抗剤バルサルタンまたはその薬学
的に許容される塩、および(ii)NEP阻害剤またはその薬学的に許容される塩の組合
せ、および薬学的に許容される担体を、かかる処置が必要な哺乳類に投与することを含む
方法。
【請求項7】
NEP阻害剤が、SQ28603、N−[N−[1(S)−カルボキシル−3−フェニ
ルプロプリル]−(S)−フェニルアラニル]−(S)−イソセリン、N−[N−[((
1S)−カルボキシ−2−フェニル)エチル]−(S)−フェニルアラニル]−β−アラ
ニン、N−[2(S)−メルカプトメチル−3−(2−メチルフェニル)−プロピオニル
]メチオニン、(cis−4−[[[1−[2−カルボキシ−3−(2−メトキシエトキ
シ)プロピル]−シクロペンチル]カルボニル]アミノ]−シクロヘキサンカルボン酸)
、チオルファン、retro−チオルファン、ホスホラミドン、SQ29072、N−(
3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)−4
−アミノ−2R−メチルブタン酸 エチル エステル、(S)−cis−4−[1−[2−
(5−インダニルオキシカルボニル)−3−(2−メトキシエトキシ)プロピル]−1−
シクロペンタンカルボキシアミド]−1−シクロヘキサンカルボン酸、3−(1−[6−
endo−ヒドロキシメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−exo−カルバモイ
ル]シクロペンチル)−2−(2−メトキシエチル)プロパン酸、N−(1−(3−(N
−t−ブトキシカルボニル−(S)−プロピルアミノ)−2(S)−t−ブトキシ−カル
ボニルプロピル)シクロペンタンカルボニル)−O−ベンジル−(S)−セリン メチル
エステル、4−[[2−(メルカプトメチル)−1−オキソ−3−フェニルプロピル]ア
ミノ]安息香酸、3−[1−(cis−4−カルボキシカルボニル−cis−3−ブチル
シクロヘキシル−r−1−カルバモイル)シクロペンチル]−2S−(2−メトキシエト
キシメチル)プロパン酸、N−((2S)−2−(4−ビフェニルメチル)−4−カルボ
キシ−5−フェノキシバレリル)グリシン、N−(1−(N−ヒドロキシカルバモイルメ
チル)−1−シクロペンタンカルボニル)−L−フェニルアラニン、(S)−(2−ビフ
ェニル−4−イル)−1−(1H−テトラゾール−5−イル)エチルアミノ)メチルスル
ホン酸、(S)−5−(N−(2−(ホスホノメチルアミノ)−3−(4−ビフェニル)
プロピオニル)−2−アミノエチル)テトラゾール、β−アラニン、3−[1,1’−ビ
フェニル]−4−イル−N−[ジフェノキシホスフィニル]メチル)−L−アラニル、N
−(2−カルボキシ−4−チエニル)−3−メルカプト−2−ベンジルプロパンアミド、
2−(2−メルカプトメチル−3−フェニルプロピオンアミド)チアゾール−4−イルカ
ルボン酸、(L)−(1−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−
メトキシ)カルボニル)−2−フェニルエチル)−L−フェニルアラニル)−β−アラニン
、N−[N−[(L)−[1−[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル
)−メトキシ]カルボニル]−2−フェニルエチル]−L−フェニルアラニル]−(R)
−アラニン、N−[N−[(L)−1−カルボキシ−2−フェニルエチル]−L−フェニ
ルアラニル]−(R)−アラニン、N−[2−アセチルチオメチル−3−(2−メチル−
フェニル)プロピオニル]−メチオニン エチル エステル、N−[2−メルカプトメチル
−3−(2−メチルフェニル)プロピオニル]−メチオニン、N−[2(S)−メルカプ
トメチル−3−(2−メチルフェニル)プロパノイル]−(S)−イソセリン、N−(S
)−[3−メルカプト−2−(2−メチルフェニル)プロピオニル]−(S)−2−メト
キシ−(R)−アラニン、N−[1−[[1(S)−ベンジルオキシカルボニル−3−フ
ェニルプロピル]アミノ]シクロペンチルカルボニル]−(S)−イソセリン、N−[1
−[[1(S)−カルボニル−3−フェニルプロピル]アミノ]−シクロペンチルカルボ
ニル]−(S)−イソセリン、1,1’−[ジチオビス−[2(S)−(2−メチルベン
ジル)−1−オキソ−3,1−プロパンジイル]]−ビス−(S)−イソセリン、1,1
’−[ジチオビス−[2(S)−(2−メチルベンジル)−1−オキソ−3、1−プロパ
ンジイル]]−ビス−(S)−メチオニン、N−(3−フェニル−2−(メルカプトメチ
ル)−プロピオニル)−(S)−4−(メチルメルカプト)メチオニン、N−[2−アセ
チルチオメチル−3−フェニル−プロピオニル]−3−アミノ安息香酸、N−[2−メル
カプトメチル−3−フェニル−プロピオニル]−3−アミノ安息香酸、N−[1−(2−
カルボキシ−4−フェニルブチル)−シクロペンタンカルボニル]−(S)−イソセリン
、N−[1−(アセチルチオメチル)シクロペンタン-カルボニル]−(S)−メチオニン
エチル エステル、3(S)−[2−(アセチルチオメチル)−3−フェニル−プロピオ
ニル]アミノ−ε−カプロラクタム、およびN−(2−アセチルチオメチル−3−(2−
メチルフェニル)プロピオニル)−メチオニン エチル エステル、およびそれぞれの場合
の薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
NEP阻害剤が、N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェ
ニルフェニルメチル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸 エチル エステルであって、
トリエタノールアミンまたはそのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、またはN
−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)
−4−アミノ−2R−メチルブタン酸またはその薬学的に許容される塩である、請求項6
に記載の方法。
【請求項9】
N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチ
ル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸 エチル エステルのトリエタノールアミン塩。
【請求項10】
N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチ
ル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸 エチル エステルのトリス(ヒドロキシメチル
)アミノメタン塩。
【請求項11】
請求項9に記載の塩を含む医薬組成物。
【請求項12】
請求項10に記載の塩を含む医薬組成物。

【公開番号】特開2011−207898(P2011−207898A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116928(P2011−116928)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【分割の表示】特願2003−559507(P2003−559507)の分割
【原出願日】平成15年1月16日(2003.1.16)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】