説明

バルブ及びバルブの製造方法

【課題】 閉弁状態におけるシール性能が従来より高いバルブを提供すると共に、バルブを従来より効率よく製造することが可能なバルブの製造方法の提供する。
【解決手段】 本発明によれば、ボール17をセラミックスで構成したことにより、従来のスチール製のボールより真球度を高くすることができる。これにより、ボール17と弁座15とが安定して密着し、閉弁状態におけるシール性能が向上する。また、本発明のバルブの製造方法によれば、弁座15にボール接触面15Bの形成するために用いたボール17を、弁口13を開閉するための弁体としてのボール17に兼用するので、それらボールを用途毎に区別していた従来の製造方法に比べて、効率よくバルブ10を製造することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールを弁座に接離して弁口を開閉するバルブ及びそのバルブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のバルブに備えたボールはスチール製のものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。そして、例えばCOエアコンの冷媒(CO)をチャージ又は開放するために使用されるバルブ(リリーフバルブ又はチャージバルブ)では、高圧の冷媒を封止する必要性からボール及び弁座を共に金属製にした所謂メタルシール構造が採用されていた。
【特許文献1】特開2002−81562号公報(段落[0027]、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記したバルブでは、ボールが弁座から接離する度にボールのうち弁座に当接する部分が変わり得るのでボールの真球度が要求された。しかしながら、スチール製のボールでは十分な真球度を得ることができず、COエアコンの冷媒漏れが問題になり得た。また、ボールと弁座との密着度を高めるためには、ボールを弁座に押し付けて円環帯状の打痕を形成する必要がある。ところが、その円環帯状の打痕を形成する際にボールが変形して真球度が低下し得る。このため、従来は比較的硬度が高い鋼鉄製のバルブ製造用ボールで打痕を形成してから、そのバルブ製造用ボールを弁体用のボールに取り替えていた。このため、バルブの製造を効率よく行うことができなかった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、閉弁状態におけるシール性能が従来より高いバルブの提供と、バルブを従来より効率よく製造することが可能なバルブの製造方法の提供とを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るバルブ(10,60)は、弁口(13)の周囲の弁座(15)にボール(17)を接離して弁口(13)を開閉するバルブ(10,60)において、ボール(17)をセラミックスで構成したところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のバルブ(10,60)において、セラミックスを窒化ケイ素で組成したところに特徴を有する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載のバルブ(10,60)において、ボール(17)の真球度を、0.2μmより小さな値にしたところに特徴を有する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項2乃至3に記載のバルブ(10,60)において、ボール(17)の面粗度を、Ra0.03μmより小さな値にしたところに特徴を有する。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載のバルブ(10,60)において、弁座(15)には、ボール(17)と面接触可能な円環帯状のボール接触面(15B)が備えられたところに特徴を有する。
【0010】
請求項6の発明に係るバルブ(10,60)の製造方法は、弁口(13)の周囲の弁座(15)に弁体を接離して弁口(13)を開閉するバルブ(10,60)の製造方法において、セラミックス製のボール(17)を弁座(15)に押圧して円環帯状の打痕であるボール接触面(15B)を形成し、そのボール接触面(15B)の形成に用いたボール(17)を弁口(13)を開閉する弁体としてのボール(17)に兼用するところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0011】
[請求項1,2及び3の発明]
本発明によれば、ボール(17)をセラミックスで構成したことにより、従来のスチール製のボールより真球度を高くすることができる。これにより、ボール(17)と弁座(15)とが安定して密着し、閉弁状態におけるシール性能が向上する。具体的には、ボール(17)の真球度を、0.2μmより小さな値にすることが好ましい(請求項3の発明)。また、セラミックスの組成としては、例えば、炭化ケイ素、アルミナ、炭化チタン、窒化アルミニウム、及び、窒化ケイ素等が挙げられる。その中でも、請求項2の構成のように窒化ケイ素で組成されたセラミックスでボール(17)を構成することが好ましい。
【0012】
[請求項4の発明]
ボール(17)をセラミックスで構成すると、従来のスチール製のボールより面粗度も向上する。その面粗度としては、請求項4の構成のように、Ra0.03μmより小さな値にすることが好ましい。
【0013】
[請求項5の発明]
請求項5の構成によれば、ボール(17)が弁座(15)に備えたボール接触面(15B)に面接触するので、ボール接触面(15B)を備えず、ボール(17)が弁座(15)に線接触する構成のものに比べてシール性能が向上する。
【0014】
[請求項6の発明]
セラミックス製のボール(17)はスチール製のボールに比べて変形し難い。従って、請求項6のバルブ(10,60)の製造方法のように、セラミックス製のボール(17)で円環帯状の打痕であるボール接触面(15B)を形成し、そのボール(17)を弁体としてのボール(17)に兼用することができ、効率よくバルブ(10,60)を製造することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。本実施形態のバルブ10におけるバルブ本体11は、図1の上下方向に延びた軸体構造をなしている。そして、バルブ本体11の外面における下端寄り位置には、工具係止部11Aが張り出し形成され、工具係止部11Aより下側にシール装着部11B、雄ねじ部11Cが順番に形成されている。そして、雄ねじ部11Cが例えばCOエアコン50(以下、単に「エアコン50」という)の冷媒流路51にねじ込まれ、シール装着部11Bと冷媒流路51の開口縁との間でOリング52が押し潰されている。なお、工具係止部11Aは、バルブ本体11の軸方向から見ると例えば六角形になっている。
【0016】
バルブ本体11の軸心部分には、流路12が貫通形成されている。流路12の途中部分には、流路12の内径を絞って弁口13が形成されている。弁口13を囲む周壁14のうち図1における下側部分が弁座15になっている。また、流路12のうち弁口13より上側部分は外側開放部屋12Aになっており、周壁14は外側開放部屋12Aの内面から直角に立ち上がっている。
【0017】
流路12のうち弁口13より下側部分は内側開放部屋12Bをなし、弁座15には、内側開放部屋12Bから弁口13に向かって徐々に縮径したテーパー面15Aが備えられている。内側開放部屋12Bには、弁口13を開閉する弁体としてのボール17と、ボール17を下方から押し上げて弁座15に押し付けるためのボール押上機構20が備えられている。ボール押上機構20は、流路12の内面に固定されたベース部22と、そのベース部22に直動可能に支持された可動部21と、可動部21とベース部22との間で突っ張り状態になった圧縮コイルバネ23とを備えてなる。ベース部22は、円筒体22Aの下端部から側方に複数のスポーク22Bを張り出し、それらスポーク22Bの先端を円筒体22Aと同心のベースリング22Cに接続した構造になっている。また、流路12のうち下端開口部は段付き状に拡径されており、その段差部分より下にCリング溝12Cが形成されている。そして、そのCリング溝12Cに係止したCリング18と段差部分との間にベースリング22Cが挟まれて固定されている。
【0018】
可動部21は、シャフト21Aの上端にボール受台21Bを備えてなり、ボール受台21Bの上面には、すり鉢状に陥没したテーパー面21Cが形成されている。そして、シャフト21Aがベース22の円筒体22Aにおける内側に直動可能に嵌合され、圧縮コイルバネ23が、ボール受台21Bとスポーク22Bとの間で突っ張り状態になっている。これにより、ボール押上機構20は、ボール受台21Bのテーパー面21Cでボール17を受け、そのボール17を下方から押し上げて弁座15に押し付けている。
【0019】
流路12のうち外側開放部屋12Aには、強制開弁機構25が備えられている。強制開弁機構25は、外側開放部屋12A内を直動するプッシュピン26と、そのプッシュピン26をボール17に向けて付勢するための圧縮コイルバネ27と、圧縮コイルバネ27の一端部を位置決めするためのCリング19とを備えてなる。プッシュピン26は、円柱体26Aの両端面における中心からシャフト部26B,26Cを突出した構造になっており、円柱体26Aにおける中心の周りには、複数の流体通気孔26Dが軸方向に貫通形成されている。また、外側開放部屋12A内のうち上端開口寄り位置にはCリング溝12Dが形成され、そこにCリング19が係止している。そして、プッシュピン26の上面とCリング19の下面との間で圧縮コイルバネ27が突っ張り状態になってプッシュピン26が下方に付勢され、下側のシャフト部26Bの先端がボール17に押し付けられている。この圧縮コイルバネ27の弾発力は、前述したボール押上機構20の圧縮コイルバネ23の弾発力に比べて小さく設定されている。これにより、自然状態では、ボール17が弁座15に押し付けられ、かつ、そのボール17にプッシュピン26が押し付けられている。なお、上側のシャフト部26Cには、その上端部の径を大きくしてヘッド部26Eが形成されている。
【0020】
さて、ボール17は、セラミックスで構成されている。そのセラミックスは、窒化ケイ素(Si)で組成されている。具体的には、ボール17を構成するセラミックスは、所定の粒径の窒化ケイ素を焼結することで非孔質構造とされ、その真球度は0.13[μm]、面粗度はRa0.02[μm]、硬度はHv.1600になっている。一方、バルブ本体11は、金属(例えば、黄銅、アルミニウム)で構成されている。また、弁座15のテーパー面15Aには、図3に示すようにボール17と面接触可能な円環帯状の打痕であるボール接触面15Bが形成されている。
【0021】
次に、上記構成からなるバルブ10の製造方法について説明する。まず、バルブ本体11(図1参照)を図示しない治具に固定して、そのバルブ本体11の流路12における内側開放部屋12Bにボール17を収容する。この状態で、図示しない加圧装置にてボール17を弁座15のテーパー面15Aに押し付ける。これにより、テーパー面15Aの一部にボール17の外面の一部が食い込んで、その打痕として円環帯状のボール接触面15B(図3参照)が形成される。従って、そのボール接触面15Bは、ボール17と同じ曲率で幅方向に丸みを帯びた形状となる。ここで、ボール17はセラミックス製であるから、ボール接触面15Bとしての打痕の形成に用いられても変形し難い。そこで、打痕の形成に用いたボール17を、内側開放部屋12Bに収容したまま、弁体としてのボール17に兼用する。
【0022】
次いで、図1に示すようにベース部22における円筒体22Aの外側に圧縮コイルバネ23を挿入しかつ、可動部21のシャフト21Aを円筒体22Aの内側に挿入してボール押上機構20をアッシ化する。そして、ボール押上機構20全体を内側開放部屋12B内に嵌合して、ベースリング22Cを内側開放部屋12Bの内面における段差部分に突き当てる。この状態でCリング18をCリング溝12Cに係止させる。これにより、ボール押上機構20と共にボール17が内側開放部屋12B内に保持される。
【0023】
次いで、流路12の外側開放部屋12A側に、プッシュピン26及び圧縮コイルバネ27を挿入してから、Cリング19をCリング溝12Dに係止させる。以上により、バルブ10が完成する。このように、本実施形態のバルブ10の製造方法によれば、弁座15にボール接触面15Bの形成するために用いたボール17を、弁口13を開閉する弁体としてのボール17に兼用するので、それらボールを用途毎に区別していた従来の製造方法に比べて、効率よくバルブ10を製造することが可能になる。
【0024】
上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
図1に示すように、バルブ10を、例えばエアコン50の冷媒流路51にねじ込んで固定すると、その冷媒流路51の開口がバルブ10によって閉塞された状態になる。そして、エアコン50に冷媒(例えば、CO)をチャージするには、バルブ10の上端開口に図示しない冷媒供給ノズルを接合して、そのノズルからバルブ10の流路12内に圧縮流体としての冷媒を供給する。詳細には、冷媒供給ノズルに付属したプッシュロッドP(図2参照)により、プッシュピン26を押し下げて弁口13を強制開放し、冷媒流路51をバキュームしてから、その後、冷媒を冷媒流路51にチャージする。
【0025】
エアコン50内の冷媒の圧力が所定圧に達したら、ノズルをバルブ10から離脱する。すると、主としてエアコン50内の冷媒による内圧によってボール17が弁座15に押し付けられる。そして、ボール17の一部と弁座15におけるボール接触面15Bとが面当接してボール17と弁座15との間がシールされ、弁口13が塞がれる。ところで、バルブ10が開閉される度に、ボール17が弁座15から離れ、ボール17のうち弁座15に当接する部分は変わり得る。しかしながら、本実施形態のバルブ10では、ボール17をセラミックス製にしたことで、従来のスチール製のボールに比べて真球度を高くすることができ、ボール17と弁座15とが安定して密着する。これにより、閉弁状態におけるシール性能が向上し、従来より冷媒の漏れを低減させることができる。しかも、ボール17の硬度も高くなったので耐摩耗性も向上してバルブ10の信頼性も向上する。
【0026】
[第2実施形態]
本実施形態のバルブ60は、図4及び図5に示されている。本実施形態のバルブ60に備えたバルブ本体11は、工具係止部11Aの下面にパッキン53を備え、工具係止部11Aの下面中心から突出した雄ねじ部11Cを、例えばエアコンの冷媒流路(図1参照)にねじ込みかつパッキン53を押し潰した状態にして固定される。
【0027】
また、本実施形態のバルブ60では、流路12の下端部に弁口13を備え、その弁口13の周りを囲む周壁14の上側部分が弁座15になっている。そして、弁座15の上方にボール17が配置され、さらに上方にボール押下機構61が備えられている。そのボール押下機構61は、外側開放部屋12A内を直動する直動部材64と、その直動部材64をボール17に向けて付勢する圧縮コイルバネ63と、直動部材64との間で圧縮コイルバネ63を挟持するための筒部材62とを備えてなる。
【0028】
直動部材64は、略円柱状をなし、両端部に小径部64C,64Dを備えている。その下端側の小径部64Cの径方向に第1通気孔64Bが貫通形成されている。また、直動部材64の中心部には第2通気孔64Aが形成され、その第2通気孔64Aの上端部は直動部材64の上端面に開放する一方、第2通気孔64Aの下端部は第1通気孔64Bに連通している。筒部材62は、略円柱状をなし、下端部に小径部62Bを備えている。また、筒部材62の中心には貫通孔62Aが形成されている。さらに、筒部材62の外周面には、雄ねじ部62Cが形成されている。そして、流路12の開口縁に形成された雌ねじ部12Eに、筒部材62の雄ねじ部62Cが螺合して筒部材62がバルブ本体11に固定されている。
【0029】
圧縮コイルバネ63は、筒部材62と直動部材64との間に挟まれて圧縮変形されている。これにより、直動部材64が下方に付勢され、ボール17が弁座15に押し付けられている。なお、圧縮コイルバネ63の両端部は、筒部材62の小径部62B及び直動部材64の小径部64Dの外側に嵌合されている。
【0030】
上記した構成以外は、第1実施形態と同一であるので、それら同一部位には第1実施形態と同一符号を付して重複説明は省略する。
【0031】
本実施形態のバルブ60では、ボール17より弁口13の空間の流体圧力が、所定の値より大きくなった場合に、図5に示すように圧縮コイルバネ63の弾発力に抗してボール17が流体圧力により弁座15から離される。これにより、弁口13が開放して、流体が排出される。また、本実施形態のバルブ60に備えたボール17は、前記第1実施形態と同様にセラミックス製であるので、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0032】
[実施例]
上記した第2実施形態のバルブ60を本発明の実施品として製作すると共に、ボール17をステンレス製(例えば、SUS440C)に変更した点以外は実施品と略同一構成の従来品も併せて製作し、それらの性能評価試験を行った。その評価方法としては、環境保護の基準を満たすか否かで判別した。具体的には、環境保護の基準として、エアコン等の冷媒(例えば、CO)に関しては、バルブが11[MPa]の流体圧力を受けた状態で、1年間における流体の総洩れ量を0.5[g]以下にしなければならないという基準が設けられている。そこで、実施品及び従来品におけるボール17より弁口13側に11[MPa]の流体圧力をかけて所定時間当たりの洩れ量を求め、これを1年当たりの流体の総洩れ量に換算して、上記基準値と比較した。
【0033】
【表1】

【0034】
表1に示したように、従来品では、ボール17より弁口13側の流体圧力が2〜4[MPa]になったところで冷媒の洩れが大きくなり、11[MPa]にすることができなかった。これに対し、本発明の実施品では、流体圧力を11[MPa]にすることができ、この状態で1時間当たりの流体の洩れ量は、0.032[cc]になった。これを、1年間における流体の総洩れ量に換算すると0.5[g]以下になり、上述した環境保護上の基準を満たす結果となった。また、本発明の実施品に備えたセラミックス製のボール17は、表1に示すように従来品に備えたステンレス製のボールに対して、真球度、面粗度、硬度が共に改善された。このことより、本発明の実施品では、ボール17をセラミックス製にして真球度等を高くしたことにより、シール性能が向上したと推測される。
【0035】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0036】
(1)前記第1実施形態では、ボール押上機構20によってボール17を弁座15に押し付けていたが、ボール押上機構20を備えずに、冷媒の内圧のみによってボール17が弁座15に押し付けられる構成のバルブに本発明を適用してもよい。
【0037】
(2)前記各実施形態のボール17は、窒化ケイ素で組成されたセラミックスであったが、例えば、炭化ケイ素、アルミナ、炭化チタン又は、窒化アルミニウムで組成されたセラミックスでボール17を構成してもよい。但し、前記各実施形態のように窒化ケイ素で組成されたセラミックスでボール17を構成することが好ましい。なぜなら、窒化ケイ素は、共有結合性が比較的高く、熱膨張係数が比較的小さいからである。
【0038】
(3)前記第1実施形態のバルブ10では、ベース部22における円筒体22Aの内側に可動部21のシャフト21Aが嵌合されていたが、図6に示すようにベース部22の中心に支柱22Dを設け、その支柱22Dの中心にガス抜き孔22Eを形成する一方、可動部21に円筒部21Dを設け、その円筒部21Dを支柱22Dの外側に嵌合した構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施形態に係るバルブの断面図
【図2】そのバルブが開弁した状態の断面図
【図3】弁座の部分拡大断面図
【図4】第2実施形態に係るバルブの断面図
【図5】そのバルブが開弁した状態の断面図
【図6】変形例のバルブの断面図
【符号の説明】
【0040】
10,60 バルブ
11 バルブ本体
12 流路
13 弁口
15 弁座
15A テーパー面
15B ボール接触面
17 ボール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁口(13)の周囲の弁座(15)にボール(17)を接離して前記弁口(13)を開閉するバルブ(10,60)において、前記ボール(17)をセラミックスで構成したことを特徴とするバルブ(10,60)。
【請求項2】
前記セラミックスを窒化ケイ素で組成したことを特徴とする請求項1に記載のバルブ(10,60)。
【請求項3】
前記ボール(17)の真球度を、0.2μmより小さな値にしたことを特徴とする請求項2に記載のバルブ(10,60)。
【請求項4】
前記ボール(17)の面粗度を、Ra0.03μmより小さな値にしたことを特徴とする請求項2乃至3に記載のバルブ(10,60)。
【請求項5】
前記弁座(15)には、前記ボール(17)と面接触可能な円環帯状のボール接触面(15B)が備えられたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のバルブ(10,60)。
【請求項6】
弁口(13)の周囲の弁座(15)に弁体を接離して前記弁口(13)を開閉するバルブ(10,60)の製造方法において、
セラミックス製のボール(17)を前記弁座(15)に押圧して円環帯状の打痕であるボール接触面(15B)を形成し、そのボール接触面(15B)の形成に用いた前記ボール(17)を前記弁口(13)を開閉する前記弁体としてのボール(17)に兼用することを特徴とするバルブ(10,60)の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−258191(P2006−258191A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−76381(P2005−76381)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(000204033)太平洋工業株式会社 (143)
【Fターム(参考)】