説明

バルーン照明システム

【課題】 本発明は,様々な用途に用いることができ,ユーザにワクワク感を与えるようなバルーン照明システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は,基本的には,加速度センサを用いることで,バルーンが急速に移動した場合に発光色を変化させることができるバルーン照明システムを提供することができるという知見に基づく。バルーン照明システムは,バルーン1と,バルーン1の内部に収容された送受信器3付きLED5と,LED5の送受信器3へ色指令に関する無線信号を出力する色指令装置7と,を有するバルーン照明システム10に関する。そして,送受信器3付きLED5は,加速度センサ13を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバルーン照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2008−125718号公報には,浮遊発光風船が開示されている。この風船は,発光体に音に反応するセンサを取り付け,外部から音がしたら自動的に発光するようにしたものや,発光体に振動に反応するセンサを取り付け,外部から振動を与えると自動的に発光するようにしたものが開示されている(段落[0032])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−125718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,特開2008−125718号公報に開示された浮遊発光風船は,発光体の色を変化させることは意図されておらず,嗜好性に乏しい。
【0005】
そこで,本発明は,様々な用途に用いることができ,ユーザにワクワク感を与えるようなバルーン照明システムを提供することを目的とする。
【0006】
また,本発明は,複数のバルーン照明について同期をとって,いっせいに発光色を変化させることができるバルーン照明システムを提供することを目的とする。
【0007】
さらに,本発明は,屋内照明とバルーン照明について同期をとって,バルーン照明を変化させるとともに屋内照明の発光色も変化させることができるバルーン照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は,基本的には,加速度センサを用いることで,バルーンが急速に移動した場合に発光色を変化させることができるバルーン照明システムを提供することができるという知見に基づく。
【0009】
本発明の第1の側面は,バルーン1と,バルーン1の内部に収容された送受信器3付きLED5と,LED5の送受信器3へ色指令に関する無線信号を出力する色指令装置7と,を有するバルーン照明システム10に関する。そして,送受信器3付きLED5は,加速度センサ13を有する。
【0010】
LED5の送受信器3は,加速度センサ13が観測した加速度に関する情報を,色指令装置7へ送信する。次に,色指令装置7は,加速度に関する情報を受信し,加速度に基づいてLED5の色を決定し,決定したLED5の色に関する情報をLED5に送信する。その後,LED5の送受信装置は,色指令装置7から送信されたLED5の色に関する情報を受信して,LED5は,当該受信したLED5の色に関する情報に基づいて色を変化させる。
【0011】
このバルーン照明システムの好ましい態様は,色指令装置7は,閾値を記憶した閾値記憶部15を有するものである。そして,色指令装置7は,加速度と閾値記憶部15に記憶される閾値とを比較して,加速度が閾値以上である場合に,LED5の色を変化させるように色に関する情報を出力する。
【0012】
このバルーン照明システムの好ましい態様は,色指令装置7は,閾値を記憶した閾値記憶部15とLED5の色の順番を記憶したカラーオーダー記憶部17を有するものである。そして,加速度と閾値記憶部15に記憶される閾値とを比較して,加速度が閾値以上である場合に,カラーオーダー記憶部17に記憶されたLED5の色の順にLED5の色を変化させるよう,LED5の色に関する情報を出力する。
【0013】
このバルーン照明システムの好ましい態様は,色指令装置7は,閾値を記憶した閾値記憶部15と,加速度の方向とLED5の色の関係を記憶したカラー記憶部19を有するものである。そして,加速度と閾値記憶部15に記憶される閾値とを比較して,加速度が閾値以上である場合に,加速度の方向に関する情報を用いてカラー記憶部19からLED5の色に関する情報を読み出して,読み出したLED5の色に関する情報を出力する。
【0014】
このバルーン照明システムの好ましい態様は,バルーン1が複数存在するものである。そして,色指令装置7は,あるバルーン1から受信した加速度に関する情報がLED5の色を変化させる値である場合には,すべてのバルーン1にLED5の色に関する情報を送信する。すると,複数のバルーン1に含まれるそれぞれの送受信器3は,色に関する情報を受信して,複数のLED5は,それぞれのLED5の色を変化させる。
【0015】
このバルーン照明システムの好ましい態様は,1又は複数の屋内照明21をさらに有するものである。この1又は複数の屋内照明21は,色指令装置7からの指令によりその色を変化させるものである。
【0016】
そして,色指令装置7は,バルーン1から受信した加速度に関する情報がLED5の色を変化させる値である場合には,LED5にLED5の色に関する情報を送信するとともに,1又は複数の屋内照明21へ色に関する情報を送信する。すると,バルーン1に含まれるそれぞれの送受信器3は,色に関する情報を受信して,それぞれのLED5の色を変化させる。一方,1又は複数の屋内照明21は,色に関する情報に基づいて照明色を変化させる。
【0017】
このバルーン照明システムの好ましい態様は,1又は複数のスクリーン22をさらに有するものである。この1又は複数のスクリーン22は,色指令装置7からの指令によりその色を変化させるものである。
【0018】
そして,色指令装置7は,バルーン1から受信した加速度に関する情報がLED5の色を変化させる値である場合には,LED5にLED5の色に関する情報を送信するとともに,1又は複数のスクリーン22へ色に関する情報を送信する。すると,バルーン1に含まれるそれぞれの送受信器3は,色に関する情報を受信して,それぞれのLED5の色を変化させる。一方,1又は複数のスクリーン22は,色に関する情報に基づいて照明色を変化させる。
【0019】
バルーン照明システムの好ましい態様は,バルーンの内部に他のバルーンに対して発光色を変化させる指令を無線送信する機能を有するものである。このシステムも,先に説明したものと同様,第1のバルーン31と,第1のバルーン31の内部に収容された送受信器33付きLED35を有する。また,このバルーン照明システムは,複数のバルーンが存在することが前提である。それらを代表して第2のバルーンとすると,第2のバルーン41は,第1のバルーン31とは別のバルーンあって,内部に収容された送受信器43付きLED45を有するものである。
【0020】
そして,第1のバルーン31の送受信器付きLED35及び第2のバルーン41の送受信器付きLED45は,それぞれ加速度センサ36,46を有する。LED35,LED45は,加速度センサ36,46が測定した加速度により発光色を変化させるとともに,第1のバルーン31の送受信器33又は第2のバルーン41の送受信器43から色に関する無線信号を出力する。そして,無線信号を受け取った第1のバルーン31の送受信器33又は第2のバルーン41の送受信器43は,色に関する情報を受信して,第1のバルーン31の内部のLED35又は第2のバルーン41内部のLED45の発光色を変化させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば,加速度センサにより発光色を変化させることができるので,ユーザにワクワク感を与えるようなバルーン照明システムを提供することができる。
【0022】
また,本発明によれば,複数のバルーン照明について同期をとって,いっせいに発光色を変化させることができるので,より嗜好性の強いバルーン照明システムを提供することができる。
【0023】
特に,この複数のバルーン照明を有するシステムは,ライブなどにおいて好ましく用いることができる。ライブにおいてこのバルーン照明システムを用いれば,観客の頭上に複数のバルーンを浮遊させることができる。オーディエンスがバルーンを打つことで,発光色を変化させることができる。すなわち,ライブ空間を,DJ,VJ,演出家などのみによって構築された空間ではなく,オーディエンスの意図・行為を反映できる空間とすることができる。
【0024】
さらに,本発明は,屋内照明とバルーン照明について同期をとって,バルーン照明を変化させるとともに屋内照明の発光色も変化させることができるので,さらに嗜好性の強いバルーン照明システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は,バルーン照明システムの概念を示すブロック図である。
【図2】図2は,バルーン照明システムの別の例の概念を示すブロック図である。
【図3】図3は,バルーン及びLEDを複数有する本発明のバルーン照明システムの概念を示すブロック図である。
【図4】図4は,バルーンの色がいっせいに変化する様子を示す概念図である。
【図5】図5は,バルーンの変化にともない,屋内照明の色も変化するバルーン照明システムの概念を示すブロック図である。
【図6】図6は,バルーン照明の発光色と屋内照明の発光色が変化した様子を示す図である。
【図7】図7は,バルーン照明の発光色とスクリーンの発光色が変化した様子を示す図である。
【図8】図8は,バルーン照明システムの概念を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は,バルーン照明システムの概念を示すブロック図である。図1に示されるように,このシステムは,バルーン1と,バルーン1の内部に収容された送受信器3付きLED5と,LED5の送受信器3へ色指令に関する無線信号を出力する色指令装置7とを有する。
【0027】
バルーン1は,空中に浮遊するものであれば,特に限定されない。バルーンの大きさは,たとえば,直径50cm以上3m以下があげられる。バルーンの中には,たとえば,窒素,ヘリウム,又は空気が充填されている。
【0028】
送受信器3付きLED5は,バルーン1の内部に収容される。このLEDは,図示しないコンピュータを有する。このコンピュータは,入出力部,制御部,演算部及び記憶部を有する。そして,それぞれの要素はバスなどで接続され情報の授受を行うことができるようにされている。送受信機3は,コンピュータの入出力部として機能する。記憶部には,所定の制御プログラムが記憶されている。制御部は,所定の情報が入出力部から入力された場合,制御プログラムを読み出して,記憶部に記憶されたデータを適宜読み出すとともに,演算部により所定の演算を行い,入出力部から演算結果を出力する。この出力は,たとえば,LEDへと伝えられ,LEDの発光色が変化する。
【0029】
送受信器3付きLED5は,さらに加速度センサ13を有する。加速度センサ13は,コンピュータと接続されている。加速度センサがバルーンの加速度を測定すると,測定した加速度は,記憶部に一時的に記憶される。そして,制御部は,制御プログラムに従って,一時的に記憶された加速度を読み出して,送受信機3へ出力する。LED5の送受信器3は,加速度センサ13が観測した加速度に関する情報を,色指令装置7へ送信する。
【0030】
色指令装置7は,LED5の送受信器3へ色指令に関する無線信号を出力するための装置である。この装置も送受信機の他にコンピュータを含んでいる。このコンピュータは,入出力部,制御部,演算部及び記憶部を有する。そして,それぞれの要素はバスなどで接続され,情報の授受を行うことができるようにされている。
【0031】
色指令装置7は,加速度に関する情報を受信する。すなわち,色指令装置7の送受信機は,LED5の送受信機3から送信された加速度に関する情報を受け取る。そして,受け取った加速度に関する情報をコンピュータに入力する。コンピュータは,制御プログラムの指令に基づいて,加速度に関する情報を用いてLED5の色を決定し,決定したLED5の色に関する情報をLED5に送信する。LED5の送受信装置は,色指令装置7から送信されたLED5の色に関する情報を受信する。そして,LED5は,受信したLED5の色に関する情報に基づいて色を変化させる。
【0032】
色指令装置7の好ましい例は,閾値を記憶した閾値記憶部15を有するものである。このシステムは,LED5から受信した加速度に関する情報を記憶部に記憶する。そして,制御部は,閾値記憶部15に記憶される閾値を読み出すとともに,記憶部に記憶した加速度に関する情報を読み出し,演算部にこれらの値を比較させる。そして,演算部の演算結果が,加速度が閾値以上である場合に,LED5の色を変化させるように色を変化させる指令を出力する。この色に関する情報は,色指令装置7の送受信機から,LED5へ無線にて出力される。この色に関する情報を受け取ったLED5は,この指令に従ってLEDの発光色を変化させる。
【0033】
この例では,たとえば,記憶部は色テーブルを有するとともに,演算部はランダム数計算部を有しており,演算部が求めたランダム数にしたがって,色テーブルから色を求めてもよい。このようにすることで,色に関する情報として,ランダムに変化する色に関する情報を送信することができることとなる。
【0034】
色指令装置7の好ましい上記とは別の例は,閾値を記憶した閾値記憶部15とLED5の色の順番を記憶したカラーオーダー記憶部17を有するものである。そして,加速度と閾値記憶部15に記憶される閾値とを比較して,加速度が前記閾値以上である場合に,カラーオーダー記憶部17に記憶されたLED5の色の順にLED5の色を変化させるよう,LED5の色に関する情報を出力するものである。
【0035】
図2は,バルーン照明システムの別の例の概念を示すブロック図である。図2に示されるように,色指令装置7の上記とは別の例は,閾値を記憶した閾値記憶部15と,加速度の方向とLED5の色の関係を記憶したカラー記憶部19を有するものである。この例では,加速度と閾値記憶部15に記憶される閾値とを比較して,加速度が前記閾値以上である場合に,以下の処理を行う。すなわち,色指令装置7は,加速度の方向に関する情報を受け取って記憶部に記憶する。そして,色指令装置7は,記憶部から加速度の方向に関する情報を読み出す。そして,カラー記憶部19は,加速度の方向とLED5の色の関係を関連付けて記憶しているので,色指令装置7は,加速度の方向に関する情報を用いて,カラー機億部19からLED5の発光色に関する情報を読み出す。そして,読み出したLED5の色に関する情報を,色指令装置7の送受信機は,LED5へ向けて出力する。すると,LED5は,この色に関する情報に従って,発光色を変化させる。
【0036】
図3は,バルーン及びLEDを複数有する本発明のバルーン照明システムの概念を示すブロック図である。
【0037】
図3に示されるように,このシステムでは,バルーン1が複数存在する。そして,色指令装置7は,あるバルーン1から受信した加速度に関する情報がLED5の色を変化させる値である場合には,すべてのバルーン1にLED5の色に関する情報を送信する。すると,複数のバルーン1に含まれるそれぞれの送受信器3は,この色に関する情報を受信する。すると,複数のLED5は,それぞれのLED5の色を変化させる。
【0038】
なお,送受信器3付きLED5の制御プログラムは,加速度を用いて色を変化するプログラムを有しており,色指令装置7へ加速度に関する情報を送信する前に色を変化させるものであってもよい。この場合,加速度が変化したバルーンの色がまず変化して,その後に,それ以外のバルーンの色が変化することとなる。また,LED5の送受信器3は,RFID信号を受け取って,受け取ったRFID信号に応じて色を変化させるものであってもよい。この場合,たとえば,LED5は,RFIDに応じて変化させる色を記憶する。そして,加速度が閾値以上の場合であって,RFID信号を受信した場合,記憶部からRFIDと色との関係を読み出す。そして,受信したRFIDに関する情報を用いて,LED5の発光色を決める。そして,LED5の発光色を変化させる。その一方,LED5の送受信機3は,色指令装置7へ変化させる色情報を送信する。すると,色指令装置7は,すべてのLEDに対し,色に関する情報を送信する。すると,これを受け取った複数のLEDは,いっせいに色を変化させる。
【0039】
図4は,バルーンの色がいっせいに変化する様子を示す概念図である。この態様のシステムは,あるバルーンが閾値以上の加速度で移動した際に,すべてのバルーン(LED)に対して,色変更指令を出力するものである。そのほかの処理は先に説明したものと同様であり,先に説明した構成や処理手順を適宜採用することができる。
【0040】
図5は,バルーンの変化にともない,屋内照明の色も変化するバルーン照明システムの概念を示すブロック図である。
【0041】
図5に示されるように,このバルーン照明システムは,上記いずれかのバルーン照明システムに加えて,1又は複数の屋内照明21をさらに有する。そして,1又は複数の屋内照明21は,色指令装置7からの指令によりその色を変化させるものである。
【0042】
このシステムにおいて,色指令装置7は,バルーン1から受信した加速度に関する情報がLED5の色を変化させる値である場合には,LED5にLED5の色に関する情報を送信する。さらに,色指令装置7は,1又は複数の屋内照明21へ色に関する情報を送信する。なお,色指令装置7と屋内照明21とは有線により接続されていてもよい。また,屋内照明として色を変化させることができるものは既に知られている。すると,バルーン1に含まれるそれぞれの送受信器3は,色に関する情報を受信して,それぞれのLED5の色を変化させる。一方,1又は複数の屋内照明21は,色に関する情報に基づいて照明色を変化させる。
【0043】
図6は,バルーン照明の発光色と屋内照明の発光色が変化した様子を示す図である。図6に示されるように,このシステムは,バルーン照明の発光色を変化させるとともに屋内照明の発光色をも変化させることができる。
【0044】
図7は,バルーンの変化にともない,スクリーンの色も変化するバルーン照明システムの概念を示すブロック図である。スクリーンは,OHPにより表示されたものであってもよい。また,スクリーンは,照明から壁などに放映されたものであってもよい。さらに,スクリーンは,大型モニタのスクリーン画面であってもよい。
【0045】
図7に示されるように,このバルーン照明システムは,上記いずれかのバルーン照明システムに加えて,1又は複数のスクリーン22をさらに有する。そして,1又は複数のスクリーン22は,色指令装置7からの指令によりその色を変化させるものである。
【0046】
このシステムにおいて,色指令装置7は,バルーン1から受信した加速度に関する情報がLED5の色を変化させる値である場合には,LED5にLED5の色に関する情報を送信する。さらに,色指令装置7は,1又は複数のスクリーン22へ色に関する情報を送信する。なお,色指令装置7とスクリーン22とは有線により接続されていてもよい。また,スクリーンとして色を変化させることができるものは既に知られている。すると,バルーン1に含まれるそれぞれの送受信器3は,色に関する情報を受信して,それぞれのLED5の色を変化させる。一方,1又は複数のスクリーン22は,色に関する情報に基づいて照明色を変化させる。
【0047】
図8は,バルーン照明システムの概念を示すブロック図である。このシステムは,バルーン照明システムの好ましい態様は,バルーンの内部に他のバルーンに対して発光色を変化させる指令を無線送信する機能を有するものである。換言すると,このシステムは,それぞれLEDが,先に説明した色指令装置7の機能をも有しているものである。このため,このシステムにおいても,先に説明したすべての態様を組み合わせて用いることができる。
【0048】
このシステムも,先に説明したものと同様,第1のバルーン31と,第1のバルーン31の内部に収容された送受信器33付きLED35を有する。また,このバルーン照明システムは,複数のバルーンが存在することが前提である。それらを代表して第2のバルーンとする。第2のバルーン41は,第1のバルーン31とは別のバルーンあって,内部に収容された送受信器43付きLED45を有する。そして,第1のバルーン31の送受信器付きLED35及び第2のバルーン41の送受信器付きLED45は,それぞれ加速度センサ36,46を有する。
【0049】
たとえば,第1のバルーン31内には,色指令装置7と同様閾値を記憶する記憶部が存在する。そして,加速度センサ36が測定した加速度が,記憶部に記憶された閾値より大きい場合,LED35の制御部は,LED35の発光色を変化させる指令を出力し,LED35の発光部はこの指令に基づいてLED35の発光色を変化させる。一方,第1のバルーン31の送受信器33は色に関する無線信号を出力する。この無線信号は,たとえば,LED35の発光色と同じ色にLEDの発光色を変化させるための指令を含む信号である。そして,第2のバルーン41の送受信器43は,この無線信号を受け取る。第2のバルーン41内のLED45も,色指令装置7と同様の構成を有している。このため,第2のバルーン41内のLED45は,受け取った無線信号を解析して,LED45の発光部の発光色を変化させる。
【0050】
なお,上記の説明において第1のバルーン及び第2のバルーンという呼び名は便宜的なものであって,第2のバルーンの加速度が所定の値以上変化した場合は,第2のバルーンの発光色が変化し,それに伴って第1のバルーン及び他のバルーンの発光色も変化する。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明のシステムは,照明の分野で利用することができるほか,嗜好性が強いためゲーム産業やエンターテイメント産業において利用されうる。また,本発明は,バルーンが移動した際にバルーンに収容されたLEDの発光色が変化するので,バルーンを移動させあう運動に用いることができる。よって,本発明は運動機器の分野においても利用されうる。
【符号の説明】
【0052】
1 バルーン
3 送受信器
5 LED(発光ダイオード)
7 色指令装置
10 バルーン照明システム
13 加速度センサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルーン(1)と,
前記バルーン(1)の内部に収容された送受信器(3)付きLED(5)と,
前記LED(5)の送受信器(3)へ色指令に関する無線信号を出力する色指令装置(7)と,
を有するバルーン照明システム(10)であって,
前記送受信器(3)付きLED(5)は,加速度センサ(13)を有し,
前記LED(5)の送受信器(3)は,前記加速度センサ(13)が観測した加速度に関する情報を,前記色指令装置(7)へ送信し,
前記色指令装置(7)は,前記加速度に関する情報を受信し,前記加速度に基づいてLED(5)の色を決定し,決定したLED(5)の色に関する情報を前記LED(5)に送信し,
前記LED(5)の送受信装置は,前記色指令装置(7)から送信されたLED(5)の色に関する情報を受信して,前記LED(5)は,当該受信したLED(5)の色に関する情報に基づいて色を変化させる,
バルーン照明システム(10)。
【請求項2】
前記色指令装置(7)は,閾値を記憶した閾値記憶部(15)を有し,前記加速度と閾値記憶部(15)に記憶される閾値とを比較して,前記加速度が前記閾値以上である場合に,前記LED(5)の色を変化させるように色に関する情報を出力する,
請求項1に記載のバルーン照明システム(10)。
【請求項3】
前記色指令装置(7)は,閾値を記憶した閾値記憶部(15)とLED(5)の色の順番を記憶したカラーオーダー記憶部(17)を有し,前記加速度と閾値記憶部(15)に記憶される閾値とを比較して,前記加速度が前記閾値以上である場合に,前記カラーオーダー記憶部(17)に記憶されたLED(5)の色の順にLED(5)の色を変化させるよう,LED(5)の色に関する情報を出力する,
請求項1に記載のバルーン照明システム(10)。
【請求項4】
前記色指令装置(7)は,閾値を記憶した閾値記憶部(15)と,加速度の方向とLED(5)の色の関係を記憶したカラー記憶部(19)を有し,前記加速度と閾値記憶部(15)に記憶される閾値とを比較して,前記加速度が前記閾値以上である場合に,前記加速度の方向に関する情報を用いて前記カラー記憶部(19)からLED(5)の色に関する情報を読み出して,読み出したLED(5)の色に関する情報を出力する,
請求項1に記載のバルーン照明システム(10)。
【請求項5】
前記バルーン(1)は複数存在し,
前記色指令装置(7)は,あるバルーン(1)から受信した加速度に関する情報がLED(5)の色を変化させる値である場合には,すべてのバルーン(1)にLED(5)の色に関する情報を送信し,
前記複数のバルーン(1)に含まれるそれぞれの送受信器(3)は,前記色に関する情報を受信して,前記複数のLED(5)は,それぞれのLED(5)の色を変化させる
請求項1に記載のバルーン照明システム(10)。
【請求項6】
請求項1又は5に記載のバルーン照明システム(10)であって,
1又は複数の屋内照明(21)をさらに有し,
前記1又は複数の屋内照明(21)は,前記色指令装置(7)からの指令によりその色を変化させるものであり,
前記色指令装置(7)は,前記バルーン(1)から受信した加速度に関する情報がLED(5)の色を変化させる値である場合には,前記LED(5)にLED(5)の色に関する情報を送信するとともに,前記1又は複数の屋内照明(21)へ色に関する情報を送信し,
前記バルーン(1)に含まれるそれぞれの送受信器(3)は,前記色に関する情報を受信して,それぞれのLED(5)の色を変化させるとともに,
前記1又は複数の屋内照明(21)は,前記色に関する情報に基づいて照明色を変化させる,
バルーン照明システム(10)。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のバルーン照明システム(10)であって,
1又は複数のスクリーン(22)をさらに有し,
前記1又は複数のスクリーン(21)は,前記色指令装置(7)からの指令によりその色を変化させるものであり,
前記色指令装置(7)は,前記バルーン(1)から受信した加速度に関する情報がLED(5)の色を変化させる値である場合には,前記LED(5)にLED(5)の色に関する情報を送信するとともに,前記1又は複数の屋内照明(21)へ色に関する情報を送信し,
前記バルーン(1)に含まれるそれぞれの送受信器(3)は,前記色に関する情報を受信して,それぞれのLED(5)の色を変化させるとともに,
前記1又は複数のスクリーン(21)は,前記色に関する情報に基づいて照明色を変化させる,
バルーン照明システム(10)。
【請求項8】
第1のバルーン(31)と,
前記第1のバルーン(31)の内部に収容された送受信器(33)付きLED(35)と,
前記第1のバルーン(31)とは別の第2のバルーン(41)であって,内部に収容された送受信器(43)付きLED(45)を有するものと,
を含む,
バルーン照明システム(10)であって,
前記第1のバルーン(31)の送受信器付きLED(35)及び前記第2のバルーン(41)の送受信器付きLED(45)は,それぞれ加速度センサ(36,46)を有し,前記加速度センサ(36,46)が測定した加速度により発光色を変化させるとともに,前記第1のバルーン(31)の送受信器(33)又は前記第2のバルーン(41)の送受信器(43)から色に関する無線信号を出力するものであり,
前記無線信号を受け取った前記第1のバルーン(31)の送受信器(33)又は前記第2のバルーン(41)の送受信器(43)は,前記色に関する情報を受信して,前記第1のバルーン(31)の内部のLED(35)又は第2のバルーン(41)内部のLED(45)の発光色を変化させる,
バルーン照明システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−130979(P2011−130979A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294714(P2009−294714)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【特許番号】特許第4693930号(P4693930)
【特許公報発行日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(501041894)チームラボ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】