説明

バレニクリン標準および不純物制御

【課題】バレニクリン(varenicline)またはその薬学的に許容しうる塩を含有する組成物であって、その不純物量の制御。
【解決手段】バレニクリン含有組成物中、その合成中間体であるいくつかのモノニトロ、モノアミノ、混合アミノニトロ、ジアミノまたはジニトロ中間体の一つまたはそれを超えるものが濃度で、0ppmより大で且つ約500ppm以下、約100ppm以下または約10ppm以下であるバレニクリン組成物。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
高純度の且つ存在する不純物が最小量の医薬製品を製造する努力がなされている。不純物の制御は、大衆に投与される薬物が純粋であるということを保証するのに必要な反応条件および試験プロトコールを決定するためのいろいろな選択肢の研究を必要としている。
【0002】
米国食品医薬品局(FDA)を含めた規制団体によって与えられる指針は、薬物中の不純物は、存在するとしても、それらが、2g/日またはそれより少量で投与される薬物物質について0.1%(すなわち、1000ppm)またはそれより大のレベルである場合に確認されるということを示唆している。(ppmは百万分率であるので、1%=10,000ppm;0.1%=1000ppm;0.01%=100ppm;および0.001%=10ppmであるということに注目されたい)。例えば、FDAは、2g/日で投与された薬物物質について0.1%の見掛けレベル未満の不純物の確認は、概して、必要であるとは考えられないということを示していた(Federal Register, 65(140), 45085-45090, 45086 and 45089 (July 20, 2000))。しかしながら、FDAは、更に、若干の不純物について、それらの具体的な性質に依存して、一層厳密な制御が必要であるかもしれないということを指摘している(同書、45086)。更に、ある不純物の考えられる量について安全情報を得るための研究は、その考えられる量が、0.05%(2g/日またはそれより少量で投与される薬物物質について500ppm)の認定限界を超える場合に推奨される(同書、45087 および 45089)。
【0003】
次の構造式:
【0004】
【化1】

【0005】
を有するバレニクリン(varenicline)(5,8,14−トリアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−ヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタエン)は、神経細胞ニコチン性アセチルコリン特異的受容体部位に結合することが知られているし、コリン作動性機能をモジュレーションする場合に有用である。この化合物は、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症およびクローン病が含まれるがこれに制限されるわけではない)、過敏性腸症候群、痙性ジストニー、慢性疼痛、急性疼痛、セリアックスプルー、回腸嚢炎、血管収縮、不安、パニック障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、薬物/毒素に誘発される認知障害(例えば、アルコール、バルビツレート、ビタミン欠乏、レクリエーション薬物、鉛、ヒ素、水銀による)、疾患に誘発される認知障害(例えば、アルツハイマー病(老人性痴呆)、血管性痴呆、パーキンソン病、多発性硬化症、AIDS、脳炎、外傷、腎性・肝性脳障害、甲状腺機能低下症、ピック病、コルサコフ症候群および前頭性・皮質下性痴呆による)、高血圧症、過食症、食欲不振、肥満症、心臓不整脈、胃酸過分泌、潰瘍、クロム親和性細胞腫、進行性筋上麻痺、化学薬品への依存および嗜癖(例えば、ニコチン(および/またはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、オピオイドまたはコカインへの依存または嗜癖)、頭痛、片頭痛、卒中、外傷性脳損傷(TBI)、強迫性障害(OCD)、精神病、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、失読症、統合失調症、多発脳梗塞性痴呆、加齢性認知低下、小発作性欠神癲癇(petit mal absence epilepsy)を含めた癲癇、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、トゥレット症候群の処置において、特に、禁煙治療での使用を含めた、ニコチンへの依存、嗜癖および離脱症状の処置において有用である。
【0006】
5,8,14−トリアザテトラシクロ[10.3.1.02,11.04,9]−ヘキサデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタエンおよびその塩酸塩を含めた、神経細胞ニコチン性受容体部位に結合する化合物は、1999年7月15日公開のWO99/35131号(1999年9月28日出願の米国出願第09/402,010号および2000年2月25日出願の同第09/514,002号に対応する)に論及されている。PCT国際特許出願PCT/IB06/001207号は、1−(4,5−ジアミノ−10アザトリシクロ[6.3.1.02,7]−ドデカ−2−(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロエタノンの誘導体化を開示している。PCT国際特許出願PCT/IB05/000351号は、合成工程において不純物を制御する方法を開示している。本出願と同一所有権の且つ本明細書中にそのまま援用される前述の出願は、概して、そこに論及された化合物の薬学的に許容しうる酸付加塩を挙げている。
【0007】
有機化合物のニトロ化および還元の方法は、しばしば、生成物の混合物を与える。このような化学は、いくつかのモノニトロ、モノアミノ、混合アミノニトロ、ジアミノまたはジニトロ中間体の一つまたはそれを超えるものであって、合成経路に沿ってもたらされる未反応の出発物質を含むことがありうる一つまたはそれを超えるものの混合物を生じることがありうるということが発見された。望ましくないニトロ化および還元は、最適な純度を与えるようにそれぞれの反応条件を変更することによって制御することができる。合成標準の不存在下において、工程化学を最適化する工程は、有意に、一層厄介であると考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、バレニクリンおよびその薬学的に許容しうる塩をもたらす工程の最適化のための合成標準の製造を含めた、注目される不純物のレベルが許容しうる低レベルであるということを保証するようにバレニクリン薬物物質の合成を制御するために本発明者が開発した技法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の要旨
本発明は、組成物であって、バレニクリンまたはその薬学的に許容しうる塩と、次:
【0010】
【化2】

【0011】
(式中、Rは、H、アセチルまたはCFCO−である)
より選択される一定量の化合物を含み、その化合物の濃度は、0ppmより大で且つ約500ppm以下、約100ppm以下または約10ppm以下である組成物を提供する。
【0012】
本発明は、更に、バレニクリンが、バレニクリン遊離塩基である、またはバレニクリンの塩が、バレニクリン塩酸塩、クエン酸バレニクリン、コハク酸バレニクリン、酒石酸バレニクリンまたはL−酒石酸バレニクリンである組成物を提供する。具体的な態様において、本発明は、バレニクリンの塩が、L−酒石酸バレニクリンである組成物を提供する。
【0013】
本発明は、更に、医薬組成物であって、哺乳動物における炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症およびクローン病が含まれるがこれに制限されるわけではない)、過敏性腸症候群、痙性ジストニー、慢性疼痛、急性疼痛、セリアックスプルー、回腸嚢炎、血管収縮、不安、パニック障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、薬物/毒素に誘発される認知障害(例えば、アルコール、バルビツレート、ビタミン欠乏、レクリエーション薬物、鉛、ヒ素、水銀による)、疾患に誘発される認知障害(例えば、アルツハイマー病(老人性痴呆)、血管性痴呆、パーキンソン病、多発性硬化症、AIDS、脳炎、外傷、腎性・肝性脳障害、甲状腺機能低下症、ピック病、コルサコフ症候群および前頭性・皮質下性痴呆による)、高血圧症、過食症、食欲不振、肥満症、心臓不整脈、胃酸過分泌、潰瘍、クロム親和性細胞腫、進行性筋上麻痺、化学薬品への依存および嗜癖(例えば、ニコチン(および/またはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、オピオイドまたはコカインへの依存または嗜癖)、頭痛、片頭痛、卒中、外傷性脳損傷(TBI)、強迫性障害(OCD)、精神病、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、失読症、統合失調症、多発脳梗塞性痴呆、加齢性認知低下、小発作性欠神癲癇を含めた癲癇、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、トゥレット症候群より選択される障害または状態を処置するための、その障害または状態を処置するのに有効な一定量の本明細書中に開示された組成物および薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物を提供する。本発明は、更に、障害または状態が、ニコチンへの依存、嗜癖または離脱症状である場合の、禁煙治療での使用を含めた使用のための医薬組成物を提供する。具体的な態様において、本発明は、バレニクリンの塩が酒石酸バレニクリンである、禁煙治療での使用のための医薬組成物を提供する。本発明は、更に、禁煙治療用の医薬組成物であって、禁煙治療に有効な一定量の本明細書中の上に記載の組成物および薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物を提供する。本発明は、更に、バレニクリンの塩が酒石酸バレニクリンである、このような医薬組成物を提供する。
【0014】
本発明は、更に、処置を必要としている哺乳動物において、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症およびクローン病が含まれるがこれに制限されるわけではない)、過敏性腸症候群、痙性ジストニー、慢性疼痛、急性疼痛、セリアックスプルー、回腸嚢炎、血管収縮、不安、パニック障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、薬物/毒素に誘発される認知障害(例えば、アルコール、バルビツレート、ビタミン欠乏、レクリエーション薬物、鉛、ヒ素、水銀による)、疾患に誘発される認知障害(例えば、アルツハイマー病(老人性痴呆)、血管性痴呆、パーキンソン病、多発性硬化症、AIDS、脳炎、外傷、腎性・肝性脳障害、甲状腺機能低下症、ピック病、コルサコフ症候群および前頭性・皮質下性痴呆による)、高血圧症、過食症、食欲不振、肥満症、心臓不整脈、胃酸過分泌、潰瘍、クロム親和性細胞腫、進行性筋上麻痺、化学薬品への依存および嗜癖(例えば、ニコチン(および/またはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、オピオイドまたはコカインへの依存または嗜癖)、頭痛、片頭痛、卒中、外傷性脳損傷(TBI)、強迫性障害(OCD)、精神病、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、失読症、統合失調症、多発脳梗塞性痴呆、加齢性認知低下、小発作性欠神癲癇を含めた癲癇、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、トゥレット症候群より選択される障害または状態、特に、禁煙治療での使用を含めた、ニコチンへの依存、嗜癖および離脱症状を処置する方法であって、その哺乳動物に、その障害または状態を処置するのに有効な一定量の本明細書中に開示された組成物を投与することを含む方法を提供する。具体的な態様において、本発明は、禁煙治療を含めた、ニコチンへの依存、嗜癖および離脱症状を処置する方法を提供する。一つの態様において、バレニクリンの塩が酒石酸バレニクリンである方法を行う。
【0015】
本発明は、更に、化合物であって、次:
【0016】
【化3】

【0017】
(式中、Rは、H(aと称する)、アセチル(bと称する)またはCFCO−(cと称する)である)
より選択され、いずれも、制御されたバレニクリン合成の標準として有用である化合物を提供する。
【0018】
バレニクリンのバッチ試料中の各々の不純物のレベルは、当業者に知られている標準的な分析技術を用いて決定することができる。例えば、上記のいくつかのモノニトロ、モノアミノ、混合アミノニトロ、ジアミノまたはジニトロ中間体の一つまたはそれを超える不純物レベルは、順相HPLC法、逆相HPLC法またはガスクロマトグラフィー法によって決定することができる。
【0019】
「処置」、「処置すること」等の用語は、このような用語が用いられている障害または状態、またはこのような障害または状態の一つまたはそれを超える症状を逆行させる、軽減する、またはその進行を阻害することを意味する。本明細書中で用いられるように、これら用語は、更に、患者の状態に依存して、ある障害または状態、またはその障害または状態に罹患する前のそれに関連した症状の重症度を減少させることを含めた、障害または状態、または障害または状態に関連した症状の開始を予防することを包含する。したがって、本明細書中で用いられる「処置」は、障害または状態に罹患した投与時ではない、対象への本発明野化合物の投与を意味することがありうる。したがって、「処置すること」は、ある障害または状態、またはそれに関連した症状の再発を予防することも包含する。
【0020】
「哺乳動物」は、本明細書中で用いられるように且つ特に断らない限り、いずれの哺乳動物も意味する。「哺乳動物」という用語には、例えば、制限されることなく、イヌ、ネコおよびヒトが含まれる。
【0021】
「約」という用語は、本明細書中において、例えば、「「約」500ppm未満」で用いられる場合、その用語が用いられている値のプラス・マイナス10%の範囲内を意味する。
【0022】
発明の詳細な説明
上記のようなバレニクリンを合成する一つの方法は、本明細書中にその内容が援用される米国特許第6,410,550号に示されている。本発明者によって示された一つの制御戦略は、バレニクリンの化学合成中に上記不純物のパージング(purging)を決定した後、バレニクリンを合成するのに用いられた出発反応物の質について充分な限界を設定することであった。バレニクリンの合成中に、一つまたはそれを超える中間体は、反応処理中に抽出および結晶化を受ける。各々の中間体およびその対応する不純物は、構造的に似ているし且つ同様の溶解性を有するが、物理化学的性質には僅かな相違がある。したがって、パージ実験は、抽出、結晶化および再結晶並びに他の加工作業によって除去される不純物の量を決定するために行うことができる。
【0023】
【化4】

【0024】
例えば、スキーム3に関して、出発物質化合物8のバッチ中において可能性のある不純物である化合物3(R=COCF)は、反応条件(2M NaOH/トルエン)下で進行して、生成されたバレニクリン中に対応する不純物化合物3(R=H)を生じることがありうる。化合物3a(R=COCF)およびその引き続きの類似体の2倍より大のパージは、合成工程の反応条件および単離条件中に見出された。この同じスパイク(spiking)実験設計は、スキーム3に示された他の不純物各々について同様に行われた。注目されるように、上記の不純物は、500ppmより大で存在する場合、標準的な分析技術によって検出することができる。本発明は、500ppm、100ppmまたは10ppm以下のレベルでのこれら不純物の検出に関する。低レベル(約500ppm、100ppmまたは10ppm以下)を決定する方法を、下に記載する。
【0025】
保護された中間体中において約500ppm以下または約100ppm以下または約10ppm以下のレベルで不純物を検出する分析方法を、下に概説する:
計装:シングルクワッド(single quad)質量分析計検出器を備えたHPLC
HPLCカラム:Phenomenex Polar RP 2.0mmx150mm;4μm粒径
カラム温度:40℃
注入容量:25μL
移動相:A:水酸化アンモニウムを含む0.2%ギ酸、pH3
B:アセトニトリル
【0026】
【表1】

【0027】
検出:MSD、選択的イオンモニタリング(Selective Ion Monitoring)(各々の化合物の最適SIMイオンは可変であり;各々の質量分析計について決定されるべきである)
試料調製:保護された中間体は、50/50のアセトニトリル/水中に2mg/mLで調製する
標準調製:不純物は、0.0002mg/mL(試料濃度に相対して100ppm)および0.00002mg/mL(試料濃度に相対して10ppm)で調製する
方法範囲:10ppm〜1000ppm
方法LOQ:10ppm
方法LOD:1ppm
活性医薬成分中において約500ppm以下または約100ppm以下または約10ppm以下のレベルで不純物を検出する分析方法論を、下に概説する。
【0028】
システム1(化合物3(R=H)、化合物4(R=H)および化合物6(R=H)の検出に用いられる)
計装:シングルクワッド質量分析計検出器を備えたHPLC
HPLCカラム:Waters Atlantis dC18 4.6mmx250mm;5μm粒径
カラム温度:30℃
流速:1.0mL/分
注入容量:100μL
移動相:A:20mM酢酸アンモニウム:アセトニトリル(95:5,v/v)
B:20mM酢酸アンモニウム:アセトニトリル(50:50,v/v)
【0029】
【表2】

【0030】
検出:MSD、選択的イオンモニタリング(各々の化合物の最適SIMイオンは可変であり、各々の質量分析計について決定されるべきである)
試料調製:APIは、95/5の100mM酢酸アンモニウム/アセトニトリル中に15mgA/mLで調製する
標準調製:不純物は、15mgA/mLのAPI作業標準を含んで、95/5の100mM酢酸アンモニウム/アセトニトリル中に0.00015mg/mL(試料濃度に相対して10ppm)で調製する
方法範囲:10ppm〜100ppm
方法LOQ:10ppm
方法LOD:1ppm
システム2(化合物1(R=H)、化合物2(R=H)、化合物5(R=H)および化合物7(R=H)の検出に用いられる)
計装:シングルクワッド質量分析計検出器を備えたHPLC
HPLCカラム:Waters Atlantis dC18 4.6mmx250mm;5μm粒度
カラム温度:30℃
流速:1.0mL/分
注入容量:100μL
移動相:20mM酢酸アンモニウム:アセトニトリル(76:24,v/v)
実行時間:22分
検出:MSD、選択的イオンモニタリング(各々の化合物の最適SIMイオンは可変であり;各々の質量分析計について決定されるべきである)
試料調製:APIは、システム2移動相中に15mgA/mLで調製する
標準調製:不純物は、15mgA/mLのAPI作業標準を含んで、システム2移動相中に0.00015mg/mL(試料濃度に相対して10ppm)で調製する
方法範囲:10ppm〜100ppm
方法LOQ:10ppm
方法LOD:1ppm
本発明のバレニクリン薬物物質は、例えば、上記米国特許第6,410,550号に記載のように、本明細書中に示される医薬物として投与することができる。ヒトを含めた哺乳動物対象への投与は、標準的な医薬慣例にしたがって、医薬組成物中で単独に、または好ましくは、薬学的に許容しうる担体または希釈剤との組合せで投与することができる。それら医薬組成物は、経口投与することができるし、または静脈内または筋肉内を含めた非経口で投与することができる。適する医薬担体には、固体の希釈剤または充填剤、および滅菌水溶液および種々の有機溶媒が含まれる。次に、医薬組成物は、錠剤、散剤、ロゼンジ、シロップ剤および注射可能液剤などの種々の剤形で容易に投与される。これら医薬組成物は、所望ならば、着香剤、結合剤および賦形剤などの追加の成分を含有してよい。したがって、経口投与目的には、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウムなどの種々の賦形剤を含有する錠剤を、デンプン、アルギン酸およびある種の錯ケイ酸塩などの種々の崩壊剤と一緒に、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチンおよびアラビアゴムなどの結合剤と一緒に用いることができる。更に、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクなどの滑沢剤は、しばしば、錠剤成形目的に有用である。同様のタイプの固体物質は、充填剤入りゼラチン軟・硬カプセル剤中の充填剤として用いることもできる。これに好ましい物質には、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールが含まれる。水性懸濁剤またはエリキシル剤が、経口投与用に望まれる場合、その中のバレニクリン薬物物質は、種々の甘味剤または着香剤、着色剤または染料、そして所望ならば、乳化剤または懸濁化剤と一緒に、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよびそれらの組合せなどの希釈剤と一緒に混合することができる。
【0031】
非経口投与には、ゴマ油またはラッカセイ油、水性プロピレングリコール、または滅菌水溶液中のバレニクリン薬物物質の溶液または懸濁液を用いることができる。このような水性液剤は、必要ならば、好適に緩衝化されるべきであり、液体希釈剤は、最初に、充分な生理食塩水またはグルコースで等張にされるべきである。これら具体的な水性液剤は、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与に特に適している。用いられる滅菌水性基剤は全て、当業者に知られている標準的な技法によって容易に入手可能である。
【0032】
バレニクリンの有効な投薬量は、一般的に知られているように、予定の投与経路と、処置されている適応症並びに対象の年齢および体重などの他の因子に依存する。概して、1日の投薬量は、単回用量または分割用量で約0.25mg〜約200mgのバレニクリン薬物物質の範囲内、好ましくは、約0.5mg〜約20mg/日であろう。ある患者について約70kgの体重に基づく典型的な1日用量は、好ましくは、1日2回約0.5mg〜1日2回約2mgのバレニクリン薬物物質、より好ましくは、1日2回約0.5mg〜1日2回約1mgである。しかしながら、バレニクリン薬物物質の用量および投薬方式は、いずれか特定の患者の具体的な状況に依存して、当該技術分野において熟練した医師が、前述の範囲および方式から変更してよいということは理解される。
【0033】
次の実施例は、本発明を詳しく説明する。しかしながら、本発明は、本明細書中に充分に記載のように且つ請求の範囲に挙げられるように、次の実施例の詳細によって制限されるものではないということは理解されるはずである。
【実施例】
【0034】
実施例
項目A:パージ実験実施例
パージ因子の実験的決定:バレニクリンの合成
化合物8を、トルエン中でスラリーにし、そして水中のNaOH溶液(3.1当量)に加えた。その二相混合物を、37〜40℃に加温したところ、二つの淡黄色透明層を生じた。この時点で、50ppmの化合物3(R=H)を、反応混合物中に加えた。次に、トルエン/水性二相の Darco KB−B処理を含めた、化合物8のバレニクリン(9)への変換を行い、そして化合物9/トルエン溶液を回収した。その化合物9/トルエン溶液を、MeOHと一緒に共沸蒸留した。得られた化合物9/メタノール溶液を、L−(+)−酒石酸/MeOH溶液に加えて、塩10を形成した。造粒後、塩10を濾過し、乾燥させた。
【0035】
単離された物質を、残留する化合物3(R=H)について分析した。化合物3の50ppmスパイクを、反応配合物中に、37〜40℃の温度に達した時点で導入した。化合物8ロットは、6ppmの化合物3を既に含有する溶液中にあったので、化合物3の全量は、56ppmであった。脱保護中に、入ってくる化合物8中に含有される化合物3(R=COCF)を、対応する化合物3(R=H)へと変換した。生成された最終塩10を、化合物3(R=H)の存在について分析した。検出された12ppmの化合物3(R=H)の知見は、4.7xパージ因子に相当する。
【0036】
項目B:標準の合成
2. 2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピン−7−アミンの合成
2a. 7−ニトロ−3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピンの合成
トリフルオロメタンスルホン酸(19.8g)を、CHCl(275ml)中に溶解し、0℃に冷却した。発煙HNO(2.8ml)を滴加した。その溶液は、短時間の間濁った後、再度透明黄色溶液になった。別の容器中で、3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピン(15.3g)をCHCl(350ml)中に溶解させ、添加漏斗に移した。この溶液を、約1時間にわたって滴加した。反応温度は、添加の間中0〜5℃で維持した。添加を終えたら、そのポットを、0〜5℃で2時間保持し、室温に徐々に加温した後、一晩撹拌した。TLC(溶離剤=1:1のEtOAc:Hex)で反応が終わったことを確認した後、反応混合物を氷水に徐々に加えて反応をクエンチし、20分撹拌した。その二相系を、相分離のための分液漏斗に移した。CHCl/生成物溶液を集め、NaSOおよび Darco KB−Bで同時に処理し、セライトのパッドを介して濾過し、CHClですすぎ洗浄した。濾液を集め、真空ストリッピングして暗黄色油状物とし、それを放置して、ロウ質黄色固体へと凝固させた。その固体を、真空オーブン中において45℃で一晩乾燥させた。これは、粗生成物を黄色固体(17.9gの、HPLCによって決定したところ90%純粋なもの)として与えた。
【0037】
その粗生成物(17.9g)を、EtOH(90ml)中に入れ、還流させたところ、透明黄色溶液を生じた。その溶液を、室温に徐々に冷却させ、一晩撹拌させた。これは、クリーム色スラリーを生じた。そのスラリーを、#2 Whatman 濾紙上に濾過し、EtOHですすぎ洗浄した。次に、その固体を、真空オーブン中において45℃で一晩乾燥させた。これは、14.6g(81.1%収率)のクリーム色固体を与えた。
【0038】
b. 3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ3−ベンズアゼピン−7−アミンの合成
500mlガラス Parr ボトル中において、7−ニトロ−3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピン(10g)を、MeOH(200ml)中でスラリーにした。50%湿潤5%炭素上パラジウム(0.3g)を加え、その系を、Parr シェーカー水素化装置に加えた。その系を、N(3x20psi)でパージした。次に、その系をH(3x20psi)でパージした。その系を、45〜50psi Hに加圧し、3時間水素化させた。系を脱圧し、反応終了について検査した。薄層クロマトグラフィー(溶離剤=1:1のEtOAc:Hex)で反応終了を確認した後、生成物混合物を、セライトのパッドを介して濾過後、0.45 □m Millipore フィルターを介して濾過して、残留する炭素を除去した。濾液を集め、真空ストリッピングして、橙色油状物とした。その油状物を、真空オーブン中において45℃で一晩乾燥させた。これは、8.9g(98.9%収率)の橙色油状物を与えた。
【0039】
c. 2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピン−7−アミンの合成
上の反応による生成物(8.9g)を、CHCN(90ml)中に溶解させた。HO(25ml)中のNaOH(7.9g)の溶液を加え、その溶液を70℃に4時間加温した。薄層クロマトグラフィー(溶離剤=7:3のEtOAc:Hex)で反応終了を確認した後、生成物混合物を真空ストリッピングして、淡褐色固体とした。CHCl(200ml)を加え、混合物を激しく1時間撹拌して、所望の生成物を抽出した。固体(NaOH)を濾去し、濾液を集めた。その濾液を、NaSOで乾燥させ、濾過し、再度真空ストリッピングして、橙〜褐色油状物とした。CHCl(25ml)を加え、その混合物を1時間撹拌させたところ、黄褐色スラリーを生じた。そのスラリーを、#2 Whatman 濾紙上に濾過し、少量のCHClですすぎ洗浄した。黄褐色固体を、真空オーブン中において45℃で一晩乾燥させた。これは、3.0g(52.3%収率)の黄褐色固体を与えた。
【0040】
3. 7,8−ジニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピンの合成
7,8−ジニトロ−3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピン(15g)を、この化合物の商業供給より入手し、CHCN(150ml)中に溶解させた。HO(45ml)中のNaOH(10.4g)の溶液を加えた。その混合物を、70℃に4時間加温し、室温に徐々に冷却させた後、一晩撹拌させた。薄層クロマトグラフィー(溶離剤=7:3のEtOAc:Hex)で反応終了を確認した後、生成物混合物を、水性スラリーが得られるまで(この時点でpH=12.5)真空蒸留した。2M HCl(水性)を加えて、pHを7.5に調整した。次に、スラリーを1時間造粒させ、#2 Whatman 濾紙上に濾過し、HOですすぎ洗浄した。さび色固体を、N流下で1時間乾燥させた後、真空オーブン中において45℃で一晩乾燥させた。これは、9.1g(84.2%収率)のさび色固体を与えた。
【0041】
4. 8−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピン−7−アミンの合成
4a. 3−(トリフルオロアセチル)−8−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピン−7−アミンの合成
上の実施例2Bに示された手順にしたがって、7,8−ジニトロ−3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピンを還元したが、但し、パージ後、その系を、25psi Hに加圧し且つ2時間水素化させた。系を脱圧し、スラリーを#2 Whatman 濾紙上に濾過した。固体を集めた。この手順を3回繰り返し、粗生成物を集め且つ一緒にした(全部で5.6g)。これを、CHCN中に溶解させ、セライトのパッドを介して濾過して、消耗した触媒を除去した。濾液を集め、真空ストリッピングして、黄〜褐色固体を生じた。分析は、所望の3−(トリフルオロアセチル)−8−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピン−7−アミンが約3%の化合物6cを含有することを示した。収量:5.6g。
【0042】
4b. 8−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピン−7−アミンの合成
3−(トリフルオロアセチル)−8−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピン−7−アミン(5.6g)を、CHCN(56ml)中でスラリーにした。HO(40ml)中のNaOH(4.3g)の溶液を加えた。混合物を70℃に加温し、3時間撹拌させた(混合物は、全反応持続期間にスラリーのままであった)。薄層クロマトグラフィー(溶離剤=7:3のEtOAc:Hex)で反応終了を確認した後、生成物混合物を冷却させ且つ1時間造粒させた。黄〜橙色固体を、#2 Whatman 濾紙上に濾過し、HOですすぎ洗浄した。固体をN流下で一晩乾燥させた。これは、3.6g(92.3%収率)の黄〜橙色固体を与えた。
【0043】
5. 2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピン−6,8−ジアミンの合成
5a. 3−(トリフルオロアセチル)−6,8−ジニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピンの単離
メタ−ジニトロレギオ異性体を、US6,410,550号に記載の合成によって、7,8−ジニトロ−3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピンを形成する反応中の不純物として形成させる。その反応による母液廃棄物を、分別結晶によって精製して、53.8gの3−(トリフルオロアセチル)−6,8−ジニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピン試料をクリーム色固体として与えた。
【0044】
5b. 6,8−ジニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピンの合成
上の実施例2cに示されたのと同様に、トリフルオロアセチル基を塩基加水分解によって除去後、濾過して濾液を与え、それを集め、真空ストリッピングして、湿った黄色固体とした。HO(50ml)を加え、混合物を1時間造粒させた。黄色固体を、#2 Whatman 濾紙上に濾過し、HOですすぎ洗浄し、真空オーブン中において45℃で一晩乾燥させた。これは、7.5g(90.4%収率)の黄色固体を与えた。
【0045】
5c. 2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピン−6,8−ジアミン塩酸塩の合成
上の実施例2bに記載のような還元により、8.0gの6,8−ジニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−メタノ−3−ベンズアゼピンを還元した。濾過後、濾液を集め、NaSOおよび Darco KB−Bで同時に処理し、そしてセライトのパッドを介して再濾過した。濾液を真空蒸留して、粘着性橙色半固体(理論上6.1g)としたが、その固体は粘着性であったので、それを、氷冷イソプロピルエーテル(35ml)中に吹き込むことによって調製されるHCl(g)の添加によってMeOH(5ml)およびCHCl(35ml)から再単離して、淡褐色固体である塩酸塩を生じた。
【0046】
調製された各々の標準を、本文中に記載の標準HPLCおよびそれぞれのLC/MS法によって評価し、標準として用いるのに適することが判明した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、バレニクリン(varenicline)、保護された形のバレニクリンまたはその薬学的に許容しうる塩と、次:
【化1】

(式中、Rは、H、アセチルまたはCFCO−である)
より選択される一定量の化合物を含み、該化合物の濃度は、0ppmより大で且つ約500ppm以下、約100ppm以下または約10ppm以下である組成物。
【請求項2】
バレニクリンが、バレニクリン遊離塩基である、またはバレニクリンの塩が、バレニクリン塩酸塩、クエン酸バレニクリン、コハク酸バレニクリンまたは酒石酸バレニクリンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
バレニクリンの塩が、酒石酸バレニクリンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
医薬組成物であって、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症、クローン病、過敏性腸症候群、痙性ジストニー、慢性疼痛、急性疼痛、セリアックスプルー、回腸嚢炎、血管収縮、不安、パニック障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、薬物/毒素に誘発される認知障害、疾患に誘発される認知障害、高血圧症、過食症、食欲不振、肥満症、心臓不整脈、胃酸過分泌、潰瘍、クロム親和性細胞腫、進行性筋上麻痺、化学薬品への依存および嗜癖、ニコチンへの依存、嗜癖および離脱症状;アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、オピオイドまたはコカインへの依存または嗜癖、頭痛、片頭痛、卒中、外傷性脳損傷(TBI)、強迫性障害(OCD)、精神病、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、失読症、統合失調症、多発脳梗塞性痴呆、加齢性認知低下、小発作性欠神癲癇(petit mal absence epilepsy)を含めた癲癇、注意欠陥過活動性障害(ADHD)およびトゥレット症候群より選択される障害または状態に苦しむ哺乳動物を処置するための、該障害または状態を処置するのに有効な一定量の請求項1に記載の組成物および薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物。
【請求項5】
障害または状態が、ニコチンへの依存、嗜癖または離脱症状である、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
バレニクリンの塩が、酒石酸バレニクリンである、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
禁煙治療用の医薬組成物であって、禁煙治療に有効な一定量の請求項1に記載の組成物および薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物。
【請求項8】
バレニクリンの塩が、酒石酸バレニクリンである、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症、クローン病、過敏性腸症候群、痙性ジストニー、慢性疼痛、急性疼痛、セリアックスプルー、回腸嚢炎、血管収縮、不安、パニック障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、薬物/毒素に誘発される認知障害、疾患に誘発される認知障害、高血圧症、過食症、食欲不振、肥満症、心臓不整脈、胃酸過分泌、潰瘍、クロム親和性細胞腫、進行性筋上麻痺、化学薬品への依存および嗜癖、ニコチンへの依存、嗜癖および離脱症状;アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、オピオイドまたはコカインへの依存または嗜癖、頭痛、片頭痛、卒中、外傷性脳損傷(TBI)、強迫性障害(OCD)、精神病、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、失読症、統合失調症、多発脳梗塞性痴呆、加齢性認知低下、小発作性欠神癲癇を含めた癲癇、注意欠陥過活動性障害(ADHD)およびトゥレット症候群より選択される障害または状態に苦しむ哺乳動物を処置する方法であって、該哺乳動物に、該障害または状態を処置するのに有効な一定量の請求項1に記載の組成物を投与することを含む方法。
【請求項10】
障害または状態が、ニコチンへの依存、嗜癖および離脱症状である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
バレニクリンの塩が、酒石酸バレニクリンである、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
禁煙治療の方法であって、禁煙治療に有効な一定量の請求項1に記載の組成物および薬学的に許容しうる担体を投与することを含む方法。
【請求項13】
バレニクリンの塩が、酒石酸バレニクリンである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
化合物であって、次:
【化2】

(式中、Rは、H、アセチルまたはCFCO−である)
より選択される化合物。
【請求項15】
RがHであり且つアミノ基が存在する請求項14に記載の化合物、またはその酸付加塩であって、塩酸塩および酒石酸塩から成る群より選択される該塩。
【請求項16】
化合物が、酒石酸バレニクリンの製造において分析用標準として用いられる請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
RがCFCO−である請求項14に記載の化合物であって、酒石酸バレニクリンの製造において分析用標準として用いられる化合物。

【公開番号】特開2007−262066(P2007−262066A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−78240(P2007−78240)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】