説明

バンドを互いにそれらの縦縁に沿って接合するように案内するための装置及び方法

本発明は、バンド(1、2)をそれらの縦縁(3、4)に沿って互いに接合するように案内するための方法及び装置に関し、接合すべきバンドの第1バンド(1)を案内するための第1トラックを形成する案内要素(10)と、第2バンド(2)を第1バンドの1つの縦縁に沿って接合するように案内するための第2トラックを形成する案内要素(10)とを含み、これらのトラック(6、7)は、その上を案内されるバンド(1、2)が輸送方向で互いに接近し、かつ互いに接合すべきそれらの縦縁が接触点から隙間なし、かつ重なりなしで互いに支えられるように構成される。本発明によれば、少なくとも1つのトラック(6、7)は、その上で案内されるバンド(1、2)の横方向移動が起こるように、1/4≦λ≦2の波長の波状となるよう構成される。同時に、複数の連続的案内要素(10)の回転軸及び/又は縦中心軸は、前記トラック上で案内されるバンド(1、2)がその縦軸の周りを輸送方向に回転するように、基準水平面に関して異なる傾斜角で他のトラックの方へ傾いている。このようにして、比較的厚いバンド及び/又は高強度バンドを接合するときでさえ、各バンドの塑性変形が起こることなく、くさび形接合角を作り出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンドを互いにそれらの縦縁に沿って接合するように案内するための装置であって、接合すべきバンドの第1バンドを案内するための第1トラックを形成する案内要素と、第2バンドを第1バンドの1つの縦縁に沿って接合するように案内するための第2トラックを形成する案内要素とを含み、これらのトラックは、その上を案内されるバンドが輸送方向で互いに接近し、かつ互いに接合すべきそれらの縦縁が接触点から隙間なし、かつ重なりなしで互いに支えられるように構成されている装置に関する。特に、本発明は、バンドを互いにそれらの縦縁に沿って接合するように案内する方法であって、互いに間隔を空けて実質的に平行に伸長するバンドを、第1トラックを形成する案内要素と、第2トラックを形成する案内要素とを介して、これらのトラック上を案内されるバンドが輸送方向で互いに接近し、かつ互いに接合すべきそれらの縦縁が接触点から隙間なし、かつ重なりなしで互いに支えられるように、接合点へ案内する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2つ以上のバンド製の不連続又は連続バンドを製造するための溶接システムでは、一般に、それらの縦縁に沿って互いに接合すべきバンド間にくさび形の接合角(供給角)を作り出し、引き続き接合点の後方で縦縁の平行性を伴う方法に関して要望が存在する。
【0003】
バンドを案内するための種々の装置が知られており、これらの装置では、異なる厚さ、幅及び/又は材料品質のフラットバンドをそれらの縦縁に沿って縁間溶接して不連続又は連続バンドを形成することができる。
【0004】
スチールバンドを案内するため及びそれらの縦縁に沿ってレーザ溶接によって連続突き合わせ接合するための装置が特許文献1に開示されている。この場合、2つのスチールバンドは、同一輸送面にくさび形接合角又は供給角を形成しながら互いに接近し、互いに接合すべきそれらの縦縁は、接触点から隙間なし、かつ重なりなしで互いに支えられるように案内される。このために、2つの各バンド用の装置は、溶接位置の前に、共通の輸送面を規定する複数の輸送ローラを有する。さらに、第1の水平案内要素が設けられ、その上に2つのバンドの第1バンドが、溶接すべきその縦縁とともに置かれ、この第1バンドは、溶接位置を通って伸長する軸上へ、バンドの溶接されない外側の縦縁を押し付けるさらなる(第1)水平案内要素によって案内される。2つのバンドの接触点のすぐ前で、他方又は第2バンドの溶接すべき縦縁は、第2バンドの溶接されない外側の縦縁を押しつけるさらなる又は第2水平案内要素によって、第1バンドの溶接すべき縦縁に押しつけられる。さらに、2つのバンドの接触点前の最後の輸送ローラの少なくとも1つを、バンドを他方のバンドに向けるためにバンドの進行方向に対して斜めに向けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−285874号公報(JP 11285874 A)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、比較的厚いバンド及び/又は高強度バンドを接合するときでさえ、プロセス中にバンドの1つが塑性変形することなく、必要なくさび形接合角(開口角)を作り出せるようにする、最初に述べたタイプの装置及び方法を開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するため、請求項1の特徴を有する装置を提案する。本発明の装置は、そのトラックの少なくとも1つが、その上で案内されるバンドの横方向移動が起こるように、1/4≦λ≦2の波長の波状となるよう構成され、この波状トラックの複数の連続的案内要素の回転軸又は縦軸が、基準水平面に関して異なる傾斜角で他のトラックの方に傾いている(前記他のトラック上で案内されるバンドがその縦軸の周りを回転するように)ことを特徴とする。
【0008】
波状様式でバンドを案内すると同時に前記バンドを回転させることによって、比較的厚いバンド及び/又は高強度バンドを接合するときでさえ、各バンドの塑性変形が起こることなく、必要なくさび形接合角(開口角)を作り出すことができる。
【0009】
案内要素は相対運動を可能にする。本発明の意義の範囲内で適切な案内要素は、平軸受及び/又はローラ、特に輸送ローラであるが、回転可能に取り付けられたボールなども考えられる。
【0010】
好ましくは、本発明の装置の少なくとも2つの各トラックは、それぞれのトラック上で案内されるバンドの横方向移動が起こるように、1/4≦λ≦2の波長の波状となるよう構成され、各波状トラックの複数の連続的案内要素の回転軸又は縦中心軸は、該バンドが輸送方向に回転するように、基準水平面に関して異なる傾斜角で他のトラックの方に傾いている。この構成は、互いに接合すべきバンドの縦縁間に、バンドの塑性変形が起こることなく、比較的大きいくさび形接合角を設定することを可能にする。
【0011】
本発明のバンド案内装置の有利な構成は、縦縁に沿って互いに接合すべきバンドの対向又は同期横方向移動が起こるように波状トラックが構成されていることを特徴とする。対向構成は、隣接トラック、特にローラトラックの重なり、ひいてはさらにコンパクトな配置を可能にする。同期構成は、接合角の増加をもたらすことができる。
【0012】
本発明の装置のさらに有利な構成は、1又は複数のトラックの複数の連続的案内要素が調整手段を備え、これを用いて、各案内要素の高さ並びに/或いは回転軸又は縦中心軸の傾斜角を基準水平面に関して、かつ必要ならば、それに垂直に調整できることである。この構成は、互いに接合すべきバンド縁によって特定されるくさび形接合角をバンドの厚さ、幅及び/又は品質の関数として調整又は適合させることを可能にする。
【0013】
バンドの塑性変形が起こることなく、くさび形接合角をバンドの厚さ、幅及び/又は品質に応じて最適に調整できるためには、本発明の装置のさらなる構成によれば、それぞれの案内要素は、互いに水平方向に間隔が空いている2つの持ち上げ要素、好ましくは持ち上げスピンドル上に支持されているホルダに回転可能に取り付けられると定められている。
【0014】
さらなる有利な構成によれば、持ち上げ要素が起電性、油圧式又は空気圧式ドライブを備え、かつこれらのドライブを個々に又はグループとして制御及び/又は調節できるqリモートコントロール、好ましくはプログラム可能なリモートコントロールが利用できる場合、個々の案内要素の高さ並びに回転軸及び縦中心軸の傾斜角を迅速かつ容易に調整することができる。
【0015】
方法に関しては、請求項7の特徴を有する方法によって上記目的が達成される。本発明の装置によれば、本発明の方法は、少なくとも1つのトラックが、その上で案内されるバンドの横方向移動が起こるように1/4≦λ≦2の波長の波状となるよう構成され、この波状トラックの複数の連続的案内要素の回転軸又は縦中心軸が、問題のバンドがその縦軸の周りを輸送方向に回転するように、基準水平面に関して異なる傾斜角で他のトラックの方に傾いていることを特徴とする。
【0016】
各トラックは、好ましくは各バンドの横方向移動が起こるように、1/4≦λ≦2の波長の波状となるよう構成され、各波状トラックの複数の連続的案内要素の回転軸及び/又は縦中心軸は、各バンドが輸送方向に回転するように、基準水平面に関して異なる傾斜角で他のトラックの方に傾いている。
【0017】
本発明のバンド案内をできる限りコンパクトに行うために、波状トラックは、好ましくは、縦縁に沿って互いに接合すべきバンドの対向横方向移動が起こるように構成される。接合角を増やすべき場合は、波状トラックが同期するように構成される。
【0018】
さらに、本発明は、向かい合うバンドの縦軸によって規定される供給角(接合角)を変えるため、前記トラック上を案内されるバンドの厚さ、幅及び/又は品質に応じて、少なくとも1つのトラックの複数の連続的案内要素の高さ及び/又は回転軸の傾斜角を基準水平面に関して、かつ必要ならば、それに垂直に調整できるようにする。
【0019】
レーザを用いて溶接を行う場合、確実に技術的ゼロギャップを調整しなければならない。或いは、高周波を利用して溶接を行うこともできる。しかしながら、このためには、溶接すべき縦軸の接触点で規定力を加えて、結合すべき縁の完全な物質的結合を確実にしなければならない。加えるべき規定力は、必要に応じて、かつ特に、溶接すべき材料に適合するように決定される。規定力は最大限で、溶接すべき材料の室温における降伏強さに相当し、リアルゼロギャップを確保するために温度を上げるにつれて、熱的影響ゾーン内の降伏強さが低減することに注意しなければならない。
【0020】
本発明のバンド案内は、連続的に互いに接合されるバンドをテンションフリー及び相互に平行な態様で、かつ共通の輸送高さ又は共通の輸送面内で前方へ案内することを可能にする。しかしながら、1又は複数のバンドに張力を加えることも考えられる。必要に応じて、バンドの不正確さを補うために1又は複数のバンドを予め位置決めしてよい。
【0021】
以下、概略的に実施形態を示す図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のバンド案内装置の側面図である。
【図2】図1のバンド案内装置の平面図である。
【図3】溶接手段の前のバンド案内装置の詳細の拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図示した装置は、金属バンド1、2、例えばスチールバンドを案内して、それらの縦縁3、4に沿って接合、好ましくは溶接して不連続又は連続バンド5にするのに役立つ。バンド1、2は、巻き取りステーション(図示せず)から巻き戻され、最初は相互に平行に伸長してバンド案内装置に供給される。
【0024】
図示した実施形態では、バンド1、2は幅が異なる。バンド1はバンド2より幅広である(図2参照)。加えて又はこれとは別に、バンド1、2の厚さ及び/又は品質、特に硬度と降伏強さが異なってもよい。
【0025】
本発明の装置は、第1ローラトラック6と、少なくとも1つの追加又は第2ローラトラック7とを含む。各ローラトラック6、7は、複数の支持構造又はフレーム9から形成され、輸送ローラ10が回転可能に取り付けられている。輸送ローラ10の回転軸は実質的に相互に平行に伸長している。図示の実施形態では、各フレーム9は同数の輸送ローラ10を有する。各輸送ローラ10は、フレーム(支持構造)9で支えられた2つの持ち上げ要素12上に支持されているホルダ11に回転可能に取り付けられている。各輸送ローラホルダ11の持ち上げ要素12は、水平方向に互いに間隔が空いており、好ましくは実質的に垂直に伸長する油圧シリンダ又は持ち上げスピンドル13から成り、その上端14は、片側に連結様式で、かつ他方の側に可動軸受又は平軸受を介して関連する輸送ローラホルダ11に接続されている。
【0026】
図示した例では、各ローラ6、7は、5つのフレーム9で形成されている。フレーム9は、1つのローラトラック6のフレーム9から他のローラトラック7のフレーム9までの距離が、最初の一対のフレーム上のバンド1、2の入口点(供給点)15から接合点(溶接点)16まで漸減するように互いに配置されている。最初の一対のフレーム9の入口点15における第1輸送ローラ10の回転軸及び接合点16前の最終輸送ローラ10の回転軸は、実質的に水平に方向づけられている。各ローラトラック6、7の輸送ローラ10は、入口点15と接合点16の間に異なる高さで配置され、詳細には、各ローラトラック6、7上で案内されるバンド1又は2の横方向移動が、下方に伸長する波腹17と上方に伸長する波腹18に伴って起こるように配置されている。この例では、波長はλ=1である。明確にするため、図1には後方バンド1を案内する輸送ローラ10の部分のみを示してある。各ローラトラック6、7の輸送ローラ10の高さは、その上で案内されるバンド1、2の実質的に又はほとんど調和波又は正弦波(振動)が生じるように選択される(図1参照)。この場合、バンドの進行方向に見ると第1波腹の長さは、好ましくは次の波腹の長さより短い。長さの差は、少なくとも15%、好ましくは少なくとも25%である。さらに、各ローラトラック6、7の複数の連続的輸送ローラ10の回転軸は、各バンド1、2がその縦軸の周りをわずかに回転し、かつ接合又は溶接すべきバンド縁3、4が、バンドの進行方向で互いに接近し、接合点16の前又は接合点16で触れるように、入口点15と接合点16の間で、基準水平面に関して異なる傾斜角で他のローラトラック6又は7の方へ傾いている。図2中、参照番号19によって溶接又は接合シームを示してある。
【0027】
個々の輸送ローラ10の高さと傾斜角を調整することによって、バンド1、2の異なる供給角及び/又は重なりを作り出すことができる。本発明によれば、向かい合うバンド1、2の縦縁3、4によって規定される供給角αを変えるために、各ローラトラック6、7の複数の連続的輸送ローラ10の高さ及び/又は回転軸の傾斜角は、前記トラック上で案内されるバンド1、2の厚さ、幅及び/又は品質に応じて、基準水平面に関して調整される。このために、本発明のバンド案内フレーム9の各輸送ローラ10は調整手段を備え、この手段を用いて各輸送ローラ10の高さ及び回転軸の傾斜角を基準水平面に関して、必要ならば、それに垂直に調整することができる。
【0028】
調整手段は上記持ち上げ要素12を含み、これは好ましくは鋸歯状ラック又はねじ棒又は持ち上げスピンドル13から成る。個々の輸送ローラ10と関連する持ち上げ要素12は、輸送ローラの回転軸の傾斜の調整に十分な自由度があるように、概して相互独立に調整可能である。
【0029】
図3には、バンドの進行方向に見ると前方又は右側のバンド2を案内し、かつローラトラック7のフレームの最後のフレームとして接合点16の前に配置される輸送ローラフレーム9を概略的に示してある。バンド1、2を連続的に溶接するための溶接装置、例えばレーザ溶接装置を参照番号20で表している。ここでは、技術的ギャップが確実に存在するようにしなければならない。代替として高周波溶接装置の使用が考えられる。そのときは、溶接すべき縦縁の接触点で規定力を用いて調整されるリアルゼロギャップが確実に存在しなければならない。各持ち上げ要素12は、垂直ガイド21に保持されている鋸歯状ラック又はねじ棒(持ち上げスピンドル)13を含む。鋸歯状ラック又はねじ棒13は、鋸歯状ラック又はねじ棒13を昇降するためのハンドホイール22、23によって作動し得るギアドライブとかみ合う。2つのハンドホイール22、23は、図3では前方の各持ち上げ要素12上に配置されており、第2ハンドホイール23は、図3の側面では見えない後方の鋸歯状ラック又はねじ棒と関連する後方のギアドライブを作動させる。
【0030】
本発明の範囲内では、ハンドホイール22、23に代えて、各持ち上げ要素12が起電性、油圧式又は空気圧式ドライブを備えることもでき、持ち上げ要素12のこれらのドライブは、リモートコントロールによって個々に又はグループとして制御及び/又は調節可能である。
【0031】
最初は相互に平行に伸長し、かつ互いに間隔が空いているバンド1、2が、同時に回転しながら、それぞれ接合(溶接)前は波、好ましくは波長λ=1を有する調和波の形で供給される、本発明のバンド案内によって、最初は間隔の空いたバンド縁3、4の側面接合を可能にする所要の偏向が、下方波腹(波の谷)17と上方波腹(波のピーク)18から作り出される。このバンド案内は同時に、互いに溶接又は接合されるバンド1、2を同一輸送高さで接合点16から相互に平行かつテンションフリー様式で前方へ案内する。
【0032】
本発明のバンド案内装置のローラトラック6、7は、好ましくは、互いに接合すべきバンド1、2の対向横方向移動が起こるように構成又は調整される。図1に示すように、(前方の)バンド2は、ローラトラック7の入口点15から、最初は下方に伸長する曲線運動を行い、次に波状様式で上方に伸長する運動に移行し、最高点の波のピーク18に達した後、再び下方に伸長する曲線運動に移行する。対照的に、他方のバンド1は、ローラトラック6の入口点15から、最初は波状様式で上方に伸長する運動を行い、最高点の波のピーク18に達した後、下方に伸長する曲線運動に移行し、最低点の波の谷17に達した後、再び上方に伸長する曲線運動に移行する。この対向波様バンド案内は、本発明の構成に必ずしも必要でないが、スペース及び実施の点で有利である。図2では、対向波様バンド案内が接合点前のフレーム9又は輸送ローラ10の重なり配置を可能にすることが分かる。
【0033】
本発明の実施は、図に示した上記実施形態に限定されない。むしろ、基本的に異なる形でも、添付の特許請求の範囲に要点を述べてある本発明を利用する多数の変形が考えられる。従って、本発明の装置は、例えば相互に平行に配置された2つのトラック6、7より多くのトラックを含むことができる。ある特定の状況では、波状様式で案内し、かつ同時に回転するのはバンド1、2の1つのみで、それをその縦縁3又は4で第2バンドの縦縁4又は3に導入し、溶接後、それを特にテンションフリー様式で前記第2バンドに平行に前方へ案内するのに十分なこともある。さらに、各バンドを同時回転中にその横方向移動が起こるように各バンドを案内し、その波長が1/4≦λ≦2、好ましくは1/4≦λ≦1に相当することは本発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0034】
1、2 バンド
3、4 縦縁
6、7 トラック
10 案内要素
11 ホルダ
12 持ち上げ要素
13 鋸歯状ラック又はねじ棒
16 接合点
α 供給角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンド(1、2)をそれらの縦縁(3、4)に沿って互いに接合するように案内するための装置であって、接合すべきバンドの第1バンド(1)を案内するための第1トラック(6)を形成する案内要素(10)と、第2バンド(2)を第1バンドの1つの縦縁に沿って接合するように案内するための第2トラック(7)を形成する案内要素(10)とを含み、これらのトラック(6、7)は、その上を案内されるバンド(1、2)が輸送方向で互いに接近し、かつ互いに接合すべきそれらの縦縁が接触点から隙間なし、かつ重なりなしで互いに支えられるように構成されている装置において、少なくとも1つのトラック(6、7)は、その上で案内されるバンド(1、2)の横方向移動(17、18)が起こるように、1/4≦λ≦2の波長の波状となるよう構成され、この波状トラック(6、7)の複数の連続的案内要素(10)の回転軸及び/又は縦中心軸は、前記トラック上で案内されるバンド(1、2)がその縦軸の周りを回転するように、基準水平面に関して異なる傾斜角で他のトラックの方へ傾いていることを特徴とする装置。
【請求項2】
各トラック(6、7)は、それぞれのトラック(6、7)上で案内されるバンド(1、2)の横方向移動が起こるように、1/4≦λ≦2の波長の波状となるよう構成され、各波状トラック(6、7)の複数の連続的案内要素(10)の回転軸及び/又は縦中心軸は、前記トラック上で案内されるバンド(1、2)がその縦軸の周りを回転するように、基準水平面に関して異なる傾斜角で他のトラックの方へ傾いていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
波状トラック(6、7)は、縦縁に沿って互いに接合すべきバンド(1、2)の対向又は同期横方向移動が起こるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
1又は複数のトラック(6、7)の複数の連続的案内要素(10)は調整手段を備え、この手段を用いて各案内要素(10)の高さ並びに/或いは回転軸及び/又は縦中心軸の傾斜角を、基準水平面に関して、必要ならば、それに垂直に調整できることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
1又は複数のトラック(6、7)の各案内要素(10)は、水平方向に互いに間隔が空いている少なくとも2つの持ち上げ要素(12)、好ましくは鋸歯状ラック又はねじ棒(13)上に支持されているホルダ(11)に回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
持ち上げ要素(12)は起電性、油圧式又は空気圧式ドライブを備え、かつリモートコントロールが利用可能であり、このリモートコントロールによって前記ドライブを個々に又はグループとして制御及び/又は調節できることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
バンド(1、2)をそれらの縦縁(3、4)に沿って互いに接合するように案内する方法であって、互いに間隔を空けて実質的に平行に伸長するバンドを、第1トラック(6)を形成する案内要素(10)と、第2トラック(7)を形成する案内要素(10)とを介して、これらのトラック(6、7)上で案内されるバンド(1、2)が輸送方向で互いに接近し、かつ互いに接合すべきそれらの縦縁(3、4)が接触点から隙間なし、かつ重なりなしで互いに支えられるように、接合点(16)へ案内する方法において、少なくとも1つのトラック(6、7)は、その上で案内されるバンド(1、2)の横方向移動が起こるように、1/4≦λ≦2の波長の波状となるよう構成され、この波状トラックの複数の連続的案内要素(10)の回転軸及び/又は縦中心軸は、前記トラック上で案内されるバンド(1、2)がその縦軸の周りを輸送方向に回転するように、基準水平面に関して異なる傾斜角で他のトラックの方へ傾いていることを特徴とする方法。
【請求項8】
2つの各トラック(6、7)は、その上で案内される各バンド(1、2)の横方向移動が起こるように、1/4≦λ≦2の波長の波状となるよう構成され、各波状トラックの複数の連続的案内要素(10)の回転軸及び/又は縦中心軸は、前記トラック上で案内されるバンド(1、2)がその縦軸の周りを輸送方向に回転するように、基準水平面に関して異なる傾斜角で他のトラックの方へ傾いていることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
波状トラック(6、7)は、縦縁(3、4)に沿って互いに接合すべきバンド(1、2)の対向又は同期横方向移動が起こるように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
向かい合うバンド(1、2)の縦縁(3、4)によって規定される供給角(α)を変えるため、少なくとも1つのトラック(6、7)の複数の連続的案内要素(10)の高さ並びに/或いは回転軸及び/又は縦中心軸の傾斜角を、前記トラック上で案内されるバンド(1、2)の厚さ、幅及び/又は品質に応じて、基準水平面に関して、かつ必要ならば、それに垂直に調整することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
隣接し合うバンド(1、2)の縦縁(3、4)において規定力が調整されるように、複数の連続的案内要素(10)の回転軸及び/又は縦中心軸の傾斜角を変えることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−517946(P2013−517946A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550381(P2012−550381)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050296
【国際公開番号】WO2011/089044
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(510041496)ティッセンクルップ スチール ヨーロッパ アクチェンゲゼルシャフト (18)
【氏名又は名称原語表記】ThyssenKrupp Steel Europe AG
【住所又は居所原語表記】Kaiser−Wilhelm−Strasse 100,47166 Duisburg Germany
【Fターム(参考)】