説明

バースト光受信回路

【課題】 バースト信号を受信する装置において、無入力時のノイズによる不要な出力を行わず、信号出力はその先頭からDuty誤差の少ない出力を実現できる受信回路を提供すること。
【解決手段】 バースト光受信回路において、バースト光信号が入力される前の無入力状態の時はマスク信号発生回路15よりマスク信号Vmを出力制御回路14に対して出力し、この信号を受けて出力制御回路14は適正な無信号レベルを出力する。バースト光信号が入力された後も、受信処理を行う過程で出力信号が安定するまではマスク信号Vmが出力されたままの状態となるようにする。出力信号がDuty誤差のない安定した状態となった後、マスク信号Vmが停止し、出力制御回路14の出力は適正な無信号レベルから信号出力に切り換わるようにタイミング制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信技術の分野で用いられるバースト光受信回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの急速な普及と発展に見られるように情報伝送には高速・大容量化が求められている。その中で主流となってきているのが光を用いた光伝送である。光伝送方式として種々の方式が提案されているが、受信装置に共通して求められる特性は伝送距離が短距離から長距離まで安定して受信できること(ダイナミックレンジ広いこと)である。
【0003】
経済的高速広帯域光伝送方式としてファイバ・ツー・ザ・ホーム(Fiber-To-The-Home:FTTH)システムに採用されているATM−PON(Asynchronous TransferMode based Passive Optical Network unit)では、局側で複数ユーザを収容する光加入者終端装置(OLT:OpticalLine Terminal)とユーザ側で光加入者線を終端する光アクセス装置(ONU:Optical Network Unit)との間が光ファイバで結ばれ、信号が双方向伝送される。特にONUからOLTへの信号はバースト信号となり、さらに各ONUはOLTから見て短距離および長距離さまざまな位置にある。従って、OLTの受信装置には、様々な距離から送られてくるバースト信号を安定して受信できることが必要となる。
【0004】
OLTの受信装置の代表的な構成を記す。前段部分の光受信回路は、光信号を電流信号に変換する受光素子と、電流信号を電圧信号に変換するプリアンプと、信号を増幅するために適切な閾値を設定する自動閾値調整回路と、信号を増幅しディジタル信号化するリミッタ回路等を備えて構成される。続いてクロックデータリカバリ(CDR)回路があり、信号からクロック成分を取り出し、そのクロックでデータ再生を行う。再生されたデータとクロックは、続くディジタル信号処理回路に入力され、ここでデータ通信に必要な種々のデータ処理が行われることになる。
【0005】
このように前段部分の光受信回路は、Duty(デューティ)誤差の少ない信号を出力しないと、後段のCDRが誤動作する場合がある。特にバースト信号の場合は、信号の先頭部分にあるプリアンブルビットの期間内でCDRが正しくクロックとデータを再生する状態となることが必要となる。このため、前段部分の光受信回路においては、光信号が無入力状態の時には適正なローレベルを出力することと、信号入力後はプリアンブルビットの早い段階でDuty誤差の少ない安定した出力を行うことが求められる。
【0006】
光信号の無入力状態とは光の入力レベルがゼロもしくは著しく小さな状態をいい、光信号の入力状態とは光のレベルが所定以上である期間と著しくレベルが小さい期間を繰り返す状態をいう。すなわち、光信号をディジタル信号に当てはめると無入力状態または信号入力レベルが著しく小さい期間がローレベル(「L」レベル)に、信号入力レベルが所定以上である期間がハイレベル(「H」レベル)に相当する。
以上のような観点から、前段部分の光受信回路には信号が無入力時にノイズなどに反応して誤ってハイレベル出力を出さないように種々の工夫が提案されている。
【0007】
図5は、従来提案されているバースト信号受信回路の従来例である(特許文献1参照)。このバースト信号受信回路にバースト信号が入力されると、ピーク検出回路102がバースト信号のピーク値を検出し、ボトム検出回路103がバースト信号のボトム値を検出する。これらの検出されたピーク値及びボトム値を基に閾値回路104がアンプ101の閾値を設定する。この閾値を基にアンプ101がバースト信号を構成する各パルス信号の検出を行う。一方、判定手段105に入力されたピーク検出回路102の出力は、判定手段105の内部で基準電圧と比較され、バースト信号入力の有無を判定する。
【0008】
この判定結果は出力制御手段106に入力され、ここで信号の出力制御が行われる。すなわち判定手段105によってバースト信号が入力されていると判定された場合は、出力制御手段106はアンプ101の出力信号を後段へ送出する。一方、バースト信号が入力されていないと判定された場合は、出力制御手段106がアンプ101の出力信号を後段へ送出しないようにする。
【0009】
このように従来例では、判定手段105でバースト信号ありと判定されるまでは後段に出力信号が送出されないようになっており、ノイズによりアンプ101がハイレベルを出力してもそれが送出されないため、後段にあるCDRの誤動作を防ぐことができる。
【特許文献1】特開平10−210087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、従来のバースト光受信回路においては、判定手段105の信号ありの判定タイミングが、ピーク検出回路102の動作速度及び判定手段105の動作速度により遅延を生じる。この遅延のために出力制御手段106が後段にアンプ101の出力信号を送出開始する場合、送出すべき信号の途中から出力する可能性がある。つまり出力制御手段106の出力信号の少なくとも先頭部分はDuty誤差を含んだ信号が表れるため、後段のCDRには誤動作しないような対処策が必要となり、CDR回路を簡素化できないという問題がある。
【0011】
さらに光受信回路には、入力可能な信号レベルの範囲が広いこと、すなわち広ダイナミックレンジ特性を有していることが求められている。このためバースト信号の入力レベルが大きい時は、内部回路の出力が飽和しないように利得を自動的に低下させる自動利得調整回路(AGC回路)を備えたものが多く考案されている。このAGC回路を備えた光受信回路に、図5の従来例を適用すると、バースト信号が大入力レベルの時は、バースト信号の先頭付近で適切な利得に調整を行うためAGC回路が動作する。この時点で判定手段105が信号ありと判定し、出力制御手段106が後段へバースト信号を送出すると、AGC回路が利得調整を完了する前の歪んだ信号や利得調整中のスパイクノイズなどを後段へ送出することになり、後段回路は誤動作する可能性がより高くなり問題となる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、バースト信号が無入力時に不要な信号出力を行わず、また後段回路への信号出力の先頭からDuty誤差の少ない信号出力を実現できるバースト光受信回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1によるバースト光受信回路は、バースト光信号の受信処理を行うバースト光受信回路において、マスク信号が入力されている間は信号出力の代わりに適正な無信号レベルを出力する出力制御回路と、前記バースト光信号が無信号期間および前記バースト光信号の受信処理を行う過程で出力信号が安定するまでの期間の何れかの期間は前記マスク信号を出力するマスク信号発生回路とを備え、前記バースト光信号が入力されてから所定時間経過後に当該バースト光信号がローレベル期間に、前記マスク信号の出力が停止するようにしたことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、次のような作用が得られる。ここで、通常の光受信回路には光信号を電流信号に変換するPD(フォトダイオード)と、PDの電流出力を電圧信号に変化するプリアンプと、プリアンプの出力から信号を増幅するための適切な閾値を設定する自動閾値設定回路と、プリアンプの出力をその閾値を基準に増幅しディジタル信号化または擬似ディジタル信号化するリミッタ回路などが具備される。これらの回路については様々な回路が工夫され提案されているが、それらは本発明の本質的な技術とは直接関係がないので詳しい言及などは省略する。
【0014】
上記請求項1に示すバースト光受信回路の構成によれば、バースト光信号が入力される前の無入力状態の時はマスク信号発生回路よりマスク信号を出力制御回路に対して出力しおり、この信号を受けて出力制御回路は適正な無信号レベルを出力する。適正な無信号レベルとはバースト光信号が無く、またノイズや信号を増幅する回路にオフセット電圧が無い場合に出力するはずのレベルを意味する。この無入力状態からバースト光信号のパルス信号が入力されると、マスク信号発生回路内で入力信号ありの検出を行いマスク信号の出力を停止するための制御信号を内部で発生させる。
【0015】
ただし、そのマスク信号の出力を停止するための制御信号が発生しても直ちにマスク信号の出力は停止されず、自動閾値設定回路の閾値が確定し、リミッタ回路の出力がDuty誤差のない安定した出力となるまでの間はマスク信号が出力されたままの状態となるようにタイミング制御する。つまりマスク信号の出力が停止されるのは、マスク信号発生回路内で信号ありの検出が行われ、リミッタ回路の出力がDuty誤差のない安定した出力となった後に、初めてリミッタ回路の信号出力が「H」から「L」(反転出力でみれば「L」から「H」)になるとマスク信号の出力を停止するための制御信号が有効になりマスク信号の出力が停止される。マスク信号の出力が停止すると出力制御回路の出力は適正な無信号レベルからリミッタ回路出力に切り換わることになる。
【0016】
また、本発明の請求項2によるバースト光受信回路は、請求項1において、前記マスク信号発生回路は、前記バースト光信号の有無を判定する信号検出回路と、前記バースト光信号が検出された時の前記信号検出回路の出力を動作開始信号として前記マスク信号の出力を停止させるまでの時間をカウントするタイマー回路と、前記マスク信号を出力するフリップフロップとを備え、前記フリップフロップのデータ端子及びクロック端子に前記タイマー回路の出力端子及び増幅された前記バースト光信号出力端子がそれぞれ接続されていることを特徴とする。
【0017】
この構成のバースト光受信回路は、バースト光信号が入力される前の無入力状態の時はマスク信号発生回路よりマスク信号を出力制御回路に対して出力しおり、この信号を受けて出力制御回路は適正な無信号レベルを出力する。無入力状態からバースト光信号のパルス信号が入力されると、そのパルス信号はマスク発生回路内の信号検出回路に入力され所定のレベルと比較される。この所定のレベルをパルス信号が超えていれば信号入力有りと判定され、信号検出回路の出力信号はタイマー回路のタイマー動作開始信号としてタイマー回路に入力され、タイマー動作が開始する。タイマー回路でカウントする時間は、自動閾値設定回路の閾値が確定し、リミッタ回路の出力がDuty誤差のない安定した出力となるまでの間であるように設定する。タイマー回路のカウントが終了すると、タイマー回路の出力論理値は初期値の「L」から「H」となり、フリップフロップのデータ端子に入力される。フリップフロップのクロック端子にはリミッタ回路の反転出力が入力される。すなわちタイマー回路の出力が論理値「L」から「H」となった後にリミッタ回路の信号出力が「H」から「L」(反転出力でみれば「L」から「H」)になるとフリップフロップ出力は初期値の「L」から「H」となりマスク信号が解除されたことになる。このフリップフロップの出力信号はマスク信号発生回路の出力であるマスク信号として出力制御回路に入力され、出力制御回路の出力は適正な無信号レベルからリミッタ出力に切り換わる。
【0018】
このように請求項2のバースト光受信回路にバースト光信号が入力されると、信号検出回路でバースト光信号の有無が判定される。バースト光信号が有と判定されてもリミッタ回路出力などの増幅回路の出力が安定するまでタイマー回路により出力制御回路の出力は適正な無信号レベル出力が維持されることになる。出力制御回路の出力がリミッタ回路出力などの増幅回路の出力に切り換わるタイミングはフリップフロップ出力で制御されるため、必ずバースト光信号の「L」の期間で切り換えることができる。つまり「H」パルスの期間で切り換わらないため、「H」パルスのDutyを崩すことなく信号出力に切り換えることが可能となる。
上記説明はフリップフロップを1つとした場合であるが、フリップフロップをシフトレジスタ構成で追加接続することでマスク信号が解除されるタイミングを遅らせることも可能である。
【0019】
また、本発明の請求項3によるバースト光受信回路は、請求項1において、前記マスク信号発生回路は、前記マスク信号を出力するフリップフロップを備え、前記フリップフロップのデータ端子に、前記バースト光信号に応じた信号が入力される自動閾値調整回路の動作制御信号が接続され、前記フリップフロップのクロック端子に、前記自動閾値調整回路で増幅された前記バースト光信号の出力端子が接続されていることを特徴とする。
【0020】
この構成のバースト光受信回路は、受信回路を構成するプリアンプが自動利得調整機能(AGC機能)を有しており、他の構成は請求項1又は2と同様にPDと、自動閾値設定回路と、リミッタ回路などが具備されていることを前提としている。これらの回路については前述したように本発明の本質的な技術とは直接関係がないので詳しい言及などは省略する。
【0021】
プリアンプが自動利得調整機能を有している場合、リミッタ出力が安定するには利得調整が終了し、その後に自動閾値調整回路による閾値出力が安定した状態とならなければならない。つまり利得調整機能が動作している分、長くマスク信号を出力して出力制御回路を制御する必要がある。しかし、プリアンプが自動利得調整機能を有している回路では自動閾値調整回路が動作開始するタイミングを利得調整が終了してから行うようにプリアンプから自動閾値調整回路へ動作制御信号が出力されることが多い。請求項3のバースト光受信回路では、この自動閾値調整回路への動作制御信号を流用することでマスク信号発生回路から信号検出回路やタイマー回路を削除して簡素にし、目的の動作を実現するようにしていることが特徴となる。
【0022】
請求項3に示すバースト光受信回路の動作を具体的に説明する。ただし、これまでのバースト光受信回路の説明と重複する部分については簡潔に記述する。無入力状態からバースト光信号のパルス信号が入力されると、プリアンプの自動利得調整機能が動作し、「H」パルス信号を数個を使って利得調整する。この利得調整中はプリアンプの出力が飽和したりする場合がある。利得調整が終了すると自動閾値調整回路へ動作制御信号が出力されるため、本発明では自動閾値調整回路への動作制御信号をフリップフロップのデータ端子に入力し、クロック端子にはリミッタ回路の反転出力を入力する。すなわち動作制御信号が初期値「L」から「H」となった後にリミッタ回路の信号出力が「H」から「L」(反転出力でみれば「L」から「H」)になるとフリップフロップ出力は初期値の「L」から「H」となり、このフリップフロップの出力信号はマスク信号発生回路の出力であるマスク信号として出力制御回路に入力され、出力制御回路の出力は適正な無信号レベルからリミッタ出力に切り換わる。
【0023】
このように請求項3に示すバースト光受信回路は、プリアンプからの自動閾値調整回路へ出力される動作制御信号を用いることでプリアンプの利得調整中の不安定な出力をマスクできる。さらにフリップフロップ出力が初期値「L」から「H」に代わるのは、自動閾値調整回路への動作制御信号が入力された後の「H」パルスの立下りとなる。この「H」パルス期間に自動閾値調整回路の閾値が確定するために閾値確定する前の不安定な出力もマスクされる。すなわち出力制御回路の出力がリミッタ回路出力などの増幅回路の出力に切り換わるタイミングは必ずバースト光信号の「L」の間であるため、「H」パルスのDutyを崩すことなく信号出力に切り換えることが可能となる。
【0024】
上記説明では自動閾値調整回路の閾値調整が1つの「H」パルスで完了できると仮定したが、2つ以上の「H」パルスを必要とする場合は、必要な時間をカウントするタイマー回路を追加すればよい。つまり自動閾値調整回路への動作制御信号をタイマー開始信号として用い、タイマー回路の出力をフリップフロップのデータ端子に入力すれば自動閾値調整回路が2つ以上の「H」パルスを必要とする場合にもマスク解除タイミングを適切な時間に設定できるため、特に問題とならない。
【0025】
また、本発明の請求項4によるバースト光受信回路は、請求項2または3において、前記マスク信号発生回路を構成する各回路は、リセット端子を有し、前記バースト光信号の入力前に当該リセット端子に入力されるリセット信号により初期化されることを特徴とする。
この構成におけるマスク信号発生回路にリセット信号が入力されるとする。まず前述の請求項2のマスク信号発生回路の場合には、信号検出回路の出力が初期化されると伴に信号の有無を判定中の状態となり、タイマー回路も初期化されると伴にタイマー動作開始信号待ちの停止状態となる。さらにフリップフロップの出力も初期化され、マスク信号を出力した状態となる。前述の請求項3のマスク信号発生回路の場合には、フリップフロップの出力が初期化され、マスク信号を出力した状態となる。
このように、バースト光信号に先立って入力されるリセット信号がある場合には、マスク発生回路にリセット端子を設け入力することで、バーストフレーム毎にマスク信号発生回路の初期状態を簡単に作りだせるため、回路規模を小さくすることが容易となる。
【0026】
以上のように、本発明は従来のように無入力時のみ出力をマスクするだけではなく、出力が安定しない間はデータであっても意図的にマスクすることが特徴となる。ただしマスクするデータは、バーストデータ初期にあるトレーニング期間のプリアンブルビットの範囲内であることは言うまでもない。さらにプリアンブルビットは後段のCDRでもタイミング抽出に用いるため、CDRの動作を考慮してマスク範囲を決める必要がある。これらの制限を遵守すれば、プリアンブルビットの先頭ビットがいくつかマスクされてもシステム上は問題が発生することはない。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば次のような効果が得られる。すなわち従来例のような回路では、無入力信号時のノイズを後段に送出することはないが、バースト光信号の最初のパルスから信号出力を後段に送出するため、信号出力初期に見られる自動閾値調整回路の閾値確定までの遅延などによるDuty誤差を含んだ信号出力が後段へ送出されてしまう。これに対して本発明のバースト光受信回路では、無入力信号時のノイズを後段に送出しないだけではなく、プリアンプの自動利得調整回路や自動閾値調整回路の回路動作初期に発生するDuty誤差を含む信号出力までも後段に送出しないようにしている。このため、後段に続くCDR回路にとってはノイズによる誤った入力がないだけではなく、最初の信号入力からDuty誤差がないため、誤動作する可能性が非常に低くなる。さらにCDR回路は最初の信号入力を用いてすぐに内部処理を行えるため、回路を簡素化できる。
【0028】
このように本発明のバースト光受信回路は、ノイズやDuty誤差による後段回路の誤動作を回避できるため、通信品質の低下を防ぐことができるという効果がある。また、ノイズやDuty誤差のない出力を送出するために、後段回路にはこれに対する対処回路や機能が不要となるため回路規模を小さくできるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。但し、本明細書中の全図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適時省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るバースト光受信回路の構成を示す図である。
図1に示すバースト光受信回路は、PD(受光素子)10から出力された入力電流信号Iinを出力電圧V0に変換するプリアンプ11と、プリアンプ11の出力V0を入力として適正な閾値レベルを設定し、この閾値を基準に入力信号を増幅する自動閾値調整回路12と、自動閾値調整回路12の出力をさらに増幅してディジタル信号もしくは擬似ディジタル信号化し出力(正転出力VLP,反転出力VLN)するリミッタ回路13と、リミッタ回路13の出力と内部で発生したローレベル出力をマスク信号Vmにより切り換えて出力する出力制御回路14と、マスク信号Vmを発生して出力するマスク信号発生回路15とを備えて構成されている。
【0030】
マスク信号発生回路15の構成は、プリアンプ11の出力V0と基準電圧V1とをコンパレータ21で比較してバースト光信号の有無を判定し、この判定結果をフリップフロップ22に記憶する信号検出回路20と、この信号検出回路20の出力Vsをカウント開始信号入力としてマスク信号Vmの出力を停止させるまでの時間をカウントするタイマー回路23と、データ端子及びクロック端子にタイマー回路23の出力Vm1とリミッタ回路13の反転出力VLNがそれぞれ接続され、その出力がマスク信号Vmとなるフリップフロップ24とを備えてなる。
さらに、マスク信号発生回路15にはリセット信号Resetが入力されており、内部ではフリップフロップ22及び24とタイマー回路23に入力され、リセット信号Resetの入力により各回路22〜24が初期状態に戻るようになっている。
【0031】
図2は、バースト光信号を受信した時の第1の実施の形態の動作の一例を示すタイミングチャートである。
プリアンプ11には自動利得調整機能がなく、また自動閾値調整回路12はバースト光信号の「H」パルス1個で閾値を調整できる回路を想定している。以下、図1及び図2に基づき動作の説明を行う。尚、図2では差動出力の正転出力VLP及びVOPのみ示し、反転出力VLN及びVONは省略している。
【0032】
バースト光信号に先立ってリセット信号Resetが入力されるとマスク信号発生回路15が初期化される。具体的には信号検出回路20内のフリップフロップ22の出力Vsが「L」となり無信号状態を示し、信号検出回路20は信号の有無を検出中の状態となる。またタイマー回路も初期化され出力Vm1は「L」となり、フリップフロップ22の出力Vsが「H」となるまで動作停止状態となる。さらにフリップフロップ24の出力Vmが「L」となる。
【0033】
マスク信号Vmが「L」の時は、出力制御回路14はリミッタ13の出力VLP,VLNではなく、適正な無信号レベル(「L」レベル)を出力VOP,VONに送り出す。つまりリセット信号Resetが入力されるとバースト光信号が入力されるまでは出力VOP,VONはマスク状態(「L」出力状態)となり、ノイズ等(不定状態)が出力VOP,VONに送出されることはない。通常は自動閾値調整回路12の閾値REFも初期化される。
【0034】
リセット信号Resetが入力後、バースト光信号がPD10に入力されるとPD10は電流信号Iinを出力する。この電流信号Iinは、プリアンプ11で出力電圧V0に変換され、出力電圧V0は信号検出回路20と自動閾値調整回路12の両方に入力される。信号検出回路20では出力電圧V0と基準電圧V1とをコンパレータ21で比較する。この比較結果、出力電圧V0が基準電圧V1を超えていた場合はコンパレータ21の出力が「L」から「H」に変わる。この出力がフリップフロップ22のクロック端子に入力されるため、データ端子に接続されているVCC(「H」論理)が出力に表れ、信号検出回路20の出力Vsは「H」となり、バースト光信号が検知された事を表す。出力Vsはタイマー回路23の動作開始信号となるため、出力Vsが「H」となるとタイマー動作が開始され所定の時間が経過すると出力Vm1は「L」から「H」に遷移する。出力Vm1はフリップフロップ24のデータ端子に入力される。
【0035】
通常考案されている自動閾値調整回路は、入力信号の振幅値をサンプルホールド回路を用いて検出し、振幅の中心値を閾値として定めてその閾値を基準に入力信号を増幅する。本実施の形態も、このような動作をする自動閾値調整回路を前提として説明する。
自動閾値調整回路12は、入力された出力電圧V0の振幅値より閾値REFを決定し、閾値REFを基準に入力信号を増幅する。この増幅された出力(本実施の形態では差動出力としている。)はリミッタ回路13に入力され、さらに増幅され、ディジタル信号もしくは擬似ディジタル信号化された出力VLP及びVLNを出力する。この出力VLP及びVLNは出力制御回路14に、出力VLNはフリップフロップ24のクロック端子に入力される。
【0036】
ここで本実施の形態の動作タイミングについて詳細に説明する。バースト光信号に先立ってリセット信号Resetが入力されるとマスク信号発生回路15は初期化され、マスク信号Vmを送出する。このため出力制御回路14は適正な「L」レベルを出力VOP,VONに送り出す。リセット時は自動閾値調整回路12の閾値REFも初期化されるため、自動閾値調整回路12の出力を通してリミッタ回路13の出力VLP及びVLNはノイズを出力する(図2では不定と表示している)。
【0037】
しかし、マスク信号Vmにより出力制御回路14の出力VOP,VONには適正な「L」レベルしか表れない。次にバースト光信号が入力され、プリアンプ11の出力電圧V0が信号検出回路20の基準電圧V1を超えると、信号入力有りと判定され、信号検出回路20の出力Vsが「L」から「H」になり、タイマー回路23が動作開始する。これとほぼ同時にプリアンプ11の出力電圧V0が入力された自動閾値調整回路12は閾値調整を開始する。この閾値REFが安定した電圧になるまではリミッタ回路13の出力には「H」が出やすくなる(出力Dutyが崩れやすくなる)。
【0038】
ただし自動閾値調整回路12は、バースト光信号の「H」パルス1個の期間で閾値を調整できる回路を想定していたので、2個目の「H」からは出力にDuty誤差が表れなくなる。つまりマスク信号Vm停止のタイミングは、その2個目の「H」から出力するように行えば良いことになる。
このため信号検出回路20で信号入力有りと判定されてからタイマー回路23によって適切な遅延を作り2個目の「H」から出力するように、マスク信号Vmの停止を制御する。ただし「H」期間の途中でマスク信号Vmが停止すると、「H」期間の短い信号が出力VOPおよびVONに出力されることになり、Duty誤差のある信号を送出することになる。これを避けるためにフリップフロップ24は、タイマー回路23の出力Vm1が「H」になった後、初めてリミッタ回路13の出力VLP(VLNは逆極性となる)が「H」から「L」になったタイミングでマスク信号Vmを「L」から「H」にしてマスク解除を行う。
【0039】
このような制御を行うことで、出力制御回路14の出力が「L」レベルからリミッタ回路13の出力に切り換わるタイミングは、必ずリミッタ回路13の出力の「L」期間となり、出力制御回路14の出力には最初からDuty誤差の無い「H」が表れることになる。
通常、フリップフロップ24の出力変化や出力制御回路14の出力切り換え動作には、遅延が生じる。本実施の形態の回路では、リミッタ回路13の出力VLPが「H」から「L」になったタイミングでマスク信号Vmを停止する制御を行うため、発生する遅延がデータ1ビット期間内(「L」である期間内)であれば、「L」データの次の「H」データ先頭部分を回路の動作遅延により出力しないという問題は生じない。言い換えれば、本回路は信号出力に回路の動作遅延起因のDuty誤差を含まない特徴がある。
【0040】
また、本回路を用いない時の出力信号はリミッタ回路13の出力VLP,VLNとなるため、図2から明らかなように、不定状態や「H」が長いデータが出力される可能性があるため、次段回路の誤動作を誘発しやすい。
なお、本実施の形態では自動閾値調整回路12がバースト光信号の「H」パルス1個の期間で閾値を調整できるという想定をしているが、本発明の回路はそれに限定されることはない。自動閾値調整回路がバースト光信号の「H」パルス2個以上必要とする場合は、タイマー回路23のカウント時間を増やすか、フリップフロップ24を1つではなくシフトレジスタのように複数段構成にしてマスク期間を調整することによって対応可能である。
【0041】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るバースト光受信回路の構成を示す図である。この図3において、受光素子10から出力された入力電流信号Iinを出力電圧V0に変換すると共に、出力電圧値が設定値を超える場合には自動的に利得調整する(AGC)機能を備えたプリアンプ16と、プリアンプ16が自動利得調整を終了すると終了したことを知らせる制御信号Vatcを出力し、プリアンプ16の出力V0と制御信号Vatcを入力として適正な閾値レベルを設定し、この閾値を基準に入力信号V0を増幅する自動閾値調整回路17と、自動閾値調整回路17の出力をさらに増幅してディジタル信号もしくは擬似ディジタル信号化して出力(正転出力VLP,反転出力VLN)するリミッタ回路13と、リミッタ回路13の出力と内部で発生したローレベル出力をマスク信号Vmにより切り換えて出力する出力制御回路14と、マスク信号Vmを発生して出力するマスク信号発生回路15−1とを備えて構成されている。
【0042】
マスク信号発生回路15−1は、データ端子及びクロック端子にプリアンプ16からの制御信号Vatcとリミッタ回路13の反転出力VLNとがそれぞれ接続されたフリップフロップ25を備えている。またマスク信号発生回路15には、リセット信号Resetが入力され、内部ではフリップフロップ25に入力されており、リセット信号Resetの入力によりフリップフロップ25が初期状態に戻るようになっている。
【0043】
図4は、バースト光信号を受信した時の第2の実施の形態の動作の一例を示すタイミングチャートである。
第2の実施の形態で示したプリアンプ16の自動利得調整機能は、バースト光信号の「H」パルス1個で出力電圧値の判定と利得切り換えができ、利得切り換え終了後に適切なタイミングで制御信号Vatcを出力できる回路とした。
また自動閾値調整回路17は、プリアンプ16からの制御信号Vatcが入力された後、バースト光信号の「H」パルス1個で閾値を調整できる回路である。以下、図3及び図4に基づき動作の説明を行う。尚、図4では差動出力の正転出力VLP及びVOPのみ示し、反転出力VLN及びVONは省略している。
【0044】
バースト光信号に先立ってリセット信号Resetが入力されるとマスク信号発生回路15−1が初期化される。具体的にはフリップフロップ25の出力であるマスク信号Vmが「L」となる。マスク信号Vmが「L」の時、出力制御回路14はリミッタ13の出力VLP,VLNではなく、適正な無信号レベル(「L」レベル)を出力VOP,VONに送出する。つまりリセット信号Resetが入力されるとマスク状態(「L」出力状態)となり、ノイズ等(不定状態)が出力VOP,VONに表れることはない。さらに通常は制御信号Vatc(初期値「L」と仮定)と自動閾値調整回路17の閾値REFも初期化される。
【0045】
リセット信号Resetが入力後、バースト光信号がPD10に入力されるとPD10は電流信号Iinを出力する。この電流信号Iinはプリアンプ16で出力電圧V0に変換され、出力電圧V0は自動閾値調整回路17に入力される。ここで電流信号Iinが比較的大きな電流値でプリアンプ16の出力電圧V0が予め設定した振幅値を超えている場合には、自動利得調整機能が働き、プリアンプ16の利得を低下させる。
【0046】
この機能によりプリアンプ16の出力電圧V0は入力電流Iinの大きさに係わらず、設定した振幅値内に制御される。自動利得調整機能による利得切り換えが終了すると制御信号Vatcは「L」から「H」となり出力される。この自動利得調整機能はバースト受信回路では良く見られる機能であり、異なる距離にある送信端末からの信号(送信パワーが異なる信号)を歪みなく受信するために有効である。内部回路の歪みは出力信号のDuty誤差となるため、歪まないようにすることは受信回路にとって重要な特性である。
【0047】
自動閾値調整回路17は、入力された出力電圧V0のピーク検出などを行い閾値を決め、その閾値を基準に入力信号を増幅して出力する回路であるが、前段に自動利得調整機能の付いたプリアンプ16がある場合には、利得調整が完了し、V0の振幅値が安定してから閾値の抽出を行わないと誤った閾値を抽出してしまい、出力にDuty誤差を生じる可能性がある。
【0048】
このため、プリアンプ16からの利得調整が完了したことを意味する信号V0によって閾値抽出を開始する必要がある。本実施の形態の場合はプリアンプ16からの制御信号Vatcによって自動閾値調整回路17の閾値抽出の開始信号としている。制御信号Vatcが「L」の時は、閾値抽出は停止状態、「H」となった時点から閾値抽出を開始する。閾値が決まるとこの閾値を基準にV0が増幅され、この増幅された出力がリミッタ回路13に入力され、さらに増幅され、ディジタル信号もしくは擬似ディジタル信号化された出力VLP及びVLNを出力する。
【0049】
この出力VLP及びVLNは出力制御回路14に入力され、出力VLNはフリップフロップ25のクロック端子にも入力される。フリップフロップ25のデータ端子にはプリアンプ16からの制御信号Vatcが入力される。フリップフロップ25の出力Vmが「L」の時は、出力制御回路14は適正な「L」レベルを出力し、フリップフロップ25の出力Vmが「H」になるとリミッタ回路13の出力をそのまま出力することになる。このようにプリアンプ16の内部で作られる制御信号Vatcを使うことで、第1の実施の形態より簡単な回路構成で同様の動作を実現することができる。
【0050】
ここで本実施の形態の動作タイミングについて詳細に説明する。バースト光信号に先立ってリセット信号Resetが入力されるとマスク信号発生回路15−1が初期化され、マスク信号を送出する。このため出力制御回路14は、適正な「L」レベルを出力VOP,VONに送り出す。リセット時は制御信号Vatcや自動閾値調整回路17の閾値REFも初期化されるため、自動閾値調整回路17の出力を通してリミッタ回路13の出力VLP及びVLNはノイズを出力する。しかしマスク信号Vmにより出力制御回路14の出力VOP,VONには適正な「L」レベルしか表れない。
【0051】
次にバースト光信号が入力され、プリアンプ16の出力電圧V0の振幅値が設定した値を超えると、プリアンプ16は自動で利得調整を行って振幅値が設定値以下になるようにする。また利得調整が完了すると制御信号Vatcは「L」から「H」に変わる。図4に示す制御信号Vatcは利得調整の完了から若干遅れて変化させているが、これはタイマー回路などで適当な遅延を作ることを想定しており、リミッタ回路13の出力が不定状態の時に制御信号Vatcが変化するとマスク解除される可能性があるため、これを避けるためである。
【0052】
制御信号Vatcが「H」になると、自動閾値調整回路17は閾値調整を開始し、閾値REFはV0の「H」1つの期間で安定する。フリップフロップ25のデータ端子にも制御信号Vatcの「H」が入力されるがクロック端子に入力されているリミッタ回路の出力VLPが「H」から「L」(VLNでは「L」から「H」)に変わるまでマスク信号Vmは「L」を保持する。
【0053】
制御信号Vatcが「H」になり、リミッタ回路の出力VLPが「H」から「L」(VLNでは「L」から「H」)に変わるとフリップフロップ25の出力は「H」となり、出力制御回路14の出力が適正な「L」レベルからリミッタ回路13の出力に切り換わる。出力制御回路14の出力がリミッタ回路13の出力に切り換わるタイミングは、第1の実施の形態と同様に必ずリミッタ回路13の出力の「L」期間となり、出力制御回路14の出力には最初からDuty誤差の無い「H」が表れることになる。
【0054】
第2の実施の形態も第1の実施の形態と同様に、リミッタ回路13の出力VLPが「H」から「L」になったタイミングでマスク信号Vmを停止する制御を行うため、発生する遅延がデータ1ビット期間内(「L」である期間内)であれば、「L」データの次の「H」データ先頭部分を回路の動作遅延により出力しないという問題は生じない。
また、本発明を用いない時の出力信号はリミッタ回路13の出力VLP,VLNとなるため、図4から明らかなように、不定状態や「H」が長いデータが出力される可能性があるため、次段回路の誤動作を誘発しやすい。
【0055】
なお、第2の実施の形態では前述したように、プリアンプ16の自動利得調整機能はバースト光信号の「H」パルス1個で出力電圧値の判定と利得切り換えができ、利得切り換え終了後すぐに制御信号Vatcを出力できる回路とし、自動閾値調整回路17はプリアンプ16からの制御信号Vatcが入力された後、始めてのバースト光信号の「H」パルス1個で閾値を調整できる回路とした。
【0056】
しかし、第2の実施の形態では、その仮定に限定されるものではない。仮にプリアンプの自動利得調整機能が利得調整を行うのにバースト光信号の「H」パルスを複数個必要としても、また自動閾値調整回路の閾値調整を完了するのにバースト光信号の「H」パルス複数個を必要とした場合でも、第1の実施の形態に示したようなタイマー回路を追加するか、フリップフロップ25を1つではなくシフトレジスタのように複数段構成にすることで適切なタイミングでマスク信号を解除させることが可能である。
なお、第1及び第2の実施の形態とも回路説明の中でフリップフロップを用いるように説明してきたが、ラッチ素子でも本発明の動作を実現可能である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明のバースト光受信回路は、無入力時のノイズによる不要な出力を行わず、また後段回路への信号出力はその先頭からDuty誤差の少ない信号出力を実現できるためバースト光伝送の分野で好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るバースト光受信回路の構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態のバースト光受信回路における動作の一例を示すダイミングチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るバースト光受信回路の構成を示す図である。
【図4】第2の実施の形態のバースト光受信回路における動作の一例を示すダイミングチャートである。
【図5】従来のバースト光受信回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
10 受光素子
11 プリアンプ
12、17 自動閾値調整回路
13 リミッタ回路
14 出力制御回路
15,15−1 マスク信号発生回路
16 AGC機能付きプリアンプ
20 信号検出回路
21 コンパレータ
22,24,25 フリップフロップ
23 タイマー回路
Iin 入力信号電流
Reset リセット信号
V1 基準電圧
Vatc プリアンプからの制御信号
Vm マスク信号
Vm1 タイマー回路の出力電圧
Vs 信号検出回路の出力(フリップフロップの出力)
VLP,VLN リミッタ回路の出力電圧(差動出力)
VOP,VON 出力制御回路の出力電圧(差動出力)
V0 プリアンプの出力電圧
VCC 電源電圧
VSS グランド電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バースト光信号の受信処理を行うバースト光受信回路において、
マスク信号が入力されている間は信号出力の代わりに適正な無信号レベルを出力する出力制御回路と、前記バースト光信号が無信号期間および前記バースト光信号の受信処理を行う過程で出力信号が安定するまでの期間の何れかの期間は前記マスク信号を出力するマスク信号発生回路とを備え、
前記バースト光信号が入力されてから所定時間経過後に当該バースト光信号がローレベル期間に、前記マスク信号の出力が停止するようにしたことを特徴とするバースト光受信回路。
【請求項2】
前記マスク信号発生回路は、前記バースト光信号の有無を判定する信号検出回路と、前記バースト光信号が検出された時の前記信号検出回路の出力を動作開始信号として前記マスク信号の出力を停止させるまでの時間をカウントするタイマー回路と、前記マスク信号を出力するフリップフロップとを備え、前記フリップフロップのデータ端子及びクロック端子に前記タイマー回路の出力端子及び増幅された前記バースト光信号出力端子がそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1記載のバースト光受信回路。
【請求項3】
前記マスク信号発生回路は、前記マスク信号を出力するフリップフロップを備え、前記フリップフロップのデータ端子に、前記バースト光信号に応じた信号が入力される自動閾値調整回路の動作制御信号が接続され、前記フリップフロップのクロック端子に、前記自動閾値調整回路で増幅された前記バースト光信号の出力端子が接続されていることを特徴とする請求項1記載のバースト光受信回路。
【請求項4】
前記マスク信号発生回路を構成する各回路は、リセット端子を有し、前記バースト光信号の入力前に当該リセット端子に入力されるリセット信号により初期化されることを特徴とする請求項2または3に記載のバースト光受信回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−254061(P2006−254061A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−67388(P2005−67388)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(594021175)旭化成マイクロシステム株式会社 (57)
【Fターム(参考)】