バーナの燃焼方法
【課題】NOX低減効果を発揮する、実用的に価値のあるバーナの燃焼方法を提供する。
【解決手段】酸化剤流れと、燃料流れを供給して燃焼するバーナ1の燃焼方法であって、前記酸化剤流れは、前記燃料流れの周囲または前記燃料流れの近傍から噴出する1次酸化剤流れと、前記燃料流れを中心とした対称な位置から噴出する複数の2次酸化剤流れとからなり、前記複数の2次酸化剤流れを、個々に周期的変化をもって流量を変化して噴出することを特徴とするバーナ1の燃焼方法を採用する。
【解決手段】酸化剤流れと、燃料流れを供給して燃焼するバーナ1の燃焼方法であって、前記酸化剤流れは、前記燃料流れの周囲または前記燃料流れの近傍から噴出する1次酸化剤流れと、前記燃料流れを中心とした対称な位置から噴出する複数の2次酸化剤流れとからなり、前記複数の2次酸化剤流れを、個々に周期的変化をもって流量を変化して噴出することを特徴とするバーナ1の燃焼方法を採用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナの燃焼方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境問題が大きくクローズアップされるなか、窒素酸化物削減は重要課題の1つであり、急務な課題である。このNOX削減方法としては、発生抑制に関する技術が重要であり、排ガス再循環、希薄燃焼、濃淡燃焼、多段燃焼などが知られており、工業用から民生用に至るまで広く応用されている。これらの技術を適用した低NOX燃焼器により、ある程度NOX対策は進展してきたものの、より効果的なNOX低減方法がさらに求められてきている。
【0003】
これらの課題を解決する方法として、従来から研究・開発が進められてきていたNOX低減方法の1つに、燃料、酸化剤の流量を周期的に変化させて、一種の時間的な濃淡燃焼を行う方法(以後、「強制振動燃焼」という。)がある(特許文献1〜6)。
【0004】
これらは、燃料または酸化剤の一方を、または、燃料および酸化剤の両方の供給流量を振動制御することで、燃焼火炎の化学量論比を変化させ、燃料過濃燃焼および燃料希薄燃焼を交互に形成することで、NOXの低減を実現している。
【0005】
また、特許文献7には、酸化剤が純酸素によって高濃度に富化されている場合の脈動燃焼、いわゆる強制振動燃焼を利用したNOXの低減方法、およびその方法を実施するための装置について開示されている。
【0006】
また、特許文献8〜14には、燃料や酸化剤を多段で炉内や燃焼室に噴出するいわゆる多段燃焼方法が開示されており、低NOXの効果について言及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第0046898号明細書
【特許文献2】米国特許第4846665号明細書
【特許文献3】特開平6−213411号公報
【特許文献4】特開2000−171005号公報
【特許文献5】特開2000−1710032号公報
【特許文献6】特開2001−311505号公報
【特許文献7】特開平5−215311号公報
【特許文献8】特開平6−257723号公報
【特許文献9】特開平7−233920号公報
【特許文献10】特許第4132409号公報
【特許文献11】特開2007−232364号公報
【特許文献12】特開平6−213410号公報
【特許文献13】特表2004−523721号公報
【特許文献14】米国特許第5601425号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、発明者らが低減効果に関する追試験を実施したところ、NOX低減効果は認められたものの実用的に価値のある低減効果は得られず、更なる革新的な技術開発が必要であることが確認された。
このような背景のもと、実用的に価値のあるNOX低減方法が望まれていたが、有効適切なものは提供されていないのが実情である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本願発明者らは、実用的に価値のあるNOX低減方法の開発に鋭意取り組んでいたところ、バーナに複数の複数の酸化剤流れを供給し、燃料周囲から噴出される1次酸化剤流れとは別に、外側に対称に、所望の距離離れた場所から噴出される2次酸化剤流れの流量に、周期的変化をおこさせることによって、従来よりも大幅にNOX低減効果が発現することを見いだした。
【0010】
すなわち、請求項1に係る発明は、酸化剤流れと、燃料流れを供給して燃焼するバーナの燃焼方法であって、前記酸化剤流れは、前記燃料流れの周囲または前記燃料流れの近傍から噴出する1次酸化剤流れと、前記燃料流れを中心とした対称の位置から噴出する複数の2次酸化剤流れとからなり、前記複数の2次酸化剤流れを、個々に周期的変化をもって流量を変化して噴出することを特徴とするバーナの燃焼方法である。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記2次酸化剤流れの周期的変化の周波数が0.01Hz以上20Hz以下であることを特徴とする請求項1に記載のバーナの燃焼方法である。
【0012】
請求項3に係る発明は、前記2次酸化剤流れの流速が、秒速20m以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバーナの燃焼方法である。
【0013】
請求項4に係る発明は、前記燃料流れの燃焼に対して必要とされる酸化剤の流量に対する前記1次酸化剤流れの流量比率が、10%以上70%以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のバーナの燃焼方法である。
【0014】
請求項5に係る発明は、前記燃料流れ及び前記1次酸化剤流れを、周期的変化をもって流量を変化して噴出することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のバーナの燃焼方法である。
【0015】
請求項6に係る発明は、前記燃料流れの周期的変化の周波数と、前記1次酸化剤流れの周期的変化の周波数とが、同じであることを特徴とする請求項5に記載のバーナの燃焼方法である。
【0016】
請求項7に係る発明は、前記燃料流れの周期的変化と、前記1次酸化剤流れの周期的変化との位相差がπ/2であることを特徴とする請求項6に記載のバーナの燃焼方法である。
【0017】
請求項8に係る発明は、前記酸化剤流れ中の酸素以外のガスの主成分が、窒素ガスであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のバーナの燃焼方法である。
【0018】
請求項9に係る発明は、前記酸化剤流れ中の酸素以外のガスの主成分が、炭酸ガスであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のバーナの燃焼方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、NOXを大幅かつ確実に低減できるバーナの燃焼方法を得ることができる。また、本発明は、新規燃焼器を設計する場合のみならず、既設燃焼器にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施形態であるバーナの概略を示す側面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態であるバーナの概略を示す平面図である。
【図3】図3は、本発明に用いる燃料ノズルの一例を示す概念図である。
【図4】図4(a)は、本発明に用いる1次酸化剤ノズルの一例を示す概念図であり、図4(b)は、本発明に用いる2次酸化剤ノズルの一例を示す概念図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態であるバーナの配管の一例を示す概念図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態であるバーナの配管の一例を示す概念図である。
【図7】図7(a)ないし図7(c)は、本発明の一実施形態であるバーナの燃焼の概略を示す側面図である。
【図8】図8は、本発明の一実施例における周波数とNOX濃度の関係を示すグラフである。
【図9】図9は、本発明の一実施例における周波数とCO濃度の関係を示すグラフである。
【図10】図10は、本発明の一実施例における周波数とNOX濃度の関係を示すグラフである。
【図11】図11は、本発明の一実施例における周波数とNOX濃度の関係を示すグラフである。
【図12】図12は、本発明の一実施例における周波数とNOX濃度の関係を示すグラフである。
【図13】図13は、本発明の一実施例における周波数とNOX濃度の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を適用した一実施形態であるバーナの燃焼方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴を分かり易くするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率が実際と同じであるとは限らない。
【0022】
本発明の実施形態に用いられるバーナ1は、図1及び図2に示すように、燃料流れを噴出する燃料ノズル2と、1次酸化剤流れを噴出する1次酸化剤ノズル3と、2次酸化剤流れを噴出する2次酸化剤ノズル4から概略構成されている。
【0023】
図1に示すように、燃料ノズル2と、1次酸化剤ノズル3と、2次酸化剤ノズル4は、いずれも筒状に形成されており、その長手方向が同一方向となるように形成されている。したがって、燃料ノズル2が燃料流れを噴出する方向と、1次酸化剤ノズル3が酸化剤流れを噴出する方向と、2次酸化剤ノズル4が酸化剤流れを噴出する方向は、いずれも同一方向となっている。
【0024】
また、燃料ノズル2の噴出口が設けられた噴出面2aと、1次酸化剤ノズル3の噴出口が設けられた噴出面3aと、2次酸化剤ノズル4の噴出口が設けられた噴出面4aは、全て同一平面上に形成されている。したがって、図1に示すように、バーナ1を側面から見た際には、燃料ノズル2の噴出面2aと、1次酸化剤ノズル3の噴出面3aと、2次酸化剤ノズル4の噴出面4aは一直線状に見える。
【0025】
また、1次酸化剤ノズル3は、燃料ノズル2の周囲または燃料ノズル2の近傍に設けられている。ここで、周囲または近傍に設けられているとは、1次酸化剤ノズル3と燃料ノズル2が、所望の距離内に配置されていることをいい、1次酸化剤ノズル3が、実質的に燃料ノズル2と隣接した位置に配置されていることをいう。
これにより、燃料流れを噴出する位置と、実質的に隣接した位置から酸化剤流れを噴出することができる。
【0026】
また、本実施形態では、図2に示すように、燃料ノズル2と、1次酸化剤ノズル3が同軸上に形成されている。具体的には、燃料ノズル2は、円筒状に形成されており、1次酸化剤ノズル3は、燃料ノズル2の外周を囲むように形成されている。すなわち、1次酸化剤ノズル3は、断面形状が所定幅hを有したリング状(ドーナツ状)に形成されており、燃料ノズル2は、リング状に形成された1次酸化剤ノズル3の内周内に配置されている。
【0027】
もっとも、燃料ノズル2と1次酸化剤ノズル3の配置位置については、上記形態に限定されず、必ずしも1次酸化剤ノズル3の断面形状はリング状である必要はなく、1次酸化剤ノズル3が、燃料ノズル2の周囲または近傍に配置されていればよい。
【0028】
2次酸化剤ノズル4は、燃料ノズル2を軸中心とした、対象な位置に複数配置されている。したがって、平面視した際には、図2に示すように、2次酸化剤ノズル4は、燃料ノズル2に対して点対称の位置に配置されている。
【0029】
また、対象の位置に配置された2つの2次酸化剤ノズル4の間の距離lは、燃料流れや、1次酸化剤流れや、2次酸化剤流れの流速などを勘案して、適宜決めればよい。
【0030】
なお、図1および図2においては、2次酸化剤ノズル4を2つ配置する場合について描かれているが、これに限定されず、3つ以上でも構わない。3つ以上の場合は、平面視した際に、各2次酸化剤ノズル4を頂点とする図形の重心の位置に、燃料ノズル2が配置されるようにすればよい。
【0031】
次に、各ノズルに流体を供給する配管について説明する。
燃料ノズル2には、図3に示すように、燃料流れを供給する燃料供給配管5が接続されている。なお、燃料流れとしては、典型的には天然ガス(LNG)を例示することができるが、重油などの液体燃料であっても構わない。
【0032】
また、燃料供給配管5には、燃料流れの流量に周期的変化を与える強制振動手段50が設けられている。この強制振動手段50とは、具体的には、燃料供給配管5に設けられた流量調節弁51と、流量調節弁51を制御する流量計52を含むコントロールユニットのことを指す。
【0033】
1次酸化剤ノズル3には、図4(a)に示すように、1次酸化剤流れを供給する1次酸化剤供給配管11が接続されている。そして、1次酸化剤供給配管11は、上流において空気を供給する1次空気供給配管6と、酸素を供給する1次酸素供給配管7とに分岐している。1次酸化剤流れは、空気と酸素の混合ガスであり、空気の替わりに窒素ガス・炭酸ガス・排ガスを用いても構わない。酸素としては、工業用純酸素を用いるのが好ましい。
【0034】
そして、1次空気供給配管6及び1次酸素供給配管7には、それぞれ空気の流量や酸素の流量に周期的変化を与える強制振動手段60,70が設けられている。この強制振動手段60,70とは、具体的には、1次空気供給配管6または1次酸素供給配管7に設けられた流量調節弁61,71と、流量調節弁61,71を制御する流量計62,72を含むコントロールユニットのことをそれぞれ指す。
なお、1次酸化剤流れとして、酸素濃度が固定された酸化剤を用いる場合は、予め当該濃度に固定された酸化剤を供給すれば足りるので、1次酸化剤供給配管11は、上流で分岐する必要がなく、1次酸化剤供給配管11に、強制振動手段(図示略)を設ければよい。
【0035】
2次酸化剤ノズル4は、略1次酸化剤ノズル3と同様に制御されている。すなわち、2次酸化剤ノズル4には、図4(b)に示すように、2次酸化剤流れを供給する2次酸化剤供給配管12が接続されている。そして、2次酸化剤供給配管12は、上流において空気を供給する2次空気供給配管8と、酸素を供給する2次酸素供給配管9とに分岐している。2次酸化剤流れは、空気と酸素の混合ガスであり、空気の替わりに窒素ガス・炭酸ガス・排ガスを用いても構わない。酸素としては、工業用純酸素を用いるのが好ましい。
【0036】
そして、2次空気供給配管8及び2次酸素供給配管9には、それぞれ空気の流量や酸素の流量に周期的変化を与える強制振動手段80,90が設けられている。この強制振動手段80,90とは、具体的には、2次空気供給配管8または2次酸素供給配管9に設けられた流量調節弁81,91と、流量調節弁81,91を制御する流量計82,92を含むコントロールユニットのことをそれぞれ指す。
なお、2次酸化剤流れとして、酸素濃度が固定された酸化剤を用いる場合は、予め当該濃度に固定された酸化剤を供給すれば足りるので、2次酸化剤供給配管12は、上流で分岐する必要がなく、1次酸化剤供給配管12に、強制振動手段(図示略)を設ければよい。
【0037】
また、バーナ1には、図1に示したように、2次酸化剤ノズル4が、複数設けられている。そこで、図5に示すように、2次酸化剤ノズル4ごとに、2次酸化剤供給配管12、2次空気供給配管8、2次酸素供給配管9、強制手段80,90をそれぞれ用意し、各2次酸化剤ノズル4ごとに噴出する2次酸化剤流れの流量を変化させても構わない。また、図6に示すように、2次酸化剤供給配管12を下流において切替え弁13を設けて分岐させ、分岐した配管にそれぞれ2次酸化剤ノズル4を接続させてもよい。
【0038】
以上の配管5,11、12を介して、各ノズル2,3,4には、燃料流れないし酸化剤流れが供給される。そして、各強制振動手段50,60,70,80,90を制御することで、各ノズル2,3,4から噴出される流体の流量が制御される。
また、複数の2次酸化剤ノズル4の噴出口からは、強制振動手段80,90により、流量が周期的に変化するように2次酸化剤が噴出される。そして、個々の2次酸化剤ノズル4から噴出される流量の周期的変化には、位相差をもたせる。例えば、図7(a)ないし図7(c)に示すように、2つの2次酸化剤ノズル41,42を用いた場合は、2次酸化剤ノズル41と2次酸化剤ノズル42とから噴出する2次酸化剤流れの流量の周期的変化の位相差をπとしても構わない。
【0039】
次に、各ノズル2,3,4から供給される流体の流量の制御について説明する。
燃料ノズル2から噴出する燃料流れの流量は、一定であっても構わないし、強制振動手段50を用いて、周期的変化していても構わない。周期的に変化させる場合は、その周期は、0.01Hz以上20Hz以下であることが好ましく、0.02Hz以上2Hz以下であることがより好ましい。
【0040】
また、燃料流れの流量が周期的に変化する場合は、1次酸化剤流れの流量も周期的に変化することが好ましく、更に両者の周波数が等しいことがより好ましく、その位相差がπ/2に制御されているのが最も好ましい。
【0041】
1次酸化剤流れの流量は、一定であっても構わないし、強制振動手段60,70を用いて、周期的に変化していても構わない。周期的に変化させる場合は、その周期は、0.01Hz以上20Hz以下であることが好ましく、0.02Hz以上2Hz以下であることがより好ましい。
【0042】
また、1次酸化剤流れの流量が周期的に変化する場合は、燃料流れの流量も周期的に変化することが好ましく、更に両者の周波数が等しいことがより好ましく、その位相差がπ/2に制御されているのが最も好ましい。
【0043】
また、1次酸化剤流れ中の酸素濃度は、強制振動手段60,70を用いて、空気の流量や酸素の流量を変化させ、周期的に変化させていても構わない。なお、酸素濃度を一定にしながら、1次酸化剤流れの流量を周期的に変化させる場合には、1次酸化剤供給配管11に直接、酸素濃度が一定の酸化剤を供給し、1次酸化剤供給配管11に強制振動手段(図示略)を設ければよい。また、強制振動手段60,70によって、空気の流量と酸素の流量をそれぞれの比率が一定になるように、ともに周期的に変化させる、すなわち両者の周波数が等しく、位相差が0となるように制御してもよい。
【0044】
2次酸化剤流れの流量は、強制振動手段80,90を用いて、周期的に変化するように制御する。また、その周期は、0.01Hz以上20Hz以下に制御されていることが好ましく、0.02Hz以上2Hz以下に制御されているのがより好ましい。また、複数の2次酸化剤ノズル4から噴出される2次酸化剤流れの流量の周期的変化には、位相差をもたせるように制御する。
また、2次酸化剤流れの流速は、20m/s以上であることが好ましく、60m/s以上であることがより好ましい。
【0045】
また、2次酸化剤流れ中の酸素濃度は、強制振動手段80,90を用いて、空気の流量や酸素の流量を変化させ、周期的に変化させていても構わない。なお、2次酸化剤流れ中の酸素濃度を一定にする場合は、2次酸化剤供給配管12に直接、酸素濃度が一定の酸化剤を供給し、2次酸化剤供給配管12に強制振動手段(図示略)を設ければよい。また、強制振動手段80,90によって、空気の流量と酸素の流量をそれぞれの比率が一定になるように、ともに周期的に変化させる、すなわち両者の周波数が等しく、位相差が0となるように制御してもよい。
【0046】
また、1次酸化剤流れに含まれる酸素の流量と2次酸化剤流れに含まれる酸素の流量の合計量(すなわち、バーナ1に供給される酸素量)に対する、1次酸化剤流れに含まれる酸素の流量の比率は、10%以上70%以下であることが好ましく、10%以上50%以下であることがより好ましい。
すなわち、燃料流れを燃焼するのに消費された酸素のうち、10%以上70%以下の酸素が1次酸化剤流れ由来の酸素であることが好ましく、10%以上50%以下の酸素が、1次酸化剤流れ由来の酸素であることがより好ましい。
なお、ここでいう比率は、時間平均での値である。
【0047】
また、2次酸化剤流れに含まれる酸素の流量を基準とすると、1次酸化剤流れに含まれる酸素の流量と2次酸化剤流れに含まれる酸素の流量の合計量に対する、2次酸化剤流れに含まれる酸素の流量の比率は、30%以上90%以下であることが好ましく、50%以上90%以下であることがより好ましいこととなる。
【0048】
また、1次酸化剤流れ及び2次酸化剤流れは、ともに酸素以外のガスの主成分が窒素ガスまたは炭酸ガスであることが好ましい。すなわち、1次酸化剤流れ及び2次酸化剤流れは、空気と酸素が混合した流体だが、ここで空気として大気中のものを取り込んで利用した場合は、1次酸化剤流れ及び2次酸化剤流れは、ともに酸素以外のガスの主成分が窒素ガスとなる。また、空気として排ガスを用いた場合は、1次酸化剤流れ及び2次酸化剤流れは、ともの酸素以外のガスの主成分が窒素ガスと炭酸ガスとなる。なお、1次酸化剤流れと2次酸化剤流れとで、用いる空気を変えても構わない。
【0049】
本実施形態のバーナ1の燃焼方法によれば、酸化剤流れが、燃料流れの周囲または近傍から噴出する1次酸化剤流れと、燃料流れを中心とした対称な位置から噴出する複数の2次酸化剤流れとからなるので、従来のように1つの酸化剤流れによって燃焼する場合と比較して、酸化剤流れの供給の仕方が異なる。加えて、複数の2次酸化剤流れを、周期的変化をもって流量を変化して噴出し、それぞれに位相差を設けることで、NOXを大幅かつ確実に低減することができる。
また、本実施形態のバーナ1の燃焼方法は、新規に燃焼器を設計する場合のみならず、既設の燃焼器におけるバーナにも適用することが可能である。
【0050】
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0051】
以下、2次酸化剤流れの流量を周期的に変化させてバーナを燃焼した際の、NOX低減効果について、実施例を示して説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
【0052】
(実施例1)
実施例1では、図1及び図2に示すように、1次酸化剤ノズル3が、燃料ノズル2の外周を囲むように配置され、2つの2次酸化剤ノズル4が、同一平面上で、燃料ノズル2を軸中心として左右対称な位置に配置されたバーナ1を用いて実験を行った。なお、2つの2次酸化剤ノズル4の間の距離lを40cmとし、個々の2次酸化剤ノズル4から噴出する2次酸化剤流れの流量の周期的変化について、位相差をπとした。
【0053】
燃料流れには、LNGを使用し、燃料流れの流量は一定とした。また、1次酸化剤流れに含まれる酸素の流量と2次酸化剤流れに含まれる酸素の流量の合計量(すなわち、バーナ1に供給される酸素量)に対する、1次酸化剤流れに含まれる酸素の流量を30%とし、2次酸化剤流れに含まれる酸素の流量を70%とした。
【0054】
1次酸化剤流れの流量は一定とし、1次酸化剤流れ及び2次酸化剤流れの酸素濃度は40%に固定した。また、酸素比は、時間平均で1.05となるようにした。
2次酸化剤流れの流量は周期的に変化するようにし、その周期を0.017Hz〜100Hzの配位で変えた際の、NOX排出量及びCO濃度を測定した。NOX排出量の結果を図8に、CO濃度の結果を図9に示す。
【0055】
なお、試験結果の解析にあたり、従来技術として、燃料ノズルの周囲に酸化剤ノズルが配置された構造のバーナを用いて、酸素濃度を40%に固定し、通常燃焼させた場合のNOX排出量及びCO濃度を測定した。この値をそれぞれ基準値NOX(ref)ないし基準値CO(ref)とした。
図8及び図9においては、横軸は、周波数を表しており、縦軸は、基準値NOX(ref)を用いて規格化したNOX排出量(NOX/NOX(ref))、または基準値CO(ref)を用いて規格化したCO濃度(CO/CO(ref))を表している。
【0056】
図8から明らかなように、2次酸化剤流れを用い、その流量を周期的に変化させることで、NOX排出量を大幅に低減することができた。また、2次酸化剤流れの流量の周波数が20Hzのところで、NOX排出量が急激に増加する傾向にあり、周波数は20Hz以下にするのが好ましいことが分かる。
また、図9から明らかなように、2次酸化剤流れを用いるか否か、及びその流量の周期的変化の周波数は、CO濃度にあまり影響を与えない傾向にある。
【0057】
(実施例2)
次に、実施例2では、2つの2次酸化剤ノズル4間の距離lを変えて、NOX排出量への影響を調べた。具体的には、2つの2次酸化剤ノズル4の間の距離lを、10,20,30,40,50cmの5つの条件について、2次酸化剤流れの周波数を0.017Hz〜100Hzの範囲で変化させた。他の条件は、実施例1と同じ条件で行った。NOX排出量を測定した結果を図10に示す。なお、図10において、横軸は、周波数を表しており、縦軸は、実施例1における基準値NOX(ref)によって規格化されたNOX排出量を表している。
【0058】
図10から明らかなように、2次酸化剤ノズル間4の距離lを大きくすることにより、NOX排出量は減少する。また、2次酸化剤流れの流量の周波数が20Hzのところで、急激にNOX排出量が増加する傾向にあるので、周波数は20Hz以下にするのが好ましいことが分かる。
なお、実施例2においてもCO濃度を測定したこところ、実施例1と同様に2次酸化剤流れを用いるか否か、及びその流量の周期的変化の周波数は、CO濃度にあまり影響を与えない傾向にあった。
【0059】
なお、燃焼量による影響を確認するため、実施例2においては、2倍の燃焼量、すなわち燃料流れと酸化剤流れの流量を2倍にした場合についても、NOX排出量を測定した。結果を図11に示す。なお、図11においては、各周波数において、ノズル間距離を10〜50cmにした際の規格化されたNOX排出量の範囲を示している。
図11から明らかなように、燃焼量を2倍にしたとしても、同様な傾向にあることが確認された。
【0060】
(実施例3)
次に、実施例3では、酸化剤流れ中の酸素濃度を変えて、NOX排出量への影響を調べた。具体的には、1次酸化剤流れ中の酸素濃度及び2次酸化剤流れ中の酸素濃度をともに同じ濃度とし、40%、60%、97%のそれぞれの場合について、2次酸化剤流れの周波数を0.017Hz〜100Hzの範囲で変化させて、NOX排出量を測定した。結果を図12に示す。
【0061】
なお、試験結果の解析にあたり、燃料ノズルの周囲に酸化剤ノズルが配置された構造のバーナを用いて、酸素濃度を40%、60%、97%に固定し、通常燃焼させた場合のNOX排出量を測定し、この値をそれぞれの酸素濃度での基準値NOX(ref)とした。
図12において、横軸は、周波数を表しており、縦軸は、それぞれの濃度に対応した基準値NOX(ref)によって規格された排出量を表している。
【0062】
図12から明らかなように、酸素濃度の変化に影響されることなく、2次酸化剤流れを用い、その流量を周期的に変化させることで、NOX排出量を大幅に低減することができた。また、2次酸化剤流れの流量の周波数が20Hzのところで、NOX排出量が急激に増加する傾向にあり、周波数は20Hz以下にするのが好ましいことが分かる。
なお、実施例3においてもCO濃度を測定したこところ、実施例1や実施例2と同様に、2次酸化剤流れを用いるか否か、及びその流量の周期的変化の周波数は、CO濃度にあまり影響を与えない傾向にあった。
【0063】
(実施例4)
次に、実施例4では、2次酸化剤流れの流速を変えて、NOX排出量への影響を調べた。具体的には、2次酸化剤流れの流速が、10m/s,20m/s,30m/s,60m/s,100m/s,200m/s,300m/sの7つの条件について、2次酸化剤流れの周波数を、0.017Hz〜100Hzの範囲で変化させた。他の条件は、実施例1と同じ条件で行った。NOX排出量を測定した結果を図13に示す。なお、図13において、横軸は、周波数を表しており、縦軸は、実施例1における基準値NOX(ref)をもとに規格化されたNOX排出量を表している。
【0064】
図13から明らかなように、2次酸化剤流れの流速を上昇させると、NOX排出量が減少する傾向にある。特に、流速が20m/s以上であることが好ましく、60m/s以上であることがより好ましいことが分かる。
なお、実施例4においてもCO濃度を測定したこところ、実施例1ないし実施例3と同様に、2次酸化剤流れを用いるか否か、及びその流量の周期的変化の周波数は、CO濃度にあまり影響を与えない傾向にあった。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、バーナの燃焼方法に関するものなので、燃焼器を利用する製造業において幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1・・・バーナ、2・・・燃料ノズル、3・・・1次酸化剤ノズル、4・・・2次酸化剤ノズル、5・・・燃料供給配管、11・・・1次酸化剤供給配管、12・・・2次酸化剤供給配管、50,60,70,80,90・・・強制振動手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナの燃焼方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境問題が大きくクローズアップされるなか、窒素酸化物削減は重要課題の1つであり、急務な課題である。このNOX削減方法としては、発生抑制に関する技術が重要であり、排ガス再循環、希薄燃焼、濃淡燃焼、多段燃焼などが知られており、工業用から民生用に至るまで広く応用されている。これらの技術を適用した低NOX燃焼器により、ある程度NOX対策は進展してきたものの、より効果的なNOX低減方法がさらに求められてきている。
【0003】
これらの課題を解決する方法として、従来から研究・開発が進められてきていたNOX低減方法の1つに、燃料、酸化剤の流量を周期的に変化させて、一種の時間的な濃淡燃焼を行う方法(以後、「強制振動燃焼」という。)がある(特許文献1〜6)。
【0004】
これらは、燃料または酸化剤の一方を、または、燃料および酸化剤の両方の供給流量を振動制御することで、燃焼火炎の化学量論比を変化させ、燃料過濃燃焼および燃料希薄燃焼を交互に形成することで、NOXの低減を実現している。
【0005】
また、特許文献7には、酸化剤が純酸素によって高濃度に富化されている場合の脈動燃焼、いわゆる強制振動燃焼を利用したNOXの低減方法、およびその方法を実施するための装置について開示されている。
【0006】
また、特許文献8〜14には、燃料や酸化剤を多段で炉内や燃焼室に噴出するいわゆる多段燃焼方法が開示されており、低NOXの効果について言及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第0046898号明細書
【特許文献2】米国特許第4846665号明細書
【特許文献3】特開平6−213411号公報
【特許文献4】特開2000−171005号公報
【特許文献5】特開2000−1710032号公報
【特許文献6】特開2001−311505号公報
【特許文献7】特開平5−215311号公報
【特許文献8】特開平6−257723号公報
【特許文献9】特開平7−233920号公報
【特許文献10】特許第4132409号公報
【特許文献11】特開2007−232364号公報
【特許文献12】特開平6−213410号公報
【特許文献13】特表2004−523721号公報
【特許文献14】米国特許第5601425号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、発明者らが低減効果に関する追試験を実施したところ、NOX低減効果は認められたものの実用的に価値のある低減効果は得られず、更なる革新的な技術開発が必要であることが確認された。
このような背景のもと、実用的に価値のあるNOX低減方法が望まれていたが、有効適切なものは提供されていないのが実情である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本願発明者らは、実用的に価値のあるNOX低減方法の開発に鋭意取り組んでいたところ、バーナに複数の複数の酸化剤流れを供給し、燃料周囲から噴出される1次酸化剤流れとは別に、外側に対称に、所望の距離離れた場所から噴出される2次酸化剤流れの流量に、周期的変化をおこさせることによって、従来よりも大幅にNOX低減効果が発現することを見いだした。
【0010】
すなわち、請求項1に係る発明は、酸化剤流れと、燃料流れを供給して燃焼するバーナの燃焼方法であって、前記酸化剤流れは、前記燃料流れの周囲または前記燃料流れの近傍から噴出する1次酸化剤流れと、前記燃料流れを中心とした対称の位置から噴出する複数の2次酸化剤流れとからなり、前記複数の2次酸化剤流れを、個々に周期的変化をもって流量を変化して噴出することを特徴とするバーナの燃焼方法である。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記2次酸化剤流れの周期的変化の周波数が0.01Hz以上20Hz以下であることを特徴とする請求項1に記載のバーナの燃焼方法である。
【0012】
請求項3に係る発明は、前記2次酸化剤流れの流速が、秒速20m以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバーナの燃焼方法である。
【0013】
請求項4に係る発明は、前記燃料流れの燃焼に対して必要とされる酸化剤の流量に対する前記1次酸化剤流れの流量比率が、10%以上70%以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のバーナの燃焼方法である。
【0014】
請求項5に係る発明は、前記燃料流れ及び前記1次酸化剤流れを、周期的変化をもって流量を変化して噴出することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のバーナの燃焼方法である。
【0015】
請求項6に係る発明は、前記燃料流れの周期的変化の周波数と、前記1次酸化剤流れの周期的変化の周波数とが、同じであることを特徴とする請求項5に記載のバーナの燃焼方法である。
【0016】
請求項7に係る発明は、前記燃料流れの周期的変化と、前記1次酸化剤流れの周期的変化との位相差がπ/2であることを特徴とする請求項6に記載のバーナの燃焼方法である。
【0017】
請求項8に係る発明は、前記酸化剤流れ中の酸素以外のガスの主成分が、窒素ガスであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のバーナの燃焼方法である。
【0018】
請求項9に係る発明は、前記酸化剤流れ中の酸素以外のガスの主成分が、炭酸ガスであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のバーナの燃焼方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、NOXを大幅かつ確実に低減できるバーナの燃焼方法を得ることができる。また、本発明は、新規燃焼器を設計する場合のみならず、既設燃焼器にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施形態であるバーナの概略を示す側面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態であるバーナの概略を示す平面図である。
【図3】図3は、本発明に用いる燃料ノズルの一例を示す概念図である。
【図4】図4(a)は、本発明に用いる1次酸化剤ノズルの一例を示す概念図であり、図4(b)は、本発明に用いる2次酸化剤ノズルの一例を示す概念図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態であるバーナの配管の一例を示す概念図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態であるバーナの配管の一例を示す概念図である。
【図7】図7(a)ないし図7(c)は、本発明の一実施形態であるバーナの燃焼の概略を示す側面図である。
【図8】図8は、本発明の一実施例における周波数とNOX濃度の関係を示すグラフである。
【図9】図9は、本発明の一実施例における周波数とCO濃度の関係を示すグラフである。
【図10】図10は、本発明の一実施例における周波数とNOX濃度の関係を示すグラフである。
【図11】図11は、本発明の一実施例における周波数とNOX濃度の関係を示すグラフである。
【図12】図12は、本発明の一実施例における周波数とNOX濃度の関係を示すグラフである。
【図13】図13は、本発明の一実施例における周波数とNOX濃度の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を適用した一実施形態であるバーナの燃焼方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴を分かり易くするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率が実際と同じであるとは限らない。
【0022】
本発明の実施形態に用いられるバーナ1は、図1及び図2に示すように、燃料流れを噴出する燃料ノズル2と、1次酸化剤流れを噴出する1次酸化剤ノズル3と、2次酸化剤流れを噴出する2次酸化剤ノズル4から概略構成されている。
【0023】
図1に示すように、燃料ノズル2と、1次酸化剤ノズル3と、2次酸化剤ノズル4は、いずれも筒状に形成されており、その長手方向が同一方向となるように形成されている。したがって、燃料ノズル2が燃料流れを噴出する方向と、1次酸化剤ノズル3が酸化剤流れを噴出する方向と、2次酸化剤ノズル4が酸化剤流れを噴出する方向は、いずれも同一方向となっている。
【0024】
また、燃料ノズル2の噴出口が設けられた噴出面2aと、1次酸化剤ノズル3の噴出口が設けられた噴出面3aと、2次酸化剤ノズル4の噴出口が設けられた噴出面4aは、全て同一平面上に形成されている。したがって、図1に示すように、バーナ1を側面から見た際には、燃料ノズル2の噴出面2aと、1次酸化剤ノズル3の噴出面3aと、2次酸化剤ノズル4の噴出面4aは一直線状に見える。
【0025】
また、1次酸化剤ノズル3は、燃料ノズル2の周囲または燃料ノズル2の近傍に設けられている。ここで、周囲または近傍に設けられているとは、1次酸化剤ノズル3と燃料ノズル2が、所望の距離内に配置されていることをいい、1次酸化剤ノズル3が、実質的に燃料ノズル2と隣接した位置に配置されていることをいう。
これにより、燃料流れを噴出する位置と、実質的に隣接した位置から酸化剤流れを噴出することができる。
【0026】
また、本実施形態では、図2に示すように、燃料ノズル2と、1次酸化剤ノズル3が同軸上に形成されている。具体的には、燃料ノズル2は、円筒状に形成されており、1次酸化剤ノズル3は、燃料ノズル2の外周を囲むように形成されている。すなわち、1次酸化剤ノズル3は、断面形状が所定幅hを有したリング状(ドーナツ状)に形成されており、燃料ノズル2は、リング状に形成された1次酸化剤ノズル3の内周内に配置されている。
【0027】
もっとも、燃料ノズル2と1次酸化剤ノズル3の配置位置については、上記形態に限定されず、必ずしも1次酸化剤ノズル3の断面形状はリング状である必要はなく、1次酸化剤ノズル3が、燃料ノズル2の周囲または近傍に配置されていればよい。
【0028】
2次酸化剤ノズル4は、燃料ノズル2を軸中心とした、対象な位置に複数配置されている。したがって、平面視した際には、図2に示すように、2次酸化剤ノズル4は、燃料ノズル2に対して点対称の位置に配置されている。
【0029】
また、対象の位置に配置された2つの2次酸化剤ノズル4の間の距離lは、燃料流れや、1次酸化剤流れや、2次酸化剤流れの流速などを勘案して、適宜決めればよい。
【0030】
なお、図1および図2においては、2次酸化剤ノズル4を2つ配置する場合について描かれているが、これに限定されず、3つ以上でも構わない。3つ以上の場合は、平面視した際に、各2次酸化剤ノズル4を頂点とする図形の重心の位置に、燃料ノズル2が配置されるようにすればよい。
【0031】
次に、各ノズルに流体を供給する配管について説明する。
燃料ノズル2には、図3に示すように、燃料流れを供給する燃料供給配管5が接続されている。なお、燃料流れとしては、典型的には天然ガス(LNG)を例示することができるが、重油などの液体燃料であっても構わない。
【0032】
また、燃料供給配管5には、燃料流れの流量に周期的変化を与える強制振動手段50が設けられている。この強制振動手段50とは、具体的には、燃料供給配管5に設けられた流量調節弁51と、流量調節弁51を制御する流量計52を含むコントロールユニットのことを指す。
【0033】
1次酸化剤ノズル3には、図4(a)に示すように、1次酸化剤流れを供給する1次酸化剤供給配管11が接続されている。そして、1次酸化剤供給配管11は、上流において空気を供給する1次空気供給配管6と、酸素を供給する1次酸素供給配管7とに分岐している。1次酸化剤流れは、空気と酸素の混合ガスであり、空気の替わりに窒素ガス・炭酸ガス・排ガスを用いても構わない。酸素としては、工業用純酸素を用いるのが好ましい。
【0034】
そして、1次空気供給配管6及び1次酸素供給配管7には、それぞれ空気の流量や酸素の流量に周期的変化を与える強制振動手段60,70が設けられている。この強制振動手段60,70とは、具体的には、1次空気供給配管6または1次酸素供給配管7に設けられた流量調節弁61,71と、流量調節弁61,71を制御する流量計62,72を含むコントロールユニットのことをそれぞれ指す。
なお、1次酸化剤流れとして、酸素濃度が固定された酸化剤を用いる場合は、予め当該濃度に固定された酸化剤を供給すれば足りるので、1次酸化剤供給配管11は、上流で分岐する必要がなく、1次酸化剤供給配管11に、強制振動手段(図示略)を設ければよい。
【0035】
2次酸化剤ノズル4は、略1次酸化剤ノズル3と同様に制御されている。すなわち、2次酸化剤ノズル4には、図4(b)に示すように、2次酸化剤流れを供給する2次酸化剤供給配管12が接続されている。そして、2次酸化剤供給配管12は、上流において空気を供給する2次空気供給配管8と、酸素を供給する2次酸素供給配管9とに分岐している。2次酸化剤流れは、空気と酸素の混合ガスであり、空気の替わりに窒素ガス・炭酸ガス・排ガスを用いても構わない。酸素としては、工業用純酸素を用いるのが好ましい。
【0036】
そして、2次空気供給配管8及び2次酸素供給配管9には、それぞれ空気の流量や酸素の流量に周期的変化を与える強制振動手段80,90が設けられている。この強制振動手段80,90とは、具体的には、2次空気供給配管8または2次酸素供給配管9に設けられた流量調節弁81,91と、流量調節弁81,91を制御する流量計82,92を含むコントロールユニットのことをそれぞれ指す。
なお、2次酸化剤流れとして、酸素濃度が固定された酸化剤を用いる場合は、予め当該濃度に固定された酸化剤を供給すれば足りるので、2次酸化剤供給配管12は、上流で分岐する必要がなく、1次酸化剤供給配管12に、強制振動手段(図示略)を設ければよい。
【0037】
また、バーナ1には、図1に示したように、2次酸化剤ノズル4が、複数設けられている。そこで、図5に示すように、2次酸化剤ノズル4ごとに、2次酸化剤供給配管12、2次空気供給配管8、2次酸素供給配管9、強制手段80,90をそれぞれ用意し、各2次酸化剤ノズル4ごとに噴出する2次酸化剤流れの流量を変化させても構わない。また、図6に示すように、2次酸化剤供給配管12を下流において切替え弁13を設けて分岐させ、分岐した配管にそれぞれ2次酸化剤ノズル4を接続させてもよい。
【0038】
以上の配管5,11、12を介して、各ノズル2,3,4には、燃料流れないし酸化剤流れが供給される。そして、各強制振動手段50,60,70,80,90を制御することで、各ノズル2,3,4から噴出される流体の流量が制御される。
また、複数の2次酸化剤ノズル4の噴出口からは、強制振動手段80,90により、流量が周期的に変化するように2次酸化剤が噴出される。そして、個々の2次酸化剤ノズル4から噴出される流量の周期的変化には、位相差をもたせる。例えば、図7(a)ないし図7(c)に示すように、2つの2次酸化剤ノズル41,42を用いた場合は、2次酸化剤ノズル41と2次酸化剤ノズル42とから噴出する2次酸化剤流れの流量の周期的変化の位相差をπとしても構わない。
【0039】
次に、各ノズル2,3,4から供給される流体の流量の制御について説明する。
燃料ノズル2から噴出する燃料流れの流量は、一定であっても構わないし、強制振動手段50を用いて、周期的変化していても構わない。周期的に変化させる場合は、その周期は、0.01Hz以上20Hz以下であることが好ましく、0.02Hz以上2Hz以下であることがより好ましい。
【0040】
また、燃料流れの流量が周期的に変化する場合は、1次酸化剤流れの流量も周期的に変化することが好ましく、更に両者の周波数が等しいことがより好ましく、その位相差がπ/2に制御されているのが最も好ましい。
【0041】
1次酸化剤流れの流量は、一定であっても構わないし、強制振動手段60,70を用いて、周期的に変化していても構わない。周期的に変化させる場合は、その周期は、0.01Hz以上20Hz以下であることが好ましく、0.02Hz以上2Hz以下であることがより好ましい。
【0042】
また、1次酸化剤流れの流量が周期的に変化する場合は、燃料流れの流量も周期的に変化することが好ましく、更に両者の周波数が等しいことがより好ましく、その位相差がπ/2に制御されているのが最も好ましい。
【0043】
また、1次酸化剤流れ中の酸素濃度は、強制振動手段60,70を用いて、空気の流量や酸素の流量を変化させ、周期的に変化させていても構わない。なお、酸素濃度を一定にしながら、1次酸化剤流れの流量を周期的に変化させる場合には、1次酸化剤供給配管11に直接、酸素濃度が一定の酸化剤を供給し、1次酸化剤供給配管11に強制振動手段(図示略)を設ければよい。また、強制振動手段60,70によって、空気の流量と酸素の流量をそれぞれの比率が一定になるように、ともに周期的に変化させる、すなわち両者の周波数が等しく、位相差が0となるように制御してもよい。
【0044】
2次酸化剤流れの流量は、強制振動手段80,90を用いて、周期的に変化するように制御する。また、その周期は、0.01Hz以上20Hz以下に制御されていることが好ましく、0.02Hz以上2Hz以下に制御されているのがより好ましい。また、複数の2次酸化剤ノズル4から噴出される2次酸化剤流れの流量の周期的変化には、位相差をもたせるように制御する。
また、2次酸化剤流れの流速は、20m/s以上であることが好ましく、60m/s以上であることがより好ましい。
【0045】
また、2次酸化剤流れ中の酸素濃度は、強制振動手段80,90を用いて、空気の流量や酸素の流量を変化させ、周期的に変化させていても構わない。なお、2次酸化剤流れ中の酸素濃度を一定にする場合は、2次酸化剤供給配管12に直接、酸素濃度が一定の酸化剤を供給し、2次酸化剤供給配管12に強制振動手段(図示略)を設ければよい。また、強制振動手段80,90によって、空気の流量と酸素の流量をそれぞれの比率が一定になるように、ともに周期的に変化させる、すなわち両者の周波数が等しく、位相差が0となるように制御してもよい。
【0046】
また、1次酸化剤流れに含まれる酸素の流量と2次酸化剤流れに含まれる酸素の流量の合計量(すなわち、バーナ1に供給される酸素量)に対する、1次酸化剤流れに含まれる酸素の流量の比率は、10%以上70%以下であることが好ましく、10%以上50%以下であることがより好ましい。
すなわち、燃料流れを燃焼するのに消費された酸素のうち、10%以上70%以下の酸素が1次酸化剤流れ由来の酸素であることが好ましく、10%以上50%以下の酸素が、1次酸化剤流れ由来の酸素であることがより好ましい。
なお、ここでいう比率は、時間平均での値である。
【0047】
また、2次酸化剤流れに含まれる酸素の流量を基準とすると、1次酸化剤流れに含まれる酸素の流量と2次酸化剤流れに含まれる酸素の流量の合計量に対する、2次酸化剤流れに含まれる酸素の流量の比率は、30%以上90%以下であることが好ましく、50%以上90%以下であることがより好ましいこととなる。
【0048】
また、1次酸化剤流れ及び2次酸化剤流れは、ともに酸素以外のガスの主成分が窒素ガスまたは炭酸ガスであることが好ましい。すなわち、1次酸化剤流れ及び2次酸化剤流れは、空気と酸素が混合した流体だが、ここで空気として大気中のものを取り込んで利用した場合は、1次酸化剤流れ及び2次酸化剤流れは、ともに酸素以外のガスの主成分が窒素ガスとなる。また、空気として排ガスを用いた場合は、1次酸化剤流れ及び2次酸化剤流れは、ともの酸素以外のガスの主成分が窒素ガスと炭酸ガスとなる。なお、1次酸化剤流れと2次酸化剤流れとで、用いる空気を変えても構わない。
【0049】
本実施形態のバーナ1の燃焼方法によれば、酸化剤流れが、燃料流れの周囲または近傍から噴出する1次酸化剤流れと、燃料流れを中心とした対称な位置から噴出する複数の2次酸化剤流れとからなるので、従来のように1つの酸化剤流れによって燃焼する場合と比較して、酸化剤流れの供給の仕方が異なる。加えて、複数の2次酸化剤流れを、周期的変化をもって流量を変化して噴出し、それぞれに位相差を設けることで、NOXを大幅かつ確実に低減することができる。
また、本実施形態のバーナ1の燃焼方法は、新規に燃焼器を設計する場合のみならず、既設の燃焼器におけるバーナにも適用することが可能である。
【0050】
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0051】
以下、2次酸化剤流れの流量を周期的に変化させてバーナを燃焼した際の、NOX低減効果について、実施例を示して説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
【0052】
(実施例1)
実施例1では、図1及び図2に示すように、1次酸化剤ノズル3が、燃料ノズル2の外周を囲むように配置され、2つの2次酸化剤ノズル4が、同一平面上で、燃料ノズル2を軸中心として左右対称な位置に配置されたバーナ1を用いて実験を行った。なお、2つの2次酸化剤ノズル4の間の距離lを40cmとし、個々の2次酸化剤ノズル4から噴出する2次酸化剤流れの流量の周期的変化について、位相差をπとした。
【0053】
燃料流れには、LNGを使用し、燃料流れの流量は一定とした。また、1次酸化剤流れに含まれる酸素の流量と2次酸化剤流れに含まれる酸素の流量の合計量(すなわち、バーナ1に供給される酸素量)に対する、1次酸化剤流れに含まれる酸素の流量を30%とし、2次酸化剤流れに含まれる酸素の流量を70%とした。
【0054】
1次酸化剤流れの流量は一定とし、1次酸化剤流れ及び2次酸化剤流れの酸素濃度は40%に固定した。また、酸素比は、時間平均で1.05となるようにした。
2次酸化剤流れの流量は周期的に変化するようにし、その周期を0.017Hz〜100Hzの配位で変えた際の、NOX排出量及びCO濃度を測定した。NOX排出量の結果を図8に、CO濃度の結果を図9に示す。
【0055】
なお、試験結果の解析にあたり、従来技術として、燃料ノズルの周囲に酸化剤ノズルが配置された構造のバーナを用いて、酸素濃度を40%に固定し、通常燃焼させた場合のNOX排出量及びCO濃度を測定した。この値をそれぞれ基準値NOX(ref)ないし基準値CO(ref)とした。
図8及び図9においては、横軸は、周波数を表しており、縦軸は、基準値NOX(ref)を用いて規格化したNOX排出量(NOX/NOX(ref))、または基準値CO(ref)を用いて規格化したCO濃度(CO/CO(ref))を表している。
【0056】
図8から明らかなように、2次酸化剤流れを用い、その流量を周期的に変化させることで、NOX排出量を大幅に低減することができた。また、2次酸化剤流れの流量の周波数が20Hzのところで、NOX排出量が急激に増加する傾向にあり、周波数は20Hz以下にするのが好ましいことが分かる。
また、図9から明らかなように、2次酸化剤流れを用いるか否か、及びその流量の周期的変化の周波数は、CO濃度にあまり影響を与えない傾向にある。
【0057】
(実施例2)
次に、実施例2では、2つの2次酸化剤ノズル4間の距離lを変えて、NOX排出量への影響を調べた。具体的には、2つの2次酸化剤ノズル4の間の距離lを、10,20,30,40,50cmの5つの条件について、2次酸化剤流れの周波数を0.017Hz〜100Hzの範囲で変化させた。他の条件は、実施例1と同じ条件で行った。NOX排出量を測定した結果を図10に示す。なお、図10において、横軸は、周波数を表しており、縦軸は、実施例1における基準値NOX(ref)によって規格化されたNOX排出量を表している。
【0058】
図10から明らかなように、2次酸化剤ノズル間4の距離lを大きくすることにより、NOX排出量は減少する。また、2次酸化剤流れの流量の周波数が20Hzのところで、急激にNOX排出量が増加する傾向にあるので、周波数は20Hz以下にするのが好ましいことが分かる。
なお、実施例2においてもCO濃度を測定したこところ、実施例1と同様に2次酸化剤流れを用いるか否か、及びその流量の周期的変化の周波数は、CO濃度にあまり影響を与えない傾向にあった。
【0059】
なお、燃焼量による影響を確認するため、実施例2においては、2倍の燃焼量、すなわち燃料流れと酸化剤流れの流量を2倍にした場合についても、NOX排出量を測定した。結果を図11に示す。なお、図11においては、各周波数において、ノズル間距離を10〜50cmにした際の規格化されたNOX排出量の範囲を示している。
図11から明らかなように、燃焼量を2倍にしたとしても、同様な傾向にあることが確認された。
【0060】
(実施例3)
次に、実施例3では、酸化剤流れ中の酸素濃度を変えて、NOX排出量への影響を調べた。具体的には、1次酸化剤流れ中の酸素濃度及び2次酸化剤流れ中の酸素濃度をともに同じ濃度とし、40%、60%、97%のそれぞれの場合について、2次酸化剤流れの周波数を0.017Hz〜100Hzの範囲で変化させて、NOX排出量を測定した。結果を図12に示す。
【0061】
なお、試験結果の解析にあたり、燃料ノズルの周囲に酸化剤ノズルが配置された構造のバーナを用いて、酸素濃度を40%、60%、97%に固定し、通常燃焼させた場合のNOX排出量を測定し、この値をそれぞれの酸素濃度での基準値NOX(ref)とした。
図12において、横軸は、周波数を表しており、縦軸は、それぞれの濃度に対応した基準値NOX(ref)によって規格された排出量を表している。
【0062】
図12から明らかなように、酸素濃度の変化に影響されることなく、2次酸化剤流れを用い、その流量を周期的に変化させることで、NOX排出量を大幅に低減することができた。また、2次酸化剤流れの流量の周波数が20Hzのところで、NOX排出量が急激に増加する傾向にあり、周波数は20Hz以下にするのが好ましいことが分かる。
なお、実施例3においてもCO濃度を測定したこところ、実施例1や実施例2と同様に、2次酸化剤流れを用いるか否か、及びその流量の周期的変化の周波数は、CO濃度にあまり影響を与えない傾向にあった。
【0063】
(実施例4)
次に、実施例4では、2次酸化剤流れの流速を変えて、NOX排出量への影響を調べた。具体的には、2次酸化剤流れの流速が、10m/s,20m/s,30m/s,60m/s,100m/s,200m/s,300m/sの7つの条件について、2次酸化剤流れの周波数を、0.017Hz〜100Hzの範囲で変化させた。他の条件は、実施例1と同じ条件で行った。NOX排出量を測定した結果を図13に示す。なお、図13において、横軸は、周波数を表しており、縦軸は、実施例1における基準値NOX(ref)をもとに規格化されたNOX排出量を表している。
【0064】
図13から明らかなように、2次酸化剤流れの流速を上昇させると、NOX排出量が減少する傾向にある。特に、流速が20m/s以上であることが好ましく、60m/s以上であることがより好ましいことが分かる。
なお、実施例4においてもCO濃度を測定したこところ、実施例1ないし実施例3と同様に、2次酸化剤流れを用いるか否か、及びその流量の周期的変化の周波数は、CO濃度にあまり影響を与えない傾向にあった。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、バーナの燃焼方法に関するものなので、燃焼器を利用する製造業において幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1・・・バーナ、2・・・燃料ノズル、3・・・1次酸化剤ノズル、4・・・2次酸化剤ノズル、5・・・燃料供給配管、11・・・1次酸化剤供給配管、12・・・2次酸化剤供給配管、50,60,70,80,90・・・強制振動手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化剤流れと、燃料流れを供給して燃焼するバーナの燃焼方法であって、
前記酸化剤流れは、前記燃料流れの周囲または前記燃料流れの近傍から噴出する1次酸化剤流れと、前記燃料流れを中心とした対称な位置から噴出する複数の2次酸化剤流れとからなり、
前記複数の2次酸化剤流れを、個々に周期的変化をもって流量を変化して噴出することを特徴とするバーナの燃焼方法。
【請求項2】
前記2次酸化剤流れの周期的変化の周波数が0.01Hz以上20Hz以下であることを特徴とする請求項1に記載のバーナの燃焼方法。
【請求項3】
前記2次酸化剤流れの流速が、秒速20m以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバーナの燃焼方法。
【請求項4】
前記1次酸化剤流れに含まれる酸素の流量と前記2次酸化剤流れに含まれる酸素の流量の合計量に対する、前記1次酸化剤流れに含まれる酸素の流量の比率が、10%以上70%以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のバーナの燃焼方法。
【請求項5】
前記燃料流れ及び前記1次酸化剤流れを、周期的変化をもって流量を変化して噴出することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のバーナの燃焼方法。
【請求項6】
前記燃料流れの周期的変化の周波数と、前記1次酸化剤流れの周期的変化の周波数とが、同じであることを特徴とする請求項5に記載のバーナの燃焼方法。
【請求項7】
前記燃料流れの周期的変化と、前記1次酸化剤流れの周期的変化との位相差がπ/2であることを特徴とする請求項6に記載のバーナの燃焼方法。
【請求項8】
前記酸化剤流れ中の酸素以外のガスの主成分が、窒素ガスであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のバーナの燃焼方法。
【請求項9】
前記酸化剤流れ中の酸素以外のガスの主成分が、炭酸ガスであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のバーナの燃焼方法。
【請求項1】
酸化剤流れと、燃料流れを供給して燃焼するバーナの燃焼方法であって、
前記酸化剤流れは、前記燃料流れの周囲または前記燃料流れの近傍から噴出する1次酸化剤流れと、前記燃料流れを中心とした対称な位置から噴出する複数の2次酸化剤流れとからなり、
前記複数の2次酸化剤流れを、個々に周期的変化をもって流量を変化して噴出することを特徴とするバーナの燃焼方法。
【請求項2】
前記2次酸化剤流れの周期的変化の周波数が0.01Hz以上20Hz以下であることを特徴とする請求項1に記載のバーナの燃焼方法。
【請求項3】
前記2次酸化剤流れの流速が、秒速20m以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバーナの燃焼方法。
【請求項4】
前記1次酸化剤流れに含まれる酸素の流量と前記2次酸化剤流れに含まれる酸素の流量の合計量に対する、前記1次酸化剤流れに含まれる酸素の流量の比率が、10%以上70%以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のバーナの燃焼方法。
【請求項5】
前記燃料流れ及び前記1次酸化剤流れを、周期的変化をもって流量を変化して噴出することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のバーナの燃焼方法。
【請求項6】
前記燃料流れの周期的変化の周波数と、前記1次酸化剤流れの周期的変化の周波数とが、同じであることを特徴とする請求項5に記載のバーナの燃焼方法。
【請求項7】
前記燃料流れの周期的変化と、前記1次酸化剤流れの周期的変化との位相差がπ/2であることを特徴とする請求項6に記載のバーナの燃焼方法。
【請求項8】
前記酸化剤流れ中の酸素以外のガスの主成分が、窒素ガスであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のバーナの燃焼方法。
【請求項9】
前記酸化剤流れ中の酸素以外のガスの主成分が、炭酸ガスであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のバーナの燃焼方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−83045(P2012−83045A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230601(P2010−230601)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000231235)大陽日酸株式会社 (642)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000231235)大陽日酸株式会社 (642)
【Fターム(参考)】
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