説明

パイプまたはダクト用のクリップ

パイプまたはダクト、特にブロー成形された自動車の流体ダクトに取り付けるための成形プラスチック材料のクリップ(6)は、対向アーム(20)を有する略C字形の開口リングを備え、対向アームは曲げられ、パイプまたはダクトにクリップを弾性的に取り付けるためにバネ変形して離反されそして元に戻ることができる開放端を有する。対向アーム(20)は、パイプまたはダクトによって支持された相補的輪郭部と係合する輪郭付き内面を有し、すなわち対向アーム(20)は、相補的な離間したアーチ状リブの対と、パイプまたはダクトによって支持された凹部との間に嵌合する実質的にT字形の輪郭部(23/24)を有する。クリップ(6)は、確実な保持力および優れた引き抜き強さを提供しつつ、取付けおよび取外しが容易である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプまたはダクト、例えば、空気または水ダクトであり得る自動車の流体ダクトに取り付けるためのクリップまたはクリップ留めされたブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の流体ダクトは、樹脂をブロー成形するかまたは押出成形することによって一般に製造される。これらの流体ダクトは、例えば、ダクトと他の構成要素との接触を回避するために、あるいはダクトを取り囲むケーブル、ドレンおよび他の軽量の構成要素を保持するために、ダクトをフードの下に位置決めするかまたは維持するための追加のブラケットを必要とすることがある。大部分のブラケットは、ダクトに溶接される射出成形された構成要素である。射出成形品は、ダクトをカウンタドームに結合させる規定された幾何形状を有する。ブラケットをダクトに接合するための好ましい接着技術は、一般に、溶接または場合によりオーバモールドである。両方の技術は、成形順序の間に成形キャビティの内側に挿入部を配置するために、溶接装置および取付具またはロボットを必要とする。
【0003】
溶接を必要とすることなくダクトまたはパイプに取り付けることができるブラケットまたはクリップを有することが望ましいであろう。様々な弾性クリップが公知であるが、溶接取付けがなお一般に使用されるほどには完全に満足できるものと証明されていない。
【0004】
特許文献1は、特定の複雑なチューブ/ダクト構造を必要とするプラスチック製クランプを開示している。特許文献2は、燃料レールを取り付ける特定の構造の取付け用クリップを開示しており、この場合、通常は金属であるクリップは、パイプの突出部を受容する開口部を有する。特許文献3は、2つのスプリットリングを支持部に取り付けることを開示しており、当該スプリットリングの間にパイプの円周方向リブが嵌合する。特許文献4はパイプ支持システムを開示しており、このシステムでは、弾性的な溝付きアームを有するソケットを備えるパイプ取付部がパイプの突起部を受容する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本国特開2008‐196637号公報
【特許文献2】米国特許第6,691,381号明細書
【特許文献3】日本国特開2003-125523号公報
【特許文献4】米国特許第4,927,103号号明細書
【発明の概要】
【0006】
従来技術は、パイプまたはダクトに取り付けるための弾性クリップを提供しているが、従来技術のクリップは、次の特徴、すなわち、パイプの輪郭部が複雑である、パイプへの取付け、取外しが不便である、および引き抜き強さに一貫性がない、のいくつかまたはすべてを必要とするという点で不満足である。したがって、従来技術のクリップは、本明細書に記載したクリップの特徴を満足することができない。
【0007】
本発明は、パイプまたはダクトに取り付けるための弾性のプラスチック製クリップに関し、この場合、クリップは溶接を必要とせず、十分な引き抜き強さで正確に取付けられると同時に、クリップの取付けおよび取外しがより容易になる。
【0008】
本明細書には、パイプまたはダクトに取り付けるための成形プラスチック材料のクリップであって、当該クリップは、対向アームを有する略C字形の開口リングを備え、当該対向アームは、対応する直径のパイプまたはダクトに当該クリップを弾性的に取り付けるためにバネ変形して離反されそして元に戻ることができる開放端を有し、対向アームの各々が、i)当該パイプまたはダクトによって支持された相補的輪郭部と係合するように適合された輪郭付き内面であって、それにより当該クリップが当該パイプまたはダクトに保持される輪郭付き内面と、ii)当該対向アームの内面に沿って延びて、実質的にT字形の輪郭部を形成する内側方向に方向付けられたアーチ状リブであって、当該輪郭部が突出縁部を有するアーチ状リブと、を有し、実質的にT字形の輪郭部の各々は、各対向アームに、当該パイプまたはダクトによって支持された1対の相補的な離間したアーチ状リブを受容するように適合される1対のアーチ状凹部を形成し、また当該クリップがパイプまたはダクトに取り付けられるとき、当該突出縁部が、当該パイプまたはダクトによって支持された当該相補的輪郭部に嵌合し、かつ当該パイプまたはダクトによって支持された当該アーチ状リブが、各々の対向アームに形成された当該アーチ状凹部に嵌合するように、各々の輪郭部の当該突出縁部が内側に面して、当該クリップの略円筒状の内面の部分を形成し、それにより当該クリップが当該パイプまたはダクトに保持されることを特徴とするクリップが記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付図面を参照して、一例として本発明についてさらに説明する。
【0010】
【図1】従来技術のブラケットを示すパイプ/ダクトの図面である。
【図2】本明細書に記載したクリップが取り付けられたダクトを示すパイプ/ダクトの図面である。
【図3】1つの角度からの本発明によるクリップの斜視図である。
【図4】別の角度からの本発明によるクリップの斜視図である。
【図5】本発明によるクリップが取り付けられたダクトの部分の、1つの角度からの、図面である。
【図6】離間したアーチ状リブの対を有する本発明によるダクトの部分の、1つの角度からの、図面である。
【図7】本発明によるクリップが取り付けられたダクトの部分の、別の角度からの、図面である。
【図8】離間したアーチ状リブの対を有する本発明によるダクトの部分の、別の角度からの、図面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、従来技術のブラケットが取り付けられたブロー成形によるある長さの樹脂製のパイプまたはダクト1[「パイプ/ダクト1」]を示している。典型的な用途は、空気誘導用の自動車の空気ダクトまたは熱管理用のクーラントダクトである。
【0012】
本発明のクリップは、成型プラスチック材料から形成され、パイプまたはダクト、例えば自動車の流体ダクトに取り付けるために特に有用である。このようなダクトの例は空気ダクトおよび水ダクトを含む。
【0013】
本発明のクリップは、対向アームを有する略C字形の開口リングを備える。クリップの各々の対向アームは、その内側面に沿って延びる内側方向に方向付けられたアーチ状リブを有し、リブは、アームの内側面に実質的にT字形の輪郭部を形成する。各々の輪郭部は、内側に面しかつクリップの略円筒状の内面の部分を形成する突出縁部を有する。したがって、クリップがパイプまたはダクトに取り付けられると、実質的にT字形の輪郭部の縁部は、パイプまたはダクトの外径をクリップする。実質的にT字形の各々の輪郭部は、その両側の側面で、対向アームのアーチ状凹部を形成する略逆L字形のセクションの凹設部分を画定する。これによって、各対のアーチ状凹部は、パイプまたはダクトによって支持された1対の相補的な離間したアーチ状リブを受容して、クリップをパイプまたはダクトに保持するように適合される。
【0014】
一実施形態では、C字状のクリップは、部分的に略円筒状の形状の内面を有する中央部分を有してもよく、この内面は、実質的にT字形の輪郭部の内側方向に面する縁部の表面によって両側に延長される。
【0015】
本発明のクリップの対向アームのT字形輪郭部によって、クリップは容易に曲げられかつねじり抵抗が改善され、パイプまたはダクトに取り付けそこから取り除くことを非常に容易にする。さらに、このT字形の輪郭部により、パイプまたはダクトの相補的な対のアーチ状リブとのその協働によって、角度をなしてかつ軸方向にパイプまたはダクトへの確実な取付けが提供され、同様に優れた引離し強さがクリップに提供される。
【0016】
同様に、本明細書では、上述したようなクリップが取り付けられたパイプまたはダクトが記載され、この場合、パイプまたはダクトは、パイプまたはダクトの円筒状部分の両反対側に2対の並んだアーチ状リブを備える。2対の並んだアーチ状リブは、互いに整列されて、2対の並んだアーチ状リブの端部の間のパイプまたはダクトの両反対側に、連続した円筒面部分を残す。パイプまたはダクトのこれらの対の並んだアーチ状リブは、クリップの対向アームの実質的にT字形の輪郭部のいずれかの側面の対のアーチ状凹部に受容されるように適合される。
【0017】
同様に、本明細書では、このようなパイプまたはダクト、特に自動車の流体ダクトと組み合わせたクリップが記載される。
【0018】
クリップが取り付けられるように適合され、かつ本明細書に記載したような2対の並んだアーチ状リブを有するパイプまたはダクトは、当該技術分野においてポリアミド6と呼ばれるポリアミド、ポリアミド66、ポリアミド6/6T、ポリアミド6.12、ポリアミド10.10(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/6T、ナイロン6.12およびナイロン10.10としても知られる)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、および他の剛性ポリアミドおよびポリエステルを含むポリアミドおよびポリエステルのような硬質かつ剛性の樹脂から形成することができ、これらのすべてのグレードはガラス繊維で選択的に強化される。同様に、これらのパイプまたはダクトは、熱可塑性コポリエーテルエステル、例えばE.I.du Pont de Nemours and Co.から入手可能なHytrel(登録商標)コポリエーテルエステルエラストマー、熱可塑性マトリックスとエラストマー相との組み合わせ、例えば熱可塑性成分とエチレンアクリルゴム熱可塑性加硫物との混合物であるエンジニアリング熱可塑性加硫物(ETPV)のような可撓性樹脂で製造することができる。市販の例は、フルオロエラストマー熱可塑性加硫物(FKM−TPV)(Freudenberg NOK GPから入手可能)、ETPV(E.I.du Pont de Nemours and Companyから入手可能)、Zeotherm(登録商標)熱可塑性加硫物(Zeon Chemicals L.P.から入手可能)のようなポリアミドポリアクリラート熱可塑性加硫物、TPSiV(商標)(Multibase S.A.から入手可能)のような熱可塑性シリコーン加硫ゴム、Santoprene(登録商標)(ExxonMobil Chemical Corp.から入手可能)のようなEPDMポリプロピレン熱可塑性加硫物、熱可塑性合金としても知られる可撓性ポリアミド、一般にポリアミド6合金、例えばE.I.du Pont de Nemours and Co.から入手可能なZytel(登録商標)FNナイロン合金、Arkema,Inc.から入手可能なOrgalloy(登録商標)樹脂、EMS−Grivoryから入手可能なGrilon(登録商標)プラスチック樹脂、およびDSMから入手可能なAkulon(登録商標)ポリアミド樹脂を含むがそれらに限定されない。図2に示したようにこのような材料が使用される場合、ベローズ2を加えて部分を屈曲させてもよい。
【0019】
いくつかの例では、自動車フードの下に位置を維持するために、特に他の構成要素との接触を回避するために、流体パイプ/ダクトが少なくとも1つの従来技術ブラケット3を必要とする場合があり、その一例が図1に示されている。ブラケット3はまた、ケーブル、ドレンおよびパイプ/ダクトを取り囲む他の構成要素を配置してもよい。このようなブラケットは、一般に、パイプ/ダクトに溶接されかつ規定された幾何形状を有する射出成形部品であり、図1に示したように、端部プレート4によりダクト1はカウンタドーム5に結合される。ブラケット3をパイプ/ダクト1に接合するための好ましい接着技術は、典型的に溶接、場合によりオーバモールドを含む。これらの工程は、2つの成形順序の間に金型キャビティの内側に挿入部を配置するために、溶接装置および取付具またはロボットを必要とする。
【0020】
本明細書に記載したクリップは、取付けおよび取外しの際の容易さと精度、ならびに優れた引き抜き強さを提供するために、この(一般に射出成形される)クリップがパイプ/ダクト1にプレス嵌めし、パイプ/ダクトの特徴に対応する特徴を有する点で、流体パイプ/ダクトへのブラケットの取付けを簡単にする。
【0021】
図2は、本明細書に記載したクリップ6と、ベロー2とが取り付けられたパイプ/ダクト1を示している。
【0022】
次に図3と図4を参照すると、クリップ6は、略C字形の開口リングを備え、このリングは開放端26を有する対向する湾曲アーム20を有し、湾曲アームはフック25を備え、これらのフックは、クリップ6が、クリップ6のC字形に対応する直径を有するパイプ/ダクト1の周りに弾性的に嵌合して、その上に取り付けられることが可能なように、バネ変形して離反されそして元に戻ることができる。対向アーム20は、輪郭部を共に形成する内面23/24を有し、これらの輪郭部は、クリップ6をパイプ/ダクト1の周りに位置決めして、その上に取り付けることが可能なように、パイプ/ダクト1の要素7/8(図6参照)の構造によって形成される相補的輪郭部と係合する。
【0023】
クリップ6の対向アーム20の各々は、アーム20に沿って延在し、アーム20の内側面に実質的にT字形の輪郭部23/24を形成する内側方向に方向付けられたアーチ状リブ23を有し、内側に面する突出縁部30を有する。突出縁部30は、略円筒状である内面28の部分を形成し、それと合流する。クリップ6がパイプ/ダクト1に取り付けられるとき、表面28および突出縁部30は、パイプ/ダクト1に嵌合し、すなわち、パイプ/ダクト1の凹部8内に受容されるアーチ状リブ23によってパイプ/ダクト1の外径に対して確実に取り付けられる。
【0024】
取付けの操作は、次の機構によって行われ、すなわち、実質的にT字形の輪郭部23/24の各々は、その両横方向側面で、対向アーム20の1対のアーチ状凹部32(対の1つのみが図4に示されている)を形成する略逆L字形のセクションの凹設部分を画定する。アーチ状凹部32の各対は、パイプ/ダクト1によって支持された1対の相補的な離間したアーチ状リブ7および凹部8を受容するように適合される。クリップ6のパイプ/ダクト1への取付けは、クリップ6の23/24/32の構造をパイプ/ダクト1の相補的な7/8の構造と共に取り付けることによって行われる。
【0025】
T字形の輪郭部23/24によって、クリップ6は改良されたねじり抵抗で曲がることが可能であり、クリップをパイプ/ダクト1から容易に取り付け可能かつ取り外し可能にする。さらに、このT字形輪郭部と、パイプ/ダクト1の相補的な対のアーチ状リブ7および凹部8との協働により、角度をなしてかつ軸方向にパイプ/ダクト1への確実な取付けがクリップ6に提供され、優れた引離し強さが提供される。
【0026】
次に図5と図6を参照すると、パイプ/ダクト1は、パイプ/ダクト1の円筒状部分の反対側に2対の並んだアーチ状リブ7を備える。1対のアーチ状リブの各々のリブは互いに平行である。2対の並んだアーチ状リブ7は、それらの端部において互いに整列されるが、アーチ状リブの対はパイプ/ダクト1を取り囲む必要はない。このことは、アーチ状リブ7の対がパイプ/ダクト1を取り囲まないとき、パイプ/ダクトの反対側に連続した円筒面11があることを意味する。凹部8がアーチ状リブ7の各対の間に形成される。前に述べたとおり、クリップ6がパイプ/ダクト1に取り付けられるとき、アーチ状リブ7の対は、対向アーム20の実質的にT字形の輪郭部23/24のいずれかの側面にある対のアーチ状凹部32に受容されるように適合される。アーチ状リブ23と突出縁部30は、パイプ/ダクト1の凹部8内に受容される。
【0027】
並んだアーチ状リブ7の対は、ベローズ2を含む少なくとも1つの可撓性のセクションから軸方向に離間しているパイプ/ダクト1のセクションに位置してもよい(図2参照)。図6に示されているように、クリップ6をパイプ/ダクト1に固定するための平行のアーチ状リブ7は、パイプ/ダクトの表面における成形工程によって直接形成することが可能であり、これによって、後機械加工が回避される。さらに、パイプまたはダクトは、クリップを取り付けるべき位置にアーチ状リブの対が一体成形されるように、プラスチック材料からブロー成形、押出成形または射出成形される。
【0028】
リブ7は、それらの末端の一方に、すなわち固定要素22に近接して2つの傾斜肩部9を含むことが好ましい。傾斜肩部9は、リブ7の端部から表面11、リブ7の端部間のパイプ/ダクト1のリブのないかつ滑らかな円筒状表面領域に延びる。要素7、8と9を備える同一の設計は、パイプまたはダクトの反対面に垂直に鏡映され、均等の幾何形状10を形成する。
【0029】
次に図8を参照すると、リブのないかつ滑らかなダクト表面13が反対側に形成されるように、傾斜肩部9を水平に鏡映することによって、同様の肩部12を形成することが可能である。結果として、11と13のような表面が対向し、肩部9と12が同様に対向する。さらに、必要ならば、クリップ端部25/26が受容される位置において、表面9と反対側の表面積12をさらに増大させるために、ダクトを貫通する追加の光凹部14を加えることができる。
【0030】
クリップ6は、対向する湾曲アーム20を有する略C字状の開口リングから作製され、開口リングは、開口部21とケーブルホルダ22または開口リングの中央部分の外側にねじ込むための固定ドームを備える。一般に、C字状クリップ6の中央部分は、ケーブル等をクリップ6に固定するためのまたはクリップ6を支持部に固定するための22のような1つ以上の外側方向に延びる部材を支持することができ、これによって、パイプ/ダクトを支持するためのブラケットを形成する。
【0031】
次に図4を参照すると、実質的にT字形の輪郭部23/24は、対向アーム20の端部26に延びる。端部26は、実質的にT字形セクションの頂部部分が端部26の内縁に合流するので、フック25として終わりかつ機能する。
【0032】
次に図7と図8を参照すると、クリップ6がパイプ/ダクト1に取り付けられるときに、クリップ6の望ましくない引き抜きを防止するために、クリップ6は、凹部8内にかつ(パイプ/ダクトの)リブ7の間に受容される前述のアーチ状リブ23(図4参照)を含む。対向アーム20のフック端部25は、リブ7(パイプ/ダクト1)の傾斜肩部12と、クリップ6の端部26とを結合させるためにフックとして形成されかつ機能する。
【0033】
クリップ6の引き抜き強さは、傾斜肩部12に対して結合するフック25のサイズによって監視することができる。凹部14は、対応する部分の傾斜肩部12に加えることができ、したがって、要素25と26用により大きな設計および接触サイズを可能にする。
【0034】
図3を参照すると、クリップ6をパイプ/ダクト1の上方に位置決めするために、クリップ6はまた、パイプ/ダクト1の上方のクリップ6の半径方向/角度配向を制御するために、パイプ/ダクト1の肩部9(図6参照)に対して位置決めする平坦な傾斜肩部27を含む。アーチ状リブ23は、凹部8のリブ7の間に係合することによってパイプ/ダクト1の軸方向に沿ってクリップ6を位置決めする。クリップ6の内面28は、パイプ/ダクト1の表面11に結合して、アーチ状リブ23のT字形輪郭部の平坦な部分を構成する。
【0035】
アーチ状リブ23は、クリップ6の外側の輪郭部24によって保護され、これによって、外側に開口する逆L字セクションのアーチ状凹部32を形成する。この組み合わせにより、改良されたねじり抵抗を有する容易に曲がる言及した「T」輪郭部23/24が形成される。T字形輪郭部23/24の上方部分24はまた、クリップ6が取り付けられるときにパイプ/ダクト1のリブ7を覆う。
【0036】
外側方向に突出するリブ31を加えて、部品の組立中に最も応力を受ける領域であるクリップ6の中央部分を強化してもよい。開口部21の幅は、クリップ6用の異なる樹脂選択に対応するように調整することが可能である。
【0037】
次に図3を参照すると、異なるねじまたはケーブルサイズを受け入れるように、要素22として示したねじ用のケーブルホルダまたは固定ドームを設計してもよい。
【0038】
射出成形工程が適切にゲート制御される場合、クリップ6には溶接(「ニット」)線がなく、工具は比較的簡単である。すなわち、可動コアは必要でない。
【0039】
本明細書に記載したクリップ対パイプ/ダクトの構造は、新しい製造工程または樹脂を必要としない。使用位置におけるブラケットおよびクリップの取付けを簡略化して、コストおよび工程節減をもたらすことが可能である。クリップ6は構造が簡単かつ製造が容易であるので、クリップは溶接またはオーバモールド操作を必要としない。具体的に、クリップ6は、溶接またはロボット装置、追加の工具または取付具、特定の工程設定または接着強さを必要としない。さらに、溶接またはオーバモールドの不具合の危険性が排除され、したがって、より高い製造収率がもたらされる。さらに、クリップ6が偶然に破壊した場合、ダクト全体を交換する必要はなく、クリップのみを交換すれば済む。
【0040】
製造中に溶接を必要としないので、クリップ6の取付けおよび取外しがより容易になり、正確な取付けによる位置決めが提供される。これは、T字形輪郭部23/24による。クリップ6はまた、パイプ/ダクト1のアーチ状リブ7の対の間の対応性のため優れた引き抜き強さを有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプまたはダクトに取り付けるための成形プラスチック材料のクリップであって、当該クリップは、対向アームを有する略C字形の開口リングを備え、当該対向アームは、対応する直径のパイプまたはダクトに当該クリップを弾性的に取り付けるためにバネ変形して離反されそして元に戻ることができる開放端を有し、対向アームの各々が、i)当該パイプまたはダクトによって支持された相補的輪郭部と係合するように適合された輪郭付き内面であって、それにより当該クリップが当該パイプまたはダクトに保持される輪郭付き内面と、ii)当該対向アームの内面に沿って延びて、実質的にT字形の輪郭部を形成する内側方向に方向付けられたアーチ状リブであって、当該輪郭部が突出縁部を有するアーチ状リブと、を有し、
実質的にT字形の輪郭部の各々は、各対向アームに、当該パイプまたはダクトによって支持された1対の相補的な離間したアーチ状リブを受容するように適合される1対のアーチ状凹部を形成し、また当該クリップがパイプまたはダクトに取り付けられるとき、当該突出縁部が、当該パイプまたはダクトによって支持された当該相補的輪郭部に嵌合し、かつ当該パイプまたはダクトによって支持された当該アーチ状リブが、各々の対向アームに形成された当該アーチ状凹部に嵌合するように、各々の輪郭部の当該突出縁部が内側に面して、当該クリップの略円筒状の内面の部分を形成し、それにより当該クリップが当該パイプまたはダクトに保持されることを特徴とするクリップ。
【請求項2】
当該C字状クリップの中央部分が、当該実質的にT字形の輪郭部の当該内側方向に面する縁部の表面によって各側で延長される略部分円筒形状の内面を有することを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
当該中央部分が、その中央部分の外側に、外側方向に突出する強化リブを備えることを特徴とする請求項2に記載のクリップ。
【請求項4】
当該実質的にT字形の輪郭部が当該中央部分と合流する傾斜肩部を備えることを特徴とする請求項2または3に記載のクリップ。
【請求項5】
当該C字状クリップの中央部分が、ケーブル等を当該クリップに固定するためのまたは当該クリップを支持部に固定するための少なくとも1つの外側方向に延びる部材を支持することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のクリップ。
【請求項6】
当該実質的にT字形の輪郭部は当該対向アームの端部にまで隣接して延び、当該アームの当該端部は、当該実質的にT字形のセクションの頂部部分がその内縁に合流することによってフックとして形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のクリップ。
【請求項7】
当該凹設部分は、当該クリップのアームの側面に開口していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のクリップ。
【請求項8】
パイプまたはダクトに取り付けられた請求項1〜7のいずれか1項に記載のクリップであって、当該パイプまたはダクトは、当該パイプまたはダクトの円筒状部分の両反対側に2対の並んだアーチ状リブを備え、当該2対の並んだアーチ状リブは、互いに整列されて、当該2対の並んだアーチ状リブの端部の間の当該パイプまたはダクトの両反対側に、連続した円筒面部分を残し、当該パイプまたはダクトの当該並んだアーチ状リブの対が、当該クリップの当該対向アームの当該実質的にT字形の輪郭部のいずれかの側面の当該アーチ状凹部の対に受容されることを特徴とするクリップ。
【請求項9】
自動車の流体ダクトに取り付けられたことを特徴とする請求項8に記載のクリップ。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のクリップが取り付けられるように適合されたパイプまたはダクトであって、当該パイプまたはダクトは、当該パイプまたはダクトの円筒状部分の両反対側に2対の並んだアーチ状リブを備え、当該2対の並んだアーチ状リブは、互いに整列されて、当該2対の並んだアーチ状リブの端部の間の当該パイプまたはダクトの両反対側に、連続した円筒面部分を残し、当該パイプまたはダクトの当該並んだアーチ状リブの対が、当該クリップの当該対向アームの当該実質的にT字形の輪郭部のいずれかの側面の当該アーチ状凹部の対に受容されるように適合されることを特徴とするパイプまたはダクト。
【請求項11】
当該並んだリブの端部が、当該リブの頂部から当該パイプまたはダクトの当該連続した円筒面部分に延びる傾斜肩部を備えることを特徴とする請求項10に記載のパイプまたはダクト。
【請求項12】
前記並んだアーチ状リブの対が、ベローズを含む少なくとも1つの可撓性セクションから当該パイプまたはダクトに沿って軸方向に離間して当該パイプまたはダクトの一部に配置されることを特徴とする請求項10または11に記載のパイプまたはダクト。
【請求項13】
ブロー成形、押出成形または射出成形されるプラスチック材料のパイプまたはダクトであることを特徴とする請求項10、11または12のいずれか1項に記載のパイプまたはダクト。
【請求項14】
ブロー成形されるプラスチック材料のパイプまたはダクトであることを特徴とする請求項13に記載のパイプまたはダクト。
【請求項15】
自動車の流体ダクトであることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載のダクト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−511011(P2013−511011A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539001(P2012−539001)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/056464
【国際公開番号】WO2011/060227
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】