説明

パイプ構造体

【課題】物品獲得部が下降する際に棒状部材が邪魔にならないレイアウトが可能で、物品を損傷させない、物品配置部材を提案し、さらに物品配置部のレイアウトパターンを増やす。
【解決手段】 少なくとも同一長さの2本の棒体を連結する関節構造を有する連結棒体構造であって、関節構造は2本の棒体を同一直線上に連結するのみならず、2本の連結した棒体の成す角度を任意に変えられる回動機構を有し、さらに連結した棒体を前記関節機構に対し該棒体の軸心を中心回動可能な回動機構を備え、前記2本の連結した棒体の他端は該棒体に直交する同一径の棒体に固着可能なクランプ体を有し、前記2本の棒体のそれぞれの長さは他端に設けたクランプ体の固着中心までの距離が前記方形板の一辺の長さに略等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2本のパイプ等の棒材のなす角度を所定の範囲内で変えて固定接続することができるジョイント体を備え、ジョイント体と2本のパイプ体の間にはパイプ体が軸方向に回動可能な回動構造を備え、前記2本のパイプ体の他端側には、他のパイプ体に固定するクランプ体を備えたパイプ構造体に関し、主として景品取得遊戯装置の景品展示室や、パイプ組立構造体に用いられる。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は物品取得ゲーム装置の物品収容部内のレイアウトが簡単にできる物品配置部として、枠体を支持部間に着脱可能に係合させ、枠体間に物品配備部材として棒状部材を架設するパイプ組み立て構造を取り入れて、物品を載置する物品配置部を様々なレイアウトが可能となるようにした。これにより、枠部材間に架設した棒状部材間に板状部材を取り付けることで、色々な物品配置の方法を提案している(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
他方、2本のパイプや棒材を、任意の角度にて連結するジョイント部材として、2本の単管パイプ相互を互いに段差を生じることなく接続でき、且つ角度での接続において縦パイプの一部を省略でき、しかも2本の単管パイプ相互を1つの単管ジョイントで一つの平面内で0度から180度までの任意の角度で容易に連結でき、またその平面を簡単に任意の方向に向けるようにした仮設資材がある。
【0004】
この仮設資材は、単管パイプの端部を挿入係合する2個の基管部、各基管部の軸方向端面に回転連結部材を介して設けた連結部、重合した2個の連結部を回動自在に連結する連結部材とからなり、該連結部先端を基管部の外周よりも半径方向外側に延出し、該連結部材を、各基管部の外周と略等しい位置かそれよりも半径方向外側の位置に配置した単管ジョイトントを備えたものが提案されている(例えば特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開WO2005/025704号公報
【特許文献2】実用新案登録第3039636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1の方式では、枠部材間に架設した棒状部材の全長に沿って板状部材を取り付ける場合はよいが、正方形の板状部材のように棒状部材の一部にしか架からない場合では、物品獲得部が下降する際に、露出した棒状部材に当接してしまい、狙った物品に辿り着けないなど、甚だ不都合が発生するのであった。
【0007】
特許文献2の単管ジョイントは、建設用仮設部材であり、仮囲いや足場等を角部を単管パイプで組立てる際に用いるもので、機能的には縦と横の単管パイプを任意の角度で連結するものであり、強度的に十分であれば、見た目は考慮されておらず、これを物品取得ゲーム装置のレイアウトに採用するにはジョイント部の連結部材が露出してしまい、単管パイプの挿入部の係止ピン等が物品と擦れ合って物品を損傷させる恐れがあるのである。
【0008】
そこで、本発明では、物品獲得部が下降する際に棒状部材が邪魔にならないレイアウトが可能で、しかも物品と擦れ合っても物品を損傷させない、視覚的にもシンプルな物品配置部材を提案し、さらに物品配置部のレイアウトパターンを増やすことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明では、上記の課題を解決するために、所定の第1の距離を保ち平行に配置された第1の棒体と第2の棒体間に、当該第1と第2の棒体が位置する面と同一平面上に前記第1の棒体と第2の棒体に直交して掛け渡した第3の棒体と、前記第1の距離を2以上の整数で割れる第2の距離に第3の棒体から保ち第3の棒体に平行に取り付けた第4の棒体から構成した骨組配置部を設ける。
そして、第3の棒体と第4の棒体間の距離を一辺とする方形板の裏面に棒体を固定する脚部を設け、平行する2本の棒体間に前記方形板を取り付ける物品配置部としてある。
【0010】
この物品配置部には、少なくとも同一長さの2本の棒体を連結する関節構造を有する連結棒体構造であって、関節構造は2本の棒体を同一直線上に連結するのみならず、2本の連結した棒体の成す角度を任意に変えられる回動機構を有し、さらに連結した棒体を前記関節機構に対し該棒体の軸心を中心回動可能な回動機構を備え、前記2本の連結した棒体の他端は該棒体に直交する同一径の棒体に固着可能なクランプ体を有し、前記2本の棒体のそれぞれの長さは他端に設けたクランプ体の固着中心までの距離が前記方形板の一辺の長さに略等しいパイプ連結構造体としてある。
【0011】
本願発明は、上記の構成により、物品配置部の骨組みとして2本の折曲り可能なパイプ連結体を用いることにより、V字やL字状の配置が可能となり、さらに方形板を取り付けることで、物品配置部のレイアウトに多様性が出てくるのである。
【0012】
さらに本発明では、上記の課題を解決するために、所定の第1の距離を保ち平行に配置された第1の棒体と第2の棒体間に、当該第1と第2の棒体が位置する面と同一平面上に前記第1の棒体と第2の棒体に直交して掛け渡した第3の棒体と、前記第1の距離を2以上の整数で割れる第2の距離に第3の棒体から保ち第3の棒体に平行に取り付けた第4の棒体から構成した骨組配置部を設ける。
そして第3の棒体と第4の棒体間の距離を一辺とする方形板の裏面に棒体を固定する脚部を設け、平行する2本の棒体間に前記方形板を取り付ける物品配置部としてある。
【0013】
この物品配置部は、少なくとも3本の棒体を直列に連結し、各棒体間には関節構造を有する連結棒体構造であって、関節構造体は3本の棒を同一直線上に連結するのみならず、隣り合う2本の連結した棒体の成す角度を任意に変えられる回動機構を有し、さらに連結した各棒体を前記関節機構に対し該棒体の軸心を中心に回動可能な回動機構を備え、
中央の棒体は前記方形板の1辺の長さに略等しく、
両端の棒体の外端には該棒体に直交する同一径の棒体に固着可能なクランプ体を有し、両端の棒体のそれぞれの長さはクランプ体の固着中心までの距離が前記方形体の一辺の長さに略等しいパイプ連結構造体としてある。
【0014】
本願発明は、上記の構成により、物品配置部の骨組みとして2関節構造を有する3本が連なったパイプ連結体を用いることにより、Z字やN字状の配置が可能となり、さらに方形板を取り付けることで物品配置部のレイアウトに多様性が生じてくるのである。
【発明の効果】
【0015】
本発明のパイプ連結体により、物品配置部の骨組みに自由度、応用性の高いレイアウトが可能となり、物品配置部のセッティング時間も短縮できるとともに、物品載置板を支える骨組が上下方向に無用に出ることがなくなり、物品獲得部の下降時に邪魔になることがないのである。物品載置板のレイアウトにも簡単に段差をつけたり、傾斜をつけたりすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】物品取得ゲーム装置の外観図である。
【図2】物品獲得ゲーム装置の天井部分の一部裁断斜視図である。
【図3】本物品獲得ゲーム装置の中央から左右に分割された展示室の物品載置部の骨組みの斜視図である。
【図4】図3の骨組みに載置板を嵌めた斜視図である。
【図5】正方形板の裏から見た斜視図である。
【図6】関節構造が2つのパイプ連結体である。
【図7】関節構造が1つのパイプ連結体である。
【図8】パイプ連結体の関節構造の分解斜視図である。
【図9】一方のジョイント部の三面図と斜視図である。
【図10】ジョイント部の摺動体の三面図と斜視図である。
【図11】クランプ体の平面図である。
【図12】実施例2の物品載置部の斜視図である。
【図13】実施例3の物品載置部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。以下、本願発明の実施例について述べる。
【0018】
図1は本発明の物品取得ゲーム装置の外観図で、図2は物品取得ゲーム装置の天井部分の一部裁断斜視図である。物品取得ゲーム装置100は、幅1.7m、奥行き1m、高さ2m程の外形寸法で、略直方体の基台1の上に箱型の展示室2が設けられ、この展示室2の前面及び側面は、透明な樹脂又はガラスの透明板3によって構成されている。
展示室2にはぬいぐるみ等の物品Pが収容されている。展示室2の下側は展示室2から落下した物品を受けて、手前中央に誘導するために左右が中央に、後方が手前に向けて傾斜し手前中央寄りに落下した物品を誘導して収納する物品収納部4が構成されている。
【0019】
図2には物品取得ゲーム装置の天井部分の一部裁断斜視図を示している。
展示室の上側には、物品獲得部5が2ケ吊下げられ、この物品獲得部5は、内部上面から鉛直方向に吊下げられた伸縮パイプからなる支持部6と、その下端に設けられた把持部7とから構成されている。把持部7には物品を把持するための2本のアーム7a、7bが開閉可能に設けられている。物品獲得部5は、展示室2を左右に分割した空間内を移動することができる。
【0020】
展示室の上方には物品獲得部7が移動するための横行用固定レール8が前後の左右方向に平行に取り付けられており、該横行用固定レール8の下には横行用固定レールに直交して縦行用可動レール9が左右に移動可能に掛け渡されている。そして縦行用レール9には物品獲得部基台10が懸賞架され、前後に移動可能に取り付けられている。
物品獲得部基台10には、物品獲得部5が昇降可能に取り付けられており、物品獲得部5を吊下げ昇降させる。横行用固定レール8、縦行用可動レール9は、展示室の天井部11に配置されている。
【0021】
展示室2は左右に分かれており、それぞれ略80cm四方の面積を有し、展示室内の正面外側と中央側には高さが展示室の半分程度の前側支柱12が立設されている。展示室の背面外側と中央側には天井部11に至る後側支柱13が立設されている。これらの支柱間には物品配置部14が備えてある。
【0022】
基台1の上部手前に張り出した操作卓15には、左右の物品獲得部5を展示室内の左右の空間内で動かし、所望の物品の位置に導くための操作ボタン16が左右にそれぞれ設けられている。操作卓は高さが0.7m位置にあり、操作者が立った状態で透明板3を透過して展示室2を覗きながら、手で押せる位置にある。操作ボタンは、物品獲得部5のホームポジションである手前外側から横方向に移動させる第1ボタン16a、第1ボタンの後、物品獲得部を奥行方向に移動させるための第2ボタン16b、第2ボタンの後、物品獲得部5の下降を止める第3ボタン16cとが設けてある。
【0023】
また中央寄りには、左右それぞれに対応した硬貨投入口や電子マネー受付部からなる料金入力部17が設けてある。料金入力部17にプレーするに必要な料金が入力されると、操作ボタン16は押している間だけ、物品獲得部5を移動させることができ、第3ボタン16cを押すことで、把持部7のアーム7a、7bが開き、把持部7が降下し、第3ボタン16cを離すと把持部7の下降が止まり、アーム7a、7bが閉じる動作を行い、アーム7a、7bが閉じると把持部7が上昇し、物品獲得部5が手前に移動して、アーム7a、7bの開閉動作を行い、物品を掴んでいると物品収納部4に落下させ、ホームポジションに戻る一連の動作を行なう。
第3のボタンはオプションとしてもよく、第1のボタンと第2のボタンのみで物品獲得部5を水平移動させて、降下は自動としてもよい。
【0024】
基台の下方左右には、方形の物品取出口18が設けられ、物品取出口18を塞ぐ扉19が吊設されており、この扉19を内側に押し上げることで、物品収納部4と連接し、操作者が手で扉19を押し上げて物品収納部4に落下した物品を取り出すことができる。
【0025】
図3には本物品獲得ゲーム装置の中央から左右に分割された展示室の物品載置部の骨組みの斜視図を示す。図4には図3の骨組みに長方形板及び正方形板を取り付けた斜視図を示す。
展示室2には、4隅に設けた前側支柱12、12、後側支柱13、13間に支持される枠体20と、枠体20に取り付けられる物品配置部材21を備えている。枠体20は前側支柱12、後方支柱14に取り付けられている。
【0026】
この後方支柱13、13間に丸棒状の後方枠部材22を掛け渡して、後方枠部材22の両端にT字型のパイプつなぎ23のT字の横部を嵌めて後方支柱に設けた被係合部13aにパイプつなぎ23のT字の横部の突出を係合部23aとして係合する。後方側支柱13には後方側支柱同士の対抗する側面に所定間隔で後方上側に向けて傾斜した切欠が鋸歯状に被係合部13aとして多数設けられている。この被係合部13aは横挽き用の窓鋸のさらい歯状になっている。
【0027】
そして、後方支柱13に掛け渡した後方枠部材の両端のパイプつなぎ23のT字の縦部分23bには、それぞれ手前側支柱に至る2本の丸棒状の側枠部材24の後端24aを嵌入し、前記後方枠部材22と同一平面状に取り付けられ、側枠部材24の前端は係合部24bとして手前支柱の被係合部12aに係合される。
手前側支柱12の後方面には高さ方向に所定間隔で差込穴が多数設けてあり被係合部12aとして、前記側枠部材23の前端の係合部23bが挿入される。
【0028】
これら手前側支柱の被係合部12aと後方支柱の被係合部13a間に丸棒状の略コの字の形をした枠体20を水平あるいは手前側に傾斜させてはめ込むことができる。略コの字で囲まれる面は略75cm四方の正方形領域となる。
手前側はコの字の枠体20が開いており、後方支柱の被係合部13aにはコの字の中央の横棒の両端の係合部23aが突出して嵌ることができる。枠体20を傾斜させる場合にはコの字の両端が手前側支柱の後方支柱の係合部13aよりも低い位置にある被係合穴12aに挿入される状態で後方支柱のさらい歯の内側にコの字の中央の両端の突出した係合部23aが嵌る構造となっている。
【0029】
コの字を形成する丸棒状の枠部材22、24は略13mmの同一径の円筒形であり、コの字の両側の対抗する側枠部材24、24間に同一径の棒状部材25を直交して掛け渡し架設することができる。この棒状部材25は両端にクランプ体26を有しており、両側の側枠部材24をクランプ体26で挟持することでしっかりと固定することができる。
【0030】
側枠部材24、24間の距離幅L1は75cmあり、該側枠部材24、24の間に棒状部材25を架設し、後方枠部材22から所定の距離L2の25cmよりやや短い距離にした位置にしてクランプ体26で側枠部材24、24に固定する。
そして後方枠部材22と棒状部材25間には、物品を載置する正方形板27や長方形板28を取り付けることができる。正方形板27は25cm四方の面積寸法を有し、長方形板28は幅75cm、奥行き25cmの平面寸法である。
【0031】
正方形板27を3枚並べると長方形板28の大きさになり、両側の側枠部材24、24間に配置することができる。
側枠部材間に本発明の連結パイプ体30を二組使って中央部が一段と低く、左右両側がそれぞれ両側に向けて傾斜したパイプ連結を実現し、方形板を各パイプに架設している。
尚、連結パイプ体30を二組使って、中央を一段と高くして、左右両側がそれぞれ中央側に向けて上り傾斜としたパイプ連結としても良い。こうして方形板を各パイプに架設するとで、前述した場合と逆に一段高い配置とすることができる。
【0032】
図5には正方形板の裏側から見た斜視図を示す。長方形板でも裏面の構造は同じである。
各辺の下側に棒状部材25の上半部を覆う程度の深さ1cm程の周縁27aが設けてあり、周縁の四隅近傍は一点鎖線で示した棒状部材25が周縁27aに沿って位置できるように半円状に切欠27bが縦方向と横方向にそれぞれ設けてある。
【0033】
これにより長方形板28や正方形板27は後方枠部材22や側枠部材24、棒状部材25の上側に前記切欠27aを宛がうことで座置される。
また一点鎖線で図示した棒状部材25に直交して後方枠部材22や側枠部材24を宛がう際には、直交する縁部27aに沿って設けた切欠27bに宛がう。この場合の枠部材22、24を二点鎖線で示している。
【0034】
正方形板27の周縁27aに沿って棒状部材25が前記切欠27bに位置した際に、棒状部材25を周縁27aとの間に棒状部材25を挟持する脚部27cが底に取り付けてある。脚部27cは棒状部材25に正方形板27を宛がい押し込むことで脚部27cが有する弾性力で正方形板27を周縁27aとの間に挟持させることができる。

【0035】
図6には本発明の関節構造が2つのパイプ連結体を示す。図6(A)は直線状にしたパイプ連結体の斜視図であり、図6(B)は関節構造で折り曲げた平面図を示している。
パイプ連結体30は外側のパイプ31と中央のパイプ32をジョイント部33で連結している。
ジョイント部33によりジョイント部33に接続された2本のパイプ31,32の成す角度は任意の角度に変えることができる。外側のパイプ31の両端にはクランプ体41が固着されており、パイプ31を中心軸で回転させることでクランプ体41の向きを変えることができる。
ジョイント部33の両端にパイプ体31、31が位置し、該パイプ体の外端にクランプ体41が取り付けられている。
尚、クランプ体41は前出の棒状部材25のクランプ体26と同一であってもよい。
【0036】
図7には本発明の関節構造が1つのパイプ連結体を示す。図7(A)は直線状にしたパイプ連結体の斜視図であり、図7(B)は関節構造で折り曲げた平面図である。
【0037】
図8には、本発明のパイプ連結体の関節構造の分解斜視図を示す。これは関節構造が1つのパイプ連結体、あるいは関節構造が2つあるパイプ連結体に共通する。
図9には一方のジョイント部の三面図と斜視図を示す。図10にはジョイント部の摺動体の三面図と斜視図を示す。
【0038】
2本のパイプ31、32を連結するジョイント部33は、連結したパイプのなす角度を任意に変えることができると共に、連結したパイプ31、32自身を軸心を中心に回動することが構造となっている。
【0039】
ジョイント部33はナイロン樹脂製で直径20mmの球体を半径部で半割りし、直径13mmの円筒パイプ31、32を該球体の接線方向に接続する。
ジョイント部33は球体を半割した半球体34、34同士が、半割面34cに直交する球体の中心を貫通するネジ穴35を有し、互いの半球体34、34は、外側からトラスネジ36を摩擦が低いワッシャ37を介して反対側の半球体34に固定してあるナット38に締める構造となっている。
一方の半球体34は摩擦が低い樹脂ワッシャー37とトラスネジ36が埋め込まれる有底の円筒穴34aが設けてある。
【0040】
他方の半球体34の外面側には前記円筒穴34aに加えて六角のナイロンナット38を半埋設する有底の六角穴34bが設けてあり、ナット38を埋設した状態に固定される。半球体34、34の半割面34cは互いにトラス螺子のネジ穴35が開いており、ナイロンナット38にトラスネジ36を螺合することで半球体34,34の半割面34c、34c同士を摺接させ、回動可能としている。この構造によりナット38の回転が固定されるので、ドライバ一本でトラスネジ36を回すことで回動の調整が可能となっている。
【0041】
各半球体34、34には分割面34cの円周の接線方向に沿う形で円筒体39が形成されている。
各半球体34には分割面34cの円周の接線方向に沿って直径13mmのパイプ31又は32が接続される円筒体39が形成されるように、分割面34cの円周の接線に円周端を有し、中心が分割面34c上に位置する円状基台39aが半球体34の中心寄りに設けられる。
【0042】
円状基台39aの半円体部分39bは半球体の分割面34cからはみ出て、他方の半球体の表面に摺接する凹面を有する構造になっている。
円筒体39は、円筒体の軸心と同心の円状基台39aに形成されており、円状基台39aは、半球体と一体に形成されている。
【0043】
円筒体39は直径9mmで長さが17mmの肉厚の筒体であり、円状其台39aの中心軸と同心に形成される。
該円筒体39の円周部分には深さ1mmの半円溝39cが該円筒体を略三等分する位置に2ケ所に周設してあり、円筒体39の円筒面には分割面の延長面上に沿って前記半円溝39cに交差して円筒体の長さ方向に長さ14mm、幅2mmのスリット39dが対向して2ケ所開口している。
【0044】
前記円筒体39の円周面に沿って、丸瓦状の2つの摺動体40を円筒体39で覆う。円状基台39a側に向けて鍔部40aを有する長さが17mm、肉厚が1mmの丸瓦状の半円筒体40bが2ケで該円筒体39を包持するように被せる。
半円筒体40bの凹面には前記円筒体の半円溝39cに対応する2条の突出条40cが円周方向に沿って設けてある。さらに半円筒体の凸面側中央には丸孔40dが設けてあり、摺動体40の鍔部40aは円状基台39a側に向けてあり、鍔部40aの外周は円状基台39aの円周に合わせてある。
【0045】
2ケの摺動体40,40で、前記円筒体39を包むように挟持し、ジョイント部33に連結する内径が12mmのパイプ体31又は32の開口端32aを円筒部39に被された摺動体40の肉厚で外形が12mmとなった円柱体39に挿入すると、円柱体39が前記スリット39dにより弾性変形しながら、摺動体の鍔部40aまで押し込むことができる。
【0046】
すると、摺動体の丸孔40dは円柱体39を介して対称位置にあり、摺動体の前記丸孔40dの位置でパイプ体31又は32を側面両側から丸孔40dに対応する位置でカシメを打つことで、パイプ体31又は32の内側面に突起が形成され丸孔40dに係合して密着し、パイプ体31又は32がジョイント部33抜けるのを防止する。
【0047】
上記の組み立てにより、パイプ体31又は32は摺動体の丸孔40dに密着固定され、パイプ体31又は32を抜く方向に力を加えても、半円筒体40bの凹面に円周方向に設けた突出条40cが円筒体の半円溝39cに嵌合しており、抜けることを防ぐのである。さらにパイプ体31、32を軸心でジョイント部33に対して回転させることできる。パイプ体31、32は半円筒体の丸孔40dにカシメで密着固定されているので、半円筒体40bがパイプ体31、32と共にジョイント部33の円筒体39の外周面を摺接しながら回動する。
【0048】
ジョイント部33に挿着されたパイプ体31、32を接続する円柱部39は半球体34の円周の接線方向に取り付けており、ジョイント部33の回動中心は半球対34の中心からずれた位置にあるので、円周の接線側には略50度の範囲で回動し、回動中心のネジ穴35側には略140度の範囲で回動することが可能な構造になっている。
【0049】
パイプの長さは関節が1つのみのパイプが2本の場合は226mmとなっている。関節が2つの場合のパイプが3本の場合は、外側の2本のパイプの長さが同一で226mmとなっており、中央のパイプが250mmとなっている。
【0050】
図11には、パイプの外端に取り付けるクランプ体の側面図を示す。図10(A)はクランプ体を解放した状態の側面図であり、図10(B)はクランプ体を閉じた状態の側面図である。
クランプ体41は棒体を挟持する挟持部42には棒体の外周を装着するU字溝42aを備え、U字底の径は13mm幅で挟持部42aの片側に設けた回動軸42bに、軸着したレバー体43を閉じることで、レバー体のショルダー部43aが13mm径の棒体の円周を挟み挟持して締着する構造となっている。
【0051】
挟持部42の他端には円柱体42cが形成され、円柱体42cの中心線はU字溝に嵌る棒体の中心Oに一致している。円柱体42cには円周の縁の一部が切欠された凹部42dが形成されており、パイプの外側が挟持部42に当接するまで挿入され、凹部42dの位置でパイプ体の側面にカシメを打ってパイプの内面を凹部42dに凹ませて固定する。
【0052】
(実施例2)
図12は2軸の連結パイプ体を使った物品配置部の実施例2を示す
枠体20は4隅に立設した前側支柱12、後方支柱13に2段にして取り付けられている。枠体20の構造は図3に詳述した通りであり、後方枠部材22はパイプつなぎ23を介して後方支柱の被係合部13aに係合され、側枠部材24は後方枠部材22にパイプつなぎ23を介して直交して接続され、側枠部材前端は前側支柱12の被係合部12aに係合して、枠部材20が水平に取り付けられている。
【0053】
上段の枠体の側枠部材24,24間には棒状部材25aが長方形板が後方枠部材との間に設置できるように架設しクランプ体で締結してある。その棒状部材25aに隣接してさらに棒状部材25bが架設されている。
下段の枠体の側枠部材間24、24間の後方枠近傍に、棒状部材25cが架設されている。
【0054】
上段の棒状部材25bの中央に正方形板を配置すべく2軸の連結パイプ体を2つ並列に正方形板に合わせて並べクランプ体26を棒状部材25bに嵌め入れ、連結パイプ体30の上方のパイプ体31を水平にして、連結パイプ体30全体を7の字状にして下段の側枠部材間に配した棒状部材25cにクランプ体を嵌め入れ、下方のジョンント部33の両端のパイプ体31、32を直線状し、上方のジョイント部33で棒状部材25bなるように位置決めした後、各部材のクランプ体を締結し、骨組が完成する。
【0055】
2本の連結パイプ体30の上方の水平に配したパイプ体31間に正方形板を取り付ける。
これにより全体で凸の字状の物品載置部ができる。このように物品搭載部により、図示しない物品獲得部のアームが不要な棒状部材がフィールド領域の上下方向にないので、動きに邪魔になることがないのである。
【0056】
(実施例3)
図13には実施例3として物品載置部の斜視図を示す。
枠体20は4隅に立設した前側支柱12、後方支柱13に取り付けられている。枠体20の構造は図3に詳述した通りであり、後方枠部材22はパイプつなぎ23を介して後方支柱の被係合部13aに係合され、側枠部材24は後方枠部材22にパイプつなぎ23を介して直交して接続され、側枠部材前端は前側支柱12の被係合部12aに係合して、枠部材20が水平に取り付けられている。
【0057】
さらに後方枠部材22aの両端に円筒状のキャップが係合部23aとして装着されており、前記枠体20の位置から25cm上方の位置で後方支柱13の被係合部13aに係合し水平に取り付けてある。
【0058】
上方の後方枠部材22aの左右を、下方に配した左右の側枠部材24との間を、本発明の連結パイプ体30aを2本用いて左右それぞれL字状に直角に連結している。このパイプ連結体30aは、関節構造が一つであり、ジョイント部33の両端には226mmの長さのパイプ体31を取り付けてあり、パイプ体31の外側にはクランプ体41が取りつけてある。
【0059】
そして左右の2つのパイプ連結体30aの水平なパイプのジョイント部33の端間を棒状体25を架設して棒状体のクランプ体26で締結する。これにより強固な骨組みが構成され、棒状体25と後方枠部材22aには長方形板28を載置する。ここでは長方形板28の右側を切り欠いて図示している。
これにより従前なら枠体を2段組しなければできなかった壇状の物品載置部がシンプルに組立てられ、観た目もすっきりしている。
【0060】
以上述べてきた実施例では、コの字状の枠体で囲まれる領域の面積は略75cm四方とし、枠体間に棒状部材を架設し骨組を配置して、枠体部材や棒状部材間に正方形板27や長方形板28を取り付けており、長方形板は幅75cm、奥行き25cmの平面寸法であり、正方形板は25cm四方の平面寸法を有する実施例としてあり、枠体で囲まれる面積領域を、縦3、横3の格子状にして各格子の単位ブロックとして正方形板を説明し、長方形板は正方形板の3倍の面積を有する構成となっている。
【0061】
この単位ブロックは正方領域を縦2、横2の格子状となるようにしても良いし、縦4、横4の格子状になるようにしても良い。無論、5以上の正方格子状にしてもよい。
そのためにコの字状の枠体に架設された棒状体で骨組配置を構成し、平行に配置された側枠部材間の第1の距離を保ち、側枠部材間に直交して掛け渡した2本の棒体間の距離を側枠部材間の距離を2以上の整数で割れる略距離に設定することで、方形板を配置することができる。
【0062】
略距離としているのは、方形板を取り付けるにあたり、方形板の縁部内側に棒体を取り付ける構造としてあるので、実際に枠体領域に方形板を3×3を並べるには枠体間の3等分の位置に2本の棒体を近接して並べる必要があるからである。厳密には枠部材間の距離を2以上の整数で割った距離から方形板の縁の厚みと棒体の半径を引いた距離となる。
【0063】
この構成とすることで、方形板がない領域は物品落下領域になり、方形板がある領域は物品を載置したり、傾斜させて物品を滑り易い状態に載置したりできる。
【0064】
上述の通り本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0065】
100 物品取得ゲーム装置
1 基台
2 展示室
3 透明板
4 物品収納部
5 物品獲得部
6 支持部
7 アーム
8 横行用固定レール
9 縦行用固定レール
10 物品獲得部基台
11 天井部
12 前側支柱
13 後方支柱
14 物品配置部
15 操作卓
16 操作ボタン
17 料金入力部
18 物品取出口
19 扉
20 枠体
21 物品配置部
22 後方枠部材
23 パイプつなぎ
24 側枠部材
25 棒状部材
26 クランプ体
27 正方形板
28 長方形板
30 パイプ連結体
31 パイプ
32 パイプ
33 ジョイント部
34 半球体
35 ネジ穴
36 トラスネジ
37 ワッシャー
38 ナット
39 円筒体
40 摺動体
41 クランプ体
42 挟持部
43 レバー体





































【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の第1の距離を保ち平行に配置された第1の棒体と第2の棒体間に、当該第1と第2の棒体が位置する面と同一平面上に前記第1の棒体と第2の棒体に直交して掛け渡した第3の棒体と、前記第1の距離を2以上の整数で割れる第2の略距離に第3の棒体から保ち第3の棒体に平行に取り付けた第4の棒体から構成した骨組配置部に、
前記第2の距離を一辺とする方形板の裏面に棒体を固定する脚部を設け、平行する2本の棒体間に前記方形板を取り付ける物品配置部において、
少なくとも同一長さの2本の棒体を連結する関節構造を有する連結棒体構造であって、関節構造は2本の棒体を同一直線上に連結するのみならず、2本の連結した棒体の成す角度を任意に変えられる回動機構を有し、さらに連結した棒体を前記関節機構に対し該棒体の軸心を中心回動可能な回動機構を備え、前記2本の連結した棒体の他端は該棒体に直交する同一径の棒体に固着可能なクランプ体を有し、前記2本の棒体のそれぞれの長さは他端に設けたクランプ体の固着中心までの距離が前記方形板の一辺の長さに略等しいことを特徴とするパイプ連結構造体。
【請求項2】
所定の第1の距離を保ち平行に配置された第1の棒体と第2の棒体間に、当該第1と第2の棒体が位置する面と同一平面上に前記第1の棒体と第2の棒体に直交して掛け渡した第3の棒体と、前記第1の距離を2以上の整数で割れる第2略距離に第3の棒体から保ち第3の棒体に平行に取り付けた第4の棒体から構成した骨組配置部に、
前記第2の距離を一辺とする方形板の裏面に棒体を固定する脚部を設け、平行する2本の棒体間に前記方形板を取り付ける物品配置部において、
少なくとも3本の棒体を直列に連結し、各棒体間には関節構造を有する連結棒体構造であって、関節構造体は3本の棒を同一直線上に連結するのみならず、隣り合う2本の連結した棒体の成す角度を任意に変えられる回動機構を有し、さらに連結した各棒体を前記関節機構に対し該棒体の軸心を中心に回動可能な回動機構を備え、
中央の棒体は前記方形板の1辺の長さに略等しく、
両端の棒体の外端には該棒体に直交する同一径の棒体に固着可能なクランプ体を有し、両端の棒体のそれぞれの長さはクランプ体の固着中心までの距離が前記方形体の一辺の長さに略等しいことを特徴とするパイプ連結構造体。




















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−87831(P2011−87831A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−244985(P2009−244985)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】