説明

パイロット式流調弁装置

【課題】パイロット式流調弁装置において、止水後に給水の圧力が上昇して主弁が沈込みを生じ、これにより主弁とパイロット弁との間に隙間が生じることに起因して止水不良を生ぜしめる問題を解決する。
【解決手段】パイロット式流調弁装置20において、パイロット弁52の全体を背圧室40の圧力の作用する水室50内に水没状態に設けて水室50の圧力をパイロット弁52の前進方向の推力として働かせるとともに、推力の作用の下でパイロット弁52を前進後退移動させる回転カム64を設ける。その回転カム64は、パイロット弁52を前進移動させて閉弁状態としたとき、パイロット弁52と分離状態となって、推力の作用でパイロット弁52を独立して前進移動可能なものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は流調弁装置に関し、詳しくは僅かな力で操作することのできるパイロット式流調弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より流調弁(流量調節弁)装置として各種のものが用いられているが、これらのものは主水路の開度を変化させる主弁を主弁座に向けて進退移動させる際に大きな力を要し、操作が重いといった問題があった。
そこで流調弁装置の操作を軽くする手段として、これをパイロット式流調弁装置、即ちパイロット弁を進退移動させることによって主弁をこれに追従して進退移動させ、主水路の開度を変化させる方式のパイロット式流調弁装置とすることが考えられる。
【0003】
図15はその具体例を比較例として示した図である。
同図において200,202は主水路を形成する1次側の流入水路,2次側の流出水路で、204はその主水路上に設けられたダイヤフラム弁から成る主弁である。
この主弁204は、主弁座206に向けて進退移動して主水路の開度を変化させ、その開度に応じて主水路における流量を調節する。
【0004】
208は主弁204の背後に形成された背圧室で、この背圧室208は、主弁204に対して内部の圧力を閉弁方向の押圧力として作用させる。
主弁204には、これを貫通して流入水路200と背圧室208とを連通させる導入小孔210が設けられている。
この導入小孔210は、流入水路200からの水を背圧室208に導いて背圧室208の圧力を増大させる。
主弁204にはまた、これを貫通して背圧室208と流出水路202とを連通させる水抜水路としてのパイロット水路212が設けられている。
このパイロット水路212は、背圧室208内の水を流出水路202に抜いて背圧室208の圧力を減少させる。
【0005】
214は駆動軸216に一体移動状態に設けられたパイロット弁で、このパイロット弁214が主弁204に設けられたパイロット弁座218に対し図中上下方向、即ち主弁204の進退方向と同方向に進退移動することで、パイロット水路212の開度(背圧室208に対する開度)が変化せしめられる。
尚220は環状シール部材としてのOリングで、このOリング220によって、パイロット弁214及びこれと一体の駆動軸216と背圧室208との間が水密にシールされている。
【0006】
この図15に示すパイロット式流調弁装置にあっては、パイロット弁214がパイロット弁座218に向かって前進移動すると、パイロット弁214とパイロット弁座218との隙間が小さくなってパイロット水路212の開度が小となり、背圧室208からパイロット水路212を通じて流出水路202に抜ける水の量が少なくなって背圧室208の圧力は増大する。
また一方パイロット弁214が図中上向きに後退移動すると、パイロット弁214とパイロット弁座218との隙間が大きくなってパイロット水路212の開度が大となり、ここにおいて背圧室208からパイロット水路212を通じて流出水路202に抜ける水の量が多くなって背圧室208の圧力が減少する。
そして主弁204は、その背圧室208の圧力と流入水路200の圧力とをバランスさせるようにして、パイロット弁214の進退移動に追従して図中上下方向に進退移動し、主水路の開度を変化させる。
そしてその主水路の開度の変化に応じて、流入水路200から流出水路202への水の流量が調節される。
【0007】
この図15に示すパイロット式流調弁装置にあっては、背圧室208の圧力の増減に基づいて主弁204を進退移動させ、そしてその背圧室208の圧力の増減をパイロット弁214の進退移動により制御するようになしていることから、小さい力で主弁204を進退移動させることができ、軽い操作で流量調節を行うことができる特長を有する。
【0008】
しかしながらこの図15に示すパイロット式流調弁装置の場合、パイロット弁214及びこれと一体の駆動軸216に対して背圧室208の圧力が図中上向き、即ちパイロット弁214の後退方向に作用するため、パイロット弁214を閉弁方向即ち前進方向に駆動する際に、その圧力に抗してこれを前進移動させなければならず、その分操作が重くなるといった問題を内包している。
【0009】
そこで本発明者らは、パイロット弁の全体を背圧室の圧力の作用する水室内に水没状態に設け、パイロット弁に対して背圧室の圧力が後退方向に作用する問題を解決可能となしたパイロット式流調弁装置を案出し、先の特許願において提案している(下記特許文献1)。
図16はその具体例を示している。
【0010】
同図において222は、背圧室208と凹所224とで形成される水室で、そこにパイロット弁214の全体が水没状態に設けられている。
226はパイロット弁214を前進及び後退移動させるための駆動機構で、ここでは駆動機構226は、水室224を横切る状態に設けられて回転する駆動軸227と、これに固設されて一体に回転するピニオンギヤ228と、円柱状をなすパイロット弁214に形成されてピニオンギヤ228に噛み合うラックギヤ230とを有している。
尚232は、パイロット弁214を進退移動方向に摺動案内する略半円筒形状のガイドである。
【0011】
図16に示すパイロット式流調弁装置では、駆動軸227を回転させると、ピニオンギヤ228とラックギヤ230との噛合いに基づいてパイロット弁214が前進移動、後退移動させられる。
その際、この流調弁装置ではパイロット弁214の全体が水室222内に水没状態にあることから、パイロット弁214に対して背圧室208の圧力が後退方向に作用することがなく、即ちパイロット弁214を背圧室208の圧力に抗して前進方向に駆動しなくてもよく、パイロット弁214に対する前進方向の駆動を少ない力で行うことができる。それ故、より僅かな力で軽やかにパイロット弁214の駆動、ひいては流量調節を行うことが可能となる。
また止水に際してもパイロット弁214を主弁204に形成したパイロット弁座218に僅かな力で軽く当てることで閉弁させることができ、これにより主弁204を閉弁状態即ち主水路を止水状態とすることができる。
【0012】
しかしながらこのパイロット式流調弁装置では次のような問題を生じることがその後判明した。
即ち、パイロット弁214をパイロット弁座218に軽く当て、パイロット弁214及び主弁204を閉弁状態として止水を行った後に、1次側の流入水路200の圧力が様々な要因で上昇して高く(例えば2MPa)なったとき、これに伴って背圧室208の圧力が増大するために、その増大した圧力によって主弁204がゴム等の弾性材から成るダイヤフラム膜を撓ませながら主弁座206に強く押し付けられ、図17に示すように主弁204が当初の止水状態から図中下向きに沈み込んでしまう。
【0013】
一方パイロット弁214は、自身に形成されたラックギヤ230とピニオンギヤ228との噛合いにより位置が拘束された状態にあるため、その結果としてパイロット弁214と主弁204のパイロット弁座218との間に隙間Sが生じた状態となり、止水が不完全な状態となってしまう。
【0014】
一方これを防止しようとして止水時にパイロット弁214をパイロット弁座218に対し強く押し付けるようにすると、このパイロット式流調弁装置の軽操作の特長が減殺され損なわれてしまう。
また止水の際にその都度パイロット弁214をパイロット弁座218に強く押し付けるようにすると、主弁204の閉弁のために強い力が必要となるだけでなく、主弁204のダイヤフラム膜やパイロット弁214のシール部等が永久変形を生じてしまい、そのことが流調特性に悪影響を及ぼしてしまう問題を生ずる。
【0015】
この問題に対する1つの対策として、例えば駆動機構として上記のギヤ機構を用いた例の場合、水室222の圧力をパイロット弁214に対する閉弁方向(前進方向)の推力として働かせるようになしておくとともに、ピニオンギヤ228とラックギヤ230とを所定の遊び(クリアランス)をもって緩く噛み合わせておくといったことが考えられる。
【0016】
このようにすれば、パイロット弁214が閉弁した後に、流入水路200の圧力上昇によって背圧室208の圧力が高くなり、主弁204が図17に示すような沈込みを生じたとき、パイロット弁214を上記ピニオンギヤ228とラックギヤ230の歯と歯の間の遊び(クリアランス)の分だけ主弁204に追従して微小ストローク図中下向きに移動させることができ、これによりパイロット弁214を主弁204の沈込みにも拘らず閉弁状態に維持することが可能となる。
【0017】
しかしながらこのようになした場合、パイロット弁214を閉弁方向に前進移動させて流量を少なくするときと、パイロット弁214を開弁方向に後退移動させて流量を多くするときとで、同じピニオンギヤ228の回転角度の下でも、即ちこれを回転操作するハンドルの同じ回転角度の下でも流量が同一でなくなってしまい、流調特性にヒステリシスを生ぜしめてしまうなど、流調特性に悪影響を及ぼしてしまう。
【0018】
こうした問題は、駆動機構としてねじ機構その他の機構、詳しくはパイロット弁214を拘束しながら進退移動させる他の駆動機構を用いた場合にも同様に生じる問題である。
尚、パイロット弁を水室に水没状態に設けたパイロット式流調弁装置については、下記特許文献2にも開示されている。
但しこの特許文献2においても本発明の解決すべき課題については開示されておらず、従って本発明の解決手段についてこの特許文献2には開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2007−24061号公報
【特許文献2】特開2006−258272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は以上のような事情を背景とし、パイロット式流調弁装置において、止水操作即ちパイロット弁の閉弁操作を僅かな力で軽やかに行うことができるとともに、止水後において給水の圧力が上昇し主弁が沈込みを生じた場合においても、主弁とパイロット弁との間に隙間が生じることに起因して止水不良を生ぜしめてしまう問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
而して請求項1のものは、(イ)主弁座に向けて進退移動し、主水路の開度を変化させる主弁と、(ロ)該主弁の背後に形成され、内部の圧力を該主弁に対して閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と、(ハ)前記主水路における1次側の流入水路の水を該背圧室に導いて該背圧室の圧力を増大させる導入小孔と、(ニ)該背圧室と前記主水路における2次側の流出水路とを連通させ、該背圧室の水を該流出水路に抜いて該背圧室の圧力を減少させるパイロット水路と、(ホ)該背圧室側に設けられ、前記主弁に設けられたパイロット弁座に向けて進退移動し、該パイロット水路の開度を変化させるパイロット弁と、を備え、該パイロット弁の進退移動に追従して前記主弁を同方向に進退移動させて前記主水路の流量調節を行うパイロット式流調弁装置において、前記パイロット弁の全体を前記背圧室の圧力の作用する水室内に水没状態に設けて、該水室の圧力を該パイロット弁の前進方向の推力として働かせるとともに、該推力の作用の下で該パイロット弁を進退移動させる駆動機構を設け、且つ該駆動機構は、前記パイロット弁を前進移動させて閉弁状態としたとき、該パイロット弁と分離状態となって前記推力の作用で該パイロット弁を独立して前進移動可能とするものとなしてあることを特徴とする。
【0022】
請求項2のものは、請求項1において、前記パイロット弁を閉弁方向に付勢する付勢手段が設けてあり、該付勢手段にて前記水室の圧力による前記推力を補助するようになしてあることを特徴とする。
【0023】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記駆動機構が、回転する駆動軸及び該駆動軸に固設されて前記パイロット弁に対して該パイロット弁の進退移動方向に当接し、回転により該パイロット弁を進退移動させる回転カムを有するカム機構にて構成してあり、且つ該回転カムは、該パイロット弁を閉弁状態としたときに該パイロット弁から該パイロット弁の前記前進方向に設定距離離間した状態となるように形状が定めてあることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0024】
以上のように請求項1のものは、パイロット式流調弁装置においてパイロット弁の全体を背圧室の圧力の作用する水室内に水没状態に設けて、水室の圧力をパイロット弁の前進方向の推力として働かせるとともに、その推力の作用の下でパイロット弁を進退(前進後退)移動させる駆動機構を設け、そしてその駆動機構を、パイロット弁を前進移動させて閉弁状態としたときに、パイロット弁と分離状態となって、推力の作用でパイロット弁を独立して前進移動を可能ならしめるようにしたもので、この請求項1のパイロット式流調弁装置によれば、閉弁状態の下でパイロット弁に対する駆動機構による拘束が解かれ、その後の給水の圧力の上昇に基づいて主弁が沈込みを生じたとき、パイロット弁をこれに追従して前進移動させることができる。
【0025】
この結果、主弁が沈込みを生じてもパイロット弁が水室の圧力に基づく前進方向の推力の下に閉弁状態を維持することができ、従ってこの請求項1によれば、当初止水状態であったものが、その後の給水の圧力の上昇によって主弁とパイロット弁との間に隙間が生じて止水不良をもたらす問題を有効に解決することができる。
【0026】
尚、上記の主弁の沈込みはダイヤフラム弁に限らず、主弁座に対する接触部分に弾性を有するシール部を有しているピストン弁その他の弁においても生じ得、従って本発明はそのような主弁を有するパイロット式流調弁装置一般に通用することが可能である。
但し好適には主弁がダイヤフラム弁からなるものに適用可能である。
【0027】
請求項2は、パイロット弁を閉弁方向に付勢する付勢手段を設け、その付勢手段にて水室の圧力による上記の推力を補助するようになしたもので、このようにしておけば、流調弁装置の設置個所が給水の圧力の低い低圧地域であっても確実な止水を確保することができる。
【0028】
本発明では、上記駆動機構を、回転する駆動軸及びパイロット弁に対して進退移動方向に当接し、回転によりパイロット弁を進退移動させる回転カムを有するカム機構にて構成し、そしてその回転カムを、パイロット弁を閉弁状態としたときに、パイロット弁からその前進移動方向に設定距離離間した状態となる形状に定めておくことができる。
【0029】
この請求項3によれば、パイロット弁を閉弁させたときに簡単にパイロット弁と駆動機構との作動的連結状態を一次的に解除して、パイロット弁を独立して且つ主弁の沈込みに追従して閉弁状態を維持したまま前進移動させるようになすことができる。
またこの請求項3によれば、回転カムの形状を適宜に定めることで、回転カム即ちハンドル等の操作部の回転角度の変化とこれに伴う水量の変化との関係を様々に設定することが可能であり、且つこれを容易に実現できる利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態であるパイロット式流調弁装置を備えた水栓の図である。
【図2】同実施形態におけるパイロット式流調弁装置を示した図である。
【図3】同実施形態の要部の図である。
【図4】同実施形態における駆動機構の駆動側及び従動側の回転部の断面図である。
【図5】同実施形態の作用説明図である。
【図6】図5に続く作用説明図である。
【図7】同実施形態の図5とは異なる作用説明図である。
【図8】図7に続く作用説明図である。
【図9】同実施形態においてパイロット弁に推力が働く原理の説明図である。
【図10】本発明の他の実施形態の図である。
【図11】図10の実施形態の作用説明図である。
【図12】本発明の更に他の実施形態の図である。
【図13】本発明の更に他の実施形態の図である。
【図14】図13の実施形態の作用説明図である。
【図15】従来のパイロット式流調弁装置の一例を示す図である。
【図16】図15とは異なる従来のパイロット式流調弁装置の図である。
【図17】図16のパイロット式流調弁装置の不具合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は水栓で、12は水栓10における吐水管である。
吐水管12は、カウンター上面等の取付面(図示省略)から起立する形態で設けられている。
吐水管12は、ここでは全体として逆U字状のグースネック形状をなしており、その先端に吐水口14が備えられている。
また吐水管12には、最上位から先端にかけて下向きに下がった下り形状部且つその先端部の上面に、吐止水と吐水の流量調節とを行う回転式のダイヤル操作部16が設けられている。
【0032】
ここでダイヤル操作部16は電気的操作部として構成してあって、このダイヤル操作部16を回転させると、回転位置検出センサがこれを検知して、その回転位置に応じた信号を発生する。そしてその信号が後述の制御部24に送られる。
【0033】
18は給水路で、この給水路18上に本実施形態のパイロット式流調弁装置(以下単に流調弁装置とする)20が設けられている。
22はその駆動源となるステッピングモータで、制御部24に電気的に接続されている。
制御部24にはまた、上記のダイヤル操作部16(詳しくはその回転位置を検出する回転位置検出センサ)が電気的に接続されている。
この実施形態では、制御部24からの指令によって流調弁装置20が作動制御される。
【0034】
図2に、パイロット式流調弁装置20の具体的構成が示してある。
図2において、26は流調弁装置20のボデーで、28,30はそれぞれ主水路を形成する1次側の流入水路,2次側の流出水路で、32はその主水路上に設けられたダイヤフラム弁からなる主弁である。
主弁32は、硬質の樹脂からなる主弁本体34と、これにより保持されたゴム製のダイヤフラム膜36とからなっている。
この主弁32は、主弁座38に向けて進退移動し、主水路の開度を変化させる。
詳しくは、主弁座38への主弁32の着座によって主水路を遮断し、また主弁座38から図中上向きに離間することによって主水路を開放する。
また主弁座38からの離間量に応じて主水路の開度を大小変化させ、主水路を流れる水の流量を調節する。
【0035】
この主弁32の図中上側、即ち主弁32の背面側には背圧室40が設けられている。
背圧室40は、内部の圧力を主弁32に対し閉弁方向の押圧力として作用させる。
図3に拡大して示しているように、主弁32にはこれを貫通して1次側の流入水路28と背圧室40とを連通させる導入小孔42が設けられている。
この導入小孔42は、流入水路28からの水を背圧室40に導いて背圧室40の圧力を増大させる。
【0036】
主弁32にはまた、その中心部を貫通して背圧室40と2次側の流出水路30とを連通させる、水抜水路としてのパイロット水路44が設けられている。
このパイロット水路44は、背圧室40内の水を2次側の流出水路30に抜いて背圧室40の圧力を減少させる。
【0037】
ボデー26には、背圧室40に連通した凹所46,48が形成されている。そして凹所48の図中右端の開口が蓋体49で閉鎖されている。
これら凹所46,48には水が満たされており、背圧室40,凹所46,48が全体として背圧室40と同圧の水室50を形成している。
【0038】
52はパイロット弁で、先端部にゴム製のシール部54が設けられている。
パイロット弁52は、その大部分が凹所46内に入り込んでおり、そして背圧室40内に位置する、シール部54とは反対側の端部が大径の頭部56とされていて、そこに金属製のコイルばね(付勢手段)58の図中下端が下向きに当接させられている。
【0039】
パイロット弁52は、このコイルばね58の図中下向きの付勢力によって常時閉弁方向、即ち前進方向に付勢されている。
このパイロット弁52は、図中上下方向即ち主弁32に設けられたパイロット弁座60に向けて軸方向に進退移動し、パイロット水路44の開度を変化させる。
【0040】
詳しくは、パイロット弁52がパイロット弁座60に着座することでパイロット水路44が遮断され、またパイロット弁52がパイロット弁座60から図中上向きに離間することで、パイロット水路44が解放される。
更にパイロット弁52のパイロット弁座60からの離間量に応じてパイロット水路44の開度が変化せしめられる。
【0041】
パイロット弁52は全体が水室50内部に水没しており、背圧室40の圧力がパイロット弁52に対し後退方向の力として働かないのはもとより、このパイロット弁52に対しては、水室50内部の圧力がパイロット弁52に対して下向きの、即ち前進方向の推力として働く。
【0042】
詳しくは、パイロット弁52がパイロット弁座60に着座した閉弁状態の下では、水室50内の圧力を下向きに受ける受圧面の面積に対して、パイロット弁座60に対応する面積分だけ、水室50の圧力を上向きに受ける受圧面の面積が少なく、その受圧面積の差分だけ、パイロット弁52に対し水室50の圧力による推力が下向きに働く。
またパイロット弁52が開弁した状態の下でも、同様に水室50内の圧力がパイロット弁52に対する下向きの推力として働く。
【0043】
図9はその理由を模式的に表している。
この実施形態では、後述するようにパイロット弁52はパイロット弁座60との間に一定の微小な間隔を保ちつつ、主弁32とともに即ちパイロット弁座60とともに上下に移動し、そしてそのようなパイロット弁52の開弁状態の下では、背圧室40内の水がパイロット弁座60を乗り越えてパイロット水路44へと流れ込む。
このためパイロット弁52の下面のうち、パイロット水路44の上端開口に対向する面積Qの部分には、背圧室40内の1次圧は上向きに作用せず、どちらかというと背圧室40からパイロット水路44に流れ込む水の流れによる吸込みの力が働く傾向にある。
従ってパイロット弁52の開弁状態の下でも、パイロット弁52に対しては水室50内の圧力が下向きの、即ち前進(閉弁)方向の推力として働く。
上記コイルばね58は、水室50内の圧力によるパイロット弁52への下向きの推力を補助する補助ばねとして働く。
【0044】
図2において、62は凹所46をパイロット弁52の移動方向と直角方向に横切る状態に設けられた駆動軸で、この駆動軸62上に回転カム64が駆動軸62と一体回転する状態に固設されている。
図3に示すように回転カム64はその外周形状が、回転中心O即ち駆動軸62の軸心から外周位置までの距離が駆動軸62の回転方向に連続的に変化する形状をなしている(但し外周部の一部はフラットな形状をなすフラット部66とされている)。
【0045】
回転カム64は、パイロット弁52が最も後退した位置、即ち後退端にあるとき、図3に示す部位X即ち回転中心までの距離が最大となる部位Xが、パイロット弁52の頭部56の下面に当接した状態となり、その位置から回転カム64が回転するのに伴って、頭部56に当接する部位を図中下方に連続的に変化させ、回転中心Oと頭部56との上下の距離を漸次少なくして行く。
そしてこれに伴ってパイロット弁52がパイロット弁座60に向けて前進移動して行く。
【0046】
回転カム64の回転により、フラット部66の一旦側の部位(部位Xとは反対側の端の部位)Xよりも図3中反時計方向の部位部位Xが頭部56の下面に当接した時点でパイロット弁52は閉弁状態となるが(図7(III)参照)、回転カム64は更に引き続いて図中反時計方向に回転運動する。
これにより回転カム64は頭部56から下向きに離間し、図3及び図8(IV)に示すように最終的にフラット部66が図中水平向きとなって、頭部56との間に最大のクリアランス(隙間)Cを生ぜしめ、そこで回転停止する。
図2はこのときの状態を表している。
【0047】
図2に示しているように、駆動軸62の図中右端には円筒形状をなす従動側の回転部67が一体回転状態に設けられている。
図4に示しているようにこの従動側の回転部67には、周方向に沿って一定間隔でマグネット68が複数設けられている。
70は上記の蓋体49の外側、即ち水室50の外側に配置された駆動側の回転部で、この回転部70にも周方向に一定間隔ごとにマグネット72が複数設けてある。
尚、マグネット68,72の一方は非着磁の磁性体としておくこともできる。
【0048】
従ってこの実施形態では、ステッピングモータ22にて駆動側の回転部70を回転させると、この駆動側の回転部70に対して磁気カップリングされた従動側の回転部67が回転し、駆動軸62に設けられた回転カム64が回転運動させられる。それによってパイロット弁52が図中上下方向に進退移動させられる。
【0049】
次に本実施形態の作用を説明する。
図7(I)は、パイロット弁52が後退端にあって、主弁32が最大開弁している状態を表しており(図5(I)参照)、このとき回転カム64は回転中心Oから最大距離の部位Xがパイロット弁52の頭部56下面に当接した状態にある。
この状態から図7(II)に示すように回転カム64を反時計方向に回転させると、これに伴って回転カム64の図中上端の位置が漸次下方に推移して行く。これに伴ってパイロット弁52が水室50の圧力による下向きの推力及びコイルばね58の付勢力によって下方に前進移動する。
【0050】
而してパイロット弁52が下方に前進移動すると、パイロット弁52とパイロット弁座60との間の隙間が一時的に小となって、背圧室40からパイロット水路44を通じて流出水路30に抜ける水の量が少なくなり、背圧室40の圧力が増大する。
すると背圧室40の圧力が流入水路28の圧力に打ち勝つに到り、その差圧によって主弁32が図中下向きに前進移動させられ、そして背圧室40の圧力と流入水路28の圧力とが釣り合った位置(このときパイロット弁52とパイロット弁座60との間の隙間が元に戻る)で、主弁32の前進移動が停止する(図5(II)参照)。
【0051】
この状態で回転カム64の回転によりパイロット弁52が更に下向きに前進移動すると、背圧室40の圧力と流入水路28の圧力とをバランスさせるようにして、主弁32がパイロット弁52に追従して同方向に前進移動し、これによって主弁38との間の隙間、即ち主水路における開度を小として、主水路を流れる水量を減少させて行く。
このとき、主弁32はパイロット弁座60とパイロット弁52との間の隙間Sをほぼ一定に保つようにパイロット弁52に追従して、パイロット弁52と同じ方向に前進移動して行く(図5(III))。
【0052】
この実施形態において、回転カム64は更に引き続く図中反時計方向の回転によりパイロット弁52を前進移動させて行き、最終的にパイロット弁52をパイロット弁座60に着座させる。即ちパイロット弁54を最終的に閉弁させる(図7(III))。
【0053】
回転カム64はその状態からも更に反時計方向に回転し、その回転に伴って、回転カム64がパイロット弁52の頭部56から下方に離間した状態となる。
そして図8(IV)に示すようにフラット部66が頭部56の下面と平行の水平向きとなり、頭部56の下面との間にクリアランスCを生じたところで回転停止する。
【0054】
このとき、回転カム64はパイロット弁52の頭部56から最も大きく下方に離間した状態となる。
この状態の下ではパイロット弁52は回転カム64による拘束、即ち回転カム64,駆動軸62,従動側の回転部66,駆動側の回転部70からなる駆動機構65による拘束から解き放たれた状態となり、独立して前進方向に移動可能となる。
【0055】
この実施形態では、パイロット弁52をパイロット弁座60に軽く当てて、パイロット弁52及び主弁32を閉弁させるようになしてあり、従ってその閉弁後において、即ち止水後において流入水路28の給水の圧力が増大し、背圧室40の圧力がこれに伴って増大すると、主弁32が背圧室40の増大した圧力によりゴム製のダイヤフラム36の圧縮変形を伴って下向きに沈み込む。
【0056】
このときパイロット弁52が位置固定で移動できない状態にあると、パイロット弁座60とパイロット弁52との間に隙間が生じて止水不良を引き起こしてしまうが、この実施形態では、主弁32が上記の沈込みを生じると、パイロット弁52に対して働く水室50の圧力による下向きの推力、及びコイルばね58の下向きの付勢力によって、パイロット弁52が主弁32の下向きの沈込みに追従して前進移動し、閉弁状態を維持してパイロット水路44を遮断状態に保つ。
従ってこの実施形態によれば、主弁32の沈込みによる止水不良を生じることはない。
【0057】
さて上記の止水状態の下で回転カム64を今度は逆方向の図中時計方向に回転させると、一定角度回転したところで回転カム64がパイロット弁52の頭部56下面に当接するに到り(図8(V)参照)、そして回転カム64の更なる時計方向の回転によって、パイロット弁52が水室50の下向きの推力及びコイルばね58の付勢力に抗して、図中上向きに後退移動させられる(図6(I))。
【0058】
すると主弁32が、背圧室40の圧力と流入水路28の圧力とをバランスさせるようにして、パイロット弁52に追従して図中上向きに後退移動し(図6(II))、主水路を開く(図6(II)参照)。そして更に主水路の開度を拡くして主水路を流れる水量を増大変化させる(図6(III))。
【0059】
以上のように本実施形態によれば、閉弁状態の下でパイロット弁52に対する拘束が解かれ、その後の給水の圧力の上昇に基づいて主弁32が沈込みを生じたとき、パイロット弁52がこれに追従して自由に前進移動することができる。
【0060】
この結果、主弁32が沈込みを生じてもパイロット弁52が水室50の圧力に基づく前進方向の推力及びコイルばね58の付勢力の下に閉弁状態を維持することができ、従って当初止水状態であったものが、その後の給水の圧力の上昇によって主弁32とパイロット弁52との間に隙間が生じて止水不良をもたらす問題を有効に解決することができる。
【0061】
またコイルばね58にて水室50の圧力による推力を補助するようになしているため、流調弁装置20の設置個所が給水の圧力の低い低圧地域であっても確実な止水を確保することができる。
【0062】
また本実施形態によれば、パイロット弁52を閉弁させたときに、簡単にパイロット弁52とステッピングモータ22及び駆動機構との作動的連結状態を一次的に解除でき、パイロット弁52を自由に前進移動させるようになすことができる。
【0063】
図10は本発明の他の実施形態を示している。
この例は、背圧室40と、円柱形状をなすプランジャ式のパイロット弁52を飲み込む凹所78とで水室50を形成して、そこにパイロット弁52の全体を水没状態で設け、これを凹所78内に配置したコイルばね58にて図中下向きに付勢するようになしている。
尚、この例においてもパイロット弁52には水室50内の圧力が前進方向の推力として働いている。
また水室50内にはパイロット弁52の進退移動を案内する半円筒形状のガイド80が設けられている。
【0064】
82は、水室50をパイロット弁52の進退方向と直角方向に横切る状態に設けられた駆動軸で、この駆動軸82にピニオンギヤ84が一体回転状態に固設されている。
一方パイロット弁52にはラックギヤ86が設けられており、ラックギヤ86がピニオンギヤ84に噛み合うようになしてある。
この実施形態では、駆動軸82とピニオンギヤ84及びラックギヤ86を含んで駆動機構88が構成されている。
この実施形態では、ピニオンギヤ84に非ギヤ部92が一定周長に亘って設けられている。
【0065】
図11は、この実施形態の作用を表したもので、同図に示しているようにこの実施形態では、ピニオンギヤ84とラックギヤ86との噛合いに基づいて、ハンドル94(図10(A)参照)の操作によるピニオンギヤ84の回転によりパイロット弁52が進退移動させられる。
そしてパイロット弁52の進退移動に追従して主弁32が進退移動させられ、主水路の開度をこれに応じて変化させて主水路を流れる水量を増減変化させる。
【0066】
而してこの実施形態では、パイロット弁52が前進移動して閉弁状態となったとき、図11(II)に示しているようにピニオンギヤ84に設けられた非ギヤ部92によって、ピニオンギヤ84とパイロット弁52のラックギヤ86とが非噛合状態となり、従ってこの状態の下ではパイロット弁52が単独で自由に前進移動可能な状態となる。
【0067】
従ってこの実施形態においても、止水後において給水の圧力の上昇により主弁32が沈込みを生じた場合においても、パイロット弁52が水室50の圧力による下向きの推力とコイルばね58の付勢力とによって、主弁32の沈込みに追従して前進移動することができ、パイロット水路44を遮断状態に保持する。
従ってこの実施形態においても、主弁32の沈込みによる止水不良を有効に防止することができる。
【0068】
一方、ピニオンギヤ84が逆方向の図中時計方向に回転すると(図11(III))、あるところでピニオンギヤ84の歯がパイロット弁52のラックギヤ86に噛み合うに到って、以後はピニオンギヤ84の時計方向の回転に伴ってパイロット弁52が図中上向きに後退移動させられ、主弁32を開弁させる。またその開弁量を大として主水路を流れる水量を増大変化させる。
【0069】
図12は本発明の更に他の実施形態を示している。
図10の例では、ピニオンギヤ84の側に非ギヤ部92を設けているが、ここではパイロット弁52のラックギヤ86の側に非ギヤ部96を所定軸方向長に亘って設けている。
【0070】
図12(A)は、パイロット弁52が閉弁した状態を表しており、このとき非ギヤ部96によって、ピニオンギヤ84とラックギヤ86とは非噛合状態にある。
従ってこのときパイロット弁52は前進方向にフリー状態にあり、それ故主弁32が給水の圧力の増大により沈込みを生じたとき、パイロット弁52がこれに追従して前進移動することができ、以って主弁32の沈込みにも拘らずパイロット弁52は閉弁状態を保つ。
従ってこの実施形態においても、主弁32の沈込みによって、パイロット弁52とパイロット弁座60との間に隙間が生じ、そのことによって止水不良をもたらすのを有効に防止することができる。
【0071】
尚、図12(A)に示す状態から(B)に示すようにピニオンギヤ84を上記とは逆方向の時計方向に回転させると、ピニオンギヤ84の回転に伴って、ピニオンギヤ84とラックギヤ86とが噛み合うに到り、ピニオンギヤ84の時計方向の回転に伴ってパイロット弁52が図中上方に後退移動せしめられる。
【0072】
図13及び図14は本発明の更に他の実施形態を示している。
この例では、プランジャ式のパイロット弁52が、ボデー26に形成された貫通の孔98を上下に挿通しており、そして上端部の大径の頭部56が凹所100内に位置させられている。
そしてこの頭部56に対し、凹所100内に配置されたコイルばね58の付勢力が下向きに及ぼされている。
【0073】
凹所100は、パイロット弁52と孔98との間の環状の連通路102を通じて背圧室40と連通しており、この例ではこれら背圧室40,連通路102及び凹所100にて水室50が形成されている。
この例においてもまた、パイロット弁52が水室50内に水没状態に設けられている。
【0074】
104はステッピングモータのステータコイルで水室50、詳しくは凹所100を取り巻くように配置されている。
一方凹所100の内部には、円筒形状をなすマグネットロータ106が回転可能に配置されている。
このマグネットロータ106の外周部には、周方向にN極とS極とを交互に有する多極のマグネット108が設けられており、また内周面には雌ねじが設けられていて、この雌ねじが、ボデー26の軸部110の外周面の雄ねじに螺合されている。112はそれら雌ねじと雄ねじとからなるねじ部を表している。
【0075】
この実施形態では、パイロット弁52における大径の頭部56が、マグネットロータ106を軸方向に当接させる当接部を兼ねて構成してある。
従ってこの実施形態では、マグネットロータ106を図13及び図14(A)に示す状態から回転させて上方に移動させると、図14(B)に示しているようにある位置でマグネットロータ106が頭部56に当接して、更なるマグネットロータ106の回転及び上昇に伴って、パイロット弁52が一体に上向きに後退移動する。
【0076】
またマグネットロータ106を逆方向に回転させ、ねじ部112のねじ送りでこれを下向きに移動させると、これとともにパイロット弁52が図中下方に前進移動する。
この実施形態においても、パイロット弁52が前進移動して閉弁状態となった後においても、マグネットロータ106が更に下向きに移動して、マグネットロータ106とパイロット弁52の頭部56との間にクリアランスCを生ぜしめる(図14(A))。マグネットロータ106はこの状態で最終的に回転停止する。
【0077】
この状態においてパイロット弁52は、マグネットロータ106,ねじ部112を含む駆動機構から切り離された状態となり、ここにおいてパイロット弁52が単独で自由に下向きに前進移動可能となる。
従ってこの実施形態においても、閉弁状態から給水の圧力の上昇により主弁32が沈込みを生じた場合、パイロット弁52がこれに追従して閉弁状態を維持しつつ前進移動し、パイロット弁52とパイロット弁座60との間に隙間が生じるのを防止する。
従ってこの実施形態においても、給水の圧力上昇により止水不良が生じるのを有効に防止することができる。
【0078】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【符号の説明】
【0079】
20 パイロット式流調弁装置
28 1次側の流入水路
30 2次側の流出水路
32 主弁
36 ダイヤフラム膜
38 主弁座
40 背圧室
44 パイロット水路
50 水室
58 コイルばね(付勢手段)
60 パイロット弁座
62 駆動軸
64 回転カム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(イ)主弁座に向けて進退移動し、主水路の開度を変化させる主弁と、(ロ)該主弁の背後に形成され、内部の圧力を該主弁に対して閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と、(ハ)前記主水路における1次側の流入水路の水を該背圧室に導いて該背圧室の圧力を増大させる導入小孔と、(ニ)該背圧室と前記主水路における2次側の流出水路とを連通させ、該背圧室の水を該流出水路に抜いて該背圧室の圧力を減少させるパイロット水路と、(ホ)該背圧室側に設けられ、前記主弁に設けられたパイロット弁座に向けて進退移動し、該パイロット水路の開度を変化させるパイロット弁と、を備え、該パイロット弁の進退移動に追従して前記主弁を同方向に進退移動させて前記主水路の流量調節を行うパイロット式流調弁装置において
前記パイロット弁の全体を前記背圧室の圧力の作用する水室内に水没状態に設けて、該水室の圧力を該パイロット弁の前進方向の推力として働かせるとともに、該推力の作用の下で該パイロット弁を進退移動させる駆動機構を設け、且つ該駆動機構は、前記パイロット弁を前進移動させて閉弁状態としたとき、該パイロット弁と分離状態となって前記推力の作用で該パイロット弁を独立して前進移動可能とするものとなしてあることを特徴とするパイロット式流調弁装置。
【請求項2】
請求項1において、前記パイロット弁を閉弁方向に付勢する付勢手段が設けてあり、該付勢手段にて前記水室の圧力による前記推力を補助するようになしてあることを特徴とするパイロット式流調弁装置。
【請求項3】
請求項1,2の何れかにおいて、前記駆動機構が、回転する駆動軸及び該駆動軸に固設されて前記パイロット弁に対して該パイロット弁の進退移動方向に当接し、回転により該パイロット弁を進退移動させる回転カムを有するカム機構にて構成してあり、且つ該回転カムは、該パイロット弁を閉弁状態としたときに該パイロット弁から該パイロット弁の前記前進方向に設定距離離間した状態となるように形状が定めてあることを特徴とするパイロット式流調弁装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−52667(P2012−52667A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258099(P2011−258099)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【分割の表示】特願2007−173518(P2007−173518)の分割
【原出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】