説明

パケット通信システム、パケット通信方法、送信装置、及びコンピュータプログラム

【課題】送信装置側のパケット送信間隔を制御することにより、通信品質を向上することができるパケット通信システム、パケット通信方法、送信装置、及び該送信装置で用いるコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】送信装置は、乱数を発生し、発生した乱数に基づいて、パケットの送信間隔を設定し、設定した送信間隔でパケットを送信する。また、送信装置は、通信負荷の密度を検出する負荷密度検出用パケットを送信し、受信装置から負荷密度検出用パケットの遅延及び消失率又はいずれか一方に関する通信品質情報を受信し、受信した通信品質情報に基づいて、パケット送信間隔の中で遅延が最小である時間及び消失率が最小である時間又はいずれか一方を算出する。算出した時間をパケットの送信開始時間として設定して、パケット送信を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信網に接続してパケットを伝送するパケット通信システム、パケット通信方法、送信装置、及びコンピュータプログラムに関し、特にVoIP、ストリーム配信等のリアルタイム系の通信品質を向上させるパケット通信システム、パケット通信方法、送信装置、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信網を介して装置間で音声、映像等のデータの送受信を行うVoIP(Voice Over Internet Protocol)、ストリーム配信等のリアルタイム系のアプリケーションの利用が増加している。リアルタイム系のアプリケーションを利用する場合、アプリケーションにより受信した音声、映像等のデータを再生するときの再生品質が、通信網の状況により影響を受ける。そのため、リアルタイム系のアプリケーションを新規に導入する場合、より再生品質を向上させるべく、通信網の状況を把握する必要がある。
【0003】
しかし、VoIP通話は、同一の拠点間であり、しかも同一経路を使用する複数の通話であっても、通話経路のトラフィック負荷の大小により通話品質が異なる場合が生じる。これは、VoIPパケットの送信間隔に所定の周期を有するトラフィックが多量に重畳することにより、トラフィック負荷の密度に周期的な偏りが生じるためである。VoIPパケットの送信間隔が、負荷の密度が高い周期に一致する場合には、遅延が生じやすく、又はパケットロスが発生する可能性が高くなり、通話品質を高く維持することが困難となる。
【0004】
そこで、例えば特許文献1及び2では、パケットの送信間隔、音声のCODEC等を変更して、送信間隔と送信サイズとを連動して変更するVoIP音声パケット送信方法が開示されており、音声パケットの送信間隔が、可能な限り負荷の密度が低い周期に一致するよう制御することにより、通話品質を高く維持することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−046563号公報
【特許文献2】特開2005−252665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示されているVoIP音声パケット送信方法では、送信装置と受信装置との間で呼制御を行う必要が有り、送信装置で変更されたパケットの送信間隔、及び連動して変更されたパケットサイズに応じて、受信装置の設定を変更する必要があり、通信の制御が煩雑になるという問題点があった。
【0007】
また、特許文献2に開示されているVoIP音声パケット送信方法では、音声パケットの送信間隔を変更した場合に、受信装置側との呼接続を行うべく受信装置の呼制御設定を変更した後、変更した送信間隔で音声パケットを送信する必要がある。したがって、送信装置だけでなく、受信装置と連動して通信環境の設定を行う必要が有り、制御が煩雑になるという問題点があった。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、送信装置側のパケット送信間隔を制御するだけで、通信品質を向上することができるパケット通信システム、パケット通信方法、送信装置、及び該送信装置で用いるコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【0009】
また本発明は、送信パケットの送信間隔内の通信負荷の密度分布を、負荷検出用パケットを送信することにより取得する、又は外部の検出装置から取得することにより、トラフィックの小さい送信時間帯で送信パケットを送信することができるパケット通信システム、パケット通信方法、送信装置、及び該送信装置で用いるコンピュータプログラムを提供することを目的とする。なお、通信負荷の密度分布とは、時間変化に対する通信負荷の量の変動を意味している。通信負荷の密度分布は、周期的な通信負荷の変動等の要因によって極端な偏りを生じる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために第1発明に係るパケット通信システムは、通信網に接続しパケットを送信する送信装置、及び通信網に接続しパケットを受信する受信装置を備えるパケット通信システムにおいて、前記送信装置は、送信したパケットに応答して返送された通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、パケット送信間隔の中で遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を算出する手段と、算出したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定する送信開始時刻設定手段と、設定した送信開始時刻でパケット送信を開始する手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
第2発明に係るパケット通信システムは、通信網に接続しパケットを送信する送信装置、及び通信網に接続し、通信負荷の密度を検出する負荷密度検出用パケットを送受信して通信負荷の密度を検出する通信負荷密度検出装置を備えるパケット通信システムにおいて、前記送信装置は、前記通信負荷密度検出装置から負荷密度検出に基づく遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を含む通信品質情報を受信する手段と、受信したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定する送信開始時刻設定手段と、設定した送信開始時刻にパケット送信を開始する手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
第3発明に係るパケット通信方法は、通信網に接続しパケットを送信する送信装置、及び通信網に接続しパケットを受信する受信装置を用いるパケット通信方法において、前記送信装置は、送信したパケットに応答して返送された通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、パケット送信間隔の中で遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を算出し、算出したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定し、設定した送信開始時刻でパケット送信を開始することを特徴とする。
【0013】
第4発明に係るパケット通信方法は、通信網に接続しパケットを送信する送信装置、及び通信網に接続し、通信負荷の密度を検出する負荷密度検出用パケットを送受信して通信負荷の密度を検出する通信負荷密度検出装置を用いるパケット通信方法において、前記送信装置は、前記通信負荷密度検出装置から負荷密度検出に基づく遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を含む通信品質情報を受信し、受信したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定し、設定した送信開始時刻にパケット送信を開始することを特徴とする。
【0014】
第5発明に係る送信装置は、通信網に接続してパケットを送信する送信装置において、送信したパケットに応答して返送された通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、パケット送信間隔の中で遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を算出する手段と、算出したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定する送信開始時刻設定手段と、設定した送信開始時刻でパケット送信を開始する手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
第6発明に係るコンピュータプログラムは、通信網に接続してパケットを送信する送信装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、前記送信装置を、送信したパケットに応答して返送された通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、パケット送信間隔の中で遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を算出する手段、算出したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定する送信開始時刻設定手段、及び設定した送信開始時刻でパケット送信を開始する手段として機能させることを特徴とする。
【0016】
第1発明、第3発明、第5発明及び第6発明では、通信網に接続しパケットを送信する送信装置、及び通信網に接続しパケットを受信する受信装置を用い、送信装置は、送信したパケットに応答して返送された通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、パケット送信間隔の中で遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を算出し、算出したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定し、設定した送信開始時刻でパケット送信を開始する。これにより、送信装置が送信したパケットに応答して受信装置から返送されてきた通信品質情報により、所定の送信間隔、例えばVoIPパケットの送信間隔における通信負荷の密度の分布を算出することができ、通信負荷密度が小さいタイミングでパケットを送信するように送信タイミングを設定することで、通信品質を高く維持することが可能となる。
【0017】
第2発明、第4発明、第5発明及び第6発明では、通信網に接続しパケットを送信する送信装置、及び通信網に接続し、通信負荷の密度を検出する負荷密度検出用パケットを送受信して通信負荷の密度を検出する通信負荷密度検出装置を用い、送信装置は、通信負荷密度検出装置から負荷密度検出に基づく遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を含む通信品質情報を受信し、受信したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定し、設定した送信開始時刻にパケット送信を開始する。これにより、外部の負荷密度検出装置が負荷密度検出用パケットを送信することで、パケットの遅延及び消失率又はいずれか一方に関する通信品質情報を取得する。送信装置は、外部の負荷密度検出装置から通信品質情報を受信することで、所定の送信間隔、例えばVoIPパケットの送信間隔における通信負荷の密度の分布を算出することができ、通信負荷密度が小さいタイミングでパケットを送信するよう送信タイミングを設定することで、通信品質を高く維持することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
第1発明、第3発明、第5発明及び第6発明によれば、送信装置が負荷密度検出用パケットを送信することで、所定の送信間隔、例えばVoIPパケットの送信間隔における通信負荷の密度の分布を算出することができ、通信負荷密度が小さいタイミングでパケットを送信するように送信タイミングを設定することで、通信品質を高く維持することが可能となる。
【0019】
第2発明、第4発明、第5発明及び第6発明によれば、外部の負荷密度検出装置が負荷密度検出用パケットを送信することで、パケットの遅延及び消失率又はいずれか一方に関する通信品質情報を取得する。送信装置は、外部の負荷密度検出装置から通信品質情報を受信することで、所定の送信間隔、例えばVoIPパケットの送信間隔における通信負荷の密度の分布を算出することができ、通信負荷密度が小さいタイミングでパケットを送信するよう送信タイミングを設定することで、通信品質を高く維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1に係るパケット通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るパケット通信システムで用いる送信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るパケット通信システムで用いる受信装置の構成を示すブロック図である。
【図4】従来のパケット通信方法におけるパケット送信タイミングを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るパケット通信方法におけるパケット送信タイミングを示す図である。
【図6】RTCPにて規定されたRRパケットの構成の例示図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係るパケット通信システムで用いる送信装置の制御手段の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2に係るパケット通信システムで用いる送信装置の制御手段のVoIPパケット送信処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2に係るパケット通信方法におけるパケット送信タイミングを示す図である。
【図10】通信負荷密度検出装置を別個に備える場合のパケット通信システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るパケット通信システムの構成を示すブロック図である。図1において、送信装置1は、インターネット等の通信網3に接続されており、同じく接続されている受信装置2へパケットを送信する。通信網3には、動画、音声等のストリームデータを配信するコンピュータを用いた複数の送信装置1、1、・・・、及び送信装置1、1、・・・から送信されるストリームデータを受信する受信装置2、2、・・・が接続されている。通信網3は、インターネットルータ等の複数の中継装置4、4、・・・を備えており、不特定の中継装置4、4、・・・にて構成される通信経路を経て、送信装置1、1、・・・から受信装置2、2、・・・へパケットが送信される。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態1に係るパケット通信システムで用いる送信装置1の構成を示すブロック図である。送信装置1は、装置全体を制御するCPU等の制御手段11、本発明の実施の形態1に係る送信装置1で実行可能なコンピュータプログラム101及びデータ等の各種情報を記録したCD−ROM等の記録媒体102から各種情報を読み取るCD−ROMドライブ等の補助記憶手段12、補助記憶手段12により読み取った各種情報を記録するハードディスク等の記録手段13を備えている。そして記録手段13から本発明に係るコンピュータプログラム101及びデータ等の各種情報を読み取り、情報を一時的に記憶するRAM等の記憶手段14に記憶させてコンピュータプログラム101に含まれる各種手順を制御手段11により実行することで、コンピュータは、本発明に係る送信装置1として動作する。送信装置1は、さらにパケットを送信する通信手段15、時刻を取得する時計手段16、マウス、キーボード等の入力手段17、及びモニタ等の出力手段18を備えている。なお、本実施の形態1は、PCを用いて通話を行うIP電話システムを想定している。したがって、IP電話機等の専用端末を使用することも可能であり、その場合には、CD−ROM、CD−ROMドライブ等の補助記憶手段12、マウス、キーボード等の電話機能以外の入力手段17が含まれないことは言うまでもない。
【0024】
図3は、本発明の実施の形態1に係るパケット通信システムで用いる受信装置2の構成を示すブロック図である。受信装置2は、装置全体を制御するCPU等の制御手段21、本発明の実施の形態1に係る受信装置2で実行可能なコンピュータプログラム201及びデータ等の各種情報を記録したCD−ROM等の記録媒体202から各種情報を読み取るCD−ROMドライブ等の補助記憶手段22、補助記憶手段22により読み取った各種情報を記録するハードディスク等の記録手段23を備えている。そして記録手段23から本発明に係るコンピュータプログラム201及びデータ等の各種情報を読み取り、情報を一時的に記憶するRAM等の記憶手段24に記憶させてコンピュータプログラム201に含まれる各種手順を制御手段21により実行することで、コンピュータは、本発明に係る受信装置2として動作する。受信装置2は、さらにパケットを受信する通信手段25、時刻を取得する時計手段26、マウス、キーボード等の入力手段27、及びモニタ等の出力手段28を備えている。なお、本実施の形態1は、PCを用いて通話を行うIP電話システムを想定している。したがって、IP電話機等の専用端末を使用することも可能であり、その場合には、CD−ROM、CD−ROMドライブ等の補助記憶手段22、マウス、キーボード等の電話機能以外の入力手段27が含まれないことは言うまでもない。
【0025】
上述した構成の送信装置1及び受信装置2を用いたパケット通信方法について説明する。図4は、従来のパケット通信方法におけるパケット送信タイミングを示す図である。以下の説明では、VoIPパケットの送信間隔Tsを20msとする。なお、送信間隔Tsは20msに限定されるものではない。
【0026】
例えば通話Aでは、VoIPパケット(音声パケット)42が、常時VoIPパケットの送信間隔Tsの後半部分のタイミングで送信している。一方、例えば通話Bでは、VoIPパケット(音声パケット)42が、常時VoIPパケットの送信間隔Tsの前半部分のタイミングで送信している。通話Aのような送信タイミングの通話が多くなった場合、通信トラフィックは、VoIPパケットの送信間隔Tsの後半部分のタイミングで大きくなり、通信負荷41に周期的な偏りが生じる。通信負荷41の偏りの周期は、VoIPパケットの送信間隔Tsとなる。したがって通話Aのような送信タイミングでVoIPパケット42を送信した場合、VoIPパケット42が遅延する、あるいは該VoIPパケット42を消失する可能性が高く、通話品質が低くなる。
【0027】
そこで、本実施の形態1では、複数の通話におけるVoIPパケットの送信間隔をランダムに変化させることにより、通信負荷41に生じる周期的な偏りを平準化し、通信負荷を低減させる。図5は、本発明の実施の形態1に係るパケット通信方法におけるパケット送信タイミングを示す図である。
【0028】
図5に示すように、複数の通話におけるVoIPパケットの送信タイミングを乱数の発生により送信間隔をランダムに変動させることにより変化させ、例えば通話A、B、C、D、E、・・・のVoIPパケット42、43、44、45、46(実線部分)を、それぞれ異なる送信タイミング(破線部分)で送信する。夫々のVoIPパケットの送信間隔Tsが乱数に応じて変動していることから、通信負荷分布51は通常の通信負荷41よりも偏りが少なく、どの送信タイミングでVoIPパケットを送信した場合であっても、トラフィックは略均一であり、通話品質のばらつきを抑制することが可能となる。
【0029】
なお、送信装置1から受信装置2へ送信されるVoIPパケットには、RTP等の実時間で音声及び動画を送受信するための通信規約にて規定されたパケットが用いられる。
【0030】
図6は、通信品質であるVoIPパレットの消失率等の情報として受信するレポートパケットRTCP(RTP Control Protocol)にて規定されたRR(Receiver Report )パケットの構成の例示図である。RTCPの場合、ヘッダ情報は、IPパケットのデータ部に含まれており、RTCPにて規定されたパケットに関する様々な情報が書き込まれている。以下に書き込まれている情報の意味について説明する。
【0031】
V(Version) は、RTCPのバージョンを示している。P(padding) は、パケット長を調整するためのパディングデータの有無を示している。RC(reception report count)は、受け付けたレポートのブロック数を示している。PT(packet type)は、RTCPパケットの種類を示しており、RRパケットの場合‘201’に設定されている。SSRC_1は、第1番目のSSRC識別子を示し、SRパケットの送信元の識別に用いられる。fraction_lostは、RTPパケットの一部消失が生じた位置を示しており、パケット消失数累計(cumulative number of packets lost)は、パケット消失数の累計値である。拡張最大シーケンス番号(extended highest sequence number received)は、RTPパケットで受信した最大のシーケンス番号を示しており、interarrival jitterは、RTPパケットの応答時間内の揺らぎの評価値を示している。LSR(last SR timestamp)は、最近受信したRTCPパケットのタイムスタンプを、DLSR(delay since last SR)は、最近受信したRTCPパケットの遅延を示している。
【0032】
レポートパケットの形式や内容は、RTCPのRRパケット以外であっても良く、他の形式や内容の場合でも、通信状況の把握に必要な情報をパケット中の所定の位置から取得するようにすれば良い。
【0033】
図7は、本発明の実施の形態1に係るパケット通信システムで用いる送信装置1の制御手段11の処理手順を示すフローチャートである。送信装置1の制御手段11は、VoIPパケットの送信間隔Tsを取得する(ステップS701)。VoIPパケットの送信間隔Tsは、送信装置1の入力手段17を介して受け付けても良いし、外部の装置から通信手段15を介して受け付けても良い。
【0034】
制御手段11は、乱数によるVoIPパケットの送信間隔の変動幅の最大値ΔTを取得する(ステップS702)。VoIPパケットの送信間隔の変動幅の最大値ΔTは、送信装置1の入力手段17を介して受け付けても良いし、外部の装置から通信手段15を介して受け付けても良い。なお、VoIPパケットの送信間隔の変動幅の最大値ΔTは、後述する乱数rが0≦r≦1である場合、VoIPパケットの送信間隔Ts以下であることが望ましい。このようにすることで、VoIPパケットの送信間隔Tsの範囲内で略均等にパケットの送信開始タイミングを分布させることができ、通信負荷の偏りを平準化することができる。
【0035】
制御手段11は、乱数r(0≦r≦1)を生成する(ステップS703)。乱数rの生成方法は特に限定されるものではなく、公知の乱数生成方法であれば何でも良い。
【0036】
制御手段11は、送信間隔Tsに送信間隔の変動値r・ΔTを加算して新たな送信間隔Ts’とし(ステップS704)、制御手段11は、送信間隔Ts’が経過したか否かを判断し(ステップ705)、制御手段11が、送信間隔Ts’が経過していないと判断した場合(ステップ705:NO)、制御手段11は、経過するまで待機状態となる。制御手段11が、送信間隔Ts’が経過したと判断した場合(ステップS705:YES)、制御手段11は、パケットを送信する(ステップS706)。制御手段11が、パケットを送信した後、制御手段11は、VoIPパケットの送信が完了したか否かを判断する(ステップS707)。
【0037】
制御手段11が、VoIPパケットの送信が完了していないと判断した場合(ステップS707:NO)、制御手段11は、処理をステップS703へ戻し、上述した処理を繰り返す。制御手段11が、VoIPパケットの送信が完了したと判断した場合(ステップS707:YES)、制御手段11は、VoIPパケットの送信を停止して処理を終了する。
【0038】
以上のように本実施の形態1によれば、VoIPパケットの送信間隔がランダムに変動することにより通信負荷の分布が平準化され、パケットの消失が抑制され、遅延の発生が抑制される。したがって、送信タイミングの相違による通信品質の差を抑制することができ、通信品質の向上を図ることが可能となる。
【0039】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2に係る通信負荷密度測定システムについて図面を参照しながら説明する。実施の形態2に係る通信負荷密度測定システムの構成は実施の形態1と同様であることから、同一の符号を付することで詳細な説明を省略する。本実施の形態2では、負荷密度検出用パケットを送信して、通信網3の通信負荷の密度分布を把握し、通信負荷の低い送信タイミングでパケット送信を行うよう送信開始タイミングを設定する点で実施の形態1と相違する。なお、本実施の形態2でも、実施の形態1と同様、通信負荷の偏りの周期、すなわちVoIPパケットの送信間隔Tsを20msとする。
【0040】
図8は、本発明の実施の形態2に係るパケット通信システムで用いる送信装置1の制御手段11のVoIPパケット送信処理の手順を示すフローチャートである。図8では、負荷密度検出用パケットの消失情報に基づいて通信負荷密度の低い送信タイミングを特定する方法について説明する。なお、通信負荷密度は、負荷密度検出用パケットの消失情報に基づいて求めることに限定されるものではなく、負荷密度検出用パケットの遅延情報に基づいて求める方法であっても同様の処理手順となることは言うまでも無い。
【0041】
送信装置1の制御手段11は、VoIPパケットの送信間隔Ts、及び送信タイミングの単位変動幅dを取得する(ステップS801)。VoIPパケットの送信間隔Ts及び送信タイミングの単位変動幅dは、送信装置1の入力手段17を介して受け付けても良いし、外部の装置から通信手段15を介して受け付けても良い。また、送信タイミングの単位変動幅dは、VoIPパケットの送信間隔Tsよりも小さいものとする。
【0042】
制御手段11は、送信タイミングの補正変動幅T、送信タイミングごとのパケット消失数loss(T)、及び通信品質を示す通信品質情報として受信する、RTCP(RTP Control Protocol)のRR(Receiver Report )パケットの受信個数nを、それぞれ初期値‘0’に設定する(ステップS802)。なお、RTCP(RTP Control Protocol)のRR(Receiver Report )パケットの受信個数の最大値Nは所定の値、例えばN=5に設定しておく。
【0043】
制御手段11は、送信タイミングTでVoIPパケットを1パケット送信し(ステップS803)、RTCPのRRパケットを受信したか否かを判断する(ステップS804)。ここで、送信タイミングTでVoIPパケットを送信するとは、本来VoIPパケットを送信するべき時刻からT時間経過した後にVoIPパケットを送信することを意味している。制御手段11が、RRパケットを受信していないと判断した場合(ステップS804:NO)、制御手段11は、処理をステップS803へ戻す。制御手段11が、RRパケットを受信したと判断した場合(ステップS804:YES)、制御手段11は、RRパケットのヘッダ項目fraction_lostの値を抽出し、送信タイミングごとのパケット消失数loss(T)に累計する(ステップS805)。すなわち、loss(T)の値が大きい送信タイミングは、通信トラフィックが大きく通信負荷密度が高いと判断することができ、loss(T)の値が小さい送信タイミングは、通信トラフィックが小さく通信負荷密度が低いと判断することができる。
【0044】
制御手段11は、RRパケットの受信個数nを、‘1’インクリメントし(ステップS806)、RRパケットの受信個数の最大値N、例えば‘5’より小さいか否かを判断する(ステップS807)。制御手段11が、RRパケットの受信個数の最大値Nより小さいと判断した場合(ステップS807:YES)、制御手段11は、処理をステップS803へ戻し、上述した処理を繰り返す。
【0045】
制御手段11が、RRパケットの受信個数の最大値N以上であると判断した場合(ステップS807:NO)、制御手段11は、送信タイミングTに送信タイミングの単位変動幅dをインクリメントし(ステップS808)、算出した送信タイミングTがVoIPパケット送信間隔Tsより小さいか否かを判断する(ステップS809)。制御手段11が、算出した送信タイミングTがVoIPパケット送信間隔Tsより小さいと判断した場合、(ステップS809:YES)、制御手段11は、RRパケットの受信個数nを初期値‘0’に設定し(ステップS810)、処理をステップS803へ戻して上述した処理を繰り返す。
【0046】
制御手段11が、算出した送信タイミングTがVoIPパケット送信間隔Ts以上であると判断した場合、(ステップS809:NO)、制御手段11は、送信タイミングごとのパケット消失数loss(T)が最小である送信タイミングTを算出し(ステップS811)、以降、算出した送信タイミングTでVoIPパケットを継続して送信する(ステップS812)。
【0047】
図9は、本発明の実施の形態2に係るパケット通信方法におけるパケット送信タイミングを示す図である。例えば本実施の形態2でも、通信負荷91に周期的な偏りが存在する。通信負荷91の偏りの周期は、VoIPパケットの送信間隔Ts、例えば20msである。
【0048】
この状態で例えば通話A、B、Cでは、VoIPパケット(音声パケット)92、93、94が、常時VoIPパケットの送信間隔Tsの後半部分で送信している。したがって、通話A、B、Cは、通信トラフィックの多いタイミングである送信タイミング96でVoIPパケット92、93、94を送信しており、VoIPパケットが遅延する、あるいは該VoIPパケットが消失する可能性が高く、通話品質が低くなる。
【0049】
負荷密度検出用パケットを用いることで、送信タイミング97が通信トラフィックの少ないタイミングであると把握した場合、送信装置1は、VoIPパケット95を送信タイミング97で送信するよう、送信タイミングを設定する。したがって、VoIPパケットが遅延する、あるいは該VoIPパケットが消失する可能性が低く、通話品質を高く維持することが可能となる。
【0050】
以上のように本実施の形態2では、送信装置1が負荷密度検出用パケットを送信することで、所定の送信間隔、例えばVoIPパケットの送信間隔における通信負荷の密度の分布を算出することができ、通信負荷密度が小さいタイミングでVoIPパケットを送信するように送信タイミングを設定することで、通信品質を高く維持することが可能となる。
【0051】
また、送信装置1から負荷密度検出用パケットを送信して最適な送信タイミングを算出することに限定されるものではなく、例えば別個に通信負荷密度を検出する通信負荷密度検出装置を備えておき、通信負荷密度検出装置による検出結果を取得することにより、VoIPパケットの送信タイミングを変更しても良い。図10は、通信負荷密度検出装置を別個に備える場合のパケット通信システムの構成を示すブロック図である。図10において、送信装置1は、インターネット等の通信網3に接続されており、同じく接続されている受信装置2へパケットを送信する。通信網3には、動画、音声等のストリームデータを配信するコンピュータを用いた複数の送信装置1、1、・・・、及び送信装置1、1、・・・から送信されるストリームデータを受信する受信装置2、2、・・・が接続されている。通信網3は、インターネットルータ等の複数の中継装置4、4、・・・を備えており、不特定の中継装置4、4、・・・にて構成される通信経路を経て、送信装置1、1、・・・から受信装置2、2、・・・へパケットが送信される。
【0052】
また、送信側通信負荷密度検出装置5も、インターネット等の通信網3に接続されており、同じく接続されている受信側通信負荷密度検出装置6へ負荷密度検出用パケットを送信する。送信された負荷密度検出用パケットは、不特定の中継装置4、4、・・・にて構成される通信経路を経て、送信側通信負荷密度検出装置5から受信側通信負荷密度検出装置6へ送信される。
【0053】
通信負荷密度検出装置は、図10のように送信側と受信側とで別個の装置としても良いし、送信ポート及び受信ポートを1つの筐体に備えた一体型の装置であっても良い。また、通信負荷密度検出装置における最適な送信タイミングTの算出処理の手順は、図8に示す送信装置1の処理手順のステップS801乃至S810と同様であることから、詳細な説明を省略する。送信装置1は、通信負荷密度検出装置から最適な送信タイミングTを取得し、取得した送信タイミングTでVoIPパケットを送信することにより、同様の効果を奏することができる。
【0054】
以上の実施の形態1及び2に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0055】
(付記1)
通信網に接続してパケットを送信する送信装置を備えるパケット通信システムにおいて、
前記送信装置は、
乱数を発生する乱数発生手段と、
発生した乱数に基づいて、パケットの送信間隔を設定する間隔設定手段と
を備え、
設定した送信間隔でパケットを送信するようにしてあることを特徴とするパケット通信システム。
【0056】
(付記2)
前記間隔設定手段は、
前記乱数に基づいた送信間隔を、パケットの送信間隔に対する割合の上限値より小さくなるよう設定するようにしてあることを特徴とする付記1記載のパケット通信システム。
【0057】
(付記3)
通信網に接続しパケットを送信する送信装置、及び通信網に接続しパケットを受信する受信装置を備えるパケット通信システムにおいて、
前記送信装置は、
送信したパケットに応答して返送された通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、パケット送信間隔の中で遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を算出する手段と、
算出したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定する送信開始時刻設定手段と、
設定した送信開始時刻でパケット送信を開始する手段と
を備えることを特徴とするパケット通信システム。
【0058】
(付記4)
前記受信装置は、
パケットを受信した場合、該パケットに関する前記通信品質情報を前記送信装置へ応答として返送する手段と
を備えることを特徴とする付記3記載のパケット通信システム。
【0059】
(付記5)
通信網に接続しパケットを送信する送信装置、及び通信網に接続し、通信負荷の密度を検出する負荷密度検出用パケットを送受信して通信負荷の密度を検出する通信負荷密度検出装置を備えるパケット通信システムにおいて、
前記送信装置は、
前記通信負荷密度検出装置から負荷密度検出に基づく遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を含む通信品質情報を受信する手段と、
受信したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定する送信開始時刻設定手段と、
設定した送信開始時刻にパケット送信を開始する手段と
を備えることを特徴とするパケット通信システム。
【0060】
(付記6)
通信網に接続してパケットを送信する送信装置を用いるパケット通信方法において、
前記送信装置は、
乱数を発生し、
発生した乱数に基づいて、パケットの送信間隔を設定し、
設定した送信間隔でパケットを送信することを特徴とするパケット通信方法。
【0061】
(付記7)
前記乱数に基づいた送信間隔を、パケットの送信間隔に対する割合の上限値より小さくなるよう設定することを特徴とする付記6記載のパケット通信方法。
【0062】
(付記8)
通信網に接続しパケットを送信する送信装置、及び通信網に接続しパケットを受信する受信装置を用いるパケット通信方法において、
前記送信装置は、
送信したパケットに応答して返送された通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、パケット送信間隔の中で遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を算出し、
算出したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定し、
設定した送信開始時刻でパケット送信を開始することを特徴とするパケット通信方法。
【0063】
(付記9)
前記受信装置は、
パケットを受信した場合、該パケットに関する前記通信品質情報を前記送信装置へ応答として返送することを特徴とする付記8記載のパケット通信方法。
【0064】
(付記10)
通信網に接続しパケットを送信する送信装置、及び通信網に接続し、通信負荷の密度を検出する負荷密度検出用パケットを送受信して通信負荷の密度を検出する通信負荷密度検出装置を用いるパケット通信方法において、
前記送信装置は、
前記通信負荷密度検出装置から負荷密度検出に基づく遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を含む通信品質情報を受信し、
受信したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定し、
設定した送信開始時刻にパケット送信を開始することを特徴とするパケット通信方法。
【0065】
(付記11)
通信網に接続してパケットを送信する送信装置において、
乱数を発生する乱数発生手段と、
発生した乱数に基づいて、パケットの送信間隔を設定する間隔設定手段と
を備え、
設定した送信間隔でパケットを送信するようにしてあることを特徴とする送信装置。
【0066】
(付記12)
前記間隔設定手段は、
前記乱数に基づいた送信間隔を、パケットの送信間隔に対する割合の上限値より小さくなるよう設定するようにしてあることを特徴とする付記11記載の送信装置。
【0067】
(付記13)
通信網に接続してパケットを送信する送信装置において、
送信したパケットに応答して返送された通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、パケット送信間隔の中で遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を算出する手段と、
算出したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定する送信開始時刻設定手段と、
設定した送信開始時刻でパケット送信を開始する手段と
を備えることを特徴とする送信装置。
【0068】
(付記14)
通信網に接続してパケットを送信する送信装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記送信装置を、
乱数を発生する乱数発生手段、
発生した乱数に基づいて、パケットの送信間隔を設定する間隔設定手段、及び
設定した送信間隔でパケットを送信する手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【0069】
(付記15)
前記間隔設定手段を、
前記乱数に基づいた送信間隔を、パケットの送信間隔に対する割合の上限値より小さくなるよう設定する手段として機能させることを特徴とする付記14記載のコンピュータプログラム。
【0070】
(付記16)
通信網に接続してパケットを送信する送信装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記送信装置を、
送信したパケットに応答して返送された通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、パケット送信間隔の中で遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を算出する手段、
算出したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定する送信開始時刻設定手段、及び
設定した送信開始時刻でパケット送信を開始する手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0071】
1 送信装置
2 受信装置
3 通信網
4 中継装置
5 送信側通信負荷密度検出装置
6 受信側通信負荷密度検出装置
101、201 コンピュータプログラム
102、202 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網に接続しパケットを送信する送信装置、及び通信網に接続しパケットを受信する受信装置を備えるパケット通信システムにおいて、
前記送信装置は、
送信したパケットに応答して返送された通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、パケット送信間隔の中で遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を算出する手段と、
算出したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定する送信開始時刻設定手段と、
設定した送信開始時刻でパケット送信を開始する手段と
を備えることを特徴とするパケット通信システム。
【請求項2】
通信網に接続しパケットを送信する送信装置、及び通信網に接続し、通信負荷の密度を検出する負荷密度検出用パケットを送受信して通信負荷の密度を検出する通信負荷密度検出装置を備えるパケット通信システムにおいて、
前記送信装置は、
前記通信負荷密度検出装置から負荷密度検出に基づく遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を含む通信品質情報を受信する手段と、
受信したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定する送信開始時刻設定手段と、
設定した送信開始時刻にパケット送信を開始する手段と
を備えることを特徴とするパケット通信システム。
【請求項3】
通信網に接続しパケットを送信する送信装置、及び通信網に接続しパケットを受信する受信装置を用いるパケット通信方法において、
前記送信装置は、
送信したパケットに応答して返送された通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、パケット送信間隔の中で遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を算出し、
算出したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定し、
設定した送信開始時刻でパケット送信を開始することを特徴とするパケット通信方法。
【請求項4】
通信網に接続しパケットを送信する送信装置、及び通信網に接続し、通信負荷の密度を検出する負荷密度検出用パケットを送受信して通信負荷の密度を検出する通信負荷密度検出装置を用いるパケット通信方法において、
前記送信装置は、
前記通信負荷密度検出装置から負荷密度検出に基づく遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を含む通信品質情報を受信し、
受信したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定し、
設定した送信開始時刻にパケット送信を開始することを特徴とするパケット通信方法。
【請求項5】
通信網に接続してパケットを送信する送信装置において、
送信したパケットに応答して返送された通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、パケット送信間隔の中で遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を算出する手段と、
算出したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定する送信開始時刻設定手段と、
設定した送信開始時刻でパケット送信を開始する手段と
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項6】
通信網に接続してパケットを送信する送信装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記送信装置を、
送信したパケットに応答して返送された通信の品質に関する通信品質情報に基づいて、パケット送信間隔の中で遅延が最小であるタイミング及び消失率が最小であるタイミング又はいずれか一方を算出する手段、
算出したタイミングでパケットの送信開始時刻を設定する送信開始時刻設定手段、及び
設定した送信開始時刻でパケット送信を開始する手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−61802(P2011−61802A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215623(P2010−215623)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【分割の表示】特願2006−21472(P2006−21472)の分割
【原出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】