説明

パターン形成方法およびパターン形成装置

【課題】本発明の目的は、プラスチックモールドおよび可視光硬化性樹脂組成物を用いる、パターン形成方法およびパターン形成装置を提供することにある。
【解決手段】所定パターンを有するプラスチックモールドを、可視光硬化性樹脂組成物に押し付けて該所定パターンを成形し、光を照射して該樹脂組成物を硬化させることを特徴とするパターン形成方法等を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性樹脂組成物に、モールドを押し付けてパターン形成し、光を照射して該樹脂組成物を硬化させることによるパターン形成方法およびパターン形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
微細加工技術としての光ナノインプリント法は、光硬化性樹脂組成物に、微細なパターンを形成したモールド(型)を押し付け、光照射して該樹脂組成物を硬化させることで、パターンを形成する方法である(特許文献1、2および3参照)。光ナノインプリント法は、加熱・冷却操作に時間を要する熱ナノインプリント法と比較して生産効率が優れている。また、光ナノインプリント法では添加剤や充填剤を樹脂組成物に含有させ、樹脂組成物の配合および設計をすることができ、多様な樹脂材料を使用できるという利点がある。
【0003】
特許文献1では、モールドを樹脂組成物に押し付けた後に、光照射してパターンを形成させている。一方、特許文献2および3では、光硬化性樹脂組成物にモールドを押し付けると共に、モールド上部の照射機から光照射し樹脂組成物を光硬化させてパターンを形成させている。特許文献1のように、モールドを樹脂組成物に押し付けた後に、光照射してパターンを形成させる方法では、押し付けから硬化開始までに時間を要し、その間に樹脂組成物に成形されたパターンが崩れて正確なパターンを形成できなくなるという問題があるが、特許文献2および3のように押しつけと共に硬化が開始されるようにすることで、パターンが崩れるという問題が改善されている。
【0004】
特許文献2および3に記載の光ナノインプリント法では、モールドには光を通す透明な材料を使う必要があり、具体的には紫外光を透過する石英モールドが記載されている。しかし、石英モールドは、石英材料が高価であり、加工性が良くない。また、アスペクト比が大きいパターンの場合には、電子線露光による石英モールドの加工時間が長くなり、コストが極めて高いという問題がある。特に、少量多種生産や試作ではモールドのコスト負荷がさらに増大する。
また、石英モールドは強度的に脆く、特に樹脂組成物からのモールドの剥離時に破損してしまう場合が多い。
【0005】
一方、フッ素系重合体50質量%以上を含む光硬化性樹脂からなるプラスチックモールドを使用できることが報告されている(特許文献4参照)。プラスチックモールドは、材料として安価であり、壊れにくくて加工が容易である。また、パターン変更や低数生産においても、石英モールドと比較してコスト的にも格段に有利であるという利点がある。しかし、特許文献4のパターン形成方法に使用されている光硬化性樹脂組成物は、紫外線硬化性樹脂組成物である。
【特許文献1】特表2004−504718号公報
【特許文献2】特表2002―539604号公報
【特許文献3】特開2006―5022号公報
【特許文献4】特開2006―182011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、可視光硬化性樹脂組成物を用いる、パターン形成方法およびパターン形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の(1)〜(32)に関する。
(1)可視光硬化性樹脂組成物に、所定パターンを有するプラスチックモールドを押し付けて該所定パターンを成形し、光を照射して該樹脂組成物を硬化させることを特徴とする、該樹脂組成物へのパターン形成方法。
(2)光を照射して該樹脂組成物を硬化させることが、所定パターンを有するプラスチックモールドを押し付けた状態で該所定パターンを成形するとともに、該プラスチックモールドを透過するようにして光を照射して該樹脂組成物を硬化させることである前項(1)に記載のパターン形成方法。
(3)プラスチックモールドが、円筒形状のプラスチックモールドであることを特徴とする(1)または(2)に記載のパターン形成方法。
(4)プラスチックモールドが、無端ベルト形状のプラスチックモールドであることを特徴とする前項(1)または(2)に記載のパターン形成方法。
(5)無端ベルト形状のプラスチックモールドが、3つ以上の保持ローラで多角形状に保持されていることを特徴とする前項(4)に記載のパターン形成方法。
(6)プラスチックモールドの内側に有する照射装置により光を照射することを特徴とする前項(3)〜(5)のいずれかに記載のパターン形成方法。
(7)所定パターンが凹凸パターンであり、かつ、アスペクト比が5〜200の範囲内の凹凸パターンまたは凸部の幅が10nm〜45nmの凹凸パターンを含むことを特徴とする前項(1)〜(6)のいずれかに記載のパターン形成方法。
(8)プラスチックモールドを構成する材料がポリイミドである前項(1)〜(7)のいずれかに記載のパターン形成方法。
(9)樹脂組成物が光重合開始剤を含有することを特徴とする前項(1)〜(8)のいずれかに記載のパターン形成方法。
(10)光重合開始剤がアシルフォスフィンオキシド化合物であることを特徴とする前項(9)に記載のパターン形成方法。
(11)可視光硬化性樹脂組成物が、基板上に塗布された可視光硬化性樹脂組成物であることを特徴とする前項(1)〜(10)のいずれかに記載のパターン形成方法。
(12)前項(11)に記載のパターン形成方法で形成されたパターン形成物を使用して、前記可視光硬化性樹脂組成物を塗布された基板にパターンを形成する方法。
(13)前項(1)〜(11)のいずれかに記載の方法でパターン形成されたことを特徴とするパターン形成物。
(14)前項(12)に記載の方法でパターン形成されたことを特徴とするパターン形成物。
(15)前項(13)または(14)に記載のパターン形成物を備えることを特徴とする加工品。
(16)表面に所定パターンを有し、該所定パターンを可視光硬化性樹脂組成物に押し付けると、可視光硬化性樹脂組成物にパターンを形成可能なプラスチックモールドと、
パターン形成時に前記プラスチックモールドにより押し付けられた該樹脂組成物を支持する支持体と、
光を該樹脂組成物に照射可能な光照射部と、
を備え、
パターン形成時に該プラスチックモールドを可視光が透過するように、該支持体と該光照射部との間に、該プラスチックモールドが配置されていることを特徴とするパターン形成装置。
(17)プラスチックモールドが円筒形状であることを特徴とする前項(16)に記載のパターン形成装置。
(18)プラスチックモールドが無端ベルト形状であることを特徴とする前項(16)に記載のパターン形成装置。
(19)無端ベルト形状のプラスチックモールドを多角形状に保持可能な3つ以上の保持ローラを備えていることを特徴とする前項(18)に記載のパターン形成装置。
(20)光照射部がプラスチックモールドの内側に設けられていることを特徴とする前項(17)〜(19)のいずれかに記載のパターン形成装置。
(21)所定パターンが凹凸パターンであり、アスペクト比が5〜200の範囲内の凹凸パターンまたは凸部の幅が10nm〜45nmの凹凸パターンを含むことを特徴とする前項(17)〜(20)のいずれかに記載のパターン形成装置。
(22)支持体とプラスチックモールドの間へ樹脂組成物を供給する手段、パターン形成後の樹脂組成物をプラスチックモールドから剥離する手段およびパターン形成後の樹脂組成物を排出する手段を備えたことを特徴とする前項(17)〜(21)のいずれかに記載のパターン形成装置。
(23)パターン形成後の樹脂組成物をプラスチックモールドから剥離する手段が、樹脂組成物を上方より排出する側に設置された押さえローラーであることを特徴とする前項(22)に記載のパターン形成装置。
(24)プラスチックモールドを構成する材料がポリイミドである前項(16)〜(23)のいずれかに記載のパターン形成装置。
(25)前項(16)〜(24)のいずれかに記載されたパターン形成装置を用いて、可視光硬化性樹脂組成物に、所定パターンを有するプラスチックモールドを押し付けて該所定パターンを成形し、光を照射して該樹脂組成物を硬化させることを特徴とする、該樹脂組成物のパターン形成方法。
(26)樹脂組成物が光重合開始剤を含有することを特徴とする前項(25)に記載のパターン形成方法。
(27)光重合開始剤がアシルフォスフィンオキシド化合物であることを特徴とする前項(26)に記載のパターン形成方法。
(28)可視光硬化性樹脂組成物が、基板上に塗布された可視光硬化性樹脂組成物であることを特徴とする前項(25)〜(27)のいずれかに記載のパターン形成方法。
(29)前項(28)に記載された方法でパターン形成されたパターン形成物を使用して、前記可視光硬化性樹脂組成物を塗布された基板にパターンを形成する方法。
(30)前項(25)〜(28)のいずれかに記載された方法でパターン形成されたことを特徴とするパターン形成物。
(31)前項(29)に記載された方法でパターン形成されたことを特徴とするパターン形成物。
(32)前項(30)または(31)に記載のパターン形成物を備えることを特徴とする加工品。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、可視光硬化性樹脂組成物に、モールドを押付けてパターンを形成する、パターン形成方法およびパターン形成装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るパターン形成装置の実施の形態の1例を示す説明図である。このパターン形成装置110は、上側にプラスチックモールド120が配置され、下側に支持体130が配置され、この支持体130上の基板170に樹脂組成物が載置可能な構成となっている。プラスチックモールド120は、基部124から下方向に所定間隔で突出した突起部122と、隣り合う突起部122どうしにより形成されたくぼみ部123とからなる所定パターン121が形成されている。プラスチックモールド120は、この図で見て、矢印で示すように、下方向に移動させて樹脂組成物を押圧することにより、樹脂組成物に所定パターンを形成することが可能となっている。支持体130は、水平板状の形状であり、プラスチックモールド120により樹脂組成物140が押圧された際に、樹脂組成物を支持することが可能である。更に、樹脂組成物の上方には、光照射部150(図1(D)参照)が備えられ、この光照射部150から光を照射することにより樹脂組成物を硬化させることができる。なお、本発明に係る実施形態で用いる樹脂組成物は可視光で硬化する材料を用いている。
【0010】
本実施形態のパターン形成装置を用いて樹脂組成物にパターンを形成する方法について説明する。
まず、図1(A)に示すように、プラスチックモールド120の所定パターン側と、支持体130とを所望の間隔を開けて向かい合わせ、かつ、支持体130のパターン形成側の基板170上に可視光で硬化する樹脂組成物140を配設する。
次に、図1(B)に示すようにプラスチックモールド120を樹脂組成物140に向けて降下させ、プラスチックモールド120を樹脂組成物140に押付けるように加圧する。このとき、樹脂組成物140は支持体130により支持されているので、プラスチックモールド120の所定パターン121が樹脂に食い込んでいく。
その後、図1(C)に示すようにプラスチックモールド120を、矢印で示すように上方向に移動させて、樹脂組成物140から取り除く。プラスチックモールド120が外された樹脂組成物140には、プラスチックモールドの突起部122に対応するくぼみ部142、および、くぼみ部123に対応する突起部141が樹脂組成物に成形され、所望のパターンが成形される。
その後、図1(D)に示すように、光照射部150より光160をパターンの成形された樹脂組成物140に照射して、樹脂組成物140を硬化させることで、硬化した樹脂組成物からなるパターンが形成できる。
【0011】
本発明では、パターン加工が極めて容易なプラスチックモールドを用いている。従来より使用されている石英モールドでは、パターンを作成するのに、硬いガラスを加工しなければならず複雑なパターンを加工するには限界があった。本実施形態に示すようなプラスチックモールドでは、複雑形状のパターンや深い溝パターン或いは極めて狭いピッチのパターン等を容易に作成することができる。また、従来の石英モールドでは、材料コストや加工コストが高価で更に長時間の加工時間を要していたが、プラスチックモルードでは、材料コストや加工コストが廉価であり、更に、短時間で容易にパターン加工することができる。
【0012】
図2は、本発明のパターン形成装置の別な実施形態の1例を示す説明図である。このパターン成形装置210は、上側にプラスチックモールド220が設けられ、下側に支持体230が配置されている。プラスチックモールド220は、図1と同様に突起部とくぼみ部とからなる所定パターン221が形成され、更に、可視光を透過可能な材料で作成されている。支持体230は、樹脂組成物を載置可能であるとともに、パターン形成時に樹脂組成物を支持しておくことができる。プラスチックモールド220の上方には、光照射部250が設けられ、この光照射部250から光を、プラスチックモールド220や樹脂組成物240に向けて照射することができる。このようなパターン成形装置を用いて樹脂組成物にパターンを形成する方法について説明する。
【0013】
まず、図2(A)に示すように、所定パターン221が形成されたプラスチックモールド220の所定パターン側と、支持体230とを、所定間隔を開けて向かい合わせ、支持体230のパターン形成側の基板270上に可視光で硬化する樹脂組成物240を配設する。樹脂組成物240の配設が完了したら、プラスチックモールド220を矢印で示すように、樹脂組成物240に向けて下方向に移動させる。
プラスチックモールド220が降下して樹脂組成物240を押圧したときに、樹脂組成物240が支持体230で支持されていることにより、プラスチックモールド220の所定パターン221が樹脂組成物240に食い込んで、図2(B)に示すように、樹脂組成物240に所定パターンが形成される。
プラスチックモールド220を樹脂組成物240に食い込ませた状態、即ち、樹脂組成物240に所定パターンが成形された状態で、図2(C)に示すように、光照射部250からプラスチックモールド220、樹脂組成物240に向けて光260を照射する。照射された光260は、プラスチックモールド220を透過して樹脂組成物240に到達し、樹脂組成物を硬化させる。
樹脂組成物240の硬化が完了したら、光照射を終了し、図2(D)に示すように、プラスチックモールド220を樹脂組成物240から取り除く。このようにして、樹脂組成物にパターンが形成される。
【0014】
本実施形態では、プラスチックモールド220を樹脂組成物240に食い込ませてパターン成形し、この成形パターンを保持した状態で、樹脂組成物240を硬化させているのでプラスチックモールド220の所定パターン221をより正確に樹脂組成物240に形成することができる。特に、図2(D)に示すように、樹脂組成物240に形成された所定パターンの突出部側の上方角部241やくぼみ部側の底面角部242を正確にパターン形成(例えば、直角形状)することができる。
このように、プラスチックモールドを樹脂組成物に押し付けてパターン成形した状態で樹脂組成物を硬化させているので、凹凸パターン成形においては高いアスペクト比(詳細は後述)のパターン形成を行うことができる。また、二次元のみならず三次元、曲線形状の複雑なパターンを樹脂組成物に形成することができる。
【0015】
図1や図2に示した実施形態では、プラスチックモールドを下側に移動させて樹脂組成物を押圧したが、これとは逆に、樹脂組成物を置載した支持体を上側に移動させて樹脂組成物をプラスチックモールドに押圧させてパターンを形成させてもよい。また、本実施形態では、上側にプラスチックモールドを配置し、下側に支持体を配置した構成で説明したが、この配置とは逆に、上側に支持体、下側にプラスチックモールドを配置してパターンを形成することも可能である。この場合、下側に配置したプラスチックモールド上に樹脂組成物を載置し、下側のプラスチックモールドを上方向に移動させて樹脂組成物を支持体に押圧したり、或いは、上側の支持体を下方向に移動させて樹脂組成物をプラスチックモールドに押圧させることでパターンを形成することができる。
また、本実施形態では、突起部とくぼみ部とによる凹凸パターンを形成する例で説明したが、凹凸パターン以外のいかなるパターン形状であっても本発明には適用可能である。 更に、本実施形態の光照射部は、パターン形成装置の中央部の上側に1箇所設けられているが、複数箇所設置してもよく、また、プラスチックモールドや支持体の長手方向に延びるような長尺体の光照射部であってもよい。
【0016】
図3には、本発明のパターン形成装置の実施の形態の一例として、プラスチックモールドを円筒形状とした場合を示している。プラスチックモールド320はその表面部において、一例として凹凸の所定パターン321が外周面に形成されている。さらに、プラスチックモールド320は、内部に空間が形成されていて、光照射体を含む光照射部360がその内部にある。プラスチックモールド320は、所定位置において、回転可能であり、駆動して回転することもできるし、また、回転させられることにより空転することもできる。プラスチックモールド320と対向した下側には、支持体330が配置され、この支持体330は長手方向に長く、ベルトコンベア方式となっている。従って、支持体330には、パターン形成前の樹脂組成物を供給する手段かつパターン形成後の樹脂組成物を排出する手段としての複数のローラ340が配置されそのローラ340のまわりをベルトが移動していく構成となっている。プラスチックモールド320の供給側には、パターン形成前の樹脂組成物に光が照射されるのを防ぐ遮蔽板390が配置され、プラスチックモールド320の排出側には、パターン形成後の樹脂組成物をプラスチックモールドから剥離する手段としての押さえローラー380が配置され、パターン形成後の樹脂組成物を排出方向に送り押すことで、プラスチックモールド320からの剥離を補助する。支持体330とプラスチックモールド320との間は、所望な間隔をあけてあり、プラスチックモールド320或いは支持体330を、図で見て、上下方向に移動させることでその間隔を調整することができるようになっている。このようなパターン形成装置を用いてパターン形成する方法について説明する。樹脂組成物350を載せてある基板370を支持体330の上面に配置し、支持体330をプラスチックモールド320の方向(図で見て左方向)に移動させていく。そして、樹脂組成物350がプラスチックモールド320と支持体330に挟まれ、プラスチックモールド320の所定パターン321が樹脂に食い込んでいくことで、凹凸の所定パターン321が樹脂に形成されていく。プラスチックモールド320内に配置された光照射部360から光が照射され、この光はプラスチックモールドを透過し、パターン形成された樹脂組成物に照射されて、樹脂組成物が硬化する。この実施形態のパターン形成装置では、プラスチックモールドが円筒形状であるので、プラスチックモールドを回転させるだけで樹脂組成物に容易にパターンを形成することができる。また、パターン形成物の大量生産が可能となる。
【0017】
図4は、本発明のパターン形成装置の実施の形態の別な一例として、プラスチックモールドを無端ベルト形状とした場合を示す図である。プラスチックモールド420はその表面に所定のパターン421を有しているとともに、その内側に位置する複数の保持ローラ430で保持されている。支持体450はパターン形成前の樹脂組成物を供給する手段かつパターン形成後の樹脂組成物を排出する手段としてのローラ460を回転させることにより矢印の方向に平行に移動することができる。プラスチックモールド420は、支持体450の移動に伴って保持ローラ430の中心に位置する回転軸440を回転させることにより、一定の位置にとどまりながら回転する。プラスチックモールド420と支持体450とを、プラスチックモールド420側を上、支持体450側を下として向かい合わせ、かつ、支持体450のパターン形成側上に可視光で硬化する樹脂組成物470を配設する。プラスチックモールド420の内側の供給側には、遮蔽板495が配置され、パターン形成前の樹脂組成物に光が照射されるのを防ぐ。プラスチックモールド420を樹脂組成物470に押付けて樹脂組成物470に所定パターンを成形するとともに、プラスチックモールド420の内側に位置する光照射部480より光を照射して樹脂組成物470を硬化させ、硬化した樹脂組成物からなるパターンを形成する。プラスチックモールド420の排出側には、パターン形成後の樹脂組成物をプラスチックモールドから剥離する手段としての押さえローラー485が配置され、パターン形成後の樹脂組成物を排出方向に送り押すことで、プラスチックモールド420からの剥離を補助する。このパターン形成装置を用いた場合には、大面積のパターン形成物や大型のパターン形成物を容易に製造することができる。
【0018】
図5は、本発明のパターン形成装置の実施の形態の一例として、プラスチックモールドを無端ベルト形状とし、プラスチックモールドを多角形状に保持する3つの保持ローラを用いた場合を示す図である。プラスチックモールド520はその内側に位置する3つの保持ローラ530で保持されている。3つ以上の保持ローラ530でプラスチックモールド520を保持することにより、プラスチックモールド520の内部に空隙を作り、プラスチックモールド520の内部に位置する光照射部570の位置を調整しやすくすることができる。
【0019】
また、図6に示すように、プラスチックモールドの内部に位置する保持ローラ620の配置を変えて、プラスチックモールド610における、パターン形成距離(樹脂組成物に押付けてパターンを形成するパターン形成部611の距離;L1aまたはL1b)を調整することができる。従って、製造するパターン形成物の大きさ等により、パターン形成距離を設定することができる。従って、パターン形成距離を調整することにより、樹脂やパターンの種類に対応した、モールドへの樹脂の進入(プレス工程)、光照射(光硬化工程)、剥離(離型工程)などを制御できる。
【0020】
本発明のパターン形成装置は、パターンの作製が容易なプラスチックモールドを用いることにより幅が狭く、かつ、溝が深い形状のパターンを形成することができる。例えば、本発明のパターン形成装置によれば、図7に示すように樹脂組成物710のパターン形成が凹凸パターンの場合、アスペクト比(凸部711の高さL2b/凸部711の幅L2a)を0.1〜500の範囲、好ましくは1〜200の範囲とすることができる。また、所定パターンが凹凸パターンの場合に、アスペクト比が2〜500の範囲、好ましくは5〜200の範囲内の凹凸パターンを含ませることもできる。
該凹凸パターンにおいて凸部の配置される間隔は、1nm〜500μmが好ましく、1nm〜50μmがより好ましい。
凸部の幅(凸部711の幅L2a)は、1nm〜100μmが好ましく、10nm〜100nmがより好ましい。また、凸部の幅が、1nm〜200nm、好ましくは10nm〜45nmの凹凸パターンを含ませることもできる。
凸部の高さ(凸部711の高さL2b)は、1nm〜100μmが好ましく、10nm〜10μmがより好ましい。
【0021】
本発明のパターン形成方法によれば、所定のパターンを有するプラスチックモールドを半導体等の基板表面に塗布したレジスト等としての光硬化性樹脂組成物に押付けることにより所定のパターンを形成し、所定のパターンを形成したレジストをマスクにして半導体等の基板表面に該パターンを形成することができる。この形成方法は、例えば特表2004−504718等に記載の方法に準じて行うことができ、その一例の工程の概略図を図8に示す。図8において矢印は、プラスチックモールド820、半導体ウェハ850の相対的な進行方向を示している。
【0022】
まず、所定のパターン821を有するプラスチックモールド820を、半導体ウェハ850の表面に塗布した樹脂組成物840に押し付けるように加圧した状態で該所定パターン811を成形するとともに、光照射部860からより光をプラスチックモールド820を透過させて樹脂組成物840に照射し、樹脂組成物840を硬化させる。その後、図8(C)に示すようにプラスチックモールド820を樹脂組成物840からはがすと、パターンを形成した樹脂組成物が得られる。次いで、図8(D1)に示すように、パターンを形成した樹脂組成物841を、酸素使用反応性イオンエッチングガス(酸素RIE)880で加工して基板表面を露出させる(D2)。次いで図8(E1)に示すように、基板表面をエッチングすると、パターンを形成した樹脂組成物845によってマスクされ、基板表面を選択的にエッチングできる。さらに、必要により樹脂組成物845を除去し、基板に数nm〜数十nmレベルの微細なパターンを形成することができる。
また、図8(D2)の後にリストオフ処理してもよく、この場合は、図8(D2)の状態の後に、図8(E2)に示すようにスパッタ等により所望の膜890を形成し、図8(F)に示すように樹脂組成物845の除去とともに膜パターン891を形成する。
また、図8(E3)に示すように、図8(D2)の後に、不純物を拡散または注入し、パターンを形成した樹脂組成物845によってマスクさせ、基板表面を選択的に電気的または光学的特性等を変化させることができる。
また、図8(E4)に示すように、図8(D2)の後に、伝導体層あるいはエピタキシャル層などの新しい材料層852を蒸着させ、あるいは成長させることができる。
【0023】
本明細書において、「樹脂組成物へのパターン形成」とは、所定パターンを有するプラスチックモールドを、可視光硬化性樹脂組成物に押し付けて該所定パターンを成形し、光を照射して該樹脂組成物を硬化させることにより、該樹脂組成物に該所定パターンと相補的なパターンを形成することをいう。また、本明細書において、「基板へのパターン形成」とは、本発明の樹脂組成物へのパターン形成方法で形成されたパターン形成物を使用して、図8に示したような例えば特表2004−504718等に記載の方法に準じて、基板に該所定パターンと相同的なパターンを形成することをいう。
【0024】
(プラスチックモールド)
本発明におけるプラスチックモールドの材料は、パターンが保持できるプラスチック材料であれば、限定されないが、可視光が透過するプラスチック材料が好ましく、特に波長400nm以上の光が透過するプラスチック材料がより好ましい。当該プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリイミド(例えば、ユーピレックスS、宇部興産社製またはオーラムフィルム、三井化学社製)、ポリスチレン、ポリフッ化エチレン、ポリカーボナート、ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンイソフタラミド、ポリ乳酸(例えば、プラメート、大日本インキ社製またはテラマック、ユニチカ社製)、ポリアクリルニトリル(アクリル樹脂)、エポキシ樹脂、シリコン系樹脂(例えば、シルポットまたはシルガード184、東レダウコーニング社製)、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、サラン樹脂、含フッ素系樹脂(例えば、サイトップ、旭硝子社製)およびその他のプラスチック材料等があげられ、好ましくは、ポリメタクリレート、ポリカーボナート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリイミドがあげられ、より好ましくは、ポリイミドがあげられる。
【0025】
本発明におけるプラスチックモールドは可視光に対して、全線透過率が少なくとも10%以上であることが好ましく、全線透過率が50%以上であることがより好ましい。可視光に対する全線透過率をこの範囲とすることで、可視光の波長を含む光の照射により、プラスチックモールドを可視光の波長領域の光が透過して、可視光硬化性樹脂を硬化することができるからである。また、プラスチックモールドは無色、透明であることが好ましいが、着色していても少なくとも10%の可視光を透過すれば、可視光硬化性樹脂組成物を硬化し、パターンを形成できる。
【0026】
また、プラスチックモールドの代わりに、可視光を透過する、例えば、石英ガラスの他に、軟質ガラス、硬質ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、並ガラス、曇ガラス等の安価なガラス材料のモールドも使用できるが、プラスチックモールドが最も好ましい。
【0027】
本発明におけるプラスチックモールドの形状は、パターン形成が可能であれば、どのような形状でもよく、例えば、板状、フィルム状、無端ベルト形状、円筒形状などあげられ、好ましくは無端ベルト形状および円筒形状があげられる。
フィルム状のプラスチックモールドを使用する場合、上記のプラスチック材料やプラスチックフィルムに接着剤や光硬化により接着して強度を持たせたものをモールドとして使用してもよい。また、金属モールドを圧着により押し付けてパターンを形成したプラスチック板やプラスチックフィルムをそのままモールドとして使用してもよい。
【0028】
本発明におけるプラスチックモールドは芳香族系の樹脂を含有することができ、パターン形成物に機能性を付与することができる。また、プラスチックモールドは充填剤を含有することができ、光源に安価で小型の可視光照射機が使用できる。
【0029】
本発明におけるプラスチックモールドの製造方法としては、例えば、フォトリソグラフィ技術を用いて、所望のパターンを形成されたレジストをマスクにエッチングすることにより、凹凸の形状を有するモールドを作製できる。また、例えば、プラスチックに電子線またはイオンビーム(プロトンビーム、X線など)により直接的に描画する方法、金属金型をプラスチック基板やフィルムに直接押し付けて圧着により作成する方法、光硬化性樹脂を金属金型の上に塗布または滴下し、熱硬化または光硬化させてプラスチックモールドを作製する方法(キャスティング法)、熱ナノインプリント法、HSQ(水素シルセスキオキサンポリマー)を用いた室温ナノインプリント法、PDMS(ポリジメチルシロキサン)を用いたソフトリソグラフィー法、さらに、ホットエンボス加工法、樹脂板やフィルムに直接、金属モールドを押し付けてプレスする方法(直接プレス法)等があげられる。
好ましくは、熱ナノインプリント法、ソフトリソグラフィー法、ホットエンボス加工法、直接プレス法があげられる。特に、好ましくは、熱ナノインプリント法があげられる。すなわち、プラスチック板またはフィルムの表面に原版のモールド(金属、シリコン、石英またはプラスチックなどの材料)を押し当てて、減圧下で加熱プレスする方法であり、熱(ナノ)インプリント装置の下の加熱板に原版のモールドとプラスチック板またはフィルムを置き、上の加熱板と下の加熱板の温度を変えて行うことで、形状かつ光透過度の良好なプラスチックモールドを形成できる。その際、下の加熱板の加熱温度は、そのプラスチックのガラス転移点(Tg)より±50℃の温度であり、さらには、±30℃の温度であることが好ましく、上と下の加熱板の温度差が30℃以上であり、さらに、50℃以上であることが好ましい。プレス圧は、0.2〜50MPa、さらに、1〜10MPaが好ましい。冷却温度は、2段階以上で室温まで冷却することが好ましい。
【0030】
(可視光硬化性樹脂組成物)
可視光硬化組成物は、主たる成分として不飽和化合物を含有し、必要により光重合開始剤、光増感剤、光重合促進剤、感光性色素、溶剤およびその他の添加剤のいずれか1以上を含有し、少なくとも不飽和化合物と光重合開始剤とを含有することが好ましい。
(1)不飽和化合物
本発明における可視光硬化性樹脂組成物は、可視光硬化性樹脂成分として不飽和化合物を含有する。当該不飽和化合物は、低分子量〜中・高分子量の不飽和化合物であり、分子内に1個以上の炭素−炭素二重結合を有することが好ましい。可視光硬化性樹脂組成物における、不飽和化合物の含有量は5〜99.99質量%の範囲内とすることが好ましく、50〜99.5質量%の範囲内とすることがより好ましい。
【0031】
低分子量の不飽和化合物としては、例えば、分子内に1個の炭素−炭素二重結合を有するモノマー、分子内に2個以上の二重結合を有する多官能モノマーがあげられる。これらの低分子量の不飽和化合物の分子量は、55〜1000の範囲内であることが好ましい。
【0032】
分子内に1個の炭素−炭素二重結合を有するモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレン(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド〔例えば、ダイアセトンアクリルアミド(DAAM、協和発酵ケミカル社製)、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM、興人社製)、アクリロイルモルホリン(ACMO、興人社製)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA、興人社製)、N,N−ジエチルアクリルアミド(DEAA、興人社製)、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA、興人社製)〕、N−ビニルピロリドン(例えば、日本触媒社製)、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカルバゾール、4―ビニル−1−シクロヘキセン、2−ビニル−1,3−ジオキソラン、4−ビニル−1,3−ジオキソランー2−オン、ビニレンカーボナート、ヒドロキシエチル化β−ナフトール(メタ)アクリレート、ビニルアセテート等のビニルエステル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル、スチレン、アルキルスチレン、ハロスチレン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニルおよび塩化ビニリデン等があげられる。ここで、(メタ)アクリル酸はアクリルまたはメタクリル酸を表し、(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートを表す。他の誘導体についても同様に表現する。
【0033】
分子内に2個以上の二重結合を有する多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート(NKエステル 1G、新中村化学社製)、プロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(NKエステル 2G、新中村化学社製)、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(NKエステル 3G、新中村化学社製)、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート(NKエステル BG、新中村化学社製)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(NKエステル NPGまたはA−NPG、新中村化学社製)、ジプロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート(NKエステル APG−200、新中村化学社製またはTPGDA、ダイセルユーシービー社製)、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(NKエステル HDまたはA−HD、新中村化学社製)、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2′−ビス[4−{(メタ)アクリロキシエトキシ}フェニル]プロパン(NKエステル BPE−100、新中村化学社製)、4,4′−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、ビスフェノールA型EO(エチレンオキサイド)変性ジ(メタ)アクリレート(NKエステル BPE−200またはA−BPE−4、新中村化学社製)、9,9−ビス(3−フェニル−4−(メタ)アクリロイルポリオキシエトキシ)フルオレン、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート(NKエステル A−DCP、新中村化学社製)、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(NKエステル TMPTまたはA−TMPT、新中村化学社製またはTMPTA、ダイセルユーシービー社製)、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレートおよびテトラアクリレート、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルサクシネート、ジアリルフタレート、トリアリルホスフェート、トリアリルイソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルエチル)イソシアヌレート、ジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート(NKエステル A−CHD−4E、新中村化学社製)等があげられる。これらの中でも特に、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、ジエチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート(NKエステル、APG−200 新中村化学社製)およびトリメチロールプロパントリメタクリレートが好適にあげられる。
【0034】
中・高分子量の不飽和化合物としては、例えば、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリメチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、エポキシ変性(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリカーボネート変性ウレタンアクリレート、エステル(メタ)アクリレート、ビスフェノール変性エポキシ(メタ)アクリレートおよび不飽和ポリエステル樹脂等があげられる。中・高分子量の不飽和化合物の分子量は、500〜100,000の範囲内であることが好ましい。
【0035】
中・高分子量の不飽和化合物の具体例としては、例えば、ポリカーボネート変性ウレタンアクリレート(UN−9200A、根上工業社製)、ビスフェノールAタイプ変性エポキシジアクリレート(Ebecryl 3700またはEbecryl 830、ダイセルUCB社製)、ポリプロピレングリコールジアクリレート#700(NKエステル APG−700、新中村化学社製)、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン(NKエステル BPE−500またはNKエステル BPE−1300、新中村化学社製)およびポリメチルメタアクリレート(PMMA「OEBR−1000」、東京応化工業社)等が好適にあげられる。これらの中・高分子不飽和化合物は、高粘度であるため、低分子量不飽和化合物または溶剤により希釈して樹脂組成物に含有させることが好ましい。
【0036】
本発明において、より好ましい不飽和化合物としては、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2,2′−ビス[4−{(メタ)アクリロキシエトキシ}フェニル]プロパンがあげられ、さらに好ましくは、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、ウレタン(メタ)アクリレートがあげられる。
【0037】
本発明における可視光硬化性樹脂組成物の硬化には、光硬化とともに、熱硬化または湿気硬化等を併用することができる。そのため、可視光硬化性樹脂組成物は、上記の不飽和化合物以外に、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂(例えば、PDMS)、メラミン樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル樹脂(例えば、PMMA)、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、シアノアクリレート樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、生分解性プラスチック(ポリ乳酸等)、他の熱可塑性樹脂、既存のUV硬化型または可視光硬化型接着剤(例えば、350、352、366、349、3201、3211、3301、3311、3321、3341、3102〜3106、ヘンケルロックタイト社製、3170B、3121、3003、3042、3046、スリーボンド社製、クリアルーチェMA21、OPTOKLEB OPM55、アデール社製、または、アロニックス、東亞合成社製)、または、既存の感光性樹脂(例えば、PAI−01、東洋合成工業社製、NIP−K、ZenPhotonics社製またはSU―8、マイクロケム社製)等を含有してもよい。また、含有する樹脂に応じて、熱重合開始剤、重合促進剤、湿気重合剤等を含有してもよい。
【0038】
(2)光重合開始剤
本発明における可視光硬化性樹脂組成物は、所望する波長領域に感光性を有する光重合開始剤を含んでいてもよい。また、可視光硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤に加えて光増感剤または感光性色素を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、可視光波長領域に感光性を有する公知の光重合開始剤を、所望する波長領域に合わせて適宜使用することができる。光重合開始剤は1種類を単独で用いてもよく、複数種類を組合わせて用いてもよい。光重合開始剤の含有量は、可視光硬化性樹脂組成物中に0.001〜20質量%の範囲内とすることが好ましい。また、光重合開始剤の含有量は、全不飽和化合物(固形分)に対して、0.01〜15質量%の範囲内とすることが好ましく、0.2〜5質量%の範囲内とすることがより好ましい。
【0039】
可視光波長領域の中の(近)紫外線領域(400〜550nm)に感光性を有する光重合開始剤としては、例えば、分子内開裂型のラジカル型光重合開始剤では、アシルホスフィンオキシド化合物、α−アミノアルキルフェノン化合物、α−ヒドロキシアルキルフェノン化合物、チタノセン型光重合開始剤などがあげられ、水素引抜型のラジカル型光重合開始剤では、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体、キノン−アミン系光重合開始剤などがあげられ、他にオキシムエステル型光重合開始剤、カチオン型光重合開始剤、酸発生剤などがあげられる。
【0040】
上述の光重合開始剤の中でも特にアシルホスフィンオキシド化合物が好ましく、例えば、モノアシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド等が好適にあげられる。
モノアシルホスフィンオキシドとしては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(Lucirin TPO、BASF社製)、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、3−クロロ−2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキシド、5−(4−ペンチロキシベンゾイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−(4−ヘキシルベンゾイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド(PFO-E、協和発酵ケミカル社製:特開2005−225793参照)、5−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−(4−トルオイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−(p−アニソイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−(1−ナフトイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−(2−トルオイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−(2−テノイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−[5−(2’−チエニル)−2−テノイル]−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド等があげられる。
【0041】
ビスアシルホスフィンオキシドとしては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(BAPO:イルガキュア819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−4−メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,6−ジイソプロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−4−イソプロピル−2,6−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド等があげられる。
【0042】
α−アミノアルキルフェノン化合物としては、2―メチル−1−[4(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(イルガキュア369または1300、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(イルガキュア379、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、3,6―ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−オクチルカルバゾール(アデカオプトマーN−1414、旭電化社製)などがあげられ、チオキサントン誘導体(後述)と併用できる。
【0043】
α−ヒドロキシアルキルフェノン化合物としては、2―ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン(イルガキュア127、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、1―ヒドロキシシクロヘキシルフェニル ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、2―ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、1−[4−(2―ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(イルガキュア2959、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン(イサキュアKIP 150、イサキュアKIP EMまたはイサキュアKIP 100F、ランベルティ社製)などがあげられ、光増感剤あるいは他の光重合開始剤と併用して使用される。
【0044】
チタノセン型光重合開始剤として、イルガキュア784(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)があげられる。
水素引抜型のベンゾフェノン誘導体としては、4−(4−メチルフェニルチオ)フェニル ケトン(カヤキュアBMS、日本化薬社製)などがあげられる。光増感剤あるいは他の重合開始剤と併用できる。
【0045】
チオキサントン誘導体としては、2,4−ジエチルチオキサントン(カヤキュアDETX−S、日本化薬社製)、2−クロロチオキサントン(カヤキュアCTX、日本化薬社製)、イソプロピルチオキサントン(イサキュアITX、ランベルティ社製)などがあげられ、他の開始剤と併用できる。
【0046】
キノン−アミン系光重合開始剤では、キノン化合物またはベンジルケタール型光重合開始剤とアミン化合物またはアミノベンゾエート化合物を併用することで、重合開始機能を有する。キノン化合物として、カンファーキノン、エチルアントラキノン(カヤキュア2-EAQ、日本化薬社製)、ベンジル(BENZIL、黒金化成社製またはS−113、シンコー技研)などがあげられ、ベンジルケタール型光重合開始剤としては、ベンジル ジメチルケタール(DMPA:イルガキュア651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製またはイサキュア KB1、ランベルティ社製)、ベンゾイン(セイクオールZ、精工化学社製)、ベンゾイン エチル エーテル(セイクオールBEE、精工化学社製)、アミン化合物として、4,4‘−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4‘−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(S-112、シンコー技研社製またはハイキュアABP、川口薬品社製)、10−ブチル−2−クロロアクリドン(NBCA、黒金化成社製)などがあげられ、アミノベンゾエート化合物として、エチル 4−ジメチルアミノベンゾエート(ダロキュアEBD、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製またはカヤキュアEPA、日本化薬社製)、2−エチルヘキシル 4−ジメチルアミノベンゾエート(ダロキュアEHA、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、イソアミル 4−ジメチルアミノベンゾエート(カヤキュアDMBI、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)などがあげられる。
【0047】
オキシムエステル型光重合開始剤としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)(イルガキュアOXE01、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、エタノン、1−[9−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(CGI242、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)などがあげられる。光増感剤(後述)や光重合促進剤を併用できる。
【0048】
カチオン型光重合開始剤として、芳香族スルホニウム塩(例えば、シラキュアUVI−697またはUVI−6992、ダウ社製、SP−150、SP−152、SP−170またはSP−172、旭電化社製、DTS-102、DTS−103、DTS−105、NDS−103、NDS−105、NDS−155、MNPS−109、みどり化学社製)、ヨードニウム塩(例えば、UV9380、GE東芝シリコーン社製、イルガキュア250、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、BBI−102、BBI−103、みどり化学社製)などがあげられる。光増感剤や重合促進剤と併用できる。使用の際にエポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ビニルエーテル化合物、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、(メタ)アクリル酸樹脂などを混合させることが好ましい。
【0049】
酸発生剤として、2−[2−(フラン−2−イル)ビニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン(TFE−トリアジン、三和ケミカル社製)、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)ビニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン(TME−トリアジン、三和ケミカル社製)、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル)ビニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン(TAZ−113、みどり化学社製またはジメトキシトリアジン、三和ケミカル社製)、(5−オクタンスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(CGI1325、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、[2−(プロパンルスルフォニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン)−(O−トリル)アセトニトリル(CGI103、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、[2−(オクタンスルフォニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン)−(O−トリル)アセトニトリル(CGI108、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、[2−(4−トルエンスルフォニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン)−(O−トリル)アセトニトリル(CGI121、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)などがあげられる。光増感剤と組み合せて試用できる。また、使用の際に、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ビニルエーテル化合物、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、(メタ)アクリル酸樹脂などを混合させることが好ましい。
【0050】
(近)紫外線領域(400〜550nm)に感光性がある光重合開始剤であれば、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよく、また、紫外線硬化性の光重合開始剤(感光性領域 〜400nm)を添加して使用してもよい。特に、表面硬化性の向上のために、紫外線硬化性光重合開始剤を添加することが好ましい。
【0051】
また、上述の光重合開始剤は、単独では紫外線硬化性(感光性領域 〜400nm)のものであっても、光増感剤などを添加することで(近)紫外線領域(400〜550nm)に感光性を有するものを包含する。
【0052】
(近)赤外線領域(550〜900nm)に感光性を有する光重合開始剤としては、例えば、有機ホウ素化合物と近赤外線吸収感光色素とを組合せて光重合開始剤として使用できる。このような具体例としては、例えば、テトラブチルアンモニウム ブチルトリフェニルボレート(P3B、昭和電工社製)、テトラブチルアンモニウム ブチルトリ(4−tert-ブチルフェニル)ボレート(BP3B、昭和電工社製)、テトラブチルアンモニウム ブチルトリ(4−ナフチル)ボレート(N3B、昭和電工社製)と近赤外線吸収色素(IR−T、IR−13F、昭和電工社製)との組合せ等があげられる。
【0053】
光増感剤としては、アントラセン、フェノチアゼン、ペリレン、チオキサントン誘導体、CT錯体(ピリジニウム塩と芳香族化合物の錯体)などがあげられる。
光重合促進剤としては、芳香族アミン化合物、アミノベンゾエート化合物、チオキサントン誘導体などがあげられる。具体的に、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル(KAYACURE DMBI、日本化薬社製)、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル(KAYACURE EPA、日本化薬社製)等があげられる。
【0054】
本発明における可視光硬化性樹脂組成物は、上記の不飽和化合物と光重合開始剤とを少なくとも含有することが好ましいが、それは、可視光波長域において高い透過率を示し、可視光照射により深部まで硬化することができ、充填剤等のような透明性を下げる物質を含有する場合にも光硬化することができるからである。本発明における可視光硬化性樹脂組成物は、可視光波長域、好ましくは波長400nm以上、より好ましくは400〜500nmの領域で高い透過率を示し、硬化することが好ましい。
【0055】
一般に、紫外光による樹脂組成物の光硬化では、紫外光が途中で吸収されて深部へ届かないため、アスペクト比(柱状物間の隙間と柱状物の高さの比)が高いパターンの形成は困難である。これに対し、本発明のパターン形成方法によれば、上述したプラスチックモールドと、可視光硬化性樹脂組成物とを使用して、パターンを形成することにより、可視光がプラスチックモールドを透過して可視光硬化性樹脂組成物が深部まで光硬化することができ、厚膜や高柱状物のパターン形成が可能となる。パターンが柱状物の場合、得られるパターンの幅は10nm〜100mmであり、深さは10μm〜2mmであることが好ましい。
【0056】
本発明のパターン形成方法により得られるパターンのアスペクト比は0.1〜500であることが好ましく、さらに、1〜200が好ましい。さらに、パターン硬化物に強靭性を持たせるために、芳香族系の樹脂を使用することが望ましい。紫外光硬化性樹脂に芳香族系の樹脂を混合すると、紫外光が芳香環に吸収されてしまうので効率よく光硬化することは難しいが、一方、可視光硬化性樹脂組成物に芳香族系の樹脂を混合しても、可視光は内部まで透過するので、パターン硬化物にすぐれた強靭性を持たせることができるという利点がある。
【0057】
膜厚とアスペクト比を組み合せた場合では、本発明の形成方法では、例えば、所定パターンの幅が1μm以上の場合では、アスペクト比が5以上のパターンを形成することができ、所定パターンの幅が1μm未満の場合では、アスペクト比が20以上であるパターンを形成することができる。
【0058】
(3)溶剤
本発明における可視光硬化性樹脂組成物は溶剤を含有してもよい。可視光硬化性樹脂組成物における溶剤の含有量は、0.1〜90質量%の範囲内することが好ましく、1〜30質量%の範囲内とすることがより好ましい。溶剤としては、例えば、揮発性の溶剤があげられる。揮発性の溶剤としては、例えば、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、芳香族系溶剤(トルエン、キシレン、クメン、アニソールなど)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど)、アルカン系溶剤(ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、イソオクタンなど)、エーテル系溶剤(テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなど)、ラクトン系溶剤(γ-ブチロラクトンなど)、カーボナート系溶剤(エチレンカーボナート、プロピレンカーボナートなど)、アルコール系溶剤(ブタノール、2-メチル‐1-プロパノール、4‐メチル‐2‐ペンタノール、4−ヒドロキシ‐4‐メチル‐2‐ペンタノン、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、3,5,5‐トリメチルヘキサノールなど)およびアミン系溶剤(トリエチルアミン、ピリジン、トリエタノールアミン、N−メチルピロリドン、N−メチルカプロラクタムなど)等があげられる。
【0059】
(4)その他の添加剤
本発明における可視光硬化性樹脂組成物は、公知の添加剤を用途に応じて適宜選択して含有することができる。可視光硬化性樹脂組成物における添加剤の含有量は、0.01〜5質量%の範囲内とすることが好ましい。添加剤としては、例えば、ヒドロキノン、または立体障害フェノール等の重合禁止剤があげられる。
【0060】
また、本発明における可視光硬化性樹脂組成物は、暗室下での保存寿命を長くするために、銅化合物、リン化合物、第四アンモニウム化合物またはヒドロキシルアミン誘導体等を含有することができる。他に、可視光硬化性樹脂組成物は、硬化中の酸素による障害を低減するために、重合の開始に際して表面へ移動するパラフィンまたは同様なワックス類似物質を含有することができる。
【0061】
本発明における可視光硬化性樹脂組成物は光安定剤を含有することもできる。光安定剤としては、例えば、UV吸収剤、UV吸収ポリマー、光劣化防止ポリマー等があげられ、具体例としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、ヒドロキシフェニル−s−トリアジン、またはオキサルアニリド化合物があげられる。
【0062】
光安定剤としては、市販されているものを適宜使用することができ、例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(TINUVIN P、チバ・スペシャルティ・ケミカル社製)、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(TINUVIN328、チバ・スペシャルティ・ケミカル社製)、イソオクチル 3−(3−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(TINUVIN384、チバ・スペシャルティ・ケミカル社製)、2−[4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(TINUVIN400、チバ・スペシャルティ・ケミカル社製)、2−[ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(TINUVIN900、チバ・スペシャルティ・ケミカル社製)、2−[2−ヒドロキシ−3−ジメチルベンジル−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(TINUVIN928、チバ・スペシャルティ・ケミカル社製)、紫外線吸収剤および立体障害アミン(HALS)−アクリル酸エステル共重合ポリマー(ニューコートUVAまたはバナレジン、新中村化学社製)等があげられる。
【0063】
また、本発明における可視光硬化性樹脂組成物の光硬化促進を目的として、UV光を吸収しない光安定剤、例えば、HALS系光安定剤を含有させてもよい。HALS系光安定剤としては、例えば、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、エチル−p−ジメチルアミノベンゾエート、ミヒラーケトン(Michler’s ketone)等のアミン類、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ−4−ピペリジニル)エステルと1,1−ジメチルエチルヒドロパーオキサイドとの反応生成物(TINUVIN123、チバ・スペシャルティ・ケミカル社製)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートおよび1−(メチル)−8−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートの混合物(TINUVIN292、チバ・スペシャルティ・ケミカル社製)等があげられる。
【0064】
また、光安定剤に加えて、可視光硬化性樹脂組成物にベンゾフェノンタイプの芳香族ケトン等をさらに含有させることにより、光硬化をより促進できる。さらに、可視光硬化性樹脂組成物に増感剤を含有させることにより、光硬化をより促進できる。増感剤としては、例えば、芳香族カルボニル化合物(例えば、ベンゾフェノン、チオキサントン、アントラキノンおよび3−アシルクマリン誘導体等)および3−(アロイルメチレン)チアゾリン類等があげられる。
【0065】
本発明における可視光硬化性樹脂組成物は、目的に応じて蛍光増白剤、充填剤、顔料、染料、湿潤剤、分散剤、酸化防止剤、滑剤、腐食防止剤、防藻剤、防汚剤、帯電防止剤、および流れ調整剤等を適宜含有することができる。
【0066】
本発明における可視光硬化性樹脂組成物は、剥離性や離型性を向上させるために、モールド剥離剤または離型剤を含有、または剥離表面に塗布または分散してもよい。モールド剥離剤としては、例えば、フッ素系表面処理剤(オプツールDSX、ダイキン工業社製またはNovecEGC−1720、住友スリーエム社製)および金型剥離剤(バリアセラム ガンマーR、バナテック社製)等があげられる。離型剤としては、例えば、フッ素系離型剤(フリリース、ネオス社製など)、シリコン樹脂、シリコン油、シリコンワックス、テフロン(登録商標)分散剤、ポリビニルアルコールおよび水溶性エマルジョン離型剤等があげられる。
【0067】
一方、本発明における可視光硬化性樹脂組成物の支持体との接着性や付着性を向上させるために、シランカップリング剤、水酸基含有(メタ)アクリレート、キレート剤、金属トラップ剤、エポキシ化合物、硫黄含有化合物等を可視光硬化性樹脂組成物に含有、または、支持体表面に塗布または分散してもよい。
【0068】
シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学社製)、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(KBM−402、信越化学社製)、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(KBE−402、信越化学社製)、ビニルトリメトキシシラン(KBM−1003、信越化学社製)、ビニルトリエトキシシラン(KBE−1003、信越化学社製)、p−スチリルトリメトキシシラン(KBM−1403、信越化学社製)、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503、信越化学社製)、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−502、信越化学社製)、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(KBE−503、信越化学社製)、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(KBE−503、信越化学社製)、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学社製)、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学社製)、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE−903、信越化学社製)、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803、信越化学社製)およびγ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−802、信越化学社製)等があげられる。
【0069】
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、EDTAのナトリウム塩、EDTAのカリウム塩、EDTAのアンモニウム塩、N,N−ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、ジアミノプロパノール四酢酸および1,6−ヘキサメチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸等があげられる。
【0070】
その他の添加剤としては、例えば、分散助剤、充填剤(例えばタルク、石膏、シリカ、ルチル、カーボンブラック、酸化亜鉛及び酸化鉄)、増量剤、艶消し剤、消泡剤、蛍光剤、リン光剤、夜光剤、導電剤、金属粒(金粒、銀粒、銅粒等)、色素材、抗菌剤(酸化チタン、抗菌性有機化合物等)、光触媒、反応触媒、固体酸、イオン交換樹脂、塗料、水系塗料、粉体塗料、表面塗装技術で慣用されている他の助剤等およびそのナノ粒子があげられる。
【0071】
また、本発明における可視光硬化性樹脂組成物を硬化させる際の収縮を緩和するため、開環重合できるようなエポキシ化合物、オキセタン化合物、テトラヒドロピラン誘導体等、および、重合を開始できるようなカチオン型光重合開始剤または硬化剤(アミン類、カルボン酸、酸無視物、チオール系化合物等)等を樹脂組成物に含有させてもよい。
【0072】
また、樹脂組成物を硬化させる際の収縮を緩和するため、無色透明な充填剤、着色充填剤、光沢のある充填剤等を含有させてもよい。無色透明な充填剤としては、例えば、シリカゲル、機能性シリカゲル(官能基修飾シリカゲル)、ガラス(ガラスビーズ、ガラス片等)、酸化チタン、プラスチック粒(例えば、ポリスチレン粒、ポリアクリル粒、ポリカーボナート粒、PET粒等)、歯科用充填レジン、水、水溶液、糖類、有機溶剤、および無機固体、イオン性液体等があげられる。
【0073】
着色充填剤としては、例えば、顔料、染料、不透明なプラスチック粒、紙類、陶器、ラテックス、エマルジョン、カーボンブラック(炭)、小石、砂、土、コンクリート、アスファルト、鉱物、肥料、花弁、種子、花粉、石鹸、タンパク質、磁気粉体、砂鉄、脂肪、毛髪、皮膚、煙等があげられる。光沢のある充填剤としては、例えば、金属粒並びに金属片(金、銀、銅、鉄、鉛、錫、アルミニウム、クロム、ニッケル、亜鉛、水銀、砒素、ナトリウム、カリウム等)、合金類(ブリキ、青銅、真鍮、アルマイト、アマルガム等)、酸化金属(錆、緑青等)、シリコンウエハー片、および鏡片等があげられる。
【0074】
本発明における可視光硬化性樹脂組成物に、光触媒として機能する充填剤(酸化チタン、銀等)を含有してもよい。当該充填剤を含有することにより、抗菌性、除菌性、防汚性、消臭性、脱臭性、浄化性等に優れた、硬化した樹脂組成物が得られるからである。
【0075】
本発明における可視光硬化性樹脂組成物は、含有する不飽和化合物の構造により、水溶性溶剤(メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ジメチルホルムアルデヒド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキサイドなど)または水に溶解または分散させもよい。そのような不飽和化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、末端カルボキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリビニルアルコールの(メタ)アクリレート、ビニルポリエチレングリコール、スチリルポリエチレングリコール等があげられる。
【0076】
水分散化の手法としては、例えば、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンアクリレート、エステルアクリレート、および不飽和ポリエステル樹脂等の中・高分子量不飽和化合物を水溶化または水分散化した不飽和化合物、水溶性単官能・多官能性モノマー(ポバール等)等の不飽和化合物の分子内に、カルボン酸、スルホン酸のような酸性基を導入し、アルカリを用いて中和することで親水化する、または、分子内にポリエチレングリコール単位を導入して親水化する等の手法があげられる。
【0077】
また、例えば、親水化官能基を分子内に導入しなくても、その樹脂組成物を公知の乳化剤または界面活性剤を用いて水分散化する手法もあげられる。乳化剤または界面活性剤としては、例えば、アニオン性、カチオン性およびノニオン性の界面活性剤および高分子乳化剤があげられる。その具体例としては、例えば、高級アルコール硫酸エステル類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルサルフェート塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロックポリマー、ソルビタン誘導体等の非イオン性界面活性剤、膜タンパク質可溶化剤等があげられる。乳化剤および界面活性剤は市販されているものを適宜使用することができ、例えば、CHAPS:3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアミノニオ]プロパンスルホン酸(同仁化学研究所製)、CHAPSO:3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアミノニオ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(同仁化学研究所製)、BIGCHAPS:N,N−ビス(3−D−グルコアミドプロピル)デオキシコールアミド(同仁化学研究所製)等を用いることができる。
【0078】
(光源)
本発明における可視光硬化性樹脂組成物の硬化に使用する光としては、例えば、紫外光、可視光、近赤外線光、白熱灯、蛍光灯または太陽光等があげられる。このような光を照射できる光源としては、例えば、低圧、中圧、および高圧水銀ランプ、金属ハロゲンランプ、レーザー並びにLED等があげられる。具体例としては、例えば、放射波長360〜500nmの範囲内のある領域の近紫外光または可視光(青色光)を照射することのできる、軽量かつ小型の半導体レーザーおよびLED等があげられる。中でも、人体に対する毒性や遮光装置の不要などから、半導体バイオレットレーザー、半導体ブルーバイオレットレーザー、半導体ブルーレーザー、および青色LEDが好ましい。また、更に長波長の赤外線および近赤外線レーザー照射機も使用することができる。可視光線または赤外線の照射機の使用は人体に有害な紫外光を用いる方法と比較して、安全性が高く、人が曝光を防止するための遮蔽装置も不要になる利点がある。
【0079】
光源には市販されているものを適宜使用することができ、例えば、半導体レーザー[バイオレット(400−415nm):NDHV220APAE1、ブルーバイオレット(440−450nm):NDHB510APAE1、ブルー(468−478nm):NDHA500APAE1、日亜化学工業製]、青色LED(460−490nm:NSPB300A、NSPB310A、NSPB320BS、NSPB500S、NSPB510S、NSPB513、NSPB518S、NSPB520S、NSPBF50S、日亜化学工業製)および青緑色LED(470−530nm:NSPE800S、日亜化学工業製)があげられる。
光源から照射光をパターン転写部に集光して当て、転写前の未硬化の樹脂に照射されないように、光源の周囲に反射板または遮蔽板を設けることが好ましい。また、転写前の樹脂に照射光および室内光が当らないように、遮蔽板または遮蔽装置を設けることが好ましい。
【0080】
(基板)
本発明における可視光硬化性樹脂組成物を塗布する基板の材質は特に限定されないが、例えば、ガラス、酸化膜塗布ガラス(ITO:インジウムチタニウムオキサイド塗布ガラス等)、金属類(アルミニウム、金、銀、銅、鉄、真鍮板、ブリキ板等)、プラスチック[ポリカーボナート、アクリル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS(アクリロニトリル、ブタジエンおよびスチレンのコポリマー)樹脂板等]、フィルム(ポリイミド、塩化ビニル、ポリスチレン、サラン樹脂フィルム等)、紙類(事務用紙、ポスター、画用紙等)、建材(スレート、ブロック、レンガ、石膏板等)、磁器(陶器、セラミック、瓦等)、木材、および人体の一部(皮膚、骨、爪、髪、体毛、細胞、血管等)等があげられる。
【0081】
(支持体)
本発明における支持体の材質は、特に限定されないが、例えば、鉄鋼、炭素鋼、ステンレス、ニッケル合金、クロム合金、銅合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、タングステン合金、真鍮、タンタル、硬化プラスチック等があげられる。
【0082】
(剥離用補助ローラー)
本発明における剥離用補助ローラーは、モールドとパターンを剥離をする際に、剥離を容易に、パターン形成物がモールドに巻き取られて上部に行かないよう補助する機能のために設けられる。
該補助ローラーの本数は1本でも良く、必要に応じて複数本でもよい。また、大きさは特に限定されないが、ローラーとパターンの接触部部分は、パターン幅全体を覆っても良く、パターン両端だけ覆うものでもよく、中心部あるいは一部だけを覆うものでもよい。
【0083】
本発明における剥離用補助ローラーの材質は、特に限定されないが、剥離用補助ローラーの表面は、形成したパターンに損傷を与えないように柔らかい素材で構成され、かつ、形成されたパターンからモールドから剥離できる程度の引張強度を保持できる材料で構成されていることが好ましい。材料としては、例えば、ウレタン、ゴム、スチロール、塩化ビニル、他のプラスチック材料、紙、などがあげられる。ローラーの軸は、強度を有する金属材料やプラスチック材料が好ましい。また、パターン形成物の厚さやモールドに巻かれてパターンが引っ張られても、対応できるように、あそびを有し、ばねなどで元の位置へ戻って来るようにフレキシブルな動きをできるものが好ましい。
【0084】
(パターン形成物および該パターン形成物を備える加工品)
本発明のパターン形成方法により得られるパターン形成物は物理的または化学的手法により、フィルム、ファイバー(繊維)、3次元構造物などの加工品へ形態を変えて使用できる。
本発明のパターン形成方法により得られるパターン形成物または該パターン形成物を備える加工品は、例えば、半導体チップ材料、プリント電子回路材料、マイクロ部品材料、分子デバイス材料、マイクロマシーン材料、印刷版、印刷用マスクの製造用材料、モールド製造用材料、写真再現プロセス材料、画像記録プロセス材料、光記録材料、臓器複製用材料、ギブス材料、意匠設計用材料、デザイン設計用材料、小型機器のモデル作成用材料、シュミレーションモデル作成用材料、FPD(フラットパネルディスプレイ)材料、LCD(液晶ディスプレイ)材料、ナノファイバー材料、カラーフィルター材料、写真フィルム材料、導電性フィルム、反射防止膜、表面コート材料、プリズムシート、光学素子用材料、光回路材料、偏光板(偏光フィルム)、レンズ、レンズ・プリズムを含む光学材料、フレネルレンズ、マイクロアレイ、光通信用材料、光導波路、光ファイバー、太陽電池材料、光スイッチ、光回路材料、光造形材料、光感知器用材料、光学モルホロジー用材料、細胞培養材料(細胞培養シート)、植物培養培材料、LED(発光ダイオード)、有機EL材料、インク、インクジェットプリンター材料、印刷版、スタンプ台、タイプ用文字盤、印章材、歯科材料、バイオチップ、DNAチップ、マイクロ流路、DDS(ドラックデリバリーシステム)材料、診断薬キット、臓器保存材料、神経保存材料、指紋認証装置、指紋複製装置、標本作製用材料、臓器標本作製用材料、自動車部品、船舶部品、航空機部品、および宇宙材料等に使用することができる。
【0085】
また、本発明のパターン形成方法により得られるパターン形成物を使用して、基板に所望のパターンを形成することができる。
当該所望のパターンを基板に形成したパターン形成物または該パターン形成物を備える加工品は、例えば、半導体チップ材料、反射防止膜、光導波路、偏光板、マイクロ流路、細胞培養シート、バイオチップ等に使用することができる。
【0086】
以下、実施例および試験例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等に制限されるものではない。
【実施例1】
【0087】
〈方法〉
(1)可視光硬化性樹脂組成物の調製
表1に示す成分をイエロールーム内で混合し、樹脂組成物を得た。各成分を混合する際に、40℃に加熱溶解し、混合物をメンブレンフィルター(0.45μm、25N、ジーエルサイエンス社)でろ過して、樹脂組成物1〜9を得た。
【0088】
光重合開始剤は、以下に示すものを使用した。
・PFO−E:5−(4−ペンチロキシベンゾイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−(4−ヘキシルベンゾイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド:PFO-E(協和発酵ケミカル社製)
・MAPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド:Lucirin TPO(BASF社製)
・BAPO:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド:イルガ キュア819(チバ・スペシャルティ・ケミカル社製)
・DMPA:ジメトキシ−1−フェニルアセトフェノン:イルガキュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカル社製)
【0089】
不飽和化合物は、以下に示すものを使用した。
・TPGDA:トリプロピレングリコールジアクリレート:NKエステルAPG−200(新中村化学社製)
・NVP:N−ビニルピロリドン(東京化成社製)
・TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート:NKエステルA−TMPT(新中村化学社製)
・A200:ポリエチレングリコールジアクリレート#200:NKエステルA−200(新中村化学社製)
・ADCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート:NKエステル A−DCP(新中村化学社製)
・APG700:ポリプロピレングリコールジアクリレート#700:NKエステル APG−700(新中村化学社製)
・ANPG:ネオペンチルグリコールジアクリレート:NKエステル A−NPG(新中村化学社製)
【0090】
【表1】

【0091】
(2)プラスチックモールド
プラスチックモールドは以下に示すものを使用した。
・PI−A:ポリイミドフィルム(オーラムフィルム、3×3cm、厚さ 300μm、三井化学社製)をNiモールド(2.5×2.5cm、パターン面積0.5×1.0cm、パターン:L&S:幅80nm〜20μm、アスペクト比0.1〜2、ドットおよびホール:幅100nm〜500nm、深さまたは高さ100nm、間隔比1:1〜1:10)熱(ナノ)インプリント装置(ナノインプリンターNM−0401:明昌機工製)を用いて、パターン転写(温度:上板220℃:下板180℃、プレス圧10Mpa、保持時間5分)して、プラスチックモールドを作製した。
・PI−B:ポリイミドフィルム(ユーピレックス50S、3×3cm、厚さ50μm、宇部興産社製)をもちいて、上記のPI―Aと同様に、パターン転写(温度:上板250℃:下板200℃、プレス圧10Mpa、保持時間10分)して、プラスチックモールドを作製した。
・PC:ポリカーボナート板(3×3cm、厚さ 1mm、紫外線吸収剤入、日本テストパネル社製)を用いて、上記のPI―Aの場合と同じNiモールドを用いて、同様にパターン転写(温度:上板170℃:下板30℃、、プレス圧3Mpa、保持時間5分)を行い、得られたモールドのパターン表面を剥離剤(オプツールDSX:ダイキン工業社製)で処理を行い、プラスチックモールドを作製した。
・PMMA:ポリメタクリル板(3×3cm、厚さ 1mm、紫外線吸収剤入、日本テストパネル社製)を用いて、上記のPI―Aの場合と同じNiモールドを用いて、同様に熱(ナノ)インプリント(温度:上板130℃:下板30℃、プレス圧3Mpa、保持時間5分)および剥離剤処理を行い、プラスチックモールドを作製した。
・PET:ポリエチレンテレフタレート板(3×3cm、厚さ 2mm、紫外線吸収剤入、日本テストパネル社製)を用いて、上記のPI―Aの場合と同じNiモールドを用いて、同様に熱(ナノ)インプリント(温度:上板90℃:下板30℃、プレス圧3Mpa、保持時間5分)および剥離剤処理を行い、プラスチックモールドを作製した。
・PL:ポリ乳酸板(3×3cm、厚さ 4mm)を用いて、上記のPI―Aの場合と同じNiモールドを用いて、同様に熱(ナノ)インプリント(温度:上板80℃:下板30℃、プレス圧3Mpa、保持時間5分)および剥離剤処理を行い、プラスチックモールドを作製した。
・PDMS:ポリジメチルシロキサン(シルポット184、東レダウコーニング社製):主剤と触媒を重量比10:1に混合し、得られた樹脂をそのNiモールドのパターン上に、0.1〜1gを滴下し、オーブン中で100℃で1時間加熱を行い、シリコン系樹脂プラスチックモールドを作製した。
・F−A:フッ素系樹脂(サイトップ CTX-809SP2、旭硝子社製)をそのNiモールドのパターンに数滴(0.1〜0.5g)滴下し、スピンコート(500rpm10秒→1000rpm20秒)して、オーブン中で加熱(100℃30分→180℃1時間)した。そのサイトップ表面に、可視光硬化型接着剤(3105、ヘンケルロックタイト社製)を0.1〜0.2g滴下し、その上にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE−903、信越化学製)を用いてシランカップリング処理を行ったガラス試験板(3×3cm、厚さ2mm、太佑機材社製)を置き、高圧水銀灯(光量100mJ/cm)10秒照射して、サイトップフィルムとガラス試験板と接着した。次に、そのNiモールドからサイトップフィルムを剥離して、フッ素系樹脂のプラスチックモールドを作製した。
・F−B:フッ素系樹脂(サイトップ CTX-809SP2、旭硝子社製)をそのNiモールドのパターンに数滴(0.2〜0.5g)滴下し、スピンコート(500rpm10秒→1000rpm20秒)して、オーブン中で加熱(100℃30分→180℃1時間)した。そのサイトップ表面に、可視光硬化製樹脂(3170B、スリーボンド社製)を0.1〜0.2g滴下し、その上にコロナ放電処理を行ったポリカーボナート板(3×3cm、厚さ1mm、日本テストパネル社製)を置き、高圧水銀灯(光量100mJ/cm:測定波長365nm)10秒照射して、サイトップフィルムとポリカーボナート板と接着した。次に、そのNiモールドからサイトップフィルムを剥離して、フッ素系樹脂のプラスチックモールドを作製した。
【0092】
(3)基板
基板は以下に示すものを使用した。
・シリコン:シリコンウエハ(3.5×3.5cm角切出し、厚さ0.525mm、CZ製法、結晶面(100)、Pタイプ、SUMCO社製)
・PC:ポリカーボナート板(3.5×3.5cm、厚さ1mm、日本テストパネル社製)
・PMMA:ポリメタクリル板(3.5×3.5cm、厚さ1mm、日本テストパネル社製)
・PET:ポリエチレンテレフタレート板(3.5×3.5cm、厚さ2mm、日本テストパネル社製)
・ガラス:ガラス板(3.5×3.5cm、厚さ1mm、太佑機材社製)
・アルミ:アルミニウム板(3.5×3.5cm、厚さ0.5mm、日本テストパネル社製)
・銅:銅板(3.5×3.5cm、厚さ0.5mm、日本テストパネル社製)
【0093】
(4)パターン形成条件
以下の手順で可視光硬化性樹脂組成物にパターンを形成した。基板に樹脂組成物を1滴(0.1〜0.5g)落とし、該樹脂組成物にモールドを被せ、ナノインプリント装置(ナノインプリンターNM−0401:明昌機工社製)を用いて、室温下で光照射して硬化させた。
【0094】
パターン形成条件は以下とした。
1.加圧:圧力50Nにて30秒
2.光照射:15秒[光量100mJ/cm:測定波長365nm]
3.圧力解除
4.モールドを樹脂組成物から剥がし、該樹脂組成物に形成されたパターンを電子顕微鏡(ECLPSE L150、ニコン社製)またはSEM(走査型電子顕微鏡)(JSM 5610LV、日本電子社製)を用いて観察した。パターンの観察結果と剥離性から評価した。
【0095】
〈結果〉
樹脂組成物1〜9をシリコンウェハに滴下し、該樹脂組成物にプラスチックモールド(PI-A)を被せ、光照射して硬化させた。その結果、樹脂組成物1〜9のいずれの樹脂組成物を用いた場合においても、パターン形成では、プラスチックモールドに対応したパターン転写が、または、Niモールドと同様なパターンが確認された。また、プラスチックモールドからの剥離性も良好であった。
【0096】
(比較例)樹脂組成物10(紫外線硬化性)をシリコンウェハに滴下し、該樹脂組成物にプラスチックモールド(PI-A)を被せ、上記と同様な実験条件で光照射した。しかし、硬化が不十分で、パターン形成が見られなかった。光照射量を60秒[光量400mJ/cm]に変えて行うと、一部パターン転写はできてはいるものの、剥離の際に基板からも剥がれてしまった。
また、樹脂組成物1の配合で、光重合開始剤PFO-Eを添加しない樹脂を調整し、シリコンウェハに滴下し、該樹脂組成物にプラスチックモールド(PI-A)を被せ、上記と同様な実験条件で光照射した。しかし、硬化が不十分で、パターン形成が見られなかった。光照射量を60秒[光量400mJ/cm]に変えても、硬化しなかった。
【実施例2】
【0097】
実施例1の樹脂組成物1を表2に示す基板に滴下し、該樹脂組成物に表2に示すプラスチックモールドを被せ、光照射して硬化させた。その結果、表2に示したように、いずれのプラスチックモールドおよび基板を用いた場合においても、パターン形成および剥離性が良好であった。
【表2】

【0098】
これらの結果から、種々のプラスチックモールドと可視光硬化性樹脂組成物を用いて、光硬化によりパターンを形成できる方法であることを証明した。また、形成されたパターンは、モールドから容易に剥離でき、良好なパターンであることがわかった。パターン例として、L&S:幅80nm〜20μm、アスペクト比0.1〜2、ドットおよびホール:幅100nm〜500nm、深さまたは高さ100nm、間隔比1:1〜1:10の場合に、良好なパターンが形成できることがわかった。
さらに、可視光硬化性樹脂組成物は、光重開始剤としてアシルホスフィンオキシド化合物を添加した場合に良好なパターンが形成でき、特にPFO-EあるいはBAPOが好ましいことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明により、プラスチックモールドと可視光硬化性樹脂組成物を用いて、良好なパターンを与え、剥離性が良好であり、従来のUV硬化型のパターン形成方法よりもコスト負荷の少ないパターン形成方法および装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明に係るパターン形成装置の実施の形態の1例を示す説明図である。
【図2】本発明に係るパターン形成装置の実施の形態の1例を示す説明図である。
【図3】本発明に係るパターン形成装置の実施の形態の1例として、プラスチックモールドを円筒形状とした説明図である。
【図4】本発明に係るパターン形成装置の実施の形態の1例として、プラスチックモールドを無端ベルト形状とした説明図である。
【図5】本発明に係るパターン形成装置の実施の形態の1例として、プラスチックモールドを無端ベルト形状とし、プラスチックモールドを多角形状に保持する3つの保持ローラを用いた説明図である。
【図6】本発明に係るパターン形成装置の実施の形態の1例として、プラスチックモールドを無端ベルト形状とし、プラスチックモールドを多角形状に保持する3つの保持ローラを用いた場合のプラスチックモールドの断面図である。
【図7】凹凸パターンを形成した可視光硬化性樹脂組成物の断面図を示す。
【図8】本発明の基板にパターンを形成する方法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0101】
110、210、310、410、510、810・・・パターン形成装置
120、220、320、420、520、610、820・・・プラスチックモールド
121、221、321、421、811、821・・・所定パターン
122・・・突起部
123・・・くぼみ部
124・・・基部
130、230、330、450、540、830・・・支持体
140、240、350、470、560、840・・・樹脂組成物
150、250、360、480、570、630、860・・・光照射部
160、260、870・・・光
170、270、370、500、580・・・基板
241・・・上方角部
242・・・底面角部
340、460、550・・・ローラ
430、530、620・・・保持ローラ
440・・・回転軸
380、485、590・・・押さえローラー
390、495、600・・・遮蔽板
611・・・パターン形成部
710、841・・・パターンを形成した樹脂組成物
711・・・凸部
712・・・凹部
850・・・シリコンウェハまたは金属基板
880・・・反応性イオンエッチングガス
890・・・膜
891・・・膜パターン
900・・・樹脂または金属(融解)
901・・・金属(電鋳めっき)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光硬化性樹脂組成物に、所定パターンを有するプラスチックモールドを押し付けて該所定パターンを成形し、光を照射して該樹脂組成物を硬化させることを特徴とする、該樹脂組成物へのパターン形成方法。
【請求項2】
光を照射して該樹脂組成物を硬化させることが、所定パターンを有するプラスチックモールドを押し付けた状態で該所定パターンを成形するとともに、該プラスチックモールドを透過するようにして光を照射して該樹脂組成物を硬化させることである請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項3】
プラスチックモールドが、円筒形状のプラスチックモールドであることを特徴とする1または2記載のパターン形成方法。
【請求項4】
プラスチックモールドが、無端ベルト形状のプラスチックモールドであることを特徴とする請求項1または2記載のパターン形成方法。
【請求項5】
無端ベルト形状のプラスチックモールドが、3つ以上の保持ローラで多角形状に保持されていることを特徴とする請求項4記載のパターン形成方法。
【請求項6】
プラスチックモールドの内側に有する照射装置により光を照射することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項7】
所定パターンが凹凸パターンであり、かつ、アスペクト比が5〜200の範囲内の凹凸パターンまたは凸部の幅が10nm〜45nmの凹凸パターンを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項8】
プラスチックモールドを構成する材料がポリイミドである請求項1〜7のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項9】
樹脂組成物が光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項10】
光重合開始剤がアシルフォスフィンオキシド化合物であることを特徴とする請求項9記載のパターン形成方法。
【請求項11】
可視光硬化性樹脂組成物が、基板上に塗布された可視光硬化性樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項12】
請求項11記載のパターン形成方法で形成されたパターン形成物を使用して、前記可視光硬化性樹脂組成物を塗布された基板にパターンを形成する方法。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれかに記載の方法でパターン形成されたことを特徴とするパターン形成物。
【請求項14】
請求項12記載の方法でパターンが形成されたことを特徴とするパターン形成物。
【請求項15】
請求項13または14記載のパターン形成物を備えることを特徴とする加工品。
【請求項16】
表面に所定パターンを有し、該所定パターンを可視光硬化性樹脂組成物に押し付けると、可視光硬化性樹脂組成物にパターンを形成可能なプラスチックモールドと、
パターン形成時に前記プラスチックモールドにより押し付けられた該樹脂組成物を支持する支持体と、
光を該樹脂組成物に照射可能な光照射部と、
を備え、
パターン形成時に該プラスチックモールドを可視光が透過するように、該支持体と該光照射部との間に、該プラスチックモールドが配置されていることを特徴とするパターン形成装置。
【請求項17】
プラスチックモールドが円筒形状であることを特徴とする請求項16に記載のパターン形成装置。
【請求項18】
プラスチックモールドが無端ベルト形状であることを特徴とする請求項16に記載のパターン形成装置。
【請求項19】
無端ベルト形状のプラスチックモールドを多角形状に保持可能な3つ以上の保持ローラを備えていることを特徴とする請求項18に記載のパターン形成装置。
【請求項20】
光照射部がプラスチックモールドの内側に設けられていることを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載のパターン形成装置。
【請求項21】
所定パターンが凹凸パターンであり、アスペクト比が5〜200の範囲内の凹凸パターンまたは凸部の幅が10nm〜45nmの凹凸パターンを含むことを特徴とする請求項17〜20のいずれかに記載のパターン形成装置。
【請求項22】
支持体とプラスチックモールドの間へ樹脂組成物を供給する手段、パターン形成後の樹脂組成物をプラスチックモールドから剥離する手段およびパターン形成後の樹脂組成物を排出する手段を備えたことを特徴とする請求項17〜21のいずれかに記載のパターン形成装置。
【請求項23】
パターン形成後の樹脂組成物をプラスチックモールドから剥離する手段が、樹脂組成物を上方より排出する側に設置された押さえローラーであることを特徴とする請求項22記載のパターン形成装置。
【請求項24】
プラスチックモールドを構成する材料がポリイミドである請求項16〜23のいずれかに記載のパターン形成装置。
【請求項25】
請求項16〜24のいずれかに記載されたパターン形成装置を用いて、可視光硬化性樹脂組成物に、所定パターンを有するプラスチックモールドを押し付けて該所定パターンを成形し、光を照射して該樹脂組成物を硬化させることを特徴とする、該樹脂組成物のパターン形成方法。
【請求項26】
樹脂組成物が光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項25記載のパターン形成方法。
【請求項27】
光重合開始剤がアシルフォスフィンオキシド化合物であることを特徴とする請求項26記載のパターン形成方法。
【請求項28】
可視光硬化性樹脂組成物が、基板上に塗布された可視光硬化性樹脂組成物であることを特徴とする請求項25〜27のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項29】
請求項28に記載された方法でパターン形成されたパターン形成物を使用して、前記可視光硬化性樹脂組成物を塗布された基板にパターンを形成する方法。
【請求項30】
請求項25〜28のいずれかに記載された方法でパターン形成されたことを特徴とするパターン形成物。
【請求項31】
請求項29に記載された方法でパターン形成されたことを特徴とするパターン形成物。
【請求項32】
請求項30または31に記載のパターン形成物を備えることを特徴とする加工品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−137358(P2010−137358A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−105106(P2007−105106)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(000162607)協和発酵ケミカル株式会社 (60)
【Fターム(参考)】