説明

パターン形成装置、パターン形成方法及びパターン形成用プログラム

【課題】歩留まりよくパターンを形成することができるパターン形成装置、パターン形成方法及びパターン形成用プログラムを提供する。
【解決手段】実施形態に係るパターン形成装置は、凹凸部を有するテンプレートを被転写物に押印し、凹凸部の形状が転写されたパターンを形成する装置である。パターン形成装置は、計算部と、調整部と、転写部と、を備える。計算部は、パターンの設計情報を用いてテンプレートをパターンから離型する際にパターンに加わる力の分布を計算する。調整部は、計算部で計算した力の分布を均一化するための形成条件及びパターンの設計情報の少なくともいずれかを調整する。転写部は、調整部で調整した形成条件及び設計情報の少なくともいずれかにより凹凸部の形状を被転写物に転写する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、パターン形成装置、パターン形成方法及びパターン形成用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
凹凸パターンが形成されたテンプレートを用いてパターンを転写する、いわゆるインプリント法では、基板上に滴下した樹脂にテンプレートを接触させ、この状態で樹脂に紫外線光等を照射して硬化させる。その後、テンプレートを離型することによって、テンプレートの凹凸パターンの形状を樹脂に転写している。
【0003】
テンプレートを用いたパターンの形成においては、同じテンプレートを繰り返し利用することによって、製造工程の簡素化及び製造コストの低減を図る。
このようなテンプレートを用いたパターンの形成においては、さらなる歩留まりの向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−201020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、歩留まりよくパターンを形成することができるパターン形成装置、パターン形成方法及びパターン形成用プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係るパターン形成装置は、凹凸部を有するテンプレートを被転写物に押印し、凹凸部の形状が転写されたパターンを形成する装置である。
パターン形成装置は、計算部と、調整部と、転写部と、を備える。
計算部は、被転写物に押印したテンプレートを被転写物から離型する際にパターンに加わる力の分布をパターンの設計情報を用いて計算する。
調整部は、計算部で計算した力の分布を均一に近づけるためのパターンの形成条件の調整を実行する。
転写部は、調整部で調整したパターンの形成条件によりテンプレートの凹凸部の形状を被転写物に転写する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係るパターン形成装置の構成を例示するブロック図である。
【図2】(a)〜(d)は、パターン形成の手順の概要を例示する模式図である。
【図3】実施形態に係るパターン形成方法を例示するフローチャートである。
【図4】(a)〜(e)は、力の分布の計算から調整について説明する模式図である。
【図5】第2の実施形態に係るパターン形成装置の構成を例示するブロック図である。
【図6】実施形態に係るパターン形成方法を例示するフローチャートである。
【図7】実施形態に係るパターン形成方法の他の例を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施形態に係るパターン形成方法を例示するフローチャートである。
【図9】(a)〜(d)は、パターンブロックの位置を変更する例を示す模式図である。
【図10】(a)〜(f)は、パターンの修正例について例示する模式的平面図である。
【図11】第4の実施形態に係るパターン形成方法を示すフローチャートである。
【図12】(a)〜(b)は、実施形態に係るプログラムが実行されるコンピュータを説明する図である。
【図13】実施形態に係るプログラムの処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比係数などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比係数が異なって表される場合もある。
また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るパターン形成装置の構成を例示するブロック図である。
図2(a)〜(d)は、パターン形成の手順の概要を例示する模式図である。
図1に表したように、実施形態に係るパターン形成装置110は、計算部10と、調整部20と、転写部30と、を備える。
【0010】
パターン形成装置110の転写部30は、図2(a)〜(d)に表した手順によってパターン310を形成する。
先ず、図2(a)に表したように、基板W上に被転写物の一例である樹脂320を塗布する。樹脂320は、紫外線光等の光を照射することで硬化する光硬化型樹脂である。樹脂320は、硬化前の状態で塗布される。樹脂320は、例えばノズルNZによって基板W上に吐出される。
【0011】
次に、図2(b)に表したように、テンプレート200の凹凸部210の形状を樹脂320に転写する。テンプレート200は、目的のパターンを形成するための版(印)である。テンプレート200には、例えば石英ガラスが用いられる。テンプレート200の凹凸部210は、目的のパターンの形状が反転した形状を有する。凹凸部210の表面には、離型層210aが設けられていてもよい。このテンプレート200の凹凸部210を、樹脂320に押印する。
ここで、押印とは、テンプレート200を基板Wに押し付けることのほか、テンプレート200を樹脂320に接触させることを含む。
【0012】
次に、図2(c)に表したように、テンプレート200の凹凸部210を樹脂320に押印した状態で、例えばテンプレート200を介して紫外線光UVを樹脂320に照射する。紫外線光UVの照射によって樹脂320は硬化する。
【0013】
図2(d)に表したように、樹脂320が硬化した後、テンプレート200をパターン310から離型する。これにより、基板W上に、凹凸部210の形状が反転した樹脂320のパターン310が形成される。
【0014】
なお、樹脂320には、光照射によって硬化する光硬化型樹脂のほか、加熱によって硬化する熱硬化型樹脂を用いてもよい。この場合には、テンプレート200を樹脂320に押印した状態で、所定の温度に加熱することで樹脂320を硬化させ、硬化後にテンプレート200を離型する。これにより、樹脂320に凹凸部210の形状が転写されたパターン310が形成される。
【0015】
転写部30は、上記図2(a)〜(d)に表した処理を、基板W上の位置をずらして繰り返し行う。
【0016】
テンプレート200を用いたパターン転写においては、1回の処理(図2(a)〜(d)の1サイクル)で凹凸部210の領域に応じた基板W上の範囲に目的のパターン310が形成される。例えば、テンプレート200の凹凸部210には、半導体装置の1チップ分、または複数チップ分のパターンに対応した凹凸形状が設けられている。これにより、1回の処理で、1チップ分、または複数チップ分に対応したパターン310が形成される。
【0017】
実施形態に係るパターン形成装置110は、上記のようなテンプレート200を用いて、凹凸部210の形状を被転写物の一例である樹脂320に転写し、目的のパターン310を形成する。
【0018】
図1に表したように、パターン形成装置110の計算部10は、パターン310の設計情報を用いて被転写物に押印したテンプレート200をパターン310から離型する際に、パターン310に加わる力の分布を計算する。すなわち、計算部10は、転写部30によってパターン転写を行う前に、テンプレート200の離型時にパターン310に加わる力の分布を予め計算する。
【0019】
テンプレート200の離型時にパターン310に加わる力の分布は、離型時にパターン310に加わる応力及び離型時にパターン310とテンプレート200との間に生じる摩擦力の少なくともいずれかの分布である。実施形態では、これら応力及び摩擦力を総称して、単に「力」ということにする。
【0020】
計算部10は、例えば、テンプレート200の凹凸部210が接する被転写物の領域を複数のブロックに分割し、この複数のブロックごと力を計算する。例えば、複数のブロックは、凹凸部210が接する被転写物の領域についてマトリクス状に設けられている。複数のブロックの大きさは、同じでも、相違していてもよい。
【0021】
計算部10は、力の計算を行う際、パターン310の設計情報に加え、凹凸部210の設計情報を用いてもよい。
【0022】
計算部10は、パターン310の設計情報から把握されるパターン310の密度、パターン310の周囲長、パターン310の延在する方向にみた断面のアスペクト比、パターン310の形状、パターン310の延在方向などの情報の少なくとも1つをパラメータとして複数のブロックごとの応力や摩擦力を計算する。
【0023】
また、計算部10は、上記パラメータに加え、凹凸部210の凹部の深さ(凸部の高さ)、テンプレート200の平坦度などの情報の少なくとも1つをパラメータとして複数のブロックごとの応力や摩擦力を計算してもよい。
【0024】
調整部20は、計算部10で計算した力の分布を均一に近づけるためのパターン310の形成条件の調整を実行する。
【0025】
調整部20は、パターン310の形成条件として、例えば、被転写物(例えば、樹脂320)の組成、被転写物の基板W上への形成条件(例えば、ノズルNZによる樹脂320の塗布量、塗布領域、塗布位置)、被転写物の硬化条件(例えば、紫外線露光量、照明形状、NA(開口数)、偏光状態、動的フォーカス設定、収差、現像条件、温度、PEB(Post Exposure Bake))のうち少なくとも1つを調整する。
【0026】
調整部20は、計算部10において複数のブロックごとに力の計算が行われた場合、複数のブロックごとに、パターン310の形成条件の調整を実行してもよい。
【0027】
転写部30は、調整部20で調整したパターン310の形成条件を用いて凹凸部210の形状を被転写物(例えば、樹脂320)に転写する。
【0028】
実施形態に係るパターン形成装置110では、予め力の分布を予測して、力の分布に影響するパラメータを調整しているため、実際にテンプレート200をパターン310から離型する際には、パターン310に加わる力の分布が均一に近づくことになる。このため、テンプレート200の離型時に生じやすいパターン310の剥がれや倒れが抑制される。したがって、パターン形成装置110を用いることで、テンプレート200を用いたパターン形成の歩留まりが向上する。
【0029】
ここで、テンプレート200の押印を用いたパターン形成法においては、プロセスステップ毎に種々の歩留り低下の要因が観測または予測される。歩留まりの低下に関しては、種々の要因が考えられる。例を挙げると、樹脂320を塗布する際のむら、テンプレート200を作成する際の寸法ばらつき、テンプレート200の洗浄不足、凹凸部210の欠け、が挙げられる。
【0030】
また、他の要因としては、例えば、テンプレート200を押印するステップにおける、樹脂320の未充填、凹凸部210と樹脂320との間の気泡、テンプレート200の滑りずれなどである。さらに他の例を挙げると、紫外線光の照射による樹脂320の硬化のステップにおける、紫外線光の照射むら、樹脂320の硬化むら、樹脂320の膨張/収縮の不均一などである。これら種々の要因によって、テンプレート200を離型する際には、パターン剥れやパターン倒れなどが発生し、歩留まりを低下させる。
【0031】
これらの歩留り低下の要因に関しては、種々のプロセスのチューニングによる対策が考えられる。例えば、テンプレート200の材質の工夫や、樹脂320の材料の調整、またテンプレート200の洗浄方法の工夫である。
【0032】
パターン310の形状やパターン310の配置に依存する欠陥は、パターン310の微細化に伴い増加することが予想される。一例を挙げると、パターン310の配置やパターン310の密度によってテンプレート200の押印時や離型時の応力分布が異なる。このため、応力の急変する箇所でパターン形成に不具合をきたすことが考えられる。
【0033】
実施形態に係るパターン形成装置110では、パターン310の形状に依存する歩留り低下の要因を精度よく予測し、パターン310に応じたプロセスの調整が柔軟に行われる。このため、パターニングにおける欠陥密度が低下し、歩留りの向上につながる。
【0034】
図3は、実施形態に係るパターン形成方法を例示するフローチャートである。
実施形態に係るパターン形成方法は、力の分布の計算(ステップS101)、調整(ステップS102)、パターン転写(ステップS103)を備える。これらのステップに示す処理は、例えばパターン形成装置110によって行われる。なお、各ステップに示す処理は、単一の装置で行われる場合のほか、少なくとも2つの装置で行われる場合もある。
【0035】
図4(a)〜(e)は、力の分布の計算から調整について説明する模式図である。
図4(a)では、チップレイアウトの一例を示している。チップレイアウトCLは、テンプレート200によって形成されるパターン310の設計レイアウトである。図3のステップS101に表した工程では、図4(a)に表したチップレイアウトCLを複数のブロックBKに分割して、各ブロックBKでの力を計算する。なお、図4(a)に表したブロックBKは説明の便宜上の大きさであり、実際にはさらに細かい領域に分割される。また、ブロックBKは矩形に限定されず、また各ブロックBKの大きさは同じでも、相違していてもよい。
【0036】
ステップS101に表した工程では、チップレイアウトCLからパターン配置に関する特徴量の分布を各ブロックBKごとに計算する。特徴量は、例えばパターンの密度、パターンの周囲長、パターンの延在する方向にみた断面のアスペクト比、パターンの形状、パターンの延在方法の少なくとも1つである。図4(b)では、ブロックBKごとの特徴量をマッピングした分布DIS1を模式的に表している。例えば、図4(b)に示す同じ濃度のドット領域は、同じ力の領域であることを表している。
【0037】
ステップS101に表した工程では、さらに、この特徴量の分布から、テンプレート200の離型時の力の分布を計算する。力は各ブロックBKごとに計算され、チップレイアウトCLに対応した力の分布となる。図4(c)では、テンプレート200の離型時の力の分布DIS2を模式的に表している。
【0038】
次に、図3のステップS102に表した工程では、テンプレート200の離型時にかかる力を調節するための項目に関する調整量をマッピングする。すなわち、ステップS102に表した工程では、ステップS101で計算した力の分布を均一に近づけるためのパターンの形成条件の調整を実行する。この調整は、各ブロックごとに行われる。
【0039】
調整量は、例えば、被転写物(例えば、樹脂320)の組成、被転写物の基板W上への形成条件(例えば、ノズルNZによる樹脂320の塗布量、塗布領域、塗布位置)、被転写物の硬化条件(例えば、紫外線露光量、照明形状、NA、偏光状態、動的フォーカス設定、収差、現像条件、温度、PEB)のうち少なくとも1つである。
【0040】
調整量は、ブロックBKごとに計算された力を弱める、または強める量になっている。これにより、テンプレート200が被転写物に接触する領域の全体において、テンプレート200の離型時の力が均一に近づく。
【0041】
図4(d)では、ブロックBKごとの調整量をマッピングした分布DIS3を模式的に表している。分布DIS3は、各調整量に応じたマップ形式になっている。
【0042】
次に、図3のステップS103に表した工程では、ステップS102で求めた調整量によってテンプレート200を用いたパターンの転写を行う。図4(e)では、調整後のテンプレート200の離型時の力の分布DIS4を表している。図4(e)に表した分布DIS4では、図4(b)に表した分布DIS1に比べて力が均一に近づいている。
【0043】
ここで、ステップS102において行う調節の項目について説明する。
先ず、パターン310の形成条件を調整するための項目の例について説明する。
樹脂320へ照射する紫外線光等の露光量の調整では、ブロックBKごとの紫外線光等の露光量マップに基づいて、樹脂320に光を照射する。これにより、露光量の調整を行う。露光量の調整を行うには、例えばブロックBKごと露光量を調整可能なアレイ光源を用いるようにすればよい。
【0044】
温度の調整では、温度調整マップ(温度の調整量による分布DIS3)に基づいて樹脂320照射する紫外線光または赤外線光の露光量を調節する。または、温度調整マップに基づいてヒータを用いて温度を調整する。温度の調整を行うには、例えば基板Wを搭載するステージとして、ブロックBKごとに温度調整可能なヒータが組み込まれたステージを用いるようにすればよい。
【0045】
樹脂320の厚さの調整では、樹脂320の基板W上への吐出の量を各ブロックBKごとに調節する。
【0046】
樹脂320の材料成分の調整では、樹脂材料の成分の調整マップ(材料成分の調整量による分布DIS3)に基づいて、樹脂320の吐出後に、添加剤を添加する。または、樹脂材料の成分の調整マップに基づいて、樹脂320の吐出ごとに成分を調整してもよい。
【0047】
このようなパターン形成方法により、テンプレート200の離型時にパターン310に加わる力が均一に近づき、パターン310の剥がれや倒れが抑制される。したがって、テンプレート200を用いたパターン形成の歩留まりが向上する。
【0048】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係るパターン形成装置の構成を例示するブロック図である。
図5に表したように、実施形態に係るパターン形成装置120は、計算部10と、調整部20と、転写部30と、判断部40と、を備える。
すなわち、パターン形成装置120は、図1に表したパターン形成装置110の構成に判断部40をさらに備える。
【0049】
判断部40は、計算部10で計算した力の分布が、予め設定された許容範囲に入るか否かを判断する。
調整部20は、判断部40で力の分布が許容範囲に入ると判断された場合、先に説明したパターン310の形成情報の調整を行わない。一方、判断部40で力の分布が許容範囲に入らないと判断された場合、調整部20は、パターン310の形成情報の調整を実行する。
【0050】
図6は、実施形態に係るパターン形成方法を例示するフローチャートである。
実施形態に係るパターン形成方法は、力の分布の計算(ステップS201)、許容範囲内か否かの判断(ステップS202)、調整(ステップS203)、パターン転写(ステップS204)を備える。これらのステップに示す処理は、例えばパターン形成装置120によって行われる。なお、各ステップに示す処理は、単一の装置で行われる場合のほか、少なくとも2つの装置で行われる場合もある。
【0051】
ステップS201に表した工程では、図4(a)〜(c)に表した例と同様に、チップレイアウトCLからテンプレート200の離型時の力の分布DIS2を計算する。
【0052】
ステップS202に表した工程では、力の分布DIS2が、予め設定された許容範囲に入るか否かを判断する。
【0053】
ステップS202で、許容範囲に入ると判断された場合、ステップS204へ進み、パターン310の形成条件を調整せず、テンプレート200によるパターンの転写を行う。
【0054】
一方、ステップS202で、許容範囲に入らないと判断された場合、ステップS203へ進む。ステップS203に表した工程では、パターン310の形成条件の調整を実行する。ステップS203の工程は、図3のステップS102に表した工程と同様である。
【0055】
ステップS203の工程で調整を行った後、ステップS201へ戻り、力の分布の計算を再度行う。力の分布が許容範囲に入っていない場合には、ステップS203、ステップS201、ステップS202を繰り返す。力の分布が許容範囲に入っている場合はステップS204へ進み、調整した形成条件によって、テンプレート200によるパターンの転写を行う。
【0056】
このようなパターン形成方法によって、力の分布が、予め設定された許容範囲に入らない場合のみ、パターン310の形成条件の調整を実行するため、不要な調整を行わずに済む。また、必要な場合には調整を行ったのち、テンプレート200によるパターン転写を行う。これにより、形成されたパターン310は、予め設定された許容範囲に入ることになる。
【0057】
図7は、実施形態に係るパターン形成方法の他の例を示すフローチャートである。
実施形態に係るパターン形成方法の他の例(その1)は、力の分布の計算(ステップS301)、許容範囲内か否かの判断(ステップS302)、警告(ステップS303)、調整するか否かの判断(ステップS304)、形成条件または設計情報の調整(ステップS305)、パターン転写(ステップS306)を備える。これらのステップに示す処理は、例えばパターン形成装置120によって行われる。なお、各ステップに示す処理は、単一の装置で行われる場合のほか、少なくとも2つの装置で行われる場合もある。
【0058】
ステップS301に表した工程では、図4(a)〜(c)に表した例と同様に、チップレイアウトCLからテンプレート200の離型時の力の分布DIS2を計算する。
【0059】
ステップS302に表した工程では、力の分布が、予め設定された許容範囲に入るか否かを判断する。力の分布が許容範囲に入ると判断された場合、ステップS306へ進む。一方、力の分布が許容範囲に入らないと判断された場合、ステップS303へ進む。ステップS303に表した工程では、警告を行う。警告は、例えばステップS302の処理を行った装置(例えば、パターン形成装置120)が行う。
【0060】
次に、ステップS304に表した工程では、調整を行うか否かを判断する。例えば、パターン形成装置120の使用者が調整を行う旨の指示をパターン形成装置120に与えた場合、この指示を受けた場合には調整を行うとしてステップS305へ進む。一方、調整を行わない旨の指示を受けた場合、または警告後、所定時間を経過しても指示を受け付けなかった場合、処理を終了する。
【0061】
ステップS306に表した工程では、パターン310の形成条件の調整を実行する。ステップS306の工程で調整を行った後、ステップS301へ戻り、力の分布の計算を再度行う。力の分布が許容範囲に入っていない場合には、ステップS303、ステップS304、ステップS305、ステップS301、ステップS302を繰り返す。力の分布が許容範囲に入っている場合はステップS306へ進み、調整した形成条件によって、テンプレート200によるパターンの転写を行う。
【0062】
このようなパターン形成方法によって、力の分布が、予め設定された許容範囲に入らない場合には警告が行われ、調整を行う指示を受けた場合のみ、パターン310の形成条件の調整を行う。これにより、不要な調整を行わずに済む。また、必要な場合には調整を行ったのち、テンプレート200によるパターン転写を行う。この方法によって形成されたパターン310は、予め設定された許容範囲に入ることになる。
【0063】
なお、図7のフローチャートに表したパターン形成方法では、ステップS303の警告を行った後、ステップS304で調整をするか否かの判断を行っているが、警告を行って処理を終了するようにしてもよい。
以上、力の分布に基づいた判断の手法について述べたが、形成されるパターンの、所望パターンからの剥離量や変形量に基づいて同様に判断してもよい。
【0064】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係るパターン形成方法を例示するフローチャートである。
実施形態に係るパターン形成方法は、力の分布の計算(ステップS401)、許容範囲内か否かの判断(ステップS402)、レイアウト修正(ステップS403)を備える。
【0065】
ステップS401に表した工程では、図4(a)〜(c)に表した例と同様に、チップレイアウトCLからテンプレート200の離型時の力の分布DIS2を計算する。
【0066】
ステップS402に表したように工程では、力の分布DIS2が、予め設定された許容範囲に入るか否かを判断する。
【0067】
ステップS402で、許容範囲に入ると判断された場合、力の分布の計算を行ったテンプレート200によるパターン310の形成へ進む。
【0068】
一方、ステップS402で、許容範囲に入らないと判断された場合、ステップS403へ進む。ステップS403に表した工程では、パターン310の設計情報を変更する。すなわち、パターン310のレイアウトを変更する。
【0069】
ここで、パターン310の設計情報を調整するための項目の例について説明する。
図9(a)〜(d)は、パターンブロックの位置を変更する例を示す模式図である。
パターンブロックとは、所定の機能を有するパターンの集合領域である。
図9(a)では、チップレイアウトCL1が例示されている。設計情報の調整にあたり、先ず、このチップレイアウトCL1の中で、回路の重要性などの観点から高い成形精度が要求されるパターンブロックPB1の位置を認識する。
【0070】
次いで、図9(b)に表した力の分布DIS2から、力の急変する箇所CP1を認識する。設計情報の調整では、パターンブロックPB1の位置が、力の急変する箇所CP1の近傍にある場合に、パターンブロックPB1を力の急変する箇所CP1から離すようにレイアウトを変更する。
【0071】
図9(c)では、パターンブロックPB1のレイアウトを変更した後のチップレイアウトCL2を例示している。チップレイアウトCL2では、図9(d)に表した力の分布DIS2の中で、力の急変しない箇所CP2にパターンブロックPB1を移動している。
【0072】
このチップレイアウトCL2によれば、例えば重要性の高い回路を有するパターンブロックPB1が、テンプレート200の離型時に力の均一性の高い位置にレイアウトされるため、パターンブロックPB1が精度良く形成される。
【0073】
例えば、図9(a)に表したように、パターンブロックPB1が、力の分布DIS2における力の急変する箇所CP1の近傍に配置されている場合、このチップレイアウトCL1のままでテンプレート200を用いたパターン形成を行った際のパターンの変形度合いを予測する。さらに、デバイスの性能に及ぼす影響を予測してもよい。
そして、ステップS202に表した工程では、パターンの変形度合いや、デバイスの性能に及ぼす影響が、予め設定された許容範囲に入るか否かを判断する。
【0074】
この許容範囲に入るか否かの判断基準には、次のようなものが挙げられる。
(1)メモリデバイスにおける周辺回路やヒューズ回路など、冗長性回路(リダンダンシ(redundancy)回路)による救済ができない領域において、欠陥確率が所定の値以上になる場合、許容範囲に入らないと判断する。
(2)メモリデバイスにおいて、冗長性回路による救済を上回る欠陥確率となる場合、許容範囲に入らないと判断する。
(3)メモリデバイスにおけるメモリセルアレイなど、寸法ばらつきが回路動作に多大な影響を及ぼす回路において、寸法ばらつきが所定の範囲を上回る場合、許容範囲に入らないと判断する。
(4)ロジックデバイスにおけるクリティカルパスなど、回路の特性上、厳格な寸法精度が必要な箇所において、寸法ばらつきが所定の範囲以上になる場合、許容範囲に入らないと判断する。
なお、上記(1)〜(4)は一例であり、これら以外の判断基準を適用してもよい。
【0075】
図10(a)〜(f)は、パターンの修正例について例示する模式的平面図である。
図10(a)は、変更前のパターン310Aを例示している。一例として、パターン310Aは、ラインL及びスペースSを有する。パターン310AのラインLの幅はd1、スペースSの幅はd2、ラインLのピッチはp1である。
【0076】
パターン310Aの設計情報の変更では、力の分布を均一化させるための変更、及びテンプレート200の離型時に加わる力への対抗力を増すための変更、のいずれかを目的とする。
図10(b)に表したパターン310Bでは、ラインLの幅d1’が、図10(a)に表したパターン310AのラインLの幅d1よりも太い。
一般に、ラインLの幅が太くなると、テンプレート200の解像度は向上する一方、紫外線光UVの照射による樹脂320の硬化収縮における歪みや変形が大きくなる。
【0077】
図10(c)に表したパターン310Cでは、ラインLのピッチp1’が、図10(a)に表したパターン310AのラインLのピッチp1よりも広い。ラインLの幅d1は同じである。
一般に、ラインLのピッチが広くなると、テンプレート200を離型する際の力が緩和される。
【0078】
図10(d)に表したパターン310Dでは、ラインLの幅d10とスペースSの幅d20との比率が、図10(a)に表したパターン310AのラインLの幅d1とスペースSの幅d2との比率と相違している。
一般に、スペースSの幅に対するラインLの幅の割合に依存して、パターン310Dの解像性や樹脂320の未充填欠陥の発生率、または紫外線光UVの照射による樹脂320の硬化収縮におけるラインLの歪みや変形量が変化する。
【0079】
図10(e)に表したパターン310Eでは、ラインL’の周囲長が、図10(a)に表したパターン310AのラインLの周囲長よりも長い。
一般に、ラインL’の周囲長が長いほど、テンプレート200とパターンL’との間の摩擦が大きくなり、テンプレート200の離型時に加わる力への対抗力が増す。
【0080】
図10(f)に表したパターン310Fでは、ラインL及びスペースSの伸びる方向が、図10(a)に表したパターン310AのラインL及びスペースSの伸びる方向と相違する。
テンプレート200を離型する際、テンプレート200と被転写物との分離位置が一定の方向(離型方向)に進む場合がある。
一般に、離型方向とパターン310Fの伸びる方向、パターン310Fの形状及び大きさに依存して、テンプレート200を離型する際の応力のかかる方向が変化する。
【0081】
このように、パターン310Aの設計情報を調整することによって、力の分布を均一化させるための変更、及びテンプレート200の離型時に加わる力への対抗力を増すための変更、のいずれかを行う。これにより、設計変更後のパターン310に対応した新たなテンプレート200を作成して、このテンプレート200によるパターン形成を行う。これにより、テンプレート200の離型時に発生しやすいパターン310の欠けや倒れが抑制され、パターン形成の歩留まりが向上する。
【0082】
図11は、第4の実施形態に係るパターン形成方法を例示するフローチャートである。
実施形態に係るパターン形成方法は、力の分布の計算(ステップS501)、第1の許容範囲内か否かの判断(ステップS502)、設計情報の調整(ステップS503)、第2の許容範囲内か否かの判断(ステップS504)、形成条件の調整(ステップS505)、テンプレートの作成(ステップS506)、パターン転写(ステップS507)を備える。これらのステップに示す処理は、例えばパターン形成装置120によって行われる。
【0083】
ステップS501に表した工程では、図4(a)〜(c)に表した例と同様に、チップレイアウトCLからテンプレート200の離型時の力の分布DIS2を計算する。
【0084】
ステップS502に表した工程では、力の分布が、予め設定された第1の許容範囲に入るか否かを判断する。力の分布が第1の許容範囲に入ると判断された場合、ステップS504へ進む。一方、力の分布が第1の許容範囲に入らないと判断された場合、ステップS503へ進む。ステップS503に表した工程では、パターン310の設計情報を調整する。
【0085】
ステップS503の工程で調整を行った後、ステップS501へ戻り、力の分布の計算を再度行う。力の分布が第1の許容範囲に入っていない場合には、ステップS503、ステップS501、ステップS502を繰り返す。力の分布が第1の許容範囲に入っている場合はステップS504へ進む。
【0086】
ステップS504に表した工程では、力の分布が、予め設定された第2の許容範囲に入るか否かを判断する。力の分布が第2の許容範囲に入ると判断された場合、ステップS507へ進む。一方、力の分布が第2の許容範囲に入らないと判断された場合、ステップS505へ進む。ステップS505に表した工程では、パターン310の形成条件を調整する。
【0087】
ステップS505の工程で調整を行った後、ステップS501へ戻り、力の分布の計算を再度行う。力の分布が第1の許容範囲に入っていない場合には、ステップS503、ステップS501、ステップS502を繰り返す。力の分布が第2の許容範囲に入っていない場合には、ステップS505、ステップS501、ステップS504を繰り返す。力の分布が第1の許容範囲及び第2の許容範囲の両方に入っている場合はステップS506へ進む。
【0088】
ステップS506の工程では、ステップS503で調整したパターン310の設計情報に基づき、調整後のパターン310に対応したテンプレート200を作成する。次に、ステップS507に表した工程では、ステップS506で作成したテンプレート200を用い、ステップS505で調整した形成条件によって、テンプレート200によるパターンの転写を行う。
【0089】
このようなパターン形成方法によって、力の分布が、予め設定された第1の許容範囲及び第2の許容範囲に入るように、パターン310の設計情報及びパターン310の形成条件が調整される。この形成方法により、パターン310の設計情報及びパターン310の形成条件の調整によって、精度の高いパターン310が歩留まり良く形成される。
【0090】
(第5の実施形態)
次に、実施形態に係るパターン形成用プログラムの例を説明する。
図12(a)〜(b)は、実施形態に係るプログラムが実行されるコンピュータを説明する図である。
図12(a)は、コンピュータの構成例を示すブロック図である。
図12(b)は、実施形態に係るテンプレートの製造プログラムの機能を説明するブロック図である。
図13は、実施形態に係るプログラムの処理の流れを例示するフローチャートである。
【0091】
図12(a)に表したように、コンピュータ800は、中央演算部801、記憶部802、入力部803及び出力部804を備える。中央演算部801は、実施形態に係るパターン形成用プログラムを実行する部分である。記憶部802は、実行するパターン形成用プログラム等の情報を一時格納するRAM(Random Access Memory)のほか、ROM(Read Only Memory)や、HDD(Hard disk drive)、半導体メモリドライブ等の記憶装置を含む。
【0092】
入力部803は、キーボード、ポインティングデバイスのほか、ネットワーク等を介した外部の機器から情報を入力するインタフェースを含む。出力部804は、ディスプレイのほか、外部の機器へ情報を出力するインタフェースを含む。
【0093】
図12(b)に表したように、実施形態に係るパターン形成用プログラム900は、コンピュータ800(図12(a)参照)を、計算手段901、調整手段902及び出力手段903として機能させるものである。パターン形成用プログラム900が実行されるコンピュータ800は、例えばパターン設計支援システムとして機能する。
【0094】
計算手段901は、テンプレート200を被転写物から離型する際にパターン310に加わる力の分布を計算する処理を行う(図13のステップS601)。具体的には、計算手段901は、コンピュータ800の入力部803を用いて力の分布の計算に必要なパラメータD1を取得し、中央演算部801によって、取得したパラメータD1を用いた力の分布の計算を行う。
【0095】
調整手段902は、計算手段901で計算した力の分布を均一に近づけるためのパターン310の形成条件及びパターン310の設計情報の少なくともいずれかを調整する処理を行う(図13のステップS602)。具体的には、調整手段902は、コンピュータ800の中央演算部801を用いて、パターン310の形成条件及びパターン310の設計情報の少なくともいずれかを調整する。
【0096】
出力手段903は、調整手段902で調整した後のパターン310の形成条件及びパターン310の設計情報の少なくともいずれか(情報D2a、D2b、…)を外部に出力する処理を行う(図13のステップS603)。具体的には、出力手段903は、コンピュータ800の中央演算部801で調整したパターン310の形成条件(情報D2a)及びパターン310の設計情報(D2b)の少なくともいずれかを、コンピュータ800の出力部804から外部の装置(パターン形成装置MC1、テンプレート形成装置MC2、データベース、その他の装置)へ出力する。
【0097】
例えば、パターン形成装置MC1は、コンピュータ800から出力されたパターン310の形成条件(情報D2a)によって、テンプレート200を用いたパターン転写を行う。パターン形成装置MC1には、樹脂320を塗布する装置、テンプレート200を押印する装置など、インプリント法によってパターンを形成するための各種の装置や、これらの少なくとも1つを含む装置が含まれる。
【0098】
また、テンプレート形成装置MC2は、コンピュータ800から出力されたパターン310の設計情報(情報D2b)によって、テンプレート200を作成する。テンプレート形成装置MC2には、電子ビーム描画装置、エッチング装置など、テンプレート200を形成するための各種の装置や、これらの少なくとも1つを含む装置が含まれる。このテンプレート200によるパターンの形成を行うことで、歩留まりが向上する。
【0099】
実施形態に係るパターン形成用プログラムは、上記のようにコンピュータで実行される態様により実施可能である。その他、実施形態に係るパターン形成用プログラムは、所定の記憶媒体に記憶される態様でも実施可能である。また、実施形態に係るパターン形成用プログラムは、ネットワークを介して配信される態様でも実施可能である。
【0100】
以上説明したように、実施形態によれば、歩留まりよくパターンを形成することができるパターン形成装置、パターン形成方法及びパターン形成用プログラムを提供することができる。
【0101】
なお、上記に本実施の形態およびその変形例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、前述の各実施の形態またはその変形例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施の形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
10…計算部、20…調整部、30…転写部、40…判断部、110,120…パターン形成装置、200…テンプレート、210…凹凸部、310,310A〜310F…パターン、320…樹脂、800…コンピュータ、801…中央演算部、802…記憶部、803…入力部、804…出力部、900…製造プログラム、901…計算手段、902…調整手段、903…出力手段、BK…ブロック、CL,CL1,CL2…チップレイアウト、CP1…箇所、CP2…箇所、D1…パラメータ、D2…情報、DIS1…分布
DIS2…分布、DIS3…分布、DIS4…分布、L…ライン、NZ…ノズル、PB1…パターンブロック、S…スペース、W…基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹凸部を有するテンプレートを被転写物に押印し、前記凹凸部の形状が転写されたパターンを形成するパターン形成装置であって、
前記被転写物に押印した前記テンプレートを前記被転写物から離型する際に前記パターンに加わる力の分布を前記パターンの設計情報を用いて計算する計算部と、
前記計算部で計算した前記力の分布を均一に近づけるための前記パターンの形成条件の調整を実行する調整部と、
前記調整部で調整した前記形成条件により前記凹凸部の形状を前記被転写物に転写する転写部と、
を備えたパターン形成装置。
【請求項2】
前記計算部は、前記パターンに加わる応力及び前記パターンと前記テンプレートとの間の摩擦力のうち少なくともいずれかの分布を計算する請求項1記載のパターン形成装置。
【請求項3】
前記計算部は、前記凹凸部が接する前記被転写物の領域を複数のブロックに分割して、前記複数のブロックごとに前記力を計算し、
前記調整部は、前記複数のブロックごとに前記形成条件の調整を実行する請求項1または2に記載のパターン形成装置。
【請求項4】
前記計算部は、前記パターンの設計情報に加え、前記凹凸部の設計情報により前記力の分布を計算する請求項1〜3のいずれか1つに記載のパターン形成装置。
【請求項5】
前記計算部で計算した前記力の分布が、予め設定された許容範囲に入るか否かを判断する判断部をさらに備え、
前記判断部で前記許容範囲に入ると判断された場合、前記調整部は前記調整を行わず、前記判断部で前記許容範囲内に入らないと判断された場合、前記調整部は前記調整を行う請求項1〜4のいずれか1つに記載のパターン形成装置。
【請求項6】
凹凸部を有するテンプレートを被転写物に押印し、前記凹凸部の形状が転写されたパターンを形成するパターン形成方法であって、
前記被転写物に押印した前記テンプレートを前記被転写物から離型する際に前記パターンに加わる力の分布を前記パターンの設計情報を用いて計算する工程と、
前記力の分布を均一に近づけるための前記パターンの形成条件の調整を実行する工程と、
前記調整した後の前記形成条件により前記凹凸部の形状を前記被転写物に転写する工程と、
を備えたパターン形成方法。
【請求項7】
凹凸部を有するテンプレートを被転写物に押印し、前記凹凸部の形状が転写されたパターンを形成するパターン形成方法であって、
前記被転写物に押印した前記テンプレートを前記被転写物から離型する際に前記パターンに加わる力の分布を前記パターンの設計情報を用いて計算する工程と、
前記力の分布に応じて前記設計情報を変更する工程と、
変更した前記設計情報により前記凹凸部の形状を前記被転写物に転写する工程と、
を備えたパターン形成方法。
【請求項8】
前記力の分布を計算する工程では、前記パターンに加わる応力及び前記パターンと前記テンプレートとの間の摩擦力のうち少なくともいずれかの分布を計算する請求項6または7に記載のパターン形成方法。
【請求項9】
前記力の分布を形成する工程では、前記凹凸部が接する前記被転写物の領域を複数のブロックに分割して、前記複数のブロックごとに前記力を計算し、
前記形成条件の調整を実行する工程では、前記複数のブロックごとに前記形成条件の調整を実行する請求項6記載のパターン形成方法。
【請求項10】
前記力の分布を計算する工程では、前記パターンの設計情報に加え、前記凹凸部の設計情報により前記力の分布を計算する請求項6〜9のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
【請求項11】
凹凸部を有するテンプレートを被転写物に押印し、前記凹凸部の形状が転写されたパターンを形成するためのパターン形成用プログラムであって、
コンピュータを、
前記被転写物に押印した前記テンプレートを前記被転写物から離型する際に前記パターンに加わる力の分布を前記パターンの設計情報を用いて計算する計算手段、
前記力の分布を均一に近づけるための前記パターンの形成条件の調整を実行する調整手段、
前記調整した後の前記形成条件を出力する出力手段、
として機能させるパターン形成用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−69789(P2013−69789A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206390(P2011−206390)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】