パチンコ台遊技機の出玉計数装置
【課題】不正防止のサポートをするパチンコ台遊技機の出玉計数装置を提供する。
【解決手段】パチンコ玉が通過する複数の各レーン20,22と、通過するパチンコ玉を検知するセンサ10,12と、センサ10,12の検知信号を受信して各レーン20,22を通過したパチンコ玉数を計数する計数手段30と、あらかじめ定められた乖離値とを記憶する記憶手段50と、各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数を各レーン毎に演算し、演算された各レーン20,22ごとのパチンコ玉数の差分を演算する演算手段40と、演算された各レーン20,22を一定の時間内に通過したパチンコ玉数の差分があらかじめ定められた乖離値を超えて乖離している場合に、警告信号を発する警告信号発生手段60と、を備えたパチンコ台遊技機Pの出玉計数装置1。
【解決手段】パチンコ玉が通過する複数の各レーン20,22と、通過するパチンコ玉を検知するセンサ10,12と、センサ10,12の検知信号を受信して各レーン20,22を通過したパチンコ玉数を計数する計数手段30と、あらかじめ定められた乖離値とを記憶する記憶手段50と、各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数を各レーン毎に演算し、演算された各レーン20,22ごとのパチンコ玉数の差分を演算する演算手段40と、演算された各レーン20,22を一定の時間内に通過したパチンコ玉数の差分があらかじめ定められた乖離値を超えて乖離している場合に、警告信号を発する警告信号発生手段60と、を備えたパチンコ台遊技機Pの出玉計数装置1。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ玉を管理するパチンコ台遊技機の出玉計数装置に関し、特に、不正防止対策を強化したパチンコ出玉計数機能を備えたパチンコ台遊技機の出玉計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、パチンコホールにおいて、遊技客は、ホールまたは島毎に設置された玉貸し機からパチンコ玉の貸し出しを受けていた。また、遊技客が獲得したパチンコ玉は、パチンコゲーム機の位置で玉箱に貯留しておき、そのパチンコゲーム機におけるパチンコ遊技を終了すると貯留された玉箱を、ホール内の景品交換カウンタに設置された玉数計数器まで持参し、従業員が集中して計数することが多かった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、これでは獲得したパチンコ玉を比較的長い距離運搬する必要があった。特に多量の獲得パチンコ玉がある場合には遊技客にとって大きな負担となるおそれがあった。このような負担を軽減するために、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数する玉計数器をパチンコゲーム機に近接して設置する提案がなされている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、玉貸手段と遊技客の獲得パチンコ玉の計数動作を行う玉計数器とをそれぞれパチンコゲーム機と1対1に対応させた状態で設置すると共に、その玉計数器により一旦計数したパチンコ玉を玉貸手段を通じて放出可能としたパチンコゲーム機管理装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
このように、玉計数器をパチンコゲーム機と1対1で対応させて設置した場合は、従業員の目の届かないところで計数されるために不正に計数されるおそれが高い。パチンコ玉に類似の玉を数珠状に繋いだ不正具を使用し、玉計数を増やす不正行為を防止するために、逆方向には回転不可に構成された、不正具の使用を防止する不正防止用爪を設ける提案もなされている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−325955号公報
【特許文献2】特開平2−261484号公報
【特許文献3】特開平6−261980号公報
【特許文献4】特開平10−249047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、不正電波・磁界等又はパチンコ玉に類似の玉を数珠状に繋いだ不正具による不正が行われた場合には、有効に防止することができない。
【0008】
本発明は、パチンコ台遊技機と1対1に対応させた状態で設置された出玉計数装置において、不正行為が行われた可能性の高い場合に警告信号を発信して不正防止の援助をするパチンコ台遊技機の出玉計数装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、パチンコゲーム機と1対1に対応させた状態で設置されたパチンコ台遊技機の出玉計数装置における具体的なケースを想定して警告信号を発することが有効な点に着目して、本発明を完成するに至った。
【0010】
(1)パチンコ玉が通過する1つ以上のレーンと、前記レーンに設置され、通過するパチンコ玉を検知するセンサと、前記センサの検知信号を受信して前記レーンを通過したパチンコ玉数を計数する計数手段と、計数したパチンコ玉数と、あらかじめ定められた閾値と、を記憶する記憶手段と、一定時間あたりに通過したパチンコ玉数を演算し、前記記憶手段より読み出したあらかじめ定められた閾値と比較する演算手段と、演算されたパチンコ玉数があらかじめ定められた閾値を超えている場合に警告信号を発する警告信号発生手段と、を備えたパチンコ台遊技機の出玉計数装置。
【0011】
(1)の記載によるパチンコ台遊技機の出玉計数装置の発明は、パチンコ玉が通過する1つ以上のレーンがある。そのレーンには、通過するパチンコ玉を検知するセンサが設置されている。そのセンサの検知信号を受信してレーンを通過したパチンコ玉数を計数手段により計数する。計数したパチンコ玉数を記憶手段に記憶する。また、記憶手段にはあらかじめ定められた閾値が記憶されている。そして、演算手段は一定時間あたりに通過したパチンコ玉数を演算し、記憶手段より読み出したあらかじめ定められた閾値と比較する。演算されたパチンコ玉数があらかじめ定められた閾値を超えている場合に警告信号発生手段により警告信号を発する。
【0012】
パチンコ台遊技機の出玉計数装置では、パチンコ台遊技機の台間などの狭い空間に密接して設置できるように設計されている。したがって、レーンの数は制限されて多くても数レーンである。このレーンをパチンコ玉が通過する速度は一定の値に制限される。
【0013】
したがって、パチンコ台遊技機の出玉計数装置に対応したあらかじめ定められた閾値を超えて計数された場合は、警告信号発生手段により警告信号を発する。警告信号は、ホール内に設置された、例えば、LANなどの通信回線により通信され施設管理システムのサーバに送信される。警告信号を受けた施設管理システムのサーバは表示装置に、警告信号を発生したパチンコ台遊技機の出玉計数装置の位置と警告を表示する。表示を見た従業員は、その装置で不正行為が行われている場合は、監視カメラなどにより証拠資料を作成すると共に、不正行為を止めさせることができる。
【0014】
あらかじめ定めた閾値とは、パチンコ台遊技機の出玉計数装置の最大計数能力に計数誤差を加えて値で通常の状態ではありえない値である。例えば、出玉計数装置の最大計数能力が200個である場合に100個を加えた値である300個である。また、このあらかじめ定めた閾値は日時によって変動させるように設定することがさらに望ましい。
【0015】
(2)パチンコ玉が通過する複数の各レーンと、前記各レーンに設置され、通過するパチンコ玉を検知するセンサと、前記センサの検知信号を受信して前記各レーンを通過したパチンコ玉数を計数する計数手段と、あらかじめ定められた乖離値と、を記憶する記憶手段と、前記各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数を各レーン毎に演算し、演算された各レーンごとのパチンコ玉数の差分を演算する演算手段と、演算された各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数の差分があらかじめ定められた乖離値を超えて乖離している場合に、警告信号を発する警告信号発生手段と、を備えたパチンコ台遊技機の出玉計数装置。
【0016】
(2)の記載によるパチンコ台遊技機の出玉計数装置の発明は、パチンコ玉が通過する複数のレーンがある。その各レーンには、通過するパチンコ玉を検知するセンサが設置されている。その各センサの検知信号を受信して各レーンを通過したパチンコ玉数を計数手段により計数する。計数したパチンコ玉数を記憶手段に 記憶する。また、記憶手段にはあらかじめ定められた乖離値が記憶されている。そして、演算手段は各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数を各レーン毎に演算し、演算された各レーンごとのパチンコ玉数の差分と、を演算する。演算された各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数の差分があらかじめ定められた乖離値を超えて乖離している場合に、警告信号発生手段により警告信号を発する。
【0017】
複数のレーンでパチンコ玉が通過する計数値があらかじめ定められた乖離値を超えて異なる場合は、片方のレーンが詰まっているなどの故障も考えられる。または、パチンコ玉に類似の玉を数珠状に繋いだ不正具を使用し、玉計数を増やす不正行為を行っていることも考えられる。
【0018】
このように、各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数の差分があらかじめ定められた乖離値を超えて乖離している場合に、警告信号発生手段により警告信号を発する。警告信号は、ホール内に設置された、例えば、LANなどの通信回線により通信され施設管理システムのサーバに送信される。警告信号を受けた施設管理システムのサーバは表示装置に、警告信号を発生したパチンコ台遊技機の出玉計数装置の位置と警告を表示する。表示を見た従業員は、その装置で不正行為が行われている場合は、監視カメラなどにより証拠資料を作成すると共に、不正行為を止めさせることができる。また、故障の場合は、具体的に故障原因を追究して修理することができる。
【0019】
(3)パチンコ玉が通過する1つ以上のレーンと、前記レーンに設置され、通過するパチンコ玉を検知する複数のセンサと、前記複数のセンサの検知信号を受信して前記レーンを通過したパチンコ玉の通過方向を検出する通過方向検出手段と、あらかじめ正常なパチンコ玉の通過方向を記憶する記憶手段と、検出したパチンコ玉の通過方向が記憶手段に記憶されている通過方向と異なる場合に、警告信号を発する警告信号発生手段と、を備えたパチンコ台遊技機の出玉計数装置。
【0020】
(3)の記載によるパチンコ台遊技機の出玉計数装置の発明は、パチンコ玉が通過する1つ以上のレーンがある。そのレーンには、通過するパチンコ玉を検知する複数のセンサが設置されている。その複数のセンサの検知信号を受信してレーンを通過するパチンコ玉と通過方法を通過方法検出手段により検出する。また、記憶手段にはあらかじめ正常にパチンコ玉が通過した場合のセンサの検出データが記憶されている。そして、検出したパチンコ玉の通過方向が記憶手段に記憶されているセンサの検出データによる通過方向と異なる場合に、警告信号発生手段により警告信号を発する。
【0021】
このように、検出したパチンコ玉の通過方向が記憶手段に記憶されている通過方向と異なる場合に、警告信号発生手段により警告信号を発する。警告信号は、上記の発明と同様に、ホール内に設置された、例えば、LANなどの通信回線により通信され施設管理システムのサーバに送信される。警告信号を受けた施設管理システムのサーバは表示装置に、警告信号を発生したパチンコ台遊技機の出玉計数装置の位置と警告を表示する。表示を見た従業員は、その装置で不正行為が行われている場合は、監視カメラなどにより証拠資料を作成すると共に、不正行為をやめさせることができる。また、故障の場合は、具体的に故障原因を追究して修理することができる。
【0022】
通過方法検出手段は、1つのレーンに設置された複数のセンサの検出順序の前後を比較することにより検出することが望ましい。センサは光学的に検出するセンサが望ましいが、他の電磁気による方法をとることもできる。
【0023】
(4)パチンコ玉が通過する1つ以上のレーンと、前記レーンに設置され、通過するパチンコ玉を検知するセンサと、前記センサの検知信号を受信して前記レーンを通過したパチンコ玉数を計数する計数手段と、計数したパチンコ玉数と、あらかじめ定められた閾値時間と、あらかじめ定められた第2の閾値と、を記憶する記憶手段と、遊技機の特賞状態の発生時における発生時刻と特賞状態継続時間とを遊技機又は施設管理システムのサーバより取得する特賞情報取得手段と、前記特賞情報取得手段により取得した発生時刻から特賞状態継続時間と、記憶手段に記憶されているあらかじめ定められた閾値時間を加えた時刻を経過しても、前記レーンを、あらかじめ定められた第2の閾値を超えるパチンコ玉数が通過する場合に、警告信号を発する警告信号発生手段と、を備えたパチンコ玉計数装置。
【0024】
(4)の記載によるパチンコ台遊技機の出玉計数装置の発明は、パチンコ台遊技機で特賞が出た場合に不正行為が防止できることを目的としたものである。特賞が出た場合には、大量のパチンコ玉を計数する必要があるが、特賞期間はパチンコ台毎に決まっている。特賞状態継続時間(特賞期間)にあらかじめ定められた時間を加えた閾値時間を経過しても、レーンを、あらかじめ定められた第2の閾値を超えるパチンコ玉数が通過する場合には、例えば電波などによる不正が行われた為と推定される。そこで、警告信号発生手段60により警告信号を発する。
【0025】
このようにして、特賞期間経過後に不正電波・磁界等による不正が行われた場合にも、有効に防止することができる。なお、あらかじめ定められた第2の閾値は、不正を行う者に知られるとそれを下回る値で不正を行われることがあるので、適切な日時に変動させることが望ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、パチンコ台遊技機の出玉計数装置において、不正行為のおそれがある場合、出玉計数装置が誤動作した場合に、警告信号を発することができ、適切に不正行為を防ぐことをサポートすることができる。また、出玉計数装置が誤動作した場合にも警告信号により、早急に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るパチンコ台遊技機の出玉計数装置の概略ブロック図である。
【図2】パチンコ台遊技機の出玉計数装置の基板のブロック図である。
【図3】本発明に係るパチンコ台遊技機の出玉計数装置をホールにて接続した場合のシステム図である。
【図4】本発明のパチンコ台遊技機の出玉計数装置の警告信号発生の動作を示すブロック図である。
【図5】本発明のパチンコ台遊技機の出玉計数装置の警告信号発生の別の動作を示すブロック図である。
【図6】本発明の別の実施例であるパチンコ台遊技機の出玉計数装置500の概略ブロック図である。
【図7】センサの配置と通過方向検出手段によるレーンを通過するパチンコ玉の通過方向を検出する原理を説明する図である。
【図8】本発明のパチンコ台遊技機の出玉計数装置500の警告信号発生の動作を示すブロック図である。
【図9】本発明の別の実施例であるパチンコ台遊技機の出玉計数装置1000の概略ブロック図である。
【図10】本発明のパチンコ台遊技機の出玉計数装置1000の警告信号発生の動作を示すブロック図である。
【図11】特賞情報取得手段について特賞情報の取得手段を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
<第1の実施例>
【0029】
図1は本発明に係るパチンコ台遊技機の出玉計数装置の概略ブロック図であり、図2は、パチンコ台遊技機の出玉計数装置の基板のブロック図である。図3は、本発明に係るパチンコ台遊技機の出玉計数装置をホールにて接続した場合のシステム図である。図4は、本発明のパチンコ台遊技機の出玉計数装置の警告信号発生の動作を示すブロック図である。
【0030】
本発明に係るパチンコ台遊技機の出玉計数装置1は、図1に示すように、パチンコ台遊技機Pの側方(通常は、隣接するパチンコ台遊技機の間)には台側玉貸機S(一般的に「台間サンド」等と呼ばれている)が設置されている。台側玉貸機Sの前面には、硬貨投入口、ICカード挿入口、パチンコ玉をパチンコ台遊技機の上皿P2に供給する玉供給ノズルS1、各種表示ランプ、各種表示器、各種操作ボタン等が設けられている。上皿P2は、パチンコ台遊技機Pに供給するパチンコ玉を一時的に貯留する皿である。
【0031】
図1に示すように、台側玉貸機Sの下方には、パチンコ玉を回収する玉回収部Rが、台側玉貸機Sと一体的に設置されている。玉回収部Rの前面には、出玉計数装置1における回収部連結部4が連結される連結開口部2が設けられている。第1実施例の出玉計数装置は、図1に示すように、パチンコ台遊技機Pの下皿P1とカウンターQの上面との間に配設される玉受け部2と、パチンコ台遊技機Pの側方に設置された玉回収部Rに連結される回収部連結部4と、下皿P1から落下して玉受け部2に受け取られたパチンコ玉を回収部連結部4に案内する玉案内部3と、玉回収部Rに回収されるパチンコ玉を計数する玉計数ユニット(図示せず)とを備えている。
【0032】
下皿P1は、パチンコ台遊技機Pから排出された当たり玉(出玉)を一時的に貯留する皿である。下皿P1は、その底面にシャッター(図示せず)を備えており、該シャッターを開放することにより、下皿P1に貯留されているパチンコ玉を、下皿P1の下方に配設された玉受け部2に落下させることができるようになっている。
【0033】
玉受け部2から玉案内部3の内部には、図1に示すようにパチンコ玉が通過する2つのレーン20とレーン22が設けられており、各レーンには、通過するパチンコ玉を検知するセンサ10とセンサ12とが設置されている。出玉計数装置1には、図2に示すような電子回路で構成された基板100と内蔵されたソフトウエアにより、センサの検知信号を受信してレーン20等を通過したパチンコ玉数を計数する計数手段30と、計数したパチンコ玉数と、あらかじめ定められた閾値と、を記憶する記憶手段50と、一定時間あたりに通過したパチンコ玉数を演算し、記憶手段50より読み出したあらかじめ定められた閾値と比較する演算手段40と、演算されたパチンコ玉数があらかじめ定められた閾値を超えている場合に警告信号を発する警告信号発生手段60と、が有る。
【0034】
基板100には、図2に示すように、マイクロプロセッサ(CPU)110と、センサ10とセンサ12に接続される出玉計数用端子120と、記憶手段50を構成するEEPROM130と、パチンコ台遊技機の番号を合わせるロータリースイッチ140と、接点入力と分岐出力端子150と、タッチパネルデスプレイ端子160と、出玉感表示ユニット172に接続される端子170と、持ち玉表示基板182に接続される端子180と、ホール内の通信回線に接続される端子190とが有り、図2に示すように接続されている。
【0035】
パチンコ台遊技機Pと出玉計数装置1とは、図3の1例に示すように、隣接する同士で番号をロータリースイッチ140でセットして、施設管理システムのサーバ200に接続される。施設管理システムのサーバ200は、メインサーバ210と、管理端末220と管理端末222と、LANサーバ230と、LANサーバ232等が接続されている。また、出玉計数装置1は有限責任中間法人電子認証システム協議会の認証協会用のサーバ300に接続されている。認証協会用のサーバにはメインサーバ310と、高額サーバ320と、会員カード受付機330と、預金返却機340と、島中継器350に接続されている。
【0036】
このような構成の出玉計数装置1の不正防止対策を強化したパチンコ出玉計数機能について、図4を参照して説明をする。このサブルーチンソフトが開始する、当該時点のパチンコ玉計数値Bを記憶手段50に記憶する(S110)。そして、単位時間待つ(S120)。単位時間は、出玉計数装置1の設計にもよるが、例えば10秒とすることができる。図1で説明したように、パチンコ玉が通過する2つのレーン20と22に、通過するパチンコ玉を検知するセンサ10と12が設けられている。
【0037】
センサ10と12の検知信号を受信してレーン20と22を通過したパチンコ玉数を計数手段30により計数する(S130)。計数したパチンコ玉数値Aを記憶手段50に記憶する(S140)。さらに、あらかじめ定められ記憶手段50に記憶されている閾値Cと、前回パチンコ玉計数値Bと、を読み出す(S140)。
【0038】
次に、演算手段40により、パチンコ玉数値Aより前回パチンコ玉計数値Bを引き算して、一定時間あたりに通過したパチンコ玉数を演算する(S150)。そして、記憶手段50より読み出したあらかじめ定められた閾値Cと比較する(S150)。演算されたパチンコ玉数があらかじめ定められた閾値Cを超えている場合に警告信号発生手段60により警告信号を発する(S160)。
【0039】
演算されたパチンコ玉数があらかじめ定められた閾値Cを超えていない場合(NO)は、今回計数したパチンコ玉数値Aをパチンコ玉計数値Bとして記憶手段50に記憶する(S170)。このようにするのは、パチンコ台遊技機Pの出玉計数装置1では、不正な改造その他の変更を防止するために、「風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律」の規定に基づき「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」により、データの記憶容量が3KBに制限されているからである。
【0040】
そして、停止信号のありかなしかをチェックする(S180)。ありの場合は終了し、なしの場合は図4に示すように単位時間待ち(S120)にもどる。
【0041】
本実施例1の2レーンの出玉計数装置1の場合は、最大でも10秒あたり200個程度の計数が限度である。ここで、あらかじめ定められた閾値を300とする。10秒あたり300を超えたパチンコ玉数が計数されることはありえない。そこで、このような値が計数される場合は、例えば、電波などによる不正が行われたためと推定される。そこで、警告信号発生手段60により警告信号を発する。
【0042】
警告信号は、通信回線を経由して施設管理システムのサーバ210に伝えられ、管理端末220等に何処のパチンコ台遊技機の出玉計数装置で不正が行われているおそれがあると表示することができる。表示を見たホールの従業員は、テレビカメラで証拠の映像を撮影すると共に、警告信号の発信された出玉計数装置に行 き、確認すると共に対応する措置をとることができる。
【0043】
このようにして、不正電波・磁界等による不正が行われた場合にも、有効に防止することができる。なお、あらかじめ定められた閾値は、不正を行う者に知られるとそれを下回る値で、不正を行われることがあるので、適切な時間で変動させることが望ましい。
<第2の実施例>
【0044】
第2の実施例は、複数のレーンをもつパチンコ台遊技機Pの出玉計数装置1において、各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数の差分があらかじめ定められた乖離値以上に乖離した場合に、警告信号発生手段60により警告信号を発するものである。あらかじめ定められた乖離値以上に乖離した場合は、一方のレーンで玉が詰まっている場合もあるし、または、数珠状の不正具で不正が行われる場合もある。
【0045】
第2の実施例は、ハードウエアの構成は、第1の実施例と同一であり、内蔵するソフトウエアの該当する部分のみが異なる。以下、図5を参照して説明をする。図1で説明したように、パチンコ玉が通過する2つのレーン20と22に、通過するパチンコ玉を検知するセンサ10と12が設けられている。
【0046】
センサ10と12の検知信号を受信してレーン20と22を通過したパチンコ玉数を個別に計数手段30により計数する(S210)。そして、あらかじめ定められ記憶手段50に記憶されている乖離値Dを読み出す(S220)。
【0047】
次に、演算手段40により、各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数を各レーン毎に演算する(S230)。演算は、第1の実施例と同様な方法で演算することができる。そして、演算手段40により、演算された各レーンごとのパチンコ玉数の差分Hを演算する(S240)。
【0048】
そして、記憶手段50より読み出したあらかじめ定められた乖離値Dと比較する(S250)。各レーンごとのパチンコ玉数の差分Hがあらかじめ定められた乖離値Dを超えて乖離している場合に警告信号発生手段60により警告信号を発する(S260)。
【0049】
各レーンごとのパチンコ玉数の差分Hがあらかじめ定められた乖離値Dを超えていない場合(NO)は、単位時間待つ(S270)。単位時間は、出玉計数装置の設計にもよるが、例えば10秒とすることができる。単位時間待った後、停止信号のありかをチェックする(S280)。ありの場合は終了し、なしの場合は図5に示すように各レーンの通過パチンコ玉数計数(S210)にもどる。
【0050】
複数のレーンでパチンコ玉が通過する計数値があらかじめ定められた乖離値を超えて異なる場合は、片方のレーンが詰まっているなどの故障も考えられる。または、パチンコ玉に類似の玉を数珠状に繋いだ不正具を使用し、玉計数を増やす不正行為を行っていることも考えられる。
【0051】
このように、各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数の差分があらかじめ定められた乖離値を超えて乖離している場合に、警告信号発生手段60により警告信号を発する。警告信号は、施設管理システムのサーバ210に伝えられ、管理端末220等に何処のパチンコ台遊技機の出玉計数装置で不正が行われているおそれがあると表示することができる。表示をみたホールに従業員は、テレビカメラで証拠の映像を撮影すると共に、警告信号の発信された出玉計数装置に行き、確認すると共に対応する措置をとることができる。
【0052】
表示を見た従業員は、その装置で不正行為が行われている場合は、監視カメラなどにより証拠資料を作成すると共に、不正行為をやめさせることができる。また、故障の場合は、具体的に故障原因を追究して修理することができる。
<第3の実施例>
【0053】
第3の実施例は通過するパチンコ玉を検知する複数のセンサをレーンに設置し、複数のセンサの検知信号を受信してレーンを通過するパチンコ玉の通過方向を通過方向検出手段により検出する。あらかじめ正常なパチンコ玉の通過方向を記憶手段に記憶する。検出したパチンコ玉の通過方向が記憶手段に記憶されている通過方向と異なる場合に、警告信号発生手段により警告信号を発するものである。
【0054】
図6は、本発明の別の実施例であるパチンコ台遊技機の出玉計数装置500の概略ブロック図であり、図7は、センサの配置と通過方向検出手段によるレーンを通過するパチンコ玉の通過方向を検出する原理を説明する図である。図8は、本発明のパチンコ台遊技機の出玉計数装置500の警告信号発生の動作を示すブロック図である。
【0055】
本発明の別の実施例であるパチンコ台遊技機の出玉計数装置500は、図6に示すように、図1で説明した、パチンコ台遊技機の出玉計数装置1にセンサ11とセンサ13をさらに設置したことと、通過方向検出手段70をさらに設けたことが異なる。
【0056】
以下、図6から図8を参照して説明をする。センサ10とセンサ11の検知信号を受信してレーン20を通過したパチンコ玉の通過方向を検出する通過方向検出手段70により検出する(S310)。また、センサ12とセンサ13の検知信号を受信してレーン20を通過したパチンコ玉の通過方向を検出する通過方向検出手段70により検出する(S310)。そして、あらかじめ定められ記憶手段50に記憶されている正常通過方向を読み出す(S320)。
【0057】
通過方法検出手段70の1例としては、図7に示すように、センサ10とセンサ11とをパチンコ玉の直径よりの狭い間隔でレーン20に設置する。図7に示すように、パチンコ玉が移動した場合にセンサ10とセンサ11がどちらが先にONになりどちらが先にOFFになるかで、正常方向に通過しているか否かを 検出することができる。そして、センサ10とセンサ11のONまたはOFFする順序を記憶手段50にパチンコ玉の正常通過方向としてあらかじめ記憶する。
【0058】
そして、記憶手段50より読み出したパチンコ玉の正常通過方向と比較する(S330)。各レーンのパチンコ玉の通過方向が正常でない場合(NO)に警告信号発生手段60により警告信号を発する(S340)。
【0059】
各レーンのパチンコ玉の通過方向が正常な場合(YES)は、単位時間待つ(S350)。単位時間は、出玉計数装置の設計にもよるが、例えば10秒とすることができる。単位時間待った後、停止信号のありかチックする(S360)。ありの場合は終了し、なしの場合は図8に示すように各レーンのパチンコ玉通過方向検出(S310)にもどる。
【0060】
このように、検出したパチンコ玉の通過方向が記憶手段50に記憶されている通過方向と異なる場合に、警告信号発生手段60により警告信号を発する。警告信号は、施設管理システムのサーバ210に伝えられ、管理端末220等に何処のパチンコ台遊技機の出玉計数装置で不正が行われているおそれがあると表示することができる。表示をみたホールの従業員は、テレビカメラで証拠の映像を撮影すると共に、警告信号の発信された出玉計数装置に行き、確認すると共に対応する措置をとることができる。
【0061】
表示を見た従業員は、その装置で不正行為が行われている場合は、監視カメラなどにより証拠資料を作成すると共に、不正行為を止めさせることができる。また、故障の場合は、具体的に故障原因を追究して修理することができる。
<第4の実施例>
【0062】
第4の実施例は、パチンコ台遊技機で特賞が出た場合に不正行為が防止できることを目的としたものである。特賞が出た場合には、大量のパチンコ玉を計数する必要があるが、特賞期間はパチンコ台遊技機ごとに決まっている。この期間を過ぎても、一定時間内に一定上のパチンコ玉を計数している場合は、警告信号発生手段により警告信号を発するものである。
【0063】
図9は、本発明の別の実施例であるパチンコ台遊技機の出玉計数装置1000の概略ブロック図であり、図10は、本発明のパチンコ台遊技機の出玉計数装置1000の警告信号発生の動作を示すブロック図である。図11は、特賞情報取得手段について特賞信号の取得方法を説明する図である。
【0064】
本発明の別の実施例であるパチンコ台遊技機の出玉計数装置1000は、図9に示すように、図1で説明した、パチンコ台遊技機の出玉計数装置1に、遊技機の特賞状態の発生時における発生時刻と特賞状態継続時間とを遊技機又は施設管理システムのサーバより取得する特賞情報取得手段80をさらに設けた点が異なる。
【0065】
以下、図9から図11を参照して説明をする。遊技機Pの特賞状態の発生時における発生時刻と特賞状態継続時間(特賞期間)と特賞最大出玉数とを遊技機P又は施設管理システムのサーバ210より特賞情報取得手段80が取得する(S410)。そして、あらかじめ定められた閾値時間を記憶手段50より読み出す(S420)。
【0066】
特賞情報取得手段80は、ホールの設備状況により、遊技機Pまたは施設管理システムのサーバ210より取得することができる。遊技機Pより取得する形態を図11に示す。図11に示すように、遊技機Pに接続された自社・他社データ収集基板より取得する場合(a)、遊技機Pに接続された自社・他社データ表示機254より取得する場合(b)、遊技機Pからシステムに接続された通信回線を分岐して取得する場合(c)のケースのいずれかを採用することができる。
また、特賞情報取得手段80は、図3に示すようなシステムで施設管理システムのサーバ210より取得することもできる。
【0067】
図10の説明にもどると、単位時間待ちを行い(S430)、停止信号のありかなしかをチェックする(S440)。ありの場合は終了し、なしの場合は、特賞期間に記 憶手段50より読み出した閾値時間を加えた時刻が経過したか判定を行い(S450)、特賞期間に閾値時間を加えた時刻が経過していない場合(NO)は、図10のように単位時間待ち(S430)にもどる。
【0068】
特賞期間に閾値時間を加えた時刻が経過した場合(YES)、パチンコ玉計数値B(特賞終了時の計数値B)を記憶手段50に記憶する(S460)。センサ10と12の検知信号を受信してレーン20と22を通過したパチンコ玉数を計数手段30により計数する(S465)。計数したパチンコ玉数値Aを記憶手段50に記憶する(S468)。さらに、あらかじめ定められ記憶手段50に記憶されている第2の閾値C2と、前回パチンコ玉計数値Bと、を読み出す(S468)。
【0069】
次に、演算手段40により、パチンコ玉数値Aより前回パチンコ玉計数値Bを引き算して、一定時間あたりに通過したパチンコ玉数を演算する(S470)。そして、記憶手段50より読み出したあらかじめ定められた第2の閾値C2と比較する(S470)。演算されたパチンコ玉数があらかじめ定められた第2の閾値C2を超えている場合に警告信号発生手段60により警告信号を発する(S475)。
【0070】
演算されたパチンコ玉数があらかじめ定められた第2の閾値C2を超えていない場合(NO)は、単位時間待つ(S478)。単位時間は、出玉計数装置の設計にもよるが、例えば10秒とすることができる。単位時間待った後、停止信号のありかなしかをチェックする(S480)。ありの場合は終了し、なしの場合は特賞信号のありかなしかをチェックする(S490)。なしの場合は終了し、ありの場合は図10に示すように特賞情報取得(S410)にもどる。
【0071】
特賞状態継続時間(特賞期間)については、上記の「風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律」の規定に基づき「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」に最大の時間は定められている。しかし、パチンコ台遊技機の各社によって特長を生かした設計がなされている。したがって、パチンコ台遊技機毎に異なるので、個別の情報を収集する必要がある。
【0072】
特賞状態継続時間(特賞期間)にあらかじめ定められた閾値時間を加えた時刻を経過しても、レーンを、あらかじめ定められた第2の閾値を超えるパチンコ玉数が通過する場合には、例えば電波などによる不正が行われたためと推定される。そこで、警告信号発生手段60により警告信号を発する。
【0073】
警告信号は、通信回線を経由して施設管理システムのサーバ210に伝えられ、管理端末220等に何処のパチンコ台遊技機の出玉計数装置で不正が行われているおそれがあると表示することができる。表示を見たホールの従業員は、テレビカメラで証拠の映像を撮影すると共に、警告信号の発信された出玉計数装置に行き、確認すると共に対応する措置をとることができる。
【0074】
このようにして、特賞期間経過後に不正電波・磁界等による不正が行われた場合にも、有効に防止することができる。なお、あらかじめ定められた第2の閾値は、不正を行う者に知られるとそれを下回る値で、不正を行われることがあるので、適切な日時に変動させることが望ましい。
【0075】
以上、本発明の実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。例えば、パチンコ玉が通過するレーンは2つの場合について説明したが、数レーンであっても良い。
【符号の説明】
【0076】
1 出玉計数装置
10 センサ
12 センサ
20 レーン
22 レーン
30 計数手段
40 演算手段
50 記憶手段
60 警告信号発生手段
70 通過方向検出手段
80 特賞情報取得手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ玉を管理するパチンコ台遊技機の出玉計数装置に関し、特に、不正防止対策を強化したパチンコ出玉計数機能を備えたパチンコ台遊技機の出玉計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、パチンコホールにおいて、遊技客は、ホールまたは島毎に設置された玉貸し機からパチンコ玉の貸し出しを受けていた。また、遊技客が獲得したパチンコ玉は、パチンコゲーム機の位置で玉箱に貯留しておき、そのパチンコゲーム機におけるパチンコ遊技を終了すると貯留された玉箱を、ホール内の景品交換カウンタに設置された玉数計数器まで持参し、従業員が集中して計数することが多かった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、これでは獲得したパチンコ玉を比較的長い距離運搬する必要があった。特に多量の獲得パチンコ玉がある場合には遊技客にとって大きな負担となるおそれがあった。このような負担を軽減するために、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数する玉計数器をパチンコゲーム機に近接して設置する提案がなされている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、玉貸手段と遊技客の獲得パチンコ玉の計数動作を行う玉計数器とをそれぞれパチンコゲーム機と1対1に対応させた状態で設置すると共に、その玉計数器により一旦計数したパチンコ玉を玉貸手段を通じて放出可能としたパチンコゲーム機管理装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
このように、玉計数器をパチンコゲーム機と1対1で対応させて設置した場合は、従業員の目の届かないところで計数されるために不正に計数されるおそれが高い。パチンコ玉に類似の玉を数珠状に繋いだ不正具を使用し、玉計数を増やす不正行為を防止するために、逆方向には回転不可に構成された、不正具の使用を防止する不正防止用爪を設ける提案もなされている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−325955号公報
【特許文献2】特開平2−261484号公報
【特許文献3】特開平6−261980号公報
【特許文献4】特開平10−249047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、不正電波・磁界等又はパチンコ玉に類似の玉を数珠状に繋いだ不正具による不正が行われた場合には、有効に防止することができない。
【0008】
本発明は、パチンコ台遊技機と1対1に対応させた状態で設置された出玉計数装置において、不正行為が行われた可能性の高い場合に警告信号を発信して不正防止の援助をするパチンコ台遊技機の出玉計数装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、パチンコゲーム機と1対1に対応させた状態で設置されたパチンコ台遊技機の出玉計数装置における具体的なケースを想定して警告信号を発することが有効な点に着目して、本発明を完成するに至った。
【0010】
(1)パチンコ玉が通過する1つ以上のレーンと、前記レーンに設置され、通過するパチンコ玉を検知するセンサと、前記センサの検知信号を受信して前記レーンを通過したパチンコ玉数を計数する計数手段と、計数したパチンコ玉数と、あらかじめ定められた閾値と、を記憶する記憶手段と、一定時間あたりに通過したパチンコ玉数を演算し、前記記憶手段より読み出したあらかじめ定められた閾値と比較する演算手段と、演算されたパチンコ玉数があらかじめ定められた閾値を超えている場合に警告信号を発する警告信号発生手段と、を備えたパチンコ台遊技機の出玉計数装置。
【0011】
(1)の記載によるパチンコ台遊技機の出玉計数装置の発明は、パチンコ玉が通過する1つ以上のレーンがある。そのレーンには、通過するパチンコ玉を検知するセンサが設置されている。そのセンサの検知信号を受信してレーンを通過したパチンコ玉数を計数手段により計数する。計数したパチンコ玉数を記憶手段に記憶する。また、記憶手段にはあらかじめ定められた閾値が記憶されている。そして、演算手段は一定時間あたりに通過したパチンコ玉数を演算し、記憶手段より読み出したあらかじめ定められた閾値と比較する。演算されたパチンコ玉数があらかじめ定められた閾値を超えている場合に警告信号発生手段により警告信号を発する。
【0012】
パチンコ台遊技機の出玉計数装置では、パチンコ台遊技機の台間などの狭い空間に密接して設置できるように設計されている。したがって、レーンの数は制限されて多くても数レーンである。このレーンをパチンコ玉が通過する速度は一定の値に制限される。
【0013】
したがって、パチンコ台遊技機の出玉計数装置に対応したあらかじめ定められた閾値を超えて計数された場合は、警告信号発生手段により警告信号を発する。警告信号は、ホール内に設置された、例えば、LANなどの通信回線により通信され施設管理システムのサーバに送信される。警告信号を受けた施設管理システムのサーバは表示装置に、警告信号を発生したパチンコ台遊技機の出玉計数装置の位置と警告を表示する。表示を見た従業員は、その装置で不正行為が行われている場合は、監視カメラなどにより証拠資料を作成すると共に、不正行為を止めさせることができる。
【0014】
あらかじめ定めた閾値とは、パチンコ台遊技機の出玉計数装置の最大計数能力に計数誤差を加えて値で通常の状態ではありえない値である。例えば、出玉計数装置の最大計数能力が200個である場合に100個を加えた値である300個である。また、このあらかじめ定めた閾値は日時によって変動させるように設定することがさらに望ましい。
【0015】
(2)パチンコ玉が通過する複数の各レーンと、前記各レーンに設置され、通過するパチンコ玉を検知するセンサと、前記センサの検知信号を受信して前記各レーンを通過したパチンコ玉数を計数する計数手段と、あらかじめ定められた乖離値と、を記憶する記憶手段と、前記各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数を各レーン毎に演算し、演算された各レーンごとのパチンコ玉数の差分を演算する演算手段と、演算された各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数の差分があらかじめ定められた乖離値を超えて乖離している場合に、警告信号を発する警告信号発生手段と、を備えたパチンコ台遊技機の出玉計数装置。
【0016】
(2)の記載によるパチンコ台遊技機の出玉計数装置の発明は、パチンコ玉が通過する複数のレーンがある。その各レーンには、通過するパチンコ玉を検知するセンサが設置されている。その各センサの検知信号を受信して各レーンを通過したパチンコ玉数を計数手段により計数する。計数したパチンコ玉数を記憶手段に 記憶する。また、記憶手段にはあらかじめ定められた乖離値が記憶されている。そして、演算手段は各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数を各レーン毎に演算し、演算された各レーンごとのパチンコ玉数の差分と、を演算する。演算された各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数の差分があらかじめ定められた乖離値を超えて乖離している場合に、警告信号発生手段により警告信号を発する。
【0017】
複数のレーンでパチンコ玉が通過する計数値があらかじめ定められた乖離値を超えて異なる場合は、片方のレーンが詰まっているなどの故障も考えられる。または、パチンコ玉に類似の玉を数珠状に繋いだ不正具を使用し、玉計数を増やす不正行為を行っていることも考えられる。
【0018】
このように、各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数の差分があらかじめ定められた乖離値を超えて乖離している場合に、警告信号発生手段により警告信号を発する。警告信号は、ホール内に設置された、例えば、LANなどの通信回線により通信され施設管理システムのサーバに送信される。警告信号を受けた施設管理システムのサーバは表示装置に、警告信号を発生したパチンコ台遊技機の出玉計数装置の位置と警告を表示する。表示を見た従業員は、その装置で不正行為が行われている場合は、監視カメラなどにより証拠資料を作成すると共に、不正行為を止めさせることができる。また、故障の場合は、具体的に故障原因を追究して修理することができる。
【0019】
(3)パチンコ玉が通過する1つ以上のレーンと、前記レーンに設置され、通過するパチンコ玉を検知する複数のセンサと、前記複数のセンサの検知信号を受信して前記レーンを通過したパチンコ玉の通過方向を検出する通過方向検出手段と、あらかじめ正常なパチンコ玉の通過方向を記憶する記憶手段と、検出したパチンコ玉の通過方向が記憶手段に記憶されている通過方向と異なる場合に、警告信号を発する警告信号発生手段と、を備えたパチンコ台遊技機の出玉計数装置。
【0020】
(3)の記載によるパチンコ台遊技機の出玉計数装置の発明は、パチンコ玉が通過する1つ以上のレーンがある。そのレーンには、通過するパチンコ玉を検知する複数のセンサが設置されている。その複数のセンサの検知信号を受信してレーンを通過するパチンコ玉と通過方法を通過方法検出手段により検出する。また、記憶手段にはあらかじめ正常にパチンコ玉が通過した場合のセンサの検出データが記憶されている。そして、検出したパチンコ玉の通過方向が記憶手段に記憶されているセンサの検出データによる通過方向と異なる場合に、警告信号発生手段により警告信号を発する。
【0021】
このように、検出したパチンコ玉の通過方向が記憶手段に記憶されている通過方向と異なる場合に、警告信号発生手段により警告信号を発する。警告信号は、上記の発明と同様に、ホール内に設置された、例えば、LANなどの通信回線により通信され施設管理システムのサーバに送信される。警告信号を受けた施設管理システムのサーバは表示装置に、警告信号を発生したパチンコ台遊技機の出玉計数装置の位置と警告を表示する。表示を見た従業員は、その装置で不正行為が行われている場合は、監視カメラなどにより証拠資料を作成すると共に、不正行為をやめさせることができる。また、故障の場合は、具体的に故障原因を追究して修理することができる。
【0022】
通過方法検出手段は、1つのレーンに設置された複数のセンサの検出順序の前後を比較することにより検出することが望ましい。センサは光学的に検出するセンサが望ましいが、他の電磁気による方法をとることもできる。
【0023】
(4)パチンコ玉が通過する1つ以上のレーンと、前記レーンに設置され、通過するパチンコ玉を検知するセンサと、前記センサの検知信号を受信して前記レーンを通過したパチンコ玉数を計数する計数手段と、計数したパチンコ玉数と、あらかじめ定められた閾値時間と、あらかじめ定められた第2の閾値と、を記憶する記憶手段と、遊技機の特賞状態の発生時における発生時刻と特賞状態継続時間とを遊技機又は施設管理システムのサーバより取得する特賞情報取得手段と、前記特賞情報取得手段により取得した発生時刻から特賞状態継続時間と、記憶手段に記憶されているあらかじめ定められた閾値時間を加えた時刻を経過しても、前記レーンを、あらかじめ定められた第2の閾値を超えるパチンコ玉数が通過する場合に、警告信号を発する警告信号発生手段と、を備えたパチンコ玉計数装置。
【0024】
(4)の記載によるパチンコ台遊技機の出玉計数装置の発明は、パチンコ台遊技機で特賞が出た場合に不正行為が防止できることを目的としたものである。特賞が出た場合には、大量のパチンコ玉を計数する必要があるが、特賞期間はパチンコ台毎に決まっている。特賞状態継続時間(特賞期間)にあらかじめ定められた時間を加えた閾値時間を経過しても、レーンを、あらかじめ定められた第2の閾値を超えるパチンコ玉数が通過する場合には、例えば電波などによる不正が行われた為と推定される。そこで、警告信号発生手段60により警告信号を発する。
【0025】
このようにして、特賞期間経過後に不正電波・磁界等による不正が行われた場合にも、有効に防止することができる。なお、あらかじめ定められた第2の閾値は、不正を行う者に知られるとそれを下回る値で不正を行われることがあるので、適切な日時に変動させることが望ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、パチンコ台遊技機の出玉計数装置において、不正行為のおそれがある場合、出玉計数装置が誤動作した場合に、警告信号を発することができ、適切に不正行為を防ぐことをサポートすることができる。また、出玉計数装置が誤動作した場合にも警告信号により、早急に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るパチンコ台遊技機の出玉計数装置の概略ブロック図である。
【図2】パチンコ台遊技機の出玉計数装置の基板のブロック図である。
【図3】本発明に係るパチンコ台遊技機の出玉計数装置をホールにて接続した場合のシステム図である。
【図4】本発明のパチンコ台遊技機の出玉計数装置の警告信号発生の動作を示すブロック図である。
【図5】本発明のパチンコ台遊技機の出玉計数装置の警告信号発生の別の動作を示すブロック図である。
【図6】本発明の別の実施例であるパチンコ台遊技機の出玉計数装置500の概略ブロック図である。
【図7】センサの配置と通過方向検出手段によるレーンを通過するパチンコ玉の通過方向を検出する原理を説明する図である。
【図8】本発明のパチンコ台遊技機の出玉計数装置500の警告信号発生の動作を示すブロック図である。
【図9】本発明の別の実施例であるパチンコ台遊技機の出玉計数装置1000の概略ブロック図である。
【図10】本発明のパチンコ台遊技機の出玉計数装置1000の警告信号発生の動作を示すブロック図である。
【図11】特賞情報取得手段について特賞情報の取得手段を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
<第1の実施例>
【0029】
図1は本発明に係るパチンコ台遊技機の出玉計数装置の概略ブロック図であり、図2は、パチンコ台遊技機の出玉計数装置の基板のブロック図である。図3は、本発明に係るパチンコ台遊技機の出玉計数装置をホールにて接続した場合のシステム図である。図4は、本発明のパチンコ台遊技機の出玉計数装置の警告信号発生の動作を示すブロック図である。
【0030】
本発明に係るパチンコ台遊技機の出玉計数装置1は、図1に示すように、パチンコ台遊技機Pの側方(通常は、隣接するパチンコ台遊技機の間)には台側玉貸機S(一般的に「台間サンド」等と呼ばれている)が設置されている。台側玉貸機Sの前面には、硬貨投入口、ICカード挿入口、パチンコ玉をパチンコ台遊技機の上皿P2に供給する玉供給ノズルS1、各種表示ランプ、各種表示器、各種操作ボタン等が設けられている。上皿P2は、パチンコ台遊技機Pに供給するパチンコ玉を一時的に貯留する皿である。
【0031】
図1に示すように、台側玉貸機Sの下方には、パチンコ玉を回収する玉回収部Rが、台側玉貸機Sと一体的に設置されている。玉回収部Rの前面には、出玉計数装置1における回収部連結部4が連結される連結開口部2が設けられている。第1実施例の出玉計数装置は、図1に示すように、パチンコ台遊技機Pの下皿P1とカウンターQの上面との間に配設される玉受け部2と、パチンコ台遊技機Pの側方に設置された玉回収部Rに連結される回収部連結部4と、下皿P1から落下して玉受け部2に受け取られたパチンコ玉を回収部連結部4に案内する玉案内部3と、玉回収部Rに回収されるパチンコ玉を計数する玉計数ユニット(図示せず)とを備えている。
【0032】
下皿P1は、パチンコ台遊技機Pから排出された当たり玉(出玉)を一時的に貯留する皿である。下皿P1は、その底面にシャッター(図示せず)を備えており、該シャッターを開放することにより、下皿P1に貯留されているパチンコ玉を、下皿P1の下方に配設された玉受け部2に落下させることができるようになっている。
【0033】
玉受け部2から玉案内部3の内部には、図1に示すようにパチンコ玉が通過する2つのレーン20とレーン22が設けられており、各レーンには、通過するパチンコ玉を検知するセンサ10とセンサ12とが設置されている。出玉計数装置1には、図2に示すような電子回路で構成された基板100と内蔵されたソフトウエアにより、センサの検知信号を受信してレーン20等を通過したパチンコ玉数を計数する計数手段30と、計数したパチンコ玉数と、あらかじめ定められた閾値と、を記憶する記憶手段50と、一定時間あたりに通過したパチンコ玉数を演算し、記憶手段50より読み出したあらかじめ定められた閾値と比較する演算手段40と、演算されたパチンコ玉数があらかじめ定められた閾値を超えている場合に警告信号を発する警告信号発生手段60と、が有る。
【0034】
基板100には、図2に示すように、マイクロプロセッサ(CPU)110と、センサ10とセンサ12に接続される出玉計数用端子120と、記憶手段50を構成するEEPROM130と、パチンコ台遊技機の番号を合わせるロータリースイッチ140と、接点入力と分岐出力端子150と、タッチパネルデスプレイ端子160と、出玉感表示ユニット172に接続される端子170と、持ち玉表示基板182に接続される端子180と、ホール内の通信回線に接続される端子190とが有り、図2に示すように接続されている。
【0035】
パチンコ台遊技機Pと出玉計数装置1とは、図3の1例に示すように、隣接する同士で番号をロータリースイッチ140でセットして、施設管理システムのサーバ200に接続される。施設管理システムのサーバ200は、メインサーバ210と、管理端末220と管理端末222と、LANサーバ230と、LANサーバ232等が接続されている。また、出玉計数装置1は有限責任中間法人電子認証システム協議会の認証協会用のサーバ300に接続されている。認証協会用のサーバにはメインサーバ310と、高額サーバ320と、会員カード受付機330と、預金返却機340と、島中継器350に接続されている。
【0036】
このような構成の出玉計数装置1の不正防止対策を強化したパチンコ出玉計数機能について、図4を参照して説明をする。このサブルーチンソフトが開始する、当該時点のパチンコ玉計数値Bを記憶手段50に記憶する(S110)。そして、単位時間待つ(S120)。単位時間は、出玉計数装置1の設計にもよるが、例えば10秒とすることができる。図1で説明したように、パチンコ玉が通過する2つのレーン20と22に、通過するパチンコ玉を検知するセンサ10と12が設けられている。
【0037】
センサ10と12の検知信号を受信してレーン20と22を通過したパチンコ玉数を計数手段30により計数する(S130)。計数したパチンコ玉数値Aを記憶手段50に記憶する(S140)。さらに、あらかじめ定められ記憶手段50に記憶されている閾値Cと、前回パチンコ玉計数値Bと、を読み出す(S140)。
【0038】
次に、演算手段40により、パチンコ玉数値Aより前回パチンコ玉計数値Bを引き算して、一定時間あたりに通過したパチンコ玉数を演算する(S150)。そして、記憶手段50より読み出したあらかじめ定められた閾値Cと比較する(S150)。演算されたパチンコ玉数があらかじめ定められた閾値Cを超えている場合に警告信号発生手段60により警告信号を発する(S160)。
【0039】
演算されたパチンコ玉数があらかじめ定められた閾値Cを超えていない場合(NO)は、今回計数したパチンコ玉数値Aをパチンコ玉計数値Bとして記憶手段50に記憶する(S170)。このようにするのは、パチンコ台遊技機Pの出玉計数装置1では、不正な改造その他の変更を防止するために、「風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律」の規定に基づき「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」により、データの記憶容量が3KBに制限されているからである。
【0040】
そして、停止信号のありかなしかをチェックする(S180)。ありの場合は終了し、なしの場合は図4に示すように単位時間待ち(S120)にもどる。
【0041】
本実施例1の2レーンの出玉計数装置1の場合は、最大でも10秒あたり200個程度の計数が限度である。ここで、あらかじめ定められた閾値を300とする。10秒あたり300を超えたパチンコ玉数が計数されることはありえない。そこで、このような値が計数される場合は、例えば、電波などによる不正が行われたためと推定される。そこで、警告信号発生手段60により警告信号を発する。
【0042】
警告信号は、通信回線を経由して施設管理システムのサーバ210に伝えられ、管理端末220等に何処のパチンコ台遊技機の出玉計数装置で不正が行われているおそれがあると表示することができる。表示を見たホールの従業員は、テレビカメラで証拠の映像を撮影すると共に、警告信号の発信された出玉計数装置に行 き、確認すると共に対応する措置をとることができる。
【0043】
このようにして、不正電波・磁界等による不正が行われた場合にも、有効に防止することができる。なお、あらかじめ定められた閾値は、不正を行う者に知られるとそれを下回る値で、不正を行われることがあるので、適切な時間で変動させることが望ましい。
<第2の実施例>
【0044】
第2の実施例は、複数のレーンをもつパチンコ台遊技機Pの出玉計数装置1において、各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数の差分があらかじめ定められた乖離値以上に乖離した場合に、警告信号発生手段60により警告信号を発するものである。あらかじめ定められた乖離値以上に乖離した場合は、一方のレーンで玉が詰まっている場合もあるし、または、数珠状の不正具で不正が行われる場合もある。
【0045】
第2の実施例は、ハードウエアの構成は、第1の実施例と同一であり、内蔵するソフトウエアの該当する部分のみが異なる。以下、図5を参照して説明をする。図1で説明したように、パチンコ玉が通過する2つのレーン20と22に、通過するパチンコ玉を検知するセンサ10と12が設けられている。
【0046】
センサ10と12の検知信号を受信してレーン20と22を通過したパチンコ玉数を個別に計数手段30により計数する(S210)。そして、あらかじめ定められ記憶手段50に記憶されている乖離値Dを読み出す(S220)。
【0047】
次に、演算手段40により、各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数を各レーン毎に演算する(S230)。演算は、第1の実施例と同様な方法で演算することができる。そして、演算手段40により、演算された各レーンごとのパチンコ玉数の差分Hを演算する(S240)。
【0048】
そして、記憶手段50より読み出したあらかじめ定められた乖離値Dと比較する(S250)。各レーンごとのパチンコ玉数の差分Hがあらかじめ定められた乖離値Dを超えて乖離している場合に警告信号発生手段60により警告信号を発する(S260)。
【0049】
各レーンごとのパチンコ玉数の差分Hがあらかじめ定められた乖離値Dを超えていない場合(NO)は、単位時間待つ(S270)。単位時間は、出玉計数装置の設計にもよるが、例えば10秒とすることができる。単位時間待った後、停止信号のありかをチェックする(S280)。ありの場合は終了し、なしの場合は図5に示すように各レーンの通過パチンコ玉数計数(S210)にもどる。
【0050】
複数のレーンでパチンコ玉が通過する計数値があらかじめ定められた乖離値を超えて異なる場合は、片方のレーンが詰まっているなどの故障も考えられる。または、パチンコ玉に類似の玉を数珠状に繋いだ不正具を使用し、玉計数を増やす不正行為を行っていることも考えられる。
【0051】
このように、各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数の差分があらかじめ定められた乖離値を超えて乖離している場合に、警告信号発生手段60により警告信号を発する。警告信号は、施設管理システムのサーバ210に伝えられ、管理端末220等に何処のパチンコ台遊技機の出玉計数装置で不正が行われているおそれがあると表示することができる。表示をみたホールに従業員は、テレビカメラで証拠の映像を撮影すると共に、警告信号の発信された出玉計数装置に行き、確認すると共に対応する措置をとることができる。
【0052】
表示を見た従業員は、その装置で不正行為が行われている場合は、監視カメラなどにより証拠資料を作成すると共に、不正行為をやめさせることができる。また、故障の場合は、具体的に故障原因を追究して修理することができる。
<第3の実施例>
【0053】
第3の実施例は通過するパチンコ玉を検知する複数のセンサをレーンに設置し、複数のセンサの検知信号を受信してレーンを通過するパチンコ玉の通過方向を通過方向検出手段により検出する。あらかじめ正常なパチンコ玉の通過方向を記憶手段に記憶する。検出したパチンコ玉の通過方向が記憶手段に記憶されている通過方向と異なる場合に、警告信号発生手段により警告信号を発するものである。
【0054】
図6は、本発明の別の実施例であるパチンコ台遊技機の出玉計数装置500の概略ブロック図であり、図7は、センサの配置と通過方向検出手段によるレーンを通過するパチンコ玉の通過方向を検出する原理を説明する図である。図8は、本発明のパチンコ台遊技機の出玉計数装置500の警告信号発生の動作を示すブロック図である。
【0055】
本発明の別の実施例であるパチンコ台遊技機の出玉計数装置500は、図6に示すように、図1で説明した、パチンコ台遊技機の出玉計数装置1にセンサ11とセンサ13をさらに設置したことと、通過方向検出手段70をさらに設けたことが異なる。
【0056】
以下、図6から図8を参照して説明をする。センサ10とセンサ11の検知信号を受信してレーン20を通過したパチンコ玉の通過方向を検出する通過方向検出手段70により検出する(S310)。また、センサ12とセンサ13の検知信号を受信してレーン20を通過したパチンコ玉の通過方向を検出する通過方向検出手段70により検出する(S310)。そして、あらかじめ定められ記憶手段50に記憶されている正常通過方向を読み出す(S320)。
【0057】
通過方法検出手段70の1例としては、図7に示すように、センサ10とセンサ11とをパチンコ玉の直径よりの狭い間隔でレーン20に設置する。図7に示すように、パチンコ玉が移動した場合にセンサ10とセンサ11がどちらが先にONになりどちらが先にOFFになるかで、正常方向に通過しているか否かを 検出することができる。そして、センサ10とセンサ11のONまたはOFFする順序を記憶手段50にパチンコ玉の正常通過方向としてあらかじめ記憶する。
【0058】
そして、記憶手段50より読み出したパチンコ玉の正常通過方向と比較する(S330)。各レーンのパチンコ玉の通過方向が正常でない場合(NO)に警告信号発生手段60により警告信号を発する(S340)。
【0059】
各レーンのパチンコ玉の通過方向が正常な場合(YES)は、単位時間待つ(S350)。単位時間は、出玉計数装置の設計にもよるが、例えば10秒とすることができる。単位時間待った後、停止信号のありかチックする(S360)。ありの場合は終了し、なしの場合は図8に示すように各レーンのパチンコ玉通過方向検出(S310)にもどる。
【0060】
このように、検出したパチンコ玉の通過方向が記憶手段50に記憶されている通過方向と異なる場合に、警告信号発生手段60により警告信号を発する。警告信号は、施設管理システムのサーバ210に伝えられ、管理端末220等に何処のパチンコ台遊技機の出玉計数装置で不正が行われているおそれがあると表示することができる。表示をみたホールの従業員は、テレビカメラで証拠の映像を撮影すると共に、警告信号の発信された出玉計数装置に行き、確認すると共に対応する措置をとることができる。
【0061】
表示を見た従業員は、その装置で不正行為が行われている場合は、監視カメラなどにより証拠資料を作成すると共に、不正行為を止めさせることができる。また、故障の場合は、具体的に故障原因を追究して修理することができる。
<第4の実施例>
【0062】
第4の実施例は、パチンコ台遊技機で特賞が出た場合に不正行為が防止できることを目的としたものである。特賞が出た場合には、大量のパチンコ玉を計数する必要があるが、特賞期間はパチンコ台遊技機ごとに決まっている。この期間を過ぎても、一定時間内に一定上のパチンコ玉を計数している場合は、警告信号発生手段により警告信号を発するものである。
【0063】
図9は、本発明の別の実施例であるパチンコ台遊技機の出玉計数装置1000の概略ブロック図であり、図10は、本発明のパチンコ台遊技機の出玉計数装置1000の警告信号発生の動作を示すブロック図である。図11は、特賞情報取得手段について特賞信号の取得方法を説明する図である。
【0064】
本発明の別の実施例であるパチンコ台遊技機の出玉計数装置1000は、図9に示すように、図1で説明した、パチンコ台遊技機の出玉計数装置1に、遊技機の特賞状態の発生時における発生時刻と特賞状態継続時間とを遊技機又は施設管理システムのサーバより取得する特賞情報取得手段80をさらに設けた点が異なる。
【0065】
以下、図9から図11を参照して説明をする。遊技機Pの特賞状態の発生時における発生時刻と特賞状態継続時間(特賞期間)と特賞最大出玉数とを遊技機P又は施設管理システムのサーバ210より特賞情報取得手段80が取得する(S410)。そして、あらかじめ定められた閾値時間を記憶手段50より読み出す(S420)。
【0066】
特賞情報取得手段80は、ホールの設備状況により、遊技機Pまたは施設管理システムのサーバ210より取得することができる。遊技機Pより取得する形態を図11に示す。図11に示すように、遊技機Pに接続された自社・他社データ収集基板より取得する場合(a)、遊技機Pに接続された自社・他社データ表示機254より取得する場合(b)、遊技機Pからシステムに接続された通信回線を分岐して取得する場合(c)のケースのいずれかを採用することができる。
また、特賞情報取得手段80は、図3に示すようなシステムで施設管理システムのサーバ210より取得することもできる。
【0067】
図10の説明にもどると、単位時間待ちを行い(S430)、停止信号のありかなしかをチェックする(S440)。ありの場合は終了し、なしの場合は、特賞期間に記 憶手段50より読み出した閾値時間を加えた時刻が経過したか判定を行い(S450)、特賞期間に閾値時間を加えた時刻が経過していない場合(NO)は、図10のように単位時間待ち(S430)にもどる。
【0068】
特賞期間に閾値時間を加えた時刻が経過した場合(YES)、パチンコ玉計数値B(特賞終了時の計数値B)を記憶手段50に記憶する(S460)。センサ10と12の検知信号を受信してレーン20と22を通過したパチンコ玉数を計数手段30により計数する(S465)。計数したパチンコ玉数値Aを記憶手段50に記憶する(S468)。さらに、あらかじめ定められ記憶手段50に記憶されている第2の閾値C2と、前回パチンコ玉計数値Bと、を読み出す(S468)。
【0069】
次に、演算手段40により、パチンコ玉数値Aより前回パチンコ玉計数値Bを引き算して、一定時間あたりに通過したパチンコ玉数を演算する(S470)。そして、記憶手段50より読み出したあらかじめ定められた第2の閾値C2と比較する(S470)。演算されたパチンコ玉数があらかじめ定められた第2の閾値C2を超えている場合に警告信号発生手段60により警告信号を発する(S475)。
【0070】
演算されたパチンコ玉数があらかじめ定められた第2の閾値C2を超えていない場合(NO)は、単位時間待つ(S478)。単位時間は、出玉計数装置の設計にもよるが、例えば10秒とすることができる。単位時間待った後、停止信号のありかなしかをチェックする(S480)。ありの場合は終了し、なしの場合は特賞信号のありかなしかをチェックする(S490)。なしの場合は終了し、ありの場合は図10に示すように特賞情報取得(S410)にもどる。
【0071】
特賞状態継続時間(特賞期間)については、上記の「風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律」の規定に基づき「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」に最大の時間は定められている。しかし、パチンコ台遊技機の各社によって特長を生かした設計がなされている。したがって、パチンコ台遊技機毎に異なるので、個別の情報を収集する必要がある。
【0072】
特賞状態継続時間(特賞期間)にあらかじめ定められた閾値時間を加えた時刻を経過しても、レーンを、あらかじめ定められた第2の閾値を超えるパチンコ玉数が通過する場合には、例えば電波などによる不正が行われたためと推定される。そこで、警告信号発生手段60により警告信号を発する。
【0073】
警告信号は、通信回線を経由して施設管理システムのサーバ210に伝えられ、管理端末220等に何処のパチンコ台遊技機の出玉計数装置で不正が行われているおそれがあると表示することができる。表示を見たホールの従業員は、テレビカメラで証拠の映像を撮影すると共に、警告信号の発信された出玉計数装置に行き、確認すると共に対応する措置をとることができる。
【0074】
このようにして、特賞期間経過後に不正電波・磁界等による不正が行われた場合にも、有効に防止することができる。なお、あらかじめ定められた第2の閾値は、不正を行う者に知られるとそれを下回る値で、不正を行われることがあるので、適切な日時に変動させることが望ましい。
【0075】
以上、本発明の実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。例えば、パチンコ玉が通過するレーンは2つの場合について説明したが、数レーンであっても良い。
【符号の説明】
【0076】
1 出玉計数装置
10 センサ
12 センサ
20 レーン
22 レーン
30 計数手段
40 演算手段
50 記憶手段
60 警告信号発生手段
70 通過方向検出手段
80 特賞情報取得手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パチンコ玉が通過する複数の各レーンと、
前記各レーンに設置され、通過するパチンコ玉を検知するセンサと、
前記センサの検知信号を受信して前記各レーンを通過したパチンコ玉数を計数する計数手段と、
あらかじめ定められた乖離値と、を記憶する記憶手段と、
前記各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数を各レーン毎に演算し、演算された各レーンごとのパチンコ玉数の差分を演算する演算手段と、
演算された各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数の差分があらかじめ定められた乖離値を超えて乖離している場合に、警告信号を発する警告信号発生手段と、
を備えたパチンコ台遊技機の出玉計数装置。
【請求項1】
パチンコ玉が通過する複数の各レーンと、
前記各レーンに設置され、通過するパチンコ玉を検知するセンサと、
前記センサの検知信号を受信して前記各レーンを通過したパチンコ玉数を計数する計数手段と、
あらかじめ定められた乖離値と、を記憶する記憶手段と、
前記各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数を各レーン毎に演算し、演算された各レーンごとのパチンコ玉数の差分を演算する演算手段と、
演算された各レーンを一定の時間内に通過したパチンコ玉数の差分があらかじめ定められた乖離値を超えて乖離している場合に、警告信号を発する警告信号発生手段と、
を備えたパチンコ台遊技機の出玉計数装置。
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−9999(P2013−9999A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−205316(P2012−205316)
【出願日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【分割の表示】特願2007−215773(P2007−215773)の分割
【原出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(500436385)アイ電子株式会社 (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【分割の表示】特願2007−215773(P2007−215773)の分割
【原出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(500436385)アイ電子株式会社 (15)
【Fターム(参考)】
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