説明

パチンコ遊技機

【課題】時短遊技中に、特別電動役物装置の可動片の作動周期と振分手段の振り分け周期とが遊技者に不利なタイミングで同期し続けるのを防止することができるパチンコ遊技機の提供。
【解決手段】時短遊技を開始してから所定期間経過しても大当たりに当選していない場合は、タイミング変更ゾーンにおいて小当たり動作の開始タイミングを変更するようにした。タイミング変更ゾーンにおける小当たり動作時間は、図柄変動時間を長くすることで、タイミング変更ゾーン以前において、特別電動役物装置の可動片の開放タイミングと回転体の収容部との位置関係が遊技者に不利なタイミングで同期していた場合でも、タイミング変更ゾーンにおいて可動片の開放タイミングと回転体の収容部との位置関係を変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機に関わり、特に1種タイプと2種タイプを組み合わせた1種2種タイプのパチンコ遊技機に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機には、周知のように、1種タイプ、2種タイプ、或いは1種タイプと2種タイプを組み合わせた1種2種タイプ等がある。
1種タイプのパチンコ遊技機は、遊技盤に始動口、図柄変動表示器、大入賞装置等が設けられ、遊技球が始動口に入賞したときに取得した大当たり乱数に基づいて図柄変動表示装置の特別図柄の変動表示を行う。そして特別図柄が予め定められた所定図柄で停止したときに遊技者に有利な大当たり(以下、「1種大当たり」と表記する)を実行する。
【0003】
2種タイプのパチンコ遊技機は、「ヒコーキ」或いは「羽根物」等と称されているパチンコ遊技機であり、一対の羽根(可動片)を備えた特別電動役物装置が遊技盤に設けられ、始動口に遊技球が入賞するとソレノイドが作動して特別電動役物装置の羽根が1回ないし2回開閉作動する。特別電動役物装置の羽根は、遊技盤面を流下する遊技球を捕捉して、その内部に導くように構成されている。特別電動役物装置の内部には、Vゾーンと称される特定領域が設けられており、入賞した遊技球が特定領域を通過すると大当たりが発生する。大当たり状態においては、当選した大当たりの内容に応じて、所定ラウンド数(最高16ラウンド)の大当たり(以下、「2種大当たり」と表記する)を実行する。このとき、1ラウンド遊技として、特別電動役物装置の羽根を、所定の期間、或いは規定数の遊技球の入賞を検出するまで継続的に開閉するか、もしくは所定回数(例えば18回)継続的に開閉する遊技を行う。以下同様のラウンド遊技を所定ラウンド数まで繰り返し行うようにしている。
【0004】
1種2種タイプのパチンコ遊技機は、上記した1種タイプと2種タイプの機能を備えたパチンコ遊技機であり、遊技球が始動口に入賞したときに大当たり乱数を取得し、取得した大当たり乱数に基づいて図柄変動表示器の特別図柄を変動表示する。
そして、大当たり乱数が予め定められた大当たりに当選したときは、1種大当たり遊技を実行する。一方、大当たり乱数の値が予め定められた小当たりに当選したときは、特別電動役物装置の羽根が1回ないし2回開閉作動し、特別電動役物装置の内部に入賞した遊技球がVゾーンを通過すると2種大当たり遊技を実行する。
また1種2種タイプと2種タイプのパチンコ遊技機の中には、特別電動役物装置内に入賞した遊技球をVゾーン又はVゾーン以外の領域に振り分ける振分手段を備えたものがある。振分手段としては、例えば電源投入時から一定速度で動作する回転体などがある。
また1種2種タイプのパチンコ遊技機には、特別図柄の始動条件の成立確率を高めた時間短縮遊技(以下、「時短遊技」と称する)機能を備えたものがある。時短遊技機能を搭載したパチンコ遊技機では、常時開口している始動口の他に遊技球が入球し難い閉状態から遊技球が入球し易い開状態に変化可能な変動入賞装置として、例えば電動式チューリップ(以下、「電チュー」と称する)を備えており、時短遊技状態のときは、この電チューの開放時間を延長するなどして遊技球の入賞率を高める構成となっている。
【0005】
更に、上記した1種タイプ、2種タイプ、或いは1種2種タイプのパチンコ遊技機では、遊技球が始動口に入賞したときに図柄乱数も取得しており、当該図柄乱数と上記大当たり乱数とに基づいて大当たりの種類を決定するようにしている。例えば、大量の出球を獲得できる長当たりか、或いは大当たり遊技後に遊技者に有利な時短遊技を付与するか否かを決定するようにしている。
【0006】
引用文献1には、「大当り」と「小当り」といった2種類以上の特賞と時短機能とを有し、抽選用始動口への遊技球の入賞を契機として行われるその特賞の抽選結果に応じてその時短機能を発動させるようにした遊技機が開示されている。
引用文献2には、電飾板に9つの演出用ランプを設けるとともに、停留機構と停留解除操作スイッチとを設け、遊技者がその演出表示を参考にして、停留解除操作スイッチを操作することで、停留機構に停留している遊技球の停留状態を解除できるようにした遊技機が開示されている。
引用文献3には、画像の表示と可動物の動きを同期させることができる遊技台が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−301008公報
【特許文献2】特開2002−172222公報
【特許文献3】特開2009−56100公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記した1種2種タイプのパチンコ遊技機では、遊技者に有利な時短遊技中は電チューに遊技球が入賞し易いため、時短遊技中は電動役物装置が連続して作動する場合がある。電動役物装置が連続して作動した場合は、電動役物装置の可動片が略一定の周期で開閉動作を行うことになるため、この可動片の作動周期と電動役物装置内の振分手段の振り分け周期とが遊技者に不利なタイミングで同期することが考えられる。その結果、時短遊技中に再度大当たりに当選することなく規定回数(例えば100回)の時短遊技が終了して、時短遊技状態より遊技者に不利な通常遊技状態に戻ってしまうおそれがあった。
本発明は、上記したような点を鑑みてなされたものであり、時短遊技中に、特別電動役物装置の可動片の作動周期と振分手段の振り分け周期とが遊技者に不利なタイミングで同期し続けるのを防止することができるパチンコ遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態により実現することが可能である。
即ち、第1の形態は、遊技球が入球可能な第1始動口と、前記第1始動口への遊技球の入球を契機に遊技者に有利な遊技状態とするか否かを判断するための乱数を抽選により取得する乱数取得手段と、前記乱数に基づいて特別図柄の変動表示を行う特別図柄表示手段と、遊技球が入賞し難い閉状態から入賞し易い開状態に変化可能な可動部、該可動部を介して入賞した遊技球が通過可能な特定領域、及び一定周期で作動すると共に前記可動部を介して入賞した遊技球を前記特定領域又は前記特定領域以外に振り分ける振分手段を有する第1変動入賞手段と、遊技球が通過可能なゲートと、遊技球が入賞し難い閉状態から入賞し易い開状態に変化可能な第2変動入賞手段と、前記第2変動入賞手段を介して遊技球が入球可能な第2始動口と、前記乱数取得手段により取得された乱数に基づいて小当たりに当選したか否かの判定を行う小当たり判定手段と、前記小当たり判定手段において小当たりと判定されたときに小当たり遊技を実行する小当たり遊技実行手段と、前記小当たり遊技中に遊技球が前記特定領域を通過したときに大当たりと判定する大当たり判定手段と、前記大当たり判定手段において大当たりと判定されたときに大当たり遊技を実行する大当たり遊技実行手段と、前記大当たり判定手段において大当たり判定されたときの前記乱数に基づいて、前記大当たり遊技終了後に、遊技球が前記ゲートを通過するのを契機に前記第2始動口への遊技球の入賞確率を高めた特典遊技を付与するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段において前記特典遊技を付与すると判定されたときに、前記大当たり遊技終了後に所定回数の特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、前記特典遊技を開始してから所定期間、前記大当たり判定手段において大当たりと判定されない場合に、前記小当たり遊技実行手段が前記小当たり遊技を実行するタイミングを変更するタイミング変更手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
第2の形態は、前記タイミング変更手段は、前記特別図柄の変動時間を変更することにより前記小当たり遊技実行手段が前記小当たり遊技を実行するタイミングを変更することを特徴とする。
第3の形態は、前記タイミング変更手段は、前記特典遊技期間において、複数回前記小当たり遊技を実行するタイミングを変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、特典遊技を開始してから所定期間経過しても大当たりに当選しない場合は、タイミング変更手段により小当たり遊技を実行するタイミングを変更するようにしているので、特典遊技中に第1変動入賞手段の可動部の可動周期と振分手段の振り分け周期とが遊技者に不利なタイミングで同期し続けるといったことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の全体正面図である。
【図2】本実施形態に係るパチンコ遊技機の特別電動役物装置に備えられている回転体の動作を示した図である。
【図3】本実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技制御装置の構成を示したブロック図である。
【図4】本実施形態のパチンコ遊技機において取得される乱数を示した図であり、(a)は大当たり乱数、(b)は大当たり図柄乱数、(c)は小当たり図柄乱数、(d)はゲート用当たり乱数の一例を示した図である。
【図5】1種2種タイプのパチンコ遊技機の時短遊技中における小当たり動作の説明図である。
【図6】1種2種タイプのパチンコ遊技機の時短遊技中における小当たり動作の説明図である。
【図7】遊技制御基板のCPUが実行するタイマ割込処理の一例を示したフローチャートである。
【図8】遊技制御基板のCPUが実行する始動口SW処理の一例を示したフローチャートである。
【図9】遊技制御基板のCPUが実行する特定領域SW処理の一例を示したフローチャートである。
【図10】遊技制御基板のCPUが実行するゲートSW処理の一例を示したフローチャートである。
【図11】遊技制御基板のCPUが実行する第1入賞検知SW処理の一例を示したフローチャートである。
【図12】遊技制御基板のCPUが実行する排出検知SW処理の一例を示したフローチャートである。
【図13】遊技制御基板のCPUが実行する第2入賞検知SW処理の一例を示したフローチャートである。
【図14】遊技制御基板のCPUが実行する特別図柄処理の一例を示したフローチャートである。
【図15】遊技制御基板のCPUが実行する大当たり判定処理の一例を示したフローチャートである。
【図16】遊技制御基板のCPUが実行する変動パターン選択処理の一例を示したフローチャートである。
【図17】遊技制御基板のCPUが実行する停止中処理の一例を示したフローチャートである。
【図18】遊技制御基板のCPUが実行する客待ち設定処理の一例を示したフローチャートである。
【図19】遊技制御基板のCPUが実行する普通図柄処理の一例を示したフローチャートである。
【図20】遊技制御基板のCPUが実行する大入賞口処理の一例を示したフローチャートである。
【図21】遊技制御基板のCPUが実行する大当たり遊技処理の一例を示したフローチャートである。
【図22】ラウンド数/作動パターンの設定例を示した図である。
【図23】遊技制御基板のCPUが実行する遊技状態設定処理の一例を示したフローチャートである。
【図24】遊技制御基板のCPUが実行する小当たり遊技処理の一例を示したフローチャートである。
【図25】遊技制御基板のCPUが実行する電チュー処理の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の全体構成した正面図である。
図1に示すパチンコ遊技機200は、矩形形状の枠201を有し、この枠201の窓孔に対して遊技盤1が着脱可能に取り付けられている。
遊技盤1の下方には、遊技球を貯留する受け皿部210と、この受け皿部210の遊技球を発射する発射ハンドル211が設けられている。
受け皿部210の上面には、例えば遊技者自身の操作を行わせて遊技に対する参加感を演出する演出ボタン212が設けられている。
また受け皿部210の上面には、遊技球の購入ボタン213、返却ボタン214、受け皿部210内の遊技球を下方から外部に抜くための球抜きボタン215が設けられている。
【0014】
遊技盤1における遊技領域1aの周囲には、外レールR1及び内レールR2が設けられている。これら外レールR1及び内レールR2は、発射ハンドル211を操作したときに発射装置から発射された遊技球を遊技領域1aに案内する。
遊技盤1の略中央には第1変動入賞手段(以下、「特別電動役物装置」と表記する)2が配置されている。
特別電動役物装置2の上部両側には、遊技球を特別電動役物装置2へ導入する導入部として遊技球が入賞し難い閉状態と遊技球が入賞し易い開状態に変化可能な可動部として一対の可動片3L、3Rが設けられている。なお、本実施の形態では、可動片3L、3Rの形状を羽根形状としているが、これはあくまでも一例であり、可動片3L、3Rは羽根形状ではなくてもよい。また可動片は、必ずしも一対である必要は無く、特別電動役物装置2の上部の何れか一方だけに配置するようにしても良い。
特別電動役物装置2の内部には、入球検知部4、振分手段である回転体5、及び特定領域(Vゾーン)6等が配置されている。
入球検知部4は、可動片3L、3Rを介して特別電動役物装置2に入賞した遊技球を検知する。このため、入球検知部4には、後述する入賞検知スイッチ(SW)4aが設けられている。
回転体5は、電源投入時から一定の回転速度で回転し、可動片3L、3Rを介して入賞した遊技球をVゾーン6又はそれ以外の領域に振り分けるようにしている。このため、回転体5のその外周には遊技球を1個収容可能な収容部(凹部)5aが形成されており、この収容部5aに遊技球が収容されたときに、遊技球がVゾーン6を通過し、それ以外のときは遊技球がVゾーン6を通過しない構成となっている。Vゾーン6の内部には、遊技球の入球を検知する特定領域SW6aが設けられている。
さらに特別電動役物装置2の内部後方には、演出表示用の画像表示装置8が配置されている。
画像表示装置8は、例えば液晶表示装置等の液晶表示パネルにより構成され、特別図柄に応じた演出用の図柄画像、例えば数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄等が表示される。また、所謂リーチ状態や特別遊技状態のときは、それぞれの遊技状態を示す演出画像等が表示される。リーチ状態は、例えば演出用の図柄画像として3つの図柄画像を表示する場合は、3つの図柄画像のうち2つの図柄画像が揃った状態であり、特別遊技状態は、3つの図柄画像が揃った状態を指す。
【0015】
特別電動役物装置2の下方中央には第1始動口21が配置されている。第1始動口21は、遊技球が入賞したときに、第1特別図柄表示器10の第1特別図柄を変動表示させる権利を発生させる。このため、第1始動口21の内部には、遊技球の入球を検出する第1始動口スイッチ(SW)21aが設けられている。
また特別電動役物装置2の右側領域には、ゲート23と、入賞した遊技球を第2始動口へ誘導する第2変動入賞手段(以下、「電チュー」と表記する)22が配置されている。
電チュー22は、左右一対の開閉爪を有し、遊技球が入賞したときに、第2特別図柄表示器11の第2特別図柄を変動表示させる権利を発生させる。このため、電チュー22の内部には、第2始動口への遊技球の入球を検出する第2始動口スイッチ(SW)が設けられている。
電チュー22は、普通図柄表示器12の普通図柄が所定態様で停止したときに所定時間、遊技球の入賞し難い閉状態から入賞し易い開状態になる。つまり、閉成状態から開成状態に変化するように構成されている。
ゲート23は、遊技球が通過したときに後述する普通図柄表示器22に表示される普通図柄を変動表示させる権利を発生させる。このため、ゲート23の内部にも、遊技球の通過を検知するゲートSW23aが設けられている。
そして、遊技盤1の右側下方には、大当たり遊技状態のときに遊技球が入賞し難い閉成状態から遊技球が入賞し易い開成状態になる変動入賞装置(以下、「大入賞装置」と表記する)の大入賞口16が配置されている。
さらに遊技盤1の遊技領域1aには、一般入賞口17が配置されていると共に、風車や図示しない多数の遊技釘が突設されている。遊技釘は、遊技球の落下速度を遅くすると共に、落下方向を複雑に変化させて遊技進行上の興趣を高めている。そして、遊技盤1の遊技領域1aの最下部には、遊技球を排出するアウト口18が設けられている。
【0016】
遊技盤1の右側下方の遊技領域1aの外には、第1特別図柄表示器10、第2特別図柄表示器11、及び普通図柄表示器12が設けられている。
第1特別図柄表示器10は、第1特別図柄を変動表示させ、所定時間経過後に当該変動表示を停止させることにより大当たりに当選したか否かを表示する。
第2特別図柄表示器11は、第2特別図柄を変動表示させ、所定時間経過後に当該変動表示を停止させることにより小当たりに当選したか否かを表示する。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機200では、第1特別図柄表示器10又は第2特別図柄表示器11の特別図柄が変動中に第1始動口21に遊技球が入球した場合は、当該入球によって得られる第1特別図柄の変動表示を開始させる権利を最大4個、保留球として記憶する。この保留球の保留数は、第1特別図柄保留ランプ13によって表示される。
同様に、第1又は第2特別図柄が変動中に第2始動口である電チュー22に遊技球が入球した場合も当該入球によって得られる特別図柄の変動表示を開始させる権利を最大4個、保留球として記憶する。この保留球の留保数は、第2特別図柄保留ランプ14によって表示される。また、普通図柄表示器12の普通図柄が変動中に遊技球がゲート23を通過した場合も、通過によって得られる普通図柄の変動表示を開始させる権利を最大4個保留可能とされる。この権利は普通図柄保留ランプ15によって表示される。
【0017】
図2は、本実施形態に係るパチンコ遊技機の特別電動役物装置に備えられている振分手段の動作を示した図である。
この図2(a)に示す特別電動役物装置2では、可動片3L、3Rを介して入賞した遊技球は、入球検知部4において入賞が検知された後、一定速度で時計回りに回転している回転体5の外周面上に落下する。ここで、例えば回転体5の収容部5aが入球検知部4の直下であって遊技球が収容部5aに最も入球し易い最適位置A、或いはその前後近傍に位置しているときに遊技球が回転体5上に落下した場合は、落下した遊技球が収容部5aに収容される確率が高くなる。回転体5の収容部5aに遊技球が収容された場合、収容された遊技球は、回転体5の回転により運ばれて、図2(b)に示すようにVゾーン6に振り分けられる。一方、回転体5の収容部5aに遊技球が収容されなかった場合は、遊技球はVゾーン6以外の領域、すなわちハズレに振り分けられることになる。
【0018】
図3は、本実施形態に係るパチンコ遊技機全体の遊技制御を行う遊技制御装置の構成を示したブロック図である。
図3に示す遊技制御装置には、主(メイン)制御基板として、遊技の進行を制御する遊技制御基板111が設けられている。また副(サブ)制御基板として、演出制御基板121、画像制御基板131、ランプ制御基板141、払出制御基板151等が設けられている。
遊技制御基板111は、CPU112、ROM113、RAM114を有し、当該パチンコ遊技機200の主たる制御を行う。
遊技制御基板111には、第1始動口21に設けられた第1始動口SW21a、電チュー22内に設けられた第2始動口SW22a、電チュー22を開閉動作させるための電チューソレノイド(SOL)22b、ゲート23内に設けられたゲートSW23a、特別電動役物装置2に入球した遊技球を検出する入賞検知SW4a、特別電動役物装置2に入賞した遊技球が外部に排出されたことを検出する排出検知SW7a、大入賞装置16に入賞した遊技球を検出する入賞検知SW16aが接続されている。
【0019】
また、遊技制御基板111には、特別電動役物装置2の可動片3を開閉動作させるための可動片ソレノイド(SOL)3a、大入賞装置の大入賞口16の扉を開閉動作させるための大入賞口ソレノイド(SOL)16b、特定領域(Vゾーン)6を通過した遊技球を検知する特定領域SW6a、一般入賞口17に設けられた一般入賞口SW17aが接続されている。
更に、第1特別図柄表示器10、第2特別図柄表示器11、普通図柄表示器12、第1特別図柄保留ランプ13、第2特別図柄保留ランプ14、普通図柄保留ランプ15、特別電動役物装置2の回転体5を駆動する回転体駆動装置5a等が接続されている。
更にまた、遊技制御基板111には、演出制御基板121、払出制御基板151、及び盤用外部情報端子基板160等が接続されている。
【0020】
演出制御基板121は、CPU122、ROM123、RAM124を有し、遊技演出全体の制御を行う。このため、演出制御基板121には、画像制御基板131、ランプ制御基板141、演出ボタン212等が接続されている。
画像制御基板131は、CPU132、ROM133、RAM134を有し、演出制御基板121の指示に基づいて、画像及び音声の制御を行う。このため、画像制御基板131には、画像表示装置8及びスピーカ216等が接続されている。
ランプ制御基板141は、CPU142、ROM143、RAM144を有し、接続されている各種ランプの制御を行う。このため、ランプ制御基板141には、枠ランプ145、盤ランプ146、及び演出役物147等が接続されている。
払出制御基板151は、CPU152、ROM153、RAM154を有し、遊技球の払い出し制御を行う。このため、払出制御基板151には、払出モータ155、払出球検出SW156、球有り検出SW157、満タン検出SW158等が接続されている。更に払出制御基板151には、枠用外部情報端子基板170が接続されている。
【0021】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機において取得される各種乱数について説明する。
図4は、本実施形態のパチンコ遊技機において取得される乱数を示した図であり、(a)は大当たり乱数、(b)は大当たり時の図柄乱数、(c)は小当たり時の図柄乱数、(d)はゲート用当たり乱数の一例を示した図である。
図4(a)に示す大当たり乱数は、遊技球が第1又は第2始動口に入賞した時に1つ乱数値が取得される。遊技制御基板111は、取得された大当たり乱数に基づいて、大当たり、小当たりの何れかを選択する。
例えば、図4(a)に示す大当たり乱数は、第1始動口21及び電チュー22内の第2始動口の大当たりの割合がそれぞれ1/400に設定されており、「0」〜「399」の400個の乱数値から「3」が取得されたときに大当たり(1種大当たり)を選択する。また第2始動口は、小当たりの割合が399/400に設定されており、「0」〜「399」の400個の乱数値から「0」〜「2」、「4」〜「399」が取得されたときに小当たりを選択する。
【0022】
次に、図4(b)(c)に示す図柄乱数は、遊技球が第1始動口又は第2始動口に入賞した時に上記大当たり乱数と同時に1つの乱数値が取得される。
遊技制御基板111では、上記大当たり乱数と図柄乱数に基づいて大当たりの種類を選択する。
例えば、図4(b)に示すように通常遊技中に、大当たり乱数が1種大当たり(15ラウンド当たり)に当選した場合、大当たり遊技終了後に特典遊技として時短遊技を付与する第1時短付き長当たりが選択される割合、または大当たり遊技終了後に時短遊技を付与しない第1時短無し長当たりが選択される割合がそれぞれ125/250に設定されており、例えば取得した乱数値が「0」〜「124」のときに第1時短付き長当たり、「125」〜「249」のときに第1時短無し長当たりが選択される。
また、図4(b)に示すように時短遊技中に、大当たり乱数が1種大当たりに当選した場合、第1時短付き長当たりが選択される割合が200/250、第1時短無し長当たりが選択される割合が50/250に設定されており、例えば取得した乱数値が「0」〜「199」のときに第1時短付き長当たり、「200」〜「249」のときに第1時短無し長当たりが選択される。
【0023】
一方、図4(c)に示すように通常遊技中に小当たり経由の2種大当たり(16ラウンド)に当選した場合、大当たり遊技終了後に時短遊技を付与する第2時短付き長当たりが選択される割合、または大当たり遊技終了後に時短遊技を付与しない第2時短無し長当たりが選択される割合がそれぞれ125/250に設定されており、例えば取得した乱数値が「0」〜「124」のときに第2時短付き長当たり、「125」〜「249」のときに第2時短無し長当たりが選択される。
また、図4(c)に示すように、時短遊技中に2種大当たりに当選した場合、第2時短付き長当たりが選択される割合が200/250、第2時短無し長当たりが選択される割合が50/250に設定されており、例えば取得した乱数値が「0」〜「199」のときに第1時短付き長当たり、「200」〜「249」のときに第2時短無し長当たりが選択される。
図4(d)に示すゲート用当たり乱数テーブルでは、遊技球がゲート22を通過時、例えば「0」〜「9」までの10個の乱数の中から一つの乱数値が取得される。当たり乱数テーブルでは、当たりの割合が例えば9/10に設定されており、取得した乱数値が「0」〜「8」のときに当たりと判定される。
【0024】
上記のように構成される本実施形態のパチンコ遊技機200では、第1始動口21又は電チュー22内を介して第2始動口に遊技球が入球したときに、遊技制御基板111において大当たり乱数、図柄乱数等をそれぞれ取得する。そして第1始動口21への遊技球の入賞時に取得した第1特別図柄の大当たり乱数及び図柄乱数に基づいて、第1特別図柄表示器10に表示する第1特別図柄の変動と停止を制御し、電チュー22を介して第2始動口への遊技球の入賞時に取得した第2特別図柄の大当たり乱数及び図柄乱数に基づいて、第2特別図柄表示器11に表示する第2特別図柄の変動と停止を制御する。
そして、遊技制御基板111は、第1特別図柄表示器10の第1特別図柄が所定の大当たり図柄で停止表示されたときに、大入賞装置の大入賞口16を利用した大当たり遊技を実行する。
更に、遊技制御基板111は、図柄乱数に基づいて、大当たり遊技終了後、遊技者に有利な特典遊技として、所定回数(例えば100回)の時短遊技を付与するか否かの判定を行い、時短遊技を付与する場合は、大当たり遊技終了後に、時短遊技状態に移行し、時短遊技を付与しない場合は通常遊技状態に移行する。
【0025】
時短遊技中は、普通図柄が当たり図柄で停止したときに電チュー22の開放時間が通常遊技状態のときにより長くなるように構成されている。従って、時短遊技中は、遊技者がゲート23及び電チュー22を狙って遊技球を発射することで、電チュー22への遊技球の入賞率を高めることができる。電チュー22に遊技球が入賞した場合は、その入賞によって第2特別図柄が所定時間変動して停止する。このとき、第2特別図柄は、399/400の割合で、小当たり図柄で停止表示される。第2特別図柄が小当たり図柄で停止表示された後は、小当たり動作として特別電動役物装置2の可動片3L、3Rを1回又は複数回開閉する開閉動作を実行する。そして、この可動片3L、3Rの開閉動作において遊技球が特別電動役物装置2内に入賞し、入賞した遊技球が回転体5の収容部5aを介してVゾーン6内の特定領域SW6aを通過すると、いわゆる2種大当たりとなり、大入賞装置の大入賞口16を利用した大当たり遊技を実行する。
【0026】
図5及び図6は本実施形態のパチンコ遊技機の時短遊技中における小当たり動作の説明図である。
本実施形態のパチンコ遊技機200においては、時短遊技中は電チュー22を介して第2始動口に遊技球が入賞し易くなる。また第2始動口への入賞により獲得される第2特別図柄を変動させる権利を保留する保留機能を備えていることから、図5(a)に示すように時短遊技中は小当たり動作が連続して行われる可能性が高い。
1回の小当たり動作時間は、図5(b)に示すように図柄変動時間(2秒)、図柄停止期間(1秒)、開放動作期間(1秒)、入球/排出検知期間(2秒)の合計時間(6秒)となる。従って、時短遊技中の電動役物装置2の可動片3L、3Rは、図5(c)に示すように電動役物装置2の可動片3L,3Rが所定期間T(6秒)に1回、の開放動作を行うことになる。
ここで、特別電動役物装置2内の回転体5が1回転するのに要する時間を、例えば上記した小当たり動作時間と同じ6秒、或いは6秒の整数倍(12秒、18秒)に設定した場合は、上記したように時短遊技中に小当たり動作が連続すると電動役物装置2の可動片3L、3Rの開放タイミングと回転体5の位置関係が常に同期して一定になる。
これは即ち、電動役物装置2の可動片3L、3Rの開放タイミングと回転体5の収容部5aとの位置関係が同期して常に略一定になることを意味する。
この結果、時短遊技開始時に可動片3L、3Rの開放タイミングと、回転体5の収容部5aとの位置関係が遊技者に不利なタイミング、例えば、図5(c)に示すように、可動片3L、3Rが開放するタイミングと回転体5の収容部5aが最適位置A(図2(a)参照)に到達するタイミングがずれた状態で同期してしまうと、時短遊技中に大当たりに当選し難くなり、規定回数(例えば100回)の時短遊技中に再度大当たりに当選しないおそれがあった。
【0027】
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機200では、時短遊技を開始してから所定期間、例えば時短遊技が30回或いは50回経過した時点でも大当たりに当選していない場合は、図6(a)に示すタイミング変更ゾーンにおいて小当たり動作の開始タイミングを変更するようにした。
タイミング変更ゾーンにおける小当たり動作時間は、図6(b)に示すように図柄変動時間を2秒から13秒に長くして、小当たり動作時間を17秒にしている。従って、図6(a)に示すタイミング変更ゾーンでは、図6(c)に示すように電動役物装置2の可動片3L、3Rが所定時間T’(17秒)に1回開放動作を行うことになる。
このようにすれば、タイミング変更ゾーン以前において、可動片3L、3Rの開放タイミングと回転体5の収容部5aとの位置関係が遊技者に不利なタイミングで同期していた場合でも、タイミング変更ゾーンにおいて可動片3L、3Rの開放タイミングと回転体5の収容部5aとの位置関係を変更することが可能になる。
よって、時短遊技開始時に可動片3L、3Rの開放タイミングと、回転体5の収容部5aとの位置関係が遊技者に不利なタイミングで同期している場合でも、タイミング変更ゾーン或いはタイミング変更ゾーン後の時短遊技中に再度大当たりに当選する確率を高めることができる。
【0028】
なお、タイミング変更ゾーンは、時短遊技中に複数回行うように構成すると、可動片3L、3Rの開放タイミングと回転体5との関係が遊技者に不利なタイミングで同期し続けるのを防止することができる。よって、従来より時短遊技中に再度大当たりに当選する可能性をより高めることができる。
特に、時短遊技開始から素数回数(例えば「11」、「31」、「41」)回目の時短遊技においてタイミング変更ゾーンに移行するように構成すると、確実に可動片3L、3Rの開放タイミングと回転体5の収容部5aとの位置関係を変更することができるので、より効果的である。
【0029】
また、1回のタイミング変更ゾーンにおいて複数回、小当たり動作の動作時間を変更したほうが、上記同様、時短遊技中に可動片3L、3Rの開放タイミングと回転体5との関係が遊技者に不利なタイミングで同期し続けるのを防止することができる。よって、従来より時短遊技中に再度大当たりに当選する可能性をより高めることができる。
また本実施形態では、タイミング変更ゾーンにおいて図柄変動時間を変更することで小当たり動作時間を変更するようにしているが、入球/排出検知時間や図柄停止時間を変更して小当たり動作のタイミングを変更するようにしても良い。
【0030】
更に、本実施形態では、タイミング変更ゾーンにおいて、特別図柄の変動時間を通常より長い時間に設定することで、遊技者が一時的に遊技球発射装置から手を離して遊技を停止することも考えられるので、この点からも時短遊技中に可動片3L、3Rの開放タイミングと回転体5との関係が遊技者に不利なタイミングで同期し続けるのを防止することが期待できる。なお、この場合はタイミング変更ゾーンにおいて、画像表示装置8を利用してリーチ演出を連続的に実行すると、遊技者が遊技球発射装置から手を離す期待度がより高くなる。
【0031】
なお、これまで説明した本実施形態では、振分手段として一定の回転速度で回転する回転体を例に挙げて説明したが、これはあくまでも一例であり一定周期で作動して遊技球を特定領域とそれ以外の領域に振り分ける機構を備えていればよい。
【0032】
以下、これまで説明した本実施形態のパチンコ遊技機200の動作を実現するために遊技制御装置が実行する処理について説明する。
なお、以下に説明する処理は、遊技制御基板111のCPU112がROM113に格納されているプログラムを実行することにより実現することができる。
【0033】
[タイマ割込処理]
図7は、遊技制御基板のCPUが実行するタイマ割込処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、タイマ割込処理として、乱数更新処理(S10)、スイッチ処理(S20)、図柄処理(S30)、電動役物処理(S40)、賞球処理(S50)、出力処理(S60)を実行する。
【0034】
以下、上記タイマ割込処理として実行される各種処理について説明する。
先ず、図8〜図10を用いて乱数更新処理と各種スイッチ処理について説明する。
[始動口SW処理]
図8は、遊技制御基板のCPUが実行する始動口SW処理の一例を示したフローチャートである。
この場合、CPU112は、第1始動口21の第1始動口SW21aがオンであるか否かの判別を行い(S201)、第1始動口SW21aがオンであると判別した場合は、第1始動口SW21aの保留個数U1が「4」より少ないか否かの判別を行う(S202)。ここで、保留個数U1が「4」より少ないと判別した場合は、保留個数U1に「1」を加算する(S203)。この後、遊技データとして、大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数等を取得してRAM114に格納する(S204)。次いで、第1特別図柄保留ランプ13の保留数を増加するために第1保留数増加コマンドをセットする(S205)。なお、ステップS202において、否定結果が得られた場合、つまり保留個数U1が最大保留可能個数である「4」と判別した場合は、ステップS203〜S205の処理をスキップしてステップS206に進む。
【0035】
次に、CPU112は、第2始動口である電チュー22の第2始動口SW22aがオンであるか否かの判別を行い(S206)、第2始動口SW22aがオンであると判別した場合は、第2始動口SW22aの保留個数U2が「4」より少ないか否かの判別を行う(S207)。ここで、保留個数U2が「4」より少ないと判別した場合は、保留個数U2に「1」を加算する(S208)。この後、遊技データとして、大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数等を取得してRAM114に格納する(S209)。次いで、第2特別図柄保留ランプ14の保留数を増加するために第2保留数増加コマンドをセットして(S210)、始動口SW処理を終了する。なお、ステップS207において、否定結果が得られた場合、つまり保留個数U2が最大保留可能個数である「4」と判別した場合は、始動口SW処理を終了する。
【0036】
[特定領域SW処理]
図9は、遊技制御基板のCPUが実行する特定領域SW処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、特別電動役物装置2内の特定領域(Vゾーン)4の特定領域SW6aがオンであるか否かの判別を行う(S221)。特定領域SW6aがオンであると判別した場合は、特別電動役物装置2内に遊技球が入球していることを示す入球フラグがONであるか否かの判別、即ちVゾーンが有効期間であるか否かの判別を行う(S222)。そして、入球フラグがONであると判別した場合は、VフラグをONにし(S223)、Vゾーンに入賞したことを示すV入賞コマンドをセットして(S224)、特定領域SW処理を終了する。なお、ステップS221において、特定領域SW6aがオンでないと判別した場合、或いはステップS222において、入球フラグがONでないと判別した場合、即ちVゾーンが無効期間であると判別した場合は、特定領域SW処理を終了する。
【0037】
[ゲートSW処理]
図10は、遊技制御基板のCPUが実行するゲートSW処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、ゲート23のゲートSW23aがオンであるか否かの判別を行い(S231)、ゲートSW23aがオンであると判別した場合は、ゲートSW23aのゲート通過回数Gが「4」より少ないか否かの判別を行う(S232)。ゲート通過回数Gが「4」より少ないと判別した場合は、ゲート通過回数Gに「1」を加算し(S233)、ゲート用の当たり乱数を取得してRAM114に格納して(S234)ゲートSW処理を終了する。
なお、ステップS231において、ゲートSW23aがオンでないと判別した場合、或いはステップS232において、否定結果が得られた場合、つまりゲート通過回数Gが最大保留可能個数である「4」と判別した場合は、ゲートSW処理を終了する。
【0038】
[第1入賞検知SW処理]
図11は、遊技制御基板のCPUが実行する第1入賞検知SW処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、特別電動役物装置2内の入賞検知SW2aがオンであるか否かの判別を行い(S241)、入賞検知SW2aがオンであると判別した場合は、特別電動役物装置2内に滞在している遊技球の入球個数をカウントする個数カウンタXに「1」を加算する(S242)。次に、特別電動役物装置2内に遊技球が滞在していること示す入球フラグをONにする(S243)。入球フラグをONにした場合は、特別電動役物装置2内のVゾーン6が有効になる(S243)。この後、第1入賞検知SW処理を終了する。
一方、ステップS241において、特別電動役物装置2内の入賞検知SW2aがオンでないと判別した場合も第1入賞検知SW処理を終了する。
【0039】
[排出検知SW処理]
図12は、遊技制御基板のCPUが実行する排出検知SW処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、特別電動役物装置2の排出検知SW2bがオンであるか否かの判別を行い(S251)、排出検知SW2bがオンであると判別した場合は、特別電動役物装置2内に滞在している遊技球の入球個数を示す個数カウンタXから「1」を減算する(S252)。
次に、個数カウンタXの値が「0」であるか否かの判別を行い(S253)、個数カウンタXの値が「0」であると判別した場合は、入球フラグをOFFにして、特別電動役物装置2内のVゾーン6を無効にした後(S254)、排出検知SW処理を終了する。
一方、ステップS251において、排出検知SW2bがオンでないと判別した場合は、個数カウンタXの値を減算することなく、ステップS253に移行する。
また、ステップS253において、個数カウントXの値が「0」でないと判別した場合は、入球フラグをOFFにすることなく、排出検知SW処理を終了する。
【0040】
[第2入賞検知SW処理]
図13は、遊技制御基板のCPUが実行する第2入賞検知SW処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、大入賞装置16内の入賞検知SW16aがオンであるか否かの判別を行い(S261)、入賞検知SW16aがオンであると判別した場合は、次に大当たり中であるか否かの判別を行う(S262)。ステップS262において、大当たり中であると判別した場合は、入賞個数をカウントする個数カウンタCに「1」を加算して(S263)、第2入賞検知SW処理を終了する。
なお、ステップS262において、大当たり中でないと判別した場合、或いはステップS261において、入賞検知SW16aがオンでないと判別した場合は、第2入賞検知SW処理を終了する。
【0041】
次に、図14〜図19を用いて図柄処理について説明する。
[特別図柄処理]
図14は、遊技制御基板のCPUが実行する特別図柄処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、大当たり遊技フラグがONであるか否か、つまり大当たりゲーム中であるか否かの判別を行い(S311)、大当たりゲーム中でないと判別した場合は、第1特別図柄表示器10の特別図柄、又は第2特別図柄表示器11の特別図柄が変動中であるか否かの判別を行う(S312)。特別図柄が変動中でないと判別した場合は、優先的に消化する第2始動口SW22aの保留個数U2が「1」より多いか否かの判別を行い(S313)、保留個数U2が「1」より多いと判別した場合は、保留個数U2を「1」減算する(S314)。
この際、RAM114に第2特別図柄表示器11の特別図柄に対応した遊技データを記憶する記憶領域として、例えば第1〜第4の記憶領域が設けられている場合は、第4記憶領域に記憶された遊技データを第3記憶領域にシフトし、第3記憶領域に記憶された遊技データを第2記憶領域にシフトし、第2記憶領域に記憶された遊技データを第1記憶領域にシフトする。そして第1記憶領域に記憶されたデータを所定の処理領域に書き込むようにする。
【0042】
一方、ステップS313において、保留個数U2が≧1でないと判別した場合、つまり保留個数U2が「0」である場合は、次に第1始動口SW21aの保留個数U1が「1」より多いか否かの判別を行い(S316)、保留個数U1が「1」より多いと判別した場合は、保留個数U1を「1」減算する(S317)。この時も、RAM114に第1特別図柄表示器10の特別図柄に対応した遊技データを記憶する記憶領域として、例えば第1〜第4の記憶領域が設けられている場合は、第4記憶領域に記憶された遊技データを第3記憶領域にシフトし、第3記憶領域に記憶された遊技データを第2記憶領域にシフトし、第2記憶領域に記憶された遊技データを第1記憶領域にシフトする。そして第1記憶領域に記憶された遊技データを所定の処理領域に書き込むようにする。
【0043】
次に、CPU112は、客待ちフラグをOFFにする(S315)。次いで、所定の処理領域に書き込まれた遊技データに基づいて、後述する大当たり判定処理を実行する(S318)。大当たり判定処理実行後は、後述する変動パターン選択処理を実行する(S319)。変動パターン選択処理実行後は、対応する第1特別図柄表示器10、又は第2特別図柄表示器11の図柄変動を開始すると共に変動開始コマンドをセットする(S320、S321)。
次に、CPU112は、第1又は第2特別図柄の変動時間が所定の変動時間を経過したか否かの判別を行い(S322)、所定の変動時間を経過したと判別した場合は、第1特別図柄表示器10又は第2特別図柄表示器11の変動を停止して所定特別図柄を表示させる(S323)。この後、変動停止コマンドをセットし(S324)、後述する停止中処理(S325)を実行して特別図柄処理を終了する。
【0044】
なお、ステップS311において当たり遊技フラグがONであると判別した場合、或いはステップS322において、特別図柄の変動時間が所定の変動時間に達していないと判別した場合は、特別図柄処理を終了する。
また、ステップS312において、特別図柄が変動中であると判別した場合は、ステップS322に進み、特別図柄の変動時間が所定の変動時間を経過したか否かの判別を行う。
また、ステップS316において、保留個数U1が≧1でないと判別した場合、つまり保留個数U1、U2の保留が無いと判別した場合は、後述する客待ち設定処理に実行して(S326)、特別図柄処理を終了する。
【0045】
[大当たり判定処理]
図15は、遊技制御基板のCPUが実行する大当たり判定処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、RAM114の所定の処理領域に書き込まれた遊技データに含まれる大当たり乱数の判定を行い(S331)、続くステップS332において、大当たりであるか否かの判別を行う。ここで、大当たりと判別した場合は、RAM114の所定の処理領域に書き込まれた遊技データに含まれる図柄乱数の判定を行い(S333)、その判定結果に基づいて、第1特別図柄表示器10又は第2特別図柄表示器11にセットする大当たり図柄を設定して(S334)、大当たり判定処理を終了する。
一方、ステップS332において、大当たりでないと判別した場合は、次に大当たり乱数により小当たりであるか否かの判別を行う(S335)。ここで、小当たりと判別した場合は、図柄乱数の判定を行い(S336)、第1特別図柄表示器10又は第2特別図柄表示器11にセットする小当たり図柄を設定して(S337)、大当たり判定処理を終了する。また、ステップS335において、小当たりでない判別した場合は、第1特別図柄表示器10又は第2特別図柄表示器11にセットするハズレ図柄を設定して(S338)、大当たり判定処理を終了する。
【0046】
[変動パターン選択処理]
図16は、遊技制御基板のCPUが実行する変動パターン選択処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、特別図柄が第1特別図柄である場合は、大当たりであるか否かの判別を行い(S341)、大当たりであると判別した場合は、大当たり用テーブルをRAM114にセットする(S342)。この後、上記ステップS204、S209(図8参照)において取得した変動パターン乱数の判定を行い(S349)、その変動パターン乱数に応じた変動パターンを大当たり用テーブルの中から設定して(S350)、変動パターン選択処理を終了する。
一方、ステップS341において、大当たりでないと判別した場合は、ステップS343において、特別図柄が第2特別図柄である場合は、小当たりであるか否かの判別を行い、小当たりであると判別した場合は、次にゾーンフラグがONであるか否かの判別を行い(S344)、ゾーンフラグがONであると判別した場合は、ゾーン小当たり用テーブルをRAM114にセットする(S345)。ゾーン小当たり用テーブルは、図柄変動時間が通常より長い変動パターン(例えば17秒の変動パターン)のみによって構成されている。この後、ステップS346において、ゾーンフラグをOFFに戻して、ステップS349に進む。この場合、CPU112は、ステップS349における変動パターン乱数の判定結果に関わらず、常に通常より変動時間が長い変動パターンが選択されることになる。
一方、ステップS344において、ゾーンフラグがONでないと判別した場合は、図柄変動時間が短い(例えば3秒)、通常小当たり用テーブルをRAM114にセットして(S347)、ステップS349に進む。また、ステップS343において、小当たりでないと判別した場合は、ハズレ用テーブルをRAM114にセットして(S348)、ステップS349に進む。
【0047】
[停止中処理]
図17は、遊技制御基板のCPUが実行する停止中処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、時短フラグがONであるか否かの判別を行い(S351)、時短フラグがONであると判別した場合は、RAM114に記憶されている時短遊技の残遊技回数Jから「1」を減算する(S352)。
次に、CPU112は、残遊技回数Jが所定残回数「Z」であるか否かの判別を行い(S353)、残回数Jが「Z」であれば、ゾーンフラグをONにする(S354)。
例えば、時短遊技開始から51〜54回転目の小当たり動作においてゾーン演出を実行するのであれば、「Z」として「46」〜「49」をセットすればよい。
一方、ステップS353において、残ゲーム回数Jが「Z」でないと判別した場合は、ゾーンフラグをONにすることなくステップS355に移行する。
次に、CPU112は、残ゲーム回数Jが「0」であるか否かの判別を行い(S355)、残ゲーム回数Jが「0」であれば、時短ゲームにおいて特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行われたことを意味するので時短フラグをOFFにする(S356)。なお、ステップS351において時短フラグがONでないと判別した場合、或いはステップS355において、残ゲーム回数Jが「0」でないと判別した場合は、ステップS357に移行する。
【0048】
次に、CPU112は、第1特別図柄表示器10又は第2特別図柄表示器11にセットされた特別図柄により大当たりであるか否かの判別を行い(S357)、大当たりでないと判別した場合は、次にセットされている特別図柄が「小当たり」であるか否かの判別を行う(S358)。
ここで、小当たりであると判別した場合は、小当たり遊技フラグをONにする(S359)。この後、小当たりのオープニングを開始すると共に、小当たりオープニングコマンドをセットして(S360、S361)、停止中処理を終了する。
一方、ステップS358において、小当たりでないと判別した場合は、小当たり遊技フラグをONにすることなく停止中処理を終了する。
また、ステップS357において、大当たりであると判別した場合は、時短ゲームの残ゲーム回数Jに「0」をセットして、残ゲーム回数Jをリセットすると共に、時短フラグをOFFにする(S362、S363)。この後、大当たりのオープニングを開始すると共に、大当たりオープニングコマンドをセットして(S364、S365)、停止中処理を終了する。
【0049】
[客待ち設定処理]
図18は、遊技制御基板のCPUが実行する客待ち設定処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、客待ちフラグがONであるか否かの判別を行い(S371)、客待ちフラグがONであると判別した場合は、客待ち設定処理を終了する。
一方、ステップS371において、客待ちフラグがONでないと判別した場合は、客待ちコマンドをセットすると共に、客待ちフラグをONにしてから(S372、S373)、客待ち設定処理を終了する。
【0050】
[普通図柄処理]
図19は、遊技制御基板のCPUが実行する普通図柄処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、電チュー22が作動中であることを示す補助遊技フラグがONであるか否の判別を行い(S381)、補助遊技フラグがONであると判別した場合は、普通図柄処理を終了する。
一方、ステップS381において、補助遊技フラグがONでないと判別した場合は、普通図柄が変動中であるか否かの判別を行う(S382)。ここで、普通図柄が変動中でないと判別した場合は、ゲートSW23aのゲート通過回数Gが「1」より多いか否かの判別を行い(S383)、ゲート通過回数Gが「1」より多い場合は、ゲート通過回数Gを「1」減算し(S384)、ゲート通過回数Gが「1」より多くないと判別した場合、つまり「0」の場合は、普通図柄処理を終了する。
次に、CPU112は、普通図柄の当たり乱数の判定を行い(S385)、普通図柄表示器12に停止表示する停止図柄と変動時間を設定する(S386、S387)。
ここで、設定する変動時間は、RAM114に記憶されている時短フラグの状態によって異なる。例えば、時短フラグがOFFの場合、変動時間は比較的長い4.0秒に設定される。
一方、時短フラグがONの場合は、比較的短い1.5秒に設定される。この後、普通図柄表示器12の変動を開始する。
【0051】
次に、CPU112は、普通図柄の変動時間が所定時間経過したか否かの判別を行い(S389)、普通図柄の変動時間が所定時間経過していないと判別した場合は、普通図柄処理を終了する。
一方、所定の変動時間を経過したと判別した場合は変動を停止し(S390)、次に普通図柄が当たり図柄であるか否かの判別を行う(S391)。
普通図柄が当たり図柄である場合は、補助遊技フラグをONにして(S392)、普通図柄処理を終了する。なお、ステップS391において、停止図柄が当たり図柄でない場合は、補助遊技フラグをONにすることなく普通図柄処理を終了する。
なお、ステップS382において、普通図柄が変動中であると判別した場合は、ステップS389に進み、普通図柄の変動時間が所定の変動時間を経過したか否かの判別を行う。
【0052】
次に、図20〜図25を用いて電動役物処理について説明する。
[大入賞口処理]
図20は、遊技制御基板のCPUが実行する大入賞口処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、大当たり遊技フラグがONであるか否かの判別を行い(S411)、大当たり遊技フラグがONであると判別した場合は、大入賞装置の大入賞口16を利用した大当たり遊技処理を実行する(S412)。
一方、ステップS411において、大当たり遊技フラグがONでないと判別した場合は、小当たり遊技フラグがONであるか否かの判別を行い(S413)、小当たり遊技フラグがONであると判別した場合は、特別電動役物装置2を利用した小当たり遊技処理を実行する(S414)。上記大当たり遊技処理又は小当たり遊技処理を実行後、大入賞口処理を終了する。また、ステップS413において、小当たり遊技フラグがONでないと判別した場合も大入賞口処理を終了する。
【0053】
[大当たり遊技処理]
図21は、遊技制御基板のCPUが実行する大当たり遊技処理の一例を示したフローチャートである。なお、特別電動役物装置2を利用した大当たり遊技処理と、大入賞装置の大入賞口16を利用した大当たり遊技処理は、利用する大入賞装置に合わせてラウンド数と開放パターンの設定を変更するだけで、他は同一処理により実現できるため、ここでは、大入賞口装置30を利用した大当たり動作について説明する。
CPU112は、先ず、大当たりのオープニング中であるか否かの判別を行う(S421)。大当たりのオープニング中であると判別した場合は、次にオープニング時間を経過したか否かの判別を行う(S422)。オープニング時間を経過したと判別した場合は、ラウンド数(R数)/作動パターンの設定を行う(S423)。
【0054】
図22は、ラウンド数/作動パターンの設定例を示した図である。
本実施形態では、大当たりが1種大当たりである場合は、大入賞装置16を利用して、ラウンド数(R数)15R、1R中の作動パターンを例えば29.5秒開放×1回に設定した大当たり遊技を実行する。このため、1種大当たりのときは大当たりラウンド数を示すラウンド数Rの値に「0」をセットする。
また、大当たりが特別電動役物装置2内のVゾーンを経由した2種大当たりである場合は、特別電動役物装置2を利用してラウンド数(R数)16R、1R目の作動パターンは小当たり動作、2R目以降の作動パターンを例えば29.5秒開放×1回に設定した大当たり遊技を実行する。このため、2種大当たりのときは大当たりラウンド数を示すラウンド数Rの値に「1」をセットする。
【0055】
次に、CPU112は、大入賞装置16の1ラウンドあたりの入賞個数を示す個数カウンタCを「0」にリセットすると共に、ラウンド数Rの値に「1」を加算する(S424,S425)。この後、大入賞装置の大入賞口16の作動を開始する。つまり、大入賞装置の大入賞口16を閉状態から開状態にする(S426)。
【0056】
次に、CPU112は、大入賞装置の大入賞口16の作動時間が所定の作動時間を経過したか否かの判別を行い(S427)、作動時間が所定時間を経過していないと判別した場合は、次に個数カウンタCの値が規定個数Cに達したか否かの判別を行う(S428)。
ステップS428において、個数カウンタCの値が規定個数Cであると判別した場合は、大入賞装置の大入賞口16の作動を終了する(S429)。つまり、大入賞装置の大入賞口16を開状態から閉状態にする。
これに対して、個数カウンタCの値が規定個数Cでないと判別した場合は、大当たり遊技処理を終了する。
また、ステップS427において、大入賞装置16の作動時間が所定の作動時間を経過していた場合は、ステップS428の処理をスキップして、個数カウンタCの個数をチェックすることなく大入賞装置の大入賞口16の作動を終了する(S429)。
【0057】
次に、CPU112は、大当たりラウンド数が最大ラウンド数Rであるか否かの判別を行う。つまり、大当たりラウンドが最終ラウンドであるか否かの判別を行う(S430)。ここで、大当たりラウンドが最終ラウンドであると判別した場合は、大当たりエンディングを開始し(S431)、大当たりエンディングコマンドをセットする(S432)。
次に、ラウンド数Rの値を「0」にリセットした後(S433)、大当たりエンディング時間が経過したか否かの判別を行う(S434)。そして、大当たりエンディング時間を経過したと判別した場合は、遊技状態設定処理を実行し(S435)、大当たり遊技フラグをOFFにして(S436)、大当たり遊技処理を終了する。
一方、ステップS430において、大当たりラウンドが最終ラウンドでないと判別した場合は、大当たり遊技処理を終了する。
【0058】
また、ステップS421において、大当たりのオープニング中でないと判別した場合は、大当たりエンディング中であるか否かの判別を行い(S437)、大当たりエンディング中であると判別した場合は、ステップS434に進み、大当たりエンディング中でないと判別した場合は、大入賞装置の大入賞口16が作動中であるか否かの判別を行う(S438)。
ここで、大入賞装置の大入賞口16が作動中であると判別した場合は、ステップS427に移行し、大入賞装置の大入賞口16が作動中でないと判別した場合はステップS424に移行する。
また、ステップS422において大当たりオープニング時間を経過していないと判別した場合、ステップS428において個数カウンタCの値が規定個数Cに達していないと判別した場合、或いはステップS434において、大当たりエンディング時間を経過していないと判別した場合は、大当たり遊技処理を終了する。
【0059】
[遊技状態設定処理]
図23は、遊技制御基板のCPUが実行する遊技状態設定処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、時短付き大当たりであるか否かの判別を行い(S451)、時短付き大当たりであると判別した場合は、時短フラグをONにすると共に、時短ゲームの残ゲーム回数Jに例えば「100」をセットして(S452、S453)、遊技状態設定処理を終了する。なお、ステップS451において、時短付き大当たりでないと判別した場合も、遊技状態設定処理を終了する。
【0060】
[小当たり遊技処理]
図24は、遊技制御基板のCPUが実行する小当たり遊技処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、特別電動役物装置2の入球フラグがONであるか否かの判別を行う(S471)。ステップS471において、入球フラグがONでないと判別した場合は、特別電動役物装置2の可動片3が作動中であるか否かの判別を行う(S472)。そしてステップS472において、特別電動役物装置2が作動中でないと判別した場合は、小当たり開放パターンを設定する(S473)。
次いで、CPU112は、特別電動役物装置2の作動開始コマンドをセットし(S474)、特別電動役物装置2の作動を開始させる(S475)。具体的には、作動開始から所定のインターバル期間経過後、特別電動役物装置2の可動片3を1回又は2回、開放すると共に、作動開始から所定時間経過後、進退部材33を1回又は2回程度進退動作させる(S475)。
次に、CPU112は、特別電動役物装置2の作動時間が所定時間を経過したか否かの判別を行い(S476)、所定の作動時間、経過していた場合は、特別電動役物装置2の作動を終了する(S477)。
一方、ステップS476において、特別電動役物装置2の作動時間が所定時間を経過していないと判別した場合は、小当たり遊技処理を終了する。
【0061】
次に、CPU112は、遊技球がVゾーン6を通過したことを示すVフラグがONあるか否かの判別を行い(S478)、VフラグがONであると判別した場合は、ステップS479において、入球フラグがOFFであるか否かの判別、即ち特別電動役物装置2内の遊技球が全て排出されたか否かの判別を行う。ステップS479において、入球フラグがOFFであると判別した場合は、大当たり遊技フラグをON(S480)、時短フラグをOFFにする(S481)。この後、大当たりのオープニングを開始し(S482)、大当たりオープニングコマンドをセットする(S483)。次に、VフラグをOFFに戻し(S484)、小当たり遊技フラグをOFFに戻して(S488)、小当たり遊技処理を終了する。なお、ステップS479において、入球フラグがOFFでないと判別した場合は、小当たり遊技処理を終了する。
一方、ステップS478において、VフラグがONでないと判別した場合は、ステップS485に進み、入球フラグがOFFであるか否かの判別を行う。ステップS485において、入球フラグがOFFであると判別した場合は、小当たりエンディングを開始し(S486)、小当たりエンディングコマンドをセットして(S487)、ステップS488に進む。なお、ステップS485において、入球フラグがOFFでないと判別した場合は、小当たり遊技処理を終了する。
また、ステップS471において、入球フラグがONであると判別した場合は、或いはステップS472において、特別電動役物装置2が作動中であると判別した場合はステップS476に進む。
【0062】
[電チュー処理]
図25は、遊技制御基板のCPUが実行する電チュー処理の一例を示したフローチャートである。
CPU112は、補助遊技フラグがONであるか否かの判別を行い(S511)、補助遊技フラグがONであると判別した場合は、次に電チュー22が作動中であるか否かの判定を行う(S512)。ここで、電チュー22が作動中でなければ、電チュー22の作動パターンを設定し(S513)、電チューの作動を開始する(S514)。
電柱の作動パターンとしては、例えば、時短フラグがOFFのときは、電チュー22の開放時間を0.15秒、開放回数を1回に設定し、時短フラグがONのときは、電チュー22の開放時間を1.80秒、開放回数を3回に設定する。
次に、CPU112は、電チュー22の作動時間が所定の作動時間を経過したか否かの判別を行い(S515)、電チュー22の作動時間が経過したと判別した場合は、補助遊技フラグをOFFにして(S516)、電チュー処理を終了する。
なお、ステップS512において、電チュー22が作動中であると判別した場合は、ステップS515に移行する。
また、ステップS511において、補助遊技フラグがONでないと判別した場合、或いはステップS515において、電チュー22の作動時間が経過していないと判別した場合、電チュー処理を終了する。
【符号の説明】
【0063】
1…遊技盤、2…特別電動役物装置、3L 3R…可動片、4…入球検知部、5…回転体、5a…収容部、6…Vゾーン(特定領域)、10…第1特別図柄表示器、11…第2特別図柄表示器、13…第1特別図柄保留ランプ、14…第2特別図柄保留ランプ、16…大入賞口、21…第1始動口、22…電チュー、23…ゲート、33…進退部材、111…遊技制御基板、112 122…CPU、113 123…ROM、114 124…RAM、200…パチンコ遊技機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入球可能な第1始動口と、
前記第1始動口への遊技球の入球を契機に遊技者に有利な遊技状態とするか否かを判断するための乱数を抽選により取得する乱数取得手段と、
前記乱数に基づいて特別図柄の変動表示を行う特別図柄表示手段と、
遊技球が入賞し難い閉状態から入賞し易い開状態に変化可能な可動部、該可動部を介して入賞した遊技球が通過可能な特定領域、及び一定周期で作動すると共に前記可動部を介して入賞した遊技球を前記特定領域又は前記特定領域以外に振り分ける振分手段を有する第1変動入賞手段と、
遊技球が通過可能なゲートと、
遊技球が入賞し難い閉状態から入賞し易い開状態に変化可能な第2変動入賞手段と、
前記第2変動入賞手段を介して遊技球が入球可能な第2始動口と、
前記乱数取得手段により取得された乱数に基づいて小当たりに当選したか否かの判定を行う小当たり判定手段と、
前記小当たり判定手段において小当たりと判定されたときに小当たり遊技を実行する小当たり遊技実行手段と、
前記小当たり遊技中に遊技球が前記特定領域を通過したときに大当たりと判定する大当たり判定手段と、
前記大当たり判定手段において大当たりと判定されたときに大当たり遊技を実行する大当たり遊技実行手段と、
前記大当たり判定手段において大当たり判定されたときの前記乱数に基づいて、前記大当たり遊技終了後に、遊技球が前記ゲートを通過するのを契機に前記第2始動口への遊技球の入賞確率を高めた特典遊技を付与するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段において前記特典遊技を付与すると判定されたときに、前記大当たり遊技終了後に所定回数の特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、
前記特典遊技を開始してから所定期間、前記大当たり判定手段において大当たりと判定されない場合に、前記小当たり遊技実行手段が前記小当たり遊技を実行するタイミングを変更するタイミング変更手段と、
を備えたことを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】
前記タイミング変更手段は、前記特別図柄の変動時間を変更することにより前記小当たり遊技実行手段が前記小当たり遊技を実行するタイミングを変更することを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
【請求項3】
前記タイミング変更手段は、前記特典遊技期間において、複数回前記小当たり遊技を実行するタイミングを変更することを特徴とする請求項1又は2に記載のパチンコ遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−139289(P2012−139289A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292824(P2010−292824)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】