パッケージ内の親水性カテーテルの蒸気水和
蒸気水和される包装カテーテル組立体と、それを製造及び供給する方法とは、カテーテル受容キャビティ内にカテーテルを収容する気体不透過性パッケージを含む。カテーテル組立体は、カテーテルチューブ又はシャフトの外面の少なくとも一部に親水性コーティングが塗布され、カテーテルチューブ又はシャフトは、非接触の確実な把持特徴を提供するためにスリーブにより囲まれることができる。カテーテル組立体は、親水性コーティングを活性化させる蒸気源として設けられる限られた量の蒸気付与液体とともに、パッケージのカテーテル受容キャビティ内に配置される。蒸気付与液体の量は、それを超えると漏れの危険を引き起こすのに十分である量よりも少ない。蒸気付与液体は、パッケージのカテーテル受容キャビティのチューブ受容部分の体積の所望の割合としての捕捉されていない液体であってもよく、又は液体捕捉部材に収容されてもよい。親水性コーティングの少なくとも一部の活性化は、カテーテルの外面が蒸気付与液体により生成される蒸気に曝されることによってのみ生じる。製造後のカテーテルの流通は、蒸気が表面の親水性コーティング全体を完全に水和させることを可能にするのに十分な時間だけ遅らせられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照]
本開示は、本明細書に共通して開示される主題全てに関して、2003年8月8日に出願された米国仮出願第60/493,493号の優先権を主張するとともに、その利益を得る権利を有する。
【0002】
[背景]
間欠的カテーテル挿入(intermittent catheterization)は、泌尿器系の様々な異常を患う多くのユーザにとって好ましい選択肢である。一般的に見られるのは、使い捨ての個別包装滅菌カテーテルが用いられる状況である。使い捨て製品に重要な基準は製品のコストである。すなわち、あまり高価ではない製品が所望され、高く評価される。
【0003】
簡単で外傷の少ない挿入を可能にするために、潤滑剤を用いてカテーテルに表面処理を施して摩擦を低減することも、極めて一般的である。現在では、主に2つのカテゴリーの潤滑表面を有するカテーテル、すなわち、ゲルコーティングカテーテル及び親水性コーティングカテーテルがある。
【0004】
ゲルコーティングカテーテルは、水性ゲルをカテーテル表面に塗布することにより、挿入が容易になる。水性ゲルは、ユーザにより塗布されてもよく、又はより好都合には、包装されたカテーテルとともに供給することができる。通常は、ゲルをカテーテル表面に塗布するためのシステムが、包装されたカテーテルに設けられる。このシステムは、包装作業の直前又は包装作業中にゲルがカテーテル表面に塗布されるもの、又はユーザがカテーテルの挿入中にゲルを表面に塗布するものであり得る。
【0005】
親水性コーティングカテーテルでは、カテーテルには、カテーテルの外面に付着する薄い親水性コーティングが施される。このコーティングは、水等の水和液(hydrating liquid)と接触して膨潤することにより活性化されると、摩擦係数が極めて低い表面になる。この製品の最も一般的な形態は、個別包装された使い捨ての滅菌カテーテルが乾燥状態(state or condition)で提供されるものである。ユーザは、パッケージを開封し、パッケージに水を注いで30秒間待ち、続いてパッケージからカテーテルを取り出すと、即挿入可能となる。
【0006】
つい最近導入された型の親水性コーティングカテーテルは、カテーテルを浸漬させるのに十分な区画分けされていない(loose)液体水をすでに含んでいるパッケージにカテーテルが入っているものである。この製品の場合、ユーザは単にパッケージを開封して、即挿入可能なカテーテルを取り出すだけであり、水を加えて30秒間待つ必要はない。
【0007】
他の新規製品は、カテーテルの浸漬に必要な量の液体水をパッケージの別個の区画に設けてある。これらの製品では、パッケージの別個の区画を開けて、カテーテルを収容しているチャンバに液体浸漬水が入って親水性コーティング表面と直接接触するようにする。製品によっては、また別個のチャンバ内の水の量によっては、ユーザは、カテーテル表面の親水性コーティングを活性化させるために、パッケージを操作して水和液にカテーテル表面を浸すよう求められる。続いて、ユーザが即挿入可能なカテーテルをパッケージから取り出す。
【0008】
これら既存の製品全てにおいて、カテーテルは、親水性コーティングカテーテル表面全体との液状膨潤媒質(例えば液体水)の直接的な接触に依存している。さらに、これら既存の製品は全て、液体水がパッケージのキャビティ内で自由に流れることができ、且つ妨げられずにカテーテル表面に接触することができるカテーテルのパッケージを提供することにより、この液体水との直接接触を達成する。パッケージ内で区画分けされていない液体水が自由に流れることができ、且つ妨げられずにカテーテル表面に接触できることにより、液状膨潤媒質を親水性コーティングで処理されているカテーテルの表面全体と確実に直接接触させることが容易である。
【0009】
上述の親水性コーティングカテーテルの欠点は、ユーザがカテーテルを操作して、その後の挿入のために取り出そうとする時に、浸漬液がパッケージから漏れる傾向があることである。上述の親水性コーティングカテーテルの別の欠点は、カテーテルが極めて滑りやすい表面を有し、これがユーザによる挿入中の取り扱いを極めて困難にすることである。
【0010】
パッケージから取り出してから挿入するカテーテルの場合、ユーザによるカテーテルの取り扱いにより、カテーテルの表面に微生物が付着し、これがカテーテル挿入中に身体に入った後で感染問題を引き起こし得るという別の欠点がある。この問題に対処するために、製造業者は、ユーザが最初にパッケージからカテーテルを取り出さずにカテーテルを挿入することができ、したがってユーザはパッケージに触れるだけでよく、カテーテル表面に触れなくてよいシステムを考案した。これらのシステムは、ゲルコーティングカテーテルに有効な傾向であり、カテーテルを挿入している時にユーザの手にゲルが付着しないというさらなる利点を有する。別の型のゲル潤滑カテーテルは、カテーテルの周りで、カテーテルの挿入端にあるゲル槽に取り付けられるスリーブを利用することにより、カテーテルに取り付けられたパッケージからゲル槽及びスリーブが出て、カテーテルはゲル槽を通って前進することにより挿入される。このタイプの製品では、スリーブはカテーテルの直径に非常に緩く嵌まっているため、挿入中にユーザがカテーテルを前進させると、カテーテル及び通常はカテーテルの遠位端に設けられている一体的なファネルが、スリーブ表面を摺動する。
【0011】
親水性コーティングカテーテルの場合も、最初にパッケージからカテーテルを取り出さずにカテーテルを送出することが検討されたが、このタイプの手法に関する深刻な問題は、浸漬液が漏れる傾向があることである。スリーブがあることにより、液体との直接接触によって活性化する必要があるカテーテル表面に液体水が流れることが妨害されるため、いかなる種類のスリーブを有する親水性コーティングカテーテルも、概して利用可能ではなかった。非接触送出媒体として用いることができるホース部材の内部に水和液が入っているいくつかの設計が、特許文献に記載されている(例えば、2003年1月23日に公開された米国特許公開第2003/0018322A1号を参照)。これら記載のホース部材は剛性であるが、カテーテルの前進を可能にするための特別な蛇腹状の折り畳み部(concertina folds)と、カテーテルの把持を可能にするための特別な把持セクションとを必要とする。
【0012】
公開特許技術のいくつか、例えば、米国特許第6,059,107号では、パッケージ内にカテーテルとともに入れられる水の量を少量に保つことについて説明されている。しかしながら、これらの技術は、カテーテルチューブの周りに狭いキャビティを同時に設けることによって、このキャビティの設計を用いて水の量の低減を行うことにより、これを行うことを提案している。このように、カテーテルは、パッケージに収容されている間は実質的に液体水に浸漬され、液体水と直接接触させられている。
【0013】
或る市販製品では、キャビティに水が完全に充填されていないため、親水性表面コーティングを十分に活性化させるために、ユーザが使用前にパッケージを傾けるか又は他の方法で操作して、カテーテルと液体水とを確実に直接接触させることが勧められる。同様に、使用前に破られる液体槽を有する市販製品の中には、カテーテルを保持しているパッケージキャビティを充填するのに十分な液体水を有さないものがある。ユーザは、パッケージを複数回傾けて、液体水をカテーテルの方へ移動させることにより、液体水との直接接触によって親水性表面コーティングを活性化させるよう指示される。上述のように、パッケージキャビティ内の液体水は、パッケージを開封してカテーテルを用いる際に、ユーザが漏らす危険がある。上記から理解されるように、漏れの危険性は、パッケージキャビティに液体水を完全に充填している親水性カテーテルの場合ほど高いが、キャビティに液体水を完全に充填していない親水性カテーテルの場合ほど、患者が行う必要がある操作が多くなる。
【0014】
したがって、既存の親水性カテーテル製品に伴う望ましくない代案の間にはトレードオフがある。一方では、カテーテルを実質的に浸漬させておくように設計された量の液体水がパッケージキャビティに設けられるが、漏れの危険性が高い。他方では、パッケージキャビティの総体積に対して液体水が少ないが、ユーザはカテーテルコーティングを確実に活性化させるために、使用前にパッケージを操作しなければならない。本発明は、漏れの危険性をなくす一方でユーザによる操作の必要をなくすことにより、このトレードオフを回避する。
【0015】
[発明の概要]
本発明の親水性カテーテルは、液漏れの可能性がほとんど又は全くなく、ユーザがカテーテルを手にして即使用可能であるように、カテーテルパッケージ内の水蒸気等の蒸気膨潤媒質で蒸気水和(vapor hydration)される。その結果、浸漬液を加える必要がなく、むしろカテーテルの親水性表面コーティングがすでに蒸気水和により活性化されている、滅菌カテーテルパッケージとなる。カテーテルパッケージは、パッケージキャビティ内で蒸気水和雰囲気(vapor hydration atmosphere)を形成及び維持するのに十分な蒸気を生成することができる量の液体を収容するサイズになっている、布又は発泡体等の液体捕捉部材(liquid sequestering element)を収容し得る。布又は発泡体の液体捕捉部材は、その隙間に液体を確実に保持し、捕捉されていない(loose)液体が漏れの危険を引き起こすことを防止する一方で、蒸気が形成されてパッケージキャビティ内へ逃げることを可能にする。本発明のカテーテルパッケージは、カテーテルチューブの周りに嵌まる高分子フィルムの薄い可撓性スリーブも収容し得る。可撓性スリーブは、非常に潤滑性の高い蒸気水和されたカテーテルをユーザが取り扱いやすくする役割を果たすとともに、滅菌状態のまま身体へ挿入されることも可能にする。これは、カテーテルの可撓性スリーブの外側の取り扱い部分が、蒸気水和された親水性表面コーティングを有するカテーテルの外面よりもはるかに滑りにくいことに起因する。スリーブは、カテーテルチューブの外面に密着して嵌まるようにすることができ、これにより、スリーブに使用する材料の量が低減するとともに、その費用も低減する。密着して嵌まるスリーブは、スリーブ内でカテーテルが横方向に移動する程度も防止するか、又は少なくとも大幅に制限する。スリーブは、水蒸気を貫通させるが液体水は貫通させない材料からできていてもよく、これにより、コーティングの蒸気活性化プロセスが加速する。
【0016】
パッケージ内にスリーブを有するこれらの実施形態では、製造中にパッケージに入れられる比較的少量の液体は、スリーブの外部に入れられる。したがって、カテーテルチューブの親水性表面コーティングは、パッケージのシール後に、カテーテル使用前の長期間又は所定期間のインキュベーション又はエージング中にパッケージ内で生成される蒸気によって、製造後に水和される。したがって、本発明のカテーテルは、即使用可能な親水性コーティングカテーテルを提供する際にこれまで直面していた問題を克服する、費用効果的で製造が容易な方法で提供される。非常に可撓性が高く細いスリーブを用いる場合、ユーザがスリーブを外して「再設置」する必要なく、カテーテルを十分に前進させることができるというさらなる利点がある。
【0017】
特に、ゲルカテーテルで用いられてきた可撓性の制限された幅の広いスリーブとは異なり、本発明の親水性カテーテルの非常に可撓性が高く細いスリーブは、非常に潤滑性の高い水蒸気水和される親水性コーティングとスリーブの折り畳み可能な性質とにより、尿道内に前進させる時に、接触せずに確実に把持して挿入端からファネル端へ容易に移動させることができる。
【0018】
[好適な実施形態の詳細な説明]
図1を参照すると、本発明は、エンドユーザがカテーテルを手にすると即使用可能であるように、カテーテルパッケージ12内で蒸気水和されるようになっている、親水性カテーテル組立体10を備える。カテーテルパッケージ12は、液体及び気体不透過性であり、アルミニウム箔から形成することができる。パッケージ12内のカテーテル組立体10は、少なくとも一部に親水性コーティングが施された外面を有するカテーテルチューブ14と、チューブの端14aに隣接した、カテーテルチューブの前進前に尿道口に予備挿入することが意図されるオプションの軟質でゴム状のイントロデューサ先端16と、チューブの近位挿入端14a付近の、膀胱のドレナージを行う(draining)ためのドレナージアイ(drainage eyes)18とを含む。カテーテル組立体10は、高分子フィルムから形成されることが好ましい、薄い可撓性の折り畳み可能なスリーブ20も含むことができ、このスリーブ20は蒸気透過性であり(但し、液体不透過性であり得る)、且つこれを通して親水性コーティングを蒸気水和することができる。テーパ状ファネルの形態のコネクタ22がカテーテルチューブの遠位端に位置し、ユーザがこれを、採尿装置(図示せず)に繋がった可撓性のドレーンチューブに接続する。
【0019】
製造の際には、カテーテルチューブ14がファネル22に取り付けられ、外面に親水性コーティングを施される。続いて、可撓性のヒドロゲルスリーブ20がチューブ14に被せられ、必要であればイントロデューサ先端16が加えられて、カテーテル組立体10が完成する。スリーブは、ファネル又はイントロデューサ先端若しくはイントロデューサポート、又はそれら両方に取り付けられる。続いて、カテーテル組立体10は、パッケージ12内に形成されるとともにパッケージ12により画定されるキャビティ12aに、24で示す水等、所定の少量の蒸気付与液体(vapor donating liquid)とともに挿入され、その後、パッケージはシールされる。シールされた気体不透過性のパッケージ12内に水が存在することにより、確定可能な期間にわたって水蒸気が形成される。好ましくは薄い可撓性のヒドロゲル材料でできた可撓性スリーブ20は、水蒸気透過率が高い。したがって、可撓性ヒドロゲルスリーブ20は、スリーブの外部にある蒸発液体により生成される水蒸気が、チューブ14の外面の親水性コーティングに入って当該コーティングを水和することを可能にする。
【0020】
したがって、チューブ14の外面の親水性コーティングは、水蒸気に曝されることにより水和される。これにより、親水性コーティングが活性化してチューブ14の外面を非常に潤滑性の高い状態にし、カテーテル組立体10が即使用可能な状態になる。カテーテル組立体は、包装プロセスの終了後に所定の期間エージングされて、コーティングの完全な活性化が確実になる。続いて、ユーザがパッケージ12からカテーテル組立体を取り出して、すぐに使用することができる。さらに、ユーザが水を加える必要なく、またパッケージの開封時に水が漏れるという従来技術の問題にユーザが直面することなく、これを全て行うことができる。
【0021】
スリーブ20は、ポリエチレン、可塑化PVC、又はポリプロピレン等の種々の薄い可撓性高分子フィルム材料のうちの任意のものから形成することができるが、ポリウレタン等のエラストマーフィルム材料、特にエラストマーヒドロゲル材料が特に適していると考えられる。このような材料の1つは、Mylan Labs(St. Albans, VT)製の商標Medifilm435として市販されているポリウレタンポリエチレンオキシドブロックコポリマーであるが、他のエラストマーヒドロゲルフィルムも既知であり、用いることができる。最も望ましくは、フィルムは蒸気透過性であるが、これは、このような蒸気透過性がパッケージ内の蒸気の分布を促進させ、カテーテルの親水性コーティングの蒸気水和を促すからである。微生物の透過に対する完全なバリアを確保するために、フィルムは液体水に対して不透過性であることも好ましいが、場合によっては液体透過性のスリーブを用いてもよい。
【0022】
スリーブを形成するフィルムの厚さは、選択される材料の伸縮性及び可撓性等の因子に応じて大幅に変わり得るが、概して、厚さは約10〜150ミクロン、好ましくは約13〜50ミクロンの範囲内にある。同様に、十分な蒸気水和を達成するのに要するエージング又はインキュベーション時間は、スリーブの材料の透湿度(MTVR)、パッケージ全体のサイズ、カテーテルチューブ等の他の構成部材に対するスリーブの直径、及び関連する周囲温度及び周囲圧力等、複数の変数に応じて決まる。いずれの場合も、包装から使用までの間隔は、パッケージ内の蒸気付与液体が、カテーテルの使用が必要となる時まで湿度100%の状態をもたらす(親水性コーティングが完全に蒸気水和される)のに十分なほど気化していることを確実にするように、任意所与の製品について実質的且つ所定の長さである。カテーテルの使用が必要となる時には、パッケージ内に残っている蒸気付与液体の量は、カテーテルが使用時にパッケージから取り出される時に漏れる危険性が全くなく湿度100%の状態を維持するのに十分なほど、わずかな量であるべきである。上記の変数を認識すると、包装から使用までの間隔は、概して、約1〜45日以上である。
【0023】
非常に優れた水蒸気バリアであるアルミニウム箔の代替物として、熱成形性又はコスト等の他の考慮事項のために他の包装材料を選択してもよい。パッケージに関する「気体不透過性」という用語は相対語であることを理解されたい。パッケージは、パッケージ内部の100%の相対湿度状態を維持するのに十分な水蒸気に対するバリア性を有して、包装カテーテル組立体の所望の貯蔵寿命に合わせて親水性コーティングカテーテルの持続的な水和を確実にしなければならない。この目的のために必要なバリア特性は、所望の貯蔵寿命の長さ(通常は6ヶ月〜5年)、パッケージのシール前にパッケージに入れられる蒸気付与液体の量、及び製品が貯蔵される条件に応じて決まる。
【0024】
カテーテル組立体10を用いるには、ユーザは単に、スリーブ20を把持してカテーテル組立体10をパッケージ12から取り出し、続いてイントロデューサ先端16を尿道口に静かに導入すればよい。好ましくは、カテーテル組立体10のスリーブ20を片手で把持して、チューブ14の成形先端14aをイントロデューサ先端16に挿入して前進させる。このようなイントロデューサ先端は、チューブ14が通ることができる開口を形成するように外側に曲がるフラップ16bの周方向配列を画定する、複数の十字スリット16aを有する。その後、他方の手を用いてスリーブの壁部分間にあるチューブを把持し、チューブを前方すなわち近位方向に付勢することにより、チューブを静かに前進させる。チューブ14が尿道口を通して身体内に前進するにつれて、図1aに示すように、スリーブ20はカテーテル組立体10のファネル22に隣接して潰れる。
【0025】
図2を参照すると、上述のカテーテル組立体10と非常に類似しているカテーテル組立体110が開示されている。パッケージ12と同様であり得る液体及び気体不透過性パッケージ又は容器が組立体110を包んでいるが、説明を明確にするために図2では省いてある。図1におけるように、水等の所定の少量の蒸気付与液体が、パッケージのシール後からカテーテルの使用前までの間隔中に親水性コーティングを蒸気水和させるために、パッケージ内のカテーテル組立体の外部に入れられる。
【0026】
カテーテル組立体110は、外面を有するチューブ114と、膀胱のドレナージを行うためのドレナージアイ118と、好ましくはエラストマーヒドロゲルフィルムでできている、薄い可撓性スリーブ120とを備え、可撓性スリーブ120を通して本発明に従ってチューブ114を蒸気水和させることができる。カテーテル組立体110は、採尿装置に接続されるファネル122も含むことができる。しかしながら、カテーテル組立体110の主な違いは、カテーテル組立体10内にはあるイントロデューサ先端16がないことである。
【0027】
図2のカテーテル組立体110を使用する際、スリーブ120をわずかに後退させてチューブ114の成形先端114aを露出させる。続いて、成形先端114aを尿道口に挿入し、スリーブ120を介してチューブ114を把持することにより、チューブ114を身体内に前進させる。前述のように、スリーブ120は、図1aに示すものと同様のカテーテル組立体110のファネル122に隣接して潰れる。
【0028】
図3aを参照すると、カテーテル組立体310は、上述のカテーテル組立体10と同様の、単純であまり高価ではない構成である。カテーテル組立体310は、外面を有するチューブ314と、成形先端314aと、膀胱のドレナージを行うためのドレナージアイ318とを備え、ユーザが必要とする場合には、採尿装置に接続されるファネル322も含むことができる。しかしながら、上述のカテーテル組立体10に対して注目すべき違いがいくつかある。
【0029】
まず、水等の所定量の蒸気付与液体を、布又は連続気泡高分子発泡体の液体捕捉部材330内に設けることができ、この液体捕捉部材330は、気体不透過性パッケージ312の312a及び312b等の壁の1つと一体的に結合されてもよく、又はカテーテル組立体310を囲むパッケージ312内で固定されていなくてもよいことに留意されたい。布又は発泡体の液体捕捉部材330は、パッケージ312内で100%の相対湿度雰囲気を形成及び維持するのに十分な水蒸気を生成する量の水を収容するサイズになっている。布又は連続気泡高分子発泡体の液体捕捉部材330から逃げる水蒸気は、パッケージ312内でこのような雰囲気を形成及び維持するのに十分であるため、カテーテル組立体310のチューブ314の外面の親水性コーティングは、カテーテルが即使用可能であるように十分に蒸気水和され、その状態を維持する。
【0030】
液体捕捉部材330に加えて、カテーテル組立体310は、いかなるスリーブもイントロデューサ先端も伴わない、単純な親水性コーティングカテーテル組立体から成ることが分かる。カテーテル組立体310は、水等の蒸気付与液体とともに気体不透過性のパッケージ312内に入れられ、液体捕捉部材330を形成する材料は、捕捉されていない液体水がパッケージ312のシールされるキャビティ内を流れることができないように、利用可能な液体水の全てを吸収するための高い毛管吸引力(capillary draw)を有するように選択される。液体捕捉部材は、液体水を完全に吸収するために用いられるだけではなく、パッケージ312のキャビティが封止された後に水蒸気を発生させて、蒸気水和を達成するためにも用いられる。
【0031】
パッケージ312内に入れられる液体水の温度、及びチューブ314の外面をコーティングするために選択される親水性材料の特性を含む、種々のパラメータに応じて、パッケージがシールされた後の長期間ではあるが確定可能な期間にわたって蒸気水和が行われる。したがって、包装カテーテル組立体の流通は、製造終了後の確定可能な期間の間、パッケージ312内で100%の相対湿度雰囲気が形成されること、及びカテーテルの十分且つ完全な(full and complete)蒸気水和が行われることを確実にするために遅らせられ得る。液体捕捉部材330に関しては、材料は例えば、液体水湿潤性にするように表面処理されたメルトブローマイクロファイバー布(microfiber meltblown fabric)、例えばHollingsworth & Vose Company製のPF23100PBTであり得る。
【0032】
毛管吸引力が高い材料から液体捕捉部材330を形成することにより、液体水はパッケージ内に収容され、パッケージが開封されるときに漏れることができない。この水は、液体捕捉部材330、カテーテル、及び水を保持する気体不透過性パッケー312が製造後にシールされた後に、カテーテル組立体310のチューブ314の外面の親水性コーティングを蒸気水和させるための蒸気膨潤液から成る水蒸気を形成するドナーとしての役割を果たす。液体捕捉部材330の布又は発泡体材料には、この目的のために利用可能な液体水を少なくとも部分的に含ませる。続いて、気体不透過性パッケージ312のキャビティがシールされた後、布又は発泡体材料内に閉じ込められた液体水は、シールされたパッケージキャビティ内の空気が水蒸気で十分に飽和した平衡状態にパッケージが達するまで、水蒸気としてゆっくりと放出され、水蒸気は、チューブ314の外面の親水性コーティングによって取り込まれることが可能となり、水蒸気の取り込みにより親水性コーティングが膨潤して、カテーテルが即使用可能となる。
【0033】
蒸気水和は、蒸気源が親水性コーティングが施されたカテーテルのチューブの外面に近いほど、早く始まる。これを利用して、液体捕捉部材がカテーテルの長さとほぼ同じ長さで位置合わせされていることが、図3aの実施形態及び液体捕捉部材を用いる他の実施形態全て(図4の実施形態を除く)を参照することにより理解されるであろう。そうでない場合、蒸気水和は依然として本発明に従って行われるが、完全な水和にかかる時間は長くなる。液体捕捉部材がパッケージの一端に完全に限られている場合、親水性コーティングの性質に応じて、蒸気水和時間はかなり長くなる可能性があり、望ましくない長さになる可能性がある。
【0034】
市販の親水性コーティングに関しては、十分に水和するのにかかる時間は大幅に変わる。したがって、実際の試験では、1つのこのようなコーティングは2日後に十分な潤滑性を示したが、同一条件下で別のコーティングは2週間後になっても十分な潤滑性を示さなかったことが分かった。或る場合では、コーティングは、パッケージがシールされてから約6週間後になってやっと十分な潤滑性を示した。
【0035】
十分な潤滑性に達するのにかかる時間が広く異なり、製造後に比較的短期間で十分な潤滑性に達することが商業的に望ましいにもかかわらず、いかなる親水性コーティングも本発明の利点を享受することができる。
【0036】
図3bを参照すると、カテーテル組立体310’は、上述のカテーテル組立体110と非常に類似している構成であり、壁312b’及び312c’により画定される液体及び気体不透過性パッケージ312’のシールされるキャビティ312a’内に配置される。カテーテル組立体310’は、上記と同様に、外面を有するチューブ314’と、膀胱のドレナージを行うためのドレナージアイ318’とを含むことが分かり、この場合も同様に、カテーテル組立体310’は、採尿装置に接続されるのに適しているファネル322’を含むことができる。また、カテーテル組立体110のように、カテーテル組立体310’は薄い可撓性スリーブ320’を含み、可撓性スリーブ320’は、好ましくはエラストマーヒドロゲルフィルムでできており、これを通してチューブ314’を蒸気水和させることができる。
【0037】
図3aの実施形態と同様に、水等の所定量の蒸気付与液体を、布又は連続気泡高分子発泡体の液体捕捉部材330’内に設けることができ、この液体捕捉部材330’は、気体不透過性パッケージ312’の312a’及び312b’等の壁の1つと一体的に結合されてもよく、又はカテーテル組立体310’を囲むパッケージ312’内で固定されていなくてもよい。液体捕捉部材330のように、布又は発泡体の液体捕捉部材330’は、パッケージ312’内で100%の相対湿度雰囲気を形成及び維持するのに十分な水蒸気を生成する量の水を収容するサイズになっている。布又は連続気泡高分子発泡体の液体捕捉部材330’から逃げる水蒸気は、パッケージ312内のこのような雰囲気を形成及び維持するのに十分であるため、カテーテル組立体310のチューブ314の外面の親水性コーティングは、カテーテルが即使用可能であるように完全に蒸気水和され、その状態を維持する。
【0038】
図3aの実施形態とは異なり、薄い可撓性スリーブ320’は、液体捕捉部材330’とカテーテル組立体310’のチューブ314’との間に配置される。エラストマーヒドロゲルフィルムから形成される、320’等の非常に可撓性の高いスリーブは、液体水不透過性であることが一般的に既知であり、これは、概してこれまで液体との直接接触により水和されていた親水性コーティングカテーテルとともに使用できなかったことを意味していた。
【0039】
換言すれば、カテーテル組立体310’でスリーブ320’を確実に用いることを可能にするのは、水蒸気水和である。したがって、コーティングに確実に届くことができない液体水とは異なり、水蒸気水和により、カテーテル組立体310’のチューブ314’の外面の親水性コーティングを活性化させて、確実に即使用可能な状態にすることができる。320’等のスリーブは、親水性コーティングと液体が直接接触することを阻止するため、即使用可能な親水性コーティングカテーテルとともに用いるのに適していると以前はみなされていなかった。
【0040】
図3bのカテーテル組立体310’を使用する際、スリーブ320’をわずかに後退させてチューブ314’の成形先端314a’を露出させる。続いて、成形先端314a’を尿道口に挿入し、スリーブ320’を介してチューブ314’を把持することにより、チューブ314’を身体内に前進させる。前述のように、スリーブ320’は、図1aに示すものと同様のカテーテル組立体310’のファネル322’に隣接して潰れる。
【0041】
図3cを参照すると、上述のカテーテル組立体10’と極めて類似しているカテーテル組立体310’’が開示されている。カテーテル組立体310’’は、親水性コーティングが施された外面を有するチューブ314’’と、成形先端314a’’と、イントロデューサ先端316’’と、膀胱のドレナージを行うためのドレナージアイ318’’と、可撓性スリーブ320’’とを備え、所望される場合には、採尿装置に接続されるファネル322’’も含むことができることが分かる。しかしながら、カテーテル組立体310’’の主な違いは、壁312b’’及び312c’’により画定される液体及び気体不透過性パッケージ312’’のシールされるキャビティ312a’’内での、液体捕捉部材330’’の使用であることが分かる。
【0042】
図1の実施形態では、液体水は、捕捉されない状態でパッケージ12のキャビティ内に入れられることにより、カテーテル組立体10のチューブ14の外面の親水性コーティングを活性化させる水蒸気水和雰囲気が形成される。スリーブ20は、パッケージ12のシールされるキャビティ内の捕捉されていない液体水に対しては不透過性であるが、水蒸気透過性であることが好ましい。したがって、捕捉されていない液体水は、平衡状態に達するパッケージ12のシールされるキャビティ内で水蒸気雰囲気を形成し、チューブ14の外面の親水性コーティングを活性化させる。
【0043】
これとは対照的に、図3cの実施形態は、図3bに関連して説明したように、図1におけるように捕捉されていない水から生成される水蒸気ではなく、液体捕捉部材330’’内の液体水から放出される(given up by)水蒸気によって、カテーテル組立体310’’のチューブ314’’の外面の親水性コーティングの水蒸気水和を行う。
【0044】
図4を参照すると、本発明の別の態様が開示されており、この態様では、水等の蒸気付与液体が水蒸気透過性ではあるが液体不透過性のパウチ(pouch)428内に設けられ、パウチ428は気体及び液体不透過性のパッケージ412内に配置される。パッケージ412内に示されるカテーテル組立体410は、蒸気透過性のパウチ428からの水蒸気によって完全に水和されるチューブ414の親水性表面コーティングを有し、パウチ428は、パッケージ412内で100%の相対湿度雰囲気を形成するのに十分な水蒸気を生成することができる量の水を収容するサイズにされる。このようにして、液体水との直接接触ではなく水蒸気水和によってチューブ414の親水性表面コーティングを完全に活性化させること、及び製品の所望の貯蔵寿命の間、パッケージ内で100%の相対湿度雰囲気を維持することが可能である。
【0045】
例として、水蒸気透過性のパウチ428は、例えば20mlの水を収容するサイズにすることができる。水は、水蒸気の形態でパウチから逃げることができ、水蒸気は、気体不透過性パッケージ412の内部を満たして、パッケージ内のカテーテル組立体410のチューブ414の外面の親水性コーティングを、包装プロセスの終了後の確定及び制御しやすい時間内に十分に水和させる。
【0046】
図5及び図5aを参照すると、本発明のさらに別の態様が開示されており、この態様では、水等の所定量の蒸気付与液体が、布又は連続気泡高分子発泡体の液体捕捉部材530内に設けられ、この液体捕捉部材530は、気体不透過性パッケージ512の壁512b及び512cと(図示のように)一体的に結合されてもよく、又はカテーテル組立体510を囲むパッケージ512のシールされるキャビティ512a内で固定されていなくてもよい。パッケージ512内に示されるカテーテル組立体510は、図示の実施形態ではファネル522と反対側の端に位置する環状のガイドハウジングの形態をとるポート532を利用するという点で、上述の実施形態とは多少異なる。ポートは、カテーテルチューブ514を摺動前進させる軸方向通路を有する。しかしながら、種々のカテーテル組立体の実施形態のいずれも、布又は発泡体の液体捕捉部材530を収容する512等のパッケージに包装することができることは、理解及び認識されるであろう。布又は発泡体の液体捕捉部材530は、パッケージ512内で100%の相対湿度雰囲気を形成及び維持するのに十分な水蒸気を生成することができる量の水を収容するサイズになっている。ポート532の外面には、幅の広い薄肉スリーブ534がシール固定され、ポート532から遠位に、カテーテルチューブ514をそのほぼ全長に沿って覆うようにファネル522の領域まで延びる。この幅の広いスリーブにより、カテーテルの使用中にカテーテルが身体内へ前進させられている時に、ファネルがスリーブに入ることができる。布又は発泡体の液体捕捉部材530から逃げる水蒸気は、即使用可能であるように、カテーテル510のチューブ514の外面の親水性コーティングを完全に水和させることができる。
【0047】
より具体的には、水蒸気は、スリーブ534が十分に高い水蒸気透過特性を有する材料から形成される場合にはスリーブ534を通過することにより、且つ/又はスリーブが蒸気透過性か否かにかかわらず、スリーブ534の開口端534aを通過してスリーブとカテーテルチューブ514との間の空間に入ることにより、親水性コーティングを完全に水和させることができる。
【0048】
図5及び図5aを引き続き参照すると、気体不透過性パッケージ512のシールされるキャビティ内でカテーテル組立体510全体を囲む周縁シール512dがある。ポート532は、ポート532に最も近い端でパッケージ512を開封し、カテーテルをパッケージから取り出し、ポート532を用いてカテーテルチューブ514を尿道口に導入することを可能にする。その後、ユーザは、上記で開示したようにスリーブ534を介してチューブ514を把持して、ポート532を通してチューブ514を送り込むことにより、滅菌的にチューブ514を身体内にさらに挿入するプロセスを続けることができる。
【0049】
図6を参照すると、本発明のさらに別の態様が開示されており、この態様では、所定容量の水が、カテーテルの全長に延びる薄く細長いストリップの形態の布又は発泡体の液体捕捉部材630内に設けられる。液体捕捉部材630は、上述のタイプの気体不透過性パッケージ内に収容することができる採尿袋613の、613a等の壁の一方又は両方と一体的に結合されてもよい。袋613内に示されるカテーテル組立体610は、カテーテルチューブ614を身体に導入する時にそこを通してカテーテルチューブ614を前進させることができる、ファネル622と反対側の端にあるイントロデューサ先端616を利用する点で、図1の実施形態と同様である。布又は発泡体の液体捕捉部材(複数可)630は、片面が熱カレンダ加工されて(hot calendered)液体透過性の外皮を形成する複合繊維のスルーエアー不織布(through air bonded fabric)等の非粘着材料から形成されてもよく、又は、内面に沿って非常に薄いフィルム(好ましくはエラストマーヒドロゲルフィルム)で覆われて、カテーテルチューブ614の表面に液体捕捉部材が貼り付くのを防止してもよい。液体捕捉部材(複数可)630は、採尿袋613のパッケージ内で100%の相対湿度雰囲気を形成及び維持するのに十分な水蒸気を生成することができる量の水を収容するサイズになっている。このようにして、水蒸気は、布又は発泡体の液体捕捉部材(複数可)630から薄いヒドロゲルエラストマーフィルムを通して逃げることにより、即使用可能であるように、所定の時間間隔にわたってカテーテル組立体610のチューブ614の外面の親水性コーティングを十分に水和させることができる。
【0050】
図面には示されていないが、液体捕捉部材が袋613の壁と一体的に結合されていない布又は発泡体の液体捕捉部材の実施形態も可能であることは、理解されるであろう。
【0051】
布又は発泡体の液体捕捉部材内で水等の蒸気付与液体を利用する実施形態の1つの特徴は、水がカテーテル表面と直接接触することによりカテーテルを水和させることが可能であるように設計されないことである。これは、液体捕捉部材がその隙間に液体水を保持しており、したがって捕捉されていない液体水によって漏れの危険性が生じることが防止されるからである。液体捕捉部材の材料は、圧縮されにくい布又は発泡体であることが好ましい。圧縮されやすいと水が隙間から放出される傾向があるからである。液体捕捉部材の材料は、隙間に水を確実に収容するように、耐圧縮性の布又は発泡体であるべきである。好ましい実施形態では、布又は発泡体の液体捕捉部材内の水の量はまた、水が液体捕捉部材から逃げることができた場合でも、カテーテルを浸漬させるのに十分な体積ではない。しかしながら、布又は発泡体の液体捕捉部材は、より透過性の高い材料からパッケージ(packaging)を形成することが望まれ得る場合等、特定の用途においてより大量の水を用いることを可能にする。
【0052】
発泡体又は布の液体捕捉部材により、パッケージが製造後すぐに開封される場合でも、漏れの危険性を著しく増大させることなく、より大量の水を用いることができる。
【0053】
時間が経過するにつれて、より透過性の高いパッケージでは、水蒸気がパッケージから逃げるため水の量が低減し、それにより、起こり得る漏れの危険性がさらに低減されるか又はなくなる。
【0054】
したがって、液体捕捉部材の使用により、シールする時にパッケージ内により大量の水を入れることが可能になり、上述の理由から望ましい場合がある、より不透過性の低い包装材料の使用が可能になる。液体捕捉部材がない場合にはカテーテルの取り出し時に漏れの危険性があるが、液体捕捉部材を利用する実施形態は、パッケージからカテーテルを取り出す時にパッケージ内に捕捉されていない水が大量に存在しないようにして、パッケージ内により大量の水を入れることができる。
【0055】
図7を参照すると、この場合も上述のカテーテル組立体10と極めて類似しているカテーテル組立体710が開示されている。カテーテル組立体710は、親水性コーティングを有する外面を有するチューブ714と、イントロデューサ先端716と、膀胱のドレナージを行うためのドレナージアイ718と、本発明による可撓性スリーブ720とを備えることが分かり、所望される場合には、採尿装置に接続されるファネル722を含むことも分かる。しかしながら、カテーテル組立体710の主な違いは、イントロデューサ先端に固定された幅の広いスリーブ720の使用である。
【0056】
カテーテル組立体710を用いるには、ユーザは単に、幅の広いスリーブ720を把持してカテーテル組立体710をパッケージ(図示せず)から取り出し、続いてイントロデューサ先端716を尿道口に静かに導入すればよい。カテーテル組立体710の幅の広いスリーブ720を片手で把持して、チューブ714の成形先端714aを尿道に挿入し、幅の広いスリーブ720を用いてチューブ714を身体内に静かに押し込み、イントロデューサ先端716を通してチューブを前進させる。チューブ714が尿道口から身体内へと前進するので、幅の広いスリーブ720は、イントロデューサ先端716に達するまでスリーブを通して前進し続けることができるファネル722を収容するのに十分なサイズである。これは、スリーブがポリエチレンのような安価だが比較的剛性のある材料からできている場合に用いることができる構成である。
【0057】
パッケージ内には示されていないが、パッケージ内で100%の相対湿度雰囲気が形成される結果、蒸気水和によってチューブ714の外面の親水性コーティングの完全な水和を確実にするために、上述のパッケージの任意のもの等のパッケージにカテーテル組立体710を設けることができることは理解されるであろう。
【0058】
図8及び図8aを参照すると、図5及び図5aと同様の一実施形態が開示されており、この実施形態では、水等の所定量の蒸気付与液体が、布又は連続気泡高分子発泡体の液体捕捉部材830内に設けられ、この液体捕捉部材830は、気体不透過性パッケージ812の壁812b及び812cと(図示のように)一体的に結合されてもよく、又はカテーテル組立体810を囲むパッケージ812のシールされるキャビティ812a内で固定されていなくてもよい。上述のように、種々のカテーテル組立体の実施形態のいずれも、布又は発泡体の液体捕捉部材830を収容する812等のパッケージに包装することができることは、理解及び認識されるであろう。布又は発泡体の液体捕捉部材830は、パッケージ812内で100%の相対湿度雰囲気を形成及び維持するのに十分な水蒸気を生成することができる量の水を収容するサイズになっている。布又は発泡体の液体捕捉部材830から逃げる水蒸気は、即使用可能であるように、カテーテル組立体810のチューブ814の外面の親水性コーティングを十分に水和させることができる。
【0059】
この実施形態では、布又は発泡体の液体捕捉部材830は、カテーテル組立体810に面する表面に薄い蒸気透過性フィルム830aを有して、布又は発泡体がカテーテル組立体の表面に貼り付くのを防止することが好ましい。より具体的には、水蒸気は、ヒドロゲル材料から形成されることが好ましい蒸気透過性フィルムを通過することにより、カテーテルチューブ814の表面との水蒸気の接触によって親水性コーティングを水和させることができる。
【0060】
他の実施形態では具体的に示されていないが、この特徴を利用する実施形態のそれぞれにおける液体捕捉部材は、布又は連続気泡高分子発泡体材料を覆うフィルムを有することにより、この材料がカテーテルチューブのコーティングに貼り付くことを防止することができる。別法として、このフィルムの代わりに、高分子ネット(polymeric netting)又は有孔プラスチックフィルムを用いてもよい。同じ目的を達成するための別の方法は、製造中に液体透過性の外皮を生じるバインダ繊維(すなわちスルーエア不織布)を使用して熱接着されることにより非粘着表面を提供する布を、液体捕捉部材の材料として用いることである。
【0061】
別の点では、本発明のカテーテル組立体は、既知の滅菌手順が行われるか否かに応じて、滅菌状態又は非滅菌状態でユーザに供給することができる。
【0062】
本発明の場合、即使用可能で、潤滑性が高く、取り扱いやすく、且つ費用効率がよく親水性コーティングカテーテルを提供することにより初めて達成された著しい進歩が、少なくとも2つある。
【0063】
第1の進歩は、パッケージを開封する時に漏れ得る浸漬流体を必要とせずに、十分に水和され、且つ即使用可能である親水性コーティングカテーテルを提供することにある。驚くべきことに、気体不透過性のカテーテルパッケージに、カテーテルを浸漬させるのに必要な量よりも少なく、且つ漏れの問題を引き起こし得る量よりも少ない、少量の水を加えることにより、これを達成できることが分かっている。この場合、包装カテーテル組立体の流通は、i)パッケージ内で100%の相対湿度雰囲気を形成するのに十分であり、且つii)カテーテルチューブの外面の親水性コーティングの蒸気水和を確実にするのに十分であるように確定される十分なエージング時間前に、ユーザが製品を利用可能にならないように管理される。このように非常に少量の水を用いるとともに流通を管理することにより、カテーテルを使用のためにパッケージから取り出す時に液体が漏れることができない、十分に水和され、且つ即使用可能な親水性コーティングカテーテルを提供することが可能である。
【0064】
第2の進歩は、製造コストが安いが即使用可能である単純なスリーブを利用する、親水性コーティングカテーテルを提供することにある。過去のゲルコーティングカテーテル製品で用いられていたものに特有のスリーブ等の単純なスリーブは、親水性コーティング間欠カテーテルに用いられると、いくつかの欠点を示すことが分かっている。しかしながら、これらの欠点は、本発明による、親水性コーティングを活性化させるために蒸気水和を用いることによって克服される。
【0065】
本発明によって達成されたことは、カテーテル及びスリーブから成る組立体を少量の蒸気付与液体とともに包装した後、十分なエージング期間によって完全に水和される前にユーザが製品を利用可能とならないことを確実にするように製品の流通を管理することにより、液体の漏れの危険性がない、完全に蒸気水和された親水性コーティングカテーテルを可撓性スリーブに設けるという進歩である。
【0066】
必要なエージング期間は、スリーブが用いられるか否かに応じて、及びスリーブが用いられる場合はスリーブのために選択される材料に応じて決まる。エージング期間が十分であるとすれば、ポリエチレン等の安価な材料を、非常に薄い可撓性スリーブに用いることができる。しかしながら、ポリエチレンよりも水蒸気透過性が高いスリーブ材料を選択することにより、必要とされるエージング期間を短縮することができることが分かっている。例えば、ポリエチレンほどの長さのエージング期間を必要としない、水蒸気透過性ではあるが非水膨潤性のエラストマーフィルムを用いてもよい。また、さらに短いエージング期間を必要とするために、水蒸気透過性がさらに高い水膨潤性エラストマーをスリーブ材料として用いてもよい。概して、スリーブがより高い水蒸気透過性を有するスリーブの実施形態では、必要なエージング期間はより短くなる。
【0067】
上記から理解されるように、可撓性の高いスリーブ材料を用いることにより、挿入中にスリーブがカテーテルのファネルの方に襞状に寄っても(bunched against)、カテーテルの前進に対して著しい抵抗を基本的に全く与えないスリーブができる。これは、カテーテル及びスリーブ組立体のユーザにとって大きな利益である。非常に可撓性の高いスリーブ材料が用いられる場合、挿入中にスリーブを外して「再設置」する必要がない。その代わりに、スリーブを把持したまま手を離さずに、カテーテルを完全に挿入することができる。
【0068】
以下の試験1は、カテーテルを浸漬させるのに十分な水をパッケージに加えてから30秒間待つという従来の方法で、親水性コーティングカテーテルとともに幅の広いポリエチレンフィルムスリーブを用いる場合に、カテーテルの完全な水和が行われないことを示す。さらに、試験1の表に示されるように、細いスリーブを用いた場合、上記のより望ましい特徴を有していても、水和に関してさらに悪い結果が得られることが分かっている。
【0069】
スリーブがアコーディオン状に潰れる時にカテーテルの前進に抵抗することなく、カテーテルが挿入されることを可能にすることができる、より可撓性の高いスリーブも有用である。しかしながら、試験1の表は、より可撓性の高いスリーブを提供するようにスリーブが薄い材料でできているほど、水和に関してさらに悪い結果が得られることを示す。したがって、従来の乾燥形態で提供される従来の親水性コーティングカテーテルとともに単純なスリーブを用いることには、重大な欠点がある。
【0070】
以下の試験2は、細い可撓性スリーブを有し、且つ種々の少量の水とともに包装される親水性コーティングカテーテルをエージングさせた結果を示す。例えば約2〜3mlの水の量をパッケージに加えることができ、エージング後に、十分に水和し、且つ十分な潤滑性を有するカテーテルができる(0.03以下の摩擦係数が十分な潤滑性を示すと考えられる)。この比較的限られた量の水を用いることは、カテーテルを収容するシールされるパッケージキャビティがほぼ空であり、カテーテルを使用するために後で開封される時に、パッケージ内に残っている捕捉されていない、すなわち自由な液体水がほとんど又は全くないことを示す。また、キャビティの体積が十分に大きい場合、これよりもわずかに多い量の水、例えば4〜5ml、又はさらに多い水を用いてもよい。これは、エージングの終了時にパッケージ内に残る限られた水が占めるのはキャビティ体積全体のごくわずかな部分であるため、重大な漏れの危険性がないからである。パッケージのカテーテル受容キャビティの少なくともチューブ受容部分の体積の20%未満を占める量の、捕捉されていない水が用いられるべきである。
【0071】
図1に示す実施形態では、カテーテル受容キャビティは、カテーテルチューブ14だけではなくファネル22も含むカテーテル組立体10の全体を受容する、1つの大きな開口キャビティである。好ましくは、捕捉されていない水は、パッケージのカテーテル受容キャビティのチューブ受容部分の総体積の10%未満、最も好ましくは5%未満を占めるべきである。これは、通常は容積の45〜60%まで充填される狭いキャビティにおいて、液体活性化のためにカテーテルを浸漬させるのに通常用いられることにより、カテーテルを使用するためにパッケージから取り出す時に確実に漏れる危険性がある、10ml以上の液体とは対照的である。
【0072】
以下の試験3は、室温で2週間のエージング後、ポリエチレンスリーブを有するカテーテルは十分に水和されなかったが、水蒸気透過性のエラストマーフィルムスリーブを有するカテーテルは十分に水和されたことを示す。これらの水蒸気透過性エラストマーフィルムは、カテーテル組立体の使用に有益なはるかに高い可撓性を有するという点で、ポリエチレンよりもさらに有利である。しかしながら、試験3は、十分に長いエージング期間を用いる場合、密着して嵌まる水蒸気透過性スリーブ(例えばポリエチレンスリーブ)を用いても十分な蒸気水和を達成することができることを示す。
【0073】
以下の試験4は、所与のエージング期間に、透過性の低いエラストマーフィルムスリーブ(Medifilm810)を有するカテーテルが、より透過性の高いエラストマーフィルムスリーブ(Medifilm435)を有するカテーテルほど十分に水和されないことを示す。
【0074】
以下の試験5は、蒸気水和される親水性コーティングカテーテルとともに用いる場合、スリーブがさらに別の利点を有することを示す。これらのスリーブは、ユーザがカテーテルを収容しているパッケージを開封した時に、水和されたカテーテルが空気に曝されて乾燥する速度を低下させ、これはさらに、カテーテルの潤滑性を低下させる危険性を伴わずに、ユーザがカテーテルの挿入にかけることができる時間を長くする。この利点は、極めて高い水蒸気透過性を有するスリーブでも維持されることが分かっている。挿入時にカテーテルが十分に水和されているほど、身体内から取り出す前に身体内でカテーテルが早く乾燥しすぎる可能性が小さくなる。
【0075】
試験6は、蒸気付与水を含む液体捕捉部材とともに包装されるスリーブを有さない、低価格カテーテルのエージングの結果を示す。親水性コーティングに応じて、コーティングが十分な潤滑性を有するようになるのに、比較的短時間(2日間)又は比較的長時間(6週間以上)かかる場合がある。
【0076】
以下で説明する試験に伴う表では、摩擦係数に関していくつかの場合に記載される値がある。表に列挙される摩擦係数測定値はそれぞれ、以下のようにして得られた。2つのカテーテルを同じ方法で作製してエージングした。続いて、各カテーテルを4つ又は6つの短い断片に切断した。カテーテルからの2つの短い断片を固定具(fixture)内に配置した。両方の断片の表面にわたってそり(sled)を滑らせ、1つの測定値を取った。これを5回の独立した試験で繰り返した。平均摩擦係数が表で報告されている。
【0077】
パッケージのカテーテル受容キャビティのチューブ受容部分に充填する水和液の割合に関しては、以下のように測定する。まず、ユーザがカテーテルパッケージを手にして、カテーテルのファネル端がパッケージの上部にある状態で鉛直に保持する。続いて、パッケージのファネル端(上部)を開いて、ファネルの最下部まで引き剥がし、ここで初めてファネルはカテーテルチューブのシャフトと接触する(meet)。パッケージ内のカテーテルを妨害せずに、パッケージ内の水和液を注ぎ出して測定する。次に、水をパッケージに注いで、水がこぼれ出すまで、パッケージのカテーテル受容キャビティのチューブ受容部分全体を充填する。続いて、パッケージのカテーテル受容キャビティのチューブ受容部分内の水を出して注ぎ出して測定する。この水の量が、パッケージのカテーテル受容キャビティのチューブ受容部分の体積を表す。
【0078】
パッケージに収容された水和液又は蒸気付与液体の量を測定し、パッケージのカテーテル受容キャビティのチューブ受容部分を充填するのに必要な水の量を測定したところ、ユーザが漏らす危険性をなくすためには、これら2つの量間の比は20%未満であるべきである。
【0079】
以下で説明する試験及びこれらの試験から得られた結果は、本発明から得られる利点を示している。
【0080】
試験1:
この試験では、スリーブ無しの対照カテーテル及びスリーブを有するカテーテルを含む、乾燥した親水性カテーテルを、30秒間水に浸漬させる。続いて、対照及びスリーブを有するカテーテルを含むカテーテルの水和パーセント(percent hydration)を、湿重量対乾重量に基づいて試験した。この試験では、市販の親水性カテーテル、すなわち、Astra Techから入手可能なLoFric(登録商標)カテーテル及びColoplast製のEasiCath(登録商標)を用いた。結果は以下の通りである。
【0081】
【表1】
【0082】
試験2:
この試験では、親水性カテーテルをアルミニウム箔パッケージに入れ、それぞれのパッケージには0.5ml〜4mlの水を加える。パッケージの総体積は約80mlである。カテーテルは、Medifilm437から成る12mm幅スリーブを有するCh14カテーテルである。カテーテルを包装し、続いて室温で3週間エージングする。続いて、カテーテルをパッケージから取り出し、摩擦係数(COF)を求めるために試験する。この試験では、市販の親水性カテーテル、すなわちAstra Techから入手可能なLoFric(登録商標)カテーテルを用いた。結果は以下の通りである。
【0083】
【表2】
【0084】
試験3:
この試験では、親水性カテーテルCh12に種々の材料から成る8mm幅スリーブを嵌め、5mlの水とともに包装した。カテーテルを、室温(RT)又は40℃で1週間又は2週間(Wk(s))エージングし、摩擦係数(COF)を試験した。この試験では、市販の親水性カテーテル、すなわちAstra Techから入手可能なLoFric(登録商標)カテーテルを用いた。別の実験(結果は示さない)では、少量の捕捉されていない水ではなく布の水捕捉部材を用いた。この構成では、細い12mmポリエチレンスリーブを有するCh14カテーテルを用いると、40℃で3週間後にカテーテルが十分に活性化された(COF=0.02)ことが分かった。結果は以下の通りである。
【0085】
【表3】
【0086】
試験4:
この試験では、親水性カテーテルに種々の材料から成る8mm幅スリーブを嵌め、2mlの水とともに包装した。続いて、カテーテルを室温で24時間エージングした。この試験では、市販の親水性カテーテル、すなわちAstra Techから入手可能なLoFric(登録商標)カテーテルを用いた。結果は以下の通りである。
【0087】
【表4】
【0088】
試験5:
この試験では、親水性カテーテルを5mlの水とともに包装し、続いてオーブン内で40℃で48時間エージングした。エージング後、カテーテルをパッケージから取り出し、所与の時間空気に曝した。カテーテルがスリーブを有していた場合、スリーブは暴露時間の間カテーテルに被せたままにし、続いて後退させて摩擦係数を試験した。この試験では、市販の親水性カテーテル、すなわちAstra Techから入手可能なLoFric(登録商標)カテーテルを用いた。結果は以下の通りである。
【0089】
【表5】
【0090】
試験6:
この試験では、カテーテルの蒸気水和に布の液体捕捉部材を用いた。2つの異なるタイプの市販のCh14親水性コーティングカテーテルを用いた。場合によっては、これらのカテーテルに、Medifilm437(蒸気透過性の薄いエラストマーフィルム)から成る密着して嵌まるスリーブを嵌める。2つの異なる試験系を用いた。「試験管」系では、シールした試験管にカテーテルを入れ、カテーテルを金属スクリーンによって液体捕捉布から分離した。この系では、布中の水がカテーテルに接触することは不可能である。第2の系、「パッケージ」は、カテーテル及び水捕捉布がシールされた箔パッケージ内にある、市販タイプの系である。結果は以下の通りである。
【0091】
【表6】
【0092】
上記の説明では、カテーテルの実施形態にチューブが組み込まれていたが、本発明は、外部の尿の流れに対応するように形成されたシャフトを有するカテーテルの場合でも享受することができる。また、スリーブを利用する種々の実施形態では、スリーブがファネル又はイントロデューサ先端若しくはイントロデューサポート、又はそれら両方に取り付けられるものとして説明された。しかしながら、さらに別の可能性は、スリーブを、カテーテルには取り付けられないようにチューブまたシャフトの周りに配置することであることが理解されるであろう。最後に、本発明は、液体水がカテーテルを液体との直接接触によって確実に水和させることができない、望ましい設計及び設計上の特徴を可能にする。
【0093】
本発明は、即使用可能な十分な潤滑性を有する蒸気水和される親水性コーティングカテーテルを提供し、液体の漏れの危険性をなくし、且つ有利なスリーブを利用することができることが分かる。スリーブは、指による接触及び汚染からカテーテルを保護し、確実な、滑らない把持面を提供する。スリーブがあることにより、カテーテルをそのパッケージから取り出して空気に曝しておくことができる時間も長くなり、それにより、早すぎる乾燥及び潤滑性の喪失がなくなる。スリーブはさらに、挿入中にスリーブがカテーテルのファネルの方にアコーディオン状に潰れる、すなわち襞状に寄る時に、身体内へのカテーテルの前進に実質的に全く抵抗を与えない。本発明により、これらの目的の全てを達成するだけでなく、製造コストが安く使用が簡単な製品によってこれらの目的を達成する、蒸気水和される親水性カテーテルが提供された。
【0094】
上記の説明において、本発明の好適な実施形態を記載してきたが、当業者は、本明細書中で与えられる具体的な記述を、添付の特許請求項の真の精神及び範囲から逸脱せずに変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明による蒸気水和される包装親水性カテーテル組立体の一部破断した平面図である。
【図1a】スリーブがファネルに対して潰れた、図1の親水性コーティングカテーテル組立体の一部断面側面図である。
【図2】本発明による親水性カテーテル組立体の別の実施形態の一部断面側面図である。
【図3a】スリーブを有さない蒸気水和される包装親水性カテーテル組立体の基本形態の一部破断した平面図である。
【図3b】スリーブを有する蒸気水和される包装親水性カテーテル組立体の基本形態の一部破断した平面図である。
【図3c】スリーブ及びイントロデューサ先端を有する、蒸気水和される包装親水性カテーテル組立体の一部破断した平面図である。
【図4】蒸気付与液体を収容した蒸気透過性で液体不透過性のパウチを有する、蒸気水和される包装親水性カテーテル組立体の一部破断した平面図である。
【図5】カテーテル挿入ポートを有する蒸気水和される包装親水性カテーテル組立体のさらに別の実施形態の平面図である。
【図5a】パッケージ内の液体捕捉材料を示す、図5の線5a−5aに沿って切り取った断面図である。
【図6】蒸気水和される包装親水性カテーテル組立体内に採尿袋を組み込んだ、さらに別の実施形態の平面図である。
【図7】図1の親水性カテーテル組立体と同様の、さらに別の親水性コーティング間欠カテーテル組立体の一部断面側面図である。
【図8】スリーブ及びカテーテル挿入ポートを有さない親水性カテーテル組立体の一実施形態の、図5と同様の平面図である。
【図8a】パッケージ内の液体捕捉材料を示す、図8の線8a−8aに沿って切り取った断面図である。
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照]
本開示は、本明細書に共通して開示される主題全てに関して、2003年8月8日に出願された米国仮出願第60/493,493号の優先権を主張するとともに、その利益を得る権利を有する。
【0002】
[背景]
間欠的カテーテル挿入(intermittent catheterization)は、泌尿器系の様々な異常を患う多くのユーザにとって好ましい選択肢である。一般的に見られるのは、使い捨ての個別包装滅菌カテーテルが用いられる状況である。使い捨て製品に重要な基準は製品のコストである。すなわち、あまり高価ではない製品が所望され、高く評価される。
【0003】
簡単で外傷の少ない挿入を可能にするために、潤滑剤を用いてカテーテルに表面処理を施して摩擦を低減することも、極めて一般的である。現在では、主に2つのカテゴリーの潤滑表面を有するカテーテル、すなわち、ゲルコーティングカテーテル及び親水性コーティングカテーテルがある。
【0004】
ゲルコーティングカテーテルは、水性ゲルをカテーテル表面に塗布することにより、挿入が容易になる。水性ゲルは、ユーザにより塗布されてもよく、又はより好都合には、包装されたカテーテルとともに供給することができる。通常は、ゲルをカテーテル表面に塗布するためのシステムが、包装されたカテーテルに設けられる。このシステムは、包装作業の直前又は包装作業中にゲルがカテーテル表面に塗布されるもの、又はユーザがカテーテルの挿入中にゲルを表面に塗布するものであり得る。
【0005】
親水性コーティングカテーテルでは、カテーテルには、カテーテルの外面に付着する薄い親水性コーティングが施される。このコーティングは、水等の水和液(hydrating liquid)と接触して膨潤することにより活性化されると、摩擦係数が極めて低い表面になる。この製品の最も一般的な形態は、個別包装された使い捨ての滅菌カテーテルが乾燥状態(state or condition)で提供されるものである。ユーザは、パッケージを開封し、パッケージに水を注いで30秒間待ち、続いてパッケージからカテーテルを取り出すと、即挿入可能となる。
【0006】
つい最近導入された型の親水性コーティングカテーテルは、カテーテルを浸漬させるのに十分な区画分けされていない(loose)液体水をすでに含んでいるパッケージにカテーテルが入っているものである。この製品の場合、ユーザは単にパッケージを開封して、即挿入可能なカテーテルを取り出すだけであり、水を加えて30秒間待つ必要はない。
【0007】
他の新規製品は、カテーテルの浸漬に必要な量の液体水をパッケージの別個の区画に設けてある。これらの製品では、パッケージの別個の区画を開けて、カテーテルを収容しているチャンバに液体浸漬水が入って親水性コーティング表面と直接接触するようにする。製品によっては、また別個のチャンバ内の水の量によっては、ユーザは、カテーテル表面の親水性コーティングを活性化させるために、パッケージを操作して水和液にカテーテル表面を浸すよう求められる。続いて、ユーザが即挿入可能なカテーテルをパッケージから取り出す。
【0008】
これら既存の製品全てにおいて、カテーテルは、親水性コーティングカテーテル表面全体との液状膨潤媒質(例えば液体水)の直接的な接触に依存している。さらに、これら既存の製品は全て、液体水がパッケージのキャビティ内で自由に流れることができ、且つ妨げられずにカテーテル表面に接触することができるカテーテルのパッケージを提供することにより、この液体水との直接接触を達成する。パッケージ内で区画分けされていない液体水が自由に流れることができ、且つ妨げられずにカテーテル表面に接触できることにより、液状膨潤媒質を親水性コーティングで処理されているカテーテルの表面全体と確実に直接接触させることが容易である。
【0009】
上述の親水性コーティングカテーテルの欠点は、ユーザがカテーテルを操作して、その後の挿入のために取り出そうとする時に、浸漬液がパッケージから漏れる傾向があることである。上述の親水性コーティングカテーテルの別の欠点は、カテーテルが極めて滑りやすい表面を有し、これがユーザによる挿入中の取り扱いを極めて困難にすることである。
【0010】
パッケージから取り出してから挿入するカテーテルの場合、ユーザによるカテーテルの取り扱いにより、カテーテルの表面に微生物が付着し、これがカテーテル挿入中に身体に入った後で感染問題を引き起こし得るという別の欠点がある。この問題に対処するために、製造業者は、ユーザが最初にパッケージからカテーテルを取り出さずにカテーテルを挿入することができ、したがってユーザはパッケージに触れるだけでよく、カテーテル表面に触れなくてよいシステムを考案した。これらのシステムは、ゲルコーティングカテーテルに有効な傾向であり、カテーテルを挿入している時にユーザの手にゲルが付着しないというさらなる利点を有する。別の型のゲル潤滑カテーテルは、カテーテルの周りで、カテーテルの挿入端にあるゲル槽に取り付けられるスリーブを利用することにより、カテーテルに取り付けられたパッケージからゲル槽及びスリーブが出て、カテーテルはゲル槽を通って前進することにより挿入される。このタイプの製品では、スリーブはカテーテルの直径に非常に緩く嵌まっているため、挿入中にユーザがカテーテルを前進させると、カテーテル及び通常はカテーテルの遠位端に設けられている一体的なファネルが、スリーブ表面を摺動する。
【0011】
親水性コーティングカテーテルの場合も、最初にパッケージからカテーテルを取り出さずにカテーテルを送出することが検討されたが、このタイプの手法に関する深刻な問題は、浸漬液が漏れる傾向があることである。スリーブがあることにより、液体との直接接触によって活性化する必要があるカテーテル表面に液体水が流れることが妨害されるため、いかなる種類のスリーブを有する親水性コーティングカテーテルも、概して利用可能ではなかった。非接触送出媒体として用いることができるホース部材の内部に水和液が入っているいくつかの設計が、特許文献に記載されている(例えば、2003年1月23日に公開された米国特許公開第2003/0018322A1号を参照)。これら記載のホース部材は剛性であるが、カテーテルの前進を可能にするための特別な蛇腹状の折り畳み部(concertina folds)と、カテーテルの把持を可能にするための特別な把持セクションとを必要とする。
【0012】
公開特許技術のいくつか、例えば、米国特許第6,059,107号では、パッケージ内にカテーテルとともに入れられる水の量を少量に保つことについて説明されている。しかしながら、これらの技術は、カテーテルチューブの周りに狭いキャビティを同時に設けることによって、このキャビティの設計を用いて水の量の低減を行うことにより、これを行うことを提案している。このように、カテーテルは、パッケージに収容されている間は実質的に液体水に浸漬され、液体水と直接接触させられている。
【0013】
或る市販製品では、キャビティに水が完全に充填されていないため、親水性表面コーティングを十分に活性化させるために、ユーザが使用前にパッケージを傾けるか又は他の方法で操作して、カテーテルと液体水とを確実に直接接触させることが勧められる。同様に、使用前に破られる液体槽を有する市販製品の中には、カテーテルを保持しているパッケージキャビティを充填するのに十分な液体水を有さないものがある。ユーザは、パッケージを複数回傾けて、液体水をカテーテルの方へ移動させることにより、液体水との直接接触によって親水性表面コーティングを活性化させるよう指示される。上述のように、パッケージキャビティ内の液体水は、パッケージを開封してカテーテルを用いる際に、ユーザが漏らす危険がある。上記から理解されるように、漏れの危険性は、パッケージキャビティに液体水を完全に充填している親水性カテーテルの場合ほど高いが、キャビティに液体水を完全に充填していない親水性カテーテルの場合ほど、患者が行う必要がある操作が多くなる。
【0014】
したがって、既存の親水性カテーテル製品に伴う望ましくない代案の間にはトレードオフがある。一方では、カテーテルを実質的に浸漬させておくように設計された量の液体水がパッケージキャビティに設けられるが、漏れの危険性が高い。他方では、パッケージキャビティの総体積に対して液体水が少ないが、ユーザはカテーテルコーティングを確実に活性化させるために、使用前にパッケージを操作しなければならない。本発明は、漏れの危険性をなくす一方でユーザによる操作の必要をなくすことにより、このトレードオフを回避する。
【0015】
[発明の概要]
本発明の親水性カテーテルは、液漏れの可能性がほとんど又は全くなく、ユーザがカテーテルを手にして即使用可能であるように、カテーテルパッケージ内の水蒸気等の蒸気膨潤媒質で蒸気水和(vapor hydration)される。その結果、浸漬液を加える必要がなく、むしろカテーテルの親水性表面コーティングがすでに蒸気水和により活性化されている、滅菌カテーテルパッケージとなる。カテーテルパッケージは、パッケージキャビティ内で蒸気水和雰囲気(vapor hydration atmosphere)を形成及び維持するのに十分な蒸気を生成することができる量の液体を収容するサイズになっている、布又は発泡体等の液体捕捉部材(liquid sequestering element)を収容し得る。布又は発泡体の液体捕捉部材は、その隙間に液体を確実に保持し、捕捉されていない(loose)液体が漏れの危険を引き起こすことを防止する一方で、蒸気が形成されてパッケージキャビティ内へ逃げることを可能にする。本発明のカテーテルパッケージは、カテーテルチューブの周りに嵌まる高分子フィルムの薄い可撓性スリーブも収容し得る。可撓性スリーブは、非常に潤滑性の高い蒸気水和されたカテーテルをユーザが取り扱いやすくする役割を果たすとともに、滅菌状態のまま身体へ挿入されることも可能にする。これは、カテーテルの可撓性スリーブの外側の取り扱い部分が、蒸気水和された親水性表面コーティングを有するカテーテルの外面よりもはるかに滑りにくいことに起因する。スリーブは、カテーテルチューブの外面に密着して嵌まるようにすることができ、これにより、スリーブに使用する材料の量が低減するとともに、その費用も低減する。密着して嵌まるスリーブは、スリーブ内でカテーテルが横方向に移動する程度も防止するか、又は少なくとも大幅に制限する。スリーブは、水蒸気を貫通させるが液体水は貫通させない材料からできていてもよく、これにより、コーティングの蒸気活性化プロセスが加速する。
【0016】
パッケージ内にスリーブを有するこれらの実施形態では、製造中にパッケージに入れられる比較的少量の液体は、スリーブの外部に入れられる。したがって、カテーテルチューブの親水性表面コーティングは、パッケージのシール後に、カテーテル使用前の長期間又は所定期間のインキュベーション又はエージング中にパッケージ内で生成される蒸気によって、製造後に水和される。したがって、本発明のカテーテルは、即使用可能な親水性コーティングカテーテルを提供する際にこれまで直面していた問題を克服する、費用効果的で製造が容易な方法で提供される。非常に可撓性が高く細いスリーブを用いる場合、ユーザがスリーブを外して「再設置」する必要なく、カテーテルを十分に前進させることができるというさらなる利点がある。
【0017】
特に、ゲルカテーテルで用いられてきた可撓性の制限された幅の広いスリーブとは異なり、本発明の親水性カテーテルの非常に可撓性が高く細いスリーブは、非常に潤滑性の高い水蒸気水和される親水性コーティングとスリーブの折り畳み可能な性質とにより、尿道内に前進させる時に、接触せずに確実に把持して挿入端からファネル端へ容易に移動させることができる。
【0018】
[好適な実施形態の詳細な説明]
図1を参照すると、本発明は、エンドユーザがカテーテルを手にすると即使用可能であるように、カテーテルパッケージ12内で蒸気水和されるようになっている、親水性カテーテル組立体10を備える。カテーテルパッケージ12は、液体及び気体不透過性であり、アルミニウム箔から形成することができる。パッケージ12内のカテーテル組立体10は、少なくとも一部に親水性コーティングが施された外面を有するカテーテルチューブ14と、チューブの端14aに隣接した、カテーテルチューブの前進前に尿道口に予備挿入することが意図されるオプションの軟質でゴム状のイントロデューサ先端16と、チューブの近位挿入端14a付近の、膀胱のドレナージを行う(draining)ためのドレナージアイ(drainage eyes)18とを含む。カテーテル組立体10は、高分子フィルムから形成されることが好ましい、薄い可撓性の折り畳み可能なスリーブ20も含むことができ、このスリーブ20は蒸気透過性であり(但し、液体不透過性であり得る)、且つこれを通して親水性コーティングを蒸気水和することができる。テーパ状ファネルの形態のコネクタ22がカテーテルチューブの遠位端に位置し、ユーザがこれを、採尿装置(図示せず)に繋がった可撓性のドレーンチューブに接続する。
【0019】
製造の際には、カテーテルチューブ14がファネル22に取り付けられ、外面に親水性コーティングを施される。続いて、可撓性のヒドロゲルスリーブ20がチューブ14に被せられ、必要であればイントロデューサ先端16が加えられて、カテーテル組立体10が完成する。スリーブは、ファネル又はイントロデューサ先端若しくはイントロデューサポート、又はそれら両方に取り付けられる。続いて、カテーテル組立体10は、パッケージ12内に形成されるとともにパッケージ12により画定されるキャビティ12aに、24で示す水等、所定の少量の蒸気付与液体(vapor donating liquid)とともに挿入され、その後、パッケージはシールされる。シールされた気体不透過性のパッケージ12内に水が存在することにより、確定可能な期間にわたって水蒸気が形成される。好ましくは薄い可撓性のヒドロゲル材料でできた可撓性スリーブ20は、水蒸気透過率が高い。したがって、可撓性ヒドロゲルスリーブ20は、スリーブの外部にある蒸発液体により生成される水蒸気が、チューブ14の外面の親水性コーティングに入って当該コーティングを水和することを可能にする。
【0020】
したがって、チューブ14の外面の親水性コーティングは、水蒸気に曝されることにより水和される。これにより、親水性コーティングが活性化してチューブ14の外面を非常に潤滑性の高い状態にし、カテーテル組立体10が即使用可能な状態になる。カテーテル組立体は、包装プロセスの終了後に所定の期間エージングされて、コーティングの完全な活性化が確実になる。続いて、ユーザがパッケージ12からカテーテル組立体を取り出して、すぐに使用することができる。さらに、ユーザが水を加える必要なく、またパッケージの開封時に水が漏れるという従来技術の問題にユーザが直面することなく、これを全て行うことができる。
【0021】
スリーブ20は、ポリエチレン、可塑化PVC、又はポリプロピレン等の種々の薄い可撓性高分子フィルム材料のうちの任意のものから形成することができるが、ポリウレタン等のエラストマーフィルム材料、特にエラストマーヒドロゲル材料が特に適していると考えられる。このような材料の1つは、Mylan Labs(St. Albans, VT)製の商標Medifilm435として市販されているポリウレタンポリエチレンオキシドブロックコポリマーであるが、他のエラストマーヒドロゲルフィルムも既知であり、用いることができる。最も望ましくは、フィルムは蒸気透過性であるが、これは、このような蒸気透過性がパッケージ内の蒸気の分布を促進させ、カテーテルの親水性コーティングの蒸気水和を促すからである。微生物の透過に対する完全なバリアを確保するために、フィルムは液体水に対して不透過性であることも好ましいが、場合によっては液体透過性のスリーブを用いてもよい。
【0022】
スリーブを形成するフィルムの厚さは、選択される材料の伸縮性及び可撓性等の因子に応じて大幅に変わり得るが、概して、厚さは約10〜150ミクロン、好ましくは約13〜50ミクロンの範囲内にある。同様に、十分な蒸気水和を達成するのに要するエージング又はインキュベーション時間は、スリーブの材料の透湿度(MTVR)、パッケージ全体のサイズ、カテーテルチューブ等の他の構成部材に対するスリーブの直径、及び関連する周囲温度及び周囲圧力等、複数の変数に応じて決まる。いずれの場合も、包装から使用までの間隔は、パッケージ内の蒸気付与液体が、カテーテルの使用が必要となる時まで湿度100%の状態をもたらす(親水性コーティングが完全に蒸気水和される)のに十分なほど気化していることを確実にするように、任意所与の製品について実質的且つ所定の長さである。カテーテルの使用が必要となる時には、パッケージ内に残っている蒸気付与液体の量は、カテーテルが使用時にパッケージから取り出される時に漏れる危険性が全くなく湿度100%の状態を維持するのに十分なほど、わずかな量であるべきである。上記の変数を認識すると、包装から使用までの間隔は、概して、約1〜45日以上である。
【0023】
非常に優れた水蒸気バリアであるアルミニウム箔の代替物として、熱成形性又はコスト等の他の考慮事項のために他の包装材料を選択してもよい。パッケージに関する「気体不透過性」という用語は相対語であることを理解されたい。パッケージは、パッケージ内部の100%の相対湿度状態を維持するのに十分な水蒸気に対するバリア性を有して、包装カテーテル組立体の所望の貯蔵寿命に合わせて親水性コーティングカテーテルの持続的な水和を確実にしなければならない。この目的のために必要なバリア特性は、所望の貯蔵寿命の長さ(通常は6ヶ月〜5年)、パッケージのシール前にパッケージに入れられる蒸気付与液体の量、及び製品が貯蔵される条件に応じて決まる。
【0024】
カテーテル組立体10を用いるには、ユーザは単に、スリーブ20を把持してカテーテル組立体10をパッケージ12から取り出し、続いてイントロデューサ先端16を尿道口に静かに導入すればよい。好ましくは、カテーテル組立体10のスリーブ20を片手で把持して、チューブ14の成形先端14aをイントロデューサ先端16に挿入して前進させる。このようなイントロデューサ先端は、チューブ14が通ることができる開口を形成するように外側に曲がるフラップ16bの周方向配列を画定する、複数の十字スリット16aを有する。その後、他方の手を用いてスリーブの壁部分間にあるチューブを把持し、チューブを前方すなわち近位方向に付勢することにより、チューブを静かに前進させる。チューブ14が尿道口を通して身体内に前進するにつれて、図1aに示すように、スリーブ20はカテーテル組立体10のファネル22に隣接して潰れる。
【0025】
図2を参照すると、上述のカテーテル組立体10と非常に類似しているカテーテル組立体110が開示されている。パッケージ12と同様であり得る液体及び気体不透過性パッケージ又は容器が組立体110を包んでいるが、説明を明確にするために図2では省いてある。図1におけるように、水等の所定の少量の蒸気付与液体が、パッケージのシール後からカテーテルの使用前までの間隔中に親水性コーティングを蒸気水和させるために、パッケージ内のカテーテル組立体の外部に入れられる。
【0026】
カテーテル組立体110は、外面を有するチューブ114と、膀胱のドレナージを行うためのドレナージアイ118と、好ましくはエラストマーヒドロゲルフィルムでできている、薄い可撓性スリーブ120とを備え、可撓性スリーブ120を通して本発明に従ってチューブ114を蒸気水和させることができる。カテーテル組立体110は、採尿装置に接続されるファネル122も含むことができる。しかしながら、カテーテル組立体110の主な違いは、カテーテル組立体10内にはあるイントロデューサ先端16がないことである。
【0027】
図2のカテーテル組立体110を使用する際、スリーブ120をわずかに後退させてチューブ114の成形先端114aを露出させる。続いて、成形先端114aを尿道口に挿入し、スリーブ120を介してチューブ114を把持することにより、チューブ114を身体内に前進させる。前述のように、スリーブ120は、図1aに示すものと同様のカテーテル組立体110のファネル122に隣接して潰れる。
【0028】
図3aを参照すると、カテーテル組立体310は、上述のカテーテル組立体10と同様の、単純であまり高価ではない構成である。カテーテル組立体310は、外面を有するチューブ314と、成形先端314aと、膀胱のドレナージを行うためのドレナージアイ318とを備え、ユーザが必要とする場合には、採尿装置に接続されるファネル322も含むことができる。しかしながら、上述のカテーテル組立体10に対して注目すべき違いがいくつかある。
【0029】
まず、水等の所定量の蒸気付与液体を、布又は連続気泡高分子発泡体の液体捕捉部材330内に設けることができ、この液体捕捉部材330は、気体不透過性パッケージ312の312a及び312b等の壁の1つと一体的に結合されてもよく、又はカテーテル組立体310を囲むパッケージ312内で固定されていなくてもよいことに留意されたい。布又は発泡体の液体捕捉部材330は、パッケージ312内で100%の相対湿度雰囲気を形成及び維持するのに十分な水蒸気を生成する量の水を収容するサイズになっている。布又は連続気泡高分子発泡体の液体捕捉部材330から逃げる水蒸気は、パッケージ312内でこのような雰囲気を形成及び維持するのに十分であるため、カテーテル組立体310のチューブ314の外面の親水性コーティングは、カテーテルが即使用可能であるように十分に蒸気水和され、その状態を維持する。
【0030】
液体捕捉部材330に加えて、カテーテル組立体310は、いかなるスリーブもイントロデューサ先端も伴わない、単純な親水性コーティングカテーテル組立体から成ることが分かる。カテーテル組立体310は、水等の蒸気付与液体とともに気体不透過性のパッケージ312内に入れられ、液体捕捉部材330を形成する材料は、捕捉されていない液体水がパッケージ312のシールされるキャビティ内を流れることができないように、利用可能な液体水の全てを吸収するための高い毛管吸引力(capillary draw)を有するように選択される。液体捕捉部材は、液体水を完全に吸収するために用いられるだけではなく、パッケージ312のキャビティが封止された後に水蒸気を発生させて、蒸気水和を達成するためにも用いられる。
【0031】
パッケージ312内に入れられる液体水の温度、及びチューブ314の外面をコーティングするために選択される親水性材料の特性を含む、種々のパラメータに応じて、パッケージがシールされた後の長期間ではあるが確定可能な期間にわたって蒸気水和が行われる。したがって、包装カテーテル組立体の流通は、製造終了後の確定可能な期間の間、パッケージ312内で100%の相対湿度雰囲気が形成されること、及びカテーテルの十分且つ完全な(full and complete)蒸気水和が行われることを確実にするために遅らせられ得る。液体捕捉部材330に関しては、材料は例えば、液体水湿潤性にするように表面処理されたメルトブローマイクロファイバー布(microfiber meltblown fabric)、例えばHollingsworth & Vose Company製のPF23100PBTであり得る。
【0032】
毛管吸引力が高い材料から液体捕捉部材330を形成することにより、液体水はパッケージ内に収容され、パッケージが開封されるときに漏れることができない。この水は、液体捕捉部材330、カテーテル、及び水を保持する気体不透過性パッケー312が製造後にシールされた後に、カテーテル組立体310のチューブ314の外面の親水性コーティングを蒸気水和させるための蒸気膨潤液から成る水蒸気を形成するドナーとしての役割を果たす。液体捕捉部材330の布又は発泡体材料には、この目的のために利用可能な液体水を少なくとも部分的に含ませる。続いて、気体不透過性パッケージ312のキャビティがシールされた後、布又は発泡体材料内に閉じ込められた液体水は、シールされたパッケージキャビティ内の空気が水蒸気で十分に飽和した平衡状態にパッケージが達するまで、水蒸気としてゆっくりと放出され、水蒸気は、チューブ314の外面の親水性コーティングによって取り込まれることが可能となり、水蒸気の取り込みにより親水性コーティングが膨潤して、カテーテルが即使用可能となる。
【0033】
蒸気水和は、蒸気源が親水性コーティングが施されたカテーテルのチューブの外面に近いほど、早く始まる。これを利用して、液体捕捉部材がカテーテルの長さとほぼ同じ長さで位置合わせされていることが、図3aの実施形態及び液体捕捉部材を用いる他の実施形態全て(図4の実施形態を除く)を参照することにより理解されるであろう。そうでない場合、蒸気水和は依然として本発明に従って行われるが、完全な水和にかかる時間は長くなる。液体捕捉部材がパッケージの一端に完全に限られている場合、親水性コーティングの性質に応じて、蒸気水和時間はかなり長くなる可能性があり、望ましくない長さになる可能性がある。
【0034】
市販の親水性コーティングに関しては、十分に水和するのにかかる時間は大幅に変わる。したがって、実際の試験では、1つのこのようなコーティングは2日後に十分な潤滑性を示したが、同一条件下で別のコーティングは2週間後になっても十分な潤滑性を示さなかったことが分かった。或る場合では、コーティングは、パッケージがシールされてから約6週間後になってやっと十分な潤滑性を示した。
【0035】
十分な潤滑性に達するのにかかる時間が広く異なり、製造後に比較的短期間で十分な潤滑性に達することが商業的に望ましいにもかかわらず、いかなる親水性コーティングも本発明の利点を享受することができる。
【0036】
図3bを参照すると、カテーテル組立体310’は、上述のカテーテル組立体110と非常に類似している構成であり、壁312b’及び312c’により画定される液体及び気体不透過性パッケージ312’のシールされるキャビティ312a’内に配置される。カテーテル組立体310’は、上記と同様に、外面を有するチューブ314’と、膀胱のドレナージを行うためのドレナージアイ318’とを含むことが分かり、この場合も同様に、カテーテル組立体310’は、採尿装置に接続されるのに適しているファネル322’を含むことができる。また、カテーテル組立体110のように、カテーテル組立体310’は薄い可撓性スリーブ320’を含み、可撓性スリーブ320’は、好ましくはエラストマーヒドロゲルフィルムでできており、これを通してチューブ314’を蒸気水和させることができる。
【0037】
図3aの実施形態と同様に、水等の所定量の蒸気付与液体を、布又は連続気泡高分子発泡体の液体捕捉部材330’内に設けることができ、この液体捕捉部材330’は、気体不透過性パッケージ312’の312a’及び312b’等の壁の1つと一体的に結合されてもよく、又はカテーテル組立体310’を囲むパッケージ312’内で固定されていなくてもよい。液体捕捉部材330のように、布又は発泡体の液体捕捉部材330’は、パッケージ312’内で100%の相対湿度雰囲気を形成及び維持するのに十分な水蒸気を生成する量の水を収容するサイズになっている。布又は連続気泡高分子発泡体の液体捕捉部材330’から逃げる水蒸気は、パッケージ312内のこのような雰囲気を形成及び維持するのに十分であるため、カテーテル組立体310のチューブ314の外面の親水性コーティングは、カテーテルが即使用可能であるように完全に蒸気水和され、その状態を維持する。
【0038】
図3aの実施形態とは異なり、薄い可撓性スリーブ320’は、液体捕捉部材330’とカテーテル組立体310’のチューブ314’との間に配置される。エラストマーヒドロゲルフィルムから形成される、320’等の非常に可撓性の高いスリーブは、液体水不透過性であることが一般的に既知であり、これは、概してこれまで液体との直接接触により水和されていた親水性コーティングカテーテルとともに使用できなかったことを意味していた。
【0039】
換言すれば、カテーテル組立体310’でスリーブ320’を確実に用いることを可能にするのは、水蒸気水和である。したがって、コーティングに確実に届くことができない液体水とは異なり、水蒸気水和により、カテーテル組立体310’のチューブ314’の外面の親水性コーティングを活性化させて、確実に即使用可能な状態にすることができる。320’等のスリーブは、親水性コーティングと液体が直接接触することを阻止するため、即使用可能な親水性コーティングカテーテルとともに用いるのに適していると以前はみなされていなかった。
【0040】
図3bのカテーテル組立体310’を使用する際、スリーブ320’をわずかに後退させてチューブ314’の成形先端314a’を露出させる。続いて、成形先端314a’を尿道口に挿入し、スリーブ320’を介してチューブ314’を把持することにより、チューブ314’を身体内に前進させる。前述のように、スリーブ320’は、図1aに示すものと同様のカテーテル組立体310’のファネル322’に隣接して潰れる。
【0041】
図3cを参照すると、上述のカテーテル組立体10’と極めて類似しているカテーテル組立体310’’が開示されている。カテーテル組立体310’’は、親水性コーティングが施された外面を有するチューブ314’’と、成形先端314a’’と、イントロデューサ先端316’’と、膀胱のドレナージを行うためのドレナージアイ318’’と、可撓性スリーブ320’’とを備え、所望される場合には、採尿装置に接続されるファネル322’’も含むことができることが分かる。しかしながら、カテーテル組立体310’’の主な違いは、壁312b’’及び312c’’により画定される液体及び気体不透過性パッケージ312’’のシールされるキャビティ312a’’内での、液体捕捉部材330’’の使用であることが分かる。
【0042】
図1の実施形態では、液体水は、捕捉されない状態でパッケージ12のキャビティ内に入れられることにより、カテーテル組立体10のチューブ14の外面の親水性コーティングを活性化させる水蒸気水和雰囲気が形成される。スリーブ20は、パッケージ12のシールされるキャビティ内の捕捉されていない液体水に対しては不透過性であるが、水蒸気透過性であることが好ましい。したがって、捕捉されていない液体水は、平衡状態に達するパッケージ12のシールされるキャビティ内で水蒸気雰囲気を形成し、チューブ14の外面の親水性コーティングを活性化させる。
【0043】
これとは対照的に、図3cの実施形態は、図3bに関連して説明したように、図1におけるように捕捉されていない水から生成される水蒸気ではなく、液体捕捉部材330’’内の液体水から放出される(given up by)水蒸気によって、カテーテル組立体310’’のチューブ314’’の外面の親水性コーティングの水蒸気水和を行う。
【0044】
図4を参照すると、本発明の別の態様が開示されており、この態様では、水等の蒸気付与液体が水蒸気透過性ではあるが液体不透過性のパウチ(pouch)428内に設けられ、パウチ428は気体及び液体不透過性のパッケージ412内に配置される。パッケージ412内に示されるカテーテル組立体410は、蒸気透過性のパウチ428からの水蒸気によって完全に水和されるチューブ414の親水性表面コーティングを有し、パウチ428は、パッケージ412内で100%の相対湿度雰囲気を形成するのに十分な水蒸気を生成することができる量の水を収容するサイズにされる。このようにして、液体水との直接接触ではなく水蒸気水和によってチューブ414の親水性表面コーティングを完全に活性化させること、及び製品の所望の貯蔵寿命の間、パッケージ内で100%の相対湿度雰囲気を維持することが可能である。
【0045】
例として、水蒸気透過性のパウチ428は、例えば20mlの水を収容するサイズにすることができる。水は、水蒸気の形態でパウチから逃げることができ、水蒸気は、気体不透過性パッケージ412の内部を満たして、パッケージ内のカテーテル組立体410のチューブ414の外面の親水性コーティングを、包装プロセスの終了後の確定及び制御しやすい時間内に十分に水和させる。
【0046】
図5及び図5aを参照すると、本発明のさらに別の態様が開示されており、この態様では、水等の所定量の蒸気付与液体が、布又は連続気泡高分子発泡体の液体捕捉部材530内に設けられ、この液体捕捉部材530は、気体不透過性パッケージ512の壁512b及び512cと(図示のように)一体的に結合されてもよく、又はカテーテル組立体510を囲むパッケージ512のシールされるキャビティ512a内で固定されていなくてもよい。パッケージ512内に示されるカテーテル組立体510は、図示の実施形態ではファネル522と反対側の端に位置する環状のガイドハウジングの形態をとるポート532を利用するという点で、上述の実施形態とは多少異なる。ポートは、カテーテルチューブ514を摺動前進させる軸方向通路を有する。しかしながら、種々のカテーテル組立体の実施形態のいずれも、布又は発泡体の液体捕捉部材530を収容する512等のパッケージに包装することができることは、理解及び認識されるであろう。布又は発泡体の液体捕捉部材530は、パッケージ512内で100%の相対湿度雰囲気を形成及び維持するのに十分な水蒸気を生成することができる量の水を収容するサイズになっている。ポート532の外面には、幅の広い薄肉スリーブ534がシール固定され、ポート532から遠位に、カテーテルチューブ514をそのほぼ全長に沿って覆うようにファネル522の領域まで延びる。この幅の広いスリーブにより、カテーテルの使用中にカテーテルが身体内へ前進させられている時に、ファネルがスリーブに入ることができる。布又は発泡体の液体捕捉部材530から逃げる水蒸気は、即使用可能であるように、カテーテル510のチューブ514の外面の親水性コーティングを完全に水和させることができる。
【0047】
より具体的には、水蒸気は、スリーブ534が十分に高い水蒸気透過特性を有する材料から形成される場合にはスリーブ534を通過することにより、且つ/又はスリーブが蒸気透過性か否かにかかわらず、スリーブ534の開口端534aを通過してスリーブとカテーテルチューブ514との間の空間に入ることにより、親水性コーティングを完全に水和させることができる。
【0048】
図5及び図5aを引き続き参照すると、気体不透過性パッケージ512のシールされるキャビティ内でカテーテル組立体510全体を囲む周縁シール512dがある。ポート532は、ポート532に最も近い端でパッケージ512を開封し、カテーテルをパッケージから取り出し、ポート532を用いてカテーテルチューブ514を尿道口に導入することを可能にする。その後、ユーザは、上記で開示したようにスリーブ534を介してチューブ514を把持して、ポート532を通してチューブ514を送り込むことにより、滅菌的にチューブ514を身体内にさらに挿入するプロセスを続けることができる。
【0049】
図6を参照すると、本発明のさらに別の態様が開示されており、この態様では、所定容量の水が、カテーテルの全長に延びる薄く細長いストリップの形態の布又は発泡体の液体捕捉部材630内に設けられる。液体捕捉部材630は、上述のタイプの気体不透過性パッケージ内に収容することができる採尿袋613の、613a等の壁の一方又は両方と一体的に結合されてもよい。袋613内に示されるカテーテル組立体610は、カテーテルチューブ614を身体に導入する時にそこを通してカテーテルチューブ614を前進させることができる、ファネル622と反対側の端にあるイントロデューサ先端616を利用する点で、図1の実施形態と同様である。布又は発泡体の液体捕捉部材(複数可)630は、片面が熱カレンダ加工されて(hot calendered)液体透過性の外皮を形成する複合繊維のスルーエアー不織布(through air bonded fabric)等の非粘着材料から形成されてもよく、又は、内面に沿って非常に薄いフィルム(好ましくはエラストマーヒドロゲルフィルム)で覆われて、カテーテルチューブ614の表面に液体捕捉部材が貼り付くのを防止してもよい。液体捕捉部材(複数可)630は、採尿袋613のパッケージ内で100%の相対湿度雰囲気を形成及び維持するのに十分な水蒸気を生成することができる量の水を収容するサイズになっている。このようにして、水蒸気は、布又は発泡体の液体捕捉部材(複数可)630から薄いヒドロゲルエラストマーフィルムを通して逃げることにより、即使用可能であるように、所定の時間間隔にわたってカテーテル組立体610のチューブ614の外面の親水性コーティングを十分に水和させることができる。
【0050】
図面には示されていないが、液体捕捉部材が袋613の壁と一体的に結合されていない布又は発泡体の液体捕捉部材の実施形態も可能であることは、理解されるであろう。
【0051】
布又は発泡体の液体捕捉部材内で水等の蒸気付与液体を利用する実施形態の1つの特徴は、水がカテーテル表面と直接接触することによりカテーテルを水和させることが可能であるように設計されないことである。これは、液体捕捉部材がその隙間に液体水を保持しており、したがって捕捉されていない液体水によって漏れの危険性が生じることが防止されるからである。液体捕捉部材の材料は、圧縮されにくい布又は発泡体であることが好ましい。圧縮されやすいと水が隙間から放出される傾向があるからである。液体捕捉部材の材料は、隙間に水を確実に収容するように、耐圧縮性の布又は発泡体であるべきである。好ましい実施形態では、布又は発泡体の液体捕捉部材内の水の量はまた、水が液体捕捉部材から逃げることができた場合でも、カテーテルを浸漬させるのに十分な体積ではない。しかしながら、布又は発泡体の液体捕捉部材は、より透過性の高い材料からパッケージ(packaging)を形成することが望まれ得る場合等、特定の用途においてより大量の水を用いることを可能にする。
【0052】
発泡体又は布の液体捕捉部材により、パッケージが製造後すぐに開封される場合でも、漏れの危険性を著しく増大させることなく、より大量の水を用いることができる。
【0053】
時間が経過するにつれて、より透過性の高いパッケージでは、水蒸気がパッケージから逃げるため水の量が低減し、それにより、起こり得る漏れの危険性がさらに低減されるか又はなくなる。
【0054】
したがって、液体捕捉部材の使用により、シールする時にパッケージ内により大量の水を入れることが可能になり、上述の理由から望ましい場合がある、より不透過性の低い包装材料の使用が可能になる。液体捕捉部材がない場合にはカテーテルの取り出し時に漏れの危険性があるが、液体捕捉部材を利用する実施形態は、パッケージからカテーテルを取り出す時にパッケージ内に捕捉されていない水が大量に存在しないようにして、パッケージ内により大量の水を入れることができる。
【0055】
図7を参照すると、この場合も上述のカテーテル組立体10と極めて類似しているカテーテル組立体710が開示されている。カテーテル組立体710は、親水性コーティングを有する外面を有するチューブ714と、イントロデューサ先端716と、膀胱のドレナージを行うためのドレナージアイ718と、本発明による可撓性スリーブ720とを備えることが分かり、所望される場合には、採尿装置に接続されるファネル722を含むことも分かる。しかしながら、カテーテル組立体710の主な違いは、イントロデューサ先端に固定された幅の広いスリーブ720の使用である。
【0056】
カテーテル組立体710を用いるには、ユーザは単に、幅の広いスリーブ720を把持してカテーテル組立体710をパッケージ(図示せず)から取り出し、続いてイントロデューサ先端716を尿道口に静かに導入すればよい。カテーテル組立体710の幅の広いスリーブ720を片手で把持して、チューブ714の成形先端714aを尿道に挿入し、幅の広いスリーブ720を用いてチューブ714を身体内に静かに押し込み、イントロデューサ先端716を通してチューブを前進させる。チューブ714が尿道口から身体内へと前進するので、幅の広いスリーブ720は、イントロデューサ先端716に達するまでスリーブを通して前進し続けることができるファネル722を収容するのに十分なサイズである。これは、スリーブがポリエチレンのような安価だが比較的剛性のある材料からできている場合に用いることができる構成である。
【0057】
パッケージ内には示されていないが、パッケージ内で100%の相対湿度雰囲気が形成される結果、蒸気水和によってチューブ714の外面の親水性コーティングの完全な水和を確実にするために、上述のパッケージの任意のもの等のパッケージにカテーテル組立体710を設けることができることは理解されるであろう。
【0058】
図8及び図8aを参照すると、図5及び図5aと同様の一実施形態が開示されており、この実施形態では、水等の所定量の蒸気付与液体が、布又は連続気泡高分子発泡体の液体捕捉部材830内に設けられ、この液体捕捉部材830は、気体不透過性パッケージ812の壁812b及び812cと(図示のように)一体的に結合されてもよく、又はカテーテル組立体810を囲むパッケージ812のシールされるキャビティ812a内で固定されていなくてもよい。上述のように、種々のカテーテル組立体の実施形態のいずれも、布又は発泡体の液体捕捉部材830を収容する812等のパッケージに包装することができることは、理解及び認識されるであろう。布又は発泡体の液体捕捉部材830は、パッケージ812内で100%の相対湿度雰囲気を形成及び維持するのに十分な水蒸気を生成することができる量の水を収容するサイズになっている。布又は発泡体の液体捕捉部材830から逃げる水蒸気は、即使用可能であるように、カテーテル組立体810のチューブ814の外面の親水性コーティングを十分に水和させることができる。
【0059】
この実施形態では、布又は発泡体の液体捕捉部材830は、カテーテル組立体810に面する表面に薄い蒸気透過性フィルム830aを有して、布又は発泡体がカテーテル組立体の表面に貼り付くのを防止することが好ましい。より具体的には、水蒸気は、ヒドロゲル材料から形成されることが好ましい蒸気透過性フィルムを通過することにより、カテーテルチューブ814の表面との水蒸気の接触によって親水性コーティングを水和させることができる。
【0060】
他の実施形態では具体的に示されていないが、この特徴を利用する実施形態のそれぞれにおける液体捕捉部材は、布又は連続気泡高分子発泡体材料を覆うフィルムを有することにより、この材料がカテーテルチューブのコーティングに貼り付くことを防止することができる。別法として、このフィルムの代わりに、高分子ネット(polymeric netting)又は有孔プラスチックフィルムを用いてもよい。同じ目的を達成するための別の方法は、製造中に液体透過性の外皮を生じるバインダ繊維(すなわちスルーエア不織布)を使用して熱接着されることにより非粘着表面を提供する布を、液体捕捉部材の材料として用いることである。
【0061】
別の点では、本発明のカテーテル組立体は、既知の滅菌手順が行われるか否かに応じて、滅菌状態又は非滅菌状態でユーザに供給することができる。
【0062】
本発明の場合、即使用可能で、潤滑性が高く、取り扱いやすく、且つ費用効率がよく親水性コーティングカテーテルを提供することにより初めて達成された著しい進歩が、少なくとも2つある。
【0063】
第1の進歩は、パッケージを開封する時に漏れ得る浸漬流体を必要とせずに、十分に水和され、且つ即使用可能である親水性コーティングカテーテルを提供することにある。驚くべきことに、気体不透過性のカテーテルパッケージに、カテーテルを浸漬させるのに必要な量よりも少なく、且つ漏れの問題を引き起こし得る量よりも少ない、少量の水を加えることにより、これを達成できることが分かっている。この場合、包装カテーテル組立体の流通は、i)パッケージ内で100%の相対湿度雰囲気を形成するのに十分であり、且つii)カテーテルチューブの外面の親水性コーティングの蒸気水和を確実にするのに十分であるように確定される十分なエージング時間前に、ユーザが製品を利用可能にならないように管理される。このように非常に少量の水を用いるとともに流通を管理することにより、カテーテルを使用のためにパッケージから取り出す時に液体が漏れることができない、十分に水和され、且つ即使用可能な親水性コーティングカテーテルを提供することが可能である。
【0064】
第2の進歩は、製造コストが安いが即使用可能である単純なスリーブを利用する、親水性コーティングカテーテルを提供することにある。過去のゲルコーティングカテーテル製品で用いられていたものに特有のスリーブ等の単純なスリーブは、親水性コーティング間欠カテーテルに用いられると、いくつかの欠点を示すことが分かっている。しかしながら、これらの欠点は、本発明による、親水性コーティングを活性化させるために蒸気水和を用いることによって克服される。
【0065】
本発明によって達成されたことは、カテーテル及びスリーブから成る組立体を少量の蒸気付与液体とともに包装した後、十分なエージング期間によって完全に水和される前にユーザが製品を利用可能とならないことを確実にするように製品の流通を管理することにより、液体の漏れの危険性がない、完全に蒸気水和された親水性コーティングカテーテルを可撓性スリーブに設けるという進歩である。
【0066】
必要なエージング期間は、スリーブが用いられるか否かに応じて、及びスリーブが用いられる場合はスリーブのために選択される材料に応じて決まる。エージング期間が十分であるとすれば、ポリエチレン等の安価な材料を、非常に薄い可撓性スリーブに用いることができる。しかしながら、ポリエチレンよりも水蒸気透過性が高いスリーブ材料を選択することにより、必要とされるエージング期間を短縮することができることが分かっている。例えば、ポリエチレンほどの長さのエージング期間を必要としない、水蒸気透過性ではあるが非水膨潤性のエラストマーフィルムを用いてもよい。また、さらに短いエージング期間を必要とするために、水蒸気透過性がさらに高い水膨潤性エラストマーをスリーブ材料として用いてもよい。概して、スリーブがより高い水蒸気透過性を有するスリーブの実施形態では、必要なエージング期間はより短くなる。
【0067】
上記から理解されるように、可撓性の高いスリーブ材料を用いることにより、挿入中にスリーブがカテーテルのファネルの方に襞状に寄っても(bunched against)、カテーテルの前進に対して著しい抵抗を基本的に全く与えないスリーブができる。これは、カテーテル及びスリーブ組立体のユーザにとって大きな利益である。非常に可撓性の高いスリーブ材料が用いられる場合、挿入中にスリーブを外して「再設置」する必要がない。その代わりに、スリーブを把持したまま手を離さずに、カテーテルを完全に挿入することができる。
【0068】
以下の試験1は、カテーテルを浸漬させるのに十分な水をパッケージに加えてから30秒間待つという従来の方法で、親水性コーティングカテーテルとともに幅の広いポリエチレンフィルムスリーブを用いる場合に、カテーテルの完全な水和が行われないことを示す。さらに、試験1の表に示されるように、細いスリーブを用いた場合、上記のより望ましい特徴を有していても、水和に関してさらに悪い結果が得られることが分かっている。
【0069】
スリーブがアコーディオン状に潰れる時にカテーテルの前進に抵抗することなく、カテーテルが挿入されることを可能にすることができる、より可撓性の高いスリーブも有用である。しかしながら、試験1の表は、より可撓性の高いスリーブを提供するようにスリーブが薄い材料でできているほど、水和に関してさらに悪い結果が得られることを示す。したがって、従来の乾燥形態で提供される従来の親水性コーティングカテーテルとともに単純なスリーブを用いることには、重大な欠点がある。
【0070】
以下の試験2は、細い可撓性スリーブを有し、且つ種々の少量の水とともに包装される親水性コーティングカテーテルをエージングさせた結果を示す。例えば約2〜3mlの水の量をパッケージに加えることができ、エージング後に、十分に水和し、且つ十分な潤滑性を有するカテーテルができる(0.03以下の摩擦係数が十分な潤滑性を示すと考えられる)。この比較的限られた量の水を用いることは、カテーテルを収容するシールされるパッケージキャビティがほぼ空であり、カテーテルを使用するために後で開封される時に、パッケージ内に残っている捕捉されていない、すなわち自由な液体水がほとんど又は全くないことを示す。また、キャビティの体積が十分に大きい場合、これよりもわずかに多い量の水、例えば4〜5ml、又はさらに多い水を用いてもよい。これは、エージングの終了時にパッケージ内に残る限られた水が占めるのはキャビティ体積全体のごくわずかな部分であるため、重大な漏れの危険性がないからである。パッケージのカテーテル受容キャビティの少なくともチューブ受容部分の体積の20%未満を占める量の、捕捉されていない水が用いられるべきである。
【0071】
図1に示す実施形態では、カテーテル受容キャビティは、カテーテルチューブ14だけではなくファネル22も含むカテーテル組立体10の全体を受容する、1つの大きな開口キャビティである。好ましくは、捕捉されていない水は、パッケージのカテーテル受容キャビティのチューブ受容部分の総体積の10%未満、最も好ましくは5%未満を占めるべきである。これは、通常は容積の45〜60%まで充填される狭いキャビティにおいて、液体活性化のためにカテーテルを浸漬させるのに通常用いられることにより、カテーテルを使用するためにパッケージから取り出す時に確実に漏れる危険性がある、10ml以上の液体とは対照的である。
【0072】
以下の試験3は、室温で2週間のエージング後、ポリエチレンスリーブを有するカテーテルは十分に水和されなかったが、水蒸気透過性のエラストマーフィルムスリーブを有するカテーテルは十分に水和されたことを示す。これらの水蒸気透過性エラストマーフィルムは、カテーテル組立体の使用に有益なはるかに高い可撓性を有するという点で、ポリエチレンよりもさらに有利である。しかしながら、試験3は、十分に長いエージング期間を用いる場合、密着して嵌まる水蒸気透過性スリーブ(例えばポリエチレンスリーブ)を用いても十分な蒸気水和を達成することができることを示す。
【0073】
以下の試験4は、所与のエージング期間に、透過性の低いエラストマーフィルムスリーブ(Medifilm810)を有するカテーテルが、より透過性の高いエラストマーフィルムスリーブ(Medifilm435)を有するカテーテルほど十分に水和されないことを示す。
【0074】
以下の試験5は、蒸気水和される親水性コーティングカテーテルとともに用いる場合、スリーブがさらに別の利点を有することを示す。これらのスリーブは、ユーザがカテーテルを収容しているパッケージを開封した時に、水和されたカテーテルが空気に曝されて乾燥する速度を低下させ、これはさらに、カテーテルの潤滑性を低下させる危険性を伴わずに、ユーザがカテーテルの挿入にかけることができる時間を長くする。この利点は、極めて高い水蒸気透過性を有するスリーブでも維持されることが分かっている。挿入時にカテーテルが十分に水和されているほど、身体内から取り出す前に身体内でカテーテルが早く乾燥しすぎる可能性が小さくなる。
【0075】
試験6は、蒸気付与水を含む液体捕捉部材とともに包装されるスリーブを有さない、低価格カテーテルのエージングの結果を示す。親水性コーティングに応じて、コーティングが十分な潤滑性を有するようになるのに、比較的短時間(2日間)又は比較的長時間(6週間以上)かかる場合がある。
【0076】
以下で説明する試験に伴う表では、摩擦係数に関していくつかの場合に記載される値がある。表に列挙される摩擦係数測定値はそれぞれ、以下のようにして得られた。2つのカテーテルを同じ方法で作製してエージングした。続いて、各カテーテルを4つ又は6つの短い断片に切断した。カテーテルからの2つの短い断片を固定具(fixture)内に配置した。両方の断片の表面にわたってそり(sled)を滑らせ、1つの測定値を取った。これを5回の独立した試験で繰り返した。平均摩擦係数が表で報告されている。
【0077】
パッケージのカテーテル受容キャビティのチューブ受容部分に充填する水和液の割合に関しては、以下のように測定する。まず、ユーザがカテーテルパッケージを手にして、カテーテルのファネル端がパッケージの上部にある状態で鉛直に保持する。続いて、パッケージのファネル端(上部)を開いて、ファネルの最下部まで引き剥がし、ここで初めてファネルはカテーテルチューブのシャフトと接触する(meet)。パッケージ内のカテーテルを妨害せずに、パッケージ内の水和液を注ぎ出して測定する。次に、水をパッケージに注いで、水がこぼれ出すまで、パッケージのカテーテル受容キャビティのチューブ受容部分全体を充填する。続いて、パッケージのカテーテル受容キャビティのチューブ受容部分内の水を出して注ぎ出して測定する。この水の量が、パッケージのカテーテル受容キャビティのチューブ受容部分の体積を表す。
【0078】
パッケージに収容された水和液又は蒸気付与液体の量を測定し、パッケージのカテーテル受容キャビティのチューブ受容部分を充填するのに必要な水の量を測定したところ、ユーザが漏らす危険性をなくすためには、これら2つの量間の比は20%未満であるべきである。
【0079】
以下で説明する試験及びこれらの試験から得られた結果は、本発明から得られる利点を示している。
【0080】
試験1:
この試験では、スリーブ無しの対照カテーテル及びスリーブを有するカテーテルを含む、乾燥した親水性カテーテルを、30秒間水に浸漬させる。続いて、対照及びスリーブを有するカテーテルを含むカテーテルの水和パーセント(percent hydration)を、湿重量対乾重量に基づいて試験した。この試験では、市販の親水性カテーテル、すなわち、Astra Techから入手可能なLoFric(登録商標)カテーテル及びColoplast製のEasiCath(登録商標)を用いた。結果は以下の通りである。
【0081】
【表1】
【0082】
試験2:
この試験では、親水性カテーテルをアルミニウム箔パッケージに入れ、それぞれのパッケージには0.5ml〜4mlの水を加える。パッケージの総体積は約80mlである。カテーテルは、Medifilm437から成る12mm幅スリーブを有するCh14カテーテルである。カテーテルを包装し、続いて室温で3週間エージングする。続いて、カテーテルをパッケージから取り出し、摩擦係数(COF)を求めるために試験する。この試験では、市販の親水性カテーテル、すなわちAstra Techから入手可能なLoFric(登録商標)カテーテルを用いた。結果は以下の通りである。
【0083】
【表2】
【0084】
試験3:
この試験では、親水性カテーテルCh12に種々の材料から成る8mm幅スリーブを嵌め、5mlの水とともに包装した。カテーテルを、室温(RT)又は40℃で1週間又は2週間(Wk(s))エージングし、摩擦係数(COF)を試験した。この試験では、市販の親水性カテーテル、すなわちAstra Techから入手可能なLoFric(登録商標)カテーテルを用いた。別の実験(結果は示さない)では、少量の捕捉されていない水ではなく布の水捕捉部材を用いた。この構成では、細い12mmポリエチレンスリーブを有するCh14カテーテルを用いると、40℃で3週間後にカテーテルが十分に活性化された(COF=0.02)ことが分かった。結果は以下の通りである。
【0085】
【表3】
【0086】
試験4:
この試験では、親水性カテーテルに種々の材料から成る8mm幅スリーブを嵌め、2mlの水とともに包装した。続いて、カテーテルを室温で24時間エージングした。この試験では、市販の親水性カテーテル、すなわちAstra Techから入手可能なLoFric(登録商標)カテーテルを用いた。結果は以下の通りである。
【0087】
【表4】
【0088】
試験5:
この試験では、親水性カテーテルを5mlの水とともに包装し、続いてオーブン内で40℃で48時間エージングした。エージング後、カテーテルをパッケージから取り出し、所与の時間空気に曝した。カテーテルがスリーブを有していた場合、スリーブは暴露時間の間カテーテルに被せたままにし、続いて後退させて摩擦係数を試験した。この試験では、市販の親水性カテーテル、すなわちAstra Techから入手可能なLoFric(登録商標)カテーテルを用いた。結果は以下の通りである。
【0089】
【表5】
【0090】
試験6:
この試験では、カテーテルの蒸気水和に布の液体捕捉部材を用いた。2つの異なるタイプの市販のCh14親水性コーティングカテーテルを用いた。場合によっては、これらのカテーテルに、Medifilm437(蒸気透過性の薄いエラストマーフィルム)から成る密着して嵌まるスリーブを嵌める。2つの異なる試験系を用いた。「試験管」系では、シールした試験管にカテーテルを入れ、カテーテルを金属スクリーンによって液体捕捉布から分離した。この系では、布中の水がカテーテルに接触することは不可能である。第2の系、「パッケージ」は、カテーテル及び水捕捉布がシールされた箔パッケージ内にある、市販タイプの系である。結果は以下の通りである。
【0091】
【表6】
【0092】
上記の説明では、カテーテルの実施形態にチューブが組み込まれていたが、本発明は、外部の尿の流れに対応するように形成されたシャフトを有するカテーテルの場合でも享受することができる。また、スリーブを利用する種々の実施形態では、スリーブがファネル又はイントロデューサ先端若しくはイントロデューサポート、又はそれら両方に取り付けられるものとして説明された。しかしながら、さらに別の可能性は、スリーブを、カテーテルには取り付けられないようにチューブまたシャフトの周りに配置することであることが理解されるであろう。最後に、本発明は、液体水がカテーテルを液体との直接接触によって確実に水和させることができない、望ましい設計及び設計上の特徴を可能にする。
【0093】
本発明は、即使用可能な十分な潤滑性を有する蒸気水和される親水性コーティングカテーテルを提供し、液体の漏れの危険性をなくし、且つ有利なスリーブを利用することができることが分かる。スリーブは、指による接触及び汚染からカテーテルを保護し、確実な、滑らない把持面を提供する。スリーブがあることにより、カテーテルをそのパッケージから取り出して空気に曝しておくことができる時間も長くなり、それにより、早すぎる乾燥及び潤滑性の喪失がなくなる。スリーブはさらに、挿入中にスリーブがカテーテルのファネルの方にアコーディオン状に潰れる、すなわち襞状に寄る時に、身体内へのカテーテルの前進に実質的に全く抵抗を与えない。本発明により、これらの目的の全てを達成するだけでなく、製造コストが安く使用が簡単な製品によってこれらの目的を達成する、蒸気水和される親水性カテーテルが提供された。
【0094】
上記の説明において、本発明の好適な実施形態を記載してきたが、当業者は、本明細書中で与えられる具体的な記述を、添付の特許請求項の真の精神及び範囲から逸脱せずに変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明による蒸気水和される包装親水性カテーテル組立体の一部破断した平面図である。
【図1a】スリーブがファネルに対して潰れた、図1の親水性コーティングカテーテル組立体の一部断面側面図である。
【図2】本発明による親水性カテーテル組立体の別の実施形態の一部断面側面図である。
【図3a】スリーブを有さない蒸気水和される包装親水性カテーテル組立体の基本形態の一部破断した平面図である。
【図3b】スリーブを有する蒸気水和される包装親水性カテーテル組立体の基本形態の一部破断した平面図である。
【図3c】スリーブ及びイントロデューサ先端を有する、蒸気水和される包装親水性カテーテル組立体の一部破断した平面図である。
【図4】蒸気付与液体を収容した蒸気透過性で液体不透過性のパウチを有する、蒸気水和される包装親水性カテーテル組立体の一部破断した平面図である。
【図5】カテーテル挿入ポートを有する蒸気水和される包装親水性カテーテル組立体のさらに別の実施形態の平面図である。
【図5a】パッケージ内の液体捕捉材料を示す、図5の線5a−5aに沿って切り取った断面図である。
【図6】蒸気水和される包装親水性カテーテル組立体内に採尿袋を組み込んだ、さらに別の実施形態の平面図である。
【図7】図1の親水性カテーテル組立体と同様の、さらに別の親水性コーティング間欠カテーテル組立体の一部断面側面図である。
【図8】スリーブ及びカテーテル挿入ポートを有さない親水性カテーテル組立体の一実施形態の、図5と同様の平面図である。
【図8a】パッケージ内の液体捕捉材料を示す、図8の線8a−8aに沿って切り取った断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
即使用可能な蒸気水和される親水性カテーテル組立体であって、
親水性コーティングカテーテルと、
蒸気付与液体と
を収容する気体不透過性パッケージを備え、
前記カテーテルの即使用可能な状態は、前記蒸気付与液体が、前記気体不透過性パッケージ内で、前記親水性コーティングカテーテルの少なくとも一部を活性化させる蒸気雰囲気を形成することに少なくとも部分的に起因して生じる、カテーテル組立体。
【請求項2】
前記気体不透過性パッケージは、シールされるキャビティを有し、
前記親水性コーティングカテーテル及び前記蒸気付与液体は、前記シールされるキャビティ内に収容される、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項3】
前記気体不透過性パッケージは、6ヶ月〜5年の製品貯蔵寿命に十分な不透過性を有する材料から形成される、請求項2に記載のカテーテル組立体。
【請求項4】
前記気体不透過性パッケージは、アルミニウム箔から形成される、請求項2に記載のカテーテル組立体。
【請求項5】
前記親水性コーティングカテーテルは、尿道に挿入される少なくとも一部に親水性コーティングが施された外面を有するチューブを備える、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項6】
前記親水性コーティングカテーテルは、前記チューブの近位挿入端付近に形成されるドレナージアイと、前記チューブの遠位端にあるコネクタとをさらに含む、請求項5に記載のカテーテル組立体。
【請求項7】
前記コネクタは、前記チューブを通る採尿用の装置に接続される、前記チューブの前記遠位端と一体的に結合されるテーパ状ファネルを備える、請求項6に記載のカテーテル組立体。
【請求項8】
前記チューブが通る開口を形成するように外側に曲がるフラップを画定するスリットを有するイントロデューサ先端を、前記チューブの近位挿入端に含む、請求項5に記載のカテーテル組立体。
【請求項9】
前記親水性コーティングカテーテルは、チューブ又はシャフトと、該チューブ又はシャフトを囲む可撓性の折り畳み可能なスリーブであって、該スリーブを介して前記チューブ又はシャフトを把持することを可能にする、可撓性の折り畳み可能なスリーブとを含む、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項10】
前記テーパ状ファネルに取り付けられるとともに、前記チューブの前記近位挿入端を覆うように延びる、蒸気透過性材料から形成される可撓性スリーブを含む、請求項7に記載のカテーテル組立体。
【請求項11】
前記イントロデューサ先端に取り付けられるとともに、該イントロデューサ先端から実質的に前記チューブの遠位端まで延びる、蒸気透過性材料から形成される可撓性スリーブを含む、請求項8に記載のカテーテル組立体。
【請求項12】
前記スリーブは、前記チューブ又はシャフトを密接した関係で囲む、蒸気透過性で液体不透過性の折り畳み可能な高分子フィルム材料から形成される、請求項9に記載のカテーテル組立体。
【請求項13】
前記スリーブは、ポリエチレン、可塑化PVC、ポリプロピレン、ポリウレタン、及びポリエチレンオキシドブロックコポリマーから選択される材料から形成される、請求項9に記載のカテーテル組立体。
【請求項14】
前記高分子フィルム材料は、10〜150ミクロンの範囲内の厚さを有するMedifilm435ポリエチレンオキシドブロックコポリマーである、請求項12に記載のカテーテル組立体。
【請求項15】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティの体積の20%以下を構成する水である、請求項2に記載のカテーテル組立体。
【請求項16】
前記水は、前記パッケージの前記シールされるキャビティの体積の5%以下を構成する2〜5mlである、請求項15に記載のカテーテル組立体。
【請求項17】
前記気体不透過性パッケージは、その周り全体に周縁シールを有し、その一端にイントロデューサ先端を有する採尿袋を保持する、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項18】
前記親水性コーティングカテーテルは、その近位挿入端を前記イントロデューサ先端に隣接させて、前記採尿袋内に配置される、請求項17に記載のカテーテル組立体。
【請求項19】
前記チューブは、該チューブの前記近位挿入端に関連するポートと、該チューブを端から端まで覆う幅の広い薄肉スリーブとを有する、請求項5に記載のカテーテル組立体。
【請求項20】
前記チューブは、該チューブの遠位端と一体的に結合されるファネルを有し、前記スリーブは、前記チューブが前記ポートを通して前進されると前記ファネルを受容するサイズになっている、請求項19に記載のカテーテル組立体。
【請求項21】
即使用可能な蒸気水和される親水性カテーテル組立体であって、
親水性コーティングカテーテルと、
蒸気付与液体と、
液体捕捉部材と
を収容する気体不透過性パッケージを備え、
前記蒸気付与液体は、前記液体捕捉部材により実質的に保持されて漏れの危険性を最小にするとともに、蒸気を放出して、前記気体不透過性パッケージ内で蒸気雰囲気を形成し、前記カテーテルの即使用可能な状態が、前記蒸気が前記親水性コーティングカテーテルの少なくとも一部を活性化させることに少なくとも部分的に起因して生じるようにし、それにより、完全に即使用可能な状態での前記親水性コーティングカテーテルのユーザへの供給を確実にする、カテーテル組立体。
【請求項22】
前記気体不透過性パッケージは、シールされるキャビティを有し、前記パッケージは、6ヶ月〜5年の範囲の製品貯蔵寿命に十分な気体不透過性を有する材料から形成され、前記親水性コーティングカテーテル及び前記蒸気付与液体は、前記シールされるキャビティ内に収容される、請求項21に記載のカテーテル組立体。
【請求項23】
前記親水性コーティングカテーテルは、尿道に挿入される少なくとも一部に親水性コーティングが施された外面を有するチューブを備え、該チューブは、該チューブの近位挿入端付近に形成されるドレナージアイと、該チューブの遠位端と一体的に結合されるテーパ状ファネルとを含む、請求項21に記載のカテーテル組立体。
【請求項24】
前記親水性コーティングカテーテルは、チューブ又はシャフトと、該チューブ又はシャフトを囲む可撓性の折り畳み可能なスリーブであって、該スリーブを介して前記チューブを把持することを可能にする、可撓性の折り畳み可能なスリーブとを含む、請求項21に記載のカテーテル組立体。
【請求項25】
前記テーパ状ファネルに取り付けられるとともに、前記チューブの前記近位挿入端を覆うように延びる、蒸気透過性材料から形成される可撓性スリーブを含む、請求項23に記載のカテーテル組立体。
【請求項26】
前記チューブの前記近位挿入端でイントロデューサ先端に取り付けられるとともに、実質的に前記チューブの遠位端まで延びる、蒸気透過性材料から形成される可撓性スリーブを含む、請求項23に記載のカテーテル組立体。
【請求項27】
前記スリーブは、前記チューブを密接した関係で囲む、蒸気透過性で液体不透過性の折り畳み可能な高分子フィルム材料から形成される、請求項24に記載のカテーテル組立体。
【請求項28】
前記スリーブは、ポリエチレン、可塑化PVC、ポリプロピレン、ポリウレタン、及びポリエチレンオキシドブロックコポリマーから選択される材料から形成される、請求項24に記載のカテーテル組立体。
【請求項29】
前記高分子フィルム材料は、10〜150ミクロンの範囲内の厚さを有するMedifilm435ポリエチレンオキシドブロックコポリマーである、請求項27に記載のカテーテル組立体。
【請求項30】
前記気体不透過性パッケージは、シールされるキャビティを含み、前記親水性コーティングカテーテル、前記蒸気付与液体、及び前記液体捕捉部材は、前記気体不透過性パッケージの前記シールされるキャビティ内に収容され、前記液体捕捉部材は、前記蒸気付与液体を吸収する材料から成る、請求項21に記載のカテーテル組立体。
【請求項31】
前記蒸気付与液体を吸収する材料は、利用可能な前記蒸気付与液体のほぼ全てを吸収し、続いて該蒸気付与液体から蒸気を放出して、前記シールされるキャビティ内で平衡状態の十分に飽和した蒸気雰囲気を形成及び維持することが可能な布又は発泡体である、請求項30に記載のカテーテル組立体。
【請求項32】
前記親水性コーティングカテーテルは、少なくとも一部に親水性コーティングが施された外面を有するチューブを備え、前記布又は発泡体は、前記シールされるキャビティ内で前記チューブとほぼ同じ長さで位置合わせされることにより、前記親水性コーティングによって取り込まれるように前記チューブに近接して前記蒸気を放出する、請求項31に記載のカテーテル組立体。
【請求項33】
前記布又は発泡体は、前記シールされるキャビティ内に固定されずに配置され、許容可能な製品貯蔵寿命の間中、親水性コーティングカテーテルの継続的な水和を確実にするために、前記シールされるキャビティ内で十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な量の前記蒸気付与液体を収容するサイズになっている、請求項32に記載のカテーテル組立体。
【請求項34】
前記布又は発泡体は、前記シールされるキャビティ内に固定されて配置され、許容可能な製品貯蔵寿命の間中、前記親水性コーティングカテーテルの継続的な水和を確実にするために、前記シールされるキャビティ内で十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な量の前記蒸気付与液体を収容するサイズになっている、請求項32に記載のカテーテル組立体。
【請求項35】
前記蒸気付与液体を吸収する材料は、前記蒸気付与液体を保持するとともに該蒸気付与液体から蒸気を放出するための隙間を有し、且つ、前記シールされるキャビティの内側に面して、前記蒸気の放出を可能にすると同時に前記材料が前記親水性カテーテルに貼り付くことを防止する表面を有する、請求項30に記載のカテーテル組立体。
【請求項36】
前記材料は、前記蒸気付与液体に対して高い毛管吸引力を有するメルトブローマイクロファイバー布から成り、
前記表面は、薄いエラストマーヒドロゲルフィルム、高分子ネット、及び有孔プラスチックフィルムから選択される材料で覆われる、請求項35に記載のカテーテル組立体。
【請求項37】
前記材料は、前記蒸気付与液体に対して高い毛管吸引力を有するメルトブローマイクロファイバー布から成り、
前記表面は、前記メルトブローマイクロファイバー布を前記蒸気付与液体により液体湿潤性にするように処理される、請求項35に記載のカテーテル組立体。
【請求項38】
前記気体不透過性パッケージは、シールされるキャビティを含み、
前記親水性コーティングカテーテル、前記蒸気付与液体、及び前記液体捕捉部材は、前記気体不透過性パッケージの前記シールされるキャビティ内に収容され、前記液体捕捉部材は、前記蒸気付与液体を収容する気体透過性パウチである、請求項21に記載のカテーテル組立体。
【請求項39】
前記気体透過性パウチは、液体不透過性材料から形成され、許容可能な製品貯蔵寿命の間中、親水性コーティングカテーテルの継続的な水和を確実にするために、前記シールされるキャビティ内で十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な量の蒸気付与液体を収容するサイズになっている、請求項38に記載のカテーテル組立体。
【請求項40】
前記気体不透過性パッケージは、その周り全体に周縁シールを有し、一端にイントロデューサ先端を有する採尿袋を保持する、請求項21に記載のカテーテル組立体。
【請求項41】
前記親水性コーティングカテーテルは、その近位挿入端を前記イントロデューサ先端に隣接させて、前記採尿袋内に配置される、請求項40に記載のカテーテル組立体。
【請求項42】
前記液体捕捉部材は、前記チューブとほぼ同じ長さで位置合わせされることにより、前記親水性コーティングによって取り込まれるように前記チューブに近接して前記蒸気を放出する、請求項41に記載のカテーテル組立体。
【請求項43】
前記チューブは、該チューブの前記近位挿入端に関連するポートと、該チューブを端から端まで覆う幅の広い薄肉スリーブとを有する、請求項23に記載のカテーテル組立体。
【請求項44】
前記スリーブは、前記チューブの前記近位挿入端から前記テーパ状ファネルまで延び、前記チューブが前記ポートを通して前進されると前記テーパ状ファネルを受容するサイズになっている、請求項43に記載のカテーテル組立体。
【請求項45】
前記液体捕捉部材は、前記チューブとほぼ同じ長さで位置合わせされることにより、前記親水性コーティングによって取り込まれるように前記チューブに近接して前記蒸気を放出する、請求項44に記載のカテーテル組立体。
【請求項46】
即使用可能な蒸気水和される親水性カテーテル組立体であって、
内部にキャビティを有する気体不透過性パッケージを設けるステップと、
該パッケージの前記キャビティ内に親水性コーティングカテーテルを入れるステップと、
前記パッケージの前記キャビティ内に蒸気付与液体を入れるステップと、
前記パッケージ内に前記カテーテル及び前記液体が入った状態で、前記キャビティをシールするステップと、
内部に前記カテーテル及び前記液体が入った状態で前記キャビティをシールした後、
i)前記蒸気付与液体が前記キャビティ内で蒸気雰囲気を形成し、且つ
ii)前記蒸気雰囲気が、前記親水性コーティングカテーテルの少なくとも一部の水和により、該親水性コーティングカテーテルの活性化を完了する
のに十分な期間だけ前記パッケージの流通を遅らせるステップと
を含むプロセスにより製造される、カテーテル組立体。
【請求項47】
前記パッケージは、6ヶ月〜5年の範囲の製品貯蔵寿命に十分な気体不透過性を有する材料から形成される、請求項46に記載のカテーテル組立体。
【請求項48】
前記親水性コーティングカテーテルは、尿道に挿入される少なくとも一部に親水性コーティングが施された外面を有するチューブ又はシャフトを備える、請求項46に記載のカテーテル組立体。
【請求項49】
前記チューブは、該チューブの近位挿入端付近に形成されるドレナージアイと、該チューブの遠位端と一体的に結合されるテーパ状ファネルとを含む、請求項48に記載のカテーテル組立体。
【請求項50】
前記チューブ又はシャフトを囲む可撓性の折り畳み可能なスリーブであって、該スリーブを介して前記チューブを把持して、該チューブ又はシャフトを尿道に挿入することを可能にする、可撓性の折り畳み可能なスリーブを含む、請求項48に記載のカテーテル組立体。
【請求項51】
前記テーパ状ファネルに取り付けられるとともに、前記チューブ又はシャフトの前記近位挿入端を覆うように延びる、蒸気透過性材料から形成される可撓性スリーブを含む、請求項49に記載のカテーテル組立体。
【請求項52】
前記チューブの前記近位挿入端でイントロデューサ先端に取り付けられるとともに、実質的に前記チューブの遠位端まで延びる、蒸気透過性材料から形成される可撓性スリーブを含む、請求項49に記載のカテーテル組立体。
【請求項53】
前記チューブを端から端まで密接に囲む、蒸気透過性で液体不透過性の高分子フィルム材料から形成される可撓性の折り畳み可能なスリーブを含む、請求項48に記載のカテーテル組立体。
【請求項54】
前記スリーブは、ポリエチレン、可塑化PVC、ポリプロピレン、ポリウレタン、及びポリエチレンオキシドブロックコポリマーから選択される材料から形成される、請求項50に記載のカテーテル組立体。
【請求項55】
前記高分子フィルム材料は、10〜150ミクロンの範囲内の厚さを有するMedifilm435ポリエチレンオキシドブロックコポリマーである、請求項50に記載のカテーテル組立体。
【請求項56】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティのチューブ受容部分の体積の20%以下を構成する水である、請求項48に記載のカテーテル組立体。
【請求項57】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティのチューブ受容部分の体積の5%以下を構成する2〜5mlの水である、請求項48に記載のカテーテル組立体。
【請求項58】
前記パッケージの流通は、前記親水性コーティングカテーテルの完全な蒸気水和を確実にするために、1〜45日の確定された期間の間遅らせられる、請求項46に記載のカテーテル組立体。
【請求項59】
即使用可能な蒸気水和される親水性カテーテル組立体であって、
親水性コーティングカテーテルと、
蒸気付与液体と
を収容する気体不透過性パッケージを備え、
該組立体内の前記蒸気付与液体は、液体との直接接触により前記親水性コーティングカテーテルを確実に水和させることが不可能であるようになっており、前記蒸気付与液体は、前記気体不透過性パッケージ内で蒸気雰囲気を形成して、前記親水性コーティングカテーテルの少なくとも一部を活性化させることにより、完全に即使用可能な状態での前記親水性コーティングカテーテルのユーザへの供給を確実にする、カテーテル組立体。
【請求項60】
前記気体不透過性パッケージは、シールされるキャビティを有し、前記パッケージは、6ヶ月〜5年の範囲の製品貯蔵寿命に十分な気体不透過性を有する材料から形成され、前記親水性コーティングカテーテル及び前記蒸気付与液体は、前記シールされるキャビティ内に収容される、請求項59に記載のカテーテル組立体。
【請求項61】
前記親水性コーティングカテーテルは、尿道に挿入される少なくとも一部に親水性コーティングが施された外面を有するチューブを備え、該チューブは、該チューブの近位挿入端付近に形成されるドレナージアイと、前記チューブの遠位端と一体的に結合されるテーパ状ファネルとを含む、請求項59に記載のカテーテル組立体。
【請求項62】
前記親水性コーティングカテーテルは、チューブ又はシャフトと、該チューブ又はシャフトを囲む可撓性の折り畳み可能なスリーブであって、該スリーブを介して前記チューブ又はシャフトを把持することを可能にする、可撓性の折り畳み可能なスリーブとを含む、請求項59に記載のカテーテル組立体。
【請求項63】
前記スリーブは、ポリエチレン、可塑化PVC、ポリプロピレン、ポリウレタン、及びポリエチレンオキシドブロックコポリマーから選択される材料から形成される、請求項62に記載のカテーテル組立体。
【請求項64】
前記スリーブは、10〜150ミクロンの範囲内の厚さを有するMedifilm435ポリエチレンオキシドブロックコポリマーから形成される、請求項62に記載のカテーテル組立体。
【請求項65】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティの体積の20%以下を構成する水である、請求項60に記載のカテーテル組立体。
【請求項66】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティの体積の5%以下を構成する2〜5mlの水である、請求項60に記載のカテーテル組立体。
【請求項67】
漏れの危険性を低減するために、前記気体不透過性パッケージの前記シールされるキャビティ内に配置される液体捕捉部材を含む、請求項60に記載のカテーテル組立体。
【請求項68】
前記液体捕捉部材は、利用可能な前記蒸気付与液体のほぼ全てを吸収し、且つ該蒸気付与液体から蒸気を放出して、前記シールされるキャビティ内で平衡状態の十分に飽和した蒸気雰囲気を形成及び維持することが可能な布又は発泡体である、請求項67に記載のカテーテル組立体。
【請求項69】
前記親水性コーティングカテーテルは、少なくとも一部に親水性コーティングが施された外面を有するチューブを備え、前記布又は発泡体は、前記シールされるキャビティ内でチューブとほぼ同じ長さで位置合わせされることにより、前記親水性コーティングによって取り込まれるように前記チューブに近接して前記蒸気を放出する、請求項68に記載のカテーテル組立体。
【請求項70】
前記布又は発泡体は、前記シールされるキャビティ内に固定されずに配置され、許容可能な製品貯蔵寿命の間中、親水性コーティングカテーテルの継続的な水和を確実にするために、前記シールされるキャビティ内で十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な量の蒸気付与液体を収容するサイズになっている、請求項69に記載のカテーテル組立体。
【請求項71】
前記布又は発泡体は、前記シールされるキャビティ内に固定されて配置され、許容可能な製品貯蔵寿命の間中、前記親水性コーティングカテーテルの継続的な水和を確実にするために、前記シールされるキャビティ内で十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な量の前記蒸気付与液体を収容するサイズになっている、請求項69に記載のカテーテル組立体。
【請求項72】
前記液体補足部材は、前記蒸気付与液体を保持するとともに該蒸気付与液体から蒸気を放出するための隙間を有する材料から形成され、該材料は、前記シールされるキャビティの内側に面して、前記蒸気の放出を可能にすると同時に前記材料が前記親水性カテーテルに貼り付くことを防止する表面を有する、請求項67に記載のカテーテル組立体。
【請求項73】
前記材料は、前記蒸気付与液体に対して高い毛管吸引力を有するメルトブローマイクロファイバー布から成り、
前記表面は、薄いエラストマーヒドロゲルフィルム、高分子ネット、及び有孔プラスチックフィルムから選択される被膜を有する、請求項72に記載のカテーテル組立体。
【請求項74】
前記材料は、前記蒸気付与液体に対して高い毛管吸引力を有するメルトブローマイクロファイバー布から成り、
前記表面は、前記メルトブローマイクロファイバー布を前記蒸気付与液体により液体湿潤性にするように処理される、請求項72に記載のカテーテル組立体。
【請求項75】
前記液体捕捉部材は、前記蒸気付与液体のほぼ全てを保持し、且つ該蒸気付与液体から蒸気を放出して、前記シールされるキャビティ内で平衡状態の十分に飽和した蒸気雰囲気を形成及び維持することが可能な気体透過性パウチである、請求項67に記載のカテーテル組立体。
【請求項76】
前記気体透過性パウチは、液体不透過性材料から形成され、許容可能な製品貯蔵寿命の間中、親水性コーティングカテーテルの継続的な水和を確実にするために、前記シールされるキャビティ内で十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な量の蒸気付与液体を収容するサイズになっている、請求項75に記載のカテーテル組立体。
【請求項77】
前記気体不透過性パッケージは、その周り全体に周縁シールを有し、一端にイントロデューサ先端を有する採尿袋を保持する、請求項59に記載のカテーテル組立体。
【請求項78】
前記親水性コーティングカテーテルは、その近位挿入端を前記イントロデューサ先端に隣接させて、前記採尿袋内に配置される、請求項77に記載のカテーテル組立体。
【請求項79】
前記液体捕捉部材は、前記チューブとほぼ同じ長さで位置合わせされることにより、前記親水性コーティングによって取り込まれるように前記チューブに近接して前記蒸気を放出する、請求項78に記載のカテーテル組立体。
【請求項80】
前記チューブは、該チューブの前記近位挿入端に関連するポートと、前記チューブを端から端まで覆う幅の広い薄肉スリーブとを有する、請求項61に記載のカテーテル組立体。
【請求項81】
前記スリーブは、前記チューブの前記近位挿入端から前記テーパ状ファネルまで延び、前記チューブが前記ポートを通して前進されると前記テーパ状ファネルを受容するサイズになっている、請求項80に記載のカテーテル組立体。
【請求項82】
前記チューブとほぼ同じ長さで位置合わせされることにより、前記親水性コーティングによって取り込まれるように前記チューブに近接して前記蒸気を放出する液体捕捉部材を含む、請求項81に記載のカテーテル組立体。
【請求項83】
即使用可能な蒸気水和される親水性カテーテル組立体を製造する方法であって、
内部にキャビティを有する気体不透過性パッケージを設けるステップと、
カテーテルの少なくとも一部を親水性コーティングでコーティングするステップと、
前記パッケージの前記キャビティ内に親水性コーティングカテーテルを入れるステップと、
前記パッケージの前記キャビティ内に蒸気付与液体を入れるステップと、
前記パッケージの前記キャビティ内に前記カテーテル及び前記液体が入った状態で、前記キャビティをシールするステップと、
内部に前記カテーテル及び前記液体が入った状態で前記キャビティをシールした後、
i)前記蒸気付与液体が前記キャビティ内で蒸気雰囲気を形成し、且つ
ii)前記蒸気雰囲気が該親水性コーティングカテーテルの活性化を完了する
のに十分な期間だけ前記パッケージの流通を遅らせるステップと
を含む、カテーテル組立体を製造する方法。
【請求項84】
前記設けられるパッケージは、6ヶ月〜5年の範囲の製品貯蔵寿命に十分な気体不透過性を有する材料から形成される、請求項83に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項85】
前記親水性コーティングでコーティングされる前記カテーテルは、チューブを備え、尿道に挿入される前記チューブの少なくとも一部は、前記親水性コーティングでコーティングされる、請求項83に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項86】
前記カテーテルの前記チューブは、該チューブの近位挿入端付近に形成されるドレナージアイと、前記チューブの遠位端と一体的に結合されるテーパ状ファネルとを含む、請求項85に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項87】
前記親水性コーティングカテーテルは、チューブ又はシャフトと、該チューブ又はシャフトを囲む可撓性の折り畳み可能なスリーブであって、該スリーブを介して前記チューブ又はシャフトを把持することを可能にする、可撓性の折り畳み可能なスリーブとを含む、請求項83に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項88】
前記スリーブは、ポリエチレン、可塑化PVC、ポリプロピレン、ポリウレタン、及びポリエチレンオキシドブロックコポリマーから選択される材料から形成される、請求項87に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項89】
前記スリーブは、10〜150ミクロンの範囲内の厚さを有するMedifilm435ポリエチレンオキシドブロックコポリマーから形成される、請求項87に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項90】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティの体積の20%以下を構成する水である、請求項83に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項91】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティのチューブ受容部分の体積の5%以下を構成する2〜5mlの水である、請求項83に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項92】
前記パッケージの流通は、前記親水性コーティングカテーテルの完全な蒸気水和を確実にするために、1〜45日の確定された期間の間遅らせられる、請求項83に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項93】
前記蒸気付与液体を吸収するとともに前記パッケージの前記キャビティ内で蒸気雰囲気を形成するために、前記パッケージの前記キャビティ内に液体捕捉部材を入れるステップを含む、請求項83に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項94】
前記液体捕捉部材は、前記キャビティ内で前記チューブとほぼ同じ長さで位置合わせされることにより、前記チューブに近接して前記蒸気を放出する、請求項93に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項95】
前記液体捕捉部材は、前記キャビティ内に固定されずに配置され、十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な蒸気付与液体を収容する、請求項94に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項96】
前記液体捕捉部材は、前記シールされるキャビティ内に固定されて配置され、十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な蒸気付与液体を収容する、請求項94に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項97】
親水性カテーテルをエンドユーザへ完全に即使用可能な状態で確実に供給する方法であって、
気体不透過性パッケージ内に、蒸気付与液体とともに前記親水性カテーテルを設けるステップと、
i)前記蒸気付与液体が前記パッケージ内で平衡状態の蒸気雰囲気を形成するのに要する時間、及び
ii)前記蒸気付与液体が前記パッケージ内の前記親水性カテーテルの活性化を完了するのに要する時間
を確定するステップと、
このようにして確定された時間のうち少なくとも長い方の時間だけ、前記エンドユーザへの前記親水性カテーテルの流通を遅らせるステップと
を含み、それにより、前記親水性カテーテルは、前記エンドユーザへ供給される時に完全に即使用可能な状態である、親水性カテーテルをエンドユーザへ完全に即使用可能な状態で確実に供給する方法。
【請求項98】
前記親水性カテーテルは、前記蒸気付与液体によって形成される前記蒸気雰囲気により、前記パッケージ内で完全に水和される、請求項97に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項99】
前記設けられるパッケージは、6ヶ月〜5年の範囲の製品貯蔵寿命に十分な気体不透過性を有する材料から形成される、請求項97に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項100】
前記親水性カテーテルは、チューブ及びファネルを備え、前記チューブの少なくとも尿道に挿入される部分は、親水性コーティングでコーティングされる、請求項97に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項101】
前記親水性カテーテルの前記チューブは、該チューブの近位挿入端付近に形成されるドレナージアイと、該チューブの遠位端と一体的に結合されるテーパ状ファネルとを含む、請求項100に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項102】
前記親水性カテーテルは、チューブ又はシャフトと、該チューブ又はシャフトを囲む可撓性の折り畳み可能なスリーブであって、該スリーブを介して前記チューブ又はシャフトを把持することを可能にする、可撓性の折り畳み可能なスリーブとを含む、請求項97に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項103】
前記スリーブは、ポリエチレン、可塑化PVC、ポリプロピレン、ポリウレタン、及びポリエチレンオキシドブロックコポリマーから選択される高分子材料から形成される、請求項102に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項104】
前記スリーブは、10〜150ミクロンの範囲内の厚さを有するMedifilm435ポリエチレンオキシドブロックコポリマーから形成される、請求項102に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項105】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティの体積の20%以下を構成する水である、請求項97に記載のカテーテル組立体。
【請求項106】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティのチューブ受容部分の体積の5%以下を構成する2〜5mlの水である、請求項97に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項107】
前記パッケージの流通は、前記親水性コーティングカテーテルの完全な蒸気水和を確実にするために、1〜45日の確定された期間の間遅らせられる、請求項97に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項108】
前記蒸気付与液体を吸収するとともに前記パッケージの前記キャビティ内で蒸気雰囲気を形成するために、前記パッケージの前記キャビティ内に液体捕捉部材を入れるステップを含む、請求項97に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項109】
前記液体捕捉部材は、前記キャビティ内で前記チューブとほぼ同じ長さで位置合わせされることにより、前記チューブに近接して前記蒸気を放出する、請求項108に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項110】
前記液体捕捉部材は、前記キャビティ内に固定されずに配置され、十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な蒸気付与液体を収容する、請求項109に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項111】
前記液体捕捉部材は、前記シールされるキャビティ内に固定されずに配置され、十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な蒸気付与液体を収容する、請求項109に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項112】
即使用可能な蒸気水和される親水性カテーテル組立体であって、
イントロデューサ先端及びスリーブを有する親水性コーティングカテーテルを収容する、気体不透過性パッケージ
を備える、カテーテル組立体。
【請求項113】
前記パッケージは、蒸気付与液体を収容し、前記カテーテルの即使用可能な状態は、前記蒸気付与液体が、前記気体不透過性パッケージ内で、前記親水性コーティングカテーテルの少なくとも一部を活性化させる蒸気雰囲気を形成することに少なくとも部分的に起因して生じる、請求項112に記載のカテーテル組立体。
【請求項1】
即使用可能な蒸気水和される親水性カテーテル組立体であって、
親水性コーティングカテーテルと、
蒸気付与液体と
を収容する気体不透過性パッケージを備え、
前記カテーテルの即使用可能な状態は、前記蒸気付与液体が、前記気体不透過性パッケージ内で、前記親水性コーティングカテーテルの少なくとも一部を活性化させる蒸気雰囲気を形成することに少なくとも部分的に起因して生じる、カテーテル組立体。
【請求項2】
前記気体不透過性パッケージは、シールされるキャビティを有し、
前記親水性コーティングカテーテル及び前記蒸気付与液体は、前記シールされるキャビティ内に収容される、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項3】
前記気体不透過性パッケージは、6ヶ月〜5年の製品貯蔵寿命に十分な不透過性を有する材料から形成される、請求項2に記載のカテーテル組立体。
【請求項4】
前記気体不透過性パッケージは、アルミニウム箔から形成される、請求項2に記載のカテーテル組立体。
【請求項5】
前記親水性コーティングカテーテルは、尿道に挿入される少なくとも一部に親水性コーティングが施された外面を有するチューブを備える、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項6】
前記親水性コーティングカテーテルは、前記チューブの近位挿入端付近に形成されるドレナージアイと、前記チューブの遠位端にあるコネクタとをさらに含む、請求項5に記載のカテーテル組立体。
【請求項7】
前記コネクタは、前記チューブを通る採尿用の装置に接続される、前記チューブの前記遠位端と一体的に結合されるテーパ状ファネルを備える、請求項6に記載のカテーテル組立体。
【請求項8】
前記チューブが通る開口を形成するように外側に曲がるフラップを画定するスリットを有するイントロデューサ先端を、前記チューブの近位挿入端に含む、請求項5に記載のカテーテル組立体。
【請求項9】
前記親水性コーティングカテーテルは、チューブ又はシャフトと、該チューブ又はシャフトを囲む可撓性の折り畳み可能なスリーブであって、該スリーブを介して前記チューブ又はシャフトを把持することを可能にする、可撓性の折り畳み可能なスリーブとを含む、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項10】
前記テーパ状ファネルに取り付けられるとともに、前記チューブの前記近位挿入端を覆うように延びる、蒸気透過性材料から形成される可撓性スリーブを含む、請求項7に記載のカテーテル組立体。
【請求項11】
前記イントロデューサ先端に取り付けられるとともに、該イントロデューサ先端から実質的に前記チューブの遠位端まで延びる、蒸気透過性材料から形成される可撓性スリーブを含む、請求項8に記載のカテーテル組立体。
【請求項12】
前記スリーブは、前記チューブ又はシャフトを密接した関係で囲む、蒸気透過性で液体不透過性の折り畳み可能な高分子フィルム材料から形成される、請求項9に記載のカテーテル組立体。
【請求項13】
前記スリーブは、ポリエチレン、可塑化PVC、ポリプロピレン、ポリウレタン、及びポリエチレンオキシドブロックコポリマーから選択される材料から形成される、請求項9に記載のカテーテル組立体。
【請求項14】
前記高分子フィルム材料は、10〜150ミクロンの範囲内の厚さを有するMedifilm435ポリエチレンオキシドブロックコポリマーである、請求項12に記載のカテーテル組立体。
【請求項15】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティの体積の20%以下を構成する水である、請求項2に記載のカテーテル組立体。
【請求項16】
前記水は、前記パッケージの前記シールされるキャビティの体積の5%以下を構成する2〜5mlである、請求項15に記載のカテーテル組立体。
【請求項17】
前記気体不透過性パッケージは、その周り全体に周縁シールを有し、その一端にイントロデューサ先端を有する採尿袋を保持する、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項18】
前記親水性コーティングカテーテルは、その近位挿入端を前記イントロデューサ先端に隣接させて、前記採尿袋内に配置される、請求項17に記載のカテーテル組立体。
【請求項19】
前記チューブは、該チューブの前記近位挿入端に関連するポートと、該チューブを端から端まで覆う幅の広い薄肉スリーブとを有する、請求項5に記載のカテーテル組立体。
【請求項20】
前記チューブは、該チューブの遠位端と一体的に結合されるファネルを有し、前記スリーブは、前記チューブが前記ポートを通して前進されると前記ファネルを受容するサイズになっている、請求項19に記載のカテーテル組立体。
【請求項21】
即使用可能な蒸気水和される親水性カテーテル組立体であって、
親水性コーティングカテーテルと、
蒸気付与液体と、
液体捕捉部材と
を収容する気体不透過性パッケージを備え、
前記蒸気付与液体は、前記液体捕捉部材により実質的に保持されて漏れの危険性を最小にするとともに、蒸気を放出して、前記気体不透過性パッケージ内で蒸気雰囲気を形成し、前記カテーテルの即使用可能な状態が、前記蒸気が前記親水性コーティングカテーテルの少なくとも一部を活性化させることに少なくとも部分的に起因して生じるようにし、それにより、完全に即使用可能な状態での前記親水性コーティングカテーテルのユーザへの供給を確実にする、カテーテル組立体。
【請求項22】
前記気体不透過性パッケージは、シールされるキャビティを有し、前記パッケージは、6ヶ月〜5年の範囲の製品貯蔵寿命に十分な気体不透過性を有する材料から形成され、前記親水性コーティングカテーテル及び前記蒸気付与液体は、前記シールされるキャビティ内に収容される、請求項21に記載のカテーテル組立体。
【請求項23】
前記親水性コーティングカテーテルは、尿道に挿入される少なくとも一部に親水性コーティングが施された外面を有するチューブを備え、該チューブは、該チューブの近位挿入端付近に形成されるドレナージアイと、該チューブの遠位端と一体的に結合されるテーパ状ファネルとを含む、請求項21に記載のカテーテル組立体。
【請求項24】
前記親水性コーティングカテーテルは、チューブ又はシャフトと、該チューブ又はシャフトを囲む可撓性の折り畳み可能なスリーブであって、該スリーブを介して前記チューブを把持することを可能にする、可撓性の折り畳み可能なスリーブとを含む、請求項21に記載のカテーテル組立体。
【請求項25】
前記テーパ状ファネルに取り付けられるとともに、前記チューブの前記近位挿入端を覆うように延びる、蒸気透過性材料から形成される可撓性スリーブを含む、請求項23に記載のカテーテル組立体。
【請求項26】
前記チューブの前記近位挿入端でイントロデューサ先端に取り付けられるとともに、実質的に前記チューブの遠位端まで延びる、蒸気透過性材料から形成される可撓性スリーブを含む、請求項23に記載のカテーテル組立体。
【請求項27】
前記スリーブは、前記チューブを密接した関係で囲む、蒸気透過性で液体不透過性の折り畳み可能な高分子フィルム材料から形成される、請求項24に記載のカテーテル組立体。
【請求項28】
前記スリーブは、ポリエチレン、可塑化PVC、ポリプロピレン、ポリウレタン、及びポリエチレンオキシドブロックコポリマーから選択される材料から形成される、請求項24に記載のカテーテル組立体。
【請求項29】
前記高分子フィルム材料は、10〜150ミクロンの範囲内の厚さを有するMedifilm435ポリエチレンオキシドブロックコポリマーである、請求項27に記載のカテーテル組立体。
【請求項30】
前記気体不透過性パッケージは、シールされるキャビティを含み、前記親水性コーティングカテーテル、前記蒸気付与液体、及び前記液体捕捉部材は、前記気体不透過性パッケージの前記シールされるキャビティ内に収容され、前記液体捕捉部材は、前記蒸気付与液体を吸収する材料から成る、請求項21に記載のカテーテル組立体。
【請求項31】
前記蒸気付与液体を吸収する材料は、利用可能な前記蒸気付与液体のほぼ全てを吸収し、続いて該蒸気付与液体から蒸気を放出して、前記シールされるキャビティ内で平衡状態の十分に飽和した蒸気雰囲気を形成及び維持することが可能な布又は発泡体である、請求項30に記載のカテーテル組立体。
【請求項32】
前記親水性コーティングカテーテルは、少なくとも一部に親水性コーティングが施された外面を有するチューブを備え、前記布又は発泡体は、前記シールされるキャビティ内で前記チューブとほぼ同じ長さで位置合わせされることにより、前記親水性コーティングによって取り込まれるように前記チューブに近接して前記蒸気を放出する、請求項31に記載のカテーテル組立体。
【請求項33】
前記布又は発泡体は、前記シールされるキャビティ内に固定されずに配置され、許容可能な製品貯蔵寿命の間中、親水性コーティングカテーテルの継続的な水和を確実にするために、前記シールされるキャビティ内で十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な量の前記蒸気付与液体を収容するサイズになっている、請求項32に記載のカテーテル組立体。
【請求項34】
前記布又は発泡体は、前記シールされるキャビティ内に固定されて配置され、許容可能な製品貯蔵寿命の間中、前記親水性コーティングカテーテルの継続的な水和を確実にするために、前記シールされるキャビティ内で十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な量の前記蒸気付与液体を収容するサイズになっている、請求項32に記載のカテーテル組立体。
【請求項35】
前記蒸気付与液体を吸収する材料は、前記蒸気付与液体を保持するとともに該蒸気付与液体から蒸気を放出するための隙間を有し、且つ、前記シールされるキャビティの内側に面して、前記蒸気の放出を可能にすると同時に前記材料が前記親水性カテーテルに貼り付くことを防止する表面を有する、請求項30に記載のカテーテル組立体。
【請求項36】
前記材料は、前記蒸気付与液体に対して高い毛管吸引力を有するメルトブローマイクロファイバー布から成り、
前記表面は、薄いエラストマーヒドロゲルフィルム、高分子ネット、及び有孔プラスチックフィルムから選択される材料で覆われる、請求項35に記載のカテーテル組立体。
【請求項37】
前記材料は、前記蒸気付与液体に対して高い毛管吸引力を有するメルトブローマイクロファイバー布から成り、
前記表面は、前記メルトブローマイクロファイバー布を前記蒸気付与液体により液体湿潤性にするように処理される、請求項35に記載のカテーテル組立体。
【請求項38】
前記気体不透過性パッケージは、シールされるキャビティを含み、
前記親水性コーティングカテーテル、前記蒸気付与液体、及び前記液体捕捉部材は、前記気体不透過性パッケージの前記シールされるキャビティ内に収容され、前記液体捕捉部材は、前記蒸気付与液体を収容する気体透過性パウチである、請求項21に記載のカテーテル組立体。
【請求項39】
前記気体透過性パウチは、液体不透過性材料から形成され、許容可能な製品貯蔵寿命の間中、親水性コーティングカテーテルの継続的な水和を確実にするために、前記シールされるキャビティ内で十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な量の蒸気付与液体を収容するサイズになっている、請求項38に記載のカテーテル組立体。
【請求項40】
前記気体不透過性パッケージは、その周り全体に周縁シールを有し、一端にイントロデューサ先端を有する採尿袋を保持する、請求項21に記載のカテーテル組立体。
【請求項41】
前記親水性コーティングカテーテルは、その近位挿入端を前記イントロデューサ先端に隣接させて、前記採尿袋内に配置される、請求項40に記載のカテーテル組立体。
【請求項42】
前記液体捕捉部材は、前記チューブとほぼ同じ長さで位置合わせされることにより、前記親水性コーティングによって取り込まれるように前記チューブに近接して前記蒸気を放出する、請求項41に記載のカテーテル組立体。
【請求項43】
前記チューブは、該チューブの前記近位挿入端に関連するポートと、該チューブを端から端まで覆う幅の広い薄肉スリーブとを有する、請求項23に記載のカテーテル組立体。
【請求項44】
前記スリーブは、前記チューブの前記近位挿入端から前記テーパ状ファネルまで延び、前記チューブが前記ポートを通して前進されると前記テーパ状ファネルを受容するサイズになっている、請求項43に記載のカテーテル組立体。
【請求項45】
前記液体捕捉部材は、前記チューブとほぼ同じ長さで位置合わせされることにより、前記親水性コーティングによって取り込まれるように前記チューブに近接して前記蒸気を放出する、請求項44に記載のカテーテル組立体。
【請求項46】
即使用可能な蒸気水和される親水性カテーテル組立体であって、
内部にキャビティを有する気体不透過性パッケージを設けるステップと、
該パッケージの前記キャビティ内に親水性コーティングカテーテルを入れるステップと、
前記パッケージの前記キャビティ内に蒸気付与液体を入れるステップと、
前記パッケージ内に前記カテーテル及び前記液体が入った状態で、前記キャビティをシールするステップと、
内部に前記カテーテル及び前記液体が入った状態で前記キャビティをシールした後、
i)前記蒸気付与液体が前記キャビティ内で蒸気雰囲気を形成し、且つ
ii)前記蒸気雰囲気が、前記親水性コーティングカテーテルの少なくとも一部の水和により、該親水性コーティングカテーテルの活性化を完了する
のに十分な期間だけ前記パッケージの流通を遅らせるステップと
を含むプロセスにより製造される、カテーテル組立体。
【請求項47】
前記パッケージは、6ヶ月〜5年の範囲の製品貯蔵寿命に十分な気体不透過性を有する材料から形成される、請求項46に記載のカテーテル組立体。
【請求項48】
前記親水性コーティングカテーテルは、尿道に挿入される少なくとも一部に親水性コーティングが施された外面を有するチューブ又はシャフトを備える、請求項46に記載のカテーテル組立体。
【請求項49】
前記チューブは、該チューブの近位挿入端付近に形成されるドレナージアイと、該チューブの遠位端と一体的に結合されるテーパ状ファネルとを含む、請求項48に記載のカテーテル組立体。
【請求項50】
前記チューブ又はシャフトを囲む可撓性の折り畳み可能なスリーブであって、該スリーブを介して前記チューブを把持して、該チューブ又はシャフトを尿道に挿入することを可能にする、可撓性の折り畳み可能なスリーブを含む、請求項48に記載のカテーテル組立体。
【請求項51】
前記テーパ状ファネルに取り付けられるとともに、前記チューブ又はシャフトの前記近位挿入端を覆うように延びる、蒸気透過性材料から形成される可撓性スリーブを含む、請求項49に記載のカテーテル組立体。
【請求項52】
前記チューブの前記近位挿入端でイントロデューサ先端に取り付けられるとともに、実質的に前記チューブの遠位端まで延びる、蒸気透過性材料から形成される可撓性スリーブを含む、請求項49に記載のカテーテル組立体。
【請求項53】
前記チューブを端から端まで密接に囲む、蒸気透過性で液体不透過性の高分子フィルム材料から形成される可撓性の折り畳み可能なスリーブを含む、請求項48に記載のカテーテル組立体。
【請求項54】
前記スリーブは、ポリエチレン、可塑化PVC、ポリプロピレン、ポリウレタン、及びポリエチレンオキシドブロックコポリマーから選択される材料から形成される、請求項50に記載のカテーテル組立体。
【請求項55】
前記高分子フィルム材料は、10〜150ミクロンの範囲内の厚さを有するMedifilm435ポリエチレンオキシドブロックコポリマーである、請求項50に記載のカテーテル組立体。
【請求項56】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティのチューブ受容部分の体積の20%以下を構成する水である、請求項48に記載のカテーテル組立体。
【請求項57】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティのチューブ受容部分の体積の5%以下を構成する2〜5mlの水である、請求項48に記載のカテーテル組立体。
【請求項58】
前記パッケージの流通は、前記親水性コーティングカテーテルの完全な蒸気水和を確実にするために、1〜45日の確定された期間の間遅らせられる、請求項46に記載のカテーテル組立体。
【請求項59】
即使用可能な蒸気水和される親水性カテーテル組立体であって、
親水性コーティングカテーテルと、
蒸気付与液体と
を収容する気体不透過性パッケージを備え、
該組立体内の前記蒸気付与液体は、液体との直接接触により前記親水性コーティングカテーテルを確実に水和させることが不可能であるようになっており、前記蒸気付与液体は、前記気体不透過性パッケージ内で蒸気雰囲気を形成して、前記親水性コーティングカテーテルの少なくとも一部を活性化させることにより、完全に即使用可能な状態での前記親水性コーティングカテーテルのユーザへの供給を確実にする、カテーテル組立体。
【請求項60】
前記気体不透過性パッケージは、シールされるキャビティを有し、前記パッケージは、6ヶ月〜5年の範囲の製品貯蔵寿命に十分な気体不透過性を有する材料から形成され、前記親水性コーティングカテーテル及び前記蒸気付与液体は、前記シールされるキャビティ内に収容される、請求項59に記載のカテーテル組立体。
【請求項61】
前記親水性コーティングカテーテルは、尿道に挿入される少なくとも一部に親水性コーティングが施された外面を有するチューブを備え、該チューブは、該チューブの近位挿入端付近に形成されるドレナージアイと、前記チューブの遠位端と一体的に結合されるテーパ状ファネルとを含む、請求項59に記載のカテーテル組立体。
【請求項62】
前記親水性コーティングカテーテルは、チューブ又はシャフトと、該チューブ又はシャフトを囲む可撓性の折り畳み可能なスリーブであって、該スリーブを介して前記チューブ又はシャフトを把持することを可能にする、可撓性の折り畳み可能なスリーブとを含む、請求項59に記載のカテーテル組立体。
【請求項63】
前記スリーブは、ポリエチレン、可塑化PVC、ポリプロピレン、ポリウレタン、及びポリエチレンオキシドブロックコポリマーから選択される材料から形成される、請求項62に記載のカテーテル組立体。
【請求項64】
前記スリーブは、10〜150ミクロンの範囲内の厚さを有するMedifilm435ポリエチレンオキシドブロックコポリマーから形成される、請求項62に記載のカテーテル組立体。
【請求項65】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティの体積の20%以下を構成する水である、請求項60に記載のカテーテル組立体。
【請求項66】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティの体積の5%以下を構成する2〜5mlの水である、請求項60に記載のカテーテル組立体。
【請求項67】
漏れの危険性を低減するために、前記気体不透過性パッケージの前記シールされるキャビティ内に配置される液体捕捉部材を含む、請求項60に記載のカテーテル組立体。
【請求項68】
前記液体捕捉部材は、利用可能な前記蒸気付与液体のほぼ全てを吸収し、且つ該蒸気付与液体から蒸気を放出して、前記シールされるキャビティ内で平衡状態の十分に飽和した蒸気雰囲気を形成及び維持することが可能な布又は発泡体である、請求項67に記載のカテーテル組立体。
【請求項69】
前記親水性コーティングカテーテルは、少なくとも一部に親水性コーティングが施された外面を有するチューブを備え、前記布又は発泡体は、前記シールされるキャビティ内でチューブとほぼ同じ長さで位置合わせされることにより、前記親水性コーティングによって取り込まれるように前記チューブに近接して前記蒸気を放出する、請求項68に記載のカテーテル組立体。
【請求項70】
前記布又は発泡体は、前記シールされるキャビティ内に固定されずに配置され、許容可能な製品貯蔵寿命の間中、親水性コーティングカテーテルの継続的な水和を確実にするために、前記シールされるキャビティ内で十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な量の蒸気付与液体を収容するサイズになっている、請求項69に記載のカテーテル組立体。
【請求項71】
前記布又は発泡体は、前記シールされるキャビティ内に固定されて配置され、許容可能な製品貯蔵寿命の間中、前記親水性コーティングカテーテルの継続的な水和を確実にするために、前記シールされるキャビティ内で十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な量の前記蒸気付与液体を収容するサイズになっている、請求項69に記載のカテーテル組立体。
【請求項72】
前記液体補足部材は、前記蒸気付与液体を保持するとともに該蒸気付与液体から蒸気を放出するための隙間を有する材料から形成され、該材料は、前記シールされるキャビティの内側に面して、前記蒸気の放出を可能にすると同時に前記材料が前記親水性カテーテルに貼り付くことを防止する表面を有する、請求項67に記載のカテーテル組立体。
【請求項73】
前記材料は、前記蒸気付与液体に対して高い毛管吸引力を有するメルトブローマイクロファイバー布から成り、
前記表面は、薄いエラストマーヒドロゲルフィルム、高分子ネット、及び有孔プラスチックフィルムから選択される被膜を有する、請求項72に記載のカテーテル組立体。
【請求項74】
前記材料は、前記蒸気付与液体に対して高い毛管吸引力を有するメルトブローマイクロファイバー布から成り、
前記表面は、前記メルトブローマイクロファイバー布を前記蒸気付与液体により液体湿潤性にするように処理される、請求項72に記載のカテーテル組立体。
【請求項75】
前記液体捕捉部材は、前記蒸気付与液体のほぼ全てを保持し、且つ該蒸気付与液体から蒸気を放出して、前記シールされるキャビティ内で平衡状態の十分に飽和した蒸気雰囲気を形成及び維持することが可能な気体透過性パウチである、請求項67に記載のカテーテル組立体。
【請求項76】
前記気体透過性パウチは、液体不透過性材料から形成され、許容可能な製品貯蔵寿命の間中、親水性コーティングカテーテルの継続的な水和を確実にするために、前記シールされるキャビティ内で十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な量の蒸気付与液体を収容するサイズになっている、請求項75に記載のカテーテル組立体。
【請求項77】
前記気体不透過性パッケージは、その周り全体に周縁シールを有し、一端にイントロデューサ先端を有する採尿袋を保持する、請求項59に記載のカテーテル組立体。
【請求項78】
前記親水性コーティングカテーテルは、その近位挿入端を前記イントロデューサ先端に隣接させて、前記採尿袋内に配置される、請求項77に記載のカテーテル組立体。
【請求項79】
前記液体捕捉部材は、前記チューブとほぼ同じ長さで位置合わせされることにより、前記親水性コーティングによって取り込まれるように前記チューブに近接して前記蒸気を放出する、請求項78に記載のカテーテル組立体。
【請求項80】
前記チューブは、該チューブの前記近位挿入端に関連するポートと、前記チューブを端から端まで覆う幅の広い薄肉スリーブとを有する、請求項61に記載のカテーテル組立体。
【請求項81】
前記スリーブは、前記チューブの前記近位挿入端から前記テーパ状ファネルまで延び、前記チューブが前記ポートを通して前進されると前記テーパ状ファネルを受容するサイズになっている、請求項80に記載のカテーテル組立体。
【請求項82】
前記チューブとほぼ同じ長さで位置合わせされることにより、前記親水性コーティングによって取り込まれるように前記チューブに近接して前記蒸気を放出する液体捕捉部材を含む、請求項81に記載のカテーテル組立体。
【請求項83】
即使用可能な蒸気水和される親水性カテーテル組立体を製造する方法であって、
内部にキャビティを有する気体不透過性パッケージを設けるステップと、
カテーテルの少なくとも一部を親水性コーティングでコーティングするステップと、
前記パッケージの前記キャビティ内に親水性コーティングカテーテルを入れるステップと、
前記パッケージの前記キャビティ内に蒸気付与液体を入れるステップと、
前記パッケージの前記キャビティ内に前記カテーテル及び前記液体が入った状態で、前記キャビティをシールするステップと、
内部に前記カテーテル及び前記液体が入った状態で前記キャビティをシールした後、
i)前記蒸気付与液体が前記キャビティ内で蒸気雰囲気を形成し、且つ
ii)前記蒸気雰囲気が該親水性コーティングカテーテルの活性化を完了する
のに十分な期間だけ前記パッケージの流通を遅らせるステップと
を含む、カテーテル組立体を製造する方法。
【請求項84】
前記設けられるパッケージは、6ヶ月〜5年の範囲の製品貯蔵寿命に十分な気体不透過性を有する材料から形成される、請求項83に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項85】
前記親水性コーティングでコーティングされる前記カテーテルは、チューブを備え、尿道に挿入される前記チューブの少なくとも一部は、前記親水性コーティングでコーティングされる、請求項83に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項86】
前記カテーテルの前記チューブは、該チューブの近位挿入端付近に形成されるドレナージアイと、前記チューブの遠位端と一体的に結合されるテーパ状ファネルとを含む、請求項85に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項87】
前記親水性コーティングカテーテルは、チューブ又はシャフトと、該チューブ又はシャフトを囲む可撓性の折り畳み可能なスリーブであって、該スリーブを介して前記チューブ又はシャフトを把持することを可能にする、可撓性の折り畳み可能なスリーブとを含む、請求項83に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項88】
前記スリーブは、ポリエチレン、可塑化PVC、ポリプロピレン、ポリウレタン、及びポリエチレンオキシドブロックコポリマーから選択される材料から形成される、請求項87に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項89】
前記スリーブは、10〜150ミクロンの範囲内の厚さを有するMedifilm435ポリエチレンオキシドブロックコポリマーから形成される、請求項87に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項90】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティの体積の20%以下を構成する水である、請求項83に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項91】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティのチューブ受容部分の体積の5%以下を構成する2〜5mlの水である、請求項83に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項92】
前記パッケージの流通は、前記親水性コーティングカテーテルの完全な蒸気水和を確実にするために、1〜45日の確定された期間の間遅らせられる、請求項83に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項93】
前記蒸気付与液体を吸収するとともに前記パッケージの前記キャビティ内で蒸気雰囲気を形成するために、前記パッケージの前記キャビティ内に液体捕捉部材を入れるステップを含む、請求項83に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項94】
前記液体捕捉部材は、前記キャビティ内で前記チューブとほぼ同じ長さで位置合わせされることにより、前記チューブに近接して前記蒸気を放出する、請求項93に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項95】
前記液体捕捉部材は、前記キャビティ内に固定されずに配置され、十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な蒸気付与液体を収容する、請求項94に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項96】
前記液体捕捉部材は、前記シールされるキャビティ内に固定されて配置され、十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な蒸気付与液体を収容する、請求項94に記載のカテーテル組立体を製造する方法。
【請求項97】
親水性カテーテルをエンドユーザへ完全に即使用可能な状態で確実に供給する方法であって、
気体不透過性パッケージ内に、蒸気付与液体とともに前記親水性カテーテルを設けるステップと、
i)前記蒸気付与液体が前記パッケージ内で平衡状態の蒸気雰囲気を形成するのに要する時間、及び
ii)前記蒸気付与液体が前記パッケージ内の前記親水性カテーテルの活性化を完了するのに要する時間
を確定するステップと、
このようにして確定された時間のうち少なくとも長い方の時間だけ、前記エンドユーザへの前記親水性カテーテルの流通を遅らせるステップと
を含み、それにより、前記親水性カテーテルは、前記エンドユーザへ供給される時に完全に即使用可能な状態である、親水性カテーテルをエンドユーザへ完全に即使用可能な状態で確実に供給する方法。
【請求項98】
前記親水性カテーテルは、前記蒸気付与液体によって形成される前記蒸気雰囲気により、前記パッケージ内で完全に水和される、請求項97に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項99】
前記設けられるパッケージは、6ヶ月〜5年の範囲の製品貯蔵寿命に十分な気体不透過性を有する材料から形成される、請求項97に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項100】
前記親水性カテーテルは、チューブ及びファネルを備え、前記チューブの少なくとも尿道に挿入される部分は、親水性コーティングでコーティングされる、請求項97に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項101】
前記親水性カテーテルの前記チューブは、該チューブの近位挿入端付近に形成されるドレナージアイと、該チューブの遠位端と一体的に結合されるテーパ状ファネルとを含む、請求項100に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項102】
前記親水性カテーテルは、チューブ又はシャフトと、該チューブ又はシャフトを囲む可撓性の折り畳み可能なスリーブであって、該スリーブを介して前記チューブ又はシャフトを把持することを可能にする、可撓性の折り畳み可能なスリーブとを含む、請求項97に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項103】
前記スリーブは、ポリエチレン、可塑化PVC、ポリプロピレン、ポリウレタン、及びポリエチレンオキシドブロックコポリマーから選択される高分子材料から形成される、請求項102に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項104】
前記スリーブは、10〜150ミクロンの範囲内の厚さを有するMedifilm435ポリエチレンオキシドブロックコポリマーから形成される、請求項102に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項105】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティの体積の20%以下を構成する水である、請求項97に記載のカテーテル組立体。
【請求項106】
前記蒸気付与液体は、前記パッケージの前記シールされるキャビティのチューブ受容部分の体積の5%以下を構成する2〜5mlの水である、請求項97に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項107】
前記パッケージの流通は、前記親水性コーティングカテーテルの完全な蒸気水和を確実にするために、1〜45日の確定された期間の間遅らせられる、請求項97に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項108】
前記蒸気付与液体を吸収するとともに前記パッケージの前記キャビティ内で蒸気雰囲気を形成するために、前記パッケージの前記キャビティ内に液体捕捉部材を入れるステップを含む、請求項97に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項109】
前記液体捕捉部材は、前記キャビティ内で前記チューブとほぼ同じ長さで位置合わせされることにより、前記チューブに近接して前記蒸気を放出する、請求項108に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項110】
前記液体捕捉部材は、前記キャビティ内に固定されずに配置され、十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な蒸気付与液体を収容する、請求項109に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項111】
前記液体捕捉部材は、前記シールされるキャビティ内に固定されずに配置され、十分に飽和した蒸気雰囲気を維持するのに十分な蒸気付与液体を収容する、請求項109に記載の親水性カテーテルを供給する方法。
【請求項112】
即使用可能な蒸気水和される親水性カテーテル組立体であって、
イントロデューサ先端及びスリーブを有する親水性コーティングカテーテルを収容する、気体不透過性パッケージ
を備える、カテーテル組立体。
【請求項113】
前記パッケージは、蒸気付与液体を収容し、前記カテーテルの即使用可能な状態は、前記蒸気付与液体が、前記気体不透過性パッケージ内で、前記親水性コーティングカテーテルの少なくとも一部を活性化させる蒸気雰囲気を形成することに少なくとも部分的に起因して生じる、請求項112に記載のカテーテル組立体。
【図1】
【図1a】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4】
【図5】
【図5a】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8a】
【図1a】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4】
【図5】
【図5a】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8a】
【公表番号】特表2007−501656(P2007−501656A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522746(P2006−522746)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/025417
【国際公開番号】WO2005/014055
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(591000414)ホリスター・インコーポレイテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】HOLLISTER INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/025417
【国際公開番号】WO2005/014055
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(591000414)ホリスター・インコーポレイテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】HOLLISTER INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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