説明

パッシブコヒーレント探索アプリケーションのための、狭帯域事前検出信号を処理するシステムおよび方法

【課題】パッシブコヒーレント探索アプリケーション(PCL)において、狭帯域事前検出信号を処理するシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】受信サブシステムは、基準信号およびターゲット信号を統制されていない送信機から受け取る。PCLシステムは、ゼロ−ドップラー消去、直交復調、基準ビーム再生、コヒーレント処理区間選択、パワースペクトル密度推定、クロスアンビギュイティ関数形成などを含み、基準信号はターゲット信号に関してフィルタリングされて、第1出力基準信号が形成される。第1出力基準信号は第1ターゲット信号と結合されて、第1出力ターゲット信号が形成される。次に、出力ターゲット信号は、後続のPCL探索処理オペレーションに用いられる。フィルタは、ターゲット信号と後続のターゲット信号の差に関して更新される。さらに、基準信号およびターゲット信号の相関処理のために2つの経路が用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の背景]
発明の分野
本発明は、パッシブコヒーレント探索(PCL)システムに関し、より詳細には、PCLのアプリケーションのための狭帯域事前検出信号を処理するシステムおよび方法に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2001年5月4日出願「System and Method for Narrowband Pre-Detection Signal Processing for PCL Applications」と題する米国仮特許出願第60/288,452号(参照により本明細書に援用される)の利益を主張する。
【0003】
関連技術の説明
レーダシステムは、対象のターゲットの存在を検出し、そのターゲットに関する情報を提供する。従来のレーダシステムは、パルスレーダおよび連続波レーダを含む。パルスレーダにおいては、ターゲットの距離の測度は、電磁エネルギーパルスの送信からその反射エネルギーの受信までに経過した時間の測定値により求められる。連続波レーダにおいては、連続波が送信される。ターゲットの距離は、送信した信号と受信した反射信号の間の周波数シフトの測定値により求められる。
【0004】
従来のレーダシステムは電磁エネルギーを送信する。送信した電磁エネルギーの一部は、対象のターゲットから反射して、空間に散乱する。レーダシステムは、反射エネルギーを受信し、受信した反射エネルギーを送信したエネルギーの複製と相関させることによって、対象のターゲットについての情報を抽出する。
【0005】
[発明の概要]
したがって、本発明は、PCLのアプリケーションおよびPCLのアプリケーションのための信号処理方法を対象とする。
【0006】
パッシブコヒーレント探索アプリケーションにおいて、狭帯域事前検出信号を処理するシステムおよび方法を開示する。受信サブシステムは、基準信号およびターゲット信号を統制されていない送信機から受け取る。ターゲット信号はターゲットから反射する。パッシブコヒーレント探索システムは、基準信号およびターゲット信号に対して事前検出オペレーションを行うサブプロセッサを含む。機能は、ゼロ−ドップラー消去、直交復調、基準ビーム再生、コヒーレント処理区間選択、パワースペクトル密度推定、クロスアンビギュイティ関数形成などを含む。これらのオペレーション内で、基準信号はターゲット信号に関してフィルタリングされて、第1出力基準信号が形成される。第1出力基準信号は第1ターゲット信号と結合されて、第1出力ターゲット信号が形成される。次に、出力ターゲット信号は、後続のパッシブコヒーレント探索処理オペレーションに用いられる。フィルタは、ターゲット信号と後続のターゲット信号の差に関して更新される。さらに、基準信号およびターゲット信号の相関処理のために2つの経路が用いられる。
【0007】
本発明の付加的な特徴および利点は次に続く開示に記載されるであろう。そして、本発明の付加的な特徴および利点は、一部は開示から明らかとなるであろう、すなわち、本発明の実施によって知ることができる。本発明の目的および他の利点は、書面の説明およびその特許請求の範囲ならびに添付図面において特に明らかにされた構造によって、認識され、得られるであろう。
【0008】
先の概略的な説明および以下の詳細な説明は共に、例示のためかつ説明のためであって、特許請求される本発明をさらに説明するものであることが理解されよう。
【0009】
本発明をさらに理解できるようにするために含められ、本明細書の一部に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を示し、その説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0010】
[好ましい実施形態の詳細な説明]
ここで、本発明の好ましい実施形態に対し詳細にわたって参照を行うが、実施形態の例は添付図面に示す。
【0011】
パッシブコヒーレント探索(「PCL」)システムは、マルチスタティック広域移動ターゲット監視センサを利用するパッシブ監視システムである。PCL技術は、対象のターゲットに向けてエネルギーを送信することなく検出能力を提供する。
【0012】
パッシブレーダシステムは、従来のレーダシステムと対比して、統制されていない放射器から送信される電磁エネルギー、例えば商用の放送周波数変調(「FM」)無線信号およびテレビジョン放送信号を利用する。パッシブレーダシステムは、統制されていない放射器から送信されて対象のターゲットから反射する信号である反射信号と、統制されていない放射器からの直接経路信号とを受信する。パッシブレーダシステムは、受信した反射信号を受信した直接経路信号と相関させることにより、対象のターゲットに関する情報を抽出する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態によるPCLシステム、ターゲット、および複数の送信機のブロック図を示す。図1は、複数の統制されていない放射器すなわち送信機、110、112、および114、対象のターゲット150、ならびにPCLシステム100を示す。送信機110、112、および114は、統制されていない狭帯域放射器、例えば航法支援送信機および/またはリピータ、ならびに商用のテレビジョン(「TV」)放送送信機および/またはリピータを含むことができる。ターゲット150は航空機であり得る。
【0014】
送信機110、112、および114は、電磁エネルギー信号を全方向に送信する。送信した一部の信号は、ターゲット150によって反射されて散乱する。PCLシステム100は、ターゲット経路信号130と呼ぶ散乱した一部の信号を受信することができる。さらに、PCLシステム100は、送信機110、112、および114からの直通の、一部の信号を受信することができる。これらの信号は、基準経路(または直接経路)信号140として知られ得る。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態によるPCLシステム100を示す。PCLシステム100は、アンテナ200、受信サブシステム202、A/D変換器サブシステム204、処理サブシステム206、およびディスプレイ208を含む。PCLシステム100は、統制されていない送信機から送信された信号を受信する。
【0016】
アンテナ200は、送信機100、112、および114を含む統制されていない放射器から基準経路信号140を受信する。アンテナ200は、ターゲット150から反射したターゲット経路信号130も受信する。アンテナ200は、基準経路信号140およびターゲット経路信号130を受信サブシステム202へ伝達する。
【0017】
受信サブシステム202は、アンテナ200からの基準経路信号140およびターゲット経路信号130を受け取って処理する。受信サブシステム202はトランスデューサを含み得る。A/D変換器サブシステム204は、受信サブシステム202の出力を受け取り、所望のサンプリングレートで信号をサンプリングすることによって、信号のデジタルサンプルを出力する。A/D変換器サブシステム204は、各サンプリング時刻でのアナログ信号の大きさを用いて、デジタル波形を形成する。A/D変換器サブシステム204は、受け取った信号を増幅する増幅器を含み得る。
【0018】
処理サブシステム206は、受け取った信号のデジタルサンプルをA/D変換器サブシステム204から受け取る。処理サブシステム206は、受け取った基準信号140およびターゲット信号130を処理して、対象のターゲット150に関する情報を抽出するようにする。処理された情報は、場所、速度、およびターゲット150の位置に関する加速度情報を含み得る。
【0019】
処理サブシステム206は、サブプロセッサを含んでよい。サブプロセッサは、エラーを除去して最適化された信号を供給する事前検出信号プロセッサ240およびターゲット150についての情報を抽出する信号プロセッサ242を含んでよい。事前検出信号プロセッサ240は、推定されたパワースペクトル密度(「PSD」)またはクロスアンビギュイティ関数(「CAF」)を検出処理に提示するために必要なオペレーションを行う。事前検出信号プロセッサ240は、データインタリーブ解除器機能部210、変換機能部212、等化機能部214、ゼロ−ドップラー消去(「ZDC」)機能部216、直交復調機能部218、基準ビーム再生機能部220、逆変換機能部222、ビーム形成機能部224、コヒーレント処理区間(「CPI」)選択機能部226、動作補償機能部228、パワースペクトル密度(「PSD」)推定機能部230、クロスアンビギュイティ関数(「CAF」)形成機能部232、およびRMS計算機能部234を含んでよい。処理サブシステム200は、開示した種々の要素の機能を行うようにプログラムされたデータ記憶能力を有する高性能コンピュータを含んでよい。別法として、事前検出処理サブシステムの要素のいくつかまたは全てとして、ハードウェア要素を用いることができる。
【0020】
出力デバイス208は、処理サブシステム206から受け取った情報を受け取り、表示する。好ましくは、サブシステム202、204、206、および208は高速ネットワークにより接続されることができる。
【0021】
図3は、本発明の一実施形態による事前検出信号プロセッサ240による信号処理のフローチャートを示す。ステップ300は、ADC時系列データのブロックがまとめて多重化される際に、事前検出信号プロセッサ240が、アンテナ200で受信されたターゲット経路信号130および基準経路信号140のデジタルサンプルをA/D変換器サブシステム204から受け取ることによって実行される。多重化されたADC時系列データのブロックは、データインタリーブ解除器機能部210により受け取られる。
【0022】
データインタリーブ解除器機能部210は、要求に応じて時系列データの入力ブロックから基準信号140のデータおよびターゲット信号130のデータを、後続のフィルタリングオペレーションによって抽出し、並列処理のためにADCスケールファクタを適用する。データインタリーブ解除器機能部210は、2つの主要な平行経路を用いて信号を送る。2つの主要な平行経路は、種々のタイプの狭帯域放射器をアドレス指定する。第1経路302は、基準チャネル370およびターゲットチャネル372を含み、TV搬送波を特徴とするゼロ帯域幅信号の流れを示す。第2経路304は、基準チャネル380およびターゲットチャネル382を含み、ある帯域幅を有する信号の流れを示すが、この経路の相関処理は概して、性能の点で、第1経路で用いられる直接的なパワースペクトル密度(「PSD」)推定より優れている。
【0023】
第1経路302のステップ310を参照すると、データ変換機能部212が、基準チャネル370およびターゲットチャネル372それぞれを通して基準信号140のデータおよびターゲット信号130のデータを受け取る。データ変換機能部212は、好ましくは高速フーリエ変換(「FFT」)オペレーションを用いて、離散フーリエ変換(「DFT」)を実施する。FFTオペレーションは、入力データを時間関数から周波数関数へ変換する。好ましくは、全ての範囲を網羅するために、オーバーラップセーブ(overlap-save)FFTオペレーションを実施することができる。オーバーラップセーブFFTオペレーションは、対象の各時系列データごとに独立して繰り返されるため、ターゲット信号データのそれぞれおよび基準信号データのそれぞれに固有の「save」ブロックおよびDFT出力を与える。好ましくは、DFT長Nは、小さな整数(例えば、2、3、4、または5)の積に因数分解できるように選択することができ、それによって、効率のよいFFT技法を用いて2N長のDFTを実施することができる。
【0024】
ステップ312を参照すると、等化機能部214が、基準チャネルおよびターゲットチャネルを通してデータ変換機能部212の出力を受け取る。等化機能部214は、基準信号140のデータおよびターゲット信号130のデータそれぞれにフィルタを適用する。フィルタは、対象の搬送波周波数のあたりを中心とするほぼ50kHz帯域幅にわたって振幅リップルを最小にし、ターゲット信号130のデータと基準信号140のデータの間の周波数に関する位相シフトの割合(rate)の差であるターゲット信号と基準差(target signal-to-reference differential)の群遅延、およびターゲット信号間の信号対雑音比と位相誤差の比の差である差動ゲインを最小にすることができる。フィルタは、オフラインの較正手順により得ることができる。等化機能部214は、信号を構成する周波数の分散によりチャネル内で連続的に送信される信号が重複する符号間干渉(「ISI」)を補償する。等化機能部214は、チャネル歪みを補償することによりエラーの確率を最小にする。等化手順は、データの時系列のそれぞれについて独立に繰り返すことができる。
【0025】
ステップ314を参照すると、ゼロ−ドップラー消去機能部216が、ターゲットチャネル372Bおよび基準チャネル370Bを通して受け取ったターゲット信号130に対して適応ゼロ−ドップラー消去(「ZDC」)、すなわち時間領域信号処理オペレーションを実施し、これによりターゲット信号130のデータ中にある基準信号140のデータ部分が最小にされる。各RF通過帯域(各局部発信器(「LO」)の同調ごとに異なる)について、構成可能な入力が、ZDCを行うべきかを示す。ZDCを行うべきである場合、基準信号140は、単一要素のA/Dチャネルまたは関連するセットのビーム形成係数を有するA/Dチャネルの順序リストとして指定される。ステップ313を参照すると、遅延が遅延要素により基準チャネル370C内の信号に導入されることができる。
【0026】
ステップ316を参照すると、RMS(二乗平均平方根)帯域幅計算機能部234が、基準チャネル370Cを通して基準信号140のデータを受け取り、基準140信号のデータの帯域幅のRMS値を推定する。この値は、後で検出および特徴抽出処理において行われる遅延測定の分散の計算の際に要求される。
【0027】
ステップ318を参照すると、直交復調機能部218が、等化機能部214から遅延要素およびゼロ−ドップラー消去機能部216の出力を通して基準データ140信号を受け取る。直交復調機能部218は、以下で開示するように、図5に概略的に示す時間領域信号処理オペレーションを実施する。
【0028】
ステップ320を参照すると、逆変換機能部222が、直交復調機能部218により生成されたターゲット信号130のデータおよび基準信号140のデータを受け入れて、逆変換を実施する。好ましくは、対象の信号の複素数値時系列のB/2=N−(MEFF−1)/2長のブロックを生成することができる。ターゲットアレイ要素信号および基準信号はそれぞれ独立して処理される。好ましくは、実効フィルタ長は奇数である。
【0029】
ステップ322を参照すると、ビーム形成機能部224が、先行する機能部により生成されたターゲット信号130のデータを受け入れ、方位角および仰角の特定のラインに沿って選択性を有するターゲットビームを形成するために、それらのデータを結合する。ビーム形成機能322は、任意のステップであり得る。
【0030】
ステップ324を参照すると、(「CPI」)選択機能部226が、先行する機能部から生成されたターゲット信号130および基準信号140を受け取り、ネットワーク内の全ての受信機ノードからの検出レポートデータに正確に時間タグを付けてそれらを同期させるために、CPIを選択する。CPI選択は、時間タグを(「GPS」)時間に基づかせること、および規定された時点(time instants)に集中したCPIを選択することにより行われる。この時間間隔は、約数十ミリ秒〜約数百ミリ秒の範囲であり得る。GPS時間は、GPS受信機から周期的にラッチされ、最も近い時間のA/Dサンプルと関連付けられる。このGPS時間マークにより、メモリ内のバッファリングされた全てのA/Dデータに、GPS時間マークからのサンプリングレートおよびサンプル数を用いて正確に時間タグを付けることができる。
【0031】
ステップ326を参照すると、動作補償機能部228が、CPI選択機能部226から信号を受け取り、対象のターゲット(「TOI」)のトラッカフィードバックを受け入れること、およびCPIにわたるその動きを補償してTOIの検出性能を高めることにより、動作補償を実施する。動作補償オペレーションは、処理制御のオプションの1つとして行うことができる。動作補償機能部326は、状態ベクトル時間とCPI時間の時間差が以下の閾値を越えない場合に、動作補償を実施する。
【0032】
【数1】

【0033】
動作補償オプションが実施される場合、フィードバックは、TOI自体がトラッカ機能において特定された後に周期的に供給される状態ベクトルである。状態ベクトルフィードバックは、以下のベクトルトリプレット(vector triplet)により示される。
【0034】
【数2】

【0035】
ここで、R0、V0、およびA0は、時間t0におけるターゲットの位置、速度、および加速度のベクトルを示す。
【0036】
ステップ328を参照すると、パワースペクトル密度(「PSD」)推定機能部230が、先行する機能部から生成されたターゲット信号130および基準信号140を受け取り、パワースペクトル密度を推定する。一実施形態では、PSDの推定値として窓付きピリオドグラムが計算される。他のスペクトル密度推定器を用いてもよい。ピリオドグラムは離散フーリエ変換に基づいている。ピリオドグラムは、スペクトル中の別個のピークとしての1つの周波数値付近のシヌソイドの存在を表示する。一実施形態では、ピリオドグラムは次式に従って計算することができる。
【0037】
【数3】

【0038】
ここで、k=0、1、...、N−1であり、CPI内のデータはX[n](n=0、1、...、N−1)として示され、窓はW[n](n=0、1、...、N−1)として示される。
【0039】
窓関数は、構成パラメータWINDOPにより選択される。
【0040】
ハミング窓およびブラックマン窓を用いることができる。ハミング窓は次式によって定義することができる。
【0041】
【数4】

【0042】
ここで、n=0、1、...、N−1である。ハミング窓のパワーゲインは、定振幅信号の場合は−5.4dBであり、白色雑音系列の場合は−4.0dBである。ブラックマン窓は次式によって定義することができる。
【0043】
【数5】

【0044】
ここで、n=0、1、...、N−1であり、a0=0.42323、a1=0.49755、a2=0.07922である。
【0045】
ブラックマン窓のパワーゲインは、定振幅信号の場合は−7.5dBであり、白色雑音系列の場合は−5.1dBである。検出処理ステップでは、全雑音パワーはピリオドグラム成分の平均であり、「雑音ビン」として区分されるビン全体でこの平均が取られる。
【0046】
各リンクごとに、動きを補償するために信号が変調された後にパワースペクトル密度が推定される。検出器は、各リンク「k」のターゲットについての予測されたドップラーと略等しいドップラーを選択可能な区間内に有する時の、すなわち、常に、次式である場合の検出レポートを受け入れる。
【0047】
【数6】

【0048】
図3に示すように、基準信号140およびターゲット信号130が第1経路302で処理されるのと同時に、これとは別に、これらの信号は相関処理のために第2経路304で処理される。第2経路304での信号処理ステップを以下に開示する。
【0049】
第2経路304のステップ330を参照すると、データ変換機能部212が、基準チャネル380およびターゲットチャネル382それぞれを通して基準信号140のデータおよびターゲット信号130のデータを受け取る。データ変換機能部212は、上記で開示したように、好ましくは高速フーリエ変換オペレーションを用いることにより、後続のフィルタリングオペレーションで所望される離散フーリエ変換を実施する。
【0050】
ステップ332を参照すると、等化機能部214が、基準チャネル380およびターゲットチャネル382を通してデータ変換機能部212の出力を受け取る。等化機能部214は、基準信号140のデータおよびターゲット信号130のデータそれぞれにフィルタを適用して、チャネル歪みを補償するようにする。等化手順は、データの時系列のそれぞれについて独立に繰り返すことができる。
【0051】
ステップ334を参照すると、ゼロ−ドップラー消去機能部216が、ターゲットチャネル382Bおよび基準チャネル380Bを通して受け取ったターゲット信号130に対して、図5に概略的に示す適応ゼロ−ドップラー消去オペレーションを実施して、ターゲット信号130のデータ中にある基準信号140のデータ部分を最小にする。ステップ333を参照すると、遅延が遅延要素により基準チャネル380C内の信号に導入することができる。
【0052】
ステップ336を参照すると、二乗平均平方根帯域幅計算機能部234が、基準チャネル380Cを通して基準信号140のデータを受け取り、基準信号140のデータの帯域幅のRMS値を推定する。この値は、続く検出および特徴抽出処理において行われる遅延測定の分散の計算の際に要求される。
【0053】
ステップ338を参照すると、直交復調機能部218が、等化機能部214からステップ333の遅延要素およびゼロ−ドップラー消去機能部216の出力を通して基準信号140を受け取る。直交復調機能部218は、図5に関して概略的に開示する時間領域信号処理オペレーションを実施する。
【0054】
ステップ340を参照すると、逆変換機能部222が、直交復調機能部218により生成されたターゲット信号130のデータおよび基準信号140のデータを受け入れて、逆変換オペレーションを実施する。好ましくは、対象の信号の複素数値時系列のB/2=N−(MEFF−1)/2長のブロックが生成され得る。ターゲットアレイ要素信号および基準信号はそれぞれ独立して処理される。好ましくは、実効フィルタ長は奇数である。
【0055】
ステップ342を参照すると、ビーム形成機能部224が、先行する機能部により生成されたターゲット信号130のデータを受け入れ、方位角および仰角の特定のラインに沿って選択性を有するターゲットビームを形成するために、それらのデータを結合する。ビーム形成機能は、任意のステップであり得る。
【0056】
ステップ344を参照すると、上記で開示したように、CPI選択機能部226が、先行する機能部において生成されたターゲット信号130および基準信号140を受け取り、ネットワーク内の全ての受信機ノードからの検出レポートデータに正確に時間タグを付けてそれらを同期させるために、CPIを選択する。ステップ346を参照すると、動作補償機能部228が、CPI選択機能部226から信号を受け取り、対象のターゲット(「TOI」)のトラッカフィードバックを受け入れること、およびCPIにわたるその動きを補償してTOIの検出性能を高めることにより、動作補償を実施する。動作補償オペレーションは任意であり得る。
【0057】
第2経路304のステップ350を参照すると、クロスアンビギュイティ関数形成推定機能部232が、先行する機能部から生成されたターゲット信号130および基準信号140を、ターゲットチャネル380Cおよび基準チャネル380Dそれぞれを通して受け取る。クロスアンビギュイティ関数形成推定機能部232は、ターゲット信号それぞれのT個のサンプルのCPIにわたってクロスアンビギュイティを計算する。クロスアンビギュイティ関数は、2つの信号またはシステム間の共通性を抽出して、これらの共通性の存在および構造を確定する。コヒーレント処理区間は、ある率、1−1/ρ(ρ=2、4など)だけ重なっている可能性がある。
【0058】
これとは別に、ステップ348において、パワースペクトル密度推定機能部230が、先行する機能部から生成された基準信号140を基準チャネル382Cを通して受け取り、パワースペクトル密度を推定する。
【0059】
図4は、本発明の一実施形態による、事前検出信号処理プロセッサ240内の適応ゼロ−ドップラー消去デバイスを示す。ゼロ−ドップラー消去機能部216が、時系列ターゲット信号130のデータおよび時系列基準信号140のデータを、基準チャネル370Bおよびターゲットチャネル372Bそれぞれを通して受け取る。ターゲットチャネル372Bは、ターゲット信号130を遅延要素404に通す。受け取られた第1基準信号データは、フィルタ410により受け取られた第1ターゲット信号データに関してフィルタリングされる。受け取られたフィルタリング済みの第1基準信号データは、受け取られた第1ターゲット信号データと結合されて、受け取られた第1ターゲット信号データ中にある受け取られた第1基準信号データ部分が最小にされる。次に、フィルタ更新機能部412が、フィルタ410を受け取られた第2ターゲット信号データと比較することにより、受け取られた第2ターゲット信号データに関してフィルタ410を更新する。基準チャネル370Bを通して受け取られた第2基準信号データは、受け取られた第2ターゲット信号データに関して更新されるフィルタ410でフィルタリングされる。次に、フィルタリング済みの受け取られた第2基準信号データは、第2ターゲット信号データと結合される。フィルタ410は、フィルタ410を時系列それぞれと比較することにより、ターゲットチャネル372Bを通して受け取られたターゲット信号130のデータの時系列それぞれに関して、フィルタ更新機能部412により継続的に更新される。開示されるゼロ−ドップラー消去オペレーションは、各要素の時系列ごとに独立して繰り返すことができる。基準信号140のデータは、適応的に(adaptively)フィルタリングされる。フィルタリング済みの基準信号140のデータの時系列はそれぞれ、ターゲット信号130のデータの時系列のそれぞれと結合される。フィルタ410は、適応ウィーナフィルタを含むことが好ましい。開示された適応ゼロ−ドップラー消去を適用することにより、移動ターゲットに関するより正確なターゲット信号データが生成される。
【0060】
図5は、本発明の一実施形態による直交復調デバイスの概略図である。実数値信号データの位相は、データにexp(−j(π/2)m)を掛けることによりシフトさせることができる。π/2の中心周波数を有する実数値の信号データは、復調され、(「FIR LPF」)などのローパスフィルタ512でフィルタリングされ、複素数値の信号データを生成するために間引きされる。実数値の入力時系列データは復調、フィルタリング、および間引きされ、0ラジアン/サンプルを中心とし(centered at zero radians per sample)、かつサンプル速度が低減された時系列の複素数すなわち直交表示を生成する。間引き要素514が、入力時系列データを間引きすることができる。
【0061】
複素包絡線、すなわち直交表示において同相成分および直交成分を有するローパス関数である実数値の信号データを見つけることにより、乗算係数exp(−j(π/2)m)が存在することによって複雑になるバンドパス系の解析は、フィルタリング処理の本質を保つ、等価ではあるがずっと単純なローパス解析と置換される。図5に示す復調、フィルタリング、および間引きは、よりメモリ効率の高いオペレーションを用いて信号に結合され得る。さらに、実効フィルタ長が奇数である場合、位相アキュムレータはπ/2の倍数の値を取り得るため、位相アキュムレータによる乗法は符号反転(sign change)として実施することができる。直交復調機能部218は、受信したターゲット信号のデータおよび受信した基準信号140のデータに対して、図5における信号処理オペレーションを実施する。
【0062】
図6は、本発明の別の実施形態による事前検出信号処理のフローチャートである。以下に開示される信号処理オペレーションは、事前検出プロセッサ240を用いて行うことができる。しかし、事前検出プロセッサ240は、参照により本明細書に援用される米国特許第5,604,503号に開示される一定モジュラス基準再生(constant modulus reference regeneration)という代替手法を、基準チャネルなしで用いることができる。
【0063】
ステップ600を参照すると、ADC時系列データのブロックがまとめて多重化される際に、事前検出信号プロセッサ240は、ターゲット経路信号130および基準経路信号140のデジタルサンプルをA/D変換器サブシステム204から受け取る。ADC時系列データのブロックは、データインタリーブ解除器機能部210により受け取られる。図6を参照して開示した実施形態によると、データインタリーブ解除器機能部210は、基準信号140のデータおよびターゲット信号130のデータを時系列データの入力信号データブロックから抽出するべきではない。データインタリーブ解除器機能部210は、2つの平行経路、第1経路602および第2経路604を用いて信号を通過させる。第1経路602は、TV搬送波を特徴とするゼロ帯域幅信号の流れを示す。第2経路604は、ある帯域幅を有する信号の流れを示すが、この経路の相関処理は概して、性能の点で、第1経路602で用いられる直接的なパワースペクトル密度(「PSD」)推定より優れている。
【0064】
第1経路602の信号処理ステップを以下に開示する。ステップ610を参照すると、データ変換機能部212が、第1経路602を通してターゲット信号130のデータおよび基準信号140のデータを有する入力信号を受け取る。データは、ターゲットチャネル672および基準チャネル670それぞれを通して受け取られ得る。データ変換機能部212は、好ましくは高速フーリエ変換(「FFT」)オペレーションを用いることにより、後続のフィルタリングオペレーションで所望される離散フーリエ変換オペレーションを実施する。FFTオペレーションは、入力データを時間関数から周波数関数へ変換する。好ましくは、全ての可能な範囲の周波数を網羅するために、オーバーラップセーブFFTオペレーションを実施することができる。オーバーラップセーブFFTオペレーションは、対象の各時系列データごとに独立して繰り返されるため、入力信号データに固有の「save」ブロックおよび「DFT」出力を与える。好ましくは、DFT長Nは、小さな整数(例えば、2、3、4、または5)の積に因数分解されるように選択することができ、それによって、効率のよいFFT技術を用いて2N長のDFTを実施することができる。
【0065】
ステップ612を参照すると、等化機能部214が、データ変換機能部212の出力を受け取り、固有のフィルタを出力に適用する。ステップ614を参照すると、直交復調機能部218が、等化機能部214の出力を受け取り、図5を参照して開示した時間領域信号処理オペレーションを実施して、0ラジアン/サンプルを中心とする時系列の複素数表示を生成する。
【0066】
ステップ616を参照すると、基準ビーム再生機能部220が、直交復調機能部218の出力を受け取り、参照により本明細書に援用される米国特許第5,604,503号に開示されるように基準信号140(すなわちD−P信号)およびターゲット信号130(すなわちT−P信号)を推定する。
【0067】
ステップ618を参照すると、ゼロ−ドップラー消去機能部216が、基準ビーム再生機能部220により推定されたターゲット信号130および基準信号140を、ターゲットチャネル672Bおよび基準チャネル670Bそれぞれを通して受け取る。ZDC機能部216が、図4を参照して上記で開示した時間領域信号処理オペレーションを実施する。ステップ617を参照すると、遅延が遅延要素により基準チャネル670C内の信号に導入され得る。
【0068】
ステップ620を参照すると、RMS帯域幅計算機能部234が、基準チャネル670C内の基準信号140の帯域幅を推定する。推定値は、後続の検出および特徴抽出処理で実施される遅延測定の分散の計算の際に要求される。
【0069】
ステップ622を参照すると、基準信号140およびターゲット信号130のデータが、逆変換機能部222において受け取られる。上記で開示したように、逆変換機能部222は、上記で開示した直交復調機能部218により生成されたターゲットアレイ要素信号のN長のDFTと、基準信号140のN長のDFTとを受け入れることができる。逆変換機能部222は、信号130および140の複素数値時系列のB/2=N−(MEFF−1)/2長のブロックを生成する。ターゲットアレイ要素信号および基準信号140は上記で開示したように独立して処理され得る。好ましくは、実効フィルタ長は奇数である。
【0070】
ステップ624を参照すると、ビーム形成機能部224が、先行する機能部により生成されたターゲット信号130のアレイ要素信号または基準信号140を受け入れる。ビーム形成機能部224は、アレイ要素信号を結合して、方位角および仰角の特定のラインに沿って選択性を有する信号を形成する。このステップは、信号処理オペレーションにおいて任意であり得る。
【0071】
ステップ626を参照すると、CPI選択機能部226が、全地球測位(「GPS」)受信機のGPS時間を周期的にラッチし、その時間を最も近い時間のA/Dサンプルと関連付けることができる。GPS時間マークを用いて、事前検出プロセッサ240に接続されたメモリ内のバッファリングされた全てのA/Dデータに、このマークからのサンプリングレートおよびサンプル数を用いて正確に時間タグを付けることができる。したがって、GPI選択機能部226は、時間タグをGPS時間に基づかせること、および規定された時点に集中したCPIを選択することにより、ネットワーク内の全ての受信機ノードからの検出レポートデータに時間タグを付けてそれらを同期させることができる
【0072】
ステップ628を参照すると、動作補償機能部228が、TOIのトラッカフィードバックを受け入れ、CPIにわたるその動きを補償することによりTOIの検出性能を高める。ステップ628からのフィードバックは、図3のステップ326を参照して開示したように、TOI自体がトラッカ機能において特定された後に周期的に供給される状態ベクトルであり得る。ステップ628は任意であり得る。ステップ630を参照すると、図3のステップ328を参照して上記で開示したように、パワースペクトル密度機能部230が、パワースペクトル密度(「PSD」)の推定値として窓付きピリオドグラムを計算する。
【0073】
第2経路604の処理ステップは、基準チャネル680の基準信号140およびターゲットチャネル682のターゲット信号130を受け取る。第2経路604は、いくつかの変化を除いて第1経路602の順序に従う。ステップ631を参照すると、データ変換機能部212は、好ましくは高速フーリエ変換オペレーションを用いることにより、後続のフィルタリングオペレーションで所望される離散フーリエ変換演算を実施する。FFT変換は、入力データを時間関数から周波数関数へ変換する。好ましくは、全ての可能な範囲の周波数を網羅するために、オーバーラップセーブFFTオペレーションを実施することができる。オーバーラップセーブFFTオペレーションは、対象の各時系列データごとに独立して繰り返されるため、入力信号データに固有の「save」ブロックおよび「DFT」出力を与える。好ましくは、DFTの長さNは、小さな整数(例えば、2、3、4、または5)の積に因数分解されるように選択することができ、それによって、効率のよいFFT技術を用いて2N長のDFTを実施することができる。
【0074】
ステップ632を参照すると、等化機能部214が、データ変換機能部212の出力を受け取り、出力に固有のフィルタを適用する。ステップ634を参照すると、直交復調機能部218が、等化機能部214の出力を受け取り、図5を参照して開示した時間領域信号処理オペレーションを実施して、0ラジアン/サンプルを中心とする時系列の複素数表示を生成する。
【0075】
ステップ636を参照すると、基準ビーム再生機能部220が、直交復調機能部218の出力を受け取り、参照により本明細書に援用される米国特許第5,604,503号に開示されるように、基準信号140(すなわちD−P信号)およびターゲット信号130(すなわちT−P信号)を推定する。
【0076】
ステップ638を参照すると、ゼロ−ドップラー消去機能部216が、基準ビーム再生機能部220により推定されたターゲット信号130および基準信号140を、ターゲットチャネル682Bおよび基準チャネル680Bそれぞれを通して受け取る。ZDC機能部216が、図4を参照して上記で開示した時間領域信号処理オペレーションを実施する。ステップ637を参照すると、遅延が遅延要素により基準チャネル680C内の信号に導入され得る。
【0077】
ステップ640を参照すると、RMS帯域幅計算機能部234が、基準チャネル680C内の基準信号140の帯域幅を推定する。推定値は、後続の検出および特徴抽出処理で実施される遅延測定の分散の計算の際に要求される。
【0078】
ステップ622を参照すると、基準信号140およびターゲット信号130のデータが、逆変換機能部222において受け取られる。上記で開示したように、逆変換機能部222は、上記で開示した直交復調機能部218により生成されたターゲットアレイ要素信号のN長のDFTと、基準信号140のN長のDFTとを受け入れることができる。逆変換機能部222は、信号130および140の複素数値時系列のB/2=N−(MEFF−1)/2長のブロックを生成する。ターゲットアレイ要素信号および基準信号140は上記で開示したように独立して処理され得る。好ましくは、実効フィルタ長は奇数である。
【0079】
ステップ644を参照すると、ビーム形成機能部224が、先行する機能部により生成されたターゲット信号130のアレイ要素信号または基準信号140を受け入れる。ビーム形成機能部224は、アレイ要素信号を結合して、方位角および仰角の特定のラインに沿って選択性を有する信号を形成する。このステップは、信号処理オペレーションにおいて任意であり得る。
【0080】
ステップ648を参照すると、動作補償機能部228が、TOIのトラッカフィードバックを受け入れ、CPIにわたるその動きを補償することによりTOIの検出性能を高める。ステップ648からのフィードバックは、図3のステップ326を参照して開示したように、TOI自体がトラッカ機能において特定された後に周期的に供給される状態ベクトルであり得る。ステップ648は任意であり得る。
【0081】
ステップ650を参照すると、クロスアンビギュイティ関数(「CAF」)形成推定機能部232が、先行する機能部から生成されたターゲット信号130および基準信号140を、ターゲットチャネル682Cおよび基準チャネル680Dそれぞれを通して受け取る。CAF形成推定機能部232は、ターゲット信号130などのターゲット信号それぞれのT個のサンプルのCPIにわたってクロスアンビギュイティを計算する。CAFは、2つの信号またはシステム間の共通性を抽出して、これらの共通性の存在および構造を確定する。CPIは、ある率、例えば1−1/ρ(ρ=2、4など)だけ重なっている可能性がある。ステップ652を参照すると、図3のステップ328を参照して上記で開示したように、パワースペクトル密度機能部230が、パワースペクトル密度(「PSD」)の推定値として窓付きピリオドグラムを計算する。
【0082】
ビーム形成前に行われるフィルタリングオペレーション、例えば等化、ゼロ−ドップラー消去、直交復調、および逆変換は、CPIの選択および推定PSDおよびCAF機能の形成の直前に入力時系列データの連続ブロックが出力時系列データの連続ブロックを生成するように、オーバーラップセーブ高速畳み込みオペレーションを用いて実施され得る。オーバーラップセーブフィルタリングオペレーションは、ターゲットアレイ要素信号を等化し、各ターゲットアレイ要素信号の基準信号の量を最小にする。
【0083】
さらに、オーバーラップセーブフィルタリングオペレーションは、0ラジアン/サンプルを中心とするターゲット要素信号データの複素数表示を生成し得る。開示した機能部は、リアルタイムで動作する。理解され得るように、本発明の事前検出信号処理により、ターゲットアレイ要素からの干渉信号エネルギーを消去することができる。さらに、ターゲットアレイ要素信号は、指定された方位角に沿った指向性ビームに変換することができる。
【0084】
本発明の精神または範囲から逸脱しない限り、本発明の開示された実施形態に様々な変更および変形を加えることができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、任意の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内にある限り、本発明の変更および変形を包含することが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一実施形態による、パッシブコヒーレント探索システム、ターゲット、および複数の送信機のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるパッシブコヒーレント探索システムのブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるパッシブコヒーレント探索システムでの事前検出信号処理のフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態によるゼロ−ドップラー消去デバイスの概略図である。
【図5】本発明の一実施形態による直交復調デバイスの概略図である。
【図6】本発明の別の実施形態によるパッシブコヒーレント探索システムでの事前検出信号処理のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッシブコヒーレント探索アプリケーションにおいて、狭帯域事前検出信号を処理する方法であって、
第1基準信号および第1ターゲット信号を受け取る工程、
第1出力基準信号を形成するために、フィルタを用いて前記第1ターゲット信号に関して前記第1基準信号をフィルタリングする工程、
第1出力ターゲット信号を形成するために、前記第1出力基準信号を前記第1ターゲット信号と結合する工程、
第2基準信号および第2ターゲット信号を受け取る工程、
前記第1ターゲット信号と前記第2ターゲット信号の差に関して前記フィルタを更新する工程、
第2出力基準信号を形成するために、更新された前記フィルタを用いて前記第2基準信号をフィルタリングする工程、および
第2出力ターゲット信号を形成するために、前記第2出力基準信号を前記第2ターゲット信号と結合する工程、
を備える方法。
【請求項2】
前記第1ターゲット信号および前記第2ターゲット信号は、移動ターゲットから反射する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フィルタは、適応ウィーナフィルタを備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フィルタリングステップは、前記第1ターゲット信号および前記第2ターゲット信号から前記第1基準信号および前記第2基準信号の部分を減らす請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1入力信号から前記第1基準信号および前記第1ターゲット信号を、また第2入力信号から前記第2基準信号および前記第2ターゲット信号を抽出する工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項6】
チャネル歪みを補償するために、前記第1ターゲット信号および前記第2ターゲット信号、ならびに前記第1基準信号および前記第2基準信号をフィルタリングする工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1基準信号の二乗平均平方根帯域幅を計算する工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1基準信号および前記第2基準信号、ならびに前記第1出力ターゲット信号および前記第2出力ターゲット信号を復調し、前記第1基準信号および前記第2基準信号、ならびに前記第1出力ターゲット信号および前記第2出力ターゲット信号の複素数値表示を生成する工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1基準信号および前記第2基準信号、ならびに前記第1出力ターゲット信号および前記第2出力ターゲット信号の前記複素数値表示を間引きする工程をさらに備える請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第1入力信号から前記第1基準信号および前記第1ターゲット信号を推定する工程、および第2入力信号から前記第2基準信号および前記第2ターゲット信号を推定する工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1基準信号を推定する工程は、前記第1入力信号から前記基準信号の大きさを推定する工程を備える請求項14に記載の方法。
【請求項12】
前記第1基準信号および前記第1ターゲット信号を推定する前に、前記第1入力信号を復調し、前記第1入力信号の複素数値表示を生成する工程をさらに備える請求項14に記載の方法。
【請求項13】
前記第1入力信号の前記複素数値表示を間引きする工程をさらに備える請求項16に記載の方法。
【請求項14】
前記フィルタリングする工程および前記結合する工程は、2つの経路において同時に行われる請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記経路のそれぞれにおいてコヒーレント処理区間を選択する工程をさらに備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ターゲットのトラッカフィードバックを受け入れて、前記経路のそれぞれにおける前記コヒーレント処理区間にわたる動きを補償する工程をさらに備える請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記動作補償後にパワースペクトル密度を推定する工程をさらに備える請求項16に記載の方法。
【請求項18】
同時に、
前記経路のそれぞれについてパワースペクトル密度を推定する工程と、
前記経路の一方についてクロスアンビギュイティ関数を推定する工程と
をさらに備える請求項14に記載の方法。
【請求項19】
パッシブコヒーレント探索アプリケーションのための狭帯域事前検出信号を処理する方法であって、
ターゲットから反射したターゲット信号を含む入力信号を受け取る工程、
コヒーレント処理区間を選択する工程、および
ターゲットのトラッカフィードバックを受け入れて、前記コヒーレント処理区間にわたる動きを補償する工程、
を備える方法。
【請求項20】
前記動作補償後にパワースペクトル密度を推定する工程をさらに備える請求項19に記載の方法。
【請求項21】
パッシブコヒーレント探索アプリケーションにおいて、狭帯域事前検出信号を処理するシステムであって、
第1基準信号および第1ターゲット信号を受け取る手段、
フィルタを用いて前記第1ターゲット信号に関して前記第1基準信号をフィルタリングする手段であって、それにより第1出力基準信号を形成する、フィルタリングする手段、
前記第1出力基準信号を前記第1ターゲット信号と結合する手段であって、それにより第1出力ターゲット信号を形成する、結合する手段、
第2基準信号および第2ターゲット信号を受け取る手段、
前記第1ターゲット信号と前記第2ターゲット信号の差に関して、前記フィルタを更新する手段、
更新された前記フィルタを用いて前記第2基準信号をフィルタリングする手段であって、それにより第2出力基準信号を形成する、フィルタリングする手段、および
前記第2出力基準信号を前記第2ターゲット信号と結合する手段であって、第2出力ターゲット信号を形成する、結合する手段、
を備えるシステム。
【請求項22】
パッシブコヒーレント探索アプリケーションのための、狭帯域事前検出信号を処理するシステムであって、
ターゲットから反射したターゲット信号を含む入力信号を受け取る手段、
コヒーレント処理区間を選択する手段、および
ターゲットのトラッカフィードバックを受け入れて、前記コヒーレント処理区間にわたる動きを補償する手段、
を備えるシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−122409(P2008−122409A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−337699(P2007−337699)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【分割の表示】特願2002−588223(P2002−588223)の分割
【原出願日】平成14年5月6日(2002.5.6)
【出願人】(503148122)ロッキード・マーティン・コーポレイション (6)
【氏名又は名称原語表記】LOCKHEED MARTIN CORPORATION
【住所又は居所原語表記】700 N. Frederick Avenue, Gaithersburg, MD 20879, U.S.A.
【Fターム(参考)】