説明

パナックス種を含む組成物及び方法

増量した量のジンセノシド、ポリアセチレン、精油及び/又は多糖を含む組成物を、好適な抽出法と共に解説する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ウコギ科のパナックス・ジンセン(原語:Panax
ginseng)(アジアニンジン、韓国ニンジン)の根茎であるニンジンは東洋医学において古来より刺激剤、強壮剤、利尿剤及び消化促進剤として用いられてきた。ヨーロッパではニンジン植物薬が市販されており、心身の能力を高めたり、ストレス及び疾病に対する抵抗を提供したり、疲労を緩和したりするために摂取されている。数千年に渡って継続的に収穫及び使用されてきたために、チョウセンニンジン根の天然の供給は随分以前に枯渇している。今日ではチョウセンニンジン根のほとんど全ては中国、韓国及び日本で栽培されている。
【0002】
ニンジンの数多くの同属種が薬剤として用いられる。北米で野生で育つP.キンケフォリウム・L.(原語:P. quinquefolium L.) (アメリカニンジン)根は、今では、チョウセンニンジンとは少し異なる目的のために医療で用いられるアジア市場への輸出に向けて栽培されている。P.ノトジンセン(原語:P. notoginseng )(サンチ・ジンセン(原語:Sanchi ginseng)としても知られる)は、古来より現在に至るまで伝統的な漢方薬(TCM)で特殊なハーブとして用いられてきた。限定はしないが P.ジャポニクス(原語:P. japonicus)、P.シュード−ジンセン、(原語:P. pseudo-ginseng)、P.ヴェトナメンシス(原語: P. vietnamensis)、エレウセロコッカス−センチコスス(原語:Eleutherococcus senticosus)(シベリアニンジン)、及び他の種、亜種、又は変種などの他の種もアジアの植物医学で用いられてきた。
【0003】
パナックス根茎(ニンジン根)の構成成分は20世紀初頭から調査されている。いくつかのクラスの化合物が単離されており、個々の化学的構成成分のいくつかはそれらの生物学的効果について研究されてきた。多様なニンジン根に汎存するクラスの化合物のいくつかには、トリテルペンサポニン、ポリアセチレンとして公知の化学物質が含まれる精油、多糖、セスキテルペン、ペプチドグリカン、含窒素化合物、及び脂肪酸、糖質、及びフェノール化合物などの他のものがある(2)。ニンジンの薬理効果に寄与していると考えられるその化学的構成成分が1950年代から調査されてきた。これらの調査に基づく主な対生物活性化合物はトリテルペンサポニン(例えばジンセノシド)、ポリアセチレン、及び多糖である (2-7)。
【0004】
パナックス(原語:Panax)種はすべて、集合的にジンセノシド(又はパノキソシド)と呼ばれる一クラスのトリテルペンサポニンを含有している。ジンセノシド類は一個の4トランス環の不動の骨格を含有し、個々のジンセノシドはそれらの糖部分の数、種類及び位置や、トリテルペン又はステロイド部分の骨格構造で異なる(3)。ジンセノシド類は「ジンセノシドRx」(式中、「x」は薄層クロマトグラフィで分析したときのスポットのRf値の配列に相当する。公知のジンセノシドの中には R0、Rba1、Rb2、Rc、Rd、Re、Rf、Rg1、Rg2、Rg3、Rg5、Rh1、Rh2、R1、及びR2がある。ジンセノシドは更にステロイド部分の骨格構造に基づいてグループに分類され、その中には、 20(S) プロトパナキサジオール骨格(集合的にRb グループ)、20(S) プロトパナックストリオール骨格(集合的にRg グループ)、オコチロール骨格 及びオレアナン骨格に基づくジンセノシド類がある。Rb グループの具体的なジンセノシドにはRb1、Rb2、Rc、Rd 及びいくつか他の関連化合物がある。Rg グループの具体的なジンセノシドには、Rg、Re、Rf、Rg2 及びいくつか他の関連化合物がある。図5はRh1、Rh2、Rg3、及び Rg5 (Glc =β-D-グルコピラノシル-、Glc-Glc=β-D-グルコピラノシル(1→2)β-D-グルコピラノシル-)の化学構造を示すものである。
【0005】
チョウセンニンジン抽出物及び製剤(ジンセノシド、ポリアセテレン(原語:polyacetelene)及び多糖画分)の薬理効果の概観が示されている (2-8)。ニンジン由来の生成物の製剤及び定義は多様な欧州の薬局方で明らかにされている。スイスの薬局方であるファーマコペア・ヘルベチカ(原語:Pharmacopoea Helvetica)(コミッション・スイス・デ・ファーマコペー(原語:Commission Suisse de Pharmcopee)は、ジンセノシドRg1の豊富度で計算したときの総ジンセノシド含有量を2.0%未満でないことを求めている。ドイツ薬局方(ハーバル・メディスン−エクスパンデッド・コミッションE.モノグラフ、(原語:Herbal Medicine − Expanded Commission E Monographs)Blumenthal,
M. et al., Integrative Medicine Communications, 2000, pp. 170-177) によれば、総ジンセノシド含有量は分光光度的定量法を用いたときに1.5%未満であってはならない。対照的に、欧州薬局方 (European Pharmacopoeia Commission, European
Directorate for the Quality of Medicines - Council of Europe, 2001) の第4版では、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)法を用いて測定したときのジンセノシドRg1 及び Rb1 の含有量は0.3%未満であってはならないとされている。しかしながら、ニンジン製品を購入する米国内の消費者は、供給源及び製品を注意深く考慮しなければならない。連邦機関のいずれも、数多くの製品の成分に品質管理を法的に強制していない。54種のいわゆるニンジン製品の研究で、25%がジンセノシドを全く含有しておらず、60%は微量しか含有していないことが見出された (8-10)。
【0006】
古い文献(2)に記載されているニンジン調査時の基本的な生理学的効果には以下のものがある:全身の強壮;免疫機能の刺激;血圧降下を含む心臓血管系に対する有益な効果;血清中総コレステロール、低密度リポタンパク質コレステロール及びトリグリセリド・レベルの減少や、血清中高密度リポタンパク質コレステロールレベルの増加;肝臓内のアルコールデヒドロゲナーゼの刺激やアルコールの酸化;血糖値の低下;下垂体副腎皮質系の刺激、アンチエイジング、及び腫瘍成長の阻害。興味深いことに、Rg1 は中枢神経系を刺激し、タンパク質DNA、及びRNA合成を亢進すると言われているが、他方、Rb1は精神安定効果を有し、記憶を促進することから、やはり、様々な異なる種のパナックスに伴う様々な生物学的効果に説明がつくかも知れない(6)。
【0007】
最近の実験及び臨床研究では、パナックス種の多様な化学物質及び化学画分について以下の生理活性上の特性が実証されている:強力な抗酸化活性(Rg1、Rb1、抽出物)(11-17);心臓血管の保護(Rg1、Rb1、抽出物) (11-21);免疫学的亢進及び抗ウィルス、抗インフルエンザ(Rg1、多糖、抽出物) (22-34);細胞保護作用(多糖、抽出物) (17, 20, 35);神経保護及び抗痴呆(ジンセノシド、Rb1、Rg2、Rg3、抽出物) (36-40);血小板凝集阻害(ジンセノシド、Ro、Rg1、Rg2、ポリアセチレン、抽出物) (41-44);カルシウムチャンネル阻害 (Rf) (45);抗癌(Rg3、Rh2、ポリアセチレン、多糖)(46-52);抗炎症(ポリアセチレン、抽出物) (53, 54);抗コレステロール(抽出物) (55, 56);血糖効果及び抗糖尿病(多糖、抽出物) (57-60);肺疾患保護及び治療(抽出物) (34, 61);肝臓保護及び疾患治療(抽出物) (62, 63);勃起能の亢進(抽出物) (64-67);記憶及び認知の亢進(Rb1、Rg1、ポリアセチレン) (37, 38, 68, 69);及び慢性疲労(抽出物) (70, 71)。
【0008】
現在入手できるニンジン製品は、ジンセノシドの含有量の点だけでなく、精油及び多糖などの重要な化学的構成成分の点でも、それらの化学的組成が疑わしい。求められているのは、限定はしないが、トリテルペンサポニン(例えばジンセノシド)、精油(例えばポリアセチレン)、及び多糖画分などの生理活性プロファイルが向上した、これらの生理学的かつ医学的に有益な生理活性パナックス構成成分を、標準化され、かつ信頼できる量、作製できるような、パナックス及び関連種を抽出する方法と、パナックス抽出組成物である。
【0009】
発明の概要
いくつかの局面では、本発明は新規な組成物と、同新規な組成物の医薬製剤とを特徴とする。いくつかの実施態様では、本組成物は少なくとも一種のジンセノシドを重量で10%を越える量、含む。当該のジンセノシドはR0、R1、R2、Ra、Rb1、Rb2、Rc、Rd、Re、Rf、Rg1、Rg2、Rg3、Rg5、Rh1、Rh2、Rh4、Rs1、Rs2、Rs3、又は Rs4を含むであろう。いくつかの組成物は少なくとも一種のジンセノシドを重量で15、20、25、30、35、40、45 又は50% 越える量、含む。
【0010】
更なる実施態様は、ポリアセチレンを重量で1、2、4、6、8、又は 10%を越える量、含む組成物を特徴とするものである。当該のポリアセチレンは、パナナキシノール、パナキシドール、パナキシトリオール、 アセチルパナキシドール、クロロパパキシドール、パナキシドールクロロヒドリン、パナキシン、ジンセノインA、ジンセノインB、ジンセノインC、ジンセノインD、ジンセノインE、ジンセノインF、ジンセノインG、ジンセノインH、ジンセノインI、ジンセノインJ、又はジンセノインKを含むであろう。いくつかの実施態様では、当該のポリアセチレンはパナナキシノール、パナキシドール、パナキシトリオール、アセチルパナキシドール、クロロパパキシドール、パナキシドールクロロヒドリン、パナキシン、ジンセノインA、ジンセノインB、ジンセノインC、ジンセノインD、ジンセノインE、ジンセノインF、ジンセノインG、ジンセノインH、ジンセノインI、ジンセノインJ、及びジンセノインKを含む。
【0011】
更なる実施態様は、多糖を重量で25、30、35、40、45、50、55、又は60% を越える量、含む組成物を特徴とするものである。当該の多糖はグルコース、アラビノース、ガラクトース、ラムノース、キシロース又はウロン酸を含むであろう。
【0012】
更に他の実施態様は、 (+)-スパスレノール;(-)-スパスレノール;カフェイン;ヘキサデカン酸;(-)-カリオフィレン オキシド; ヘプタン酸エチル;trans,trans-オクタデカ-9,12-ジエン酸メチルエステル;オクタデカ-9-イン酸メチルエステル;フェニルアセチレン;エチレンチオウレア;リノール酸;4-メチル-ペント-2-エン酸;2-メチル-4-ニトロイミダゾール;9,12-オクタデカジエナール;メビンフォス;ウンデカ-10-イン酸;ファルカリノール
((Z)-1,9-ヘプタデカジエン-4,6-ジイン-3-オール);[1R-(1α、4β、4aα、6β、8aα)]-オクタヒドロ-4,8a,9,9-テトラメチル-1,6-メタノ-1(2H)-ナフトール;4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン;2,2’-メチルイミノジエタノール;ジヒドロウラシル;ステアリン酸;4-ニトロフェノール;3-ニトロトルエン;2,3-ジヒドロキシプロピルパルミテート;オレイン酸;シンナミルアセテート; 7-オクテン酸;1-メチル-5-ニトロ-1H-イミダゾール;2-エチル-2-メチルオキシラン;メチル (9E,12E)-オクタデカ-9,12-ジエノエート;シナルビン、スチグマスタ-5,22-ジエン-3-β-β-オール;(3β,24S)-スチグマスト-5-エン-3-オール;スチグマスト-5-エン-3-β-オール;(3β,24ξ)-スチグマスト-5-エン-3-オール;4-メチル-1,4-ヘプタジエン;9,12-オクタデカジエナール;7,8-エポキシオクテン, 4-ノニン;2-シクロペンテン-1-ウンデカン酸;3-ヒドロキシ-2-メチル-4-ピロン;ピロガロール; [1aR-(1aα,7α,7aα,7bα)]-1a,2,3,5,6,7,7a,7b-オクタヒドロ-1,1,7,7a-テトラメチル-1H-シクロプロパ[a]ナフタレン;[1aR-(1aα,4aα,7α,7aβ,7bα)]-デカヒドロ-1,1,7-トリメチル-4-メチレン-1H-シクロプロパ[e]アズレン;カリオフィレン;1R-(1R*,4Z,9S*)]-4,11,11-トリメチル-8-メチレンビシクロ[7.2.0]ウンデカ-4-エン;4-メチル-2-フェニル-2-ペンタナール;(Z)-9,17-オクタデカジエナール;エチリデンシクロヘプタン;オクタ-1,7-ジイン;3-(フェニルメチル)シドノン;ジイソプロピルアジペート;2,3-ジヒドロキシプロピルパルミテート;9Z,12Z-オクタデカジエン酸 (2-リノレオイルグリセロール);及び3-エテニル-シクロオクテンから成る群より選択される精油を含む組成物を特徴とするものである。
【0013】
更なる実施態様は、少なくとも一種のジンセノシド、ポリアセチレン、多糖及び/又は精油を最低の明示された重量パーセント、含む組成物を特徴とするものである。他の実施態様では、当該の組成物は単独で調合されるか、あるいは、他の活性成分と組み合わせて調合されて医薬調合物及び/又は食品にされる。
【0014】
本発明の組成物は、摂取すると、限定はしないが抗酸化活性、心臓血管の保護及び治療、細胞保護作用、神経系保護作用、抗神経変性疾患(例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、脳卒中)、血小板凝集阻害、抗コレステロール、低血糖及び糖尿病、抗炎症、免疫亢進、抗ウィルス(例えばインフルエンザ)、抗肺疾患、肝臓保護及び疾患治療、癌の予防及び治療、男性の勃起機能の亢進、記憶及び認知の亢進、並びに慢性疲労症候群の軽減を含め、いくつかの生理学的、心理学的及び/又は医学的利点を提供するために有用であろう。
【0015】
別の局面では、本発明は、治療上有効量の上述の組成物のいずれかを、これを必要とする哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物(例えばヒト)の疾患又は障害を治療する方法を特徴とするものである。
【0016】
別の局面では、本発明は、限定はしないが:トリテルペンサポニン、ポリアセチレン、及び/又は多糖から成る群より選択される化学的構成成分の量が上昇しているなど、所定の特徴を有するパナックス組成物を抽出する方法に関する。上昇しているとは、天然の植物材料中に存在する量、又は、従来技術のパナックス抽出生成物に存在する量よりも多い量を意味する。概してこのような方法は、トリテルペンサポニン、ポリアセチレン、及び多糖などの化合物を、天然のパナックス植物材料の抽出物から、又は、 天然のパナックス植物材料から、ここで開示する一つ以上の抽出ステップを用いて抽出することを含む。
【0017】
多様な局面及び実施態様は、以下の詳細な説明、図面及び請求項で更に解説することとする。
【0018】
発明の詳細な説明
定義
本明細書及び付属の請求項で用いられる場合の単数形「一つの」(原語:”a”)、「一つの」(原語:”an”)、及び「その」(原語:"the“)は、文脈から見て明らかにそうでない限り、複数形の言及を包含することに留意されたい。
【0019】
ここで用いられる場合の用語「精油画分」は、揮発性、水不溶性、及び、非極性溶媒を用いて抽出可能な化合物を包含する。ここで用いられる場合の精油画分とは、更に、パナックス及び関連種から得られるポリアセチレンも含む。精油画分は更に、セスキテルペン、アズレン、パチュレン、セスキテルペンアルコール、パナジンサノール(原語:panasinsanol)A、 パナジンサノール B、メトキシピラジン、β-エレメン、ジエンパナキシノール、又はアルキルピラジンからの一種以上の化合物を含んでいてもよい。当該の精油画分のポリアセチレンは更に、パナナキシノール、パナキシジオール、パナキシトリオール、アセチルパナキシドール、パナキシドールクロロヒドリン、パナキシン、ジンセノイン A、ジンセノイン B、ジンセノイン C、ジンセノイン D、ジンセノイン E、ジンセノイン F、ジンセノイン G、ジンセノイン H、ジンセノイン I、ジンセノイン J、ジンセノイン K、パナキサコール(原語:panaxacol)、パナキシドール、ファルカリノール 又はファルカリントリオールから一種以上の化合物を含んでいてもよい。
【0020】
ここで用いられる場合の用語「原材料」とは、植物全体のみを含む、あるいは、葉、根茎、限定はしないが主根、尾根、及び線維根を含む根、茎、葉、種及び花を含む一本の植物の一種以上の構成部分と組み合わせて含む、未加工の植物材料を言い、この場合、当該の植物又は構成部分は、未加工の、乾燥された、蒸された、加熱された、又は、処理がし易いように物理的加工を施された材料を含んでよく、また更に、無傷の、切断された、サイコロ状にされた、粉砕された、又は、当該植物材料の大きさ及び物理的一体性に影響するように処された、材料も含まれよう。
【0021】
ここで用いられる場合の用語「画分」とは、特定の物理的、化学的特性、又は物理的かつ化学的特性を特徴とする特定群の化合物を含む組成物を意味する。
【0022】
ここで用いられる場合の用語「ニンジン構成成分」は、個々のパナックス及び関連種のそれぞれに見られる化合物を意味するものとし、その中には、上述した化合物や、限定はしないが精油、ポリアセチレン、ジンセノシド、及び多糖を含め、各パナックス及び関連種に見られる他の化合物も含まれるものとする。
【0023】
ここで用いられる場合の用語「ジンセノシド画分」は、パナックス及び関連種から得られるトリテルペンサポニンを含み、更に、プロトパナキサジオール骨格、プロトパナックストリオール骨格、オコチロール骨格、又はオレアナン骨格に基づく化合物、並びに関連化合物も含む。
【0024】
ここで用いられる場合の、限定はしないがトリテルペンサポニン、ポリアセチレン、及び多糖画分などを含むある画分の「増加した」又は「上昇した」量という用語は、ある混合物中又は試料中における当該画分のin totoでの又は単一の構成成分としたときのその画分の重量パーセントが、天然植物又は植物組織中の当該構成成分又は画分の重量パーセントに比較して増加していることを意味する。
【0025】
ここで用いられる場合の用語「一種以上の化合物」とは、例えばパナキシトリオール、(精油ポリアセチレン)、Rg1 (ジンセノシドトリテルペンサポニン)、又はジンセナンPA (水溶性のニンジン多糖)などの少なくとも一種の化合物が意図されているか、あるいは、例えばパナキシトリオール、及び Rg1 などの二種以上の化合物が意図されていることを意味する。 当業で示されたように、用語「化合物」は単一の分子ではなく、複数の又は複数モルの分子を意味する。当業で示されたように、用語「化合物」は個別の化学的及び物理的特性を持つ特定の化学的実体を意味するが、「複数の化合物(原語:compounds)」とは、一種以上の化学的構成成分を言う。
【0026】
ここで用いられる場合の用語「パナックス」は、パナックス属や、限定はしないがエレウセロコッカス−センチコサス(原語:Eleutherococcus senticosus)を含む関連種を包含する。更に、ここで用いられる場合のパナックスとは、当該植物や、又は、ウコギ科の植物由来の植物材料を言うが、この種には、限定はしないが P.ジンセン(原語P. ginseng)、P.クインケフォリウス(原語:P. quinquefolius)、P.ノトジンセン(原語:P. notoginseng)、P.シュードジンセン(原語:P. pseudoginseng)、P.ジャポニクム(原語:P. japonicum)、P.ヴィエトナメンシス(原語:P. vietnamensis)、及びE.センチコサス(原語:E. senticosus). が含まれる。 更にこの用語は、パナックス及び関連種のあらゆるクローン、栽培品種、変異種、及び変種も含む。用語「パナックス」はまた、ここでは「ニンジン」と交換可能に用いられている場合があり、これらの植物、クローン、栽培品種、変異種及び変種を意味する。
【0027】
ここで用いられる場合の用語「多糖画分」はパナックス及び関連種から得られる又は由来とする化合物を含む。パナックス種の化学的構成成分の多糖抽出画分は、科学文献に「エタノール不溶性−水溶性の抽出画分」と定義されている (26, 31, 63, 72-74)。当該の多糖画分は、限定はしないが中性の多糖パナキサンA 乃至E や、酸性の多糖パナキサンQ 乃至Uを含む、ジンサン(原語:ginsan)及びパナキサンA乃至Uからの一種以上の化合物を含んでもよい。当該の多糖画分は、更に、グルコース、アラビノース、ガラクトース、ラムノース、キシロース、又はウロン酸からの単量体単位を含む糖ポリマー及びオリゴマーを含んでもよい。
【0028】
ここで用いられる場合の用語「根茎」とは、限定はしないが主根、尾根、及び線維根を含む上方のシュート及び下方の根を更に含む、部分でも、又は全体であってもよい地下の水平な根茎を含む、パナックス及び関連種の構成部分を言う。
【0029】
組成物
本発明の組成物は、更にポリアセチレン、多糖、又は両者が含まれていてもよいが、高レベルのジンセノシドを含む、パナックスからの抽出画分を含む。
【0030】
従来技術のパナックス種抽出生成物は、可変の天然植物材料を含有する。例えば、存在する場合には幅広い変動量のジンセノシドしか存在しない。対照的に、本組成物は一種以上のパナックス種を由来とする精油、ジンセノシド及び多糖の単離かつ精製された画分を規定量、含む。これらの個々の画分組成物を特定の割合(プロファイル)で組み合わせて有益な配合組成物を提供することができ、また現在公知の抽出生成物には見られない抽出生成物を提供することができる。例えば、一種を由来とする精油画分を、同じ又は異なる種由来のジンセノシド画分と配合してもよく、この配合組成物を、同じ又は異なるパナックス種を由来とする多糖画分と配合しても、又は配合しなくてもよい。
【0031】
表1乃至4では、ニンジン生成物を生産するために用いられる4つの主なパナックス種根茎原材料に見られる基本的な有益な生理活性化学的構成画分を挙げる。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
【表3】

【0035】
【表4】

【0036】
ここで解説されたパナックス及び関連種の組成物は、天然パナックス及び関連種植物材料に見られるよりも、あるいは、現在入手可能なパナックス種抽出生成物に見られるよりも多量のジンセノシドを有する。重要なことに、天然パナックス及び関連種は少量の鍵となる成分ジンセノシド(重量でせいぜい8.6-91%)しか有さない。市販されている製品は 最大で3% のジンセノシドしか含まず、現存するパナックス成分を単離する難しさを反映している。また実施態様は、精油、ジンセノシド、又は多糖を含む一種以上の画分が天然パナックス種植物材料に見られるよりも高い濃度で見られるような組成物も含む。更に実施態様は、精油、ジンセノシド、又は多糖を含む一種以上の画分が天然パナックス種に見られるよりも低い濃度で見られるような組成物も含む。四種のパナックス種の既知の量をここで表1乃至4に示す。例えば本発明の組成物は、精油の濃度が天然パナックス種の濃度の0.001 乃至 200 倍であるような組成物、及び/又は、ジンセノシドの濃度が天然パナックス種の濃度の0.001 乃至100 倍であるような組成物、及び/又は、多糖の濃度が天然パナックス種の濃度の0.01 乃至6 倍であるような組成物を含む。本発明の組成物は、精油の濃度が天然パナックス種の濃度の0.1 乃至 50 倍であるような組成物、及び/又は、ジンセノシドの濃度が天然パナックス種の濃度の0.1 乃至 50 倍であるような組成物、及び/又は、多糖の濃度が天然パナックス種の濃度の0.01 乃至 6 倍であるような組成物を含む。
【0037】
抗酸化活性及び心臓血管保護作用のためのパナックス種組成物は、パナックス種天然植物材料又は従来の既知の抽出生成物に見られるよりも、重量%で高いジンセノシド画分組成濃度、低い精油画分組成濃度、及び高い多糖画分組成濃度を有するであろう。免疫亢進のための新規なパナックス種組成物は、パナックス種天然植物材料又は従来の既知の抽出生成物に見られるよりも、重量%で高いジンセノシド画分組成及び多糖画分、並びに低い精油画分組成濃度を有するであろう。アルツハイマー病、痴呆の治療や、記憶及び認知の促進のための新規なパナックス種組成物のもう一つの例は、天然パナックス種植物材料又は公知の従来の抽出生成物に見られるよりも、高い精油画分組成濃度及びジンセノシド画分組成、並びに低い多糖画分組成を有する組成物を含むものである。更なる実施態様は、天然植物材料又は現在入手可能なパナックス種抽出生成物に比較して、変更されたプロファイル(比率分布)のパナックス種化学的成分を含む組成物を含むものである。例えば精油画分をジンセノシド及び/又は多糖濃度に比較して増減させてもよい。同様に、ジンセノシド又は多糖を他の抽出構成画分に比較して増減させることで、特定の生物学的効果に向けて新規な構成成分の化学的プロファイル組成が可能なようにしてもよい。
【0038】
抽出方法
抽出用の開始材料は、一種以上のパナックス種由来の植物材料であるが、P.ノトジンセンや、「白ニンジン」として公知の形であっても、又は「赤ニンジン」として公知の形であってもよいP.ジンセン、あるいはP.クインケフォリウスが好ましい開始材料である。ここで用いられる場合の「白ニンジン」は、収穫後に外気中又は乾燥機で乾燥して色が赤乃至茶色に変色しないようにした、P.ジンセン由来の材料を含む。ここで用いられる場合の「赤ニンジン」は、典型的には蒸すことで加熱した後に材料が赤乃至茶色に変色するようにしたP.ジンセン由来の材料を含む。当該の材料は、葉、茎、又は他の植物部分を含め、植物の空中部分であってもよいが、根茎が好ましい開始材料である。
【0039】
パナックス種植物材料に抽出前ステップを行なってこの材料を特定の形にしてもよく、抽出に便利ないずれの形も本発明の考察するところである。このような抽出前ステップには、限定はしないが、せん断された、刻まれた、破砕された、摩砕された、細粉化された、切断された、又は引き裂かれた材料が含まれ、抽出前ステップ前の開始材料は乾燥された又は新鮮な植物材料である。好適な抽出前ステップは、パナックス種根茎材料を摩砕及び/又は細粉化して微細な粉末にするステップを含むものである。開始材料、又は、抽出前ステップ後の材料を乾燥させることも、又は、それに水分を加えることもできる。パナックス種植物材料が抽出用の形である限り、種々の抽出方法が本発明の考察するところである。
【0040】
本発明の抽出方法はここで開示されたプロセスを含む。概略的には、本発明の方法は、部分的に、パナックス種植物材料を超臨界二酸化炭素 (SCCO2) を用いて抽出した後、限定はしないが水、水アルコール、及びポリマ吸着剤プロセスなどの一種以上の溶媒抽出ステップを行なうような方法を含む。本発明の方法のために考えられる更なる方法は、他の有機溶媒、冷却剤化学薬、圧縮可能なガス、ソニフィケーション(原語:sonification)、圧力液体抽出、高速カウンターカレント・クロマトグラフィ、分子インプリント・ポリマ、及び他の公知の抽出方法を用いたパナックス種植物材料の抽出を含むものである。このような技術は当業者に公知である。ある局面では、本発明の組成物は、図1、2、3、及び4で概略的に示されたステップを含む方法により調製されよう。
【0041】
パナックスの超臨界流抽出
精油の疎水性のために、限定はしないがSCCO2、ヘキサン、石油エーテル、及び酢酸エチルを含む非極性溶媒をこの抽出プロセスに用いてもよい。
【0042】
SSCO2 を用いたパナックス種の根茎からの精油画分の抽出の概略図を図1に示す。原材料10は粉砕されたパナックス種根茎(8乃至20番メッシュ)である。溶媒210は純粋なCO2である。超臨界流抽出(SFE)容器20内部に配置されたカゴに原材料を入れる。パージ及び漏出検査後、当該のプロセスは、液化した CO2 を保管容器から冷却器を通じてCO2ポンプに流し込むステップを含む。次に CO2 を所望の圧力流にして抽出容器内の原材料中に流れさせるが、この場合の圧力及び温度は所望のレベルに維持する。抽出のための圧力は約100乃至約800バール、約200乃至約600、約300乃至約400バールの範囲であり、温度は約50℃乃至約120℃、そして約60℃乃至約100℃、そして約80℃乃至約90℃の範囲である。抽出のための時間は、約30分乃至約2.5時間、約1時間乃至約2時間まで、約1.5時間までの範囲である。溶媒対フィードの割合は典型的には毎回のSCCO2 抽出毎に17−18乃至1である。次に、抽出及び精製後の精油画分を収集容器30内に収集し、貯めていき、暗い冷蔵庫内で5℃まで保存する。CO2 を再循環させる。パナックス種原材料の残渣40も該抽出容器から収集し、貯めていき、パナックス種根茎中の化学的構成成分のその後の抽出に用いる。典型的には、パナックス種由来の精油画分の総収量は、基本的に100%の純度の精油画分化学的構成成分組成を有する元の原材料の0.2% から0.0.5% の乾燥質量と様々である。この純度はHPLC 及びGC-MS 分析を用いて測定される(実施例1−4を参照されたい)。
【0043】
ジンセノシド抽出プロセス
ある局面では、本発明はジンセノシド又はトリテルペンサポニンの抽出及び濃縮を含む。この抽出ステップの概略図を図2に示す。このジンセノシド抽出プロセスは3段階の溶媒浸出プロセスである。このジンセノシド・プロセスのための原材料は精油画分の抽出後の残渣40又は45である。抽出溶媒220、230、240は典型的には水による63%エタノール溶液である。この方法では、パナックス種残渣及び抽出溶媒を、加熱した抽出容器に入れる。50。それを100℃未満、約90℃、80℃に、あるいは約50−60℃に加熱してもよい。抽出を約1−4時間、約3時間、約2時間、行なう。その結果できた流体抽出物をろ過する60。ろ過物を生成物310として収集し、溶媒の蒸発後の体積及び固形内容物乾燥質量を測定する。抽出残渣材料はフィルタに残る70。この抽出を必要又は所望に応じた回数、繰り返す。それを2回以上、3回以上、4回以上等、繰り返してもよい。例えば、図2は三段階のプロセスを示すが、ここで二番目の段階80及び三番目の段階110では同じ方法及び条件が用いられる。例がそれぞれ実施例5乃至8及び表5乃至表8に見られる。
【0044】
パナックス属では30種を越える個々のジンセノシド化合物が検出され、特徴付けられているが、これらの大半は微量しか存在しない。パナックス種の全体の総ジンセノシド含有量の95%を越える部分を占める7種のジンセノシド(Rg1、Re、Rf、Rb1、Rc、Rb2、Rd)が抽出プロセス全体を通じてHPLC分析を用いて測定され、こうして抽出生成物中の個別及び総ジンセノシド内容物の%乾燥重量の計算が可能である(表5乃至20)。 HPLC分析はシマヅ社製 SE0405003 HPLC を用いて行なわれ、分析上の参照標準は Chromadex社製 KIT-00007226-005 (ジンセノシド標準キット) から得られた(実施例22−25を参照されたい)。
【0045】
表5乃至12に示すように、二段階溶媒浸出プロセスにより、研究原材料として用いられた4種のパナックス種のそれぞれについて少なくとも96%の総ジンセノシド収量を出すことができ、と同時に、ジンセノシド抽出画分中のジンセノシドの純度を少なくとも4倍に増加させることができる。特にP.ノトジンセンの場合、 原材料のジンセノシド濃度は12.26%質量であり、段階I及び段階2抽出を組み換えた場合のジンセノシド画分中のジンセノシド濃度は乾燥重量で50.5%であり、ジンセノシドの濃度が5倍に増加した。P.クインケフォリウスの場合、原材料中のジンセノシド濃度は2.32%質量であり、二段階浸出によるジンセノシド抽出画分中の濃度は15.2%であることから、ジンセノシド濃度は6倍に増加していた。白ニンジン(P.ジンセン)の場合、原材料中のジンセノシド濃度は3.19% であり、二段階浸出によるジンセノシド抽出画分中の濃度は8.9%であることから、ジンセノシド濃度は3倍に増加していた。最後に、赤ニンジン(P.ジンセン)の場合、原材料中のジンセノシド濃度は1.84%であり、二段階浸出によるジンセノシド抽出画分中の濃度は4.6%であることから、総ジンセノシド濃度は2.6倍に増加していた。更に、二段階溶媒浸出法で得られた抽出画分中の個々のジンセノシドの濃度分布又はプロファイルは、元の原材料のそれぞれに見られるジンセノシド・プロファイルに対して良好に保たれていた。結論的には、二段階溶媒浸出プロセスは、大変効率的で対費用効果の高い、パナックス種の植物材料から精製ジンセノシド画分を抽出する方法である。
【0046】
ジンセノシドのポリマ吸着精製
パナックス種原材料からの精製ジンセノシド抽出物は、ニンジン原材料の水性抽出物を固形のポリマ親和性吸着性樹脂に接触させることで、この水性抽出物中に含まれた活性ジンセノシドを吸着性樹脂に吸着させることにより、得られよう。次に、結合したジンセノシドをここで教示する方法により、溶出させる。ジンセノシドを溶出させる前に、ジンセノシドが上に吸着したポリマ製吸着性樹脂を、いずれかの便利な態様で抽出物の残りから、好ましくは樹脂を含有するカラムにこの抽出物を通過させることにより、分離してもよい。
【0047】
多種のポリマ製吸着性樹脂を用いてジンセノシドを精製することができ、その中には、限定はしないが、アンバーライト XAD-2(Rohm and Hass社製)、デュオライトS-30 (Diamond Alkai 社製)、又はADS-8 (中国、Tianjin 、Nankai 大学)、がある。ADS-8 はトリテルペンサポニンジンセノシドに対して高い親和性を有する。粒子サイズ0.5-0.6mmのADS-8 樹脂ビーズはエステル基を持つポリスチレン・コポリマである。ポリスチレンはこのポリスチレンの高疎水性表面と疎水性部位又はソルベート(原語sorbate)との間の疎水性相互作用により化合物を吸着すると考えられる。エステル基は水素結合相互作用による化学物質の吸着に用いられる。これら2つの相互作用は協働してトリテルペンサポニンジンセノシドの結合に対する高い選択性を達成する。疎水性相互作用はこの分離における駆動力の一つであるため、アルコールなしの水溶液が、吸着しようとする化学的構成成分を含有させるために用いられる溶媒である。こうしてアルコールは脱吸着剤として用いられる。
【0048】
ポリマ製吸着性樹脂からジンセノシドを回収するためには多様な溶出剤を用いてもよいが、本発明のある局面では、当該の溶出剤は、限定はしないがメタノール、エタノール、又はプロパノールを含む低分子量アルコールを含む。二番目の局面では、当該の溶出剤は低分子量アルコール及び水を含む。別の局面では、当該の溶出剤は、別の有機溶媒と混合した低分子量アルコールを含む。更なる局面では、当該の溶出剤は、低分子量アルコール、第二の有機溶媒、及び水を含む。
【0049】
パナックス種原材料には、限定はしないが、図1及び2に示した精油を除去するプロセス又は溶媒浸出ステップを含む一回以上の予備的プロセスを、 水性のジンセノシド含有抽出物をポリマ製吸着性樹脂に接触させる前に、行なってもよい。
【0050】
本発明で教示された通りにポリマ製吸着性樹脂を用いると、天然の植物材料や市販の抽出生成物に通常存在するような他の化学的構成成分を含まない、高度に精製されたパナックス種ジンセノシド抽出物が得られる。例えば、本発明で教示されたプロセスにより、乾燥質量で90%を超える総ジンセノシドを含有する精製ジンセノシド抽出物を得ることができる。ここで教示された方法を用いると、質量%で測定したときに95%を越える精製ジンセノシド抽出画分を達成することができる。
【0051】
ポリマ製親和性吸着性樹脂ビーズを用いた、パナックス種の根茎からのジンセノシドの抽出及び精製の概略図を図3に示す。この抽出プロセスのための原材料は図2で出た、ジンセノシドを含有する水アルコール溶液であってもよい 310, 320, 330。アルコールをこの溶液から蒸発させた後 420、元の体積まで蒸留水で希釈して 260、この水溶液中のトリテルペンサポニン濃度を不変に維持する 420。カラムに入れる前後に、適当な重量の吸着性樹脂ビーズ(1グラムの吸着性樹脂当たり50-75 mg のジンセノシド)を水で洗浄する。その後、ジンセノシドを含有する水溶液430をカラム470に2乃至4ベッド体積/時間の流速で入れる。カラムが完全に充填されたら、そのカラムを50ml/時間の流速で水で洗浄して 280、吸着したジンセノシドから不純物を取り除く 480。吸着されたジンセノシドの溶出 490を、エタノール/水(4/1)290を溶出液として50ml/時間にして用いて行ない、この抽出物について溶出曲線を記録する。精製ジンセノシド画分から成る溶出物500をHPLCを用いて分析した。個々に実験の結果を実施例22乃至25及び表13乃至20に見ることができる。
【0052】
多糖抽出プロセス
水溶媒浸出及びエタノール沈降プロセスを用いた、パナックス種の根茎からの多糖画分の抽出の概略図を図4に示す。原材料70, 100, 130はジンセノシドの溶媒浸出抽出(図2)から出た残渣である。溶媒は蒸留水250, 260, 270である。この残渣原材料を、例えばほぼ100℃の水などの熱い水溶液で少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、抽出溶液内で複数回、抽出してもよい。図4はほぼ100℃の水を用いた3回の抽出を示す。水量は一回目の抽出については概ね同じであり、最後の抽出については少ない。例えば、1回目の抽出610及び2回目の抽出640の水量は原材料1gm当たり15mlであったが、3回目の抽出670では原材料残渣1gm当たり10mlであった。沸騰水による浸出の各段階後に、得られた流体抽出物をろ過する620, 650, 680。ろ過物を生成物710, 720, 730として収集し、体積及び固体含有量(乾燥質量)を測定した。一番目の段階260及びその後にフィルタに保持された抽出残渣材料を同じ方法を用いた二番目の抽出段階で原材料として用いてもよく、また当該のプロセスを三番目の段階670で繰り返してもよい。三番目の段階後の残渣690は廃棄する。興味深いことに、抽出生成物710, 720, 730には、実施例30で論じる多種の検査に基づくと高度に精製された多糖(約99%の純度のパナックス種水溶性、エタノール不溶性の多糖類) を示させることができる。
【0053】
この多様な抽出画分を、パナックス種抽出生成物を由来とする幅広い栄養的及び薬学的調合物にするためのその後の組換えに向けて別々に乾燥及び保存する。
【0054】
溶液からアルコールを除去するには多数の方法が当業で公知である。再循環に向けてアルコールを保持したい場合には、抽出後に通常又は減圧した雰囲気圧力下で蒸留することで、溶液からアルコールを取り除くことができる。このアルコールを再利用することができる。更に、水溶液や、アルコールが取り除かれた溶液のいずれであっても、溶液から水を除去するためにも、数多くの方法が当業で公知である。このような方法には、例えば限定はしないが炭酸マグネシウム又はマルトデキストリンなどの適した担体上への、限定はしないが噴霧乾燥があり、あるいは代替的には、凍結乾燥又はリフラクティブ・ウィンドウ(原語: refractive window )乾燥により、液体を乾燥させることができる。
【0055】
前に解説された抽出方法を行なう上で、元のパナックス種乾燥根茎原材料中の精油の質量で80%を越える収量を、精油抽出画分で抽出できることが見出された(ステップ1)。図2に示した方法を用いると、元のパナックス種乾燥根茎材料のジンセノシド化学的構成成分の質量で98%を越える収量を、ジンセノシド抽出画分で得ることができる。更に、元のパナックス種乾燥根茎材料の多糖構成成分の質量で99%を越えるものを、多糖画分で抽出できるようである。最後に、本発明で教示した方法により、精油画分、ジンセノシド画分、及び多糖画分の精製(濃縮)が、当該の所望の化学的構成成分(元のパナックス種植物材料中に存在する精油、トリテルペンサポニン、及び多糖化学的構成成分の基本的にすべて)の99%まで、可能である。よく用いられる特定の抽出環境、抽出速度、溶媒、及び抽出技術を、ソースである材料の開始化学的構成成分プロファイルや、最終的な抽出生成物に求める精製レベルに応じて、調節する。本発明で教示された特定の方法は、開始材料のサンプル誤差を見越すためにある一つのプロセスを調節する際に典型的なごく慣例的な実験を用いるのみで、当業者であれば容易に調節できよう。例えば、ある特定のロットのP.ジンセン(白ニンジン)において、精油、ジンセノシド、及び多糖の最初の濃度を、当業者に公知の方法を用いて判定する。当業者であれば、ここで開示した抽出法を用いたときの、この当初のジンセノシド濃度を、例えば最終抽出精製物でのジンセノシドの所定量などに変化させて、最終的なP.ジンセン組成生成物の所望の濃度に達させるための変化量を決定することができる。
【0056】
医薬組成物
本発明の更なる局面によれば、新規な抽出されたパナックス種植物材料又は新規なパナックス種抽出組成物を更に加工して乾燥した滑らかな粉末にすることができる。この粉末は、多様な食用製品に添加可能な食餌用サプリメントとして用いることができる。パナックス種の粉末又は最終的な所望の固有の抽出組成物は、急速溶解性の錠剤に用いるにも適している。
【0057】
本発明のある特定の局面によれば、抽出されたパナックス種組成物は、天然植物材料又は従来のパナックス種抽出生成物に見られるよりも高い所望の精油、ジンセノシド、及び多糖濃度を有するように、及び/又は、精油/ジンセノシド及び/又は精油/多糖及び/又はジンセノシド/多糖の量(%乾燥重量)の比率(プロファイル)が、天然パナックス種植物材料又は公知のパナックス種抽出生成物で見られる化学的構成成分プロファイルよりも大きい又は小さいような、パナックス種のこの三つの主要生理活性化学的構成成分の所定の新規なプロファイル、を有するように作製される。このような組成物は、例えば急速溶解性の錠剤など、ヒトの対象の口腔内での送達に特に適している。
【0058】
パナックス種抽出粉末を作製する方法ある実施態様では、乾燥抽出パナックス種組成物を、例えば水又はエチルアルコールなどの適した溶媒に、食品等級の材料と一緒に高せん断ミキサで混合した後、従来技術を用いて噴霧空気乾燥して、食品等級の担体と組み合わされた大変小型のパナックス種抽出粒子の細粒を有する粉末を作製する。
【0059】
ある具体的な実施例では、抽出パナックス種組成物を、その約2倍の重量の、約100乃至約150マイクロミクロンメータの粒子サイズを有するマルトデキストリンなどの食品等級の担体とエチルアルコール溶媒とに、高せん断ミキサを用いて混合する。好ましくは約1乃至約50マイクロメータのオーダーの平均粒子サイズを有する、シリカなどの不活性の担体を加えて、形成される最終的な粉末の流れを向上させることができる。好ましくは、このような添加は混合物の重量の最高2%までであるとよい。用いるエチルアルコールの量は、好ましくは、噴霧空気乾燥に適した粘性を持つ溶液を形成するために必要な最低の量であるとよい。典型的な量は、抽出パナックス種材料1キログラム当たり約5乃至約10リットルの範囲である。抽出パナックス種組成物、マルトデキストリン及びエチルアルコールの溶液を噴霧空気乾燥することで、開始担体材料のそれに見合った平均粒子サイズを持つ粉末を作製する。
【0060】
二番目の実施態様では、抽出パナックス種組成物と、例えば炭酸マグネシウム、ホェイタンパク質、又はマルトデキストリンなどの食品等級の担体とを乾式混合してから、水又はエチルアルコールなどの適した溶媒を容れた高せん断ミキサで混合する。次にこの混合液を凍結乾燥又はリフラクティブ・ウィンドウ乾燥により乾燥させる。ある特定の実施例では、抽出パナックス種組成物材料を、例えば約20乃至200マイクロメータの平均粒子サイズを有する炭酸マグネシウムなどの抽出パナックス種組成物の重量で約1.5倍の食品等級の材料と配合する。例えば約1乃至約50マイクロメータの粒子サイズを有するシリカなどの不活性の担体を、好ましくは混合液の重量で最高2%までの量、混合することで、混合液の流れを向上させることができる。次に、炭酸マグネシウム及びシリカを、100’sのrpmで作動する、フードプロセッサ型のミキサと同様な高速ミキサで乾式混合する。その後、この抽出パナックス種組成物材料を、それが重油のように流れるまで加熱する。好ましくはそれを約50℃まで加熱するとよい。次に、加熱された抽出パナックス種組成物を、高せん断ミキサ内で混合中の炭酸マグネシウム及びシリカ粉末の混合物に加える。この混合は、好ましくは、粒子サイズが約250マイクロメータ乃至約1ミリメータの範囲になるまで続けるとよい。抽出パナックス種組成物材料1キログラム当たり約2乃至約10リットルの冷水(好ましくは約4℃)を高せん断ミキサに導入する。抽出パナックス種組成物、炭酸マグネシウム、及びシリカの混合物は混合中の高せん断ミキサにゆっくり又は漸増的に導入される。カルボキシメチルセルロース又はレシチンなどの乳化剤も、必要に応じてこの混合物に加えることができる。重量で最高約5%までで、スクラロース又はアセスルファムKなどの甘味料も、所望であればこの段階で加えることができる。代替的には、大変甘みの強い食餌用添加剤であるステヴィア−レバウディアナ(原語: Stevia rebaudiana)の抽出物を、特定の甘味料の替わりに、又は、組みえ合わせて加えることもできる(簡略化するために、ここでは甘味料としてステビアに言及することとする)。混合が完了したら、混合液を凍結乾燥又はリフラクティブ・ウィンドウ乾燥を用いて乾燥させる。その結果得られた、抽出パナックス種組成物材料、炭酸マグネシウム、シリカ、及び選択的な乳化剤及び選択的な甘味料の乾燥した滑らかな粉末は、開始担体のそれに見合った平均粒子サイズと、所定の抽出パナックス種組成を有する。
【0061】
別の実施態様では、抽出パナックス種組成物材料を、ホェイタンパク質など、好ましくは約200乃至約1000マイクロメータの粒子サイズを有する、適した等量の食品等級担体と配合する。例えば約1乃至約50マイクロメータの粒子サイズを有するシリカや、約10乃至約100マイクロメータの粒子サイズを有するカルボキシメチルセルロースなど、不活性の担体を加えることで、混合物の流れを向上させることができる。好ましくは、不活性の担体添加が、重量で混合物の約2%を越えないとよい。次に、このホェイタンパク質及び不活性の成分を、100rpmより上の回転数で作動するフードプロセッサ型のミキサで乾式混合する。パナックス種抽出組成物材料を、それが重油のように流れるまで(好ましくは50℃まで)加熱する。その後、この加熱されたパナックス種抽出組成物を、前記のフードプロセッサ型ミキサ内で混合中のホェイタンパク質及び不活性の担体に漸増的に加える。パナックス種抽出組成物及びホェイタンパク質及び不活性の担体の混合は、粒子サイズが約250マイクロメータ乃至約1ミリメータになるまで、続けられる。次に、ペースト状混合物1キログラム当たり2乃至10リットルの冷水(好ましくは約4℃)を高せん断ミキサに導入する。パナックス種抽出組成物、ホェイタンパク質、及び不活性の担体の混合物を、冷水を容れた混合中の高せん断ミキサに漸増的に導入する。重量で最高5%までの甘味料又は他の食味添加剤を、所望であればこの段階で加えることができる。混合を完了後、混合物を凍結乾燥又はリフラクティブ・ウィンドウ乾燥を用いて乾燥させる。その結果出来た乾燥した滑らかなパナックス種抽出組成物、ホェイタンパク質、不活性の担体及び選択的な甘味料の粉末は、約150乃至約700マイクロメータの粒子サイズと、固有の所定のパナックス種抽出組成物を有する。
【0062】
更なる実施態様では、所定のパナックス種抽出組成物を SFE CO2 流体に溶解させた後、これをマルトデキストリン、デキストロース、又はスターチなどの適した食品等級の担体上に吸着させる。好ましくは、SFE CO2 を溶媒として用いるとよい。具体的な例には、新規な抽出パナックス種組成物で開始するステップと、約100乃至約150マイクロメータの粒子サイズを有する食品等級の担体を、重量でこの抽出パナックス種材料の1乃至1.5倍、加えるステップを含む。混合パドルを容れたチャンバ内にこの混合物を配置するが、このチャンバを加圧及び加熱することができる。該チャンバを CO2 で1100 psi 乃至約 8000 psi の範囲の圧力まで加圧し、約20℃乃至約100℃の範囲の温度に設定する。精確な圧力及び温度は、CO2 が超臨界流体状態に置かれるように選択される。チャンバ内の CO2 が超臨界状態になったら、パナックス種抽出組成物を溶解させる。該混合パドルは、担体粉末を、それがこの溶解したパナックス種抽出材料を含有する超臨界CO2と密に接触するように攪拌する。次に、超臨界CO2、溶解したパナックス種抽出材料、及び担体粉末の混合物を、CO2の超臨界状態を支援しない圧力及び温度下にあるチャンバ内のオリフィスから排出させる。こうしてCO2 は気体として散逸する。収集容器内に得られた粉末は、所定の新規なパナックス種抽出組成物を含浸させた担体粉末である。
【0063】
該粉末は開始担体材料のそれに見合う平均粒子サイズを有する。結果的に得られる粉末は乾燥しており、滑らかである。必要であれば、前に論じたように最高で重量で約2%まで、シリカなどの不活性の成分を開始担体粉末に加えることで、流れ特徴を向上させることができる。
【0064】
所定の組成又はプロファイルを持つパナックス種の精確な組成物を米国特許第5,298,261号に記載された通りに経口用の急速溶解性錠剤に含めるような実施態様では、この固有の抽出物をいずれの添加成分も加えていない「ニート」として用いることができ、この添加成分は、引用した特許に記載されているように錠剤形成プロセスで後で加えられる。こうしてこの方法は、固有のパナックス種抽出組成物を、後に錠剤を作製するために用いられる乾燥した滑らかな粉末にする必要性を避けることができる。ここで論じた方法などにより乾燥パナックス種抽出組成物粉末が得られたら、それを例えば食餌用サプリメントとして、又は他の用途に向けて、流通させることができる。ある実施態様では、当該の新規なパナックス種抽出組成物粉末を他の成分と混合して、錠剤に形成することのできる粉末の錠剤用組成物を形成する。この錠剤用粉末を、ねばねばした餅状の粘ちょう性を形成するのに充分な量のアルコール、アルコール及び水、又は他の適した溶媒を含む溶媒で、まず湿潤させる。適したアルコールには、限定はしないが、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソプロピルアルコールを含有する変性エチルアルコール、アセトン、及びアセトンを含有する変性エチルアルコールがある。次に、その結果得られるペーストを錠剤の型に圧縮して入れる。米国特許第5,407,339号に記載されたものなどの自動錠剤成型システムを用いることができる。その後、錠剤をこの鋳型から取り出し、乾燥させるが、好ましくは、典型的には約70℃乃至約85℃の間である、錠剤用粉末混合物に用いられた溶媒を揮発させるのに充分高い温度で、少なくとも数時間、空気乾燥させることにより、乾燥させるとよい。こうして乾燥後の錠剤を流通に向けて梱包することができる。
【0065】
本発明の方法及び組成物は、ペースト、樹脂、油類、又は粉末の形の固有のパナックス種抽出組成物を含む組成物を含む。本発明のある局面は、固有のパナックス種抽出組成物の液体製剤の組成物を含む。経口投与用の液体製剤は、例えば溶液、シロップ又は懸濁液などの形を採ってもよいが、あるいはこれらを、投与前に水又は他の適した賦形剤で再構築するための乾燥生成物として提供してもよい。このような液体製剤は、例えば懸濁剤(例えばソルビトール・シロップ、メチルセルロース、又は硬化食用脂肪);乳化剤(例えばレシチン又はアカシアゴム);非水性の賦形剤(例えばアーモンド油、油性エステル又はエチルアルコール);保存剤(例えばメチル又はプロピルp−ヒドロキシベンゾエート又はソルビン酸);及び人工又は天然の着色剤及び/又は甘味料などの薬学的に許容可能な添加剤と一緒に従来の手段により調製できよう。液体製剤の組成物はヒト又は動物に当業者に公知の薬用担体に入れて投与することができる。このような薬用担体には、カプセル、ロゼンジ、シロップ、スプレー、リンス、及び含そう剤があるが、これらに限定されるわけではない。
【0066】
本発明のある曲芽は、乾燥粉末パナックス種抽出組成物の組成物を含む。このような乾燥粉末組成物は、ここに開示した方法や、そして限定はしないが例えば噴霧空気乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、及びリフラクティブ・ウィンドウ乾燥など、当業者に公知の他の方法で調製できよう。配合された乾燥粉末組成物は、限定はしないが例えば錠剤又はカプセルなどの薬用担体に導入することも、あるいはお茶などの飲料中に再構築することもできる。
【0067】
ここで解説された抽出技術はパナックス種の点で論じられているが、本発明の組成物は、乾燥した滑らかな粉末の形又は他の形で、限定はしないが例えば多種のウコン、ボスウェリア(原語:boswellia)、ガラナ、チェリー、レタス、エキナシア(原語:Echinacia)、コショウの葉、ビンロウジュ、ムイラ−プアマ(原語muira puama)、ショウガ、ヤナギ、ウルシ(原語:suma)、カバ、ホーニー−ゴート−ウィード(原語:horny goat weed)、ギンコー−ビルボア(原語:ginko bilboa)、マテ(原語:mate’)、ニンニク、ハマビシ、アークティック−ルーツ(原語:arctic root)レンゲ属、ユーコミア(原語:eucommia)、ガストロポディア(原語:gastropodia)、及びアンカリア(原語:uncaria)又は薬学的もしくはニュートラシューティカル(原語:nutraceutical)物質などの他の植物を由来とする抽出物も含むことができることを認識されたい。
【0068】
本発明は、錠剤調合物にした固有のパナックス種抽出組成物を含む組成物と、このような錠剤を作製する方法を含む。錠剤用粉末は、重量で約1%乃至40%の粉末状パナックス種抽出物組成物を、重量で30%乃至約80%の、限定はしないがラクトースなどの乾燥した水分散性吸着剤と一緒に加えることで形成することができる。限定はしないが例えば一種以上の甘味料、着香料及び/又は着色剤、アカシアゴム又はアラビアゴムなどの結合剤、潤滑剤、崩壊剤、及び緩衝剤などの他の乾燥した添加剤も、錠剤用粉末に加えることができる。乾燥した成分をふるいにかけて、約50乃至約150番メッシュの粒子サイズにする。好ましくは、乾燥した成分をふるいにかけて約80乃至100番メッシュの粒子サイズにするとよい。
【0069】
本発明は、錠剤調合物を含む組成物と、このような錠剤を作製する方法を含む。好ましくは、当該の錠剤が、口腔内で急速な溶解又は崩壊を起こすような処方を有するとよい。また錠剤は好ましくは、口腔内で急速に溶解又は崩壊して抽出物内容物を約2秒間又は60秒未満の間、好ましくは約3乃至約45秒、そして最も好ましくは約5乃至約15秒の間、の一定時間にわたって放出するような均質な組成物であるとよい。
【0070】
当業で公知の多様な急速溶解性錠剤調合物を用いることができる。代表的な調合物が、それぞれの内容を引用をもってここに編入することとする米国特許第5,464,632号;第6,106,861号;第6,221,392号;第5,298,261号;第 6,221,392号;及び第6,200,604号に開示されている。例えば米国特許第5,298,261 号は凍結乾燥プロセスを教示している。このプロセスは凍結と、その後の真空下での乾燥とを用いた昇華による水分除去を含む。好適な成分には0.1%乃至1.5%の間で加えられる、Hercules Chemical Company社のナトロゾールなどのヒドロキシエチルセルロースがある。更なる成分には、1&乃至5%の間のマルトデキストリン(Maltrin、M-500)がある。 これらの量を水中で可溶化させ、開始混合物として用いて、これにパナックス種抽出組成物をスクラロース、アセスルファムKなどの着香料、甘味料や、リョクトウの抽出物であるBeFlora 及び BeFloraPlusなどの乳化剤と一緒に加える。
【0071】
特に好適な錠剤用組成物又は粉末は、約10 % 乃至 60 %のパナックス種抽出組成物粉末と約30 % 乃至約 60 % の水溶性希釈剤を含有するものである。適した希釈剤にはラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、及び他の同様な組成物がある。ラクトースは好適な希釈剤であるが、マンニトールは心地よい冷たい感じと付加的な甘みを口内に加える。二種以上の希釈剤を用いることもできる。
【0072】
甘味料も、好ましくは所望の甘さに応じて重量で約3%乃至約 40 % の量、含めてもよい。好適な甘味物質には、単独又は組み合わせて用いられる砂糖、サッカリン、シクラミン酸ナトリウム、アスパルテーム、及びステビア抽出物があるが、他の甘味料も選択によっては用いることができよう。ミント、シナモン、シトラス(例えばレモン又はオレンジ)、モカ、及び他のものなどの着香料も、好ましくは重量で約0.001 % 乃至約1 %の量、含めることができる。
【0073】
薬物又は食品での使用において安全かつ許容可能であることが当業で公知の天然及び/又は合成の着色料を含む着色料も加えてよい。着色料を加える場合、重量で約0.5 % 乃至約 2 % の間で加えてもよい。
【0074】
典型的には、この錠剤用組成物は結合剤を用いずともその形状を維持できるであろう。しかしながら、必要な場合には、多種の結合剤が適しており、また、約5 % 乃至約15 % 又は必要に応じた量、加えることができる。好適な結合剤はアカシアゴム又はアラビアゴムである。代替的な結合剤には、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュ−モスの抽出物、パンワー(原語:panwar gum)ゴム、ガッチ(原語:ghatti )ゴム、イサポール皮(原語:isapol husks)の粘液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、VEEGUM(R) (R. T. Vanderbilt Co., Inc.,Norwalk, Conn.)、カラマツアラボガラクタン(原語:arabogalactan)、ゼラチン、カッパ−カラギーナン、無水マレイン酸とエチレン又はメチルエーテルとのコポリマ、がある。
【0075】
本発明のこの局面による錠剤には、典型的には錠剤製造用の粉末の流れを向上させる潤滑剤が必要ではない。しかしながら、望ましいのであれば、好適な潤滑剤には、約2%乃至約均質までの量のタルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、硬化植物油、及びカーボワックスがあり、代替的には錠剤を重量で10%の粉末状パナックス種の領域から構成してもよい。
【0076】
同様に、崩壊剤も、本錠剤組成物を用いて急速溶解性錠剤を作製するためにも必要でないようである。しかしながら、出来上がる錠剤が口内で溶解する速度を上げるために崩壊剤を含めることもできる。必要であれば、重量で約0.5 % 乃至約 1 % の崩壊剤を加えることができる。好適な崩壊剤には、錠剤総質量のうちの約0.5%乃至約1%の量のでんぷん、クレイ、セルロース、アルギン、ガム、架橋ポリマ(クロスカルメロース(原語:croscarmelose)、クロスポビドン(原語:crospovidone)、及びグリコール酸ナトリウムを含む)、VEEGUM(R)HV、寒天、ベントナイト、天然スポンジ、陽イオン交換樹脂、アルギン酸、グァーガム、柑橘類の果肉、ラウリル硫酸ナトリウム、がある。
【0077】
更に、本錠剤組成物を緩衝する必要も一般にはない。しかしながら、特定の調合物においては緩衝剤が有益であろう。好適な緩衝剤には、リン酸及びホウ酸モノ-及びジ-ナトリウム、塩基性炭酸マグネシウム並びに水酸化マグネシウム及びアルミニウムの組合せ、がある。
【0078】
ある好適な実施例では、例えば活性成分(パナックス種抽出組成物)、希釈剤、甘味添加剤、及び着香料などの上述した多用な成分を、乾燥粉末の形で混合することにより、錠剤化用粉末を作製する。活性成分で約10%乃至約15%の範囲の超過量の活性抽出物を加えて、その後の錠剤加工中の損失を補償することができる。次に、好ましくは約80番ないし約100番メッシュの範囲のメッシュ・サイズのふるいにこの混合物をかけて、粒子の組成を概ね均一にする。
【0079】
錠剤はいずれの所望の大きさ、形状、重さ、又は粘稠度のものでもよい。一個の経口投薬量中の乾燥した滑らかな粉末の形のパナックス種抽出組成物の総重量は、典型的には、
約40mg乃至約600mgの範囲である。重要な考慮点は、本錠剤が、口内での溶解を意図したものであり、従って、錠剤の飲み込みを促すような形状であってはならないという点である。錠剤が大きいほど、不慮で飲み込まれる可能性が低くなるが、大きいほど溶解又は崩壊に時間がかかるであろう。ある好適な形では、本錠剤は直径約0.15インチ乃至約0.5インチで厚さ約0.08インチ乃至約0.2インチ の円盤又はウェーファであり、約160 mg 乃至約1,200 mgの重量を有する。円盤、ウェーファ又はコイン形状に加え、本錠剤は筒型、球形、立方体、又は他の形状であってもよい。好ましくは本錠剤は非パナックス種抽出物領域で周期的又は非周期的な順序で分離された抽出物組成物であるとよく、こうして本錠剤は、パナックス種抽出物領域及び非パナックス種抽出物領域に伴って色又は色合いが異なった斑な外観を呈し得る。
【0080】
固有のパナックス種抽出物組成物の組成物は、更に、一用量当り約10mg乃至約750mgの間の量のパナックス種組成物を含んでもよい。新規なパナックス種抽出組成物の基本的な組成は様々にすることができるが、但しこの場合、精油は約0.1mg乃至約10.0mgの間の量である。新規なパナックス種抽出組成物の総ジンセノシド組成は、一用量当り約1.0mg乃至約150mgの間で様々にすることができ、但しこの場合、固有のパナックス種抽出組成物中のジンセノシド構成成分の%質量は、天然パナックス種植物材料又は従来のパナックス種抽出物及び飲料に見られるよりも、ジンセノシドの%質量に対してより高い。新規なパナックス種抽出組成物のパナックス種多糖組成は約1.0mg乃至約400mgの間で様々にすることができるが、但しこの場合、多糖構成成分の%質量は、天然パナックス種植物材料又は従来のパナックス種抽出物及び飲料に見られる多糖の%質量よりも、実質的に増加している。最後に、パナックス種から得られる三つの主要な有益な生理活性構成成分(精油、ジンセノシド、及び多糖)の%質量比を変更して、付加的な新規なパナックス種抽出組成物のプロファイルを、前述した用量を用いたヒト経口送達用にもたらしてもよい。
【0081】
一例として275 mg の錠剤は約150.0 mg の粉末状の所定の固有パナックス種抽出組成物、約12.5 mgのステビア抽出物、約35.5 mg のカルボキシメチルセルロース、及び約 77.0 mg のラクトースを含有する(実施例1を参照されたい)。300 mg 及び 350 mg のパナックス種抽出組成物錠剤という更なる例示的調合物を実施例2及び3に見ることができる。
【0082】
本発明は、ここに開示した固有のパナックス種抽出組成物を含む組成物を用いる方法を含む。食餌補助を提供する方法が考えられる。このような組成物は更に、ビタミン、ミネラル及び抗酸化剤を含むであろう。更に、ここに教示する組成物を、多様な生理学的、心理学的、及び医学的状態の治療方法でも用いることができる。本発明の標準化された、信頼性があり、かつ新規なパナックス種抽出組成物は、心臓血管及び脳血管疾患及び高コレステロール血症を防止及び治療するために用いられる。本発明の組成物を用いて、心臓発作及び脳卒中の防止に重要な細胞保護作用及び神経保護作用を提供することができる。当該の新規なパナックス種抽出組成物は、ヒト及び動物の細胞及び細胞膜に強力な抗酸化活性を提供すると共に、低密度リポタンパク質を酸化的損傷から保護するために用いられる。酸素ラジカルによる損傷に関係のある数々の病理の中には、限定はしないが、心臓血管疾患、脳血管疾患(脳卒中)、関節炎、炎症、肝障害、HIV、及び癌がある。本新規なパナックス種抽出組成物により、心臓発作及び脳卒中の防止に重要な血小板凝集の阻害が提供される。更に、本発明のパナックス種抽出組成物は、感染性疾患、癌並びに多様な肺及び肝臓疾患からの保護に重要な免疫亢進を提供するために用いることができる。本発明のパナックス種抽出組成物は抗炎症活性及び抗糖尿病活性を有する。また本新規なパナックス種抽出組成物は、アルツハイマー病及びパーキンソン病などの神経変性疾患を防止又は治療するためにも用いられる。更に、本新規なパナックス種抽出組成物は、記憶及び認知を亢進したり、慢性疲労症候群を寛解させたり、男性の勃起機能を亢進したりするために用いられる。これら及び他の関連する病理は、本発明の新規なパナックス種抽出組成物を有効量、投与することにより、防止又は治療される。
【0083】
本新規なパナックス種抽出組成物を、急性又は慢性状態の有効な治療に向けて、毎日、一回又はそれ以上の回数、投与してもよい。本発明のある方法は、パナックス種構成化合物を含む組成物を一日当り少なくとも一回、投与するステップを含む。また方法には、このような組成物を、一日当り2回以上、一日当り3回以上、一日当り4回以上、そして一日当り1乃至15回の間の範囲で、投与するステップを含むものがある。このような投与は、数日間、数週間、数ヶ月間、又は数年間の期間にわたって毎日など継続的であっても、特定の状態を治療又は防止するために特定の時点で行なわれてもよい。例えば、ある一人の人物は、集中力、認知を高めるため、慢性疲労を寛解するため、又は心臓血管疾患又は脳卒中を防止するために、数年間にわたって一日に少なくとも一回、パナックス種抽出組成物の投与を受けるかも知れない。
【0084】
ここに含まれた特許、特許出願及び参考文献はすべて、引用をもってそれらの全文をここに特に援用されたものである。
【0085】
もちろん、前述の事項は本発明の例示的な実施態様にのみ関連するものであり、数多くの改変又は変更が、本開示で記載された通りの本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行なわれ得ることは理解されねばならない。本発明の例示的な実施態様ではパナックス抽出物に関する方法及び組成物が詳述されているが、当業者であれば、パナックス抽出物に関するこの方法及び組成物の使用に関して想到されるであろう改変又は変更が数多くあるであろう。
【0086】
更に本発明を、理解が明確になるように提供するここに含めた実施例で描写することとする。例示的な実施態様は、その範囲を限定するものとしては、如何なる態様でもみなされてはならない。反対に、当業者であれば、本解説を読了後は、本発明の精神及び/又は付属の請求項の範囲から逸脱することなく多様な他の実施態様、改変、及びそれらの均等物に想到するであろうことは明白に理解されるはずである。
【0087】
実施例
実施例1. P.ノトジンセンからの精油画分の調製
30mgのP.ノトジンセン根茎原材料を粉砕し、8番又は20番メッシュのふるいにかけた後、その根茎粉末を採集した。この粉砕後の原材料を、アプライド・セパレーションズ・スーパークリティカル・フルイド・エクストラクション・ユニット・モデル Spe-ed SFE-2(ペンシルヴァニア州アレンタウン)に接続した250ml入りの超臨界流体抽出(SFE)容器に入れた。CO流と一緒に原料のままの植物流が起きるのを防ぐために、非吸着性のコットンボールをこの抽出容器の上部及び底部に詰めた。オーブンを所望の温度である89℃に予熱してから、充填後の容器を入れた。容器をオーブンに接続後、その抽出系をCO(最大60バール)で加圧し、パージすることで、漏出についてこの系を検査した。この系を閉鎖し、空気で駆動した液体COポンプを用いて400バールの所望圧力まで加圧した。次にこの系を平衡になるまで約3分間、放置した。サンプル採取用バイアル(40 ml)の重さを量り、サンプル採取用ポートに室温で接続した。COを5.5-6.0 gm/分の流速で流すことで抽出を開始したが、この流速を90℃に加熱した尖頭弁で制御することで、除圧中にドライアイスにより弁が閉塞するのを防いだ。溶媒対原材料に用いられた比は約 17-18/1 であり、抽出時間は90分間だった。P.ノトジンセンからの精油画分の総収量は当初の原材料の重さに対して約 0.3% 重量パーセントであり、この精油抽出画分中の精油のパーセント重量は100%だった。原材料の残渣を貯めていき、ジンセノシド及び多糖画分を抽出する付加的な抽出ステップで用いた(実施例9を参照されたい)。この抽出プロセスの結果を実施例18に示す。
【0088】
実施例2. P.クインケフォリウスからの精油画分の調製
30mgのP.クインケフォリウス根茎原材料を粉砕し、8番又は20番メッシュのふるいにかけた後、その根茎粉末を採集した。この粉砕後の原材料を、アプライド・セパレーションズ・スーパークリティカル・フルイド・エクストラクション・ユニット・モデル Spe-ed SFE-2(ペンシルヴァニア州アレンタウン)に接続した250ml入りの超臨界流体抽出(SFE)容器に入れた。CO流と一緒に原料のままの植物流が起きるのを防ぐために、非吸着性のコットンボールをこの抽出容器の上部及び底部に詰めた。オーブンを所望の温度である89℃に予熱してから、充填後の容器を入れた。容器をオーブンに接続後、その抽出系をCO(最大60バール)で加圧し、パージすることで、漏出についてこの系を検査した。この系を閉鎖し、空気で駆動した液体COポンプを用いて400バールの所望圧力まで加圧した。次にこの系を平衡になるまで約3分間、放置した。サンプル採取用バイアル(40 ml)の重さを量り、サンプル採取用ポートに室温で接続した。COを5.5-6.0 gm/分の流速で流すことで抽出を開始したが、この流速を90℃に加熱した尖頭弁で制御することで、除圧中にドライアイスにより弁が閉塞するのを防いだ。溶媒対原材料に用いられた比は約 17-18/1 であり、抽出時間は90分間だった。P.クインケフォリウスからの精油画分の総収量は当初の原材料の重さに対して約 0.2% 重量パーセントであり、この精油抽出画分中の精油のパーセント重量は100%だった。原材料の残渣を貯めていき、ジンセノシド及び多糖画分を抽出する付加的な抽出ステップで用いた(図2及び実施例6を参照されたい)。この抽出プロセスの結果を実施例19に示す。
【0089】
実施例3. 白ニンジン(P.ジンセン)からの精油画分の調製
30mgの白ニンジン(P.ジンセン)根茎原材料を粉砕し、8番又は20番メッシュのふるいにかけた後、その根茎粉末を採集した。この粉砕後の原材料を、アプライド・セパレーションズ・スーパークリティカル・フルイド・エクストラクション・ユニット・モデル Spe-ed SFE-2(ペンシルヴァニア州アレンタウン)に接続した250ml入りの超臨界流体抽出(SFE)容器に入れた。CO流と一緒に原料のままの植物流が起きるのを防ぐために、非吸着性のコットンボールをこの抽出容器の上部及び底部に詰めた。オーブンを所望の温度である89℃に予熱してから、充填後の容器を入れた。容器をオーブンに接続後、その抽出系をCO(最大60バール)で加圧し、パージすることで、漏出についてこの系を検査した。この系を閉鎖し、空気で駆動した液体COポンプを用いて400バールの所望圧力まで加圧した。次にこの系を平衡になるまで約3分間、放置した。サンプル採取用バイアル(40 ml)の重さを量り、サンプル採取用ポートに室温で接続した。COを5.5-6.0 gm/分の流速で流すことで抽出を開始したが、この流速を90℃に加熱した尖頭弁で制御することで、除圧中にドライアイスにより弁が閉塞するのを防いだ。溶媒対原材料に用いられた比は約 17-18/1 であり、抽出時間は90分間だった。P.クインケフォリウスからの精油画分の総収量は当初の原材料の重さに対して約 0.5% 重量パーセントであり、この精油抽出画分中の精油のパーセント重量は100%だった。原材料の残渣を貯めていき、ジンセノシド及び多糖画分を抽出する付加的な抽出ステップで用いた(図2及び実施例7を参照されたい)。この抽出プロセスの結果を実施例20に示す。
【0090】
実施例4. 赤ニンジン(P.ジンセン)からの精油画分の調製
30mgの赤ニンジン(P.ジンセン)根茎原材料を粉砕し、8番又は20番メッシュのふるいにかけた後、その根茎粉末を採集した。この粉砕後の原材料を、アプライド・セパレーションズ・スーパークリティカル・フルイド・エクストラクション・ユニット・モデル Spe-ed SFE-2(ペンシルヴァニア州アレンタウン)に接続した250ml入りの超臨界流体抽出(SFE)容器に入れた。CO流と一緒に原料のままの植物流が起きるのを防ぐために、非吸着性のコットンボールをこの抽出容器の上部及び底部に詰めた。オーブンを所望の温度である89℃に予熱してから、充填後の容器を入れた。容器をオーブンに接続後、その抽出系をCO(最大60バール)で加圧し、パージすることで、漏出についてこの系を検査した。この系を閉鎖し、空気で駆動した液体COポンプを用いて400バールの所望圧力まで加圧した。次にこの系を平衡になるまで約3分間、放置した。サンプル採取用バイアル(40 ml)の重さを量り、サンプル採取用ポートに室温で接続した。COを5.5-6.0 gm/分の流速で流すことで抽出を開始したが、この流速を90℃に加熱した尖頭弁で制御することで、除圧中にドライアイスにより弁が閉塞するのを防いだ。溶媒対原材料に用いられた比は約 17-18/1 であり、抽出時間は90分間だった。赤ニンジンからの精油画分の総収量は当初の原材料の重さに対して約 0.4% 重量パーセントであり、この精油抽出画分中の精油のパーセント重量は100%だった。原材料の残渣を貯めていき、ジンセノシド及び多糖画分を抽出する付加的な抽出ステップで用いた(図2及び実施例8を参照されたい)。この抽出プロセスの結果を実施例21に示す。
【0091】
実施例5. P.ノトジンセンからのジンセノシド画分の調製
P.ノトジンセンから精油を抽出(実施例1、ステップ1を参照されたい)後の30gmの粉砕済み根茎(20番メッシュ)の残渣を、三段階の溶媒「浸出」プロセスを用いて抽出した。この方法では、精油抽出(ステップ1、実施例1、図1)の残渣と、200mlの抽出溶媒(63%のエタノール水溶液)を、水槽(50乃至60℃)中で加熱した4本のフラスコに攪拌しながら入れた。抽出を2時間、行なった。その結果得られた流体抽出物をFisher P8 20μmフィルタを用いてろ過した。そのろ過物を生成物として採集し、体積及び固体含有量(グラムで測定した乾燥質量)を測定した。次に、20ミクロンのフィルタ上に保持された物質である抽出残渣を、同じ方法を用いた二番目の段階の抽出で原材料として用い、このプロセスを三番目の段階でも繰り返した。残渣を貯めていき、P.ノトジンセン多糖画分のステップ4の抽出で用いた(実施例13、図4)。その結果を表5及び6に集計する。
【0092】
【表5】

【0093】
【表6】

【0094】

【0095】
実施例6. P.クインケフォリウスからのジンセノシド画分の調製
ジンセノシド画分のステップ2溶媒抽出の典型的な実験例は以下の通りである:P.クインケフォリウスからの精油抽出(実施例1、ステップ1を参照されたい)後の30gmの粉砕済み根茎(20番メッシュ)の残渣を、三段階溶媒「浸出」プロセスを用いて抽出した。この方法では、精油抽出の残渣(ステップ1、実施例2、図1)と、200mlの抽出溶媒(63%のエタノール水溶液)を水槽(50乃至60℃)中で加熱した4本のフラスコに攪拌しながら入れた。抽出を2時間、行なった。その結果得られた流体抽出物をFisher P8 20μmフィルタを用いてろ過した。そのろ過物を生成物として採集し、体積及び固体含有量(グラムで測定した乾燥質量)を測定した。次に、20ミクロンのフィルタ上に保持された物質である抽出残渣を、同じ方法を用いた二番目の段階の抽出で原材料として用い、このプロセスを三番目の段階でも繰り返した。残渣を貯めていき、P.クインケフォリウス多糖画分のステップ4の抽出で用いた(実施例14、図4)。その結果を表7及び8に集計する。
【0096】
【表7】

【0097】
【表8】

【0098】

【0099】
実施例7. 白ニンジン(P.ジンセン)からのジンセノシド画分の調製
ジンセノシド画分のステップ2溶媒抽出の典型的な実験例は以下の通りである:白ニンジン(P.ジンセン)からの精油抽出(実施例1、ステップ1を参照されたい)後の30gmの粉砕済み根茎(20番メッシュ)の残渣を、三段階溶媒「浸出」プロセスを用いて抽出した。この方法では、精油抽出の残渣(ステップ1、実施例3、図1)と、200mlの抽出溶媒(63%のエタノール水溶液)を水槽(50乃至60℃)中で加熱した4本のフラスコに攪拌しながら入れた。抽出を2時間、行なった。その結果得られた流体抽出物をFisher P8 20μmフィルタを用いてろ過した。そのろ過物を生成物として採集し、体積及び固体含有量(グラムで測定した乾燥質量)を測定した。次に、20ミクロンのフィルタ上に保持された物質である抽出残渣を、同じ方法を用いた二番目の段階の抽出で原材料として用い、このプロセスを三番目の段階でも繰り返した。残渣を貯めていき、白ニンジン多糖画分のステップ4の抽出で用いた(実施例15、図4)。その結果を表9及び10に集計する。
【0100】
【表9】

【0101】
【表10】

【0102】

【0103】
実施例8. 赤ニンジン(P.ジンセン)からのジンセノシド画分の調製
ジンセノシド画分のステップ2溶媒抽出の典型的な実験例は以下の通りである:赤ニンジン(P.ジンセン)からの精油抽出(実施例1、ステップ1を参照されたい)後の30gmの粉砕済み根茎(20番メッシュ)の残渣を、三段階溶媒「浸出」プロセスを用いて抽出した。この方法では、精油抽出の残渣(ステップ1、実施例4、図1)と、200mlの抽出溶媒(63%のエタノール水溶液)を水槽(50乃至60℃)中で加熱した4本のフラスコに攪拌しながら入れた。抽出を2時間、行なった。その結果得られた流体抽出物をFisher P8 20μmフィルタを用いてろ過した。そのろ過物を生成物として採集し、体積及び固体含有量(グラムで測定した乾燥質量)を測定した。次に、20ミクロンのフィルタ上に保持された物質である抽出残渣を、同じ方法を用いた二番目の段階の抽出で原材料として用い、このプロセスを三番目の段階でも繰り返した。残渣を貯めていき、赤ニンジン多糖画分のステップ4の抽出で用いた(実施例16、図4)。その結果を表11及び12に集計する。
【0104】
【表11】

【0105】
【表12】

【0106】

【0107】
実施例9. P.ノトジンセンからのジンセノシド画分のポリマ吸着精製
ある典型的な実験(ステップ3、図3)で、P.ノトジンセンの最初の30gmの原材料から得られた二段階溶媒浸出ジンセノシド抽出画分をまず減圧した大気圧下で蒸発させてエタノールを除去した後、元の体積まで水で希釈することで、トリテルペンサポニン濃度を変化なしのままに維持した。40gmのポリマ吸着樹脂ADS-8(中国、チャンジン、ナンカイ大学) を、カラム (50 cm L x 1 cm ID、~40 cm3)に充填する前後に水及びエタノールで洗浄した。ジンセノシドの水性抽出画分をこのカラムに80乃至100ml/時の流速で充填した。樹脂ベッドを通る最適な流速は 2 乃至 4 ベッド体積/時だった。漏出曲線を判定するためにこのポリマ吸着樹脂ベッドを通過する溶液の体積及び濃度を測定及び記録した。カラムを完全に充填後、カラムを400 ml の水で 50 ml/時の流速で洗浄して、吸着したジンセノシドからの不純物を取り除いた。次に、ジンセノシドの溶出を、溶出溶媒として 50 ml/時の流速の150 ml のエタノール/水 (4/1) を用いて達成し、溶出曲線を記録した。この抽出物については、吸着樹脂ADS-8 の吸着能力は、吸着樹脂1グラム当り約50 乃至75 mgのジンセノシドだった。この実験の結果を表13及び14に集計する。
【0108】
【表13】

【0109】
【表14】

【0110】
実施例10. P.クインケフォリウスからのジンセノシド画分のポリマ吸着精製
ある典型的な実験(ステップ3、図3)で、P.クインケフォリウスの最初の30gmの原材料から得られた二段階溶媒浸出ジンセノシド抽出画分をまず減圧した大気圧下で蒸発させてエタノールを除去した後、元の体積まで水で希釈することで、トリテルペンサポニン濃度を変化なしのままに維持した。40gmのポリマ吸着樹脂ADS-8(中国、チャンジン、ナンカイ大学) を、カラム (50 cm L x 1 cm ID、~40 cm3)に充填する前後に水及びエタノールで洗浄した。ジンセノシドの水性抽出画分をこのカラムに80乃至100ml/時の流速で充填した。樹脂ベッドを通る最適な流速は 2 乃至 4 ベッド体積/時だった。漏出曲線を判定するためにこのポリマ吸着樹脂ベッドを通過する溶液の体積及び濃度を測定及び記録した。カラムを完全に充填後、カラムを400 ml の水で 50 ml/時の流速で洗浄して、吸着したジンセノシドからの不純物を取り除いた。次に、ジンセノシドの溶出を、溶出溶媒として 50 ml/時の流速の150 ml のエタノール/水 (4/1) を用いて達成し、溶出曲線を記録した。この抽出物については、吸着樹脂ADS-8 の吸着能力は、吸着樹脂1グラム当り約50 乃至75 mgのジンセノシドだった。この実験の結果を表15及び16に集計する。
【0111】
【表15】

【0112】
【表16】

【0113】
実施例11. 白ニンジン(P.ジンセン)からのジンセノシド画分のポリマ吸着精製
ある典型的な実験(ステップ3、図3)で、白ニンジン(P.ジンセン)の最初の22gmの原材料から得られた二段階溶媒浸出ジンセノシド抽出画分をまず減圧した大気圧下で蒸発させてエタノールを除去した後、元の体積まで水で希釈することで、トリテルペンサポニン濃度を変化なしのままに維持した。40gmのポリマ吸着樹脂ADS-8(中国、チャンジン、ナンカイ大学) を、カラム (50 cm L x 1 cm ID、~40 cm3)に充填する前後に水及びエタノールで洗浄した。ジンセノシドの水性抽出画分をこのカラムに80乃至100ml/時の流速で充填した。樹脂ベッドを通る最適な流速は 2 乃至 4 ベッド体積/時だった。漏出曲線を判定するためにこのポリマ吸着樹脂ベッドを通過する溶液の体積及び濃度を測定及び記録した。カラムを完全に充填後、カラムを400 ml の水で 50 ml/時の流速で洗浄して、吸着したジンセノシドからの不純物を取り除いた。次に、ジンセノシドの溶出を、溶出溶媒として 50 ml/時の流速の150 ml のエタノール/水 (4/1) を用いて達成し、溶出曲線を記録した。この抽出物については、吸着樹脂ADS-8 の吸着能力は、吸着樹脂1グラム当り約50 乃至75 mgのジンセノシドだった。この実験の結果を表17及び18に集計する。
【0114】
【表17】

【0115】
【表18】

【0116】
実施例12. 赤ニンジン(P.ジンセン)からのジンセノシド画分のポリマ吸着精製
ある典型的な実験(ステップ3、図3)で、赤ニンジン(P.ジンセン)の最初の22gmの原材料から得られた二段階溶媒浸出ジンセノシド抽出画分をまず減圧した大気圧下で蒸発させてエタノールを除去した後、元の体積まで水で希釈することで、トリテルペンサポニン濃度を変化なしのままに維持した。40gmのポリマ吸着樹脂ADS-8(中国、チャンジン、ナンカイ大学) を、カラム (50 cm L x 1 cm ID、~40 cm3)に充填する前後に水及びエタノールで洗浄した。ジンセノシドの水性抽出画分をこのカラムに80乃至100ml/時の流速で充填した。樹脂ベッドを通る最適な流速は 2 乃至 4 ベッド体積/時だった。漏出曲線を判定するためにこのポリマ吸着樹脂ベッドを通過する溶液の体積及び濃度を測定及び記録した。カラムを完全に充填後、カラムを400 ml の水で 50 ml/時の流速で洗浄して、吸着したジンセノシドからの不純物を取り除いた。次に、ジンセノシドの溶出を、溶出溶媒として 50 ml/時の流速の150 ml のエタノール/水 (4/1) を用いて達成し、溶出曲線を記録した。この抽出物については、吸着樹脂ADS-8 の吸着能力は、吸着樹脂1グラム当り約50 乃至75 mgのジンセノシドだった。この実験の結果を表19及び20に集計する。
【0117】
【表19】

【0118】
【表20】

【0119】
実施例13. P.ノトジンセンからの多糖画分の調製
ある典型的な実験プロトコルで、P.ノトジンセンから得られた、脱脂し(精油画分を取り除いた、ステップ1、図1、実施例1)、サポニン除去した(ジンセノシド画分を取り除いた、ステップ2、図2、実施例5)30mgのニンジン根原材料粉末から出た残渣を500ml入りフラスコに充填した。この残渣を沸騰水で2時間、3回抽出した。各回に用いた水の体積は500 ml、500 ml、そして300 mlだった。その溶液を凍結乾燥させて固体濃度を判定した(表21)。抽出収量は47.22%であり、多糖のほぼ100%がP.ノトジンセン原材料から抽出されたことが示された。更に、多糖抽出画分は高度に精製されており、おそらくは多様な分子量の多糖の99%を越える混合物であろう(解析については実施例30を参照されたい)。
【0120】
【表21】

【0121】
実施例14. P.クインケフォリウスからの多糖画分の精製
ある典型的な実験プロトコルで、P.クインケフォリウスから得られた、脱脂し(精油画分を取り除いた、ステップ1、図1、実施例2)、サポニン除去した(ジンセノシド画分を取り除いた、ステップ2、図2、実施例6)30mgのニンジン根原材料粉末から出た残渣を500ml入りフラスコに充填した。この残渣を沸騰水で2時間、3回抽出した。各回に用いた水の体積は500 ml、500 ml、そして300 mlだった。その溶液を凍結乾燥させて固体濃度を判定した(表22)。抽出収量は18.78%であり、多糖のほぼ100%がP.クインケフォリウス原材料から抽出されたことが示された。更に、多糖抽出画分は高度に精製されており、おそらくは多様な分子量の多糖の99%を越える混合物であろう(解析については実施例30を参照されたい)。
【0122】
【表22】

【0123】
実施例15. 白ニンジン(P.ジンセン)からの多糖画分の精製
ある典型的な実験プロトコルで、白ニンジン(P.ジンセン)から得られた、脱脂し(精油画分を取り除いた、ステップ1、図1、実施例3)、サポニン除去した(ジンセノシド画分を取り除いた、ステップ2、図2、実施例7)30mgのニンジン根原材料粉末から出た残渣を500ml入りフラスコに充填した。この残渣を沸騰水で2時間、3回抽出した。各回に用いた水の体積は500 ml、500 ml、そして300 mlだった。その溶液を凍結乾燥させて固体濃度を判定した(表21)。抽出収量は17.44%であり、多糖のほぼ100%が白ニンジン原材料から抽出されたことが示された。更に、多糖抽出画分は高度に精製されており、おそらくは多様な分子量の多糖の99%を越える混合物であろう(解析については実施例30を参照されたい)。
【0124】
【表23】

【0125】
実施例16. 赤ニンジン(P.ジンセン)からの多糖画分の精製
ある典型的な実験プロトコルで、赤ニンジン(P.ジンセン)から得られた、脱脂し(精油画分を取り除いた、ステップ1、図1、実施例4)、サポニン除去した(ジンセノシド画分を取り除いた、ステップ2、図2、実施例8)30mgのニンジン根原材料粉末から出た残渣を500ml入りフラスコに充填した。この残渣を沸騰水で2時間、3回抽出した。各回に用いた水の体積は500 ml、500 ml、そして300 mlだった。その溶液を凍結乾燥させて固体濃度を判定した(表24)。抽出収量は47.22%であり、多糖のほぼ100%が赤ニンジン原材料から抽出されたことが示された。更に、多糖抽出画分は高度に精製されており、おそらくは多様な分子量の多糖の99%を越える混合物であろう(解析については実施例30を参照されたい)。
【0126】
【表24】

【0127】
実施例17. HPLC法
ニンジン抽出物及び画分のHPLC分析を、以下のシマズ社製装置を備えたシマズSE0405003 HPLC システムを用いて行なった:SCL-10AVP
システム・コントローラ、DGU-14A4列真空メンブレンガス抜き器、FCV-10ALVP
低圧勾配装置、LC-10ATVP シリアル・プランジャ溶媒送達装置、100マイクロリットル・セミマイクロ・ミキサ、SIL-10AF 高速オートサンプラ、SPD-M10AVP
UV-Vis 光ダイオードアレイ検出器、CTO-10ASvp カラム・オーブン、クラスVP 7.2.1 SP1クロマトグラフィ・ソフトウェア、及びFRC-10A 画分コレクタ。実施例18−25で用いたカラムはジュピター5μ C18 300Aという、フェノメネックス社から得た250 x 4.6 mm のカラムだった。水、エタノール、メタノール、及びアセトニトリルを含め、HPLC法で用いた溶媒はHPLC級であり、シグマ・アルドリッチ社から得られた。
【0128】
実施例18. P.ノトジンセンからの精油画分のHPLCによる特徴付け
P.ノトジンセンからの精油画分を実施例1に解説した通りに調製した。HPLC分析は、ここで解説した特定の条件により、実施例17で解説した方法及び装置を用いて行なわれた。精油画分試料をHPLC級メタノールに3 mg/mlの濃度に溶解させた。試料注入体積は10μlだった。移動相成分は以下の通りだった:移動相成分Aは、0.5% のリン酸水溶液、pH 3.5 のリン酸緩衝液(「A」)であり;移動相成分Bはメタノール (「B」)であり;そして移動相成分Cはアセトニトリル「C」だった。用いた濃度勾配溶出プログラムは以下の通りだった:最初の移動相組成は体積ベースでA、B、及びCがそれぞれ50%、17%、及び33%から成り、試料注入から40分後の移動相組成は体積ベースでA、B、及びCがそれぞれ 25%、25%、及び 50%から成った。移動相は490分間で線形勾配になり当初の 50:17:33 から 25:25:50 のA:B:Cに変化した後、この状態更に10分間、保った。総分析時間は50分間であり、移動相流速は1分当り 1 ml であり、カラム温度は45℃に制御された。ピーク検出は 254 nmであった。このHPLCクロマトグラムのデータを表25及び26に挙げる。
【0129】
【表25】


【0130】
【表26】

【0131】
実施例19. P.クインケフォリウスからの精油画分のHPLCによる特徴付け
P.クインケフォリウスからの精油画分を実施例2に解説した通りに調製した。HPLC分析は実施例18で解説した通りに行なわれた。そのHPLCクロマトグラムの指定されたピークの保持時間を表27に挙げる。またそのHPLCクロマトグラムの代表的ピークに関する更なるデータを表28に挙げる。
【0132】
【表27】



【0133】
【表28】

【0134】
実施例20. 白ニンジン(P.ジンセン)からの精油画分のHPLCによる特徴付け
白ニンジン(P.ジンセン)からの精油画分を実施例3に解説した通りに調製した。HPLC分析は実施例18で解説した通りに行なわれた。そのHPLCクロマトグラムの指定されたピークの保持時間を表29に挙げる。またそのHPLCクロマトグラムの代表的ピークに関する更なるデータを表30に挙げる。
【0135】
【表29】



【0136】
【表30】

【0137】
実施例21. 赤ニンジン(P.ジンセン)からの精油画分のHPLCによる特徴付け
赤ニンジン(P.ジンセン)からの精油画分を実施例4に解説した通りに調製した。HPLC分析は実施例18で解説した通りに行なわれた。そのHPLCクロマトグラムの指定されたピークの保持時間を表31に挙げる。またそのHPLCクロマトグラムの代表的ピークに関する更なるデータを表32に挙げる。
【0138】
【表31】

【0139】
【表32】

【0140】
実施例22. P.ノトジンセンからのジンセノシド画分のHPLCによる特徴づけ
P.ノトジンセンからのジンセノシド画分を実施例9に解説した通りに調製した。HPLC分析は、ここに解説された特定の条件で実施例17に解説した方法及び装置を用いて行なわれた。ジンセノシド画分試料を1/10に HPLC-勾配メタノールで希釈して最終濃度を約1 mg/mlにした。試料注入体積は10μlだった。移動相成分は以下の通りだった:移動相成分Aは、0.5% のリン酸水溶液、pH 3.5 のリン酸緩衝液「A」であり;そして移動相成分Bはアセトニトリル「B」)だった。用いた濃度勾配溶出プログラムは以下の通りだった:20分間を通じた最初の注入からの移動相組成は体積ベースでA及びBがそれぞれ79%及び21%から成り、試料注入から40分後の移動相組成は体積ベースでA、B、及びCがそれぞれ 25%、25%、及び 50%から成った。20分から60分までの線形勾配では、移動相はAが79%から58%へ、そしてBが21%から42%へ変化した。総分析時間は約60−70分間であり、移動相の流速は1分当り1mlであり、カラム温度は40℃に制御された。ピーク検出は203nmであった。HPLCクロマトグラムからの指定されたピークの保持時間を表33に挙げる。HPLCクロマトグラムからの代表的なピークに関する更なるデータを表34に挙げる。
【0141】
【表33】

【0142】
【表34】

【0143】
実施例23. P.クインケフォリウスからのジンセノシド画分のHPLCによる特徴づけ
P.クインケフォリウスからの親和性吸着精製されたジンセノシド画分は実施例10に解説された通りに調製された。HPLC分析は実施例22に解説された通りに行なわれた。HPLCクロマトグラムからの指定されたピークの保持時間を表35に挙げる。HPLCクロマトグラムからの代表的なピークに関する更なるデータを表36に挙げる。
【0144】
【表35】

【0145】
【表36】

【0146】
実施例24. 白ニンジン(P.ジンセン)からのジンセノシド画分のHPLCによる特徴づけ
白ニンジン(P.ジンセン)からの親和性吸着精製されたジンセノシド画分は実施例11に解説された通りに調製された。HPLC分析は実施例22に解説された通りに行なわれた。HPLCクロマトグラムからの指定されたピークの保持時間を表37に挙げる。HPLCクロマトグラムからの代表的なピークに関する更なるデータを表38に挙げる。
【0147】
【表37】

【0148】
【表38】

【0149】
実施例25. 赤ニンジン(P.ジンセン)からのジンセノシド画分のHPLCによる特徴づけ
赤ニンジン(P.ジンセン)からの親和性吸着精製されたジンセノシド画分は実施例12に解説された通りに調製された。HPLC分析は実施例22に解説された通りに行なわれた。HPLCクロマトグラムからの指定されたピークの保持時間を表39に挙げる。HPLCクロマトグラムからの代表的なピークに関する更なるデータを表40に挙げる。
【0150】
【表39】

【0151】
【表40】

【0152】
実施例26. ガス・クロマトグラフィ(「GC」)及び質量分析法(「MS」)法
ニンジン抽出物及び画分のガス・クロマトグラフィ分析はヒューレット・パッカード社製モデル5890 ガス・クロマトグラムを用いて行なわれた。分析は0.25μmのフィルム厚のXTI-5 キャピラリ・カラム(30 m 長 x 0.25 mm ID、Restek社製)を用い、ヘリウム担体ガスの流速を1 ml/min にして行なわれた。ガス発生の温度は270℃だった。カラム温度は以下の通りにプログラムされた:10℃/分の割合で50 − 140℃ (15分間、保持)、その後140℃に15分間、維持した後、15℃/分の割り合いで140 −260℃にした後、 260℃で維持。総作動時間は52分であり、試料分離時間は1:50だった。
【0153】
質量分析はヒューレット・パッカード社製モデル 5899A 質量分析装置を用いて行なわれた。イオン源温度は 200℃であり、イオン源は、イオン化エネルギを70 eVにした EI だった。放出電流は 300 mAだった。データはm/z 40 − 600 のフル・スキャンモードで1sサイクルで採集された。
【0154】
実施例27. P.ノトジンセンからの精油画分のGC/MSによる特徴づけ
P.ノトジンセンからの精油画分は実施例1で解説された通りに調製された。ガス・クロマトグラフィ分析は実施例26で解説された通りに行なわれた。GCでの溶出ピークの質量分析を用いて、多様な化学的構成成分を同定する補助とした。MSデータ(m/z 値及び豊富度)は、精油画分中の以下の化合物の存在と一致する: (+)-スパスレノール (エスパツレノール)、CAS No. 6750-60-3; カフェイン、CAS No. 58-08-2; ヘキサデカン酸、CAS No. 57-10-3; (-)-カリオフィレン オキシド、CAS No.
1139-30-6; ヘプタン酸エチル、CAS No.
106-30-9; trans,trans-オクタデカ-9,12-ジエン酸
メチルエステル、CAS No. 2566-97-4; オクタデカ-9-イン酸 メチルエステル、CAS No. 1120-32-7; フェニルアセチレン、CAS No. 536-74-3; エチレンチオウレア、CAS No. 96-45-7; リノール酸、CAS No. 60-33-3; 4-メチル-ペント-2-エン酸、CAS No.
10321-71-8; 2-メチル-4-ニトロイミダゾール、CAS No. 696-23-1; 9,12-オクタデカジエナール、CAS No. 26537-70-2; メビンフォス、CAS No. 7786-34-7; ウンデカ-10-イン酸、CAS No. 2777-65-3; ファルカリノール ((Z)- 1,9-ヘプタデカジエン-4,6-ジイン-3-オール)、CAS No. 21852-80-2; 及び[1R-(1α,4β,4aα,6β,8Aaα)]-オクタヒドロ-4,8a,9,9-テトラメチル-1,6-メタノ-1(2H)-ナフトール、CAS No. 5986-55-0。
【0155】
実施例28. P.クインケフォリウスからの精油画分のGC/MSによる特徴づけ
P.クインケフォリウスからの精油画分は実施例2で解説された通りに調製された。ガス・クロマトグラフィ分析は実施例26で解説された通りに行なわれた。GCでの溶出ピークの質量分析を用いて、多様な化学的構成成分を同定する補助とした。MSデータ(m/z 値及び豊富度)は、精油画分中の以下の化合物の存在と一致する: 4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン、CAS No. 645-92-1; 2,2’-メチルイミノジエタノール、CAS No. 105-59-9; カフェイン、CAS No. 58-08-2; ジヒドロウラシル、504-07-4; ステアリン酸 (オクタデカアン酸)、CAS No. 57-11-4; ヘキサデカン酸、CAS No. 57-10-3; 4-ニトロフェノール、CAS No. 100-02-7; リノール酸、CAS No. 60-33-3; 3-ニトロトルエン、CAS No. 99-08-1; 2,3-ジヒドロキシプロピル パルミテート、CAS No.
542-44-9; オレイン酸、CAS No. 112-80-1; シンナミルアセテート、CAS No. 103-54-8; メチル (9E,12E)-オクタデカ-9,12-ジエノエート (メチルリノレライデート(原語:methyl linolelaidate))、CAS No. 2566-97-4; 及び7-オクテン酸、CAS No.
18719-24-9。
【0156】
実施例29. 白ニンジン(P.ジンセン)からの精油画分のGC/MSによる特徴づけ
白ニンジン(P.ジンセン)からの精油画分は実施例3で解説された通りに調製された。ガス・クロマトグラフィ分析は実施例26で解説された通りに行なわれた。GCでの溶出ピークの質量分析を用いて、多様な化学的構成成分を同定する補助とした。MSデータ(m/z 値及び豊富度)は、精油画分中の以下の化合物の存在と一致する: (-)-スパスレノール、CAS No. 77171-55-2; (+)-スパスレノール、CAS No. 6750-60-3; (-)-カリオフィレン オキシド、CAS No. 1139-30-6; 1-メチル-5-ニトロ-1H-イミダゾール、CAS No.
3034-42-2; 2-エチル-2-メチルオキシラン、CAS No. 30095-63-7; カフェイン、CAS No. 58-08-2; ジヒドロウラシル、CAS No. 504-07-4; ヘキサデカン酸、CAS No. 57-10-3; メチル (9E,12E)-オクタデカ-9,12-ジエノエート (メチルリノレライデート(原語:methyl linolelaidate)、CAS
No. 2566-97-4; リノール酸、CAS No. 60-33-3;
ウンデカ-10-イン酸、CAS No. 2777-65-3; フェニルアセチレン、CAS No. 536-74-3; シナルビン、CAS No. 27299-07-6; スチグマスタ-5,22-ジエン-3-β-オール、CAS No.
83-48-7; (3β,24S)-スチグマスト-5-エン-3-オール、CAS No.
83-47-6; スチグマスト-5-エン-3-β-オール、CAS No. 83-46-5; (3β,24ξ)-スチグマスト-5-エン-3-オール、CAS No. 19044-06-5; 4-メチル-1,4-ヘプタジエン、CAS No. 13857-55-1; 9,12-オクタデカジエナール、CAS No. 26537-70-2; 7,8-エポキシオクテン、CAS No. 19600-63-6; 4-ノニン、CAS No. 20184-91-2; 2-シクロペンテン-1--ウンデカン酸、CAS No.
459-67-6; ファルカリノール ((Z)- 1,9-ヘプタデカジエン-4,6-ジイン-3-オール)、CAS No. 21852-80-2; 及びN-メチルカプロラクタム、CAS
No. 2556-73-2。
【0157】
実施例30. 赤ニンジン(P.ジンセン)からの精油画分のGC/MSによる特徴づけ
赤ニンジン(P.ジンセン)からの精油画分は実施例3で解説された通りに調製された。ガス・クロマトグラフィ分析は実施例26で解説された通りに行なわれた。GCでの溶出ピークの質量分析を用いて、多様な化学的構成成分を同定する補助とした。MSデータ(m/z 値及び豊富度)は、精油画分中の以下の化合物の存在と一致する: 3-ヒドロキシ-2-メチル-4-ピロン、CAS No. 118-71-8; ピロガロール、CAS No. 87-66-1; [1aR-(1aα,7α,7aα,7bα)]-1a,2,3,5,6,7,7a,7b-オクタヒドロ-1,1,7,7a-テトラメチル-1H-シクロプロパ[a]ナフタレン、CAS No. 17334-55-3; [1aR-(1aα,7α,7aβ,7bα)]-デカヒドロ-1,1,7-トリメチル-4-メチレン-1H-シクロプロパ[e]アズレン、CAS
No.489-39-4; カリオフィレン、CAS No.
87-44-5; 1R-(1R*,4Z,9S*)]-4,11,11-トリメチル-8-メチレンビシクロ[7.2.0]ウンデカ-4-エン、CAS No. 118-65-0; カフェイン、CAS No. 58-08-2; ヘキサデカン酸、CAS No.
57-10-3; 4-メチル-2-フェニル-2-ペンタナール、CAS No. 26643-91-4; (Z)-9,17-オクタデカジエナール、CAS No. 56554-35-9; リノール酸、CAS No. 60-33-3; エチリデンシクロヘプタン、CAS
No. 10494-87-8; オクタ-1,7-ジイン、CAS No. 871-84-1; 3-(フェニルメチル)シドノン、CAS No. 16844-42-1; フェニルアセチレン、536-74-3; ジイソプロピル アジペート、CAS No. 6938-94-9; 2,3-ジヒドロキシプロピル パルミテート、CAS No. 542-44-9; 9Z,12Z-オクタデカジエン酸 (2-リノレオイルグリセロール)、CAS No. 3443-82-1; 及び3-エテニル-シクロオクテン、CAS No. 2213-60-7。
【0158】
実施例31. パナックス種精製多糖画分中の多糖濃度の判定
P.ノトジンセン(実施例13)、P.クインケフォリウス(実施例14)、白ニンジン(実施例15)、及び赤ニンジン(16) からの乾燥多糖抽出物のすべてが無色であったことから、タンニン及び他のポリフェノール系化学的構成成分が、ジンセノシドの抽出中にエタノールで抽出されたことが示された(ステップ2)。多様な量の塩類(最高100 mg/2 gm (溶液乾燥重量で)やクエン酸及び酢酸をこの多糖抽出溶液に加えても、沈殿物が観察されなかったことから、この多糖抽出画分中のタンパク質含有量は低いことが示された。更に、10容のエタノールに凍結乾燥させた多糖抽出画分を溶解させると、多糖抽出画分の1%未満しか、エタノールに可溶性でないことが判明した。従って、これらのパナックス種多糖抽出画分は高度に精製されており、おそらくは99%を超える、多様な分子量の多糖の混合物であった。
【0159】
より直接的に、精製済み多糖画分中のすべての中の糖質の量を、アントロン比色法を用いて判定した。典型的には、9,10-ジヒドロ-9-オキソアントラセンとも呼ばれる約0.18 グラムのアントロン (CAS No. 90-44-8、シグマ・アルドリッチ社から得た)を約50mlの濃縮硫酸 (95.7%、フィッシャー社から得た)と混合した。このアントロン及び硫酸の溶液を震盪した後、氷水槽に浸した。光電分光光度計(Thermo Spectronic 20D+)の較正はラクトース (CAS
No. 63-42-3、アクロス社から得た)を標準として用いて行なわれた。約15mgのラクトースを約30mlの蒸留水に溶解させることで、ラクトース標準溶液 (0.05% wt/vol) を調製した。このラクトース標準溶液の具体的な体積(典型的には約 0、200、400、600、及び800μl)を試験管内にピペットで入れ、蒸留水を用いてその体積を最終体積である 1 ml に調節した。上述したように調製したアントロン溶液 (2 ml)を、試験管をよく震盪させながら各1mlのラクトース標準試料に次第に加えていった。混合後、アントロン−試料溶液を氷水槽中に30分間、保存してから、室温まで温めた。各試料の吸光度を625 nm で蒸留水をブランクとして用いて判定した。この吸光度をラクトース濃度に対して表にして、標準曲線を得た。精製済み多糖画分の試料(約10μl)を1 ml になるまで蒸留水で希釈した。この希釈された多糖試料に約2 ml のアントロン試薬を、よく震盪させながら次第に加えた。混合後、アントロン−多糖溶液を30分間、氷槽中で保存してから、室温まで温めた。625 nm での吸光度を各アントロン−多糖試料溶液について判定した。各試料中の糖質の量を、上述したように作製されたラクトース標準曲線を用いて判定した。典型的には、この方法を用いて、研究された全パナックス種を由来とする多糖画分のすべてが、重量で90%を越える糖質成分を含有していたことが判定された。
【0160】
実施例32. P.ノトジンセン抽出物剤形組成物
P.ノトジンセンの抽出物を本発明に従って調製し、飲用溶液として水又は他の溶液に添加する錠剤、カプセル、又は粉末として適した剤形組成物を調製するために用いた。当該の剤形組成物は表41に示した処方に従って調製されたが、同表で示した量は、剤形一個あたりの量である。
【0161】
【表41】

【0162】
P.ノトジンセンの新規な抽出物は精油、ジンセノシド、及び多糖を、天然根茎材料又は従来の抽出生成物で見られるよりも高い重量パーセント、含む。当該調合物をいずれかの経口用剤形に作製し、所望の生理学的、心理学的及び医学的効果(記憶及び認知の向上、慢性疲労症候群の寛解、男性の勃起機能の促進)及び医学的効果(抗酸化作用、抗血小板凝集作用、心臓血管及び脳血管疾患の防止及び治療、抗コレステロール血症作用、細胞質保護作用、神経系保護作用、アルツハイマー病及びパーキンソン病などの神経学的変性疾患の防止及び治療、抗炎症作用、免疫亢進、抗ウィルス作用、肺疾患、肝臓の保護作用及び疾患、血糖降下及び抗糖尿病作用、並びに癌の予防及び治療)に対する必要に応じて毎日又は1日当り15回まで、投与することができる。表41に挙げる投薬組成物を、錠剤に圧縮しても、ゲルカップ中に用いても、あるいは、急速溶解テーブル(原語:table)に用いてもよい。
【0163】
実施例33. P.クインケフォリウス抽出剤形組成物
P.クインケフォリウスの抽出物を本発明に従って調製し、飲用溶液として水又は他の溶液に添加する錠剤、カプセル、又は粉末として適した剤形組成物を調製するために用いた。当該の剤形組成物は表42に示した処方に従って調製されたが、同表で示した量は、剤形一個あたりの量である。
【0164】
【表42】

【0165】
リョクトウ粉末 10:1 とは、水含有量を言う(10部のリョクトウ、対、1部の水)。それは結合剤として用いられる。
【0166】
P.クインケフォリウスの新規な抽出組成物は精油、ジンセノシド、及び多糖という化学的構成成分を、天然植物材料又は従来の抽出生成物で見られるよりも高い重量パーセント、含む。当該調合物をいずれかの経口用剤形に作製し、所望の生理学的、心理学的及び医学的効果(上記の実施例1を参照されたい)に対する必要に応じて1日当り最高15回まで、安全に投与することができる。表42に挙げる投薬組成物を、錠剤に圧縮しても、ゲルカップ中に用いても、あるいは、急速溶解テーブル(原語:table)に用いてもよい。
【0167】
実施例34. 白ニンジン(P.ジンセン)抽出剤形組成物
白ニンジン(P.ジンセン)の抽出物を本発明に従って調製し、飲用溶液として水又は他の溶液に添加する錠剤、カプセル、又は粉末として適した剤形組成物を調製するために用いた。当該の剤形組成物は表43に示した処方に従って調製されたが、同表で示した量は、剤形一個あたりの量である。
【0168】
【表43】

【0169】
白ニンジン(P.ジンセン)の新規な抽出組成物は精油、ジンセノシド、及び多糖という化学的構成成分を、天然植物材料又は従来の抽出生成物で見られるよりも高い重量パーセント、含む。白ニンジン抽出組成物中のプロファイルの変化にも注目されたい(原材料中の精油/ジンセノシドの比は1/6.4であったが、抽出組成物中では1/5である;原材料中の精油/多糖の比は1/35であったが、抽出組成物中では1/20である;そしてジンセノシド/多糖の比は1/5.4であったが、抽出組成物は1/4である)。当該調合物をいずれかの経口用剤形に作製し、所望の生理学的、心理学的及び医学的効果(上記の実施例1を参照されたい)に対する必要に応じて1日当り最高15回まで、安全に投与することができる。表43に挙げる投薬組成物を、錠剤に圧縮しても、ゲルカップ中に用いても、あるいは、急速溶解テーブル(原語:table)に用いてもよい。
【0170】
以上、本発明を具体的な実施態様を特に参照しながら詳述してきたが、当業者であれば、上記の教示をもとに、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、多様な改変及び変更を本発明においてできることは明白であろう。本発明の他の実施態様は、本明細書や、ここに開示した本発明の慣例を考慮すれば、当業者には明白であろう。本明細書及び実施例は例示的なもののみとしてみなされ、本発明の真の範囲及び精神は以下の請求項に示されるものことが意図されている。
【0171】
参考文献
米国特許第3,464,972号;第3,883,425号;第3,886,272号;第3,901,875号;第4,157,894号;第5,776,460号;第 6,432,454号;
1. Sticher
O. Chemtech 28(4):26, 1998.
2. Tang
G and Eisenbrand G. Chinese Drugs of Plant Origin,
Springer-Verlag: New York, 1984 Vol.46:1.
3. Shibata
S et al. In: Economic and Medicinal Plant
Research; Wagner H et al
(eds); Academic Press: London,
1985; Vol. 1:217.
4. Zhang
S et al. Planta Med 56:298, 1990.
5. Liu C-X and Xiao P-G. J Ethnopharmacol 36:27, 1992.
6. Sonnenborn
U. Dtsch Apoth Ztg 127:433, 1987.
7. Sonnenborn
U. Proppert, Y Z Phytother 11:35,
1990.
8. Soldati
F and Sticher O. Planta Med 39:348, 1980.
9. Angell
M and Kassirer JP. N Engl J Med
339:839, 1998.
10. Hershey
MR et al. Am J Clin Nutr
73(6):1101, 2001.
11. Deng
HW et al. Biochem Arch 6:359, 1990.
12. Deng
H and Zang J. Chin Med J 104:395, 1991.
13. Lee
SJ et al. Cancer Lett 144(1):39, 1999.
14. Maffei
F et al. Planta Med 65(7):614, 1999.
15. Voces
J et al. Comp Biochem Physiol C
Pharmacol Toxicol Endocrinol 123(2):175, 1999.
16. Chang
TO. Arch Intern Med 160:3329, 2000.
17. Lee
JY et al. Life Sci 75f(13):1621, 2004
18. Zhen
SY et al. Zhougguo Zhong Xi Yi Jie
He Za Zhi. 24(6):541, 2004.
19. Shao
ZH et al. Biochim Biophys Acta.
1670(3):165, 2004.
20. Sui
DY et al. Zhongguo Zhong Yao Za Zhi. 26(6):416,
2001.
21. Caron
MF et al. Ann Pharmacother. 36(5):758, 2002
22. Gao
Q et al. Planta Med 55:9, 1989.
23. Yamada
H and Kiyhara H. Abstr Chin Med 3:104, 1989.
24. Tomoda
M et al. Biol Pharm Bull 16:22, 1993.
25. Tomoda
M et al. Biol Pharm Bull 17:1287,
1994.
26. Tomoda
M et al. Biol Pharm Bull 16:1087,
1993.
27. Liu
J et al. Ageing Dev 83:43, 1995.
28. Yamada
H et al. Phytother Res 9:264, 1995.
29. Wang
M et al. J Pharm Pharmacol. 53(11):1515, 2001.
30. Yoshikawa
M et al. Chem Pharm Bull (Tokyo). 49(11):1452, 2001.
31. Shin
JY et al. Immunopharmacol
Immunotoxicol. 24(3):469, 2002.
32. Rivera
E et al. Vaccine 21(11-12):1149,
2003.
33. Sun
HX et al. Acta Pharmacol Sin. 24(11):1150, 2003.
34. McElhaney
JE et al. J Am Geriatr Soc. 52(1):13, 2004.
35. Sun
X-B et al. J Ethnopharmacol 31:101,
1991.
36. Wen
T-C et al. Acta Neuropath 91:15,
1996.
37. Rudakewich
M et al. Planta Med. 67(6):533, 2001.
38. Lee
TF et al. Planta Med. 67(7):634, 2001.
39. Liao
B et al. Exp Neurol. 173(2):224,
2002.
40. Van
Kampen J et al. Exp Neurol. 184(1):521, 2003.
41. Kimura
Y et al. J Pharm Pharmacol 40:838,
1988.
42. Teng
C-M et al. Biochem Biophys Acta 990:315, 1989.
43. Kuo
S-C et al. Planta Med 56:164, 1990.
44. Liu
T et al. Zhongguo Zhong Yao
Za Zhi. 27(8):609, 2002.
45. Nah
S-Y et al. Proc Natl Acad Sci
92:8739, 1995.
46. Ahn
B-Z and Kim S-I. Arch Pharm 321:61,
1988.
47. Matsunaga
H et al. Chem Pharm Bull 37:1279,
1989.
48. Matsunaga
H et al. Chem Pharm Bull 38:3480,
1990.
49. Matsunaga
H et al. Cancer Chemother Pharmacol
35:291, 1995.
50. Mochizuki M et al. Biol Pharm Bull 18:1197, 1995.
51. Fei
XF et al. Acta Pharmacol Sin. 23(4):315, 2002.
52. Yun
TK et al. J Korean Med Sci. 16:S6,2001.
53. Ro
JY et al. Int J Immunopharmacol.
20(11):625, 1998.
54. Cabral
de Oliveira AC et al. Comp Biochem Physiol C Toxicol Pharmacol. 30(3):369, 2001.
55. Inoue
M et al. Phytomed 6(4):257, 1999.
56. Kim
SH and Park KS. Pharmacol Res. 48(5):511, 2003.
57. Sotaniemi
E et al. Diabete Care 18(10):1373, 1995.
58. Dey
L et al. Phytomedicine
10(6-7):2003.
59. Bae
JW and Lee MH. J
Ethnopharmacol 91(1):137, 2004.
60. Xie
JT et al. Phytomedicine
11(2-3):182, 2004.
61. Gross
D et al. Monaldi Arch Chest
Dis. 57(5-6):242, 2002.
62. Lin
CF et al. Phytother Res.
17(9):1119, 2003.
63. Park
EJ et al. Basic Clin Pharmacol
Toxicol. 94(3):298, 2004.
64. Choi
H et al. Int J Impot Res. 7(3):935,1991.
65. Choi
H et al. J Urol. 162(4):1508, 1999.
66. Murphy
LL and Lee TJ. Ann N Y Acad Sci.
962:372, 2002.
67. Hong
B et al. J Urol. 168(5):2070, 2002.
68. Yamazaki
M et al. Biol Pharm Bull. 24(2):1434, 2001.
69. Scholey
AB and Kennedy DO. Hum
Psychopharmacol. 17(1):35, 2002.
70. Hartz
AJ et al. Psychol Med. 34(1):51, 2004.
71 Fulder
SJ et al. Proc 4th Int
Ginseng Symposium 4:215-223,
1984.
72. Yun
YS et al. Plant Med 59:521, 1993.
73. Kim
K-H et al. Planta Med 64:110, 1998.
74. Lee Y-S et al. Anticancer Res 17:323, 1997.
【図面の簡単な説明】
【0172】
【図1】図1は、植物原材料から精油画分を調製するための例示的方法を示す。
【図2】図2は、ジンセノシド画分を調製するための例示的方法を示す。
【図3】図3は、ポリマ吸着剤を用いて精製ジンセノシド画分を調製するための例示的方法を示す。
【図4】図4は、多糖画分を調製するための例示的方法を示す。
【図5】図5は、20(S)-ジンセノシドRh1、20(S)-ジンセノシドRh2、20(S)-ジンセノシド Rg3、及びジンセノシド Rg5の化学構造を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジンセノシドを重量で10%を越える量、含む組成物。
【請求項2】
前記ジンセノシドがR0、R1、R2、Ra、Rb1、Rb2、Rc、Rd、Re、Rf、Rg1、Rg2、Rg3、Rg5、Rh1、Rh2、Rh4、Rs1、Rs2、Rs3、又は Rs4を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ジンセノシドの前記量が重量で15、20、25、30、35、40、45 又は 50% を越える、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
ポリアセチレンを更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリアセチレンがパナナキシノール、パナキシドール、パナキシトリオール、アセチルパナキシドール、クロロパパキシドール、パナキシドールクロロヒドリン、パナキシン、ジンセノイン A、ジンセノイン B、ジンセノイン C、ジンセノイン D、ジンセノイン E、ジンセノイン F、ジンセノイン G、ジンセノイン H、ジンセノイン I、ジンセノイン J、又はジンセノイン Kを含む請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリアセチレンがパナナキシノール、パナキシドール、パナキシトリオール、アセチルパナキシドール、クロロパパキシドール、パナキシドールクロロヒドリン、パナキシン、ジンセノイン A、ジンセノイン B、ジンセノイン C、ジンセノイン D、ジンセノイン E、ジンセノイン F、ジンセノイン G、ジンセノイン H、ジンセノイン I、ジンセノイン J、及びジンセノイン Kを含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記ジンセノシドがR0、R1、R2、Ra、Rb1、Rb2、Rc、Rd、Re、Rf、Rg1、Rg2、Rg3、Rg5、Rh1、Rh2、Rh4、Rs1、Rs2、Rs3、又は Rs4を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
ジンセノシドの前記量が重量で15、20、25、30、35、40、45 又は 50% を越える、請求項4に記載の組成物。
【請求項9】
ポリアセチレンの前記量が重量で1、2、4、6、8、又は 10%である、請求項4に記載の組成物。
【請求項10】
(+)-スパスレノール; (-)-スパスレノール; カフェイン; ヘキサデカン酸; (-)-カリオフィレンオキシド; ヘプタン酸エチル; trans,trans-オクタデカ-9,12-ジエン酸メチルエステル; オクタデカ-9-イン酸メチルエステル; フェニルアセチレン; エチレンチオウレア; リノール酸; 4-メチル-ペント-2-エン酸; 2-メチル-4-ニトロイミダゾール; 9,12-オクタデカジエナール; メビンフォス; ウンデカ-10-イン酸; ファルカリノール ((Z)-1,9-ヘプタデカジエン-4,6-ジイン-3-オール); [1R-(1α,4β,4aα,6β,8aα)]-オクタヒドロ-4,8a,9,9-テトラメチル-1,6-メタノ-1(2H)-ナフトール; 4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン; 2,2’-メチルイミノジエタノール; ジヒドロウラシル; ステアリン酸; 4-ニトロフェノール; 3-ニトロトルエン; 2,3-ジヒドロキシプロピルパルミテート; オレイン酸; シンナミルアセテート; 7-オクテン酸; 1-メチル-5-ニトロ-1H-イミダゾール; 2-エチル-2-メチルオキシラン; メチル (9E,12E)-オクタデカ-9,12-ジエノエート; シナルビン、スチグマスタ-5,22-ジエン-3-β-オール; (3β,24S)-スチグマスト-5-エン-3-オール; スチグマスト-5-エン-3-β-オール; (3β,24ξ)-スチグマスト-5-エン-3-オール; 4-メチル-1,4-ヘプタジエン; 9,12-オクタデカジエナール; 7,8-エポキシオクテン、4-ノニン; 2-シクロペンテン-1-ウンデカン酸; 3-ヒドロキシ-2-メチル-4-ピロン; ピロガロール; [1aR-(1aα,7α,7aα,7bα)]-1a,2,3,5,6,7,7a,7b-オクタヒドロ-1,1,7,7a-テトラメチル-1H-シクロプロパ[a]ナフタレン; [1aR-(1aα,4aα,7α,7aβ,7bα)]-デカヒドロ-1,1,7-トリメチル-4-メチレン-1H-シクロプロパ[e]アズレン; カリオフィレン; 1R-(1R*,4Z,9S*)]-4,11,11-トリメチル-8-メチレンビシクロ[7.2.0]ウンデカ-4-エン; 4-メチル-2-フェニル-2-ペンタナール; (Z)-9,17-オクタデカジエナール; エチリデンシクロヘプタン; オクタ-1,7-ジイン; 3-(フェニルメチル)シドノン; ジイソプロピルアジペート; 2,3-ジヒドロキシプロピル パルミテート; 9Z,12Z-オクタデカジエン酸 (2-リノレオイルグリセロール); 及び 3-エテニル-シクロオクテンから成る群より選択される精油を更に含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項11】
多糖を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記多糖がグルコース、アラビノース、ガラクトース、ラムノース、キシロース 又はウロン酸を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記多糖がグルコース、アラビノース、ガラクトース、ラムノース、キシロース
及びウロン酸を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記ジンセノシドがR0、R1、R2、Ra、Rb1、Rb2、Rc、Rd、Re、Rf、Rg1、Rg2、Rg3、Rg5、Rh1、Rh2、Rh4、Rs1、Rs2、Rs3、又はRs4を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項15】
ジンセノシドの前記量が重量で15、20、25、30、35、40、45 又は 50% を越える、請求項11に記載の組成物。
【請求項16】
多糖の前記量が重量で25、30、35、40、45、50、55、又は60% である、請求項11に記載の組成物。
【請求項17】

(+)-スパスレノール; (-)-スパスレノール; カフェイン; ヘキサデカン酸; (-)-カリオフィレンオキシド; ヘプタン酸エチル; trans,trans-オクタデカ-9,12-ジエン酸メチルエステル; オクタデカ-9-イン酸 メチルエステル; フェニルアセチレン; エチレンチオウレア; リノール酸; 4-メチル-ペント-2-エン酸; 2-メチル-4-ニトロイミダゾール; 9,12-オクタデカジエナール; メビンフォス; ウンデカ-10-イン酸; ファルカリノール ((Z)-1,9-ヘプタデカジエン-4,6-ジイン-3-オール); [1R-(1α,4β,4aα,6β,8aα)]-オクタヒドロ-4,8a,9,9-テトラメチル-1,6-メタノ-1(2H)-ナフトール; 4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン; 2,2’-メチルイミノジエタノール; ジヒドロウラシル; ステアリン酸; 4-ニトロフェノール; 3-ニトロトルエン; 2,3-ジヒドロキシプロピルパルミテート; オレイン酸; シンナミルアセテート; 7-オクテン酸; 1-メチル-5-ニトロ-1H-イミダゾール; 2-エチル-2-メチルオキシラン; メチル (9E,12E)-オクタデカ-9,12-ジエノエート; シナルビン、スチグマスタ-5,22-ジエン-3-β-オール; (3β,24S)-スチグマスト-5-エン-3-オール; スチグマスト-5-エン-3-β-オール; (3β,24ξ)-スチグマスト-5-エン-3-オール; 4-メチル-1,4-ヘプタジエン; 9,12-オクタデカジエナール; 7,8-エポキシオクテン、4-ノニン; 2-シクロペンテン-1-ウンデカン酸; 3-ヒドロキシ-2-メチル-4-ピロン; ピロガロール; [1aR-(1aα,7α,7aα,7bα)]-1a,2,3,5,6,7,7a,7b-オクタヒドロ-1,1,7,7a-テトラメチル-1H-シクロプロパ[a]ナフタレン; [1aR-(1aα,4aα,7α,7aβ,7bα)]-デカヒドロ-1,1,7-トリメチル-4-メチレン-1H-シクロプロパ[e]アズレン; カリオフィレン; 1R-(1R*,4Z,9S*)]-4,11,11-トリメチル-8-メチレンビシクロ[7.2.0]ウンデカ-4-エン; 4-メチル-2-フェニル-2-ペンタナール; (Z)-9,17-オクタデカジエナール; エチリデンシクロヘプタン; オクタ-1,7-ジイン; 3-(フェニルメチル)シドノン; ジイソプロピルアジペート; 2,3-ジヒドロキシプロピルパルミテート; 9Z,12Z-オクタデカジエン酸 (2-リノレオイルグリセロール); 及び 3-エテニル-シクロオクテンから成る群より選択される精油を更に含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項18】
ポリアセチレン及び多糖を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記ジンセノシドがR0、R1、R2、Ra、Rb1、Rb2、Rc、Rd、Re、Rf、Rg1、Rg2、Rg3、Rg5、Rh1、Rh2、Rh4、Rs1、Rs2、Rs3、又は Rs4を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
ジンセノシドの前記量が重量で15、20、25、30、35、40、45 又は 50%を越える、請求項18に記載の組成物。
【請求項21】
前記ポリアセチレンがパナナキシノール、パナキシドール、パナキシトリオール、アセチルパナキシドール、クロロパパキシドール、パナキシドールクロロヒドリン、パナキシン、ジンセノイン A、ジンセノイン B、ジンセノイン C、ジンセノイン D、ジンセノイン E、ジンセノイン F、ジンセノイン G、ジンセノイン H、ジンセノイン I、ジンセノイン J、又はジンセノイン Kを含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項22】
前記ポリアセチレンがパナナキシノール、パナキシドール、パナキシトリオール、アセチルパナキシドール、クロロパパキシドール、パナキシドールクロロヒドリン、パナキシン、ジンセノイン A、ジンセノイン B、ジンセノイン C、ジンセノイン D、ジンセノイン E、ジンセノイン F、ジンセノイン G、ジンセノイン H、ジンセノイン I、ジンセノイン J、及びジンセノイン Kを含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項23】
ポリアセチレンの前記量が重量で1、2、4、6、8、又は 10%である、請求項18に記載の組成物。
【請求項24】
前記多糖がグルコース、アラビノース、ガラクトース、ラムノース、キシロース 又はウロン酸を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項25】
前記多糖がグルコース、アラビノース、ガラクトース、ラムノース、キシロース及びウロン酸を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項26】
多糖の前記量が重量で25、30、35、40、45、50、55、又は60% である、請求項18に記載の組成物。
【請求項27】
(+)-スパスレノール; (-)-スパスレノール; カフェイン; ヘキサデカン酸; (-)-カリオフィレン
オキシド; ヘプタン酸エチル; trans,trans-オクタデカ-9,12-ジエン酸メチルエステル; オクタデカ-9-イン酸メチルエステル; フェニルアセチレン; エチレンチオウレア; リノール酸; 4-メチル-ペント-2-エン酸; 2-メチル-4-ニトロイミダゾール; 9,12-オクタデカジエナール; メビンフォス; ウンデカ-10-イン酸; ファルカリノール ((Z)-1,9-ヘプタデカジエン-4,6-ジイン-3-オール); [1R-(1α,4β,4aα,6β,8aα)]-オクタヒドロ-4,8a,9,9-テトラメチル-1,6-メタノ-1(2H)-ナフトール; 4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン; 2,2’-メチルイミノジエタノール; ジヒドロウラシル; ステアリン酸; 4-ニトロフェノール; 3-ニトロトルエン; 2,3-ジヒドロキシプロピルパルミテート; オレイン酸; シンナミルアセテート; 7-オクテン酸; 1-メチル-5-ニトロ-1H-イミダゾール; 2-エチル-2-メチルオキシラン; メチル (9E,12E)-オクタデカ-9,12-ジエノエート; シナルビン、スチグマスタ-5,22-ジエン-3-β-オール; (3β,24S)-スチグマスト-5-エン-3-オール; スチグマスト-5-エン-3-β-オール; (3β,24ξ)-スチグマスト-5-エン-3-オール; 4-メチル-1,4-ヘプタジエン; 9,12-オクタデカジエナール; 7,8-エポキシオクテン、4-ノニン; 2-シクロペンテン-1--ウンデカン酸; 3-ヒドロキシ-2-メチル-4-ピロン; ピロガロール; [1aR-(1aα,7α,7aα,7bα)]-1a,2,3,5,6,7,7a,7b-オクタヒドロ-1,1,7,7a-テトラメチル-1H-シクロプロパ[a]ナフタレン; [1aR-(1aα,4aα,7α,7aβ,7bα)]-デカヒドロ-1,1,7-トリメチル-4-メチレン-1H-シクロプロパ[e]アズレン; カリオフィレン; 1R-(1R*,4Z,9S*)]-4,11,11-トリメチル-8-メチレンビシクロ[7.2.0]ウンデカ-4-エン; 4-メチル-2-フェニル-2-ペンタナール; (Z)-9,17-オクタデカジエナール; エチリデンシクロヘプタン; オクタ-1,7-ジイン; 3-(フェニルメチル)シドノン; ジイソプロピルアジペート; 2,3-ジヒドロキシプロピルパルミテート; 9Z,12Z-オクタデカジエン酸 (2-リノレオイルグリセロール); 及び 3-エテニル-シクロオクテンから成る群より選択される精油を更に含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項28】
薬学的担体を更に含む、請求項1、4、11、又は18に記載の組成物。
【請求項29】
パナックス種植物材料を順次抽出することで精油画分、ジンセノシド画分及び多糖画分を生成するステップを含む、パナックス種を抽出する方法であって、前記精油画分は超臨界二酸化炭素抽出により植物原材料を抽出することにより得られ、前記ジンセノシド画分は水アルコール抽出により精油抽出の残りから抽出され、そして前記多糖画分はジンセノシド画分の残りの熱水抽出から得られる、方法。
【請求項30】
ジンセノシド抽出が:
a)超臨界二酸化炭素による精油抽出の抽出から出た原材料の残りを、水アルコール混合物に、ジンセノシドが抽出されて、抽出されたジンセノシドの水溶液を形成するのに充分な時間、接触させるステップと;
b)抽出されたジンセノシドの水溶液を、ジンセノシドが吸着する吸着樹脂コラムを通過させるステップと;
c)吸着樹脂からジンセノシドを溶出させるステップと
を含む、請求項29に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2009−508877(P2009−508877A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531432(P2008−531432)
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/036464
【国際公開番号】WO2007/035723
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(508083459)ハーバルサイエンス シンガポール ピーティーイー. リミテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】HERBALSCIENCE SINGAPORE PTE.LTD.
【住所又は居所原語表記】1004 Collier Center Way, Suite200, Naples, FL 34110 USA
【Fターム(参考)】