パネル材の隣接固定金具
【課題】隣り合うパネル材を所定の間隔に容易に配置でき、ねじ棒を共回りさせずに、電動工具を使用して固定用のナットを円滑に締め付けることができるパネル材の固定金具を提供する。
【解決手段】固定金具１は、ねじ棒２、ロックヘッド３、ナット４、押さえ部材５を具備する。ロックヘッド３は、ねじ棒２の一端側に、枢ピン６で枢支され、挿入位置と、ロック位置との間で回転自在である。ナット４は、ねじ棒２の他端側に螺合される。押さえ部材５は、ナット４とパネル材Pとの間に配置される。ねじ棒２は、その外周に、そのほぼ全長にわたって延びる切欠平面２ａを具備する。押さえ部材５は、ねじ棒２を相対回転不可能に挿通させる形状の挿通孔５ｄと、２つのパネル材Pの上面に当接する押圧片５ｃと、隣り合うパネル材Pの対向側面間に介入する間隔保持片５ｂとを具備する。
【解決手段】固定金具１は、ねじ棒２、ロックヘッド３、ナット４、押さえ部材５を具備する。ロックヘッド３は、ねじ棒２の一端側に、枢ピン６で枢支され、挿入位置と、ロック位置との間で回転自在である。ナット４は、ねじ棒２の他端側に螺合される。押さえ部材５は、ナット４とパネル材Pとの間に配置される。ねじ棒２は、その外周に、そのほぼ全長にわたって延びる切欠平面２ａを具備する。押さえ部材５は、ねじ棒２を相対回転不可能に挿通させる形状の挿通孔５ｄと、２つのパネル材Pの上面に当接する押圧片５ｃと、隣り合うパネル材Pの対向側面間に介入する間隔保持片５ｂとを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、２つのパネル材を所定の相互間隔を保持して隣り合う状態で、架台上に固定するための金具に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、太陽電池モジュールの固定金具として、特許文献１に記載されたものが知られている。この固定金具は、太陽電池モジュールの枠体の下面に固着されて枠体の外方へ延出するブラケットを具備する。上方に軸部が突出するように、架台に下方からボルトが挿通される。この架台上にベース金具を架設して上記ボルトを貫通させ、ベース金具上に上記ブラケットを載せる。ボルトを貫通させた押さえ金具でブラケットを押さえ、ナットを螺合して、太陽電池モジュールを架台上に固定するものである。
また、貫通孔の裏側に手を差し込んでボルトを貫通させたり、ナットを螺合させたりすることができない、閉鎖された内部空間を有する壁面等に被締結部材を固定するための締結具として、ブラインドボルトなどと称されるブラインドファスナーが広く普及している。その一例を図７に示す。ブラインドファスナー３１は、ねじ棒３２と、その一端側にピン３３で回転自在に取り付けられたアンカーヘッド３４とを具備し、ねじ棒３２には他端側からナット３５が螺着される。アンカーヘッド３４は、軸方向の中心から僅かに一方向に偏った位置でピン３３にて枢支される。
このブラインドファスナー３１を用いて架台３６上に被締結部材３７を固定するには、先ずアンカーヘッド３４を回転操作して、図７Ｂに示すように、その軸線とねじ棒３２の軸線とを一致させる。次いで、アンカーヘッド３４と共に、ねじ棒３２の一端側を架台３６の貫通孔３６aに表側から挿入し、図７Ｃに示すように、ねじ棒３２を軸線の周りに１８０°回転すると、アンカーヘッド３４がアンバランスによりピン３３周りに回転し、ねじ棒３２の軸線直交方向に向く。その状態でねじ棒３２を貫通孔３６aの表側に引っ張ると、図７Ｄに示すように、アンカーヘッド３４が貫通孔３６aの裏側に接触した状態になる。次いで、架台３６上に被締結部材３７を添えて、ねじ棒３２を被締結部材３７の挿通孔３７ａに挿通させ、ナット３５で締結する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２０１０−２４８７６３号公報（図１，２）
【特許文献２】特開２００４−１５０６０４号公報（図１〜５）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献１に記載された太陽電池モジュールの固定金具は、部品点数が多く、取り付け作業に比較的多くの手数を要する。また、多数の太陽電池モジュールを等間隔で手早く固定していく作業に特化されていないので、そのような作業に適しない。
特許文献２に記載されたブラインドファスナー３１においては、ナット３５を螺合する際に、一方の手でねじ棒３２を保持していないと、ねじ棒３２が共回りしてしまうので、電動工具を使用してナット３５を締め付けることができない。手動工具を使用してナットの締め付け作業を行うのは非効率的である。
したがって、この出願に係る発明は、多数の太陽電池モジュールを等間隔で手早く固定していく作業を効率的に行うことができ、またブラインドファスナーにより、手を差し込めない作業部位に対応でき、ねじ棒を共回りさせることなく、電動工具を使用して容易にナットを締め付けることができるパネル材の隣接固定金具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。固定金具１は、例えば、フレーム付き太陽電池パネルのような２つのパネル材Pを所定の相互間隔を保持して隣り合う状態で、架台B上に固定するための金具であり、ねじ棒２、ロックヘッド３、ナット４、押さえ部材５を具備する。ねじ棒２は、一端（図において下端）側が架台Bの貫通孔B１を貫通し、中間が２つのパネル材Pの相互間隔内を延び、他端（図において上端）側がパネル材Pの上方へ突出する長さを有する。また、ねじ棒２は、上端からそのほぼ全長にわたって延びる切欠平面２aを外周に具備する。ロックヘッド３は、ねじ棒２の一端側に、それの軸線直交方向に貫通する枢ピン６により枢支され、ねじ棒２とほぼ平行に配置される挿入位置（図１A）と、ねじ棒２と直交方向に配置されるロック位置（図１B）との間で回転自在である。ロックヘッド３は、挿入位置においてねじ棒２と共に架台Bの貫通孔B1を通過可能であるが、ロック位置においては当該貫通孔B1を通過不可能な形状に構成される。押さえ部材５は、ねじ棒２を相対回転不可能に挿通させる形状の挿通孔５ｄと、２つのパネル材Pの上面に当接する押圧片５ｃと、隣り合うパネル材Pの対向側面間に介入する間隔保持片５ｂとを具備する。
【発明の効果】
【０００６】
この出願に係る発明の固定金具によれば、２つのパネル材Pの側面を間隔保持片５ｂの左右両側面に当接させて配置することにより迅速に適正間隔が確保できる。間隔保持片５ｂが２つのパネル材P間に保持されるので、ねじ棒２を共回りさせることなく、電動工具を用いてナット４の締め付け作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【０００７】
【図１】本発明に係る固定金具の使用状態を示すもので、（A）は取り付け過程の正面図、（B）は設置状態の正面図である。
【図２】図１の固定金具の分解斜視図である。
【図３】図１の固定金具の正面図である。
【図４】図１の固定金具の側面図である。
【図５】図１の固定金具の平面図である。
【図６】図１の固定金具の取り付け過程の正面図である。
【図７】従来の固定金具の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。固定金具１は、例えば、フレーム付き太陽電池パネルのような２つのパネル材Pを所定の相互間隔を保持して隣り合う状態で、架台B上に固定するための金具である。固定金具１は、ねじ棒２と、ロックヘッド３と、ねじ棒２に螺合されるナット４と、押さえ部材５とを具備する。７は平座金、８ばね座金で、必要に応じて、ナット４と押さえ部材５との間に介設される。
【０００９】
ロックヘッド３は、ねじ棒２の一端側（図において下端側）に、それの軸線直交方向に貫通する枢ピン６により枢支され、ねじ棒２とほぼ平行に配置される挿入位置（図１A）と、ねじ棒２と直交方向に配置されるロック位置（図１B）との間で回転自在である。
【００１０】
ナット４は、ねじ棒２の他端側（図において上端側）に螺合される。押さえ部材５は、図１に示すように、装着状態において、ナット４と被締結部材３７との間に配置されるようにねじ棒２に嵌め込まれる。
【００１１】
ねじ棒２は、パネル材Pの厚さ寸法より適当に長い全長を有し、その外周には、全長にわたって延びる切欠平面２ａを具備する。したがって、ねじ棒２は、横断面切欠円形状（D字形）に形成される。なお、切欠平面２ａは、ねじ棒２の上部にのみ設けてもよいし、単一に限定されない。
【００１２】
押さえ部材５は、金属板材を屈曲形成してなり、ほぼ矩形の本体５aと、本体の対向する２辺の中央部から直角に屈曲して下方へ延びる間隔保持片５ｂとを具備する。本体５aは、他の２辺側が所定の幅で下方へ屈曲して押圧片５ｃとなっている。間隔保持片５bは、隣り合うパネル材Pの所定の相互間隔に対応する幅を持つ。本体５aの中央には、ねじ棒２を相対回転不可能に挿通させるための挿通孔５ｄが形成される。挿通孔５ｄは、ねじ棒２の断面と相似形の切欠円形状である。なお、挿通孔５ｄは、ねじ棒２を相対回転不可能に挿通させるために、ねじ棒２の断面形状に応じた種々の異なる形状をとり得る。
【００１３】
この固定金具１を用いて、架台B上に、隣り合うように、２つのパネル材Pをを固定するには、例えば、図１Aに示すように、架台B上に、貫通孔B1を挟むように、２つのパネル材Pを配置する。ねじ棒２の上端側に、押さえ部材５、座金７，８、ナット４を装着した状態で、アンカーヘッド３を回転操作し、ねじ棒２と平行に近くなるように配置する。ねじ棒２の下端側を、アンカーヘッド３と共に、２つのパネル材P間を通して、架台Bの貫通孔B１に挿入する。アンカーヘッド３が貫通孔B１を通過すると、図１Bに示すように、アンバランスにより、自動的にねじ棒２の軸線直交方向に向き、ねじ棒２が抜け止めされる。同時に、押さえ部材５の押圧片５ｃをパネルPの上に載せ、間隔保持片５ｂを隣り合うパネルPの間に配置する。次いで、２つのパネルPを間隔保持片５ｂに当接する位置まで移動させる。これで、隣り合うパネルP間の間隔が適正に調整される。押さえ部材５は、間隔保持片５ｂが２つのパネルP間に挟まれることによって回り止めされる。この状態で、ナット４に電動工具Tを掛けて締め込む。ねじ棒２は、押さえ部材５と共に回転が規制されるので、ナット４と共回りすることがなく、締め付け作業は円滑に行われる。
【符号の説明】
【００１４】
１ 固定金具
２ ねじ棒
２ａ 切欠平面
３ アンカーヘッド
４ ナット
５ 押さえ部材
５ａ 本体
５ｂ 間隔保持片
５ｃ 押圧片
５ｄ 挿通孔
６ 枢ピン
B 架台
P パネル材
T 電動工具
【技術分野】
【０００１】
この発明は、２つのパネル材を所定の相互間隔を保持して隣り合う状態で、架台上に固定するための金具に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、太陽電池モジュールの固定金具として、特許文献１に記載されたものが知られている。この固定金具は、太陽電池モジュールの枠体の下面に固着されて枠体の外方へ延出するブラケットを具備する。上方に軸部が突出するように、架台に下方からボルトが挿通される。この架台上にベース金具を架設して上記ボルトを貫通させ、ベース金具上に上記ブラケットを載せる。ボルトを貫通させた押さえ金具でブラケットを押さえ、ナットを螺合して、太陽電池モジュールを架台上に固定するものである。
また、貫通孔の裏側に手を差し込んでボルトを貫通させたり、ナットを螺合させたりすることができない、閉鎖された内部空間を有する壁面等に被締結部材を固定するための締結具として、ブラインドボルトなどと称されるブラインドファスナーが広く普及している。その一例を図７に示す。ブラインドファスナー３１は、ねじ棒３２と、その一端側にピン３３で回転自在に取り付けられたアンカーヘッド３４とを具備し、ねじ棒３２には他端側からナット３５が螺着される。アンカーヘッド３４は、軸方向の中心から僅かに一方向に偏った位置でピン３３にて枢支される。
このブラインドファスナー３１を用いて架台３６上に被締結部材３７を固定するには、先ずアンカーヘッド３４を回転操作して、図７Ｂに示すように、その軸線とねじ棒３２の軸線とを一致させる。次いで、アンカーヘッド３４と共に、ねじ棒３２の一端側を架台３６の貫通孔３６aに表側から挿入し、図７Ｃに示すように、ねじ棒３２を軸線の周りに１８０°回転すると、アンカーヘッド３４がアンバランスによりピン３３周りに回転し、ねじ棒３２の軸線直交方向に向く。その状態でねじ棒３２を貫通孔３６aの表側に引っ張ると、図７Ｄに示すように、アンカーヘッド３４が貫通孔３６aの裏側に接触した状態になる。次いで、架台３６上に被締結部材３７を添えて、ねじ棒３２を被締結部材３７の挿通孔３７ａに挿通させ、ナット３５で締結する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２０１０−２４８７６３号公報（図１，２）
【特許文献２】特開２００４−１５０６０４号公報（図１〜５）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献１に記載された太陽電池モジュールの固定金具は、部品点数が多く、取り付け作業に比較的多くの手数を要する。また、多数の太陽電池モジュールを等間隔で手早く固定していく作業に特化されていないので、そのような作業に適しない。
特許文献２に記載されたブラインドファスナー３１においては、ナット３５を螺合する際に、一方の手でねじ棒３２を保持していないと、ねじ棒３２が共回りしてしまうので、電動工具を使用してナット３５を締め付けることができない。手動工具を使用してナットの締め付け作業を行うのは非効率的である。
したがって、この出願に係る発明は、多数の太陽電池モジュールを等間隔で手早く固定していく作業を効率的に行うことができ、またブラインドファスナーにより、手を差し込めない作業部位に対応でき、ねじ棒を共回りさせることなく、電動工具を使用して容易にナットを締め付けることができるパネル材の隣接固定金具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。固定金具１は、例えば、フレーム付き太陽電池パネルのような２つのパネル材Pを所定の相互間隔を保持して隣り合う状態で、架台B上に固定するための金具であり、ねじ棒２、ロックヘッド３、ナット４、押さえ部材５を具備する。ねじ棒２は、一端（図において下端）側が架台Bの貫通孔B１を貫通し、中間が２つのパネル材Pの相互間隔内を延び、他端（図において上端）側がパネル材Pの上方へ突出する長さを有する。また、ねじ棒２は、上端からそのほぼ全長にわたって延びる切欠平面２aを外周に具備する。ロックヘッド３は、ねじ棒２の一端側に、それの軸線直交方向に貫通する枢ピン６により枢支され、ねじ棒２とほぼ平行に配置される挿入位置（図１A）と、ねじ棒２と直交方向に配置されるロック位置（図１B）との間で回転自在である。ロックヘッド３は、挿入位置においてねじ棒２と共に架台Bの貫通孔B1を通過可能であるが、ロック位置においては当該貫通孔B1を通過不可能な形状に構成される。押さえ部材５は、ねじ棒２を相対回転不可能に挿通させる形状の挿通孔５ｄと、２つのパネル材Pの上面に当接する押圧片５ｃと、隣り合うパネル材Pの対向側面間に介入する間隔保持片５ｂとを具備する。
【発明の効果】
【０００６】
この出願に係る発明の固定金具によれば、２つのパネル材Pの側面を間隔保持片５ｂの左右両側面に当接させて配置することにより迅速に適正間隔が確保できる。間隔保持片５ｂが２つのパネル材P間に保持されるので、ねじ棒２を共回りさせることなく、電動工具を用いてナット４の締め付け作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【０００７】
【図１】本発明に係る固定金具の使用状態を示すもので、（A）は取り付け過程の正面図、（B）は設置状態の正面図である。
【図２】図１の固定金具の分解斜視図である。
【図３】図１の固定金具の正面図である。
【図４】図１の固定金具の側面図である。
【図５】図１の固定金具の平面図である。
【図６】図１の固定金具の取り付け過程の正面図である。
【図７】従来の固定金具の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。固定金具１は、例えば、フレーム付き太陽電池パネルのような２つのパネル材Pを所定の相互間隔を保持して隣り合う状態で、架台B上に固定するための金具である。固定金具１は、ねじ棒２と、ロックヘッド３と、ねじ棒２に螺合されるナット４と、押さえ部材５とを具備する。７は平座金、８ばね座金で、必要に応じて、ナット４と押さえ部材５との間に介設される。
【０００９】
ロックヘッド３は、ねじ棒２の一端側（図において下端側）に、それの軸線直交方向に貫通する枢ピン６により枢支され、ねじ棒２とほぼ平行に配置される挿入位置（図１A）と、ねじ棒２と直交方向に配置されるロック位置（図１B）との間で回転自在である。
【００１０】
ナット４は、ねじ棒２の他端側（図において上端側）に螺合される。押さえ部材５は、図１に示すように、装着状態において、ナット４と被締結部材３７との間に配置されるようにねじ棒２に嵌め込まれる。
【００１１】
ねじ棒２は、パネル材Pの厚さ寸法より適当に長い全長を有し、その外周には、全長にわたって延びる切欠平面２ａを具備する。したがって、ねじ棒２は、横断面切欠円形状（D字形）に形成される。なお、切欠平面２ａは、ねじ棒２の上部にのみ設けてもよいし、単一に限定されない。
【００１２】
押さえ部材５は、金属板材を屈曲形成してなり、ほぼ矩形の本体５aと、本体の対向する２辺の中央部から直角に屈曲して下方へ延びる間隔保持片５ｂとを具備する。本体５aは、他の２辺側が所定の幅で下方へ屈曲して押圧片５ｃとなっている。間隔保持片５bは、隣り合うパネル材Pの所定の相互間隔に対応する幅を持つ。本体５aの中央には、ねじ棒２を相対回転不可能に挿通させるための挿通孔５ｄが形成される。挿通孔５ｄは、ねじ棒２の断面と相似形の切欠円形状である。なお、挿通孔５ｄは、ねじ棒２を相対回転不可能に挿通させるために、ねじ棒２の断面形状に応じた種々の異なる形状をとり得る。
【００１３】
この固定金具１を用いて、架台B上に、隣り合うように、２つのパネル材Pをを固定するには、例えば、図１Aに示すように、架台B上に、貫通孔B1を挟むように、２つのパネル材Pを配置する。ねじ棒２の上端側に、押さえ部材５、座金７，８、ナット４を装着した状態で、アンカーヘッド３を回転操作し、ねじ棒２と平行に近くなるように配置する。ねじ棒２の下端側を、アンカーヘッド３と共に、２つのパネル材P間を通して、架台Bの貫通孔B１に挿入する。アンカーヘッド３が貫通孔B１を通過すると、図１Bに示すように、アンバランスにより、自動的にねじ棒２の軸線直交方向に向き、ねじ棒２が抜け止めされる。同時に、押さえ部材５の押圧片５ｃをパネルPの上に載せ、間隔保持片５ｂを隣り合うパネルPの間に配置する。次いで、２つのパネルPを間隔保持片５ｂに当接する位置まで移動させる。これで、隣り合うパネルP間の間隔が適正に調整される。押さえ部材５は、間隔保持片５ｂが２つのパネルP間に挟まれることによって回り止めされる。この状態で、ナット４に電動工具Tを掛けて締め込む。ねじ棒２は、押さえ部材５と共に回転が規制されるので、ナット４と共回りすることがなく、締め付け作業は円滑に行われる。
【符号の説明】
【００１４】
１ 固定金具
２ ねじ棒
２ａ 切欠平面
３ アンカーヘッド
４ ナット
５ 押さえ部材
５ａ 本体
５ｂ 間隔保持片
５ｃ 押圧片
５ｄ 挿通孔
６ 枢ピン
B 架台
P パネル材
T 電動工具
【特許請求の範囲】
【請求項１】
２つのパネル材を所定の相互間隔を保持して隣り合う状態で、架台上に固定するための金具であって、
一端側が前記架台の貫通孔を貫通し、中間が前記２つのパネル材の相互間隔内を延び、他端側がパネル材の上方へ突出する長さを有するねじ棒と；このねじ棒の一端側に、当該ねじ棒を軸線直交方向に貫通する枢ピンにより枢支され、ねじ棒とほぼ平行に配置される挿入位置とねじ棒と直交方向に配置されるロック位置との間で回転自在のロックヘッドと；前記ねじ棒の他端側に螺合されるナットと；このナットと前記パネル材との間に配置されるように前記ねじ棒に嵌め込まれる押さえ部材とを具備し、
前記ねじ棒は、他端からそのほぼ全長にわたって延びる切欠平面を外周に具備し、
前記ロックヘッドは、挿入位置において前記ねじ棒と共に前記架台の貫通孔を通過可能であるが、ロック位置においては当該貫通孔を通過不可能な形状に構成され、
前記押さえ部材は、前記ねじ棒を相対回転不可能に挿通させる形状の挿通孔と；前記２つのパネル材の上面に当接する押圧片と；当該２つの隣り合うパネル材の対向側面間に介入する間隔保持片とを具備することを特徴とするパネル材の隣接固定金具。
【請求項１】
２つのパネル材を所定の相互間隔を保持して隣り合う状態で、架台上に固定するための金具であって、
一端側が前記架台の貫通孔を貫通し、中間が前記２つのパネル材の相互間隔内を延び、他端側がパネル材の上方へ突出する長さを有するねじ棒と；このねじ棒の一端側に、当該ねじ棒を軸線直交方向に貫通する枢ピンにより枢支され、ねじ棒とほぼ平行に配置される挿入位置とねじ棒と直交方向に配置されるロック位置との間で回転自在のロックヘッドと；前記ねじ棒の他端側に螺合されるナットと；このナットと前記パネル材との間に配置されるように前記ねじ棒に嵌め込まれる押さえ部材とを具備し、
前記ねじ棒は、他端からそのほぼ全長にわたって延びる切欠平面を外周に具備し、
前記ロックヘッドは、挿入位置において前記ねじ棒と共に前記架台の貫通孔を通過可能であるが、ロック位置においては当該貫通孔を通過不可能な形状に構成され、
前記押さえ部材は、前記ねじ棒を相対回転不可能に挿通させる形状の挿通孔と；前記２つのパネル材の上面に当接する押圧片と；当該２つの隣り合うパネル材の対向側面間に介入する間隔保持片とを具備することを特徴とするパネル材の隣接固定金具。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１２−１０７７２４（Ｐ２０１２−１０７７２４Ａ）
【公開日】平成２４年６月７日（２０１２．６．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２５８２５８（Ｐ２０１０−２５８２５８）
【出願日】平成２２年１１月１８日（２０１０．１１．１８）
【出願人】（０００１０８７０８）タキゲン製造株式会社 (256)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年６月７日（２０１２．６．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１１月１８日（２０１０．１１．１８）
【出願人】（０００１０８７０８）タキゲン製造株式会社 (256)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]