パラレルデータ出力制御回路及び半導体装置
【課題】常に信頼性の高いパラレルデータ出力制御が行えるをパラレルデータ出力制御回路を得る。
【解決手段】CPU12はバッファ13からのリクエストRQに応答して内蔵RAM11よりデジタルデータをバッファ13に出力する。バッファ13は複数段構成のFIFOを有し、FIFOの各段は1単位(10ビット)のデジタルデータを格納可能であり、バッファ13全体としてFIFOの構成段数単位分のデジタルデータを格納することができる。レジスタ14は出力制御クロックCK15に同期して、バッファ13内部に格納したデジタルデータを1単位ごとに取り込む。レジスタ14に格納されたデジタルデータがD/A変換用データDataとしてパラレルDAC2に出力される。WR信号出力タイマ17は出力制御クロックCK15に同期して“L”の1ショットパルスを有する書き込み制御信号WRを生成する。
【解決手段】CPU12はバッファ13からのリクエストRQに応答して内蔵RAM11よりデジタルデータをバッファ13に出力する。バッファ13は複数段構成のFIFOを有し、FIFOの各段は1単位(10ビット)のデジタルデータを格納可能であり、バッファ13全体としてFIFOの構成段数単位分のデジタルデータを格納することができる。レジスタ14は出力制御クロックCK15に同期して、バッファ13内部に格納したデジタルデータを1単位ごとに取り込む。レジスタ14に格納されたデジタルデータがD/A変換用データDataとしてパラレルDAC2に出力される。WR信号出力タイマ17は出力制御クロックCK15に同期して“L”の1ショットパルスを有する書き込み制御信号WRを生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、DAC(D/A変換器)に対し、D/A変換用データを出力するとともにDA出力周期を制御するパラレルデータ出力制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、DACに対し、D/A変換用データを出力するとともにDA出力周期を制御するパラレルデータ出力制御は、マイコン等に内蔵された所定のCPU(MCU)によって実行されるソフトウェア処理によるタイマの割り込み命令で行うのが一般的であった。上記DAC等の処理対象を制御する際、マイコン(CPU)によるデータ送信を行った技術として例えば特許文献1に開示されたシリアル伝送送受信回路がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−77800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、従来、パラレルデータ出力制御をソフトウェア処理による割り込み命令で実行するため、DAC自体のD/A変換用データの取り込みタイミングは、ソフトウェア処理を実行するCPUの処理状況に大きく依存するという問題点があった。
【0005】
図11及び図12は上記従来の問題点説明用の説明図である。図11の(a) に示すように、ソフトウェア処理が滞りなく実行される正常時は変調期間TM11〜TM13が途切れることなく実行される。なお、変調期間とはDA変換周期等の後述するDAC出力電圧波形を規定するパラレルデータ制御内容によって分類される期間を意味する。
【0006】
一方、図11の(b) に示すように、CPUへの割り込み命令が発生した場合等におけるバスの状態によって、変調期間TM11,TM12間及び変調期間TM12,TM13間にそれぞれ空白期間TB1及び空白期間TB2が発生する異常時は、全体としてDACに出力されるD/A変換用データの更新周期がずれたデータ転送制御が行われることになる。
【0007】
図12は図11の正常時及び異常時におけるDACの出力電圧波形を示す説明図である。同図の(a) に示すように、正常時は変調期間TM11〜TM13が連続して設定されるため、所望のDAC出力電圧波形を得ることができる。
【0008】
一方、図12の(b) に示すように、異常時は変調期間TM11〜TM13間に空白期間TB1及びTB2が発生するため、同図に(a) と比較して空白期間TB1及びTB2が生じる分、所望のDAC出力電圧波形が間延びして所望でない形状となってしまう。このように、異常時においては信頼性の高い通信の確立が困難であり、所望のDAC出力電圧波形を生成できないという問題点があった。
【0009】
また、信頼性を確保するためには、他制御からの影響を受けないよう別CPUを搭載し目的の制御を行う必要から部品点数増加に伴うコスト増加の問題もあった。
【0010】
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、常に信頼性の高いパラレルデータ出力制御が行えるをパラレルデータ出力制御回路を得ることを目的とする。
【0011】
また、CPU性能を低下させず、内部バスの状態に依存することなく信頼性の高いパラレルデータ出力制御が行える機能を内蔵することによって、従来別CPUで行っていた制御を統合しコスト低減を得ることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の一実施の形態によれば、パラレルデータ出力制御回路は、D/A変換用データを格納するレジスタの前段に、複数段構成のFIFOからなるバッファを設けている。バッファは、リクエストを出力して必要単位分のデジタルデータをCPUから得ることができる。
【発明の効果】
【0013】
この実施の形態によれば、デジタルデータの供給先であるCPUとレジスタとの間にバッファを介在させる分、CPUからレジスタへのデジタルデータの転送に時間的余裕を持たせることができるため、この実施の形態のパラレルデータ出力制御回路はDACへのパラレルデータ出力制御(データ通信精度)を高精度に確立することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1であるパラレルデータ出力制御回路である制御マイコンの構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1の制御マイコンによるパラレルデータ出力制御内容を示すタイミング図である。
【図3】実施の形態1のパラレルデータ出力制御回路の効果を示すグラフである。
【図4】この発明の実施の形態2であるパラレルデータ出力制御回路の構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路により出力制御されたDACによる出力波形を示すグラフである。
【図6】実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路のパラレルデータ出力制御動作の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路の制御によって実現される変調Aにおけるパラレルデータ出力電圧波形を示す波形図である。
【図8】変調Aのパラレルデータ出力電圧波形内の立ち上がり及び立ち下がり波形の具体例を示す波形図である。
【図9】実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路の制御によって実現される変調Bにおけるパラレルデータ出力電圧波形を示す波形図である。
【図10】実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路の制御によって実現される変調Cにおけるパラレルデータ出力電圧波形を示す波形図である。
【図11】従来の問題点説明用の説明図である。
【図12】従来の問題点説明用の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施の形態1>
(構成)
図1はこの発明の実施の形態1であるパラレルデータ出力制御回路である制御マイコンの構成を示すブロック図である。
【0016】
同図に示すように、実施の形態1の制御マイコン1は、10ビットのD/A変換用データDataと1ビットの書き込み制御信号WRを外部出力端子群18(第1の外部出力端子群)及び外部出力端子部19(第2の外部出力端子群)を介してパラレルDAC2に出力する。パラレルDAC2は書き込み制御信号WRの指示する制御タイミングでD/A変換用データDataをD/A変換してその変換結果をDAC出力DA−OUTとして出力する。
【0017】
制御マイコン1は、内蔵RAM11、CPU12、バッファ13、レジスタ14、出力周期制御タイマ15、データ転送数制御カウンタ16及びWR信号出力タイマ17から構成される。
【0018】
内蔵RAM11はD/A変換用データDataとなるデジタルデータを内部に格納し、CPU12はバッファ13からの新たなデジタルデータの出力を指示するリクエスト(信号)RQに応答して内蔵RAM11より上記デジタルデータをバッファ13に出力する。このように、内蔵RAM11及びCPU12はデジタルデータ生成部として機能する。
【0019】
一時格納部であるバッファ13は複数段構成のFIFOを有し、FIFOの各段は1単位(10ビット)のデジタルデータを格納可能であり、バッファ13全体としてFIFOの構成段数単位分のデジタルデータを格納することができる。また、後に詳述するが、バッファ13は複数段構成のFIFOの少なくとも一部においてデジタルデータの格納が不足している場合、リクエストRQをCPU12に出力して新たなデジタルデータの出力を要求する。
【0020】
レジスタ14は出力制御クロックCK15に同期して、バッファ13内部に格納したデジタルデータを1単位ごとに取り込む。レジスタ14に格納されたデジタルデータがD/A変換用データDataとしてパラレルDAC2に出力される。
【0021】
出力周期制御タイマ15はCPU12による起動指示で起動し、起動時にクロック周期T15を有する出力制御クロックCK15を出力する。データ転送数制御カウンタ16は出力制御クロックCK15の出力回数(クロック数)をカウントし、当該回数が所定のデータ転送数に達したと判断すると出力周期制御タイマ15の出力制御クロックCK15の出力を停止させる。
【0022】
WR信号出力タイマ17は出力制御クロックCK15に同期して“L”の1ショットパルスである書き込み制御信号WRを生成する。書き込み制御信号WRの1ショットパルスがパラレルDAC2によるD/A変換用データDataの取り込みタイミングを指示する。
【0023】
(動作)
図2は実施の形態1の制御マイコン1によるパラレルデータ出力制御内容を示すタイミング図である。なお、図2では、バッファ13であるFIFOの構成段数が“4”の場合を示している。以下、図2を参照して、制御マイコン1のよるパラレルデータ出力制御動作を説明する。
【0024】
(1)まず、バッファ13内の4段構成のFIFO内に4単位のデジタルデータを格納しておく。図2の例では4単位のデジタルデータがバッファ13内に格納されている。
【0025】
(2)CPU12によるソフトウェア処理により出力周期制御タイマ15に起動指示を与え、出力周期制御タイマ15を起動させる。すると、出力周期制御タイマ15は、クロック周期T15毎にリロード設定値に設定され、クロック周期T15中は立ち下がる出力制御クロックCK15を生成する。
【0026】
(3-1)出力制御クロックCK15のアンダフローの時刻t11に同期して、レジスタ14はバッファ13から1単位のデジタルデータをD/A変換用データDataとして格納する。
【0027】
(3-2)レジスタ14へのデジタルデータの転送後、バッファ13内にデジタルデータがk単位(k=1〜4のいずれか)以上無くなると、バッファ13内に空きが生じたと判断し、バッファ13はCPU12に不足単位分のデジタルデータの転送を指示するDMA転送要求(割り込み要求)であるリクエストRQをCPU12に発生する。すると、CPU12は、次の出力制御クロックCK15の立ち上がる時刻t12までに、内蔵RAM11から不足単位分のデジタルデータをバッファ13内にセットする。
【0028】
なお、図2においては、k=1の場合を示し、時刻t11〜t17それぞれにバッファ13はリクエストRQを出力している。
【0029】
(3-3)一方、WR信号出力タイマ17は、出力制御クロックCK15のアンダフロー時刻t11〜t17をトリガとして、オフセット期間のΔTw経過後に“L”の1ショットパルスを書き込み制御信号WRとして生成する。パラレルDAC2は書き込み制御信号WRの立ち下がりに同期してレジスタ14よりD/A変換用データDataを取り込み、D/A変換処理を行い書き込み制御信号WRの立ち上がりに同期してDAC出力DA−OUTを生成する。このように、“L”の1ショットパルスはパラレルDAC2によるD/A変換用データDataの取り込みタイミングを指示する。
【0030】
(4)以降、出力制御クロックCK15に同期して上記(3-1)〜(3-3)の処理を繰り返す。
【0031】
(5)そして、データ転送数制御カウンタ16が、設定されたレジスタ14へのデジタルデータ転送回数分の出力制御クロックCK15をカウントすると、出力周期制御タイマ15の動作を停止させることにより、パラレルデータ出力制御動作は終了する。
【0032】
なお、パラレルDAC2の性能によっては、12ビット、16ビット等のD/A変換用データDataを必要とする場合がある。そうしたユーザ側の要求に応える場合を想定し、例えば、(データ)バッファ13とレジスタ14とを16ビット幅で構成しておくことを提案する。パラレルDAC2が10ビット精度であれば、レジスタ14のうち下位10ビットをパラレルDACに出力させる。パラレルDAC2が12ビット精度であれば、レジスタ14のうち下位12ビットをパラレルDACに出力させる。パラレルDAC2が16ビット精度であれば、レジスタ14の16ビット幅を全て使ってパラレルDAC2に出力させる。出力の切り替えは、例えば、レジスタ14についてのマイコン1の外部出力端子群18のうち10ビットをDAC2と電気的に接続することで、切り替えることができ、マイコン1の汎用利用性がさらに高まり、パラレルDACの制御用半導体装置としてはさらに好適な半導体装置となる。16個の外部端子を有する外部接続端子群18のうち未使用の外部接続端子については、電位を基準電位または電源電位に固定するか、高インピーダンス状態に電位固定しても良い。また、17ビットのパラレルDACの場合は、パラレルDACの上位16ビットに外部出力端子群からのD/A変換用データDataを与え、パラレルDACの最下位1ビットについては固定信号を与えるようにする。
【0033】
(効果)
CPU12からパラレルDAC2へのデータ更新周期等のパラレルデータ出力制御を専用ハードウエア(バッファ13、レジスタ14、出力周期制御タイマ15、データ転送数制御カウンタ16、及びWR信号出力タイマ17)を用いて実現している。
【0034】
すなわち、実施の形態1の制御マイコン1は、D/A変換用データDataを格納するレジスタ14の前段に、複数段(4段)構成のFIFOからなるバッファ13を設けている。バッファ13は、リクエストRQを出力して必要単位分のデジタルデータをCPU12から得ることができる。通常、CPU12からのデジタルデータは出力制御クロックCK15のクロック周期T15中に取得することができる。
【0035】
したがって、CPU12とレジスタ14との間にバッファ13を介在させる分、CPU12からレジスタ14へのデジタルデータの転送に時間的余裕を持たせることができるため、制御マイコン1はパラレルDAC2へのパラレルデータ出力制御(データ通信精度)を高精度に確立することができる効果を奏する。
【0036】
さらに、バッファ13はk単位(図2の例ではk=1)の空きが生じる毎にCPU12にリクエストRQを出力するため、k=3以下に設定しておくことにより、CPU12に要求される内蔵RAM11からバッファ13へのデータ転送期間として出力制御クロックCK15の(4−k)クロック分の予備期間を少なくとも確保することができる。
【0037】
このため、制御マイコン1は、CPU12内のバスの状態の影響を受け、仮にリクエストRQ発生からクロック周期T15期間中にバッファ13にデジタルデータを転送できない場合でも、上記予備期間内に転送できれば、レジスタ14から出力されるD/A変換用データDataに影響が生じることはない。したがって、CPU12の処理状況の影響を受けることなく、CPU12からバッファ13を介したレジスタ14へのD/A変換用データData(デジタルデータ)のデータ転送を滞りなく行うことが可能となる。その結果、制御マイコン1はパラレルDAC2へのパラレルデータ出力制御をより高精度に確立することができる効果を奏する。
【0038】
また、制御マイコン1は出力制御クロックCK15に同期してWR信号出力タイマ17より書き込み制御信号WRを出力することにより、出力制御クロックCK15のクロック周期T15毎にパラレルDAC2に対するD/A変換用データDataの取り込みタイミングを指示することができる。
【0039】
図3は実施の形態1のパラレルデータ出力制御回路の効果を示すグラフである。同図の(a) に示すように、制御マイコン1によって出力制御されるパラレルDAC2のD/A変換結果の時系列変化であるDAC出力電圧波形WF1は常に変調期間TM1〜TM3が連続的に設定されるため、所望のDAC出力電圧波形を得ることができる。すなわち、CPU12に割り込み処理等が生じても、同図の(b) に示すように、変調期間TM1〜TM3間に空白期間TB1,TB2が生じてDAC出力電圧波形WF2のような波形に歪むことはない。
【0040】
また、レジスタ14の出力タイミングと書き込み信号WRの出力タイミングを異なるようにしたので、D/A変換用データDataをノイズ等の影響を受けずに確実に転送できると共に、半導体装置におけるCPUからレジスタまでのデータ転送を滑らかに行うことができる効果がある。
【0041】
<実施の形態2>
(構成)
図4はこの発明の実施の形態2であるパラレルデータ出力制御回路3を含む半導体装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、パラレルデータ出力制御回路3及びパラレルDAC2によって半導体装置を構成している。
【0042】
パラレルデータ出力制御回路3は所定の制御周期内で複数の変調内容のパラレルデータ出力電圧波形を得ることが可能なパラレルデータ出力制御を行うことができる。
【0043】
実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3は、図示しないCPU等の外部から得られるタイマイベントTMEにより起動し、制御周期TCにおいてパラレルデータ出力電圧波形を生成させるべく、時系列となるD/A変換用データDataと書き込み制御信号WRとを出力する。
【0044】
パラレルデータ出力制御回路3の主要部は変調設定用レジスタ群31、時間管理用レジスタ部32、ステートマシン33、波形出力時間管理カウンタ34及び波形生成論理部35及びレジスタ38から構成される。波形生成論理部35は出力回数カウンタ36及びRise/Fall管理部37から構成される。
【0045】
変調設定用レジスタ群31は部分レジスタ群31a〜31cから構成され、部分レジスタ群31a〜31cは互いに独立して変調内容を規定する種々の変調(内容)設定用パラメータを格納することができる。以下では説明の都合上、部分レジスタ群31a,31b及び31cは変調A,変調B及び変調C用のパラメータを格納しているとする。
【0046】
時間管理用レジスタ部32は部分レジスタ群32a〜32cから構成される。部分レジスタ群32a〜32cは部分レジスタ群31a〜31cに対応しており、変調A,変調B及び変調Cの時間管理内容を規定する時間管理用パラメータを格納している。
【0047】
このように、変調設定用レジスタ群31及び時間管理用レジスタ部32はパラレルデータ出力電圧波形を規定する波形設定用のパラメータ(変調設定用パラメータ,時間管理用パラメータ)を格納するパラメータ格納部として機能する。
【0048】
ステートマシン33は部分レジスタ群31a〜31c及び部分レジスタ群32a〜32cで設定された変調の実行順序を指示する。例えば、変調A(部分レジスタ群31a,32a),変調B(部分レジスタ群31b,32b),変調C(部分レジスタ群31c,32c)の順で実行する指示を波形生成論理部35に与える。
【0049】
波形出力時間管理カウンタ34は外部より得られる周辺クロックPΦをカウントし、そのカウント結果に基づき波形生成論理部35の動作用の基準となる基準クロックCT34を波形生成論理部35に出力する。
【0050】
波形生成論理部35は基準クロックCT34に同期して変調設定用レジスタ群31及び時間管理用レジスタ部32内に格納された種々の波形設定用のパラメータに基づきD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRを生成する。すなわち、波形生成論理部35はD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力機能を備えている。レジスタ38はD/A変換用データDataを格納し、外部のパラレルDAC2に出力する。
【0051】
パラレルDAC2は波形生成論理部35より書き込み制御信号WRを受け、レジスタ38を介してD/A変換用データDataを受ける。
【0052】
なお、波形生成論理部35は主要構成部として出力回数カウンタ36及びRise/Fall管理部37を有する。Rise/Fall管理部37は波形の立ち上がり(Rise)及び立ち下がり(Fall)波形用のD/A変換用データDataの出力制御を行う。出力回数カウンタ36は変調A〜変調Cそれぞれにおいて、上記立ち上がり及び立ち下がり波形の繰り返し回数をカウントする。
【0053】
(動作)
図5は実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3により出力制御されたパラレルDAC2による出力波形を示すグラフである。同図に示すように、制御周期TC中に、変調A,変調B及び変調Cにおいてそれぞれ変調内容が異なるパラレルデータ出力電圧波形が得られる。
【0054】
すなわち、D/A変換開始から変調A開始待機時間t1経過後、立ち下がり及び立ち上がりが急峻なのパラレルデータ出力電圧波形WFaの変調A出力サイクルt2がl回繰り返される。そして、変調B開始待機時間t3経過後、立ち上がり及び立ち下がりが平均レベルパラレルデータ出力電圧波形WFbの変調B出力サイクルt4がm回繰り返される。その後、変調C開始待機時間t5経過後、立ち下がり及び立ち上がりが緩やかなパラレルデータ出力電圧波形WFcの変調C出力サイクルt6がn回繰り返される。なお、パラレルデータ出力電圧波形WFa及びWFcは極性が負(極値が極小値)であり、パラレルデータ出力電圧波形WFbは極性が正(極値が極大値)の場合を示している。
【0055】
このように、パラレルデータ出力制御回路3のパラレルデータ出力制御により、パラレルDAC2によるA/D変換結果の時系列変化として、変調A出力サイクルt2,変調B出力サイクルt4,及び変調C出力サイクルt6において、極性を含めそれぞれ異なるパラレルデータ出力電圧波形WFa,WFb及びWFcが得られる。
【0056】
(変調A)
図6はパラレルデータ出力制御回路3のパラレルデータ出力制御動作の処理手順を示すフローチャートである。図6に示すように、パラレルデータ出力制御回路3はステートマシン33の指示に従い、ステップST1〜ST3の順で変調A,変調B及び変調Cの順で波形処理を実行する。
【0057】
図7はパラレルデータ出力制御回路3の制御によって実現される変調Aにおけるパラレルデータ出力電圧波形WFaを示す波形図である。なお、以降、図5とは異なるが、説明の都合上、パラレルデータ出力電圧波形WFa,WFcも極性が正の場合を例に説明する。
【0058】
図8はパラレルデータ出力電圧波形WFa内の立ち上がり及び立ち下がり波形の具体例を示す波形図である。以下、図6〜図8を参照してパラレルデータ出力制御回路3の変調Aのパラレルデータ出力電圧波形WFaを得るための制御動作を説明する。
【0059】
まず、ステップST1において、波形生成論理部35は変調設定用レジスタ群31の部分レジスタ群31aから変調Aの波形に関するパラメータを取得し、変調Aの波形に関する種々のデータ設定を行う。具体的には、パラメータPDI_RSAを取得し立ち上がり時の分解能である立ち上がり時刻み回数ARNを設定し、パラメータPDI_FSAを取得し立ち下がり時の分解能である立ち下がり時刻み回数AFNを設定する。パラメータPDI_RIAを取得して変調A立ち上がり初期値VRA0を設定し、パラメータPDI_FIAを取得して変調A立ち下がり初期値VFA0を設定する。
【0060】
そして、パラメータPDI_RDAを取得して変調A刻み立ち上がり量VRAΔ(Δ値)を設定し、パラメータPDI_FDAを取得して変調A刻み立ち下がり量VFAΔを設定する。また、パラメータPDI_WT0Aを取得して変調A開始待機時間t1を設定し、パラメータPDI_WT1Aを取得して変調A立ち上がり後待ち期間t2rwを設定し、パラメータPDI_WT2Aを取得して変調A立ち下がり後待ち期間t2fwを設定する。そして、パラメータPDI_REPAを取得して変調A出力サイクル繰り返し回数lを設定する。
【0061】
さらに、波形生成論理部35は時間管理用レジスタ部32の部分レジスタ群32aから、変調A刻み立ち上がり量VRAΔ及び変調A刻み立ち下がり量VFAΔに関する時間管理用パラメータを取得する。具体的には、パラメータPDI_RTA1〜pを取得して立ち上がり時刻み時間幅ΔtR1〜ΔtRpを設定し、パラメータPDI_FTA1〜qを取得して立ち下がり時刻み時間幅ΔtF1〜ΔtFqを設定する。この際、p≧ARN,q≧AFNを満足する。
【0062】
なお、図8のパラレルデータ出力電圧波形WFaの設定内容は以下の通りである。変調A開始待機時間t1(PDI_WT0A)は“3A”(基準クロックCT34のカウント数(16進数)、以下同様)に、変調A立ち上がり後待ち期間t2rw(PDI_WT1A)は“04”に、変調A立ち下がり後待ち期間t2fw(PDI_WT2A)は“03”に設定されている。
【0063】
そして、立ち上がり時刻み回数ARN(PDI_RSA)は“03”に設定され、立ち下がり時刻み回数AFN(PDI_RSA)は“04”に設定される。立ち上がり時刻み時間幅ΔtR1,ΔtR2及びΔtR3(PDI_RTA1〜3)は“05”“04”及び“02”に設定され、立ち下がり時刻み時間幅ΔtF1,ΔtF2,ΔtF3及びΔtF4(PDI_FTA1〜4)は“02”“01”,“03”及び“05”に設定される。
【0064】
波形生成論理部35は変調設定用レジスタ群31の部分レジスタ群31a及び時間管理用レジスタ部32の部分レジスタ群32aより得た波形設定用パラメータに基づき、基準クロックCT34に同期して図7で示すパラレルデータ出力電圧波形WFaが得られるようにD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRを出力する。
【0065】
まず、図7に示すように、パラレルデータ出力制御動作開始後、変調A立ち上がり初期値VRA0を変調A開始待機時間t1において維持する。図8の具体例の場合、基準クロックCT34のクロック数“3A”分の変調A開始待機時間t1が設定される。
【0066】
変調A開始待機時間t1におけるD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力は例えば以下のように行われる。変調A開始待機時間t1の開始時に変調A立ち上がり初期値VRA0をD/A変換用データDataとして出力する。一方、変調A開始待機時間t1の開始時“L”レベルの1ショットパルスを書き込み制御信号WRとして1度発生する。
【0067】
そして、変調A立ち上がり期間t2rにおいて、変調A立ち上がり初期値VRA0から、立ち上がり時刻み回数ARNかけて変調A刻み立ち上がり量VRAΔ分、出力値を順次上昇させる制御を行う。
【0068】
図8の具体例の場合、変調A立ち上がり期間t2rの開始時刻tp1から、基準クロックCT34の“5”クロック分である立ち上がり時刻み時間幅ΔtR1経過後の時刻tp2にかけて、変調A刻み立ち上がり量VRAΔ上昇する。
【0069】
続いて、時刻tp2から、基準クロックCT34の“4”クロック分である立ち上がり時刻み時間幅ΔtR2経過後の時刻tp3にかけて、変調A刻み立ち上がり量VRAΔ上昇する。
【0070】
最後に、時刻tp3から、基準クロックCT34の“2”クロック分である立ち上がり時刻み時間幅ΔtR3経過後の時刻tp4にかけて、変調A刻み立ち上がり量VRAΔ上昇し、変調A立ち下がり初期値VFA0に達する。したがって、変調A立ち上がり期間t2rは、{ΔtR1+ΔtR2+ΔtR3}となる。
【0071】
変調A立ち上がり期間t2rにおけるD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力は例えば以下のように行われる。変調A立ち上がり期間t2rの開始から、立ち上がり時刻み時間幅ΔtRi(i=1〜p(3))毎に変調A立ち上がり初期値VRA0から変調A刻み立ち上がり量VRAΔを増加させながら、最終的に変調A立ち下がり初期値VFA0となるD/A変換用データDataを出力する。一方、変調A立ち上がり期間t2r期間中において、時刻み時間幅ΔtRi毎に“L”レベルの1ショットパルスが生じる書き込み制御信号WRを出力する。
【0072】
その後、変調A立ち上がり後待ち期間t2rwにおいて、パラレルデータ出力電圧波形WFaが変調A立ち下がり初期値VFA0を維持する。図8の具体例の場合、基準クロックCT34のクロック数“04”分の変調A立ち上がり後待ち期間t2rw(時刻tp4〜tp5)が設定される。
【0073】
変調A立ち上がり後待ち期間t2rwにおけるD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力は例えば以下のように行われる。すでに、変調A立ち下がり初期値VFA0に達しているため、D/A変換用データDataは変調A立ち下がり初期値VFA0のまま維持させておく。一方、変調A立ち上がり後待ち期間t2rwにおいて、書き込み制御信号WRを“H”に固定しておく。
【0074】
次に、変調A立ち下がり期間t2fにおいて、変調A立ち下がり初期値VFA0から、立ち下がり時刻み回数AFNかけて、変調A刻み立ち下がり量VFAΔ分、出力値を順次下降させる制御を行う。
【0075】
図8の具体例の場合、変調A立ち下がり期間t2fの開始時刻tp5から、基準クロックCT34の“2”クロック分である立ち下がり時刻み時間幅ΔtF1経過後の時刻tp6にかけて、変調A刻み立ち下がり量VFAΔ下降する。
【0076】
続いて、時刻tp6から、基準クロックCT34の“1”クロック分である立ち下がり時刻み時間幅ΔtF2経過後の時刻tp7にかけて、変調A刻み立ち下がり量VFAΔ下降する。
【0077】
さらに、時刻tp7から、基準クロックCT34の“3”クロック分である立ち下がり時刻み時間幅ΔtF3経過後の時刻tp8にかけて、変調A刻み立ち下がり量VFAΔ下降する。
【0078】
最後に、時刻tp8から、基準クロックCT34の“5”クロック分である立ち下がり時刻み時間幅ΔtF4経過後の時刻tp9にかけて、変調A刻み立ち下がり量VFAΔ下降し、変調A立ち上がり初期値VRA0に達する。したがって、変調A立ち下がり期間t2fは、{ΔtF1+ΔtF2+ΔtF3+ΔtF4}となる。
【0079】
変調A立ち下がり期間t2fにおけるD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力は例えば以下のように行われる。変調A立ち下がり期間t2fの開始から、立ち下がり時刻み時間幅ΔtFj(j=1〜q(4))毎に変調A立ち下がり初期値VFA0から変調A刻み立ち下がり量VFAΔを減少させ、最終的に変調A立ち上がり初期値VRA0となるD/A変換用データDataを出力する。一方、変調A立ち下がり期間t2f中において、立ち下がり時刻み時間幅ΔtFj毎に“L”レベルの1ショットパルスが生じる書き込み制御信号WRを出力する。
【0080】
その後、変調A立ち下がり後待ち期間t2fwにおいて、変調A立ち上がり初期値VRA0を維持する。図8の具体例の場合、基準クロックCT34のクロック数“03”分の変調A立ち下がり後待ち期間t2fw(時刻tp9〜tp10)が設定される。
【0081】
変調A立ち下がり後待ち期間t2fwにおけるD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力は例えば以下のように行われる。すでに、変調A立ち上がり初期値VRA0に達しているため、D/A変換用データDataは変調A立ち上がり初期値VRA0のまま維持させておく。一方、変調A立ち下がり後待ち期間t2fwにおいて、書き込み制御信号WRを“H”に固定しておく。
【0082】
このように、波形生成論理部35内のRise/Fall管理部37によって変調A出力サイクルt2毎にパラレルデータ出力電圧波形WFaを得るためのD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRが出力される。以降、出力回数カウンタ36の管理の下、パラレルデータ出力電圧波形WFaが変調A出力サイクル繰り返し回数l分繰り返され、変調Aの出力制御は終了する。
【0083】
(変調B)
図9はパラレルデータ出力制御回路3の制御によって実現される変調Bによるパラレルデータ出力電圧波形WFbを示す波形図である。以下、図6及び図9を参照してパラレルデータ出力制御回路3の変調Bのパラレルデータ出力電圧波形WFbを得るための制御動作を説明する。
【0084】
図6のステップST2において、波形生成論理部35は変調設定用レジスタ群31の部分レジスタ群31bから変調Bの波形に関するパラメータを取得して、変調Aの波形に関する種々のデータ設定を行う。具体的には、パラメータPDI_RSBを取得して立ち上がり時の分解能である立ち上がり時刻み回数BRNを設定し、パラメータPDI_FSBを取得して立ち下がり時の分解能である立ち下がり時刻み回数BFNを設定する。パラメータPDI_RIBを取得して変調B立ち上がり初期値VRB0を設定し、パラメータPDI_FIBを取得して変調B立ち下がり初期値VFB0を取得する。
【0085】
そして、パラメータPDI_RDBを取得して変調B刻み立ち上がり量VRBΔを設定し、パラメータPDI_FDBを取得して変調B刻み立ち下がり量VFBΔを設定する。また、パラメータPDI_WT0Bを取得して変調B開始待機時間t3を設定し、パラメータPDI_WT1Bを取得して変調B立ち上がり後待ち期間t4rwを設定し、パラメータPDI_WT2Bを取得して変調B立ち下がり後待ち期間t4fwを設定する。さらに、パラメータPDI_REPBを取得して変調B出力サイクル繰り返し回数mを設定する。
【0086】
さらに、波形生成論理部35は時間管理用レジスタ部32の部分レジスタ群32bから、変調B刻み立ち上がり量VRBΔ及び変調B刻み立ち下がり量VFBΔに関する時間管理用パラメータを取得する。具体的には、パラメータPDI_RTB1〜rを取得して立ち上がり時刻み時間幅ΔtR1〜ΔtRrを設定し、パラメータPDI_FTB1〜sを取得して立ち下がり時刻み時間幅ΔtF1〜ΔtFsを設定する。この際、r≧BRN,s≧BFNを満足する。
【0087】
波形生成論理部35は変調設定用レジスタ群31の部分レジスタ群31b及び時間管理用レジスタ部32の部分レジスタ群32bより得た波形設定用パラメータに基づき、基準クロックCT34に同期して図9で示すパラレルデータ出力電圧波形WFbが得られるようにD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRを出力する。
【0088】
まず、図9に示すように、変調Aのパラレルデータ出力電圧波形WFaの波形出力後、変調B立ち上がり初期値VRB0を変調B開始待機時間t3において維持する。
【0089】
そして、変調B立ち上がり期間t4rにおいて、変調B立ち上がり初期値VRB0から、立ち上がり時刻み回数BRNかけて、立ち上がり時刻み時間幅ΔtRi(i=1〜BRN)毎に変調B刻み立ち上がり量VRBΔ分、出力値を順次上昇させる制御を行う。その結果、変調B立ち上がり期間t4rの終了時には変調B立ち下がり初期値VFB0に達する。
【0090】
その後、変調B立ち上がり後待ち期間t4rwにおいて、パラレルデータ出力電圧波形WFbは変調B立ち下がり初期値VFB0を維持する。
【0091】
次に、変調B立ち下がり期間t4fにおいて、変調B立ち下がり初期値VFB0から、立ち下がり時刻み回数BFNかけて、立ち下がり時刻み時間幅ΔtFj(j=1〜BFN)毎に変調B刻み立ち下がり量VFBΔ分出力値を順次下降させる制御を行う。その結果、変調B立ち下がり期間t4fの終了時には変調B立ち上がり初期値VRB0に達する。
【0092】
その後、変調B立ち下がり後待ち期間t4fwにおいて、パラレルデータ出力電圧波形WFbは変調B立ち上がり初期値VRB0を維持する。
【0093】
このように、波形生成論理部35内のRise/Fall管理部37によって変調B出力サイクルt4毎にパラレルデータ出力電圧波形WFbを得るためのD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRが出力される。以降、出力回数カウンタ36の管理の下、パラレルデータ出力電圧波形WFbが変調B出力サイクル繰り返し回数m分繰り返され、変調Bの出力制御は終了する。
【0094】
なお、変調B開始待機時間t3、変調B立ち上がり期間t4r、変調B立ち上がり後待ち期間t4rw、変調B立ち下がり期間t4f、変調B立ち下がり後待ち期間t4fwそれぞれにおけるD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力は、変調Aの時と同様に行われる。
【0095】
(変調C)
図10はパラレルデータ出力制御回路3の制御によって実現される変調Cによるパラレルデータ出力電圧波形WFcを示す波形図である。以下、図6及び図10を参照してパラレルデータ出力制御回路3の変調Cのパラレルデータ出力電圧波形WFcを得るための制御動作を説明する。
【0096】
図6のステップST3において、波形生成論理部35は変調設定用レジスタ群31の部分レジスタ群31cから変調Cの波形に関するパラメータを取得して、変調Bの波形に関する種々のデータ設定を行う。具体的には、パラメータPDI_RSCを取得して立ち上がり時の分解能である立ち上がり時刻み回数CRNを設定し、パラメータPDI_FSCを取得して立ち下がり時の分解能である立ち下がり時刻み回数CFNを設定する。パラメータPDI_RICを取得して変調C立ち上がり初期値VRC0を設定し、パラメータPDI_FICを取得して変調C立ち下がり初期値VFC0を設定する。
【0097】
そして、パラメータPDI_RDCを取得して変調C刻み立ち上がり量VRCΔを設定し、パラメータPDI_FDCを取得して変調C刻み立ち下がり量VFCΔを設定する。また、パラメータPDI_WT0Cを取得して変調C開始待機時間t5を設定し、パラメータPDI_WT1Cを取得して変調C立ち上がり後待ち期間t6rwを設定し、パラメータPDI_WT2Cを取得して変調C立ち下がり後待ち期間t6fwを設定する。さらに、パラメータPDI_REPCを取得して変調C出力サイクル繰り返し回数nを設定する。
【0098】
さらに、波形生成論理部35は時間管理用レジスタ部32の部分レジスタ群32cから、変調C刻み立ち上がり量VRCΔ及び変調C刻み立ち下がり量VFCΔに関する時間管理用パラメータを取得する。具体的には、パラメータPDI_RTC1〜rを取得して立ち上がり時刻み時間幅ΔtR1〜ΔtRtを設定し、パラメータPDI_FTC1〜uを取得して立ち下がり時刻み時間幅ΔtF1〜ΔtFuを設定する。この際、t≧CRN,u≧CFNを満足する。
【0099】
波形生成論理部35は変調設定用レジスタ群31の部分レジスタ群31c及び時間管理用レジスタ部32の部分レジスタ群32cより得た波形設定用パラメータに基づき、基準クロックCT34に同期して図10で示すパラレルデータ出力電圧波形WFcが得られるようにD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRを出力する。
【0100】
まず、図10に示すように、変調Bの出力制御動作終了後、変調C立ち上がり初期値VRC0を変調C開始待機時間t5において維持する。
【0101】
そして、変調C立ち上がり期間t6rにおいて、変調C立ち上がり初期値VRC0から、立ち上がり時刻み回数CRNかけて、立ち上がり時刻み時間幅ΔtRi(i=1〜CRN)毎に変調C刻み立ち上がり量VRCΔ分出力値を順次上昇させる制御を行う。その結果、変調C立ち上がり期間t6rの終了時には変調C立ち下がり初期値VFC0に達する。
【0102】
その後、変調C立ち上がり後待ち期間t6rwにおいて、パラレルデータ出力電圧波形WFcは変調C立ち下がり初期値VFC0を維持する。
【0103】
次に、変調C立ち上がり期間t6rにおいて、変調C立ち下がり初期値VFC0から、立ち下がり時刻み回数CFNかけて、立ち下がり時刻み時間幅ΔtFj(j=1〜CFN)毎に変調C刻み立ち下がり量VFCΔ分出力値を順次下降させる制御を行う。その結果、変調C立ち上がり期間t6rの終了時には変調C立ち上がり初期値VRC0に達する。
【0104】
その後、変調C立ち下がり後待ち期間t6fwにおいて、パラレルデータ出力電圧波形WFcは変調C立ち上がり初期値VRC0を維持する。
【0105】
このように、波形生成論理部35内のRise/Fall管理部37によって変調C出力サイクルt6毎にパラレルデータ出力電圧波形WFcを得るためのD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRが出力される。以降、出力回数カウンタ36の管理の下、パラレルデータ出力電圧波形WFcが変調C出力サイクル繰り返し回数n分繰り返され、変調Bの出力制御は終了する。
【0106】
なお、変調C開始待機時間t5、変調C立ち上がり期間t6r、変調C立ち上がり後待ち期間t6rw、変調C立ち下がり期間t6f、変調C立ち下がり後待ち期間t6fwそれぞれにおけるD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力は、変調Aの時と同様に行われる。
【0107】
図6に戻って、実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3はステップST3の処理が終了後、割り込み処理をCPU等に対して出力し、新たなパラレルデータ出力電圧波形生成のための波形設定用のパラメータを変調設定用レジスタ群31及び時間管理用レジスタ部32内に取り込むことができる。
【0108】
なお、パラレルDAC2の性能によっては、12ビット、16ビット等のD/A変換用データDataを必要とする場合がある。そうしたユーザ側の要求に応える場合を想定し、例えば、波形生成論理部35とレジスタ38とを16ビット幅で構成しておくことを提案する。パラレルDAC2が10ビット精度であれば、レジスタ38のうち下位10ビットをパラレルDACに出力させる。パラレルDAC2が12ビット精度であれば、レジスタ38のうち下位12ビットをパラレルDACに出力させる。パラレルDAC2が16ビット精度であれば、レジスタ38の16ビット幅を全て使ってパラレルDAC2に出力させる。出力の切り替えは、例えば、レジスタ38についてのマイコン3の外部出力端子群(D/A変換用データDataが得られる外部出力端子群、以下、「外部出力端子群Data」と略記する場合あり)のうち10ビットをDAC2と電気的に接続することで、切り替えることができ、マイコン1の汎用利用性がさらに高まり、パラレルDACの制御用半導体装置としてはさらに好適な半導体装置となる。16個の外部端子を有する外部出力端子群Dataのうち未使用の外部接続端子については、電位を基準電位または電源電位に固定するか、高インピーダンス状態に電位固定しても良い。また、17ビットのパラレルDACの場合は、パラレルDACの上位16ビットに外部出力端子群からのD/A変換用データDataを与え、パラレルDACの最下位1ビットについては固定信号を与えるようにする。
【0109】
(効果)
実施の形態2においては、パラレルDAC2へのD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力を専用ハードウエアであるパラレルデータ出力制御回路3によって行っている。パラレルデータ出力制御回路3は変調設定用レジスタ群31及び時間管理用レジスタ部32内に格納された波形設定用パラメータによって規定されるパラレルデータ出力電圧波形が得られるようにD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRを生成するパラレルデータ出力制御動作を実行している。
【0110】
実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3は、変調設定用レジスタ群31及び時間管理用レジスタ部32内に波形設定用パラメータが設定された後は、CPU等の制御手段からは独立して上記パラレルデータ出力制御動作が可能である。すなわち、変調設定用レジスタ群31及び時間管理用レジスタ部32への波形設定用パラメータ設定後は、CPU等の制御手段に割り込み処理等が生じても、その影響を受けることなく上記パラレルデータ出力制御動作を行うことができる。
【0111】
その結果、パラレルデータ出力制御回路3は、パラレルDAC2へのパラレルデータ出力制御をより高精度に確立することができる効果を奏する。
【0112】
加えて、変調設定用レジスタ群31及び時間管理用レジスタ部32内に立ち上がり波形及び立ち下がり波形を規定する波形設定用パラメータを設定することができる。例えば、変調Aを例に挙げれば、変調A刻み立ち上がり量VRAΔ,立ち上がり時刻み時間幅ΔtR,立ち上がり時刻み回数ARN,変調A刻み立ち下がり量VFAΔ、立ち下がり時刻み時間幅ΔtF、立ち下がり時刻み回数AFN等のパラメータを設定することができる。
【0113】
このため、実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3は、多様な立ち上がり波形及び立ち下がり波形を実現可能なD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRを出力することができる。
【0114】
したがって、実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3は、上記波形設定用パラメータを用いて、立ち上がり波形及び立ち下がり波形の設定を独立して設定することができる。このため、外部回路の応答特性が異なる場合に対応して、立ち上がり波形と立ち下がり波形を異なる内容に設定することができ、外部回路の応答特性が同じ場合に対応して、立ち上がり波形と立ち下がり波形を同一内容に設定することもできる効果を奏する。
【0115】
加えて、変調設定用レジスタ群31内に立ち上がり及び立ち下がりの初期値を規定する波形設定用パラメータを設定することができる。例えば、変調Aを例に挙げれば、変調A立ち上がり初期値VRA0及び変調A開始待機時間t1を規定する初期値設定用パラメータによって、パラレルデータ出力電圧波形WFaの初期値を設定することができる。
【0116】
このため、実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3は、立ち上がり波形及び立ち下がり波形の初期値を精度良く設定することができる。
【0117】
さらに、上記波形設定用パラメータを用いて、初期値設定後に立ち上がるか立ち下がるかを選択的に設定することができる。例えば、変調Aを例に挙げれば、変調A刻み立ち上がり量VRAΔ及び変調A刻み立ち下がり量VFAΔを正に設定すれば極性が正のパラレルデータ出力電圧波形WFaを得ることができる。一方、変調A刻み立ち上がり量VRAΔ及び変調A刻み立ち下がり量VFAΔを負に設定すれば極性が負のパラレルデータ出力電圧波形WFaを得ることができる。
【0118】
また、変調設定用レジスタ群31内の上記波形設定用パラメータは、立ち上がり後の極大値あるいは立ち下がり後の極小値に到達後、その状態の保持時間を規定するパラメータを含んでいる。例えば、変調Aを例に挙げれば、変調A立ち上がり後待ち期間t2rwによって極値到達後の保持時間を設定することができる。
【0119】
このため、実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3は、立ち上がり波形及び立ち下がり波形の極値を精度良く設定することができる。
【0120】
さらに、変調設定用レジスタ群31及び時間管理用レジスタ部32は、変調内容(パラレルデータ出力電圧波形内容)が異なる変調A〜変調C毎に波形設定用パラメータを格納するレジスタ群31a〜31c及び部分レジスタ群32a〜32cを有している。
【0121】
このため、実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3は、複数の変調による複数種のパラレルデータ出力電圧波形を実現するパラレルデータ出力制御を比較的簡単に行うことができる効果を奏する。
【0122】
また、パラレルデータ出力制御回路3とパラレルDAC2とからなる半導体装置は、高精度にD/A変換出力を行うことができる。
【符号の説明】
【0123】
1 制御マイコン、2 パラレルDAC、3 パラレルデータ出力制御回路、11 内蔵RAM、12 CPU、13 バッファ、14,38 レジスタ、15 出力周期制御タイマ、16 データ転送数制御カウンタ、17 WR信号出力タイマ、31 変調設定用レジスタ群、32 時間管理用レジスタ部、33 ステートマシン、34 波形出力時間管理カウンタ、35 波形生成論理部、36 出力回数カウンタ、37 Rise/Fall管理部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、DAC(D/A変換器)に対し、D/A変換用データを出力するとともにDA出力周期を制御するパラレルデータ出力制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、DACに対し、D/A変換用データを出力するとともにDA出力周期を制御するパラレルデータ出力制御は、マイコン等に内蔵された所定のCPU(MCU)によって実行されるソフトウェア処理によるタイマの割り込み命令で行うのが一般的であった。上記DAC等の処理対象を制御する際、マイコン(CPU)によるデータ送信を行った技術として例えば特許文献1に開示されたシリアル伝送送受信回路がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−77800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、従来、パラレルデータ出力制御をソフトウェア処理による割り込み命令で実行するため、DAC自体のD/A変換用データの取り込みタイミングは、ソフトウェア処理を実行するCPUの処理状況に大きく依存するという問題点があった。
【0005】
図11及び図12は上記従来の問題点説明用の説明図である。図11の(a) に示すように、ソフトウェア処理が滞りなく実行される正常時は変調期間TM11〜TM13が途切れることなく実行される。なお、変調期間とはDA変換周期等の後述するDAC出力電圧波形を規定するパラレルデータ制御内容によって分類される期間を意味する。
【0006】
一方、図11の(b) に示すように、CPUへの割り込み命令が発生した場合等におけるバスの状態によって、変調期間TM11,TM12間及び変調期間TM12,TM13間にそれぞれ空白期間TB1及び空白期間TB2が発生する異常時は、全体としてDACに出力されるD/A変換用データの更新周期がずれたデータ転送制御が行われることになる。
【0007】
図12は図11の正常時及び異常時におけるDACの出力電圧波形を示す説明図である。同図の(a) に示すように、正常時は変調期間TM11〜TM13が連続して設定されるため、所望のDAC出力電圧波形を得ることができる。
【0008】
一方、図12の(b) に示すように、異常時は変調期間TM11〜TM13間に空白期間TB1及びTB2が発生するため、同図に(a) と比較して空白期間TB1及びTB2が生じる分、所望のDAC出力電圧波形が間延びして所望でない形状となってしまう。このように、異常時においては信頼性の高い通信の確立が困難であり、所望のDAC出力電圧波形を生成できないという問題点があった。
【0009】
また、信頼性を確保するためには、他制御からの影響を受けないよう別CPUを搭載し目的の制御を行う必要から部品点数増加に伴うコスト増加の問題もあった。
【0010】
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、常に信頼性の高いパラレルデータ出力制御が行えるをパラレルデータ出力制御回路を得ることを目的とする。
【0011】
また、CPU性能を低下させず、内部バスの状態に依存することなく信頼性の高いパラレルデータ出力制御が行える機能を内蔵することによって、従来別CPUで行っていた制御を統合しコスト低減を得ることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の一実施の形態によれば、パラレルデータ出力制御回路は、D/A変換用データを格納するレジスタの前段に、複数段構成のFIFOからなるバッファを設けている。バッファは、リクエストを出力して必要単位分のデジタルデータをCPUから得ることができる。
【発明の効果】
【0013】
この実施の形態によれば、デジタルデータの供給先であるCPUとレジスタとの間にバッファを介在させる分、CPUからレジスタへのデジタルデータの転送に時間的余裕を持たせることができるため、この実施の形態のパラレルデータ出力制御回路はDACへのパラレルデータ出力制御(データ通信精度)を高精度に確立することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1であるパラレルデータ出力制御回路である制御マイコンの構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1の制御マイコンによるパラレルデータ出力制御内容を示すタイミング図である。
【図3】実施の形態1のパラレルデータ出力制御回路の効果を示すグラフである。
【図4】この発明の実施の形態2であるパラレルデータ出力制御回路の構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路により出力制御されたDACによる出力波形を示すグラフである。
【図6】実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路のパラレルデータ出力制御動作の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路の制御によって実現される変調Aにおけるパラレルデータ出力電圧波形を示す波形図である。
【図8】変調Aのパラレルデータ出力電圧波形内の立ち上がり及び立ち下がり波形の具体例を示す波形図である。
【図9】実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路の制御によって実現される変調Bにおけるパラレルデータ出力電圧波形を示す波形図である。
【図10】実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路の制御によって実現される変調Cにおけるパラレルデータ出力電圧波形を示す波形図である。
【図11】従来の問題点説明用の説明図である。
【図12】従来の問題点説明用の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施の形態1>
(構成)
図1はこの発明の実施の形態1であるパラレルデータ出力制御回路である制御マイコンの構成を示すブロック図である。
【0016】
同図に示すように、実施の形態1の制御マイコン1は、10ビットのD/A変換用データDataと1ビットの書き込み制御信号WRを外部出力端子群18(第1の外部出力端子群)及び外部出力端子部19(第2の外部出力端子群)を介してパラレルDAC2に出力する。パラレルDAC2は書き込み制御信号WRの指示する制御タイミングでD/A変換用データDataをD/A変換してその変換結果をDAC出力DA−OUTとして出力する。
【0017】
制御マイコン1は、内蔵RAM11、CPU12、バッファ13、レジスタ14、出力周期制御タイマ15、データ転送数制御カウンタ16及びWR信号出力タイマ17から構成される。
【0018】
内蔵RAM11はD/A変換用データDataとなるデジタルデータを内部に格納し、CPU12はバッファ13からの新たなデジタルデータの出力を指示するリクエスト(信号)RQに応答して内蔵RAM11より上記デジタルデータをバッファ13に出力する。このように、内蔵RAM11及びCPU12はデジタルデータ生成部として機能する。
【0019】
一時格納部であるバッファ13は複数段構成のFIFOを有し、FIFOの各段は1単位(10ビット)のデジタルデータを格納可能であり、バッファ13全体としてFIFOの構成段数単位分のデジタルデータを格納することができる。また、後に詳述するが、バッファ13は複数段構成のFIFOの少なくとも一部においてデジタルデータの格納が不足している場合、リクエストRQをCPU12に出力して新たなデジタルデータの出力を要求する。
【0020】
レジスタ14は出力制御クロックCK15に同期して、バッファ13内部に格納したデジタルデータを1単位ごとに取り込む。レジスタ14に格納されたデジタルデータがD/A変換用データDataとしてパラレルDAC2に出力される。
【0021】
出力周期制御タイマ15はCPU12による起動指示で起動し、起動時にクロック周期T15を有する出力制御クロックCK15を出力する。データ転送数制御カウンタ16は出力制御クロックCK15の出力回数(クロック数)をカウントし、当該回数が所定のデータ転送数に達したと判断すると出力周期制御タイマ15の出力制御クロックCK15の出力を停止させる。
【0022】
WR信号出力タイマ17は出力制御クロックCK15に同期して“L”の1ショットパルスである書き込み制御信号WRを生成する。書き込み制御信号WRの1ショットパルスがパラレルDAC2によるD/A変換用データDataの取り込みタイミングを指示する。
【0023】
(動作)
図2は実施の形態1の制御マイコン1によるパラレルデータ出力制御内容を示すタイミング図である。なお、図2では、バッファ13であるFIFOの構成段数が“4”の場合を示している。以下、図2を参照して、制御マイコン1のよるパラレルデータ出力制御動作を説明する。
【0024】
(1)まず、バッファ13内の4段構成のFIFO内に4単位のデジタルデータを格納しておく。図2の例では4単位のデジタルデータがバッファ13内に格納されている。
【0025】
(2)CPU12によるソフトウェア処理により出力周期制御タイマ15に起動指示を与え、出力周期制御タイマ15を起動させる。すると、出力周期制御タイマ15は、クロック周期T15毎にリロード設定値に設定され、クロック周期T15中は立ち下がる出力制御クロックCK15を生成する。
【0026】
(3-1)出力制御クロックCK15のアンダフローの時刻t11に同期して、レジスタ14はバッファ13から1単位のデジタルデータをD/A変換用データDataとして格納する。
【0027】
(3-2)レジスタ14へのデジタルデータの転送後、バッファ13内にデジタルデータがk単位(k=1〜4のいずれか)以上無くなると、バッファ13内に空きが生じたと判断し、バッファ13はCPU12に不足単位分のデジタルデータの転送を指示するDMA転送要求(割り込み要求)であるリクエストRQをCPU12に発生する。すると、CPU12は、次の出力制御クロックCK15の立ち上がる時刻t12までに、内蔵RAM11から不足単位分のデジタルデータをバッファ13内にセットする。
【0028】
なお、図2においては、k=1の場合を示し、時刻t11〜t17それぞれにバッファ13はリクエストRQを出力している。
【0029】
(3-3)一方、WR信号出力タイマ17は、出力制御クロックCK15のアンダフロー時刻t11〜t17をトリガとして、オフセット期間のΔTw経過後に“L”の1ショットパルスを書き込み制御信号WRとして生成する。パラレルDAC2は書き込み制御信号WRの立ち下がりに同期してレジスタ14よりD/A変換用データDataを取り込み、D/A変換処理を行い書き込み制御信号WRの立ち上がりに同期してDAC出力DA−OUTを生成する。このように、“L”の1ショットパルスはパラレルDAC2によるD/A変換用データDataの取り込みタイミングを指示する。
【0030】
(4)以降、出力制御クロックCK15に同期して上記(3-1)〜(3-3)の処理を繰り返す。
【0031】
(5)そして、データ転送数制御カウンタ16が、設定されたレジスタ14へのデジタルデータ転送回数分の出力制御クロックCK15をカウントすると、出力周期制御タイマ15の動作を停止させることにより、パラレルデータ出力制御動作は終了する。
【0032】
なお、パラレルDAC2の性能によっては、12ビット、16ビット等のD/A変換用データDataを必要とする場合がある。そうしたユーザ側の要求に応える場合を想定し、例えば、(データ)バッファ13とレジスタ14とを16ビット幅で構成しておくことを提案する。パラレルDAC2が10ビット精度であれば、レジスタ14のうち下位10ビットをパラレルDACに出力させる。パラレルDAC2が12ビット精度であれば、レジスタ14のうち下位12ビットをパラレルDACに出力させる。パラレルDAC2が16ビット精度であれば、レジスタ14の16ビット幅を全て使ってパラレルDAC2に出力させる。出力の切り替えは、例えば、レジスタ14についてのマイコン1の外部出力端子群18のうち10ビットをDAC2と電気的に接続することで、切り替えることができ、マイコン1の汎用利用性がさらに高まり、パラレルDACの制御用半導体装置としてはさらに好適な半導体装置となる。16個の外部端子を有する外部接続端子群18のうち未使用の外部接続端子については、電位を基準電位または電源電位に固定するか、高インピーダンス状態に電位固定しても良い。また、17ビットのパラレルDACの場合は、パラレルDACの上位16ビットに外部出力端子群からのD/A変換用データDataを与え、パラレルDACの最下位1ビットについては固定信号を与えるようにする。
【0033】
(効果)
CPU12からパラレルDAC2へのデータ更新周期等のパラレルデータ出力制御を専用ハードウエア(バッファ13、レジスタ14、出力周期制御タイマ15、データ転送数制御カウンタ16、及びWR信号出力タイマ17)を用いて実現している。
【0034】
すなわち、実施の形態1の制御マイコン1は、D/A変換用データDataを格納するレジスタ14の前段に、複数段(4段)構成のFIFOからなるバッファ13を設けている。バッファ13は、リクエストRQを出力して必要単位分のデジタルデータをCPU12から得ることができる。通常、CPU12からのデジタルデータは出力制御クロックCK15のクロック周期T15中に取得することができる。
【0035】
したがって、CPU12とレジスタ14との間にバッファ13を介在させる分、CPU12からレジスタ14へのデジタルデータの転送に時間的余裕を持たせることができるため、制御マイコン1はパラレルDAC2へのパラレルデータ出力制御(データ通信精度)を高精度に確立することができる効果を奏する。
【0036】
さらに、バッファ13はk単位(図2の例ではk=1)の空きが生じる毎にCPU12にリクエストRQを出力するため、k=3以下に設定しておくことにより、CPU12に要求される内蔵RAM11からバッファ13へのデータ転送期間として出力制御クロックCK15の(4−k)クロック分の予備期間を少なくとも確保することができる。
【0037】
このため、制御マイコン1は、CPU12内のバスの状態の影響を受け、仮にリクエストRQ発生からクロック周期T15期間中にバッファ13にデジタルデータを転送できない場合でも、上記予備期間内に転送できれば、レジスタ14から出力されるD/A変換用データDataに影響が生じることはない。したがって、CPU12の処理状況の影響を受けることなく、CPU12からバッファ13を介したレジスタ14へのD/A変換用データData(デジタルデータ)のデータ転送を滞りなく行うことが可能となる。その結果、制御マイコン1はパラレルDAC2へのパラレルデータ出力制御をより高精度に確立することができる効果を奏する。
【0038】
また、制御マイコン1は出力制御クロックCK15に同期してWR信号出力タイマ17より書き込み制御信号WRを出力することにより、出力制御クロックCK15のクロック周期T15毎にパラレルDAC2に対するD/A変換用データDataの取り込みタイミングを指示することができる。
【0039】
図3は実施の形態1のパラレルデータ出力制御回路の効果を示すグラフである。同図の(a) に示すように、制御マイコン1によって出力制御されるパラレルDAC2のD/A変換結果の時系列変化であるDAC出力電圧波形WF1は常に変調期間TM1〜TM3が連続的に設定されるため、所望のDAC出力電圧波形を得ることができる。すなわち、CPU12に割り込み処理等が生じても、同図の(b) に示すように、変調期間TM1〜TM3間に空白期間TB1,TB2が生じてDAC出力電圧波形WF2のような波形に歪むことはない。
【0040】
また、レジスタ14の出力タイミングと書き込み信号WRの出力タイミングを異なるようにしたので、D/A変換用データDataをノイズ等の影響を受けずに確実に転送できると共に、半導体装置におけるCPUからレジスタまでのデータ転送を滑らかに行うことができる効果がある。
【0041】
<実施の形態2>
(構成)
図4はこの発明の実施の形態2であるパラレルデータ出力制御回路3を含む半導体装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、パラレルデータ出力制御回路3及びパラレルDAC2によって半導体装置を構成している。
【0042】
パラレルデータ出力制御回路3は所定の制御周期内で複数の変調内容のパラレルデータ出力電圧波形を得ることが可能なパラレルデータ出力制御を行うことができる。
【0043】
実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3は、図示しないCPU等の外部から得られるタイマイベントTMEにより起動し、制御周期TCにおいてパラレルデータ出力電圧波形を生成させるべく、時系列となるD/A変換用データDataと書き込み制御信号WRとを出力する。
【0044】
パラレルデータ出力制御回路3の主要部は変調設定用レジスタ群31、時間管理用レジスタ部32、ステートマシン33、波形出力時間管理カウンタ34及び波形生成論理部35及びレジスタ38から構成される。波形生成論理部35は出力回数カウンタ36及びRise/Fall管理部37から構成される。
【0045】
変調設定用レジスタ群31は部分レジスタ群31a〜31cから構成され、部分レジスタ群31a〜31cは互いに独立して変調内容を規定する種々の変調(内容)設定用パラメータを格納することができる。以下では説明の都合上、部分レジスタ群31a,31b及び31cは変調A,変調B及び変調C用のパラメータを格納しているとする。
【0046】
時間管理用レジスタ部32は部分レジスタ群32a〜32cから構成される。部分レジスタ群32a〜32cは部分レジスタ群31a〜31cに対応しており、変調A,変調B及び変調Cの時間管理内容を規定する時間管理用パラメータを格納している。
【0047】
このように、変調設定用レジスタ群31及び時間管理用レジスタ部32はパラレルデータ出力電圧波形を規定する波形設定用のパラメータ(変調設定用パラメータ,時間管理用パラメータ)を格納するパラメータ格納部として機能する。
【0048】
ステートマシン33は部分レジスタ群31a〜31c及び部分レジスタ群32a〜32cで設定された変調の実行順序を指示する。例えば、変調A(部分レジスタ群31a,32a),変調B(部分レジスタ群31b,32b),変調C(部分レジスタ群31c,32c)の順で実行する指示を波形生成論理部35に与える。
【0049】
波形出力時間管理カウンタ34は外部より得られる周辺クロックPΦをカウントし、そのカウント結果に基づき波形生成論理部35の動作用の基準となる基準クロックCT34を波形生成論理部35に出力する。
【0050】
波形生成論理部35は基準クロックCT34に同期して変調設定用レジスタ群31及び時間管理用レジスタ部32内に格納された種々の波形設定用のパラメータに基づきD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRを生成する。すなわち、波形生成論理部35はD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力機能を備えている。レジスタ38はD/A変換用データDataを格納し、外部のパラレルDAC2に出力する。
【0051】
パラレルDAC2は波形生成論理部35より書き込み制御信号WRを受け、レジスタ38を介してD/A変換用データDataを受ける。
【0052】
なお、波形生成論理部35は主要構成部として出力回数カウンタ36及びRise/Fall管理部37を有する。Rise/Fall管理部37は波形の立ち上がり(Rise)及び立ち下がり(Fall)波形用のD/A変換用データDataの出力制御を行う。出力回数カウンタ36は変調A〜変調Cそれぞれにおいて、上記立ち上がり及び立ち下がり波形の繰り返し回数をカウントする。
【0053】
(動作)
図5は実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3により出力制御されたパラレルDAC2による出力波形を示すグラフである。同図に示すように、制御周期TC中に、変調A,変調B及び変調Cにおいてそれぞれ変調内容が異なるパラレルデータ出力電圧波形が得られる。
【0054】
すなわち、D/A変換開始から変調A開始待機時間t1経過後、立ち下がり及び立ち上がりが急峻なのパラレルデータ出力電圧波形WFaの変調A出力サイクルt2がl回繰り返される。そして、変調B開始待機時間t3経過後、立ち上がり及び立ち下がりが平均レベルパラレルデータ出力電圧波形WFbの変調B出力サイクルt4がm回繰り返される。その後、変調C開始待機時間t5経過後、立ち下がり及び立ち上がりが緩やかなパラレルデータ出力電圧波形WFcの変調C出力サイクルt6がn回繰り返される。なお、パラレルデータ出力電圧波形WFa及びWFcは極性が負(極値が極小値)であり、パラレルデータ出力電圧波形WFbは極性が正(極値が極大値)の場合を示している。
【0055】
このように、パラレルデータ出力制御回路3のパラレルデータ出力制御により、パラレルDAC2によるA/D変換結果の時系列変化として、変調A出力サイクルt2,変調B出力サイクルt4,及び変調C出力サイクルt6において、極性を含めそれぞれ異なるパラレルデータ出力電圧波形WFa,WFb及びWFcが得られる。
【0056】
(変調A)
図6はパラレルデータ出力制御回路3のパラレルデータ出力制御動作の処理手順を示すフローチャートである。図6に示すように、パラレルデータ出力制御回路3はステートマシン33の指示に従い、ステップST1〜ST3の順で変調A,変調B及び変調Cの順で波形処理を実行する。
【0057】
図7はパラレルデータ出力制御回路3の制御によって実現される変調Aにおけるパラレルデータ出力電圧波形WFaを示す波形図である。なお、以降、図5とは異なるが、説明の都合上、パラレルデータ出力電圧波形WFa,WFcも極性が正の場合を例に説明する。
【0058】
図8はパラレルデータ出力電圧波形WFa内の立ち上がり及び立ち下がり波形の具体例を示す波形図である。以下、図6〜図8を参照してパラレルデータ出力制御回路3の変調Aのパラレルデータ出力電圧波形WFaを得るための制御動作を説明する。
【0059】
まず、ステップST1において、波形生成論理部35は変調設定用レジスタ群31の部分レジスタ群31aから変調Aの波形に関するパラメータを取得し、変調Aの波形に関する種々のデータ設定を行う。具体的には、パラメータPDI_RSAを取得し立ち上がり時の分解能である立ち上がり時刻み回数ARNを設定し、パラメータPDI_FSAを取得し立ち下がり時の分解能である立ち下がり時刻み回数AFNを設定する。パラメータPDI_RIAを取得して変調A立ち上がり初期値VRA0を設定し、パラメータPDI_FIAを取得して変調A立ち下がり初期値VFA0を設定する。
【0060】
そして、パラメータPDI_RDAを取得して変調A刻み立ち上がり量VRAΔ(Δ値)を設定し、パラメータPDI_FDAを取得して変調A刻み立ち下がり量VFAΔを設定する。また、パラメータPDI_WT0Aを取得して変調A開始待機時間t1を設定し、パラメータPDI_WT1Aを取得して変調A立ち上がり後待ち期間t2rwを設定し、パラメータPDI_WT2Aを取得して変調A立ち下がり後待ち期間t2fwを設定する。そして、パラメータPDI_REPAを取得して変調A出力サイクル繰り返し回数lを設定する。
【0061】
さらに、波形生成論理部35は時間管理用レジスタ部32の部分レジスタ群32aから、変調A刻み立ち上がり量VRAΔ及び変調A刻み立ち下がり量VFAΔに関する時間管理用パラメータを取得する。具体的には、パラメータPDI_RTA1〜pを取得して立ち上がり時刻み時間幅ΔtR1〜ΔtRpを設定し、パラメータPDI_FTA1〜qを取得して立ち下がり時刻み時間幅ΔtF1〜ΔtFqを設定する。この際、p≧ARN,q≧AFNを満足する。
【0062】
なお、図8のパラレルデータ出力電圧波形WFaの設定内容は以下の通りである。変調A開始待機時間t1(PDI_WT0A)は“3A”(基準クロックCT34のカウント数(16進数)、以下同様)に、変調A立ち上がり後待ち期間t2rw(PDI_WT1A)は“04”に、変調A立ち下がり後待ち期間t2fw(PDI_WT2A)は“03”に設定されている。
【0063】
そして、立ち上がり時刻み回数ARN(PDI_RSA)は“03”に設定され、立ち下がり時刻み回数AFN(PDI_RSA)は“04”に設定される。立ち上がり時刻み時間幅ΔtR1,ΔtR2及びΔtR3(PDI_RTA1〜3)は“05”“04”及び“02”に設定され、立ち下がり時刻み時間幅ΔtF1,ΔtF2,ΔtF3及びΔtF4(PDI_FTA1〜4)は“02”“01”,“03”及び“05”に設定される。
【0064】
波形生成論理部35は変調設定用レジスタ群31の部分レジスタ群31a及び時間管理用レジスタ部32の部分レジスタ群32aより得た波形設定用パラメータに基づき、基準クロックCT34に同期して図7で示すパラレルデータ出力電圧波形WFaが得られるようにD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRを出力する。
【0065】
まず、図7に示すように、パラレルデータ出力制御動作開始後、変調A立ち上がり初期値VRA0を変調A開始待機時間t1において維持する。図8の具体例の場合、基準クロックCT34のクロック数“3A”分の変調A開始待機時間t1が設定される。
【0066】
変調A開始待機時間t1におけるD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力は例えば以下のように行われる。変調A開始待機時間t1の開始時に変調A立ち上がり初期値VRA0をD/A変換用データDataとして出力する。一方、変調A開始待機時間t1の開始時“L”レベルの1ショットパルスを書き込み制御信号WRとして1度発生する。
【0067】
そして、変調A立ち上がり期間t2rにおいて、変調A立ち上がり初期値VRA0から、立ち上がり時刻み回数ARNかけて変調A刻み立ち上がり量VRAΔ分、出力値を順次上昇させる制御を行う。
【0068】
図8の具体例の場合、変調A立ち上がり期間t2rの開始時刻tp1から、基準クロックCT34の“5”クロック分である立ち上がり時刻み時間幅ΔtR1経過後の時刻tp2にかけて、変調A刻み立ち上がり量VRAΔ上昇する。
【0069】
続いて、時刻tp2から、基準クロックCT34の“4”クロック分である立ち上がり時刻み時間幅ΔtR2経過後の時刻tp3にかけて、変調A刻み立ち上がり量VRAΔ上昇する。
【0070】
最後に、時刻tp3から、基準クロックCT34の“2”クロック分である立ち上がり時刻み時間幅ΔtR3経過後の時刻tp4にかけて、変調A刻み立ち上がり量VRAΔ上昇し、変調A立ち下がり初期値VFA0に達する。したがって、変調A立ち上がり期間t2rは、{ΔtR1+ΔtR2+ΔtR3}となる。
【0071】
変調A立ち上がり期間t2rにおけるD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力は例えば以下のように行われる。変調A立ち上がり期間t2rの開始から、立ち上がり時刻み時間幅ΔtRi(i=1〜p(3))毎に変調A立ち上がり初期値VRA0から変調A刻み立ち上がり量VRAΔを増加させながら、最終的に変調A立ち下がり初期値VFA0となるD/A変換用データDataを出力する。一方、変調A立ち上がり期間t2r期間中において、時刻み時間幅ΔtRi毎に“L”レベルの1ショットパルスが生じる書き込み制御信号WRを出力する。
【0072】
その後、変調A立ち上がり後待ち期間t2rwにおいて、パラレルデータ出力電圧波形WFaが変調A立ち下がり初期値VFA0を維持する。図8の具体例の場合、基準クロックCT34のクロック数“04”分の変調A立ち上がり後待ち期間t2rw(時刻tp4〜tp5)が設定される。
【0073】
変調A立ち上がり後待ち期間t2rwにおけるD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力は例えば以下のように行われる。すでに、変調A立ち下がり初期値VFA0に達しているため、D/A変換用データDataは変調A立ち下がり初期値VFA0のまま維持させておく。一方、変調A立ち上がり後待ち期間t2rwにおいて、書き込み制御信号WRを“H”に固定しておく。
【0074】
次に、変調A立ち下がり期間t2fにおいて、変調A立ち下がり初期値VFA0から、立ち下がり時刻み回数AFNかけて、変調A刻み立ち下がり量VFAΔ分、出力値を順次下降させる制御を行う。
【0075】
図8の具体例の場合、変調A立ち下がり期間t2fの開始時刻tp5から、基準クロックCT34の“2”クロック分である立ち下がり時刻み時間幅ΔtF1経過後の時刻tp6にかけて、変調A刻み立ち下がり量VFAΔ下降する。
【0076】
続いて、時刻tp6から、基準クロックCT34の“1”クロック分である立ち下がり時刻み時間幅ΔtF2経過後の時刻tp7にかけて、変調A刻み立ち下がり量VFAΔ下降する。
【0077】
さらに、時刻tp7から、基準クロックCT34の“3”クロック分である立ち下がり時刻み時間幅ΔtF3経過後の時刻tp8にかけて、変調A刻み立ち下がり量VFAΔ下降する。
【0078】
最後に、時刻tp8から、基準クロックCT34の“5”クロック分である立ち下がり時刻み時間幅ΔtF4経過後の時刻tp9にかけて、変調A刻み立ち下がり量VFAΔ下降し、変調A立ち上がり初期値VRA0に達する。したがって、変調A立ち下がり期間t2fは、{ΔtF1+ΔtF2+ΔtF3+ΔtF4}となる。
【0079】
変調A立ち下がり期間t2fにおけるD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力は例えば以下のように行われる。変調A立ち下がり期間t2fの開始から、立ち下がり時刻み時間幅ΔtFj(j=1〜q(4))毎に変調A立ち下がり初期値VFA0から変調A刻み立ち下がり量VFAΔを減少させ、最終的に変調A立ち上がり初期値VRA0となるD/A変換用データDataを出力する。一方、変調A立ち下がり期間t2f中において、立ち下がり時刻み時間幅ΔtFj毎に“L”レベルの1ショットパルスが生じる書き込み制御信号WRを出力する。
【0080】
その後、変調A立ち下がり後待ち期間t2fwにおいて、変調A立ち上がり初期値VRA0を維持する。図8の具体例の場合、基準クロックCT34のクロック数“03”分の変調A立ち下がり後待ち期間t2fw(時刻tp9〜tp10)が設定される。
【0081】
変調A立ち下がり後待ち期間t2fwにおけるD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力は例えば以下のように行われる。すでに、変調A立ち上がり初期値VRA0に達しているため、D/A変換用データDataは変調A立ち上がり初期値VRA0のまま維持させておく。一方、変調A立ち下がり後待ち期間t2fwにおいて、書き込み制御信号WRを“H”に固定しておく。
【0082】
このように、波形生成論理部35内のRise/Fall管理部37によって変調A出力サイクルt2毎にパラレルデータ出力電圧波形WFaを得るためのD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRが出力される。以降、出力回数カウンタ36の管理の下、パラレルデータ出力電圧波形WFaが変調A出力サイクル繰り返し回数l分繰り返され、変調Aの出力制御は終了する。
【0083】
(変調B)
図9はパラレルデータ出力制御回路3の制御によって実現される変調Bによるパラレルデータ出力電圧波形WFbを示す波形図である。以下、図6及び図9を参照してパラレルデータ出力制御回路3の変調Bのパラレルデータ出力電圧波形WFbを得るための制御動作を説明する。
【0084】
図6のステップST2において、波形生成論理部35は変調設定用レジスタ群31の部分レジスタ群31bから変調Bの波形に関するパラメータを取得して、変調Aの波形に関する種々のデータ設定を行う。具体的には、パラメータPDI_RSBを取得して立ち上がり時の分解能である立ち上がり時刻み回数BRNを設定し、パラメータPDI_FSBを取得して立ち下がり時の分解能である立ち下がり時刻み回数BFNを設定する。パラメータPDI_RIBを取得して変調B立ち上がり初期値VRB0を設定し、パラメータPDI_FIBを取得して変調B立ち下がり初期値VFB0を取得する。
【0085】
そして、パラメータPDI_RDBを取得して変調B刻み立ち上がり量VRBΔを設定し、パラメータPDI_FDBを取得して変調B刻み立ち下がり量VFBΔを設定する。また、パラメータPDI_WT0Bを取得して変調B開始待機時間t3を設定し、パラメータPDI_WT1Bを取得して変調B立ち上がり後待ち期間t4rwを設定し、パラメータPDI_WT2Bを取得して変調B立ち下がり後待ち期間t4fwを設定する。さらに、パラメータPDI_REPBを取得して変調B出力サイクル繰り返し回数mを設定する。
【0086】
さらに、波形生成論理部35は時間管理用レジスタ部32の部分レジスタ群32bから、変調B刻み立ち上がり量VRBΔ及び変調B刻み立ち下がり量VFBΔに関する時間管理用パラメータを取得する。具体的には、パラメータPDI_RTB1〜rを取得して立ち上がり時刻み時間幅ΔtR1〜ΔtRrを設定し、パラメータPDI_FTB1〜sを取得して立ち下がり時刻み時間幅ΔtF1〜ΔtFsを設定する。この際、r≧BRN,s≧BFNを満足する。
【0087】
波形生成論理部35は変調設定用レジスタ群31の部分レジスタ群31b及び時間管理用レジスタ部32の部分レジスタ群32bより得た波形設定用パラメータに基づき、基準クロックCT34に同期して図9で示すパラレルデータ出力電圧波形WFbが得られるようにD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRを出力する。
【0088】
まず、図9に示すように、変調Aのパラレルデータ出力電圧波形WFaの波形出力後、変調B立ち上がり初期値VRB0を変調B開始待機時間t3において維持する。
【0089】
そして、変調B立ち上がり期間t4rにおいて、変調B立ち上がり初期値VRB0から、立ち上がり時刻み回数BRNかけて、立ち上がり時刻み時間幅ΔtRi(i=1〜BRN)毎に変調B刻み立ち上がり量VRBΔ分、出力値を順次上昇させる制御を行う。その結果、変調B立ち上がり期間t4rの終了時には変調B立ち下がり初期値VFB0に達する。
【0090】
その後、変調B立ち上がり後待ち期間t4rwにおいて、パラレルデータ出力電圧波形WFbは変調B立ち下がり初期値VFB0を維持する。
【0091】
次に、変調B立ち下がり期間t4fにおいて、変調B立ち下がり初期値VFB0から、立ち下がり時刻み回数BFNかけて、立ち下がり時刻み時間幅ΔtFj(j=1〜BFN)毎に変調B刻み立ち下がり量VFBΔ分出力値を順次下降させる制御を行う。その結果、変調B立ち下がり期間t4fの終了時には変調B立ち上がり初期値VRB0に達する。
【0092】
その後、変調B立ち下がり後待ち期間t4fwにおいて、パラレルデータ出力電圧波形WFbは変調B立ち上がり初期値VRB0を維持する。
【0093】
このように、波形生成論理部35内のRise/Fall管理部37によって変調B出力サイクルt4毎にパラレルデータ出力電圧波形WFbを得るためのD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRが出力される。以降、出力回数カウンタ36の管理の下、パラレルデータ出力電圧波形WFbが変調B出力サイクル繰り返し回数m分繰り返され、変調Bの出力制御は終了する。
【0094】
なお、変調B開始待機時間t3、変調B立ち上がり期間t4r、変調B立ち上がり後待ち期間t4rw、変調B立ち下がり期間t4f、変調B立ち下がり後待ち期間t4fwそれぞれにおけるD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力は、変調Aの時と同様に行われる。
【0095】
(変調C)
図10はパラレルデータ出力制御回路3の制御によって実現される変調Cによるパラレルデータ出力電圧波形WFcを示す波形図である。以下、図6及び図10を参照してパラレルデータ出力制御回路3の変調Cのパラレルデータ出力電圧波形WFcを得るための制御動作を説明する。
【0096】
図6のステップST3において、波形生成論理部35は変調設定用レジスタ群31の部分レジスタ群31cから変調Cの波形に関するパラメータを取得して、変調Bの波形に関する種々のデータ設定を行う。具体的には、パラメータPDI_RSCを取得して立ち上がり時の分解能である立ち上がり時刻み回数CRNを設定し、パラメータPDI_FSCを取得して立ち下がり時の分解能である立ち下がり時刻み回数CFNを設定する。パラメータPDI_RICを取得して変調C立ち上がり初期値VRC0を設定し、パラメータPDI_FICを取得して変調C立ち下がり初期値VFC0を設定する。
【0097】
そして、パラメータPDI_RDCを取得して変調C刻み立ち上がり量VRCΔを設定し、パラメータPDI_FDCを取得して変調C刻み立ち下がり量VFCΔを設定する。また、パラメータPDI_WT0Cを取得して変調C開始待機時間t5を設定し、パラメータPDI_WT1Cを取得して変調C立ち上がり後待ち期間t6rwを設定し、パラメータPDI_WT2Cを取得して変調C立ち下がり後待ち期間t6fwを設定する。さらに、パラメータPDI_REPCを取得して変調C出力サイクル繰り返し回数nを設定する。
【0098】
さらに、波形生成論理部35は時間管理用レジスタ部32の部分レジスタ群32cから、変調C刻み立ち上がり量VRCΔ及び変調C刻み立ち下がり量VFCΔに関する時間管理用パラメータを取得する。具体的には、パラメータPDI_RTC1〜rを取得して立ち上がり時刻み時間幅ΔtR1〜ΔtRtを設定し、パラメータPDI_FTC1〜uを取得して立ち下がり時刻み時間幅ΔtF1〜ΔtFuを設定する。この際、t≧CRN,u≧CFNを満足する。
【0099】
波形生成論理部35は変調設定用レジスタ群31の部分レジスタ群31c及び時間管理用レジスタ部32の部分レジスタ群32cより得た波形設定用パラメータに基づき、基準クロックCT34に同期して図10で示すパラレルデータ出力電圧波形WFcが得られるようにD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRを出力する。
【0100】
まず、図10に示すように、変調Bの出力制御動作終了後、変調C立ち上がり初期値VRC0を変調C開始待機時間t5において維持する。
【0101】
そして、変調C立ち上がり期間t6rにおいて、変調C立ち上がり初期値VRC0から、立ち上がり時刻み回数CRNかけて、立ち上がり時刻み時間幅ΔtRi(i=1〜CRN)毎に変調C刻み立ち上がり量VRCΔ分出力値を順次上昇させる制御を行う。その結果、変調C立ち上がり期間t6rの終了時には変調C立ち下がり初期値VFC0に達する。
【0102】
その後、変調C立ち上がり後待ち期間t6rwにおいて、パラレルデータ出力電圧波形WFcは変調C立ち下がり初期値VFC0を維持する。
【0103】
次に、変調C立ち上がり期間t6rにおいて、変調C立ち下がり初期値VFC0から、立ち下がり時刻み回数CFNかけて、立ち下がり時刻み時間幅ΔtFj(j=1〜CFN)毎に変調C刻み立ち下がり量VFCΔ分出力値を順次下降させる制御を行う。その結果、変調C立ち上がり期間t6rの終了時には変調C立ち上がり初期値VRC0に達する。
【0104】
その後、変調C立ち下がり後待ち期間t6fwにおいて、パラレルデータ出力電圧波形WFcは変調C立ち上がり初期値VRC0を維持する。
【0105】
このように、波形生成論理部35内のRise/Fall管理部37によって変調C出力サイクルt6毎にパラレルデータ出力電圧波形WFcを得るためのD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRが出力される。以降、出力回数カウンタ36の管理の下、パラレルデータ出力電圧波形WFcが変調C出力サイクル繰り返し回数n分繰り返され、変調Bの出力制御は終了する。
【0106】
なお、変調C開始待機時間t5、変調C立ち上がり期間t6r、変調C立ち上がり後待ち期間t6rw、変調C立ち下がり期間t6f、変調C立ち下がり後待ち期間t6fwそれぞれにおけるD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力は、変調Aの時と同様に行われる。
【0107】
図6に戻って、実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3はステップST3の処理が終了後、割り込み処理をCPU等に対して出力し、新たなパラレルデータ出力電圧波形生成のための波形設定用のパラメータを変調設定用レジスタ群31及び時間管理用レジスタ部32内に取り込むことができる。
【0108】
なお、パラレルDAC2の性能によっては、12ビット、16ビット等のD/A変換用データDataを必要とする場合がある。そうしたユーザ側の要求に応える場合を想定し、例えば、波形生成論理部35とレジスタ38とを16ビット幅で構成しておくことを提案する。パラレルDAC2が10ビット精度であれば、レジスタ38のうち下位10ビットをパラレルDACに出力させる。パラレルDAC2が12ビット精度であれば、レジスタ38のうち下位12ビットをパラレルDACに出力させる。パラレルDAC2が16ビット精度であれば、レジスタ38の16ビット幅を全て使ってパラレルDAC2に出力させる。出力の切り替えは、例えば、レジスタ38についてのマイコン3の外部出力端子群(D/A変換用データDataが得られる外部出力端子群、以下、「外部出力端子群Data」と略記する場合あり)のうち10ビットをDAC2と電気的に接続することで、切り替えることができ、マイコン1の汎用利用性がさらに高まり、パラレルDACの制御用半導体装置としてはさらに好適な半導体装置となる。16個の外部端子を有する外部出力端子群Dataのうち未使用の外部接続端子については、電位を基準電位または電源電位に固定するか、高インピーダンス状態に電位固定しても良い。また、17ビットのパラレルDACの場合は、パラレルDACの上位16ビットに外部出力端子群からのD/A変換用データDataを与え、パラレルDACの最下位1ビットについては固定信号を与えるようにする。
【0109】
(効果)
実施の形態2においては、パラレルDAC2へのD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRの出力を専用ハードウエアであるパラレルデータ出力制御回路3によって行っている。パラレルデータ出力制御回路3は変調設定用レジスタ群31及び時間管理用レジスタ部32内に格納された波形設定用パラメータによって規定されるパラレルデータ出力電圧波形が得られるようにD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRを生成するパラレルデータ出力制御動作を実行している。
【0110】
実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3は、変調設定用レジスタ群31及び時間管理用レジスタ部32内に波形設定用パラメータが設定された後は、CPU等の制御手段からは独立して上記パラレルデータ出力制御動作が可能である。すなわち、変調設定用レジスタ群31及び時間管理用レジスタ部32への波形設定用パラメータ設定後は、CPU等の制御手段に割り込み処理等が生じても、その影響を受けることなく上記パラレルデータ出力制御動作を行うことができる。
【0111】
その結果、パラレルデータ出力制御回路3は、パラレルDAC2へのパラレルデータ出力制御をより高精度に確立することができる効果を奏する。
【0112】
加えて、変調設定用レジスタ群31及び時間管理用レジスタ部32内に立ち上がり波形及び立ち下がり波形を規定する波形設定用パラメータを設定することができる。例えば、変調Aを例に挙げれば、変調A刻み立ち上がり量VRAΔ,立ち上がり時刻み時間幅ΔtR,立ち上がり時刻み回数ARN,変調A刻み立ち下がり量VFAΔ、立ち下がり時刻み時間幅ΔtF、立ち下がり時刻み回数AFN等のパラメータを設定することができる。
【0113】
このため、実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3は、多様な立ち上がり波形及び立ち下がり波形を実現可能なD/A変換用データData及び書き込み制御信号WRを出力することができる。
【0114】
したがって、実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3は、上記波形設定用パラメータを用いて、立ち上がり波形及び立ち下がり波形の設定を独立して設定することができる。このため、外部回路の応答特性が異なる場合に対応して、立ち上がり波形と立ち下がり波形を異なる内容に設定することができ、外部回路の応答特性が同じ場合に対応して、立ち上がり波形と立ち下がり波形を同一内容に設定することもできる効果を奏する。
【0115】
加えて、変調設定用レジスタ群31内に立ち上がり及び立ち下がりの初期値を規定する波形設定用パラメータを設定することができる。例えば、変調Aを例に挙げれば、変調A立ち上がり初期値VRA0及び変調A開始待機時間t1を規定する初期値設定用パラメータによって、パラレルデータ出力電圧波形WFaの初期値を設定することができる。
【0116】
このため、実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3は、立ち上がり波形及び立ち下がり波形の初期値を精度良く設定することができる。
【0117】
さらに、上記波形設定用パラメータを用いて、初期値設定後に立ち上がるか立ち下がるかを選択的に設定することができる。例えば、変調Aを例に挙げれば、変調A刻み立ち上がり量VRAΔ及び変調A刻み立ち下がり量VFAΔを正に設定すれば極性が正のパラレルデータ出力電圧波形WFaを得ることができる。一方、変調A刻み立ち上がり量VRAΔ及び変調A刻み立ち下がり量VFAΔを負に設定すれば極性が負のパラレルデータ出力電圧波形WFaを得ることができる。
【0118】
また、変調設定用レジスタ群31内の上記波形設定用パラメータは、立ち上がり後の極大値あるいは立ち下がり後の極小値に到達後、その状態の保持時間を規定するパラメータを含んでいる。例えば、変調Aを例に挙げれば、変調A立ち上がり後待ち期間t2rwによって極値到達後の保持時間を設定することができる。
【0119】
このため、実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3は、立ち上がり波形及び立ち下がり波形の極値を精度良く設定することができる。
【0120】
さらに、変調設定用レジスタ群31及び時間管理用レジスタ部32は、変調内容(パラレルデータ出力電圧波形内容)が異なる変調A〜変調C毎に波形設定用パラメータを格納するレジスタ群31a〜31c及び部分レジスタ群32a〜32cを有している。
【0121】
このため、実施の形態2のパラレルデータ出力制御回路3は、複数の変調による複数種のパラレルデータ出力電圧波形を実現するパラレルデータ出力制御を比較的簡単に行うことができる効果を奏する。
【0122】
また、パラレルデータ出力制御回路3とパラレルDAC2とからなる半導体装置は、高精度にD/A変換出力を行うことができる。
【符号の説明】
【0123】
1 制御マイコン、2 パラレルDAC、3 パラレルデータ出力制御回路、11 内蔵RAM、12 CPU、13 バッファ、14,38 レジスタ、15 出力周期制御タイマ、16 データ転送数制御カウンタ、17 WR信号出力タイマ、31 変調設定用レジスタ群、32 時間管理用レジスタ部、33 ステートマシン、34 波形出力時間管理カウンタ、35 波形生成論理部、36 出力回数カウンタ、37 Rise/Fall管理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時系列に変化するパラレルデータ出力波形を規定する波形設定用パラメータが格納可能なパラメータ格納部と、
前記波形設定用パラメータにより規定された出力波形データをデジタルデータとして生成する波形生成論理部とを備え、
前記波形生成論理部は、出力制御クロックに同期して、前記出力波形データと、書き込み制御信号とを出力することを特徴とする、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項2】
請求項1記載のパラレルデータ出力制御回路であって、
前記波形設定用パラメータは、前記パラレルデータ出力波形の立ち上がり及び立ち下がり波形を規定する立ち上がり及び立ち下がり用パラメータを有し、
前記立ち上がり用パラメータは、立ち上がり時刻み回数、立ち上がり時刻み時間幅及び刻み立ち上がり量を含み、前記立ち下がり用パラメータは、立ち下がり時刻み回数、立ち下がり時刻み時間幅及び刻み立ち下がり量を含み、
前記波形生成論理部は、
前記立ち上がり時刻み回数分、前記立ち上がり時刻み時間幅毎に前記刻み立ち上がり量上昇する立ち上がり波形が実現され、かつ、前記立ち下がり時刻み回数分、前記立ち下がり時刻み時間幅毎に前記刻み立ち下がり量下降する立ち下がり波形が実現されるように、前記パラレルデータを生成する、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項3】
請求項1あるいは請求項2記載のパラレルデータ出力制御回路であって、
前記波形設定用パラメータは、パラレルデータ変化開始時の初期値設定用パラメータを含む、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうち、いずれか1項に記載のパラレルデータ出力制御回路であって、
前記波形設定用パラメータは、前記パラレルデータ出力波形の極性を設定可能なパラメータを含む、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうち、いずれか1項に記載のパラレルデータ出力制御回路であって、
前記波形設定用パラメータは、前記パラレルデータ出力波形の極値到達後その状態の保持時間を規定するパラメータを含む、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうち、いずれか1項に記載のパラレルデータ出力制御回路であって、
前記パラメータ格納部は複数の部分パラメータ格納部を有し、前記複数の部分パラメータ格納部は前記パラレルデータ出力波形内容が異なる複数種の波形設定用パラメータが格納可能であり、
前記波形生成論理部は、前記複数の部分パラメータ格納部から得られる前記複数種の波形設定用パラメータに基づき、複数種のパラレルデータ出力波形を出力可能とする、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6記載のうち、いずれか1項に記載のパラレルデータ出力制御回路であって、
前記波形設定用パラメータは、前記パラレルデータ出力波形の立ち上がり波形及び立ち下り波形を互いに独立して設定可能なパラメータを含む、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7記載のうち、いずれか1項に記載のパラレルデータ出力制御回路であって、
前記波形生成論理部は、前記出力波形データの取り込みタイミングを指示する書き込み制御信号を出力する書き込み制御信号出力機能を備える、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項9】
請求項8記載のパラレルデータ出力制御回路であって、
前記波形設定用パラメータは、前記書き込み制御信号の極性、出力期間、出力位置を設定可能なパラメータを含む、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のうちいずれか1項に記載のパラレルデータ出力制御回路と、
前記パラレルデータ出力制御回路から出力される前記デジタルデータをD/A変換するDACと、
を備える半導体装置。
【請求項1】
時系列に変化するパラレルデータ出力波形を規定する波形設定用パラメータが格納可能なパラメータ格納部と、
前記波形設定用パラメータにより規定された出力波形データをデジタルデータとして生成する波形生成論理部とを備え、
前記波形生成論理部は、出力制御クロックに同期して、前記出力波形データと、書き込み制御信号とを出力することを特徴とする、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項2】
請求項1記載のパラレルデータ出力制御回路であって、
前記波形設定用パラメータは、前記パラレルデータ出力波形の立ち上がり及び立ち下がり波形を規定する立ち上がり及び立ち下がり用パラメータを有し、
前記立ち上がり用パラメータは、立ち上がり時刻み回数、立ち上がり時刻み時間幅及び刻み立ち上がり量を含み、前記立ち下がり用パラメータは、立ち下がり時刻み回数、立ち下がり時刻み時間幅及び刻み立ち下がり量を含み、
前記波形生成論理部は、
前記立ち上がり時刻み回数分、前記立ち上がり時刻み時間幅毎に前記刻み立ち上がり量上昇する立ち上がり波形が実現され、かつ、前記立ち下がり時刻み回数分、前記立ち下がり時刻み時間幅毎に前記刻み立ち下がり量下降する立ち下がり波形が実現されるように、前記パラレルデータを生成する、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項3】
請求項1あるいは請求項2記載のパラレルデータ出力制御回路であって、
前記波形設定用パラメータは、パラレルデータ変化開始時の初期値設定用パラメータを含む、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうち、いずれか1項に記載のパラレルデータ出力制御回路であって、
前記波形設定用パラメータは、前記パラレルデータ出力波形の極性を設定可能なパラメータを含む、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうち、いずれか1項に記載のパラレルデータ出力制御回路であって、
前記波形設定用パラメータは、前記パラレルデータ出力波形の極値到達後その状態の保持時間を規定するパラメータを含む、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうち、いずれか1項に記載のパラレルデータ出力制御回路であって、
前記パラメータ格納部は複数の部分パラメータ格納部を有し、前記複数の部分パラメータ格納部は前記パラレルデータ出力波形内容が異なる複数種の波形設定用パラメータが格納可能であり、
前記波形生成論理部は、前記複数の部分パラメータ格納部から得られる前記複数種の波形設定用パラメータに基づき、複数種のパラレルデータ出力波形を出力可能とする、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6記載のうち、いずれか1項に記載のパラレルデータ出力制御回路であって、
前記波形設定用パラメータは、前記パラレルデータ出力波形の立ち上がり波形及び立ち下り波形を互いに独立して設定可能なパラメータを含む、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7記載のうち、いずれか1項に記載のパラレルデータ出力制御回路であって、
前記波形生成論理部は、前記出力波形データの取り込みタイミングを指示する書き込み制御信号を出力する書き込み制御信号出力機能を備える、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項9】
請求項8記載のパラレルデータ出力制御回路であって、
前記波形設定用パラメータは、前記書き込み制御信号の極性、出力期間、出力位置を設定可能なパラメータを含む、
パラレルデータ出力制御回路。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のうちいずれか1項に記載のパラレルデータ出力制御回路と、
前記パラレルデータ出力制御回路から出力される前記デジタルデータをD/A変換するDACと、
を備える半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−182833(P2012−182833A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−118261(P2012−118261)
【出願日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【分割の表示】特願2007−246856(P2007−246856)の分割
【原出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【分割の表示】特願2007−246856(P2007−246856)の分割
【原出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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