ヒドロキシアルカン酸基を含むスルホン化芳香族コポリエステル及びそれから製造される成形物品
スルホン化芳香族コポリエステルおよびそれから製造される物品、ならびにそれらのスルホン化芳香族コポリエステルおよび物品を製造するためのプロセスが提供される。そのスルホン化芳香族コポリエステルから製造することが可能な物品には、フィルム、コーティングおよび積層物が含まれる。いくつかの組成物および物品はバイオコンポスト化することができる。それらのフィルムはさらに、シート、食品包装材料たとえばサンドイッチラップ、熱成形容器、および、たとえばフィルムおよびその他の基材のためのコーティングのような成形物品を形成するのに使用することができる。そのスルホン化芳香族コポリエステルには、ヒドロキシアルカン酸成分を含む。
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【特許請求の範囲】
【請求項１】
酸成分と、グリコール成分と、０〜約５．０モルパーセントの、多官能酸、グリコールおよびそれらの混合物から選択される多官能分岐化剤と、任意成分としての有効量の着色抑制剤とを含む、スルホン化芳香族コポリエステルであって、
前記酸成分が、
ａ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、９８．９〜１．０モルパーセントの芳香族ジカルボン酸成分、および
ｂ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、１．０〜９９．０モルパーセントの、乳酸、グリコール酸およびそれらの混合物から選択されるヒドロキシアルカン酸成分、および
ｃ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、約０．１〜約５．０モルパーセントのスルホネート成分、から本質的になり、
そしてここで、前記グリコール成分が：
ａ．約９９．０〜約１．０モルパーセントの、エチレングリコール、１，３−プロパンジオールおよび１，４−ブタンジオールから選択される単一の第一のグリコール成分、および
ｂ．１００モルパーセントの全グリコール成分を基準にして、０〜約５．０モルパーセントの、１種または複数の第二のグリコール成分を含む、
スルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項２】
トリフルオロ酢酸：ジクロロメタン（５０：５０溶液）溶媒系中の前記コポリエステルの０．５パーセント溶液について室温で測定したときに、少なくとも０．１５のインヘレント粘度を有する、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項３】
前記インヘレント粘度が少なくとも０．３５ｄＬ／ｇである、請求項２に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項４】
前記第二のグリコール成分が、エチレングリコール、１，３−プロパンジオール、１，６−ヘキサンジオール、１，８−オクタンジオール、１，１０−デカンジオール、１，１２−ドデカンジオール、１，１４−テトラデカンジオール、１，１６−ヘキサデカンジオール、ダイマージオール、４，８−ビス（ヒドロキシメチル）−トリシクロ［５．２．１．０／２．６］デカン、１，４−シクロヘキサンジメタノール、イソソルビド、ジ（エチレングリコール）、トリ（エチレングリコール）、分子量範囲が約５００〜約４０００のポリ（アルキレンエーテル）グリコール、およびそれらから誘導される混合物からなる群より選択される、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項５】
前記スルホネート成分が、５−スルホイソフタル酸の金属塩および５−スルホイソフタル酸ジメチルの金属塩からなる群より選択される、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項６】
前記芳香族ジカルボン酸成分が：テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ビス（２−ヒドロキシエチル）、テレフタル酸ビス（３−ヒドロキシプロピル）、テレフタル酸ビス（４−ヒドロキシブチル）、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ビス（２−ヒドロキシエチル）、イソフタル酸ビス（３−ヒドロキシプロピル）、イソフタル酸ビス（４−ヒドロキシブチル）；２，６−ナフタレンジカルボン酸、２，６−ナフタル酸ジメチル、２，７−ナフタレンジカルボン酸、２，７−ナフタル酸ジメチル、３，４’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、３，４’ジフェニルエーテルジカルボン酸ジメチル、４，４’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、４，４’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジメチル、３，４’−ジフェニルスルフィドジカルボン酸、３，４’−ジフェニルスルフィドジカルボン酸ジメチル、４，４’−ジフェニルスルフィドジカルボン酸、４，４’−ジフェニルスルフィドジカルボン酸ジメチル、３，４’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、３，４’−ジフェニルスルホンジカルボン酸ジメチル、４，４’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、４，４’−ジフェニルスルホンジカルボン酸ジメチル、３，４’−ベンゾフェノンジカルボン酸、３，４’−ベンゾフェノンジカルボン酸ジメチル、４，４’−ベンゾフェノンジカルボン酸、４，４’−ベンゾフェノンジカルボン酸ジメチル、１，４−ナフタレンジカルボン酸、１，４−ナフタル酸ジメチル、４，４’−メチレンビス（安息香酸）、４，４’−メチレンビス（安息香酸）ジメチル、およびそれらから誘導される混合物からなる群より選択される、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項７】
前記酸成分が、約９８．９〜約３０モルパーセントの前記芳香族ジカルボン酸成分を含む、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項８】
前記酸成分が、約９８．９〜約５０モルパーセントの前記芳香族ジカルボン酸成分を含む、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項９】
前記酸成分が、約９５〜約５０モルパーセントの前記芳香族ジカルボン酸成分を含む、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１０】
前記酸成分が、約１〜約７０モルパーセントの前記ヒドロキシアルカン酸成分を含む、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１１】
前記酸成分が、約１〜約５０モルパーセントの前記ヒドロキシアルカン酸成分を含む、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１２】
前記酸成分が、約５〜約５０モルパーセントの前記ヒドロキシアルカン酸成分を含む、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１３】
前記分岐化剤が：１，２，４−ベンゼントリカルボン酸；１，２，４−ベンゼントリカルボン酸トリメチル；１，２，４−ベンゼントリカルボン酸トリス（２−ヒドロキシエチル）；１，２，４−ベンゼントリカルボン酸トリス（３−ヒドロキシプロピル）；１，２，４−ベンゼントリカルボン酸トリス（４−ヒドロキシブチル）；１，２，４−ベンゼントリカルボン酸無水物；１，３，５−ベンゼントリカルボン酸；１，２，４，５−ベンゼンテトラカルボン酸；１，２，４，５−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物；３，３’，４，４’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物；１，４，５，８−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物；クエン酸；テトラヒドロフラン−２，３，４，５−テトラカルボン酸；１，３，５−シクロヘキサントリカルボン酸；ペンタエリスリトール；グリセロール；２−（ヒドロキシメチル）−１，３−プロパンジオール；２，２−ビス（ヒドロキシメチル）プロピオン酸；およびそれらから誘導される混合物からなる群より選択される、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１４】
少なくとも約０．３５ｄＬ／ｇのインヘレント粘度を有する、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１５】
少なくとも約０．６５ｄＬ／ｇのインヘレント粘度を有する、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１６】
充填剤をさらに含む、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１７】
前記充填剤が、第一の平均粒径を有する第一の粒子の組と、第二の平均粒径を有する第二の粒子の組とを含み、第二の平均粒径が、前記第一の平均粒径の少なくとも約２倍である、請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１８】
前記充填剤が、約４０ミクロン未満の平均直径を有する粒子から本質的になる、請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１９】
前記充填剤が、約２０ミクロン未満の平均直径を有する粒子から本質的になる、請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項２０】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルと、少なくとも１種の他のポリマーとを含む、ブレンド。
【請求項２１】
前記他のポリマーが生分解性である、請求項２０に記載のブレンド。
【請求項２２】
前記生分解性ポリマーが、ポリ（ヒドロキシアルカノエート）、ポリカーボネート、ポリ（カプロラクトン）、脂肪族ポリエステル、芳香族コポリエステル、脂肪族−芳香族コポリエーテルエステル、脂肪族−芳香族コポリアミドエステル、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエーテルエステル、スルホン化脂肪族−芳香族コポリアミドエステル、およびそれらから誘導される混合物からなる群より選択される、請求項２１に記載のブレンド。
【請求項２３】
前記他のポリマーが非生分解性である、請求項２１に記載のブレンド。
【請求項２４】
前記他のポリマーが天然ポリマーである、請求項２１に記載のブレンド。
【請求項２５】
前記天然ポリマーがデンプンである、請求項２４に記載のブレンド。
【請求項２６】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルから成形される、成形物品。
【請求項２７】
フィルム、シート、繊維、メルトブローン容器、成形部品、および発泡部品からなる群より選択される、請求項２６に記載の成形物品。
【請求項２８】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、フィルム。
【請求項２９】
約０．０２５ｍｍ〜約０．１５ｍｍの厚みを有する、請求項２８に記載のフィルム。
【請求項３０】
請求項２８に記載の配向フィルム。
【請求項３１】
前記フィルムが２軸配向されている、請求項３０に記載のフィルム。
【請求項３２】
前記フィルムが１軸配向されている、請求項３０に記載のフィルム。
【請求項３３】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む層を含む、多層フィルム。
【請求項３４】
基材と、前記基材の上のコーティングとを含み、前記コーティングが請求項１に記載の芳香族コポリエーテルエステルを含む、物品。
【請求項３５】
前記コーティングが、約０．２〜約１５ミルの厚みを有する、請求項３４に記載の物品。
【請求項３６】
前記コーティングが、約０．５〜約２ミルの厚みを有する、請求項３４に記載の物品。
【請求項３７】
前記基材が、織物、不織布、フォイル、紙、板紙、および金属からなる群より選択される、請求項３４に記載の物品。
【請求項３８】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルがその上に積層されている基材を含む、物品。
【請求項３９】
前記基材が、紙、板紙、厚紙、ファイバーボード、セルロース、デンプン、プラスチック、ポリスチレンフォーム、ガラス、金属、ポリマーフォーム、有機フォーム、無機フォーム、有機−無機フォーム、およびポリマーフィルムからなる群より選択される、請求項３８に記載の物品。
【請求項４０】
請求項３８に記載の物品を含む、包装材料。
【請求項４１】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、ラップ。
【請求項４２】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、シート。
【請求項４３】
少なくとも約０．５０ｍｍの厚みを有する、請求項４２に記載のシート。
【請求項４４】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、繊維。
【請求項４５】
約０．１〜約１００のデニールを有する、請求項４４に記載の繊維。
【請求項４６】
約０．５〜２０のデニールを有する、請求項４４に記載の繊維。
【請求項４７】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルと、少なくとも１種の他のポリマーとを含む、繊維。
【請求項４８】
前記繊維が、前記スルホン化芳香族コポリエステルと１種または複数の天然繊維とのブレンドを含む、請求項４４に記載の繊維。
【請求項４９】
前記繊維が異種繊維である、請求項４４に記載の繊維。
【請求項５０】
請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、発泡物品。
【請求項５１】
請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステルから成形される、成形物品。
【請求項５２】
フィルム、シート、繊維、メルトブローン容器、成形部品、および発泡部品からなる群より選択される、請求項５１に記載の成形物品。
【請求項５３】
請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、フィルム。
【請求項５４】
約０．０２５ｍｍ〜約０．１５ｍｍの厚みを有する、請求項５３に記載のフィルム。
【請求項５５】
請求項５３に記載の配向フィルム。
【請求項５６】
請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む層を含む、多層フィルム。
【請求項５７】
基材と、前記基材の上のコーティングとを含み、前記コーティングが請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、物品。
【請求項５８】
請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステルがその上に積層されている基材を含む、物品。
【請求項５９】
請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、ラップ。
【請求項６０】
請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、シート。
【請求項６１】
請求項２０に記載のブレンドを含む、発泡物品。
【請求項６２】
請求項２０に記載のブレンドから成形される、成形物品。
【請求項６３】
フィルム、シート、繊維、メルトブローン容器、成形部品、および発泡部品からなる群より選択される、請求項６２に記載の成形物品。
【請求項６４】
請求項２０に記載のブレンドを含む、フィルム。
【請求項６５】
約０．０２５ｍｍ〜約０．１５ｍｍの厚みを有する、請求項６４に記載のフィルム。
【請求項６６】
請求項６４に記載の配向フィルム。
【請求項６７】
請求項２０に記載のブレンドを含む層を含む、多層フィルム。
【請求項６８】
基材と、前記基材の上のコーティングとを含み、前記コーティングが請求項２０に記載のブレンドを含む、物品。
【請求項６９】
請求項２０に記載のブレンドをその上に積層させた基材を含む、物品。
【請求項７０】
請求項２０に記載のブレンドを含む、ラップ。
【請求項７１】
請求項２０に記載のブレンドを含む、シート。
【請求項７２】
包装材料を製造するための方法であって、
基材を提供する工程；
前記基材を所望の包装材料の形態に成形する工程；
酸成分と、グリコール成分と、０〜約５．０モルパーセントの、多官能酸、グリコールおよびそれらの混合物から選択される多官能分岐化剤と、任意成分としての有効量の着色抑制剤とを含む、スルホン化芳香族コポリエステルを提供する工程であって、
ここで前記酸成分が、
ａ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、９８．９〜１．０モルパーセントの芳香族ジカルボン酸成分、および
ｂ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、１．０〜９９．０モルパーセントの、乳酸、グリコール酸およびそれらの混合物から選択されるヒドロキシアルカン酸成分、および
ｃ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、約０．１〜約５．０モルパーセントのスルホネート成分、から本質的になり、
そしてここで前記グリコール成分が、
ｃ．約９９．０〜約１．０モルパーセントの、エチレングリコール、１，３−プロパンジオールおよび１，４−ブタンジオールから選択される単一の第一のグリコール成分、０．１〜１０．０モルパーセントのスルホネート成分、および
ｄ．１００モルパーセントの全グリコール成分を基準にして、０〜約５．０モルパーセントの、１種または複数の第二のグリコール成分、を含む工程；ならびに
前記基材を、前記スルホン化芳香族コポリエステルを用いて積層またはコーティングして、前記包装材料を形成する工程、を含む、方法。
【請求項７３】
前記基材が、紙、板紙、無機フォーム、有機フォーム、および無機−有機フォームからなる群より選択される材料を含む、請求項７２に記載の方法。
【請求項７４】
前記包装材料形態が、ラッパー、延伸ラップフィルム、袋物、コップ、トレー、カートン、箱、ビン、クレート、包装フィルム、プリスターパックラッパー、スキンパック、およびヒンジ付き容器からなる群より選択される、請求項７２に記載の方法。
【請求項７５】
スルホン化芳香族コポリエステルを製造するための方法であって、
芳香族ジカルボン酸成分と、エチレングリコール、１，３−プロパンジオールおよび１，４−ブタンジオールから選択される第一のグリコール成分と、０．１〜１０．０モルパーセントのスルホネート成分と、０〜５．０モルパーセントの第二のグリコール成分と、任意成分の多官能分岐化剤と、を含む反応混合物を提供する工程；および
前記芳香族ジカルボン酸成分と、前記スルホネート成分と、前記第一のグリコール成分と、前記第二のグリコール成分と、前記多官能分岐化剤とを重合させて、酸成分およびグリコール成分を含むスルホン化芳香族コポリエステルを形成させる工程であって、
ここで前記酸成分が、
ａ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、９８．９〜１．０モルパーセントの芳香族ジカルボン酸成分、および
ｂ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、１．０〜９９．０モルパーセントの、乳酸、グリコール酸およびそれらの混合物から選択される、ヒドロキシアルカン酸成分、ならびに
ｃ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、約０．１〜約５．０モルパーセントのスルホネート成分、から本質的になり、
そしてここで、前記グリコール成分が：
ａ．約９９．０〜約１．０モルパーセントの、エチレングリコール、１，３−プロパンジオールおよび１，４−ブタンジオールから選択される単一の第一のグリコール成分、０．１〜１０．０モルパーセントのスルホネート成分、および
ｂ．１００モルパーセントの全グリコール成分を基準にして、０〜約５．０モルパーセントの、１種または複数の第二のグリコール成分、を含む工程を含む方法。
【請求項７６】
ゼロモルパーセントの前記第二のグリコール成分を含む、請求項１に記載の組成物。
【請求項７７】
ポリマーの重量を基準にして０．００１〜５重量パーセントの着色抑制剤を含む、請求項１に記載の組成物。
【請求項１】
酸成分と、グリコール成分と、０〜約５．０モルパーセントの、多官能酸、グリコールおよびそれらの混合物から選択される多官能分岐化剤と、任意成分としての有効量の着色抑制剤とを含む、スルホン化芳香族コポリエステルであって、
前記酸成分が、
ａ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、９８．９〜１．０モルパーセントの芳香族ジカルボン酸成分、および
ｂ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、１．０〜９９．０モルパーセントの、乳酸、グリコール酸およびそれらの混合物から選択されるヒドロキシアルカン酸成分、および
ｃ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、約０．１〜約５．０モルパーセントのスルホネート成分、から本質的になり、
そしてここで、前記グリコール成分が：
ａ．約９９．０〜約１．０モルパーセントの、エチレングリコール、１，３−プロパンジオールおよび１，４−ブタンジオールから選択される単一の第一のグリコール成分、および
ｂ．１００モルパーセントの全グリコール成分を基準にして、０〜約５．０モルパーセントの、１種または複数の第二のグリコール成分を含む、
スルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項２】
トリフルオロ酢酸：ジクロロメタン（５０：５０溶液）溶媒系中の前記コポリエステルの０．５パーセント溶液について室温で測定したときに、少なくとも０．１５のインヘレント粘度を有する、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項３】
前記インヘレント粘度が少なくとも０．３５ｄＬ／ｇである、請求項２に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項４】
前記第二のグリコール成分が、エチレングリコール、１，３−プロパンジオール、１，６−ヘキサンジオール、１，８−オクタンジオール、１，１０−デカンジオール、１，１２−ドデカンジオール、１，１４−テトラデカンジオール、１，１６−ヘキサデカンジオール、ダイマージオール、４，８−ビス（ヒドロキシメチル）−トリシクロ［５．２．１．０／２．６］デカン、１，４−シクロヘキサンジメタノール、イソソルビド、ジ（エチレングリコール）、トリ（エチレングリコール）、分子量範囲が約５００〜約４０００のポリ（アルキレンエーテル）グリコール、およびそれらから誘導される混合物からなる群より選択される、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項５】
前記スルホネート成分が、５−スルホイソフタル酸の金属塩および５−スルホイソフタル酸ジメチルの金属塩からなる群より選択される、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項６】
前記芳香族ジカルボン酸成分が：テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ビス（２−ヒドロキシエチル）、テレフタル酸ビス（３−ヒドロキシプロピル）、テレフタル酸ビス（４−ヒドロキシブチル）、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ビス（２−ヒドロキシエチル）、イソフタル酸ビス（３−ヒドロキシプロピル）、イソフタル酸ビス（４−ヒドロキシブチル）；２，６−ナフタレンジカルボン酸、２，６−ナフタル酸ジメチル、２，７−ナフタレンジカルボン酸、２，７−ナフタル酸ジメチル、３，４’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、３，４’ジフェニルエーテルジカルボン酸ジメチル、４，４’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、４，４’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジメチル、３，４’−ジフェニルスルフィドジカルボン酸、３，４’−ジフェニルスルフィドジカルボン酸ジメチル、４，４’−ジフェニルスルフィドジカルボン酸、４，４’−ジフェニルスルフィドジカルボン酸ジメチル、３，４’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、３，４’−ジフェニルスルホンジカルボン酸ジメチル、４，４’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、４，４’−ジフェニルスルホンジカルボン酸ジメチル、３，４’−ベンゾフェノンジカルボン酸、３，４’−ベンゾフェノンジカルボン酸ジメチル、４，４’−ベンゾフェノンジカルボン酸、４，４’−ベンゾフェノンジカルボン酸ジメチル、１，４−ナフタレンジカルボン酸、１，４−ナフタル酸ジメチル、４，４’−メチレンビス（安息香酸）、４，４’−メチレンビス（安息香酸）ジメチル、およびそれらから誘導される混合物からなる群より選択される、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項７】
前記酸成分が、約９８．９〜約３０モルパーセントの前記芳香族ジカルボン酸成分を含む、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項８】
前記酸成分が、約９８．９〜約５０モルパーセントの前記芳香族ジカルボン酸成分を含む、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項９】
前記酸成分が、約９５〜約５０モルパーセントの前記芳香族ジカルボン酸成分を含む、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１０】
前記酸成分が、約１〜約７０モルパーセントの前記ヒドロキシアルカン酸成分を含む、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１１】
前記酸成分が、約１〜約５０モルパーセントの前記ヒドロキシアルカン酸成分を含む、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１２】
前記酸成分が、約５〜約５０モルパーセントの前記ヒドロキシアルカン酸成分を含む、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１３】
前記分岐化剤が：１，２，４−ベンゼントリカルボン酸；１，２，４−ベンゼントリカルボン酸トリメチル；１，２，４−ベンゼントリカルボン酸トリス（２−ヒドロキシエチル）；１，２，４−ベンゼントリカルボン酸トリス（３−ヒドロキシプロピル）；１，２，４−ベンゼントリカルボン酸トリス（４−ヒドロキシブチル）；１，２，４−ベンゼントリカルボン酸無水物；１，３，５−ベンゼントリカルボン酸；１，２，４，５−ベンゼンテトラカルボン酸；１，２，４，５−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物；３，３’，４，４’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物；１，４，５，８−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物；クエン酸；テトラヒドロフラン−２，３，４，５−テトラカルボン酸；１，３，５−シクロヘキサントリカルボン酸；ペンタエリスリトール；グリセロール；２−（ヒドロキシメチル）−１，３−プロパンジオール；２，２−ビス（ヒドロキシメチル）プロピオン酸；およびそれらから誘導される混合物からなる群より選択される、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１４】
少なくとも約０．３５ｄＬ／ｇのインヘレント粘度を有する、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１５】
少なくとも約０．６５ｄＬ／ｇのインヘレント粘度を有する、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１６】
充填剤をさらに含む、請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１７】
前記充填剤が、第一の平均粒径を有する第一の粒子の組と、第二の平均粒径を有する第二の粒子の組とを含み、第二の平均粒径が、前記第一の平均粒径の少なくとも約２倍である、請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１８】
前記充填剤が、約４０ミクロン未満の平均直径を有する粒子から本質的になる、請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項１９】
前記充填剤が、約２０ミクロン未満の平均直径を有する粒子から本質的になる、請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステル。
【請求項２０】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルと、少なくとも１種の他のポリマーとを含む、ブレンド。
【請求項２１】
前記他のポリマーが生分解性である、請求項２０に記載のブレンド。
【請求項２２】
前記生分解性ポリマーが、ポリ（ヒドロキシアルカノエート）、ポリカーボネート、ポリ（カプロラクトン）、脂肪族ポリエステル、芳香族コポリエステル、脂肪族−芳香族コポリエーテルエステル、脂肪族−芳香族コポリアミドエステル、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエーテルエステル、スルホン化脂肪族−芳香族コポリアミドエステル、およびそれらから誘導される混合物からなる群より選択される、請求項２１に記載のブレンド。
【請求項２３】
前記他のポリマーが非生分解性である、請求項２１に記載のブレンド。
【請求項２４】
前記他のポリマーが天然ポリマーである、請求項２１に記載のブレンド。
【請求項２５】
前記天然ポリマーがデンプンである、請求項２４に記載のブレンド。
【請求項２６】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルから成形される、成形物品。
【請求項２７】
フィルム、シート、繊維、メルトブローン容器、成形部品、および発泡部品からなる群より選択される、請求項２６に記載の成形物品。
【請求項２８】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、フィルム。
【請求項２９】
約０．０２５ｍｍ〜約０．１５ｍｍの厚みを有する、請求項２８に記載のフィルム。
【請求項３０】
請求項２８に記載の配向フィルム。
【請求項３１】
前記フィルムが２軸配向されている、請求項３０に記載のフィルム。
【請求項３２】
前記フィルムが１軸配向されている、請求項３０に記載のフィルム。
【請求項３３】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む層を含む、多層フィルム。
【請求項３４】
基材と、前記基材の上のコーティングとを含み、前記コーティングが請求項１に記載の芳香族コポリエーテルエステルを含む、物品。
【請求項３５】
前記コーティングが、約０．２〜約１５ミルの厚みを有する、請求項３４に記載の物品。
【請求項３６】
前記コーティングが、約０．５〜約２ミルの厚みを有する、請求項３４に記載の物品。
【請求項３７】
前記基材が、織物、不織布、フォイル、紙、板紙、および金属からなる群より選択される、請求項３４に記載の物品。
【請求項３８】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルがその上に積層されている基材を含む、物品。
【請求項３９】
前記基材が、紙、板紙、厚紙、ファイバーボード、セルロース、デンプン、プラスチック、ポリスチレンフォーム、ガラス、金属、ポリマーフォーム、有機フォーム、無機フォーム、有機−無機フォーム、およびポリマーフィルムからなる群より選択される、請求項３８に記載の物品。
【請求項４０】
請求項３８に記載の物品を含む、包装材料。
【請求項４１】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、ラップ。
【請求項４２】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、シート。
【請求項４３】
少なくとも約０．５０ｍｍの厚みを有する、請求項４２に記載のシート。
【請求項４４】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、繊維。
【請求項４５】
約０．１〜約１００のデニールを有する、請求項４４に記載の繊維。
【請求項４６】
約０．５〜２０のデニールを有する、請求項４４に記載の繊維。
【請求項４７】
請求項１に記載のスルホン化芳香族コポリエステルと、少なくとも１種の他のポリマーとを含む、繊維。
【請求項４８】
前記繊維が、前記スルホン化芳香族コポリエステルと１種または複数の天然繊維とのブレンドを含む、請求項４４に記載の繊維。
【請求項４９】
前記繊維が異種繊維である、請求項４４に記載の繊維。
【請求項５０】
請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、発泡物品。
【請求項５１】
請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステルから成形される、成形物品。
【請求項５２】
フィルム、シート、繊維、メルトブローン容器、成形部品、および発泡部品からなる群より選択される、請求項５１に記載の成形物品。
【請求項５３】
請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、フィルム。
【請求項５４】
約０．０２５ｍｍ〜約０．１５ｍｍの厚みを有する、請求項５３に記載のフィルム。
【請求項５５】
請求項５３に記載の配向フィルム。
【請求項５６】
請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む層を含む、多層フィルム。
【請求項５７】
基材と、前記基材の上のコーティングとを含み、前記コーティングが請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、物品。
【請求項５８】
請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステルがその上に積層されている基材を含む、物品。
【請求項５９】
請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、ラップ。
【請求項６０】
請求項１６に記載のスルホン化芳香族コポリエステルを含む、シート。
【請求項６１】
請求項２０に記載のブレンドを含む、発泡物品。
【請求項６２】
請求項２０に記載のブレンドから成形される、成形物品。
【請求項６３】
フィルム、シート、繊維、メルトブローン容器、成形部品、および発泡部品からなる群より選択される、請求項６２に記載の成形物品。
【請求項６４】
請求項２０に記載のブレンドを含む、フィルム。
【請求項６５】
約０．０２５ｍｍ〜約０．１５ｍｍの厚みを有する、請求項６４に記載のフィルム。
【請求項６６】
請求項６４に記載の配向フィルム。
【請求項６７】
請求項２０に記載のブレンドを含む層を含む、多層フィルム。
【請求項６８】
基材と、前記基材の上のコーティングとを含み、前記コーティングが請求項２０に記載のブレンドを含む、物品。
【請求項６９】
請求項２０に記載のブレンドをその上に積層させた基材を含む、物品。
【請求項７０】
請求項２０に記載のブレンドを含む、ラップ。
【請求項７１】
請求項２０に記載のブレンドを含む、シート。
【請求項７２】
包装材料を製造するための方法であって、
基材を提供する工程；
前記基材を所望の包装材料の形態に成形する工程；
酸成分と、グリコール成分と、０〜約５．０モルパーセントの、多官能酸、グリコールおよびそれらの混合物から選択される多官能分岐化剤と、任意成分としての有効量の着色抑制剤とを含む、スルホン化芳香族コポリエステルを提供する工程であって、
ここで前記酸成分が、
ａ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、９８．９〜１．０モルパーセントの芳香族ジカルボン酸成分、および
ｂ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、１．０〜９９．０モルパーセントの、乳酸、グリコール酸およびそれらの混合物から選択されるヒドロキシアルカン酸成分、および
ｃ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、約０．１〜約５．０モルパーセントのスルホネート成分、から本質的になり、
そしてここで前記グリコール成分が、
ｃ．約９９．０〜約１．０モルパーセントの、エチレングリコール、１，３−プロパンジオールおよび１，４−ブタンジオールから選択される単一の第一のグリコール成分、０．１〜１０．０モルパーセントのスルホネート成分、および
ｄ．１００モルパーセントの全グリコール成分を基準にして、０〜約５．０モルパーセントの、１種または複数の第二のグリコール成分、を含む工程；ならびに
前記基材を、前記スルホン化芳香族コポリエステルを用いて積層またはコーティングして、前記包装材料を形成する工程、を含む、方法。
【請求項７３】
前記基材が、紙、板紙、無機フォーム、有機フォーム、および無機−有機フォームからなる群より選択される材料を含む、請求項７２に記載の方法。
【請求項７４】
前記包装材料形態が、ラッパー、延伸ラップフィルム、袋物、コップ、トレー、カートン、箱、ビン、クレート、包装フィルム、プリスターパックラッパー、スキンパック、およびヒンジ付き容器からなる群より選択される、請求項７２に記載の方法。
【請求項７５】
スルホン化芳香族コポリエステルを製造するための方法であって、
芳香族ジカルボン酸成分と、エチレングリコール、１，３−プロパンジオールおよび１，４−ブタンジオールから選択される第一のグリコール成分と、０．１〜１０．０モルパーセントのスルホネート成分と、０〜５．０モルパーセントの第二のグリコール成分と、任意成分の多官能分岐化剤と、を含む反応混合物を提供する工程；および
前記芳香族ジカルボン酸成分と、前記スルホネート成分と、前記第一のグリコール成分と、前記第二のグリコール成分と、前記多官能分岐化剤とを重合させて、酸成分およびグリコール成分を含むスルホン化芳香族コポリエステルを形成させる工程であって、
ここで前記酸成分が、
ａ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、９８．９〜１．０モルパーセントの芳香族ジカルボン酸成分、および
ｂ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、１．０〜９９．０モルパーセントの、乳酸、グリコール酸およびそれらの混合物から選択される、ヒドロキシアルカン酸成分、ならびに
ｃ．１００モルパーセントの全酸成分を基準にして、約０．１〜約５．０モルパーセントのスルホネート成分、から本質的になり、
そしてここで、前記グリコール成分が：
ａ．約９９．０〜約１．０モルパーセントの、エチレングリコール、１，３−プロパンジオールおよび１，４−ブタンジオールから選択される単一の第一のグリコール成分、０．１〜１０．０モルパーセントのスルホネート成分、および
ｂ．１００モルパーセントの全グリコール成分を基準にして、０〜約５．０モルパーセントの、１種または複数の第二のグリコール成分、を含む工程を含む方法。
【請求項７６】
ゼロモルパーセントの前記第二のグリコール成分を含む、請求項１に記載の組成物。
【請求項７７】
ポリマーの重量を基準にして０．００１〜５重量パーセントの着色抑制剤を含む、請求項１に記載の組成物。
【公表番号】特表２００８−５０６０２２（Ｐ２００８−５０６０２２Ａ）
【公表日】平成２０年２月２８日（２００８．２．２８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−５２０５６７（Ｐ２００７−５２０５６７）
【出願日】平成１７年７月８日（２００５．７．８）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２００５／０２４３８８
【国際公開番号】ＷＯ２００６／０１００６３
【国際公開日】平成１８年１月２６日（２００６．１．２６）
【出願人】（３９００２３６７４）イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】Ｅ．Ｉ．ＤＵ ＰＯＮＴ ＤＥ ＮＥＭＯＵＲＳ ＡＮＤ ＣＯＭＰＡＮＹ
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２０年２月２８日（２００８．２．２８）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年７月８日（２００５．７．８）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２００５／０２４３８８
【国際公開番号】ＷＯ２００６／０１００６３
【国際公開日】平成１８年１月２６日（２００６．１．２６）
【出願人】（３９００２３６７４）イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】Ｅ．Ｉ．ＤＵ ＰＯＮＴ ＤＥ ＮＥＭＯＵＲＳ ＡＮＤ ＣＯＭＰＡＮＹ
【Ｆターム（参考）】
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