説明

ヒメコウジ臭気及び風味を有する混合物

本発明はヒメコウジの感覚特性を有する化合物の混合物、前記混合物を含む香料及び調味料組成物並びに前記混合物を含む風味及び芳香のある製品、ヒメコウジ風味、臭気又は特徴を(非ヒメコウジ)風味又は芳香のある製品に加える方法に関する。更に、本発明は特にチューインガム、食品、練り歯磨き、口洗浄液及びその他の経口消費製品中の、増強剤、又はサリチル酸メチルの完全もしくは部分置換としての前記混合物の使用に関する。その混合物はジヒドロアネトール、o-アニスアルデヒド、1,3-ジメトキシベンゼン、2'-ヒドロキシアセトフェノン、そして必要により2-メトキシアセトフェノンを含み、又はこれらからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヒメコウジ(wintergreen)の感覚特性を有する化合物の混合物、前記混合物を含む香料(fragrance)及び調味料(flavoring)組成物並びに前記混合物を含む風味及び芳香のある製品、ヒメコウジ風味、臭気又は特徴を(非ヒメコウジ)風味又は芳香のある製品に加える方法に関する。更に、本発明は特にチューインガム、食品、練り歯磨き、口洗浄液及びその他の経口消費製品中の、増強剤、又はサリチル酸メチルの完全もしくは部分置換としての前記混合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
サリチル酸メチル(2-ヒドロキシ安息香酸メチルエステル)は普通に使用される調味料である。それは植物の部分、典型的には葉からのスチーム蒸留により得られる冬緑油の主成分である。サリチル酸メチルはまたメタノールによるサリチル酸のエステル化により製造される。
サリチル酸メチルの感覚特性(臭気及び味)は暖かく、甘い、フェノール性の、ヒメコウジと記載されている。
サリチル酸メチルはヒメコウジの感覚特性を与える普通に使用される風味及び芳香化合物である。それは香料、食品、飲料、キャンディ、チューインガム、経口ケアー製品等に使用される。それはまたミントの風味のある製品、例えば、主としてペパーミントオイル又はスペアミントオイルで風味を付けられた製品の風味を高めるのに使用される。
サリチル酸メチルはまた筋肉痛、関節炎及び同様の病気の軽減のために促進された局所適用麻酔軟膏中の活性成分として使用される。サリチル酸誘導体、最も注目すべきはアセチルサリチル酸(更に普通にはアスピリンとして知られている)は、鎮静活性、血液凝固防止活性、解熱活性及び抗菌活性の如き医薬特性をしばしば有する。驚くべきではないが、これらの医薬薬剤は一般に若干の程度に毒性である。サリチル酸メチルそれ自体は或る投薬レベルより上で毒性であることが知られている。
サリチル酸メチルで風味をつけられた製品は広範な消費者の支持を得ていたが、医薬特性及び或る程度の毒性を有するこのような化合物の使用はそれが使用し得るレベルを制限し、又はそれを完全に禁止する不利な評判又は政府規制の潜在的なリスクを有する。
【0003】
更に、サリチル酸メチルはアルカリ性媒体中で安定ではない。アルカリ性媒体中のこの不安定性はサリチル酸メチルが成功裏に混入し得る組成物及び製品の数及び型を制限する。
サリチル酸メチルの置換化合物の利用可能性が高度に望ましいであろう。
米国特許第5,795,616号は風味成分としての2'-ヒドロキシプロピオフェノンの使用に関する。更に特別には、それはチューインガム、食品、練り歯磨き、口洗浄液及びその他の経口消費組成物中のサリチル酸メチルの増強剤、又はその完全もしくは部分代替物としての2'-ヒドロキシプロピオフェノンの使用に関する。この書類は調味料及びサリチル酸メチルの代替物としての2'-ヒドロキシプロピオフェノンの使用を記載しているが、最良の結果が2'-ヒドロキシプロピオフェノンとサリチル酸メチルの混合物を使用する場合に得られる。サリチル酸メチルの好ましい置換レベルは約10〜50重量%である。
WO 01/68044はヒメコウジ風味付与成分を含み、かつアルカリpHを有する経口組成物を記載しており、そのヒメコウジ風味付与成分は2'-ヒドロキシプロピオフェノンである。
今まで、香料及び/又は調味料組成物中のサリチル酸メチルの満足な、非サリチレート置換物が提案されていなかったと考えられる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はヒメコウジの感覚特性を有する混合物MSを提供する。混合物MSは化合物A、B、C及びDを含み、又はこれらからなる。
混合物MS:

【0005】
必要により、混合物MSは或る量の化合物Eを添加することにより完成されてもよい。

【0006】
本発明の特徴及び一つの主な利点は、好ましくはサリチル酸メチル及び/又はサリチル酸エチルを使用しないで、ヒメコウジ風味、臭気又は特徴を本発明の混合物MSで香料及び調味料組成物並びに芳香又は風味のある製品に与えることである。
本発明の香料又は調味料組成物は感覚刺激有効量の混合物MSを含む。このような香料又は調味料組成物は存在する量の混合物(i)から生じ、又は(ii)それにより高められたヒメコウジ風味又は臭気を有することが好ましい。
更に、本発明は改良された芳香又は風味のある製品を提供する。本発明において、“風味のある製品”という用語は経口消費され、又は口腔に少なくとも摂取されることが意図される製造品を表す。
本発明はサリチル酸メチルを増強又は置換するための芳香又は風味のある製品中に使用される香料及び調味料組成物中の混合物MSの使用を提供する。サリチル酸メチルの置換として使用される場合、その置換は部分的又は完全であってもよい。
本発明の一実施態様によれば、調味料又はにおい物質として、サリチル酸メチルを含むヒメコウジ風味のある製品が混合物MSの添加により増強される。芳香又は風味のある製品中のサリチル酸メチル対混合物MSの重量比は好ましくは約10:1〜1:20、更に好ましくは約4:1〜1:10である。
本発明の実施態様において、香料又は調味料組成物又は芳香もしくは風味のある製品のpHはアルカリ性である。これはpHが約7.5から約12までの範囲であることを意味する。特別な実施態様において、pHは7.5より大きく、好ましくはpHは約8.5〜10.5である。
実施態様において、ヒメコウジ香料及び調味料組成物中のサリチル酸メチルのレベルを低減する方法が提供される。その方法はサリチル酸メチルの少なくとも一部を混合物MSで置換することによりヒメコウジ風味のある製品配合を変更する工程を含む。好ましい実施態様において、サリチル酸メチルの全部が置換される。
本発明の更なる局面が特許請求の範囲に特定され、また更なる記載から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明はサリチル酸メチルに非常に似ている感覚プロフィールを有し、かつサリチル酸メチルを置換し得る非サリチレート混合物(以下にまた、“混合物MS”と称される)を提供する。これは混合物MSがその適用に応じて、サリチル酸メチルの初期の量のあらゆるレベルでサリチル酸メチルを置換することを可能にする。
混合物MSは化合物A、B、C及びD、そして必要により化合物Eを含み、又はこれらからなる。混合物MSそのものは新規であると考えられる。
混合物MS中で、化合物A)、B)、C)、及びD)の量並びに化合物の比A):B):C):D)は混合物がヒメコウジ風味又は臭気を与えるように調節されることが好ましい。
本発明の混合物MS中のこれらの化合物の好ましい量(重量基準)は以下のとおりである。
【0008】

【0009】
混合物MS中の化合物A:B:C:D:Eの重量比は好ましくは約5-80:10-90:100-500:100-500:0-200、更に好ましくは約10-40:20-70:150-400:150-400:50-150である。
個々の化合物A〜Eの感覚特性は以下のとおりである(Leffingwell&Associates-Database, Flavor-Base Professional 2001, Tobacco Edition, GRAS & EC Flavor Chemicals Report)。
【0010】

【0011】
化合物A〜Dのいずれもがヒメコウジ臭気又は風味を示さないので、化合物A〜Dの混合が典型的なヒメコウジ風味及び臭気を有する混合物を生じることはこうして非常に驚くべきである。
本発明の混合物MS及びサリチル酸メチルの夫々の感覚特性を等しい濃度で甘い水味覚試験で評価した。500mgの本発明の混合物MS及びサリチル酸メチルを別々にエタノール10mLに溶解した。この溶液1mLを5重量%の砂糖の水溶液100mLに溶解した。
ここで、混合物MS中の化合物A:B:C:Dの重量比は20:40:250:250であった。
感覚特性を、夫々1(非常に弱い)〜10(非常に強い)のスケールで、下記の種目に従って評価した。



【0012】

【0013】
化合物Eが化合物A〜Dからなる混合物に添加される場合、その混合物の感覚特性が一層バランスされるようになり、かつサリチル酸メチルに一層近くなる。
o-アニスアルデヒドが同じ量のp-アニスアルデヒドにより置換される場合、このような混合物の感覚特性が一層クマリン性、バニラの、緑のクルマバソウ(これはヒメコウジに典型的ではない)と記載し得る。
前記のように、本発明の香料又は調味料組成物は存在する量の混合物(i)から生じ、又は(ii)これらにより高められたヒメコウジ風味又は臭気を有することが好ましい。或る好ましい実施態様において、本発明の香料又は調味料組成物はサリチル酸メチルを含む。これらの場合、サリチル酸メチル:混合物MS(A)、B)、C)、及びD)の混合物)の重量部の比は典型的には10:1から1:20までの範囲、好ましくは4:1から1:10までの範囲である。
本発明の芳香又は風味のある製品は有利には(i)混合物MS又は(ii)本発明の香料又は調味料組成物(その組成物それ自体が混合物MSを含む)を含む。
その製品は存在する量の混合物(i)から生じ、又は(ii)これらにより高められたヒメコウジ風味又は臭気を有することが好ましい。
好ましい実施態様において、本発明の芳香又は風味のある製品はチューインガム、練り歯磨き又は口洗浄液である。
本発明の好ましい製品は、特にそれらがサリチル酸メチルを含まない場合には、約7.5から約12までのpHを有する。
有利には、本発明の芳香のある製品は約0.05〜5重量%の混合物MS(本発明の混合物)を含む。本発明の風味のある製品は約0.05〜2重量%の混合物MSを含むことが好ましい。
【0014】
個々の要求に応じて、本発明の製品はサリチル酸メチルを含み、又は含まない。好ましい実施態様において、製品は(i)サリチル酸メチルを含まず、又は(ii)感覚刺激有効量未満もしくは(iii)0.1重量%未満のサリチル酸メチルを含む。これらの製品は非常にしばしば7.5から12までのpHに調節される(上記を参照のこと)。
本発明はまたヒメコウジ臭気、風味もしくは特徴を製品に与え、又は製品のヒメコウジ臭気、風味もしくは特徴を高める方法を提供する。その方法は有効量の(a)混合物MS(本発明の混合物)又は(b)本発明の香料又は調味料組成物を製品に添加し、又は製品に混入する工程を含む。有利には、本発明の(a)混合物MS又は(b)組成物の添加後の製品は(i)サリチル酸メチルを含まず、又は(ii)感覚刺激有効量未満もしくは(iii)0.1重量%未満のサリチル酸メチルを含む。再度、製品は有利にはチューインガム、練り歯磨き又は口洗浄液である。
【0015】
更に、本発明はヒメコウジ香料又は調味料組成物中のサリチル酸メチルのレベルの低減方法を提供し、その方法は組成物中のサリチル酸メチルの一部又は全部を混合物MS(即ち、本発明の混合物)で置換する工程を含む。
本発明の芳香及び風味のある製品中に存在し得る成分は付加的な効果を有し得る。挙げられる例は防腐剤、研磨剤、坑座そう剤、皮膚老化に対する薬剤、抗菌剤、アンチセルライト剤、アンチダンドラフ剤、坑炎症薬、刺激防止剤、刺激抑制剤、抗菌剤、酸化防止剤、収れん薬、発汗抑制剤、防腐薬、静電防止剤、バインダー、緩衝剤、キャリヤー材料、錯生成剤、細胞刺激薬、洗浄剤、ケアー薬剤、毛髪除去剤、表面活性物質、脱臭剤、制汗薬、軟化剤、乳化剤、酵素、エッセンシャルオイル、繊維、フィルム形成剤、定着剤、泡形成剤、泡安定剤、消泡剤、フォームブースター、殺真菌剤、ゲル化剤、ゲル形成剤、ヘアーケアー剤、整髪剤、毛髪平滑化剤、水分供与剤、保湿物質、湿潤物質、漂白剤、増強剤、汚れ除去剤、蛍光増白剤、含浸剤、土壌反発剤、減摩剤、潤滑剤、保湿クリーム、軟膏、不透明剤、可塑剤、被覆剤、研磨剤、つや出し剤、ポリマー、粉末、タンパク質、リファッティング(refatting)剤、研磨剤、シリコーン、皮膚カーミング(calming)剤、皮膚洗浄剤、皮膚ケアー剤、皮膚治癒薬、皮膚ライトニング剤、皮膚保護剤、皮膚軟化剤、清涼剤、皮膚クーリング剤、ウォーミング(warming)剤、皮膚ウォーミング剤、安定剤、UV吸収剤、UVフィルター、洗浄剤、軟化剤、懸濁剤、皮膚タンニング(tanning)剤、増粘剤、ビタミン、油、ワックス、脂肪、リン脂質、飽和脂肪酸、モノ不飽和脂肪酸又はポリ不飽和脂肪酸、ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、液化剤、染料、色保護剤、顔料、防錆剤、芳香剤、調味料、香料又は化粧もしくは皮膚製剤のその他の通例の成分、例えば、アルコール、ポリオール、電解質、有機溶剤もしくはシリコーン誘導体である。
また、清涼剤と混合物MSの組み合わせが有利である。挙げられる清涼剤の例は1-メントール、メントングリセロールアセタール、メンチルラクテート、置換メンチル-3-カルボキサミド(例えば、N-エチルメンチル-3-カルボキサミド)、2-イソプロピル-N,2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボキサミド、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、N-アセチルグリシンメンチルエステル、メンチルヒドロキシカルボキシレート(例えば、メンチル-3-ヒドロキシブチレート)、モノメンチルスクシネート、2-メルカプトシクロデカノン、メンチル-2-ピロリジン-5-オンカルボキシレートである。
【0016】
新規調味料製剤及び調味料組成物において、混合物MSが唯一の調味料として使用されてもよく、又はそれはその他の調味料化合物と組み合わされてヒメコウジ風味又はホメコウジ特徴を組成物に付与してもよい。更に特別には、本発明の混合物MSはペパーミント油、スペアミント油、メントール、シナモン調味料、アニス、ルートビーア調味料、風船ガム調味料、スパイス調味料、シトラス油及び果実調味料と有利にブレンドされてもよい。このような調味料組成物は天然もしくは人工成分又はその二つのブレンドを含んでもよい。清涼剤、例えば、メントール、メントンケタール、N-置換-p-メンタンカルボキサミド及び3-l-メントキシプロパン-1,2-ジオールとの本発明の混合物MSの組み合わせが特別に申し分のないものである。
本発明の混合物MSは香料組成物及び芳香のある製品だけでなく、その他の香料と一緒の個々の香料の驚く程の増強効果を生じる。
記載されたように、本発明の香料又は調味料組成物は感覚刺激有効量の混合物MSを含む。
本発明の香料組成物において、使用される本発明の混合物MSの量は全香料組成物を基準として一般に約0.05〜99重量%、好ましくは5〜90重量%、更に好ましくは10〜70重量%である。
本発明の調味料組成物において、使用される本発明の混合物MSの量は全調味料組成物を基準として一般に約0.05〜99重量%、好ましくは1〜80重量%、更に好ましくは5〜50重量%である。
【0017】
一般に、本発明の風味のある製品は最終の風味のある製品の約0.05〜5重量%、典型的には約0.2〜2重量%の本発明の調味料組成物を含むであろう。
一般に、本発明の芳香のある製品は最終の芳香のある製品の約0.05〜5重量%、典型的には約0.2〜2重量%の本発明の香料組成物を含むであろう。
典型的には、芳香のある製品は最終の芳香のある製品の約0.05〜5重量%、典型的には約0.1〜2重量%の本発明の混合物MSを含むであろう。
典型的には、風味のある製品は最終の風味のある製品の約0.05〜2重量%、典型的には約0.1〜0.5重量%の本発明の混合物MSを含むであろう。
正確な用量レベルは最終製品の所望の香料又は調味料組成物の性質並びに調味料組成物を配合するパーヒューマー(perfumer)又はフラボリスト(flavorist)の好みに依存するであろう。
風味のある製品として、食品、飲料、糖菓、医薬品、チューインガム、口洗浄液、練り歯磨き及び上記定義を満足するその他の品目が挙げられる。風味のある製品、特に経口組成物は、当業界で普通のあらゆる形態、例えば、ペースト、ゲル、ムース、エアロゾル、ガム、ロゼンジ、粉末、クリーム等であってもよく、また二重区画分配器中の使用のための系に配合されてもよい。
本発明は特に経口ケアー製品及び糖菓製品、例えば、チューインガム、キャンデー、食用フィルム、息を新鮮にするカプセル、医薬製剤、練り歯磨き、口洗浄液等のための調味料としての混合物MSの使用を意図している。サリチル酸メチルが現在使用されている製品では、混合物MSがヒメコウジ風味を高め、又はその化合物の一部もしくは全部を置換するのに使用されてもよい。
【0018】
好ましい実施態様において、風味のある製品はチューインガムである。このようなチューインガムは典型的には約0.25重量%〜約3重量%、最も典型的には約0.8重量%〜1.5重量%の全調味料を含む。
一般に、このようなチューインガムは水溶性バルク部分、水不溶性の噛み可能なガムベース部分そして典型的には、水不溶性風味成分を含む。
水溶性バルク部分は噛んでいる間に風味の一部とともに消失する。ガムベース部分は噛み中に口の中に保持される。
不溶性ガムベースは一般にエラストマー、樹脂、脂肪及び油、ワックス、軟化剤及び無機充填剤を含む。不溶性ガムベースはガムの約5%〜約95%、更に好ましくは約20%〜30%を構成する。全ての%値は重量%を表す。
ガムベースはまた典型的には充填剤成分を含む。充填剤成分は炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、リン酸二カルシウム等であってもよい。充填剤はガムベースの約5%〜約60%を構成してもよい。充填剤がガムベースの約5%〜約50%を構成することが好ましい。ガムベースはまたグリセロールモノステアレート及びグリセロールトリアセテートを含む、軟化剤を含む。更に、ガムベースはまた付加的な成分、例えば、酸化防止剤、着色剤、及び乳化剤を含んでもよい。本発明はあらゆる商業上許されるガムベースを使用することを意図している。
チューインガムの水溶性部分は更に軟化剤、甘味料、及び調味料並びにこれらの組み合わせを含んでもよい。軟化剤はチューインガムに添加されてガムの噛み能力及び口当たりを最適化する。軟化剤(当業界で可塑剤としてまた知られている)は、一般にチューインガムの約0.1%〜約15%を構成する。本発明により意図される軟化剤として、グリセリン、レシチン及びこれらの組み合わせが挙げられる。水性甘味料溶液、例えば、ソルビトール、水素化澱粉加水分解物、コーンシロップ、及びこれらの組み合わせを含むものがガム中の軟化剤及び結合剤として使用されてもよい。
【0019】
チューインガム中の使用のために本発明により意図されている甘味料として、糖成分及び無糖成分の両方が挙げられる。糖甘味料として、一般に当業界で普通に知られているサッカリド含有成分が挙げられ、蔗糖、デキストロース、マルトース、デキストリン、乾燥転化糖、フラクトース、レブロース、ガラクトース、コーンシロップ固体等が単独で、又は組み合わせて挙げられるが、これらに限定されない。無糖甘味料として、甘味特性を有するが、普通に知られている糖を含まない成分が挙げられ、糖アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、水素化澱粉加水分解物、マルチトール、水素化イソマルツロース、タガトース(登録商標)等が、単独で、又は組み合わせて挙げられるが、これらに限定されない。高度の強さの甘味料、例えば、アスパルテーム、スクラロース、シクラメート、アセスルフェーム-K、ジヒドロチャロン、グリシリジン、アリテーム、及びサッカリン、並びにこれらの食品上許される塩がまたガムへの直接添加のために意図されている。
【0020】
当業者は糖/無糖甘味料のあらゆる組み合わせがチューインガム中に使用し得ることを認めるであろう。更に、当業者は甘味料が全部又は一部水溶性バルク剤としてチューインガム中に存在してもよいこと、及び軟化剤が水性甘味料溶液の如き甘味料と合わされてもよいことを認めるであろう。
一般に、チューインガムは種々のチューインガム成分を当業界で知られているあらゆる市販のミキサーに逐次添加することにより製造される。成分が充分に混合された後に、ガム塊がミキサーから排出され、例えば、シートに圧延し、スティックに切断し;チャンクに押出し、又はペレットに注型することによるように所望の形態に成形される。一般に、成分は最初にガムベースを融解し、それを運転しているミキサーに添加することにより混合される。ベースはまたミキサーそれ自体中で融解されてもよい。着色剤がまたこの時点で添加されてもよい。次いでグリセリンの如き軟化剤が次にシロップ及びバルク剤の一部とともに添加されてもよい。バルク剤の更なる部分がミキサーに添加されてもよい。
風味成分は混合プロセスの終了付近でガム混合物に添加されることが好ましい。全混合操作は約5分から15分までを要するが、一層長い混合時間が必要とされるかもしれない。当業者は上記操作の多くの変化が追随されてもよいことを認めるであろう。
好ましい実施態様において、風味のある製品は練り歯磨きである。
本発明の混合物MSで風味をつけられる練り歯磨きは一般に研磨系(研磨剤又は磨き剤)、例えば、ケイ酸、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム及び/又はヒドロキシアパタイト;表面活性物質、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム及び/又はコカミドプロピルベタイン;保湿剤、例えば、グリセロール及び/又はソルビトール;増粘剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、カラゲナン及び/又はラポナイト(登録商標);甘味料、例えば、サッカリン;安定剤;並びに活性化合物、例えば、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、二フッ化スズ、フッ化四級アンモニウム、クエン酸亜鉛、硫酸亜鉛、ピロリン酸スズ、二塩化スズ、種々のピロリン酸塩の混合物、トリクロサン、セチルピリジニウムクロリド、乳酸アルミニウム、クエン酸カリウム、硝酸カリウム、塩化カリウム、塩化ストロンチウム、過酸化水素及び/又は重炭酸ナトリウムからなる。
練り歯磨き及びチューインガムでは、本発明の混合物MSが一般に0.05〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、更に好ましくは0.1〜0.5重量%の濃度で使用される。サッキング(sucking)のための甘味料では、本発明の混合物MSの含量は0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%、更に好ましくは0.1〜0.5%である。
【0021】
別の好ましい実施態様において、風味のある製品は口洗浄液である。
本発明の混合物MSの含量は、使用に供される口洗浄液中で0.01〜1重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%である。口洗浄液濃厚物では、本発明の混合物MSを含む組成物の含量は0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは3〜5重量%である。
使用に供される風味のある製品中の高濃度、例えば、5重量%が典型的ではないヒメコウジ味プロフィールをもたらし、即ち、フェノール性かつ医療的な特徴が消費者により通常受け入れられ、好まれるよりも強くなることが耳に入れられるべきである。
本発明の混合物MSを含む完成製品が使用される場合、本発明の混合物MS又は本発明の混合物MSを含む組成物は息を新鮮にし、不快な息を中和又は減少するのに特に適していることがわかる。
【0022】
経口ケアー製品、例えば、口洗浄液及び練り歯磨き、並びにチューインガム中の本発明の混合物MS又は前記混合物を含む組成物の使用は、例えば、トリクロサン、クエン酸亜鉛、硫酸亜鉛、ポリリン酸塩及びピロリン酸塩、重炭酸塩、ストロンチウム塩及びカリウム塩、ピロリン酸スズ、塩化スズ、乳酸アルミニウム、過酸化水素、フッ化物、ビタミン、セチルピリジニウムクロリド、及び乳化剤、例えば、特にラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム及びコカミドプロピルベタイン、並びに甘味料、例えば、アスパルテーム、サッカリン、アセフェーム-K、ソルビトール;キシリトール、シクラメート(例えば、ナトリウムシクラメート)、サッカロース、アリテーム、ネオテーム、タウマチン、ネオヘスペリジンDC、マルチトール、ラクチトール又はチューインガムベースの如き物質により生じられるような、不快な、特ににがい、味の印象がマスク又は中和されることをもたらす。
強調すべき本発明の混合物MSの更なる顕著な性質はチョーク又は重炭酸塩をベースとする練り歯磨き(それらのアルカリpHのために調味料が混入し難い)中のそれらの安定性である。
本発明の製品中の使用のための香気、調味料及び香料の例が、例えば、K. Bauer, D. Garbe及びH. Surburg著Common Fragrance and Flavor Materials, 第4編, Wiley-VCH, Weinheim 2001に見られる。
【0023】
特別に、天然原料、例えば、エッセンシャルオイル、コンクリート、アブソリュート、樹脂、レジノイド、バルサム、チンキ、例えば、アンバーグリスチンキからの抽出物;アミリス油;アンゼリカ種油;アンゼリカ根油;アニシード油;吉草酸油;メボウキ油;ウッドモスアブソルート;ベイ油;マグワート油;ベンゾイン樹脂;ベルガモット油;蜜蝋アブソリュート;カバタール油;ビターアーモンド油;セイボリー油;ブッコ(bucco)葉油;カブリューバ油;カデ油;カルモス油;ショウノウ油;カナンガ油;カルダモン油;カスカリラ油;カシア油;カシアアブソリュート;カストロレウムアブソリュート;ヒマラヤスギ葉油;ヒマラヤスギ材木油;シスタス油;シトロネラ油;レモン油;コパイババルサム;コパイババルサム油;コエンドロ油;土木香根油;ヒメウイキョウ油;イトスギ油;ダバナ油;ディルハーブ油;ディル種油;オー・ドゥ・ブロウ(eau de brouts)アブソリュート;オークモスアブソリュート;エレミ油;エストラゴン油;ユーカリプタス・シトリオドラ(eucalyptus citriodora)油;ユーカリ油;ウイキョウ油;スプルースニードル(spruce needle)油;ガルバナム油;ガルバナム樹脂;ゼラニウム油;ブドウ実油;グアヤク木油;グルユンバルサム;グルユンバルサム油;ヘリクリサムアブソリュート;ヘリクリサム油;ショウキョウ油;アヤメ根アブソリュート;アヤメ根油;ジャスミンアブソリュート;ショウブ根油;ブルーカモミール油;ローマンカモミール油;ニンジン種油;カスカリラ油;パインニードル油;スペアミント油;カラウェー油;ラブダナム油;ラブダナムアブソリュート;ラブダナム樹脂;ラバンジンアブソリュート;ラバンジン油;ラベンダーアブソリュート;ラベンダー油;レモングラス油;ロベージ油;蒸留ライム油;圧搾ライム油;リナロエ油;リツェアクベバ(litsea cubeba)油;ベイリーフ油;メース油;マロショラム油;マンダリン油;マソイ樹皮油;ミモサアブソリュート;マスク(musk)種油;マスクチンキ;サッサフラス油;にくずく油;ミルラアブソリュート;ミルラ油;ミルテ油;ちょうじ葉油;ちょうじ花油;ネロリ油;乳香アブソリュート;乳香油;オポパナックス油;オレンジ花アブソリュート;オレンジ油;マヨラナ油;パルマローザ油;パッチュリ油;えの油;ペルーバルサム油;オランダセリ葉油;オランダセリ種油;プチグレン油;ペパーミント油;ペパー油;ピメント油;パイン油;ペニローヤル油;バラアブソリュート;ローズウッド油;バラ油;ローズマリー油;セージ油;スパニッシュセージ油;びゃくだん油;セロリ種子油;スパイクラベンダー油;日本アニス油;蘇合香油;タジェティス油;ファーニードル油;茶油;テルペン油;サイム油;トルーバルサム;トンカ(tonka)アブソリュート;チュベローズアブソリュート;バニラエキス;バイオレットリーフアブソリュート;バーベナ油;ベチバー油;ネズ油;酒かす油;アブサン油;冬緑油;イラン油;ヒソップ油;シベットアブソリュート;シナモン葉油;シナモン樹皮油;及びこれらのフラクション、又はこれらから単離された成分;
【0024】
炭化水素のグループ、例えば、3-カレン;α-ピネン;β-ピネン;α-テルピネン;γ-テルピネン;p-シメン;ビスアボレン;カンフェン;カリオフィレン;セドレン;ファルネセン;リモネン;ロンギフォレン、ミルセン;オシメン;バレンセン;(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエン;
脂肪族アルコールのグループ、例えば、ヘキサノール;オクタノール;3-オクタノール;2,6-ジメチルヘプタノール;2-メチルヘプタノール、2-メチルオクタノール;(E)-2-ヘキセノール;(E)-及び(Z)-3-ヘキセノール;1-オクテン-3-オール;3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オールと3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールの混合物;(E,Z)-2,6-ノナジエノール;3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール;9-デセノール;10-ウンデセノール;4-メチル-3-デセン-5-オール;脂肪族アルデヒド及びその1,4-ジオキサシクロアルケン-2-オンのグループ、例えば、ヘキサナール;ヘプタナール;オクタナール;ノナナール;デカナール;ウンデカナール;ドデカナール;トリデカナール;2-メチルオクタナール;2-メチルノナナール;(E)-2-ヘキセナール;(Z)-4-ヘプテナール;2,6-ジメチル-5-ヘプテナール;10-ウンデセナール;(E)-4-デセナール;2-ドデセナール;2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール;ヘプタナールジエチルアセタール;1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン;シトロネリルオキシアセトアルデヒド;
脂肪族ケトン及びそのオキシムのグループ、例えば、2-ヘプタノン;2-オクタノン;3-オクタノン;2-ノナノン;5-メチル-3-ヘプタノン;5-メチル-3-ヘプタノンオキシム;2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オン;脂肪族硫黄含有化合物のグループ、例えば、3-メチルチオヘキサノール;3-メチルチオヘキシルアセテート;3-メルカプトヘキサノール;3-メルカプトヘキシルアセテート;3-メルカプトヘキシルブチレート;3-アセチルチオヘキシルアセテート;1-メンテン-8-チオール;
【0025】
脂肪族ニトリルのグループ、例えば、2-ノネンニトリル;2-トリデセンニトリル;2,12-トリデセンニトリル;3,7-ジメチル-2,6-オクタジエンニトリル;3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル;
脂肪族カルボン酸及びそのエステルのグループ、例えば、(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルホルメート;エチルアセトアセテート:イソアミルアセテート;ヘキシルアセテート;3,5,5-トリメチルヘキシルアセテート;3-メチル-2-ブテニルアセテート;(E)-2-ヘキセニルアセテート;(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルアセテート;オクチルアセテート;3-オクチルアセテート;1-オクテン-3-イルアセテート;エチルブチレート;ブチルブチレート;イソアミルブチレート;ヘキシルブチレート;(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルイソブチレート;ヘキシルクロトネート;エチルイソバレレート;エチル2-メチルペンタノエート;エチルヘキサノエート;アリルヘキサノエート;エチルヘプタノエート;アリルヘプタノエート;エチルオクタノエート;エチル(E,Z)-2,4-デカジエノエート;メチル2-オクチノエート;メチル2-ノニノエート;アリル2-イソアミルオキシアセテート;メチル3,7-ジメチル-2,6-オクタジエノエート;
非環式テルペンアルコールのグループ、例えば、シトロネロール;ゲラニオール;ネロール;リナロオール;ラバンジュロール;ネロリドール;ファルネソール;テトラヒドロリナロオール;テトラヒドロゲラニオール;2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール;2,6-ジメチルオクタン-2-オール;2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール;2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール;2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール;3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール;3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール;2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール;及びこれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート、3-メチル-2-ブテノエート;
【0026】
非環式テルペンアルデヒド及びケトンのグループ、例えば、ゲラニアール;ネラール;シトロネラール;7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール;7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール;2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール;ゲラニルアセトン;並びにゲラニアール、ネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチルアセタール及びジエチルアセタール;
環式テルペンアルコールのグループ、例えば、メントール;イソプレゴール;アルファ-テルピネオール;テルピネオール-4;メンタン-8-オール;メンタン-1-オール;メンタン-7-オール;ボルネオール;イソボルネオール;リナロオールオキサイド;ノポール;セドロール;アンブリノール;ベチベロール;グアイオール;並びにこれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート、3-メチル-2-ブテノエート;
環式テルペンアルデヒド及びケトンのグループ、例えば、メントン;イソメントン;8-メルカプトメンタン-3-オン;カルボン;ショウノウ;フェンコン;アルファ-イオノン;ベータ-イオノン;アルファ-n-メチルイオノン;ベータ-n-メチルイオノン;アルファ-イソメチルイオネン;ベータ-イソメチルイオネン;アルファ-イロン;アルファ-ダマスコン;ベータ-ダマスコン;ベータ-ダマスセノン;デルタ-ダマスコン;ガンマ-ダマスコン;1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン;1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8(5H)-オン;ノートカトン;ジヒドロノートカトン;アルファ-シネンサール;ベータ-シネンサール;アセチル化セダーウッド油(メチルセドリルケトン);
環式アルコールのグループ、例えば、4-tert-ブチルシクロヘキサノール;3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール;3-イソカンフィルシクロヘキサノール;2,6,9-トリメチル-Z2,Z5,E9-シクロドデカトリエン-1-オール;2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール;
【0027】
脂環式アルコールのグループ、例えば、アルファ-3,3-トリメチルシクロヘキシルメタノール;2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)ブタノール;2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-2-ブテン-1-オール;2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-2-ブテン-1-オール;3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-ペンタン-2-オール;3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-4-ペンテン-2-オール;3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-4-ペンテン-2-オール;1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール;1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール;
環式エーテル及び脂環式エーテルのグループ、例えば、シネオール;セドリルメチルエーテル;シクロドデシルメチルエーテル;(エトキシメトキシ)シクロドデカン;アルファ-セドレンエポキシド;3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト〔2,1-b〕フラン;3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロナフト〔2,1-b〕フラン;1,5,9-トリメチル-13-オキサビシクロ〔10.1.0〕トリデカ-4,8-ジエン;ローズオキサイド;2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサン;
環式ケトンのグループ、例えば、4-tert-ブチルシクロヘキサノン;2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン;2-ヘプチルシクロペンタノン;2-ペンチルシクロペンタノン;2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン;3-メチル-シス-2-ペンテン-1-イル-2-シクロペンテン-1-オン;3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン;3-メチル-4-シクロペンタデセノン;3-メチル-5-シクロペンタデセノン;3-メチルシクロペンタデカノン;4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサノン;4-tert-ペンチルシクロヘキサノン;5-シクロヘキサデセン-1-オン;6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン;5-シクロヘキサデセン-1-オン;8-シクロヘキサデセン-1-オン;9-シクロヘプタデセン-1-オン;シクロペンタデカノン;
脂環式アルデヒドのグループ、例えば、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド;2-メチル-4-(2,2,6-トリメチル-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール;4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド;4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド;
【0028】
脂環式ケトンのグループ、例えば、1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)-4-ペンテン-1-オン;1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン;2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニルメチルケトン;メチル-2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエニルケトン;tert-ブチル2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イルケトン;
環式アルコールのエステルのグループ、例えば、2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート;4-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート;2-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート;4-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート;デカヒドロ-2-ナフチルアセテート;3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセテート;デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチルアセテート;4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルアセテート;4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルプロピオネート;4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルイソブチレート;4,7-メタノオクタヒドロ-5又は6-インデニルアセテート;
脂環式カルボン酸のエステルのグループ、例えば、アリル3-シクロヘキシル-プロピオネート;アリルシクロヘキシルオキシアセテート;メチルジヒドロジャスモネート;メチルジャスモネート;メチル2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボキシレート;エチル2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート;エチル2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート;エチル2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテート;
芳香族炭化水素のグループ、例えば、スチレン及びジフェニルメタン;
芳香族脂肪族アルコールのグループ、例えば、ベンジルアルコール;1-フェニルエチルアルコール;2-フェニルエチルアルコール;3-フェニルプロパノール;2-フェニルプロパノール;2-フェノキシエタノール;2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール;2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール;1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアルコール;1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール;1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール;2-メチル-5-フェニルペンタノール;3-メチル-5-フェニルペンタノール;3-フェニル-2-プロペン-1-オール;4-メトキシベンジルアルコール;1-(4-イソプロピルフェニル)エタノール;
【0029】
芳香族脂肪族アルコールと脂肪族カルボン酸のエステルのグループ、例えば、ベンジルアセテート;ベンジルプロピオネート;ベンジルイソブチレート;ベンジルイソバレレート;2-フェニルエチルアセテート;2-フェニルエチルプロピオネート;2-フェニルエチルイソブチレート;2-フェニルエチルイソバレレート;1-フェニルエチルアセテート;アルファ-トリクロロメチルベンジルアセテート;アルファ,アルファ-ジメチルフェニルエチルアセテート;アルファ,アルファ-ジメチルフェニルエチルブチレート;シンナミルアセテート;2-フェノキシエチルイソブチレート;4-メトキシベンジルアセテート;芳香族脂肪族エーテルのグループ、例えば、2-フェニルエチルメチルエーテル;2-フェニルエチルイソアミルエーテル;2-フェニルエチル1-エトキシエチルエーテル;フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール;フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール;ヒドラトロプアルデヒドジメチルアセタール;フェニルアセトアルデヒドグリセロールアセタール;2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン;4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ〔1,2-d〕-m-ジオキシン;4,4a,5,9b-テトラヒドロ-2,4-ジメチルインデノ〔1,2-d〕-m-ジオキシン;
芳香族アルデヒド及び芳香族脂肪族アルデヒドのグループ、例えば、ベンズアルデヒド;フェニルアセトアルデヒド;3-フェニルプロパナール;ヒドラトロプアルデヒド;4-メチルベンズアルデヒド;4-メチル-フェニルアセトアルデヒド;3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール;2-メチル-3-(4-イソプロピル-フェニル)プロパナール;2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール;3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール;シンナムアルデヒド;アルファ-ブチルシンナムアルデヒド;アルファ-アミルシンナムアルデヒド;アルファ-ヘキシルシンナムアルデヒド;3-メチル-5-フェニルペンタナール;4-メトキシベンズアルデヒド;4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド;4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド;3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド;3,4-ジメトキシベンズアルデヒド;2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール;2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール;
【0030】
芳香族ケトン及び芳香族脂肪族ケトンのグループ、例えば、アセトフェノン;4-メチルアセトフェノン;4-メトキシアセトフェノン;4-tert-ブチル-2,6-ジメチルアセトフェノン;4-フェニル-2-ブタノン;4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン;1-(2-ナフタレニル)エタノン;ベンゾフェノン;1,1,2,3,3,6-ヘキサメチル-5-インダニルメチルケトン;6-tert-ブチル-1,1-ジメチル-4-インダニルメチルケトン;1-〔2,3-ジヒドロ-1,1,2,6-テトラメチル-3-(1-メチルエチル)-1H-5-インデニル〕エタノン;5',6',7',8'-テトラヒドロ-3',5',5',6',8',8'-ヘキサメチル-2-アセトナフトン;
芳香族カルボン酸及び芳香族脂肪族カルボン酸並びにこれらのエステルのグループ、例えば、安息香酸;フェニル酢酸;メチルベンゾエート;エチルベンゾエート;ヘキシルベンゾエート;ベンジルベンゾエート;メチルフェニルアセテート;エチルフェニルアセテート;ゲラニルフェニルアセテート;フェニルエチルフェニルアセテート;メチルシンナメート;エチルシンナメート;ベンジルシンナメート;フェニルエチルシンナメート;シンナミルシンナメート;アリルフェノキシアセテート;イソアミルサリチレート;ヘキシルサリチレート;シクロヘキシルサリチレート;シス-3-ヘキセニルサリチレート;ベンジルサリチレート;フェニルエチルサリチレート;メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート;エチル3-フェニルグリシデート;エチル3-メチル-3-フェニルグリシデート;
窒素含有芳香族化合物のグループ、例えば、2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5-tert-ブチルベンゼン;3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-tert-ブチルアセトフェノン;シンナモニトリル;5-フェニル-3-メチル-2-ペンテンニトリル;5-フェニル-3-メチルペンタンニトリル;メチルアントラニレート;メチルN-メチルアントラニレート;メチルアントラニレートと7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール又は2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボアルデヒドのシッフ塩基;6-イソプロピルキノリン;6-イソブチルキノリン;6-sec-ブチルキノリン;インドール;スカトール;2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン;2-イソブチル-3-メトキシピラジン;
【0031】
フェノール、フェニルエーテル及びフェニルエステルのグループ、例えば、エストラゴール;アネトール;オイゲノール;オイゲニルメチルエーテル;イソオイゲノール;イソオイゲニルメチルエーテル;チモール;カルバクロール;ジフェニルエーテル;ベータ-ナフチルメチルエーテル;ベータ-ナフチルエチルエーテル;ベータ-ナフチルイソブチルエーテル;1,4-ジメトキシベンゼン;オイゲニルアセテート;2-メトキシ-4-メチルフェノール;2-エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール;p-クレジルフェニルアセテート;
複素環化合物のグループ、例えば、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン;2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン;3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン;2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン;
ラクトンのグループ、例えば、1,4-オクタノリド;3-メチル-1,4-オクタノリド;1,4-ノナノリド;1,4-デカノリド;8-デセン-1,4-オリド;1,4-ウンデカノリド;1,4-ドデカノリド;1,5-デカノリド;1,5-ドデカノリド;1,15-ペンタデカノリド;シス-及びトランス-11-ペンタデセン-1,15-オリド;シス-及びトランス-12-ペンタデセン-1,15-オリド;1,16-ヘキサデカノリド;9-ヘキサデセン-1,16-オリド;10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;エチレン1,12-ドデカンジオエート;エチレン1,13-トリデカンジオエート;クマリン;2,3-ジヒドロクマリン;オクタヒドロクマリン
からの個々の香料が挙げられる。
【0032】
本発明の混合物MSを含む香料又は調味料組成物は液体形態、ニートで使用でき、又は溶剤で希釈し得る。この目的に適した溶剤は、例えば、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート、イソプロピルミリステート、トリアセチン等である。
加えて、本発明の混合物MSを含む香料又は調味料組成物は芳香又は風味を製品内に微細に分配するとともに使用中にそれらを制御された様式で放出するのに利用できるキャリヤーに吸着し得る。このようなキャリヤーは無機材料、例えば、軽質硫酸塩、シリカゲル、ゼオライト、石膏、クレー、クレーグラニュール、ガスコンクリート等、又は有機材料、例えば、木材をベースとする物質及びセルロースをベースとする物質であってもよい。
本発明の混合物MSを含む香料又は調味料組成物はまたマイクロカプセル化でき、噴霧乾燥でき、包接錯体の形態又は押出製品の形態であってもよく、この形態で芳香又は風味のあるものに添加し得る。
この方法で変性された香料又は調味料組成物の性質は必要により一層標的とされる芳香又は風味放出に関して好適な材料で“被覆”により更に最適化でき、その目的のためにワックスのようなポリマー、例えば、ポリビニルアルコールを使用することに優先権が与えられる。
香料又は調味料組成物のマイクロカプセル化は、例えば、ポリウレタンのような物質又は軟質ゼラチンからつくられたカプセル材料を使用する“コアセルベーション方法”により、例えば、行ない得る。噴霧乾燥された香料又は調味料組成物は、例えば、香料又は調味料組成物を含むエマルション又は分散液を噴霧乾燥することにより調製でき、この場合、使用されるキャリヤーは変性澱粉、タンパク質、デキストリン及び植物ガムであってもよい。包接錯体は、例えば、香料又は調味料組成物及びシクロデキストリン又は尿素誘導体の分散液を好適な溶剤、例えば、水に導入することにより調製し得る。押出製品は好適なワックスのような物質とともに香料又は調味料組成物を融解することにより、また押出、続いて必要により好適な溶剤、例えば、イソプロパノール中の固化により得られる。
【0033】
本発明の混合物MSを含む香料組成物は、例えば、香料エキス、オーデパーヒューム(eaux de parfum)、オーデトイレット(eaux de toilettes)、アフターシェーブ、オーデコロン(eaux de colognes)、プレ-シェーブ製品、スプラッシュコロン及び芳香のあるフレシェニング・ワイプ(freshening wipes)の調製、並びに酸性、アルカリ性及び中性のクリーナー、例えば、床クリーナー、ウインドークリーナー、皿洗い洗剤、浴クリーナー及び衛生クリーナー、練りミルク、固形及び液体のWCクリーナー、粉末及びフォームのカーペットクリーナー、液体ランドリー洗剤、粉末ランドリー洗剤、ランドリー前処理薬剤、例えば、漂白剤、ソーキング剤及び汚れ除去剤、ファブリック軟化剤、洗浄石鹸、洗浄錠剤、消毒剤、表面消毒剤、及び液体形態もしくはゲル形態又は固体キャリヤーに付着された空気フレッシュナー、エアロゾルスプレー、ワックス及び磨き剤、例えば、家具磨き剤、床ワックス、靴クリーム、並びにボディケアー組成物、例えば、固形及び液体の石鹸、シャワーゲル、シャンプー、シェービング石鹸、シェービングフォーム、浴オイル、水中油型、油中水型及び水中油中水型の化粧エマルション、例えば、皮膚クリーム及びローション、顔クリーム及びローション、サンスクリーンクリーム及びローション、アフターサンクリーム及びローション、ハンドクリーム及びローション、足クリーム及びローション、脱毛クリーム及びローション、アフターシェーブクリーム及びローション、タニングクリーム及びローション、ヘアーケアー製品、例えば、ヘアースプレー、ヘアーゲル、ヘアーセッティングローション、ヘアーリンス、永久及び半永久のヘアー着色剤、ヘアーシェーピング組成物、例えば、コールドウェーブ及びヘアースムーシング組成物、ヘアートニック、ヘアークリーム及びローション、脱臭剤及び発汗防止剤、例えば、アンダーアームスプレー、ロール-オン(roll-ons)、脱臭剤スティック、脱臭剤クリーム、装飾化粧品中の製品、例えば、アイシャドー、爪ワニス、ファウンデーション、リップスティック、マスカラ、並びにキャンドル、ランプオイル、ジョス(joss)-スティック、殺虫剤、反撥剤、噴射剤の芳香化のために濃縮形態、溶液又は上記変性形態で使用し得る。
【実施例】
【0034】
下記の実施例は本発明の混合物MS(化合物A)、B)、C)、D)そして、必要により、E)を含む混合物)の使用を説明することを目的とする。しかしながら、本発明の混合物MSの使用は記載された実施例に限定されない。
特に示されない限り、示された量は重量基準である。
【0035】
実施例1

【0036】
混合物MSaは3.7%のジヒドロアネトール、7.1%のo-アニスアルデヒド、44.6%の1,3-ジメトキシベンゼン及び44.6%の2'-ヒドロキシアセトフェノンからなった。%は重量基準である。
組成物X〜Zを混合し、シリカをベースとする練り歯磨きに別々に混入した。用量は練り歯磨きの合計重量を基準として1.2%であった。
組成物X〜Zを混合し、チューインガムに別々に混入した。用量はチューインガムの合計重量を基準として1.2%であった。
組成物X〜Zそのもの及び風味のある製品としての感覚特性を8人の経験のあるジャッジのパネルにより評価した。組成物X〜Z及び風味のある製品は典型的なヒメコウジの味を示し、或る局面でごくわずかに異なっていた。
【0037】
実施例2
混合物MS1を混入した、下記の配合を有するカプセルを含む透明な歯ゲルを製造した。

【0038】
混合物MS1は4.5%のジヒドロアネトール、8.9%のo-アニスアルデヒド、37.3%の1,3-ジメトキシベンゼン、34.3%の2'-ヒドロキシアセトフェノン及び15%の2'-メトキシアセトフェノンからなった。%は重量基準である。
その練り歯磨きは典型的なヒメコウジ風味を有していた。
【0039】
実施例3
混合物MS2を混入した、下記の配合を有する炭酸カルシウムをベースとする練り歯磨き(pH=9.6)を製造した。

【0040】
混合物MS2は2.8%のジヒドロアネトール、7.0%のo-アニスアルデヒド、39.4%の1,3-ジメトキシベンゼン、42.3%の2'-ヒドロキシアセトフェノン及び8.5%の2'-メトキシアセトフェノンからなった。%は重量基準である。
付加的な調味料はl-メントール、l-カルボン、アネトール及び清涼化合物N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド、l-メンチルラクテート、l-メントールグリコールカーボネート及びl-メントールプロピレングリコールカーボネートを含んでいた。
このアルカリ性炭酸カルシウムをベースとする練り歯磨きの風味及び感覚プロフィールは時間の延長期間にわたって安定であった。
この清涼の、長く持続する、息を新鮮にする練り歯磨きはにがみ又は医薬の味のないここち良いヒメコウジ風味を有していた。
【0041】
実施例4
混合物MS2を混入した、下記の配合を有する使用に供される口洗浄組成物を製造した。

【0042】
実施例5
本発明の混合物MSa(実施例1を参照のこと)を有する2種のヒメコウジ風味のあるチューインガムを下記の配合に従って調製する。

【0043】
チューインガム配合物Cxは減少されたサリチル酸メチルレベルを有する。
チューインガム配合物Cyでは、サリチル酸メチルを混合物MSaにより完全に置換する。
ガムベースを約85〜90℃の温度で融解し、次いでレシチンを混合しながら添加し、続いてコーンシロップ及び糖の1/3を添加し、均一な混合物が得られるまで合計時間約5分間で再度混合することによりチューインガム配合物を調製した。次いでサリチル酸メチル及び/又は混合物MSa及びグリセリンを添加し、夫々約2分間混合し、続いて残りの糖を添加、混合し、均一な混合物が得られるまで、これを約2分間混合した。配合物を約40〜45℃に冷却し、メントール及びカルボキサミド化合物を配合物に添加し、混合した。次いで配合物をスラブ形状に切断した。
これらの配合物を感覚評価研究にかけた。チューインガム配合物Cx及びCyは特徴的なヒメコウジ味並びに長く持続する清涼効果及び息を新鮮にする効果を有していた。
【0044】
実施例6
混合物MS1を混入した、下記の配合を有する香料組成物(芳香油組成物)を製造した。

【0045】
供給業者:
(1):シムライズGmbH&Co. KG、ドイツ、ホルツミンデン
(2):インターナショナル・フレーバーズ&フラグランス、米国、ニュージャージー、ユニオン・ビーチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A) ジヒドロアネトール、
B) o-アニスアルデヒド、
C) 1,3-ジメトキシベンゼン、
D) 2'-ヒドロキシアセトフェノンを含み、及び必要により
E) 2-メトキシアセトフェノン
を含んでもよい、又はこれらからなる混合物。
【請求項2】
混合物がヒメコウジ風味又は臭気を与えるように化合物A)、B)、C)、及びD)の量並びに化合物A):B):C):D)の比が調節される、請求項1記載の混合物。
【請求項3】
化合物A):B):C):D):E)の重量部の比が約5-80:10-90:100-500:100-500:0-200である、請求項1又は2記載の混合物。
【請求項4】
感覚刺激有効量の請求項1から3のいずれかに記載の混合物を含むことを特徴とする香料又は調味料組成物。
【請求項5】
組成物が(i)存在する量の混合物から生じ、又は(ii)それにより高められたヒメコウジ風味又は臭気を有する、請求項4記載の香料又は調味料組成物。
【請求項6】
組成物がサリチル酸メチルを含み、サリチル酸メチル:A)、B)、C)、及びD)の前記混合物の重量部の比が10:1から1:20までの範囲、好ましくは4:1から1:10までの範囲である、請求項5記載の香料又は調味料組成物。
【請求項7】
(i)請求項1から3のいずれかに記載の混合物又は(ii)請求項4から6のいずれかに記載の香料又は調味料組成物を含むことを特徴とする芳香又は風味のある製品。
【請求項8】
製品が(i)存在する量の混合物から生じ、又は(ii)それにより高められたヒメコウジ風味又は臭気を有する、請求項7記載の製品。
【請求項9】
製品がチューインガム、練り歯磨き又は口洗浄液である、請求項7又は8記載の製品。
【請求項10】
製品が約7.5から約12までのpHを有する、請求項7から9のいずれかに記載の製品。
【請求項11】
前記製品が約0.05重量%から5重量%までの請求項1から3のいずれかに記載の混合物を含む、請求項7から10のいずれかに記載の芳香のある製品。
【請求項12】
前記製品が約0.05重量%から2重量%までの請求項1から3のいずれかに記載の混合物を含む、請求項7から10のいずれかに記載の風味のある製品。
【請求項13】
製品が(i)サリチル酸メチルを含まず、又は(ii)感覚刺激有効量未満もしくは(iii)0.1重量%未満のサリチル酸メチルを含む、請求項7から12のいずれかに記載の製品。
【請求項14】
ヒメコウジ臭気、風味もしくは特徴を製品に加え、又は製品のヒメコウジ臭気、風味もしくは特徴を高める方法であって、その方法が有効量の(a)請求項1から3のいずれかに記載の混合物又は(b)請求項4から6のいずれかに記載の香料又は調味料組成物を製品に添加し、又は製品に混入する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
(a)請求項1から3のいずれかに記載の混合物又は(b)請求項4から6のいずれかに記載の組成物の添加後の製品が(i)サリチル酸メチルを含まず、又は(ii)感覚刺激有効量未満もしくは(iii)0.1重量%未満のサリチル酸メチルを含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
製品がチューインガム、練り歯磨き又は口洗浄液である、請求項13記載の方法。
【請求項17】
ヒメコウジ香料又は調味料組成物中のサリチル酸メチルのレベルの低減方法であって、その方法が組成物中のサリチル酸メチルの一部又は全部を請求項1から3のいずれかに記載の混合物により置換する工程を含むことを特徴とする方法。

【公表番号】特表2007−515380(P2007−515380A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510708(P2005−510708)
【出願日】平成15年11月12日(2003.11.12)
【国際出願番号】PCT/EP2003/012648
【国際公開番号】WO2005/048964
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(591278585)ジムリス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディットゲゼルシャフト (14)
【Fターム(参考)】