説明

ビジュアルコミュニケーションシステムとその主装置、通信制御方法および通信制御装置

【課題】緊急呼出の発生時に適切な対応を確実に取れるようにしたビジュアルコミュニケーションシステムとその主装置を提供すること。
【解決手段】ユーザ端末20における操作内容を判定処理部14aで判定する。操作内容が特番ダイヤルによる緊急発信であれば、画像リンク形成部14bによりビデオカメラ40とPC31とを結ぶ画像通信リンクを直ちに形成する。これにより詰所2の管理者は発信元ユーザの状況を即座に知ることができる。そして、管理者により緊急呼出端末21での応答がなされることで、音声リンク形成部14cによりユーザ端末20と緊急呼出端末21との間に音声通信チャネルを形成し、音声通話が開始されるようにしている。さらに双方向の画像通信リンクを形成し、PC30,31において相互の様子をビジュアルに表示するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、緊急呼出機能を備えるビジュアルコミュニケーションシステムとその主装置、通信制御方法および通信制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、回線交換ネットワークを利用する形態だけでなく、IP(Internet Protocol)ネットワークを利用する、いわゆるVoIP(Voice over IP)と称する形態の電話システムが普及し始めている。最近では音声だけでなく画像(静止画、動画を含む)をも通信可能な電話システムが広く利用されている。この種のシステムをビジュアルコミュニケーションシステムとも称する。
【0003】
ところで電話システムには、緊急呼出機能が設けられる。この機能は日本における110番、119番発信、米国における911番発信などの機能である。すなわち特別の番号で発信すると、専門の機関や管理センタなどに即座に電話を接続する機能である。接続先には管理者が常駐しており、呼び出された端末(緊急呼出端末)で応答した管理者は発信者の状況を即座に知る必要がある。
【0004】
既存のシステムでは、管理者は発信者の置かれている状況を音声によってモニタすることができるのみである。しかしながら音声だけでは正確な状況が伝わりにくいので、何らかの改善が要望されている。また管理者の応答自体が無ければ何の対処もできない。特に、次のような環境化にあっては早急な対策が望まれている。
【0005】
例えば、病院などで入院患者が体調不良になりナースコールを行なおうとしている最中に意識不明になってしまったとする。このようなケースでは管理者は患者の状況を全く把握できないので、緊急の対処を要するにも拘わらず適切な対応をとることができないことになる。発側の電話機がオフフックされたままの状態になると緊急発信と見做して緊急呼出端末が鳴動する機能は知られているが、上記のようなケースでは患者が意識不明であるので音声だけでは状況を把握することができない。
【0006】
関連する技術が下記特許文献1に開示される。この文献には、着側端末と発側端末との間に呼を連結するに際してリング信号が発生すると、発信者の画像を撮影して着側端末に転送して、着側端末に表示するという技術が開示される。しかしながらこのような技術によっても緊急時に効果的に対応できるとは限らない。リング信号を発生することすらできない状況に、発信者が置かれているかもしれないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−74772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上述べたように既存の電話システムには、緊急呼出機能に改善の余地があり、何らかの対策が望まれている。
この発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、緊急呼出の発生時に適切な対応を確実に取れるようにしたビジュアルコミュニケーションシステムとその主装置、通信制御方法および通信制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、ビジュアルコミュニケーションシステムは、電話端末と、この電話端末に対応付けられる第1のビデオカメラと、前記電話端末に対応付けられる第1のディスプレイユニットと、前記電話端末からの緊急発信の着呼先である緊急呼出端末と、この緊急呼出端末に対応付けられる第2のビデオカメラと、前記緊急呼出端末に対応付けられる第2のディスプレイユニットと、前記電話端末と前記緊急呼出端末とを共通の内線ネットワークを介して収容する主装置とを具備する。前記主装置は、判定処理部と、ビジュアルリンク形成部と、音声リンク形成部とを備える。判定処理部は、前記電話端末から生じた発呼が緊急発信番号のダイヤルを伴うものであれば、この発呼が前記緊急発信であると判定する。ビジュアルリンク形成部は、前記判定処理部により前記発呼が前記緊急発信であると判定されると前記第1のビデオカメラと前記第2のディスプレイユニットとの間に画像通信リンクを形成して、前記第2のディスプレイユニットに前記第1のビデオカメラで取得された画像を表示させる。音声リンク形成部は、前記画像通信リンクの形成後に前記発呼に対する応答操作が前記緊急呼出端末においてなされると、前記電話端末と前記緊急呼出端末との間に音声通信リンクを形成する。
【0010】
このような手段を講じることにより、電話端末において緊急発信がなされるとまず画像通信リンクが形成されて、緊急呼出端末に連動するディスプレイに発信元ユーザの画像が表示される。よって緊急呼出端末の管理者は発信元(患者など)の様子を即座に知ることができる。また、緊急呼出端末において呼への応答操作がなされると発信元(電話端末)と着呼先(緊急呼出端末)との間に双方向の音声通信リンクが形成されて電話通信が可能になる。その際さらに別の画像通信リンクが形成され、電話端末に連動するディスプレイに管理者の画像が表示されて、発信元ユーザと管理者との間で双方向のビジュアルコミュニケーションが開始される。これにより、緊急呼出の発生時に管理者は適切な対応を確実に取れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明に関わるビジュアルコミュニケーションシステムの実施の形態の一例を示すシステム図。
【図2】図1のシステムにおける処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1はこの発明に関わるビジュアルコミュニケーションシステムの実施の形態の一例を示すシステム図である。このシステムは主装置10を中核として形成される。主装置10は病院などに設置され、看護師の詰所2と病室1とを結ぶ内線電話ネットワークを形成する。病室1には電話端末としてのユーザ端末20と、ユーザ端末20に予め対応付けられこのユーザ端末20に連動して機能するパーソナルコンピュータ(PC)30とが備え付けられる。PC30には病室1内の画像、特に入院患者の画像を取得するためのビデオカメラ40が接続される。
【0013】
詰所2には緊急呼出端末21と、緊急呼出端末21に予め対応付けられこの緊急呼出端末21に連動して機能するパーソナルコンピュータ(PC)31とが備え付けられる。PC31には緊急呼出端末21の管理者の画像を取得するための、ビデオカメラ41が接続される。PC30,31はディスプレイを備えるので、ビデオカメラ40,41で取得された画像を表示するためのディスプレイユニットとして使用される。
【0014】
PC30,31はLANスイッチ(LAN SW)50に接続され、プライベートLAN(Local Area Network)を介して主装置10に収容される。LAN SW50には、画像データのバッファリングなどを行うサーバ装置60も接続される。なおユーザ端末20とPC30、および緊急呼出端末21とPC31を相互に連動させるための機能は既知であり、例えばSIP(Session Initiation Protocol)などのプロトコルを用いた設定により実現できる。この機能によれば、例えばPC31のディスプレイに表示される電話番号をクリックすることで電話端末30から所望の相手先に発呼するといった、クリック・トゥ・ダイヤル(click to dial)機能などを実現できる。
【0015】
主装置10は、端末インタフェース(I/F)部13、LAN I/F部15、回線I/F部12、スイッチ部11、および制御部14を備える。端末I/F部13は内線電話ネットワークを介してユーザ端末20、緊急呼出端末21に接続され、これにより主装置10はユーザ端末20、緊急呼出端末21を収容する。LAN I/F部15はLAN SW50に接続され、LANを流れるパケットと主装置10内で処理されるPCM信号との変換などを処理する。
【0016】
回線I/F部12は外線ネットワークである回線交換ネットワーク70に接続される。これにより内線電話ネットワークと外線との相互通信が可能になる。特に回線交換ネットワーク70には管理センタとしての防災センタ100が接続されている。防災センタ100は緊急応答装置80が備え付けられ、回線交換ネットワーク70から主装置10を介してユーザ端末20、および緊急呼出端末21と緊急応答装置80との間に呼を設定することが可能である。スイッチ部11は回線I/F部12、端末I/F部13、およびLAN I/F部15の相互間でPCM信号を交換し、通信リンクをスイッチングするための処理を行う。
【0017】
制御部14は、この実施形態に関わる処理機能として判定処理部14aと、画像リンク形成部14bと、音声リンク形成部14cとを備える。
判定処理部14aは、ユーザ端末20から生じた発呼が緊急発信であるか否かを判定する。例えば119番、911番のような緊急発信番号(特番)のダイヤルを伴う発呼であれば、判定処理部14aはこの発呼を緊急発信であると判定する。特にこの実施形態では、オフフックののち何の操作もなされない状態が規定時間(例えば1分間)継続すると、判定処理部14aはこの状態を緊急発信であると判定する。
【0018】
画像リンク形成部14bは、判定処理部14aにより、ユーザ端末20からの発呼が緊急発信であると判定されると、ビデオカメラ40とPC31との間に画像通信リンクを形成する。これによりPC31には、管理者による応答の前に、病室1内の画像、特にユーザ端末20のユーザ(患者)のそのときの映像がリアルタイムに表示される。
【0019】
なお画像通信リンクを形成するための処理をサーバ装置60が主体となって実施すると、システム設計の上から都合が良い。すなわち主装置10からサーバ装置60にリンク形成のためのコマンドを与えると、その後はサーバ装置60が処理を引き継いでリンク形成のための処理を行うようにしても良い。その際のプロトコルにもSIPを用いることができる。これは、後述する音声通信リンクの形成に際しても同様である。
【0020】
音声リンク形成部14cは、PC31にビデオカメラ40の映像が映し出されたのち、緊急呼出端末21において応答操作がなされると、ユーザ端末20と緊急呼出端末21との間に音声通信リンクを形成する。これによりユーザ端末20と緊急呼出端末21との間で音声によるコミュニケーションが開始される。
【0021】
特に、特番ダイヤルによる緊急発信操作がなされたケースでは、音声リンク形成部14cはユーザ端末20と緊急応答装置80との間にも音声通信リンクを形成する。これによりユーザ端末20のユーザは、詰所2の管理者に加えて、防災センタ100のオペレータとも連絡を取り合うことができる。
【0022】
図2は、図1のシステムにおける処理手順を示すフローチャートである。図2において、ユーザ端末20のユーザがダイヤル操作を行うと(ステップS1)、主装置10はダイヤル分析処理を行う(ステップS2)。このステップで通常発信であれば、すなわち入力されたダイヤル番号が緊急特番(119,911など)でなければ、通常発信処理が実施される(ステップS3)
ステップS2で特番がダイヤルされたと判定されると、緊急呼出端末21に呼が転送され、リングトーン発生などにより管理者を呼び出すための処理がなされる(ステップS4)。次いで、管理者の応答の有無によらず、ビデオカメラ40で取得された画像がPC31に直ちに表示される(ステップS6)。これにより管理者は発信元ユーザの状態を人目で確認できる。この状態が確立されると、主装置10は別チャネルで緊急応答装置80を呼び出し、同様にセンタ100のオペレータを呼び出すための処理がなされる(ステップS7)。
【0023】
この状態から、緊急呼出端末21において管理者による応答操作がなされると(ステップS8)、ユーザ端末20と緊急呼出端末21との間に音声によるコミュニケーションチャネルが確立されて、病室1のユーザと詰所2の管理者との間での通話が開始される。これとともに双方向の画像通信リンクが形成され、ビデオカメラ41で取得された画像がPC30に表示される(ステップS9)。これによりユーザと管理者とは、音声に映像を伴うビジュアルコミュニケーションを開始することができる。さらに、センタ100の緊急応答装置80での応答操作がなされると、ユーザ端末20と緊急応答装置80との間にも別の通話チャネルが形成される。この状態では、ユーザとセンタ100のオペレータとの通話を、詰所2の管理者はモニタすることができる。
【0024】
一方、ステップS2で、ユーザ端末20においてオフフックがされただけでその後のダイヤル操作が規定時間にわたって無いことが、判定されたとする。そうすると直ちに緊急呼出端末21が呼び出され、管理者を呼び出すための処理がなされる(ステップS5)。これとともに、ビデオカメラ40で取得された画像がPC31に表示される(ステップS10)。これに管理者が応答すると(ステップS11)、音声によるコミュニケーションチャネルが確立されてユーザと管理者との間での通話が開始される。また双方向の画像通信リンクが形成され、ビデオカメラ41で取得された画像がPC30に表示される(ステップS12)。
【0025】
以上のようにこの実施形態では、ユーザ端末20における操作内容を判定処理部14aで判定する。操作内容が特番ダイヤルによる緊急発信であれば、画像リンク形成部14bによりビデオカメラ40とPC31とを結ぶ画像通信リンクを直ちに形成する。これにより詰所2の管理者は発信元ユーザの状況を即座に知ることができる。そして、管理者により緊急呼出端末21での応答がなされることで、音声リンク形成部14cによりユーザ端末20と緊急呼出端末21との間に音声通信チャネルを形成し、音声通話が開始されるようにしている。さらに双方向の画像通信リンクを形成し、PC30,31において相互の様子をビジュアルに表示するようにしている。
【0026】
このように緊急呼出端末21が緊急呼出を受けた場合に限り、ユーザ端末20に連動するPC30に取り付けられるビデオカメラ40の画像を、緊急呼出端末21に連動するPC31に表示するようにしている。これにより通常発信に際しては画像通信チャネルは形成されず、通信リソースを不必要に消費することが無い。
【0027】
またこの実施形態では、オフフックののち規定時間が経過してもダイヤル操作が無いケースにも、緊急事態と看做して上記と同様の処理を実施するようにしている。これによりユーザが意識不明などの状態にあっても、如何なる場合でも発信元ユーザの状態を確実に知ることができるようになる。
【0028】
既存の技術では発信元ユーザの状態を音声により知ることは可能ではあるものの、発呼直後の映像を管理者が見ることまではできない。これに対しこの実施形態では、緊急呼出端末21の管理者が応答する前に、ユーザの画像が管理者のPC31に表示される。これにより管理者はユーザの状況を応答前に画像で知ることができ、適切な対応をとることができる。したがって本発明は、特に緊急性を要するアプリケーションにあっては格別の効果を奏する。これらのことから、緊急呼出の発生時に適切な対応を確実に取れるようにしたビジュアルコミュニケーションシステムとその主装置、通信制御方法および通信制御装置を提供することが可能となる。
【0029】
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0030】
1…病室、2…詰所、10…主装置、11…スイッチ部、12…回線I/F部、13…端末インタフェース(I/F)部、14…制御部、15…LAN I/F部、20…ユーザ端末、21…緊急呼出端末、30,31…パーソナルコンピュータ(PC)、40,41…ビデオカメラ、50…LANスイッチ、60…サーバ装置、70…回線交換ネットワーク、80…緊急応答装置、100…防災センタ、14a…判定処理部、14b…画像リンク形成部、14c…音声リンク形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話端末と、
この電話端末に対応付けられる第1のビデオカメラと、
前記電話端末に対応付けられる第1のディスプレイユニットと、
前記電話端末からの緊急発信の着呼先である緊急呼出端末と、
この緊急呼出端末に対応付けられる第2のビデオカメラと、
前記緊急呼出端末に対応付けられる第2のディスプレイユニットと、
前記電話端末と前記緊急呼出端末とを共通の内線ネットワークを介して収容する主装置とを具備し、
この主装置は、
前記電話端末から生じた発呼が緊急発信番号のダイヤルを伴うものであれば、この発呼が前記緊急発信であると判定する判定処理部と、
この判定処理部により前記発呼が前記緊急発信であると判定されると前記第1のビデオカメラと前記第2のディスプレイユニットとの間に画像通信リンクを形成して、前記第2のディスプレイユニットに前記第1のビデオカメラで取得された画像を表示させるビジュアルリンク形成部と、
前記画像通信リンクの形成後に前記発呼に対する応答操作が前記緊急呼出端末においてなされると、前記電話端末と前記緊急呼出端末との間に音声通信リンクを形成する音声リンク形成部とを備えることを特徴とするビジュアルコミュニケーションシステム。
【請求項2】
前記ビジュアルリンク形成部は、
前記音声通信リンクが形成されると、前記第2のビデオカメラと前記第1のディスプレイユニットとの間に画像通信リンクを形成して、前記第1のディスプレイユニットに前記第2のビデオカメラで取得された画像を表示させることを特徴とする請求項1に記載のビジュアルコミュニケーションシステム。
【請求項3】
前記判定処理部は、前記電話端末においてオフフックからダイヤル入力の無いまま規定時間が経過すると、前記発呼が前記緊急発信であると判定することを特徴とする請求項1に記載のビジュアルコミュニケーションシステム。
【請求項4】
さらに、前記内線ネットワークとは異なる外部ネットワークを介して前記主装置に接続される管理センタを具備し、
前記音声リンク形成部は、前記判定処理部により前記発呼が前記緊急発信であると判定されると、当該発呼に基づく呼び出し処理を行うとともに前記電話端末と前記管理センタとの間に音声通信リンクを形成することを特徴とする請求項1に記載のビジュアルコミュニケーションシステム。
【請求項5】
前記電話端末と前記緊急呼出端末との間の音声通信リンク、および、前記電話端末と前記管理センタとの間の音声通信リンクにより、前記電話端末のユーザと前記管理センタのオペレータとの通話を前記緊急呼出端末の使用者がモニタ可能とした請求項4に記載のビジュアルコミュニケーションシステム。
【請求項6】
電話端末と、この電話端末からの緊急発信の着呼先である緊急呼出端末とを共通の内線ネットワークを介して収容する主装置において、
前記電話端末は、第1のビデオカメラと第1のディスプレイユニットとに対応付けられ、
前記緊急呼出端末は、第2のビデオカメラと第2のディスプレイユニットとに対応付けられ、
前記電話端末から生じた発呼が緊急発信番号のダイヤルを伴うものであれば、この発呼が前記緊急発信であると判定する判定処理部と、
この判定処理部により前記発呼が前記緊急発信であると判定されると前記第1のビデオカメラと前記第2のディスプレイユニットとの間に画像通信リンクを形成して、前記第2のディスプレイユニットに前記第1のビデオカメラで取得された画像を表示させるビジュアルリンク形成部と、
前記画像通信リンクの形成後に前記発呼に対する応答操作が前記緊急呼出端末においてなされると、前記電話端末と前記緊急呼出端末との間に音声通信リンクを形成する音声リンク形成部とを備えることを特徴とする主装置。
【請求項7】
前記ビジュアルリンク形成部は、
前記音声通信リンクが形成されると、前記第2のビデオカメラと前記第1のディスプレイユニットとの間に画像通信リンクを形成して、前記第1のディスプレイユニットに前記第2のビデオカメラで取得された画像を表示させることを特徴とする請求項6に記載の主装置。
【請求項8】
前記判定処理部は、前記電話端末においてオフフックからダイヤル入力の無いまま規定時間が経過すると、前記発呼が前記緊急発信であると判定することを特徴とする請求項6に記載の主装置。
【請求項9】
さらに、前記内線ネットワークとは異なる外部ネットワークを介して管理センタに接続され、
前記音声リンク形成部は、前記判定処理部により前記発呼が前記緊急発信であると判定されると、当該発呼に基づく呼び出し処理を行うとともに前記電話端末と前記管理センタとの間に音声通信リンクを形成することを特徴とする請求項6に記載の主装置。
【請求項10】
前記電話端末と前記緊急呼出端末との間の音声通信リンク、および、前記電話端末と前記管理センタとの間の音声通信リンクにより、前記電話端末のユーザと前記管理センタのオペレータとの通話を前記緊急呼出端末の使用者がモニタ可能とした請求項9に記載の主装置。
【請求項11】
電話端末と、前記電話端末からの緊急発信の着呼先である緊急呼出端末と、前記電話端末と前記緊急呼出端末とを共通の内線ネットワークを介して収容する主装置とを具備するビジュアルコミュニケーションシステムに利用される通信制御方法であって、
前記主装置が、前記電話端末から生じた発呼が緊急発信番号のダイヤルを伴うものであれば、この発呼が前記緊急発信であると判定し、
前記発呼が前記緊急発信であると判定すると、前記主装置が、前記電話端末に対応付けられる第1のビデオカメラと前記緊急呼出端末に対応付けられる第2のディスプレイユニットとの間に画像通信リンクを形成し、
前記主装置が、前記第2のディスプレイユニットに前記第1のビデオカメラで取得された画像を表示させ、
前記画像通信リンクの形成後に前記発呼に対する応答操作が前記緊急呼出端末においてなされると、前記主装置が、前記電話端末と前記緊急呼出端末との間に音声通信リンクを形成する、通信制御方法。
【請求項12】
前記画像通信リンクを形成することは、前記音声通信リンクが形成されると、前記緊急呼出端末に対応付けられる第2のビデオカメラと前記電話端末に対応付けられる第1のディスプレイユニットとの間に画像通信リンクを形成し、
前記画像通信リンクを形成することは、前記第1のディスプレイユニットに前記第2のビデオカメラで取得された画像を表示させる、請求項11に記載の通信制御方法。
【請求項13】
前記判定することは、前記電話端末においてオフフックからダイヤル入力の無いまま規定時間が経過すると、前記発呼が前記緊急発信であると判定する、請求項11に記載の通信制御方法。
【請求項14】
前記主装置は、さらに、前記内線ネットワークとは異なる外部ネットワークを介して管理センタに接続され、
前記音声通信リンクを形成することは、前記発呼が前記緊急発信であると判定されると、当該発呼に基づく呼び出し処理を行うとともに前記電話端末と前記管理センタとの間に音声通信リンクを形成する、請求項11に記載の通信制御方法。
【請求項15】
前記電話端末と前記緊急呼出端末との間の音声通信リンク、および、前記電話端末と前記管理センタとの間の音声通信リンクにより、前記電話端末のユーザと前記管理センタのオペレータとの通話を前記緊急呼出端末の使用者がモニタ可能とした請求項14に記載の通信制御方法。
【請求項16】
第1の端末と、
この第1の端末に対応付けられる第1のビデオカメラと、
前記第1の端末に対応付けられる第1のディスプレイユニットと、
第2の端末と、
この第2の端末に対応付けられる第2のビデオカメラと、
前記第2の端末に対応付けられる第2のディスプレイユニットと、
前記第1の端末と前記第2の端末とをネットワークを介して収容する通信制御装置とを具備し、
この通信制御装置は、
前記第1の端末から生じた発呼が緊急発信番号を伴うものであれば、この発呼が緊急発信であると判定する判定処理部と、
この判定処理部により前記発呼が前記緊急発信であると判定されると前記第1のビデオカメラと前記第2のディスプレイユニットとの間に画像通信リンクを形成して、前記第2のディスプレイユニットに前記第1のビデオカメラで取得された画像を表示させるビジュアルリンク形成部と、
前記画像通信リンクの形成後に前記発呼に対する応答操作が前記第2の端末においてなされると、前記第1の端末と前記第2の端末との間に音声通信リンクを形成する音声リンク形成部とを備えることを特徴とするビジュアルコミュニケーションシステム。
【請求項17】
前記ビジュアルリンク形成部は、
前記音声通信リンクが形成されると、前記第2のビデオカメラと前記第1のディスプレイユニットとの間に画像通信リンクを形成して、前記第1のディスプレイユニットに前記第2のビデオカメラで取得された画像を表示させることを特徴とする請求項16に記載のビジュアルコミュニケーションシステム。
【請求項18】
第1の端末と第2の端末とをネットワークを介して収容する通信制御装置において、
前記第1の端末は、第1のビデオカメラと第1のディスプレイユニットとに対応付けられ、
前記第2の端末は、第2のビデオカメラと第2のディスプレイユニットとに対応付けられ、
前記第1の端末から生じた発呼が緊急発信番号を伴うものであれば、この発呼が緊急発信であると判定する判定処理部と、
この判定処理部により前記発呼が前記緊急発信であると判定されると前記第1のビデオカメラと前記第2のディスプレイユニットとの間に画像通信リンクを形成して、前記第2のディスプレイユニットに前記第1のビデオカメラで取得された画像を表示させるビジュアルリンク形成部と、
前記画像通信リンクの形成後に前記発呼に対する応答操作が前記第2の端末においてなされると、前記第1の端末と前記第2の端末との間に音声通信リンクを形成する音声リンク形成部とを備えることを特徴とする通信制御装置。
【請求項19】
前記ビジュアルリンク形成部は、
前記音声通信リンクが形成されると、前記第2のビデオカメラと前記第1のディスプレイユニットとの間に画像通信リンクを形成して、前記第1のディスプレイユニットに前記第2のビデオカメラで取得された画像を表示させることを特徴とする請求項18に記載の通信制御装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−239224(P2012−239224A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180877(P2012−180877)
【出願日】平成24年8月17日(2012.8.17)
【分割の表示】特願2007−109536(P2007−109536)の分割
【原出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】