説明

ビスフェノールモノエステル化合物、該化合物を有効成分とする安定剤及び該安定剤を含有する熱可塑性ポリマー組成物

【課題】熱可塑性ポリマーの熱安定性を一層、向上させるための新規な化合物を提供する。
【解決手段】式(1)で表されるビスフェノールモノエステル化合物。


(式(1)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R’は、炭素数1〜6のアルキル基又は水素原子を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビスフェノールモノエステル化合物、該化合物を有効成分とする安定剤及び該安定剤を含有する熱可塑性ポリマー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性ポリマーの熱安定性を向上させるために、式(I)で表される化合物を有効成分とする安定剤が特許文献1に開示されている。
【0003】

【0004】
【特許文献1】特開平1−168643号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、熱可塑性ポリマーの熱安定性を一層、向上させるための新規な化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような状況下、本発明者らが鋭意検討した結果、新規なビスフェノールモノエステル化合物を見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]記載の発明である。
【0007】
[1] 式(1)で表されるビスフェノールモノエステル化合物。

(式(1)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R’は、炭素数1〜6のアルキル基又は水素原子を表す。)
【0008】
[2] [1]記載のビスフェノールモノエステル化合物を有効成分とする安定剤。
[3] [1]記載のビスフェノールモノエステル化合物を0.005〜100重量%含有する[2]記載の安定剤。
[4] [2]又は[3]に記載の安定剤と、熱可塑性ポリマーとを含有する熱可塑性ポリマー組成物。
[5] 熱可塑性ポリマーを熱安定化させるための[2]又は[3]記載の安定剤の使用。
【0009】
[6] 式(2)で表されるビスフェノールに

(式(2)中、R’は、炭素数1〜6のアルキル基又は水素原子を表す。)
式(3)で表される化合物を反応させる[1]記載のビスフェノールモノエステル化合物の製造方法。

(式(3)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Xは、ハロゲン、水酸基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。)
【発明の効果】
【0010】
本発明の化合物は、熱可塑性ポリマーの熱安定性を一層、向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の化合物は、前記式(1)で表されるビスフェノールモノエステル化合物(以下、化合物(1)と記すことがある)である。
ここで、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。好ましくは、いずれのRも水素原子である。
R’は、メチル基、エチル基又はn-ブチル基などの炭素数1〜6のアルキル基又は水素原子を表し、特に、メチル基が好ましい。
【0012】
化合物(1)の製造方法としては、例えば、2,4−ジ−tert−ペンチルフェノールとR’CHOとを反応させてビスフェノールを製造し、次いで、式(3)で表される化合物(以下、化合物(3)と記すことがある)を反応させる方法などが挙げられる。特に化合物(3)のXは、塩素などのハロゲン原子であることが好ましく、具体的には、化合物(3)のXがヒドロキシ基である化合物に、塩化チオニルなどでハロゲン化物として、前記ビスフェノールと反応させればよい。

(式(3)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Xは、ハロゲン、水酸基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。)
【0013】
本発明の安定剤は、化合物(1)を有効成分とする安定剤であり、当該化合物(1)を0.005〜100重量%、好ましくは0.01〜100重量%、さらに好ましくは0.1〜100重量%含有する。
【0014】
本発明の安定剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で化合物(1)以外の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などの酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、造核剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤、顔料、可塑剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、界面活性剤、加工助剤、発泡剤、乳化剤、光沢剤、ステアリン酸カルシウム、ハイドロタルサイトなどの中和剤、結着剤などを挙げることができる。
特に、酸化防止剤が好ましく、とりわけ、フェノール系酸化防止剤が好ましい。
【0015】
本発明の組成物は、前記安定剤と、熱可塑性ポリマーとを含有する熱可塑性ポリマー組成物である。
熱可塑性ポリマーとしては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂(高密度ポリエチレン(HD−PE)、低密度ポリエチレン(LD−PE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)など)、メチルペンテンポリマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン類(ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)などのポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、特殊アクリルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体など)、塩素化ポリエチレン、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、メタクリル樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂、ポリアセタール、グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル樹脂(たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエステル樹脂、ジアリルフタレートプリポリマー、シリコーン樹脂、1,2−ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体などが挙げられ、特に、成形加工性の良さから、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン類が好ましく、とりわけ、ポリプロピレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。
【0016】
ここで、ポリプロピレン系樹脂とは、プロピレンに由来する構造単位を含有するポリオレフィンを意味し、具体的には、結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体などが挙げられる。
【0017】
本発明において熱可塑性ポリマーとしてポリプロピレン系樹脂を用いる場合、ポリプロピレン系樹脂としては1種類で使用してもよく、2種以上をブレンドして使用してもよい。
【0018】
α−オレフィンとしては、通常、炭素原子数4〜12のα−オレフィンであり、たとえば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどが挙げられ、さらに好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。
【0019】
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、たとえば、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−1−オクテンランダム共重合体などが挙げられる。
【0020】
プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体としては、たとえば、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体などが挙げられる。
【0021】
プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体における主にプロピレンからなる共重合体成分としては、たとえば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分などが挙げられ、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分としては、たとえば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−1−オクテン共重合体成分などが挙げられる。なお、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分におけるエチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィンの含有量は、通常、0.01〜20重量%である。
【0022】
また、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体としては、たとえば、プロピレン−エチレンブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体などが挙げられる。
【0023】
また本発明において熱可塑性ポリマーとしてポリプロピレン系樹脂を用いる場合、好ましくは、結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体である。さらに好ましくは、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体である。
【0024】
本発明の熱可塑性ポリマー組成物は、通常、熱可塑性ポリマー100重量部に対して、本発明の安定剤を5重量部以下含有すればよく、具体的には、0.0001重量部以上、5重量部以下、好ましくは0.0005重量部以上、3重量部以下含有する。5重量部以下であると熱可塑性ポリマー組成物表面に安定剤が現れる、いわゆる、ブリード現象が抑制される傾向があることから好ましい。
【0025】
本発明の化合物(1)は、熱可塑性ポリマーの熱安定性を向上させることができる。ここで、熱可塑性ポリマー組成物の熱安定性は、該組成物を180℃で加熱溶融させ、JIS K7105に準拠して測色計を用いてイエローネスインデックス(YI)値を測定し、続いて、該組成物をさらに2時間180℃で加熱し、加熱後の該組成物のYI値に測定し、加熱後の該組成物のYI値と加熱前のYI値との差によって評価することができる。測定されたYI値の差が小さいほど、熱劣化による変色が起こりにくく、熱安定性が高いことを意味する。
【実施例】
【0026】
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。
[実施例1]
<ビスフェノールの製造例>
2,4−ジ−tert−ペンチルフェノール117.5g、p−トルエンスルホン酸・1水和物0.9g及び78%硫酸水溶液6.9gを混合した。これに、アセトアルデヒド12.1gをキシレン28gで希釈した液を、35〜45℃に保持しながら2時間で滴下した。滴下終了後、得られた溶液を90℃まで昇温し、同温度で3時間保温した。
保温終了後、キシレン157g、水59gと25%水酸化ナトリウム水溶液11.7gを加え、分液し水層を分離した。得られた油層を水洗した後、共沸脱水して水分を除去した。脱水後、式(2)で表されるビスフェノールを含む淡黄色油292gが得られた。

【0027】
<ビスフェノールモノエステル化合物の製造例>
ビスフェノールを含む淡黄色油に、50%水酸化カリウム水溶液28g加え、98℃まで昇温させ、同温度で3時間保温した。その後50℃まで冷却し、ヘキサンを加えて、液温106℃までの加温下で脱水させた後、3℃まで冷却した。(この液をA液とした。)
別の容器に、2-カルボキシエチルアクリレート35.3g仕込み、攪拌下1℃まで冷却した。これに、塩化チオニル26.7gを0〜1℃に保持しながら1.5時間で滴下した。その後、1〜17℃で3時間保温させ、減圧下で3時間脱気した。
(この液をB液とした。)
上記A液に、上記B液を1〜3℃に保持しながら1時間で滴下後、同温度で30分保温した。これに、水150mlを加え10〜30℃で水洗し、水層を分液により分離した。同じ操作で水洗を合計3回繰り返した。これより、褐色油層303gを得た。
得られた油層を液体クロマトグラフィーで分析を行ったところ、溶剤を除いた組成物中に式(1−1)で表される化合物(以下、化合物(1−1)と記すことがある)が6.3重量%含有していた。

【0028】
得られた油層から、大量分取システム(島津製作所製、8Aタイプ)にて、カラムとしてSumipax ODS A-210(直径20mm×高さ25cm、充填剤の径:5μm)にて分取し、化合物(1−1)を単離した。
化合物(1−1)について、日本電子社製、ECA−500を用い、テトラメチルシランを内部標準として、H NMRスペクトル測定を行った。
【0029】

【0030】
H NMR(500.16MHz、CDCl)δ(ppm):0.49(3H,(a)), 0.55(3H,(b)), 0.66(3H,(c)), 0.70(3H,(d)), 1.01(3H,(e)), 1.03 (3H,(f)), 1.19-1.38(23H,(g)-(l)), 1.48(3H,(m)), 1.57-1.99(7H,(n)-(p)), 3.09(2H,(q)), 3.89(1H,(r)), 4.61-4.64(2H,(s)), 5.55(1H,(t)), 5.72(1H,(u)), 6.04(1H,(v)), 6.36(1H,(w)), 6.49(1H,(x)), 7.12(3H,(y))
【0031】
<熱可塑性ポリマー組成物の製造例>
実施例1で得られた化合物(1−1)11.6mgをそのまま安定剤とし、5mlのクロロホルムに溶解させた。得られた溶液に、熱可塑性ポリマーとしてプロピレン−エチレンブロック共重合体(MI:9〜10g/10分)(230℃、2.16kg)(住友化学製)2000mgを加えて攪拌した後、25℃下でクロロホルムを自然気化させた。さらに、残留物を180℃のギアオーブン(ダバイ エスペック社製、GHPS−222)で1時間加熱溶融することで、熱可塑性ポリマー組成物を得た。
【0032】
<熱安定性試験>
実施例1で得られた熱可塑性ポリマー組成物について、測色計(CM−3500d、コミカミノルタ社製)を用いてJIS K7105に準拠し、イエローネスインデックス(YI)値を測定したのち(YI−1)、180℃のギアオーブン(ダバイ エスペック社製、GHPS−222)で2時間加熱し、再びYI値を測定し(YI−2)、YI−2とYI−1との差を変色度として熱可塑性ポリマー組成物の熱安定性を評価した。変色度が小さいほど熱可塑性ポリマー組成物の熱劣化による変色が起こりにくく、熱安定性に優れることを意味する。実施例1の熱可塑性ポリマー組成物の変色度は10.03であった。
安定剤を含まない熱可塑性ポリマー(後述する比較例1)の変色度(13.15)を100%として、改善された変色度の割合(低減した変色度の割合)を変色度改善指数として表した。つまり、実施例1の変色度改善指数は、(13.15−10.03)/13.15×100=23.7(%)であることから、安定剤を含まない熱可塑性ポリマーに比べて実施例1の熱可塑性ポリマー組成物は23.7%の改善が見られた。
【0033】
[比較例1]
実施例1で得られた化合物(1−1)を用いなかった以外は<熱可塑性ポリマー組成物の製造例>と同様にして、熱可塑性ポリマー組成物を得た。
得られた熱可塑性ポリマー組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、熱可塑性ポリマー組成物の熱安定性を評価した。結果を実施例1とともに表1に示す。
【0034】
[比較例2]
実施例1で得られた化合物(1−1)の代わりに2,4−ジ−t−ペンチル−6−〔1−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレート(スミライザーGS、住友化学製、以下、化合物Aと記すことがある)を11.6mg用いた以外は実施例2と同様にして、熱可塑性ポリマー組成物を得た。
得られた熱可塑性ポリマー組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、熱可塑性ポリマー組成物の熱安定性を評価した。結果を実施例1及び比較例1とともに表1に示す。
【0035】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の化合物は、熱可塑性ポリマーの熱安定性を一層、向上させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で表されるビスフェノールモノエステル化合物。

(式(1)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R’は、炭素数1〜6のアルキル基又は水素原子を表す。)
【請求項2】
請求項1記載のビスフェノールモノエステル化合物を有効成分とする安定剤。
【請求項3】
請求項1記載のビスフェノールモノエステル化合物を0.005〜100重量%含有する請求項2記載の安定剤。
【請求項4】
請求項2又は3記載の安定剤と、熱可塑性ポリマーとを含有する熱可塑性ポリマー組成物。
【請求項5】
熱可塑性ポリマーを熱安定化させるための請求項2又は3記載の安定剤の使用。
【請求項6】
式(2)で表されるビスフェノールに

(式(2)中、R’は、炭素数1〜6のアルキル基又は水素原子を表す。)
式(3)で表される化合物を反応させる請求項1記載のビスフェノールモノエステル化合物の製造方法。

(式(3)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Xは、ハロゲン、水酸基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。)

【公開番号】特開2009−132633(P2009−132633A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308502(P2007−308502)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】