説明

ビフェニル置換スピロテトロン酸およびレトロウイルス性疾患の処置のためのそれらの使用

本発明は、新規置換スピロテトロン酸(I)(式中、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、式(1)、(2)、(3)または(4)の基を形成し、ここで、*は、RおよびRが結合している炭素原子である)、それらの製造方法、疾患の処置および/または予防のためのそれらの使用、並びに、ヒトおよび/または動物における疾患、特にレトロウイルス性疾患の処置および/または予防用の医薬を製造するためのそれらの使用に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規置換スピロテトロン酸、それらの製造方法、疾患の処置および/または予防のためのそれらの使用、並びに、ヒトおよび/または動物における疾患、特にレトロウイルス性疾患の処置および/または予防用の医薬を製造するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
HIV(ヒト免疫不全のウイルス)は、慢性的に持続する進行性の感染を引き起こす。この疾患は、無症候性感染から臨床像AIDS(後天性免疫不全症候群)までの様々な段階を経て進む。AIDSは、感染により引き起こされる疾患の最終段階である。HIV AIDS疾患の特徴は、持続性ウイルス血症を伴う長い臨床的潜伏期であり、それは、最終段階では免疫防御の不全を導く。
【0003】
1990年代の抗HIV併用療法の導入により、この疾患の進行を持続的に遅延させ、かくしてHIV感染患者の平均余命を実質的に延ばすことが可能であった(Palella et al., N. Engl. J. Med. 1998, 238, 853-860)。
【0004】
現在市場にある抗HIV物質は、必須のウイルス性酵素の逆転写酵素(RT)、プロテアーゼまたはHIV融合の阻害により、HIウイルスの複製を阻害する(Richman, Nature 2001, 410, 995 1001 に総説)。RT阻害剤の2つのクラスがある:ヌクレオシド系RT阻害剤(NRTI)は、DNA重合中の競合阻害または鎖の終止により作用する。非ヌクレオシド系RT阻害剤(NNRTI)は、RTの活性中心の近傍の疎水性ポケットにアロステリックに結合し、酵素の立体構造的変化を媒介する。他方で、現在利用可能なプロテアーゼ阻害剤(PI)は、ウイルスのプロテアーゼの活性中心を遮断し、かくして新しく形成される粒子の感染性ビリオンへの成熟を防止する。
【0005】
現在利用可能な抗HIV医薬を用いる単剤療法は、非常に短期間の内に耐性ウイルスの選択により治療の失敗に至るので、通常、異なるクラスのいくつかの抗HIV物質を用いる併用療法が行われる(高活性抗レトロウイルス療法=HAART;Carpenter et al., J. Am. Med. Assoc. 2000, 283, 381-390)。
【0006】
抗レトロウイルス的化学療法の進歩にも拘わらず、より最近の研究は、利用可能な医薬では、HIVの根絶および関連するHIV感染の治癒は期待されないことを示している:潜伏したウイルスが休止中のリンパ球中に残り、再活性化のための、従って新たなウイルス増殖のための貯蔵庫となる(Finzi et al., Nature Med. 1999, 5, 512-517; Ramratnam et al., Nature Med. 2000, 6, 82-85)。HIVに感染した患者は、彼らの生涯を通じて、有効な抗ウイルス治療に依存する。併用療法にも拘わらず、いくらかの時間の後に、耐性ウイルスの選択は起こる。特徴的な耐性変異が各治療クラスについて蓄積するので、一つの治療剤の失敗は、しばしば、その全物質クラスの効力の喪失を意味する。
【0007】
耐性の発生は、通常、患者のコンプライアンスの乏しさにより助長され、それは、抗HIV医薬の好ましくない副作用のプロフィールおよび複雑な投薬法によりもたらされる。
【0008】
従って、HIV感染と闘うための新しい治療選択肢に対する緊急の要望がある。このために、HIVの複製における新しい標的に向けた、かつ/または、増大する数の耐性臨床的HIV分離株に対して有効な、新しい化学的リード構造の同定が重要であり、HIV治療研究の差し迫った目的である。
【0009】
WO99/55673、DE4014420およびWO2006/000355は、とりわけ、スピロテトロン酸を殺虫剤および除草剤として記載している。WO96/29333およびWO95/07901は、HIVの処置用のテトロン酸を記載している。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、疾患の処置および/または予防のための、式
【化1】

〔式中、
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、式
【化2】

の基を形成し
【0011】
《式中、
*は、RおよびRが結合している炭素原子を表し、
nは、1、2または3の数を表し、
Xは、酸素原子、硫黄原子またはNR14を表し
〈ここで、R14は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキルスルホニル、ベンジルスルホニル、−(CHCOR16、−(CHCONR1718、−(CHNR24COR25または−(CHNR26SO27を表す
[ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキルスルホニルは、1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、ベンジルアミノスルホニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび−OR22からなる群から相互に独立して選択され
{ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択され、
そして、
アルコキシは、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員ないし10員のヘテロアリールからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)、
そして、
22は、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環または5員ないし10員のヘテロアリールを表す
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
【0012】
そして、
ここで、
oは、0、1、2または3の数を表し、
pは、0、1、2または3の数を表し、
qは、2または3の数を表し、
vは、2または3の数を表し、
16は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
17は、水素、C−C−アルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、メトキシ、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員または6員のヘテロアリールからなる群から選択される
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
【0013】
18は、水素またはC−C−アルキルを表し、
24は、水素またはC−C−アルキルを表し、
25は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
26は、水素またはC−C−アルキルを表し、
27は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、フェニルまたは5員ないし10員の複素環を表す
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}]〉、
【0014】
Yは、酸素原子、硫黄原子またはNR15を表し
〈ここで、R15は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキルスルホニル、ベンジルスルホニル、−(CHCOR19、−(CHCONR2021、−(CHNR28COR29または−(CHNR30SO31を表す
[ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキルスルホニルは、1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、ベンジルアミノスルホニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび−OR23からなる群から相互に独立して選択され
{ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択され、
そして、
アルコキシは、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員ないし10員のヘテロアリールからなる群から選択される1個の置換基で置換されていてもよく
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)、
そして、
23は、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環または5員ないし10員のヘテロアリールを表す
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
【0015】
そして、
ここで、
rは、0、1、2または3の数を表し、
sは、0、1、2または3の数を表し、
tは、2または3の数を表し、
wは、2または3の数を表し、
19は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
20は、水素、C−C−アルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、メトキシ、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員または6員のヘテロアリールからなる群から選択される
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
【0016】
21は、水素またはC−C−アルキルを表し、
28は、水素またはC−C−アルキルを表し、
29は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
30は、水素またはC−C−アルキルを表し、
31は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、フェニルまたは5員ないし10員の複素環を表す
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}]〉、
【0017】
は、水素、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−アルキルチオを表し、
は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
10は、水素またはC−C−アルキルを表し、
11は、水素またはC−C−アルキルを表し、
12は、水素またはC−C−アルキルを表し、
13は、水素またはC−C−アルキルを表す》、
は、水素、ハロゲン、シアノ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはフェノキシを表し、
は、水素、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシを表し、
は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシメチル、アミノメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−シクロアルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルアミノ、C−C−アルケニルスルホニルアミノ、C−C−アルキルスルホニル(C−C−アルキル)アミノ、ベンジルスルホニルアミノ、5員または6員のヘテロアリールスルホニルアミノまたは5員ないし7員の複素環を表し
(ここで、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノおよびアルキルスルホニルアミノは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニルおよびベンジルアミノからなる群から選択される)、
は、水素、ハロゲン、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
は、水素、ハロゲン、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表すか、
または、
およびRは、隣接する炭素原子に結合し、それらが結合している炭素原子と一体となって、1,3−ジオキソランを形成する〕
の化合物並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物に関する。
【0018】
本発明の化合物は、式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物;式(I)に包含され、以下に挙げられる式の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、並びに、式(I)に包含され、例示的実施態様として以下に挙げられる化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物(式(I)に包含され、以下に挙げられる化合物が、既に塩、溶媒和物および塩の溶媒和物でない場合に)である。
【0019】
本発明の化合物は、それらの構造によっては、立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在し得る。従って、本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマー、およびそれらの各々の混合物を含む。そのようなエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から、立体異性的に均一な成分を既知方法で単離できる。
本発明の化合物が互変異性体で存在できるならば、本発明は、全ての互変異性体を包含する。
【0020】
本発明の目的上、好ましいは、本発明の化合物の生理的に許容し得る塩である。しかしながら、それら自体は医薬適用に適さないが、例えば本発明の化合物の単離または精製に使用できる塩も含まれる。
【0021】
本発明の化合物の生理的に許容し得る塩には、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が含まれる。
【0022】
本発明の化合物の生理的に許容し得る塩には、一般的な塩基の塩、例えば、そして好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩)およびアンモニアまたは1個ないし16個のC原子を有する有機アミン類(例えば、そして好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジン)から誘導されるアンモニウム塩も含まれる。
【0023】
本発明の目的上、溶媒和物は、溶媒分子との配位により固体または液体状態で錯体を形成する本発明の化合物の形態を表す。水和物は、配位が水と起こる、溶媒和物の特別な形態である。
【0024】
本発明の目的上、断りの無い限り、置換基は以下の意味を有する。
アルキル、並びに、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノスルホニル、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノおよびアルキルスルホニル(C−C−アルキル)アミノ中のアルキル部分は、直鎖または分枝鎖のアルキルを表し、断りのない限り、C−C−アルキル、特にC−C−アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルを含む。
【0025】
アルケニルは、2個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルケニルラジカルを表す。好ましいのは、2個ないし3個の炭素原子を有する直鎖のアルケニルラジカルである。例として、そして好ましく挙げられるのは:ビニル、アリル、n−プロプ−1−エン−1−イルおよびn−ブト−2−エン−1−イルである。
【0026】
本発明の目的上、アルコキシは、好ましくは、特に1個ないし6個、1個ないし4個または1個ないし3個の炭素原子有する、直鎖または分枝鎖のアルコキシラジカルを表す。好ましいのは、1個ないし3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシラジカルである。例として、そして好ましく挙げられるのは:メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシである。
【0027】
本発明の目的上、アルキルアミノは、好ましくは1個ないし6個、1個ないし4個または1個ないし2個の炭素原子を有する1個または2個の直鎖または分枝鎖のアルキル置換基(相互に独立して選択される)を有するアミノ基を表す。例えば、そして好ましくは、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−tert−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノ。C−C−アルキルアミノは、例えば、1個ないし3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノラジカル、または、1個ないし3個の炭素原子をアルキル置換基毎に有するジアルキルアミノラジカルを表す。
【0028】
アルキルチオは、例えば、そして好ましくは、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、tert.−ブチルチオ、n−ペンチルチオおよびn−ヘキシルチオを表す。
【0029】
アルキルカルボニルは、例えば、そして好ましくは、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、イソ−プロピルカルボニル、n−ブチルカルボニルおよびtert−ブチルカルボニルを表す。
【0030】
アルキルスルホニルは、例えば、そして好ましくは、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、tert.−ブチルスルホニル、n−ペンチルスルホニルおよびn−ヘキシルスルホニルを表す。
【0031】
アルコキシカルボニルは、例えば、そして好ましくは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニルおよびn−ヘキソキシカルボニルを表す。
【0032】
本発明の目的上、アルキルアミノカルボニルは、好ましくは1個ないし6個、1個ないし4個または1個ないし2個の炭素原子を有する1個または2個の直鎖または分枝鎖のアルキル置換基(相互に独立して選択される)を有するアミノカルボニル基を表す。例えば、そして好ましくは、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、tert−ブチルアミノカルボニル、n−ペンチルアミノカルボニル、n−ヘキシルアミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジエチルアミノカルボニル、N−エチル−N−メチルアミノカルボニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−tert−ブチル−N−メチルアミノカルボニル、N−エチル−N−n−ペンチルアミノカルボニルおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノカルボニル。C−C−アルキルアミノカルボニルは、例えば、1個ないし3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノカルボニルラジカル、または、1個ないし3個の炭素原子をアルキル置換基毎に有するジアルキルアミノカルボニルラジカルを表す。
【0033】
本発明の目的上、アルキルアミノスルホニルは、好ましくは1個ないし6個、1個ないし4個または1個ないし2個の炭素原子を有する1個または2個の直鎖または分枝鎖のアルキル置換基(相互に独立して選択される)を有するアミノスルホニル基を表す。例えば、そして好ましくは、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル、n−プロピルアミノスルホニル、イソプロピルアミノスルホニル、tert−ブチルアミノスルホニル、n−ペンチル−アミノスルホニル、n−ヘキシルアミノスルホニル、N,N−ジメチルアミノスルホニル、N,N−ジエチルアミノスルホニル、N−エチル−N−メチルアミノスルホニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノスルホニル、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノスルホニル、N−tert−ブチル−N−メチルアミノスルホニル、N−エチル−N−n−ペンチルアミノスルホニルおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノスルホニル。C−C−アルキルアミノスルホニルは、例えば、1個ないし3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノスルホニルラジカル、または、1個ないし3個の炭素原子をアルキル置換基毎に有するジアルキルアミノスルホニルラジカルを表す。
【0034】
アルキルカルボニルアミノは、例えば、そして好ましくは、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n−プロピルカルボニルアミノ、イソプロピルカルボニルアミノ、n−ブチルカルボニルアミノおよびtert−ブチルカルボニルアミノを表す。
【0035】
アルコキシカルボニルアミノは、例えば、そして好ましくは、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロポキシカルボニルアミノ、イソプロポキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−ペントキシカルボニルアミノおよびn−ヘキソキシカルボニルアミノを表す。
【0036】
アルキルスルホニルアミノは、例えば、そして好ましくは、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、n−プロピルスルホニルアミノ、イソプロピルスルホニルアミノ、tert.−ブチルスルホニルアミノ、n−ペンチルスルホニルアミノおよびn−ヘキシルスルホニルアミノを表す。
【0037】
アルケニルスルホニルアミノは、例えば、そして好ましくは、ビニルスルホニルアミノ、アリルスルホニルアミノ、n−プロプ−1−エン−1−イルスルホニルアミノおよびn−ブト−2−エン−1−イルスルホニルアミノを表す。
【0038】
シクロアルキルは、通常、3個ないし7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、例えば、そして好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを表す。
【0039】
シクロアルキルアミノカルボニルは、例えば、そして好ましくは、シクロプロピルアミノカルボニル、シクロブチルアミノカルボニル、シクロペンチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニルおよびシクロヘプチルアミノカルボニルを表す。
【0040】
複素環は、通常3個ないし10個、好ましくは5個ないし8個の環原子を有し、N、O、S、SO、SOの群から3個まで、好ましくは2個までのヘテロ原子および/またはヘテロ基を有し、窒素原子はN−オキシドを形成していてもよい、単環式または二環式の複素環式ラジカルを表す。複素環ラジカルは、飽和または部分不飽和であり得る。好ましいのは、O、NおよびSの群から2個までのヘテロ原子を有する5員ないし8員の、単環式飽和複素環ラジカル、例えば、そして好ましくは、オキセタン−3−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピラニル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、チオピラニル、モルホリン−1−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3−イル、ペルヒドロアゼピニル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イルである。
【0041】
ヘテロアリールは、5員ないし10員の芳香族性単環式または二環式複素環、好ましくは、S、Oおよび/またはNの群から3個までのヘテロ原子を有する5員または6員の芳香族性単環式複素環(ここで、複素環はN−オキシドの形態で存在してもよい)、例えば、インドリル、1H−インダゾリル、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾリル、1H−ベンゾイミダゾリル、ピリジル、ピリミジル、チエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、N−トリアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリルまたはイミダゾリルを表す。好ましいのは、ピリジル、チエニル、フリルおよびチアゾリルである。
【0042】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表し、断りのない限り、フッ素および塩素が好ましい。
【0043】
一般的な、または好ましい範囲の上記のラジカルの定義は、式(I)の最終生成物、並びに、各場合で製造に必要とされる対応する出発物質および中間体の両方に適用される。
【0044】
ラジカルの各々の組合せおよび好ましい組合せにおいて個別に述べたラジカルの定義は、また、各々で述べたラジカルの組合せと関係なく、他の組合せのラジカルの定義により任意に置き換えられる。
【0045】
本発明は、また、式中、
およびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、式
【化3】

の基を形成し
《式中、
*は、RおよびRが結合している炭素原子を表し、
nは、2の数を表し、
Xは、酸素原子、硫黄原子またはNR14を表し
〈ここで、R14は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキルスルホニル、ベンジルスルホニル、−(CHCOR16または−(CHCONR1718を表す
[ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキルスルホニルは、1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員ないし10員のヘテロアリールからなる群から相互に独立して選択され
{ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される}、
【0046】
そして、
ここで、
oは、0、1、2または3の数を表し、
pは、0、1、2または3の数を表し、
16は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
17は、水素、C−C−アルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、メトキシ、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員または6員のヘテロアリールからなる群から選択される
(ここで、フェニルおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシおよびC−C−アルキルからなる群から相互に独立して選択される)}、
18は、水素またはC−C−アルキルを表す]〉、
【0047】
は、水素、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−アルキルチオを表し、
は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
10は、水素を表し、
11は、水素を表す》、
が、水素、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはフェノキシを表し、
が、水素、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシを表し、
が、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシメチル、アミノメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−シクロアルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルアミノ、C−C−アルケニルスルホニルアミノ、C−C−アルキルスルホニル(C−C−アルキル)アミノ、ベンジルスルホニルアミノ、5員または6員のヘテロアリールスルホニルアミノまたは5員ないし7員の複素環を表し
(ここで、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノおよびアルキルスルホニルアミノは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニルおよびベンジルアミノからなる群から選択される)、
が、水素、ハロゲン、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
が水素を表すか、
または、
およびRが、隣接する炭素原子に結合し、それらが結合している炭素原子と一体となって、1,3−ジオキソランを形成する、
疾患の処置および/または予防のための式(I)の化合物並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物に関する。
【0048】
本発明は、また、式中、
およびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、式
【化4】

の基を形成し
《式中、
*は、RおよびRが結合している炭素原子を表し、
nは、2の数を表し、
Xは、NR14を表し
〈ここで、R14は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、ベンジルスルホニル、−(CHCOR16または−(CHCONR1718を表す
[ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員ないし10員のヘテロアリールからなる群から相互に独立して選択され
{ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される}、
【0049】
そして、
ここで、
oは、1または2の数を表し、
pは、1または2の数を表し、
16は、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フェニルまたはベンジルオキシを表し、
17は、水素、C−C−アルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、メトキシ、フェニルおよび5員または6員のヘテロアリールからなる群から選択される
(ここで、フェニルは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシおよびC−C−アルキルからなる群から相互に独立して選択される)}、
18は、水素を表す]〉、
【0050】
は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
は、水素またはC−C−アルキルを表し、
10は、水素を表し、
11は、水素を表す》、
が、水素、ハロゲン、メチル、エトキシまたはフェノキシを表し、
が、水素、ハロゲンまたはメチルを表し、
が、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−シクロアルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルアミノ、C−C−アルケニルスルホニルアミノ、C−C−アルキルスルホニル(C−C−アルキル)アミノ、ベンジルスルホニルアミノまたは5員または6員のヘテロアリールスルホニルアミノを表し
(ここで、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノおよびアルキルスルホニルアミノは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、アミノ、C−C−アルキルアミノ、モルホリニルおよびピロリジニルからなる群から選択される)、
が、水素、ハロゲン、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
が水素を表す、
疾患の処置および/または予防のための式(I)の化合物並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物に関する。
【0051】
本発明は、さらに、式中、
およびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、式
【化5】

の基を形成し
《式中、
*は、RおよびRが結合している炭素原子を表し、
nは、1、2または3の数を表し、
【0052】
Xは、酸素原子、硫黄原子またはNR14を表し
〈ここで、R14は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキルスルホニル、ベンジルスルホニル、−(CHCOR16、−(CHCONR1718、−(CHNR24COR25または−(CHNR26SO27を表す
[ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキルスルホニルは、1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、ベンジルアミノスルホニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび−OR22からなる群から相互に独立して選択され
{ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択され、
そして、
アルコキシは、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員ないし10員のヘテロアリールからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)、
そして、
22は、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環または5員ないし10員のヘテロアリールを表す
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
【0053】
そして、
ここで、
oは、0、1、2または3の数を表し、
pは、0、1、2または3の数を表し、
qは、2または3の数を表し、
vは、2または3の数を表し、
16は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
17は、水素、C−C−アルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、メトキシ、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員または6員のヘテロアリールからなる群から選択される
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
【0054】
18は、水素またはC−C−アルキルを表し、
24は、水素またはC−C−アルキルを表し、
25は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
26は、水素またはC−C−アルキルを表し、
27は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、フェニルまたは5員ないし10員の複素環を表す
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}]〉、
【0055】
Yは、酸素原子、硫黄原子またはNR15を表し
〈ここで、R15は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキルスルホニル、ベンジルスルホニル、−(CHCOR19、−(CHCONR2021、−(CHNR28COR29または−(CHNR30SO31を表す
[ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキルスルホニルは、1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、ベンジルアミノスルホニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび−OR23からなる群から相互に独立して選択され
{ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択され、
そして、
アルコキシは、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員ないし10員のヘテロアリールからなる群から選択される1個の置換基で置換されていてもよく
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシ−スルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)、
そして、
23は、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環または5員ないし10員のヘテロアリールを表す
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}
【0056】
そして、
ここで、
rは、0、1、2または3の数を表し、
sは、0、1、2または3の数を表し、
tは、2または3の数を表し、
wは、2または3の数を表し、
19は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
20は、水素、C−C−アルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、メトキシ、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員または6員のヘテロアリールからなる群から選択される
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
【0057】
21は、水素またはC−C−アルキルを表し、
28は、水素またはC−C−アルキルを表し、
29は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
30は、水素またはC−C−アルキルを表し、
31は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、フェニルまたは5員ないし10員の複素環を表す
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}]〉、
【0058】
は、水素、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−アルキルチオを表し、
は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
10は、水素またはC−C−アルキルを表し、
11は、水素またはC−C−アルキルを表し、
12は、水素またはC−C−アルキルを表し、
13は、水素またはC−C−アルキルを表す》、
が、水素、ハロゲン、シアノ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはフェノキシを表し、
が、水素、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシを表し、
が、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシメチル、アミノメチル、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−シクロアルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、C−C−アルキルスルホニルアミノ、C−C−アルケニルスルホニルアミノ、C−C−アルキルスルホニル(C−C−アルキル)アミノ、ベンジルスルホニルアミノ、5員または6員のヘテロアリールスルホニルアミノまたは5員ないし7員の複素環を表し
(ここで、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノおよびアルキルスルホニルアミノは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニルおよびベンジルアミノからなる群から選択される)、
が、水素、ハロゲン、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
が、水素、ハロゲン、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表すか、
または、
およびRが、隣接する炭素原子に結合し、それらが結合している炭素原子と一体となって、1,3−ジオキソランを形成する、
式(I)の化合物並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物に関する。
【0059】
本発明は、また、式中、
およびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、式
【化6】

の基を形成し
《式中、
*は、RおよびRが結合している炭素原子を表し、
nは、2の数を表し、
Xは、酸素原子、硫黄原子またはNR14を表し
〈ここで、R14は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキルスルホニル、ベンジルスルホニル、−(CHCOR16または−(CHCONR1718を表す
[ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキルスルホニルは、1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員ないし10員のヘテロアリールからなる群から相互に独立して選択され
{ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される}、
【0060】
そして、
ここで、
oは、0、1、2または3の数を表し、
pは、0、1、2または3の数を表し、
16は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
17は、水素、C−C−アルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、メトキシ、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員または6員のヘテロアリールからなる群から選択される
(ここで、フェニルおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシおよびC−C−アルキルからなる群から相互に独立して選択される)}、
18は、水素またはC−C−アルキルを表す]〉、
【0061】
は、水素、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−アルキルチオを表し、
は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
10は、水素を表し、
11は、水素を表す》
が、水素、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはフェノキシを表し、
が、水素、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシを表し、
が、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシメチル、アミノメチル、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−シクロアルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、C−C−アルキルスルホニルアミノ、C−C−アルケニルスルホニルアミノ、C−C−アルキルスルホニル(C−C−アルキル)アミノ、ベンジルスルホニルアミノ、5員または6員のヘテロアリールスルホニルアミノまたは5員ないし7員の複素環を表し
(ここで、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノおよびアルキルスルホニルアミノは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニルおよびベンジルアミノからなる群から選択される)、
が、水素、ハロゲン、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
が水素を表すか、
または、
およびRが、隣接する炭素原子に結合し、それらが結合している炭素原子と一体となって、1,3−ジオキソランを形成する、
式(I)の化合物並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物に関する。
【0062】
本発明は、また、式中、
およびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、式
【化7】

の基を形成し
《式中、
*は、RおよびRが結合している炭素原子を表し、
nは、2の数を表し、
Xは、NR14を表し
〈ここで、R14は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、ベンジルスルホニル、−(CHCOR16または−(CHCONR1718を表す
[ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員ないし10員のヘテロアリールからなる群から相互に独立して選択され
{ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される}、
【0063】
そして、
ここで、
oは、1または2の数を表し、
pは、1または2の数を表し、
16は、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フェニルまたはベンジルオキシを表し、
17は、水素、C−C−アルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、メトキシ、フェニルおよび5員または6員のヘテロアリールからなる群から選択される
(ここで、フェニルは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシおよびC−C−アルキルからなる群から相互に独立して選択される)}、
18は、水素を表す]〉、
【0064】
は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
は、水素またはC−C−アルキルを表し、
10は、水素を表し、
11は、水素を表す》、
が、水素、ハロゲン、メチル、エトキシまたはフェノキシを表し、
が、水素、ハロゲンまたはメチルを表し、
が、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシメチル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−シクロアルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、C−C−アルキルスルホニルアミノ、C−C−アルケニルスルホニルアミノ、C−C−アルキルスルホニル(C−C−アルキル)アミノ、ベンジルスルホニルアミノまたは5員または6員のヘテロアリールスルホニルアミノを表し
(ここで、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノおよびアルキルスルホニルアミノは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、アミノ、C−C−アルキルアミノ、モルホリニルおよびピロリジニルからなる群から選択される)、
が、水素、ハロゲン、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
が水素を表す、
式(I)の化合物並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物に関する。
【0065】
本発明は、また、式中、Rが、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシメチル、アミノメチル、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−シクロアルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、C−C−アルキルスルホニルアミノ、C−C−アルケニルスルホニルアミノ、C−C−アルキルスルホニル(C−C−アルキル)アミノ、ベンジルスルホニルアミノ、5員または6員のヘテロアリールスルホニルアミノまたは5員ないし7員の複素環を表す
(ここで、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノおよびアルキルスルホニルアミノは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニルおよびベンジルアミノからなる群から選択される)、
式(I)の化合物に関する。
【0066】
本発明は、また、式中、Rが、C−C−アルキルカルボニルアミノまたはC−C−アルキルスルホニルアミノを表す
(ここで、アルキルカルボニルアミノおよびアルキルスルホニルアミノは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニルおよびベンジルアミノからなる群から選択される)、
式(I)の化合物に関する。
【0067】
本発明は、また、式中、RがC−C−アルキルスルホニルアミノを表す
(ここで、アルキルスルホニルアミノは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニルおよびベンジルアミノからなる群から選択される)、
式(I)の化合物に関する。
【0068】
本発明は、また、式中、RがC−C−アルキルスルホニルアミノを表す
(ここで、アルキルスルホニルアミノは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、アミノ、C−C−アルキルアミノ、モルホリニルおよびピロリジニルからなる群から選択される)、
式(I)の化合物に関する。
本発明は、また、式中、RがC−C−アルキルスルホニルアミノを表す、式(I)の化合物に関する。
【0069】
本発明は、さらに、式(I)の化合物の製造方法に関し、それは、
[A]式
【化8】

(式中、R、R、R、R、R、RおよびRは、上記の意味を有し、そして、
32は、メチルまたはエチルを表す)
の化合物を、塩基と反応させる、
または、
[B]式
【化9】

(式中、R、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を、鈴木カップリング条件下で、式
【化10】

(式中、R、RおよびRは、上記の意味を有し、そして、
Qは、−B(OH)、ボロン酸エステル、好ましくはボロン酸ピナコールエステル、または、−BF−Kを表す)
の化合物と反応させる、
の方法に従う。
【0070】
方法[A]または方法[B]に従う反応において遊離アミノ官能基を有する化合物が形成されるならば、これらのアミノ官能基を、カルボン酸、カルボン酸塩化物、アルキルハロゲン化物、ベンジルハロゲン化物またはスルホニル塩化物と、当業者に知られている反応方法により反応させることができ、かくしてさらなる式(I)の化合物を製造できる。
【0071】
方法[A]に従う反応は、一般的に、不活性溶媒中、好ましくは室温ないし溶媒の還流の温度範囲で、大気圧下で行う。
【0072】
不活性溶媒は、例えば、トルエンまたはベンゼンなどの炭化水素類、または、ジオキサン、ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルなどの他の溶媒である。これらの溶媒の混合物を使用することも可能である。ジメチルホルムアミドが特に好ましい。
【0073】
塩基は、例えば、カリウムtert.−ブチレート、水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウム、カリウムまたはリチウムヘキサメチルジシリルアミドである。カリウムtert.−ブチレートが特に好ましい。
【0074】
方法[B]に従う方法は、一般的に、不活性溶媒中、触媒の存在下、場合により補助剤の存在下、好ましくは室温ないし130℃の温度範囲で、大気圧下で行う。
【0075】
触媒は、例えば、鈴木反応条件に通常のパラジウム触媒であり、例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)/トリスシクロヘキシルホスフィンまたはビス(ジフェニルホスファンフェロセニル)パラジウム(II)クロリド、または、ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィンなどの配位子を有する酢酸パラジウム(II)などの触媒が好ましい。
【0076】
補助剤は、例えば、酢酸カリウム、セシウム、炭酸カリウムまたはナトリウム、カリウムtert.−ブチレート、フッ化セシウムまたはリン酸カリウムが用いられ、例えば、酢酸カリウムおよび/または水性炭酸ナトリウム溶液などの補助剤が好ましい。
【0077】
不活性溶媒は、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランまたは1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、キシレンまたはトルエンなどの炭化水素類、または、ジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミドなどのカルボキサミド類、ジメチルスルホキシドなどのアルキルスルホキシド類、または、N−メチルピロリドン、または、これらの溶媒の、メタノールまたはエタノールなどのアルコール類および/または水との混合物であり、1,2−ジメトキシエタンが好ましい。
【0078】
式(III)の化合物は、方法[A]により、対応する出発物質から合成し得る。
式(IV)の化合物は、知られているか、または、既知方法により、対応する出発物質から合成し得る。
【0079】
式(II)の化合物は、知られているか、または、式
【化11】

(式中、R、R、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を、第1段階で、塩化チオニルまたは塩化オキサリルと、そして、第2段階で、式
【化12】

(式中、R、RおよびR32は、上記の意味を有する)
の化合物と反応させることにより、製造できる。
【0080】
第1段階の式(V)の化合物の塩化チオニルまたは塩化オキサリルとの反応は、一般的に、不活性溶媒中、好ましくは室温ないし溶媒の還流の温度範囲で、大気圧下で行う。
【0081】
不活性溶媒は、例えば、ジクロロメタンまたはジクロロエタンなどのハロ炭化水素類、ベンゼン、キシレンまたはトルエンなどの炭化水素類、または、クロロベンゼンなどの他の溶媒であり、トルエンが好ましい。
【0082】
第2段階の、得られる酸塩化物の式(VI)の化合物との反応は、一般的に、不活性溶媒中、好ましくは50℃ないし溶媒の還流の温度範囲で、大気圧下で行う。
【0083】
不活性溶媒は、例えば、ベンゼン、キシレンまたはトルエンなどの炭化水素類、または、クロロベンゼンなどの他の溶媒であり、トルエンが好ましい。
【0084】
式(V)および(VI)の化合物は、知られているか、または、既知方法により、対応する出発物質から合成し得る。
【0085】
代替方法では、式(V)の化合物の式(VI)の化合物との反応は、式(V)の化合物のチオカルボン酸エステルを介して進めることができる。
【0086】
本発明の化合物の製造は、以下の合成スキームにより例示説明できる。
合成スキーム:
【化13】

【0087】
本発明の化合物は、予想し得なかった価値ある薬学的活性スペクトルを示す。
従って、それらは、ヒトおよび動物の疾患の処置および/または予防用の医薬としての使用に適する。
本発明の化合物は、特に、有利な抗レトロウイルス活性スペクトルを特徴とする。
本発明は、さらに、レトロウイルス、特にHIウイルスに起因する疾患の処置および/または予防のための、本発明の化合物の使用に関する。
本発明は、さらに、疾患、特に既に挙げた疾患の処置および/または予防のための、本発明の化合物の使用に関する。
本発明は、さらに、疾患、特に既に挙げた疾患の処置および/または予防用の医薬を製造するための、本発明の化合物の使用に関する。
本発明は、さらに、治療的に有効な量の本発明の化合物を使用する、疾患、特に既に挙げた疾患の処置および/または予防方法に関する。
【0088】
例として言及し得る、ヒトの医学における適応症の領域は、以下のものである:
1.)ヒトレトロウイルス感染の処置および予防。
2.)HIV I(ヒト免疫不全のウイルス;以前は、HTLV III/LAVと呼ばれた)およびHIV IIに誘導される感染および疾患(AIDS)、および、ARC(AIDS関連症候群)およびLAS(リンパ節腫大症候群)などのそれに伴う段階、および、このウイルスに起因する免疫不全および脳症の処置および予防に。
3.)単剤、多剤または多耐性HIVウイルスに起因するHIV感染の処置に。
耐性HIウイルスは、例えば、ヌクレオシド系阻害剤(RTI)、非ヌクレオシド系阻害剤(NNRTI)またはプロテアーゼ阻害剤(PI)に対する耐性を有するウイルス、または、他の活性原理のもの、例えばT20(融合阻害剤)に対する耐性を有するウイルスを意味する。
4.)AIDSキャリア状態の処置または予防に。
5.)HTLV−IまたはHTLV−II感染の処置または予防に。
【0089】
例として言及し得る獣医学における適応症は、
a)マエディビスナウイルス(ヒツジおよびヤギで)
b)進行性肺炎ウイルス(PPV)(ヒツジおよびヤギで)
c)ヤギ関節炎脳炎ウイルス(ヒツジおよびヤギで)
d)Zwoegerziekte ウイルス(ヒツジで)
e)伝染性貧血ウイルス(ウマの)
f)ネコ白血病ウイルスによる感染
g)ネコ免疫不全ウイルス(FIV)による感染
h)サル免疫不全ウイルス(SIV)による感染
による感染である。
【0090】
上記で挙げた2、3および4番は、ヒトの医学の適応症の領域において好ましい。
【0091】
本発明は、さらに、特に既に挙げた疾患の処置および/または予防のための、少なくとも1種の本発明の化合物および少なくとも1種またはそれ以上のさらなる活性物質を含む医薬に関する。
【0092】
本発明の化合物は、また、特に上記で挙げた2、3および4番において、併用療法の成分として、1種またはそれ以上のこれらの治療領域で活性のある他の化合物と共に、有利に使用できる。例えば、これらの化合物は、下記に挙げる活性原理に基づく抗ウイルス活活性物質の有効量と組み合わせて使用できる:
HIVプロテアーゼ阻害剤;例として挙げると:サキナビル、インジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、チプラナビル;
HIV逆転写酵素のヌクレオシド系および非ヌクレオシド系阻害剤;例として挙げると:ジドブジン、ラミブジン、ジダノシン、ザルジタビン(zalzitabin)、スタブジン、アバカビル、テノフォビル、アデフォビル、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ、エムトリシタビン、エトラビリン、リルピビリン(rilpivirin);
HIVインテグラーゼ阻害剤、例として挙げると:S1360、L870810;
HIV融合阻害剤;例として挙げると:ペンタフシド(pentafuside)、T1249。
シトクロムP450モノオキシゲナーゼ阻害剤;例として挙げると:リトナビル。
【0093】
この選択は、組合せの可能性を例示するためのものであるが、ここに挙げた例に限定されない;原則として、本発明の化合物と抗ウイルス活性物質の全ての組合せが、本発明の範囲内にあるとみなされる。
【0094】
本発明の化合物は、全身的および/または局所的に作用できる。この目的で、それらは、適する方法で、例えば、経口で、非経腸で、肺に、鼻腔に、舌下に、舌に、頬側に、直腸に、皮膚に、経皮で、結膜に、耳に、または、インプラントもしくはステントとして、投与できる。
【0095】
これらの投与経路のために、本発明の化合物を適する投与形で投与できる。
経口投与に適するのは、先行技術に準じて機能し、本発明の化合物を、迅速に、かつ/または、修飾された様式で放出し、そして、本発明の化合物を結晶形および/または無定形および/または溶解形で含有する投与形、例えば、錠剤(非被覆または被覆錠剤、例えば、胃液耐性であるか、または、遅れて溶解するか、もしくは、不溶であり、本発明の化合物の放出を制御する被覆を有するもの)、口腔中で迅速に崩壊する錠剤またはフィルム/オブラート、フィルム/凍結乾燥剤、カプセル剤(例えば、ハードまたはソフトゼラチンカプセル剤)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット剤、散剤、乳剤、懸濁剤、エアゾール剤または液剤である。
【0096】
非経腸投与は、吸収段階を避けて(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内)、または、吸収を含めて(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)、行うことができる。非経腸投与に適する投与形は、とりわけ、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤または滅菌散剤の形態の、注射および点滴用製剤である。
【0097】
他の投与経路に適するのは、例えば、吸入用医薬形(とりわけ、散剤吸入器、噴霧器)、点鼻薬、液、スプレー;舌に、舌下に、または頬側に投与するための、錠剤、フィルム/オブラートまたはカプセル剤、坐剤、耳または眼用製剤、膣カプセル剤、水性懸濁剤(ローション、振盪混合物)、親油性懸濁剤、軟膏、クリーム、経皮治療システム(例えばプラスター)、ミルク、ペースト、フォーム、散布用粉末剤(dusting powder)、インプラントまたはステントである。
【0098】
本発明の化合物は、上述の投与形に変換できる。これは、不活性、非毒性、医薬的に許容し得る補助剤と混合することにより、それ自体既知の方法で行うことができる。これらの補助剤には、とりわけ、担体(例えば微結晶セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば液体ポリエチレングリコール類)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えばポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えばアルブミン)、安定化剤(例えばアスコルビン酸などの抗酸化剤)、着色料(例えば酸化鉄などの無機色素)および味および/または臭気の隠蔽剤が含まれる。
【0099】
本発明は、さらに、少なくとも1種の本発明の化合物を、通常1種またはそれ以上の不活性、非毒性、医薬的に許容し得る補助剤と共に含む医薬、および既に記載した目的のためのそれらの使用に関する。
【0100】
一般に、ヒトの医学および獣医学の両方で、本発明の活性化合物を、24時間につき、全量0.1ないし200mg/体重kg、好ましくは1ないし100mg/体重kgで、必要に応じて、いくつかの個別用量の形態で投与するのが、所望の結果を達成するために有利であると明らかになった。単回用量は、活性化合物を、1ないし80mg/体重kg、特に1ないし30mg/体重kgの量で含有する。
【0101】
それにも拘わらず、必要に応じて、特に体重、投与経路、有効成分に対する個体の挙動、製剤の性質および投与を行う時間または間隔に応じて、上述の量から逸脱することが必要であり得る。従って、上述の最小量より少なくても十分な場合があり、一方上述の上限を超えなければならない場合もある。大量投与の場合、これらを1日に亘る複数の個別用量に分割するのが望ましいことがある。
【0102】
以下の試験および実施例における百分率のデータは、断りの無い限り、重量パーセントである;部は、重量部である。液体/液体溶液の溶媒比、希釈比および濃度のデータは、各場合で体積に基づく。表記「w/v」は、「重量/体積」を意味する。従って、例えば、「10%w/v」は、溶液または懸濁液100mlが物質10gを含有することを意味する。
【実施例】
【0103】
A)実施例
略号:
【表1】

【0104】
LC−MSおよびHPLCの方法:
方法1(LC−MS):装置:HPLC Agilent Series 1100 を備えた Micromass Quattro LCZ; カラム: Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:208−400nm。
【0105】
方法2(LC−MS):MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0106】
方法3(LC−MS):MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:HP 1100 Series; UV DAD;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分。2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0107】
方法4(LC−MS):装置:HPLC Agilent Series 1100 を備えた Micromass Platform LCZ;カラム:Thermo Hypersil GOLD 3μ 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分100%A→0.2分100%A→2.9分30%A→3.1分10%A→5.5分10%A;オーブン:50℃;流速:0.8ml/分;UV検出:210nm。
【0108】
方法5(LC−MS):装置:HPLC Agilent Series 1100 を備えた Micromass Quattro LCZ;カラム:Phenomenex Onyx Monolithic C18, 100 mm x 3 mm。溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2分65%A→4.5分5%A→6分5%A;流速:2ml/分;オーブン:40℃;UV検出:208−400nm。
【0109】
方法6(LC−MS):MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:HP 1100 Series; UV DAD;カラム:Phenomenex Gemini 3μ 30 mm x 3.00 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分.2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0110】
方法7(LC−MS):MS装置タイプ:Waters ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Onyx Monolithic C18, 100 mm x 3 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2分65%A→4.5分5%A→6分5%A;流速:2ml/分;オーブン:40℃;UV検出:210nm。
【0111】
GC/MS方法:
方法1(GC−MS):装置:Micromass GCT, GC6890;カラム:Restek RTX-35MS, 30 m x 250 μm x 0.25 μm;ヘリウムの一定流速:0.88ml/分;オーブン:60℃;入口:250℃;グラジエント:60℃(0.30分間保持)、50℃/分→120℃、16℃/分→250℃、30℃/分→300℃(1.7分間保持)。
【0112】
エナンチオマーの分離:
方法1(HPLC、キラル):カラム:Daicel Chiralpak AS-H, 250 mm x 20 mm, 5 μm;溶離剤:1:1イソヘキサン:エタノール/0.2%氷酢酸/1%水;オーブン:50℃;流速:15ml/分;UV検出:220nm。
【0113】
出発化合物:
実施例1A
メチル1−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレート
【化14】

濃塩酸60ml中の1−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン−4−カルボニトリル10.52g(48.64mmol)の溶液を、1時間90℃で撹拌する。反応溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、高真空下で乾燥する。得られる残渣をメタノール150mlに取り、濃硫酸6mlを添加し、混合物を1時間50℃で撹拌する。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸ナトリウム溶液でアルカリ性にする。有機相を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮する。生成物10.8g(43.6mmol、理論値の90%)を得る。
LC-MS (方法 4): Rt = 2.08 分
MS (ESIpos): m/z = 250 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.35-7.2 (m, 5H), 5.28 (s, 1H), 3.63 (s, 3H), 3.45 (s, 2H), 2.53-2.4 (m, 2H, 部分的にDMSOにより隠される), 2.38-2.2 (m, 2H), 1.9-1.78 (m, 2H), 1.59 (d, 2H).
【0114】
実施例2A
メチル3−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキシレート
【化15】

パラジウム/活性炭10%1.08g(1.02mmol)およびギ酸アンモニウム12.84g(203.6mmol)を、エタノール100mlおよび酢酸エチル100ml中のメチル1−ベンジル−3−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキシレート9g(33.9mmol)の溶液に添加し、混合物を3時間80℃で撹拌する。冷却後、反応溶液をシリカゲルで濾過し、エタノールで洗浄する。シリカゲル/生成物混合物をエタノール/アンモニア20:1の溶液と撹拌し、吸引濾過し、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮する。生成物2.19g(13.8mmol、理論値の57%)を得る。
GC-MS (方法 1): Rt = 5.43 分
MS (ESIpos): m/z = 159 (M+H)+
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 3.6 (s, 3H), 2.7-2.45 (m, 4H, 部分的にDMSOにより隠される), 1.95-1.8 (m, 1H), 1.65-1.5 (m, 2H), 1.4-1.27 (m, 1H).
【0115】
実施例3A
メチル4−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレート
【化16】

実施例1Aのメチル1−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレート15.5g(62.2mmol)、パラジウム/活性炭0.662g(0.62mmol)およびギ酸アンモニウム11.76g(186.5mmol)から出発して、実施例2Aに記載の方法に従い、生成物9.68g(60.8mmol、理論値の98%)を得る。
GC-MS (方法 1): Rt = 5.59 分
MS (ESIpos): m/z = 160
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 3.67 (s, 3H), 2.86-2.73 (m, 2H), 2.73-2.6 (m,2H), 1.85-1.7 (m, 2H), 1.5 (d, 2H).
【0116】
実施例4A
1−ベンジル−3−メチル−3−ヒドロキシピペリジン−1,3−ジカルボキシレート
【化17】

N,N−ジイソプロピルエチルアミン15.57ml(89.4mmol)を、DMF100ml中の実施例2Aのメチル3−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキシレート5.27g(29.8mmol)の溶液に添加する。氷冷しながら、DMF50ml中のベンジルクロロホルメート6.1g(35.75mmol)の溶液を滴下して添加する。撹拌を2時間室温で継続する。反応混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出する。有機相を1モル濃度の塩酸および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮する。得られる残渣を分取用HPLCにより分離する。得られる生成物の混合物をメタノール200mlに溶解し、濃硫酸を添加し、混合物を終夜還流下で撹拌する。冷却後、反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮し、高真空下で乾燥する。生成物4.9g(16.7mmol、理論値の54%)を得る。
LC-MS (方法 3): Rt = 1.98 分
MS (ESIpos): m/z = 294 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.4-7.27 (m, 5H), 5.68-5.53 (m, 1H), 5.13-4.95 (m, 2H), 3.72-3.48 (m, 4H), 3.4-3.25 (m, 2H, 部分的に水により隠される), 3.2-3.05 (m, 1H), 1.92-1.75 (m, 1H), 1.75-1.6 (m, 2H), 1.5-1.48 (m, 1H).
【0117】
実施例5A
1−ベンジル−4−メチル−4−ヒドロキシピペリジン−1,4−ジカルボキシレート
【化18】

実施例3Aのメチル4−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレート9.7g(60.75mmol)およびベンジルクロロホルメート11.4g(66.82mmol)から出発して、実施例4に記載の方法に従い、シリカゲルカラムでの精製(溶離剤:シクロヘキサン/エチルエステル1:1)の後に、生成物8.27g(28.2mmol、理論値の45%)を得る。
LC-MS (方法 2): Rt = 1.7 分
MS (ESIpos): m/z = 294 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.4-7.28 (m, 5H), 5.6 (s, 1H), 5.08 (s, 2H), 3.8-3.7 (m, 2H), 3.64 (s, 3H), 3.25-3.08 (m, 2H), 1.8-1.7 (m, 2H), 1.6 (d, 2H).
【0118】
実施例6A
(1−エトキシカルボニルシクロヘキシル)4−ブロモ−5−クロロ−2−メチルフェニルアセテート
【化19】

4−ブロモ−5−クロロ−2−メチルフェニル酢酸(WO97/01535の実施例XXIII−8)3.00g(11.4mmol)を、トルエン30ml中に提供し、塩化チオニル2.5ml(34.3mmol)を添加し、混合物を7時間80℃で、塩化水素の発生が止まるまで撹拌する。冷却後、混合物を濃縮し、生成された酸塩化物を2日間還流下で、エチル1−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボキシレート1.96g(11.4mmol)と共に、トルエン30ml中で加熱する。混合物を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/エチルエステル95:5)により精製する。生成物4.20g(理論値の88%)を得る。
LC-MS (方法 1): Rt = 3.26 分
MS (ESIpos): m/z = 417 (M+H)+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 7.63 (s, 1 H), 7.52 (s, 1 H), 4.04 (q, 2 H), 3.78 (s, 2 H), 2.23 (s, 3 H), 2.02-1.92 (m, 2 H), 1.75-1.63 (m, 2 H), 1.59-1.49 (m, 3 H), 1.45-1.20 (m, 3 H), 1.10 (t, 3 H).
【0119】
GWP1:エステル化
フェニル酢酸をトルエン中に提供し、塩化チオニル(3eq.)を添加し、混合物を80℃で塩化水素の発生が止まるまで撹拌する。冷却後、混合物を濃縮し、得られる酸塩化物を還流下で、2日間、ヒドロキシカルボン酸エステルと共にトルエン中で加熱する。混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエント)により、精製するか、または、必要に応じてジアステレオマーを分離する。あるいは、精製またはジアステレオマーの分離を、シリカゲル60のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエント)または分取用HPLC(RP18カラム、溶離剤:アセトニトリル−水グラジエント、0.1%ギ酸)により行うことができる。
【0120】
GWP2:
フェニル酢酸をトルエン中に提供し、塩化オキサリル(5eq.)を添加し、混合物を80℃で、塩化水素の発生が止まるまで撹拌する。冷却後、混合物を濃縮し、形成される酸塩化物を、終夜、ヒドロキシカルボン酸エステルと共に、トルエン中、140℃で加熱する。混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエント)により、精製するか、または、必要に応じてジアステレオマーを分離する。あるいは、精製またはジアステレオマーの分離は、シリカゲル60のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエント)または分取用HPLC(RP18カラム、溶離剤:アセトニトリル−水グラジエント、0.1%ギ酸)により行うことができる。
【0121】
実施例7A
(4−ブロモ−2−エトキシ−5−メチルフェニル)酢酸
【化20】

(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)酢酸1g(4.05mmol)を、エタノール中のナトリウムエチラートの21%溶液12ml中、マイクロ波中、3時間180°で加熱し、それにより約14barの圧力を発生させる。冷却後、飽和塩化ナトリウム溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮する。残渣を分取用HPLC(RP18カラム;溶離剤:アセトニトリル−水グラジエント、0.1%ギ酸)により精製する。収量:結晶565mg(理論値の49%)
LC-MS (方法 1): Rt = 2.10 分
MS (ESIneg): m/z = 271 (M-H)+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 12.2 (b, 1H), 7.04 (s, 1H), 7.02 (s, 1H), 4.0 (q, 2H), 3.43 (s, 2H), 2.24 (s, 3H), 1.26 (t, 3H)
【0122】
以下の化合物を、実施例6A、各GWPおよび一般的な製造の情報に従い製造する。フェニル酢酸は、WO97/01535またはWO99/55673から部分的に知られているか、または、それと同様に製造し、ヒドロキシカルボン酸エステルは、対応するシアノヒドリン類から、T. Bretschneider, J. Benet-Buchholz, R. Fischer, R. Nauen, Chimia 2003, 57, 697-701 に従い得ることができる。
【0123】
【表2】

【0124】
【表3】

【0125】
【表4】

【0126】
【表5】

【0127】
【表6】

【0128】
実施例35A
1−ベンジル−3−メチル−3−{[(4−ブロモ−5−クロロ−2−メチルフェニル)アセチル]オキシ}ピペリジン−1,3−ジカルボキシレート
【化21】

チオ炭酸−O,O−ジ−(2−ピリジルエステル)13.1g(56.23mmol)、4−ジメチルアミノピリジン0.624g(5.11mmol)および実施例4Aの1−ベンジル−3−メチル−3−ヒドロキシピペリジン−1,3−ジカルボキシレート15.3g(51.12mmol)を、トルエン250ml中の4−ブロモ−5−クロロ−2−メチルフェニル)酢酸14.8g(56.23mmol)の溶液に添加し、混合物を12時間80℃で撹拌する。冷却後、混合物をロータリーエバポレーターで濃縮し、得られる残渣を分取用HPLCにより分離する。生成物5.8g(理論値の20%)を得る。
LC-MS (方法 2): Rt = 2.96 分
MS (ESIpos): m/z = 538 (M+H)+
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 7.34 (d, 7H), 5.14-5.02 (m, 2H), 4.42-4.28 (m, 1H), 3.94 (d, 1H), 3.69-3.51 (m, 5H), 3.45-3.23 (m, 1H, 水により隠される), 3.07-2.85 (m, 1H), 2.15 (s, 3H), 2.07-1.78 (m, 2H), 1.65-1.51 (m, 2H).
【0129】
実施例36A
3−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【化22】

カリウム−tert.−ブチレート1.29g(11.5mmol)を、DMF30ml中に、アルゴン下、0℃で提供し、DMF30ml中の1−エトキシカルボニルシクロヘキシル4−ブロモ−5−クロロ−2−メチルフェニルアセテート(実施例6A)3.20g(7.66mmol)の溶液を滴下して添加し、混合物を終夜室温で撹拌する。続いて、反応混合物を氷冷1N塩酸水溶液に注ぎ、沈殿を吸引濾過により回収し、水で洗浄し、乾燥する。生成物2.73g(理論値の96%)を得る。
LC-MS (方法 1): Rt = 2.53 分
MS (ESIpos): m/z = 371 (M+H)+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 12.4 (s, 1 H), 7.68 (s, 1 H), 7.36 (s, 1 H), 2.13 (s, 3 H), 1.89 (dt, 2 H), 1.78-1.67 (m, 3 H), 1.66-1.52 (m, 4 H), 1.34-1.16 (m, 1 H).
【0130】
GWP3:ディークマン(Dieckmann)縮合
カリウムtert.−ブチレート(1.5eq)を、DMF中に、0℃で、アルゴン下で提供し、DMF中のフェニル酢酸エステルの溶液を滴下して添加し、反応混合物を終夜室温で撹拌する。続いて、反応混合物を氷冷1N塩酸水溶液に注ぎ、沈殿を吸引濾過により回収し、水で洗浄し、乾燥する。精製または、必要に応じてジアステレオマーの分離を、分取用HPLC(RP18カラム;溶離剤:アセトニトリル−水グラジエント、0.1%ギ酸)により実施する。あるいは、精製またはジアステレオマーの分離は、シリカゲル60のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエント)またはフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエント)により行うことができる。
【0131】
氷冷1N塩酸水溶液への添加の際に沈殿が形成されないならば、代替的に、水性溶液を酢酸エチルで抽出し得る。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、記載の通りに精製する。
【0132】
実施例36A、GWP3および一般的な製造の情報に従い、以下の化合物を製造する。生成物のいくつかは、ジアステレオマーまたはエナンチオマー混合物のクロマトグラフィー的分離の後に得られる。
【0133】
【表7】

【0134】
【表8】

【0135】
【表9】

【0136】
以下の化合物は、実施例6A、各GWPおよび一般的な製造の情報と同様に製造する:
【表10】

【0137】
以下の化合物は、実施例36A、GWP3および一般的な製造の情報と同様に製造する:
【表11】

【0138】
実施例55A
エチル1−[2−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メチルフェニル)アセトキシ]シクロヘプタノエート
【化23】

チオ炭酸O,O−ジ−(2−ピリジルエステル)1.388g(5.86mmol)、エチル1−ヒドロキシシクロヘプタノエート1.0g(5.37mmol)およびDMAP60mg(0.49mmol)を、MTBE25ml中の(4−ブロモ−5−クロロ−2−メチルフェニル)酢酸1.326g(4.88mmol)の溶液に添加し、混合物を終夜還流で沸騰させる。冷却後、沈殿を濾過し、濾液を真空で蒸発させる(2.5g)。イソヘキサン/酢酸エチル20:1を使用するシリカゲルクロマトグラフィーの後、油状物1.29g(理論値の45%)を得る。
LC-MS (方法 5): Rt = 4.80 分
MS (ESIpos): m/z = 507 (M+77)+
【0139】
実施例55Aの方法と同様に製造:
【表12】

【0140】
以下の化合物は、実施例36A、GWP3および一般的な製造の情報と同様に製造する。
【表13】

【0141】
例示的実施態様
以下の化合物は、実施例36A、GWP3および一般的な製造の情報と同様に製造する。
【表14】

【0142】
【表15】

【0143】
実施例17
3−(2−クロロ−5−メチルビフェニル−4−イル)−4−ヒドロキシ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【化24】

3−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン(実施例36A)100mg(0.27mmol)、フェニルボロン酸36.1mg(0.30mmol)、酢酸パラジウム(II)1.8mg(0.01mmol)、ジシクロヘキシル−(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン9.0mg(0.02mmol)および炭酸セシウム263mg(0.81mmol)を混合する。混合物を脱気し、アルゴンで2回換気し、DME1mlを添加し、混合物を脱気し、アルゴンで2回換気し、終夜50℃で加熱する。冷却後、反応混合物を1N塩酸水溶液に注ぎ、水相をDCMで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。分取用HPLC(RP18カラム;溶離剤:アセトニトリル−水グラジエント、0.1%ギ酸)の後、生成物62mg(理論値の63%)を得る。
LC-MS (方法 2): Rt = 2.49 分
MS (ESIpos): m/z = 369 (M+H)+.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 12.4 (s, 1 H), 7.52-7.38 (m, 5 H), 7.31 (s, 2 H), 2.18 (s, 3 H), 1.92 (dt, 2 H), 1.79-1.68 (m, 3 H), 1.67-1.52 (m, 4 H), 1.34-1.19 (m, 1 H).
【0144】
GWP4:鈴木カップリング(1)
アリールハロゲン化物(1.0eq)、ボロン酸(1.1eq)、触媒酢酸パラジウム(II)(0.03eq)、配位子ジシクロヘキシル−(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(0.07eq)および塩基炭酸セシウム(3eq)を混合する。混合物を脱気し、アルゴンで2回換気し、DMEを添加し、混合物を脱気し、アルゴンで2回換気し、終夜50℃で加熱する。冷却後、反応混合物を1N塩酸水溶液に注ぎ、水相をDCMで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。分取用HPLC(RP18カラム;溶離剤:アセトニトリル−水グラジエント、0.1%ギ酸)により精製を実施する。あるいは、精製は、シリカゲル60のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエント)またはフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエント)により行うことができる。
【0145】
GWP5:鈴木カップリング(2)
アリールハロゲン化物(1.0eq)、ボロン酸(1.1eq)およびDMEを混合し、脱気し、アルゴンで3回換気する。触媒テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.06eq)および脱気した20%炭酸ナトリウム水溶液(10eq)を添加し、混合物を終夜80℃で加熱する。冷却後、反応混合物を1N水性塩酸に注ぎ、水相をDCMで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。精製は、分取用HPLC(RP18カラム;溶離剤:アセトニトリル−水グラジエント、0.1%ギ酸)により実施する。あるいは、精製は、シリカゲル60のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエント)またはフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエント)により行うことができる。
あるいは、トルエンおよびエタノールの混合物も溶媒として使用でき、混合物を還流下で加熱できる。
【0146】
GWP6:鈴木カップリング(3)
アリールハロゲン化物(1.0eq)およびボロン酸(1.1eq)を、DME、水およびエタノール(3:2:1)中で混合し、脱気し、アルゴンで3回換気する。触媒のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.04eq)および炭酸セシウム(3eq.)を添加し、混合物を終夜50℃で加熱する。冷却後、反応混合物を1モル濃度の水性塩酸に注ぎ、水相をDCMで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。分取用HPLC(RP18カラム;溶離剤:アセトニトリル−水グラジエント、0.1%ギ酸)で精製を実施する。あるいは、精製は、シリカゲル60のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエント)またはフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエント)により実施できる。
【0147】
以下の化合物は、実施例17、各GWPおよび一般的な製造の情報と同様に製造する:
【表16】

【0148】
【表17】

【0149】
【表18】

【0150】
【表19】

【0151】
【表20】

【0152】
【表21】

【0153】
【表22】

【0154】
【表23】

【0155】
【表24】

【0156】
【表25】

【0157】
【表26】

【0158】
実施例94
N−[2'−クロロ−4'−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−1−オキサ−7−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−3−イル)−5'−メチルビフェニル−3−イル]メタンスルホンアミドトリフルオロアセテート
【化25】

トリフルオロ酢酸3ml中の実施例73のベンジル3−{2−クロロ−5−メチル−3'−[(メチルスルホニル)アミノ]ビフェニル−4−イル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1−オキサ−7−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−7−カルボキシレート44mg(0.07mmol)の溶液を、12時間室温で撹拌する。反応溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、精製せずにさらに反応させる。生成物50mg(0.09mmol、理論値の83%)を得る。
LC-MS (方法 1): Rt = 1.50 分
MS (ESIpos): m/z = 463 (M+H)+
【0159】
実施例95
3−[2−クロロ−5−メチル−3'−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−4−ヒドロキシ−1−オキサ−7−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン塩酸塩
【化26】

トリフルオロ酢酸15ml中の実施例74のベンジル3−[2−クロロ−5−メチル−3'−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1−オキサ−7−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−7−カルボキシレート1.4g(2.41mmol)の溶液を、12時間室温で撹拌する。反応溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、得られる残渣を分取用HPLC(溶離剤:アセトニトリル/水+1体積%1N塩酸)により分離する。生成物938mg(1.9mmol、理論値の80%)を得る。
LC-MS (方法 1): Rt = 2.93 分.
MS (ESIpos): m/z = 448 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.84-9.67 (m, 1H), 9.0-8.78 (m, 1H), 8.05-7.94 (m, 2H), 7.9-7.72 (m, 2H), 7.44 (d, 2H), 3.66-3.53 (m, 1H), 3.42 (d, 1H), 3.26-3.2 (m, 1H, 水により隠される), 3.0-2.86 (m, 1H), 2.5 (s, 3H), 2.4-2.27 (m, 1H), 2.24 (s, 3H), 2.0-1.77 (m, 3H).
【0160】
実施例96
3−[2−クロロ−5−メチル−3'−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−4−ヒドロキシ−1−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン塩酸塩
【化27】

トリフルオロ酢酸10ml中の実施例72のベンジル3−[2−クロロ−5−メチル−3'−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−8−カルボキシレート1.15g(1.97mmol)の溶液を、2時間、40℃で撹拌する。反応溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、得られる残渣を分取用HPLC(溶離剤:アセトニトリル/水+1体積%1N塩酸)により分離する。生成物700mg(1.4mmol、理論値の68%)を得る。
LC-MS (方法1): Rt = 1.49 分.
MS (ESIpos): m/z = 448 (M+H)+
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 8.9-8.67 (m, 1H), 8.67-8.47 (m, 1H), 7.99-7.9 (m, 2H), 7.86-7.7 (m, 2H), 7.4 (s, 1H), 7.29 (s, 1H), 3.28 (s, 3H), 3.18-3.0 (m, 3H), 2.3-2.07 (m, 6H), 1.72 (d, 2H).
【0161】
GWP7:
ピペリジン誘導体(1eq.)、炭酸カリウム(3eq.)およびブロモ誘導体(1.1eq.)を、DMF中で、12時間、50℃で撹拌する。冷却後、反応溶液を分取用HPLCにより分離する。
【0162】
GWP8:
対応する酸(1.6eq.)、HATU(1.5eq.)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミンを、DMF中に提供し、アミン(1eq.)を添加する。この溶液を2時間室温で撹拌する。反応混合物を1モル濃度の塩酸でクエンチし、分取用HPLCにより分離する。
【0163】
GWP9:
ピペリジン誘導体(1eq.)をピリジンに溶解し、対応する酸塩化物(1.5eq.)を添加し、混合物を2時間80℃で撹拌する。反応溶液を分取用HPLCにより分離する。
【0164】
GWP10:
ピペリジン誘導体(1eq.)をDMFに溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3eq.)を添加する。対応する酸塩化物(1.3eq.)を滴下して添加し、混合物を1時間室温で撹拌する。反応溶液を分取用HPLCにより分離する。
【0165】
以下の化合物を実施例94ないし96、各GWPおよび一般的な製造の情報から製造する。
【表27】

【0166】
【表28】

【0167】
【表29】

【0168】
【表30】

【0169】
【表31】

【0170】
【表32】

【0171】
【表33】

【0172】
【表34】

【0173】
【表35】

【0174】
【表36】

【0175】
【表37】

【0176】
【表38】

【0177】
【表39】

【0178】
実施例161
2−{3−[2−クロロ−5−メチル−3'−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1−オキサ−7−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−7−イル}−N−(ピリジン−4−イルメチル)アセトアミド
【化28】

HATU49.8mg(0.313mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン0.061mml(0.349mmol)および4−(アミノメチル)ピリジン14.2mg(0.313mmol)を、DMF5ml中の実施例160の{3−[2−クロロ−5−メチル−3'−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1−オキサ−7−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−7−イル}酢酸47mg(0.087mmol)の溶液に添加し、混合物を終夜室温で撹拌する。反応溶液を1モル濃度塩酸1mlでクエンチし、分取用HPLCにより分離する。生成物15mg(0.025mmol、理論値の28%)を得る。
LC-MS (方法 1): Rt = 1.32 分
MS (ESIpos): m/z = 596 (M+H)+
【0179】
GWP11:
HATU(1.5eq)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4eq.)および対応するアミン(1.5eq.)を、DMF中の酸(1eq.)の溶液に添加し、混合物を終夜室温で撹拌する。反応溶液を1モル濃度塩酸でクエンチし、分取用HPLCにより分離する。
【0180】
以下の化合物は、実施例161およびGWP11と同様に製造する:
【表40】

【0181】
【表41】

【0182】
【表42】

【0183】
実施例171
3−(4'−アミノ−2−クロロ−5−メチルビフェニル−4−イル)−4−ヒドロキシ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【化29】

実施例47の3−(2−クロロ−5−メチル−4'−ニトロビフェニル−4−イル)−4−ヒドロキシ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン145mg(0.35mmol)の溶液を、酢酸15ml中に提供し、鉄粉末136.9mg(2.45mmol)を添加する。反応溶液を12時間50℃で撹拌する。懸濁液を濾過し、DMSOで洗浄し、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮する。得られる残渣を分取用HPLCにより分離する。生成物130mg(0.34mmol、理論値の97%)を得る。
LC-MS (方法 2): Rt = 2.05 分
MS (ESIpos): m/z = 384 (M+H)+
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 7.52 8d, 2H), 7.38 (d, 2H), 7.31 (s, 2H), 2.18 (s, 3H), 2.05-1.87 (m, 2H), 1.8-1.43 (m, 7H), 1.37-1.16 (m, 1H).
【0184】
GWP12:
ニトロ化合物(1eq.)を酢酸中に提供し、鉄粉末(7eq.)を添加する。反応溶液を12時間50℃で撹拌する。懸濁液を濾過し、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮する。得られる残渣を分取用HPLCにより分離する。
【0185】
以下の化合物を、実施例171およびGWP12と同様に製造する:
【表43】

【0186】
実施例176
N−[2'−クロロ−4'−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−3−イル)−5'−メチルビフェニル−3−イル]メタンスルホンアミド
【化30】

メタンスルホニルクロリド0.1ml(1.27mmol)を、ピリジン15ml中の実施例172の3−(3'−アミノ−2−クロロ−5−メチルビフェニル−4−イル)−4−ヒドロキシ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン445mg(1.16mmol)の溶液に添加し、混合物を12時間40℃で撹拌する。溶媒をロータリーエバポレーターで蒸発させ、得られる残渣を分取用HPLCにより分離する。生成物386mg(0.84mmol、理論値の72%)を得る。
LC-MS (方法 2):Rt = 2.19 分
MS (ESIpos): m/z = 462 (M+H)+
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 12.4 (s, 1H), 9.91 (s, 1H), 7.49-7.38 (m, 1H), 7.34-7.21 (m, 4H), 7.16 (d, 1H), 3.04 (s, 3H), 2.18 (s, 3H), 1.99-1.83 (m, 2H), 1.81-1.48 (m, 6H), 1.35-1.17 (m, 1H).
【0187】
GWP13:
アミン(1eq.)をピリジンに溶解し、対応する酸塩化物を添加する。反応溶液を12時間40℃で撹拌し、冷却後、分取用HPLCにより分離する。
【0188】
GWP14:
対応する酸(1.6eq.)、HATU(1.5eq.)およびDMAP(4eq.)をDMF中に提供し、アミン(1eq.)を添加する。混合物を3時間室温で撹拌し、続いて分取用HPLCにより精製する。
【0189】
GWP15:
アミン(0.164mmol、1eq.)をピリジンに溶解し、対応するスルホニルクロリド(3eq.)を添加し、混合物を18時間40℃で撹拌する。冷却後、混合物を抽出し、分取用HPLCにより分離する。
【0190】
以下の化合物を、実施例176およびGWP13およびGWP14の各々と同様に製造する:
【表44】

【0191】
【表45】

【0192】
実施例184
N−[2'−クロロ−4'−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−3−イル)−4,5'−ジメチルビフェニル−3−イル]アセトアミド
【化31】

実施例83の3−(2−クロロ−4',5−ジメチル−3'−ニトロビフェニル−4−イル)−4−ヒドロキシ−1−オキサスピロ[4.5]−デカ−3−エン−2−オン155mg(0.308mmol)を、酢酸中に提供し、鉄粉末120.4mg(2.2mmol)を添加する。混合物を3時間50℃で撹拌する。反応溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、得られる中間体をピリジン4mlに取る。メタンスルホニルクロリド42mg(0.369mmol)を添加し、混合物を3時間50℃で撹拌する。生成物69mg(0.16mmol、理論値の48%)を得る。
LC-MS (方法 2): Rt = 2.18 分
MS (ESIpos): m/z = 440 (M+H)+
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ = 9.35 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.34-7.23 (m, 3H), 7.15 (d, 1H), 2.25 (s, 3H), 2.17 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 1.98-1.84 (m, 2H), 1.8-1.5 (m, 7H), 1.34-1.19 (m, 1H).
【0193】
実施例185
N−[2'−クロロ−4'−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−3−イル)−5'−メチルビフェニル−3−イル]−N−メチルメタンスルホンアミド
【化32】

水素化ナトリウム5.7mg(0.143mmol)およびヨードメタン9.2mg(0.065mmol)を、DMF2ml中の実施例176のN−[2'−クロロ−4'−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−3−イル)−5'−メチルビフェニル−3−イル]メタンスルホンアミド30mg(0.065mmol)の溶液に、酸素を排除して添加し、反応混合物を4時間室温で撹拌する。反応混合物を分取用HPLCにより分離する。生成物14mg(0.03mmol、理論値の45%)を得る。
LC-MS (方法 3):Rt = 2.62 分
MS (ESIpos): m/z = 476 (M+H)+
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ = 12.39 (s, 1H), 7.56-7.29 (m, 5H), 3.4-3.22 (m, 3H, 部分的に水により隠される), 2.97 (s, 3H), 2.19 (s, 3H), 1.96-1.84 (m, 2H), 1.8-1.66 (m, 3H), 1.66-1.5 (m, 4H), 1.33-1.18 (m, 1H).
【0194】
実施例186
5−{3−[2−クロロ−5−メチル−3'−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1−オキサ−8−アザスピロ[4.5]−デカ−3−エン−8−イル}−5−オキソペンタン酸
【化33】

50%水酸化ナトリウム溶液0.4mlを、エタノール2mlおよびTHF5ml中の実施例138のメチル5−{3−[2−クロロ−5−メチル−3'−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−8−イル}−5−オキソペンタノエート60mg(0.104mmol)の溶液に添加し、混合物を1時間室温で撹拌する。混合物を1モル濃度塩酸で酸性化し、ロータリーエバポレーターで濃縮する。得られる残渣を分取用HPLCにより分離する。生成物27mg(0.05mmol、理論値の46%)を得る。
LC-MS (方法 2): Rt = 1.60 分
MS (ESIpos): m/z = 562 (M+H)+
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ = 12.06 (s, 1H), 8.03-7.94 (m, 2H), 7.89-7.74 (m, 2H), 7.42 (d, 2H), 4.51 (d, 1H), 3.98 (d, 1H), 3.3-3.27 (s, 3H, 部分的に水により隠される), 2.84 (t, 1H), 2.41 (t, 2H), 2.29 (t, 2H), 2.23 (s, 3H), 2.17-2.05 (m, 2H), 2.04-1.93 (m, 1H), 1.8-1.62 (m, 4H).
【0195】
以下の化合物を、実施例17、各々のGWPおよび一般的な製造の情報と同様に製造する:
【表46】

【0196】
以下の化合物を、実施例176およびGWP15と同様に製造する:
【表47】

【0197】
実施例193
N−[2'−クロロ−4'−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−3−イル)−5'−メチルビフェニル−3−イル]エテンスルホンアミド
【化34】

実施例172の化合物300mg(0.657mmol)を、4時間、40℃で、THF10ml中、DMAP60mg(0.657mmol)、DIPEA0.45ml(2.63mmol)および2−クロロエチルスルホニルクロリド0.148ml(1.41mmol)と共に撹拌する。この後、さらにDIPEA0.45ml(2.63mmol)および2−クロロエチルスルホニルクロリド0.148ml(1.41mmol)を添加し、混合物を6時間60℃で撹拌する。1N塩酸6.5mlおよび飽和塩化ナトリウム溶液を混合物に添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、残渣を分取用HPLCにより精製する。固体101mg(理論値の30%)を得る。
LC-MS (方法 2): Rt = 2.28 分
MS (ESIpos): m/z = 474 (M+H)+
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 12.4 (b, 1H), 10.18 (s, 1H), 7.45-7.38 (m, 1H), 7.33-7.10 (m, 5H), 6.87-6.78 (d, 1H), 6.18-6.06 (dd, 1H), 2.18 (s, 3H), 1.99-1.85 (m, 2H), 1.81-1.50 (m, 7H), 1.35-1.17 (m, 1H).
【0198】
実施例194
2−アミノ−N−[2'−クロロ−4'−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−3−イル)−5'−メチルビフェニル−3−イル]エタンスルホンアミド
【化35】

実施例193の化合物30mg(0.056mmol)を、3週間、7Nメタノール性アンモニア4ml中、室温で静置する。反応混合物を蒸発乾固し、分取用HPLC(グラジエントアセトニトリル/水(10:90から90:10へ))により、酸を添加せずに精製する。固体12.5mg(理論値の41%)を得る。
LC-MS (方法 3): Rt = 1.75 分
MS (ESIpos): m/z = 491 (M+H)+
【0199】
実施例195
N−[2'−クロロ−4'−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−3−イル)−5'−メチルビフェニル−3−イル]−2−(ジメチルアミノ)エタンスルホンアミド
【化36】

実施例193の化合物42.6mg(0.079mmol)を、エタノール0.5mlに溶解し、40%ジメチルアミン水溶液0.5ml(3.95mmol)を添加し、混合物を18時間室温で撹拌する。反応混合物を濃縮乾固し、分取用HPLCにより精製する。表題化合物12mg(理論値の29%)を得る。
LC-MS (方法 3): Rt = 1.85 分
MS (ESIpos): m/z = 419 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.47-7.41 (m, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.16-7.22 (m, 1H), 7.21-7.16 2 (m, 1H), 7.11 (m, 1H), 2.20 (s, 3H), 1.78-1.40 (m, 9H), 1.3-1.167.16-7.22 (m, 1H) (m, 1H).
【0200】
以下の化合物を、実施例195の方法と同様に製造する:
【表48】

【0201】
以下の化合物を、各々の実施例またはGWPおよび一般的な製造の情報と同様に製造する:
【表49】

【0202】
B)生理的活性の評価
レトロウイルスに起因する疾患の処置への本発明の化合物の適合性は、以下のアッセイ系により示すことができる:
インビトロアッセイ
生化学的プロテアーゼアッセイ
試験物質を、それらのHIVプロテアーゼに対するインビトロ活性の測定のために、DMSOに溶解し、連続希釈する。各場合で物質希釈物0.5μl、バッファー1(50mM酢酸ナトリウムpH4.9、0.02%BSA、0.1mMEDTA、0.5mMDTT)中の0.2−1nM HIV−1プロテアーゼ野生型または変異型タンパク質(例えば、多耐性分離株"35513":L10I、I15V、L19I、K20R、E35D、M36I、R41K、I54V、L63P、H69K、A71V、T74P、I84V、L89M、L90M、I93L、AscoProt Biotech, Prague, Czech Republic)20μl、および、バッファー1中の8μM基質(M1865、Bachem, Bubendorf, Switzerland より; Matayoshi et al., Science 1990, 247, 954-8)20μlを、384ウェルのマイクロタイタープレート(Greiner, Frickenhausen, Germany)に連続的に添加し、60−180分間、32℃でインキュベートし、蛍光を測定する(例えば、Tecan Safire, 340nm励起、520nm発光)。物質濃度を阻害割合に対して図表的にプロットすることにより、IC50値を決定する。
【0203】
このアッセイでは、全ての例示的実施態様は、HIV−1プロテアーゼ野生型タンパク質に対して、10000nMより低いIC50を有する。表1の実施例は、100nM以下のIC50値を有する。
表1
【表50】

【0204】
集合アッセイ
集合アッセイは、HIV複製の後期を記録する。
1日目:対数的に増殖している培養物のHEK293T細胞4x10e7個を、225cmの培養フラスコ中の培地(グルコース4500mg/l、10%非動化FKS、2mMグルタミン、ペニシリン/ストレプトマイシン100μg/mlを含むD−MEM)40mlに播き、細胞培養インキュベーター中で終夜インキュベートする。
【0205】
2日目:細胞を、各回40μgのpGJ3−RT K103N/Y181Cおよびpcz−VSV−Gwt(Jassoy により提供)で同時形質移入する(Invitrogen の Lipofectamine 2000 Protocol に従う)。形質移入アッセイを5時間細胞インキュベーター中でインキュベートする。次いで、細胞をトリプシン処理し、計数する。形質移入した細胞を、新しい培地で細胞3x10e5個/mlに調節し、細胞懸濁液40μl/ウェルを、予め試験物質溶液(ペニシリン/ストレプトマイシンを含まない培地中の試験物質)10μl/ウェルを加えた白色の384MTP(Greiner)に播く。対数的に増殖している培養物のHEK293T細胞を、培地で細胞3.5x10e5個/mlの密度に調節し、この細胞懸濁液40μl/ウェルを白色384MTPに分配し、細胞培養インキュベーター中で終夜インキュベートする。
【0206】
3日目:形質移入した細胞を物質プレートに播いてから24時間後、上清10μlを各ウェルから取り、それを用いて前日に播いた細胞を感染させる。感染させた細胞を、細胞インキュベーター中で終夜インキュベートする。物質プレート上の形質移入された細胞のルシフェラーゼ活性を、ルシフェラーゼ/トリトンバッファー20μlの添加後、ルミノメーターで測定する。
【0207】
4日目:感染細胞のルシフェラーゼ活性を、ルシフェラーゼ/トリトンバッファー20μlの添加後、ルミノメーターで測定する。
【0208】
試験物質のCC50値を、処置した形質移入細胞のルシフェラーゼ活性から、処置しない対照細胞と比較して導く。
試験物質のEC50値を、感染細胞のルシフェラーゼ活性から、非感染の対照細胞と比較して導く。
【0209】
細胞培養物におけるHIV感染
Pauswels らの方法に従い、修正を加えて、HIV試験を実施する[Journal of Virological Methods 1988, 20, 309-321 参照]。
【0210】
初代ヒト血液リンパ球(PBL)を、Ficoll-Hypaque により濃縮し、RPMI 1640培地(Gibco, Invitrogen Corporation, Karlsruhe, Germany より)、20%ウシ胎児血清中で、フィトヘマグルチニン(90μg/ml)およびインターロイキン−2(40U/ml)により刺激する。感染性HIVによる感染のために、PBLをペレット化し、続いて細胞ペレットを適当に希釈したHIVウイルス吸着溶液1mlに懸濁し、1時間37℃でインキュベートする(ペレット感染)。続いて、吸着されなかったウイルスを遠心分離により除去し、感染細胞を、適する希釈の試験物質を含有する試験プレート(例えば、96ウェルマイクロタイタープレート)に移す。
【0211】
あるいは、例えば、HIV感受性の永久H9細胞(ATCC または NIAIAD, USA)を、正常ヒト血液リンパ球の代わりに使用し、本発明の化合物の抗ウイルス効果を試験する。試験目的で、感染H9細胞を、RPMI 1640培地、2%および/または20%ウシ胎児血清中で培養する。
【0212】
ウイルス吸着溶液を遠心分離し、感染した細胞ペレットを、1x10細胞/mlに合わせるように、増殖培地に取る。このようにして感染させた細胞を、96ウェルのマイクロタイタープレートのウェルに、細胞約1x10個/ウェルでピペットにより加える(ペレット感染)。あるいは、マイクロタイタープレート中での物質希釈物の調製後、そして細胞の添加後、HIVを別にピペットで加える(上清感染)。
【0213】
マイクロタイタープレートの縦の一列目は、増殖培地および、感染していないが他は厳密に上記の通りに処理した細胞のみを含有する(細胞対照)。マイクロタイタープレートの縦の二列目は、増殖培地中のHIV感染細胞のみを含有する(ウイルス対照)。残りのウェルは、本発明の化合物を異なる濃度で含有し、マイクロタイタープレートの縦の三列目のウェルから出発して、そこから試験物質を2段階で210倍に希釈する。
【0214】
あるいは、上清感染を実施し(上記参照)、そこでは、細胞を96ウェルプレートに播く。次いで、HIVウイルスを50μlの体積で添加する。
【0215】
HIVに典型的な合胞体形成が非処置ウイルス対照で現れるまで(感染後3日ないし6日)、試験アッセイを37℃でインキュベートし、次いで、それを、顕微鏡で、または、p24 ELISA検出方法(Vironostika, BioMerieux, The Netherlands)により、または、測光法または蛍光定量法で、Alamar Blue 指示染料により、評価する。これらの試験条件下で、約20−100個の合胞体が非処置ウイルス対照で生じ、非処置細胞対照では合胞体は現れない。対応して、ELISA試験は、細胞対照には0.1より小さい値を、そして、ウイルス対照には0.1ないし2.9の値を示す。Alamar Blue 処理された細胞の測光法的評価は、細胞対照には0.1より小さい吸光を示すが、ウイルス対照は、対応する波長で0.1ないし3の値を有する。
【0216】
IC50値は、ウイルスに誘導される合胞体の50%(約20−100個の合胞体)が本発明の化合物による処置で抑制される、処置感染細胞の濃度として決定される。カットオフ値は、ELISA試験において、そして、Alamar Blue を用いる測光法または蛍光測定法による測定において、対応して設定される。抗ウイルス効果の決定に加え、処置細胞培養物を、また、細胞毒性の、細胞分裂停止性の、または細胞質性の変化、並びに溶解性に関して、顕微鏡的に調べる。細胞が変化する細胞傷害性の作用を活性の濃度範囲で示す活性化合物は、抗ウイルス活性について評価しない。
本発明の化合物は、HIV−感染細胞をウイルスに誘導される細胞の破壊から保護することが見出された。
【0217】
インビボアッセイ
物質の抗ウイルス活性(つまり、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の力価を低減する能力である)を、マウスのHIVモデルで試験する。
ヒト細胞をインビトロでHIVに感染させる。インキュベーション後、感染細胞をコラーゲンスポンジ(ゼルフォーム(登録商標))に移し、免疫不全マウスの背中に皮下移植する。5−10匹の動物からなる少なくとも3つの群をインビボアッセイに使用する。1つの群は、負の対照群(プラセボ)である。1つの群は、既知の抗ウイルス活性物質(例えば、サスティバ(Sustiva))で処置し、正の対照群として供する。さらなる群では、未知活性の物質を試験する。さらなる各試験アッセイのために、各5−10匹の動物からなる群を含める。動物を様々な方法で(例えば1日2回、経口で)数日間(例えば4日間)処置する。続いて動物を殺す。血液および組織のサンプルを、さらなる分析(例えば、薬物動態)のために取ることができる。コラーゲンスポンジを取り出し、細胞が残るように酵素的に切断する。RNAおよびDNAをこれらの細胞から単離し、例えば定量的PCRにより、ウイルスの負荷量を測定する。
【0218】
プラセボおよび正の対照における活性と比較して、統計的方法を利用して、物質の抗ウイルス活性を測定する。
【0219】
C)医薬組成物の例示的実施態様
本発明の化合物は、以下の通りに医薬製剤に変換できる:
錠剤:
組成:
実施例1の化合物100mg、ラクトース(一水和物)50mg、トウモロコシデンプン(天然)50mg、ポリビニルピロリドン(PVP25)(BASF, Ludwigshafen, Germany)10mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤重量212mg、直径8mm、曲率半径12mm。
製造:
本発明の化合物、ラクトースおよびデンプンの混合物を、5%PVP水溶液(m/m)で造粒する。乾燥後、顆粒をステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を常套の打錠機で打錠する(錠剤の形状は上記参照)。15kNの圧力を、打錠のガイドラインとして使用する。
【0220】
経口投与できる液剤:
組成
実施例1の化合物500mg、ポリソルベート2.5gおよびポリエチレングリコール400 97g。本発明の化合物100mgの単回用量は、経口液剤20gに相当する。
製造
本発明の化合物を、ポリエチレングリコールとポリソルベートの混合物に、撹拌しながら懸濁する。本発明の化合物の溶解が完了するまで、撹拌操作を継続する。
【0221】
i.v.液剤:
本発明の化合物を、飽和より低い濃度で生理的に許容し得る溶媒に溶解する(例えば、等張塩水、グルコース溶液5%、30%PEG400溶液)。溶液を濾過滅菌し、無菌かつパイロジェンを含まない注射容器に分配する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疾患の処置および/または予防のための、式
【化1】

〔式中、
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、式
【化2】

の基を形成し
《式中、
*は、RおよびRが結合している炭素原子を表し、
nは、1、2または3の数を表し、
Xは、酸素原子、硫黄原子またはNR14を表し
〈ここで、R14は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキルスルホニル、ベンジルスルホニル、−(CHCOR16、−(CHCONR1718、−(CHNR24COR25または−(CHNR26SO27を表す
[ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキルスルホニルは、1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、ベンジルアミノスルホニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび−OR22からなる群から相互に独立して選択され
{ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択され、
そして、
アルコキシは、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員ないし10員のヘテロアリールからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)、
そして、
22は、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環または5員ないし10員のヘテロアリールを表す
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
そして、
ここで、
oは、0、1、2または3の数を表し、
pは、0、1、2または3の数を表し、
qは、2または3の数を表し、
vは、2または3の数を表し、
16は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
17は、水素、C−C−アルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、メトキシ、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員または6員のヘテロアリールからなる群から選択される
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
18は、水素またはC−C−アルキルを表し、
24は、水素またはC−C−アルキルを表し、
25は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
26は、水素またはC−C−アルキルを表し、
27は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、フェニルまたは5員ないし10員の複素環を表す
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}]〉、
Yは、酸素原子、硫黄原子またはNR15を表し
〈ここで、R15は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキルスルホニル、ベンジルスルホニル、−(CHCOR19、−(CHCONR2021、−(CHNR28COR29または−(CHNR30SO31を表す
[ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキルスルホニルは、1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、ベンジルアミノスルホニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび−OR23からなる群から相互に独立して選択され
{ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択され、
そして、
アルコキシは、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員ないし10員のヘテロアリールからなる群から選択される1個の置換基で置換されていてもよく
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)、
そして、
23は、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環または5員ないし10員のヘテロアリールを表す
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
そして、
ここで、
rは、0、1、2または3の数を表し、
sは、0、1、2または3の数を表し、
tは、2または3の数を表し、
wは、2または3の数を表し、
19は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
20は、水素、C−C−アルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、メトキシ、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員または6員のヘテロアリールからなる群から選択される
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
21は、水素またはC−C−アルキルを表し、
28は、水素またはC−C−アルキルを表し、
29は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
30は、水素またはC−C−アルキルを表し、
31は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、フェニルまたは5員ないし10員の複素環を表す
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}]〉、
は、水素、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−アルキルチオを表し、
は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
10は、水素またはC−C−アルキルを表し、
11は、水素またはC−C−アルキルを表し、
12は、水素またはC−C−アルキルを表し、
13は、水素またはC−C−アルキルを表す》、
は、水素、ハロゲン、シアノ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはフェノキシを表し、
は、水素、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシを表し、
は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシメチル、アミノメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−シクロアルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルアミノ、C−C−アルケニルスルホニルアミノ、C−C−アルキルスルホニル(C−C−アルキル)アミノ、ベンジルスルホニルアミノ、5員または6員のヘテロアリールスルホニルアミノまたは5員ないし7員の複素環を表し
(ここで、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノおよびアルキルスルホニルアミノは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニルおよびベンジルアミノからなる群から選択される)、
は、水素、ハロゲン、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
は、水素、ハロゲン、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表すか、
または、
およびRは、隣接する炭素原子に結合し、それらが結合している炭素原子と一体となって、1,3−ジオキソランを形成する〕
の化合物、または、その塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項2】
疾患の処置および/または予防のための、式中、
およびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、式
【化3】

の基を形成し
《式中、
*は、RおよびRが結合している炭素原子を表し、
nは、2の数を表し、
Xは、NR14を表し
〈ここで、R14は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、ベンジルスルホニル、−(CHCOR16または−(CHCONR1718を表す
[ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員ないし10員のヘテロアリールからなる群から相互に独立して選択され
{ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される}、
そして、
ここで、
oは、1または2の数を表し、
pは、1または2の数を表し、
16は、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フェニルまたはベンジルオキシを表し、
17は、水素、C−C−アルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、メトキシ、フェニルおよび5員または6員のヘテロアリールからなる群から選択される
(ここで、フェニルは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシおよびC−C−アルキルからなる群から相互に独立して選択される)}、
18は、水素を表す]〉、
は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
は、水素またはC−C−アルキルを表し、
10は、水素を表し、
11は、水素を表す》、
が、水素、ハロゲン、メチル、エトキシまたはフェノキシを表し、
が、水素、ハロゲンまたはメチルを表し、
が、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−シクロアルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルアミノ、C−C−アルケニルスルホニルアミノ、C−C−アルキルスルホニル(C−C−アルキル)アミノ、ベンジルスルホニルアミノまたは5員または6員のヘテロアリールスルホニルアミノを表し
(ここで、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノおよびアルキルスルホニルアミノは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、アミノ、C−C−アルキルアミノ、モルホリニルおよびピロリジニルからなる群から選択される)、
が、水素、ハロゲン、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
が水素を表す、
請求項1に記載の化合物、または、その塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項3】
式中、
およびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、式
【化4】

の基を形成し
《式中、
*は、RおよびRが結合している炭素原子を表し、
nは、1、2または3の数を表し、
Xは、酸素原子、硫黄原子またはNR14を表し
〈ここで、R14は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキルスルホニル、ベンジルスルホニル、−(CHCOR16、−(CHCONR1718、−(CHNR24COR25または−(CHNR26SO27を表す
[ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキルスルホニルは、1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、ベンジルアミノスルホニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび−OR22からなる群から相互に独立して選択され
{ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択され、
そして、
アルコキシは、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員ないし10員のヘテロアリールからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)、
そして、
22は、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環または5員ないし10員のヘテロアリールを表す
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
そして、
ここで、
oは、0、1、2または3の数を表し、
pは、0、1、2または3の数を表し、
qは、2または3の数を表し、
vは、2または3の数を表し、
16は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
17は、水素、C−C−アルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、メトキシ、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員または6員のヘテロアリールからなる群から選択される
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
18は、水素またはC−C−アルキルを表し、
24は、水素またはC−C−アルキルを表し、
25は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
26は、水素またはC−C−アルキルを表し、
27は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、フェニルまたは5員ないし10員の複素環を表す
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}]〉、
Yは、酸素原子、硫黄原子またはNR15を表し
〈ここで、R15は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキルスルホニル、ベンジルスルホニル、−(CHCOR19、−(CHCONR2021、−(CHNR28COR29または−(CHNR30SO31を表す
[ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキルスルホニルは、1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、ベンジルアミノスルホニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび−OR23からなる群から相互に独立して選択され
{ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択され、
そして、
アルコキシは、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員ないし10員のヘテロアリールからなる群から選択される1個の置換基で置換されていてもよく
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)、
そして、
23は、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環または5員ないし10員のヘテロアリールを表す
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}
そして、
ここで、
rは、0、1、2または3の数を表し、
sは、0、1、2または3の数を表し、
tは、2または3の数を表し、
wは、2または3の数を表し、
19は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
20は、水素、C−C−アルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、メトキシ、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員または6員のヘテロアリールからなる群から選択される
(ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
21は、水素またはC−C−アルキルを表し、
28は、水素またはC−C−アルキルを表し、
29は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシ、フェニル、ベンジルオキシまたは5員ないし10員の複素環を表し
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}、
30は、水素またはC−C−アルキルを表し、
31は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、フェニルまたは5員ないし10員の複素環を表す
{ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、5員ないし10員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリールおよび5員または6員のヘテロアリールカルボニルからなる群から選択される
(ここで、フェニル、フェノキシおよびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される)}]〉、
は、水素、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−アルキルチオを表し、
は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
10は、水素またはC−C−アルキルを表し、
11は、水素またはC−C−アルキルを表し、
12は、水素またはC−C−アルキルを表し、
13は、水素またはC−C−アルキルを表す》、
が、水素、ハロゲン、シアノ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはフェノキシを表し、
が、水素、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシを表し、
が、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシメチル、アミノメチル、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−シクロアルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、C−C−アルキルスルホニルアミノ、C−C−アルケニルスルホニルアミノ、C−C−アルキルスルホニル(C−C−アルキル)アミノ、ベンジルスルホニルアミノ、5員または6員のヘテロアリールスルホニルアミノまたは5員ないし7員の複素環を表し
(ここで、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノおよびアルキルスルホニルアミノは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニルおよびベンジルアミノからなる群から選択される)、
が、水素、ハロゲン、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
が、水素、ハロゲン、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表すか、
または、
およびRが、隣接する炭素原子に結合し、それらが結合している炭素原子と一体となって、1,3−ジオキソランを形成する、
式(I)の化合物、または、その塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項4】
式中、
およびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、式
【化5】

の基を形成し
《式中、
*は、RおよびRが結合している炭素原子を表し、
nは、2の数を表し、
Xは、NR14を表し
〈ここで、R14は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、ベンジルスルホニル、−(CHCOR16または−(CHCONR1718を表す
[ここで、アルキルおよびアルケニルは、1個ないし2個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、フェニル、5員ないし10員の複素環および5員ないし10員のヘテロアリールからなる群から相互に独立して選択され
{ここで、フェニル、複素環およびヘテロアリールは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシスルホニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から相互に独立して選択される}、
そして、
ここで、
oは、1または2の数を表し、
pは、1または2の数を表し、
16は、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フェニルまたはベンジルオキシを表し、
17は、水素、C−C−アルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、メトキシ、フェニルおよび5員または6員のヘテロアリールからなる群から選択される
(ここで、フェニルは、1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシおよびC−C−アルキルからなる群から相互に独立して選択される)}、
18は、水素を表す]〉、
は、水素、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
は、水素またはC−C−アルキルを表し、
10は、水素を表し、
11は、水素を表す》、
が、水素、ハロゲン、メチル、エトキシまたはフェノキシを表し、
が、水素、ハロゲンまたはメチルを表し、
が、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシメチル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−シクロアルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、C−C−アルキルスルホニルアミノ、C−C−アルケニルスルホニルアミノ、C−C−アルキルスルホニル(C−C−アルキル)アミノ、ベンジルスルホニルアミノまたは5員または6員のヘテロアリールスルホニルアミノを表し
(ここで、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノおよびアルキルスルホニルアミノは、1個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は、アミノ、C−C−アルキルアミノ、モルホリニルおよびピロリジニルからなる群から選択される)、
が、水素、ハロゲン、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
が水素を表す、
請求項3に記載の化合物、または、その塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項5】
請求項1に記載の式(I)の化合物の製造方法であって、
[A]式
【化6】

(式中、R、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有し、そして、
32は、メチルまたはエチルを表す)
の化合物を、塩基と反応させる、
または、
[B]式
【化7】

(式中、R、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有する)
の化合物を、鈴木カップリング条件下で、式
【化8】

(式中、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有し、そして、
Qは、−B(OH)、ボロン酸エステル、好ましくはボロン酸ピナコールエステル、または、−BF−Kを表す)
の化合物と反応させる、
を特徴とする方法。
【請求項6】
疾患の処置および/または予防のための、請求項3または請求項4のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
少なくとも1種の請求項3または請求項4のいずれかに記載の化合物を、少なくとも1種の不活性、非毒性、医薬的に許容し得る補助剤と組み合わせて含む、医薬。
【請求項8】
疾患の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項3または請求項4のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項9】
ウイルス性疾患の処置および/または予防のための、請求項7に記載の医薬。
【請求項10】
HIV感染の処置および/または予防のための、請求項8に記載の医薬。
【請求項11】
抗ウイルス的に有効な量の少なくとも1種の請求項3または請求項4のいずれかに記載の化合物、請求項7または請求項9に記載の医薬、または、請求項8に従って得られる医薬を投与することによる、ヒトおよび動物におけるウイルス性疾患の制御方法。

【公表番号】特表2010−501602(P2010−501602A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525945(P2009−525945)
【出願日】平成19年8月13日(2007.8.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007130
【国際公開番号】WO2008/022725
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(506207901)アイキュリス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】AiCuris GmbH & Co. KG
【Fターム(参考)】