説明

ビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体及び芯材の製造方法とその方法による真空発泡断熱体

【課題】 従来断熱材として使用しているビーズ法ポリスチレンの発泡体は、独立気泡体構造であるため、通気性が全く無いために、それ自体の真空引きが不可能であったが、特別な加工技術を用いることなく、簡便な手段により真空引き可能な構造体のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体及び芯材の製造方法とその方法による真空発泡断熱体を提供する。
【解決手段】 容器に発泡粒子を入れ、これを釜内の蒸気で加熱しV/W(嵩倍数)が20倍から50倍、好ましくは37倍の予備発泡ビーズ3を作り、これを金型に入れて加熱し所望の形状の芯材30とし、この芯材30を真空封止材6で被覆し真空引きをして溶着封止することにより真空発泡断熱体5が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビーズ法ポリスチレン発泡体を用いたビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体及び芯材の製造方法とその方法による真空発泡断熱体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、低炭素社会と省エネ技術の普及は量重要課題であるが、それに関連する技術に断熱技術があるが、目立たない技術であるだけに見過ごされている。しかし断熱のシステム及び断熱材料は依然として進歩していない。断熱の効果を上げるには、材料の嵩を増すか或いはコスト高のため、本質的省エネの施工になっていなく、その損失は計り知れない。断熱不良による放熱分は、冷凍機(電気)や加熱器(化石燃料)を増加させ、エネルギーの二重損失となる。かかる観点から、断熱効率の優れた断熱材、安価な材料と製造コスト、軽量と容積の僅少化とこれらのシステム技術が求められている。
【0003】
従来から使用されている断熱材は、ビーズ法ポリスチレン発泡体が大部分を占めており、鮮魚の輸送箱(どろ箱)等あらゆる包装箱に使用されている。一方、運用で廃棄した通い箱などには補強細工しなければならず、強度上適合しないものである。また、石油製品の産業廃棄物としてその処分にも問題がある。特に、保冷用断熱箱として、嵩が大となり、輸送コスト増大に繋がっているが、一方軽量、安価であるだけに普及されている。しかしもっと断熱効果のある材料が期待されている。断熱能力を増す場合は、本発泡体の肉厚を厚くしなければならず、収納箱の構造が大となり、材料コスト、輸送費、輸送スペースに影響するものとなっている。よって本発泡体自身の断熱効率を上げ、材料コストを大幅に減らすことが切実な要望である。
【0004】
もともと本発泡体の原料は、ブタンガスの発泡剤が入った1mm程のポリスチレンのビーズに蒸気をかけるとポリスチレン樹脂が軟化し、ブタンガス発泡剤の働きでビーズは膨張する(予備発泡)。この予備発泡させたビーズを金型に充填し、もう一度蒸気をかけると、更に膨張したビーズは熱で粒同士がくついて、型通りの発泡成形品となる。無数の細かな独立した空気の部屋で仕切られた独立気泡の集合体である。従って、部屋は空気の対流が少ないので、熱が伝わり難い。しかし本来固有の熱伝導率は略一定である。
【0005】
これに対して更なる熱伝導率の優れた本発泡体を得るためには、真空断熱材の適合が可能になれば良いことである。ビーズ法ポレスチレン発泡体は上記のように各気泡の部屋が独立気泡で構成されているため、全くの通気性がないため、真空断熱の芯材には適合できないのである。なお、真空断熱材の公知技術としては「引用文献1」、「引用文献2」、「引用文献3」、「引用文献4」及び「引用文献5」が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−63065(全文)
【特許文献2】特開平4−337195(全文)
【特許文献3】特開平4−29775(全文)
【特許文献4】特開平9−138058(全文)
【特許文献5】特開2006−112438(全文)
【0007】
「特許文献1」の特開2009−63065は真空断熱材の芯材が微細連続気泡をもつ発泡成形体であって、ガラス、石油合成樹脂等を超臨界状態の二酸化炭素や窒素などを発泡剤として用いた超臨界発泡成形の押し出し発泡技術である。また、「特許文献2」の特開平4−337195公報は真空包装の芯材がグラスウールマットを挿入した真空断熱材である。また、「特許文献3」の特開平4−297775は熱伝導率の低い粉末のスペーサー材と通気性連通ウレタンフオームとで成形され、その中空部にスペーサー材を真空密閉した真空断熱材である。これらは何れも技術的に真空度、熱伝導率が上がらないものである。また、「特許文献4」の特開平9−138058公報は微細のグラスウールを有機系バインダーで固め成形した芯材を真空被覆断熱材があるが、バインダーガスの発生により真空度が保たれない。また、「特許文献5」の特開2006−112438公報はバインダーを用いず芯材に無機繊維集合体を用いた真空断熱材の成形方法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上の観点から、ビーズ法ポリスチレン発泡体(発泡スチロール)は、構造が夫々独立した細かな空気の部屋(セル)が独立気泡で仕切られており、空気の通気性は全く無いことが特徴であり、それゆえ熱を通しにくく、軽量、安価なことと、それ自体が断熱材として普及している。然し、これが真空断熱材として、独立気泡で、通気性が無いため、前記に提案される「特許文献」に係る発明は総て発泡スチロールではない材料による真空断熱材が提案されている。
然し、材料コスト、前処理、製造コスト、真空適応性等から満足すべき材料が無いのが現状である。しかしながら、真空断熱材の性能をアップすることは材料や製造コストの節減と設計条件を有利にし、省エネと石油の消費を抑制することになる。
【0009】
本発明は以上の事情に鑑みて発明されたものであり、ビーズ法ポリスチレン発泡体を用いて通気性がよく低コスト及び省エネの可能なビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体及び芯材の製造方法とその方法による真空発泡断熱体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以上の目的を達成するために、請求項1のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の芯材の製造方法の発明は(以下、本発明と言う)、ビーズ法ポリスチレン発泡体の原料の発泡粒子を容積V(ml)の容器に質量W(g)挿入し蒸気で加熱して予備発泡倍数(嵩倍数)V/Wの値を20倍から50倍の予備発泡ビーズを作成し、この予備発泡ビーズを金型に入れて加熱して形成されることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の本発明は、前記嵩倍数V/Wが37倍であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の本発明は、真空発泡断熱体の製造方法であって、該方法は、請求項1又は2に記載の製造方法による前記芯材を真空封止材で被包して真空引きした後に前記真空封止材を封止することを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の本発明は、前記嵩倍数が、37倍以上の芯材の場合には前記芯材内に貫通細孔を形成することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の本発明は、前記真空封止材が、ガスバリア性被覆体からなることを特徴とする。
【0015】
また、請求項6の本発明は、前記ガスバリア性被覆体が、ポリエチレン、ナイロン等の機密性樹脂フイルム及び該フイルムを被覆するアルミフイルム、アルミ蒸着フイルム、金属薄板からなることを特徴とする。
【0016】
また、請求項7の本発明は、前記芯材と前記真空封止材との間にポリエステルネットのスペーサ又はゲッター材を介設することを特徴とする。
【0017】
また、請求項8のビーズ法ポリスチレン発泡材を用いた真空発砲断熱体の発明は、前記請求項3乃至7に記載の真空発泡断熱体の製造方法により製造されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の芯材の製造方法によれば、予備発泡倍数(嵩倍数)のV/Wの値を20倍乃至50倍にすることにより通気性が良くなり、真空引きが可能となり、芯材がパネル状になり変形が少ない断熱性のある発泡スチロールの芯材を製作することができる。
【0019】
また、本発明の請求項2のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の芯材の製造方法によれば、予備発泡倍数(嵩倍数)を37倍にすることにより、最も通気性と軽量性の両方の利点を有する芯材を形成することができる。
【0020】
また、本発明の請求項3のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の製造方法によれば、請求項1又は2によって製造された芯材を用い、これを真空封止材で被包して真空引して封止することによりパネル形状で変形の少ない真空発泡断熱体を作ることができる。
【0021】
また、本発明の請求項4のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の製造方法によれば、V/Wの嵩倍数が37倍を越える倍数のものの場合には真空引きが十分に出来ないため貫通細孔を設けこの貫通細孔によって真空引きを可能にすることができ、結果として所望の形状の真空発泡断熱体を得ることができる。
【0022】
また、本発明の請求項5のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の製造方法によれば、ガスバリア性被覆体により芯材を被包して真空封止することができ、これにより真空断熱板として容易に製造商品化でき、構造材として流通することができる。
【0023】
また、本発明の請求項6のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の製造方法によれば、ガスバリア性被覆体としてポリエチレン、ナイロン等の樹脂フイルムやアルミフイルム、アルミ蒸着フイルムや金型薄板が用いられこれにより安価の真空断熱体が容易に出来る効果が上げられる。
【0024】
また、本発明の請求項7のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の製造方法によれば、芯材と真空封止材との間にスペーサやゲッター材を介在させることによって芯材と被覆体とが真空室内で接触して熱伝達が低下することを防止することができる。
【0025】
また、本発明の請求項8のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体によれば、前記の請求項3乃至7に記載の製造方法によって所望の形状及び性能の真空断熱体を作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の予備発泡ビーズの製造方法を示す模式図工程図(a),(b),(c),(d)。
【図2】本発明のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の芯材の製造方法を示す模式的工程図(a),(b)。
【図3】本発明のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の内のV/Wが37倍のものを示す模式的断面図。
【図4】本発明のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の内のV/Wが50倍のものを示す模式的断面図。
【図5】本発明のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の真空封止材を示す部分断面図。
【図6】本発明のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の詳細構造の一例を示す断面図。
【図7】本発明のビーズ法ボリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の内のV/Wが50倍以上のものを示す模式的断面図でありこのものは本発明の除外品となる。
【図8】また、本発明におけるビーズ法ポリスチレン発泡体の発泡粒子(ビーズ)の気泡の変化とその形状や隙間を示す断面図であり、(a)はV/Wが30倍、(b)は60倍、(c)は80倍のものを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の芯材や真空発泡断熱体及びその製造方法の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0028】
まず、実施例の説明に先立ってV/Wの倍数とその場合の気泡の形態を図8により説明する。
ビーズ法ポリスチレン発泡体の原料である発泡粒子を嵩倍数V/Wの値を30倍、60倍、80倍にしたものが図8(a)、図8(b)、図8(c)に示されている。ここで、R1,R2,R3は夫々の場合の気泡径であり、d1,d2,d3は夫々の場合気泡膜厚(気泡と気泡との間の壁の厚み)である。また、嵩倍数が変わっても図示のように気泡数は同一である。図示のように嵩倍数が小さい方がR値は小さく、逆に嵩倍数が小さい方がd値は大きい。即ち、図8に示す通り、80倍のモデルは気泡径は大きく、気泡膜厚は薄くなり、気泡同士の密着性は良好となり、機密性が優れ、強固な独立気泡を形成している。一方、発泡倍数30倍は、気泡径は小さいため、気泡膜厚は厚くなり、気泡同士の密着性が疎になり、不均一な結合状態となり、空隙を作ることになる。従って、独立気泡の気密性が保持されないで、通気性があるポーラス状を形成している。30倍、60倍、80倍の夫々の気泡膜厚dは前記のようにd1>d2>d3の傾向にあり、倍数が小さいほど気泡膜厚は大となり、また、通気性は増える傾向にある。
【0029】
以上のように発泡倍数が大きいほど、発泡体の空気の部屋(独立気泡)は大きくなり、同じ容積なら質量は軽くなる。一方、発泡倍数が小さいほど、独立気泡は小さくなり、同じ容積では質量は重くなる。
以上のビーズ法ポリスチレン発泡体は、無数の細かい空気の部屋が独立気泡で仕切られているため、隙間はなく、通気性は全くなく、それ自体の断熱性に優れ、断熱成形体等に最も利用されている断熱材である。
ここにおいて、安価、断熱性に優れた材料でありながら、これを真空断熱材の芯材に利用することが出来なかったのは、前記に説明したように、独立気泡であるため、通気性はなく、真空引きが不可能であった。なお、前記のように特許文献技術に挙げた「引用文献」の何れにも、発泡スチロールを真空断熱材の芯材に使用できないものである。
【0030】
発泡スチロールが、真空断熱材の芯材として使用できる実施例について説明する。一般には、発泡スチロールが使用される製品の発泡倍数は、15倍〜100倍の範囲であるが、倍数に応じて夫々商品の用途分野がある。15倍〜20倍の前後は工作機械ロボットの加工部品用トレイ等、30倍〜40倍前後は、製品保護のクッション成形に使用されている。断熱材としては、20倍〜100倍の範囲であるが、倍数の高い50倍以上が一般的である。
気泡倍数の大小により、気泡径と気泡膜厚が異なることに着目し、独立気泡であり、真空引きが出来ないとされていたが、真空引きのテストを試験した結果、真空引きの出来る範囲があることが判明した。テストの結果、発泡倍数が60倍、80倍は真空引きは出来なかったが、40倍以下37倍、35倍、20倍が真空引きが可能な範囲があることが判明した。特に、37倍が真空引きが顕著であった。以上により30倍〜40倍の発泡スチロールは、真空引き可能な通気性のある好適材料であることが判明した。
このことから、発泡倍数の大きい方はそれ自身で断熱材であり、倍数の小さい方は、熱伝導率が大となり、断熱材には適さない傾向である。しかし、通気性があるために、真空断熱体の芯材に適用出来ることが解った。
【実施例1】
【0031】
次に、ビーズ法ポリスチレン発泡体の発泡粒子を用いての予備発泡ビーズを作る工程図の概要を図1に示す。
容器1内に例えば、1mm径の発泡粒子2を入れる(図1(a))。次に、この容器1を釜内に入れて蒸気で加熱する。この加熱温度の変化により発泡粒子2が膨張して嵩倍数V/Wの異なる予備発泡ビーズ3が出来る(図1(b))。ここで図1(b)において3aは嵩倍数37倍のものであり、3bは嵩倍数60倍のものであり、夫々の大きさや形態が異なる。なお、図1(c)及び図1(d)は図1(a)及び図1(b)の横断面図であり、図1(d)は図1(b)を拡大視したものである。
【実施例2】
【0032】
図2は製品としての芯材30の製造方法の1つを示す模式的工程図である。図1に示した方法によって製作された予備発泡ビーズ3を図2(a)に示すように金型4内に充填し、もう一度蒸気をかけることにより、予備発泡ビーズ3の粒同士がくっつき、結果として金型4通りの芯材30ができる。なお、図2(b)におけるAで示す芯材30Aは嵩倍数37倍のものであり、Bで示す芯材30Bは嵩倍数60倍のものである。
【実施例3】
【0033】
図3は以上のようにして製造された芯材30を用いた真空発泡断熱体5の一例を示す。図3に示す真空発泡断熱体5aは嵩倍数37倍の芯材30Aを用いたものである。
図示のように真空発泡断熱体5aは芯材30Aを真空封止材6で被覆し、真空引きをして芯材30Aの形を整えた後、真空封止材6を溶着封止して完成される。
【実施例4】
【0034】
図4の真空発泡断熱体5bは嵩倍数が50倍の芯材30Bを用いたものです。このものは通気性が不十分のため芯材30B内に貫通細孔8を設けたものからなります。その他の全体の製造は前記の図3のものと同一であり、重複説明を省略する。
【実施例5】
【0035】
図5は真空発泡断熱体5aや5b及び後に説明する真空発泡断熱体5c等の芯材30A,3B,3Cを被覆する真空封止材6の一例を示すものである。このものはアルミ箔6aをポリエチレンフイルム6b及びナイロンフイルム6cで覆ったものからなる。なお、この真空封止材6は以上のものに限定するものではなくガスバリア性被覆体からなり、このガスバリア性被覆体は、例えば、ポリエチレン、ナイロン等の気密性樹脂フイルム及び該フイルムを被覆するアルミフイルム、アルミ蒸着フイルム、金属薄板等からなる。
【実施例6】
【0036】
図6は本発明の真空発泡断熱体5の詳細構造の1つを示すものである。図示のように、この真空発泡断熱体5は芯材30Aを真空封止材6で被覆すると共に芯材30Aと真空封止材6との間にポリエステルネットのスペーサ又はゲッタ材7を介在させたものからなる。これにより断熱と水分やガスの吸着を行い真空度の経年保持をするためのものである。
【0037】
図7は真空発泡断熱体5cを示すものであるが、このものは芯材30Cが嵩倍数50倍以上のものであり、真空引きが不可能のものであり形態としては本発明に係る真空発泡断熱体5a,5bと似ているが本発明に係るもの以外の断熱材であり、参考として図示したものである。
【0038】
本発明は以上の内容のものからなるが、本発明は以上の説明に限定するものでなく、同一技術的範疇のものに適用されることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明のビーズ法ポリスチレン発泡体(発泡スチロール)を、真空断熱材に適用されることは、従来の発泡スチロールの限界を超えて、断熱の範囲が飛躍的に拡大される。保冷、保温用通い箱や貯蔵箱の輸送の手段が一変し、省エネと低炭素の貢献は大きいものとなる。真空断熱パネルによる新しい用途開発が期待される。一般断熱体の製造方法と同じであり、原料も同じであり、安価な真空断熱材が得られる。断熱効率が良くなり、石油原料の節約に繋がることになる。
【符号の説明】
【0040】
1 容器
2 発泡粒子
3 予備発泡ビーズ
3a 予備発泡ビーズ
3b 予備発泡ビーズ
3c 予備発泡ビーズ
4 金型
5 真空発泡断熱体
5a 真空発泡断熱体
5b 真空発泡断熱体
5c 真空発泡断熱体
6 真空封止材
6a アルミ箔
6b ポリエチレンフイルム
6b ナイロンフイルム
7a ポリエステルネットのスペーサ又はゲッタ材
8 貫通細孔
30A 芯材
30B 芯材
30C 芯材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空発泡断熱体の芯材の製造方法であって、該方法はビーズ法ポリスチレン発泡体の原料の発泡粒子を容積V(ml)の容器に質量W(g)挿入し蒸気で加熱して予備発泡倍数(嵩倍数)V/Wの値を20倍から50倍の予備発泡ビーズを作成し、この予備発泡ビーズを金型に入れて加熱して形成されることを特徴とするビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の芯材の製造方法。
【請求項2】
前記嵩倍数V/Wが37倍であることを特徴とする請求項1に記載のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の芯材の製造方法。
【請求項3】
真空発泡断熱体の製造方法であって、該方法は、請求項1又は2に記載の製造方法による前記芯材を真空封止材で被包して真空引きした後に前記真空封止材を封止することを特徴とするビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の製造方法。
【請求項4】
前記嵩倍数が、37倍以上の芯材の場合には前記芯材内に貫通細孔を形成することを特徴とする請求項3に記載のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の製造方法。
【請求項5】
前記真空封止材が、ガスバリア性被覆体からなることを特徴とする請求項3又は4に記載のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の製造方法。
【請求項6】
前記ガスバリア性被覆体が、ポリエチレン、ナイロン等の機密性樹脂フイルム及び該フイルムを被覆するアルミフイルム、アルミ蒸着フイルム、金属薄板からなることを特徴とする請求項5に記載のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の製造方法。
【請求項7】
前記芯材と前記真空封止材との間にポリエステルネットのスペーサ又はゲッター材を介設することを特徴とする請求項5又は6に記載のビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体の製造方法。
【請求項8】
前記請求項3乃至7に記載の真空発泡断熱体の製造方法により製造されることを特徴とするビーズ法ポリスチレン発泡体を用いた真空発泡断熱体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−56882(P2011−56882A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211221(P2009−211221)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(502073496)
【出願人】(597054817)山形化成工業株式会社 (2)
【出願人】(508343984)
【Fターム(参考)】