説明

ピッキングシステム

【課題】保管部で物品をピッキングするピッキング作業の回数を少なくすると共に、ピッキング作業の全般において必要となる容器(搬送容器・出荷容器)の数を少なくし、仕分けに必要なスペースを狭めることのできるピッキングシステムを提供する。
【解決手段】ピッキングシステム2であって、各保管部でピッキングされた複数のオーダーを集約した種類・数量の物品を収容する搬送容器5と、搬送容器5を搬送するピッキングライン6A・6B・合流ライン9と、各オーダーで要求された種類・数量の物品に仕分けられた物品を収容する出荷容器7と、出荷容器7を搬送する出荷ライン10と、搬送容器5に収容される物品を出荷容器7に仕分けする仕分け部8と、搬送容器5より取り出された物品をオーダーの違いに基づいてどの出荷容器7に仕分けるかを指示する表示ランプと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
物品の種類別に設けられた保管部のそれぞれより物品をピッキングして、出荷先のオーダーで要求される種類・数量の物品を集約して容器に収容するピッキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、物品の種類別に設けられた保管部から物品をピッキングして、出荷先のオーダーで要求される種類・数量の単位で集約して出荷用の容器(出荷容器)に収容するピッキング方式として、オーダーピッキング方式と、トータルピッキング方式と、が知られている。
トータルピッキング方式は、次のような方式である。例えば、その日に出荷する物品を、まず、各種類単位で集計する。そして、物品の種類毎に設けられた搬送容器を、多数の物品が保管されている多数の保管部(種類別の保管庫の群)に沿って移動させ、目的の種類の物品が保管されている保管部に近いステーションに停止させ、例えば作業者が搬送装置が目的の種類の物品を、その種類について集計された個数だけピッキングして搬送容器に収容する。収容が済んだ搬送容器は、仕分け部へ搬送される。一方、仕分け部には、その日に出荷する全出荷先の出荷容器を待機させている。そして、搬送容器内の物品を、仕分け部で、出荷先毎に設けられた出荷容器のそれぞれに仕分けする。全種類の物品に対して同様の処理を行って、出荷先毎に、種類別に物品を出荷容器に仕分けしていく。そして、全種類の物品について、仕分けが終了した段階で、各出荷容器には、その出荷先毎にオーダーされた種類・数量の物品が揃った状態となる。このようにして出荷容器に物品が揃った時点で、出荷が行われる。
一方、オーダーピッキング方式は、出荷先毎に設けられている搬送容器を、多数の物品が保管されている多数の保管部(種類別の保管庫の群)に沿って移動させ、目的の種類の物品が保管されている保管部に近いステーションに停止させ、例えば作業者や搬送装置が目的の種類の物品をオーダーの数だけピッキングして搬送容器に収容する。そして、オーダーにある次の物品が収容されている保管部に近いステーションに搬送容器を停止させ、ピッキングする。これを繰り返して順にピッキングしていき、オーダーで要求される種類・数量の物品の全てのピッキングが済むと、この搬送容器を出荷容器として、出荷する方式である(特許文献1)。
なお、出荷時には、出荷容器自体を出荷する場合もあるが、出荷容器内の物品を梱包した状態で出荷することもある。
【0003】
トータルピッキングは、一度に同じ物品をピッキングするため、多数の物品を少ない出荷先にピッキングする際に、必要な搬送容器の数と、出荷容器(仕分け部)と保管部との間で搬送容器を往復させる回数が少ない点で、優れている。
また、オーダーピッキングは、出荷先が多い場合は、ピッキングが完了すると、搬送容器を出荷容器にしてそのまま出荷できるため、仕分け部および仕分け作業が不要な点で、優れている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−227909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、トータルピッキングは、オーダーが完了するまで、一度のトータルピッキングで対象とする全出荷先の出荷容器を仕分け部に待機させておく必要があり、出荷先が多いと、その仕分け部のスペースを広く設けておくことが必要で、仕分け作業も大変であるという問題があった。
一方、オーダーピッキングは、保管部で物品をピッキングするピッキング作業の回数が多く、このピッキング作業の度に、保管部とステーションとの間で作業者や搬送装置を往復させてピッキングの効率が良くない上、全オーダーと同じ数の搬送容器を搬送させるため、搬送容器の搬送量が多くなる。このため、搬送設備の能力やピッキング作業の能力が高く要求されるという問題があった。
このように、トータルピッキングおよびオーダーピッキングのどちらにも、長所短所があり、出荷先の数や扱い量により、どちらかのピッキング方式が選択されていた。
【0006】
つまり、解決しようとする問題点は、保管部で物品をピッキングするピッキング作業の回数を少なくすると共に、ピッキング作業の全般において必要となる容器(搬送容器・出荷容器)の数を少なくし、仕分けに必要なスペースを狭めることのできるピッキングシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
請求項1に係るピッキングシステムは、
物品の種類別に設けられた保管部のそれぞれより物品をピッキングして、出荷先のオーダーで要求される種類・数量の物品を集約して容器に収容するピッキングシステムであって、
前記各保管部でピッキングされた複数のオーダーを集約した種類・数量の物品を収容する搬送容器と、
前記搬送容器を搬送する搬送容器搬送手段と、
前記各オーダーで要求された種類・数量に仕分けられた物品を収容する出荷容器と、
前記出荷容器を搬送する出荷容器搬送手段と、
前記搬送容器に収容される物品を前記出荷容器に仕分けする仕分け部と、
前記搬送容器より取り出された物品を、オーダーの違いに基づいて、どの出荷容器に仕分けるかを指示する指示手段と、
前記搬送容器から全ての物品が取り出されると、前記仕分け部から前記搬送容器および前記出荷容器をそれぞれ移動させるように、前記搬送容器搬送手段及び前記出荷容器搬送手段を制御する制御手段と、
を設けた、ものである。
【0009】
搬送容器搬送手段や出荷容器搬送手段は、搬送容器や出荷容器と一体であるか別体であるかを問わない。別体の搬送手段としては、例えば、コンベア等の搬送装置がある。一体の搬送手段としては、搬送容器に設ける自走装置がある。
指示手段は、搬送容器に収容される各物品がどのオーダーで要求されるものであるか、を作業者に認識させる手段であれば、その構成を問わない。物品にバーコード等を利用してIDを付与し、そのIDの検出結果に基づいて、画像表示出力や音声出力によって、作業者に認識させる手段であっても良い。あるいは、物品そのものに、作業者が視覚的にオーダーの相違を認識できるマーキングを添付する手段であっても良い。
【0010】
以上構成により、次の作用がある。
搬送装置で単位時間あたりに搬送可能な搬送容器の数よりも、多くのオーダーが、この単位時間あたりに処理される。
【0011】
請求項2に係るピッキングシステムは、請求項1において、次の構成としたものである。
前記仕分け部は、
前記各出荷容器に物品が収容されたことをそれぞれ検出する物品検出手段と、
前記物品検出手段が前記搬送容器から前記出荷容器に仕分けられた物品を検出し、その物品が前記指示手段の指示と反する前記出荷容器であった場合に、収容間違いの発生を警告する警告手段と、を備えたものである。
【0012】
請求項3に係るピッキングシステムは、請求項1または請求項2において、次の構成としたものである。
前記仕分け部は、
前記搬送容器搬送手段で搬送される前記搬送容器を支持する搬送容器支持手段と、
前記出荷容器搬送手段で搬送される前記出荷容器を支持する出荷容器支持手段と、
を備え、
前記搬送容器支持手段と、前記出荷容器支持手段と、はそれぞれ前記搬送容器及び前記出荷容器を支持した状態で、平面視で部分的に重なるように配置した、ものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0014】
請求項1においては、
複数のオーダーを集約して搬送容器に収容するため、保管部で物品をピッキングするピッキング作業の回数が、オーダーで要求される物品の種類毎にピッキング作業する場合と比べて、減らすことができ、搬送設備の能力やピッキング作業の能力が高く要求されないで済む。
また、出荷容器をトータルピッキングのように多数同時に待機させておく必要がないので、仕分け部を省スペースにすることができる。さらに、搬送容器から全ての物品が取り出されると、搬送容器と出荷容器とをそれぞれ搬送するため、オーダー毎に出荷容器とその収納スペースとを設ける場合に比し、仕分け部を省スペースにすることができる。
【0015】
請求項2においては、請求項1の効果に加えて、
収納間違いの発生時点で、収納間違いの発生を、作業者に警告することができる。
【0016】
請求項3においては、請求項1または請求項2の効果に加えて、
搬送容器と出荷容器とが上下に部分的に重なる状態で支持されるので、作業者が搬送容器から出荷容器へ物品を移動させるのに要する距離を、短くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の一実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0018】
図1を用いて、物流拠点1と、この物流拠点1に備えるピッキングシステム2とを、説明する。
物流拠点1は、物流センター等の物品4(図2から図5に図示)の集積拠点のことである。この物流拠点1には、物品4の種類別に設けられた保管部の群と、これらの保管部の群より物品4をピッキングするピッキングシステム2と、が備えられている。
【0019】
保管部には、物品4の保管手段と、この保管手段から物品4をピッキングするためのピッキング手段と、が備えられている。保管手段は、例えば、保管部内に配置される棚であって、この棚に物品4が収容される。また、ピッキング手段は、自動式とする場合は、棚から物品4を取り出すスタッカークレーンのような移載装置が該当し、手動式とする場合は、作業者自体、が該当する。
【0020】
保管部は、物品の種類別およびラインの系統別に、物流拠点1内に複数設けられている。
これら保管部の群は、後述するピッキングライン6A・6Bの違いより、2系統に分類されると共に、各系統において、物品4の種類別にも分類される。
まず、系統別では、A系統の保管部3A1・3A2・・・3A14と、B系統の保管部3B1・3B2・・・3B14と、がある。同一の系統において、異なる保管部には、異なる種類の物品4が保管されている。また、異なる系統同士で、符号の末尾が同一の保管部(保管部3A11と保管部3B11など)には、同一の種類の物品4が保管されている。
【0021】
物流拠点1には、外部の入荷元より物品4が搬入されて、それらの物品4が保管部に保管される。また、外部の出荷先よりオーダーがあると、そのオーダーで要求される物品4が集められて、その集められた物品4群が、この物流拠点1より出荷先に向けて搬出される。搬出は、配送用のトラック等により行われる。
【0022】
なお、本実施例では、A系統とB系統との二系統で、ピッキングできるように、ピッキングライン6A・6Bと、各ライン専用の保管部3A1・・・3A14および保管部3B1・・・3B14とを設け、保管部3A1・3B1など対応する順番の保管部同士には、同じ種類の物品を保管するようにしている。
この構成に代えて、保管部3A1と保管部3B14、保管部3A2と保管部3B13など、ラインは異なるが隣接する保管部同士に、同じ種類の物品を保管しておくようにしても良い。この場合、保管部3A1から保管部3B14に物品を受け渡すなど、柔軟なピッキングが可能となる。
【0023】
ピッキングライン6A・6Bに沿って、各保管部に対応する位置に、搬送容器5の停止位置となるステーション14が設けられている。
このステーション14に搬送容器5が停止した状態で、保管部に収容される物品4がピッキングされて、搬送容器5に収容される。
【0024】
出荷先のオーダーは、要求する物品4の種類・数量の組み合わせとして構成される。
このオーダーに応じて、保管部3A1に保管される物品4を2個、保管部3A3に保管される物品4を5個、保管部3A12に保管される物品4を3個、等、ピッキング作業により集める作業が必要となる。
このピッキングを担当する手段が、ピッキングシステム2である。
【0025】
ピッキングシステム2は、各保管部でピッキングされた物品4が投入される搬送容器5と、この搬送容器5を搬送するピッキングライン6A・6Bおよび合流ライン9と、オーダーごとに設けられる出荷容器7と、搬送容器5内の物品4を出荷容器7に仕分ける仕分け部8・8・・・と、出荷容器7を搬送する出荷ライン10と、ピッキング計画を管理するホストコンピュータ13と、を備えている。
また、出荷ライン10の下流側には、出荷容器7を配送用のトラックに移載する移載部11が設けられている。
【0026】
ピッキングライン6A・6Bは、互いに独立したラインとして構成されている。
ピッキングライン6Aは、A系統の保管部3A1・3A2・・・の全体を経由するように、搬送容器5を搬送する搬送手段である。同様に、ピッキングライン6Bは、B系統の保管部3B1・3B2・・・の全体を経由するように、搬送容器5を搬送する搬送手段である。
また、ピッキングライン6A・6Bの終端部は共に、合流ライン9の始端部に接続されている。また、ピッキングライン6A・6Bの始端部は共に、合流ライン9の終端部に接続されている。
【0027】
つまり、ピッキングライン6A・6Bおよび合流ライン9は、搬送容器5を搬送する搬送容器搬送手段である。特に、ピッキングライン6A・6Bは、ピッキング作業を伴う領域で、搬送容器5を搬送する搬送容器搬送手段である。また、仕分け部8に設けられている搬送側仕分けライン25(後述)も、搬送容器搬送手段の一つである。
なお、本実施の形態では、ピッキングライン6A・6Bおよび出荷ライン9は、コンベアシステムである。
【0028】
出荷ライン10は、出荷容器7を搬送する搬送容器搬送手段である。本実施の形態では、出荷ライン10は、コンベアシステムである。また、仕分け部8に設けられている出荷側仕分けライン27(後述)も、出荷容器搬送手段の一つである。
【0029】
仕分け部8は、合流ライン9の一部と、出荷ライン10の一部とが、略重複する領域に、複数配置されている。この略重複する領域では、合流ライン9と出荷ライン10とが並列かつ近い位置に配置されている。
各仕分け部8には、合流ライン9上を搬送される搬送容器5が供給されると共に、出荷ライン10上を搬送される出荷容器7が供給される。そして、この仕分け部8において、合流ライン9より供給される搬送容器5内の物品4が、出荷ライン10より供給される出荷容器7・7へと、仕分けられる。
【0030】
ホストコンピュータ13は、予め設定されたピッキング計画に基づいて、搬送容器5や出荷容器7の搬送を制御する。
ここで、ピッキング計画とは、保管部の全体より物品4をピッキングして、各オーダーで必要とされる種類・数量の物品4を出荷容器7に収容させて、移載部11に送り出すまでの、ピッキング作業全体の指令内容を意味する。このピッキング計画において、一つの搬送容器5に割り付ける複数のオーダーが設定されており、この搬送容器5に、これら複数のオーダーで要求される種類・数量の物品4を集約できるように、ピッキング対象の物品4のある保管部の特定や、ピッキング対象の物品4のある保管部でピッキングすべき物品4の数量の設定が、行われている。
なお、優先度の高いオーダーがある場合は、通常は複数のオーダーが割り付けられる搬送容器5に、その優先度の高いオーダー一つのみを割り付けるものとする。以下では、基本的に、複数のオーダーを搬送容器5に割り付ける場合について説明する。
【0031】
ホストコンピュータ13は、物品4の収容された搬送容器5の一つに、複数の出荷容器7を手配する。具体的には、物品4の収容された搬送容器5は、合流ライン9より複数ある仕分け部8のいずれか一つに搬送されるが、この同じ仕分け部8に、出荷ライン10より複数の出荷容器7が搬送される。
ここで、搬送容器5に収容されている物品4は、複数のオーダーで要求される種類・数量の物品4である。これに対して、出荷容器7に収容する物品4は、一つのオーダーで要求される種類・数量の物品4である。仕分け部8において、一つの搬送容器5に対して用意される出荷容器7の個数は、この搬送容器5が担当しているオーダーの数、と同じである。
物品4の仕分けが終了すると、ホストコンピュータ13は、一つのオーダーで要求される種類・数量の物品4が収容された出荷容器7を、移載部11へと送り出す。
【0032】
ホストコンピュータ13は、各搬送容器5や各出荷容器7の管理を、これらの容器に付されたバーコード等のIDに基づいて、行う。保管部や仕分け部8等、搬送容器5や出荷容器7の停止位置には、容器5・7に付されたIDを読み取るIDリーダーが配置されている。ホストコンピュータ13は、これらのIDリーダーからの読取り情報に基づいて、各停止位置に停止している搬送容器5や出荷容器7を特定する。そして、その停止位置に配置されている端末装置に、搬送容器5や出荷容器7に割り当てられている作業内容を、送信する。
具体的には、例えば、搬送容器5が保管部に、単なる通過ではなく、ピッキングした物品4を収容させるために移動してきた場合、その保管部の端末装置に、その保管部でピッキングすべき物品4の数量を、送信する。その数量は、その端末装置に接続される表示モニタに表示され、その表示内容に基づいて、作業者が棚から物品4をピッキングして、その搬送容器5に投入する。
【0033】
ピッキング方法(ピッキング作業の流れ)は、大まかには、次のようなものである。
このピッキング方法は、物品の種類別に設けられた保管部のそれぞれより物品をピッキングして、出荷先のオーダーで要求される種類・数量の物品を集める方法であり、ピッキング工程と、分配工程と、を備えている。
ピッキング工程では、ピッキング対象とする各保管部を一巡するように変更しながら、各保管部より物品4をピッキングして、複数のオーダーを集約した種類・数量の物品4を集める作業が行われる。
分配工程では、ピッキング工程で集められた複数のオーダーを集約した種類・数量の物品4を、各オーダーで要求される種類・数量の物品4に分配する作業が行われる。
【0034】
ピッキング作業の流れは、より詳しくは、次のようなものとなる。
まず、空の搬送容器5が、合流ライン9の下流側より、ピッキングライン6A・6Bのそれぞれへと、供給される。この搬送容器5には、複数のオーダーを集約した種類・数量の物品4が、同時に投入される。
ピッキングライン6Aに供給された搬送容器5は、ピッキングライン6Aに沿って、A系統の保管部3A1・・・を経由するように搬送される。この搬送中に、保管部3A1・・・でピッキングされた物品4が、搬送容器5に投入される。より詳しくは、保管部を次々と、一巡するように、搬送容器5が搬送されながら、ピッキングすべき種類の物品4がある保管部のステーション14では搬送容器5が停止させられて、この保管部からピッキングされた物品4が、この搬送容器5に収容される。
ここで、ピッキングされて搬送容器5に投入される物品4は、複数のオーダーの全体で要求される種類の物品4であり、オーダーにない物品4は投入されない。また、オーダーで要求される種類の物品4が、要求される数量だけピッキングされて、搬送容器5に投入される。そして、この搬送容器5がA系統の保管部3A1・・・の全体を通過した際には、この搬送容器5内に、複数のオーダーを集約した種類・数量の物品4が収容された状態となる。
【0035】
ピッキングライン6Bに供給された搬送容器5についても、ピッキングライン6Bに沿って、B系統の保管部3B1・・・を経由するように搬送される。そして、この搬送容器5がB系統の保管部3B1・・・の全体を通過した際には、この搬送容器5内に、複数のオーダーで要求された種類・数量の物品4が収容された状態となる。
【0036】
次いで、搬送容器5は、ピッキングライン6A・6Bから合流ライン9へと搬送され、複数あるうちのいずれかの仕分け部8へと供給される。この仕分け部8には、搬送容器5の他に、この搬送容器5に対応して、複数の空の出荷容器7が供給される。そして、搬送容器5に収容されている物品4が、各出荷容器7へと仕分けられる。つまり、搬送容器5に収容されている複数のオーダーで要求される物品4群を、各オーダーで要求される物品4群に分配して、各出荷容器7へと投入する作業が、この仕分け部8で行われる。
【0037】
なお、本実施の形態では、搬送容器5は、60リットルの容積を有する折畳式の容器であり、出荷容器7は、40リットルの容積を有する折畳式の容器である。対応するオーダーの数の違い上、当然ながら、搬送容器5の容量の方が、出荷容器7の容量よりも大きく設定されている。
【0038】
出荷容器7は、オーダーで要求される種類・数量の物品4が収容されると、出荷ライン10に沿って搬送され、移載部11へと送られる。移載部11において、出荷容器7は、出荷ライン10より取り出されて、配送用のトラックに移載される。そして、出荷先へと、出荷容器7が搬出される。
【0039】
一方、仕分け部8において物品4が移し替えられて、空となった搬送容器5は、再び合流ライン9へと戻される。空の搬送容器5は、合流ライン9を搬送されて、ピッキングライン6A・6Bの始端部へと送られる。
なお、合流ライン9の終端部(仕分け部8群よりも下流側)には、搬送容器保管部12が設けられている。新規のオーダー数が少なくて、ピッキングライン6A・6Bに供給する必要のない搬送容器5は、この搬送容器保管部12に保管される。
【0040】
次に、図2から図5を用いて、仕分け部8の構成を説明する。
図2、図3に示すように、仕分け部8は、合流ライン9および出荷ライン10が並列に配置されている領域に配置されている。
仕分け部8には、合流ライン9や出荷ライン10との間で搬送容器5や出荷容器7の搬入・搬出に係る装置と、搬送容器5内の物品4を出荷容器7に仕分ける作業に係る装置と、が備えられている。
【0041】
仕分け部8に備える装置において、搬送容器5や出荷容器7の搬入・搬出に係る装置は、合流ライン9に接続される搬送側仕分けライン25と、出荷ライン10に接続される出荷側仕分けライン27と、合流ライン9用の容器IDリーダー35と、出荷ライン10用の容器IDリーダー37と、端末装置20と、ラベル供給装置31と、である。
【0042】
図2に示すように、相対的に見て、合流ライン9および搬送側仕分けライン25は上段側に配置され、出荷ライン10および出荷側仕分けライン27は下段側に配置されている。
【0043】
図3、図4に示すように、搬送側仕分けライン25は、出荷用の物品4が収容された搬送容器5を合流ライン9より仕分け部8に取り込み、物品4の仕分け作業の後、空となった搬送容器5を合流ライン9に送り返すためのラインである。
この搬送側仕分けライン25は、コ字状に三つのコンベア、搬入コンベア25a、待機コンベア25b、搬出コンベア25c、を組み合わせて構成されている。待機コンベア25bは合流ライン9と平行に配置され、待機コンベア25bと合流ライン9とを橋架するように、他のコンベア25a・25cが配置される。
【0044】
待機コンベア25bは、搬送容器5の搬送装置であるが、搬送容器5内の物品4を出荷容器7に仕分ける際に、搬送容器5を停止させる位置(停止位置P5)を備えている。この待機コンベア25bは、搬送側仕分けライン25において、合流ライン9より最も外側に張り出した位置にある。搬入コンベア25aは、合流ライン9上の物品4を収容した搬送容器5を、待機コンベア25b上に供給する搬送装置である。また、搬出コンベア25cは、物品4の仕分けが終わって空となった搬送容器5を、合流ライン9上へ再び戻す搬送装置である。
【0045】
図3、図5に示すように、出荷側仕分けライン27は、空の出荷容器7を出荷ライン10より仕分け部8に取り込み、物品4の仕分け作業の後、出荷用の物品4が収容された搬送容器5を出荷ライン10に送り返すためのラインである。
この出荷側仕分けライン27は、E字状に四つのコンベア、搬入コンベア27a、待機コンベア27b、第一搬出コンベア27c、第二搬出コンベア27d、を組み合わせて構成されている。待機コンベア27bは出荷ライン10と平行に配置され、待機コンベア27bと出荷ライン10とを橋架するように、他のコンベア27a・27c・27dが配置される。
【0046】
待機コンベア27bは、出荷容器7の搬送装置であるが、搬送容器5内の物品4を出荷容器7に仕分ける際に、出荷容器7を停止させる位置(停止位置P7)を備えている。この待機コンベア27bは、出荷側仕分けライン27において、出荷ライン10より最も外側に張り出した位置にある。搬入コンベア27aは、出荷ライン10上の空の出荷容器7を、待機コンベア27b上に供給する搬送装置である。また、搬出コンベア27cは、物品4の仕分けが終わって物品4で満たされた出荷容器7を、出荷ライン10上へ再び戻す搬送装置である。
【0047】
仕分け部8に配置される端末装置20は、前述した、搬送容器5や出荷容器7の停止位置P5・P7に対応して配置される端末装置の一つである。
この端末装置20は、容器IDリーダー35による搬送容器5のID読取り情報に基づいて、その搬送容器5を特定する。また、端末装置20は、特定された搬送容器5のIDを、ホストコンピュータ13に記憶されるピッキング計画の内容に照会して、そのデータを取り込み、その搬送容器5に割り当てられているオーダー全体の内容を認識する。このとき、その搬送容器5が、物品4の収容された状態にあるのか、空荷であるのか、が端末装置20で特定される。そして、端末装置20は、空荷の搬送容器5については合流ライン9をそのまま搬送させ、物品4の収容された搬送容器5については仕分け部8へと搬入させる。仕分け部8への搬入は、より詳しくは、端末装置20が、合流ライン9及び、その仕分け部8の搬入コンベア25aを制御して、その仕分け部8の待機コンベア25bへと搬送することで、行われる。なお、本実施例では、仕分け部8に係る合流ライン9や搬送側仕分けライン25等は、端末装置20が制御するが、コンベアを制御する制御手段が、制御するようにしてもよい。
また、この端末装置20は、容器IDリーダー37による出荷容器7のID読取り情報に基づいて、その出荷容器7を特定する。なお、空の出荷容器7にはバーコード等のIDは付されておらず、仕分け部8に出荷容器7が搬入された段階で、IDが付されるものとなっている。このIDの添付は、ラベル供給装置31より供給されるラベルを、作業者30が出荷容器7に貼り付けることで行われる。
【0048】
各仕分け部8に備える装置において、搬送容器5内の物品4を出荷容器7に仕分ける作業に係る装置は、次の装置である。
各物品4のIDを検出するIDリーダー21と、各物品4の仕分け先となる出荷容器7を指示する表示ランプ22・22と、収納間違いの発生を検出する監視センサー23・23と、収納間違いの発生を警告する警告ブザー24と、端末装置20と、表示モニタ29と、である。
ここで、表示ランプ22および監視センサー23は、物品4の仕分け先となる出荷容器7の数(本実施形態では二個)と同数だけ設けられている。
また、端末装置20は、搬送容器5や出荷容器7の管理を担当する制御装置として機能するだけではなく、仕分け対象となる物品4の管理を担当する制御装置としても機能する。
【0049】
各仕分け部8には、作業者30が配置されており、この作業者30が、搬送容器5内の物品4を出荷容器7に仕分ける作業を行う。
【0050】
図3から図5には、二つの仕分け部8が図示されているが、左側の仕分け部8では、これまで述べてきたような仕分け作業、つまり一つの搬送容器5内の物品4を二つの出荷容器7に仕分ける作業が行われている。これに対して、右側の仕分け部8では、一つの搬送容器5内の物品4を、単に、一つの出荷容器7に移し替える作業が行われている。ピッキング作業の優先度が高いオーダーについては、仕分け部8での作業時間が短縮されるように、仕分け作業をすることなく、単なる移し替え作業で、出荷容器7にオーダーで要求される物品4群を収容させるようにしている。
以下では、図3から図5の左側の仕分け部8で行われる仕分け作業について説明する。
【0051】
図2、図3に示すように、仕分け部8には、物品4の取出し元たる待機コンベア25bと、物品4の仕分け先たる待機コンベア27bと、が配置されている。
待機コンベア25bは、合流ライン9(搬送容器搬送手段)で搬送される搬送容器5を支持する搬送容器支持手段である。また、待機コンベア27bは、出荷ライン10(出荷容器搬送手段)で搬送される出荷容器7を支持する出荷容器搬送手段である。
物品4は、待機コンベア25bに支持されている搬送容器5より、待機コンベア27bに支持されている出荷容器7・7へと、仕分けされる。
【0052】
図2に示すように、仕分け部8に備える容器支持手段(コンベア25b・27b)のレイアウトは、作業者30の作業性を考慮して、次のように構成されている。
待機コンベア25bは、この待機コンベア25bに停止する搬送容器5の開口位置(上面)が、平均的身長の作業者30の胸付近の高さ位置となるように、配置されている。また、搬送容器5内の物品4が作業者30に取り易くなるように、前傾(作業者30側に傾斜)可能に構成されている。
待機コンベア27bは、この待機コンベア27bに停止する出荷容器7の開口位置(上面)が、平均的身長の作業者30の腰より下方位置となるように、配置されている。
また、平面視では、待機コンベア25b(物品4の取出し元)と、待機コンベア27b(物品4の仕分け先)とが、部分的に重なる位置関係にあって、待機コンベア25bより待機コンベア27bの方が、合流ライン9・出荷ライン10よりも若干外側に張り出した位置にある。
【0053】
このように、搬送容器5と出荷容器7とが上下に部分的に重なる状態で支持されるので、搬送容器5から出荷容器7へ物品4を移動させるのに要する距離を、短くすることができる。また、作業者30が、搬送容器5の開口位置と、出荷容器7の開口とを、同時に見ることが出来るようになっている。この結果、作業者30の仕分け作業における負担を軽減することができる。
物品4の仕分け作業は、大まかには、作業者30が、搬送容器5の開口内に手を入れて物品4を掴み、その物品4を出荷容器7の開口内へと投入するものである。
【0054】
IDリーダー21は、待機コンベア25bの先端(反合流ライン9側端)に配置されている。作業者30は、搬送容器5より掴み取った物品4を、出荷容器7に投入するのに先立って、このIDリーダー21の正面位置に物品4を移動させ、このIDリーダー21に、物品4に添付されたIDを読み取らせる。ここで、各物品4には、バーコード等のIDが付されている。
【0055】
端末装置20は、物品4のID検出に基づいて、各物品4の仕分け先となる出荷容器7を特定する手段である。本実施形態では、二つのオーダーに対応する一つの搬送容器5に対して、一つのオーダーに対応する二つの出荷容器7が、仕分け部8に手配(搬送)される。つまり、搬送容器5から取り出された物品4が、二つの出荷容器7のうち、どちらの出荷容器7に投入すべきものであるかが、端末装置20により特定される。
ここで、端末装置20は、ホストコンピュータ13に照会することで、仕分け部8に停止している搬送容器5に割り当てられている複数のオーダーの内容を、認識する。そして、端末装置20は、搬送容器5より取り出される各物品が、二つのオーダーのどちらのオーダーで要求される物品4であるかを特定する。また、二つの出荷容器7が仕分け部8に搬送されて容器IDリーダー37にIDを読み取られた段階で、各出荷容器7には一つのオーダーが、ホストコンピュータ13により割り当てられる。そして、端末装置20は、各物品4の仕分け先を、その物品を要求するオーダーが割り当てられた出荷容器7に、特定する。
【0056】
表示ランプ22は、IDリーダー21によるID読み取りと、端末装置20による仕分け先とする出荷容器7の特定と、に基づいて、仕分け先とする出荷容器7を、作業者30に指示する指示手段である。
表示ランプ22は、待機コンベア25bの先端(反合流ライン9側端)に、二箇所配置されている。ここで、待機コンベア27b上には、出荷容器7が二個同時に停止されられるものであり、各出荷容器7の停止位置P7に対応して、各出荷容器7の上方位置に、各表示ランプ22が設けられている。
【0057】
そして、搬送容器5から取り出された物品4のIDが、IDリーダー21で読み取られて、端末装置20が仕分け先の出荷容器7を特定すると、端末装置20は、特定された出荷容器7に対応する表示ランプ22を消灯状態から点灯状態に移行する。あるいは、表示ランプ22の表示色を(緑から赤など)変更させる。このとき、残りの表示ランプ22(指示されていない出荷容器7に対応する表示ランプ22)については、その表示状態は変更されない。
このため、作業者30は、表示ランプ22の表示を見て、仕分け先とする出荷容器7を特定することができる。そして、作業者30は、指示された仕分け先の出荷容器7へ、IDリーダー21にIDを読み取らせている物品4を、投入する。
【0058】
なお、仕分け先とする出荷容器7を作業者30に指示する指示手段の構成としては、IDリーダー21と端末装置20との協動に基づいて作動する表示ランプ22に限定されない。例えば、前記収容部3においてピッキングした物品4を搬送容器5に収容する際に、各物品4にオーダーに応じたマーキング付ラベルを貼り付けるようにして、そのマーキングの違いで、作業者30に指定の出荷容器7を特定させるようにしてもよい。
【0059】
監視センサー23は、出荷容器7に物品4が投入されたか否かを検出する検出手段である。
監視センサー23は、待機コンベア25bの先端(反合流ライン9側端)に、二箇所配置されている。この監視センサー23も、表示ランプ22と同様に、待機コンベア27b上における各出荷容器7の停止位置P7に対応して、各出荷容器7の上方位置に、それぞれ設けられている。
【0060】
この監視センサー23は、より詳しくは、出荷容器7の開口の上方位置で、この開口を覆う面領域を監視し、この面領域を物品4が通過したか否かを検出するように構成されている。出荷容器7に向けて物品4が投入されると、この物品4が、この出荷容器7の開口に対応する前記面領域を通過して、この監視センサー23に検出される。
【0061】
前記端末装置20は、各出荷容器7・7に物品4が収容されたことをそれぞれ検出する物品検出手段でもある。
この端末装置20は、二つの監視センサー23・23からの検出情報を元に、搬送容器5から取り出された物品4が、どの出荷容器7に収容されたのかを検出する。また、端末装置20は、前述したように、物品4のID検出に基づいて、各物品4の仕分け先となる出荷容器7を特定する。この特定に応じて、仕分け先とする出荷容器7を指示すべく、表示ランプ22の表示状態が変更される。
そして、端末装置20は、監視センサー23・23からの検出情報と、仕分け先となる出荷容器7を特定結果とを元に、物品4が正しい出荷容器7(仕分け先として指示された出荷容器7)に投入されたか否かを、判断することが可能である。
【0062】
前記警告ブザー24は、物品検出手段である端末装置20が各出荷容器7に収容されたことを検出した物品4について、その物品4が表示ランプ22の指示に反した出荷容器7に投入された場合に、収納間違いの発生を警告する警告手段である。
前述したように、端末装置20は、物品4の投入された出荷容器7が、その物品4の仕分け先とすべき出荷容器7であるか否かを、判断する。ここで、物品4が指示通りの正しい出荷容器7に収容された場合は、問題はない。一方、物品4が指示に反する出荷容器7に収容された場合は、オーダーに対応しない物品4が、その出荷容器7に収容されたことになる。そこで、物品4が指示に反する出荷容器7に収容された場合には、端末装置20は、警告ブザー24に指令して、警告音を音声出力させる。そして、この音声出力により、作業者30に、収納間違いが発生した時点で、収納間違いが発生したことを認識させるように、警告する。
【0063】
また、警告手段としては、前記警告ブザー24だけでなく、各出荷容器7に対応して設けられている表示ランプ22・22をも利用するものとしてもよい。具体的には、物品4が指示に反する出荷容器7に収容された場合には、その指示に反する出荷容器7に対応する表示ランプ22を点滅表示させるなどして、作業者30に、収納間違いの発生を認識させるものである。
【0064】
出荷容器7に仕分ける際に物品4を検品する検品手段について説明する。
ここで、検品とは、次の内容を確認する作業をいう。本実施の形態では、この確認内容は二種類ある。第一種の確認内容は、仕分けによって出荷容器7に収容される物品4がオーダーで要求される種類の物品であるか否か、である。第二種には、出荷容器7に収容された物品4の全体が、オーダーで要求される種類・数量を満たすか否か、である。
この検品を行う手段は、IDリーダー21の検出情報と、ホストコンピュータ13に記憶されるオーダーの内容と、に基づいて作動する端末装置20である。
【0065】
第一種の検品(確認作業)は、搬送容器5から取り出した物品4を出荷容器7に仕分ける際、つまりIDリーダー21に物品4のIDが読み取られて、表示ランプ22が出荷容器7を指示した際に、行われる。
このとき、端末装置20は、IDリーダー21による物品4のID検出と、ホストコンピュータ13に照会して得るオーダーの内容と、に基づいて、出荷容器7に収容される物品4が、オーダーで要求される種類の物品であることを検出する。
【0066】
第二種の検品(確認作業)は、搬送容器5から出荷容器7への物品4の仕分けが終了した段階で行われる。
端末装置20は、物品4の仕分け作業の際に、各出荷容器7内に収容された物品の種類・数量を計測している。物品の種類・数量の一カウントは、物品4のIDがIDリーダー21で検出され、その物品4が正しく指示の仕分け先の出荷容器7に収容されたことを、監視センサー23・23からの検出情報に基づいて確認する度に、行われる。
このようにして、端末装置20が出荷容器7内に収容されたと認識する物品4の全体(端末装置20の認識内容)が、その出荷容器7に割り当てられたオーダーの内容と一致する場合、端末装置20は、その出荷容器7の出荷ライン10への搬出を許可する。一方、端末装置20の認識内容と、その出荷容器7に割り当てられたオーダーの内容とが一致しない場合、端末装置20は、その出荷容器7の出荷ライン10への搬出を禁止し、作業者30やホストコンピュータ13に、収納間違いの発生を警告する。この警告の実施も、作業者30に対する警告の場合は、前記警告ブザー24や表示ランプ22・22を利用するものとする。
【0067】
表示モニタ29は、端末装置20の画像出力装置である。
この表示モニタ29には、例えば、端末装置20で実行している処理内容が、画像出力表示されるものである。具体的には、例えば、搬送容器5に割り当てられているオーダーの内容の一覧や、出荷容器7に割り当てられるオーダーの内容の一覧が、表示される。また、物品4の仕分けに伴って変化する搬送容器5や出荷容器7の中身、つまり、現在時点で搬送容器5に収容されている物品4の一覧や、現在時点で出荷容器7に収容されている物品4の一覧を、画像出力表示させるようにしてもよい。
あるいは、各物品4の仕分け先となる出荷容器7を指示する画像出力表示を行わせて、前記指示手段としても利用できる。さらに、収納間違いが発生した場合に、該当する出荷容器7や、間違えて収容された物品4を指示する情報を、画像出力表示させるようにして、前記警告手段としても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】ピッキングシステムの適用された物流拠点の構成を示す図である。
【図2】仕分け部の構成を示す横断面図である。
【図3】仕分け部の構成を示す平面図である。
【図4】搬送容器に係る仕分け部の構成を示す平面図である。
【図5】出荷容器に係る仕分け部の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0069】
2 ピッキングシステム
3A1・・・、3B1・・・ 保管部
4 物品
5 搬送容器
6A・6B ピッキングライン(搬送容器搬送手段)
7 出荷容器
8 仕分け部
9 合流ライン(搬送容器搬送手段)
10 出荷ライン(出荷容器搬送手段)
22 表示ランプ(指示手段)
24 警告ブザー(警告手段)
25 搬送側仕分けライン(搬送容器搬送手段)
27 出荷側仕分けライン(出荷容器搬送手段)
20 端末装置(制御手段・物品検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の種類別に設けられた保管部のそれぞれより物品をピッキングして、出荷先のオーダーで要求される種類・数量の物品を集約して容器に収容するピッキングシステムであって、
前記各保管部でピッキングされた複数のオーダーを集約した種類・数量の物品を収容する搬送容器と、
前記搬送容器を搬送する搬送容器搬送手段と、
前記各オーダーで要求された種類・数量に仕分けられた物品を収容する出荷容器と、
前記出荷容器を搬送する出荷容器搬送手段と、
前記搬送容器に収容される物品を前記出荷容器に仕分けする仕分け部と、
前記搬送容器より取り出された物品を、オーダーの違いに基づいて、どの出荷容器に仕分けるかを指示する指示手段と、
前記搬送容器から全ての物品が取り出されると、前記仕分け部から前記搬送容器および前記出荷容器をそれぞれ移動させるように、前記搬送容器搬送手段及び前記出荷容器搬送手段を制御する制御手段と、
を設けた、
ことを特徴とするピッキングシステム。
【請求項2】
前記仕分け部は、
前記各出荷容器に物品が収容されたことをそれぞれ検出する物品検出手段と、
前記物品検出手段が前記搬送容器から前記出荷容器に仕分けられた物品を検出し、その物品が前記指示手段の指示と反する前記出荷容器であった場合に、収容間違いの発生を警告する警告手段と、
を備えた、
ことを特徴とする請求項1に記載にピッキングシステム。
【請求項3】
前記仕分け部は、
前記搬送容器搬送手段で搬送される前記搬送容器を支持する搬送容器支持手段と、
前記出荷容器搬送手段で搬送される前記出荷容器を支持する出荷容器支持手段と、
を備え、
前記搬送容器支持手段と、前記出荷容器支持手段と、はそれぞれ前記搬送容器及び前記出荷容器を支持した状態で、平面視で部分的に重なるように配置した、
ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のピッキングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−153490(P2007−153490A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−348549(P2005−348549)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】