ピッキングシステム
【課題】作業効率の向上を図ることができるピッキングシステムを提供する。
【解決手段】ピッキングシステム1は、両第1保管棚手段11間に位置する第1通路13と、両第2保管棚手段12間に位置する第2通路14とを備える。ピッキングシステム1は、1次ピッキング作業者Aがピッキングした物品を収納するカート9と、このカート9をセットするゲート8とを備える。ゲート8には、2次ピッキング作業者Bに対してピック指示を出す指示手段を設ける。一の作業日には、第1通路13で1次ピッキング作業者Aがピッキング作業をすると同時に第2通路14で棚入れ作業者が棚入れ作業をする。他の作業日には、第2通路14で1次ピッキング作業者Aがピッキング作業をすると同時に第1通路13で棚入れ作業者が棚入れ作業をする。
【解決手段】ピッキングシステム1は、両第1保管棚手段11間に位置する第1通路13と、両第2保管棚手段12間に位置する第2通路14とを備える。ピッキングシステム1は、1次ピッキング作業者Aがピッキングした物品を収納するカート9と、このカート9をセットするゲート8とを備える。ゲート8には、2次ピッキング作業者Bに対してピック指示を出す指示手段を設ける。一の作業日には、第1通路13で1次ピッキング作業者Aがピッキング作業をすると同時に第2通路14で棚入れ作業者が棚入れ作業をする。他の作業日には、第2通路14で1次ピッキング作業者Aがピッキング作業をすると同時に第1通路13で棚入れ作業者が棚入れ作業をする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業効率の向上を図ることができるピッキングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された物品仕分け設備であるピッキングシステムが知られている。
【0003】
この従来のピッキングシステムは、複数の物品保管部を有する複数列状の保管棚手段と、1次ピッキング作業者が物品保管部からピッキングした物品を収納する複数の物品収納部を有するカートと、このカートがセットされた状態時に物品収納部と対向する開口部を有するゲートと、このゲートに各物品収納部と対応するように設けられ2次ピッキング作業者に対してピッキングすべき物品が収納されている物品収納部を指示する指示手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平5−5721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のピッキングシステムでは、例えば1次ピッキング作業者がカートを移動させながら当日分の物品を物品保管部からピッキングするピッキング作業をしている間に、棚入れ作業者が翌日分の物品を物品保管部に入れる棚入れ作業をすると、その棚入れ作業者がピッキング作業の邪魔になるおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、作業効率の向上を図ることができるピッキングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載のピッキングシステムは、複数の物品保管部を有する第1保管棚手段と、この第1保管棚手段に沿って位置する第1通路と、複数の物品保管部を有する第2保管棚手段と、この第2保管棚手段に沿って位置する第2通路と、ピッキング作業者が前記物品保管部からピッキングした物品を収納する複数の物品収納部を有するカートとを備え、一の作業日には、前記第1通路でピッキング作業者が前記カートを移動させながら前記一の作業日における当日分の物品を前記物品保管部からピッキングするピッキング作業をすると同時に、前記第2通路で棚入れ作業者が前記一の作業日における翌日分の物品を前記物品保管部に入れる棚入れ作業をし、前記一の作業日とは異なる他の作業日には、前記第2通路でピッキング作業者が前記カートを移動させながら前記他の作業日における当日分の物品を前記物品保管部からピッキングするピッキング作業をすると同時に、前記第1通路で棚入れ作業者が前記他の作業日における翌日分の物品を前記物品保管部に入れる棚入れ作業をするものである。
【0008】
請求項2記載のピッキングシステムは、請求項1記載のピッキングシステムにおいて、第1通路と第2通路との間には、第1保管棚手段と第2保管棚手段とが背合わせ状態で配設されているものである。
【0009】
請求項3記載のピッキングシステムは、請求項1または2記載のピッキングシステムにおいて、第1保管棚手段および第2保管棚手段の少なくとも一方の近くに設けられ、翌日分の物品が仮置きされる仮置きスペースを備えるものである。
【0010】
請求項4記載のピッキングシステムは、請求項1ないし3のいずれか一記載のピッキングシステムにおいて、第1保管棚手段および第2保管棚手段の各々は、複数の保管棚が直線状に並設されて構成されているものである。
【0011】
請求項5記載のピッキングシステムは、請求項1ないし4のいずれか一記載のピッキングシステムにおいて、第1通路は、互いに離間対向する対をなす第1保管棚手段間に位置し、第2通路は、互いに離間対向する対をなす第2保管棚手段間に位置するものである。
【0012】
請求項6記載のピッキングシステムは、請求項1ないし5のいずれか一記載のピッキングシステムにおいて、カートがセットされた状態時にそのカートの物品収納部と対向する開口部を有するゲートと、このゲートに前記カートの各物品収納部と対応するように設けられ、ピッキングすべき物品が収納されている前記物品収納部を指示する指示手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一の作業日には第1通路でピッキング作業者がピッキング作業をすると同時に第2通路で棚入れ作業者が棚入れ作業をし、他の作業日には第2通路でピッキング作業者がピッキング作業をすると同時に第1通路で棚入れ作業者が棚入れ作業をする構成となっているため、棚入れ作業者がピッキング作業の邪魔にならず、よって、作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態に係るピッキングシステムの要望の概略平面図である。
【図2】同上ピッキングシステムの全体の概略平面図である。
【図3】同上ピッキングシステムの保管棚の正面図である。
【図4】同上ピッキングシステムのカートの側面図である。
【図5】同上ピッキングシステムのゲートの正面図である。
【図6】同上ピッキングシステムの要部平面図である。
【図7】表示手段であるタッチパネルに表示された画面の例である。
【図8】表示手段であるタッチパネルに表示された画面の例である。
【図9】保管棚手段の切り換えを説明するための図である。
【図10】1次ピッキング作業者の動線を示す図である。
【図11】1次ピッキング作業者のピッキング作業を示す斜視図である。
【図12】2次ピッキング作業者のピッキング作業を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1および図2において、1は物品仕分け設備であるピッキングシステムで、このピッキングシステム1は、例えば約1500種類の物品(商品)に対応可能なものである。
【0017】
ピッキングシステム1は、図1および図2に示されるように、高中頻度の物品が種類別に出し入れ可能に入れられる2つの高中頻度棚部2と、低頻度の物品が種類別に出し入れ可能に入れられる1つの低頻度棚部3とを備えている。
【0018】
各高中頻度棚部2は、複数、すなわち例えば16の高中頻度ゾーン(ゾーン番号が「1」〜「16」)にて構成されている。低頻度棚部3は、複数、すなわち例えば2つの低頻度ゾーン(ゾーン番号が「51」および「52」)にて構成されている。なお、高中頻度棚部2は固定ロケーションとして設定され、低頻度棚部3はフリーロケーションとして設定される。
【0019】
また、ピッキングシステム1は、オーダ情報に基づいてピッキングされた物品が投入収容される集品容器aを搬送する2つの搬送手段であるコンベヤ部(AラインおよびBライン)4を備えている。
【0020】
各コンベヤ部4は、集品容器aを複数列、すなわち例えば2列で搬送する複数列搬送部5と、この複数列搬送部5の下流端に連設され集品容器aを単列で搬送する単列搬送部6とを有している。複数列搬送部5は、対応する高中頻度棚部2の長手方向に沿って配設されている。
【0021】
複数列搬送部5にて搬送中の集品容器aに対して、ピッキング作業者(「1」〜「16」の高中頻度ゾーンではピッキング作業者D、「51」〜「52」の低頻度ゾーンでは2次ピッキング作業者B)がピッキングした物品を投入収容する。単列搬送部6にて搬送中の集品容器a内に収容されたオーダ単位の物品を検品作業者Eが検品する。なお、補充作業者Fは、高中頻度棚部2に後面側(背面側)から物品を補充する。
【0022】
集品容器aは、例えば上面が開口した外形略直方体状の箱部材にて構成されている。そして、集品容器aは、コンベヤ部4の複数列搬送部5上において、例えば5個1組に編成されて搬送される。
【0023】
さらに、ピッキングシステム1は、低頻度棚部3付近の位置に固定された複数対、すなわち例えば4対をなす合計8つのゲート8を備えている。つまり、AラインおよびBラインのそれぞれにおける各低頻度ゾーンごとに、左右1対のゲート(ガイド盤)8が互いに離間対向して配設されている。
【0024】
そして、各ゲート8ごとに、複数台、すなわち例えば3台のカート(ピッキング台車)9が設定されている。つまり、ピッキングシステム1は、低頻度ゾーンを担当する1次ピッキング作業者(ピッキング作業者)Aが押して走行移動させる24台の走行体であるカート9を備えている。カート9は、このカート9の側面がゲート8の後面に近接対向した状態となるように、1個のゲート8に対して1台ずつ順次セットされる。
【0025】
ここで、図1および図2に示されるように、低頻度棚部3の各低頻度ゾーンは、互いに離間対向する平面視長手状の1対の第1保管棚手段11と、これら両第1保管棚手段11間にこの第1保管棚手段11の前面に沿って位置する1本の直線状の第1通路13と、第1保管棚手段11と平行状で互いに離間対向する平面視長手状の1対の第2保管棚手段12と、これら両第2保管棚手段12間にこの第2保管棚手段12の前面に沿って位置する1本の直線状の第2通路14とを有している。
【0026】
互いに平行な第1通路13と第2通路14との間には、第1保管棚手段11と第2保管棚手段12とが背合わせ状態で配設されている。つまり、1対の第1保管棚手段11のうちの一方側(図1上、左側)の第1保管棚手段11の後面と、1対の第2保管棚手段12のうちの他方側(図1上、右側)の第2保管棚手段11の後面とが、互いに近接対向している。1対の第1保管棚手段11のうちの他方側(図1上、右側)の第1保管棚手段11の後面と、端数発生物品用の保管棚手段15の後面とが、互いに近接対向している。1対の第2保管棚手段12のうちの一方側(図1上、左側)の第2保管棚手段12の後面と、隣接する低頻度ゾーンの第1保管棚手段11の後面とが、互いに近接対向している。なお、端数発生物品用の保管棚手段15には、例えばベビーフード等、当日分および翌日分には分けられないような物品が保管される。
【0027】
また、第1保管棚手段11および第2保管棚手段12の少なくとも一方、すなわち例えば第1保管棚手段11の近くには、翌日分の物品が仮置きされる仮置きスペース16が設けられている。つまり、端数発生物品用の保管棚手段15の前方近傍に仮置きスペース16が設けられ、これら保管棚手段15と仮置きスペース16との間に1本の直線状の第3通路20が位置している。
【0028】
さらに、各保管棚手段11,12,15は、複数の保管棚10が直線状に並設されて構成されている。すなわち例えば、各第1、2保管棚手段11はそれぞれ6つの保管棚10にて構成され、端数発生物品用の保管棚手段15は4つの保管棚10にて構成されている。なお、高中頻度棚部2は、複数の流動棚7が直線状に並設されて構成されている。
【0029】
また、図3に示されるように、保管棚10は、棚本体21を有している。棚本体21は、前方に向かって開口し物品が出し入れ可能に入れられる複数(例えば5列×4段=20間口)の物品保管部22を有している。棚本体21の前面には、バーコード等が印刷された間口特定手段である棚間口ラベル23が各物品保管部22と対応するように設けられている。
【0030】
さらに、図4に示されるように、カート9は、カート本体26を有している。カート本体26の下面には、ストッパ付きのキャスター27が設けられている。カート本体26の進行方向後面には、取手28が設けられている。カート本体26は、左右両側方に向かって開口し物品が出し入れ可能に入れられる複数(例えば3列×4段=12間口)の物品収納部29を有している。つまり、互いに平行な通路13,14,20を移動可能なカート9は、1次ピッキング作業者が保管棚10の物品保管部22からピッキングした物品を一時的に収納する複数の物品収納部29を有している。なお、1次ピッキング作業者は、ハンディーターミナル49の指示を見ながら、ピッキング作業をする。
【0031】
カート本体26の左右の両側面には、バーコード等が印刷された間口特定手段であるカート間口ラベル30が各物品収納部29と対応するように設けられている。このカート間口ラベル30は、カート本体26の両側面のうち、ゲート8の後面と対向しない側の側面のみに設けるようにしてもよい。なお、カート本体26には、識別プレート等の被検知部25が設けられている(図6参照)。
【0032】
また、図5に示されるように、ゲート8は、ゲート本体31を有している。ゲート本体31は、カート9がセットされた状態時にそのセットされたカート9の物品収納部29と近接対向して連通する複数(例えば4段の長方形状の孔)の開口部32を有している。つまり、ゲート本体31は、互いに離間対向する左右1対の対向枠部33と、これら両対向枠部33に架設された左右方向長手状の5本の連結枠部34とを有し、上下に隣り合う連結枠部34間が開口部32となっている。
【0033】
ゲート本体31の前面には、ゲート8にセットされたカート9の複数の物品収納部29のうち、2次ピッキング作業者(ピッキング作業者)Bに対して次にピッキングすべき物品が収納されている物品収納部29を指示する指示手段35が各物品収納部29と対応するように設けられている。指示手段35は、例えば連結枠部34に取り付けられた表示器であるランプである。
【0034】
また、図6に示されるように、ゲート本体31には、ゲート8にセットされたカート9が正しいものであるか否かを検知する光学系のカート検知手段36が設けられている。カート検知手段36は、例えばカート9の被検知部25による検知光の遮光に基づいて、セットされたカート9のカート番号が次にピッキングされる予定のカート番号と一致するか否かを検知する。カート検知手段36は、カート9が正しいものである場合にはセット完了の判別も行う。カート9が正しいものでない場合に点灯する点灯手段である回転灯37がゲート本体31に設けられている。この回転灯37は、カート9の交換時にも点灯する。
【0035】
カート9のカート番号は、対をなすゲート8のうちの一方側(図6上、下側)のゲート8にセットされるカート9には奇数(「1」、「3」、「5」)が付与され、他方側(図6上、上側)のゲート8にセットされるカート9には偶数(「2」、「4」、「6」)が付与されている。なお、一方側のゲート8にセットしたカート9からピッキングされた物品は、複数列搬送部5上の2列の集品容器aのいずれにも投入収容される場合がある。同様に、他方側のゲート8にセットしたカート9からピッキングされた物品は、複数列搬送部5上の2列の集品容器aのいずれにも投入収容される場合がある。
【0036】
そして、この図6から明らかなように、対をなす両ゲート8は、それぞれの前面に設けられた指示手段35が互いに向き合うように、2次ピッキング作業者Bの作業スペース40を介して互いに離間対向している。つまり、両ゲート8はコンベヤ部4の前方近傍に配設され、これら両ゲート8はコンベヤ部4の搬送方向に離間対向している。
【0037】
作業スペース40は、2次ピッキング作業者Bが進入可能な大きさで、ゲート8の開口部32を介してカート9の物品収納部29から物品をピッキングするピッキング作業を容易に行える大きさのものである。この作業スペース40の隣には、セットするカート9を交換するためのカート交換スペース41が設けられている。このカート交換スペース41の隣には、カート9を待機させるためのカート待機スペース42が設けられている。
【0038】
また、図6に示されるように、コンベヤ部4の複数列搬送部5のコンベヤフレーム部44には、コンベヤ部4に載置された複数の集品容器aのうち、2次ピッキング作業者Bに対して物品収納部29からピッキングした物品を投入収容すべき集品容器aを指示する容器指示手段45がコンベヤ部4の搬送面上の各集品容器aに対応するように設けられている。つまり、各集品容器aごとに、例えば表示器であるランプからなる容器指示手段45が設けられている。
【0039】
さらに、コンベヤ部4のコンベヤフレーム部44のうち、2次ピッキング作業者B側の面である前面には、2次ピッキング作業者Bが物品を集品容器aに投入収容した後に押圧操作する完了スイッチ手段46が各低頻度ゾーンに対応するように設けられている。完了スイッチ手段46は、例えば1組をなす連なった5個の集品容器aと略同じ長さのテープスイッチである。
【0040】
また、コンベヤ部4のコンベヤフレーム部44には、2次ピッキング作業者Bが目視可能な表示手段50が各低頻度ゾーンに対応するように設けられている。表示手段50は、例えば操作部を兼ねたタッチパネルである。なお、表示手段50は、平面視で作業スペース40の中央を通る中央線X上に位置している。
【0041】
そして、表示手段50は、図示しない制御手段にて制御され、図7や図8に示すような画面を表示する。なお、制御手段は、オーダ情報に基づいて、コンベヤ部4の駆動源、指示手段35、カート検知手段36、容器指示手段45、表示手段50およびハンディーターミナル(携帯端末機)49等を制御するものである。
【0042】
図7はピッキング作業中の画面の例である。
【0043】
この図7の画面は、2次ピッキング作業者Bに対してゲート8にセットされたカート9であって次にピッキングすべき物品が収納されているカート9の位置(例えば右側位置か、左側位置か)を知らせるためのピックカート位置表示(例えば左右いずれか一方を向いた赤色の矢印)51と、このピックカート位置表示51と一体的な表示であって2次ピッキング作業者Bに対してゲート8にセットされたカート9であって次にピッキングすべき物品が収納されているカート9のカート番号を知らせるためのピックカート番号表示(例えば赤色の矢印中の数字)52と、2次ピッキング作業者Bに対して次にピッキングすべき物品の数量(ピッキング数量)を知らせるためのピック数量表示53とを有している。また、この図7の画面は、ピックカート位置表示51とは反対側に、ゲート8にセットされた待機中のカート9のカート番号を知らせるための待機カート番号表示54を有している。
【0044】
そして、図7の画面を見た2次ピッキング作業者Bは、コンベヤ部4側を向いた状態からゲート8側に反転し、ピッキングすべき側の指示手段35を見て、カート番号が「4」のカート9の物品収納部29から3個の物品をピッキングする。
【0045】
なお、指示手段35にて指示された物品収納部29内の物品が3個未満であった場合には、2次ピッキング作業者Bは、ハンディーターミナル49で、ゲート8側とは反対側に位置しその物品収納部29に対応するカート間口ラベル30をスキャンし、その不足する物品を確認する。
【0046】
また、その2次ピッキング作業者Bが、ピッキングした3個の物品をコンベヤ部4上の指示された集品容器aに投入収容し、完了スイッチ手段46を押圧操作すると、そのピッキング作業が「4」のカート9の最後の作業である場合には、例えば図8に示す待機中(ピック待ち)の画面となる。
【0047】
つまり、この図8の画面においては、ピックカート位置表示51およびピックカート番号表示52が消え、その代わりに、2次ピッキング作業者Bに対して次にゲート8にセットすべきカート9のカート番号を知らせるためのセットカート番号表示55が表示される。このセットカート番号表示55は、カート9がセットされた後、待機カート番号表示54となる。なお、ゲート8にセットされたカート9のカート番号のみを表示するようにしてもよい。
【0048】
また、この図8の画面は、2次ピッキング作業者Bが次にピッキング作業を開始するまでの待ち時間を各ゲート8ごとに表示する待ち時間表示56を有している。待ち時間表示56は、例えば青色の円で3段階表示するものである。図8の画面の例では、「5」のカート9に対するピッキング作業を開始するまでは集品容器aの2編成待ちであり、「6」のカート9に対するピッキング作業を開始するまでは集品容器aの3編成以上待ちである。なお、待ち時間を例えば「5分」や「10分」等のような数字表示としてもよい。
【0049】
なお、2次ピッキング作業者Bのピッキング作業(集品作業)は、両ゲート8に対して交互に、カート9のカート番号順(「1」→「2」→「3」等)で繰り返し行われるのが原則である。ただし、作業進行の状況等によっては、ある一のカート9に対するピッキング作業途中で、次のカート9にピッキング作業の一部が挿入される場合がある。
【0050】
次に、上記ピッキングシステム1の作用等を説明する。
【0051】
まず、棚入れ作業者Cの棚入れ作業(棚補充作業)について説明する。
【0052】
棚入れ作業者Cは、入荷した物品の補充ラベル(図示せず)を見て、翌日分の低頻度の物品を仮置きスペース16に仮置きする。その後、棚入れ作業者Cは、仮置きスペース16に仮置きされた翌日分の物品を保管棚10の物品保管部22に入れる棚入れ作業をする。なお、棚入れ作業者Cは、物品を仮置きスペース16から保管棚10まで運ぶために、例えば台車等を用いてもよい。
【0053】
具体的には、まず、ハンディーターミナル49で物品の補充ラベルをスキャンし、既に物品が入れられた物品保管部(間口)22を確認する。次いで、ハンディーターミナル49で空いた物品保管部22に対応する棚間口ラベル23をスキャンし、その空いた物品保管部22に物品を入れる。次いで、ハンディーターミナル49で、入れた物品の数量を入力して確定する。
【0054】
棚入れ作業者Cは、仮置きスペース16の物品がなくなるまでこのような作業を繰り返すが、保管棚10についてはフリーロケーションであるため、空いていれば任意の物品保管部22に物品を入れることが可能である。また、1つの物品保管部22に物品が入りきらなければ、別の物品保管部22へ同種類の物品を入れることも可能である(1商品を複数ロケーションで管理)。
【0055】
また、図9に示されるように、保管棚10の管理方法について、ピッキングシステム1の制御手段にて作業日ごとに当日・翌日の棚ロケーションが切り換えられる。棚入れ作業時の当日・翌日の棚チェックについては、ハンディーターミナル49での棚間口ラベル23のスキャン時に行い、その結果が棚入れ作業者Cに知らされる。
【0056】
この図9、図10および図1から明らかなように、一の作業日には、第2通路14を通ることなく第1通路13で1次ピッキング作業者Aがカート9を移動させながら一の作業日における当日分の物品を第1保管棚手段11の物品保管部22からピッキングするピッキング作業をすると同時に、第1通路13を通ることなく第2通路14で棚入れ作業者Cが一の作業日における翌日分の物品を第2保管棚手段12の物品保管部22に入れる棚入れ作業をする。
【0057】
また、一の作業日とは異なる他の作業日、すなわち例えば一の作業日の翌日である他の作業日には、第1通路13を通ることなく第2通路14で1次ピッキング作業者Aがカート9を移動させながら他の作業日における当日分の物品を第2保管棚手段12の物品保管部22からピッキングするピッキング作業をすると同時に、第2通路14を通ることなく第1通路13で棚入れ作業者Cが他の作業日における翌日分の物品を第1保管棚手段11の物品保管部22に入れる棚入れ作業をする。このため、1次ピッキング作業と棚入れ作業とが同時期に行われても、棚入れ作業者Cが1次ピッキング作業者Aのピッキング作業の邪魔になるようなことはない。つまり、1次ピッキング作業者Aと棚入れ作業者Cとが、同じ棚エリアに入ることがなく、作業動線が交錯しない。
【0058】
なお、図10にはピッキング作業時における1次ピッキング作業者Aの動線が示されている。Aライン側の作業者AとBライン側の作業者Aとが互いに邪魔し合わないようになっている。また、1次ピッキング作業者Aは、第3通路20を通る際に、オーダ情報に基づいて端数発生物品用の保管棚手段15の保管棚10の物品保管部22から物品をピッキングする。なお、作業日によってピッキング作業の対象となる第1保管棚手段11および第2保管棚手段12が交互に入れ替わるため、それに応じて1次ピッキング作業者Aの動線も異なる。
【0059】
次に、1次ピッキング作業者Aのピッキング作業(1次ピッキング作業)について説明する。
【0060】
1次ピッキング作業者Aは、ハンディーターミナル49で、ピッキング作業を行うライン、ゾーン番号およびカート番号を入力し、自分が押すカート9にピッキング対象のオーダ情報(例えば12オーダ分)を紐付ける。入力した情報が正しければ、ピッキング作業が開始される。
【0061】
1次ピッキング作業者Aは、ハンディーターミナル49に表示されている保管棚10の物品保管部22のロケーションおよび物品名(商品名)を元に、指定の保管棚10に向かってカート9を押しながら移動する。
【0062】
そして、図11に示すように、1次ピッキング作業者Aは、ハンディーターミナル49を見ながら、指定された保管棚10の物品保管部22から物品をピッキングし、このピッキングした物品を指定されたカート9の物品収納部29に収納する。
【0063】
具体的には、まず、ピッキングする前に、ハンディーターミナル49で棚間口ラベル23をスキャンする。正しい棚間口ラベル23であれば、ハンディーターミナル49には、収納先のカート9の物品収納部29のロケーションおよびピッキング数量が表示される。次いで、1次ピッキング作業者Aは、ハンディーターミナル49でカート間口ラベル30をスキャンする。正しいカート間口ラベル30であれば、指定された物品保管部22から指定数量だけピッキングした物品を、その正しいカート間口ラベル30に対応する物品収納部29に収納する。
【0064】
別の物品収納部29へのオーダ情報があれば、次の物品収納部29に対するピッキング指示へ表示が変更されるので、変更したピッキング指示に応じてピッキング作業を行う。
【0065】
現在ピッキング作業中の物品に関する作業が終了した場合には、ハンディーターミナル49に棚間口完了表示が表示されるので、ENTキーを押して次のピッキング作業に移行する。
【0066】
次のピッキング作業があれば、保管棚10の物品保管部22のロケーションおよび物品名(商品名)が変更されるので、その新たな情報を元に、指定の保管棚10へカート9と一緒に向かい、同様のピッキング作業を行う。
【0067】
カート9への12オーダ分のピッキング作業が終了した場合は、ハンディーターミナル49にピッキング完了表示が表示されるので、ENTキーを押して次のカート9を選択する。
【0068】
ピッキング作業が終了したカート9については、2次ピッキング作業のために、カート待機スペース42に戻す。
【0069】
次に、2次ピッキング作業者Bのピッキング作業(2次ピッキング作業)について説明する。
【0070】
図12に示すように、2次ピッキング作業者Bは、1次ピッキング作業済みのカート9をゲート8に対してセットするとともに、カート9の物品収納部29から物品をピッキングし、このピッキングした物品をコンベヤ部4上の集品容器a内に投入収容する。
【0071】
具体的には、2次ピッキング作業者Bは、次にセットするカート9をゾーン設置の表示手段50を見て確認する。カート9をゲート8にセットすると、カート検知手段36がカート9とゲート8との組合せをチェックし、その組合せが正しくない場合には回転灯37が作動して点灯し、その旨が2次ピッキング作業者Bに報知される。カート待機スペース42に他のカート9があれば、その待機位置を変更する。そして、ゲート8に対する正しいカート9のセット完了によって、2次ピッキング作業が可能となる。
【0072】
2次ピッキング作業については、セットしたカート9からピッキングした物品のオーダ情報に対応する集品容器aが到達すると、ゲート8の指示手段35が点灯しかつ表示手段50がピック数量表示53を表示するので、2次ピッキング作業者Bは、その指示通りに、2次ピッキング作業を行う。
【0073】
指示されたカート9の物品収納部29から物品をピッキングし、このピッキングした物品を指示された集品容器aに投入し、完了スイッチ手段46を操作する。そのカート9についてのオーダ情報が無くなるまで、この2次ピッキング作業をする。
【0074】
そのカート9に割り付けられたオーダ情報が全て完了すると、表示手段50と回転灯37とによってカート9の交換が2次ピッキング作業者Bに報知される。
【0075】
2次ピッキング作業者Bは、2次ピッキング作業済みのカート9をゲート8から取り外し、次のカート9をゲート8にセットする。カート待機スペース42に他のカート9があれば、その待機位置を変更する。取り外したカート9については、1次ピッキング作業者Aによって次の1次ピッキング作業が実施される。
【0076】
そして、ピッキングシステム1によれば、一の作業日には第1通路13で1次ピッキング作業者Aがピッキング作業をすると同時に第2通路14で棚入れ作業者Cが棚入れ作業をし、一の作業日の翌日である他の作業日には第2通路14で1次ピッキング作業者Aがピッキング作業をすると同時に第1通路13で棚入れ作業者Cが棚入れ作業をする構成となっているため、棚入れ作業者Cが1次ピッキング作業者Aのピッキング作業の邪魔にならず、1次ピッキング作業者Aが効率よくピッキング作業をでき、よって、作業効率の向上を図ることができる。
【0077】
また、第1通路13と第2通路14との間には第1保管棚手段11と第2保管棚手段12とが背合わせ状態で配設されているため、スペースの効率化を図ることができる。
【0078】
さらに、翌日分の物品を第1保管棚手段11の近くの仮置きスペース16に仮置きできるため、棚入れ作業者Cが効率よく棚入れ作業をでき、よって、作業効率の向上をより一層図ることができる。
【0079】
また、棚入れ作業者Cは、1日分の物品のみを第1保管棚手段11または第2保管棚手段12に入れるため、翌日のピッキング作業終了後、在庫数とピッキング数とを比較する棚卸作業をする必要がない。つまり、オーダ情報通りのピッキング作業が実施された場合には、棚間口の残数はゼロとなる。
【0080】
なお、ピッキングシステム1は、2つの低頻度ゾーンを有するものには限定されず、例えば低頻度ゾーンが1つのものや、3つ以上のもの等でもよい。
【0081】
また、1次ピッキング作業者Aと2次ピッキング作業者Bとが、必ずしも異なる者である必要はなく、同一の者が兼ねてもよい。
【0082】
さらに、コンベヤ部4は、集品容器aを複数列で搬送する複数列搬送部5を有するものには限定されず、例えば集品容器aを常に単列で搬送するものでもよく、またオーダ単位の物品を直接載せて搬送するもの等でもよい。
【0083】
また、例えばゲート8および指示手段35等を有しない構成でもよく、例えばピッキング作業者がハンディーターミナル等の携帯端末機による指示に基づいて集品容器aに投入するようにしてもよい。
【0084】
なお、本発明における翌日分の物品は、翌日が休日である場合等には、翌日以降の日の分の物品を意味する。
【符号の説明】
【0085】
1 ピッキングシステム
8 ゲート
9 カート
10 保管棚
11 第1保管棚手段
12 第2保管棚手段
13 第1通路
14 第2通路
16 仮置きスペース
22 物品保管部
29 物品収納部
32 開口部
35 指示手段
A 1次ピッキング作業者(ピッキング作業者)
B 2次ピッキング作業者(ピッキング作業者)
C 棚入れ作業者
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業効率の向上を図ることができるピッキングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された物品仕分け設備であるピッキングシステムが知られている。
【0003】
この従来のピッキングシステムは、複数の物品保管部を有する複数列状の保管棚手段と、1次ピッキング作業者が物品保管部からピッキングした物品を収納する複数の物品収納部を有するカートと、このカートがセットされた状態時に物品収納部と対向する開口部を有するゲートと、このゲートに各物品収納部と対応するように設けられ2次ピッキング作業者に対してピッキングすべき物品が収納されている物品収納部を指示する指示手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平5−5721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のピッキングシステムでは、例えば1次ピッキング作業者がカートを移動させながら当日分の物品を物品保管部からピッキングするピッキング作業をしている間に、棚入れ作業者が翌日分の物品を物品保管部に入れる棚入れ作業をすると、その棚入れ作業者がピッキング作業の邪魔になるおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、作業効率の向上を図ることができるピッキングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載のピッキングシステムは、複数の物品保管部を有する第1保管棚手段と、この第1保管棚手段に沿って位置する第1通路と、複数の物品保管部を有する第2保管棚手段と、この第2保管棚手段に沿って位置する第2通路と、ピッキング作業者が前記物品保管部からピッキングした物品を収納する複数の物品収納部を有するカートとを備え、一の作業日には、前記第1通路でピッキング作業者が前記カートを移動させながら前記一の作業日における当日分の物品を前記物品保管部からピッキングするピッキング作業をすると同時に、前記第2通路で棚入れ作業者が前記一の作業日における翌日分の物品を前記物品保管部に入れる棚入れ作業をし、前記一の作業日とは異なる他の作業日には、前記第2通路でピッキング作業者が前記カートを移動させながら前記他の作業日における当日分の物品を前記物品保管部からピッキングするピッキング作業をすると同時に、前記第1通路で棚入れ作業者が前記他の作業日における翌日分の物品を前記物品保管部に入れる棚入れ作業をするものである。
【0008】
請求項2記載のピッキングシステムは、請求項1記載のピッキングシステムにおいて、第1通路と第2通路との間には、第1保管棚手段と第2保管棚手段とが背合わせ状態で配設されているものである。
【0009】
請求項3記載のピッキングシステムは、請求項1または2記載のピッキングシステムにおいて、第1保管棚手段および第2保管棚手段の少なくとも一方の近くに設けられ、翌日分の物品が仮置きされる仮置きスペースを備えるものである。
【0010】
請求項4記載のピッキングシステムは、請求項1ないし3のいずれか一記載のピッキングシステムにおいて、第1保管棚手段および第2保管棚手段の各々は、複数の保管棚が直線状に並設されて構成されているものである。
【0011】
請求項5記載のピッキングシステムは、請求項1ないし4のいずれか一記載のピッキングシステムにおいて、第1通路は、互いに離間対向する対をなす第1保管棚手段間に位置し、第2通路は、互いに離間対向する対をなす第2保管棚手段間に位置するものである。
【0012】
請求項6記載のピッキングシステムは、請求項1ないし5のいずれか一記載のピッキングシステムにおいて、カートがセットされた状態時にそのカートの物品収納部と対向する開口部を有するゲートと、このゲートに前記カートの各物品収納部と対応するように設けられ、ピッキングすべき物品が収納されている前記物品収納部を指示する指示手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一の作業日には第1通路でピッキング作業者がピッキング作業をすると同時に第2通路で棚入れ作業者が棚入れ作業をし、他の作業日には第2通路でピッキング作業者がピッキング作業をすると同時に第1通路で棚入れ作業者が棚入れ作業をする構成となっているため、棚入れ作業者がピッキング作業の邪魔にならず、よって、作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態に係るピッキングシステムの要望の概略平面図である。
【図2】同上ピッキングシステムの全体の概略平面図である。
【図3】同上ピッキングシステムの保管棚の正面図である。
【図4】同上ピッキングシステムのカートの側面図である。
【図5】同上ピッキングシステムのゲートの正面図である。
【図6】同上ピッキングシステムの要部平面図である。
【図7】表示手段であるタッチパネルに表示された画面の例である。
【図8】表示手段であるタッチパネルに表示された画面の例である。
【図9】保管棚手段の切り換えを説明するための図である。
【図10】1次ピッキング作業者の動線を示す図である。
【図11】1次ピッキング作業者のピッキング作業を示す斜視図である。
【図12】2次ピッキング作業者のピッキング作業を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1および図2において、1は物品仕分け設備であるピッキングシステムで、このピッキングシステム1は、例えば約1500種類の物品(商品)に対応可能なものである。
【0017】
ピッキングシステム1は、図1および図2に示されるように、高中頻度の物品が種類別に出し入れ可能に入れられる2つの高中頻度棚部2と、低頻度の物品が種類別に出し入れ可能に入れられる1つの低頻度棚部3とを備えている。
【0018】
各高中頻度棚部2は、複数、すなわち例えば16の高中頻度ゾーン(ゾーン番号が「1」〜「16」)にて構成されている。低頻度棚部3は、複数、すなわち例えば2つの低頻度ゾーン(ゾーン番号が「51」および「52」)にて構成されている。なお、高中頻度棚部2は固定ロケーションとして設定され、低頻度棚部3はフリーロケーションとして設定される。
【0019】
また、ピッキングシステム1は、オーダ情報に基づいてピッキングされた物品が投入収容される集品容器aを搬送する2つの搬送手段であるコンベヤ部(AラインおよびBライン)4を備えている。
【0020】
各コンベヤ部4は、集品容器aを複数列、すなわち例えば2列で搬送する複数列搬送部5と、この複数列搬送部5の下流端に連設され集品容器aを単列で搬送する単列搬送部6とを有している。複数列搬送部5は、対応する高中頻度棚部2の長手方向に沿って配設されている。
【0021】
複数列搬送部5にて搬送中の集品容器aに対して、ピッキング作業者(「1」〜「16」の高中頻度ゾーンではピッキング作業者D、「51」〜「52」の低頻度ゾーンでは2次ピッキング作業者B)がピッキングした物品を投入収容する。単列搬送部6にて搬送中の集品容器a内に収容されたオーダ単位の物品を検品作業者Eが検品する。なお、補充作業者Fは、高中頻度棚部2に後面側(背面側)から物品を補充する。
【0022】
集品容器aは、例えば上面が開口した外形略直方体状の箱部材にて構成されている。そして、集品容器aは、コンベヤ部4の複数列搬送部5上において、例えば5個1組に編成されて搬送される。
【0023】
さらに、ピッキングシステム1は、低頻度棚部3付近の位置に固定された複数対、すなわち例えば4対をなす合計8つのゲート8を備えている。つまり、AラインおよびBラインのそれぞれにおける各低頻度ゾーンごとに、左右1対のゲート(ガイド盤)8が互いに離間対向して配設されている。
【0024】
そして、各ゲート8ごとに、複数台、すなわち例えば3台のカート(ピッキング台車)9が設定されている。つまり、ピッキングシステム1は、低頻度ゾーンを担当する1次ピッキング作業者(ピッキング作業者)Aが押して走行移動させる24台の走行体であるカート9を備えている。カート9は、このカート9の側面がゲート8の後面に近接対向した状態となるように、1個のゲート8に対して1台ずつ順次セットされる。
【0025】
ここで、図1および図2に示されるように、低頻度棚部3の各低頻度ゾーンは、互いに離間対向する平面視長手状の1対の第1保管棚手段11と、これら両第1保管棚手段11間にこの第1保管棚手段11の前面に沿って位置する1本の直線状の第1通路13と、第1保管棚手段11と平行状で互いに離間対向する平面視長手状の1対の第2保管棚手段12と、これら両第2保管棚手段12間にこの第2保管棚手段12の前面に沿って位置する1本の直線状の第2通路14とを有している。
【0026】
互いに平行な第1通路13と第2通路14との間には、第1保管棚手段11と第2保管棚手段12とが背合わせ状態で配設されている。つまり、1対の第1保管棚手段11のうちの一方側(図1上、左側)の第1保管棚手段11の後面と、1対の第2保管棚手段12のうちの他方側(図1上、右側)の第2保管棚手段11の後面とが、互いに近接対向している。1対の第1保管棚手段11のうちの他方側(図1上、右側)の第1保管棚手段11の後面と、端数発生物品用の保管棚手段15の後面とが、互いに近接対向している。1対の第2保管棚手段12のうちの一方側(図1上、左側)の第2保管棚手段12の後面と、隣接する低頻度ゾーンの第1保管棚手段11の後面とが、互いに近接対向している。なお、端数発生物品用の保管棚手段15には、例えばベビーフード等、当日分および翌日分には分けられないような物品が保管される。
【0027】
また、第1保管棚手段11および第2保管棚手段12の少なくとも一方、すなわち例えば第1保管棚手段11の近くには、翌日分の物品が仮置きされる仮置きスペース16が設けられている。つまり、端数発生物品用の保管棚手段15の前方近傍に仮置きスペース16が設けられ、これら保管棚手段15と仮置きスペース16との間に1本の直線状の第3通路20が位置している。
【0028】
さらに、各保管棚手段11,12,15は、複数の保管棚10が直線状に並設されて構成されている。すなわち例えば、各第1、2保管棚手段11はそれぞれ6つの保管棚10にて構成され、端数発生物品用の保管棚手段15は4つの保管棚10にて構成されている。なお、高中頻度棚部2は、複数の流動棚7が直線状に並設されて構成されている。
【0029】
また、図3に示されるように、保管棚10は、棚本体21を有している。棚本体21は、前方に向かって開口し物品が出し入れ可能に入れられる複数(例えば5列×4段=20間口)の物品保管部22を有している。棚本体21の前面には、バーコード等が印刷された間口特定手段である棚間口ラベル23が各物品保管部22と対応するように設けられている。
【0030】
さらに、図4に示されるように、カート9は、カート本体26を有している。カート本体26の下面には、ストッパ付きのキャスター27が設けられている。カート本体26の進行方向後面には、取手28が設けられている。カート本体26は、左右両側方に向かって開口し物品が出し入れ可能に入れられる複数(例えば3列×4段=12間口)の物品収納部29を有している。つまり、互いに平行な通路13,14,20を移動可能なカート9は、1次ピッキング作業者が保管棚10の物品保管部22からピッキングした物品を一時的に収納する複数の物品収納部29を有している。なお、1次ピッキング作業者は、ハンディーターミナル49の指示を見ながら、ピッキング作業をする。
【0031】
カート本体26の左右の両側面には、バーコード等が印刷された間口特定手段であるカート間口ラベル30が各物品収納部29と対応するように設けられている。このカート間口ラベル30は、カート本体26の両側面のうち、ゲート8の後面と対向しない側の側面のみに設けるようにしてもよい。なお、カート本体26には、識別プレート等の被検知部25が設けられている(図6参照)。
【0032】
また、図5に示されるように、ゲート8は、ゲート本体31を有している。ゲート本体31は、カート9がセットされた状態時にそのセットされたカート9の物品収納部29と近接対向して連通する複数(例えば4段の長方形状の孔)の開口部32を有している。つまり、ゲート本体31は、互いに離間対向する左右1対の対向枠部33と、これら両対向枠部33に架設された左右方向長手状の5本の連結枠部34とを有し、上下に隣り合う連結枠部34間が開口部32となっている。
【0033】
ゲート本体31の前面には、ゲート8にセットされたカート9の複数の物品収納部29のうち、2次ピッキング作業者(ピッキング作業者)Bに対して次にピッキングすべき物品が収納されている物品収納部29を指示する指示手段35が各物品収納部29と対応するように設けられている。指示手段35は、例えば連結枠部34に取り付けられた表示器であるランプである。
【0034】
また、図6に示されるように、ゲート本体31には、ゲート8にセットされたカート9が正しいものであるか否かを検知する光学系のカート検知手段36が設けられている。カート検知手段36は、例えばカート9の被検知部25による検知光の遮光に基づいて、セットされたカート9のカート番号が次にピッキングされる予定のカート番号と一致するか否かを検知する。カート検知手段36は、カート9が正しいものである場合にはセット完了の判別も行う。カート9が正しいものでない場合に点灯する点灯手段である回転灯37がゲート本体31に設けられている。この回転灯37は、カート9の交換時にも点灯する。
【0035】
カート9のカート番号は、対をなすゲート8のうちの一方側(図6上、下側)のゲート8にセットされるカート9には奇数(「1」、「3」、「5」)が付与され、他方側(図6上、上側)のゲート8にセットされるカート9には偶数(「2」、「4」、「6」)が付与されている。なお、一方側のゲート8にセットしたカート9からピッキングされた物品は、複数列搬送部5上の2列の集品容器aのいずれにも投入収容される場合がある。同様に、他方側のゲート8にセットしたカート9からピッキングされた物品は、複数列搬送部5上の2列の集品容器aのいずれにも投入収容される場合がある。
【0036】
そして、この図6から明らかなように、対をなす両ゲート8は、それぞれの前面に設けられた指示手段35が互いに向き合うように、2次ピッキング作業者Bの作業スペース40を介して互いに離間対向している。つまり、両ゲート8はコンベヤ部4の前方近傍に配設され、これら両ゲート8はコンベヤ部4の搬送方向に離間対向している。
【0037】
作業スペース40は、2次ピッキング作業者Bが進入可能な大きさで、ゲート8の開口部32を介してカート9の物品収納部29から物品をピッキングするピッキング作業を容易に行える大きさのものである。この作業スペース40の隣には、セットするカート9を交換するためのカート交換スペース41が設けられている。このカート交換スペース41の隣には、カート9を待機させるためのカート待機スペース42が設けられている。
【0038】
また、図6に示されるように、コンベヤ部4の複数列搬送部5のコンベヤフレーム部44には、コンベヤ部4に載置された複数の集品容器aのうち、2次ピッキング作業者Bに対して物品収納部29からピッキングした物品を投入収容すべき集品容器aを指示する容器指示手段45がコンベヤ部4の搬送面上の各集品容器aに対応するように設けられている。つまり、各集品容器aごとに、例えば表示器であるランプからなる容器指示手段45が設けられている。
【0039】
さらに、コンベヤ部4のコンベヤフレーム部44のうち、2次ピッキング作業者B側の面である前面には、2次ピッキング作業者Bが物品を集品容器aに投入収容した後に押圧操作する完了スイッチ手段46が各低頻度ゾーンに対応するように設けられている。完了スイッチ手段46は、例えば1組をなす連なった5個の集品容器aと略同じ長さのテープスイッチである。
【0040】
また、コンベヤ部4のコンベヤフレーム部44には、2次ピッキング作業者Bが目視可能な表示手段50が各低頻度ゾーンに対応するように設けられている。表示手段50は、例えば操作部を兼ねたタッチパネルである。なお、表示手段50は、平面視で作業スペース40の中央を通る中央線X上に位置している。
【0041】
そして、表示手段50は、図示しない制御手段にて制御され、図7や図8に示すような画面を表示する。なお、制御手段は、オーダ情報に基づいて、コンベヤ部4の駆動源、指示手段35、カート検知手段36、容器指示手段45、表示手段50およびハンディーターミナル(携帯端末機)49等を制御するものである。
【0042】
図7はピッキング作業中の画面の例である。
【0043】
この図7の画面は、2次ピッキング作業者Bに対してゲート8にセットされたカート9であって次にピッキングすべき物品が収納されているカート9の位置(例えば右側位置か、左側位置か)を知らせるためのピックカート位置表示(例えば左右いずれか一方を向いた赤色の矢印)51と、このピックカート位置表示51と一体的な表示であって2次ピッキング作業者Bに対してゲート8にセットされたカート9であって次にピッキングすべき物品が収納されているカート9のカート番号を知らせるためのピックカート番号表示(例えば赤色の矢印中の数字)52と、2次ピッキング作業者Bに対して次にピッキングすべき物品の数量(ピッキング数量)を知らせるためのピック数量表示53とを有している。また、この図7の画面は、ピックカート位置表示51とは反対側に、ゲート8にセットされた待機中のカート9のカート番号を知らせるための待機カート番号表示54を有している。
【0044】
そして、図7の画面を見た2次ピッキング作業者Bは、コンベヤ部4側を向いた状態からゲート8側に反転し、ピッキングすべき側の指示手段35を見て、カート番号が「4」のカート9の物品収納部29から3個の物品をピッキングする。
【0045】
なお、指示手段35にて指示された物品収納部29内の物品が3個未満であった場合には、2次ピッキング作業者Bは、ハンディーターミナル49で、ゲート8側とは反対側に位置しその物品収納部29に対応するカート間口ラベル30をスキャンし、その不足する物品を確認する。
【0046】
また、その2次ピッキング作業者Bが、ピッキングした3個の物品をコンベヤ部4上の指示された集品容器aに投入収容し、完了スイッチ手段46を押圧操作すると、そのピッキング作業が「4」のカート9の最後の作業である場合には、例えば図8に示す待機中(ピック待ち)の画面となる。
【0047】
つまり、この図8の画面においては、ピックカート位置表示51およびピックカート番号表示52が消え、その代わりに、2次ピッキング作業者Bに対して次にゲート8にセットすべきカート9のカート番号を知らせるためのセットカート番号表示55が表示される。このセットカート番号表示55は、カート9がセットされた後、待機カート番号表示54となる。なお、ゲート8にセットされたカート9のカート番号のみを表示するようにしてもよい。
【0048】
また、この図8の画面は、2次ピッキング作業者Bが次にピッキング作業を開始するまでの待ち時間を各ゲート8ごとに表示する待ち時間表示56を有している。待ち時間表示56は、例えば青色の円で3段階表示するものである。図8の画面の例では、「5」のカート9に対するピッキング作業を開始するまでは集品容器aの2編成待ちであり、「6」のカート9に対するピッキング作業を開始するまでは集品容器aの3編成以上待ちである。なお、待ち時間を例えば「5分」や「10分」等のような数字表示としてもよい。
【0049】
なお、2次ピッキング作業者Bのピッキング作業(集品作業)は、両ゲート8に対して交互に、カート9のカート番号順(「1」→「2」→「3」等)で繰り返し行われるのが原則である。ただし、作業進行の状況等によっては、ある一のカート9に対するピッキング作業途中で、次のカート9にピッキング作業の一部が挿入される場合がある。
【0050】
次に、上記ピッキングシステム1の作用等を説明する。
【0051】
まず、棚入れ作業者Cの棚入れ作業(棚補充作業)について説明する。
【0052】
棚入れ作業者Cは、入荷した物品の補充ラベル(図示せず)を見て、翌日分の低頻度の物品を仮置きスペース16に仮置きする。その後、棚入れ作業者Cは、仮置きスペース16に仮置きされた翌日分の物品を保管棚10の物品保管部22に入れる棚入れ作業をする。なお、棚入れ作業者Cは、物品を仮置きスペース16から保管棚10まで運ぶために、例えば台車等を用いてもよい。
【0053】
具体的には、まず、ハンディーターミナル49で物品の補充ラベルをスキャンし、既に物品が入れられた物品保管部(間口)22を確認する。次いで、ハンディーターミナル49で空いた物品保管部22に対応する棚間口ラベル23をスキャンし、その空いた物品保管部22に物品を入れる。次いで、ハンディーターミナル49で、入れた物品の数量を入力して確定する。
【0054】
棚入れ作業者Cは、仮置きスペース16の物品がなくなるまでこのような作業を繰り返すが、保管棚10についてはフリーロケーションであるため、空いていれば任意の物品保管部22に物品を入れることが可能である。また、1つの物品保管部22に物品が入りきらなければ、別の物品保管部22へ同種類の物品を入れることも可能である(1商品を複数ロケーションで管理)。
【0055】
また、図9に示されるように、保管棚10の管理方法について、ピッキングシステム1の制御手段にて作業日ごとに当日・翌日の棚ロケーションが切り換えられる。棚入れ作業時の当日・翌日の棚チェックについては、ハンディーターミナル49での棚間口ラベル23のスキャン時に行い、その結果が棚入れ作業者Cに知らされる。
【0056】
この図9、図10および図1から明らかなように、一の作業日には、第2通路14を通ることなく第1通路13で1次ピッキング作業者Aがカート9を移動させながら一の作業日における当日分の物品を第1保管棚手段11の物品保管部22からピッキングするピッキング作業をすると同時に、第1通路13を通ることなく第2通路14で棚入れ作業者Cが一の作業日における翌日分の物品を第2保管棚手段12の物品保管部22に入れる棚入れ作業をする。
【0057】
また、一の作業日とは異なる他の作業日、すなわち例えば一の作業日の翌日である他の作業日には、第1通路13を通ることなく第2通路14で1次ピッキング作業者Aがカート9を移動させながら他の作業日における当日分の物品を第2保管棚手段12の物品保管部22からピッキングするピッキング作業をすると同時に、第2通路14を通ることなく第1通路13で棚入れ作業者Cが他の作業日における翌日分の物品を第1保管棚手段11の物品保管部22に入れる棚入れ作業をする。このため、1次ピッキング作業と棚入れ作業とが同時期に行われても、棚入れ作業者Cが1次ピッキング作業者Aのピッキング作業の邪魔になるようなことはない。つまり、1次ピッキング作業者Aと棚入れ作業者Cとが、同じ棚エリアに入ることがなく、作業動線が交錯しない。
【0058】
なお、図10にはピッキング作業時における1次ピッキング作業者Aの動線が示されている。Aライン側の作業者AとBライン側の作業者Aとが互いに邪魔し合わないようになっている。また、1次ピッキング作業者Aは、第3通路20を通る際に、オーダ情報に基づいて端数発生物品用の保管棚手段15の保管棚10の物品保管部22から物品をピッキングする。なお、作業日によってピッキング作業の対象となる第1保管棚手段11および第2保管棚手段12が交互に入れ替わるため、それに応じて1次ピッキング作業者Aの動線も異なる。
【0059】
次に、1次ピッキング作業者Aのピッキング作業(1次ピッキング作業)について説明する。
【0060】
1次ピッキング作業者Aは、ハンディーターミナル49で、ピッキング作業を行うライン、ゾーン番号およびカート番号を入力し、自分が押すカート9にピッキング対象のオーダ情報(例えば12オーダ分)を紐付ける。入力した情報が正しければ、ピッキング作業が開始される。
【0061】
1次ピッキング作業者Aは、ハンディーターミナル49に表示されている保管棚10の物品保管部22のロケーションおよび物品名(商品名)を元に、指定の保管棚10に向かってカート9を押しながら移動する。
【0062】
そして、図11に示すように、1次ピッキング作業者Aは、ハンディーターミナル49を見ながら、指定された保管棚10の物品保管部22から物品をピッキングし、このピッキングした物品を指定されたカート9の物品収納部29に収納する。
【0063】
具体的には、まず、ピッキングする前に、ハンディーターミナル49で棚間口ラベル23をスキャンする。正しい棚間口ラベル23であれば、ハンディーターミナル49には、収納先のカート9の物品収納部29のロケーションおよびピッキング数量が表示される。次いで、1次ピッキング作業者Aは、ハンディーターミナル49でカート間口ラベル30をスキャンする。正しいカート間口ラベル30であれば、指定された物品保管部22から指定数量だけピッキングした物品を、その正しいカート間口ラベル30に対応する物品収納部29に収納する。
【0064】
別の物品収納部29へのオーダ情報があれば、次の物品収納部29に対するピッキング指示へ表示が変更されるので、変更したピッキング指示に応じてピッキング作業を行う。
【0065】
現在ピッキング作業中の物品に関する作業が終了した場合には、ハンディーターミナル49に棚間口完了表示が表示されるので、ENTキーを押して次のピッキング作業に移行する。
【0066】
次のピッキング作業があれば、保管棚10の物品保管部22のロケーションおよび物品名(商品名)が変更されるので、その新たな情報を元に、指定の保管棚10へカート9と一緒に向かい、同様のピッキング作業を行う。
【0067】
カート9への12オーダ分のピッキング作業が終了した場合は、ハンディーターミナル49にピッキング完了表示が表示されるので、ENTキーを押して次のカート9を選択する。
【0068】
ピッキング作業が終了したカート9については、2次ピッキング作業のために、カート待機スペース42に戻す。
【0069】
次に、2次ピッキング作業者Bのピッキング作業(2次ピッキング作業)について説明する。
【0070】
図12に示すように、2次ピッキング作業者Bは、1次ピッキング作業済みのカート9をゲート8に対してセットするとともに、カート9の物品収納部29から物品をピッキングし、このピッキングした物品をコンベヤ部4上の集品容器a内に投入収容する。
【0071】
具体的には、2次ピッキング作業者Bは、次にセットするカート9をゾーン設置の表示手段50を見て確認する。カート9をゲート8にセットすると、カート検知手段36がカート9とゲート8との組合せをチェックし、その組合せが正しくない場合には回転灯37が作動して点灯し、その旨が2次ピッキング作業者Bに報知される。カート待機スペース42に他のカート9があれば、その待機位置を変更する。そして、ゲート8に対する正しいカート9のセット完了によって、2次ピッキング作業が可能となる。
【0072】
2次ピッキング作業については、セットしたカート9からピッキングした物品のオーダ情報に対応する集品容器aが到達すると、ゲート8の指示手段35が点灯しかつ表示手段50がピック数量表示53を表示するので、2次ピッキング作業者Bは、その指示通りに、2次ピッキング作業を行う。
【0073】
指示されたカート9の物品収納部29から物品をピッキングし、このピッキングした物品を指示された集品容器aに投入し、完了スイッチ手段46を操作する。そのカート9についてのオーダ情報が無くなるまで、この2次ピッキング作業をする。
【0074】
そのカート9に割り付けられたオーダ情報が全て完了すると、表示手段50と回転灯37とによってカート9の交換が2次ピッキング作業者Bに報知される。
【0075】
2次ピッキング作業者Bは、2次ピッキング作業済みのカート9をゲート8から取り外し、次のカート9をゲート8にセットする。カート待機スペース42に他のカート9があれば、その待機位置を変更する。取り外したカート9については、1次ピッキング作業者Aによって次の1次ピッキング作業が実施される。
【0076】
そして、ピッキングシステム1によれば、一の作業日には第1通路13で1次ピッキング作業者Aがピッキング作業をすると同時に第2通路14で棚入れ作業者Cが棚入れ作業をし、一の作業日の翌日である他の作業日には第2通路14で1次ピッキング作業者Aがピッキング作業をすると同時に第1通路13で棚入れ作業者Cが棚入れ作業をする構成となっているため、棚入れ作業者Cが1次ピッキング作業者Aのピッキング作業の邪魔にならず、1次ピッキング作業者Aが効率よくピッキング作業をでき、よって、作業効率の向上を図ることができる。
【0077】
また、第1通路13と第2通路14との間には第1保管棚手段11と第2保管棚手段12とが背合わせ状態で配設されているため、スペースの効率化を図ることができる。
【0078】
さらに、翌日分の物品を第1保管棚手段11の近くの仮置きスペース16に仮置きできるため、棚入れ作業者Cが効率よく棚入れ作業をでき、よって、作業効率の向上をより一層図ることができる。
【0079】
また、棚入れ作業者Cは、1日分の物品のみを第1保管棚手段11または第2保管棚手段12に入れるため、翌日のピッキング作業終了後、在庫数とピッキング数とを比較する棚卸作業をする必要がない。つまり、オーダ情報通りのピッキング作業が実施された場合には、棚間口の残数はゼロとなる。
【0080】
なお、ピッキングシステム1は、2つの低頻度ゾーンを有するものには限定されず、例えば低頻度ゾーンが1つのものや、3つ以上のもの等でもよい。
【0081】
また、1次ピッキング作業者Aと2次ピッキング作業者Bとが、必ずしも異なる者である必要はなく、同一の者が兼ねてもよい。
【0082】
さらに、コンベヤ部4は、集品容器aを複数列で搬送する複数列搬送部5を有するものには限定されず、例えば集品容器aを常に単列で搬送するものでもよく、またオーダ単位の物品を直接載せて搬送するもの等でもよい。
【0083】
また、例えばゲート8および指示手段35等を有しない構成でもよく、例えばピッキング作業者がハンディーターミナル等の携帯端末機による指示に基づいて集品容器aに投入するようにしてもよい。
【0084】
なお、本発明における翌日分の物品は、翌日が休日である場合等には、翌日以降の日の分の物品を意味する。
【符号の説明】
【0085】
1 ピッキングシステム
8 ゲート
9 カート
10 保管棚
11 第1保管棚手段
12 第2保管棚手段
13 第1通路
14 第2通路
16 仮置きスペース
22 物品保管部
29 物品収納部
32 開口部
35 指示手段
A 1次ピッキング作業者(ピッキング作業者)
B 2次ピッキング作業者(ピッキング作業者)
C 棚入れ作業者
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品保管部を有する第1保管棚手段と、
この第1保管棚手段に沿って位置する第1通路と、
複数の物品保管部を有する第2保管棚手段と、
この第2保管棚手段に沿って位置する第2通路と、
ピッキング作業者が前記物品保管部からピッキングした物品を収納する複数の物品収納部を有するカートとを備え、
一の作業日には、前記第1通路でピッキング作業者が前記カートを移動させながら前記一の作業日における当日分の物品を前記物品保管部からピッキングするピッキング作業をすると同時に、前記第2通路で棚入れ作業者が前記一の作業日における翌日分の物品を前記物品保管部に入れる棚入れ作業をし、
前記一の作業日とは異なる他の作業日には、前記第2通路でピッキング作業者が前記カートを移動させながら前記他の作業日における当日分の物品を前記物品保管部からピッキングするピッキング作業をすると同時に、前記第1通路で棚入れ作業者が前記他の作業日における翌日分の物品を前記物品保管部に入れる棚入れ作業をする
ことを特徴とするピッキングシステム。
【請求項2】
第1通路と第2通路との間には、第1保管棚手段と第2保管棚手段とが背合わせ状態で配設されている
ことを特徴とする請求項1記載のピッキングシステム。
【請求項3】
第1保管棚手段および第2保管棚手段の少なくとも一方の近くに設けられ、翌日分の物品が仮置きされる仮置きスペースを備える
ことを特徴とする請求項1または2記載のピッキングシステム。
【請求項4】
第1保管棚手段および第2保管棚手段の各々は、複数の保管棚が直線状に並設されて構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載のピッキングシステム。
【請求項5】
第1通路は、互いに離間対向する対をなす第1保管棚手段間に位置し、
第2通路は、互いに離間対向する対をなす第2保管棚手段間に位置する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載のピッキングシステム。
【請求項6】
カートがセットされた状態時にそのカートの物品収納部と対向する開口部を有するゲートと、
このゲートに前記カートの各物品収納部と対応するように設けられ、ピッキングすべき物品が収納されている前記物品収納部を指示する指示手段と
を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載のピッキングシステム。
【請求項1】
複数の物品保管部を有する第1保管棚手段と、
この第1保管棚手段に沿って位置する第1通路と、
複数の物品保管部を有する第2保管棚手段と、
この第2保管棚手段に沿って位置する第2通路と、
ピッキング作業者が前記物品保管部からピッキングした物品を収納する複数の物品収納部を有するカートとを備え、
一の作業日には、前記第1通路でピッキング作業者が前記カートを移動させながら前記一の作業日における当日分の物品を前記物品保管部からピッキングするピッキング作業をすると同時に、前記第2通路で棚入れ作業者が前記一の作業日における翌日分の物品を前記物品保管部に入れる棚入れ作業をし、
前記一の作業日とは異なる他の作業日には、前記第2通路でピッキング作業者が前記カートを移動させながら前記他の作業日における当日分の物品を前記物品保管部からピッキングするピッキング作業をすると同時に、前記第1通路で棚入れ作業者が前記他の作業日における翌日分の物品を前記物品保管部に入れる棚入れ作業をする
ことを特徴とするピッキングシステム。
【請求項2】
第1通路と第2通路との間には、第1保管棚手段と第2保管棚手段とが背合わせ状態で配設されている
ことを特徴とする請求項1記載のピッキングシステム。
【請求項3】
第1保管棚手段および第2保管棚手段の少なくとも一方の近くに設けられ、翌日分の物品が仮置きされる仮置きスペースを備える
ことを特徴とする請求項1または2記載のピッキングシステム。
【請求項4】
第1保管棚手段および第2保管棚手段の各々は、複数の保管棚が直線状に並設されて構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載のピッキングシステム。
【請求項5】
第1通路は、互いに離間対向する対をなす第1保管棚手段間に位置し、
第2通路は、互いに離間対向する対をなす第2保管棚手段間に位置する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載のピッキングシステム。
【請求項6】
カートがセットされた状態時にそのカートの物品収納部と対向する開口部を有するゲートと、
このゲートに前記カートの各物品収納部と対応するように設けられ、ピッキングすべき物品が収納されている前記物品収納部を指示する指示手段と
を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載のピッキングシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図7】
【図8】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図7】
【図8】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−1469(P2013−1469A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131500(P2011−131500)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)
【Fターム(参考)】
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