説明

ピッキング作業設備

【課題】作業者の負担を軽減しながら、仮置き作業を含むピッキング作業を正確に行うことができるピッキング作業設備を提供すること。
【解決手段】管理手段は、現在処理中のピッキングオーダに後続するオーダのうち仮置き判別対象オーダであるピッキングオーダにて指定されている種類の物品が、ピッキング作業箇所に搬送された物品保持体に保持されていると、物品保持体から取り出した物品を当該ピッキングオーダについての集品用保持体にそのまま投入する直接投入作業を示す直接投入表示にて表示手段に表示させた後、直接投入作業の完了を通知する投入完了通知部の通知情報に基づいて、直接投入表示とは異なる表示形態で物品保持体から取り出した物品を仮置き棚に仮置きする仮置き作業を示す仮置き表示に切り換えるべく表示手段の表示作動を制御するピッキング作業設備。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を一種又は複数種保持している物品保持体を、ピッキング対象の物品の種類及び個数を指定するピッキングオーダの並び順でかつピッキングオーダで指定される物品の種類に応じてピッキング作業箇所に搬送する搬送手段と、前記ピッキング作業箇所に順次搬送される前記物品保持体からピッキングオーダにて指定された種類及び個数の物品を取り出して当該ピッキングオーダについて定めた一つの集品用保持体に投入するピッキング作業を行う作業者に対してピッキング作業情報を表示する表示手段と、前記ピッキング作業箇所に設けられて、現在処理中のピッキングオーダに後続する後続オーダについての前記集品用保持体に投入することになる先行取り出し物品を仮置きする仮置き棚と、前記ピッキング作業情報に基づく作業の完了を通知する人為操作式の通知手段と、前記物品保持体が前記ピッキング作業箇所に搬送される毎に当該物品保持体についての前記ピッキング作業情報を前記表示手段に表示させ、かつ、前記表示手段が表示する当該物品保持体についての前記ピッキング作業情報を前記通知手段の通知情報に基づいて変更する管理手段とが設けられたピッキング作業設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記ピッキング作業設備では、搬送手段にてピッキング作業箇所に物品保持体がピッキングオーダに基づいて順次搬送される。作業者は、表示手段に表示されるピッキング作業情報を見ながらピッキング作業を行い、ピッキングオーダにて指定された種類の物品についてのピッキング作業が完了すると、通知手段を通知操作して、当該種類についてのピッキング作業の完了を報告する。これにより、管理手段は、現在処理中のピッキングオーダにて指定されている他の種類の物品についてのピッキング作業情報を表示手段に表示させる。このような処理を繰り返すことで、一つのピッキングオーダについてのピッキング作業が完了すると、次のピッキングオーダが処理される。このようにして、作業者は、ピッキングオーダにて指定された種類及び個数の物品を取り出して当該ピッキングオーダについて定めた集品用保持体に投入するピッキング作業を、多数のピッキングオーダについて、それらのピッキングオーダの並び順に連続して繰り返し行う。
【0003】
このようなピッキング作業設備に関連する従来技術として、特許文献1に開示された技術がある。特許文献1には、ピッキングオーダで指定された種類の物品を保持する物品保持体としてのパレットを自動倉庫から出庫させた後、当該パレットをピッキング作業箇所としてのピッキングゲートに搬入させ、ピッキングオーダにて指定された種類の物品を作業者がピッキングした後に、そのパレットを自動倉庫に入庫させることなく、ピッキングゲートの近傍に設けたストックコンベヤに一旦待機させておく点が開示されている。
【0004】
特許文献1のピッキング作業設備では、ピッキング後のパレットを自動倉庫に入庫することなくストックコンベヤに待機させておくことで、自動倉庫に対するパレットの入庫や出庫の頻発を防止しながら、ピッキングゲートに対してピッキング対象のパレットを迅速に供給できるようにしている。例えば、現在処理中のピッキングオーダに基づいて自動倉庫から出庫されたパレットをピッキング完了後にストックコンベヤに待機させた後、その待機させているパレットに保持されている物品についてのピッキングが後続するピッキングオーダにより指定された場合には、自動倉庫から該当するパレットをわざわざ出庫することなくストックコンベヤから当該パレットを払い出すだけで、ピッキングゲートに当該パレットを迅速に搬入できる。このように、特許文献1のピッキング作業設備では、自動倉庫の入出庫頻度を抑え、しかも、当該ピッキングオーダについてのピッキング作業が円滑に行えるようになっている。
【0005】
ところが、特許文献1のピッキング作業設備では、ピッキングオーダにて指定された種類の物品がピッキングされたパレットについて、後続するピッキングオーダにより指定されている場合は、ストックコンベヤに搬送させ、後続するピッキングオーダにより指定されていない場合は、自動倉庫に入庫させている。よって、搬送手段としては、ピッキングゲートに搬送されたパレットを自動倉庫だけでなくストックコンベヤにも搬送できるような構成を有するとともに、自動倉庫に搬送する状態とストックコンベヤに搬送する状態とに切り換えるための構成も必要となり、構成の複雑化を招くものとなっている。
【0006】
また、特許文献1のピッキング作業設備では、ストックコンベヤに待機させているパレットの物品を集品用保持体に投入する作業を行うときには、再度、ストックコンベヤからピッキングゲートにパレットを搬送しなければならず、その搬送に時間を要することになり、ピッキング作業箇所におけるピッキング作業が円滑に行えないおそれがある。
【0007】
そこで、特許文献2に記載されているように、ピッキング作業箇所に仮置き棚が備えられ、その仮置き棚に、後続するピッキングオーダにて指定されている物品を先行取り出しして仮置きするものがある。これにより、仮置き棚に仮置きされている物品については、搬送手段にて搬送することなく、単に、作業者が、仮置き棚から集品用保持体に投入するだけでよく、ピッキング作業箇所におけるピッキング作業が円滑に行うことができる。そして、後続するピッキングオーダ分の物品についての先行取り出しを行う場合、従来の技術では、特許文献2にも記載されているように、表示手段に表示させるピッキング作業情報として、ピッキングすべき物品の個数の他、物品保持体から取り出す物品がどのピッキングオーダについての物品であるかを示すためにピッキングオーダ番号を表示させることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−292224号公報(段落「0025」並びに図1及び図11)
【特許文献2】特開平10−109715号公報(段落「0041」及び「0042」並びに図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2のように表示手段にてピッキングオーダ番号を表示させて先行取り出し作業を行う場合には、ピッキング作業を行う作業者に、現在処理中のピッキングオーダが何番であるかを、例えば、集品用保持体に表示された番号や、オーダ票の記載等にて把握させ、表示手段に表示するピッキングオーダ番号が、現在処理中のピッキングオーダの番号と異なるピッキングオーダ番号であれば、物品保持体から取り出した物品を仮置き棚に仮置きすることになる。
【0010】
つまり、作業者は、現在処理中のピッキングオーダの番号を把握しなければならず、しかもその把握している番号と表示手段に表示されているピッキングオーダ番号とを照合して、一致しているか否かの判断を行って、その判断に基づいて、物品保持体から取り出した物品を仮置き棚に仮置きするか、現在処理中のピッキングオーダについての集品用保持体に投入するかを決定しなければならない。作業者の認識及び判断に基づいて作業内容が決定するものであると、作業者に重い負担がかかるとともに、例えば、作業者の誤判断があると、そのまま間違ったピッキング作業が行われてしまうため、品質管理上問題となる。
【0011】
本発明は上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、作業者の負担を軽減しながら、仮置き作業を含むピッキング作業を正確に行うことができるピッキング作業設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するために、本発明に係るピッキング作業設備の第1特徴構成は、
物品を一種又は複数種保持している物品保持体を、ピッキング対象の物品の種類及び個数を指定するピッキングオーダの並び順でかつピッキングオーダで指定される物品の種類に応じてピッキング作業箇所に搬送する搬送手段と、前記ピッキング作業箇所に順次搬送される前記物品保持体からピッキングオーダにて指定された種類及び個数の物品を取り出して当該ピッキングオーダについて定めた一つの集品用保持体に投入するピッキング作業を行う作業者に対してピッキング作業情報を表示する表示手段と、前記ピッキング作業箇所に設けられて、現在処理中のピッキングオーダに後続する後続オーダについての前記集品用保持体に投入することになる先行取り出し物品を仮置きする仮置き棚と、前記ピッキング作業情報に基づく作業の完了を通知する人為操作式の通知手段と、前記物品保持体が前記ピッキング作業箇所に搬送される毎に当該物品保持体についての前記ピッキング作業情報を前記表示手段に表示させ、かつ、前記表示手段が表示する当該物品保持体についての前記ピッキング作業情報を前記通知手段の通知情報に基づいて変更する管理手段とが設けられたものにおいて、
前記表示手段は、前記ピッキング作業情報として、現在処理中のピッキングオーダにて指定された種類の物品を保持する前記物品保持体から当該ピッキングオーダで指定されている種類及び個数の物品を取り出して、その取り出した物品を当該ピッキングオーダについての前記集品用保持体にそのまま投入する直接投入作業を示す直接投入情報と、現在処理中のピッキングオーダにて指定された種類の物品を保持する前記物品保持体から前記後続オーダにて指定されている種類及び個数の物品を取り出して、その取り出した物品を前記先行取り出し物品として前記仮置き棚に仮置きする仮置き作業を示す仮置き情報とを異なる表示形態にて表示自在な一つの表示部を備えて構成され、かつ、前記直接投入情報を表示する直接投入表示と前記仮置き情報を表示する仮置き表示とに切り換え自在に構成され、前記通知手段は、前記直接投入作業の完了を通知する投入完了通知部と、前記仮置き作業の完了を通知する仮置き完了通知部とを備え、前記管理手段は、前記後続オーダのうち仮置き判別対象オーダであるピッキングオーダにて指定されている種類の物品が、前記ピッキング作業箇所に搬送された前記物品保持体に保持されていると、前記直接投入表示にて前記表示手段に表示させた後、前記投入完了通知部の通知情報に基づいて前記表示手段を前記直接投入表示から前記仮置き表示に切り換えるべく、又は、前記仮置き表示にて前記表示手段に表示させた後、前記仮置き完了通知部の通知情報に基づいて前記表示手段を前記仮置き表示から前記直接投入表示に切り換えるべく、前記表示手段の表示作動を制御するように構成されている点にある。
【0013】
本特徴構成によれば、管理手段は、表示手段の表示作動を制御して、直接投入表示と仮置き表示とに切り換え表示させることができる。そして、直接投入表示にて表示される直接投入情報と仮置き表示にて表示される仮置き情報とは、一つの表示部において異なる形態で表示されるので、作業者は、その表示部に表示されるピッキング作業情報を見れば、そのピッキング作業情報にて示されているピッキング作業が直接投入作業であるか仮置き作業であるかを認識できる。
【0014】
しかも、表示手段に表示されるピッキング作業情報は、作業者自身が操作する投入完了通知部や仮置き完了通知部の通知情報に基づいて、管理手段が直接投入表示の後に仮置き表示に切り換える(又は、仮置き表示の後に直接投入表示に切り換える)ので、作業者が直接投入作業(仮置き作業)を完了させた後は、表示手段の表示にしたがって、次のピッキング作業内容を認識できる。つまり、作業者は、表示手段に表示されたピッキング作業が完了したら通知手段を通知操作して表示手段の表示情報を次のピッキング作業についてのものに切り換えることで、次のピッキング作業が直接投入作業であるか仮置き作業であるかを認識できる。
【0015】
したがって、作業者は、表示手段に表示されたピッキング作業情報(例えば、物品の個数)が示す作業が、集品用保持体に投入する作業であるのか、仮置き棚に仮置きする作業であるのかを、ピッキングオーダ番号等を照合して自らが判断するといったことなく、表示手段における表示形態の違いから簡単かつ確実に認識できる。
【0016】
このように、作業者の負担を軽減しながら、仮置き作業を含むピッキング作業を正確に行うことができるピッキング作業設備を得るに至った。
【0017】
本発明に係るピッキング作業設備の第2特徴構成は、前記仮置き判別対象オーダは、現在処理中のピッキングオーダに続く複数の前記後続オーダのうちそれらの合計オーダ量が設定オーダ量以内となる複数のピッキングオーダである点にある。
【0018】
本特徴構成によれば、作業者のピッキング処理能力や搬送手段の搬送能力や仮置き棚の容量等を考慮して設定オーダ量を調節することで、仮置き判別対象オーダを、現在処理中のピッキングオーダから後続するピッキングのうちから適切な量に制限することができる。これにより、仮置き作業の発生度合いや仮置き期間を調節することが可能となり、直接投入作業と仮置き作業のバランスをとってピッキング作業の効率化を図ることができる。
【0019】
本発明に係るピッキング作業設備の第3特徴構成は、前記直接投入表示と前記仮置き表示との表示形態の違いが、表示色の違い、点灯表示と点滅表示の違い、付加情報を示す付加表示部の有無の違いの少なくとも一つ以上の違いである点にある。
【0020】
本特徴構成によれば、表示色の違いや点灯表示と点滅表示の違いや付加情報を示す付加表示部の有無の違いの何れかの違いにより直接投入表示と仮置き表示との表示形態が異なるので、両者の表示形態の違いが分かり易い。そのため、作業者は、直接投入表示と仮置き表示とを明確に区別でき、ピッキング作業として直接投入作業と仮置き作業とを間違うことなく正確に認識することができる。
【0021】
本発明に係るピッキング作業設備の第4特徴構成は、前記仮置き棚には、仮置き領域が複数設定され、前記表示手段は、前記複数の仮置き領域のうちの一つを特定可能な仮置き先情報を前記表示部に表示自在に構成され、前記管理手段は、前記先行取り出し物品の種類及び個数を前記仮置き表示にて前記表示手段に表示させる場合は、前記仮置き領域のうちから当該先行取り出し物品を指定する後続オーダについての前記仮置き領域として一つ選択し、その選択した前記仮置き領域を特定する仮置き先領域情報と共に当該後続オーダについての先行取り出し物品の種類及び個数を表示させるように構成されている点にある。
【0022】
本特徴構成によれば、一つのピッキングオーダについて選択される仮置き領域が複数設定されるので、仮置き棚に複数のピッキングオーダについての先行取り出し物品を仮置きする場合に、ピッキングオーダ間で物品が混じらないように区分けして仮置き棚に仮置きできる。
【0023】
また、表示手段に先行取り出し物品の種類及び個数が仮置き表示にて表示される場合は、仮置きする先行取り出し物品についての仮置き領域を特定する仮置き先領域情報も表示されるので、作業者は、仮置き作業であることを認識できるだけでなく、仮置き作業において仮置きする仮置き領域の場所をも同時に認識することができるので、作業者は、表示手段に仮置き表示にて表示された種類の物品を指定された個数だけ表示された仮置き領域に仮置きすればよい。このように、作業者は表示手段の表示にのみ基づいて仮置き作業を簡単に行える。
【0024】
本発明に係るピッキング作業設備の第5特徴構成は、前記管理手段は、前記物品保持体が前記ピッキング作業箇所に搬送されると、当該物品保持体から前記直接投入作業にて前記集品用保持体にそのまま投入される物品を指定するピッキングオーダと同じピッキングオーダにて指定されている種類の物品であって、当該集品用保持体に投入されるべく前記先行取り出し物品として前記仮置き領域に仮置きされた物品が存在するか否かを判別し、当該ピッキングオーダについての前記先行取り出し物品が前記仮置き領域に存在する場合は、当該ピッキングオーダについての前記直接投入情報を前記表示部に前記直接投入表示にて表示するとともに、当該ピッキングオーダについての前記先行取り出し物品が仮置きされている前記仮置き領域を特定する投入対象領域情報を前記仮置き先領域情報の表示形態と異なる表示形態で前記表示手段に表示させるように構成されている点にある。
【0025】
本特徴構成によれば、現在処理中のピッキングオーダについての先行取り出し物品が仮置き領域に存在する場合は、直接投入情報が直接投入表示にて表示されるとともに、投入対象領域情報が表示するので、作業者は、直接投入作業で集品保持体に物品を投入するときに、現在処理中のピッキングオーダについての仮置き領域に仮置きされている先行取り出し物品を当該集品保持体に投入できる。さらに、仮置き領域を特定する投入対象領域情報が仮置き先領域情報の表示形態と異なる表示形態で表示手段に表示されるので、作業者は、仮置き領域を特定する情報であってもそれが仮置き作業についての情報でないことを認識できる。したがって、直接投入作業と仮置き物品の投入作業とを一緒に行うことで投入作業の時間短縮を図るとともに、仮置き物品の投入作業を仮置き作業と間違うことを防止できる。
【0026】
本発明に係るピッキング作業設備の第6特徴構成は、前記ピッキング作業箇所には、複数の物品保持体停止位置が設定され、前記搬送手段は、前記物品保持体停止位置のそれぞれに前記物品保持体を各別に搬送自在な複数の搬送部を備えて構成され、前記表示部は、前記ピッキング作業箇所における複数の前記物品保持体停止位置の配置状態に合わせた複数の表示領域を備えて構成され、前記管理手段は、前記直接投入情報又は前記仮置き情報を前記直接投入表示又は前記仮置き表示にて前記表示部に表示させる場合は、当該直接投入情報又は当該仮置き情報に基づく前記直接投入作業又は前記仮置き作業において取り出し対象となる種類の物品を保持している前記物品保持体が搬送される前記物品保持体停止位置に対応する表示領域に、当該直接投入情報又は当該仮置き情報を表示させるように構成されている点にある。
【0027】
本特徴構成によれば、複数の物品保持体停止位置に対して物品保持体が各別に搬送されるので、ピッキング作業箇所にはピッキング作業の対象となる物品保持体を途絶えさせることなく順次搬送させることができる。したがって、ピッキング作業の対象となる物品保持体がピッキング作業箇所に存在しないために作業者が作業をせずに待機する無駄時間の発生を極力防止できるので、設備の処理能力の向上が期待できる。
【0028】
また、複数の搬送部により複数の物品保持体停止位置に対して物品保持体が各別に搬送されるので、ピッキング作業箇所におけるピッキング作業の進捗に遅れることなく適切な時期に、ピッキング対象の物品保持体を物品保持体停止位置に搬送できる。
【0029】
しかも、表示部に物品保持体停止位置の配置状態に合わせた複数の表示領域を備えさせて、物品保持体が搬送される物品保持体停止位置に対応する表示領域に、その物品保持体に保持されている物品についての直接投入情報又は仮置き情報を表示させるので、作業者は、表示手段に表示される直接投入情報や仮置き情報の表示領域を認識することで、複数の物品保持体停止位置の何れに停止している物品保持体について直接投入や仮置き作業をすればよいかを理解できる。
【0030】
このように、複数の物品保持体に対するピッキング作業を正確に効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】ピッキング作業設備の全体平面図
【図2】ピッキング作業箇所の斜視図
【図3】コンテナに収納されている物品の種類と搬送先の一例
【図4】ピッキングオーダの一例
【図5】液晶ディスプレイの正面図
【図6】直接投入表示・仮置き表示・仮置き物品投入表示の例
【図7】ピッキングオーダの処理フロー
【図8】ピッキングオーダの処理フロー
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明に係るピッキング作業設備の実施形態について図面に基づいて説明する。ピッキング作業設備は、図1及び図2に示すように、作業者Aによるピッキング作業が行われるピッキング作業箇所PSに、物品を一種又は複数種保持している物品保持体としてのピックコンテナCpを収納棚1から出庫して物品保持体停止位置としてのピックコンテナ位置Pに搬入し、また、ピックコンテナCpをピックコンテナ位置Pから搬出して収納棚1に入庫する搬送手段としてのピックコンテナ搬送システムBが設けられている。
【0033】
ピックコンテナ搬送システムBは、収納棚1と入出庫口との間でコンテナCpを搬送するスタッカークレーン3と、このスタッカークレーン3の入出庫口に配設された出庫コンベヤ4及び入庫コンベヤ5と、出庫コンベヤ4から受け取ったピックコンテナCpをピックコンテナ位置Pに搬入し、ピックコンテナ位置PからピックコンテナCpを搬出して入庫コンベヤ5に受け渡すコの字コンベヤ6とを備えている。
【0034】
収納棚1はコンテナ出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置されており、ぞれぞれの収納棚1は、一対のコンテナ支持体1aを備えてピックコンテナCpを載置支持自在な収納部1bが上下左右に並設して構成されている。一対の収納棚1のピッキング作業箇所PS側の収納棚1における最下段には、スタッカークレーン3の入出庫口が、クレーンの走行方向に分散して2箇所設けられている。
【0035】
スタッカークレーン3は、一対の収納棚の間に形成された直線状の移動通路を、床面に敷設された走行レール2にて案内されながら往復走行移動自在に構成されている。スタッカークレーン3は、走行台車に立設された走行方向で前後一対の昇降案内マストに、互いに接近離間移動自在な一対の把持部を備えたサイドクランプ式の移載装置3aを、走行方向に並べて2機搭載して構成されており、同時に2個のピックコンテナCpを移載できるため処理能力が高いスタッカークレーンとなっている。なお、図1ではスタッカークレーン3は1台示されているが、走行レール2上に複数台のスタッカークレーン3を移動自在に設けてもよく、これにより一層処理能力を高くすることができる。
【0036】
一方の収納棚1に設けられた前記2箇所の入出庫口のうち、図1の紙面上側に位置する第1入出庫口は、ピッキング作業箇所PSにおけるピックコンテナ位置Pのうち同紙面上側に位置する第1ピックコンテナ位置P1に搬入するピックコンテナCpを出庫し、かつ、第1ピックコンテナ位置P1から搬出されたピックコンテナCpを入庫する。同様に、2箇所の入出庫口のうち、図1の紙面下側に位置する第2入出庫口は、ピッキング作業箇所PSにおけるピックコンテナ位置Pのうち同紙面下側に位置する第2ピックコンテナ位置P2に搬入するピックコンテナCpを出庫し、かつ、第2ピックコンテナ位置P2から搬出されたピックコンテナCpを入庫する。
【0037】
第1入出庫口及び第2入出庫口のそれぞれには、搬送方向が一対の移載装置3aの移載方向に沿った出庫コンベヤ4の搬送始端部と、同じく搬送方向が一対の移載装置3aの移載方向に沿った入庫コンベヤ5の搬送終端部が位置している。
【0038】
第1入出庫口についての出庫コンベヤ4及び入庫コンベヤ5は、クレーン走行方向で一対の移載装置3aのクレーン走行方向での設置間隔に対応する間隔にて隣接する一対の第1出庫コンベヤ4a及び一対の第1入庫コンベヤ5aにて構成されている。同様に、第2入出庫口についての出庫コンベヤ4及び入庫コンベヤ5は、一対の移載装置3aのクレーン走行方向での設置間隔に対応する間隔にて隣接する一対の第2出庫コンベヤ4b及び一対の第2入庫コンベヤ5bにて構成されている。
【0039】
一対の第1出庫コンベヤ4aと一対の第1入庫コンベヤ5aとは第1コの字コンベヤ6aにて接続されている。一対の第1出庫コンベヤ5aは一対の第1入庫コンベヤ4aよりも、第1コの字コンベヤ6aの搬送幅程度だけ搬送方向に沿う全長が短くなっており、第1コの字コンベヤ6aの往路部分と復路部分の設置間隔を極力小さくして省スペース化を図っている。そして、第1コの字コンベヤ6aは、第1出庫コンベア4aの搬送終端部からピックコンテナCpを2個同時に又は1個受け取って、各ピックコンテナCpを、第1ピックコンテナ位置P1を経由させて、第1入庫コンベヤ5aの搬送始端部にピックコンテナCpを2個同時に又は1個受け渡すようにして、複数個所において搬送方向を直角に変更させながら、ピックコンテナCpを時計回りで搬送する。なお、搬送方向を直角に変更させる箇所において必要な箇所にて昇降式のチェーントランサが設けられており、切り換え前の搬送方向に沿って載置搬送されるピックコンテナCpを下降位置のチェーントランサで受け入れた後、チェーントランサを上昇位置に切り換えて、上昇位置のチェーントランサにて、切り換え後の搬送方向に沿って送り出すことで、搬送方向の切り換えが行われる。
【0040】
同様に、一対の第2出庫コンベヤ4bと一対の第2入庫コンベヤ5bとは第2コの字コンベヤ6bにて接続されており、第2コの字コンベヤ6bは、第2出庫コンベア4bの搬送終端部からピックコンテナCpを2個同時に又は1個受け取って、各ピックコンテナCpを、第2ピックコンテナ位置P2を経由させて、第2入庫コンベヤ5bの搬送始端部にピックコンテナCpを2個同時に又は1個受け渡すようにして、複数個所において搬送方向を直角に変更させながら、ピックコンテナCpを時計回りで搬送する。
【0041】
このように、ピックコンテナ搬送システムBは、複数の物品保持体停止位置としての第1ピックコンテナ位置P1及び第2ピックコンテナ位置P2のそれぞれにピックコンテナCpを各別に搬送自在な複数の搬送部として、スタッカークレーン3、第1出庫コンベヤ4a及び第2出庫コンベヤ4b、第1入庫コンベヤ5a及び第2入庫コンベヤ5b、第1コの字コンベヤ6a及び第2コの字コンベヤ6bを備えて構成されている。
【0042】
ピックコンテナ搬送システムBの作動を制御する管理装置Cが設けられている。管理装置Cは、収納棚1における各収納部1bにどのピックコンテナCpが収納されているかを、管理するとともに、各ピックコンテナCpに収容されている物品の種類及び個数も管理している。そして、ピッキング対象の物品の種類及び個数を指定するピッキングオーダ(以下、単に「オーダ」ともいう。)の並び順でかつピッキングオーダで指定される物品の種類に応じて適切な順序でピックコンテナCpがピッキング作業箇所PSに搬送されるように、ピックコンテナ搬送システムBの作動を制御する。
【0043】
なお、図示は省略するが、コンテナ外側面の所定位置には各コンテナを識別する識別子としてのバーコードが付されており、第1ピックコンテナ位置P1及び第2ピックコンテナ位置P2よりもそれぞれについてのコの字コンベヤ6a・6bの搬送方向で上流側箇所には、第1コの字コンベヤ6aや第2コの字コンベヤ6bの往路部分にて載置搬送されるピックコンテナCpに付されたバーコードを読み取り自在なコンテナ識別手段としてのバーコードリーダが設けられている。これにより、オーダ及びオーダの指定品種に応じた適切な順序でピックコンテナCpがピックコンテナ位置Pに搬入されているかを確認できるようになっている。なお、各ピックコンテナCpに付する識別子としては、バーコードに代えて、RFIDタグでもよい。この場合、コンテナ識別手段としては、バーコードリーダに代えてRFIDタグリーダを用いることになる。
【0044】
ピッキング作業箇所PSにおける第1ピックコンテナ位置P1の近傍には、ピッキング作業を行う作業者が、良好に視認可能な位置に、作業者に対してピッキング作業情報を表示する表示手段としての液晶ディスプレイDが設けられている。液晶ディスプレイDには、表示部としての表示画面Vが一つ備えられており、表示画面Vは、管理装置Cからの映像制御信号によりその表示作動が制御可能に構成されている。作業者は液晶ディスプレイDの表示画面Vに表示されるピッキング作業情報に従って、ピッキング作業箇所PSにおける集品コンテナ位置P3に準備された一つの集合コンテナCgに一つのオーダにて指定された種類の物品を指定された個数だけ投入するピッキング作業を進めていく。
【0045】
集品コンテナCgは、集品コンテナ位置P3まで集品コンテナ供給コンベヤ7にてオーダ毎に自動的に用意される。集品コンテナ供給コンベヤ7の搬送終端部には昇降式のチェーントランサが設けられており、1個のオーダにて指定された種類の物品の全てについて当該オーダについての集品コンテナCgへの投入が完了すると、当該集品コンテナCgは、供給コンベヤ7に隣接する払い出しコンベヤ9にチェーントランサにより搬出される。また、集品コンテナ位置P3よりも供給コンベヤ7の搬送方向で上流側箇所には、供給コンベヤ7にて載置搬送されるピックコンテナCpに付されたバーコードを読み取り自在なバーコードリーダが設けられている。これにより、集品コンテナ位置P3に位置する集品コンテナCgを現在処理中のオーダに対応する集品コンテナCgとして管理することができる。なお、バーコード及びバーコードリーダに代えて、RFIDタグ・RFIDタグリーダを用いてもよいことは、第1ピックコンテナ位置P1や第2ピックコンテナ位置P2についてのコンテナ識別手段と同様である。
【0046】
本実施形態では、集品コンテナCgは、ピッキング作業箇所PSにおける集品コンテナ位置P3まで集品コンテナ供給コンベヤ7にてオーダ毎に自動的に用意されるが、人手により用意してもよい。集品コンテナCgとして折り畳み式のコンテナであれば、ピッキング作業箇所の近傍に複数のコンテナを折り畳んだ状態で積層して保管しておいても保管スペースも小さくて済む。
【0047】
ピッキングオーダは、例えば、一定期間に蓄積された複数の出荷先からの複数の種類の物品についての複数の出荷要求を、上位の管理コンピュータがバッチ処理によりそれぞれの出荷先毎に物品の種類別に分類することで、ピッキングオーダが複数個生成される。つまり、現在処理をしているオーダの次には処理すべきオーダが存在しており、さらにその後にも連続して存在している。そして、それらの複数のオーダが順次処理され、1個のオーダの処理が完了すると、次のオーダのための集品コンテナCgが用意され、当該次のオーダについてのピッキング作業が行えるようになっている。一つのオーダで、単一種類の物品を指定個数だけ指定する場合もあれば、複数種類の物品をそれぞれの指定個数だけ指定するオーダもある。ちなみに、作業者は、例えば1時間当り約360個といった多数のオーダに基づくピッキング作業を次々に行う。
【0048】
本実施形態のピッキング作業設備では、現在処理中のオーダ(以下、単に「現オーダ」ともいう。)にて指定された種類の物品を保持するピックコンテナCpから当該オーダにて指定された種類の物品を指定された個数だけ取り出して、その取り出した物品をそのまま当該オーダについての集品コンテナCgに投入する直接投入作業や、現オーダに続く後続オーダのうち仮置き判別対象オーダであるピッキングオーダにて指定されている種類の物品が現オーダにて指定された種類の物品を保持するピックコンテナCpに存在すれば、当該ピックコンテナCpから当該後続オーダにて指定されている種類及び個数の物品を取り出して、その取り出した物品を先行取り出し物品として仮置き棚8に仮置きする仮置き作業(いうなれば、現オーダの処理のついでに当該後続オーダにて指定されている種類の物品を、指定された個数だけ先行取り出し物品として仮置き棚8に仮置きする作業)や、先行取り出し物品を、先行取り出し物品を指定している後続オーダを処理するタイミングになってから、当該後続オーダについての先行取り出し物品として仮置き棚8に仮置きされている物品(1種類以上)を当該後続オーダについての集品コンテナCgに投入する仮置き物品投入作業といった一つ一つの作業を液晶ディスプレイDの表示画面Vに表示される表示情報に従って行うことで、各作業を間違いなく、効率よく行うことができるようになっている。
【0049】
上述の仮置き判別対象オーダは、本実施形態では、現在作業中のピッキングオーダに続く複数の後続オーダのうち、それらの合計オーダ量が設定オーダ量(例えば、オーダ数量で30個)以内となる複数のピッキングオーダである。つまり、現オーダに基づいてピックコンテナCpがピックコンテナ位置Pに搬入されると、管理装置Cは、当該ピックコンテナCpに保持されている物品の種類と同じ種類の物品が、現オーダから設定オーダ量だけ後の後続オーダのいずれかにおいて再び指定されていないか判別する。
【0050】
液晶ディスプレイDの表示画面Vは、ピッキング作業情報として、直接投入作業を示す直接投入情報と、仮置き作業を示す仮置き情報とを異なる表示形態にて表示自在に構成され、かつ、直接投入情報を表示する直接投入表示と仮置き情報を表示する仮置き表示とに切り換え自在に構成されている。表示画面Vは、図5に示すように、ピッキング作業箇所PSにおける第1ピックコンテナ位置P1及び第2ピックコンテナ位置P2の配置状態に合わせた複数の表示領域を備えて構成され、左大表示部VZL及び右大表示部VZR並びにこれらの下側に位置する複数の小表示部VZ1〜VZ8の複数の表示領域に分割されている。
【0051】
本実施形態では、直接投入表示は、例えば、図6(a)(c)(d)(g)に示す表示画面Vの表示がこれに該当する。すなわち、直接投入作業でピックコンテナCpから取り出すべき物品の種類及び個数を、左大表示部VZLや右大表示部VZR(図5参照)に、集品コンテナCgへの投入作業であることを示す赤色背景(図6では白黒図面の都合により濃色背景になっている。)で示している。
【0052】
一方、仮置き表示は、例えば、図6(b)(f)(e)に示す表示画面Vの表示がこれに該当する。すなわち、仮置き作業でピックコンテナCpから取り出すべき物品の種類及び個数を、左大表示部VZLや右大表示部VZRに、仮置き棚8に仮置きする仮置き作業であることを示す水色背景(図6では白黒図面の都合により淡色背景になっている。)で示すと共に、付加情報を示す付加表示部として複数の小表示部VZ1〜VZ8を設けて、これらの小表示部VZ1〜VZ8のうち先行取り出し物品を仮置きする仮置き領域に対応した小表示部を水色に点灯させる。例えば、図6(b)に示すように、あるオーダに基づいて搬入されたピックコンテナCpから取り出すべき先行取り出し物品の種類「品名A」及び個数「2」に加えて、取り出した物品(2個の「品名A」の物品)を仮置きする場所(仮置き棚8における第1領域Z1)を示す仮置き先情報として、小表示部VZ1〜VZ8のうち、仮置き棚8における第1領域Z1に対応する最も右に位置する第1小表示部VZ1を水色に点灯させる。
【0053】
このように、本実施形態では、直接投入表示と仮置き表示との表示形態の違いが、表示色の違いに加えて付加情報を示す付加表示部の有無の違いとなっている。また、仮置き表示では、複数(8個)の仮置き領域Z1〜Z8のうちの一つを特定可能な仮置き先情報を付加情報として表示させている。
【0054】
そして、ピックコンテナ搬送システムBによりピックコンテナCpがピッキング作業箇所PSにおける第1ピックコンテナ位置P1や第2ピックコンテナ位置P2に順次搬送されると、作業者Aは、液晶ディスプレイDの表示画面Vに表示された表示情報に従って、ピックコンテナCpから、オーダにて指定された種類及び個数の物品を取り出して当該オーダについて定めた一つの集品用保持体としての集品コンテナCgに投入するピッキング作業を行う。液晶ディスプレイDの表示画面Vには、直接投入情報と仮置き情報とは互いに排他的に表示され、これらが同時に表示されることはないので、作業者Aは、表示画面Vに表示される作業情報に従ってさえいれば、現オーダに基づいて搬入されたピックコンテナCpについてのピッキング作業として、直接投入作業と仮置き作業とを間違えることはない。
【0055】
なお、表示画面Vは、直接投入表示と仮置き表示とは互いに排他的に表示されることを説明したが、仮置き物品投入作業を示す仮置き物品投入表示は、表示画面Vに単独で表示される場合(図6(i)参照)の他、仮置き物品投入の対象となる集品コンテナCgに対する直接投入作業が存在する場合には、直接投入表示と仮置き物品投入表示とが表示画面Vに同時期に表示される場合がある(図6(h)参照)。
【0056】
仮置き棚8は、図2に示すように、液晶ディスプレイDを挟むように分割して配置された前側仮置き棚8Fと横側仮置き棚8Sとで構成されている。前側仮置き棚8Fは、ピッキング作業箇所PSにおける第1ピックコンテナ位置P1及び第2ピックコンテナ位置P2の上方に設置され、横側仮置き棚8Sはピッキング作業箇所PSにおける集品コンテナ位置P3の上方に設置されている。前側仮置き棚8Fと横側仮置き棚8Sとのそれぞれは、間仕切りにより区分けされて、前側仮置き棚8Fには第1領域Z1〜第6領域Z6が、そして、横側仮置き棚8Sには第7領域Z7及び第8領域Z8が形成され、合計8個の仮置き領域が形成されている。
【0057】
このように、仮置き棚8はピッキング作業箇所PSに設けられて、仮置き領域が複数(8個)設定され、現在処理中のピッキングオーダに後続する後続オーダについての集品コンテナCgに投入することになる先行取り出し物品を仮置きするために用いられる。各仮置き領域は、先行取り出し物品が発生するとその先行先取り物品を指定する1個のオーダについて一つ設定される。そのため、一つのオーダについて先行取り出し物品が複数種類発生すると、一つの仮置き領域に複数の種類の物品が混載状態で仮置きされることになる。
【0058】
液晶ディスプレイDに表示されるピッキング作業情報に基づく作業の完了を通知する人為操作式の通知手段として、直接投入作業の完了を通知する投入完了通知部としての投入完了ボタン10と、仮置き作業の完了を通知する仮置き完了通知部としての仮置き完了ボタン11とを備えている。投入完了ボタン10及び仮置き投入ボタン11はいずれも、照光式の押しボタンスイッチにて構成されている。
【0059】
投入完了ボタン10は、集品コンテナ供給コンベヤ7における集品コンテナ位置P3より搬送方向下流側の箇所つまり搬送後端部箇所で、かつ、ピッキング作業箇所で立ち作業をする作業者Aの腰高さ付近に設けられている。投入完了ボタン10は、集品コンテナCgに対する種類単位での直接投入作業や仮置き領域単位で仮置き物品投入作業が液晶ディスプレイDの表示画面に表示されると同時に点滅し始め、作業者がこれらの作業を行った後に押し操作することで点滅作動が停止する。つまり、投入完了ボタン10は、1オーダについて少なくとも1回は押し操作され、多い場合は、そのオーダについての集品コンテナCgに投入する物品の種類と同じ回数だけ押し操作されるものである。
【0060】
なお、後述するように、現オーダについての先行取り出し物品がすでに仮置き棚8に仮置きされていると、液晶ディスプレイDには、当該オーダについての直接投入作業を示す直接投入表示と同時に、仮置き物品投入表示がされるため、この場合は、オーダについての集品コンテナCgに投入する物品の種類よりも、先行取り出し物品の種類の数だけ少ない回数だけ投入完了ボタン10が押し操作される。このように投入完了ボタン10は作業者により頻繁に押し操作されるが、投入完了ボタン10を上述のように配置することで、その操作が迅速容易に行える。
【0061】
仮置き投入ボタン11は、仮置き棚8の棚板の前面部において、上記8つの仮置き領域(第1領域Z1〜第8領域Z8)に対応して8つのボタンが分散配置されている。仮置き完了ボタン11は、ピックコンテナCpからの種類単位での仮置き作業が液晶ディスプレイDに表示されると同時に点滅し始め、作業者が仮置き作業を行った後に押し操作することで点滅作動が停止する。つまり、仮置き投入ボタン11は、一つのオーダに基づいてピックコンテナCpがピックコンテナ位置Pに搬入されても、ピックコンテナCpによってはピックコンテナCpがピックコンテナ位置Pから搬出されるまで一度も押し操作されない場合もあるし、一つのオーダの処理が開始されてから終了するまで一度も押し操作されない場合もある。
【0062】
上記液晶ディスプレイDの作動は、管理装置Cにて制御される。管理装置Cは、ピックコンテナCpがピッキング作業箇所PSに搬送される毎に当該ピックコンテナCpについてのピッキング作業情報を液晶ディスプレイDに表示させ、かつ、液晶ディスプレイDが表示する当該ピックコンテナCpについてのピッキング作業情報を投入完了ボタン10及び仮置き完了ボタン11からの作業完了情報に基づいて変更するように構成されている。つまり、管理装置Cは管理手段として機能している。
【0063】
管理装置Cは、後続オーダのうち仮置き判別対象オーダであるピッキングオーダにて指定されている種類の物品が、ピッキング作業箇所PSに搬送されたピックコンテナCpに保持されていると、直接投入表示にて液晶ディスプレイDに表示させた後、投入完了ボタン10の通知情報に基づいて液晶ディスプレイDを直接投入表示から仮置き表示に切り換えるべく、液晶ディスプレイDの表示作動を制御するように構成されている。
【0064】
また、管理装置Cは、直接投入情報又は仮置き情報を直接投入表示又は仮置き表示にてディスプレイDに表示させる場合は、当該直接投入情報又は当該仮置き情報に基づく直接投入作業又は仮置き作業において取り出し対象となる種類の物品を保持しているピッキングコンテナCpが搬送される第1ピックコンテナ位置P1や第2ピックコンテナ位置P2に対応する左大表示部VZLや右大表示部VZL(図5参照。)に、当該直接投入情報又は当該仮置き情報を表示させるように構成されている。
【0065】
例えば、図4に示すようなオーダに対して、ピックコンテナCpが図3に示すような品種分類の順序でピックコンテナ位置Pに搬入されたとして、現オーダが「002」である場合、コンテナ1が第2ピックコンテナ位置P2に搬入されるので、オーダ「002」にて指定されている品種Aを1個というピッキング作業についての表示は、図6(a)のようになる。つまり、左大表示部VZLに直接投入を意味する赤色背景で「品名A」と個数「01」が表示される。
【0066】
さらに、管理装置Cは、液晶ディスプレイDの作動の作動を制御して、仮置き表示をさせる。すなわち、管理装置Cは、先行取り出し物品の種類及び個数を仮置き表示にて液晶ディスプレイDに表示させる場合は、第1領域Z1〜第8領域Z8のうちから当該先行取り出し物品を指定する後続オーダについての仮置き領域として一つ選択し、その選択した仮置き領域を特定する仮置き先領域情報と共に当該後続オーダについての先行取り出し物品の種類及び個数を液晶ディスプレイDに表示させている。
【0067】
例えば、現オーダが「002」であって、品種Aの1個が直接投入され、投入完了ボタン10が押し操作されると、液晶ディスプレイDの表示画面Vは図6(a)から(b)に切り換わって、図4に示す後続オーダ「004」にて指定されている品種Aの2個を先行取り出し物品として、品種Aの2個を第1領域Z1に仮置きする仮置き作業が仮置き表示される。先行取り出し物品(品種A)が保持されているピックコンテナCpは第2ピックコンテナ位置P2に位置しているから、仮置き表示は、左大表示部VZL及び第1小表示部VZ1を用いて、仮置き作業を示す水色背景で表示される。このとき、投入完了ボタン10の点滅は押し操作により一旦終了し、表示画面Vが仮置き表示に切り換わると、仮置き棚8の第1領域Z1の前面箇所の仮置き完了ボタンが点滅を開始する。
【0068】
さらにまた、管理装置Cは、ピックコンテナCpがピッキング作業箇所PSに搬送されると、当該ピックコンテナCpから直接投入作業にて集品コンテナCgにそのまま投入される物品を指定するピッキングオーダと同じピッキングオーダにて指定されている種類の物品であって、当該集品コンテナCgに投入されるべく先行取り出し物品として第1領域Z1〜第8領域Z8のいずれかに仮置きされた物品が存在するか否かを判別し、当該ピッキングオーダについての先行取り出し物品が第1領域Z1〜第8領域Z8のいずれかに存在する場合は、当該ピッキングオーダについての直接投入情報を液晶ディスプレイDの表示画面Vに直接投入表示にて表示するとともに、当該ピッキングオーダについての先行取り出し物品が仮置きされている仮置き領域を特定する投入対象領域情報を仮置き先領域情報の表示形態と異なる表示形態で液晶ディスプレイDの表示画面Vに表示させるように構成されている。
【0069】
具体的には、現オーダに基づいて直接投入作業を行う場合、管理装置Cは表示画面Vに直接投入表示をさせるが、そのオーダについて仮置き物品投入作業があれば、当該オーダについての直接投入作業として最終の直接投入作業(直接投入作業が1回だけのオーダの場合その直接投入作業。)についての直接投入表示をさせるときに、仮置き物品投入作業についての作業情報として、上記液晶ディスプレイDに当該ピッキングオーダについての先行取り出し物品が仮置きされている仮置き領域に対応する小表示部を表示作動させる。例えば、第1領域Z1に当該オーダについての先行取り出し物品が仮置きされている場合、当該オーダの最後の直接投入表示を行うときには、仮置き投入表示も同時に行って第1小表示部VZ1をも合わせて表示作動させる(図6(h)参照)。
【0070】
しかも、第1小表示部VZ1を仮置き表示にて表示作動させる場合は、仮置き先領域情報を、仮置き作業であることを示す水色背景で表示させるが、仮置き投入表示にて第1小表示部VZ1を表示作動させる場合は、投入作業であることを示す赤色背景で表示作動させる。このように、管理装置Cは、仮置き投入表示にて投入対象領域情報を表示させる場合、仮置表示における仮置き先領域情報の表示形態と異なる表示形態で、液晶ディスプレイDに表示させるように構成されている。
【0071】
次に、図7及び図8のフローチャートに基づいて、管理装置Cの制御動作を中心にピッキング作業の進行について説明する。以下の説明では、具体例として、図4に示すオーダパターンと図3に示すピックコンテナCpの物品保持パターン及び搬入先パターンを適宜用いることとする。なお、図6は、図4に示す各オーダにて指定された種類の物品を保持しているピックコンテナCpが図3に示すピックコンテナ位置Pに搬入されて、図4の各オーダがオーダ番号順に順次処理される場合における液晶ディスプレイDの表示画面Vの表示内容の変化を示している。また、図7及び図8のフローチャートは、一つのオーダが処理される場合の表示画面Vの表示作動、ピックコンテナCp及び集品コンテナCgの動き、投入完了ボタン10の点滅作動並びに仮置き完了ボタン11の点滅作動及び点灯作動について状態変化を示すものである。
【0072】
ちなみに、一つのオーダの作業内容としては、パターン1「直接投入作業のみ」(オーダ「005」についての図6(i)の表示だけを行う場合)、パターン2「直接投入作業+仮置き作業」(オーダ「002」についての図6(a)(b)の表示だけやオーダ「003」についての図6(c)(d)(e)(f)の表示だけを行う場合)、パターン3「直接投入作業+仮置き作業+仮置き物品投入作業」(オーダ「004」についての図6(g)(h)の表示を行う場合)パターン4「直接投入作業+仮置き物品投入作業」(図4のオーダパターンでは発生しない。)、パターン5「仮置き物品投入作業のみ」(オーダ「005」についての図6(i)の表示を行う場合)がある。
【0073】
ステップ#1(以下、「ステップ」という語を省略する。)で現オーダとその後続オーダのうち仮置き判別対象オーダまでの全オーダが参照される。#2で現オーダについての集品コンテナCgが集品コンテナ位置P3に搬入され、集品コンテナIDが記録され、現オーダのオーダ番号と紐付けされる。#3で現オーダにて指定されている種類の物品のすべてが既に先行するオーダの処理時に先行取り出し物品として取り出された結果、現オーダについては直接投入作業をする種類の物品が存在しない状況であるか否かがチェックされる。これは、上記パターン5に該当するか否かをチェックすることになる。
【0074】
現オーダについて直接投入作業が必要であれば、#3から#4へ移行して、ピックコンテナCpがピックコンテナ位置Pに搬入されて、以下、直接投入作業が必要な種類の数だけ#5〜#9の処理が繰り返される。
【0075】
当該ピックコンテナCpについての直接投入作業が全て完了すれば、#9でYesと判断され、#19で当該ピックコンテナCpについての先行取り出し物品のチェックがされ、#20〜#24で先行取り出しできる物品があれば仮置き作業が必要な回数だけ繰り返し行われる。
【0076】
例えば、図6(c)(e)(f)に示すように、オーダ「003」で「品名B」についての直接投入作業が完了した後、後続オーダ「005」にて指定される「品名E」及び「品名F」についての仮置き作業が順次行なわれる。このとき行われる仮置き作業は、いずれもオーダ「005」についての仮置き作業であるから仮置き表示では、同じ第2小表示部VZ2が表示され、図6(e)及び(f)で先行取り出しされた「品名E」及び「品名F」はいずれも第2領域Z2に仮置きされる。
【0077】
当該ピックコンテナCpについての直接投入作業や仮置き作業が全て完了すると、#25でピックコンテナCpが搬出される。#25でピックコンテナCpが搬出されると、現オーダの集品コンテナCgが既に搬出されていて現オーダについての新たなピックコンテナCpの搬入が不要な場合は、#26でYesと判断され、#26から#1へ移行して、次のオーダの処理が開始される。現オーダについての新たなピックコンテナCpの搬入が必要な場合は、#26から#4へ移行して、現オーダについて新たなピックコンテナCpについての直接投入作業が行われ、その後、当該新たなピックコンテナCpについての先行取り出し物品のチェックがされ、先行取り出しできる物品があれば#20〜#24で仮置き作業が必要な回数だけ繰り返し行われる。
【0078】
#5〜#9のループにおいて、現オーダについての最後の直接投入作業(現オーダが1回の直接投入作業しかない場合はその1回目の直接投入作業。)である場合、#10でYesと判断されるので、#11以下の処理も並行して実行される。これにより、#5〜#7で最後の直接投入表示が行われると同時に、#12〜#16で仮置き物品投入表示も同時に行われる。
【0079】
例えば、オーダ「004」の「品名H」については、図6(g)に示す如く、1回目の直接投入作業であり、後に「品名G」についての直接投入作業が残っているから、仮置き棚にオーダ「004」についての仮起き物品が存在しているが、「品名G」についての直接投入表示の際には仮置き物品投入表示は行わない。そして、オーダ「004」の「品名G」についての直接投入表示を行うときは、第1領域Z1に仮置きされているオーダ「004」についての先行取り出し物品(オーダ2の「品名A」にピックコンテナCpが搬入されていたときに第1領域Z1にオーダ「004」の先行取り出し物品として仮置きしたもの)をオーダ「004」の集品コンテナCgに投入するべく仮置き物品投入表示を行う。
【0080】
なお、現オーダについての先行取り出し物品がない場合は、最後の直接投入作業において#11で#17に移行して、当該最後の直接投入作業についての#6における直接投入表示に基づく直接投入作業の完了を待って、#16で現オーダの集品コンテナCgを払い出しコンベヤ9に払い出す。その後、#19で完了したオーダについての最後のピックコンテナCpについての先行取り出し物品のチェックがされ、#20〜#24で先行取り出しできる物品があれば仮置き作業が必要な回数だけ繰り返し行われる。
【0081】
現オーダの指令物品がすべて仮置き済みであれば、#3でYesと判別され、#12に移行する。#12及び#13では、仮置き物品投入作業が仮置き投入表示により、例えば、図6(i)が表示される。作業者が当該仮置き投入表示に従った作業をして、点灯表示(#12)している第2領域Z2の仮置き完了ボタン11を押し操作すると、#14で投入完了情報ありと判別され、#15で該当する仮置き完了ボタン11を消灯させる。#16で現オーダの集品コンテナCgを払い出しコンベヤ9側に搬出する。これで、集品コンテナCgについてのオーダは完了であるが、仮置きが出来ないかを#19以下でチェックする。それに先立ち、現オーダに直接投入作業が全くなかったかをチェックする。これは、オーダで指定された物品の全てが先行取り出し物品だけで賄えた場合、現オーダでは直接投入作業が発生しておらず、当該オーダのためにはピックコンテナCpが一つも搬入されることなくオーダが完了することになるので、先行取り出し物品をチェックする対象が存在しないからである。したがって、パターン5のような場合は、仮置き物品投入処理を実行した後は、集品コンテナCgを払い出した後、#18で直ちに#1へ移行して、次のオーダの処理が開始される。
【0082】
#18で現オーダで直接投入作業があった場合、#19で搬入したピックコンテナCpに先行取り出し可能な物品が無いかチェックされ、なければ、#25で当該ピックコンテナCpはピックコンテナ位置Pから搬出される。#19でピックコンテナCpに先行取り出し可能な物品があれば、#20以降で仮置き表示に基づく仮置き作業が行われる。そして、#24で同じピックコンテナCpに他の種類の先行取り出し可能な物品が無いかチェックされ、当該ピックコンテナCpに先行取り出し可能な物品が全て先行取り出しされるまで、繰り返し#20〜#24が実行される。
【0083】
#25でピックコンテナCpが搬出されると、現オーダの集品コンテナCgが既に搬出されていて現オーダについての新たなピックコンテナCpの搬入が不要な場合は、#26でYesと判断され、#26から#1へ移行して、次のオーダの処理が開始される。現オーダについての新たなピックコンテナCpの搬入が必要な場合は、#26から#4へ移行して、現オーダについて新たなピックコンテナCpについての直接投入作業が行われ、その後、当該新たなピックコンテナCpについての先行取り出し物品のチェックがされ、先行取り出しできる物品があれば#20〜#24で仮置き作業が必要な回数だけ繰り返し行われる。
【0084】
〔別の実施形態〕
以下、本発明の別実施形態について説明する。
【0085】
(1)上記実施形態では、表示手段として液晶ディスプレイDを例示したが、表示手段としては、これに限らず、例えば、CRTディスプレイやプラズマディスプレイや有機ELディスプレイでもよい。また表示手段として一つの表示部を備えたものでなくてもよい。例えば、LEDや豆電球等の点光源を複数配列したものや、7セグメント表示器を利用した表示装置であってもよい。
【0086】
(2)上記実施形態では、直接投入表示と仮置き表示との表示形態の違いが、表示色の違いに加えて付加情報を示す付加表示部の有無の違いとなっているものを例示したが、直接投入表示と仮置き表示とを同色で表示させ、付加情報を示す付加表示部の有無の違いだけにしてもよいし、仮置き表示に付加表示部を設けずに表示色の違いだけで直接投入表示と仮置き表示との表示形態を異ならせてもよい。また、点灯と点滅との違いだけ、或いは、これらの表示形態の違いを全て採用してもよい。
【0087】
(3)上記実施形態では、仮置き判別対象オーダとして、現オーダに続く複数の後続オーダのうち、それらの合計オーダ量が、例えば、オーダ数量で30個以内となる複数のピッキングオーダであるものを例示したが、仮置き判別対象オーダとしては、全ピッキングオーダを並び準に複数のグループに分割し、各グループ内で未処理の後続オーダだけを仮置き判別対象オーダとする等、仮置き判別対象オーダをどの範囲のオーダにするかについては適宜変更可能である。
【0088】
(4)上記実施形態では、管理装置Cが、後続オーダのうち仮置き判別対象オーダであるピッキングオーダにて指定されている種類の物品が、ピッキング作業箇所PSに搬送されたピックコンテナCpに保持されていると、直接投入表示にて液晶ディスプレイDに表示させた後、投入完了ボタン10の通知情報に基づいて液晶ディスプレイDを直接投入表示から仮置き表示に切り換えるべく、液晶ディスプレイDの表示作動を制御するように構成されているものを例示したが、これに代えて、管理装置Cが、後続オーダのうち仮置き判別対象オーダであるピッキングオーダにて指定されている種類の物品が、ピッキング作業箇所PSに搬送されたピックコンテナCpに保持されていると、仮置き表示にて液晶ディスプレイDに表示させた後、仮置き完了ボタン11の通知情報に基づいて液晶ディスプレイDを仮置き表示から直接投入表示に切り換えるべく、液晶ディスプレイDの表示作動を制御するように構成されているものであってもよい。
【0089】
(5)上記実施形態では、現オーダについての最後の直接投入表示時に仮置き物品投入表示を行うべく、液晶ディスプレイDの表示作動を制御するように構成されたものを例示したが、これに代えて、現オーダについての最初の直接投入表示時に仮置き物品投入表示を行うべく、液晶ディスプレイDの表示作動を制御するように構成されたものであってもよい。仮置き物品投入表示を直接投入表示と同時に行わずに単独で表示させてもよい。
【符号の説明】
【0090】
B 搬送手段
C 管理手段
D 表示手段
V 表示部
VZL・VZR 複数の表示領域
VZ1〜VZ8 付加表示部
Cp 物品保持体
Cg 集品用保持体
PS ピッキング作業箇所
Z1〜Z8 仮置き領域
8 仮置き棚
10 投入完了通知部(通知手段)
11 仮置き完了通知部(通知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を一種又は複数種保持している物品保持体を、ピッキング対象の物品の種類及び個数を指定するピッキングオーダの並び順でかつピッキングオーダで指定される物品の種類に応じてピッキング作業箇所に搬送する搬送手段と、
前記ピッキング作業箇所に順次搬送される前記物品保持体からピッキングオーダにて指定された種類及び個数の物品を取り出して当該ピッキングオーダについて定めた一つの集品用保持体に投入するピッキング作業を行う作業者に対してピッキング作業情報を表示する表示手段と、
前記ピッキング作業箇所に設けられて、現在処理中のピッキングオーダに後続する後続オーダについての前記集品用保持体に投入することになる先行取り出し物品を仮置きする仮置き棚と、
前記ピッキング作業情報に基づく作業の完了を通知する人為操作式の通知手段と、
前記物品保持体が前記ピッキング作業箇所に搬送される毎に当該物品保持体についての前記ピッキング作業情報を前記表示手段に表示させ、かつ、前記表示手段が表示する当該物品保持体についての前記ピッキング作業情報を前記通知手段の通知情報に基づいて変更する管理手段とが設けられたピッキング作業設備であって、
前記表示手段は、前記ピッキング作業情報として、現在処理中のピッキングオーダにて指定された種類の物品を保持する前記物品保持体から当該ピッキングオーダで指定されている種類及び個数の物品を取り出して、その取り出した物品を当該ピッキングオーダについての前記集品用保持体にそのまま投入する直接投入作業を示す直接投入情報と、現在処理中のピッキングオーダにて指定された種類の物品を保持する前記物品保持体から前記後続オーダにて指定されている種類及び個数の物品を取り出して、その取り出した物品を前記先行取り出し物品として前記仮置き棚に仮置きする仮置き作業を示す仮置き情報とを異なる表示形態にて表示自在な一つの表示部を備えて構成され、かつ、前記直接投入情報を表示する直接投入表示と前記仮置き情報を表示する仮置き表示とに切り換え自在に構成され、
前記通知手段は、前記直接投入作業の完了を通知する投入完了通知部と、前記仮置き作業の完了を通知する仮置き完了通知部とを備え、
前記管理手段は、前記後続オーダのうち仮置き判別対象オーダであるピッキングオーダにて指定されている種類の物品が、前記ピッキング作業箇所に搬送された前記物品保持体に保持されていると、前記直接投入表示にて前記表示手段に表示させた後、前記投入完了通知部の通知情報に基づいて前記表示手段を前記直接投入表示から前記仮置き表示に切り換えるべく、又は、前記仮置き表示にて前記表示手段に表示させた後、前記仮置き完了通知部の通知情報に基づいて前記表示手段を前記仮置き表示から前記直接投入表示に切り換えるべく、前記表示手段の表示作動を制御するように構成されているピッキング作業設備。
【請求項2】
前記仮置き判別対象オーダは、現在処理中のピッキングオーダに続く複数の前記後続オーダのうちそれらの合計オーダ量が設定オーダ量以内となる複数のピッキングオーダである請求項1記載のピッキング作業設備。
【請求項3】
前記直接投入表示と前記仮置き表示との表示形態の違いが、表示色の違い、点灯表示と点滅表示の違い、付加情報を示す付加表示部の有無の違いの少なくとも一つ以上の違いである請求項1又は2記載のピッキング作業設備。
【請求項4】
前記仮置き棚には、仮置き領域が複数設定され、
前記表示手段は、前記複数の仮置き領域のうちの一つを特定可能な仮置き先情報を前記表示部に表示自在に構成され、
前記管理手段は、前記先行取り出し物品の種類及び個数を前記仮置き表示にて前記表示手段に表示させる場合は、前記仮置き領域のうちから当該先行取り出し物品を指定する後続オーダについての前記仮置き領域として一つ選択し、その選択した前記仮置き領域を特定する仮置き先領域情報と共に当該後続オーダについての先行取り出し物品の種類及び個数を表示させるように構成されている請求項1〜3のいずれか1項記載のピッキング作業設備。
【請求項5】
前記管理手段は、前記物品保持体が前記ピッキング作業箇所に搬送されると、当該物品保持体から前記直接投入作業にて前記集品用保持体にそのまま投入される物品を指定するピッキングオーダと同じピッキングオーダにて指定されている種類の物品であって、当該集品用保持体に投入されるべく前記先行取り出し物品として前記仮置き領域に仮置きされた物品が存在するか否かを判別し、当該ピッキングオーダについての前記先行取り出し物品が前記仮置き領域に存在する場合は、当該ピッキングオーダについての前記直接投入情報を前記表示部に前記直接投入表示にて表示するとともに、当該ピッキングオーダについての前記先行取り出し物品が仮置きされている前記仮置き領域を特定する投入対象領域情報を前記仮置き先領域情報の表示形態と異なる表示形態で前記表示手段に表示させるように構成されている請求項4記載のピッキング作業設備。
【請求項6】
前記ピッキング作業箇所には、複数の物品保持体停止位置が設定され、
前記搬送手段は、前記物品保持体停止位置のそれぞれに前記物品保持体を各別に搬送自在な複数の搬送部を備えて構成され、
前記表示部は、前記ピッキング作業箇所における複数の前記物品保持体停止位置の配置状態に合わせた複数の表示領域を備えて構成され、
前記管理手段は、前記直接投入情報又は前記仮置き情報を前記直接投入表示又は前記仮置き表示にて前記表示部に表示させる場合は、当該直接投入情報又は当該仮置き情報に基づく前記直接投入作業又は前記仮置き作業において取り出し対象となる種類の物品を保持している前記物品保持体が搬送される前記物品保持体停止位置に対応する表示領域に、当該直接投入情報又は当該仮置き情報を表示させるように構成されている請求項1〜5のいずれか1項記載のピッキング作業設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−98801(P2011−98801A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253416(P2009−253416)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】