説明

ピッキング装置

【課題】ピッキング効率の向上を図ることができ、自ゾーン用ランプおよび先行用ランプの制御が容易なピッキング装置を提供する。
【解決手段】ピッキング装置1は、ゾーンZを構成する複数の物品保管部3を有する保管手段2を備える。ピッキング装置1は、物品保管部3からピッキングした物品Wを投入する容器Aを搬送する無端搬送体10を有する搬送手段11を備える。ピッキング装置1は、自ゾーンZの作業者Xに対して物品Wを投入すべき容器Aを指示する自ゾーン用ランプ16と、隣接する下流ゾーンZの作業者Xに対して物品Wを投入すべき容器Aを指示する先行用ランプ17とを有する。両ランプ16,17は、無端搬送体10に取り付けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品保管部に保管された物品を作業者(ピッカー)がピッキングするピッキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されたピッキング装置が知られている。
【0003】
この従来のピッキング装置は、ゾーンを構成する複数の物品保管部を有する保管手段と、物品保管部からピッキングされた物品が投入される容器(コンテナ)を搬送方向に搬送するコンベヤとを備えている。
【0004】
また、この従来のピッキング装置は、コンベヤの突出フレーム部に取り付けられ容器の移動に同期して順次点灯することにより自ゾーンの作業者に対して物品を投入すべき容器を指示する複数の自ゾーン用ランプと、コンベヤの突出フレーム部に自ゾーン用ランプと平行に取り付けられ容器の移動に同期して順次点灯することにより隣接する下流ゾーンの作業者に対して物品を投入すべき容器を指示する複数の先行用ランプとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−17610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のピッキング装置では、確かに、作業者に無駄な待機時間を与えず、ピッキング効率の向上を図ることができるが、自ゾーン用ランプおよび先行用ランプを容器の移動に同期させてその容器に追随するように順次点灯させるため、これら指示手段としての自ゾーン用ランプおよび先行用ランプの制御が複雑となる。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ピッキング効率の向上を図ることができ、しかも、指示手段の制御が容易であるピッキング装置を提供することを目的とする。また、本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ピッキング効率の向上を図ることができ、しかも、自ゾーン用指示手段および先行用指示手段の制御が容易であるピッキング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載のピッキング装置は、複数の物品保管部を有する保管手段と、前記物品保管部からピッキングされた物品が投入される複数の容器を搬送する搬送部を有する搬送手段と、前記搬送部にこの搬送部と一体となって移動するように設けられ、作業者に対して物品を投入すべき容器を指示する指示手段とを備えるものである。
【0009】
請求項2記載のピッキング装置は、複数の物品保管部を有する保管手段と、前記物品保管部からピッキングされた物品が載置されこの載置された物品を搬送する複数の載置搬送部を有する搬送手段と、前記載置搬送部にこの載置搬送部と一体となって移動するように設けられ、作業者に対して物品を載置すべき前記載置搬送部を指示する指示手段とを備えるものである。
【0010】
請求項3記載のピッキング装置は、各ゾーンに対応して配置された作業者がオーダ情報に基づいて物品をピッキングするピッキング装置であって、前記ゾーンを構成する複数の物品保管部を有する保管手段と、前記物品保管部からピッキングされた物品が投入される複数の容器を搬送方向に搬送する搬送部を有する搬送手段と、前記搬送部にこの搬送部と一体となって移動するように設けられ、自ゾーンの作業者に対して物品を投入すべき容器を指示する自ゾーン用指示手段と、前記搬送部にこの搬送部と一体となって移動するように設けられ、隣接する下流ゾーンの作業者に対して物品を投入すべき容器を指示する先行用指示手段とを備えるものである。
【0011】
請求項4記載のピッキング装置は、各ゾーンに対応して配置された作業者がオーダ情報に基づいて物品をピッキングするピッキング装置であって、前記ゾーンを構成する複数の物品保管部を有する保管手段と、前記物品保管部からピッキングされた物品が載置されこの載置された物品を搬送方向に搬送する複数の載置搬送部を有する搬送手段と、前記載置搬送部にこの載置搬送部と一体となって移動するように設けられ、自ゾーンの作業者に対して物品を載置すべき前記載置搬送部を指示する自ゾーン用指示手段と、前記載置搬送部にこの載置搬送部と一体となって移動するように設けられ、隣接する下流ゾーンの作業者に対して物品を載置すべき前記載置搬送部を指示する先行用指示手段とを備えるものである。
【0012】
請求項5記載のピッキング装置は、請求項3または4記載のピッキング装置において、自ゾーン用指示手段は、複数設けられ、互いに間隔をおいて搬送手段の搬送方向に並んで位置し、先行用指示手段は、複数設けられ、前記自ゾーン用指示手段に対応するように互いに間隔をおいて前記搬送手段の搬送方向に並んで位置するものである。
【0013】
請求項6記載のピッキング装置は、請求項5記載のピッキング装置において、自ゾーン用指示手段は、点灯して指示する自ゾーン用ランプであり、先行用指示手段は、点灯して指示する先行用ランプであり、前記先行用ランプは、対応する前記自ゾーン用ランプよりも搬送手段の搬送方向下流側に位置するものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、搬送手段の搬送部にこの搬送部と一体となって移動するように設けられ作業者に対して物品を投入すべき容器を指示する指示手段を備える構成であるため、ピッキング効率の向上を図ることができ、しかも、指示手段の制御が容易である。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、搬送手段の載置搬送部にこの載置搬送部と一体となって移動するように設けられ作業者に対して物品を載置すべき載置搬送部を指示する指示手段を備える構成であるため、ピッキング効率の向上を図ることができ、しかも、指示手段の制御が容易である。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、搬送部にこの搬送部と一体となって移動するように設けられ自ゾーンの作業者に対して物品を投入すべき容器を指示する自ゾーン用指示手段と、搬送部にこの搬送部と一体となって移動するように設けられ隣接する下流ゾーンの作業者に対して物品を投入すべき容器を指示する先行用指示手段とを備える構成であるため、ピッキング効率の向上を図ることができ、しかも、自ゾーン用指示手段および先行用指示手段の制御が容易である。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、載置搬送部にこの載置搬送部と一体となって移動するように設けられ自ゾーンの作業者に対して物品を載置すべき載置搬送部を指示する自ゾーン用指示手段と、載置搬送部にこの載置搬送部と一体となって移動するように設けられ隣接する下流ゾーンの作業者に対して物品を載置すべき載置搬送部を指示する先行用指示手段とを備える構成であるため、ピッキング効率の向上を適切に図ることができ、しかも、自ゾーン用指示手段および先行用指示手段の制御が容易である。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、自ゾーン用指示手段は複数設けられ互いに間隔をおいて搬送手段の搬送方向に並んで位置し、先行用指示手段は複数設けられ自ゾーン用指示手段に対応するように互いに間隔をおいて搬送手段の搬送方向に並んで位置するため、ピッキング効率の向上をより一層適切に図ることができる。
【0019】
請求項6に係る発明によれば、先行用ランプは自ゾーン用ランプよりも搬送手段の搬送方向下流側に位置するため、隣接する下流ゾーンの作業者は点灯中の先行用ランプを見やすく、点灯中の先行用ランプの見落としを防止でき、ピッキング効率の向上を適切かつ効果的に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態に係るピッキング装置の概略平面図である。
【図2】同上ピッキング装置の作用説明図である。
【図3】(a)および(b)は同上ピッキング装置の作用説明図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係るピッキング装置の概略平面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態に係るピッキング装置の概略平面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態に係るピッキング装置の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0022】
図1において、1はピッキング装置で、このピッキング装置1は、各ゾーン(作業ゾーン)Zに対応して配置され互いに間隔をおいて1列に並ぶ作業者(ピッカー)Xがオーダ情報に基づいて物品Wをピッキングする装置である。なお、物品Wは、例えば食品等の商品である。
【0023】
ピッキング装置1は、各ゾーンZを構成する複数の保管部である物品保管部3を有する水平方向長手状の保管棚等の保管手段2を備えている。
【0024】
物品保管部3は、作業者Xにてピッキング、つまり取り出される物品WをケースKに入れた状態で一時的に保管する。なお、物品Wの種類等によっては、ケースKを用いずに、物品Wを直接保管するようにしてもよい。
【0025】
物品保管部3は、例えば棚枠4に取り付けられ水平方向および上下方向に並ぶ前下り傾斜状のフリーローラコンベヤ5にて構成されている。フリーローラコンベヤ5は、先頭のケースKとの当接により保管中のケースKの自重移動を規制するストッパ部(図示せず)を前端部に有している。物品Wが物品保管部3の前面開口(間口)からピッキングされて先頭のケースKが空になった場合、作業者Xがその空のケースKをフリーローラコンベヤ5上から取り出すと、後続のケースKは、その自重でフリーローラコンベヤ5上を搬送終端側である前端側に向って移動する。新たなケースKの補充は、例えば補充リフター等からなる搬送補充手段、或いは補充作業者等によって行われる。その新たなケースKは物品保管部3の後面開口から供給補充される。
【0026】
なお、作業者Xが対応して1人ずつ配置され対応する作業者Xがピッキングを担当する各ゾーンZ(Z1,Z2,……Zn)は、予め設定された複数、例えば4列4段で合計16の物品保管部(保管部群)3と、これら複数の物品保管部3の前方の対向領域である対応領域とにて構成されている。つまり、各作業者Xに対して1つのゾーンZが割り当てられている。そして、これら複数のゾーンZは、保管手段2の長手方向および搬送手段11の搬送方向に連続して並んで位置する。
【0027】
また、ピッキング装置1は、保管手段2の正面側である前面側に各物品保管部3に対応して設けられた複数のピッキング表示器等のピッキング指示手段6を備えている。
【0028】
ピッキング指示手段6は、対応するゾーンZの作業者Xに対して次にピッキングすべき物品Wが保管されている物品保管部3およびそのピッキングすべき物品Wの数量を指示する。ピッキング指示手段6は、例えば点灯してピッキングすべき物品Wが保管されている物品保管部3を指示するランプ部と、液晶表示面に数字を表示してピッキングすべき物品Wの数量を指示する数量指示部とを有している。
【0029】
なお、ピッキング指示手段6は、各物品保管部3ごとではなく、各ゾーンZの物品Wの種類に対応して設けるようにしてもよく、また、作業者Xが携帯可能なハンディターミナル等で構成してもよい。
【0030】
さらに、ピッキング装置1は、オーダ情報に基づいて作業者Xにて物品保管部3からピッキングされた物品Wが直接投入される複数の容器Aを搬送面に載せて搬送方向(保管手段2の長手方向に沿った方向)に載置搬送する回行可能な無端状の搬送部である無端搬送体10を有するコンベヤ等の搬送手段11を備えている。なお、容器Aは、例えば上面が開口した箱状のコンテナ等であるが、例えばトレイのような皿状のものでもよい。
【0031】
搬送手段11は、搬送方向長手状で互いに離間対向する対をなすコンベヤフレーム13を有し、これら両コンベヤフレーム13には複数のローラ(図示せず)が回転可能に架設され、これら複数のローラに無端搬送体10が回行可能に掛け渡されている。そして、無端搬送体10は、モータ等の駆動部(図示せず)からの動力でローラが回転すると、所定方向に回行して各オーダ単位の容器Aを搬送する。
【0032】
無端搬送体10は、例えば無端状の搬送用ベルト12にて構成されている。なお、無端搬送体10は、例えば複数の搬送用スラットが無端状に連結されたものや、対をなす無端チェーンに複数の搬送用ロッドが架設されたもの等でもよい。なお、保管手段2と搬送手段11との間の空間部が作業者Xの作業スペースとなっている。
【0033】
また、ピッキング装置1は、無端搬送体10にこの無端搬送体10と一体となって移動(回行)するように設けられ、近接位置に載置された対応する容器Aとともに搬送方向に移動しながら点灯し、自ゾーンZの作業者Xに対してピッキングした物品Wを次に投入すべき容器Aを指示する複数の指示手段としての自ゾーン用指示手段である自ゾーン用ランプ16を備えている。
【0034】
さらに、ピッキング装置1は、無端搬送体10にこの無端搬送体10と一体となって移動(回行)するように設けられ、近接位置に載置された対応する容器Aとともに搬送方向に移動しながら点灯し、隣接する下流ゾーンZの作業者Xに対してピッキングした物品Wを投入すべき容器Aを指示する複数の先行用指示手段である先行用ランプ17を備えている。
【0035】
自ゾーン用ランプ16は、無端搬送体10の保管手段2側の幅方向端部に複数設けられ、互いに等間隔をおいて搬送手段11の搬送方向に並んで位置している。自ゾーン用ランプ16は、上側の往路面部および下側の復路面部の両方に設けられ、無端搬送体10の全体にわたって一定ピッチで脱着可能に取り付けられている。
【0036】
先行用ランプ17は、無端搬送体10の保管手段2側の幅方向端部に複数、つまり自ゾーン用ランプ16と同じ数だけ設けられ、自ゾーン用ランプ16に対応するように互いに等間隔をおいて搬送手段11の搬送方向に並んで位置している。先行用ランプ17は、自ゾーン用ランプ16と同様、上側の往路面部および下側の復路面部の両方に設けられ、無端搬送体10の全体にわたって一定ピッチ(自ゾーン用ランプ16と同じピッチ)で脱着可能に取り付けられている。
【0037】
そして、自ゾーン用ランプ16および先行用ランプ17は、搬送方向に沿うように一直線上に交互に並び、一の先行用ランプ17は、対応する一の自ゾーン用ランプ16よりも搬送手段11の搬送方向下流側に位置している。
【0038】
また、図1から明らかなように、無端搬送体10に載置された各容器Aに対して、自ゾーン用ランプ16および先行用ランプ17がそれぞれ1個ずつ(複数個ずつでもよい)、近接して位置するようになっている。つまり、ランプ16,17が無端搬送体10に2個ずつ一定ピッチで取り付けられ、これら対をなすランプ16,17のピッチに合わせて上流コンベヤ(図示せず)から容器Aが無端搬送体10上に供給載置される。
【0039】
さらに、光源であるランプ16,17は、例えば発光ダイオード等にて構成され、例えば異なる色、或いは異なる点灯方法(連続点灯・間欠点灯等)で点灯する。なお、作業者Xが両ランプ16,17を混同しないよう、自ゾーン用ランプ16を自ゾーンZの作業者Xのみが目視可能な構成とし、先行用ランプ17を隣接する下流ゾーンZの作業者Xのみが目視可能な構成としてもよい。
【0040】
また、ピッキング装置1は、ピッキング指示手段6にて指示されピッキングした物品Wの容器Aへの投入が完了した際に、作業者Xが操作する複数のリセット手段であるテープスイッチ(完了釦)21を備えている。
【0041】
テープスイッチ21は、搬送手段11の搬送方向に長手方向を有する長手状のもので、搬送手段11のコンベヤフレーム13に各ゾーンZに対応して設けられている。つまり、保管手段2側のコンベヤフレーム13の上面に、複数のテープスイッチ21が互いに等間隔をおいて取り付けられている。
【0042】
そして、作業者Xがテープスイッチ21を押圧操作すると、それまで点灯していたランプ16,17が消灯し、この消灯後、ピッキング指示手段6が対応するゾーンZの作業者Xに対して次のピッキング指示を出す。なお、例えば押し釦式のランプ16,17としてこれらランプ16,17がテープスイッチ21の機能を有するようにしてもよい。
【0043】
また、ピッキング指示手段6、搬送手段11の駆動部、ランプ16,17およびテープスイッチ21等は、オーダ情報を記憶する制御コンピュータ等の制御手段に電気的に接続され、この制御手段にて制御される。
【0044】
次に、ピッキング装置1の作用等を説明する。
【0045】
ピッキング指示手段6のランプ部が点灯し、数量指示部が数字を表示すると、作業者Xは、そのランプ部により指示された物品保管部3から物品Wをその数量指示部で指示された数量だけピッキングする。この際、図示しない仮置き台に置くようにしてもよい。
【0046】
そして、例えば図2に示すように、作業者Xは、自分が担当するゾーンZ1,Z2で、搬送手段11の無端搬送体10と一体となって複数の容器Aとともに搬送方向に移動しながら点灯している自ゾーン用ランプ16を目視確認し、物品Wを投入すべき容器Aを認識する。そして、その点灯する自ゾーン用ランプ16に対応する移動中の容器A内へ、ピッキングした物品Wを投入する。
【0047】
この物品Wの投入後、作業者Xは、テープスイッチ21を押圧操作する。
【0048】
すると、制御手段の制御により点灯していた自ゾーン用ランプ16が消灯し、ピッキング指示手段6が作業者Xに対して次のピッキング指示、つまり、次にピッキングすべき物品Wが保管されている物品保管部3およびその物品Wの数量を指示する。
【0049】
ここで、例えば図3(a)および(b)に示すように、ゾーンZ2の作業者Xがピッキング指示手段6のピッキング指示に基づいてゾーンZ2の物品保管部3からピッキングした物品Wを容器A1に投入する場合において、容器A1が1つ上流のゾーンZ1を移動している際に容器A1に対応する先行用ランプ17が点灯し、容器A1がゾーンZ2に進入すると、その先行用ランプ17が消灯し、容器A1に対応する自ゾーン用ランプ16が点灯する。
【0050】
これにより、ゾーンZ2の作業者Xは、2つのゾーンZ1,Z2で、容器A1に対する物品Wの投入が可能となる。
【0051】
換言すると、作業者Xは、ゾーンZ2に投入対象の容器Aがないときに、ゾーンZ2に容器A1が搬入される前に、そのゾーンZ2よりも1つ上流のゾーンZ1を移動中の容器A1に、ピッキングした物品Wを投入することが可能となる。このため、ゾーンZ2の作業者Xの無駄な待機時間がなくなる。
【0052】
このように、ピッキング装置1は、自ゾーン用ランプ16および先行用ランプ17が搬送手段11の無端搬送体10にそれぞれ取り付けた構成である。そして、自ゾーン用ランプ16は、複数のゾーンZのうちの一のゾーンZの対応領域を移動する場合において、一のゾーンZの物品保管部3に保管されている物品Wが対応する容器Aに投入されるべきものであるときには、一のゾーンZの作業者Xに対してその対応する容器Aがピッキングした物品Wを投入すべき容器Aであることを移動しつつ点灯(駆動)して指示する。また、先行用ランプ17は、その一のゾーンZの対応領域を移動する場合において、一のゾーンZに隣接する1つ下流の他のゾーンZの物品保管部3に保管されている物品Wが対応する容器Aに投入されるべきものであるときには、他のゾーンZの対応領域に進入する前に、他のゾーンZの作業者Xに対してその対応する容器Aがピッキングした物品Wを投入すべき容器Aであることを移動しつつ点灯(駆動)して指示する。
【0053】
したがって、作業者Xに無駄な待機時間を与えずに、ピッキング効率の向上を適切かつ効果的に図ることができ、しかも、従来のようにランプを容器の移動に同期させて順次点灯させる場合に比べて、制御手段による自ゾーン用ランプ16および先行用ランプ17の制御が容易である。
【0054】
また、搬送手段11のコンベヤフレーム13にランプ取付用の突出フレーム部を設ける必要もなく、搬送手段11の幅寸法の増大を防止できるため、作業者Xの作業スペースを十分に確保でき、作業者Xがピッキングおよび投入の各作業がやり易く、ピッキング効率の向上をより一層効果的に図ることができる。
【0055】
なお、上記一実施の形態では、コンテナ等の容器Aを用いる構成について説明したが、例えば図4に示すように、容器Aを用いず、作業者Xが物品保管部3からピッキングした物品Wを搬送手段11の無端搬送体10の搬送面上に直接載置する構成でもよい。
【0056】
この図4に示すピッキング装置1の搬送手段11は、物品保管部3からピッキングされた物品Wが直接載置されこの載置された物品Wを搬送面に載せて搬送方向に載置搬送する複数の載置搬送部23を有している。
【0057】
つまり、この搬送手段11の無端搬送体10は、無端状の搬送本体部10aとこの搬送本体部10aに等間隔をおいて設けられた複数の仕切部10bとにて構成され、この搬送本体部10aのうち互いに隣り合う仕切部10b間に位置する部分が載置搬送部23となっている。これら複数の載置搬送部23は、搬送手段11の搬送方向に連続的に並び、互いに隣接する載置搬送部23が仕切部10bで仕き切られている。
【0058】
そして、各載置搬送部23ごとに、自ゾーン用ランプ16および先行用ランプ17がそれぞれ1個ずつ(複数個ずつでもよい)、対応する載置搬送部23と一体となって搬送方向に移動するように設けられている。
【0059】
この自ゾーン用ランプ16は、載置搬送部23とともに搬送方向に移動しながら点灯し、自ゾーンZの作業者Xに対して物品Wを載置すべき載置搬送部23を指示する。この先行用ランプ17は、載置搬送部23とともに搬送方向に移動しながら点灯し、隣接する下流ゾーンZの作業者Xに対して物品Wを載置すべき載置搬送部23を指示する。なお、その他の構成は前記図1のものと同じである。
【0060】
そして、この図4に示すピッキング装置1でも、作業者Xに無駄な待機時間を与えずに、ピッキング効率の向上を適切かつ効果的に図ることができ、しかも、制御手段による自ゾーン用ランプ16および先行用ランプ17の制御が容易である等、前記一実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0061】
また、上記各実施の形態では、自ゾーン用ランプ16および先行用ランプ17の両方を備えた構成について説明したが、例えば図5や図6に示すように、先行用ランプ17を備えず、指示手段である自ゾーン用ランプ16のみを備えた構成でもよい。
【0062】
すなわち例えば図5では、各容器Aに対して自ゾーン用ランプ16が1個ずつ(複数個ずつでもよい)設けられ、図6では、各載置搬送部23に対して自ゾーン用ランプ16が1個ずつ(複数個ずつでもよい)設けられている。そして、作業者Xは、無端搬送体10と一体となって移動(回行)する自ゾーン用ランプ16の点灯で、物品Wを投入すべき容器Aまたは物品Wを載置すべき載置搬送部23を認識する。
【0063】
なお、両ランプ16,17(図5、図6では、ランプ16のみ)が、無端搬送体10の幅方向一端部のみに設けられた構成には限定されず、例えば搬送手段11の両側方に保管手段2が配設され、搬送手段11の両側方の作業スペースで作業者Xが作業をするようにした場合には、ランプを無端搬送体10の幅方向両端部にそれぞれ設ける。
【0064】
また、例えば容器Aの大きさや、物品の大きさ等に対応できるように、ランプを無端搬送体10に対して位置調整可能に取り付けてもよく、また、ランプは、無端搬送体10の搬送面から突出しないように埋設してもよい。
【0065】
さらに、例えば対をなす自ゾーン用ランプ16と先行用ランプ17との位置関係を逆にして、先行用ランプ17を対応する自ゾーン用ランプ16よりも搬送方向上流側に位置させてよく、また、対をなすランプ16,17を搬送方向に対して直交する方向に並べて位置させてもよい。また、例えば両ランプ16,17の数を同数にせず、異ならせてもよい。
【0066】
また、自ゾーン用指示手段(指示手段)および先行用指示手段は、ランプ16,17以外に、例えば起伏可能な指示部材等にて構成してもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 ピッキング装置
2 保管手段
3 物品保管部
10 搬送部である無端搬送体
11 搬送手段
16 指示手段としての自ゾーン用指示手段である自ゾーン用ランプ
17 先行用指示手段である先行用ランプ
23 載置搬送部
A 容器
Z ゾーン
X 作業者
W 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品保管部を有する保管手段と、
前記物品保管部からピッキングされた物品が投入される複数の容器を搬送する搬送部を有する搬送手段と、
前記搬送部にこの搬送部と一体となって移動するように設けられ、作業者に対して物品を投入すべき容器を指示する指示手段と
を備えることを特徴とするピッキング装置。
【請求項2】
複数の物品保管部を有する保管手段と、
前記物品保管部からピッキングされた物品が載置されこの載置された物品を搬送する複数の載置搬送部を有する搬送手段と、
前記載置搬送部にこの載置搬送部と一体となって移動するように設けられ、作業者に対して物品を載置すべき前記載置搬送部を指示する指示手段と
を備えることを特徴とするピッキング装置。
【請求項3】
各ゾーンに対応して配置された作業者がオーダ情報に基づいて物品をピッキングするピッキング装置であって、
前記ゾーンを構成する複数の物品保管部を有する保管手段と、
前記物品保管部からピッキングされた物品が投入される複数の容器を搬送方向に搬送する搬送部を有する搬送手段と、
前記搬送部にこの搬送部と一体となって移動するように設けられ、自ゾーンの作業者に対して物品を投入すべき容器を指示する自ゾーン用指示手段と、
前記搬送部にこの搬送部と一体となって移動するように設けられ、隣接する下流ゾーンの作業者に対して物品を投入すべき容器を指示する先行用指示手段と
を備えることを特徴とするピッキング装置。
【請求項4】
各ゾーンに対応して配置された作業者がオーダ情報に基づいて物品をピッキングするピッキング装置であって、
前記ゾーンを構成する複数の物品保管部を有する保管手段と、
前記物品保管部からピッキングされた物品が載置されこの載置された物品を搬送方向に搬送する複数の載置搬送部を有する搬送手段と、
前記載置搬送部にこの載置搬送部と一体となって移動するように設けられ、自ゾーンの作業者に対して物品を載置すべき前記載置搬送部を指示する自ゾーン用指示手段と、
前記載置搬送部にこの載置搬送部と一体となって移動するように設けられ、隣接する下流ゾーンの作業者に対して物品を載置すべき前記載置搬送部を指示する先行用指示手段と
を備えることを特徴とするピッキング装置。
【請求項5】
自ゾーン用指示手段は、複数設けられ、互いに間隔をおいて搬送手段の搬送方向に並んで位置し、
先行用指示手段は、複数設けられ、前記自ゾーン用指示手段に対応するように互いに間隔をおいて前記搬送手段の搬送方向に並んで位置する
ことを特徴とする請求項3または4記載のピッキング装置。
【請求項6】
自ゾーン用指示手段は、点灯して指示する自ゾーン用ランプであり、
先行用指示手段は、点灯して指示する先行用ランプであり、
前記先行用ランプは、対応する前記自ゾーン用ランプよりも搬送手段の搬送方向下流側に位置する
ことを特徴とする請求項5記載のピッキング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−173664(P2011−173664A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37068(P2010−37068)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)
【Fターム(参考)】