説明

ピペット針部と容器内の液体との接触を検出する方法および装置

ピペット針部と容器に収容されている液体との接触を検出する液面センサ。装置は、超音波を伝送するのに好適な材料を用いて形成されたピペット針部(11)、ピペット針部を保持する針保持器、ピペット針部に伝送される超音波パルスを発生し、針部の先端(17)で反射された反射パルスを受信し、さらに、反射パルスに相当する電気出力信号を発生する電子機械変換器(15)、駆動信号を発生し、また、この信号を、対応した超音波パルスを発生する電子機械変換器(15)に入力する電子回路手段(31)であって、ここで、超音波パルスは、ピペット針部(11)の先端(17)に伝送される、ピペット針部(11)の先端(17)が容器(13)に収容されている液体(12)の自由表面(14)に接触する、針部(11)の位置を検出するために、電気出力信号を監視する電子回路手段(31)、および針保持器および該針部を自動的に移動し、針部(11)をピペット動作位置に配置し、さらに、針部(11)の先端(17)を容器(13)に収容されている液体(12)の自由表面(14)に向けて動かすことができる移動手段(21、22)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピペット針部と容器に収容されている液体との接触を検出する方法および液面センサに関する。
【0002】
本発明は、さらに、ピペット針部により一定体積の液体を、容器に収容されている液体に投与するまたは容器に収容されている液体から吸引することができるピペット装置に関し、後者の装置は、上述した種類の液面センサを有する。
【背景技術】
【0003】
液面検出は、自動化された化学分析装置において重要な役割を果たしていて、ピペット操作をより良く制御できるようにする。ピペット操作を行う場合、ピペット針部が、収容されている試料を吸引するまたは一定体積の別の液体を容器内の液体に投与するために容器に収容されている液体に接触する。残留量を縮小し、また、ピペット装置についての所望の精度を達成するためには、ピペット針部と容器の収容物との接触が、最小限であるようになっていることが必要である。このためには、液体に対するピペット針部先端の針入深さを最小にすることが望ましい。液面検出は、このために重要な役割を果たす。
【0004】
液面を検出する多くの方法は、普通の状況下においては信頼性が高いものであるが、ピペット装置の操作がピペット針部による容器閉鎖体の穿刺を含むときまたはピペット針部が容器に収容されている液体の表面に達する前に気泡と接触するときには、役立たなくなる。
【0005】
通常は試薬の保管に用いられる、カバーにより閉鎖された液体容器の場合には、ピペット装置の液面センサは、容器のカバーまたは閉鎖体(メンブレン、箔)の下方に位置する液面を検出できるものでなければならない。その場合には、化学分析装置に広く用いられている静電容量式液面センサは適切に動作することができず、濡れたカバーに対向したとき、誤って液面検出を表示する。また、静電容量式液面検出器も、しばしば液面の上に位置する気泡を、それがあたかも液面であるかのように誤って検出する。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明の第1の目的は、ピペット針部と容器に収容されている液体との接触を確実に検出し、よって、ピペット針部の先端が該液体の自由表面に接触する位置を確実に判定することができる方法および液面センサを提供することである。
【0007】
本発明の第1の観点によると、上述した第1の目的は、各々請求項1および15に記載されている方法と液面センサにより達成される。好ましい実施形態は、各々従属請求項2〜14および従属請求項16〜26に記載されている。
【0008】
本発明によると、超音波パルスがピペット針部を介して放出され、また、ピペット針部の流体供給先端において反射されたパルスが検出される。この方法は、連続波としての超音波が用いられるシステムとは明らかに異なることに留意すべきである。超音波パルスは、たとえば適切な周波数を有する、短い継続時間の電気信号のパルスを圧電トランスデューサに加えることにより発生する。連続波としての超音波は、たとえば一定振幅と適切な周波数を有する電気信号を圧電トランスデューサに加えることにより発生する。
【0009】
本発明による方法および液面センサの主たる利点は、連続波に替えて超音波パルスを加えることにより、接触および放出材、このケースにおいてはピペット針部といずれかの外部オブジェクトまたは媒体の間で接触が起こる位置または距離を判定するために超音波パルスの飛行時間を用いることが可能になるということである。また、針部そのものの、最終的には異常事態を生ずる欠陥の有無を判定することも可能である。したがって、上述した第1の目的は、液面に達するためにピペット針部が容器のカバーを穿刺しなければならない場合にも、また、液面に達するためにピペット針部が気泡の中を通過しなければならない場合にも達成可能である。さらに、本発明による方法および液面センサにより成し得る、その先端が液体の自由表面に接触するときのピペット針部の位置の判定は、容器に収容されている液体に対する針部先端の針入深さが最小になるようピペット針部を制御して移動することを可能にする。
【0010】
本発明の第2の目的は、ピペット装置にピペット針部が存在するか否か、そのようなピペット針部は変形していないか否か、またはピペット針部が本体と望まない接触をしていないか否かの確認をさらに行うことができる液面センサを提供することである。
【0011】
本発明の第2の観点によると、上述した第2の目的は、請求項26記載の液面センサの実施形態により達成される。
【0012】
本発明の第3の目的は、該容器に収容されている該液体に対する該針部先端の針入深さの測定をさらに行うことができる液面センサを提供することである。
【0013】
本発明の第3の観点によると、上述した第3の目的は、請求項27記載の液面センサの実施形態により達成される。
【0014】
本発明の第4の目的は、たとえ気泡が該液体の上に存在するおよび/または蓋が該容器の開口を閉鎖していて、ピペット動作を実行するためにピペット針部により穿刺しなければならない場合にも、ピペット針部により一定体積の液体を、容器に収容されている液体に確実に投与するまたは容器に収容されている液体から確実に吸引することができるピペット装置を提供することである。
【0015】
本発明の第4の観点によると、上述した第4の目的は、請求項30記載のピペット装置により達成される。
【0016】
ここで、添付図面を参照しつつ、好ましい実施形態を用いて本発明について説明する。これらの実施形態は、本発明についての理解を容易にするために示すものであり、限定するものであると理解すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ピペット針部が容器内の液体から離間しているときの、本発明によるピペット装置の構成を示す模式図である。
【図2】ピペット針部が容器内の液体に接触する瞬間の、図1の構成を示す模式図である。
【図3】図2の一部の拡大図である。
【図4】ピペット針部を介して伝播する超音波の放出および反射の方向を示す模式図である。
【図5】図1に示したピペット装置の変更例に用いられた圧電トランスデューサおよび連結部材の模式図である。
【図6】針保持器41の斜視図である。
【図7】図6の針保持器41の構成要素への分解斜視図である。
【図8】図6の針保持器41の切断斜視図である。
【図9】図6の針保持器41の断面図である。
【図10】図6の針保持器41の可動部45の切断斜視図である。
【図11】図2の電子回路31の構造をより詳細に示すブロック図である。
【図12】図11の受信器64の復調・増幅器66の出力端子73に出力された、超音波センサ61の未処理(RAW)出力信号の振幅−時間ダイアグラムである。
【図13】容器13が開放されており(カバー無し)、また、容器13内に気泡が存在せず、液面が容器13の上方に設定された基準点から計測した針部針入深さ88.3mmの位置にあるときに液面検出により得られた、例としての信号振幅(縦軸)−針部針入深さ(横軸)ダイアグラムであり、信号は、DAC(デジタル/アナログ変換器)68の出力端子77に出力された液面検出信号である。
【図14】容器13が開放されており(カバー無し)、また、容器13内に気泡が存在しており、液面が容器13の上方に設定された基準点から計測した針部針入深さ64mmの位置にあるときに液面検出により得られた、例としての信号振幅(縦軸)−針部針入深さ(横軸)ダイアグラムであり、信号は、DAC(デジタル/アナログ変換器)68の出力端子77に出力された液面検出信号である。
【図15】容器13がカバーにより閉鎖されていて(ピペット針部が図1の液面14に向けて移動するとき容器13のカバーを穿刺する)、また、容器13内に気泡が存在しておらず、液面が容器13の上方に設定された基準点から計測した針部針入深さ81mmの位置にあるときに液面検出により得られた、例としての信号振幅(縦軸)−針部針入深さ(横軸)ダイアグラムであり、信号は、DAC(デジタル/アナログ変換器)68の出力端子77に出力された液面検出信号である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しつつ、好ましい実施形態について説明する。
【0019】
本発明による液面センサの実施例
以下、ピペット針部と容器に収容されている液体との接触を検出するための、本発明による液面センサの第1の実施形態について図1〜図5を参照しつつ説明する。
【0020】
図1〜図3に示すように、液面センサは、ピペット針部11、X−Y−Z移動装置22のアーム21端部の針保持器、電子機械変換器15、電子機械変換器15に接続されている電子回路手段31および針保持器と針部11を自動的に移動するための移動手段21、22を有する。
【0021】
以下に説明する好ましい実施形態において、電子機械変換器は、たとえば圧電トランスデューサである。
【0022】
図1〜図5を参照して説明する好ましい実施形態において、液面センサは、ピペット針部11および圧電トランスデューサ15に結合されている連結部材16を有する。別のより簡単な、本発明による液面センサの実施形態において、圧電トランスデューサ15は、ピペット針部に、たとえば接着剤により直接、すなわち圧電トランスデューサ15とピペット針部11の間に配置される連結部材を用いることなく結合されている。
【0023】
以下、圧電トランスデューサ15とピペット針部11の間に配置された連結部材を備える液面センサの好ましい実施形態について説明する。
【0024】
圧電トランスデューサ15、連結部材16およびピペット針部11は、互いに組み立てられて、図6〜図10を参照して以下により詳細に説明する超音波センサ61を構成する。
【0025】
ピペット針部11は、超音波を伝送するのに好適な材料を用いて形成されており、また、一方の端部に、液体に対するピペット動作を行うことができる先端17を有する。針部11の反対側の端部29は、針部11を用いて所定の体積の試料を吸引および投与できるようにするポンピング手段に対しピペット針部を流体連通にする導管18に接続されている。
【0026】
アーム21端部の針保持器は、ピペット針部11を保持するとともに、それを互いに直交する3方向X、Y、Zに移動する。
【0027】
圧電トランスデューサ15は、針部11に伝送される超音波パルスを発生し、針部の先端17で反射された反射パルスを受信し、さらに、反射パルスに対応する電気出力信号を発生する。2つの端子19、20が、圧電トランスデューサ15を、電気信号生成手段31および圧電トランスデューサ15から送出された出力信号を監視する電気信号モニタリング手段31に接続する。
【0028】
連結部材16は、ピペット針部11の先端17から所定距離離れて位置する、針部11の一部に機械的に結合されている。連結部材16は、超音波パルスを針部11に加え、また、針部の先端17で反射された反射パルスを圧電トランスデューサ15に伝送するようになっている。
【0029】
電子回路手段31は、
駆動信号を発生し、また、この信号を、連結部材16およびピペット針部11を介してその先端17に伝送される対応した超音波パルスを発生する圧電トランスデューサ15に入力する電気信号発生手段、および
圧電トランスデューサ15の電気出力信号を受信して処理し、飛行時間または信号位相分析により出力信号の少なくとも1つの特定成分を選び、ピペット針部11の先端17が容器13に収容されている液体12の自由表面14に接触する、針部11の位置を検出するために、出力信号の少なくとも1つの選ばれた成分のパラメータの所定の特性の時間による変化を評価し、さらに、評価の結果を意味する結果的な信号を提供する電気信号処理手段を有する。
【0030】
移動手段21、22は、針保持器および針部を自動的に移動して、針部11をピペット動作位置に配置する。移動手段21、22は、針部11の先端17を容器13に収容されている液体12の自由表面14に向けておよび自由表面14から離れるように動かすことができるようになっている。
【0031】
図4は、ピペット針部を介して伝播する超音波の、伝送および反射の方向を模式的に示す。図4には、下記の方向と角度が示されている:
V;圧電トランスデューサが放出した波の方向
L;両向き矢印により示すように縦方向に振動している反射波の方向
L’;縦方向に振動している入射超音波の方向
T;両向き矢印により示すように横方向に振動している反射波の方向
T’;横方向に振動している入射超音波の方向。振動の形態は、図4の符号T’に近接する左側に模式的に示されている。
θL;連結部材16により決まる屈折角
θ’L;連結部材16により決まる屈折角
θT;連結部材16により決まる屈折角
θ’T;連結部材16により決まる屈折角
【0032】
図5に示した好ましい実施形態においては、超音波パルスの伝送および受信を行うために別々のトランスデューサと連結部材が用いられる。第1の圧電トランスデューサ25およびそれに結合された第1の連結部材26が、超音波を針部11に伝送するために用いられ、第2の圧電トランスデューサ27およびそれに結合された第2の連結部材28が、反射された超音波パルスを受信するために用いられる。2つの端子32、33が、圧電トランスデューサ25を電気信号生成手段31と、圧電トランスデューサ25から送出された出力信号を監視する電気信号モニタリング手段31に接続する。2つの端子34、35が、圧電トランスデューサ27を電気信号生成手段31と、圧電トランスデューサ27から送出された出力信号を監視する電気信号モニタリング手段31に接続する。
【0033】
図5に示した実施形態の変更例において、第1の圧電トランスデューサ25および第2の圧電トランスデューサ27は、ピペット針部11に直接、すなわち各々のトランスデューサと針部の間にいずれの連結部材をも用いることなく結合されている。
【0034】
好ましい実施形態において、連結部材16は、圧電トランスデューサ15が放出した超音波の縦波成分を針部11に伝送するようになっている。
【0035】
別の好ましい実施形態において、連結部材16は、圧電トランスデューサ15が放出した超音波の横波成分を針部11に伝送するようになっている。
【0036】
好ましい実施形態において、連結部材16は、針部の先端17で反射された反射超音波パルスの縦波成分を圧電トランスデューサに選択的に伝送するようになっている。
【0037】
好ましい実施形態において、連結部材16は、針部の先端17で反射された反射超音波パルスの横波成分を圧電トランスデューサに選択的に伝送するようになっている。
【0038】
好ましい実施形態において、電子回路手段31は、出力信号の少なくとも1つの選ばれた成分の振幅または位相の時間による変化を評価する手段を有する。
【0039】
好ましい実施形態において、出力信号の少なくとも1つの選ばれた成分の振幅および/または位相の時間による変化を評価する手段は、所定のアルゴリズムによる。
【0040】
好ましい実施形態において、出力信号の少なくとも1つの選ばれた成分の振幅および/または位相の時間による変化を評価する手段は、反射された超音波の振幅または位相の変化を検出し、また、針部11内の不連続部の存在若しくは針部11と外部オブジェクトまたは媒体との接触を意味する出力信号を発生させる手段を有する。
【0041】
好ましい実施形態において、出力信号の少なくとも1つの選ばれた成分の振幅および/または位相の時間による変化を評価する手段は、反射された超音波の振幅または位相の変化を検出し、また、針部11の先端17の容器13に収容されている液体12中への針入深さに対応する出力信号を発生させる手段を有する。
【0042】
好ましい実施形態において、圧電トランスデューサ15および連結部材16は、ラム波超音波パルスの選ばれたモードに属する超音波パルスをピペット針部11に加えるようになっている。
【0043】
本発明による方法の実施例
ピペット針部の先端と容器に収容されている液体との接触を検出する本発明による方法において、検出は、ピペット針部がピペット動作を実行するために容器内の液体に向けて移動する時間間隔内に実施される第1の実施形態について、以下に説明する。
【0044】
この第1の実施形態による方法は、たとえば本明細書に記載された種類の液面センサを用いて実施され、
(a)ピペット針部11の先端17から所定距離離れて位置する、針部11の一部に機械的に結合されている圧電トランスデューサ15により超音波パルスをピペット針部11に加えること、
(b)超音波パルスをピペット針部11に加えることにより発生した機械的パルスを、ピペット針部11を介して伝送すること、ここで、
(c)機械的パルスを伝送することは、トランスデューサ15により発生した機械的パルスをピペット針部11の先端17に向けて伝送することおよび先端17で反射された機械的パルスを反対方向に伝送することを含む、
(d)反射された機械的パルスを圧電トランスデューサ15により受信することにより対応する電気出力信号を発生すること、および
(e)電気出力信号を監視し、飛行時間または信号位相分析によりそれに含まれる少なくとも1つの特定成分を選び、さらに、ピペット針部11の先端17が容器13に収容されている液体12の自由表面14に接触する、針部11の位置を検出するために、出力信号の少なくとも1つの選ばれた成分のパラメータの所定の特性の時間による変化を評価し、さらに、評価の結果を意味する結果的な信号を提供することを含む。
【0045】
好ましい実施形態において、超音波パルスは、針部(11)および圧電トランスデューサ(15)に機械的に結合されている連結部材(16)を介してピペット針部に加えられ、連結部材(16)は、ピペット針部の先端(17)から所定の距離離れて位置する、ピペット針部(11)の一部に結合されている。圧電トランスデューサ(15)とピペット針部(11)の間に配置された連結部材を用いることを含む、本発明による方法の実施形態について、以下に説明する。
【0046】
好ましい実施形態において、選ばれた波の振動モードを有する超音波パルスが、針部11に加えられる。
【0047】
好ましい実施形態において、縦波の振動モードを有する超音波パルスが、針部11に加えられる。
【0048】
別の実施形態において、横波の振動モードを有する超音波パルスが、針部11に加えられる。
【0049】
好ましい実施形態において、連結部材16は、針部11の先端17で反射された反射超音波の縦波成分を圧電トランスデューサ15に選択的に伝送する。
【0050】
別の実施形態において、連結部材16は、針部11の先端17で反射された反射超音波の横波成分を圧電トランスデューサ15に選択的に伝送する。
【0051】
好ましい実施形態において、出力信号の少なくとも1つの特定成分を選ぶことは、反射された機械的パルスの所定の縦波モードに対応する少なくとも1つのその成分を選ぶことを含む。
【0052】
別の実施形態において、出力信号の少なくとも1つの特定成分を選ぶことは、反射された機械的パルスの所定の横波モードに対応する少なくとも1つのその成分を選ぶことを含む。
【0053】
好ましい実施形態において、出力信号の少なくとも1つの特定成分は、受信した出力信号の固定飛行時間値により選ばれる。
【0054】
別の好ましい実施形態において、出力信号の少なくとも1つの特定成分を選ぶことは、該反射された機械的パルスの縦波モードに対応するその第1の成分を選ぶことおよび該反射された機械的パルスの横波モードに対応する該出力信号の第2の成分を選ぶことを含む。好ましい実施形態において、第1の成分は、受信した出力信号の第1の固定飛行時間値により選ばれ、また、第2の成分は、受信した出力信号の第2の固定飛行時間値により選ばれる。これらの実施形態は、ピペット針部11の先端17と容器13内の液体12の自由表面14との接触を検出する際に、より高い信頼性と精度をもたらすという利点を提供する。
【0055】
好ましい実施形態において、評価することは、出力信号の少なくとも1つの選ばれた成分の振幅および/または位相の時間による変化を評価することを含む。
【0056】
好ましい実施形態において、評価することは、ピペット針部11の先端17と容器13に収容されている液体12および/または液体12の上部に位置する気泡および/または容器の開口を閉鎖する蓋との接触を検出するために、出力信号の少なくとも1つの選ばれた成分の振幅および/または位相を所定値と比較することを含む。
【0057】
好ましい実施形態において、ピペット針部11に加えられた超音波パルスは、ラム波超音波パルスの選ばれたモードに属する。
【0058】
本発明による液面センサ用の針保持器の実施例
以下、図6〜図10を参照しつつ、本発明による液面センサ用の針保持器の実施例について説明する。
【0059】
図6は、ハウジング42を備える針保持器41の斜視図である。ハウジング42は、針保持器41、よってピペット針部11を互いに直交する3方向X−Y−Zに動かすためのX−Y−Z移動装置のアーム21に針保持器41を連結する連結部50を有する。針保持器41は、超音波センサ61(図6には示さず)を図2の電子回路31に接続する電気的接続部48を有する。針保持器41は、ハウジング42内に設けられた可動部45(図6には示さず)の位置を調節するための回転式ノブ51をさらに有する。回転式ノブ51は、針保持器41の側壁44に隣接している。針保持器41内に装着されたピペット針部11の長さ方向対称軸30は、図6に示した座標軸X−Y−ZのZ軸に合わされている。
【0060】
図7は、図6の針保持器41の構成要素への分解斜視図である。図6を参照してすでに説明した部品の他に、図7は、ハウジング42内に設けられた下記の構成要素を示す、すなわち、バネ56、可動部45、カムディスク49、圧電トランスデューサ15を含む超音波センサ61、音響レンズ52、スタートアップレングス55およびその先端17に終端をなすピペット針部11の下部である。たとえばアルミニウムにより形成されている音響レンズ52と、たとえばプレキシグラス(商標)により形成されているスタートアップレングス55は、図1〜図3に示したような、圧電トランスデューサ15およびピペット針部11に結合された連結部材16を構成する。可動部45は、ピペット針部を導入可能な開口59を備え、また、電気的接続部48を装着することができる基部60を有する。
【0061】
図8は、図6の針保持器41の切断斜視図である。図9は、針保持器41の、図6に示した面X−Zに沿った断面図である。図6と図7を参照してすでに説明した部品の他に、図8と図9は、ピペット針部11と超音波センサ61が、可動部45内にどのように配置されているかを示す。図8と図9は、バネ56の上部が、針保持器41のハウジング42の壁43に取り付けられており、また、バネ56の下部が、ピペット針部11の1つの側部を押圧するように配置されていることを示す。可動部45の位置、よって針部11のX方向の位置は、回転式ノブ51によりカムディスク49の角度位置を調節することにより調節可能である。ノブ51、よってカムディスク49を第1の方向に回転させることにより、可動部45、よって針部11がバネ56に向けての変位を起こし、これにより、針部11は、針保持器41内のその動作位置に移動する。ノブ51、よってカムディスク49を第1の方向とは反対の第2の方向に回転させることにより、可動部45、よって針部11がバネ56から離れる向きへの変位を起こし、これにより、針部11を可動部45内のその位置から取り外すことが可能になる。
【0062】
可動部45は、構成要素15、52、55により構成される超音波センサ61を収容するチャンバ53を有する。チャンバ53は、一方では圧電トランスデューサをハウジング42の壁により反射された超音波から保護する防音材であり、また、他方では圧電トランスデューサ15の電気的接地極を液面センサの接地極に電気的に接続する導電性のポッタント(pottant)が充填されていることが好ましい。圧電トランスデューサ15に電気的に接触している電気接続線47の端部は、電気絶縁体54に埋め込まれている。
【0063】
図10は、図6の針保持器41の可動部45の切断斜視図である。図6〜図10を参照してすでに説明した部品に加え、図10は、針部11の下部が連結部材16の一部であるスタートアップレングス55の溝69に配置されていることを示す。溝69の大きさは、針部11の断面外端の概ね二分の一が溝69の中にぴったり嵌合するよう選ばれる。
【0064】
本発明による液面センサの圧電トランスデューサを駆動し、また、圧電トランスデューサの出力信号を処理する電子回路の実施例
以下、図11〜図15を参照しつつ、本発明による液面センサの圧電トランスデューサの出力信号を評価する電子回路の実施例について説明する。
【0065】
図11は、図2の電子回路31のブロック図および図6〜図10を参照して上述した超音波センサ61を示す。図11に示すように、電子回路31は、送信器62、マイクロコントローラ・ADC(アナログ/デジタル変換器)回路63、受信器64およびDAC(デジタル/アナログ変換器)回路68を有する。
【0066】
図11は、種々のブロック間の下記の接続を示す。
71;送信器62の出力側と超音波センサ61の間の電気的接続
72;超音波センサ61と受信器64の入力側の間の電気的接続
73;復調・増幅器66の出力端子
74;同期整流器67の出力側とマイクロコントローラ・ADC63の入力側の間の電気接続
75;マイクロコントローラの出力側と送信器62の入力側の間の電気的接続
76;マイクロコントローラ・ADC63の出力側とDAC(デジタル/アナログ変換器)68の間の電気的接続
77;DAC(デジタル/アナログ変換器)68の出力端子
【0067】
図12は、図11の受信器64の復調・増幅器66の出力端子73に出力された、超音波センサ61の未処理(RAW)出力信号の振幅−時間ダイアグラムである。超音波センサ61の未処理出力信号の部分81は、ピペット針部11の縦振動モードに対応する。超音波センサ61の未処理出力信号の部分82は、ピペット針部11の横振動モードに対応する。
【0068】
図13は、容器13が開放されており(カバー無し)、また、容器13内に気泡が存在しておらず、液面が容器13の上方に設定された基準点から計測した針部針入深さ88.3mmの、図13に破線で示した位置にあるときに液面検出により得られた、例としての信号振幅(縦軸)−針部針入深さ(横軸)ダイアグラムである。図13に示した信号は、DAC(デジタル/アナログ変換器)68の出力端子77に出力された液面検出信号である。
【0069】
図14は、容器13が開放されていて(カバー無し)、また、容器13内に気泡が存在しており、液面が容器13の上方に設けられた基準点から計測した針部針入深さ64mmの、図14に破線で示した位置にあるときに液面検出により得られた、例としての信号振幅(縦軸)−針部針入深さ(横軸)ダイアグラムである。図14に示した信号は、DAC(デジタル/アナログ変換器)68の出力端子77に出力された液面検出信号である。
【0070】
図15は、容器13がカバーにより閉鎖されていて(ピペット針部が図1の液面14に向けて移動するとき容器13のカバーを穿刺する)、また、容器13内に気泡が存在しておらず、液面が容器13の上方に設定された基準点から計測した針部針入深さ81mmの、図15に破線で示した位置にあるときに液面検出により得られた、例としての信号振幅(縦軸)−針部針入深さ(横軸)ダイアグラムである。図15に示した信号は、DAC(デジタル/アナログ変換器)68の出力端子77に出力された液面検出信号である。
【0071】
好ましい実施形態において、DAC(デジタル/アナログ変換器)68の出力端子77に出力された液面検出信号は、ピペット針部と容器13内の液体12の自由表面14との接触を意味する信号を発生させるために、たとえば信号の振幅を所定の閾値と比較するまたは信号の振幅の時間についての一次導関数を所定の閾値と比較するなどの、さらなる処理が行なわれる。そのような信号は、ピペット装置の動作を最適にするために、たとえばピペット操作時に、針部11の先端17の液体12中への針入深さが確実に所定の最小値に等しくなるようにするために用いるのに適している。
【0072】
本発明によるピペット装置の実施例
本発明によるピペット装置は、ピペット針部により一定体積の液体を、容器13に収容されている液体12に投与するまたは容器13に収容されている液体から吸引することができる装置である。本発明によるピペット装置は、先に説明した種類の液面センサを有することを特徴とする。
【0073】
特定の用語を用いて本発明の好ましい実施形態についての説明を行ったが、そのような説明は、単に例示だけを目的としており、当業者には明白な変更例および変形例は、後記の請求項およびそれらの等価物の範囲に包含されると了解されるものとする。
【符号の説明】
【0074】
11 ピペット針部
12 液体
13 容器
14 液面
15 電子機械変換器/圧電トランスデューサ
16 連結部材
17 ピペット針部の先端
18 ピペット針部11に接続された導管
19 電気接続リード線
20 電気接続リード線
21 X−Y−Z移動装置のアーム
22 X−Y−Z移動装置
23 針保持器のハウジング部
24 針保持器のハウジング部
25 電子機械変換器/圧電トランスデューサ
26 連結部材
27 電子機械変換器/圧電トランスデューサ
28 連結部材
29 導管18に接続された針部11の端部
30 ピペット針部11の長さ方向対称軸
31 信号を発生するためのおよびピペット針部の先端で反射された超音波に対応する信号を評価するための電子回路
32 電気接続リード線
33 電気接続リード線
34 電気接続リード線
35 電気接続リード線
41 針保持器
42 ハウジング
43 ハウジングの壁
44 ハウジングの壁
45 針保持器の可動部
46 針部11の先端部を収容する空洞
47 電気接続線
48 電気的接続部
49 カムディスク
50 X−Y−Z移動装置22のアーム21に連結するための連結部
51 回転式ノブ
52 音響レンズ
53 可動部45内のチャンバ
54 電気絶縁体
55 スタートアップレングス
56 バネ
57 針部11の上部
58 孔
59 開口
60 接続部48の基部
61 超音波センサ
62 送信器
63 マイクロコントローラ・ADC(アナログ/デジタル変換器)回路
64 受信器
65 高周波増幅器
66 復調・増幅器
67 同期整流器
68 DAC(デジタル/アナログ変換器)回路
69 スタートアップレングス55の溝
71 送信器62の出力側と超音波センサ61の間の電気的接続
72 超音波センサ61と受信器64の入力側の間の電気的接続
73 復調・増幅器66の出力端子
74 同期整流器67の出力側とマイクロコントローラ・ADC63の入力側の間の電気接続
75 マイクロコントローラの出力側と送信器62の入力側の間の電気的接続
76 マイクロコントローラ・ADC63の出力側とDAC(デジタル/アナログ変換器)68の間の電気的接続
77 DAC(デジタル/アナログ変換器)68の出力端子
81 ピペット針部11の縦振動モードに対応する、超音波センサ61の未処理出力信号の部分
82 ピペット針部11の横振動モードに対応する、超音波センサ61の未処理出力信号の部分
V 電子機械変換器、たとえば圧電トランスデューサが放出した波の方向
L 両向き矢印により示すように縦方向に振動している反射波の方向
L’ 縦方向に振動している入射超音波の方向
T 両向き矢印により示すように横方向に振動している反射波の方向
T’ 横方向に振動している入射超音波の方向。振動の形態は、図4の符号T’に近接する左側に模式的に示されている。
θL 連結部材16により決まる屈折角
θ’L 連結部材16により決まる屈折角
θT 連結部材16により決まる屈折角
θ’T 連結部材16により決まる屈折角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピペット針部の先端と容器に収容されている液体との接触を検出する方法であって、前記検出は、前記ピペット針部がピペット動作を実行するために前記容器内の前記液体に向けて移動する時間間隔内に実施される方法において、
(a)前記ピペット針部の先端(17)から所定距離離れて位置する、前記針部(11)の一部に機械的に結合されている電子機械変換器(15)により超音波パルスを前記ピペット針部(11)に加えることと、
(b)前記超音波パルスを前記ピペット針部に前記加えることにより発生した機械的パルスを、前記ピペット針部(11)を介して伝送することと、ここで、
(c)前記機械的パルスを伝送することは、前記変換器(15)により発生した機械的パルスを前記ピペット針部(11)の前記先端(17)に向けて伝送することおよび前記先端で反射された機械的パルスを反対方向に伝送することを含む、
(d)前記反射された機械的パルスを前記電子機械変換器(15)により受信することにより対応する電気出力信号を発生することと、
(e)前記電気出力信号を監視し、飛行時間または信号位相分析によりそれに含まれる少なくとも1つの特定成分を選び、前記ピペット針部(11)が前記容器(13)に収容されている前記液体(12)の自由表面(14)に接触する、前記針部(11)の位置を検出するために、前記出力信号の前記少なくとも1つの選ばれた成分のパラメータの所定の特性の時間による変化を評価し、さらに、前記評価の結果を意味する結果的な信号を提供することとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記超音波パルスは、前記針部(11)および前記電子機械変換器(15)に機械的に結合されている連結部材(16)を介して前記ピペット針部に加えられ、前記連結部材(16)は、前記ピペット針部の前記先端(17)から所定距離離れて位置する、前記針部(11)の一部に結合されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記針部は、選ばれた波の振動モードを有する超音波パルスが加えられることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記針部は、縦波の振動モードを有する超音波パルスが加えられることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記針部は、横波の振動モードを有する超音波パルスが加えられることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記連結部材(16)は、前記針部の前記先端(17)で反射された反射超音波の縦波成分を前記電子機械変換器(15)に選択的に伝送することを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項7】
前記出力信号の前記少なくとも1つの特定成分を前記選ぶことは、前記反射された機械的パルスの縦波モードに対応するその成分を選ぶことを含むことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記出力信号の前記少なくとも1つの特定成分を前記選ぶことは、前記反射された機械的パルスの横波モードに対応するその成分を選ぶことを含むことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記出力信号の前記少なくとも1つの特定成分を前記選ぶことは、前記反射された機械的パルスの縦波モードに対応するその第1の成分を選ぶことおよび前記反射された機械的パルスの横波モードに対応する前記出力信号の第2の成分を選ぶことを含むことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの特定成分は、受信した出力信号の固定飛行時間値により選ばれることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の成分は、受信した出力信号の第1の固定飛行時間値により選ばれ、また、前記第2の成分は、受信した出力信号の第2の固定飛行時間値により選ばれることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記評価することは、前記出力信号の前記少なくとも1つの選ばれた成分の振幅および/または位相の時間による変化を評価することを含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記評価することは、前記ピペット針部(11)の前記先端(17)と容器(13)に収容されている液体(12)および/または前記液体(12)の上部に位置する気泡および/または前記容器の開口を閉鎖する蓋との接触を検出するために、前記出力信号の前記少なくとも1つの選ばれた成分の振幅および/または位相を所定値と比較することを含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記ピペット針部(11)に加えられた超音波パルスは、ラム波超音波パルスの選ばれたモードに属することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
ピペット針部と容器に収容されている液体との接触を検出する液面センサにおいて、
(a)超音波を伝送するのに好適な材料を用いて形成されており、また、一方の端部に、液体に対するピペット動作を行うことができる先端(17)を備えるピペット針部(11)と、
(b)前記ピペット針部(11)を保持する針保持器と、
(c)前記ピペット針部(11)に機械的に結合されている電子機械変換器(15)と、ここで、前記電子機械変換器は、前記ピペット針部(11)に伝送される超音波パルスを発生し、前記針部(11)の前記先端(17)で反射された反射パルスを受信し、さらに、前記反射パルスに相当する電気出力信号を発生する傾向にある、
(d)(e)前記電子機械変換器(15)に接続された電子回路手段(31)と、ここで、前記電子回路手段(31)は、
(e.1)駆動信号を発生し、また、この信号を、前記ピペット針部(11)の前記先端(17)に伝送される対応した超音波パルスを発生する前記電子機械変換器(15)に入力する電気信号発生手段と、
(e.2)前記電子機械変換器(15)の前記電気出力信号を受信して処理し、飛行時間または信号位相分析により前記出力信号の少なくとも1つの特定成分を選び、前記ピペット針部(11)の前記先端(17)が前記容器(13)に収容されている前記液体(12)の自由表面(14)に接触する、前記針部11の位置を検出するために、前記出力信号の前記少なくとも1つの選ばれた成分のパラメータの所定の特性の時間による変化を評価し、さらに、前記評価の結果を意味する結果的な信号を提供する電気信号処理手段とを備える、
(g)前記針保持器および前記針部を自動的に移動し、前記針部をピペット動作位置に配置し、さらに、前記針部の前記先端を前記容器に収容されている前記液体の前記自由表面に向けて動かすことができる移動手段とを有する液面センサ。
【請求項16】
前記針部および前記電子機械変換器に結合されている連結部材をさらに有し、前記連結部材は、前記ピペット針部の前記先端から所定距離離れて位置する前記針部の一部に機械的に結合されており、前記連結部材は、前記針部に超音波パルスを加え、また、前記針部の前記先端で反射された前記反射パルスを前記電子機械変換器に伝送するようになっていることを特徴とする請求項15記載の液面センサ。
【請求項17】
前記ピペット針部(11)に超音波を伝送するためには第1の電子機械変換器(25)が用いられ、また、前記反射された超音波パルスを受信するためには第2の電子機械変換器(27)が用いられることを特徴とする請求項15記載の液面センサ。
【請求項18】
前記ピペット針部(11)に超音波を伝送するためには第1の電子機械変換器(25)およびそれに結合された第1の連結部材(26)が用いられ、また、前記反射された超音波パルスを受信するためには第2の電子機械変換器(27)およびそれに結合された第2の連結部材(28)が用いられることを特徴とする請求項16記載の液面センサ。
【請求項19】
前記連結部材(16)は、前記電子機械変換器(15)により放出された超音波の縦波成分を前記針部(11)に伝送するようになっていることを特徴とする請求項16記載の液面センサ。
【請求項20】
前記連結部材(16)は、前記電子機械変換器(15)により放出された超音波の横波成分を前記針部(11)に伝送するようになっていることを特徴とする請求項16記載の液面センサ。
【請求項21】
前記連結部材(16)は、前記針部の前記先端(17)で反射された反射超音波パルスの縦波成分を前記電子機械変換器(15)に選択的に伝送するようになっていることを特徴とする請求項16記載の液面センサ。
【請求項22】
前記連結部材(16)は、前記針部の前記先端(17)で反射された反射超音波パルスの横波成分を前記電子機械変換器(15)に選択的に伝送するようになっていることを特徴とする請求項16記載の液面センサ。
【請求項23】
前記駆動信号は高周波のパルス信号であることを特徴とする請求項15〜22のいずれか1項に記載の液面センサ。
【請求項24】
前記電子回路手段は、前記出力信号の前記少なくとも1つの選ばれた成分の振幅または位相の時間による変化を評価する手段を有することを特徴とする請求項15または16のいずれか1項に記載の液面センサ。
【請求項25】
前記出力信号の前記少なくとも1つの選ばれた成分の振幅および/または位相の時間による変化を前記評価する手段は、所定のアルゴリズムによることを特徴とする請求項24記載の液面センサ。
【請求項26】
前記出力信号の前記少なくとも1つの選ばれた成分の振幅および/または位相の時間による変化を前記評価する手段は、反射された超音波の振幅または位相の変化を検出し、また、前記針部(11)内の不連続部の存在若しくは前記針部(11)と外部オブジェクトまたは媒体との接触を意味する出力信号を発生させる手段を有することを特徴とする請求項24記載の液面センサ。
【請求項27】
前記出力信号の前記少なくとも1つの選ばれた成分の振幅および/または位相の時間による変化を前記評価する手段は、反射された超音波の振幅または位相の変化を検出し、また、前記針部(11)の前記先端(17)の前記容器に収容されている前記液体(12)中への針入深さに対応する出力信号を発生させる手段を有することを特徴とする請求項24記載の液面センサ。
【請求項28】
前記電子機械変換器(15)は、ラム波超音波パルスの選ばれたモードに属する超音波パルスを前記ピペット針部(11)に加えるようになっていることを特徴とする請求項15記載の液面センサ。
【請求項29】
前記電子機械変換器(15)および前記連結部材(16)は、ラム波超音波パルスの選ばれたモードに属する超音波パルスを前記ピペット針部(11)に加えるようになっていることを特徴とする請求項16〜25のいずれか1項に記載の液面センサ。
【請求項30】
ピペット針部により一定体積の液体を、容器(13)に収容されている液体(12)に投与するまたは容器(13)に収容されている液体(12)から吸引するピペット装置において、請求項10〜19のいずれか1項に記載の液面センサを有することを特徴とするピペット装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2010−522870(P2010−522870A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500096(P2010−500096)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【国際出願番号】PCT/EP2008/001667
【国際公開番号】WO2008/119425
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】