ピリジンの非古典的カンナビノイド化合物及び関連する使用方法
式Iの化合物を開示する。式Iにおいて、R1、R2、V、W、X、Y及びZは、明細書中にて定義される通りであってもよい。化合物は、カンナビノイド受容体によって仲介される疾患の治療に用いられてもよい。
【化1】
【化1】
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本願は、2008年5月19日に出願された出願番号61/128,088の優先権の利益を主張するものであり、その出願の全てを併合するものである。
【0002】
古典的カンナビノイドであるデルタ‐9‐テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)は、カンナビス サティバ(Cannabis sativa)から抽出される主要な有効成分である。カンナビノイドの効果は、特異的高親和性受容体との相互作用による。現在、2つのカンナビノイド受容体が特定されている。すなわち、CB-1、つまり哺乳類の脳及び末梢組織における他の多くの部分で見出される中枢受容体、及びCB-2、つまり主に免疫システムに関連する細胞において見出される末梢受容体である。さらに、近年、GPR35及びGPR55というオーファン受容体が、カンナビノイド型リガンドと結合することが報告され、三つ目の受容体の亜型として紹介された。CB-1受容体は、古典的カンナビノイドと関連する精神活性を仲介すると考えられている。これらの受容体の特性評価は、アゴニストWIN 55212-2等の特異的合成リガンドの開発によって可能となった(D'Ambra et al, J. Med Chem. 35:124 (1992)) 及び CP 55,940 (Melvin et al, Med Chem. 27:67 (1984))。
【0003】
薬理学的に、カンナビノイドは、中枢神経系、心臓血管、免疫システム及び/又は内分泌系等の様々な標的に影響を与えるために使用可能である。特に、CB-1又はCB-2受容体及び潜在的にGPR35及びGPR55受容体に親和性を持つ化合物は、抗がん剤、抗肥満薬、鎮痛剤、筋弛緩剤及び抗緑内障薬として有用である。これらの化合物は、同様に、胸腺の疾患、嘔吐、様々な神経障害、記憶障害、運動障害、片頭痛治療、多発性硬化症、ぜんそく、てんかん、虚血、苦痛、起立性低血圧、骨粗しょう症、肝線維症、炎症及び過敏性大腸症、並びに心不全の治療に使用可能である。
【0004】
しかしながら、Δ9-THC等のカンナビノイドは、同様に細胞膜に作用して、眠気、物アミンオキシダーゼ機能の障害、及び非受容体介在性の脳機能の障害等の望ましくない副作用を引き起こす。カンナビノイドには、依存性及び向精神性を有するものもあり、これらはその治療価値を制限する傾向がある。
【0005】
構造が同定された多くの非古典的ビアリル及びトリアリルカンナビノイドが、Makriyannis らのUS特許番号7,057,076に記載されている。Makriyannisは、2個以上の化合物に対する様々な結合親和性を同定しているが、CB−1及びCB−2受容体の両方における個々の化合物の結合データを示すサポートデータを何も示していない。よって、それらの化合物が、他の受容体に対するよりも、ある受容体に対して選択性が高いかどうかを評価することは難しい。
【0006】
本技術分野においては、古典的又は非古典的カンナビノイドのアナログが、現在継続して求められている。アナログは、CB-1 受容体 及び/又はCB-2受容体により仲介される疾患及び障害の処置という治療上の目的に使用可能である。
【発明の概要】
【0007】
前述の課題に鑑みて、本発明は、様々な複素環カンナビノイドアナログ化合物、組成物、及び/又は関連する方法を提供することを目的とし、それによって、上記に外接した技術を含む従来技術の様々な欠如及び欠陥を克服する。当業者は、本発明の1つ又は複数の側面がある目的を達成でき、その一方で他の1つ又は複数の側面が他の目的を達成できることを理解するであろう。それぞれの目的は、その全ての点において、本発明の全ての側面に等しく当てはまるものではない。下記の目的は、本発明のいずれの側面に対しても適用されると考えられる。
【0008】
カンナビノイド及びヒト細胞及び組織に存在する関連受容体に対する親和性を示す1又は複数種類のカンナビノイド化合物を特定することも、本発明の目的となり得る。
【0009】
B環ピリジン系を備える1又は複数の新たなピリジン非古典的カンナビノイド受容体リガンドを提供することも本発明の目的となり得る。このような化合物は、ビアリル又はトリアリル環系を備えることができる。
【0010】
治療での使用用のカンナビノイド受容体選択性を示すこれらの化合物の同定も、本発明の他の目的となり得る。
【0011】
本発明の他の目的、特徴、利益及び利点は、本概要及び下記の実施形態の説明によって明白であり、種々のカンナビノイド化合物及び関連する治療法方の知識を有する当業者にとって、容易に理解できるであろう。このような目的、特徴、利益及び利点は、以下に示される付随の例、データ、図及び全ての妥当な推論単独で又は本明細書に取り込まれる文献の考慮を伴って、結合されることは、明白であろう。
【0012】
1つに、本発明は、下記式(I)で表される化合物から選択あれるカンナビノイドアナログ化合物を対象としてもよい。
【0013】
【化1】
式Iにおいて、W及びVの一方はNであってもよく、他方はCであってもよく;Xは、H、置換された及び置換されていないアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリル、アリルアルキル、ヘテロアリル、ヘテロアリルアルキル、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択されてもよく、各アルキル部分は任意に3回以下で置換されていてもよく、それぞれの環部分は、1、2、3、4、又は5個の置換基によって任意に置換されていてもよく;YはS,O,CH2,CH(CH3),CH(OH), C(CH3)(OH), C(CH3)2, C(-U(CH2)nU-), C(O), NH, S(O),及びS(O)2から選択されてもよく;nは1以上の整数であり、好ましくは1〜6であり;UはCH2, S及びOから選択されてもよく;ZはH、置換された及び置換されていないアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリル、アリルアルキル、ヘテロアリル、ヘテロアリルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルから選択されてもよく、それぞれのアルキル部分は任意に3回以下で置換されていてもよく、それぞれの環部分は、1、2、3、4、又は5個の置換基によって任意に置換されていてもよく;R1及びR2は、独立して、H、並びに置換された及び置換されていないアルキルから選択される。
【0014】
また、本発明は、本書に示すように、化合物の塩を対象とすることができる。
【0015】
また、本発明は、本書に示すように、化合物のプロドラッグを対象とすることができる。
【0016】
本発明はまた、以下に説明される化合物、その塩及び/又はプロドラッグ、並びに医薬的に許容されるキャリア成分を含有する医薬組成物を対象とすることができる。
【0017】
本発明は、カンナビノイド受容体の活性を修飾する方法を対象としてもよい。このような方法は、カンナビノイド又は関連レセプター、その塩及び/又は化合物における活性を有する、本発明の若しくは本書に説明する他の化合物、塩及び又はプロドラッグを提供すること;並びに、細胞及び/又は細胞のカンナビノイド受容体とこのような化合物とを接触させること、を備えてもよい。下記に示すように、このような接触は、カンナビノイドの活性を少なくとも部分的に修飾する少なくとも部分的な効果を奏することができる。
【0018】
本発明はまた、カンナビノイド受容体介在疾患の治療方法を対象としてもよい。このような方法は、カンナビノイド受容体における活性を有する、本書に示す化合物又は本書に示す他の化合物、その塩及び/又はプロドラッグを提供すること;並びに、患者に、カンナビノイド受容体介在疾患を治療する少なくとも部分的な効果を有してもよい、化合物、塩及び/又はプロドラッグを所定量投与すること;を備えてもよい。本発明のこの側面は、CB-1 及び/若しくは CB-2(又は関連する)受容体の過活性又はCB-1 及び/若しくは CB-2(又は関連する)受容体の非活性又は低活性が介在する病状を治療又は抑制するための、CB-1若しくは関連受容体のアゴニスト、CB-1若しくは関連受容体のアンタゴニスト、CB-2若しくは関連受容体のアゴニスト、並びに/又はCB-2若しくは関連受容体のアンタゴニストの使用に関連してもよい。
【0019】
本発明はまた、下記式の化合物から選択される化合物を対象としてもよい。
【0020】
【化2】
式Iにおいて、W及びVの一方がNであってもよく、他方がCであってもよく;Xは、アルキルであってもよく、フェニル、ベンジル、シクロヘキシル、チオフェニル及びピリジニルから選択されてもよく、それぞれの環部分は、ハロ、アルキル、及びアルコキシ部分から独立して選択される1〜5個の置換基によって任意に置換されていてもよく;R1及びR2は、独立して、H又はアルキルから選択されてもよく;Yは、カルボニル、ジメチルメチレン及びヒドロキシメチレン部分から選択されてもよく;Zは、アルキルであってもよく、シクロアルキル、フェニル及びチオフェニルから選択されてもよく、これらはそれぞれ、任意に、1〜5個の置換基で置換されていてもよく、置換基は本発明を知った当業者により理解され、本書のどこかに記載されたものを包含するが、それに限定されない。ある実施形態において、Xは、クロロ、メチル及びメトキシ置換基から独立して選択される1〜5個の基で任意に置換されたフェニルであってもよい。このような実施形態において、Zは、アルキル又はフェニル部分であってもよく、任意に、Xは、ベンジル又はジクロロフェニル部分であってもよい。このような化合物は、いずれも、このような化合物の塩及び/又はプロドラッグから選択されてもよい。単独の又は複数のこれらの化合物は、ある量で、成長細胞の死を引き起こす効果を少なくとも部分的に奏する。
【0021】
本発明は、限定されることなく、同様に、がんの治療方法を対象とすることができる。このような方法は、がん細胞の成長細胞等のカンナビノイド受容体を有するがん細胞を準備することと;このような成長を式Iに示す化合物から選択されるカンナビノイド化合物と接触させることとを備えていてもよい。
【0022】
【化3】
式Iにおいて、R2、V、W、X、Y及びZは、上述した通りであってもよい。実施形態において、Xは、アルキルであってもよく、フェニル、シクロヘキシル、チオフェニル及びピリジニルから選択されてもよく、これらはそれぞれ、任意に、ハロ、アルキル及びアルコキシ部分から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよく;R1及びR2は、独立して、H又はアルキルから選択されてもよく;Yは、カルボニル、ジメチルメチレン及びヒドロキシメチレンから選択されてもよく;Zは、アルキルであってもよく、シクロヘキシル、フェニル及びチオフェニルであってもよく、これらはそれぞれ、任意に、1〜5個の置換基で置換されていてもよく、置換基は本発明を知った当業者により理解され、本書のどこかに記載されたものを包含するが、それに限定されず;単独の又は複数の化合物について、これらの化合物の塩及びプロドラッグ及びそれらの組み合わせは、ある量で、成長細胞の死を引き起こす効果を少なくとも部分的に奏する。ある実施形態で、X及びZは、クロロ、ヒドロキシ及びメトキシから独立して選択される1〜5個の基で、任意に置換されたフェニルであってもよい。このような実施形態において、R1及びR2は、独立して、H及びメチル部分から選択されてもよい。このような実施形態において、R1及びR2の少なくとも一方は、メチル以外の基であってもよい。本書で説明されるように、かつ限定されることなく、Yはいずれも、カルボニル又はジメチルメチレンであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】CB-1受容体における化合物5eの機能活性を示す。
【図2】CB-2受容体における化合物5eの機能活性を示す。
【図3】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による4時間及び18時間後のG-CSFの分泌結果を示す。
【図4】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による4時間後及び18時間後のIL-1βの分泌結果を示す。
【図5】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による18時間後のIL-6の分泌結果を示す。
【図6】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による4時間後のIL-6の分泌結果を示す。
【図7】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による18時間後のIL-8の分泌結果を示す。
【図8】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による4時間後のIL-8の分泌結果を示す。
【図9】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による4時間後及び18時間後のMCP-Iの分泌結果を示す。
【図10】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による4時間後のMIFの分泌結果を示す。
【図11】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による18時間後のMIFの分泌結果を示す。
【図12】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による18時間後のRANTESの分泌結果を示す。
【図13】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による4時間後のRANTESの分泌結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に包含される新規の化合物は、上述の一般式Iで表される化合物、塩及びプロドラッグ並びに/又はその医薬組成物である。
【0025】
本発明において、「アルキル」とは、1〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。任意に、本発明におけるアルキル基は、1又は複数の二重結合及び/又は1又は複数の三重結合を含有していてもよい。
【0026】
「シクロアルキル」は、3〜12個の炭素原子を有する炭素環基を意味する。シクロアルキルは、単環でもよく、多数の環が融合した系であってもよい。任意に、本発明のシクロアルキル基は、1又は複数の二重結合及び/又は1又は複数の三重結合を含有していてもよい。
【0027】
「複素環」とは、縮合環系を包含し、窒素、酸素又は硫黄及びその組み合わせから選択される少なくとも1個かつ4個までのヘテロ原子を含有する、4、5、6又は7員環の1又は複数の複素環系を意味する。
【0028】
「アリル」は、少なくとも1つの環が芳香環である、単環、多環、又は縮合環を有する芳香族炭素環系を意味する。
【0029】
「ヘテロアリル」は、縮合環系を包含し、窒素、酸素、又は硫黄及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1個かつ4個までのヘテロ原子を含有する、3〜12個の原子を有する1又は複数の芳香族環系である。
【0030】
「アリルアルキル」は、アリル基によって置換されたアルキル基であり、結合部分がアルキル鎖の炭素である。
【0031】
本書において、「置換された」は、当業者にとって理解されるような置換を意図する。少なくとも1個の、及び5個程度の置換基が、1個の基に存在してもよい。置換基の例として、ハロ、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アリル、ヘテロアリル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、アルキルチオール、ハロアルキル(例えばトリフルオロメチル)、カルボキシ、アルキルカルボキシ、カルバモイル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
1つの観点からは、代表として、非限定的なピリジンピリミジンアナログが、下記スキーム1に示す逆合成式に基づいて、中間化合物の反応から調製されてもよい。
【0033】
【化4】
スキーム1において、R3及びR4は、メチル、エチル及びトリクロロフェニルから選択される。IIに関連する化合物は、スキーム2に描かれ、参照することで本書に組み込まれるYip, et al. See, Org. Lett 9:3469に記載されるように、ナトリウムエトキシド等の塩を用いたマロン酸エステルの直接アルキル化又は銅触媒カップリングを含む標準的な手法によって、適切なジアルキル又はジアリルマロン酸から予め調製される。
【0034】
【化5】
中間体IIIは、次いで中間体エナミンの加水分解を行う、芳香族及び脂肪族ニトリル類から、臭化メチルマグネシウム/THF又はメチルリチウムを含む公知の化学反応により、予め調製される(参照することで本書にその全体が組み込まれるSee, e.g., Moss, Tet. Lett. 36:8761を参照のこと)(スキーム3)。中間体IVは、標準的な方法を用いて、対応するニトリル及びメチルリチウムから予め調製される。
【0035】
【化6】
Yにgem−ジアルキル、複素環式、又は炭素環式置換基を含有する誘導体は、その化合物は市販されていないが、メチレンニトリルの直接アルキル化(Makriyannisの米国特許番号7,057,76及び公開番号2004/087590を参照のこと。これらの文献の全体は、参照されることで、本書に組み込まれる)又は適切に置換されたアリル、ヘテロアリルハロゲン及びイソプロピルニトリルから調製される(参照されることで全体が本書に組み込まれる、2003年8月21日出願の米国公開番号2005/0065033を参照のこと)。スキーム4及び5は、この化学反応の典型であるが、この化学反応の範囲に限定されるものではない。
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
Yにケト、ヒドロキシ、アルキルヒドロキシ置換基を含有する誘導体は、Y=CH2を有する化合物の直接酸化によって、又はC2アルデヒドピリジンから調製され、既に報告されている化学反応を用いて、2,2−ビス−エチルスルファニル−アセトアミジン及び適切に置換されたマロン酸エステルから調製される(スキーム6)(参照されることで本書にその全体が組み込まれる米国特許番号 7,169,942を参照のこと)。
【0038】
【化9】
対応するピリジンは、スキーム7に示されるように、ジメチル-、ジエチル-、又はビス(トリクロロフェニル)-マロン酸と、必須の2-ケトアナログに由来する適切な置換されたシッフ塩基との反応によって調製され(参照されることで、その全体が本書に組み込まれるIto and Miyajima, J. Heterocyclic Chem. 1992, 29:1037, 及び Kappe et al, J. Heterocyclic Chem 1988, 25:463)、スキーム7において、R2は、ベンジル又はt-ブチルであり、R3、R4はメチル、エチル、フェニル、及び/又はビス(トリクロロフェニル)である。他に、必須のイミンは、適切なニトリル及びメチルリチウムから、標準的な方法を用いて調製される。
【0039】
【化10】
いくつかの代表的な、しかし非限定的な化合物の合成が本書で述べられるが、他の種々の化合物が同様の手法及び/又はその単純な変更を用いることで調製され得ることを、当業者は理解するであろう。すなわち、X、R1、R2、Y及びZ部分の特性は、それぞれの試薬、出発物質、中間体及びそれらの化学的性質によってのみ限定される。様々な他の部分及び/又は置換基は、上述の同時係属出願に記載されたものを含むがこれらに限定されない。
【0040】
上述した同時に継続する出願に記載されたように、本発明は、より広くは、種々の他のこのような化合物、その塩及び/又はプロドラッグを、それらに対応する医薬組成物と共に、検討する。このような化合物、塩、プロドラッグ、及び/又は医薬組成物は、本書に記載するように使われてもよい。例えば、本発明は、CB-1受容体及びCB-2受容体の一方又は両方の活性を修飾するために使われてもよい。このような方法は、細胞及び/又はそのカンナビノイド受容体と、本発明の化合物とを接触させることによって実行されてもよく、このような接触は、ex vivoかin vivoかに関わらず、このようなカンナビノイド受容体の活性を少なくとも部分的に修飾する少なくとも部分的な効果を有する。
【0041】
より一般的には、本発明の化合物及び/又は組成物の種々の薬理学的及び/又は治療上の利点は、同時継続する前述の出願で述べられた情報を考慮して理解可能である。本発明のアナログは、本書に記載するように、幅広い症状の治療に薬理学的に効果のある量で投与され得る。限定されることなく、種々の症状及び/又は病状は、発明の名称が「トリ−アリル/ヘテロ芳香族カンナビノイド及びその使用(Tri-Aryl/Hetero aromatic Cannabinoids and Use Thereof)」で、2008年3月3日に出願された、同時継続する出願番号12/074,342の段落0067に記載され、その全体は、本書に組み込まれる。
【0042】
従って、本発明は、本書に記載される化合物を提供すること(このような化合物は、カンナビノイド受容体での活性を示す);並びに、そのような化合物にカンナビノイド受容体を有する細胞を接触させること、及び/又は患者にそのような化合物を投与すること(このような化合物は、カンナビノイド受容体/仲介疾患を治療するために少なくとも部分的に効果的な量で用いられる)を備える方法を対象としてもよい。このようなカンナビノイド受容体は、本書に記載される受容体であってもよく、本発明を知った当業者によって理解され、実現されてもよい。
【0043】
医薬組成物若しくは治療の一部に若しくは一部として示されるように、受容体が効果的な量の1つ若しくは複数の本発明の化合物と接触することによって、又は、効果的な量の1つ又は複数の化合物とそのような受容体を有する細胞を接触させることにより、化合物が細胞内で受容体と接触し、カンナビノイド及び関連受容体の活性は、影響を受け、仲介され、及び/又は修飾され得る。接触は、in vitroであっても、in vivoであってもよい。すなわち、当業者によって理解されるように、「接触」とは、カンナビノイド及び/又は関連受容体と、1又は複数の化合物と、このような化合物が、受容体の活性に結合、影響、又は修飾するように、引き合わされることを意味する。受容体の活性を修飾する及び/又はそれに影響を与える1又は複数の化合物の効果的な量は、実験的に決定され、このような決定を行うことは、当該技術分野の技術の範囲である。
【0044】
限定されることなく、本発明のアナログ化合物は、同時継続している前述の‘342出願の実施例2に記載されている受容体結合アッセイにおいてex vivoで使用され得る。本発明のアナログ化合物のin vitro活性は、その同時継続出願の実施例3に記載されているものと同じ方法によって実証され得る。また、in vivo活性は、その実施例4及び6に記載されたプロトコルを用いても実証され得る。より具体的には、ヒト肺, 前立腺, 結腸直腸及び膵癌の細胞株に対する、本発明の種々の代表的な化合物の抗がん活性は、上述の同時継続の’342出願の実施例9に記載された方法を用いることで確認可能である。このような方法を拡大して、本発明は、同様に中枢神経系のがん成長を治療すること、及び/又はそのような成長における細胞死を誘導することに用いられてもよい。本発明によると、本書に記載される多様なカンナビノイド化合物は、上述されたものを含むがそれらに限定されず、ヒトの緑内障及び/又は脳腫瘍の治療方法と関連して用いられてもよい。このような実施形態を描く上で、同時継続出願で記載されたように、ヒト脳腫瘍に接触させ及び/又は治療することに本発明の1又は複数の化合物が提供され使用され得、このような接触及び/又は治療は、細胞死及び/又は関連する効果によって証明される。
【実施例】
【0045】
下記の非限定的な実施例及びデータは、本書に示す手法を通じて利用可能である通り、ピリジンの非古典的カンナビノイド受容体リガンド及び/又は化合物の合成を含む、本発明の化合物、組成物及び/又は方法に関連する種々の側面及び特徴を説明する。従来技術と比べて、本発明の化合物及び方法は、驚くべき、予想外かつ従来技術に反する結果及びデータを提供する。本発明の利用可能性がいくつかの化合物、部位及び/又はそれらの置換物の調製及び使用を通じて説明されるが、当業者は、同程度の結果が、本発明の範囲に応じて、他の種々の化合物、部位及び/又は置換物によって得られることを理解する。全ての化合物は、ChemBioDraw Ultra Version 11.0.01を用いて命名された。
【0046】
実施例1a
【0047】
【化11】
ジエチル2-フェニルマロン酸
二口丸底フラスコに、固体であれば、CuI(0.114 g, 0.6 mmol)、2-ピコリン酸(0.148 g, 1.2 mmol)、CsCO3(5.89 g, 18 mmol)及びヨウ化アリル(6 mmol)を順次入れた。容器を真空にして、窒素で3回満たした。無水1,4-ジオキサン(10 ml)を加え、次いで蒸留マロン酸エステル(1.9 ml, 12 mmol)及びヨウ化フェニル(12 mmol)を容積的に添加した。容器を密封して70℃に加熱した。進行をTLCでモニターした後、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチルで分離し、塩化アンモニウムで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、10%EtOAc/ヘキサン混合物を用いたカラムクロマトグラフィーで精製した。収率92%、Rf= 0.41(酢酸エチル/ヘキサン=1:9)。1H NMR (CDCl3,500MHz:δ7.41-7.31,m,5H),4.62(s,1H),4.25-4.15(m, 4H),1.26(t,6H)。MS259(M+23)。
【0048】
実施例1b
同様に、下記マロン酸エステルを合成した。
【0049】
【化12】
ジエチル2-m-トリルマロン酸エステル
収率:92%, Rf= 0.55(酢酸エチル/ヘキサン=l:9)。1H NMR (CDCl3, 500 MHz:δδ7.12-7.3 (m, 4H),4.62(s,1H), 4.20-4.28(m,4H), 2.27(s,3H), 1.22-1.25 (m, 6H)。 MS 273 (M+23)。
【0050】
実施例1c
【0051】
【化13】
ジエチル2-(ピリジン-2-イル)マロン酸
収率:88%, Rf=0.29 (酢酸エチル/ヘキサン=3:7)。1H NMR(CDCl3, 500MHz: δ8.5(d, 1H), 7.7(d,1H), 7.62-7.58(m,1H), 7.18-7.12(m,1H), 4.80(s,1H), 4.21-4.15(m,4H), 1.21(t,6H). MS 260(M+23)。
【0052】
実施例1d
【0053】
【化14】
ジエチル2−(チオフェン-2-イル)マロン酸
収率:63%, Rf=0.29(酢酸エチル/ヘキサン=l:9)。1H NMR (CDCl3,300 MHz:δ7.28 (d,1H), 7.1-7.0 (m,2H), 4.8 (s,1H), 4.26-4.2 (m,4H), 1.2(t,6H). MS 265(M+23)。
【0054】
実施例1e
【0055】
【化15】
ジエチル2‐シクロヘキシルマロン酸
収率:94%, Rf=0.59(酢酸エチル/ヘキサン=1:9)。1H NMR (CDCl3, 500MHz : δ4.22-4.14(m,4H), 3.12(d,1H), 2.14-2.05(m,1H), 1.75-1.63(m,5H), 1.34-1.24 (m,8H), 1.20-1.20 (m,3H). MS 265 (M+23)。
【0056】
実施例1f
【0057】
【化16】
ジエチル2-ヘキシルマロン酸
収率:91%, Rf= 0.44(酢酸エチル/ヘキサン=l:9)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz : δ4.11-4.40(m,4H), 331(t,1H), 1.80(m,2H), 1.38(m,2H), 1.1-1.4(m,12H), 0.8(t,3H). MS 267(M+23)。
【0058】
実施例1g
【0059】
【化17】
ジエチル2-(3-メトキシフェニル)マロン酸
生成物を、MS 289(M+23)で同定した。
【0060】
実施例1h
【0061】
【化18】
ジエチル2-(3,5-ジクロロフェニル)マロン酸
生成物をMS 328 (M+23)で同定した。
【0062】
実施例1i
【0063】
【化19】
ジエチル2-(2,4-ジクロロフェニル)マロン酸
生成物をMS 328(M+23)で同定した。
【0064】
実施例1j
【0065】
【化20】
ジエチル2-(4‐(トリフルオロメチル)フェニル)マロン酸
生成物をMS327(M+23)で同定した。
【0066】
実施例1k
【0067】
【化21】
ジエチル2-(ピラジン-2-イル)マロン酸
生成物をMS 261(M+23)で同定した。
【0068】
実施例1l
【0069】
【化22】
ジエチル2-(ピリミジン-2-イル)マロン酸
生成物を、MS261(M+23)で同定した。
【0070】
実施例1m
【0071】
【化23】
ジエチル2-(ナフタレン-1-イル)マロン酸
生成物をMS309(M+23)で同定した。
【0072】
実施例1n
【0073】
【化24】
ジエチル2-(1H-ピロール-3-イル)マロン酸
生成物をMS 249(M+23)で同定した。
【0074】
実施例1o
【0075】
【化25】
ジエチル2-シクロペンチルマロン酸
生成物をMS251(M+23)で同定した。
【0076】
実施例2a
【0077】
【化26】
2-メチル-2-(チオフェン-2-イル)プロパンニトリル
2-(チオフェン-2-イル)アセトニトリル(1g、8.13mmol)の4mlの無水THFの溶液に、KHMDS(24.4mmol、48.9ml、0.5Mトルエン溶液)を0℃で添加した。混合物を3分間撹拌し、16.26mmolヨードメタン(1.13mlを無水THF26mlに添加したもの)を10分かけて添加した。混合物を5分間撹拌し、TLCによってモニターした。完了次第、含水塩化アンモニウムによって反応を停止した。有機相を、酢酸エチルによって分離し、硫酸ナトリウムによって乾燥させた。生成物を、真空蒸留によって精製した(1トールにおける沸点は42℃)。 収率:89%。 1H NMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm)7.4ppm(d,1H)、7.2ppm(t,1H)、7.0ppm(d,1H)、1.9ppm(s,6H)。
実施例2b
同様に、下記化合物を合成した。
【0078】
【化27】
2,2-ジメチルオクタンニトリル
真空蒸留によって精製(1.1トールでの沸点が50〜55℃)。収率:84% I.R.(neat)ニトリル2230cm−1,1HNMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm)1.5ppm(m,4H)。1.4〜1.3ppm(m,12H)、0.9ppm(s,3H)。
実施例3a
【0079】
【化28】
2-メチル-2-フェニルプロパンニトリル
フルオロベンゼン(5.85mL,62.4mmol)の100mLの無水トルエン溶液にイソブチロニトリル(22.5mL,250mmol)を添加し、次いで200mLの0.5M KHMDSのトルエン溶液(100mmol)を添加した。反応液を80℃で24時間撹拌した。反応液を室温で冷却し、ジエチルエーテルで希釈し、水及び食塩水で洗浄した。有機分画を硫酸ナトリウムで乾燥させて、減圧下で濃縮した。生成物を酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製し、茶色い油状の目的の化合物を4.57g(50%)の収量で得た。MS:(ESI,Pos)m/z 168.0(M+23) 1HNMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm)7.48(d,2H),7.39(t,2H),7.31(t,1H),1.73(s,6H)。
【0080】
実施例3b
同様に、下記化合物を合成した。
【0081】
【化29】
2-メチル-2-ピリジン-2-イル-プロパンニトリル
2-メチル-2-フェニル-プロパンニトリルと同様の方法で、2-ブロモピリジンを出発物質として、茶色い油状の生成物を得た。MS:(ESI,Pos)m/z 168.9(M+23)。
実施例3c
【0082】
【化30】
2-シクロヘキシル-2-メチルプロピオニトリル
無色の油、収率:89% MS:(ESI,Pos.) 174.0 (M+1) 1HNMR(500MHz,CDCl3):∂(ppm) 1.81-1.89(m,4H), 1.7(m,1H), 1.19-1.34(m,7H), 1.07-1.28(m,5H)。
【0083】
実施例4a
【0084】
【化31】
3-メチル-3-フェニルブタン-2-オン
0℃に冷却した2-メチル-2-フェニル−プロピオンニトリル(3a,500mg,3.1mmol)の無水THF溶液に、臭化メチルマグネシウム(408mg,3.4mmol)を添加した。反応物は、室温まで温められ、一晩還流された。混合物を1N HClで処理し、水相をジエチルエーテルで抽出した。生成物をMS:(ESI,Pos)m/z 187.2(M+23)で確認した。
【0085】
実施例4b
本書に示す通り、Y−及び/又はZ-置換ピリジン中間体の途中の対応するシッフ塩基化合物を提供するために、上述した合成方法に相当する種々の合成方法を用いて、様々な他のケトンを各ニトリルから調製することができる。
実施例5a
【0086】
【化32】
6-(2-(チオフェン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-トリルピリジン‐2,4‐ジオール (5a)
2a(0.83g,5.5mmol)の無水ジエチルエーテル(5 mL)の溶液に、アルゴン下で、1.6M メチルリチウムのジエチルエーテル溶液(21 mL, 33.00mmol)を添加し、混合物を3時間、室温で撹拌した。水で反応を停止した後、混合物をジエチルエーテルで抽出した。抽出物を無水Na2SO4で乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させて、無色の油を得た(0.86, 95%)。中間生成物(3-メチル-3-(チオフェン-2-イル)ブタン-2-イミン);0.73g, 4.36 mmol)及びジエチル2-m-トリルマロン酸(0.70g,4.36 mmol)の溶液を1mLのジグリムに溶解させた溶液を、3時間135℃で還流した。反応混合物を冷却し、ヘキサンに注ぐことで、黄色の沈殿物を得た。黄色の沈殿物を集め、酢酸エチル/ヘキサン混合物から結晶化した。オフホワイトの粉末、収率:52% MS:(ESI,Neg) 323.90 (M-1) 1HNMR (500 MHz, DMSO-d6) : ∂(ppm) 10.69(s,1H), 10.19(s,1H), 7.46(d,1H), 7.11-7.19(m,3H), 6.99-7.05(m,3H), 5.78(s,1H), 2.28(s,3H), 1.72(s,6H)。
【0087】
実施例5b
同様に、下記化合物を合成した。
【0088】
【化33】
6-(2-シクロヘキシルプロパン-2-イル)-3-(3,5-ジクロロフェニル)ピリジン‐2,4‐ジオール (5b)
白色粉末、収率40% MS:(ESI,Neg) 377.9(M-1) 1HNMR(300 MHz,DMSO-d6):∂(ppm) 10.88(s,1H), 10.71(s,1H), 7.51(m,3H), 5.90(s,1H), 2.29(s,3H), 1.4-1.9(m,7H), 1.11-1.14(m,10H)。
【0089】
実施例5c
【0090】
【化34】
3-(3,5-ジクロロフェニル)‐6-(2-フェニルプロパン-2-イル)ピリジン‐2,4‐ジオール (5c)
白色粉末、収率:63% MS: (ESI, Neg) 372.7 (M-I) 1HNMR (500 MHz, DMSO-d6) : ∂(ppm) 10.79(s,1H), 10.74(s,1H), 7.26-7.49(m,8H), 5.96(s,1H), 1.63(s,6H)。
【0091】
実施例5d
【0092】
【化35】
3-(3,5-ジクロロフェニル)‐6-(2-(チオフェン-2-イル)プロパン-2-イル)ピリジン‐2,4ジオール (5d)
オフホワイトの粉末、収率47% MS: (ESI,Neg) 377.9 (M-1) 1HNMR (500 MHz, DMSO-d6) : ∂(ppm) 10.95(s, 1H), 10.77(s, 1H), 7.46-7.48(m, 3H), 7.41(t, 1H), 7.01-7.05(m, 2H), 5.78(s, 1H), 1.72(s, 6H)。
【0093】
実施例5e
【0094】
【化36】
3-(3,5-ジクロロフェニル)-6-(2-(チオフェン-2-イル)プロパン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール (5d)
オフホワイトの粉末、収率47% MS: (ESI, Neg) 379.9 (M-1) 1HNMR (500 MHz, DMSO- d6) : ∂(ppm) 10.96(s, 1H), 10.72(s, 1H), 7.51(d, 2H), 7.40(t, 1H), 5.94(s, 1H), 1.60-1.63(m, 2H), 1.04-1.24(m,14H), 0.84(t, 3H)。
【0095】
実施例5f
【0096】
【化37】
6-(2-シクロヘキシルプロパン-2-イル)-3-m-トリルピリジン-2,4-ジオール (5f)
白色粉末、収率:48% MS: (ESI, Neg) 324.0 (M-1) 1HNMR (300MHz,DMSO-d6) : ∂(ppm) 10.81(s, 1H), 10.25(s, 1H), 7.17-7.19(m, 4H), 5.91(s, 1H), 2.29(s, 3H), 1.4-1.9(m, 7H), 1.11- 1.14(m, 10H)。
【0097】
実施例5g
【0098】
【化38】
6-(2-フェニルプロパン-2-イル)-3-m-トリルピリジン-2,4-ジオール (5g)
白色粉末、収率:61% MS:(ESI, Neg) 317.9 (M-1) 1HNMR (300 MHz, DMSO-d6) : ∂(ppm) 10.51(s, 1H), 10.23(s, 1H), 6.99(m, 9H), 5.93(s, 1H), 2.28(s, 3H), 1.62(s, 6H)。
【0099】
実施例5h
【0100】
【化39】
2-(2-メチルオクタン-2-イル)-5-m-トリルピリミジン-4,6-ジオール (5h)
白色粉末、収率:41% MS: (ESI, Neg) 326.1 (M-1) 1HNMR (500 MHz, CDCl3) : ∂(ppm) 7.34 (t, 1H) 7.19-7.26(m, 3H), 5.94(s, 1H), 2.39(s, 3H), 1.56(m, 2H), 1.16- 1.30(m, 14H) , 0.88(t, 3H)。
【0101】
実施例5i
【0102】
【化40】
3-ヘキシル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール (5i)
白色粉末、収率:38% MS: (ESI, Neg) 320.0 (M-I) <1>HNMR (300 MHz, CDCl3) : d(ppm) 5.89(s, 1H), 2.71(m, 2H), 1.61-1.58(m, 2H), 1.25-1.42(m, 22H) , 0.98(m, 6H)
実施例5j
【0103】
【化41】
6-(2-メチルオクタン-2-イル)-3-フェニルピリジン-2,4-ジオール (5j)
白色粉末、収率38% MS: (ESI, Neg) 312.1 (M-1) 1HNMR (500 MHz, CDCl3) : ∂(ppm) 7.42-7.49(m, 4H), 7.35-7.38(m, 1H), 5.93(s, 1H), 1.53-1.56(m, 2H), 1.14- 1.27(m, 14H) , 0.87(t, 3H)。
【0104】
実施例5k
【0105】
【化42】
3-シクロヘキシル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール (5k)
白色粉末、収率:39% MS: (ESI, Neg) 318.0 (M-1) 1HNMR (300 MHz, MeOD) : ∂(ppm) 5.90(s, 1H), 2.81(m, 1H), 2.10(m, 2H), 1.61-1.58(m, 6H), 1.18-1.43(m, 18H), 0.88(t, 3H)。
【0106】
実施例5l
【0107】
【化43】
6’-(2-メチルオクタン-2-イル)-2,3’-ビピリジン-2',4’-ジオール (5l)
淡黄色粉末、収率:23% MS: (ESI, Neg) 313.1 (M-1) 1HNMR (300 MHz, CDCl3) : ∂(ppm) 9.28-9.31(d, 1H), 8.9 (s, 1H), 8.31(d, 1H),7.89-7.91(t, 1H),7.22-7.27(t, 1H), 5.95(s, 1H), 1.58-1.62(m, 2H), 1.22-1.31(m, 14H) , 0.86(t, 3H)
実施例5m
【0108】
【化44】
3-(3-メトキシフェニル)-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール (5m)
白色粉末, 収率: 45% MS: (ESI, Neg) 342.0 (M-1) 1HNMR (300 MHz, DMSO-d6) : ∂(ppm) 10.78(s, 1H), 10.19(s, 1H), 7.21(m, 1H), 6.95-6.96(m, 2H), 6.73-6.81(m, 1H), 5.85(s, 1H), 3.7(s, 3H), 1.59-1.67(m, 2H), 1.04-1.22(m, 14H) , 0.84(t, 3H)。
【0109】
実施例 5n
【0110】
【化45】
3-ベンジル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール (5n) - 白色 粉末, 収率: 41% MS: (ESI, Neg) 326.0 (M-I) 1HNMR (300 MHz, CDCl3) : d(ppm) 7.24-7.32(m, 5H), 6.10(s,lH), 3.91(s, 2H), 1.51-1.58(m, 2H), 1.11-1.28(m, 14H) , 0.86(t,3H).
実施例7
B‐環構造を有するいくつかの化合物について述べるが、他のこのような化合物は、様々なX,Y及び/又はZ部分を提供するために調製可能であり、このような化合物は、市販され又は合成されることで入手可能な、対応するシッフ塩基及び/又はマロン酸エステル中間体によってのみ限定される。同様に、R1及びR2は、マロン酸エステル出発物質の選択、又は結果物であるカンナビノイド化合物における二次化学反応によって、様々である。
【0111】
実施例8
受容体結合アッセイ
ヒトCB-1受容体でトランスフェクトされたHEK293細胞由来の細胞膜と、ヒトCB−2受容体でトランスフェクトされたCHO-K1細胞由来の細胞膜を調整した。120Ci/mmolの特異的活性を有する[3H]CP55,940をPerkin-Elmer Life Science社から入手した。全ての他の化合物及び試薬は、シグマアルドリッチ社から入手した。アッセイは、1.2μの孔径を持つグラスファイバーフィルター(親水性、GFCフィルター)を装着したミリポア社の96穴プレートで行った。アッセイの前に、フィルターを0.05%ポリエチレンイミン溶液に浸し、脱イオン水で5回洗浄した。ろ過は、96穴吸引多岐管(ミリポア社)にて行い、実験の最後にフィルターをピペットチップでシンチレーションバイアル中に直接打ち抜き、バイアルを5mlのシンチレーションカクテル エコライト(+)(フィッシャーサイエンティフィック社)で満たした。測定は、ベックマン社のシンチレーションカウンターLS6500モデルで行った。薬物溶液は、DMSO中で調製し、放射性リガンドをエタノール中に溶解させた。
【0112】
インキュベーションバッファー:50mM TRIS-HCl,5mM MgCl2,2.5mM EDTA,0.5mg/ml 脂肪酸フリーの牛血清アルブミン,pH7.4。
【0113】
CB-1 受容体への結合プロトコル:8μgの細胞膜(インキュベーションバッファーでの1:8希釈液20μl)を、5μlの薬物溶液(10−4M〜10−12M)及び5μlの5.4nM[3H]CP55,940と共に、合計体積を200μlとして、30℃で90分インキュベートした。非特異的結合を10μMのWIN55,212-2(Ki=4.4nM)を用いて決定した。細胞膜をろ過紙、フィルターを0.2mlの氷冷インキュベーションバッファーで7回洗浄し、減圧下で空気乾燥した。
【0114】
CB−2受容体への結合プロトコル:15.3μgの細胞膜(インキュベーションバッファー胃での1:20希釈液20μl)を、5μlの薬物溶液(10−4M〜10−12M)及び5μlの10nM[3H]CP55,940と共に、合計体積を200μlとして、30℃で90分インキュベートした。非特異的結合を10μMのWIN55,212-2(Ki=4.4nM)を用いて決定した。細胞膜をろ過紙、フィルターを0.2mlの氷冷インキュベーションバッファーで7回洗浄し、減圧下で空気乾燥した。
【0115】
データの蓄積及び統計分析:10−4Mから10−12Mまでの様々な濃度の薬物を添加した試料を各実験について3点ずつ用意し、個々のモル濃度におけるIC50値をGraphPad Prismを用いて決定した。各薬物の対応するKi値をチェン-プルソフ式を用いて決定し、最終データは2点以上の実験のKi±S.E.M.で表される。
【0116】
機能アッセイ:環状ヌクレオチド感受性カチオンチャネル及びヒトCB‐1又はCB‐2受容体でステイブルトランスフェクトされたHEK-293細胞株(BDバイオサイエンス社、サンノゼ、CA USA)を、ポリ‐D‐リジンでコートされた96穴プレートに、細胞70000個/穴の密度で蒔いた。アッセイの前に、プレートを5%CO2中37℃で一晩インキュベートした。プレートをインキュベータから取り出し、完全成長培地(DMEM,10%FBS,250μg/ml G418及び1μg ピューロマイシン)を0.25%BSA含有100μLのDMEMに置換した。次に、100μLのメンブランポテンシャルダイローディングバッファー(membrane potential dye loading buffer)(モレキュラーデバイス社、サニーベイル、CA USA)を使用書にのっとって調製した。プレートをインキュベータに30分間戻し、薬物添加の前に、基準線蛍光をバイオテックシナジー 2マルチモードマイクロプレートリーダー(バイオテックインストゥルメンツ社、ウィノースキ、VT USA)で、540nm励起光及び590nm発光フィルターを用いて、読み取った。2.5%DMSO、1.25μMの5’-(N-エチルカルボキシアミド)アデノシン及び125μMのRo20-1724を含有する50μLのDPBSに薬物を添加した。プレートを室温で25分インキュベートし、540nm励起光及び590nm発光にて再度蛍光を測定した。
【0117】
図1は、CB−1受容体における化合物5eの機能活性を示す。図2は、CB-2受容体における化合物5eの機能活性を示す。
【0118】
細胞毒性アッセイ:96穴ポリスチレンプレートに、完全血清培地にて細胞を細胞75000個/mL,100μL/穴の密度で蒔いた。細胞が接着するように、プレートを37℃かつ5%CO2下で24時間インキュベートした。100倍濃度の薬物溶液をDMSOにて調製し、1%FBS培地に1:100で混合し、望ましい濃度を得た。薬物−培地混合物を細胞に投与する直前にボルテックスにかけた。完全血清培地を除いて、薬物‐培地混合物で置換し、18時間インキュベートした。10μLのCounting Kit 8(CCK8,Dojindo♯CK04−11)を各ウェルに添加し、生細胞測定を行った。CCK8ダイを添加したインキュベーションを2〜4時間行った後、450nmの吸光度をバイオテックシナジー2 プレートリーダーによって測定した。
【0119】
グリア芽腫脳腫瘍細胞株であるLN‐229に対する選択された化合物の細胞毒性を表1に示す。グリア芽腫脳腫瘍細胞株DBTRG05MGに対する選択された化合物の細胞毒性を表2に示す。
【0120】
【表1】
【0121】
【表2】
炎症についての調査
単球の分化:THP-1ヒト単核白血球(ATCC#TIB-202)の懸濁液に、ホルボール12‐ミリスチン酸塩13-酢酸塩(PMA Aldrich #P1585)及びイオノマイシン(Aldrich #10634)をそれぞれ10及び500ng/ml添加し、マクロファージ様細胞への分化を誘導した。細胞を30,000個/穴で蒔き、37℃かつ5%CO2/95%大気で3〜10日インキュベートして、形質転換を完了させた。アッセイまで、必要に応じて培地を交換した。
【0122】
サイトカインアッセイ:A549 (ATCC #CCL-185)、HUV-EC-C (ATCC #CRL- 1730)、又は分化したTHP-1細胞を、96穴ポリスチレンプレートに、300,000個/ml(100μL/穴)の密度で蒔き、細胞が接着するように、37℃で5%CO2/95%大気で24時間インキュベートした。100倍濃度の薬物溶液をDMSOにて調製し、1%FBS培地に1:100で混合し、望ましい濃度を得た。
【0123】
プレートをインキュベートから取り出し、完全成長培地を、1%FBS及び1μg/mlのリポ多糖体又はペプチドグリカン(分化したTHP−1用)、又はA549及びHUVECの場合のTNF‐α(10ng/ml)又はIL‐1β(1ng/ml)、コントロールウェルの場合の刺激剤なし、を含有する50μLの培地に交換した。薬物処理の前に1時間、細胞をインキュベータに戻した。1%FBS及び適切な刺激剤を上述の濃度で含有する培地で、所望の終濃度の2倍濃度で薬物‐培地溶液を調製した。薬物を含有しないコントロール培地を同様に調製した。50μLの薬物含有培地又はコントロール培地を、適切なウェルに添加し、プレートをインキュベータに18時間戻した。培地の上清をウェルから除き、アッセイまで−80℃で冷凍した。
【0124】
図3〜図13は、TNF‐αの存在又は非存在下で、EC1及びEC10での化合物6bに暴露されたA549による様々なモジュレータの分泌特性を示す。グラフの凡例は、pyrT 1-4 =8.52μMの化合物6bで4時間;pyrT 2-4=13.6μMの化合物6bで4時間;pyrT 1-18=8.52μMの化合物6bで18時間;pyrT2-18=13.6 μMの化合物6bで18 時間;TNF =10ng/mlのTNF-αである。
【0125】
これで、本発明及びそれを製造する及び使用する方法及び工程について、完全、明確に、簡潔に、かつ正確な用語にて、すべての当業者が製造できて使えるように、説明した。本発明の望ましい実施形態が説明され、請求の範囲に記載された発明の精神又は範囲から逸脱しない範囲での変更が可能であることが理解される。本発明とみなされる対象物を特定し、明確にクレームするために、下記の請求の範囲は本明細書を含む。
【背景技術】
【0001】
本願は、2008年5月19日に出願された出願番号61/128,088の優先権の利益を主張するものであり、その出願の全てを併合するものである。
【0002】
古典的カンナビノイドであるデルタ‐9‐テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)は、カンナビス サティバ(Cannabis sativa)から抽出される主要な有効成分である。カンナビノイドの効果は、特異的高親和性受容体との相互作用による。現在、2つのカンナビノイド受容体が特定されている。すなわち、CB-1、つまり哺乳類の脳及び末梢組織における他の多くの部分で見出される中枢受容体、及びCB-2、つまり主に免疫システムに関連する細胞において見出される末梢受容体である。さらに、近年、GPR35及びGPR55というオーファン受容体が、カンナビノイド型リガンドと結合することが報告され、三つ目の受容体の亜型として紹介された。CB-1受容体は、古典的カンナビノイドと関連する精神活性を仲介すると考えられている。これらの受容体の特性評価は、アゴニストWIN 55212-2等の特異的合成リガンドの開発によって可能となった(D'Ambra et al, J. Med Chem. 35:124 (1992)) 及び CP 55,940 (Melvin et al, Med Chem. 27:67 (1984))。
【0003】
薬理学的に、カンナビノイドは、中枢神経系、心臓血管、免疫システム及び/又は内分泌系等の様々な標的に影響を与えるために使用可能である。特に、CB-1又はCB-2受容体及び潜在的にGPR35及びGPR55受容体に親和性を持つ化合物は、抗がん剤、抗肥満薬、鎮痛剤、筋弛緩剤及び抗緑内障薬として有用である。これらの化合物は、同様に、胸腺の疾患、嘔吐、様々な神経障害、記憶障害、運動障害、片頭痛治療、多発性硬化症、ぜんそく、てんかん、虚血、苦痛、起立性低血圧、骨粗しょう症、肝線維症、炎症及び過敏性大腸症、並びに心不全の治療に使用可能である。
【0004】
しかしながら、Δ9-THC等のカンナビノイドは、同様に細胞膜に作用して、眠気、物アミンオキシダーゼ機能の障害、及び非受容体介在性の脳機能の障害等の望ましくない副作用を引き起こす。カンナビノイドには、依存性及び向精神性を有するものもあり、これらはその治療価値を制限する傾向がある。
【0005】
構造が同定された多くの非古典的ビアリル及びトリアリルカンナビノイドが、Makriyannis らのUS特許番号7,057,076に記載されている。Makriyannisは、2個以上の化合物に対する様々な結合親和性を同定しているが、CB−1及びCB−2受容体の両方における個々の化合物の結合データを示すサポートデータを何も示していない。よって、それらの化合物が、他の受容体に対するよりも、ある受容体に対して選択性が高いかどうかを評価することは難しい。
【0006】
本技術分野においては、古典的又は非古典的カンナビノイドのアナログが、現在継続して求められている。アナログは、CB-1 受容体 及び/又はCB-2受容体により仲介される疾患及び障害の処置という治療上の目的に使用可能である。
【発明の概要】
【0007】
前述の課題に鑑みて、本発明は、様々な複素環カンナビノイドアナログ化合物、組成物、及び/又は関連する方法を提供することを目的とし、それによって、上記に外接した技術を含む従来技術の様々な欠如及び欠陥を克服する。当業者は、本発明の1つ又は複数の側面がある目的を達成でき、その一方で他の1つ又は複数の側面が他の目的を達成できることを理解するであろう。それぞれの目的は、その全ての点において、本発明の全ての側面に等しく当てはまるものではない。下記の目的は、本発明のいずれの側面に対しても適用されると考えられる。
【0008】
カンナビノイド及びヒト細胞及び組織に存在する関連受容体に対する親和性を示す1又は複数種類のカンナビノイド化合物を特定することも、本発明の目的となり得る。
【0009】
B環ピリジン系を備える1又は複数の新たなピリジン非古典的カンナビノイド受容体リガンドを提供することも本発明の目的となり得る。このような化合物は、ビアリル又はトリアリル環系を備えることができる。
【0010】
治療での使用用のカンナビノイド受容体選択性を示すこれらの化合物の同定も、本発明の他の目的となり得る。
【0011】
本発明の他の目的、特徴、利益及び利点は、本概要及び下記の実施形態の説明によって明白であり、種々のカンナビノイド化合物及び関連する治療法方の知識を有する当業者にとって、容易に理解できるであろう。このような目的、特徴、利益及び利点は、以下に示される付随の例、データ、図及び全ての妥当な推論単独で又は本明細書に取り込まれる文献の考慮を伴って、結合されることは、明白であろう。
【0012】
1つに、本発明は、下記式(I)で表される化合物から選択あれるカンナビノイドアナログ化合物を対象としてもよい。
【0013】
【化1】
式Iにおいて、W及びVの一方はNであってもよく、他方はCであってもよく;Xは、H、置換された及び置換されていないアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリル、アリルアルキル、ヘテロアリル、ヘテロアリルアルキル、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択されてもよく、各アルキル部分は任意に3回以下で置換されていてもよく、それぞれの環部分は、1、2、3、4、又は5個の置換基によって任意に置換されていてもよく;YはS,O,CH2,CH(CH3),CH(OH), C(CH3)(OH), C(CH3)2, C(-U(CH2)nU-), C(O), NH, S(O),及びS(O)2から選択されてもよく;nは1以上の整数であり、好ましくは1〜6であり;UはCH2, S及びOから選択されてもよく;ZはH、置換された及び置換されていないアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリル、アリルアルキル、ヘテロアリル、ヘテロアリルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルから選択されてもよく、それぞれのアルキル部分は任意に3回以下で置換されていてもよく、それぞれの環部分は、1、2、3、4、又は5個の置換基によって任意に置換されていてもよく;R1及びR2は、独立して、H、並びに置換された及び置換されていないアルキルから選択される。
【0014】
また、本発明は、本書に示すように、化合物の塩を対象とすることができる。
【0015】
また、本発明は、本書に示すように、化合物のプロドラッグを対象とすることができる。
【0016】
本発明はまた、以下に説明される化合物、その塩及び/又はプロドラッグ、並びに医薬的に許容されるキャリア成分を含有する医薬組成物を対象とすることができる。
【0017】
本発明は、カンナビノイド受容体の活性を修飾する方法を対象としてもよい。このような方法は、カンナビノイド又は関連レセプター、その塩及び/又は化合物における活性を有する、本発明の若しくは本書に説明する他の化合物、塩及び又はプロドラッグを提供すること;並びに、細胞及び/又は細胞のカンナビノイド受容体とこのような化合物とを接触させること、を備えてもよい。下記に示すように、このような接触は、カンナビノイドの活性を少なくとも部分的に修飾する少なくとも部分的な効果を奏することができる。
【0018】
本発明はまた、カンナビノイド受容体介在疾患の治療方法を対象としてもよい。このような方法は、カンナビノイド受容体における活性を有する、本書に示す化合物又は本書に示す他の化合物、その塩及び/又はプロドラッグを提供すること;並びに、患者に、カンナビノイド受容体介在疾患を治療する少なくとも部分的な効果を有してもよい、化合物、塩及び/又はプロドラッグを所定量投与すること;を備えてもよい。本発明のこの側面は、CB-1 及び/若しくは CB-2(又は関連する)受容体の過活性又はCB-1 及び/若しくは CB-2(又は関連する)受容体の非活性又は低活性が介在する病状を治療又は抑制するための、CB-1若しくは関連受容体のアゴニスト、CB-1若しくは関連受容体のアンタゴニスト、CB-2若しくは関連受容体のアゴニスト、並びに/又はCB-2若しくは関連受容体のアンタゴニストの使用に関連してもよい。
【0019】
本発明はまた、下記式の化合物から選択される化合物を対象としてもよい。
【0020】
【化2】
式Iにおいて、W及びVの一方がNであってもよく、他方がCであってもよく;Xは、アルキルであってもよく、フェニル、ベンジル、シクロヘキシル、チオフェニル及びピリジニルから選択されてもよく、それぞれの環部分は、ハロ、アルキル、及びアルコキシ部分から独立して選択される1〜5個の置換基によって任意に置換されていてもよく;R1及びR2は、独立して、H又はアルキルから選択されてもよく;Yは、カルボニル、ジメチルメチレン及びヒドロキシメチレン部分から選択されてもよく;Zは、アルキルであってもよく、シクロアルキル、フェニル及びチオフェニルから選択されてもよく、これらはそれぞれ、任意に、1〜5個の置換基で置換されていてもよく、置換基は本発明を知った当業者により理解され、本書のどこかに記載されたものを包含するが、それに限定されない。ある実施形態において、Xは、クロロ、メチル及びメトキシ置換基から独立して選択される1〜5個の基で任意に置換されたフェニルであってもよい。このような実施形態において、Zは、アルキル又はフェニル部分であってもよく、任意に、Xは、ベンジル又はジクロロフェニル部分であってもよい。このような化合物は、いずれも、このような化合物の塩及び/又はプロドラッグから選択されてもよい。単独の又は複数のこれらの化合物は、ある量で、成長細胞の死を引き起こす効果を少なくとも部分的に奏する。
【0021】
本発明は、限定されることなく、同様に、がんの治療方法を対象とすることができる。このような方法は、がん細胞の成長細胞等のカンナビノイド受容体を有するがん細胞を準備することと;このような成長を式Iに示す化合物から選択されるカンナビノイド化合物と接触させることとを備えていてもよい。
【0022】
【化3】
式Iにおいて、R2、V、W、X、Y及びZは、上述した通りであってもよい。実施形態において、Xは、アルキルであってもよく、フェニル、シクロヘキシル、チオフェニル及びピリジニルから選択されてもよく、これらはそれぞれ、任意に、ハロ、アルキル及びアルコキシ部分から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよく;R1及びR2は、独立して、H又はアルキルから選択されてもよく;Yは、カルボニル、ジメチルメチレン及びヒドロキシメチレンから選択されてもよく;Zは、アルキルであってもよく、シクロヘキシル、フェニル及びチオフェニルであってもよく、これらはそれぞれ、任意に、1〜5個の置換基で置換されていてもよく、置換基は本発明を知った当業者により理解され、本書のどこかに記載されたものを包含するが、それに限定されず;単独の又は複数の化合物について、これらの化合物の塩及びプロドラッグ及びそれらの組み合わせは、ある量で、成長細胞の死を引き起こす効果を少なくとも部分的に奏する。ある実施形態で、X及びZは、クロロ、ヒドロキシ及びメトキシから独立して選択される1〜5個の基で、任意に置換されたフェニルであってもよい。このような実施形態において、R1及びR2は、独立して、H及びメチル部分から選択されてもよい。このような実施形態において、R1及びR2の少なくとも一方は、メチル以外の基であってもよい。本書で説明されるように、かつ限定されることなく、Yはいずれも、カルボニル又はジメチルメチレンであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】CB-1受容体における化合物5eの機能活性を示す。
【図2】CB-2受容体における化合物5eの機能活性を示す。
【図3】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による4時間及び18時間後のG-CSFの分泌結果を示す。
【図4】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による4時間後及び18時間後のIL-1βの分泌結果を示す。
【図5】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による18時間後のIL-6の分泌結果を示す。
【図6】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による4時間後のIL-6の分泌結果を示す。
【図7】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による18時間後のIL-8の分泌結果を示す。
【図8】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による4時間後のIL-8の分泌結果を示す。
【図9】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による4時間後及び18時間後のMCP-Iの分泌結果を示す。
【図10】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による4時間後のMIFの分泌結果を示す。
【図11】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による18時間後のMIFの分泌結果を示す。
【図12】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による18時間後のRANTESの分泌結果を示す。
【図13】TNF-αの存在下及び非存在下におけるEC1及びEC10での化合物5bに暴露されたA549細胞による4時間後のRANTESの分泌結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に包含される新規の化合物は、上述の一般式Iで表される化合物、塩及びプロドラッグ並びに/又はその医薬組成物である。
【0025】
本発明において、「アルキル」とは、1〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。任意に、本発明におけるアルキル基は、1又は複数の二重結合及び/又は1又は複数の三重結合を含有していてもよい。
【0026】
「シクロアルキル」は、3〜12個の炭素原子を有する炭素環基を意味する。シクロアルキルは、単環でもよく、多数の環が融合した系であってもよい。任意に、本発明のシクロアルキル基は、1又は複数の二重結合及び/又は1又は複数の三重結合を含有していてもよい。
【0027】
「複素環」とは、縮合環系を包含し、窒素、酸素又は硫黄及びその組み合わせから選択される少なくとも1個かつ4個までのヘテロ原子を含有する、4、5、6又は7員環の1又は複数の複素環系を意味する。
【0028】
「アリル」は、少なくとも1つの環が芳香環である、単環、多環、又は縮合環を有する芳香族炭素環系を意味する。
【0029】
「ヘテロアリル」は、縮合環系を包含し、窒素、酸素、又は硫黄及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1個かつ4個までのヘテロ原子を含有する、3〜12個の原子を有する1又は複数の芳香族環系である。
【0030】
「アリルアルキル」は、アリル基によって置換されたアルキル基であり、結合部分がアルキル鎖の炭素である。
【0031】
本書において、「置換された」は、当業者にとって理解されるような置換を意図する。少なくとも1個の、及び5個程度の置換基が、1個の基に存在してもよい。置換基の例として、ハロ、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アリル、ヘテロアリル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、アルキルチオール、ハロアルキル(例えばトリフルオロメチル)、カルボキシ、アルキルカルボキシ、カルバモイル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
1つの観点からは、代表として、非限定的なピリジンピリミジンアナログが、下記スキーム1に示す逆合成式に基づいて、中間化合物の反応から調製されてもよい。
【0033】
【化4】
スキーム1において、R3及びR4は、メチル、エチル及びトリクロロフェニルから選択される。IIに関連する化合物は、スキーム2に描かれ、参照することで本書に組み込まれるYip, et al. See, Org. Lett 9:3469に記載されるように、ナトリウムエトキシド等の塩を用いたマロン酸エステルの直接アルキル化又は銅触媒カップリングを含む標準的な手法によって、適切なジアルキル又はジアリルマロン酸から予め調製される。
【0034】
【化5】
中間体IIIは、次いで中間体エナミンの加水分解を行う、芳香族及び脂肪族ニトリル類から、臭化メチルマグネシウム/THF又はメチルリチウムを含む公知の化学反応により、予め調製される(参照することで本書にその全体が組み込まれるSee, e.g., Moss, Tet. Lett. 36:8761を参照のこと)(スキーム3)。中間体IVは、標準的な方法を用いて、対応するニトリル及びメチルリチウムから予め調製される。
【0035】
【化6】
Yにgem−ジアルキル、複素環式、又は炭素環式置換基を含有する誘導体は、その化合物は市販されていないが、メチレンニトリルの直接アルキル化(Makriyannisの米国特許番号7,057,76及び公開番号2004/087590を参照のこと。これらの文献の全体は、参照されることで、本書に組み込まれる)又は適切に置換されたアリル、ヘテロアリルハロゲン及びイソプロピルニトリルから調製される(参照されることで全体が本書に組み込まれる、2003年8月21日出願の米国公開番号2005/0065033を参照のこと)。スキーム4及び5は、この化学反応の典型であるが、この化学反応の範囲に限定されるものではない。
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
Yにケト、ヒドロキシ、アルキルヒドロキシ置換基を含有する誘導体は、Y=CH2を有する化合物の直接酸化によって、又はC2アルデヒドピリジンから調製され、既に報告されている化学反応を用いて、2,2−ビス−エチルスルファニル−アセトアミジン及び適切に置換されたマロン酸エステルから調製される(スキーム6)(参照されることで本書にその全体が組み込まれる米国特許番号 7,169,942を参照のこと)。
【0038】
【化9】
対応するピリジンは、スキーム7に示されるように、ジメチル-、ジエチル-、又はビス(トリクロロフェニル)-マロン酸と、必須の2-ケトアナログに由来する適切な置換されたシッフ塩基との反応によって調製され(参照されることで、その全体が本書に組み込まれるIto and Miyajima, J. Heterocyclic Chem. 1992, 29:1037, 及び Kappe et al, J. Heterocyclic Chem 1988, 25:463)、スキーム7において、R2は、ベンジル又はt-ブチルであり、R3、R4はメチル、エチル、フェニル、及び/又はビス(トリクロロフェニル)である。他に、必須のイミンは、適切なニトリル及びメチルリチウムから、標準的な方法を用いて調製される。
【0039】
【化10】
いくつかの代表的な、しかし非限定的な化合物の合成が本書で述べられるが、他の種々の化合物が同様の手法及び/又はその単純な変更を用いることで調製され得ることを、当業者は理解するであろう。すなわち、X、R1、R2、Y及びZ部分の特性は、それぞれの試薬、出発物質、中間体及びそれらの化学的性質によってのみ限定される。様々な他の部分及び/又は置換基は、上述の同時係属出願に記載されたものを含むがこれらに限定されない。
【0040】
上述した同時に継続する出願に記載されたように、本発明は、より広くは、種々の他のこのような化合物、その塩及び/又はプロドラッグを、それらに対応する医薬組成物と共に、検討する。このような化合物、塩、プロドラッグ、及び/又は医薬組成物は、本書に記載するように使われてもよい。例えば、本発明は、CB-1受容体及びCB-2受容体の一方又は両方の活性を修飾するために使われてもよい。このような方法は、細胞及び/又はそのカンナビノイド受容体と、本発明の化合物とを接触させることによって実行されてもよく、このような接触は、ex vivoかin vivoかに関わらず、このようなカンナビノイド受容体の活性を少なくとも部分的に修飾する少なくとも部分的な効果を有する。
【0041】
より一般的には、本発明の化合物及び/又は組成物の種々の薬理学的及び/又は治療上の利点は、同時継続する前述の出願で述べられた情報を考慮して理解可能である。本発明のアナログは、本書に記載するように、幅広い症状の治療に薬理学的に効果のある量で投与され得る。限定されることなく、種々の症状及び/又は病状は、発明の名称が「トリ−アリル/ヘテロ芳香族カンナビノイド及びその使用(Tri-Aryl/Hetero aromatic Cannabinoids and Use Thereof)」で、2008年3月3日に出願された、同時継続する出願番号12/074,342の段落0067に記載され、その全体は、本書に組み込まれる。
【0042】
従って、本発明は、本書に記載される化合物を提供すること(このような化合物は、カンナビノイド受容体での活性を示す);並びに、そのような化合物にカンナビノイド受容体を有する細胞を接触させること、及び/又は患者にそのような化合物を投与すること(このような化合物は、カンナビノイド受容体/仲介疾患を治療するために少なくとも部分的に効果的な量で用いられる)を備える方法を対象としてもよい。このようなカンナビノイド受容体は、本書に記載される受容体であってもよく、本発明を知った当業者によって理解され、実現されてもよい。
【0043】
医薬組成物若しくは治療の一部に若しくは一部として示されるように、受容体が効果的な量の1つ若しくは複数の本発明の化合物と接触することによって、又は、効果的な量の1つ又は複数の化合物とそのような受容体を有する細胞を接触させることにより、化合物が細胞内で受容体と接触し、カンナビノイド及び関連受容体の活性は、影響を受け、仲介され、及び/又は修飾され得る。接触は、in vitroであっても、in vivoであってもよい。すなわち、当業者によって理解されるように、「接触」とは、カンナビノイド及び/又は関連受容体と、1又は複数の化合物と、このような化合物が、受容体の活性に結合、影響、又は修飾するように、引き合わされることを意味する。受容体の活性を修飾する及び/又はそれに影響を与える1又は複数の化合物の効果的な量は、実験的に決定され、このような決定を行うことは、当該技術分野の技術の範囲である。
【0044】
限定されることなく、本発明のアナログ化合物は、同時継続している前述の‘342出願の実施例2に記載されている受容体結合アッセイにおいてex vivoで使用され得る。本発明のアナログ化合物のin vitro活性は、その同時継続出願の実施例3に記載されているものと同じ方法によって実証され得る。また、in vivo活性は、その実施例4及び6に記載されたプロトコルを用いても実証され得る。より具体的には、ヒト肺, 前立腺, 結腸直腸及び膵癌の細胞株に対する、本発明の種々の代表的な化合物の抗がん活性は、上述の同時継続の’342出願の実施例9に記載された方法を用いることで確認可能である。このような方法を拡大して、本発明は、同様に中枢神経系のがん成長を治療すること、及び/又はそのような成長における細胞死を誘導することに用いられてもよい。本発明によると、本書に記載される多様なカンナビノイド化合物は、上述されたものを含むがそれらに限定されず、ヒトの緑内障及び/又は脳腫瘍の治療方法と関連して用いられてもよい。このような実施形態を描く上で、同時継続出願で記載されたように、ヒト脳腫瘍に接触させ及び/又は治療することに本発明の1又は複数の化合物が提供され使用され得、このような接触及び/又は治療は、細胞死及び/又は関連する効果によって証明される。
【実施例】
【0045】
下記の非限定的な実施例及びデータは、本書に示す手法を通じて利用可能である通り、ピリジンの非古典的カンナビノイド受容体リガンド及び/又は化合物の合成を含む、本発明の化合物、組成物及び/又は方法に関連する種々の側面及び特徴を説明する。従来技術と比べて、本発明の化合物及び方法は、驚くべき、予想外かつ従来技術に反する結果及びデータを提供する。本発明の利用可能性がいくつかの化合物、部位及び/又はそれらの置換物の調製及び使用を通じて説明されるが、当業者は、同程度の結果が、本発明の範囲に応じて、他の種々の化合物、部位及び/又は置換物によって得られることを理解する。全ての化合物は、ChemBioDraw Ultra Version 11.0.01を用いて命名された。
【0046】
実施例1a
【0047】
【化11】
ジエチル2-フェニルマロン酸
二口丸底フラスコに、固体であれば、CuI(0.114 g, 0.6 mmol)、2-ピコリン酸(0.148 g, 1.2 mmol)、CsCO3(5.89 g, 18 mmol)及びヨウ化アリル(6 mmol)を順次入れた。容器を真空にして、窒素で3回満たした。無水1,4-ジオキサン(10 ml)を加え、次いで蒸留マロン酸エステル(1.9 ml, 12 mmol)及びヨウ化フェニル(12 mmol)を容積的に添加した。容器を密封して70℃に加熱した。進行をTLCでモニターした後、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチルで分離し、塩化アンモニウムで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、10%EtOAc/ヘキサン混合物を用いたカラムクロマトグラフィーで精製した。収率92%、Rf= 0.41(酢酸エチル/ヘキサン=1:9)。1H NMR (CDCl3,500MHz:δ7.41-7.31,m,5H),4.62(s,1H),4.25-4.15(m, 4H),1.26(t,6H)。MS259(M+23)。
【0048】
実施例1b
同様に、下記マロン酸エステルを合成した。
【0049】
【化12】
ジエチル2-m-トリルマロン酸エステル
収率:92%, Rf= 0.55(酢酸エチル/ヘキサン=l:9)。1H NMR (CDCl3, 500 MHz:δδ7.12-7.3 (m, 4H),4.62(s,1H), 4.20-4.28(m,4H), 2.27(s,3H), 1.22-1.25 (m, 6H)。 MS 273 (M+23)。
【0050】
実施例1c
【0051】
【化13】
ジエチル2-(ピリジン-2-イル)マロン酸
収率:88%, Rf=0.29 (酢酸エチル/ヘキサン=3:7)。1H NMR(CDCl3, 500MHz: δ8.5(d, 1H), 7.7(d,1H), 7.62-7.58(m,1H), 7.18-7.12(m,1H), 4.80(s,1H), 4.21-4.15(m,4H), 1.21(t,6H). MS 260(M+23)。
【0052】
実施例1d
【0053】
【化14】
ジエチル2−(チオフェン-2-イル)マロン酸
収率:63%, Rf=0.29(酢酸エチル/ヘキサン=l:9)。1H NMR (CDCl3,300 MHz:δ7.28 (d,1H), 7.1-7.0 (m,2H), 4.8 (s,1H), 4.26-4.2 (m,4H), 1.2(t,6H). MS 265(M+23)。
【0054】
実施例1e
【0055】
【化15】
ジエチル2‐シクロヘキシルマロン酸
収率:94%, Rf=0.59(酢酸エチル/ヘキサン=1:9)。1H NMR (CDCl3, 500MHz : δ4.22-4.14(m,4H), 3.12(d,1H), 2.14-2.05(m,1H), 1.75-1.63(m,5H), 1.34-1.24 (m,8H), 1.20-1.20 (m,3H). MS 265 (M+23)。
【0056】
実施例1f
【0057】
【化16】
ジエチル2-ヘキシルマロン酸
収率:91%, Rf= 0.44(酢酸エチル/ヘキサン=l:9)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz : δ4.11-4.40(m,4H), 331(t,1H), 1.80(m,2H), 1.38(m,2H), 1.1-1.4(m,12H), 0.8(t,3H). MS 267(M+23)。
【0058】
実施例1g
【0059】
【化17】
ジエチル2-(3-メトキシフェニル)マロン酸
生成物を、MS 289(M+23)で同定した。
【0060】
実施例1h
【0061】
【化18】
ジエチル2-(3,5-ジクロロフェニル)マロン酸
生成物をMS 328 (M+23)で同定した。
【0062】
実施例1i
【0063】
【化19】
ジエチル2-(2,4-ジクロロフェニル)マロン酸
生成物をMS 328(M+23)で同定した。
【0064】
実施例1j
【0065】
【化20】
ジエチル2-(4‐(トリフルオロメチル)フェニル)マロン酸
生成物をMS327(M+23)で同定した。
【0066】
実施例1k
【0067】
【化21】
ジエチル2-(ピラジン-2-イル)マロン酸
生成物をMS 261(M+23)で同定した。
【0068】
実施例1l
【0069】
【化22】
ジエチル2-(ピリミジン-2-イル)マロン酸
生成物を、MS261(M+23)で同定した。
【0070】
実施例1m
【0071】
【化23】
ジエチル2-(ナフタレン-1-イル)マロン酸
生成物をMS309(M+23)で同定した。
【0072】
実施例1n
【0073】
【化24】
ジエチル2-(1H-ピロール-3-イル)マロン酸
生成物をMS 249(M+23)で同定した。
【0074】
実施例1o
【0075】
【化25】
ジエチル2-シクロペンチルマロン酸
生成物をMS251(M+23)で同定した。
【0076】
実施例2a
【0077】
【化26】
2-メチル-2-(チオフェン-2-イル)プロパンニトリル
2-(チオフェン-2-イル)アセトニトリル(1g、8.13mmol)の4mlの無水THFの溶液に、KHMDS(24.4mmol、48.9ml、0.5Mトルエン溶液)を0℃で添加した。混合物を3分間撹拌し、16.26mmolヨードメタン(1.13mlを無水THF26mlに添加したもの)を10分かけて添加した。混合物を5分間撹拌し、TLCによってモニターした。完了次第、含水塩化アンモニウムによって反応を停止した。有機相を、酢酸エチルによって分離し、硫酸ナトリウムによって乾燥させた。生成物を、真空蒸留によって精製した(1トールにおける沸点は42℃)。 収率:89%。 1H NMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm)7.4ppm(d,1H)、7.2ppm(t,1H)、7.0ppm(d,1H)、1.9ppm(s,6H)。
実施例2b
同様に、下記化合物を合成した。
【0078】
【化27】
2,2-ジメチルオクタンニトリル
真空蒸留によって精製(1.1トールでの沸点が50〜55℃)。収率:84% I.R.(neat)ニトリル2230cm−1,1HNMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm)1.5ppm(m,4H)。1.4〜1.3ppm(m,12H)、0.9ppm(s,3H)。
実施例3a
【0079】
【化28】
2-メチル-2-フェニルプロパンニトリル
フルオロベンゼン(5.85mL,62.4mmol)の100mLの無水トルエン溶液にイソブチロニトリル(22.5mL,250mmol)を添加し、次いで200mLの0.5M KHMDSのトルエン溶液(100mmol)を添加した。反応液を80℃で24時間撹拌した。反応液を室温で冷却し、ジエチルエーテルで希釈し、水及び食塩水で洗浄した。有機分画を硫酸ナトリウムで乾燥させて、減圧下で濃縮した。生成物を酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製し、茶色い油状の目的の化合物を4.57g(50%)の収量で得た。MS:(ESI,Pos)m/z 168.0(M+23) 1HNMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm)7.48(d,2H),7.39(t,2H),7.31(t,1H),1.73(s,6H)。
【0080】
実施例3b
同様に、下記化合物を合成した。
【0081】
【化29】
2-メチル-2-ピリジン-2-イル-プロパンニトリル
2-メチル-2-フェニル-プロパンニトリルと同様の方法で、2-ブロモピリジンを出発物質として、茶色い油状の生成物を得た。MS:(ESI,Pos)m/z 168.9(M+23)。
実施例3c
【0082】
【化30】
2-シクロヘキシル-2-メチルプロピオニトリル
無色の油、収率:89% MS:(ESI,Pos.) 174.0 (M+1) 1HNMR(500MHz,CDCl3):∂(ppm) 1.81-1.89(m,4H), 1.7(m,1H), 1.19-1.34(m,7H), 1.07-1.28(m,5H)。
【0083】
実施例4a
【0084】
【化31】
3-メチル-3-フェニルブタン-2-オン
0℃に冷却した2-メチル-2-フェニル−プロピオンニトリル(3a,500mg,3.1mmol)の無水THF溶液に、臭化メチルマグネシウム(408mg,3.4mmol)を添加した。反応物は、室温まで温められ、一晩還流された。混合物を1N HClで処理し、水相をジエチルエーテルで抽出した。生成物をMS:(ESI,Pos)m/z 187.2(M+23)で確認した。
【0085】
実施例4b
本書に示す通り、Y−及び/又はZ-置換ピリジン中間体の途中の対応するシッフ塩基化合物を提供するために、上述した合成方法に相当する種々の合成方法を用いて、様々な他のケトンを各ニトリルから調製することができる。
実施例5a
【0086】
【化32】
6-(2-(チオフェン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-トリルピリジン‐2,4‐ジオール (5a)
2a(0.83g,5.5mmol)の無水ジエチルエーテル(5 mL)の溶液に、アルゴン下で、1.6M メチルリチウムのジエチルエーテル溶液(21 mL, 33.00mmol)を添加し、混合物を3時間、室温で撹拌した。水で反応を停止した後、混合物をジエチルエーテルで抽出した。抽出物を無水Na2SO4で乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させて、無色の油を得た(0.86, 95%)。中間生成物(3-メチル-3-(チオフェン-2-イル)ブタン-2-イミン);0.73g, 4.36 mmol)及びジエチル2-m-トリルマロン酸(0.70g,4.36 mmol)の溶液を1mLのジグリムに溶解させた溶液を、3時間135℃で還流した。反応混合物を冷却し、ヘキサンに注ぐことで、黄色の沈殿物を得た。黄色の沈殿物を集め、酢酸エチル/ヘキサン混合物から結晶化した。オフホワイトの粉末、収率:52% MS:(ESI,Neg) 323.90 (M-1) 1HNMR (500 MHz, DMSO-d6) : ∂(ppm) 10.69(s,1H), 10.19(s,1H), 7.46(d,1H), 7.11-7.19(m,3H), 6.99-7.05(m,3H), 5.78(s,1H), 2.28(s,3H), 1.72(s,6H)。
【0087】
実施例5b
同様に、下記化合物を合成した。
【0088】
【化33】
6-(2-シクロヘキシルプロパン-2-イル)-3-(3,5-ジクロロフェニル)ピリジン‐2,4‐ジオール (5b)
白色粉末、収率40% MS:(ESI,Neg) 377.9(M-1) 1HNMR(300 MHz,DMSO-d6):∂(ppm) 10.88(s,1H), 10.71(s,1H), 7.51(m,3H), 5.90(s,1H), 2.29(s,3H), 1.4-1.9(m,7H), 1.11-1.14(m,10H)。
【0089】
実施例5c
【0090】
【化34】
3-(3,5-ジクロロフェニル)‐6-(2-フェニルプロパン-2-イル)ピリジン‐2,4‐ジオール (5c)
白色粉末、収率:63% MS: (ESI, Neg) 372.7 (M-I) 1HNMR (500 MHz, DMSO-d6) : ∂(ppm) 10.79(s,1H), 10.74(s,1H), 7.26-7.49(m,8H), 5.96(s,1H), 1.63(s,6H)。
【0091】
実施例5d
【0092】
【化35】
3-(3,5-ジクロロフェニル)‐6-(2-(チオフェン-2-イル)プロパン-2-イル)ピリジン‐2,4ジオール (5d)
オフホワイトの粉末、収率47% MS: (ESI,Neg) 377.9 (M-1) 1HNMR (500 MHz, DMSO-d6) : ∂(ppm) 10.95(s, 1H), 10.77(s, 1H), 7.46-7.48(m, 3H), 7.41(t, 1H), 7.01-7.05(m, 2H), 5.78(s, 1H), 1.72(s, 6H)。
【0093】
実施例5e
【0094】
【化36】
3-(3,5-ジクロロフェニル)-6-(2-(チオフェン-2-イル)プロパン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール (5d)
オフホワイトの粉末、収率47% MS: (ESI, Neg) 379.9 (M-1) 1HNMR (500 MHz, DMSO- d6) : ∂(ppm) 10.96(s, 1H), 10.72(s, 1H), 7.51(d, 2H), 7.40(t, 1H), 5.94(s, 1H), 1.60-1.63(m, 2H), 1.04-1.24(m,14H), 0.84(t, 3H)。
【0095】
実施例5f
【0096】
【化37】
6-(2-シクロヘキシルプロパン-2-イル)-3-m-トリルピリジン-2,4-ジオール (5f)
白色粉末、収率:48% MS: (ESI, Neg) 324.0 (M-1) 1HNMR (300MHz,DMSO-d6) : ∂(ppm) 10.81(s, 1H), 10.25(s, 1H), 7.17-7.19(m, 4H), 5.91(s, 1H), 2.29(s, 3H), 1.4-1.9(m, 7H), 1.11- 1.14(m, 10H)。
【0097】
実施例5g
【0098】
【化38】
6-(2-フェニルプロパン-2-イル)-3-m-トリルピリジン-2,4-ジオール (5g)
白色粉末、収率:61% MS:(ESI, Neg) 317.9 (M-1) 1HNMR (300 MHz, DMSO-d6) : ∂(ppm) 10.51(s, 1H), 10.23(s, 1H), 6.99(m, 9H), 5.93(s, 1H), 2.28(s, 3H), 1.62(s, 6H)。
【0099】
実施例5h
【0100】
【化39】
2-(2-メチルオクタン-2-イル)-5-m-トリルピリミジン-4,6-ジオール (5h)
白色粉末、収率:41% MS: (ESI, Neg) 326.1 (M-1) 1HNMR (500 MHz, CDCl3) : ∂(ppm) 7.34 (t, 1H) 7.19-7.26(m, 3H), 5.94(s, 1H), 2.39(s, 3H), 1.56(m, 2H), 1.16- 1.30(m, 14H) , 0.88(t, 3H)。
【0101】
実施例5i
【0102】
【化40】
3-ヘキシル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール (5i)
白色粉末、収率:38% MS: (ESI, Neg) 320.0 (M-I) <1>HNMR (300 MHz, CDCl3) : d(ppm) 5.89(s, 1H), 2.71(m, 2H), 1.61-1.58(m, 2H), 1.25-1.42(m, 22H) , 0.98(m, 6H)
実施例5j
【0103】
【化41】
6-(2-メチルオクタン-2-イル)-3-フェニルピリジン-2,4-ジオール (5j)
白色粉末、収率38% MS: (ESI, Neg) 312.1 (M-1) 1HNMR (500 MHz, CDCl3) : ∂(ppm) 7.42-7.49(m, 4H), 7.35-7.38(m, 1H), 5.93(s, 1H), 1.53-1.56(m, 2H), 1.14- 1.27(m, 14H) , 0.87(t, 3H)。
【0104】
実施例5k
【0105】
【化42】
3-シクロヘキシル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール (5k)
白色粉末、収率:39% MS: (ESI, Neg) 318.0 (M-1) 1HNMR (300 MHz, MeOD) : ∂(ppm) 5.90(s, 1H), 2.81(m, 1H), 2.10(m, 2H), 1.61-1.58(m, 6H), 1.18-1.43(m, 18H), 0.88(t, 3H)。
【0106】
実施例5l
【0107】
【化43】
6’-(2-メチルオクタン-2-イル)-2,3’-ビピリジン-2',4’-ジオール (5l)
淡黄色粉末、収率:23% MS: (ESI, Neg) 313.1 (M-1) 1HNMR (300 MHz, CDCl3) : ∂(ppm) 9.28-9.31(d, 1H), 8.9 (s, 1H), 8.31(d, 1H),7.89-7.91(t, 1H),7.22-7.27(t, 1H), 5.95(s, 1H), 1.58-1.62(m, 2H), 1.22-1.31(m, 14H) , 0.86(t, 3H)
実施例5m
【0108】
【化44】
3-(3-メトキシフェニル)-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール (5m)
白色粉末, 収率: 45% MS: (ESI, Neg) 342.0 (M-1) 1HNMR (300 MHz, DMSO-d6) : ∂(ppm) 10.78(s, 1H), 10.19(s, 1H), 7.21(m, 1H), 6.95-6.96(m, 2H), 6.73-6.81(m, 1H), 5.85(s, 1H), 3.7(s, 3H), 1.59-1.67(m, 2H), 1.04-1.22(m, 14H) , 0.84(t, 3H)。
【0109】
実施例 5n
【0110】
【化45】
3-ベンジル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール (5n) - 白色 粉末, 収率: 41% MS: (ESI, Neg) 326.0 (M-I) 1HNMR (300 MHz, CDCl3) : d(ppm) 7.24-7.32(m, 5H), 6.10(s,lH), 3.91(s, 2H), 1.51-1.58(m, 2H), 1.11-1.28(m, 14H) , 0.86(t,3H).
実施例7
B‐環構造を有するいくつかの化合物について述べるが、他のこのような化合物は、様々なX,Y及び/又はZ部分を提供するために調製可能であり、このような化合物は、市販され又は合成されることで入手可能な、対応するシッフ塩基及び/又はマロン酸エステル中間体によってのみ限定される。同様に、R1及びR2は、マロン酸エステル出発物質の選択、又は結果物であるカンナビノイド化合物における二次化学反応によって、様々である。
【0111】
実施例8
受容体結合アッセイ
ヒトCB-1受容体でトランスフェクトされたHEK293細胞由来の細胞膜と、ヒトCB−2受容体でトランスフェクトされたCHO-K1細胞由来の細胞膜を調整した。120Ci/mmolの特異的活性を有する[3H]CP55,940をPerkin-Elmer Life Science社から入手した。全ての他の化合物及び試薬は、シグマアルドリッチ社から入手した。アッセイは、1.2μの孔径を持つグラスファイバーフィルター(親水性、GFCフィルター)を装着したミリポア社の96穴プレートで行った。アッセイの前に、フィルターを0.05%ポリエチレンイミン溶液に浸し、脱イオン水で5回洗浄した。ろ過は、96穴吸引多岐管(ミリポア社)にて行い、実験の最後にフィルターをピペットチップでシンチレーションバイアル中に直接打ち抜き、バイアルを5mlのシンチレーションカクテル エコライト(+)(フィッシャーサイエンティフィック社)で満たした。測定は、ベックマン社のシンチレーションカウンターLS6500モデルで行った。薬物溶液は、DMSO中で調製し、放射性リガンドをエタノール中に溶解させた。
【0112】
インキュベーションバッファー:50mM TRIS-HCl,5mM MgCl2,2.5mM EDTA,0.5mg/ml 脂肪酸フリーの牛血清アルブミン,pH7.4。
【0113】
CB-1 受容体への結合プロトコル:8μgの細胞膜(インキュベーションバッファーでの1:8希釈液20μl)を、5μlの薬物溶液(10−4M〜10−12M)及び5μlの5.4nM[3H]CP55,940と共に、合計体積を200μlとして、30℃で90分インキュベートした。非特異的結合を10μMのWIN55,212-2(Ki=4.4nM)を用いて決定した。細胞膜をろ過紙、フィルターを0.2mlの氷冷インキュベーションバッファーで7回洗浄し、減圧下で空気乾燥した。
【0114】
CB−2受容体への結合プロトコル:15.3μgの細胞膜(インキュベーションバッファー胃での1:20希釈液20μl)を、5μlの薬物溶液(10−4M〜10−12M)及び5μlの10nM[3H]CP55,940と共に、合計体積を200μlとして、30℃で90分インキュベートした。非特異的結合を10μMのWIN55,212-2(Ki=4.4nM)を用いて決定した。細胞膜をろ過紙、フィルターを0.2mlの氷冷インキュベーションバッファーで7回洗浄し、減圧下で空気乾燥した。
【0115】
データの蓄積及び統計分析:10−4Mから10−12Mまでの様々な濃度の薬物を添加した試料を各実験について3点ずつ用意し、個々のモル濃度におけるIC50値をGraphPad Prismを用いて決定した。各薬物の対応するKi値をチェン-プルソフ式を用いて決定し、最終データは2点以上の実験のKi±S.E.M.で表される。
【0116】
機能アッセイ:環状ヌクレオチド感受性カチオンチャネル及びヒトCB‐1又はCB‐2受容体でステイブルトランスフェクトされたHEK-293細胞株(BDバイオサイエンス社、サンノゼ、CA USA)を、ポリ‐D‐リジンでコートされた96穴プレートに、細胞70000個/穴の密度で蒔いた。アッセイの前に、プレートを5%CO2中37℃で一晩インキュベートした。プレートをインキュベータから取り出し、完全成長培地(DMEM,10%FBS,250μg/ml G418及び1μg ピューロマイシン)を0.25%BSA含有100μLのDMEMに置換した。次に、100μLのメンブランポテンシャルダイローディングバッファー(membrane potential dye loading buffer)(モレキュラーデバイス社、サニーベイル、CA USA)を使用書にのっとって調製した。プレートをインキュベータに30分間戻し、薬物添加の前に、基準線蛍光をバイオテックシナジー 2マルチモードマイクロプレートリーダー(バイオテックインストゥルメンツ社、ウィノースキ、VT USA)で、540nm励起光及び590nm発光フィルターを用いて、読み取った。2.5%DMSO、1.25μMの5’-(N-エチルカルボキシアミド)アデノシン及び125μMのRo20-1724を含有する50μLのDPBSに薬物を添加した。プレートを室温で25分インキュベートし、540nm励起光及び590nm発光にて再度蛍光を測定した。
【0117】
図1は、CB−1受容体における化合物5eの機能活性を示す。図2は、CB-2受容体における化合物5eの機能活性を示す。
【0118】
細胞毒性アッセイ:96穴ポリスチレンプレートに、完全血清培地にて細胞を細胞75000個/mL,100μL/穴の密度で蒔いた。細胞が接着するように、プレートを37℃かつ5%CO2下で24時間インキュベートした。100倍濃度の薬物溶液をDMSOにて調製し、1%FBS培地に1:100で混合し、望ましい濃度を得た。薬物−培地混合物を細胞に投与する直前にボルテックスにかけた。完全血清培地を除いて、薬物‐培地混合物で置換し、18時間インキュベートした。10μLのCounting Kit 8(CCK8,Dojindo♯CK04−11)を各ウェルに添加し、生細胞測定を行った。CCK8ダイを添加したインキュベーションを2〜4時間行った後、450nmの吸光度をバイオテックシナジー2 プレートリーダーによって測定した。
【0119】
グリア芽腫脳腫瘍細胞株であるLN‐229に対する選択された化合物の細胞毒性を表1に示す。グリア芽腫脳腫瘍細胞株DBTRG05MGに対する選択された化合物の細胞毒性を表2に示す。
【0120】
【表1】
【0121】
【表2】
炎症についての調査
単球の分化:THP-1ヒト単核白血球(ATCC#TIB-202)の懸濁液に、ホルボール12‐ミリスチン酸塩13-酢酸塩(PMA Aldrich #P1585)及びイオノマイシン(Aldrich #10634)をそれぞれ10及び500ng/ml添加し、マクロファージ様細胞への分化を誘導した。細胞を30,000個/穴で蒔き、37℃かつ5%CO2/95%大気で3〜10日インキュベートして、形質転換を完了させた。アッセイまで、必要に応じて培地を交換した。
【0122】
サイトカインアッセイ:A549 (ATCC #CCL-185)、HUV-EC-C (ATCC #CRL- 1730)、又は分化したTHP-1細胞を、96穴ポリスチレンプレートに、300,000個/ml(100μL/穴)の密度で蒔き、細胞が接着するように、37℃で5%CO2/95%大気で24時間インキュベートした。100倍濃度の薬物溶液をDMSOにて調製し、1%FBS培地に1:100で混合し、望ましい濃度を得た。
【0123】
プレートをインキュベートから取り出し、完全成長培地を、1%FBS及び1μg/mlのリポ多糖体又はペプチドグリカン(分化したTHP−1用)、又はA549及びHUVECの場合のTNF‐α(10ng/ml)又はIL‐1β(1ng/ml)、コントロールウェルの場合の刺激剤なし、を含有する50μLの培地に交換した。薬物処理の前に1時間、細胞をインキュベータに戻した。1%FBS及び適切な刺激剤を上述の濃度で含有する培地で、所望の終濃度の2倍濃度で薬物‐培地溶液を調製した。薬物を含有しないコントロール培地を同様に調製した。50μLの薬物含有培地又はコントロール培地を、適切なウェルに添加し、プレートをインキュベータに18時間戻した。培地の上清をウェルから除き、アッセイまで−80℃で冷凍した。
【0124】
図3〜図13は、TNF‐αの存在又は非存在下で、EC1及びEC10での化合物6bに暴露されたA549による様々なモジュレータの分泌特性を示す。グラフの凡例は、pyrT 1-4 =8.52μMの化合物6bで4時間;pyrT 2-4=13.6μMの化合物6bで4時間;pyrT 1-18=8.52μMの化合物6bで18時間;pyrT2-18=13.6 μMの化合物6bで18 時間;TNF =10ng/mlのTNF-αである。
【0125】
これで、本発明及びそれを製造する及び使用する方法及び工程について、完全、明確に、簡潔に、かつ正確な用語にて、すべての当業者が製造できて使えるように、説明した。本発明の望ましい実施形態が説明され、請求の範囲に記載された発明の精神又は範囲から逸脱しない範囲での変更が可能であることが理解される。本発明とみなされる対象物を特定し、明確にクレームするために、下記の請求の範囲は本明細書を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式で表され、
【化1】
上記式において、
W及びVのうちの1方はNであり、他方はCであり;
Xは、H、置換された及び置換されていないアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリル、アリルアルキル、ヘテロアリル、ヘテロアリルアルキル、ヘテロシクロアルキル,及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、それぞれのアルキル部分は、3回以下で任意に置換され、それぞれの環部分は、任意に、1、2、3、4、又は5個の置換基で置換され;
Yは、S,O,CH2,CH(CH3),CH(OH),C(CH3)(OH),C(CH3)2,C(-U(CH2)nU-),C(O),NH,S(O),及びS(O)2から選択され;
nは1以上の整数であり;
Uは、CH2,S,及びOから選択され;
Zは、H,置換された及び置換されていないアルキル, シクロアルキル,シクロアルキルアルキル, アリル, アリルアルキル, ヘテロアリル, ヘテロアリルアルキル, ヘテロシクロアルキル, 及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、それぞれのアルキル部分は、3回以下で任意に置換され、それぞれの環部分は、1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換され;
R1及びR2は、独立して、H並びに置換された及び置換されていないアルキルから選択される、
化合物。
【請求項2】
Xは、アルキル、シクロアルキル, フェニル, ベンジル, チオフェニル及びピリジニルから選択され、それぞれの環部分は、ハロ, アルキル及びアルコキシから独立して選択される1〜5個の基で任意に置換され;
R1及びR2は、独立してH及びアルキルから選択され;
Yは、カルボニル, ジメチルメチレン及びヒドロキシメチレンから選択され;
Zは、アルキル, シクロアルキル, 置換されたシクロアルキル, フェニル, 置換されたフェニル, チオフェニル及び置換されたチオフェニルから選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xは、アルキル、ベンジル又はフェニルであり、環部分は、クロロ、メチル及びメトキシから独立して選択される1、2、又は3個の基で任意に置換される、
請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Xは、ヘキシル, ベンジル, 3-メトキシフェニル, 3-メチルフェニル又は3,5-ジクロロフェニルである、
請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Yはジメチルメチレンである、
請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
Zは、アルキル、フェニル又はシクロアルキルである、
請求項2に記載の化合物。
【請求項7】
下記式で表される請求項1に記載の化合物。
【化2】
【請求項8】
Xは、アルキル、フェニル、ベンジル、チオフェニル、及びピリジニルから選択され、それぞれの環部分は、ハロ、アルキル及びアルコキシから独立して選択される1〜5個の基で任意に置換され;
Yは、カルボニル、ジメチルメチレン及びヒドロキシメチレンから選択され;
Zは、アルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、フェニル、置換されたフェニル、チオフェニル及び置換されたチオフェニルから選択される、
請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
Xは、アルキル、ベンジル又はフェニルであり、環部分は、クロロ、メチル及びメトキシから独立して選択される1、2、又は3個の基で任意に置換される、
請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Xは、ヘキシル, ベンジル, 3-メトキシフェニル, 3-メチルフェニル又は3,5-ジクロロフェニルである
請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
Yは、ジメチルメチレンである、
請求項8に記載の化合物。
【請求項12】
Zは、アルキル、フェニル又はシクロアルキルである、
請求項8に記載の化合物。
【請求項13】
a) 6-(2-(チオフェン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-m-トリルピリジン-2,4-ジオール;
b) 6-(2-シクロヘキシルプロパン-2-イル)-3-(3,5-ジクロロフェニル)ピリジン-2,4-ジオール;
c) 3-(3,5-ジクロロフェニル)-6-(2-フェニルプロパン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
d) 3-(3,5-ジクロロフェニル)-6-(2-(チオフェン-2-イル)プロパン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール
e) 3-(3,5-ジクロロフェニル)-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
f) 6-(2-シクロヘキシルプロパン-2-イル)-3-m-トリルピリジン-2,4-ジオール;
g) 6-(2-フェニルプロパン-2-イル)-3-m-トリルピリジン-2,4-ジオール;
h) 2-(2-メチルオクタン-2-イル)-5-m-トリルピリミジン-4,6-ジオール;
i) 3-ヘキシル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
j) 6-(2-メチルオクタン-2-イル)-3-フェニルピリジン-2,4-ジオール;
k) 3-シクロヘキシル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
l) 6'-(2-メチルオクタン-2-イル)-2,3'-ビピリジン-2',4'-ジオール;
m) 3-(3-メトキシフェニル)-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;及び
n) 3-ベンジル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール
から選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
カンナビノイド受容体によって仲介される疾患の治療方法であって、
前記受容体と前記カンナビノイド受容体/仲介疾患を治療できる量の化合物とを接触させることを備え、
前記化合物は、下記式で表され、
【化3】
上記式において、
W及びVのうちの1つはNであり、他方はCであり;
Xは、H, 置換された及び置換されていないアルキル, シクロアルキル, シクロアルキルアルキル, アリル, アリルアルキル, ヘテロアリル, ヘテロアリルアルキル, ヘテロシクロアルキル, ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され, それぞれのアルキル部分は、3回以下で任意に置換され、それぞれの環部分は、1、2、3、4又は5個の置換基で任意に 置換され;
Yは、S、O、CH2、CH(CH3)、CH(OH)、C(CH3)(OH)、C(CH3)2、C(-U(CH2)nU-)、C(O)、NH、S(O)、及びS(O)2から選択され;
nは、1以上の整数であってもよく;
Uは、CH2、S及びOから選択され;
Zは、H、置換された及び置換されていないアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリル、アリルアルキル、ヘテロアリル、ヘテロアリルアルキル、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、それぞれのアルキル部分は、任意に3回以下で置換され、それぞれの環部分は、任意に1、2、3、4、又は5個の置換基で置換され;
R1及びR2は、H並びに置換された及び置換されていないアルキルから独立して選択される、
方法。
【請求項15】
カンナビノイド受容体は、CB-1及びCB−2から選択される、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記疾患は、ヒト肺がん、前立腺がん、結腸直腸がん、膵がん、CNSがん、脳腫瘍、及びヒト緑内障から選択される、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
Xは、アルキル、フェニル, ベンジル, チオフェニル及びピリジニルから選択され,それぞれの環部分は、ハロ, アルキル及びアルコキシから独立して選択される1〜5個の基で任意に置換され;
Yは、カルボニル, ジメチルメチレン及びヒドロキシメチレンから選択され;
Zは、アルキル, シクロアルキル, 置換されたシクロアルキル, フェニル, 置換され フェニル, チオフェニル及び置換されたチオフェニルから選択される、
請求項14に記載の方法。
【請求項18】
Xは、アルキル, ベンジル又はフェニルであり、環部分は、クロロ, メチル及びメトキシから独立して選択される1、2又は3個の基で任意に置換される、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
Xは、ヘキシル, ベンジル, 3- メトキシフェニル, 3-メチルフェニル 又は3,5-ジクロロフェニルである、
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
Yはジメチルメチレンである、
請求項17に記載の化合物。
【請求項21】
Zは、アルキル, フェニル又はシクロアルキルである、
請求項17に記載の化合物。
【請求項22】
前記化合物は、
a) 6-(2-(チオフェン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-m-トリルピリジン-2,4-ジオール;
b) 6-(2-シクロヘキシルプロパン-2-イル)-3-(3,5-ジクロロフェニル)ピリジン-2,4-ジオール;
c) 3-(3,5-ジクロロフェニル)-6-(2-フェニルプロパン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
d) 3-(3,5-ジクロロフェニル)-6-(2-(チオフェン-2-イル)プロパン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
e) 3-(3,5-ジクロロフェニル)-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
f) 6-(2-シクロヘキシルプロパン-2-イル)-3-m-トリルピリジン-2,4-ジオール;
g) 6-(2-フェニルプロパン-2-イル)-3-m-トリルピリジン-2,4-ジオール;
h) 2-(2-メチルオクタン-2-イル)-5-m-トリルピリミジン-4,6-ジオール;
i) 3-ヘキシル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
j) 6-(2-メチルオクタン-2-イル)-3-フェニルピリジン-2,4-ジオール;
k) 3-シクロヘキシル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
l) 6'-(2-メチルオクタン-2-イル)-2,3'-biピリジン-2',4'-ジオール;
m) 3-(3-メトキシフェニル)-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;及び
n) 3-ベンジル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール
から選択される、
請求項14に記載の方法。
【請求項1】
下記式で表され、
【化1】
上記式において、
W及びVのうちの1方はNであり、他方はCであり;
Xは、H、置換された及び置換されていないアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリル、アリルアルキル、ヘテロアリル、ヘテロアリルアルキル、ヘテロシクロアルキル,及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、それぞれのアルキル部分は、3回以下で任意に置換され、それぞれの環部分は、任意に、1、2、3、4、又は5個の置換基で置換され;
Yは、S,O,CH2,CH(CH3),CH(OH),C(CH3)(OH),C(CH3)2,C(-U(CH2)nU-),C(O),NH,S(O),及びS(O)2から選択され;
nは1以上の整数であり;
Uは、CH2,S,及びOから選択され;
Zは、H,置換された及び置換されていないアルキル, シクロアルキル,シクロアルキルアルキル, アリル, アリルアルキル, ヘテロアリル, ヘテロアリルアルキル, ヘテロシクロアルキル, 及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、それぞれのアルキル部分は、3回以下で任意に置換され、それぞれの環部分は、1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換され;
R1及びR2は、独立して、H並びに置換された及び置換されていないアルキルから選択される、
化合物。
【請求項2】
Xは、アルキル、シクロアルキル, フェニル, ベンジル, チオフェニル及びピリジニルから選択され、それぞれの環部分は、ハロ, アルキル及びアルコキシから独立して選択される1〜5個の基で任意に置換され;
R1及びR2は、独立してH及びアルキルから選択され;
Yは、カルボニル, ジメチルメチレン及びヒドロキシメチレンから選択され;
Zは、アルキル, シクロアルキル, 置換されたシクロアルキル, フェニル, 置換されたフェニル, チオフェニル及び置換されたチオフェニルから選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xは、アルキル、ベンジル又はフェニルであり、環部分は、クロロ、メチル及びメトキシから独立して選択される1、2、又は3個の基で任意に置換される、
請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Xは、ヘキシル, ベンジル, 3-メトキシフェニル, 3-メチルフェニル又は3,5-ジクロロフェニルである、
請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Yはジメチルメチレンである、
請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
Zは、アルキル、フェニル又はシクロアルキルである、
請求項2に記載の化合物。
【請求項7】
下記式で表される請求項1に記載の化合物。
【化2】
【請求項8】
Xは、アルキル、フェニル、ベンジル、チオフェニル、及びピリジニルから選択され、それぞれの環部分は、ハロ、アルキル及びアルコキシから独立して選択される1〜5個の基で任意に置換され;
Yは、カルボニル、ジメチルメチレン及びヒドロキシメチレンから選択され;
Zは、アルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、フェニル、置換されたフェニル、チオフェニル及び置換されたチオフェニルから選択される、
請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
Xは、アルキル、ベンジル又はフェニルであり、環部分は、クロロ、メチル及びメトキシから独立して選択される1、2、又は3個の基で任意に置換される、
請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Xは、ヘキシル, ベンジル, 3-メトキシフェニル, 3-メチルフェニル又は3,5-ジクロロフェニルである
請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
Yは、ジメチルメチレンである、
請求項8に記載の化合物。
【請求項12】
Zは、アルキル、フェニル又はシクロアルキルである、
請求項8に記載の化合物。
【請求項13】
a) 6-(2-(チオフェン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-m-トリルピリジン-2,4-ジオール;
b) 6-(2-シクロヘキシルプロパン-2-イル)-3-(3,5-ジクロロフェニル)ピリジン-2,4-ジオール;
c) 3-(3,5-ジクロロフェニル)-6-(2-フェニルプロパン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
d) 3-(3,5-ジクロロフェニル)-6-(2-(チオフェン-2-イル)プロパン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール
e) 3-(3,5-ジクロロフェニル)-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
f) 6-(2-シクロヘキシルプロパン-2-イル)-3-m-トリルピリジン-2,4-ジオール;
g) 6-(2-フェニルプロパン-2-イル)-3-m-トリルピリジン-2,4-ジオール;
h) 2-(2-メチルオクタン-2-イル)-5-m-トリルピリミジン-4,6-ジオール;
i) 3-ヘキシル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
j) 6-(2-メチルオクタン-2-イル)-3-フェニルピリジン-2,4-ジオール;
k) 3-シクロヘキシル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
l) 6'-(2-メチルオクタン-2-イル)-2,3'-ビピリジン-2',4'-ジオール;
m) 3-(3-メトキシフェニル)-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;及び
n) 3-ベンジル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール
から選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
カンナビノイド受容体によって仲介される疾患の治療方法であって、
前記受容体と前記カンナビノイド受容体/仲介疾患を治療できる量の化合物とを接触させることを備え、
前記化合物は、下記式で表され、
【化3】
上記式において、
W及びVのうちの1つはNであり、他方はCであり;
Xは、H, 置換された及び置換されていないアルキル, シクロアルキル, シクロアルキルアルキル, アリル, アリルアルキル, ヘテロアリル, ヘテロアリルアルキル, ヘテロシクロアルキル, ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され, それぞれのアルキル部分は、3回以下で任意に置換され、それぞれの環部分は、1、2、3、4又は5個の置換基で任意に 置換され;
Yは、S、O、CH2、CH(CH3)、CH(OH)、C(CH3)(OH)、C(CH3)2、C(-U(CH2)nU-)、C(O)、NH、S(O)、及びS(O)2から選択され;
nは、1以上の整数であってもよく;
Uは、CH2、S及びOから選択され;
Zは、H、置換された及び置換されていないアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリル、アリルアルキル、ヘテロアリル、ヘテロアリルアルキル、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、それぞれのアルキル部分は、任意に3回以下で置換され、それぞれの環部分は、任意に1、2、3、4、又は5個の置換基で置換され;
R1及びR2は、H並びに置換された及び置換されていないアルキルから独立して選択される、
方法。
【請求項15】
カンナビノイド受容体は、CB-1及びCB−2から選択される、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記疾患は、ヒト肺がん、前立腺がん、結腸直腸がん、膵がん、CNSがん、脳腫瘍、及びヒト緑内障から選択される、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
Xは、アルキル、フェニル, ベンジル, チオフェニル及びピリジニルから選択され,それぞれの環部分は、ハロ, アルキル及びアルコキシから独立して選択される1〜5個の基で任意に置換され;
Yは、カルボニル, ジメチルメチレン及びヒドロキシメチレンから選択され;
Zは、アルキル, シクロアルキル, 置換されたシクロアルキル, フェニル, 置換され フェニル, チオフェニル及び置換されたチオフェニルから選択される、
請求項14に記載の方法。
【請求項18】
Xは、アルキル, ベンジル又はフェニルであり、環部分は、クロロ, メチル及びメトキシから独立して選択される1、2又は3個の基で任意に置換される、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
Xは、ヘキシル, ベンジル, 3- メトキシフェニル, 3-メチルフェニル 又は3,5-ジクロロフェニルである、
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
Yはジメチルメチレンである、
請求項17に記載の化合物。
【請求項21】
Zは、アルキル, フェニル又はシクロアルキルである、
請求項17に記載の化合物。
【請求項22】
前記化合物は、
a) 6-(2-(チオフェン-2-イル)プロパン-2-イル)-3-m-トリルピリジン-2,4-ジオール;
b) 6-(2-シクロヘキシルプロパン-2-イル)-3-(3,5-ジクロロフェニル)ピリジン-2,4-ジオール;
c) 3-(3,5-ジクロロフェニル)-6-(2-フェニルプロパン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
d) 3-(3,5-ジクロロフェニル)-6-(2-(チオフェン-2-イル)プロパン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
e) 3-(3,5-ジクロロフェニル)-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
f) 6-(2-シクロヘキシルプロパン-2-イル)-3-m-トリルピリジン-2,4-ジオール;
g) 6-(2-フェニルプロパン-2-イル)-3-m-トリルピリジン-2,4-ジオール;
h) 2-(2-メチルオクタン-2-イル)-5-m-トリルピリミジン-4,6-ジオール;
i) 3-ヘキシル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
j) 6-(2-メチルオクタン-2-イル)-3-フェニルピリジン-2,4-ジオール;
k) 3-シクロヘキシル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;
l) 6'-(2-メチルオクタン-2-イル)-2,3'-biピリジン-2',4'-ジオール;
m) 3-(3-メトキシフェニル)-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール;及び
n) 3-ベンジル-6-(2-メチルオクタン-2-イル)ピリジン-2,4-ジオール
から選択される、
請求項14に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2011−520973(P2011−520973A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510658(P2011−510658)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/044558
【国際公開番号】WO2009/143180
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(510306982)ユニヴァーシティ オブ テネシー リサーチ ファウンデーション,ザ (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/044558
【国際公開番号】WO2009/143180
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(510306982)ユニヴァーシティ オブ テネシー リサーチ ファウンデーション,ザ (4)
【Fターム(参考)】
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