説明

ピロリジン、インドリジンおよびキノリジンの誘導体、これらの調製およびこれらの治療上の使用

一般式に相当する化合物、


式中、mおよびnそれぞれは、数1または2であり、Arは、フェニル、ナフタ−1−イル、ナフタ−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、チアゾール−2−イル、およびオキサゾール−2−イル基から選択される基であり、このAr基については、任意に置換されることが可能であり、Rは、水素原子または、ハロゲン原子およびモノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルおよびモノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルオキシ、直鎖(C−C)アルキル、分枝鎖または環状(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルオキシ、(C−C)シルロアルキル(C−C)アルキルオキシ、(C−C)アルキルチオ、シアノ、アミノ、フェニル、アセチル、ベンゾイル、(C−C)アルキルスルホニル、カルボキシル、(C−C)アルコキシカルボニルおよびペンタフルオロスルファニル基から選択される、互いに同一または異なる1つ以上の置換基である。治療上の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題はピロリジン、インドリジンおよびキノリジンの誘導体、それらの調製およびそれらの治療上の使用である。
【発明の概要】
【0002】
本発明の化合物は一般式(I)に相当し、
【0003】
【化1】

式中、
mおよびnそれぞれは、互いに独立に、数1または2を表し、
Arは、フェニル、ナフタ−1−イル、ナフタ−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、チアゾール−2−イル、およびオキサゾール−2−イル基から選択される基を表し、このAr基については、ハロゲン原子、および(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルオキシ、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルオキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)シクロアルキルチオ、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルチオ、モノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルおよびモノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルオキシ基から選択される1つ以上の置換基により任意に置換されることが可能であり、
Rは、水素原子または、ハロゲン原子およびモノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルおよびモノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルオキシ、直鎖(C−C)アルキル、分枝鎖または環状(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルオキシ、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルオキシ、(C−C)アルキルチオ、シアノ、アミノ、フェニル、アセチル、ベンゾイル、(C−C)アルキルスルホニル、カルボキシル、(C−C)アルコキシカルボニルおよびペンタフルオロスルファニル基から選択される互いに同一または異なる1つ以上の置換基を表す。
【0004】
一般式(I)の化合物は、3つの不斉中心を有し、これらは鏡像異性体またはこの二環化合物の置換基のシスもしくはトランス立体化学を有するトレオもしくはエリスロジアステレオ異性体の形態で、またはかかる異性体の混合物として存在することができる。これらは、遊離塩基の、酸との付加塩の形態でおよび/または溶媒和物のもしくは水和物の形態で、つまり1つ以上の水の分子とのもしくは溶媒との組合せまたは会合の形態で存在することができる。かかる水和物および溶媒和物も本発明の部分を形成する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の化合物のうちで、第1の化合物群は、
Arが、フェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル基から選択される基を表し、このAr基については、ハロゲン原子、および(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルオキシ、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルオキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)シクロアルキルチオ、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルチオ、モノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルおよびモノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルオキシ基から選択される1つ以上の置換基により任意に置換されることが可能であり、
m、nおよびRは、上記で定義された通りである
化合物から構成される。
【0006】
本発明の化合物のうちで、第2の化合物群は、
Arが、フェニル、ピリジン−3−イルおよびチエン−3−イル基から選択される基を表し、このAr基については、ハロゲン原子から選択される、互いに同一または異なる1つ以上の置換基により任意に置換されることが可能であり、
m、nおよびRは、上記で定義された通りである
化合物から構成される。
【0007】
本発明の化合物のうちで、第3の化合物群は、
Rが、水素原子または、ハロゲン原子およびモノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキル、モノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルオキシ、直鎖(C−C)アルキルおよびペンタフルオロスルファニル基から選択される、互いに同一または異なる1つ以上の置換基を表し、
m、nおよびArは、上記で定義された通りである
化合物から構成される。
【0008】
本発明の化合物のうちで、第4の化合物群は、
mおよびnが、それぞれ互いに独立に、数1または2を表し、
Arが、フェニル、ピリジン−3−イルおよびチエン−3−イル基から選択される基を表し、このAr基については、1つ以上のハロゲン原子によって任意に置換されることが可能であり、
Rが、水素原子または、塩素およびメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシおよびペンタフルオロスルファニル基から選択される、互いに同一または異なる1つ以上の置換基を表す
化合物から構成される。
【0009】
本発明の化合物のうちで、第5の化合物群は、以下の化合物から構成される。
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−5−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−5−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−トレオ−2,6−ジクロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−5−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−エリスロ−2,6−ジクロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−5−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−3−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
2−クロロ−N−[(S)−(3S,8aR)−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−トレオ−2−メチル−N−[(オクタヒドロインドリジン−3−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
シス−エリスロ−2−メチル−N−[(オクタヒドロインドリジン−3−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
2−クロロ−N−[(S)−(3S,8aR)−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
2−クロロ−N−[(S)−(3S,8aR)−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)(チオフェン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
シス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−3−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
2−クロロ−N−[(S)−(3R,8aR)−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)(チオフェン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
2−クロロ−N−[(S)−(3R,8aR)−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−5−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−トレオ−2,6−ジクロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−エリスロ−2,6−ジクロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−エリスロ−2−メチル−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−トレオ−2,6−ジクロロ−N−[(4−フルオロフェニル)(オクタヒドロキノリジン−4−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−5−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−トレオ−2−メチル−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)(チオフェン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−トレオ−2−クロロ−3−メチル−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル] ベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(4−フルオロフェニル)(オクタヒドロキノリジン−4−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−エリスロ−2−クロロ−N−[(4−フルオロフェニル)(オクタヒドロキノリジン−4−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−トレオ−2−クロロ−3−メトキシ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]ベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−トレオ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメトキシベンズアミド塩酸塩 1:1。
トランス−トレオ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−(ペンタフルオロスルファニル)−ベンズアミド塩酸塩 1:1。
2−クロロ−N−[(ヘキサヒドロピロリジン−3−イル)フェニルメチル]ベンズアミド塩酸塩 1:1。
【0010】
一般式(I)の化合物は、以下のスキームIによって図解されている方法によって調製することができる。
【0011】
【化2】

mおよびnが上記で定義された通りである一般式(II)のニトリルを、Arが上記で定義された通りである一般式(III)のリチオ化された誘導体と、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランなどのエーテル溶媒中、−90℃および−30℃の間において反応させる;一般式(IV)の中間体イミンが得られ、次いで水酸化ホウ素ナトリウムなどの還元剤によって、メタノールなどのプロトン性溶媒中、0℃および周囲温度の間において、一般式(V)の第一級アミンに還元される。続いて、一般式(V)のジアミンと、Yが活性化されたOH基または塩素原子を表し、Rが上記で定義された通りである一般式(VI)の活性された酸または酸クロリドとの間のアミドカップリングが、当業者に知られている方法を使用して行われて一般式(I)のアミドに到達する。
【0012】
n=1およびm=2を有する一般式(II)の化合物は、シスおよびトランス相対立体化学を有し、これらはそれぞれシス−エリスロおよびトランス−トレオ立体化学の一般式(I)の化合物をもたらす。
【0013】
n=2およびm=1またはnおよびm=2を有する一般式(II)の化合物は、トランス相対立体化学を有し、これらはトランス−エリスロおよびトランス−トレオ立体化学の一般式(I)の化合物をもたらす。
【0014】
最後に、nおよびm=1を有する一般式(II)の化合物は、トランスおよびシス相対立体化学を有し、これは液体クロマトグラフィーによって分離することができる異性体の混合物の形態の一般式(I)の化合物をもたらす。
【0015】
さらに、一般式(I)のキラル化合物は、キラルカラムによる高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によるラセミ化合物の分離によって、または一般式(V)のラセミアミンの、酒石酸、カンファースルホン酸、ジベンゾイル酒石酸もしくはN−アセチルロイシンなどのキラル酸の使用による分割によって、ジアステレオ異性体塩のアルコールタイプの溶媒中における分別および優先再結晶化によって、または一般式(II)のキラルニトリルを使用した鏡像異性選択的合成によって得ることができる。
【0016】
一般式(II)のニトリルは、Synlett、(1995年)、519−522頁に、nおよびmが1を表すシスおよびトランス立体化学を有する場合が、J.O.C.、55巻、(1990年)、4688−4693頁およびJ.O.C.、56巻、(1991年)、4868−4874頁に、nが2を表しmが1を表すトランス立体化学を有する場合が、およびOrg.Letters、2巻、(2000年)、2085−2088頁に、nが1を表しmが2を表すトランスおよびシス立体化学を有する場合が記載されており、最後に、これらはnおよびmが2を表すラセミまたはキラルシリーズにおいてトランス立体化学を有する場合の上記の方法と類似の方法によって調製することができる。式(III)のリチオ化された誘導体は、市販されているまたはこれらは当業者に知られている方法によっておよびJ.O.C.、62巻、(1997年)、5484−5496頁およびTetrahedron Letters、35巻、(1994年)、3673−3674頁に記載されているものと類似の方法によって調製することができる。
【0017】
一般式(VI)のある種の酸および酸クロリドは、市販されているまたはこれらは欧州特許第0556672号および米国特許第3801636号およびJ.Chem.Soc.、(1927年)、25頁、Chem.Pharm.Bull.、(1992年)、1789−1792頁、Aust.J.Chem.、(1984年)、1938−1950頁およびJ.O.C.、(1980年)、527頁に記載されているものと類似の方法によって入手できる。
【0018】
本発明は、その態様のもう1つによれば、主題として一般式(V)の化合物も有する。
【0019】
【化3】

式中、
mおよびnそれぞれは、互いに独立に、数1または2を表し、
Arは、フェニル、ナフタ−1−イル、ナフタ−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、チアゾール−2−イル、およびオキサゾール−2−イル基から選択される基を表し、このAr基については、ハロゲン原子、および(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルオキシ、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルオキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)シクロアルキルチオ、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルチオ、モノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルおよびモノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルオキシ基から選択される1つ以上の置換基により任意に置換されることが可能である。
【0020】
これらの化合物は式(I)の化合物の合成における中間体として使用される。
【0021】
本発明の1つの主題である一般式(V)の化合物のうちで、第1の化合物群は、
mおよびnが、それぞれ互いに独立に、数1または2を表し、
Arが、フェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル基から選択される基を表し、このAr基については、ハロゲン原子、および(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルオキシ、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルオキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)シクロアルキルチオ、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルチオ、モノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルおよびモノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルオキシ基から選択される1つ以上の置換基により任意に置換されることが可能である
化合物から構成される。
【0022】
本発明の1つの主題である一般式(V)の化合物のうちで、第2の化合物群は、
Arが、フェニル、ピリジン−3−イルおよびチエン−3−イル基から選択される基を表し、このAr基については、ハロゲン原子から選択される1つ以上の置換基により任意に置換されることが可能であり、
mおよびnは、上記で定義された通りである
化合物から構成される。
【0023】
本発明の1つの主題である一般式(V)の化合物のうちで、第3の化合物群は、
mおよびnそれぞれが、互いに独立に、数1または2を表し、
Arが、フェニル、ピリジン−3−イルおよびチエン−3−イル基から選択される基を表し、このAr基については、1つ以上のハロゲン原子により任意に置換されることが可能である
化合物から構成される。
【0024】
一般式(V)の化合物のうちでは、特に以下の化合物を挙げることができる。
トランス−トレオ/エリスロ−1−(オクタヒドロインドリジン−5−イル)−1−フェニルメタンアミン;
トランス−トレオ−1−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)−1−フェニルメタンアミン;
シス−エリスロ−1−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)−1−フェニルメタンアミン;
トランス−トレオ/エリスロ−1−(オクタヒドロ−2H−キノリジン−4−イル)−1−フェニルメタンアミン;
トランス−トレオ/エリスロ−1−(オクタヒドロ−2H−キノリジン−4−イル)−1−(4−フルオロフェニル)メタンアミン;
トランス−トレオ−1−(オクタヒドロ−2H−キノリジン−4−イル)−1−(ピリジン−3−イル)メタンアミン;
トランス−トレオ/シス−エリスロ−1−(オクタヒドロ−2H−キノリジン−4−イル)−1−(チエン−3−イル)メタンアミン。
【0025】
以下の実施例は、いくつかの本発明の化合物の調製を例示する。微量元素分析、IRおよびNMRスペクトルならびにキラルカラムHPLCが、得られた化合物の構造および鏡像異性体純度を確認する。
【0026】
実施例の標題中の括弧内に示されている番号は後で示す表の第1欄目にある番号に対応している。
【実施例1】
【0027】
(化合物番号1および2)
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−5−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1および
トランス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−5−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
1.1.トランス−トレオ/エリスロ−1−(オクタヒドロインドリジン−5−イル)−1−フェニルメタンアミン。
【0028】
ブロモベンゼン0.62g(4mmol)の無水テトラヒドロフラン5ml中溶液を、アルゴン雰囲気下においてマグネッチックスターラーを備えた50mlの丸底フラスコ中に導入し、次いでこの媒体を−75℃まで冷却する。テトラヒドロフラン中の2.5Mブチルリチウム溶液1.6ml(4mmol)を加えて、混合物を40分間撹拌し続ける。トランス−オクタヒドロインドリジン−5−カルボニトリル0.3g(2mmol)のテトラヒドロフラン5ml中溶液を−75℃において加え、混合物を3時間かけて周囲温度まで戻らせる。水および酢酸エチルを加えて水性相を分離し、酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、イミンを減圧下において濃縮し、メタノール10mlと共に50mlの丸底フラスコ中に取る。混合物を−5℃まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム0.38g(10mmol)を徐々に加える。撹拌を続けながら混合物の温度を12時間かけて周囲温度まで戻らせる。混合物を減圧下において濃縮し、残留物を水および酢酸エチル中に溶解させる。相を分離し、水性相を酢酸エチルを用いて抽出する。合わせた有機相を洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過および蒸発後に、0.5gの生成物を黄色オイルの形態で得て、このオイルはそのままで次の段階において使用される。
【0029】
1.2.トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−5−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1およびトランス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−5−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
【0030】
1−(オクタヒドロインドリジン−5−イル)−1−フェニルメタンアミン0.5g(2.17mmol)、トリエチルアミン0.36ml(2.6mmol)および2−クロロ−3−トリフルオロメチル安息香酸クロライド0.63g(2.6mmol)を、50ml丸底フラスコ中のジクロロメタン10ml中へ続けて導入し、混合物を周囲温度において1時間撹拌する。
【0031】
混合物を水を用いて処理し、ジクロロメタンを用いて数回抽出する。有機相を水を用いて洗浄し、次いで1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を減圧下において蒸発させた後で、残留物をシリカゲルカラムによるクロマトグラフィーによって、溶出はジクロロメタンおよびメタノールの混合物を用いて行って精製する。
【0032】
トランス−トレオおよびトランス−エリスロ異性体に相当する生成物0.06gおよび0.130gが無色のオイルの形態で得られる。
【0033】
これらの生成物は、続いてプロパン−2−オール中0.1N塩酸溶液から塩酸塩に転化される。
【0034】
最終的に、トランスートレオ異性体に相当する0.039gが単離される、
融点:132−134℃。
H NMR(200MHz,CDCl):0.75−2.00(m,12H)、2.6−2.9(m,2H)、5.00(d,1H)、7.1−7.5(m,7H)、7.8(t,2H)。
加えてトランス−エリスロ異性体に相当する0.017gが単離される、
融点:132−134℃。
H NMR(200MHz,CDCl):0.70−2.00(m,11H)、2.1−2.45(m,2H)、3.15−3.35(m,1H)、5.20(s,1H)、6.9(s,1H)、7.1−7.4(m,6H)、7.6−7.75(m,2H)。
【実施例2】
【0035】
(化合物番号5)
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−3−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1
2.1.トランス−トレオ−1−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)−1−フェニルメタンアミン。
【0036】
無水テトラヒドロフラン25ml中溶液のトランス−オクタヒドロインドリジン−3−カルボニトリル0.61g(4.12mmol)を、アルゴン雰囲気下において、100mlのマグネチックスターラーを備えた丸底フラスコ中に導入する。媒体を−75℃まで冷却し、2Mフェニルチチウムのジブチルエーテル溶液6.22ml(12.24mmol)を加えて、混合物を撹拌しながら5時間かけて周囲温度まで戻らせる。メタノール3mlを加え、次いで水および酢酸エチルを加えて水性相を分離し、酢酸エチルを用いて抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、イミンを減圧下において濃縮し、メタノール25mlを用いて50mlの丸底フラスコ中に溶解させる。混合物を−5℃まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム0.78g(20.6mmol)を徐々に加える。撹拌を続けながら混合物を12時間かけて周囲温度まで戻らせる。混合物を減圧下において濃縮し、残留物を水および酢酸エチル中に溶解させ、相を分離し、水性相を酢酸エチルを用いて抽出する。合わせた有機相を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、蒸発させた後、生成物08gが黄色オイルの形態で得られ、このオイルはそのままで次の段階において使用される。
【0037】
2.2.トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−3−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1
トランス−トレオ−1−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)−1−フェニルメタンアミン0.4g(1.77mmol)、トリエチルアミン0.3ml(2.1mmol)および2−クロロ−3−トリフルオロメチル安息香酸クロライド0.57g(2.35mmol)を、50mlの丸底フラスコ中のジクロロメタン15ml中へ続けて導入し、混合物を周囲温度において12時間撹拌する。
【0038】
これを水を用いて処理し、ジクロロメタンを用いて数回抽出する。有機相を水を用いて、次いで1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を減圧下において蒸発させた後で、残留物をシリカゲルカラムによるクロマトグラフィーによって、溶出はジクロロメタンおよびメタノールの混合物を用いて行って精製する。
【0039】
トランス−トレオ異性体に相当する生成物0.35gが無色のオイルの形態で得られる。
【0040】
これはプロパン−2−オール中0.1N塩酸溶液から塩酸塩に転化される。
【0041】
最終的に、0.28gが白色固体の形態で単離される。
融点:138−139℃
H NMR(200MHz,CDCl):1.0−1.9(m,10H)、2.9(t,1H)、3.05−3.25(m,2H)、3.5−3.6(m,1H)、5.20(d,1H)、7.3−7.5(m,6H)、7.8(t,2H)。
【実施例3】
【0042】
(化合物番号11)
シス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−3−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
3.1.シス−エリスロ−1−(オククタヒドロインドリジン−3−イル)フェニルメタンアミン。
【0043】
実施例1.1において記載された手順によって、シス−オクタヒドロインドリジン−3−カルボニトリル0.61g(4mmol)から出発して、生成物0.9gが黄色オイルの形態で得られ、このオイルはそのままで次の段階において使用される。
H NMR(200MHz,CDCl):1.00−2.00(m,12H)、2.35−2.50(m,1H)、3.00−3.15(m,1H)、4.15(d,1H)、7.1−7.4(m,5H)。
【0044】
3.2.シス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−3−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
【0045】
実施例2.2において記載された手順によって、シス−エリスロ−1−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)−1−フェニルメタンアミン0.47g(2mmol)および2−クロロ−3−トリフルオロメチル安息香酸クロライド0.58g(2.4mmol)から出発して、0.44gがシス−エリスロ異性体に相当する無色のオイルの形態で得られる。
【0046】
この生成物は、続いてプロパン−2−オール中0.1N塩酸溶液から塩酸塩に転化される。
【0047】
最終的に、0.28gが白色固体の形態で単離される。
融点:138−139℃。
H NMR(200MHz,CDCl):0.09−1.0(m,1H)、1.1−1.35(m,5H)、1.4−1.55(m,2H)、1.65−1.9(m,3H)、2.00−2.15(m,1H)、2.7−2.80(m,1H)、3.20−3.30(m,1H)、5.25(t,1H)、7.3−7.6(m,6H)、7.8−7.9(m,2H)。
【実施例4】
【0048】
(化合物番号14および21)
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1および
トランス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
4.1.トランス−トレオ/エリスロ−1−(オクタヒドロ−2H−キノリジン−4−イル)−1−フェニルメタンアミン。
【0049】
無水テトラヒドロフラン10ml中溶液のトランス−オクタヒドロキノリジン−4−カルボニトリル0.29g(1.77mmol)を、アルゴン雰囲気下において、マグネチックスターラーを備えた50mlの丸底フラスコ中へ導入する。この媒体を−75℃まで冷却し、シクロヘキサン/エチルエーテル(70/30)中の2Mフェニルリチウム溶液2ml(4mmol)を加えて混合物を撹拌しながら−50℃まで3時間かけて戻らせる。メタノール1mlを加え、次いで水および酢酸エチルを25℃で加え、水性相を分離して、酢酸エチルを用いて抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、イミンを減圧下において濃縮し、メタノール10mlを用いて50mlの丸底フラスコ中に溶解させる。混合物を−5℃まで冷却して水素化ホウ素ナトリウム0.33g(8.85mmol)を徐々に加える。撹拌を続けながら混合物を周囲温度まで12時間かけて戻らせる。混合物を減圧下において濃縮し、残留物を水および酢酸エチル中に溶解させる。相を分離し、水性相を酢酸エチルを用いて抽出する。合わせた有機相を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、蒸発させた後に、生成物0.18gが黄色オイルの形態で得られ、このオイルはそのままで次の段階において使用される。
【0050】
4.2.トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1およびトランス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
【0051】
トランス−トレオ/エリスロ−1−(オクタヒドロ−2H−キノリジン−4−イル)−1−フェニルメタンアミン0.18g(0.74mmol)、2−クロロ−3−トリフルオロメチル安息香酸0.20g(0.89mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)0.17g(0.9mmol)およびジメチルアミノピリジン0.045g(0.37mmol)を50ml丸底フラスコ中のジクロロメタン10ml中へ続けて導入し、混合物を周囲温度において12時間撹拌する。
【0052】
これを水を用いて処理し、ジクロロメタンを用いて数回抽出する。有機相を水を用いておよび次いで1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下において溶媒を蒸発させた後で、残留物をシリカゲルカラムによるクロマトグラフィーによって、溶出はジクロロメタンおよびメタノールの混合物を用いて行って精製する。
【0053】
トランス−トレオ異性体に相当する化合物0.13gおよびトランス−エリスロ異性体に相当する化合物0.024gが無色オイルの形態で得られる。
【0054】
これらはプロパン−2−オール中0.1N塩酸溶液から塩酸塩に転化される。
【0055】
最終的に、0.13gが、トランス−トレオ異性体から形成された白色固体の形態で単離される。
融点:161−163℃
H NMR(200MHz,CN):1.2−2.0(m,10H)、2.15−2.35(m,2H)、3.2(t,1H)、3.65−3.8(m,1H)、3.85−4.0(m,2H)、6.30(d,1H)、7.3−7.6(m,6H)、7.8(d,2H)
および0.014gがトランス−エリスロ異性体から形成された白色固体の形態で単離される。
融点:245−247℃。
H NMR(200MHz,CN):1.0−2.1(m,12H)、2.3−2.6(m,2H)、3.00(d,1H)、4.0(d,1H)、6.30(d,1H)、7.2−7.8(m,7H)、8.3(d,1H)。
【実施例5】
【0056】
(化合物番号26および27)
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(4−フルオロフェニル)(オクタヒドロキノリジン−4−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1および
トランス−エリスロ−2−クロロ−N−[(4−フルオロフェニル)(オクタヒドロキノリジン−4−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
5.1.トランス−トレオ/エリスロ−1−(オクタヒドロ−2H−キノリジン−4−イル)−1−(4−フルオロフェニル)メタンアミン。
【0057】
無水エチルエーテル10ml中溶液の1−ブロモ−4−フルオロベンゼン1.33g(7.61mmol)を、アルゴン雰囲気下において、マグネチックスターラーを備えた50mlの丸底フラスコ中へ導入し、次いで媒体を−75℃まで冷却する。ブチルリチウムの2.5Mヘキサン中溶液3.35ml(8.37mmol)を続いて加え、混合物を撹拌しながら−40℃まで90分間かけて戻らせる。続いてエチルエーテル10ml中溶液のトランス−オクタヒドロキノリジン−4−カルボニトリル0.5g(3mmol)を−75℃において加え、この温度を90分間維持する。混合物を0℃まで戻らせてメタノール2mlを加え、次いで25℃において水および酢酸エチルを加え、水性相を分離し、酢酸エチルを用いて抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、メタノール20mlを用いて50mlの丸底フラスコ中に溶解させるためにイミンを減圧下において濃縮する。混合物を−5℃まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム0.57g(15.2mmol)を徐々に加える。撹拌を続けながら混合物を周囲温度まで12時間かけて戻らせる。混合物を減圧下において濃縮し、残留物を水および酢酸エチル中に溶解させる。相を分離し、水性相を酢酸エチルを用いて抽出する。合わせた有機相を洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過し、蒸発させた後に、生成物0.97gが黄色オイルの形態で得られ、このオイルはそのままで次の段階において使用される。
【0058】
5.2.トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(4−フルオロフェニル)(オクタヒドロキノリジン−4−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1およびトランス−エリスロ−2−クロロ−N−[(4−フルオロフェニル)(オクタヒドロキノリジン−4−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
【0059】
トランス−トレオ/エリスロ−1−(オクタヒドロ−2H−キノリジン−4−イル)−1−(4−フルオロフェニル)メタンアミン0.4g(1.52mmol)、トリエチルアミン0.23ml(1.8mmol)および2−クロロ−3−トリフルオロメチル安息香酸クロライド0.4g(1.67mmol)を50mlの丸底フラスコ中のジクロロメタン10ml中へ続けて導入し、混合物を周囲温度において12時間撹拌する。
【0060】
混合物を水を用いて処理し、ジクロロメタンを用いて数回抽出する。有機相を水を用いておよび次いで1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を減圧下において蒸発させた後に、残留物をシリカゲルカラムによるクロマトグラフィーによって、溶出はジクロロメタンおよびメタノールの混合物を用いて行って精製する。
【0061】
トランス−トレオ異性体に相当する化合物0.11gおよびトランス−エリスロ異性体に相当する化合物0.15gが無色のオイルの形態で得られる。
【0062】
これらの生成物は、続いてプロパン−2−オール中0.1N塩酸溶液から塩酸塩に転化される。
【0063】
最終的に、トランス−トレオ異性体0.082gが白色固体の形態で単離される。
融点:176−178℃。
H NMR(200MHz,CDCl):1.3−2.3(m,12H)、2.6−2.85(m,1H)、3.2(t,1H)、3.55−3.8(m,2H)、5.65(t,1H)、7.15(t,2H)、7.35(t,2H)、7.5(t,1H)、7.8(d,1H)、8.05(d,1H)、8.75(d,1H,NH)
およびトランス−エリスロ異性体0.095gが白色固体の形態で単離される。
融点:188−189℃。
H NMR(200MHz,CDCl):1.1−2.6(m,12H)、2.7−3.2(m,3H)、3.95(d,1H)、5.80(t,1H)、7.15(t,2H)、7.35(t,2H)、7.5(t,1H)、7.8(d,1H)、7.95(d,1H)、9.3(d,1H,NH)。
【実施例6】
【0064】
(化合物番号20)
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
6.1.トランス−トレオ−1−(オクタヒドロ−2H−キノリジン−4−イル)−1−(ピリジン−3−イル)メタンアミド。
【0065】
実施例5.1において記載された手順によって、3−ブロモピリジン0.8g(5.32mmol)およびトランス−オクタヒドロキノリジン−4−カルボニトリル0.35g(2.13mmol)から出発して、生成物0.57gが茶色オイルの形態で得られ、このオイルはそのままで次の段階において使用される。
【0066】
6.2.トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
【0067】
実施例5.2において記載された手順によって、トランス−トレオ−1−(オクタヒドロ−2H−キノリジン−4−イル)−1−(ピリジン−3−イル)メタンアミド0.57g(2.32mmol)および2−クロロ−3−トリフルオロメチル安息香酸クロライド0.62g(2.55mmol)から出発して、トランス−トレオ異性体に相当する化合物0.21gが得られる。
【0068】
この生成物は、続いてプロパン−2−オール中0.1N塩酸溶液から塩酸塩に転化される。
【0069】
最終的に、トランス−トレオ異性体0.042gが白色固体の形態で単離される。
融点:236−238℃。
H NMR(200MHz,CDCl):1.3−2.4(m,12H)、2.6−2.9(m,1H)、3.2(t,1H)、3.65−3.90(m,2H)、5.75(t,1H)、7.3−7.55(m,2H)、7.8(t,2H)、8.05(d,1H)、8.65(d,1H)、8.8(s,1H)、9.1(d,1H,NH)。
【実施例7】
【0070】
(化合物番号10および12)
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−3−イル)(チエン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1および
シス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−3−イル)(チエン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
7.1.トランス−トレオ/シス−エリスロ−1−(オクタヒドロ−2H−キノリジン−4−イル)−1−(チエン−3−イル)メタンアミン。
【0071】
実施例5.1において記載された手順によって、3−ブロモチオフェン1.1g(6.9mmol)およびオクタヒドロインドリジン−5−カルボニトリルのトランス/シスキラル混合物0.41g(2.76mmol)から出発して、生成物0.51gが茶色オイルの形態で得られ、このオイルはそのままで次の段階において使用される。
【0072】
7.2.トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−3−イル)(チエン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1およびシス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−3−イル)(チエン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩 1:1。
【0073】
実施例5.2において記載された手順によって、トランス−トレオ/シス−エリスロ−1−(オクタヒドロ−2H−キノリジン−4−イル)−1−(チエン−3−イル)メタンアミン0.51g(2.15mmol)および2−クロロ−3−トリフルオロメチル安息香酸クロライド0.57g(2.37mmol)から出発して、トランス−トレオ異性体に相当する化合物0.25gおよびシス−エリスロ異性体に相当する化合物0.14gが得られる。
【0074】
これらの生成物は、続いてプロパン−2−オール中0.1N塩酸溶液から塩酸塩に転化される。
【0075】
最終的に、トランス−トレオ異性体0.22gが白色固体の形態で単離される(RSS立体化学)
融点:159−161℃。
[α]=−55.2°(c=1.01、MeOH)
H NMR(200MHz,CDCl):1.1−2.2(m,10H)、2.85(t,1H)、3.0−3.2(m,2H)、3.55−3.70(m,1H)、5.4(t,1H)、7.1(d,1H)、7.2−7.35(m,2H)、7.5(t,1H)、7.8(t,2H)
およびシス−エリスロ異性体0.16gが白色固体の形態で単離される(RSS立体化学)。
融点:170−172℃。
[α]=+46.8°(c=1.02、MeOH)
H NMR(200MHz,CDCl):1.1−1.9(m,10H)、2.0−2.2(m,2H)、2.75−2.9(m,1H)、3.25(d,1H)、5.4(t,1H)、7.1(d,1H)、7.2(s,1H)、7.35(d,1H)、7.5(t,1H)、7.8(t,2H)。
【0076】
本化合物の立体化学を以下の頁に図解する。
【0077】
本発明のいくつかの化合物の化学構造および物理的性質を以下の表に例示する。
【0078】
「Ar」欄において、Cはフェニル基を表し、z−X−Cはz位においてXによって置換されたフェニル基を表し、CN−3はピリジン−3−イル基を表し、CS−3はチエン−3−イル基を表す。
【0079】
「塩」欄において、「−」は塩基状態にある化合物を表し、「HCl」は塩酸塩を表す。
【0080】
「融点(℃)」欄において、(d)は分解を伴う融点を表す。
【0081】
「立体化学(St.)」欄において、t−tはトランス−トレオ立体配置を表し、t−eはトランス−エリスロ立体配置を表し、c−eはシス−エリスロ立体配置を表し、rac.はラセミ化合物を表す。
【0082】
【化4】

【0083】
【表1】


【0084】
本発明の化合物は、一連の薬理学的試験にかけられ、この薬理学的試験は治療活性を有する物質としてのこれらの効果を実証した。
【0085】
未変性ヒト輸送体GlyT1を発現するSK−N−MC細胞におけるグリシン輸送の研究
14C]グリシンの取り込みは、未変性ヒト輸送体GlyT1を発現するSK−N−MC細胞(ヒト神経上皮細胞)において、試験化合物の存在または不在下において組み込まれる放射能を測定することによって調べられる。細胞は、単層として0.02%のフィブロネクチンを用いて前処理されたプレート中において48時間培養する。実験当日に、培地を除去し、細胞をpH7.4のKrebs−HEPES(4(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸)緩衝液を用いて洗浄する。37℃において緩衝液の(対照バッチ)または様々な濃度における試験化合物またはグリシン10mMの(非特異的取り込みの決定)存在下における10分間のプレインキュベーションの後、続いて[14C]グリシン10μM(比放射能112mCi/mmol)を加える。インキュベーションを37℃において10分間続けてからpH7.4のKrebs−HEPES緩衝液を用いて2回洗浄することによって反応を停止させる。次いで細胞によって組み込まれた放射能を、液体シンチラント100μlを加えて1時間撹拌した後で測定する。計数はMicrobeta Tri−Lux(商標)カウンターによって行う。化合物の有効性はIC50(対照バッチおよびグリシン10mMを受けたバッチによって組み込まれた放射能の差によって定義されるグリシンの特異的取り込みを50%低減する化合物の濃度)によって判定する。
【0086】
本発明の化合物は、この試験において、0.001−0.20μM程度のIC50を有する。
【0087】
【表2】

【0088】
これらの結果によって示される通り、本発明の化合物は、グリシン輸送体GlyT1の阻害剤としての特異的活性を示す。
【0089】
したがって、本発明による化合物は、薬剤、特にGlyT1グリシン輸送体の阻害剤である薬剤の調製において使用することができる。
【0090】
これらの結果は、本発明の化合物が、認知症、精神病、特に統合失調症(欠損型および生産型)に関連する行動障害および神経遮断薬によって誘導される急性または慢性の錐体外路系症状の治療のために、様々な形態の不安神経症、パニック発作、恐怖症、強迫神経障害、心因性うつ病を含む様々な形態のうつ病の治療のために、アルコール依存症またはアルコール離脱による障害、性行動障害、摂食障害の治療のために、偏頭痛の治療のためにまたは原発性全身性てんかん、続発性てんかん、単純または複雑な症候を有する部分てんかん、混合形態および他のてんかん症候群の治療において、他の抗てんかん治療の補完においてまたは単独療法において使用することができることを示唆している。
【0091】
それ故、本発明のもう1つの主題は、本発明による少なくとも1つの化合物の有効な投与量を、塩基または薬剤として許容される塩もしくは溶媒和物の形態で、必要に応じて、適当な賦形剤との混合物として含む薬剤組成物である。
【0092】
前記賦形剤は、薬剤の形態および所望される投与の方法によって選択される。
【0093】
したがって、本発明による薬剤組成物は、経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所的、気管内、鼻腔内、経皮的、直腸、または眼内投与を意図することができる。
【0094】
単位投与形態は、例えば、錠剤、ゼラチン、カプセル、顆粒、粉末、経口服用または注射される溶液または懸濁液、経皮パッチまたは座薬であり得る。局所的投与用としては軟膏、ローションおよび洗眼液を構想することができる。
【0095】
前記単位形態は、薬剤の剤形に照らして1日に体重1kg当り有効成分0.01−20mgの投与を可能にするように投与される。
【0096】
錠剤を調製するために、例えばラクトース、微結晶セルロースまたはデンプンなどの希釈剤および結合剤(ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、シリカなどの流動剤、またはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリルトリベヘネートまたはフマル酸ステアリルナトリウムなどの潤滑剤のような製剤補助剤から構成することができる薬学的ビヒクルが、微粒化されたまたは微粒化されていない有効成分に加えられる。湿潤剤または界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムなども加えられ得る。
【0097】
調製技法は、直接錠剤化、乾式顆粒化、湿式顆粒化またはホットメルトであり得る。
【0098】
錠剤は、裸の、糖衣の、例えばスクロースを用いた、または様々なポリマーまたは適切な材料でコートされたものであり得る。これらは、コーティングにおいて使用するポリマーマトリックスまたは特定のポリマーによって急速、遅延または持続性の有効成分の放出を可能にするように設計することができる。
【0099】
ゼラチンカプセルを調製するために、有効成分は乾燥した薬学的ビヒクルと(単純な混合、乾式または湿式顆粒化、またはホットメルト)または液体または半固形の薬学的ビヒクルと混合される。
【0100】
ゼラチンカプセルは、急速活性、持続性活性または遅延された活性(例えば、腸溶性形態のために)を有するようにハードであってもソフトであってもよくまたは薄いフィルムを用いてコートされていてもコートされていなくてもよい。
【0101】
シロップまたはエリキシルの形態またはドロップの形態における投与のための形態の組成物は、有効成分を甘味料、好ましくはノンカロリーの甘味料、防腐剤としてのメチルパラベンまたはプロピルパラベン、香味増強剤および着色料と共に含むことができる。
【0102】
水分散性の粉末および顆粒は、有効成分を、甘味料および香味修正剤と同様に分散化剤または湿潤剤、またはポリビニルピロリドンなどの分散化剤との混合物として含むことができる。
【0103】
腸投与のために腸の温度において溶融する結合剤、例えばココアバターまたはポリエチレングリコールを用いて調製された座薬が使用できる。
【0104】
非経口投与のために、水性懸濁液、等張食塩水または薬剤として適合性の分散化剤および/または湿潤剤、例えばプロピレングリコールまたはブチレングリコールを含む注射可能な無菌溶液が使用される。
【0105】
有効成分は、マイクロカプセルの形態において、場合によって1つ以上のビヒクルもしくは添加物その他と共に、またはポリマーマトリックスもしくはシクロデキストリン(経皮パッチまたは持続放出形態)と共に、製剤されることもできる。
【0106】
本発明による局所用組成物は、皮膚に対して適合性の媒体を含む。これらは、特に水性、アルコール性もしくは水性/アルコール性溶液、ゲル、クリームまたはゲルの外観を有する油中水もしくは水中油エマルジョンの、またはマイクロエマルジョンもしくはエアロゾルの形態でまたはイオン性および/または非イオン性の脂質を含む小胞分散体の形態で提供することができる。これらの剤形は、当該分野において慣習的な方法によって調製される。
【0107】
最後に、本発明による薬剤組成物は、一般式(I)の化合物に加えて、上記で示した障害または疾患の治療において有用であり得る他の有効成分を含むことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化5】

[式中、
mおよびnそれぞれは、互いに独立に、数1または2を表し、
Arは、フェニル、ナフタ−1−イル、ナフタ−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、チアゾール−2−イル、およびオキサゾール−2−イル基から選択される基を表し、このAr基については、ハロゲン原子、および(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルオキシ、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルオキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)シクロアルキルチオ、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルチオ、モノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルおよびモノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルオキシ基から選択される1つ以上の置換基により任意に置換されることが可能であり、
Rは、水素原子または、ハロゲン原子およびモノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルおよびモノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルオキシ、直鎖(C−C)アルキル、分枝鎖または環状(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルオキシ、(C−C)シルロアルキル(C−C)アルキルオキシ、(C−C)アルキルチオ、シアノ、アミノ、フェニル、アセチル、ベンゾイル、(C−C)アルキルスルホニル、カルボキシル、(C−C)アルコキシカルボニルおよびペンタフルオロスルファニル基から選択される、互いに同一または異なる1つ以上の置換基を表す。]
に相当する純粋な鏡像異性体またはエリスロもしくはトレオジアステレオ異性体またはかかる異性体の混合物の形態であり、塩基、酸との付加塩および/または溶媒和物または水和物の形態である化合物。
【請求項2】
Arが、フェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル基から選択される基を表し、このAr基については、ハロゲン原子、および(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルオキシ、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルオキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)シクロアルキルチオ、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルチオ、モノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルおよびモノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルオキシ基から選択される、互いに同一または異なる1つ以上の置換基により任意に置換されることが可能である
ことを特徴とし、塩基、酸との付加塩および/または溶媒和物または水和物の形態である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Arが、フェニル、ピリジン−3−イルおよびチエン−3−イル基から選択される基を表し、このAr基については、ハロゲン原子から選択される、互いに同一または異なる1つ以上の置換基により任意に置換されることが可能である
ことを特徴とし、塩基、酸との付加塩および/または溶媒和物または水和物の形態である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
Rが、水素原子または、ハロゲン原子およびモノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキル、モノ−またはポリフルオロ(C−C)アルキルオキシ、直鎖(C−C)アルキルおよびペンタフルオロスルファニル基から選択される、互いに同一または異なる1つ以上の置換基を表す
ことを特徴とし、塩基、酸との付加塩および/または溶媒和物または水和物の形態である、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
mおよびnが、それぞれ互いに独立に、数1または2を表し、
Arが、フェニル、ピリジン−3−イルおよびチエン−3−イル基から選択される基を表し、このAr基については、1つ以上のハロゲン原子により任意に置換されることが可能であり、
Rが、水素原子または、塩素およびメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシおよびペンタフルオロスルファニル基から選択される、互いに同一または異なる1つ以上の置換基を表す
ことを特徴とし、塩基、酸との付加塩および/または溶媒和物または水和物の形態である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
以下の化合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−5−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−5−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−トレオ−2,6−ジクロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−5−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−エリスロ−2,6−ジクロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−5−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−3−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
2−クロロ−N−[(S)−(3S,8aR)−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−トレオ−2−メチル−N−[(オクタヒドロインドリジン−3−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
シス−エリスロ−2−メチル−N−[(オクタヒドロインドリジン−3−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
2−クロロ−N−[(S)−(3S,8aR)−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
2−クロロ−N−[(S)−(3S,8aR)−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)(チオフェン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
シス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロインドリジン−3−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
2−クロロ−N−[(S)−(3R,8aR)−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)(チオフェン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
2−クロロ−N−[(S)−(3R,8aR)−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−トレオ−2−クロロ−N[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−5−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−トレオ−2,6−ジクロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−エリスロ−2,6−ジクロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−エリスロ−2−メチル−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−トレオ−2,6−ジクロロ−N−[(4−フルオロフェニル)(オクタヒドロキノリジン−4−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)(ピリジン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−5−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−トレオ−2−メチル−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−エリスロ−2−クロロ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)(チオフェン−3−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−トレオ−2−クロロ−3−メチル−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]ベンズアミド塩酸塩、
トランス−トレオ−2−クロロ−N−[(4−フルオロフェニル)(オクタヒドロキノリジン−4−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−エリスロ−2−クロロ−N−[(4−フルオロフェニル)(オクタヒドロキノリジン−4−イル)メチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド塩酸塩、
トランス−トレオ−2−クロロ−3−メトキシ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]ベンズアミド塩酸塩、
トランス−トレオ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメトキシベンズアミド塩酸塩、
トランス−トレオ−N−[(オクタヒドロキノリジン−4−イル)フェニルメチル]−3−(ペンタフルオロスルファニル)−ベンズアミド塩酸塩、
2−クロロ−N−[(ヘキサヒドロピロリジン−3−イル)フェニルメチル]ベンズアミド塩酸塩。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物の調製方法であり、mおよびnが請求項1において定義された通りである一般式(II)のニトリルを、
【化6】

Arが上記で定義された通りである一般式Ar−Liのリチオ化された誘導体と、エーテル溶媒中、−90℃および−30℃の間において反応させて一般式(IV)の中間体イミンを得て、
【化7】

これを還元剤によって、プロトン性溶媒中、0℃および周囲温度の間において、一般式(V)の第一級アミン
【化8】

に還元し、次いで一般式(V)のジアミンと、Yが活性化されたOH基または塩素原子を表し、Rが請求項1において定義された通りである一般式(VI)
【化9】

の活性された酸または酸クロリドとの間においてアミドカップリングを行うことを特徴とする、方法。
【請求項8】
m、nおよびArが請求項1から5のいずれか一項において定義された通りであることを特徴とする、一般式(V)
【化10】

の化合物。
【請求項9】
次の化合物から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の化合物
トランス−トレオ/エリスロ−1−(オクタヒドロインドリジン−5−イル)−1−フェニルメタンアミン;
トランス−トレオ−1−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)−1−フェニルメタンアミン;
シス−エリスロ−1−(オクタヒドロインドリジン−3−イル)−1−フェニルメタンアミン;
トランス−トレオ/エリスロ−1−(オクタヒドロ−2H−キノリジン−4−イル)−1−フェニルメタンアミン;
トランス−トレオ/エリスロ−1−(オクタヒドロ−2H−キノリジン−4−イル)−1−(4−フルオロフェニル)メタンアミン;
トランス−トレオ−1−(オクタヒドロ−2H−キノリジン−4−イル)−1−(ピリジン−3−イル)メタンアミン;
トランス−トレオ/シス−エリスロ−1−(オクタヒドロ−2H−キノリジン−4−イル)−1−(チエン−3−イル)メタンアミン。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物を賦形剤と組み合わせて含むことを特徴とする薬剤組成物。
【請求項11】
GlyT1グリシン輸送体の阻害剤である薬剤の調製における、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項12】
認知症、精神病、特に統合失調症(欠損型および生産型)に関連する行動障害、および神経遮断薬によって誘導される急性または慢性の錐体外路系症状の治療のための、様々な形態の不安神経症、パニック発作、恐怖症、強迫神経障害の治療のための、心因性うつ病を含む様々な形態のうつ病の治療のための、アルコール依存症またはアルコール離脱による障害、性行動障害、摂食障害の治療のための、偏頭痛の治療のための、または原発性全身性てんかん、続発性てんかん、単純または複雑な症候を有する部分てんかん、混合形態および他のてんかん症候群の治療のための、他の抗てんかん治療の補完におけるまたは単独療法における薬剤の調製における、請求項1に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2010−504311(P2010−504311A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528756(P2009−528756)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【国際出願番号】PCT/FR2007/001545
【国際公開番号】WO2008/037881
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】