説明

ピロール−オキシインドール誘導体を含むプロゲステロン受容体モジュレータ及びその使用

本発明は、プロゲステロン受容体拮抗薬として有用なピロール-オキシインドール誘導体、その誘導体を製造する方法を提供する。かかる誘導体を含む医薬組成物についても記載されており、かかる組成物を避妊及びホルモンに関連する状態に使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロール−オキシインドール誘導体を含むプロゲステロン受容体モジュレータ及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
プロゲステロン受容体(PR)作用薬及び拮抗薬は、PRモジュレータと称されることもあり、避妊及び種々の他の適応症で用いる場合について記載されてきた。
【0003】
米国特許第6,562,857号公報には、PR作用薬である化合物について記載されている。その属(genus)は、下式:
【化14】

[但し、TがO又は存在せず;
1及びR2がそれぞれ独立して、水素、アルキル又は置換アルキルを表すか;或いは
1及びR2が一緒に結合して、環を形成し且つ−CH2(CH2nCH2−を含み;
nが1〜5までを表し;
3が水素を表し;
4が水素又はハロゲンを表し;
5が水素又はアルキルを表し;
6が水素又はアルキルを表す。]
で表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩により特徴付けられている。
【0004】
必要とされているのは、プロゲスチン作用薬又はエストロゲン作用薬を必要としない避妊薬として有用な新規のPRモジュレータである。
【発明の開示】
【0005】
一つの態様において、本発明は、PRモジュレータを提供する。
【0006】
別の態様において、本発明は、式I:
【化15】

[但し、R1〜R9は下記において定義する。]
で表される化合物を提供する。
【0007】
別の態様において、本発明は、本発明の化合物の製造方法を提供する。
【0008】
さらなる態様において、本発明は、本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0009】
更に別の態様において、本発明は、ホルモン補充療法、発情期の同調、並びに避妊治療、ホルモン性腫瘍疾患、月経困難症、不正子宮出血、月経前症候群及び月経前不快気分障害の症状、周期に関連する症状の治療、及び無月経の誘発における本発明の化合物の使用を提供する。
【0010】
さらなる態様において、本発明は、本発明の化合物を含むキットを提供する。
【0011】
本発明の他の態様及び利点については、以下、その好ましい実施形態についての詳細な説明に記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明により調製される化合物は、プロゲステロン受容体(PR)拮抗薬であり、種々の用途で効用を有している。避妊に利用される場合、PR拮抗薬は、共投与(co-administration)することなく、すなわちプロゲスチン作用薬又はエストロゲン作用薬の不存在下で、処方計画において投与されても良い。従って、本発明は、プロゲスチン作用薬又はエストロゲン作用薬の副作用のない処方計画を提供する。或いは、PR拮抗薬は、プロゲスチン作用薬又はエストロゲン作用薬等の薬剤の共投与と共に処方計画において投与されても良い。
【0013】
本発明は、式I:
【化16】

[但し、R1が水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、置換C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル又は置換C3〜C6アルキニルを表し;
2及びR3がそれぞれ独立して、水素、アルキル又は置換アルキルから選択され;或いは
2及びR3が一緒に結合して、環を形成し且つ−CH2−(CH2n−CH2−を含み、且つnが0(すなわち、化学結合)、1、2又は3を表し;
4が水素又はハロゲンを表し;
5が水素を表し;
6が水素又はハロゲンを表し;
7が水素、アルキル、置換アルキル又はハロゲンを表し;
8が水素を表し;
9が水素、アルキル、置換アルキル又はCOORAを表し;及び
Aがアルキル又は置換アルキルを表す。]
で表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩、そのプロドラッグ又はその互変異性体を提供する。
【0014】
更に本発明は、式I:
【化17】

[但し、R1が水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、C3〜C6アルケニル又はC3〜C6アルキニルを表し;
2及びR3がそれぞれ独立して、水素、アルキル又は置換アルキルから選択され;或いは
2及びR3が一緒に結合して、環を形成し且つ−CH2−(CH2n−CH2−を含み、且つnが0(すなわち、化学結合)、1、2又は3を表し;
4が水素又はハロゲンを表し;
5が水素を表し;
6が水素又はハロゲンを表し;
7が水素、アルキル又はハロゲンを表し;
8が水素を表し;
9が水素、アルキル、置換アルキル又はCOORAを表し;及び
Aがアルキル又は置換アルキルを表す。]
で表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩、そのプロドラッグ又はその互変異性体を提供する。
【0015】
一実施形態において、R1は水素又はアルキルを表し、R2及びR3は一緒に結合して、環を形成し且つ−CH2−(CH2n−CH2−を含み、且つnは1又は2を表す。別の実施形態において、R2又はR3或いは両方がC1〜C6アルキルを表す。例えば、R2又はR3或いは両方がエチルであっても良い。別の例示において、R2又はR3或いは両方がメチルを表す。別の実施形態において、R9は置換又は無置換のC1〜C6アルキルを表す。例えば、R9がメチル又はエチルであっても良い。他の例示において、R9はフェニルで置換されたC1〜C2である。更に別の実施形態において、R9はCOORAを表す。一例として、RAはtert−ブチルである。
【0016】
構造がハロゲンを含む場合、ハロゲンはFであるのが好ましい。しかしながら、他のハロゲン、例えばCl、I又はBrを選択しても良い。一例として、R6はFを表す。別の実施形態において、R4はFを表す。
【0017】
1及び/又はR9が置換アルキルを表す場合、アルキルは、ハロゲン、ニトリル又はベンゼン環で置換されているのが好ましい。一例として、R1は、シクロアルキルを表す場合、C3〜C6シクロアルキルである。
【0018】
少なくとも1個のR4及びR6はハロゲンを表すのが好ましく、フッ素を表すのが更に好ましい。R6はハロゲンを表すのが好ましく、フッ素を表すのが更に好ましい。R1は水素、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、又はC3〜C6アルケニルを表すのが好ましく、水素、C1〜C4アルキル、アリル、又はシクロペンチルを表すのが更に好ましく、水素又はアリルを表すのがなおいっそう好ましく、水素を表すのが最も好ましい。R2及びR3は、水素及びC1〜C6アルキルから独立して選択されるのが好ましく、水素及びC1〜C4アルキルから独立して選択されるのが更に好ましく、水素、メチル及びエチルから独立して選択されるのが最も好ましい。或いは、R2及びR3は、−CH2−(CH2n−CH2−を表すが、その際、nが0、1又は2を表すのが好ましく、1又は2を表すのが更に好ましい。R7は、水素、ハロゲン又はC1〜C6アルキルを表すのが好ましく、水素又はC1〜C4アルキルを表すのが更に好ましく、水素を表すのが最も好ましい。R9は、C1〜C6アルキルを表すのが好ましく、C1〜C4アルキルを表すのが更に好ましく、メチルを表すのが最も好ましい。
【0019】
本発明により利用される化合物は、1個以上の非対称中心を含むことが可能であるので、光学異性体及びジアステレオマーを生じさせることが可能である。化合物は、原子の空間的配置を考慮せずに示されるが、光学異性体及びジアステレオマー;ラセミ化合物で且つ分解された鏡像異性的に純粋なR及びS立体異性体;R及びS立体異性体の他の混合物;並びにその医薬的に許容可能な塩を含んでいても良い。
【0020】
本明細書において“アルキル”なる用語は、直鎖及び分岐鎖の両方の、炭素原子数約1〜約8個、好ましくは炭素原子数約1〜約6個(すなわち、C1、C2、C3、C4、C5又はC6)の飽和脂肪族炭化水素基を指すために用いられる。
【0021】
本明細書において“アルケニル”なる用語は、直鎖及び分岐鎖の両方の、1個以上の炭素−炭素二重結合を有し且つ炭素原子数約3〜約8個のアルキル基を指すために用いられる。好ましくは、アルケニルなる用語は、1又は2個の炭素−炭素二重結合を有し且つ炭素原子数3〜約6個のアルキル基を指す。
【0022】
本明細書において“アルキニル”基なる用語は、直鎖及び分岐鎖の両方の、1個以上の炭素−炭素三重結合を有し且つ炭素原子数3〜約8個のアルキル基を指すために用いられる。好ましくは、アルキニルなる用語は、1又は2個の炭素−炭素三重結合を有し且つ炭素原子数3〜約6個のアルキル基を指す。
【0023】
“置換アルキル”、“置換アルケニル”及び“置換アルキニル”なる用語は、ハロゲン、CN、OH、NO2、アミノ、アリール、複素環式基、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アミノ、及びアリールチオ(これらの基は、任意に置換されていても良い。)を含むが、これらに限定されない1個以上の置換基を有するアルキル、アルケニル及びアルキニル基をそれぞれ指す。
【0024】
本明細書で用いられる“アシル”なる用語は、カルボニル置換基、すなわちC(O)(R)基[但し、Rは直鎖及び分岐鎖の飽和炭化水素基であり、非限定例として、アルキル、アルケニル、及びアルキニル基が挙げられる。]を指す。R基は、1〜約8個の炭素原子を有するのが好ましく、1〜約6個の炭素原子を有するのがより好ましい。“置換アシル”なる用語は、ハロゲン、CN、OH及びNO2を含む1個以上の基で置換されたアシル基を指す。
【0025】
本明細書で用いられる“アリール”なる用語は、単一の環或いは一緒に縮合又は結合した複数の芳香族環(この場合、縮合又は結合した環の少なくとも一部は、共役芳香族系を形成する。)を含んでいても良い芳香族系を指す。アリール基は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、テトラヒドロナフチル、フェナントリル、インデン、ベンゾナフチル、フルオレニル及びカルバゾリルを含むが、これらに限定されない。
【0026】
“置換アリール”なる用語は、ハロゲン、CN、OH、NO2、アミノ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アルキルアミノ、及びアリールチオ(これらの基は、任意に置換されていても良い。)を含む、1個以上の置換基で置換されたアリール基を指す。置換アリール基は、1〜約4個の置換基で置換されているのが好ましい。
【0027】
本明細書で用いられる“複素環式”なる用語は、安定な4〜7員の単環又は多環式の複素環であって、飽和、部分不飽和又は完全に不飽和である複素環を指す。複素環は、その骨格内に、炭素原子、並びに窒素、酸素及び硫黄原子を含む1個以上のヘテロ原子を有している。複素環は、環の骨格に約1〜約4個のヘテロ原子を有しているのが好ましい。複素環が環の骨格に窒素又は硫黄原子を含む場合、窒素又は硫黄原子は酸化されても良い。更に、“複素環式”なる用語は、複素環がアリール環に縮合した多環式の環を指す。複素環は、得られる複素環構造が化学的に安定となるようにヘテロ原子又は炭素原子によってアリール環に結合させることが可能である。
【0028】
種々の複素環式基が当該分野で知られており、非限定例として、酸素含有環、窒素含有環、硫黄含有環、混合ヘテロ原子含有環、縮合ヘテロ原子含有環、及びこれらの組み合わせが挙げられる。酸素含有環としては、フリル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、ピロニル及びジオキシニル環が挙げられるが、これらに限定されない。窒素含有環としては、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピペリジニル、2−オキソピペリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、アゼピニル、トリアジニル、ピロリジニル、及びアゼピニル環が挙げられるが、これらに限定されない。硫黄含有環としては、チエニル及びジチオリル環が挙げられるが、これらに限定されない。混合ヘテロ原子含有環としては、オキサチオリル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、ジオキサゾリル、オキサチアゾリル、オキサチオリル、オキサジニル、オキサチアジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、オキセピニル、チエピニル、及びジアゼピニル環が挙げられるが、これらに限定されない。縮合ヘテロ原子含有環としては、ベンゾフラニル、チオナフテン、インドリル、ベンアザゾリル、プリンジニル、ピラノピロリル、イソインダゾリル、インドオキサジニル(indoxazinyl)、ベンゾオキサゾリル、アントラニリル(anthranilyl)、ベンゾピラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾジアゾニル、ナフチルリジニル、ベンゾチエニル、ピリドピリジニル、ベンゾオキサジニル、キサンテニル、アクリジニル及びプリニル環が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書で用いられる“置換複素環式”なる用語は、ハロゲン、CN、OH、NO2、アミノ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アルキルアミノ、及びアリールチオ(これらの基は、任意に置換されていても良い。)を含む1個以上の置換基を有する複素環式基を指す。置換複素環式基は、1〜4個の置換基を有するのが好ましい。
【0030】
本明細書で用いられる“アリールチオ”なる用語は、結合点が硫黄原子であり且つアリール基が任意に置換されていても良いS(アリール)基を指す。本明細書で用いられる“アルコキシ”なる用語は、結合点が酸素原子であり、且つアルキル基が任意に置換されているO(アルキル)基を指す。本明細書で用いられる“アリールオキシ”なる用語は、結合点が酸素原子であり、且つアリール基が任意に置換されているO(アリール)基を指す。
【0031】
本明細書で用いられる“アルキルカルボニル”なる用語は、結合点がカルボニル部分の炭素原子であり、且つアルキル基が任意に置換されているC(O)(アルキル)基を指す。
【0032】
本明細書で用いられる“アルキルカルボキシ”なる用語は、結合点がカルボキシ部分の炭素原子であり、且つアルキル基が任意に置換されているC(O)O(アルキル)基を指す。
【0033】
本明細書で用いられる“アミノアルキル”なる用語は、結合点が窒素原子であり、且つアルキル基が任意に置換されている第2級及び第3級アミンの両方を指す。アルキル基は、同一でも又は異なっていても良い。
【0034】
本明細書で用いられる“ハロゲン”なる用語は、Cl、Br、F又はI基を指す。
【0035】
本発明の化合物は、図示した構造が有する生理活性により特徴付けられる、本明細書で提供される構造の互変異性型を包含する。更に、本発明の化合物は、医薬的に又は生理学的に許容可能な酸、塩基、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から誘導された塩の形で使用可能である。
【0036】
医薬的に許容可能な塩は、有機及び無機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、フタル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、及び類似の公知の許容可能な酸から形成されても良い。塩は、無機塩基、好ましくはアルカリ金属塩、例えばナトリウム、リチウム又はカリウム、有機塩基、例えばアンモニウム、モノ−、ジ−及びトリメチルアンモニウム、モノ−、ジ−及びトリエチルアンモニウム、モノ−、ジ−及びトリプロピルアンモニウム(イソ及びノルマル)、エチルジメチルアンモニウム、ベンジルジメチルアンモニウム、シクロヘキシルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、ジベンジルアンモニウム、ピペリジニウム、モルホリニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、1−メチルピペリジニウム、4−エチルモルホリニウム、1−イソプロピルピロリジニウム、1,4−ジメチルピペラジニウム、1−n−ブチルピペリジニウム、2−メチルピペリジニウム、1−エチル−2−メチルピペリジニウム、モノ−、ジ−及びトリエタノールアンモニウム、エチルジエタノールアンモニウム、n−ブチルモノエタノールアンモニウム、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアンモニウム、フェニルモノエタノールアンモニウム等から形成されても良い。
【0037】
生理学的に許容可能なアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩としては、エステルの形態のナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウム塩、並びにカルバメートが挙げられるが、これに限定されない。他の一般的な“プロドラッグ”の形態を利用しても良く、この形態で送達された場合、生体内で活性部位に転化する。
【0038】
これらの塩、並びに本発明の他の化合物は、エステル、カルバメート及び他の一般的な“プロドラッグ”の形態であっても良く、この形態で投与された場合、生体内で活性部位に転化する。一実施形態において、プロドラッグはエステルである。例えば、B. Testa and J. Caldwell, "Prodrugs Revisited: The "Ad Hoc" Approach as a Complement to Ligand Design", Medicinal Research Reviews, 16(3): 233-241, ed., John Wiley & Sons (1996)を参照。
【0039】
本明細書で記載したように、式Iで表される化合物及び/又はその塩、プロドラッグ又は互変異性体は、本明細書に記載されるように、避妊、治療又は予防目的で処方計画において送達される。
【0040】
本明細書で検討する化合物は、細胞又は患者により本発明の化合物を加工処理することによって形成される特有の生成物である“代謝物質”も包含する。代謝物質は、生体内で形成されるのが好ましい。
【0041】
本発明の化合物は、市販の出発材料、又は文献に記載の方法を用いて調製可能な出発材料から以下のスキームに従って当業者により容易に調製される。これらのスキームは、本発明の代表的な化合物の調製について示している。これらの方法の変法、又は当該分野で公知の他の方法を、本明細書に示された情報に基づき当業者は容易に利用可能である。
【化18】

【0042】
スキーム1によれば、適切に置換されたオキシインドール(1)を、好適な塩基(通常、2モル等量以上)及びアルキル化剤で処理して、3,3−置換オキシインドール(2)を得る。好適な塩基の範囲には、アルキルリチウム塩基、カリウム第3級ブトキシド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド及び類似の塩基が含まれる。塩基を添加剤と共に用いても良い。一般に、本発明の化合物は、塩化リチウムの存在下、無水THF中において、塩基としてのn−ブチルリチウムを使用して調製される。アルキル化剤は、通常、ハロゲン化アルキル(例えば、臭化物又はヨウ化物)並びにトリフレート、トシレート又はメシレートである。1等量のアルキル化剤を使用する場合、これにより得られるオキシインドールは、モノ置換される。2等量を使用する場合、オキシインドールは、二置換される。アルキル化剤が二官能性である場合(例えば、アルキル鎖の両端におけるハロゲン化物又は他の脱離基)、スピロ環を形成する。
【0043】
その後、3,3−置換オキシインドール(2)を臭素化して、臭素化合物(3)を得る。臭素化は、酢酸ナトリウム等の添加剤と緩衝され得る溶剤、例えば塩化メチレン又は酢酸中において臭素を用いて行われるのが一般的である。臭素化は、臭化物毎にN−ブロモスクシンイミド又はピリジニウムブロミドを用いて達成されても良い。その後、臭素化合物(3)を、パラジウム触媒及び適切なカップリングパートナーの作用下に化合物(4)に転化する。カップリングパートナーは、ピロール(5)並びにリチウムジイソプロピルアミド及びトリアルキルボレートからその場で形成されても良く、或いはボロン酸(6)から調製されても良い。パラジウム源は、通常、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)か、又は他の好適な供給源、例えば、トリブチルホスフィンの存在下におけるパラジウムジベンジリデンアセトンである(Fu, G. C. et al. Journal of the American Chemical Society, 2000, 122, 4020, 他の触媒システムの場合には、Hartwig, J. F. et al. Journal of Organic Chemistry, 2002, 67, 5553を参照。)。塩基は、反応で必要とされることもあり、炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム、リン酸カリウム又は第3級アミン塩基、例えばトリエチルアミンを選択するのが一般的であるが、他の塩基も利用可能である。溶剤として、特に、THF、ジメトキシエタン、ジオキサン、エタノール、水及びトルエンを選択する。カップリングパートナー及び試薬の反応性に応じて、反応は、溶剤の沸点以下で行われても良く、又は必要により、反応をマイクロ波照射下で実際に促進させても良い。
【0044】
1が置換アルキル基を表す場合、化合物(4)(但し、R1はHを表す。)を、THF又はDMF等の溶剤中、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド又は炭酸セシウム)で処理し、次に、適切なアルキル化剤で処理する。アルキル化剤は、アルキルハライド又はアルキルスルホネート(例えば、トシレート、メシレート又はトリフレート)であるのが一般的である。
【化19】

【0045】
他の方法を用いて、R9が水素の化合物(4)を調製しても良い。この方法では、臭化物(3)と、上述の条件下に式(7)で表されるピロールボロン酸とのカップリングを必要とする。その後、化合物(8)をニトリル(9)に転化し得る。他の方法も利用可能であるが、上記の方法は、クロロスルホニルイソシアネートを作用させ、その後にDMFで処理することによって最も都合良く達成される。その後、t−ブチルカルボネート保護基を除去して、R9が水素の生成物(4)を得る。スキーム2を参照。
【0046】
オキシインドール(1)が市販されていない場合、スキーム3に従って調製しても良い。例えば、酢酸中における過ホウ酸ナトリウム等の酸化剤の作用下、2,6−ジフルオロアニリン(10)を酸化して化合物(11)を得る。その後、塩基(水素化ナトリウム又は炭酸アルキル)の存在下、好適な溶剤、通常はDMF中において、ジアルキル(通常はジメチル又はジエチル)マロネートを添加することによって、化合物(11)を化合物(12)に転化する。その後、化合物(12)を加水分解し、そして、液体の強酸(塩酸)で処理することによって、脱カルボキシル化(de-carboxylate)して、化合物(13)を得る。次に、化合物(13)を還元する(水素ガス及び遷移金属触媒、例えばパラジウム炭素(palladium on carbon)或いは金属還元剤、例えばスズ、亜鉛又は鉄を塩酸又は酢酸に溶解させることによって)。回収した生成物がオキシインドール(14)である。条件が穏やかである場合、中間体のカルボン酸(15)を分離する場合がある。この場合、環は、煮沸エタノール中でのパラトルエンスルホン酸との処理条件下に閉鎖されていても良い。
【0047】
或いは、化合物(1)〜(3)は、米国特許仮出願番号第60/676,149号及び60/676,381号の明細書に記載の経路に従って調製可能であり、これらの明細書は、その全体を参照することによって本明細書に取り込まれる。
【0048】
このような手順は、正確に置換された出発材料(10)をもたらす他の置換形式の場合にも有効である。
【化20】

【0049】
一実施形態において、本発明の方法は、(a)任意に置換されたオキシインドールをアルキル化し;(b)工程(a)の生成物を臭素化し;そして(c)工程(b)の生成物を2−シアノピロールとカップリングすることによって作成(prepare)される。任意に置換されたオキシインドールは、以下の構造:
【化21】

[但し、R4〜R6は上述した通りである。]
で表される。
【0050】
工程(a)の生成物は、以下の構造:
【化22】

[但し、R2〜R6は上述した通りである。]
で表される。
【0051】
工程(b)の生成物は、以下の構造:
【化23】

[但し、R2〜R6は上述した通りである。]
で表される。
【0052】
3,3−置換オキシインドールを調製するために利用されるシアノピロールは、以下の構造:
【化24】

[但し、R7〜R9は上述した通りである。]
で表される。
【0053】
或いは、シアノピロールは、リチウムジイソプロピルアミドと、トリアルキルボレートと、以下の構造:
【化25】

[但し、R7〜R9は下記と同義である。]
で表されるピロールとの反応によって調製される。
【0054】
他の実施形態において、本発明の化合物を製造する一つの方法では、(a)5−ブロモ置換オキシインドールと、保護基を含むピロールボロン酸とをカップリングし;(b)工程(a)の生成物をニトリルに転化し;そして(c)工程(b)の生成物から前記保護基を除去する。ピロールボロン酸は、場合により、以下の構造:
【化26】

[但し、R7及びR8は上述した通りである。]
で表される。
【0055】
更に、工程(b)の生成物は、以下の構造:
【化27】

[但し、R2〜R8は下記と同義である。]
で表される。
【0056】
さらなる実施形態において、本発明は、
(a)以下の構造:
【化28】

[但し、R4〜R6は上記と同義である。]
で表される任意に置換されたオキシインドールをアルキル化すること;
(b)工程(a)の生成物を臭素化して、以下の構造:
【化29】

[但し、R2〜R6は上記と同義である。]
で表される化合物を形成すること;
(c)工程(b)の生成物を、以下の構造:
【化30】

[但し、R7〜R9は上記と同義である。]
で表される2−シアノピロールとカップリングすること;。
或いは、工程(b)の生成物を、リチウムジイソプロピルアミドと、トリアルキルボレートと、以下の構造:
【化31】

[但し、R7〜R9は上記と同義である。]
で表されるピロールとの反応生成物である2−シアノピロールとカップリングすること
を含む、本発明の製造方法を提供する。
【0057】
本発明は、1種以上の本発明の化合物と医薬的に許容可能な担体又は賦形剤を含む医薬組成物を包含する。更に本発明は、医薬的に有効量の、プロゲステロン受容体の拮抗薬として上述したような1種以上の化合物を哺乳動物に対して投与することを含む治療方法を包含する。
【0058】
本発明の化合物は、避妊、ホルモン補充療法及び良性及び悪性の腫瘍性疾患の治療及び/又は予防の方法において利用可能である。本発明による化合物及び医薬組成物の特定の使用法としては、子宮筋腫、子宮内膜症、良性前立腺肥大症;子宮内膜ガン及び子宮内膜腺ガン、卵巣、乳房、結腸、前立腺、下垂体のガン及び腺ガン、髄膜腫並びに他のホルモン依存性腫瘍;月経困難症;不正子宮出血;並びに月経前症候群及び月経前不快気分障害の症状;周期に関連した症状の治療及び/又は予防並びに無月経の誘発のための治療及び/又は予防を含む。本発明のプロゲステロン受容体拮抗薬の更なる使用法としては、家畜の発情期の同調が挙げられる。
【0059】
“周期に関連した症状”なる用語は、月経周期中黄体期に生じる女性の月経周期と結びついた精神的及び身体的な症状を指す。殆どの女性が周期に関連した症状を経験していることが報告された。症状は、月経の開始後に消失するのが一般的であり、そして患者は、排卵期の残りの期間中に症状が取り除かれる。症状の変化の周期性が、周期に関連した症状の特徴である。
【0060】
周期に関連した症状は、月経周期に伴う身体的又は情緒の変化を経験する約95%の女性で生じる。これらの女性の約三分の一だけが中程度から重度の周期に関連した症状を経験している。女性は、月経前における症状の数、種類、重症性及び傾向の点で異なる。周期に関連した症状の全てに共通することの一つは、月経後から排卵に至る2週間で症状が軽減又は取り除かれることである。
【0061】
“周期に関連した症状”なる用語は、女性の月経周期に関連した精神的な症状(例えば、情緒の変化、過敏性、不安、集中力の欠如、又は性欲の減少)及び身体的な症状(例えば、月経困難症、乳房の圧痛、鼓腸、疲労又は大食症)を指す。周期に関連した症状は、排卵後に生じるが、月経前に生じ、そして月経期間の開始時又はその直後に終わるのが一般的である。周期に関連した症状としては、月経困難症及び周期に関連した中程度から重度の症状が挙げられるが、これに限定されない。
【0062】
本発明で用いられるPR拮抗薬は、例えば経皮、粘膜(鼻腔内、口腔、膣)、経口、非経口等を含む任意の適切な経路、例えば経皮パッチ、塗り薬若しくはジェル、特に膣リングを含む任意の好適な送達手段(delivery device)によって送達するように処方されるのが好適である。
【0063】
化合物を上記の用途に用いる場合、これを1種以上の医薬的に許容可能な担体又は賦形剤、例えば溶剤、希釈剤等と組み合わせても良く、そしてタブレット、カプセル、分散性粉末、顆粒、又は例えば約0.05〜5%の懸濁化剤を含む懸濁液、例えば約10〜50%の糖を含むシロップ、及び例えば約20〜50%のエタノール等を含むエリキシル等の形態で経口投与しても良く、或いは約0.05〜5%の懸濁化剤を等浸透圧の媒体に含む注射可能な滅菌溶液又は懸濁液の形態で非経口的に投与しても良い。かかる医薬製剤は、例えば約25〜約90%の有効成分を担体と一緒に含んでいても良く、より一般的には約5〜約60質量%の範囲で含む。
【0064】
使用される有効成分の有効投与量は、用いられる特定の化合物、投与の形態及び治療する状態の重症度に応じて異なる。しかしながら、一般に、本発明の化合物を、約0.5〜約500mg/kg動物体重(動物の体重1kgあたり約0.5〜約500mg)の1日投与量で、望ましくは1日に1回〜4回に分けるか、又は持続放出形態で投与する場合、満足のいく結果が得られる。殆どの大型哺乳動物の場合、1日投与量の合計は、約1〜100mgの範囲であり、好適には約2〜80mgの範囲である。内服に適する剤形は、約0.5〜500mgの有効化合物と、固体又は液体の医薬的に許容可能な担体との完全混合物(intimate admixture)を含む。かかる用法を調節して、最適な治療効果を提供することが可能である。例えば、数回に分けた投与量を連日投与しても良く、又はその投与量を、治療状況の緊急性に応じて比例的に少なくしても良い。
【0065】
これらの有効化合物は、経口投与するだけでなく、静脈、筋肉、又は皮下の経路によって投与しても良い。有効成分の性質及び望ましい投与の特定の形態に応じて適宜、固体の担体は、デンプン、ラクトース、リン酸ジカルシウム、微結晶性セルロース、スクロース及びカオリンを含んでおり、一方、液体の担体は、滅菌水、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤及び食用油、例えばトウモロコシ、ピーナツ及びゴマ油を含む。医薬組成物の調製に一般に用いられる補助剤を含むのが有利な場合があり、例えば、着香料、着色剤、防腐剤、及び酸化防止剤、例えばビタミンE、アスコルビン酸、BHT及びBHAが挙げられる。
【0066】
調製及び投与を容易にする観点から医薬組成物は、固体の組成物であり、特にタブレット及び硬カプセル又は液体入りカプセルである。化合物を経口投与するのが望ましい。これらの有効化合物は、非経口又は腹腔内投与することも可能である。遊離塩基又は医薬的に許容可能な塩としてのこれらの有効化合物の溶液又は懸濁液は、ヒドロキシプロピルセルロース等の界面活性剤と好適に混合した水中で調製可能である。分散液についても、グリセロール、液体のポリエチレングリコール及び油中におけるこれらの混合物において調製可能である。保存及び使用についての一般的な条件下、これらの製剤は、微生物の増殖を抑制する防腐剤を含む。
【0067】
注射用として使用するために好適な剤形としては、滅菌水溶液又は分散液、及び注射可能な滅菌溶液又は分散液の用時調製に用いられる滅菌粉末が挙げられる。全ての場合において、剤形は無菌である必要があり、そして注射が容易に可能な程度に流動的である必要がある。剤形は、製造及び保存条件下で安定である必要があり、そして細菌及び菌類等の微生物の汚染作用から保護される必要がある。担体は、例えば、水、エタノール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び液体のポリエチレングリコール)、これらの好適な混合物、及び植物性油を含む溶剤又は分散媒であっても良い。
【0068】
一実施形態において、本発明は、本発明のPR拮抗薬のみの投与に関する周期的な処方計画を提供する。他の実施形態において、周期的な処方計画では、本発明のPR拮抗薬をエストロゲン又はプロゲスチン又はこれらの両方と共に投与することに関する。特に望ましいプロゲスチンは、米国特許第6,355,648号、第6,521,657号、第6,436,929号、第6,540,710号及び第6,562,857号並びに米国特許出願公開第2004−0006060−A1号に記載されているものから選択されうる。さらに、他のプロゲスチンは、当該分野で公知であり、これを容易に選択可能である。一実施形態において、本発明は、PR作用薬(すなわち、プロゲスチン)である5−(4,4−ジメチル−2−チオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(タナプロゲット(tanaproget))を用いる併用処方計画を提供する。
【0069】
更に本発明は、連続28日間に亘って行われる処方計画を含む。この処方計画は、連続的であっても良く、又は周期における最後の数日間、例えば、プロゲスチン、エストロゲン又は抗プロゲスチンを投与しない0〜7日間を含んでいても良い。例えば、米国仮出願第60/585,883号及び60/676,135号に記載されている処方計画を参照。そして、これらは参照することにより本明細書に取り込まれる。
【0070】
本明細書に記載の処方計画は避妊に利用しても良く、又は本明細書に記載の他の適応症に利用しても良い。投与が避妊に対して行われる場合、組成物は、経口投与単位で処方しても良い。
【0071】
避妊に利用する場合、妊娠適齢期の女性に対して、本発明のPR拮抗薬を単独で、又はエストロゲンと一緒に投与しても良い。周期の最初の14〜24日間に関しては、黄体ホルモン薬を投与するが、1日あたり、プロゲステロン活性の点で約35μg〜約150μgのレボノルゲストレルに等しい用量域で投与するのが望ましく、更に望ましくは1日あたり、活性の点で約35μg〜約100μgのレボノルゲストレルに等しい投与量範囲で投与する。次に、PR拮抗薬を単独で、又はエストロゲンと共に、1〜11日間に亘って投与しても良く、これにより14〜24日の周期日で始まる。このような組み合わせにおける抗プロゲスチンは、1日あたり約2μg〜約50μgの1投与量で投与されても良く、そしてエストロゲンは、1日あたり、約10μg〜約35μgの1投与量で投与されても良い。経口投与において、28個のタブレットを含むパッケージ又はキットは、本発明のPR拮抗薬又はプロゲスチン若しくはエストロゲンが投与されない日数のプラシーボタブレットを包含する。
【0072】
本発明の一実施形態において、本発明の化合物は、単独で、又はエストロゲンと組み合わせて、28日周期の最初の18〜21日間に亘って投与し、次に、本発明の化合物を単独で、又はエストロゲンと組み合わせて、1〜7日間に亘って投与しても良い。本発明の組み合わせ及び製剤で用いられるエストロゲンは、エチニルエストラジオールであるのが望ましい。
【0073】
本発明で有用な黄体ホルモン薬としては、タナプロゲット、レボノルゲストレル、ノルゲストレル、デソゲストレル、3−ケトデソゲストレル、ノルエチンドロン、ゲストデン、ノルエチンドロンアセテート、ノルゲスチメート、オサテロン、シプロテロンアセテート、トリメゲストン、ジエノゲスト、ドロスピレノン、ノメゲストロール、又は(17−デアセチル)ノルゲスチメートが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組み合わせで用いる場合に望ましいプロゲスチンの中で、レボノルゲストレル、ゲストデン及びトリメゲストンが望ましい。
【0074】
本発明で28日周期に亘る経口投与の処方計画例では、プロゲステロン活性の点で約35〜約100μgのレボノルゲストレルに等しい1日投与量にて、黄体ホルモン薬を単独で最初の21日間に亘って投与することが含まれる。その後、本発明のPR拮抗化合物を、22〜24日目に約2〜50mgの1日投与量で投与し、次に25〜28日目にプラシーボを投与しないか、又は投与しても良い。関連する各々の有効成分の1日投与量を、組み合わせの1日投与単位に組み込み、合計して、28日周期に対して28日単位とするのが最も望ましい。
【0075】
別の処方計画において、黄体ホルモン薬を、約10〜約35μgの1日投与量範囲のエストロゲン、例えばエチニルエストラジオールと一緒に、プロゲステロン活性の点で約35〜約150μgのレボノルゲストレルに等しい1日投与量にて、最初の21日間に亘って共投与しても良く、活性の点で約35〜約100μgのレボノルゲストレルに等しい1日投与量にて共投与するのが望ましい。これに続いて、上述したように、約2〜50mgの1日投与量で投与される本発明のPR拮抗薬と一緒に22〜24日目に投与し、その後、プラシーボを25〜28日目に投与しないか、又は投与しても良い。
【0076】
さらに、本発明の範囲内に含まれる別の処方計画では、黄体ホルモン薬、例えば、プロゲステロン活性の点で約35〜約100μgのレボノルゲストレルに等しい1日投与量で投与されるレボノルゲストレルと、約10〜約35μgの1日投与量範囲のエストロゲン、例えばエチニルエストラジオールとを1〜21日目に共投与する。次に、本発明のPR拮抗薬(2〜50mg/日)及び約10〜約35μgの1日投与量のエストロゲン、例えばエチニルエストラジオールを22〜24日目に共投与する。その後、25〜28日目に、この処方計画では、プラシーボを投与しないか、又は投与しても良い。
【0077】
また、本発明は、本明細書に記載の処方計画で用いるための医薬製剤のキット又はパッケージを含む。かかるキットは、28日周期に亘る連日の経口投与に用いるように設計するのが望ましく、1日1回の経口投与に用いるよう設計するのが好ましく、そして単回経口製剤又は経口製剤の組み合わせを28日周期で毎日服用することを指示するように作製する。各々のキットは、特定の各日に服用する経口タブレットを含むのが望ましく、1個の経口タブレットは、指示される各々の1日投与量の組み合わせを含んでいるのが好ましい。
【0078】
上述の処方計画によれば、1個の28日キットは、(a)プロゲステロン活性の点で約35〜約150μgのレボノルゲストレルに等しく、好ましくはプロゲステロン活性の点で約35〜約100μgのレボノルゲストレルに等しい、14〜24日投与単位(daily dosage units)の黄体ホルモン薬による最初の段階;(b)1〜11日投与単位の、本発明のPR拮抗化合物(各1日投与単位は、約2〜50mgの1日投与量の抗プロゲスチン化合物を含む。)による第2段階;及び(c)必要により、抗プロゲスチン、プロゲスチン又はエストロゲンが投与されない周期の残りの日に亘る経口的又は医薬的に許容可能なプラシーボによる第3段階を含む。
【0079】
かかるキットの一実施形態において、最初の段階では、先の一節に記載したように21日投与単位を含み、第2段階では、22〜24日目に亘って3日投与単位の、本発明のPR拮抗化合物を含み、任意の第3段階では、25〜28日目の各日のための、4日投与単位の経口的又は医薬的に許容可能なプラシーボを含む。
【0080】
他の実施形態において、本発明の28日周期パッケージ処方計画又はキットは、18〜21日投与単位、更に好ましくは先の一節に記載したように21日投与単位で、更に、約10〜約35μgの1日投与量範囲にてエストロゲンとして、エチニルエストラジオールによる第1段階;1〜7日投与単位、好ましくは上述したように4日投与単位による第2段階;並びに、28日周期のうち、黄体ホルモン薬、エストロゲン、又は抗プロゲスチンが投与されない残りの0〜9日の各日、又は約4日間のための任意のプラシーボを含む。
【0081】
さらに、本発明の28日パッケージ処方計画又はキットは、(a)18〜21日投与単位の、プロゲステロン活性の点で約35〜約150μgのレボノルゲストレルに等しく、好ましくは活性の点で約35〜約100μgのレボノルゲストレルに等しい1日投与量の本発明の黄体ホルモン薬と、約10〜約35μgの1日投与量範囲のエチニルエストラジオールとをそれぞれ含む第1段階;(b)1〜7日投与単位(各々の1日投与単位が、2〜50mgの濃度の本発明の抗プロゲスチン、及び約10〜約35μgの濃度のエチニルエストラジオールを含む。)による第2段階;及び(c)必要により、28日周期のうち、黄体ホルモン薬、エストロゲン、又は抗プロゲスチンが投与されない残りの0〜9日の各日に亘る経口的又は医薬的に許容可能なプラシーボによる第3段階を含む。
【0082】
一実施形態において、上述のパッケージ又はキットは、21日投与単位の第1段階;22〜24日目に亘る3日投与単位(各投与単位は、2〜50mgの濃度の本発明の抗プロゲスチン、及び約10〜約35μgの濃度のエチニルエストラジオールを含む。)による第2段階;及び必要により、25〜28日目のための、4日投与単位の経口的及び医薬的に許容可能なプラシーボによる第3段階を含む。
【0083】
上述の各処方計画及びキットにおいて、処方計画における医薬的に有効な成分それぞれの1日投与量は、それが投与される特定の各段階で固定されたままであるのが望ましい。更に、上述の1日投与単位は、上述の順序で投与され、すなわち第1段階に続いて、第2段階及び第3段階の順に投与されると理解される。各処方計画を順守し易くするために、キットは、周期の最後の数日間で上述のプラシーボを含んでいるのが望ましい。更に、各々のパッケージ又はキットは、28日周期の各日についての表示を有する医薬的に許容可能なパッケージ、例えば当該分野で公知の、ラベルを貼付したブリスター・パッケージ又はダイアルディスペンサーパッケージ(dial dispenser package)を含んでいるのが望ましい。
【0084】
本明細書で用いられる場合、抗黄体ホルモン薬、抗プロゲスチン及びプロゲステロン受容体拮抗薬なる用語は、同義であることが理解される。同様に、プロゲスチン、黄体ホルモン薬及びプロゲステロン受容体作用薬は、同一の活性の化合物を指すと理解される。
【0085】
このような用法を調節して、最適な治療効果を提供することが可能である。例えば、数回に分けた投与量の各成分を連日投与しても良く、又はその投与量を、治療状況の緊急性に応じて比例的に増やし若しくは少なくしても良い。本明細書の記載において、1日投与単位についての言及は、意図された周期の各日の経過期間を通じて投与される分割単位も含み得る。
【0086】
調製及び投与を容易にする観点から望ましい医薬組成物は、固体の組成物であり、特にタブレット及び硬カプセル又は液体入りカプセルである。化合物を経口投与するのが望ましい。
【0087】
これらの有効化合物は、膣リングを介して投与されても良い。膣リングの使用は28日周期に合わせるのが好適である。一実施形態において、リングは、膣に挿入するとその位置に3週間に亘って残す。4週間目の期間に、膣リングを取り除き、月経が起こる。翌週には、新たなリングを挿入し、次の期間まで更に3週間装着する。別の実施形態において、リングを週に1回挿入し、3週間連続してリングを交換する。その後、リング無しで1週間経過後、新たなリングを挿入して、新たな処方計画を開始する。更に別の実施形態において、膣リングをより長期又はより短期に亘って挿入する。
【0088】
PR拮抗化合物は、膣リングにより使用する場合、膣リングを介して送達される上述の避妊用化合物について記載された手法に類似の手法で処方される。例えば、米国特許第5,972,372号、第6,126,958号及び第6,125,850号を参照。
【0089】
本発明の更に別の態様において、PR拮抗化合物は、経皮パッチを介して送達される。好適には、パッチの使用を28日周期に合わせる。一実施形態において、パッチは、適切な接着剤によって皮膚に施され、これを1週間その位置に残し、そして合計で3週間に亘って週に1回交換する。4週間目の期間は、パッチを施さず、月経が起こる。翌週は、新たなパッチを施し、新たな処方計画を開始するために装着する。更に別の実施形態において、パッチをより長期又はより短期に亘って残しておく。
【0090】
更に本発明は、本明細書に記載されているような他の種々の治療上の使用、例えばホルモン補充療法、良性及び悪性の腫瘍性疾患又は周期に関連した症状の治療及び/又は予防のために本発明の化合物を含むキット及び送達手段を提供する。かかるキットは、本発明の化合物に加えて、例えば、本発明の化合物の送達のための説明書、希釈剤、バイアル、注射器、包装等の構成要素を含んでいる。かかるキットは、必要により、選択した用途、例えばホルモン補充療法、子宮筋腫、子宮内膜症、良性前立腺肥大の治療及び/又は予防;子宮内膜、卵巣、乳房、結腸、前立腺、下垂体のガン及び腺ガン、髄膜腫並びに他のホルモン依存性腫瘍、周期に関連した症状の治療及び/又は予防、又は家畜の発情期の同調に適合させても良い。
【0091】
以下の実施例は、本発明の説明するためのものであり、本発明の目的を限定するものではない。当業者であれば、特定の試薬及び条件の概略を以下の実施例で説明したとしても、本発明の趣旨及び目的に含まれることを意図する変更が可能であることを認識するであろう。
【実施例】
【0092】
[実施例1]
5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
A. 2,6−ジフルオロニトロベンゼン
氷酢酸(50mL)中の2,6−ジフルオロアニリン(11.0g、85ミリモル)を、80℃の条件下、過ホウ酸ナトリウム四水和物(65g、422ミリモル)を氷酢酸(250mL)に懸濁した撹拌懸濁液中にゆっくり添加した。温度は80〜90℃に1時間保持した。冷却した反応混合物を水に注ぎ、ジエチルエーテルで2回抽出し、有機層を重炭酸ナトリウムの希釈溶液で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、そして蒸発させた。残留物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:THF、9:1)によって精製し、生成物をヘキサンで洗浄して、2,6−ジフルオロニトロベンゼン(7.0g)を得て、これを更に試験することなく使用した。
【0093】
B. 2−(3−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−マロン酸ジメチルエステル
2,6−ジフルオロニトロベンゼン(5.0g、31.44ミリモル)を乾燥DMF(50mL)に溶解させた溶液に対して、炭酸カリウム(4.41g、32ミリモル)及びジメチルマロネート(3.6mL、31.44ミリモル)を添加した。反応混合物を65℃に加熱し、24時間撹拌した。室温に冷却後、混合物を希HCl水溶液で中和し、ジエチルエーテルで抽出し、乾燥し(MgSO4)、そして真空下で濃縮した。ヘキサン/酢酸エチル(95/5)から結晶化することにより、2−(3−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−マロン酸ジメチルエステル(4.6g、54%)を得た。HRMS:C1110FNO6についての計算値、271.0492;実測値(ESI、[M+H]+)、272.0756。
【0094】
C. (3−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)酢酸
200mLの6Nの塩酸(6N、200mL)中における2−(3−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)マロン酸ジメチルエステル(12g、44ミリモル)を還流下で4時間加熱した。混合物を冷却し、250mLの水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出し、乾燥し(MgSO4)、そして真空下で濃縮した。ヘキサン/酢酸エチル(95/5)から結晶化することにより、(3−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)酢酸(7.6g、54%)を得て、これを更に試験することなく用いた。
【0095】
D. 7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
(3−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)酢酸(9.6g、48ミリモル)を酢酸(100mL)に溶解し、そして50psiの条件下、10%パラジウム炭素(palladium on carbon)(1.3g)で24時間に亘って水素化した。セライト(登録商標)試薬に通過させてろ過することによって、触媒を取り除き、溶剤を蒸発させた。その後、混合物をエタノール(100mL)に溶解し、パラトルエンスルホン酸(50mg)を添加し、混合物を還流下で1時間加熱した。混合物を冷却し、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、乾燥し(MgSO4)、そして蒸発させた。固体をヘキサン/酢酸エチル(95/5)で粉末にして、7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(6g、83%)を得た。HRMS:C86FNOについての計算値、151.0433;実測値(ESI、[M+H]+)、152.0515。
【0096】
E. 7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(7.3g、48ミリモル)及び塩化リチウム(6.67g、158ミリモル)をTHF(200mL)に溶解させた。その後、溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(2.5M、40mL、100ミリモル)を15分間に亘ってゆっくり添加した。−78℃にて20分後、ヨウ化メチル(6mL、96ミリモル)を添加し、混合物を室温まで暖めた。24時間後、混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、乾燥し(MgSO4)、そして真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル9/1、その後8/2)により、7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(4.1g、48%)を得た:HRMS:C1010FNOについての計算値、179.0831;実測値(ESI、[M+H]+)、180.0831。
【0097】
F. 5−ブロモ−7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(4.1g、22.9ミリモル)を室温条件下にジクロロメタン(100mL)及び酢酸(2mL)に溶解させた。臭素(1.2mL、23ミリモル)を添加し、溶液を24時間撹拌した。反応混合物をチオ硫酸ナトリウム溶液に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し、乾燥し(MgSO4)、蒸発させ、そして粗生成物をヘキサンで粉末にして、5−ブロモ−7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(4.84g、82%)を得た:HRMS:C109BrFNOについての計算値、256.9852;実測値(ESI、[M−H]-)、255.9781。
【0098】
G. 5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
5−ブロモ−7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(5.16g、20.0ミリモル)、1−メチル−5−シアノ−2−ピロールボロン酸(5.4g、36ミリモル)、KF(3.83g、66ミリモル)及びPd2(dba)3モノクロロホルム付加体(516mg、0.500ミリモル)を窒素下に200mLの丸底フラスコに加えた。フラスコを封止し、窒素で5分間パージ処理した。THF(50mL)を添加し、混合物を窒素で更に5分間パージ処理した。トリ−t−ブチルホスフィン(ヘキサン中において10質量%)の溶液(2.97mL、1.00ミリモル)を注射器によって添加し、混合物を25℃で5時間強く撹拌した。混合物を250mLのEtOAcで希釈し、シリカゲルのプラグに通過させてろ過し、200mLのEtOAcで洗浄し、濃縮して、粗製の茶/黒色の半固体を得た。フラッシュクロマトグラフィ(20%のアセトン/ヘキサン)により、標題の化合物をオフホワイト色の固体として得た(4.5g、80%)。HRMS:C1614FN3Oについての計算値、283.1121;実測値(ESI、[M−H]-)、282.1034。
【0099】
HPLC分析:メジャー(major)=210〜370nmにて98.9%ウィンドウ(window)=286nm(最大吸収波長(max. abs))にて99.2%、RT=8.7分、10分間に亘って85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持、Xterra(登録商標)機器RP18、3.5μ、150×4.6mm。
【0100】
[実施例2]
5−(4−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
A. 2−(2−フルオロ−6−ニトロ−フェニル)−マロン酸ジメチルエステル
2,3−ジフルオロニトロベンゼン(9g、56ミリモル)をDMFに溶解させた溶液に対して、炭酸カリウム(13.8g、100ミリモル)及びジメチルマロネート(6.88mL、60ミリモル)を添加した。反応混合物を65℃に加熱し、24時間撹拌した。混合物を冷却し、希HClで中和し、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空下で濃縮した。粗生成物をヘキサン/酢酸エチル(95/5)から再結晶化し、ろ過して、2−(2−フルオロ−6−ニトロ−フェニル)マロン酸ジメチルエステル(6.6g、43%)を得た。
【0101】
B. (2−フルオロ−6−ニトロフェニル)酢酸
2−(2−フルオロ−6−ニトロ−フェニル)マロン酸ジメチルエステル(6.5g、23.98ミリモル)を200mLの6Nの塩酸中で24時間還流した。固体を吸引ろ過によって集め、乾燥して、3.3gの標題化合物を54%の収率で得た。
【0102】
C. 4−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
(2−フルオロ−6−ニトロフェニル)酢酸(3.3g、16.6ミリモル)を酢酸(20mL)に溶解させ、そして50psiの条件下、パラジウム炭素(10%、0.5g)で24時間に亘って水素化した。セライト(登録商標)試薬に通過させてろ過することによって、触媒を取り除き、メタノールで洗浄し、その後、有機層を集めて蒸発させた。反応混合物をエタノール(100mL)に溶解させ、50mgのパラトルエンスルホン酸を添加し、そして混合物を還流下で1時間加熱した。混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させた。固体をヘキサン/酢酸エチル(95/5)で粉末にして、1.7gの67%の4−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンを得た。HRMS[M+H]+=152.0515。
【0103】
D. 4−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
4−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(3.4g、22.5ミリモル)及び塩化リチウム(2.7g、60ミリモル)をTHF(100mL)に溶解させた。その後、溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(7mL、ヘキサン中において2.5M、15ミリモル)を15分間に亘ってゆっくり添加した。ヨウ化メチル(3.08mL、50ミリモル)を添加し、混合物を室温まで暖めた。24時間後、混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル9/1、その後8/2)により、4−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.0g、25%)を得た。
【0104】
E. 5−ブロモ−4−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
4−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1g、22.9ミリモル)を室温条件下にジクロロメタン(DCM)(50mL)及び酢酸(2mL)に溶解させた。臭素(0.386mL、7.5ミリモル)を添加し、溶液を24時間撹拌した。反応混合物をチオ硫酸ナトリウム溶液に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を集めて硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させた。粗生成物をヘキサンで粉末にして、5−ブロモ−4−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.25g、87%)を得た:HRMS[M−H]-=255.9781。
【0105】
F. 5−(4−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
5−ブロモ−4−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.25g、4.86ミリモル)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.4g)をエチレングリコールジメチルエーテル(40mL)に溶解させ、そして15分間撹拌した。N−メチル−5−シアノピロールボロン酸(2.0g、13.33ミリモル)及び炭酸カリウム(3.48g、25ミリモル)を添加し、その後に水(20mL)を添加し、そして混合物を還流下で加熱した(24時間)。その後、混合物を水に注ぎ、希塩酸で中和し、そして酢酸エチルで抽出した。溶剤を硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ;SiO2、ヘキサン/THF9/1、その後7/3により、5−(4−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(0.060g、5%)を得た。HRMS:C1614FN3Oについての計算値、283.1121;実測値(ESI、[M+H]+)、284.1121。
【0106】
HPLC分析:保持時間=8.8分、純度=210〜300nmにて100%及び274nm(最大吸収波長)にて100%、10分間に亘って85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持、Xterra(登録商標)RP18機器、3.5μ、150×4.6mm。
【0107】
[実施例3]
5−(7’−フルオロ−2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−5’−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
A. 7’−フルオロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
7−フルオロオキシインドール(1.28g、8.50ミリモル)及び塩化リチウム(0.899g、21.3ミリモル)を80mLのTHFに懸濁させ、そして0℃に冷却した。n−ブチルリチウム(8.5mL、16.9ミリモル)をゆっくり添加し、そして混合物を20分間撹拌し、その後、ジブロモエタン(0.73mL、8.5ミリモル)を添加した。混合物を25℃に暖め、16時間撹拌した。反応を飽和NH4Cl水溶液で停止(quench)し、エーテルで希釈した。有機層を水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(10%のアセトン/ヘキサン)により、0.54g(36%)の7’−フルオロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オンを白色の固体として得た:HRMS:C108FNOについての計算値、177.0590;実測値(ESI、[M+H]+)、178.0659。
【0108】
HPLC分析:保持時間=6.6分、210〜370nm、Xterra(登録商標)RP18機器、3.5μ、150×4.6mm、40℃、10分間に亘って85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持、1.2mL/分、5μLの注入。
【0109】
B. 5’−ブロモ−7’−フルオロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
7’−フルオロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(0.54g、3.05ミリモル)を20mLのCH2Cl2に溶解させ、そして酢酸ナトリウム(0.28g、3.36ミリモル)を添加し、その後に臭素(0.173mL、3.36ミリモル)を添加した。混合物を25℃で16時間撹拌し、その後、エーテルで希釈し、そしてNa233、重炭酸ナトリウム、水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(15%アセトン/ヘキサン)により精製し、5’−ブロモ−7’−フルオロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(0.64g、82%)を白色の固体として得た:HPLC分析:保持時間=8.4分、210〜370nm、Xterra(登録商標)RP18機器、3.5μ、150×4.6mm、40℃、10分間に亘って85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持、1.2mL/分、5μLの注入。
【0110】
C. 5−(7’−フルオロ−2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−5’−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
5’−ブロモ−7’−フルオロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(0.60g、2.3ミリモル)、1−メチル−5−シアノ−2−ピロールボロン酸(0.63g、4.2ミリモル)、KF(0.44g、7.6ミリモル)及びPd2(dba)3モノクロロホルム付加体(60mg、0.058ミリモル)をバイアルに加え、窒素でパージ処理した。THF(5.5mL)を添加し、混合物を窒素で5分間パージ処理した。トリ−t−ブチルホスフィン(ヘキサン中において10質量%)(0.342mL、0.115ミリモル)を注射器によって添加し、混合物を25℃で2.5時間に亘って強く撹拌した。混合物を100mLのEtOAcで希釈し、シリカゲルプラグに通過させてろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(25%のアセトン/ヘキサン)により精製して、標題の化合物(0.53g、83%)を白色の固体として得た。融点:228〜231℃。
【0111】
HPLC分析:保持時間=8.6分、210〜370nm、Xterra(登録商標)RP18機器、3.5μ、150×4.6mm、40℃、10分間に亘って85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持、1.2mL/分、5μLの注入。
【0112】
[実施例4]
5−(7−フルオロ−1,3,3−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
A. 7−フルオロ−1,3,3−トリメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
7−フルオロオキシインドール(1.51g、10ミリモル)及び塩化リチウム(1.06g、25ミリモル)を30mLのTHFに懸濁させ、そして0℃に冷却した。n−ブチルリチウム(10mL、20ミリモル)をゆっくり添加し、そして混合物を20分間撹拌した。ヨードメタン(1.24mL、20ミリモル)を添加し、そして混合物を0℃で1時間撹拌し、その後、25℃に暖め、16時間撹拌した。反応を飽和NH4Cl水溶液で停止し、酢酸エチルで希釈した。有機層を水、飽和NaCl水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(5%アセトン/ヘキサン)により、0.12g(7%)の標題化合物を白色の固体として得た:HRMS:C1112FNOについての計算値、193.0903;実測値(ESI、[M+H]+)、194.0976。
【0113】
B. 5−ブロモ−7−フルオロ−1,3,3−トリメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
7−フルオロ−1,3,3−トリメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(0.10g、0.52ミリモル)を5mLのCH2Cl2に溶解させ、そして酢酸ナトリウム(47mg、0.56ミリモル)を添加し、その後に臭素(0.029mL、0.56ミリモル)を添加した。混合物を25℃で16時間撹拌し、その後、シリカゲルカラムに直接負荷した。カラムを250mLのCH2Cl2及び250mLの5%のアセトン/CH2Cl2で溶出して、標題化合物(116mg)を白色の固体(82%)として得た。HRMS:C1111BrFNOについての計算値、271.0008;実測値(ESI、[M+H]+)、272.0088。
【0114】
HPLC分析:保持時間=9.4分、210〜370nm、Xterra(登録商標)RP18機器、3.5μ、150×4.6mm、40℃、10分間に亘って85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持、1.2mL/分、5μLの注入。
【0115】
C. 5−(7−フルオロ−1,3,3−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
5−ブロモ−7−フルオロ−1,3,3−トリメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(0.10g、0.36ミリモル)、1−メチル−5−シアノ−2−ピロールボロン酸(95mg、0.63ミリモル)、KF(69mg、1.19ミリモル)を1mLのジオキサンに懸濁させた。Pd2(dba)3モノクロロホルム付加体(3.1mg、0.003ミリモル)及びPd(P(t−Bu)32(4.6mg、0.009ミリモル)を添加し、そして混合物を45℃で6時間に亘って強く撹拌した。混合物を100mLのEtOAcで希釈し、シリカゲルプラグに通過させてろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(2%アセトン/ヘキサン)により精製して、標題の化合物(30mg、28%)を黄褐色の固体として得た。HRMS:C1716FN3Oについての計算値、297.1277;実測値(ESI、[M+H]+)、298.1366。
【0116】
HPLC分析:保持時間=9.4分、210〜370nm、Xterra(登録商標)RP18機器、3.5μ、150×4.6mm、40℃、10分間に亘って85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持、1.2mL/分、5μLの注入。
【0117】
[実施例5]
5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
A. tert−ブチル2−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−1−カルボキシレート
バイアルに、5−ブロモ−7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.0g、3.5ミリモル)、1−tert−ブトキシカルボニル−2−ピロールボロン酸(1.12g、5.3ミリモル)、KF(0.67g、11.5ミリモル)及びPd2(dba)3モノクロロホルム付加体(54mg、0.053ミリモル)を充填し、窒素雰囲気下に放置した。THF(8mL)を添加し、そして混合物を窒素で5分間パージ処理した。P(t−Bu)3(ヘキサン中における10質量%溶液、0.370mL、0.126ミリモル)を注射器によって添加し、混合物を25℃で16時間に亘って撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、シリカゲルプラグに通過させてろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(500mLの25%のヘキサン/CH2Cl2、その後、500mLの100%のCH2Cl2、その後、500mLの5%の酢酸エチル/CH2Cl2)により精製して、標題の化合物(1.06g、88%)を無色の結晶として得た。HRMS:C1921FN23+Hについての計算値、345.16145;実測値(ESI、[M+H]+)、345.1629。
【0118】
HPLC分析:保持時間=10.0分、210〜370nm、Xterra(登録商標)RP18機器、3.5μ、150×4.6mm、40℃、10分間に亘って85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持、1.2mL/分、5μLの注入。
【0119】
B. tert−ブチル2−シアノ−5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−1−カルボキシレート
tert−ブチル2−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−1−カルボキシレート(1.0g、2.9ミリモル)の撹拌溶液に、クロロスルホニルイソシアネート(0.28mL、3.2ミリモル)を添加した。混合物を25℃で2時間撹拌し、その後、DMF(0.21mL、2.9ミリモル)を添加し、そして混合物を更に1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、NaHCO3、水、飽和NaCl水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(2%MeOH/CH2Cl2)により、0.23g(21%)の標題化合物を白色の固体として得た:HRMS:C2020FN33+Hについての計算値、370.15670;実測値(ESI、[M+H]+)、370.1554。
【0120】
HPLC分析:保持時間=9.5分、210〜370nm、Xterra(登録商標)RP18機器、3.5μ、150×4.6mm、40℃、10分間に亘って85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持、1.2mL/分、5μLの注入。
【0121】
C. 5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
tert−ブチル2−シアノ−5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−1−カルボキシレート(0.18g、0.50ミリモル)を10mLのジメチルアセトアミドに溶解させ、そして溶液を180℃に1時間加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、そして水、飽和NaCl水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(25%アセトン/ヘキサン)により、0.121g(91%)の標題化合物を白色の固体として得た:HRMS:C1512FN3O+Hについての計算値、270.10426;実測値(ESI、[M+H]+)、270.1053。
【0122】
HPLC分析:保持時間=8.7分、210〜370nm、Xterra(登録商標)RP18機器、3.5μ、150×4.6mm、40℃、10分間に亘って85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持、1.2mL/分、5μLの注入。
【0123】
[実施例6]
5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルのアルキル化に関する一般的な手順
5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(0.10g、0.35ミリモル)を乾燥THF(2mL)に溶解させた溶液に、カリウムtert−ブトキシド(THF中における1M溶液、1mL、1ミリモル)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。この時間後、適切なアルキル化剤(ヨウ化アルキル又は臭化アルキル)(0.5ミリモル)を注射器によって添加した。これにより得られた混合物を一晩撹拌し、その後、蒸発させて、シリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製した(EtOAc/ヘキサン、勾配溶出)。
【0124】
化合物は高分解能質量分析及びHPLCにより特徴付けた。HPLC条件として、以下の条件を用いた:Xterra(登録商標)RP18カラム、3.5μ、150×4.6mm、流速1.2mL/分、移動相の組成85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH);検出210〜370nm。
【0125】
かかる手順に基づいて以下の化合物を調製した:
A. メチル[5−(5−シアノ−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]アセテート
得られた量:0.087g
アルキル化剤:ブロモ酢酸メチル(0.047mL)
分析HPLC純度:99.7%
分析HPLC保持時間:9.2分
HRMS:C1918FN33+Hについての計算値、356.14050;実測値(ESI、[M+H]+)、356.142。
【0126】
B. 5−(1−エチル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.0723g
アルキル化剤:ヨウ化エチル(0.040mL)
分析HPLC純度:99.9%
分析HPLC保持時間:9.8分
HRMS:C1818FN3O+Hについての計算値、312.15067;実測値(ESI、[M+H]+)、312.1524;(デルタ=6ppm)。
【0127】
C. 5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−1−プロプ−2−イン−1−イル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.050g
アルキル化剤:臭化プロパルギル(0.045mL)
分析HPLC純度:95.9%
分析HPLC保持時間:9.5分
HRMS:C1916FN3O+Hについての計算値、322.13502;実測値(ESI、[M+H]+)、322.135。
【0128】
D. 5−[7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−1−(2−フェニルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.041g
アルキル化剤:臭化フェネチル(0.067mL)
分析HPLC純度:100%
分析HPLC保持時間:10.8分
HRMS:C2422FN3O+Hについての計算値、388.18197;実測値(ESI、[M+H]+)、388.1806。
【0129】
E. 5−(1−ベンジル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.0766g
アルキル化剤:臭化ベンジル(0.059mL)
分析HPLC純度:100%
分析HPLC保持時間:10.5分
HRMS:C2320FN3O+Hについての計算値、374.16632;実測値(ESI、[M+H]+)、374.1685;(デルタ=6ppm)。
【0130】
F. 5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−1−プロピル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.070g
アルキル化剤:ヨードプロパン(0.049mL)
分析HPLC純度:100%
分析HPLC保持時間:10.3分
HRMS:C1920FN3O+Hについての計算値、326.16632;実測値(ESI、[M+H]+)、326.1652。
【0131】
G. 5−(7−フルオロ−1−イソブチル−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.0662g
アルキル化剤:2−メチルヨードプロパン(0.060mL)
分析HPLC純度:100%
分析HPLC保持時間:10.6分
HRMS:C2022FN3O+Hについての計算値、340.18197;実測値(ESI、[M+H]+)、340.1838。
【0132】
H. 5−(7−フルオロ−1−イソプロピル−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.055g
アルキル化剤:ヨウ化イソプロピル(0.049mL)
分析HPLC純度:98.8%
分析HPLC保持時間:10.3分
HRMS:C1920FN3O+Hについての計算値、326.16632;実測値(ESI、[M+H]+)、326.1661。
【0133】
I. 5−(1−アリル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.077g
アルキル化剤:ヨウ化アリル(0.045mL)
分析HPLC純度:99.6%
分析HPLC保持時間:9.9分
HRMS:C1918FN3O+Hについての計算値、324.15067;実測値(ESI、[M+H]+)、324.1512。
【0134】
J. 5−(1−シクロヘキシル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.0037g
アルキル化剤:ヨウ化シクロヘキシル(0.064mL)
分析HPLC純度:94.3%
分析HPLC保持時間:11.2分
HRMS:C2224FN3O+Hについての計算値、366.19762;実測値(ESI、[M+H]+)、366.1978。
【0135】
K. 5−(1−シクロペンチル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.034g
アルキル化剤:ヨウ化シクロペンチル(0.057mL)
分析HPLC純度:100%
分析HPLC保持時間:10.9分
HRMS:C2122FN3O+Hについての計算値、352.18197;実測値(ESI、[M+H]+)、352.184;(デルタ=6ppm)。
【0136】
[実施例7] 薬理
3種類のアッセイを、本発明の化合物の活性に関する評価で使用するために本明細書で説明する。
A. T47D細胞におけるアルカリホスファターゼ活性(T47Dアルカリホスファターゼアッセイ)に対するプロゲスチン及び抗プロゲスチンの効果
本発明の分子は、3μM以下の濃度のT47Dアルカリホスファターゼアッセイにおいて拮抗薬型(antagonist mode)で活性を有すると予想される。
【0137】
1. 試薬:
培養培地:5%(v/v)の活性炭処理ウシ胎仔血清(加熱不活性ではない)、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン及び2mMのGlutaMax(GIBCO、BRL)で補ったDMEM:F12(CIBCO、BRL)。
【0138】
アルカリホスファターゼアッセイ緩衝液:I.0.2%のトリトンX−100(triton X-100)を含む、0.1Mのトリス−HCl、pH9.8、II.4mMのp−ニトロフェニルホスフェートを含む、0.1Mのトリス−HCl、pH9.8(Sigma)。
【0139】
2. 細胞培養及び処置:
冷凍したT47D細胞を37℃の水浴中で解凍し、培地中で280,000細胞/mLに希釈する。96ウェルプレート(Falcon, Becton Dickinson Labware)における各ウェルに対して、180μlの希釈した細胞懸濁液を加える。その後、培地で希釈した20μlの対照又は試験化合物を各ウェルに加える。プロゲスチン拮抗活性に関して試験する場合、対照抗プロゲスチン又は試験化合物を1nMのプロゲステロンの存在下で加える。細胞を5%のCO2湿潤雰囲気下、37℃にて24時間培養する。ハイスループットスクリーニングの場合、各化合物のいずれかの濃度を0.3μg/mLで試験する。実験室におけるその化合物の平均分子量が300g/モルであることに基づいた場合、その濃度は約1μMである。次いで、活性化合物は用量反応アッセイで試験して、EC50及びIC50を測定する。
【0140】
3. アルカリホスファターゼ酵素アッセイ:
処置の最後に、培地をプレートから取り除く。50μlのアッセイ緩衝液Iを各ウェル
に添加する。プレートをタイタープレート振盪器で15分間振盪する。その後、150μlのアッセイ緩衝液IIを各ウェルに添加する。吸光度を、405nMの試験波長で、5分間隔にて30分間測定する。
【0141】
4. 用量反応データの分析
対照用及び試験化合物に関して、用量反応曲線を、酵素反応の速度に対する用量(傾き)について作成する。平方根変換を行ったデータを、作用薬型(agonist mode)及び拮抗薬型の両方に適合する分散及び非線形の用量反応曲線の分析に対して使用する。ヒューバーの重み付け(Huber weighting)を、外れ値の影響のダウンウェイト(down-weight)に用いる。EC50又はIC50値を再変換された数値から計算する。JMPソフトウェア(SAS Institute, Inc.)は、単回投与試験及び用量反応試験の両方において一元配置分散分析及び4種類の非線形用量反応分析(non-4 linear dose response analysis)の両方に使用する。
【0142】
5. 対照化合物
プロゲステロン及びトリメゲストンは対照プロゲスチンであり、RU486は対照抗プロゲスチンである。全ての対照化合物を完全な(full)用量反応曲線で処理(run)し、そしてEC50及びIC50値を計算する。
【0143】
【表1】


【0144】
B. 成熟した卵巣切除ラットにおけるプロゲステロン活性及び抗プロゲステロン活性(ラット脱落膜化アッセイ)
このアッセイを用いて、ラットの子宮脱落膜化に対するプロゲスチン及び抗プロゲスチンの効果を評価し、そして種々の試験化合物の相対的効力を比較する。
【0145】
1. 方法及び試薬
試験化合物を100%のエタノールに溶解し、そしてトウモロコシ油(賦形剤)と混合する。その後、混合物を加熱(〜80℃)して、エタノールを蒸発させることによって試験化合物を油(Mazola(登録商標))に溶解させた原液を調製する。次いで、試験化合物を100%のトウモロコシ油又は10%エタノール含有トウモロコシ油で希釈した後、動物を処置する。脱落膜反応における差異は、これらの2種類の賦形剤を比較した場合に見出されない。
【0146】
2. 動物
卵巣除去したメスの成熟Sparague−Dawleyラット(〜60日齢、230g)を、手術後Taconic(Taconic Farms, NY)から得る。卵巣除去は、循環性ステロイドを低減させるための処置の少なくとも10日前に行う。動物は、12時間の明/暗サイクルの条件下で収容し、標準ラット用エサ及び水を自由に(ad libitum)与える。
【0147】
3. 処置
ラットは秤量し、4又は5つのグループに無作為に割り振った後処置する。0.2mLの賦形剤中における試験化合物を、襟首への皮下注射によって、又は0.5mlを用いる強制飼養によって投与する。動物を1日1回7日間に亘って処置する。抗プロゲスチンを試験する場合、動物に対して、処置の全期間中に試験化合物及びEC50投与量のプロゲステロン(5.6mg/kg)を与える。EC50投与量のプロゲステロンのみを受ける動物の一群は、陽性対照として用いる。
【0148】
4. 投薬
投与量は、mg/kg群平均体重に基づいて調製する。全ての調査において、賦形剤を受ける対照群が含まれる。用量反応曲線の決定は、半対数(half log)の用量増加(例えば、0.1、0.3、1.0、3.0mg/kg)を用いて行う。
【0149】
5. 脱落膜誘導
3回目の注射の約24時間後、尖っていない21G注射針で子宮間膜側内腔上皮(antimesometrial luminal epithelium)を引っ掻くことによって、麻酔したラットの子宮角のいずれかで脱落膜化を誘導する。反対側の角は引っ掻かず、非誘導対照として用いる。最終処置の約24時間後、CO窒息によってラットを屠殺し、体重を測定した。子宮を取り除き、脂肪組織を取り除く。脱落膜化された(D−角)及び対照(C−角)の子宮角をそれぞれ秤量する。
【0150】
6. 結果の分析
作用薬型において、脱落膜化子宮角の質量の増加を、D−角/C−角により計算し、対数変換を用いて、分散の正規性及び等分散性を最大にした。ヒューバーのM推定量を用いて、用量反応曲線のフィッティングと一元配置分散分析(ANOVA)の両方の場合に、変換により外れた値を示す観察結果(the outlying transformed obserbations)をダウンウェイトする。EC50を変換値から計算する。拮抗薬型において、未処理反応(raw responses)に対する平方根変換(D−角/C−角)は、最尤ボックス・コックス変換を用いる場合に推奨される。ヒューバーの重み付けを用いて、用量反応曲線のフィッティング及び一元配置分散分析ANOVAにおいて、変換により外れた値を示す観察結果をダウンウェイトする。IC50を再変換値から計算する。JMPソフトウェア(SAS Institute, Inc.)を一元配置ANOVAと非線形用量反応分析の両方に用いる。
【0151】
7. 対照化合物
全てのプロゲスチン又は抗プロゲスチン対照化合物を完全な用量反応曲線で処理し、脱落膜反応に関するEC50又はIC50を計算した。
【0152】
C. カニクイザルの月経の誘導
1. 実験計画
単回投与又は用量反応パラダイムのいずれかにおける、適切な対照(賦形剤のみ)と比較した投与化合物の効果を測定する。化合物を単回投与で試験した場合、4匹の動物群を、この投与に対して使用する。用量反応の研究において、各々の実験では、5つ以下の動物群(1つの対照群、及び化合物の投与量を変えて処置した4つの動物群)を必要とする。実験群は、3〜4匹の動物/群を含んでいる。なぜなら、このようなサンプルサイズが文献において一般的に用いられ、本発明者ら自身の経験に基づいて適切であることが見出されているからである。動物を、月経周期の黄体期中期において試験化合物で1日1回又は2回4日間に亘って処置して、生殖パラメータである月経に対する化合物の効果を評価する。
【0153】
2. 方法
最初に、動物を、その生殖の周期性に関して月経の時間を観察することによって特徴付ける。2種類の正常な継続性周期を有する動物のみを用いて、試験化合物を評価する。膣からの出血について連日肉眼的検査することによって、月経を観察する。
【0154】
各々の実験において、動物を、試験化合物で1日1回又は2回IV、IM、SC又はPO処置する。適切な賦形剤を各投与経路について決定し、治験実施計画書の改訂によってこれらの賦形剤を特定する。PO賦形剤は、2%のトゥイーン−80であるか、又は0.5%のメチルセルロース水溶液中における2%のトゥイーン−80である。対照動物を、賦形剤のみで処置する。用いられた最大投与量は、以下の通りである:強制飼養 10mL/kg、IV 10mL/kg、SC 1.5mL/kg、IM 0.2mL/kg。効果は、避妊化合物に関する早期の月経の誘導として定義される。
【0155】
3. 比較例
5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルは、アルカリホスファターゼアッセイにおけるPR拮抗薬であり(IC50=10nM)、ラットの脱落膜アッセイにおいて非常に強力である(ED50=0.2mg/kgのpo)。しかしながら、カニクイザルの月経の誘導アッセイにおける5mg/kgのpoの投与で不活性であった(化合物は5mg/kgを超えて投与しなかった。)。5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルもT47Dアルカリホスファターゼアッセイにおいて活性であり(IC50=3.4nM)、ラットの脱落膜アッセイで活性であった(ED50=0.1mg/kgのpo)。しかしながら、カニクイザルの月経の誘導アッセイにおいて、上述したように、5mg/kgのpoで投与された動物5匹の中の4匹において月経の早期の発生を誘導した。
【0156】
カニクイザルを5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル又は5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルで0.25mg/kgにて静脈内に投与した場合に、以下の重要な薬物動態パラメータを測定した:5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルの場合、動物において観察された平均半減期(t1/2)は2.1時間であり、曝露量(AUC0-∞)は、343ng*hr/mLであった。5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(0.25mg/kg、静脈注射)の場合、動物において観察された平均半減期(t1/2)は8.8時間であり、曝露量(AUC0-∞)は、578ng*hr/mLであった。従って、先のデータから、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルに含まれるR6=フッ素基によって、分子の薬物動態の結果(performance)が劇的に改善されることが明らかとなる。この薬物動態の改善された結果により、カニクイザルの月経の誘導アッセイにおいて、活性が劇的に改善する。
【0157】
本明細書で引用される全ての刊行物は、本明細書で参照することによって本明細書に取り込まれる。本発明は特に好ましい実施形態を参照して説明したが、本発明の趣旨から逸脱しない限り変更可能であることは認識されるだろう。そのような変更は添付の特許請求の範囲内にあることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[但し、R1は水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、又はC3〜C6アルキニルを表し;
2及びR3はそれぞれ独立して、水素、アルキル及び置換アルキルからなる群から選択され;或いは
2及びR3は一緒に結合して、環を形成し且つ−CH2−(CH2n−CH2−を含み;
nは0、1、2又は3を表し;
4は水素又はハロゲンを表し;
5は水素を表し;
6は水素又はハロゲンを表し;
7は水素、アルキル又はハロゲンを表し;
8は水素を表し;
9は水素、アルキル、置換アルキル又はCOORAを表し;
Aはアルキル又は置換アルキルを表す。]
で表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項2】
1が水素又はアルキルを表し;
2及びR3が一緒に結合して、環を形成し且つ−CH2−(CH2n−CH2−を含み;
nが1又は2を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
2及びR3がアルキルを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
2又はR3がメチル又はエチルを表す請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
1が水素を表し;
2及びR3がアルキルを表し;或いは
2及びR3が一緒に結合して、環を形成し且つ−CH2−(CH2n−CH2−を含み;
nが0〜2を表し;
4が水素を表し;
6がフッ素を表し;
7が水素を表し;並びに
9がアルキルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
9がメチル又はCOORAを表し、RAがtert−ブチルを表す請求項3に記載の化合物。
【請求項7】
化合物が、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(4−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(7’−フルオロ−2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−5’−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(7−フルオロ−1,3,3−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、tert−ブチル2−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−1−カルボキシレート、tert−ブチル2−シアノ−5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−1−カルボキシレート、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル、メチル−[5−(5−シアノ−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]アセテート、5−(1−エチル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−1−プロプ−2−イン−1−イル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−[7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−1−(2−フェニルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(1−ベンジル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−1−プロピル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(7−フルオロ−1−イソブチル−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(7−フルオロ−1−イソプロピル−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(1−アリル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(1−シクロヘキシル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(1−シクロペンチル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩、及び医薬的に許容可能な担体又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項9】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の前記化合物が避妊を誘導することを特徴とする、前記使用。
【請求項10】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の前記化合物により、ホルモン補充療法を提供することを特徴とする、前記使用。
【請求項11】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の前記化合物により、ホルモン性腫瘍疾患を治療することを特徴とする、前記使用。
【請求項12】
ホルモン依存性腫瘍疾患が、子宮筋腫、子宮内膜症、良性前立腺肥大症、子宮内膜、卵巣、乳房、結腸、前立腺、下垂体のガン及び腺ガン、並びに髄膜腫からなる群から選択される請求項11に記載の使用。
【請求項13】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の前記化合物により哺乳動物の発情期を同調させることを特徴とする、前記使用。
【請求項14】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の前記化合物により月経困難症を治療することを特徴とする、前記使用。
【請求項15】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の前記化合物により不正子宮出血を治療することを特徴とする、前記使用。
【請求項16】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の前記化合物は無月経を誘発することを特徴とする、前記使用。
【請求項17】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の前記化合物により、月経前症候群及び月経前不快気分障害の症状を治療することを特徴とする、前記使用。
【請求項18】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の前記化合物により周期に関連した症状を治療することを特徴とする、前記使用。
【請求項19】
症状が精神的である請求項18に記載の使用。
【請求項20】
精神的な症状として、情緒の変化、過敏性、不安、集中力の欠如、又は性欲の減少が含まれる請求項19に記載の使用。
【請求項21】
症状が身体的である請求項18に記載の使用。
【請求項22】
身体的な症状として、乳房の圧痛、鼓腸、疲労又は大食症が含まれる請求項21に記載の使用。
【請求項23】
出産適齢期の女性に対して28日間連続して投与する薬剤の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、
(a)プロゲステロン活性の点で約35〜約100μgのレボノルゲストレルに等しい、14〜24日投与単位の黄体ホルモン薬による第1段階;
(b)約2〜50mgの1日投与量の条件下、1〜11日投与単位の前記化合物による第2段階;及び
(c)必要により、連続28日のうち、抗プロゲスチン、プロゲスチン又はエストロゲンが投与されない残りの日のための、1日投与単位の経口的及び医薬的に許容可能なプラシーボによる第3段階;
[但し、第1段階、第2段階及び第3段階の1日投与単位の合計は28である。]
を含む各工程に基づき行われることを特徴とする、前記使用。
【請求項24】
黄体ホルモン薬がタナプロゲットである請求項23に記載の使用。
【請求項25】
第1段階が、10〜35μgの1日投与量でエストロゲンを共投与することを更に含む請求項23に記載の使用。
【請求項26】
エストロゲンがエチニルエストラジオールである請求項25に記載の使用。
【請求項27】
第1段階が18〜24日間を含む請求項25に記載の使用。
【請求項28】
第1段階が21日間を含む請求項27に記載の使用。
【請求項29】
第2段階が3日間を含む請求項25に記載の使用。
【請求項30】
第3段階が4日間を含む請求項25に記載の使用。
【請求項31】
(a)プロゲステロン活性の点で約35〜約150μgのレボノルゲストレルに等しい、14〜21日投与単位の黄体ホルモン薬による第1段階;
(b)1〜11日投与単位の、請求項1〜7のいずれか1項に記載の抗プロゲスチン化合物(各1日投与単位は、約2〜50mgの1日投与量の前記抗プロゲスチン化合物を含む。)による第2段階;及び
(c)1日投与単位の、経口的及び医薬的に許容可能なプラシーボによる第3段階;
[但し、第1段階、第2段階及び第3段階の1日投与単位の合計数は28である。]
を含む連日経口投与に適合した医薬的に有用なキット。
【請求項32】
(a)任意に置換されたオキシインドールをアルキル化する工程;
(b)工程(a)の生成物を臭素化する工程;及び
(c)工程(b)の生成物を2−シアノピロールとカップリングする工程、
を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物の製造方法。
【請求項33】
任意に置換されたオキシインドールが、以下の構造:
【化2】

で表される請求項32に記載の方法。
【請求項34】
工程(a)の生成物が、以下の構造:
【化3】

で表される請求項32に記載の方法。
【請求項35】
工程(b)の生成物が、以下の構造:
【化4】

で表される請求項32に記載の方法。
【請求項36】
シアノピロールが、以下の構造:
【化5】

で表されるか、又は
シアノピロールが、リチウムジイソプロピルアミドと、トリアルキルボレートと、以下の構造:
【化6】

で表されるピロールとの反応生成物である請求項32に記載の方法。
【請求項37】
(a)5−ブロモ置換オキシインドールと、保護基を含有するピロールボロン酸とをカップリングする工程;
(b)工程(a)の生成物をニトリルに転化する工程;及び
(c)工程(b)の生成物から前記保護基を除去する工程、
を含む請求項1に記載の化合物の製造方法。
【請求項38】
5−ブロモ置換オキシインドールが、以下の構造:
【化7】

で表される請求項37に記載の方法。
【請求項39】
ピロールボロン酸が、以下の構造:
【化8】

で表される請求項37に記載の方法。
【請求項40】
工程(b)の生成物が、以下の構造:
【化9】

で表される請求項37に記載の方法。
【請求項41】
(a)以下の構造:
【化10】

[但し、R4が水素又はハロゲンを表し;
5が水素を表し;
6が水素又はハロゲンを表す。]
で表される任意に置換されたオキシインドールをアルキル化する工程;
(b)工程(a)の生成物を臭素化して、以下の構造:
【化11】

[但し、R2及びR3がそれぞれ独立して、水素、アルキル及び置換アルキルからなる群から選択されるか;又は
2及びR3が一緒に結合して、環を形成し且つ−CH2−(CH2n−CH2−を含み;
nが0、1、2又は3を表す。]
で表される化合物を形成する工程;及び
(c)工程(b)の生成物を、以下の構造:
【化12】

[但し、R7が水素、アルキル又はハロゲンを表し;
8が水素を表し;
9が水素、アルキル、置換アルキル又はCOORAを表し;
Aがアルキル又は置換アルキルを表す。]
で表される2−シアノピロールと、又はリチウムジイソプロピルアミドと、トリアルキルボレートと、以下の構造:
【化13】

で表されるピロールとの反応生成物である前記シアノピロールとカップリングする工程、
を含む請求項1に記載の化合物の製造方法。
【請求項42】
有効量の、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物を出産適齢期の女性に対して投与することを特徴とする哺乳動物の避妊方法。

【公表番号】特表2008−509217(P2008−509217A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525616(P2007−525616)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/023795
【国際公開番号】WO2006/023109
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】