説明

ピンローテーション修正方法及び同修正装置

【課題】 ピンローテーション修正方法及び同修正装置の提供。
【解決手段】 磁気ヘッドスライダ100の浮上面に露出し、磁化方向が規制された固定層を含むMR素子101のピンローテーションを修正するピンローテーション修正方法であって、MR素子101に前記磁化方向の直流強磁界30を印可した状態において、前記MR素子101にレーザ光20によるレーザスポットを照射し、このレーザスポットの照射エネルギによりMR素子101のみを200〜250度に加熱することにより、MR素子の飛び出しを招くことなくピンローテーションを修正するもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ディスク装置用の磁気ヘッドのMR素子等に発生するピンローテーションを修正することができるピンローテーション修正方法及びピンローテーション修正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の磁気ディスク装置は、面記録密度の向上に伴って薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められ、この薄膜磁気ヘッドとしては、基板に対して読み出し専用の磁気抵抗効果素子(以下、MR素子[Magneto−resistive]と呼ぶ)を有する再生ヘッドと書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。前記MR素子は、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magneto−resistive)効果を用いたAMR素子や、巨大磁気抵抗(Giant Magneto−resistive)効果を用いたGMR素子や、トンネル磁気抵抗(Tunnel−type Magnetoresistive)効果を用いたTMR素子等が知られている。
【0003】
前述のMR素子101は、図7に示す如く、磁気ヘッドスライダ100の浮上面に一端部に配置され、磁化方向103が固定された一対の固定層102と、該一対の固定層102に挟まれ、磁気ディスクからの磁束によって磁化方向が変化することにより抵抗値が変化する自由層101とから構成されている。
【0004】
このMR素子101を搭載した磁気ヘッドスライダは、MR素子101の前記磁化方向が一定の方向性を持っていないと磁気ディスクからの読み出し出力が低くなって読出特性が悪化するため為、前記磁化方向が異常(ピンローテーション:Pin Rotation)な場合、不良品として廃棄されていた。
【0005】
尚、前記MR素子の製造方法に関する技術が記載された文献としては下記特許公報が挙げられる。
【特許文献1】特開平07−254116号公報
【特許文献2】特開2002−50012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の従来技術による磁気ヘッドスライダは、前記MR素子の磁化方向が一定でない場合、廃棄されていたため、磁気ヘッドスライダの製造歩留まりが悪いという不具合があった。尚、前記MR素子の磁化方向を一定に修正する手法として、磁気ヘッドスライダをMR膜のキュリー温度(200〜250度)に設定した高温の恒温槽に入れ、所定の磁場を印可することによって前記磁化方向を修正することも考えられる。しかしながら、この手法は、磁気ヘッドスライダ全体を10秒〜1時間程度加熱する必要があるため、図8に示す如く、加熱−冷却時に熱膨張係数の差によって熱応力が発生し、磁気ヘッドスライダの浮上面121からMR素子が熱膨張よる飛び出し120が発生し、微小間隔で磁気ディスク上を浮上する磁気ヘッドスライダの浮上特性に悪影響を与えると言う不具合があった。また前記飛び出し120は、2nm〜50nmであり、磁気ヘッドスライダの浮上量が5nm〜10nmと低くなってきているため、磁気ヘッドスライダ及び磁気ディスクの損傷を招く可能性があると言う不具合もあった。
【0007】
本発明の目的は、前述の従来技術による不具合を除去することであり、MR素子の飛び出しを生じることなしにMR素子の磁化方向を容易に修正することができるピンローテーション修正方法及び同修正装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記目的を達成するため、磁気ヘッドスライダの浮上面に露出し、磁化方向が規制された固定層を含むMR素子のピンローテーションを修正するピンローテーション修正方法であって、前記MR素子に前記磁化方向の直流強磁界を印可する磁場印加工程と、該磁場を印可した状態において前記MR素子にレーザ光によるレーザスポットを照射する照射工程と、該レーザスポットの照射エネルギによりMR素子のみを200〜250度に加熱する加熱工程とを含むことを第1の特徴とする。
【0009】
また本発明は、磁気ヘッドスライダの浮上面に露出し、磁化方向が規制された固定層を含むMR素子のピンローテーションを修正するピンローテーション修正方法にであって、前記MR素子に前記磁化方向の直流強磁界を印可する磁場印加工程と、該磁場を印可した状態において前記浮上面にレーザ光によるレーザスポットを照射する照射工程と、該レーザスポットをMR素子に位置決めを行う位置決め工程と、該位置決めしたレーザスポットの自動焦点合わせを行う焦点合わせ工程と、該焦点合わせを行ったレーザスポットの照射エネルギを200〜250度に加熱する加熱工程とを含むことを第2の特徴とし、該ピンローテーション修正方法において、前記位置決め工程が、磁気ヘッドスライダの浮上面にレーザ光を発して磁気ヘッドスライダの角部を検出する検出工程と、該検出した角部を基準として予め定められたMR素子の位置にレーザ光のレーザスポットを移動させる移動工程とを含むことを第3の特徴とする。
【0010】
更に本発明は、磁気ヘッドスライダの浮上面に露出したMR素子と該MR素子と内部電線を介して連通する接続端子を備える磁気ヘッドスライダのMR素子の磁化方向が規制された固定層のピンローテーションを修正するピンローテーション修正方法であって、前記MR素子の固定層に直流強磁界を印可する磁場印加工程と、該磁場を印可した状態において前記レーザ光によるレーザスポットを接続端子に位置決めを行う位置決め工程と、該位置決めしたレーザスポットの自動焦点合わせを行う焦点合わせ工程と、該焦点合わせを行ったレーザスポットの照射エネルギを200〜250度に加熱する加熱工程とを含むことを第4特徴とし、該ピンローテーション修正方法において、前記位置決め工程が、磁気ヘッドスライダにレーザ光を発して磁気ヘッドスライダの角部を検出する検出工程と、該検出した角部を基準として予め定められた接続端子の位置にレーザ光のレーザスポットを移動させる移動工程とを含むことを第5の特徴とする。
【0011】
また本発明は、磁気ヘッドスライダの浮上面に露出し、磁化方向が規制された固定層を含むMR素子のピンローテーションを修正するピンローテーション修正装置であって、前記MR素子に前記磁化方向の直流強磁界を印可する磁場印加機構と、該磁場を印可した状態において前記MR素子にレーザ光によるレーザスポットを照射し、該レーザスポットの照射エネルギによりMR素子のみを200〜250度に加熱するレーザヘッドとを備えることを第6の特徴とする。
【0012】
更に本発明は、磁気ヘッドスライダの浮上面に露出し、磁化方向が規制された固定層を含むMR素子のピンローテーションを修正するピンローテーション修正装置であって、前記MR素子に前記磁化方向の直流強磁界を印可する磁場印加機構と、該磁場を印可した状態において前記浮上面にレーザ光によるレーザスポットを照射して該レーザスポットをMR素子に位置決めを行い、該位置決めしたレーザスポットの自動焦点合わせを行った後にレーザスポットの照射エネルギを200〜250度に加熱するレーザヘッドを備えることを第7の特徴とし、該ピンローテーション修正装置において、前記位置決め機構が、磁気ヘッドスライダの浮上面にレーザ光を発して磁気ヘッドスライダの角部を検出し、該検出した角部を基準として予め定められたMR素子の位置にレーザ光のレーザスポットを移動させることを第8の特徴とする。
【0013】
また本発明は、磁気ヘッドスライダの浮上面に露出したMR素子と該MR素子と内部電線を介して連通する接続端子を備える磁気ヘッドスライダのMR素子の磁化方向が規制された固定層のピンローテーションを修正するピンローテーション修正装置であって、前記MR素子の固定層に直流強磁界を印可する磁場印加機構と、該磁場を印可した状態において前記レーザ光によるレーザスポットを接続端子に位置決めし、該位置決めしたレーザスポットの自動焦点合わせを行った後にレーザスポットの照射エネルギを200〜250度に加熱するレーザヘッドを備えることを第9の特徴とし、該ピンローテーション修正装置において、前記位置決め機構が、磁気ヘッドスライダにレーザ光を発して磁気ヘッドスライダの角部を検出し、該検出した角部を基準として予め定められた接続端子の位置にレーザ光のレーザスポットを移動させることを第10の特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によるピンローテーション修正方法及び同修正装置は、磁気ヘッドスライダの浮上面に露出し、磁化方向が規制された固定層を含むMR素子に前記磁化方向の直流強磁界を印可し、該磁場を印可した状態において前記MR素子にレーザ光によるレーザスポットを照射し、該レーザスポットの照射エネルギによりMR素子のみを200〜250度に加熱することによって、MR素子のみを短時間にMR膜のキュリー温度まで加熱し、MR素子の飛び出しを招くことなくピンローテーションを修正することができる。
【0015】
また本発明によるピンローテーション修正方法及び同修正装置は、MR素子に前記磁化方向の直流強磁界を印可した状態において浮上面にレーザ光によるレーザスポットを照射し、該レーザスポットをMR素子に位置決めを行い、該位置決めしたレーザスポットの自動焦点合わせを行った後にレーザスポットの照射エネルギを200〜250度に加熱することによって、MR素子のみを短時間にMR膜のキュリー温度まで加熱し、MR素子の飛び出しを招くことなくピンローテーションを修正することができる。
【0016】
更に本発明によるピンローテーション修正方法及び同修正装置は、前記MR素子の固定層に直流強磁界を印可した状態において、前記レーザ光によるレーザスポットを接続端子に位置決めを行い、この位置決めしたレーザスポットの自動焦点合わせを行う焦点合わし、このレーザスポットの照射エネルギを200〜250度に加熱することによって、接続端子乃至内部電線を介してMR素子を短時間にMR膜のキュリー温度まで加熱し、MR素子の飛び出しを招くことなくピンローテーションを修正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明によるピンローテーション修正方法を適用したピンローテーション修正装置の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明によるピンローテーション修正方法の原理説明図、図2は前記原理によるMR素子の磁化方向修正を説明するための図、図3は本発明の第1の実施形態によるピンローテーション修正方法を示す説明図、図4は本発明の第2の実施形態によるピンローテーション修正方法を示す説明図、図5は本発明によるピンローテーション修正装置の第1の磁場印加機構を説明するための図、図6は本発明によるピンローテーション修正装置の第2の磁場印加機構を説明するための図である。
<本発明の原理説明>
【0018】
本発明によるピンローテーション修正方法の原理は、図1に示す如く、磁気ヘッドスライダ100の修正を要するMR素子101に対して矢印で示す一定方向の直流強磁界30を印可した状態で、前記MR素子101にレーザ光20を照射し、MR素子101のみをMR膜のキュリー温度(200〜250度)に加熱することによって、図2に示す如く固定層102に図面垂直方向に磁化方向を揃え、ピンローテーションを修正するものである。
【0019】
本発明によるピンローテーション修正方法は、前述したレーザ光20をMR素子101のみを短時間にMR膜のキュリー温度(200〜250度)まで高温化することによって、MR素子の飛び出しを招くことなくピンローテーションを修正することができる。
【0020】
<第1の実施形態>
前記原理に基づく具体的なピンローテーション修正方法(第1の実施形態)は、図3に示す如く、磁気ヘッドスライダ100の浮上面(図中上の面)に長尺状のレーザスポットを形成するレーザ光20を低出力にてMR素子101に照射してレーザ照射の位置決め(図3bのステップ41)を行い、次いでオートフォーカス(AF)による引き込み(同ステップ42)により焦点合わせを行った後、MR素子101を短時間にキュリー温度に達する高出力にレーザ出力値を設定し(同ステップ43)、レーザ光による走査(ステップ44)を行った後にレーザ光をオフ(同ステップ45)することによってピンローテーションを修正するものである。
【0021】
前記ステップ41によるレーザ光20のMR素子101に対する位置決めは、MR素子101の加熱時に比して熱エネルギが低い低出力状態のレーザ光を磁気ヘッドスライダの浮上面(鏡面)に照射し、その反射によって磁気ヘッドスライダの角部を光学的に検出し、この角部を基準位置として予め定められた方向及び距離だけレーザスポットをMR素子の位置に移動させることによって行うことができる。またステップ44による走査速度は、MR素子のサイズ約1μmに対して1ms〜50msでレーザ照射するためには、0.02〜1mm/s程度が好ましい。
【0022】
従って本実施形態によれば、MR膜のみをキュリー温度(200〜250度)まで高温化し、MR素子の他の部位との熱膨張差による飛び出しを招くことなくピンローテーションを修正することができる。
<第2の実施形態>
【0023】
次いで本発明の第2の実施形態によるピンローテーション修正方法を図4を参照して説明する。本実施形態によるピンローテーション修正方法は、図4(a)に示す如く、磁気ヘッドスライダ100に設けられているMR素子101と物理的に接続されて信号の授受を行う接続端子に対してレーザ光20を照射することによって、前記端子を加熱し、この熱を端子とMR素子101を導通するために設けられた内部電線を介してMR素子101に伝導させ、MR素子101をキュリー温度(200〜250度)まで高温化し、MR素子の他の部位との熱膨張差による飛び出しを招くことなくピンローテーションを修正することができる。尚、前記接続端子並びに内部電線の材質は金が好ましい。
【0024】
この実施形態によるピンローテーション修正方法は、前述の実施形態同様に、図4(b)に示す如く、磁気ヘッドスライダ100の接続端子にレーザスポットを形成するレーザ光20を照射してレーザ照射の位置決め(ステップ51)を行い、次いでオートフォーカス(AF)による引き込み(同ステップ52)により焦点合わせを行った後、接続端子を介した端子MR素子101を短時間にキュリー温度に達するエネルギー値にレーザ出力値を設定し(同ステップ53)、レーザ光による走査(ステップ54)を行った後にレーザ光をオフ(同ステップ55)することによってピンローテーションを修正する様に動作d、MR膜をキュリー温度(200〜250度)まで高温化し、MR素子の他の部位との熱膨張差による飛び出しを招くことなくピンローテーションを修正することができる。
【0025】
<磁場印加機構の説明>
前記実施形態によるピンローテーション修正方法における磁気ヘッドスライダのMR素子に磁場を印可する磁場印加機構を図5及び図6を参照して説明する。
【0026】
図5に示す磁場印加機構は、磁気ヘッドスライダ100、即ちMR素子101に対して2つの磁石を用いて磁場を印可するものであって、磁気ヘッドスライダ100に対して上方に配した磁石61と同下方に配した磁石62間に磁気ヘッドスライダ100及びレーザ光を発するレーザヘッド22を配置し、磁石62から磁石61に向かって一方向の強磁界30を印可する様に構成されている。
【0027】
これに対して図6に示す磁場印加機構は、磁気ヘッドスライダ100に対して1つの磁石を用いて磁場を印可するものであって、磁気ヘッドスライダ100に対して下方に磁石63を配し、磁石63からの磁界が戻ることによって、一方向の強磁界30を印可する様に構成されている。
【0028】
この様にこれら実施形態による磁場印加機構は、一対又は1つの磁石からの磁場が磁気ヘッドスライダ100のMR素子を通過するように構成することによって、MR素子に一方向磁界を印可し、前述の実施例の如くレーザ光20の照射によってMR素子101のMR膜をキュリー温度(200〜250度)に加熱し、ピンローテーションを修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明によるピンローテーション修正方法の原理説明図。
【図2】前記原理によるMR素子の磁化方向修正を説明するための図。
【図3】本発明の第1の実施形態によるピンローテーション修正方法を示す説明図。
【図4】本発明の第2の実施形態によるピンローテーション修正方法を示す説明図。
【図5】本発明によるピンローテーション修正装置の第1の磁場印加機構を説明するための図。
【図6】本発明によるピンローテーション修正装置の第2の磁場印加機構を説明するための図。
【図7】磁気ディスクスライダ及びMR素子を説明するための図。
【図8】磁気ディスクスライダからのMR素子飛び出しを説明するための図。
【符号の説明】
【0030】
20:レーザ光、22:レーザヘッド、30:直流強磁界、61:磁石、62:磁石、63:磁石、100:磁気ヘッドスライダ、101:MR素子、101:自由層、102:固定層、103:磁化方向、121:浮上面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ヘッドスライダの浮上面に露出し、磁化方向が規制された固定層を含むMR素子のピンローテーションを修正するピンローテーション修正方法であって、前記MR素子に前記磁化方向の直流強磁界を印可する磁場印加工程と、該磁場を印可した状態において前記MR素子にレーザ光によるレーザスポットを照射する照射工程と、該レーザスポットの照射エネルギによりMR素子のみを200〜250度に加熱する加熱工程とを含むことを特徴とするピンローテーション修正方法。
【請求項2】
磁気ヘッドスライダの浮上面に露出し、磁化方向が規制された固定層を含むMR素子のピンローテーションを修正するピンローテーション修正方法であって、前記MR素子に前記磁化方向の直流強磁界を印可する磁場印加工程と、該磁場を印可した状態において前記浮上面にレーザ光によるレーザスポットを照射する照射工程と、該レーザスポットをMR素子に位置決めを行う位置決め工程と、該位置決めしたレーザスポットの自動焦点合わせを行う焦点合わせ工程と、該焦点合わせを行ったレーザスポットの照射エネルギを200〜250度に加熱する加熱工程とを含むことを特徴とするピンローテーション修正方法。
【請求項3】
前記位置決め工程が、磁気ヘッドスライダの浮上面にレーザ光を発して磁気ヘッドスライダの角部を検出する検出工程と、該検出した角部を基準として予め定められたMR素子の位置にレーザ光のレーザスポットを移動させる移動工程とを含むことを特徴とする請求項2記載のピンローテーション修正方法。
【請求項4】
磁気ヘッドスライダの浮上面に露出したMR素子と該MR素子と内部電線を介して連通する接続端子を備える磁気ヘッドスライダのMR素子の磁化方向が規制された固定層のピンローテーションを修正するピンローテーション修正方法であって、前記MR素子の固定層に直流強磁界を印可する磁場印加工程と、該磁場を印可した状態において前記レーザ光によるレーザスポットを接続端子に位置決めを行う位置決め工程と、該位置決めしたレーザスポットの自動焦点合わせを行う焦点合わせ工程と、該焦点合わせを行ったレーザスポットの照射エネルギを200〜250度に加熱する加熱工程とを含むことを特徴とするピンローテーション修正方法。
【請求項5】
前記位置決め工程が、磁気ヘッドスライダにレーザ光を発して磁気ヘッドスライダの角部を検出する検出工程と、該検出した角部を基準として予め定められた接続端子の位置にレーザ光のレーザスポットを移動させる移動工程とを含むことを特徴とする請求項4記載のピンローテーション修正方法。
【請求項6】
磁気ヘッドスライダの浮上面に露出し、磁化方向が規制された固定層を含むMR素子のピンローテーションを修正するピンローテーション修正装置であって、前記MR素子に前記磁化方向の直流強磁界を印可する磁場印加機構と、該磁場を印可した状態において前記MR素子にレーザ光によるレーザスポットを照射し、該レーザスポットの照射エネルギによりMR素子のみを200〜250度に加熱するレーザヘッドとを備えることを特徴とするピンローテーション修正装置。
【請求項7】
磁気ヘッドスライダの浮上面に露出し、磁化方向が規制された固定層を含むMR素子のピンローテーションを修正するピンローテーション修正装置であって、前記MR素子に前記磁化方向の直流強磁界を印可する磁場印加機構と、該磁場を印可した状態において前記浮上面にレーザ光によるレーザスポットを照射して該レーザスポットをMR素子に位置決めを行い、該位置決めしたレーザスポットの自動焦点合わせを行った後にレーザスポットの照射エネルギを200〜250度に加熱するレーザヘッドを備えることを特徴とするピンローテーション修正装置。
【請求項8】
前記位置決め機構が、磁気ヘッドスライダの浮上面にレーザ光を発して磁気ヘッドスライダの角部を検出し、該検出した角部を基準として予め定められたMR素子の位置にレーザ光のレーザスポットを移動させることを特徴とする請求項7記載のピンローテーション修正装置。
【請求項9】
磁気ヘッドスライダの浮上面に露出したMR素子と該MR素子と内部電線を介して連通する接続端子を備える磁気ヘッドスライダのMR素子の磁化方向が規制された固定層のピンローテーションを修正するピンローテーション修正装置であって、前記MR素子の固定層に直流強磁界を印可する磁場印加機構と、該磁場を印可した状態において前記レーザ光によるレーザスポットを接続端子に位置決めし、該位置決めしたレーザスポットの自動焦点合わせを行った後にレーザスポットの照射エネルギを200〜250度に加熱するレーザヘッドを備えることを特徴とするピンローテーション修正装置。
【請求項10】
前記位置決め機構が、磁気ヘッドスライダにレーザ光を発して磁気ヘッドスライダの角部を検出し、該検出した角部を基準として予め定められた接続端子の位置にレーザ光のレーザスポットを移動させることを特徴とする請求項9記載のピンローテーション修正装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−193901(P2007−193901A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−12073(P2006−12073)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(000233033)日立コンピュータ機器株式会社 (253)
【Fターム(参考)】