説明

ファクシミリ装置

【課題】ファクシミリ装置における各種レポートのセキュリティーおよび利便性を高める。
【解決手段】ファクシミリ装置は、レポートを出力するか否かを設定する共通設定と、レポートの出力を許可するか否かを宛先ごとに設定する個別設定とを有する。また、一以上の宛先へのファクシミリ送信に関するレポートを出力するか否かを、前記共通設定よりも前記宛先の個別設定を優先的に適用して、判定する。また、前記宛先へのファクシミリ送信に関するレポートを出力すると判定された場合、当該前記宛先へのファクシミリ送信に関する情報を含むレポートを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリに関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ装置(例えば、プリンター機能、スキャナー機能、コピー機能などの複数機能に加えファクシミリ機能を有する複合機なども含まれる)において、各種のレポートを印刷出力する機能が知られている。
【0003】
レポートとしては、例えば、一つの宛先に対してファクシミリが送信された場合にその結果を出力する送信レポート、複数の宛先に対して同じ内容のデータのファクシミリが送信された場合(同報送信)にその結果を出力する同報送信レポート、所定時間ごとなどにファクシミリの送受信結果をまとめて出力する通信管理レポート、などがある。
【0004】
また、通信管理レポートに相手先の名前やファックス番号が記載されていると第三者に情報漏洩のおそれがあることに対処するため、全ての宛先情報を印刷しないようにしたり、ファクシミリ装置を使用可能なユーザーに対応付けられた宛先情報以外の全ての宛先情報を出力しないようにしたりする、技術が記載されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−62775
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1では、送信レポートや同報送信レポートにおける情報漏洩のおそれへの対処について開示されていない。また、通信管理レポートにおいても、全ての宛先情報が印刷されない場合があり、使い勝手が悪い。
【0007】
本発明は、ファクシミリ装置における各種レポートのセキュリティーおよび利便性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための本発明の一態様は、ファクシミリ送信に関するレポートを出力するファクシミリ装置であって、レポートを出力するか否かを設定する共通設定と、レポートの出力を許可するか否かを宛先ごとに設定する個別設定と、を記憶する記憶手段と、一以上の宛先へのファクシミリ送信に関するレポートを出力するか否かを、前記共通設定よりも前記宛先の個別設定を優先的に適用して、判定する判定手段と、前記宛先へのファクシミリ送信に関するレポートを出力すると判定された場合、当該前記宛先へのファクシミリ送信に関する情報を含むレポートを出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
ここで、前記出力手段は、前記宛先へのファクシミリ送信に関するレポートを出力しないと判定された場合、当該宛先へのファクシミリ送信に関する情報を含むレポートを出力しない、又は当該宛先へのファクシミリ送信に関する情報の少なくとも一部を含まないレポートを出力する、ことを特徴としてもよい。
【0010】
また、前記判定手段は、前記共通設定がレポートを出力するように設定されており、かつ、前記宛先の個別設定がレポートの出力を許可しないように設定されている場合、当該宛先へのファクシミリ送信に関するレポートを出力しないと判定する、ことを特徴としてもよい。
【0011】
また、前記ファクシミリ装置は、前記共通設定と前記個別設定の設定変更を受け付ける設定手段、を有することを特徴としてもよい。
【0012】
また、前記出力手段は、前記レポートが一つの宛先へのファクシミリ送信が行われた場合に出力される送信レポートである場合に、前記宛先へのファクシミリ送信に関するレポートを出力しないと判定された場合、当該宛先へのファクシミリ送信に関する情報を含むレポートを出力しない、ことを特徴としてもよい。
【0013】
また、前記出力手段は、前記レポートが複数の宛先へのファクシミリの同報送信が行われた場合に出力される同報送信レポートである場合に、前記宛先へのファクシミリ送信に関するレポートを出力しないと判定された場合、当該宛先へのファクシミリ送信に関する情報の少なくとも一部を含まないレポートを出力する、ことを特徴としてもよい。
【0014】
また、前記出力手段は、前記レポートが一以上の宛先へのファクシミリ送信に関する情報を含む通信管理レポートである場合に、前記宛先へのファクシミリ送信に関するレポートを出力しないと判定された場合、当該宛先へのファクシミリ送信に関する情報の少なくとも一部を含まないレポートを出力する、ことを特徴としてもよい。
【0015】
また、前記ファクシミリ装置は、ファクシミリ送信の宛先の個別設定を表示して、レポートの出力を許可するか否かの確認を促す表示手段、を有することを特徴としてもよい。
【0016】
また、前記表示手段は、入力された宛先の電話番号が登録済みであって、前記共通設定と前記入力された宛先の個別設定とが所定の関係にある場合に、当該宛先の個別設定を表示する、ことを特徴としてもよい。
【0017】
また、前記表示手段は、短縮番号が宛先として入力された場合に、前記共通設定と前記短縮番号に対応する宛先の個別設定が所定の関係にある場合に、当該宛先の個別設定を表示する、ことを特徴としてもよい。
【0018】
また、前記ファクシミリ装置は、ファクシミリ送信に関する通信履歴を記憶する記憶手段と、各ファクシミリ送信の宛先に対応する個別設定に基づいて、レポートの出力を許可するように設定されている宛先に対応するファクシミリ送信の通信履歴を表示する通信履歴表示手段と、を有することを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態の一例に係る複合機のハードウェアの概略構成を示すブロックである。
【図2】本発明の一実施形態の一例に係る複合機の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態の一例に係る通信履歴の構成を説明する図である。
【図4】本発明の一実施形態の一例に係るレポート共通設定の構成を説明する図である。
【図5】本発明の一実施形態の一例に係る宛先設定の構成を説明する図である。
【図6】本発明の一実施形態の一例に係るレポート出力処理を示すフロー図である。
【図7】本発明の一実施形態の一例に係る送信レポートを示す図である。
【図8】本発明の一実施形態の一例に係る同報送信レポートを示す図である。
【図9】本発明の一実施形態の一例に係る同報送信レポート(禁止の宛先を含む場合)を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態の一例に係る確認画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態の一例について、図面を参照して説明する。
【0021】
本実施形態の一例では、ファクシミリ装置は、スキャナー機能、プリンター機能、コピー機能等の複数の機能を有する複合機(例えば、MFP:Multi Function Printerと呼ばれる)である。もちろん、複数の機能を有さないファクシミリ装置であってもよい。
【0022】
以下では、ファクシミリのレポート出力に関する構成を中心に説明を行う。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態の一例に係る複合機のハードウェアの概略構成を示すブロックである。
【0024】
複合機1は、LAN(Local Area Network)などのネットワークに接続されるとともに、電話回線に接続される。複合機1は、例えば、LANを介して接続されたPC(Personal Computer)などの情報処理装置から印刷指示を受け付けて印刷を行う。また、複合機1は、例えば、操作パネル16からユーザーの操作を受け付けて、コピー、スキャン、ファクシミリ送信を行う。また、電話回線を介して相手方からのファクシミリを受信する。また、各種レポート(送信レポート、同報送信レポート、通信管理レポート)の印刷出力を行う。
【0025】
複合機1は、コントローラー10と、ネットワークI/F14と、操作パネル16と、スキャンユニット17と、印刷ユニット18と、ファクシミリユニット19とを備える。
【0026】
コントローラー10は、複合機1を統合的に制御するユニットであり、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、及びROM(Read Only Memory)13を有する。各種の画像処理を行うための画像処理回路を搭載していてもよい。
【0027】
コントローラー10は、例えば、ネットワークインターフェイス(I/F)14を介して、PCなどのホストから印刷データを受信した場合、該印刷データに基づいて印刷ユニット18で解釈可能なデータを生成し、印刷ユニット18に印刷媒体への印刷を実行させる。
【0028】
また、コントローラー10は、例えば、操作パネル16を介してファクシミリ送信の指示を受け付けた場合、スキャンユニット17に送信対象の原稿を読み取らせる。また、操作パネル16を介して指定された宛先と呼接続を行い、スキャンユニット17が読み取った画像データを宛先に送信するように、ファクシミリユニット19に指示する。
【0029】
また、コントローラー10は、例えば、ファクシミリユニット19を介して、ファクシミリを受信した場合、当該受信データに基づいて印刷ユニット18で解釈可能なデータを生成し、印刷ユニット18に印刷媒体への印刷を実行させる。
【0030】
詳細は後述するが、コントローラー10は、ファクシミリの通信履歴の管理、各種レポートの出力、各種レポートに関する設定等を行う。
【0031】
ネットワークI/F14は、LAN等のネットワークとの通信を制御するユニットである。
【0032】
操作パネル16は、ユーザーに対する情報の表示、ユーザーからの操作の入力を受け付けるユニットである。操作パネル16は、例えば、液晶ディスプレイ、タッチパネル、各種ハードスイッチなどを備える。
【0033】
スキャンユニット17は、コントローラー10からの指示に基づいて、セットされた原稿等を読み取るユニットである。読み取られた画像データは、コントローラー10に出力されて処理される。スキャンユニット17は、例えば、イメージセンサー、光源ランプ、キャリッジ等を備える機構である。
【0034】
印刷ユニット18は、コントローラー10からの指示に基づいて、コントローラー10から出力されるデータの印刷を行うユニットである。印刷ユニット18は、例えば、レーザー方式やインクジェット方式の機構である。
【0035】
ファクシミリユニット19は、ファクシミリに関する通信を制御するユニットである。ファクシミリユニット19は、例えば、電話回線と接続し、回線の発呼、着呼、通信データのエンコード、デコードなどを制御し、宛先(相手先)のファクシミリ装置等と画像データ等の送受信を行う。
【0036】
もちろん、上記の複合機1のハードウェア構成の一例は、本願発明の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記の構成に限られない。また、一般的な複合機が備える構成を排除するものではない。例えば、持ち運び可能なフラッシュROM等の記憶媒体を読み書きするための、カード方式のインターフェイスやUSBインターフェイスを備えていてもよい。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態の一例に係る複合機の機能構成を示すブロック図である。
【0038】
複合機1は、設定受付部100と、ファクシミリ制御部110と、レポート生成部120と、記憶部130とを有する。
【0039】
上述の各機能部は、例えば、CPU11がROM13からRAM12にロードした所定のプログラムを実行することにより実現される。この所定のプログラムは、例えば、ネットワークI/F14を介してネットワーク上からダウンロードされてインストールおよび/または更新される。また、複合機1が記憶媒体のインターフェイスを備える場合は、所定のプログラムは、持ち運び可能なフラッシュROM等の記憶媒体から読み出されてインストールおよび/または更新されてもよい。
【0040】
設定受付部100は、複合機1に対するユーザーの指示を受け付ける機能部である。
【0041】
設定受付部100は、ファクシミリ送信の宛先の選択(予め登録された宛先の中からの選択)、ファクシミリ送信を開始する指示等の各種設定を受け付けるためのユーザーインターフェイス画面を操作パネル16に表示する。設定受付部100は、例えば、当該ユーザーインターフェイス画面に、後述する宛先設定160に基づいて、宛先名や宛先情報の一覧を表示する。そして、操作パネル16を介して当該ユーザーインターフェイス画面の操作を受け付け、ファクシミリ送信の宛先の選択、ファクシミリ送信を開始する指示等を受け付ける。
【0042】
また、設定受付部100は、宛先や、各種レポート(送信レポート、同報送信レポート、通信管理レポート)に関する設定を受け付けるためのユーザーインターフェイス画面を操作パネル16に表示する。そして、操作パネル16を介して当該ユーザーインターフェイス画面の操作を受け付け、宛先や各種レポートに関する設定を受け付ける。
【0043】
本実施形態では、レポートに関する設定として、全ての宛先について共通に適用される共通設定と、宛先ごとに設定される個別設定(宛先設定に含まれる)がある。後述するように、個別設定は、共通設定に優先して適用される。図4及び図5を参照して説明する。
【0044】
図4は、本発明の一実施形態の一例に係るレポート共通設定の構成を説明する図である。
【0045】
共通設定150は、レポート種別ごとに、レポート種別151とその出力設定152とが対応付けられたレコードを含む。レポート種別151としては、送信レポート、同報送信レポート、及び通信管理レポートがある。送信レポート及び同報送信レポートの出力設定152として、これらのレポート出力をONに設定する「ON」、出力をOFFに設定する「OFF」、又は、通信エラーなどの何らかのエラーが発生した場合に出力を行う「エラー時」がある。通信管理レポートの出力設定152としては、「ON」又は「OFF」がある。
【0046】
図5は、本発明の一実施形態の一例に係る宛先設定の構成を説明する図である。
【0047】
宛先設定160は、宛先ごとに、宛先名161と、宛先番号162と、送信レポート設定163と、同報送信レポート設定164とが対応付けられたレコードを含む。送信レポート設定163及び同報送信レポート設定164の設定内容として、当該宛先に関するレポートの出力を許可する「許可」、当該宛先に関するレポートの出力を禁止する「禁止」、当該宛先に関するレポートの出力を共通設定に従って行う「共通設定と同じ」がある。なお、通信管理レポート設定は、送信レポート設定163の内容に従うものとする。また、共通設定が「OFF」の場合、レポート設定の設定内容に係わらず、レポート出力はされないものとする。
【0048】
もちろん、図4及び図5の各種設定情報の構成は一例であり、上記に限られない。
【0049】
設定受付部100は、共通設定の設定変更を受け付ける場合、例えば、所定のユーザーインターフェイス画面に共通設定の一覧を表示し、レポート種別151ごとに、その出力設定152をユーザーに選択させる。また、設定受付部100は、個別設定を受け付ける場合、例えば、所定のユーザーインターフェイス画面に宛先設定の一覧を表示し、ユーザーに選択された宛先について、その送信レポート設定163及び同報送信レポート設定164の設定内容をユーザーに選択させる。また、設定受付部100は、所定のユーザーインターフェイス画面を介して宛先設定の追加、削除、変更等を受け付け、操作内容に応じて宛先設定160のレコードの追加、削除、変更を行う。
【0050】
ファクシミリ制御部110は、ファクシミリの送受信を制御する機能部である。
【0051】
ファクシミリ制御部110は、設定受付部100がファクシミリ送信を開始する指示を受け付けた場合、スキャンユニット17に送信対象の原稿を読み取らせる。また、設定受付部100を介して受け付けた宛先(ユーザーが選択した宛先)と呼接続を行うようにファクシミリユニット19に指示する。また、スキャンユニット17が読み取った画像データを宛先に送信するようにファクシミリユニット19に指示する。同報送信の場合は、設定受付部100を介して受け付けた複数の宛先に、順次呼接続及びデータ送信を行うようにファクシミリユニット19に指示する。
【0052】
また、ファクシミリ制御部110は、ファクシミリユニット19を介して、ファクシミリを受信した場合、当該受信データに基づいて印刷ユニット18で解釈可能なデータを生成し、印刷ユニット18に印刷媒体への印刷を実行させる。
【0053】
また、ファクシミリ制御部110は、ファクシミリの送受信が行われた場合、通信履歴を記録する。
【0054】
図3は、本発明の一実施形態の一例に係る通信履歴の構成を説明する図である。
【0055】
通信履歴140には、通信ごとに、通信を一意に識別する通信番号141と、ファクシミリ送信の場合の宛先又はファクシミリ受信の場合の送信元の名称を示す宛先名142と、ファクシミリ送信の場合の宛先又はファクシミリ受信の場合の送信元の電話番号を示す宛先番号143と、送信・同報送信・受信などの通信の種別を示す通信種別144と、当該通信の開始日時145と、当該通信が行われた時間である通信時間146と、送信枚数147と、受信枚数148と、通信の成功やエラー等を示す通信結果149と、を対応付けたレコードが記録される。
【0056】
ファクシミリ制御部110は、一つの宛先に対してファクシミリを送信した場合、当該宛先に対応するレコードを通信履歴140に追加し、各種情報を設定する。同報送信を行った場合、宛先ごとに対応するレコードを通信履歴140に追加し、各種情報を設定する。この場合、通信種別144には、「送信」を設定する。同報送信の場合、追加したレコードの通信種別144には、「同報送信」を設定する。ファクシミリを受信した場合、当該宛先(送信元)に対応するレコードを通信履歴140に追加し、各種情報を設定する。この場合、通信種別144には、「受信」を設定する。
【0057】
レポート生成部120は、各種レポートの出力を制御する機能部である。
【0058】
レポート生成部120は、ファクシミリ制御部110により、一つの宛先に対するファクシミリの送信が行われた場合、当該宛先に対応するレコードを通信履歴140から特定する。また、送信レポートの出力設定152を共通設定150から取得する。また、当該宛先に対応する送信レポート設定163の設定内容を、宛先設定160から取得する。そして、これらの設定内容に基づいて、送信レポートを印刷するか否かを判定する。送信レポートを印刷する場合、通信履歴140から宛先に対応するレコードの少なくとも一部の情報を取得して印刷データを生成し、印刷ユニット18に印刷媒体への印刷を実行させる。
【0059】
また、レポート生成部120は、ファクシミリ制御部110により、複数の宛先に対するファクシミリの同報送信が行われた場合、当該複数の宛先それぞれに対応するレコードを通信履歴140から特定する。また、同報送信レポートの出力設定152を共通設定150から取得する。また、前記複数の宛先それぞれに対応する同報送信レポート設定164の設定内容を、宛先設定160から取得する。そして、これらの設定内容に基づいて、各宛先に関する情報を同報送信レポートに印刷するか否かを判定する。同報送信レポートを印刷する場合、同報送信レポート設定164が「禁止」に設定されている宛先以外の宛先を特定し、特定した宛先に対応する通信履歴レコードの少なくとも一部の情報を取得して印刷データを生成し、印刷ユニット18に印刷媒体への印刷を実行させる。
【0060】
また、レポート生成部120は、前回の通信管理レポート印刷から所定時間が経過したか否か、通信数が所定数を超えたか否かなどの所定条件を判定する。所定条件が成立した場合、一以上の宛先(例えば、前回の通信管理レポート印刷より後のファクシミリ通信)それぞれに対応するレコードを通信履歴140から特定する。また、通信管理レポートの出力設定152を共通設定150から取得する。また、前記一以上の宛先それぞれに対応する送信レポート設定163の設定内容を取得する。そして、これらの設定内容に基づいて、通信管理レポートを印刷するか否かを判定する。通信管理レポートを印刷する場合、送信レポート設定163が「禁止」に設定されている宛先以外の宛先を特定し、特定した宛先に対応する通信履歴レコードの少なくとも一部の情報を含むデータを生成し、印刷ユニット18に印刷媒体への印刷を実行させる。
【0061】
記憶部130は、通信履歴140と、共通設定150と、宛先設定160とを記憶する機能部である。
【0062】
以上の各構成要素は、複合機1の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。複合機1の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。例えば、各機能部の少なくとも一部は、ファクシミリユニット19など他のユニットにより実現されてもよいし、コントローラー10とファクシミリユニット19などの他のユニットとの協働により実現されてもよい。
【0063】
次に、上記の複合機1により実現される特徴的なレポート出力処理について説明する。
【0064】
図6は、本発明の一実施形態の一例に係るレポート出力処理を示すフロー図である。本フローは、例えば、複合機1が動作中に実行される。また、本フローでは、宛先設定に登録されている宛先の中から選択された宛先に対してファクシミリ送信又は同報送信が行われるものとする。
【0065】
S10では、レポート生成部120は、レポートの印刷タイミングであるか否かを判定する。具体的には、レポート生成部120は、一つの宛先に対するファクシミリの送信が行われたか否か、複数の宛先に対するファクシミリの同報送信が行われたか否か、前回の通信管理レポート印刷から所定時間が経過したなどの所定条件が成立したか否かを判定する。一つの宛先に対するファクシミリの送信が行われた場合、複数の宛先に対する同報送信が行われた場合、又は、前記所定条件が成立した場合(S10:YES)、レポート生成部120は、レポート印刷タイミングであると判定して、処理をS11に進める。それ以外の場合(S10:NO)、判定を継続する。
【0066】
S11では、レポート生成部120は、レポート種別を判定する。具体的には、レポート生成部120は、S10で一つの宛先に対するファクシミリ送信が行われたと判定した場合、レポート種別を送信レポートと判定して(S11:送信レポート)、処理をS20に進める。S10で複数の宛先に対する同報送信が行われたと判定した場合、レポート種別を同報送信レポートと判定して(S11:同報送信レポート)、処理をS30に進める。S10で前記所定条件が成立したと判定した場合、レポート種別を通信管理レポートと判定して(S11:通信管理レポート)、処理をS40に進める。
【0067】
S20では、レポート生成部120は、共通設定が「ON」又は「エラー時」であるか否かを判定する。具体的には、レポート生成部120は、送信レポートの出力設定152を共通設定150から取得する。出力設定が「ON」である場合(S20:YES)、処理をS21に進める。出力設定が「エラー時」である場合、ファクシミリが送信された宛先に対応するレコードを通信履歴140から特定し、通信結果149にエラーが発生したことを示す情報が設定されているか否かを判定する。出力設定が「エラー時」、かつ、エラーが発生している場合(S20:YES)、処理をS21に進める。上記以外の場合(出力設定が「OFF」の場合、又は、出力設定が「エラー時」、かつ、エラーが発生していない場合)は、送信レポートを印刷せずに、本フローを終了する。
【0068】
S21では、レポート生成部120は、個別設定が「許可」であるか否かを判定する。具体的には、レポート生成部120は、ファクシミリが送信された宛先に対応するレコードを宛先設定160から特定し、送信レポート設定163を取得する。当該送信レポート設定が「許可」又は「共通設定と同じ」である場合(S21:YES)、処理をS22に進める。当該送信レポート設定が「禁止」である場合(S21:YES)、送信レポートを印刷せずに、本フローを終了する。
【0069】
S22では、レポート生成部120は、送信レポートを印刷する。具体的には、レポート生成部120は、ファクシミリが送信された宛先に対応する通信履歴レコードから少なくとも一部の情報を取得して印刷データを生成し、印刷ユニット18に印刷媒体への印刷を実行させる。なお、レポート生成部120は、送信された画像データの少なくとも一部を含む印刷データを生成してもよい。
【0070】
送信レポートは、例えば図7に示すような構成とすることができる。本図に示すように、送信レポートには、一つの宛先に対するファクシミリの送信に関する情報として、開始日時、宛先名、宛先番号、通信時間、枚数、通信結果が印刷されている。これらの情報は、通信履歴レコードの一部の情報に基づいている。また、送信された画像データの少なくとも1ページが送信内容として縮小印刷されている。
【0071】
なお、送信レポートを印刷しない場合であっても、宛先が特定されない程度の一部の情報、例えば、開始日時、通信時間、枚数、通信結果などを含む送信レポートを印刷するようにしてもよい。
【0072】
S30では、レポート生成部120は、共通設定が「ON」又は「エラー時」であるか否かを判定する。具体的には、レポート生成部120は、同報送信レポートの出力設定152を共通設定150から取得する。出力設定が「ON」である場合(S30:YES)、処理をS31に進める。出力設定が「エラー時」である場合、ファクシミリが同報送信された複数の宛先それぞれに対応するレコードを通信履歴140から特定し、通信結果149にエラーが発生したことを示す情報が設定されているレコードが存在するか否かを判定する。出力設定が「エラー時」、かつ、エラーが発生しているレコードが存在する場合(S30:YES)、処理をS31に進める。上記以外の場合(出力設定が「OFF」の場合、又は、出力設定が「エラー時」、かつ、エラーが発生しているレコードが存在しない場合)は、同報送信レポートを印刷せずに、本フローを終了する。
【0073】
S31では、レポート生成部120は、個別設定が「許可」の宛先があるか否かを判定する。具体的には、レポート生成部120は、ファクシミリが同報送信された複数の宛先それぞれに対応するレコードを宛先設定160から特定し、各レコードの同報送信レポート設定164を取得する。同報送信レポート設定が「許可」又は「共通設定と同じ」であるレコードが存在する場合(S31:YES)、処理をS32に進める。同報送信レポート設定が「許可」又は「共通設定と同じ」であるレコードが存在しない場合、すなわち、全て「禁止」である場合(S31:NO)、同報送信レポートを印刷せずに、本フローを終了する。なお、出力設定が「エラー時」である場合において、エラーが発生している宛先に対応する同報送信レポート設定が「禁止」である場合、同報送信レポートを印刷せずに、本フローを終了してもよい。
【0074】
S32では、レポート生成部120は、同報送信レポートを印刷する。具体的には、レポート生成部120は、ファクシミリが同報送信された複数の宛先のうち、同報送信レポート設定164が「許可」又は「共通設定と同じ」である宛先それぞれについて、対応する通信履歴レコードを特定する。そして、特定した各レコードから、少なくとも一部の情報を取得して印刷データを生成し、印刷ユニット18に印刷媒体への印刷を実行させる。なお、レポート生成部120は、同報送信された画像データの少なくとも一部を含む印刷データを生成してもよい。
【0075】
同報送信レポートは、同報送信された宛先の全てが「禁止」に設定されていない場合、例えば図8に示すような構成とすることができる。図8に示すように、同報送信レポートには、宛先ごとに、開始日時、宛先名、宛先番号、通信時間、枚数、通信結果が印刷されている。一方、同報送信レポートは、同報送信された宛先の一部が「禁止」に設定されている場合、例えば図9に示すような構成とすることができる。すなわち、「禁止」の宛先(本図では、「D社」)に関する情報が印刷されない。もちろん、「禁止」の宛先に対応する行が見えないように、上下の行の間隔を詰めてもよい。なお、「禁止」の宛先が特定されない程度の一部の情報、例えば、開始日時、通信時間、枚数、通信結果などを印刷するようにしてもよい。
【0076】
S40では、レポート生成部120は、共通設定が「ON」であるか否かを判定する。具体的には、レポート生成部120は、通信管理レポートの出力設定152を共通設定150から取得する。出力設定が「ON」である場合(S40:YES)、処理をS41に進める。出力設定が「OFF」である場合、通信管理レポートを印刷せずに、本フローを終了する。
【0077】
S41では、レポート生成部120は、個別設定が「許可」の宛先があるか否かを判定する。具体的には、レポート生成部120は、通信管理レポート印刷対象の一以上のファクシミリ通信(例えば、前回の通信管理レポート印刷より後のファクシミリ通信)の宛先に対応するレコードを宛先設定160から特定し、各レコードの送信レポート設定163を取得する。送信レポート設定が「許可」又は「共通設定と同じ」であるレコードが存在する場合(S41:YES)、処理をS42に進める。送信レポート設定が「許可」又は「共通設定と同じ」であるレコードが存在しない場合、すなわち、全て「禁止」である場合(S41:NO)、通信管理レポートを印刷せずに、本フローを終了する。
【0078】
S42では、レポート生成部120は、通信管理レポートを印刷する。具体的には、レポート生成部120は、通信管理レポート印刷対象の一以上のファクシミリ通信の宛先のうち、送信レポート設定163が「許可」又は「共通設定と同じ」である宛先それぞれについて、対応する通信履歴レコードを特定する。そして、特定した各レコードから、少なくとも一部の情報を取得して印刷データを生成し、印刷ユニット18に印刷媒体への印刷を実行させる。
【0079】
通信管理レポートは、通信管理レポート印刷対象の宛先の全てが「禁止」に設定されていない場合、例えば、全ての宛先について、宛先ごとに、開始日時、宛先名、宛先番号、通信時間、枚数、通信結果が印刷される。一方、通信管理レポート印刷対象の宛先の一部が「禁止」に設定されている場合、例えば、「禁止」の宛先に関する情報が印刷されない。なお、「禁止」の宛先が特定されない程度の一部の情報、例えば、開始日時、通信時間、枚数、通信結果などを印刷するようにしてもよい。
【0080】
以上のようにして、共通設定及び宛先設定に基づいて、レポート出力が制御される。
【0081】
なお、上述のフローの各処理単位は、複合機1の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。複合機1の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。
【0082】
以上、本発明の一実施形態の一例について説明した。本実施形態によれば、ファクシミリ装置における各種レポートのセキュリティーおよび利便性を高めることができる。
【0083】
すなわち、本実施形態によれば、宛先ごとに各種レポートの出力の許可又は禁止を設定することができる。そして、禁止が設定されている宛先については、レポート自体が出力されない又はレポートにその宛先に関する情報が出力されない。このような構成により、特定の宛先についてレポートによる情報漏洩のおそれを低くすることができ、セキュリティーが高まる。
【0084】
また、従来は、特定の宛先のファクシミリ通信についてレポートを出力させたくない場合であっても、個別に設定をすることができないため、全てのレポートが出力されなくなってしまうなどの問題がある。しかし、本実施形態では、宛先ごとにレポート設定を変更できるため、ユーザーの希望に応じた設定が可能であり、より利便性が高い。例えば、特定の宛先のレポート出力は、「禁止」に設定し、他の宛先のレポート出力は、「許可」に設定することができる。
【0085】
上記の本発明の実施形態は、本発明の要旨と範囲を例示することを意図し、限定するものではない。多くの代替物、修正および変形例が当業者にとって明らかである。
【0086】
<変形例1>
例えば、設定受付部100は、上述のように予め登録された宛先の中から宛先の選択を受け付けるのではなく、ファクシミリ送信の宛先番号をテンキーなどにより直接受け付けた場合、ファクシミリの送信を開始する前に、ユーザーにレポート出力に関する設定の確認を促すようにしてもよい。
【0087】
具体的には、設定受付部100は、直接入力された宛先と対応するレコードが宛先設定160に登録されているか否かを判定する。当該レコードが登録されている場合において、送信レポートの出力設定152が「ON」又は「エラー時」であり、かつ、宛先に対応する送信レポート設定163が「禁止」である場合、図10に示すような確認画面を操作パネル16に表示させる。送信レポートの出力設定152が「OFF」の場合や、宛先に対応する送信レポート設定163が「許可」又は「共通設定と同じ」である場合は、確認画面を表示しない。もちろん表示するようにしてもよい。
【0088】
確認画面800には、例えば、送信レポートを印刷するか否かを確認するメッセージ810と、送信レポートの印刷又は非印刷(YES又はNO)を選択する選択領域820と、ファクシミリ送信を続行するファクシミリ送信ボタン850と、ファクシミリ送信を中止するキャンセルボタン860とが表示される。メッセージ810には、ファクシミリ送信の宛先名、宛先番号、当該宛先について現在設定されている送信レポート設定の内容が表示されている。
【0089】
宛先に対応するレコードが宛先設定160に登録されていない場合において、ファクシミリの送信後、レポート生成部120は、共通設定150の送信レポートの出力設定152に基づいて、当該出力設定が「ON」である場合、又は、「エラー時」、かつ、エラーが発生している場合、送信レポートを印刷する。もちろん、宛先に対応するレコードが宛先設定160に登録されていないも、確認画面を表示して、送信レポートを印刷するか否かをユーザーに確認させてもよい。
【0090】
宛先に対応するレコードが宛先設定160に登録されており、かつ、確認画面が表示された場合、レポート生成部120は、選択領域820で「YES」が選択されている場合、宛先に対応する送信レポート設定163に係わらず、図6のS21でYESと判定する。選択領域820で「NO」が選択されている場合、図6のS21でNOと判定する。宛先に対応するレコードが宛先設定160に登録されており、かつ、確認画面が表示されなかった場合は、図6のとおりである。
【0091】
上記のような構成とすれば、直接入力された宛先であっても、送信レポートの設定を確認することができる。また、送信レポートの印刷又は非印刷の設定を変更することもできる。なお、上記の構成は、同報送信の場合にも適用できる。この場合、設定受付部100は、確認画面800に、登録済みの宛先ごとに、メッセージ810と選択領域820とを表示し、宛先ごとに同報送信レポートの印刷又は非印刷の選択を受け付ければよい。
【0092】
<変形例2>
例えば、設定受付部100は、テンキーなどによりファクシミリ送信の短縮宛先を受け付けた場合、ファクシミリ通信を開始する前に、ユーザーにレポート出力に関する設定の確認を促すようにしてもよい。
【0093】
具体的には、設定受付部100は、予め登録された短縮宛先番号と宛先番号を対応付けたレコードの一覧に基づいて、入力された短縮宛先番号に対応する宛先番号を特定する。それから、特定され宛先番号に対応するレコードを宛先設定160から特定する。共通設定150の送信レポートの出力設定152が「ON」又は「エラー時」であり、かつ、宛先に対応する送信レポート設定163の設定内容が「禁止」である場合、図10に示すような確認画面を操作パネル16に表示させる。共通設定150の送信レポートの出力設定152が「OFF」の場合や、宛先に対応する送信レポート設定163の設定内容が「許可」又は「共通設定と同じ」である場合は、確認画面を表示しない。もちろん表示するようにしてもよい。
【0094】
ファクシミリの送信後、レポート生成部120は、確認画面が表示された場合、レポート生成部120は、選択領域820で「YES」が選択されている場合、宛先に対応する送信レポート設定163に係わらず、図6のS21でYESと判定する。選択領域820で「NO」が選択されている場合、図6のS21でNOと判定する。確認画面が表示されなかった場合は、図6のとおりである。
【0095】
上記のような構成とすれば、短縮宛先入力された宛先であっても、送信レポートの設定を確認することができる。また、送信レポートの設定を変更することもできる。なお、上記の構成は、同報送信の場合にも適用できる。この場合、設定受付部100は、確認画面800に、短縮宛先に対応する宛先ごとに、メッセージ810と選択領域820とを表示し、宛先ごとに同報送信レポートの印刷又は非印刷の選択を受け付ければよい。
【0096】
<変形例3>
例えば、設定受付部100は、ファクシミリ送信の宛先の選択、及びファクシミリ送信を開始する指示を受け付けた場合に、ユーザーにレポート出力に関する設定の確認を促すようにしてもよい。
【0097】
具体的には、設定受付部100は、図10に示すような確認画面を操作パネル16に表示させる。レポート生成部120は、選択領域820で「YES」が選択されている場合、宛先に対応する送信レポート設定163に係わらず、図6のS21でYESと判定する。選択領域820で「NO」が選択されている場合、図6のS21でNOと判定する。
【0098】
上記のような構成とすれば、誤って送信レポートが出力されてしまうことを防ぐことができる。また、ユーザーが送信レポートを出力したい場合に送信レポートが出力されないことを防ぐことができる。なお、上記の構成は、同報送信の場合にも適用できる。この場合、設定受付部100は、確認画面800に、宛先ごとに、メッセージ810と選択領域820とを表示し、宛先ごとに同報送信レポートの印刷又は非印刷の選択を受け付ければよい。
【0099】
<変形例4>
設定受付部100は、操作パネル16介して、通信履歴の表示する指示を受け付けた場合、通信履歴を操作パネル16に表示するようにしてもよい。通信種別144が「送信」又は「同報送信」である通信履歴レコードを、送信履歴として表示してもよい。ここで、設定受付部100は、送信履歴を表示する場合、各レコードの表示の有無をレポート設定に応じて決定してもよい。すなわち、設定受付部100は、通信種別144が「送信」の各レコードの宛先に対応する送信レポート設定163を参照し、「禁止」が設定されている場合、当該レコードを表示しないようにしてもよい。同様に、通信種別144が「同報送信」の各レコードの宛先に対応する同報送信レポート設定164を参照し、「禁止」が設定されている場合、当該レコードを表示しないようにしてもよい。なお、「禁止」の宛先が特定されない程度の一部の情報、例えば、開始日時、通信時間、枚数、通信結果などを表示するようにしてもよい。
【0100】
上記のような構成とすれば、通信履歴の閲覧のセキュリティーおよび利便性を高めることができる。なお、設定受付部100は、特定のユーザーがパスワードなどを入力してログインしている場合には、全ての通信履歴を表示するようにしてもよい。
【0101】
<変形例5>
ファクシミリ制御部110は、通信履歴を記録するか否かをレポート設定に応じて決定してもよい。すなわち、ファクシミリ制御部110は、ファクシミリを送信した場合に、宛先に対応する送信レポート設定163を参照し、「禁止」の場合、通信履歴を記録しないようにしてもよい。このようにすれば、複合機1の操作パネル16から直接、送信レポートの内容に相当する履歴が閲覧されるのを防ぐことができる。通信履歴を記録して、特定のユーザー(例えば、パスワードを用いてログインしたユーザー)以外には、「禁止」のレコードを閲覧できないようにしてもよい。なお、上記の構成は、同報送信の場合にも適用できる。
【0102】
なお、上記の各変形例は、一以上を適宜組み合わせてもよい。また、各種レポートは、ファクシミリ装置で印刷されるのに限られず、例えば、ファクシミリにネットワークを介して接続された所定のPCやサーバーなどのコンピューターに出力されて、表示されてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1:複合機、10:コントローラー、11:CPU、12:RAM、13:ROM、14:ネットワークI/F、16:操作パネル、17:スキャンユニット、18:印刷ユニット、19:ファクシミリユニット、100:設定受付部、110:ファクシミリ制御部、120:レポート生成部、130:記憶部、140:通信履歴、141:通信番号、142:宛先名、143:宛先番号、144:通信種別、145:開始日時、146:通信時間、147:送信枚数、148:受信枚数、149:通信結果、150:共通設定、151:レポート種別、152:出力設定、160:宛先設定、161:宛先名、162:宛先番号、163:送信レポート設定、164:同報送信レポート設定、800:確認画面、810:メッセージ、820:選択領域、850:ファクシミリ送信ボタン、860:キャンセルボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファクシミリ送信に関するレポートを出力するファクシミリ装置であって、
レポートを出力するか否かを設定する共通設定と、レポートの出力を許可するか否かを宛先ごとに設定する個別設定と、を記憶する記憶手段と、
一以上の宛先へのファクシミリ送信に関するレポートを出力するか否かを、前記共通設定よりも前記宛先の個別設定を優先的に適用して、判定する判定手段と、
前記宛先へのファクシミリ送信に関するレポートを出力すると判定された場合、当該前記宛先へのファクシミリ送信に関する情報を含むレポートを出力する出力手段と、
を有することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のファクシミリ装置であって、
前記出力手段は、前記宛先へのファクシミリ送信に関するレポートを出力しないと判定された場合、当該宛先へのファクシミリ送信に関する情報を含むレポートを出力しない、又は当該宛先へのファクシミリ送信に関する情報の少なくとも一部を含まないレポートを出力する、
ことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のファクシミリ装置であって、
前記判定手段は、前記共通設定がレポートを出力するように設定されており、かつ、前記宛先の個別設定がレポートの出力を許可しないように設定されている場合、当該宛先へのファクシミリ送信に関するレポートを出力しないと判定する、
ことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか一項に記載のファクシミリ装置であって、
前記共通設定と前記個別設定の設定変更を受け付ける設定手段、
を有することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか一項に記載のファクシミリ装置であって、
前記出力手段は、前記レポートが一つの宛先へのファクシミリ送信が行われた場合に出力される送信レポートである場合に、前記宛先へのファクシミリ送信に関するレポートを出力しないと判定された場合、当該宛先へのファクシミリ送信に関する情報を含むレポートを出力しない、
ことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか一項に記載のファクシミリ装置であって、
前記出力手段は、前記レポートが複数の宛先へのファクシミリの同報送信が行われた場合に出力される同報送信レポートである場合に、前記宛先へのファクシミリ送信に関するレポートを出力しないと判定された場合、当該宛先へのファクシミリ送信に関する情報の少なくとも一部を含まないレポートを出力する、
ことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか一項に記載のファクシミリ装置であって、
前記出力手段は、前記レポートが一以上の宛先へのファクシミリ送信に関する情報を含む通信管理レポートである場合に、前記宛先へのファクシミリ送信に関するレポートを出力しないと判定された場合、当該宛先へのファクシミリ送信に関する情報の少なくとも一部を含まないレポートを出力する、
ことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか一項に記載のファクシミリ装置であって、
ファクシミリ送信の宛先の個別設定を表示して、レポートの出力を許可するか否かの確認を促す表示手段、
を有することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項9】
請求項8に記載のファクシミリ装置であって、
前記表示手段は、入力された宛先の電話番号が登録済みであって、前記共通設定と前記入力された宛先の個別設定とが所定の関係にある場合に、当該宛先の個別設定を表示する、
ことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載にファクシミリ装置であって、
前記表示手段は、短縮番号が宛先として入力された場合に、前記共通設定と前記短縮番号に対応する宛先の個別設定が所定の関係にある場合に、当該宛先の個別設定を表示する、
ことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項11】
請求項1〜10いずれか一項に記載のファクシミリ装置であって、
ファクシミリ送信に関する通信履歴を記憶する記憶手段と、
各ファクシミリ送信の宛先に対応する個別設定に基づいて、レポートの出力を許可するように設定されている宛先に対応するファクシミリ送信の通信履歴を表示する通信履歴表示手段と、
を有することを特徴とするファクシミリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−222522(P2012−222522A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84829(P2011−84829)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】