説明

フィラメントランプおよび光照射式加熱処理装置

【課題】装置毎に被処理体上の放射分布のバラツキを解消したフィラメントランプおよび光照射式加熱処理装置を提供すること。
【解決手段】封止部2a、2bが形成された長管状の発光管3の内部に、コイル状のフィラメント411〜451とこのフィラメントに電力を供給するリード412a〜452a、412b〜452bとが連結されてなる複数のフィラメント体41〜45が、各フィラメントが発光管の管軸に沿って伸びるよう順次に並んで配設され、各フィラメント体における各々のリードが封止部に配設された複数の各々の導電性部材81a〜85a、81b〜85bに対して電気的に接続されて各フィラメントに対して各々独立に給電されるフィラメントランプ1において、フィラメント411〜451の内側に、フィラメント体41〜45のリード412a〜452a、412b〜452bが挿通されていることを特徴とするフィラメントランプである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィラメントランプおよび光照射式加熱処理装置に係り、特に、被処理体を加熱するために用いられるフィラメントランプおよびフィラメントランプを用いた光照射式加熱処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体製造工程においては、成膜、酸化、窒化、膜安定化、シリサイド化、結晶化、注入イオン活性化等の様々なプロセスにおいて、加熱処理が採用されている。半導体製造工程における歩留まりや品質の向上には、急速に半導体ウエハ等の被処理体の温度を上昇させたり下降させたりする急速熱処理(RTP:Rapid Thermal Processing)が望ましい。RTPにおいては、白熱ランプ等の光源からの光照射を用いた光照射式加熱処理装置(以下、単に加熱処理装置ともいう)が広く用いられている。
【0003】
光透過性材料からなる発光管の内部にフィラメントが配設されてなる白熱ランプは、投入電力の90%以上が全放射され、被処理体を接触することなく加熱することが可能であることから、光を熱として利用できる代表的なランプである。このような白熱ランプを、ガラス基板や半導体ウエハの加熱用熱源として使用した場合、抵抗加熱法に比して被処理体の温度を高速にて昇降温させることができる。すなわち、光照射式加熱処理によれば、例えば、被処理体を1000℃以上の温度にまで、数秒から数十秒で昇温させることが可能であり、光照射停止後、被照射体は急速に冷却される。
【0004】
ここで、被処理体が、例えば、半導体ウエハ(シリコンウエハ)であるとき、半導体ウエハを1050℃以上に加熱する際に半導体ウエハに温度分布の不均一が生じると、半導体ウエハにスリップと呼ばれる現象、すなわち、結晶転移の欠陥が発生し不良品となるおそれがある。そのため、光照射式加熱処理装置を用いて半導体ウエハのRTPを行う場合は、半導体ウエハ全面の温度分布が均一になるように、加熱、高温保持、冷却を行う必要がある。すなわち、RTPにおいては、被処理体の処理の際、高精度な温度均一性が求められている。
【0005】
光照射式加熱処理において、例えば、半導体ウエハ全面の物理特性が均一である場合に、半導体ウエハ全面での放射照度が均一になるように光照射を行っても、半導体ウエハの温度分布は均一とはならず、半導体ウエハ周辺部の温度が低くなる。これは、半導体ウエハの周辺部において、半導体ウエハ側面等から熱が放射されるためである。このような熱放出の結果、半導体ウエハには不均一な温度分布が生じる。上記したように、半導体ウエハを1050℃以上に加熱する際、半導体ウエハに温度分布の不均一が生じると、半導体ウエハにスリップが発生する。
【0006】
従って、半導体ウエハの温度分布を均一にするには、半導体ウエハ側面等からの熱放射による温度低下を補償するために、ウエハ周辺部表面における放射照度を、ウエハ中央部表面における放射照度よりも大きくなるように、光照射をすることが好ましい。
【0007】
従来の加熱処理装置として、特許文献1には、ガラス基板や半導体ウエハの加熱に白熱ランプから放射される光を利用する加熱処理装置が開示されている。
図11は、特許文献1に示されるような従来技術に係る加熱処理装置200の断面図である。同図に示すように、この加熱処理装置200は、光透過性材料で形成されたチャンバー201内に被処理体202を収納し、このチャンバー201外の上下両段に複数本の加熱用白熱ランプ203、204を上下で対向し、かつ互いに交差するように配置し、これらの加熱用白熱ランプ203、204によって被処理体202を両面から光照射して加熱するように構成されている。
【0008】
図12は、図11に示した加熱処理装置を簡略化して上下両段に設けられる加熱用白熱ランプ203、204と被処理体202とを取出して示した斜視図である。同図に示すように、上下両段に設けられる加熱用白熱ランプ203,204は、管軸が交差するように配置されているので、被処理体202を均一に加熱することができる。また、この装置によれば、被処理体202の周辺部での放熱作用による温度低下を防止することができる。例えば、被処理体202に対して、上段の両端にある加熱用白熱ランプL1、L2のランプ出力を中央部の加熱用ランプL3のランプ出力に比べて大きくし、下段の両端にある加熱用白熱ランプL4、L5のランプ出力を中央部の加熱用白熱ランプL6のランプ出力に比べて大きく設定する。これにより、被処理体202の周辺部での放熱作用による温度低下の分を補償し、被処理体202の中央部と周辺部との温度差を小さくして、被処理体202の温度分布を均一にすることが可能である。
【0009】
しかし、上記従来の加熱処理装置においては以下に示すような問題が生じることが判明した。具体的には、例えば、被処理体202が半導体ウエハである場合、半導体ウエハ表面にスパッタリング法等により金属酸化物等からなる膜が形成されていたり、また、イオン注入により不純物添加物がドーピングされていることが一般的である。このような金属酸化物の膜厚や不純物イオンの密度には、ウエハ表面上で場所的な分布を有する。このような場所的分布は、必ずしも半導体ウエハの中心に対して中心対称ではない。不純物イオン密度を例に取ると、例えば、図12に示すように、半導体ウエハの中心に対して中心対称ではない狭小な特定領域2021とその他の領域2022とで不純物イオン密度が異なる場合がある。このような特定領域2021とその他の領域2022に対して同一の放射照度となるように光照射しても、特定領域2021とその他の領域2022とでは、温度上昇速度に差異が生じることがあり、特定領域2021の温度とその他の領域2022の温度とは必ずしも一致しない。
【0010】
上記従来の加熱処理装置200によれば、被処理体202の周辺部における熱放射による温度低下の影響を補償して周辺部での温度低下を防止し、被処理体202の温度分布を均一にすることは比較的容易である。しかしながら、例えば、図12に示すように、全長がランプの発光長よりも短いような半導体ウエハの狭小な特定領域2021については、この特定領域2021の特性に対応した光強度で光照射を行った場合、特定領域2021以外の領域2022も光照射されてしまう。そのため、特定領域2021とその他の領域2022とが適切な温度状態となるように制御することができない。すなわち、例えば、両者の温度が均一となるように狭小な特定領域2021における放射照度を制御することはできない。よって、被処理体202の処理温度に不所望な温度分布が生じることになり、光加熱処理後、被処理体202に所望の物理特性を付与することが困難になるという問題が生じる。
【0011】
図13は、特許文献2に示される熱処理装置300の断面図である。同図に示すように、この熱処理装置300は、ランプハウス301内に、U字形状を有しフィラメント3021への給電装置が発光管の両端部に設けられているダブルエンドランプ3022を紙面に対し平行方向および垂直部方向に複数個並べて構成される第1のランプユニット302と、第1のランプユニット302の下方側に配設された、直線形状を有しフィラメント3031への給電装置が発光管の両端部に設けられているダブルエンドランプ3032を紙面に沿って紙面と垂直方向に複数個並べて構成される第2のランプユニット303とを備えており、第2のランプユニット303の下方に配設された半導体ウエハ等の被処理体304に対し加熱処理を行なうものである。
【0012】
特許文献2には、被処理体304において、他の部分に比して温度が低くなる傾向にある、被処理体304を載置するサポートリング305との接続部の温度を上昇させるために、接続部の上方に位置する第1のランプユニット302に属するU字形状のランプを高出力にするよう制御する機構を備えていることが記載されている。また、特許文献2には、この熱処理装置300は、概略、以下のように使用することが記載されている。まず、被処理体304である半導体ウエハの加熱領域を中心対称で同心の複数のゾーンに分割する。そして、第1、第2のランプユニット302、303の各ランプによる照度分布を組み合わせて、各ゾーンに各々対応する半導体ウエハの中心に対して中心対称である合成照度分布パターンを形成して、各ゾーンの温度変化に応じた加熱を行うというものである。その際、ランプからの光の照度バラつきの影響を抑制するために、被処理体304である半導体ウエハを回転させている。すなわち、同心に配置される各ゾーンを個別の照度で加熱することが可能となっている。
【0013】
従って、特許文献2に示される熱処理装置300は、被処理体304における狭小な特定領域が半導体ウエハの中心に対して中心対称である場合については温度制御が可能である。しかし、特定領域が半導体ウエハの中心に対して中心対称でない場合については、被処理体304である半導体ウエハを回転させているので、上記の問題点を良好に解決することはできない。
【0014】
また、この熱処理装置300は、実用上、以下に示すような問題点が生じるおそれがあると考えられる。具体的には、U字形状を有するランプは、水平部3023と一対の垂直部3024とから構成されているが、発光に寄与するのは内部にフィラメント3021が配設される水平部3023のみであることから、個々のランプは無視できない程度の空間を介在して離間して配置されることとなり、この空間の直下に対応する部分では温度分布が生じるものと考えられる。
【0015】
すなわち、この熱処理装置300は、各ゾーンに対応する、第1、第2のランプユニット302、303の各ランプによる照度分布を組み合わせて半導体ウエハ中心対称の合成照度分布を形成したとしても、上記空間の直下に対応する部分では照度が比較的急峻に変化(低下)する。よって、各ゾーンの温度変化に応じた加熱を行おうとしても、上記空間の直下に対応する部分近傍で生じる温度分布を小さくすることは、比較的難しいものと考えられる。
【0016】
さらに、この加熱処理装置300は、近年、ランプユニットを配設するためのスペース(主として高さ方向)を極力小さくする傾向にあることから、U字形状を有するランプを使用すると、ランプの垂直部3024に対応するスペースが必要となるため、小スペース化の観点からは好ましくない。
【0017】
図14は、本件出願人が上記の問題点を解決するために先の出願で提案した、特許文献3に示されるフィラメントランプ400の斜視図である。このフィラメントランプ400は概略以下のように構成されている。フィラメントランプ400の発光管401の両端には、金属箔4021〜4024が埋設された封止部4031、4032が形成されている。発光管401内には、フィラメント4041、4051とフィラメント4041、4051に給電するためのリード4042〜4043、4052〜4053とから構成されるフィラメント体404、405が複数配設されている(図14では2個)。ここで、各フィラメント体404、405は、発光管401内に複数配設した際、フィラメント4041、4051が発光管401の長手方向に順次配置されるように構成されている。
【0018】
一方のフィラメント体404におけるフィラメント4041の一端に繋がるリード4042は、発光管401の一端側の封止部4031に埋設された金属箔4021に電気的に接続されている。また、一方のフィラメント体404におけるフィラメント4041の他端に繋がるリード4043は、絶縁体409の貫通穴4091を通って、他方のフィラメント体405のフィラメント4051と対向する箇所の外側が絶縁管4044で被覆され、発光管401の他端側の封止部4032に埋設された金属箔4022に電気的に接続されている。同様に、他方のフィラメント体405におけるフィラメント4051の一端に繋がるリード4052は、発光管401の他端側の封止部4032に埋設された金属箔4023に電気的に接続されている。また、他方のフィラメント体405におけるフィラメント4051の他端に繋がるリード4053は、絶縁体409の貫通穴4092を通って、一方のフィラメント体404のフィラメント4041と対向する箇所の外側が絶縁管4054で被覆され、発光管401の一端側の封止部4031に埋設された金属箔4024に電気的に接続されている。
【0019】
また、封止部4031、4032に埋設された金属箔4021〜4024において、フィラメント体404、405のリード4042〜4043、4052〜4053が接続された端部とは反対側の端部には、封止部404、405から外部に突出するように外部リード4061〜4064が接続されている。よって、各フィラメント体404、405には金属箔4021〜4022、4023〜4024を介して2本の外部リード4061〜4062、4063〜4064が連結される。給電装置4071、4072は、外部リード4061〜4062、4063〜4064を介して各フィラメント4041、4051毎に接続される。これにより、フィラメントランプ400は、各フィラメント体404、405におけるフィラメント4041、4051に個別に給電可能となっている。
【0020】
なお、各フィラメント4041、4051は、発光管401の内壁と絶縁管4044、4054との間に挟まれるように設けられた環状のアンカー408によって、発光管401と接触しないように支持されている。ここで、フィラメント発光時にフィラメント4041、4051と発光管401内壁とが接触すると、接触部分における発光管401の光透過性はフィラメント4041、4051の熱により発光管401に失透が生じるために損なわれる。アンカー408は、こういった不具合を防止するためのものである。アンカー408は、各フィラメント4041、4051に対して発光管401の長手方向に複数個配設される。また、フィラメントランプ400を製作するとき、複数のフィラメント体404,405が発光管401内に容易に挿入されるように、アンカー408は、ある程度弾性を有している。また、発光管401の内壁と絶縁管4044、4054との間の空間とアンカー408との間には、ある程度の隙間が設けられている。
【0021】
このフィラメントランプ400は、発光管401内に複数のフィラメント4041、4051を有し、各フィラメント4041、4051の発光等の制御を個別に行うことが可能な構造となっている。このようなフィラメントランプ400を並列に配列した光源部を有する光照射式加熱処理装置を用いれば、従来のような、発光管内に1つのフィラメントを有するフィラメントランプを使用する場合と比べて、光照射される被処理体の被照射領域に対応してフィラメントを高密度に配置することが可能となる。
【0022】
そのため、上記のようなフィラメントランプを用いた光照射式加熱処理装置によれば、複数のフィラメントに対して個別に給電できることから、基板状の被処理体上における特定領域が基板形状に対し非対称である場合においても、特定領域に対して所望の光強度で光照射することが可能となる。よって、熱処理される基板状の被処理体上における場所的な温度変化の度合いの分布が基板形状に対し非対称である場合においても、被処理体を均一に加熱することが可能となり、被処理体の全体にわたって、均一な温度分布を実現することができると期待される。
【0023】
さらに、上記のようなフィラメントランプを用いた光照射式加熱処理装置は、特許文献2に記載されているU字形状を有するランプを使用する光照射式加熱処理装置と比べて、光照射式加熱処理装置に搭載するフィラメントランプを直管状にすることが可能であるため、U字形状ランプの垂直部に対応するスペースが不要となり、加熱処理装置を小型化することができると期待される。
【0024】
【特許文献1】特開平7−37833号
【特許文献2】特開2002−203804号
【特許文献3】特開2006−279008号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本件発明者等は、特許文献3の図1に示される構成に従い、図14に示すようなフィラメントランプを搭載した光照射式加熱処理装置を同一仕様にて複数作製し、この複数の光照射式加熱処理装置の各々を同一稼動条件で稼動した。ここで、同一仕様とは、各々の光照射式加熱処理装置において、フィラメントランプに配置されるフィラメント体の個数およびランプユニットに配置されるフィラメントランプの本数が同一であることを意味する。さらに、同一仕様を有する各々の光照射式加熱処理装置においては、各々のランプユニットに配置されるフィラメントランプの配置方法が同一である。同一稼動条件とは、ランプユニットに配置される各々のフィラメントランプにおいて投入される電力が同一であり、各々の光照射式加熱処理装置において被処理体が配置される雰囲気(例えばガスの種類、ガスの圧力等)が同一であることを意味する。
【0026】
図14に示すようなフィラメントランプを搭載した光照射式加熱処理装置によれば、各々のフィラメントに供給する電力を個別に制御することにより、被処理体上の放射照度分布を所望の分布にすることが可能である。従って、このような同一仕様を有する各々の光照射式加熱処理装置を同一稼動条件で稼動させたとすると、各々の光照射式加熱処理装置によって加熱処理された各々の被処理体においては、放射照度分布が一致するはずである。
【0027】
しかし、現実には、複数の各光照射式加熱処理装置によって加熱処理された各々の被処理体においては、放射照度分布にバラツキが生じるという問題が生じた。特に、発光管内に多数のフィラメント体が配設されたフィラメントランプが搭載されることにより、被処理体上において高精度な温度制御を実現しようとする光照射式加熱処理装置においては、上記の問題が顕著に発生した。
【0028】
このような問題が生じる主な要因は、次のように考えられる。近年においては、被処理体の温度を高精度に制御することが要求されており、このような要求に応えるため、発光管の内部に多数のフィラメントを配置することに伴って、発光管の内部に配置されるリードの本数が従来以上に多くなっている。また、半導体ウェハ等の被処理体を急速加熱するために、フィラメントランプの大電力化、すなわち、フィラメントへの単位長さ当たりの投入電力を従来以上に増加させることが要求されている。このような要求に伴って、フィラメントに大電流を流すことが必要になることから、リードが点灯中に高温となって発熱したり溶断することのないよう、リードの外径が従来以上に大きくなりつつある。このような事情から、発光管内に配置されたリードによってフィラメントからの放射光が遮られる、という事態が従来以上に生じ易くなったために、上記したような問題が発生したものと考えられる。
【0029】
また、このようなフィラメントランプにおいては、発光管の内部に配設された複数の各々のリードが互いに短絡することのないよう、各々のリードが絶縁管で被覆されているが、このような絶縁管を配置していることも上記した問題の発生に関係しているものと考えられる。すなわち、フィラメントランプの点灯時においては、フィラメントからの放射光が照射されることにより、絶縁管が極めて高温状態となって絶縁管が発光する、という事態が発生した。このような事態が生じると、フィラメント以外の場所に新たに発光体が出現したのと同然の状態になり、被処理体上の放射照度分布に悪影響を与える可能性が高いものと考えられる。
【0030】
本発明の目的は、上記の問題点に鑑みて、光照射式加熱処理装置毎に被処理体上の放射照度分布にバラツキが生じることを解消したフィラメントランプおよび光照射式加熱処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を採用した。
第1の手段は、少なくとも一端に封止部が形成された長管状の発光管の内部に、コイル状のフィラメントと該フィラメントに電力を供給するリードとが連結されてなる複数のフィラメント体が、各フィラメントが発光管の管軸に沿って伸びるよう順次に並んで配設され、各フィラメント体における各々のリードが封止部に配設された複数の各々の導電性部材に対して電気的に接続されて各フィラメントに対して各々独立に給電されるフィラメントランプにおいて、前記コイル状のフィラメントの内側に、前記各々のフィラメント体のリードが挿通されていることを特徴とするフィラメントランプである。
第2の手段は、第1の手段において、前記フィラメントの内側に、フィラメントの中心軸に沿って伸びる絶縁支持体が配置され、当該絶縁支持体には、前記各々のフィラメント体のリードを挿通するための複数の通路が形成されていることを特徴とするフィラメントランプである。
第3の手段は、第1の手段または第2の手段において、前記封止部は、棒状のシール用絶縁体を配設すると共に、複数の導電性部材を前記シール用絶縁体の外周に間隔を設けて配列し、前記発光管と前記シール用絶縁体とが導電性部材を介して気密に封止されて形成されることを特徴とするフィラメントランプである。
第4の手段は、第1の手段ないし第3の手段のいずれか1つの手段に記載のフィラメントランプが配置されてなる光源部を備え、該光源部から放射される光を被処理体に照射して被処理体を加熱することを特徴とする光照射式加熱処理装置である。
第5の手段は、第1の手段ないし第3の手段のいずれか1つの手段に記載のフィラメントランプが複数並列に配置されてなるランプユニットを備え、該ランプユニットから放射される光を被処理体に照射して被処理体を加熱することを特徴とする光照射式加熱処理装置である。
【発明の効果】
【0032】
請求項1に記載の発明によれば、フィラメントの内側に、各々のフィラメント体のリードが配置されるので、フィラメントの外側にリードが配置されることがないために、発光管の内部に複数のフィラメント体を配設した場合であっても、フィラメントからの放射光がリードによって遮られることがなく、所望の光放射照度分布を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、フィラメントの内側に配置された絶縁支持体が、点灯時にフィラメントからの光が照射されて高温状態になることによって発光したとしても、その発光による光の多くはフィラメントに遮蔽されてランプ外部に出ないので放射照度分布に影響しない。また、絶縁支持体から放射されてフィラメントのコイルの隙間を抜けてきた光はフィラメントの内側から放射された光であるから、光学的には実質的にフィラメントが発光しているものと同等と考えることができ、光放射照度分布に悪影響を与えるおそれがない。
請求項3に記載の発明によれば、封止部に棒状のシール用絶縁体を配設すると共に、複数の導電性部材を当該シール用絶縁体の外周に間隔を設けて配列し、発光管とシール用絶縁体とが両者間に導電性部材を介して気密に封止されるので、被処理体に対して高精度な温度制御を行うために、発光管の内部に多数のフィラメント体を配設したとしても、多数の導電性部材が互いに短絡することなく封止部の大きさを小さくすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし請求項3のいずれか1つの請求項に記載のフィラメントランプを用いることによって、光照射式加熱処理装置毎に被処理体上の放射照度分布にバラツキが生じることを解消した光照射式加熱処理装置を実現することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1ないし請求項3のいずれか1つの請求項に記載のフィラメントランプで構成されたランプユニットを用いることによって、光照射式加熱処理装置毎に被処理体上の放射照度分布にバラツキが生じることを解消した光照射式加熱処理装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の第1の実施形態を図1から図6を用いて説明する。
図1は、本実施形態の発明に係るフィラメントランプ1の構成を示す斜視図である。
同図に示すように、フィラメントランプ1は、両端に封止部2a、2bが形成された、例えば、石英ガラス等の光透過性材料からなる長管状、例えば、直管状の発光管3を備えている。発光管3の内部には、ハロゲンガスが封入されると共に、例えば、5つのフィラメント体41、42、43、44、45が配設され、各々のフィラメント体41、42、43、44、45におけるコイル状の各々のフィラメント411、421、431、441、451が管軸方向に順次に並んで伸び、絶縁支持体9の外側に配設されている。フィラメント体41、42、43、44、45は、フィラメント411、421、431、441、451とフィラメント41、42、43、44、45の両端に連結された給電用のリード412a、422a、432a、442a、452aとリード412b、422b、432b、442b、452bとにより構成され、被処理体の寸法・物理特性等に応じて個数が適宜調整される。また、絶縁支持体9と一体的に固定された絶縁支持体サポートリング97a、97bが発光管3の内壁に押当てられることにより、絶縁支持体9が発光管3の内部に支持される。
【0034】
発光管3の両端近傍の内部には、棒状の石英ガラスよりなるシール用絶縁体5a、5bが配設されている。一方のシール用絶縁体5a(5b)の周面上には5つの金属箔61a、62a、63a、64a、65a(61b、62b、63b、64b、65b)が概ね等間隔にてシール用絶縁体5a(5b)の長手方向に沿って平行に配設されている。各々の金属箔61a、62a、63a、64a、65a(61b、62b、63b、64b、65b)は、折れ曲がりを回避するため全長がシール用絶縁体5a(5b)の全長よりも短い。金属箔の個数は、発光管3内に配設するフィラメント体41、42、43、44、45の個数に応じて増減し、通常であればフィラメント体41、42、43、44、45の個数の2倍となる。発光管3には、シール用絶縁体5a(5b)が配置されている箇所に対応する発光管3の外周をバーナー等で加熱することにより、発光管3とシール用絶縁体5a(5b)との間に金属箔61a、62a、63a、64a、65a(61b、62b、63b、64b、65b)を介して気密にシールされた封止部2a(2b)が形成されている。
【0035】
シール用絶縁体5a(5b)の外径は発光管3の内径に比して小さいため、発光管3は、シール用絶縁体5a(5b)と密着している部分、すなわち封止部2a(2b)において縮径している。各フィラメント体41、42、43、44、45における各々のリード412a、422a、432a、442a、452a(412b、422b、432b、442b、452b)は、封止部2a(2b)における対応する金属箔61a、62a、63a、64a、65a(61b、62b、63b、64b、65b)を介して、発光管3の端部より管軸方向外方に突出して伸びる外部リード71a、72a、73a、74a、75a(71b、72b、73b、74b、75b)に電気的に接続されている。各々の外部リード71a、72a、73a、74a、75a(71b、72b、73b、74b、75b)には、各々のフィラメント411、421、431、441、451に対して独立に給電されるよう不図示の給電装置が接続されている。
【0036】
このように、発光管3の内部にシール用絶縁体5a(5b)を配設して封止部2a(2b)を形成すれば、発光管3の内部に、多数のフィラメント体41、42、43、44、45を配設することにより多数の導電性部材81a、82a、83a、84a、85a(81b、82b、83b、84b、85b)が配設されたフィラメントランプ1であっても、円柱状のシール用絶縁体5a(5b)の側周面を活用して多数の金属箔61a、62a、63a、64a、65a(61b、62b、63b、64b、65b)を互いに接触することなく配設することができるので、封止部2a(2b)が大きくなることを抑えることができる。特に、ピンチシールにより扁平な形状の封止部を形成することに比べれば、多数の導電性部材81a、82a、83a、84a、85a(81b、82b、83b、84b、85b)を配設した場合であっても、封止部2a(2b)の大きさを小さくすることができるので、省スペース化の観点で好ましい。なお、各々の金属箔61a、62a、63a、64a、65a(61b、62b、63b、64b、65b)は、寸法上可能であれば、等間隔ではなく、フィラメントランプ1からの光を効率良く照射できるよう配置したリード位置に対応するよう間隔を調整して配設することができる。
【0037】
各々のフィラメント体41、42、43、44、45は、各々のフィラメント体41、42、43、44、45に対して1つずつ一体的に固定された環状のアンカー(図示は省略)が発光管3の内壁に押当てられることにより、発光管3の内部に支持されている。アンカーを設けることにより、フィラメント発光時に発光管3の内壁に高温のフィラメント411、421、431、441、451が接触することが回避されるため、高温のフィラメント411、421、431、441、451が発光管3の内壁に接触することに起因して発光管3が失透するという不具合の発生が回避される。
【0038】
図2は、図1に示したフィラメントランプ1のフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体9とからなる発光部の構成を示す一部斜視図であり、図3は、図2に示したA−A’線によりフィラメントランプ1を管軸方向に切断した一部断面図である。
これらの図に示すように、フィラメントランプ1は、複数のフィラメント体41、42、43、44、45に係る各々のリード412a、422a、432a、442a、452aとリード412b、422b、432b、442b、452bが絶縁支持体9に支持された状態で発光管3の内部に配置される。例えば、石英ガラス等の絶縁材料よりなる棒状の絶縁支持体9は、管軸方向に並んだ5つのコイル状のフィラメント411、421、431、441、451の全てを貫通して管軸方向に沿って伸び、その中心軸が各々のフィラメント411、421、431、441、451の中心軸に一致した状態となるよう配置されている。絶縁支持体9の内部には、各々のリード412a、422a、432a、442a、452aとリード412b、422b、432b、442b、452bを挿通するための通路91、92、93、94、95がリード412a、422a、432a、442a、452aとリード412b、422b、432b、442b、452bの本数に対応して設けられており、各々の通路91、92、93、94、95が、互いに管軸に沿って平行に伸びると共に各々の端面に同一周上に形成された導出口913a、923a、933a、943a、953aと導出口913b、923b、933b、943b、953bに通じている。
【0039】
詳細に説明すると、絶縁支持体9に設けられた複数の各々の通路91、92、93、94、95は、管軸に沿って伸びて絶縁支持体9の端面に形成された導出口913a、923a、933a、943a、953aに通じる水平通路911a、921a、931a、941a、951aと、水平通路911a、921a、931a、941a、951aに連続して管軸直交方向に屈曲して伸び、絶縁支持体9の側面に形成された導出口913c、923c、933c、943c、953cに通じる鉛直通路912a、922a、932a、942a、952aと、導出口913b、923b、933b、943b、953bに通じる水平通路911b、921b、931b、941b、951bと、水平通路911b、921b、931b、941b、951bに連続して管軸直交方向に屈曲して伸び、絶縁支持体9の側面に形成された導出口913d、923d、933d、943d、953dに通じる鉛直通路912b、922b、932b、942b、952bとからなるもので、これらの水平通路と鉛直通路は管軸方向の断面がL字状に形成されている。複数の各通路91、92、93、94、95は、管軸方向において、鉛直通路912a、922a、932a、942a、952aと鉛直通路912b、922b、932b、942b、952bとは向かい合った状態でフィラメント411、421、431、441、451の全長に相当する距離を隔てて対向している。
【0040】
図2においては、絶縁支持体9は、管軸方向において各々対向する5対の通路91、92、93、94、95を備え、各々の端面に同一円周上に並ぶ5つの導出口913a、923a、933a、943a、953aと導出口913b、923b、933b、943b、953bが形成されると共に、管軸方向において各々対向する5対の導出口、すなわち、10個の導出口913c、923c、933c、943c、953cと導出口913d、923d、933d、943d、953dが側面に形成されている。なお、絶縁支持体9は、各々のリード412、422、432、442、452を互いに短絡することなく絶縁支持体9の外部に導出することができるよう、各々の端面に形成される複数の導出口913a、923a、933a、943a、953aと導出口913b、923b、933b、943b、953bが同一円周上に位置していることが好ましい。
【0041】
このような絶縁支持体9は、例えば、石英ガラス等の絶縁材料からなる棒材に対して切削加工を施したり、または、成形型に対して溶融した石英ガラス等の溶融液を流し込んだ後に溶融液を冷却することによって、前記したリード412、422、432、442、452を挿通する複数の通路91、92、93、94、95を備えた構成となるよう形成される。
【0042】
絶縁支持体9に支持される各々のフィラメント体41、42、43、44、45は、各フィラメント411、421、431、441、451の一端部に接続されると共に管軸直交方向に伸びる鉛直リード部4121a、4221a、4321a、4421a、4521aと、鉛直リード部4121a、4221a、4321a、4421a、4521aに連続して管軸方向に伸びる水平リード部4122a、4222a、4322a、4422a、4522aとからなる鉤状に形成された一方のリード412a、422a、432a、442a、452aと、フィラメント411、421、431、441、451の他端部に接続されると共に管軸直交方向に伸びる鉛直リード部4121b、4221b、4321b、4421b、4521bと、鉛直リード部4121b、4221b、4321b、4421b、4521bに連続して管軸方向に伸びる水平リード部4122b、4222b、4322b、4422b、4522bとからなる鉤状に形成された他方のリード412b、422b、432b、442b、452bとを備えている。
【0043】
各々のフィラメント体41、42、43、44、45は、このような絶縁支持体9に対して、各々のフィラメント411、421、431、441、451に対して同軸上に絶縁支持体9を配置した状態で、次のようにして取付けられている。一方のリード412a、422a、432a、442a、452aは、絶縁支持体9の側面の導出口913c、923c、933c、943c、953cに水平リード部4122a、4222a、4322a、4422a、4522aの先端を挿入して、水平リード部4122a、4222a、4322a、4422a、4522aの先端を絶縁支持体9の一方の端面の導出口913a、923a、933a、943a、953aから絶縁支持体9外に突出させると共に、鉛直リード部4121a、4221a、4321a、4421a、4521aの先端を絶縁支持体9の側面の導出口913c、923c、933c、943c、953cから絶縁支持体9外に突出させることによって、絶縁支持体9に取付けられている。
【0044】
これと同様に、他方のリード412b、422b、432b、442b、452bは、絶縁支持体9の側面の導出口913d、923d、933d、943d、953dに水平リード部4122b、4222b、4322b、4422b、4522bの先端を挿入して、水平リード部4122b、4222b、4322b、4422b、4522bの先端を絶縁支持体9の他方の端面の導出口913b、923b、933b、943b、953bから絶縁支持体9外に突出させると共に、鉛直リード部4121b、4221b、4321b、4421b、4521bの先端を絶縁支持体9の側面の導出口913d、923d、933d、943d、953dから絶縁支持体9外に突出させることによって、絶縁支持体9に取付けられている。
【0045】
絶縁支持体9に対するフィラメント体41、42、43、44、45の取付けは、前記したような、フィラメント411、421、431、441、451の両端にリード412a、422a、432a、442a、452aとリード412b、422b、432b、442b、452bを予め接続して構成したフィラメント体41、42、43、44、45を絶縁支持体9に取付ける方法に限られず、フィラメント411、421、431、441、451とリード412a、422a、432a、442a、452aとリード412b、422b、432b、442b、452bとを別々に絶縁支持体9に配置した後に、フィラメント411、421、431、441、451の両端にリード412a、422a、432a、442a、452aとリード412b、422b、432b、442b、452bを接続するという方法によって行うこともできる。
【0046】
また、フィラメント411、421、431、441、451の素線径が、例えば、φ0.5mm以下で比較的柔らかい場合、フィラメント411、421、431、441、451と、鉛直リード部4121a、4221a、4321a、4421a、4521a、4121b、4221b、4321b、4421b、4521bと、水平リード部4122a、4222a、4322a、4422a、4522a、4122b、4222b、4322b、4422b、4522bとを連続した継ぎ目なしの1本の素線で形成し、水平リード部4122a、4222a、4322a、4422a、4522aを絶縁支持体9の側面の導出口913c、923c、933c、943c、953cに挿入し、水平リード部4122b、4222b、4322b、4422b、4522bを絶縁支持体9の側面の導出口913d、923d、933d、943d、953dから挿入して取り付けるようにしても良い。
【0047】
図4は、図3に示したフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体9とからなる発光部の構成と異なるフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体9とからなる発光部の構成を紙面と平行な面で切断した一部断面図である。
図4に示す発光部は、図3に示した水平通路911aと911b、水平通路921aと921b、水平通路931aと931b、水平通路941aと941b、および水平通路951aと951bの各々を、1本の水平通路911、水平通路921、水平通路931、水平通路941、および水平通路951で構成した点で相違する。このように、各水平通路911、921、931、941、951を1本の貫通穴形状にすると、絶縁支持体9の水平通路911、921、931、941、951を引き抜きまたは射出成形等の安価で大量生産に好適な手法により製作することが可能となる。その結果、コストと加工時間を要する切削加工を大幅に減らすことができ、製造コストを低減させることができる。特に、絶縁支持体9の全長が200mmを超えるような長いランプではコストの削減効果は顕著である。
【0048】
図5(a)は、図3に示したフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体9とからなる発光部の構成と異なるフィラメント体41、42(フィラメント体43、44、45は不図示)と絶縁支持体9とからなる発光部の構成を示す一部正面図であり、図5(b)は、図5(a)に示した、フィラメント体41、42(フィラメント体43、44、45は不図示)と絶縁支持体9とからなる発光部の構成を紙面と平行な面で切断した一部断面図である。
これらの図に示すように、絶縁支持体9は、管軸に沿って伸びて絶縁支持体9の一方の端面に形成された導出口913a、923a(導出口933a、943a、953aは不図示)に通じる水平通路911a、921a(水平通路931a、941a、951aは不図示)と、水平通路911a、921a(水平通路931a、941a、951aは不図示)に連続して管軸直交方向に開口し管軸に沿って伸びる、絶縁支持体9の側面に形成された水平開口溝961、962(水平開口溝963、964、965は不図示)と、水平開口溝961、962(水平開口溝963、964、965は不図示)に通じ管軸に沿って伸びる水平通路911b(水平通路921b、931b、941b、951bは不図示)と、水平通路911b(水平通路921b、931b、941b、951bは不図示)に通じ絶縁支持体9の他方の端面に形成された不図示の導出口913b、923b、933b、943b、953bとから構成される。このような絶縁支持体9は、例えば、石英ガラス等の絶縁材料からなる棒材に対して切削加工を施したり、または、成形型に対して溶融した石英ガラス等の溶融液を流し込んだ後に溶融液を冷却することによって、リードを挿通する複数の通路を備えた構成となるよう形成される。
【0049】
絶縁支持体9に支持される各々のフィラメント体41、42(フィラメント体43、44、45は不図示)のうち、各フィラメント411(フィラメント421、431、441、451は不図示)は、フィラメント411a、411bで構成され、フィラメント411bは絶縁支持体9に巻き付くようにして設けられているので、フィラメント411aは絶縁支持体9に接触しないようにして支持することができる。なお、その他の不図示のフィラメント421、431、441、451も、フィラメント411と同様に、フィラメント421a、421b、フィラメントランプ431a、431b、フィラメントランプ441a、441b、フィラメントランプ451a、451bから構成される。
【0050】
各々のフィラメント体41、42、43、44、45は、このような絶縁支持体9に対して、各々のフィラメント411、421、431、441、451のうち、フィラメント411を例にして説明すると、フィラメント411に対して同軸上に絶縁支持体9を配置した状態で、次のようにして取付けられている。一方のリード412aは、絶縁支持体9の側面の水平開口溝961から水平リード部4122aの先端を挿入して、水平リード部4122aの先端を絶縁支持体9の一方の端面の導出口913aから絶縁支持体9外に突出させると共に、鉛直リード部4121aの先端を絶縁支持体9の水平開口溝961から絶縁支持体9外に突出させることによって、絶縁支持体9に取付けられている。これと同様に、他方のリード412bは、絶縁支持体9の側面の水平開口溝961に水平リード部4122bの先端を挿入して、水平リード部4122bの先端を絶縁支持体9の他方の端面の導出口913bから絶縁支持体9外に突出させると共に、鉛直リード部4121bの先端を絶縁支持体9の側面の水平開口溝961から絶縁支持体9外に突出させることによって、絶縁支持体9に取付けられている。絶縁支持体9にフィラメント体41を取付ける際に、水平開口溝961からフィラメント体41の水平リード部4122a、4122bを挿入して取付けるので取付け作業が容易となる。
【0051】
図6(a)は、図3に示したフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体9とからなる発光部の構成と異なるフィラメント体41、42、45(フィラメント体43、44は不図示)と絶縁支持体9とからなる発光部の構成を示す一部斜視図であり、図6(b)は、図6(a)に示した、フィラメント体41、42、45(フィラメント体43、44は不図示)と絶縁支持体9とからなる発光部の構成をA−A’の面で切断した一部断面図である。
これらの図に示すように、絶縁支持体9には、絶縁支持体9の一方の端面側から管軸直交方向に開口し管軸に沿ってフィラメント411、421、451(フィラメント431、441は不図示)を支持する絶縁支持体9の箇所まで伸びる水平開口溝961a、962a、963a、964a、965aと、絶縁支持体9の他方の端面側から管軸直交方向に開口し管軸に沿ってフィラメント411、421、451(フィラメント431、441は不図示)を支持する絶縁支持体9の箇所まで伸びる水平開口溝961b、963b、964b(水平開口溝962b、965bは不図示)とが形成される。このような絶縁支持体9は、例えば、石英ガラス等の絶縁材料からなる棒材に対して切削加工を施したり、または、成形型に対して溶融した石英ガラス等の溶融液を流し込んだ後に溶融液を冷却することによって形成される。
【0052】
各々のフィラメント体41、42、43、44、45は、このような絶縁支持体9に対して、各々のフィラメント411、421、431、441、451のうち、フィラメント411を例にして説明すると、フィラメント411に対して同軸上に絶縁支持体9を配置した状態で、次のようにして取付けられている。一方のリード412aは、絶縁支持体9の一方の端面側から形成された水平開口溝961aに水平リード部4122aを配設することによって絶縁支持体9に取付けられている。これと同様に、他方のリード412bは、絶縁支持体9の他方の端面側から形成された水平開口溝961bに水平リード部4122bを配設することによって絶縁支持体9に取付けられている。絶縁支持体9にフィラメント411を取付ける際に、開口された水平開口溝961a、961bにフィラメント体41の水平リード部4122a、4122bを配設して取付けるので取付け作業が容易となる。
なお、上記では水平開口溝961aと水平開口溝961bは連結しない別個の溝として形成させたが、水平リード部4122aと水平リード部4122bによってフィラメント411が十分な強度で管軸方向にずれないように固定されている場合は、水平開口溝961aと水平開口溝961bとを連続した1つの水平開口溝として形成させてもよい。この場合は溝の形成を型を使った引き抜き法等で製作することができるようになり、加工コストを削減することができる。
【0053】
本実施形態の発明に係るフィラメントランプ1の具体的な仕様の一例を以下に示す。
発光管3は、外径がφ6mm〜φ40mm程度、全長は数十mm〜800mm程度であり、被処理体の大きさ、フィラメントランプ1から被処理体までの距離、ランプユニット内でのランプ配置によって決定される。各々のフィラメント体41、42、43、44、45は、直径がφ0.05mm〜1mm程度の素線を用いる。本実施例では、φ300mmのシリコンウェハを距離50mmで照射する場合において、発光管外径28mm、全長560mm、フィラメント素線径0.5mmを使用し、1つのフィラメントの最大全長が140mm、外径がφ8mmに形成されたフィラメントの両端に、外径がフィラメント素線よりも大径の、例えば、φ0.8mmのリードが接続される。フィラメント外径はφ8mmに限らず、必要電力とフィラメント温度に従って、φ4mm程度〜φ20mm程度となる。フィラメント1本当たりの最大定格電流値は、必要な被処理物の昇温特性と封止部2の金属箔61、62、63、64、65の許容電流値に従って決められ、本実施例では、25Aである。絶縁支持体9の外径は、フィラメント内径やフィラメントの数によって決められ、φ2〜φ18mm程度になり、全長はフィラメントの長さの総和より長くかつ発光管3内に入る長さに設定する。本実施例では、外径φ3.5mm、全長460mmの石英ガラス製の棒材から構成され、各々の通路91、92、93、94、95の径はリード412、422、432、442、452が貫通するようにリード412、422、432、442、452よりも大きな径で、例えば、φ1mmである。
【0054】
以上のごとく、本実施形態の発明に係るフィラメントランプ1によれば、基本的には、複数の各々のフィラメント411、421、431、441、451に対して、封止部2a、2bに配設された各々の導電性部材81a、82a、83a、84a、85aおよび導電性部材81b、82b、83b、84b、85bを介して独立に給電される構成であるから、熱処理される被処理体上における場所的な温度変化の度合いの分布が基板形状に対し非対称である場合においても、被処理体を均一に加熱することができるため、被処理体の全体にわたって均一な温度分布を実現することができる。
【0055】
しかも、各々のフィラメント411、421、431、441、451の内部に配設された絶縁支持体9により、例えば、フィラメント411の内部に配設された絶縁支持体9において、フィラメント411以外の他のフィラメント421、431、441、451に係る各々のリード422、432、442、452が互いに短絡することなく支持されるので、発光管3の内部に複数のフィラメント体41、42、43、44、45が配設される構成であっても、フィラメント411、421、431、441、451の外側にリード412、422、432、442、452が配置されることがないために、各々のリード412、422、432、442、452間の絶縁を確保することが容易でありながら、フィラメント411、421、431、441、451からの放射光がリード412、422、432、442、452によって遮られることがなく、所望の光放射照度分布を得ることができる、という効果を期待することができる。
【0056】
また、フィラメント411、421、431、441、451の内部に配置された絶縁支持体9が、点灯時にフィラメント411、421、431、441、451からの光が照射されて高温状態になることによって発光したとしても、その発光による光の多くはフィラメント411、421、431、441、451に遮蔽されてランプ外部に出ないので放射照度分布に影響しない。また、絶縁支持体9から放射されてフィラメント411、421、431、441、451のコイルの隙間を抜けてきた光はフィラメント411、421、431、441、451の内部、すなわち、中心から放射された光であるから、光学的には実質的にフィラメント411、421、431、441、451が発光しているのと同等と考えることができるので、光放射照度分布に悪影響を与えるおそれがない。
【0057】
本実施形態の発明に係るフィラメントランプ1の構成は、以上のような効果を期待することができるために、被処理体を急速加熱し、かつ、精度良く温度制御することを目的とするものにおいて特に有効である。詳細には、本発明の構成は、フィラメント1本当たりに流れる25Aもの大電流に耐え得るよう、外径がφ0.8mmのリードを備えるフィラメント体が、発光管3内に4つ以上配設されているものにおいて特に有効である。
【0058】
次に、本発明の第2の実施形態を図7を用いて説明する。
図7は、本実施形態の発明に係るフィラメントランプ1のフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体10とからなる発光部の構成を示す斜視図である。本実施形態の発明に係るフィラメントランプ1は、図1に示したフィラメント体と絶縁支持体とからなる発光部に代えて、図7に示したフィラメント体と絶縁支持体とからなる発光部を適用することによって可能となる。
同図に示すように、フィラメントランプ1のフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体10とからなる発光部は、管軸に沿って伸びる中心部材101の周囲に、管軸に沿って伸びる複数の絶縁管1021a、1022a、1023a、1024a、1025aと絶縁管1021b、1022b、1023b、1024b、1025bを同一円周上に配置した構成を有する絶縁支持体10を用いる以外、図2に示した構成と同様の構成を有している。絶縁支持体10は、管軸に沿って伸びる棒状の中心部材101と、中心部材101と平行に伸びて中心部材101の側面に配置された複数の絶縁管1021a、1022a、1023a、1024a、1025aと絶縁管1021b、1022b、1023b、1024b、1025bとから構成されている。中心部材101は石英ガラス、アルミナ等のセラミックス、タングステンやモリブデン等の高融点金属からなり、複数の絶縁管1021a、1022a、1023a、1024a、1025a、1021b、1022b、1023b、1024b、1025bは石英ガラス、アルミナ等のセラミックスからなる。本実施例では、両者共に石英ガラスを用いた。
【0059】
詳細に説明すると、絶縁支持体10は、互いに管軸方向の全長が異なる5種類の絶縁管1021a、1022a、1023a、1024a、1025aと絶縁管1021b、1022b、1023b、1024b、1025bの2組(すなわち、合計で10本の絶縁管)が、以下のようにして、中心部材101の側面に配置されている。すなわち、5本の絶縁管1021a、1022a、1023a、1024a、1025aよりなる1組目が、各々の端部が中心部材101の一端面と同一平面上において同一円周上に位置すると共に、互いに中心部材101と平行に管軸に沿って伸びるよう中心部材101の側面上に配置された状態で、各々の側面に接して環状の拘束部材103aが巻回されることにより中心部材10に対して一体的に固定される。同様にして、5本の絶縁管1021b、1022b、1023b、1024b、1025bよりなる2組目が、各々の端部が中心部材101の他端面と同一平面上において同一円周上に位置すると共に、互いに中心部材101と平行に管軸に沿って伸びるよう中心部材101の側面上に配置された状態で、各々の側面に接して環状の拘束部材103bが巻回されることにより中心部材101に対して一体的に固定される。
【0060】
さらに、中心部材101の側面上に配設される10本の絶縁管は、1組目の各々の絶縁管1021a、1022a、1023a、1024a、1025aと2組目の各々の絶縁管1021b、1022b、1023b、1024b、1025bとが、管軸方向においてフィラメント411、421、431、441、451の全長に相当する間隙(フィラメント配設部)を隔てて対向すると共に、対向する1組目の絶縁管1021a、1022a、1023a、1024a、1025aと2組目の絶縁管1021b、1022b、1023b、1024b、1025bとの管軸方向の全長の総和が、各々の対向箇所において均等になるよう配置されている。すなわち、紙面の手前に位置する絶縁管を基準としたとき、絶縁支持体10の時計回り方向において、1組目における全長が最短の絶縁管1021aと2組目における全長が最長の絶縁管1021b、1組目における全長が2番目に短い絶縁管1022aと2組目における全長が2番目に長い絶縁管1022b、1組目における全長が中間の絶縁管1023aと2組目における全長が中間の絶縁管1023b、1組目における全長が2番目に長い絶縁管1024aと2組目における全長が2番目に短い絶縁管1024b、1組目における全長が最長の絶縁管1025aと2組目における全長が最短の絶縁管1025bが、この順番に、各々管軸方向においてフィラメント411、421、431、441、451の全長に相当する間隙を隔てて対向している。
【0061】
このようにして、10本の絶縁管1021a、1022a、1023a、1024a、1025a、1021b、1022b、1023b、1024b、1025bが中心部材101の側面に配置された絶縁支持体10は、管軸方向において対向する1対の絶縁管の間に存在する間隙からなる5箇所のフィラメント配設部が、管軸方向において順次に並ぶように形成される。
【0062】
なお、図7において、全長の異なる1組目の5種類の絶縁管1021a、1022a、1023a、1024a、1025aが、紙面の手前に位置する絶縁管を基準としたとき、絶縁支持体10の時計回り方向において、絶縁管の管軸方向の全長が順次大きくなるよう中心部材101の側面に配置されているが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。これとは逆に、全長の異なる1組目の5種類の絶縁管が、紙面の手前に位置する絶縁管を基準としたとき、絶縁支持体10の時計回り方向において、絶縁管の管軸方向の全長が順次小さくなるよう中心部材101の側面に配置されていても良い。また、全長の異なる5種類の絶縁管がランダムに中心部材101の側面に配置されていても良い。さらに、中心部材101をなくし、複数の絶縁管のみによって絶縁支持体10を構成することもできる。
【0063】
フィラメント体41、42、43、44、45は、図2から図5に示されるものと同様に、水平リード部4122a、4222a、4322a、4422a、4522a、4122b、4222b、4322b、4422b、4522bと鉛直リード部4121a、4221a、4321a、4421a、4521a、4121b、4221b、4321b、4421b、4521bからなる鉤状のリード412a、422a、432a、442a、452a、412b、422b、432b、442b、452bが使用される。各々のフィラメント体41、42、43、44、45は、各々のフィラメント411、421、431、441、451に対して同軸上に絶縁支持体10の中心部材101が配置された状態で、次のようにして絶縁支持体10に対して取付けられ、互いに短絡することのないように絶縁支持体10によって支持される。
【0064】
詳細に説明すると、フィラメント411、421、431、441、451の一端に接続された一方のリード412a、422a、432a、442a、452aは、水平リード部4122a、4222a、4322a、4422a、4522aの先端が、絶縁管1021a、1022a、1023a、1024a、1025aの他端側から一端側に向けて貫通して、絶縁管1021a、1022a、1023a、1024a、1025aの一端側から突出して管軸方向に伸びるよう引き出され、さらに、鉛直リード部4121a、4221a、4321a、4421a、4521aが管軸直交方向に伸びることにより、フィラメント411、421、431、441、451が絶縁管1021a、1022a、1023a、1024a、1025aに当接していない状態で絶縁支持体10に取付けられている。フィラメント411、421、431、441、451の他端に接続された他方のリード412b、422b、432b、442b、452bは、水平リード部4122b、4222b、4322b、4422b、4522bの先端が、絶縁管1021b、1022b、1023b、1024b、1025bの一端側から他端側に向けて貫通して、絶縁管1021b、1022b、1023b、1024b、1025bの他端側から突出して管軸方向に伸びるよう引き出され、さらに、鉛直リード部4121b、4221b、4321b、4421b、4521bが管軸直交方向に伸びることにより、フィラメント411、421、431、441、451が絶縁管1021b、1022b、1023b、1024b、1025bに当接していない状態で絶縁支持体10に取付けられている。各々のフィラメント体41、42、43、44、45に接続された各々のリードは、各別の各々の絶縁管を通過していることにより、互いに短絡することがない。
【0065】
なお、本実施形態の発明に係るフィラメントランプ1によれば、基本的には、第1の実施形態の発明に係るフィラメントランプ1と同様の効果を期待することができ、しかも、絶縁支持体10の製造を、第1の実施形態の発明に係るフィラメントランプ1の絶縁支持体9以上に容易に行うことができるため、絶縁支持体の製造に要するコストを低減することができる。
【0066】
次に、本発明の第3の実施形態を図8を用いて説明する。
図8は、本実施形態の発明に係るフィラメントランプ1のフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体12とからなる発光部の構成を示す斜視図である。本実施形態の発明に係るフィラメントランプ1は、図1に示したフィラメント体と絶縁支持体とからなる発光部に代えて、図8に示したフィラメント体と絶縁支持体とからなる発光部を適用することによって可能となる。
同図に示すように、フィラメントランプ1のフィラメント体と絶縁支持体とからなる発光部は、互いに管軸に沿って伸びると共にフィラメント体41、42、43、44、45の径方向に放射状に広がる区画壁1221、1222、1223、1224、1225を備える構成の絶縁支持体12を用いている以外は、図2に示した構成と同様の構成を有している。
【0067】
絶縁支持体12は、径方向の断面が円状に形成され管軸に沿って伸びる中央部121に連続した、周方向に互いに離間して管軸に沿って伸びると共に、フィラメント411、421、431、441、451の径方向に放射状に伸びる複数の区画壁1221、1222、1223、1224、1225を備えた構成である。このような絶縁支持体12は、隣接する一対の区画壁1221、1222と中央部121、隣接する一対の区画壁1222、1223と中央部121、隣接する一対の区画壁1223、1224と中央部121、隣接する一対の区画壁1224、1225と中央部121、隣接する一対の区画壁1225、1221と中央部121とにより形成されるフィラメント体の個数と同数のリード配設部を備え、複数の区画壁1221、1222、1223、1224、1225の頂点を結んで形成される仮想円の直径がフィラメント径に概ね一致している。絶縁支持体12は、例えば、石英ガラス等からなる棒状の絶縁材料に対して切削加工を施したり、または、成形型に対して溶融した石英ガラスを流し込んだ後に溶融液を冷却することにより、所望の形状とすることができる。
【0068】
各々のフィラメント体41、42、43、44、45は、各々のフィラメント411、421、431、441、451に対して同軸上に絶縁支持体12の中央部121が配置された状態で、各々のフィラメント411、421、431、441、451に接続される一対のリード412aとリード412b、リード422aとリード422b、リード432aとリード432b、リード442aとリード442b、およびリード452aとリード452bの双方が、同一のリード配設領域に各別に配置されて、互いに短絡することのないよう絶縁支持体12に取付けられている。フィラメント体41、42、43、44、45の構成は、図2から図6に示されたものと同様に構成される。
【0069】
詳細に説明すると、フィラメント411、421、431、441、451の一端に接続された一方のリード412a、422a、432a、442a、452aは、鉛直リード部4121a、4221a、4321a、4421a、4521aが中央部121に向けて管軸直交方向に伸びると共に、隣接する一対の区画壁の間のリード配設領域に配置された水平リード部4122a、4222a、4322a、4422a、4522aの一端が、絶縁支持体12の一端から突出して管軸に沿って伸びるよう配置される。フィラメント411、421、431、441、451の他端に接続された他方のリード412b、422b、432b、442b、452bは、鉛直リード部4121b、4221b、4321b、4421b、4521bが中央部121に向けて管軸直交方向に伸びると共に、フィラメント411、421、431、441、451の全長に相当する間隙を隔てて一方のリード412a、422a、432a、442a、452aと同一のリード配設領域に配置された水平リード部4122b、4222b、4322b、4422b、4522bが、管軸に沿って区画壁1221、1222、1223、1224、1225と平行に当該リード配設領域を伸びて、他端部が絶縁支持体12の他端から突出して伸びるよう配置される。
【0070】
以上のごとく、本実施形態の発明に係るフィラメントランプ1は、基本的には、第1の実施形態の発明に係るフィラメントランプ1と同様の効果を期待することができ、しかも、絶縁支持体12に設けられた区画壁1221、1222、1223、1224、1225に対してフィラメント411、421、431、441、451が当接して支持されることから、フィラメント411、421、431、441、451を所望の位置に高精度に配置することができると共に、フィラメント411、421、431、441、451の鉛直方向への垂れ下がりを回避することができる。
【0071】
次に、本発明の第4の実施形態を図9および図10を用いて説明する。
図9は、本実施形態の発明に係る光照射式加熱処理装置を示す正面断面図である。図10は、図9に示した第1ランプユニットおよび第2のランプユニットの構成を示す平面図である。本実施形態の発明に係る光照射式加熱処理装置100は、第1の実施形態から第3の実施形態の発明に係るフィラメントランプ1のいずれかを搭載して構成される。
図9に示すように、この光照射式加熱処理装置100は、石英窓101によりランプユニット収容空間S1と加熱処理空間S2とに分割されたチャンバ102を有する。ランプユニット収容空間S1に配置された第1のランプユニット103および第2のランプユニット104から放出される光を、石英窓101を介して加熱処理空間S2に設置される被処理体105に照射することにより、被処理体105の加熱処理が施される。
【0072】
ランプユニット収容空間S1に収容される第1のランプユニット103と第2のランプユニット104は、例えば、10本の各々のフィラメントランプ1を所定の間隔で並列に配置して構成され、互いに対向するように配置される。図9に示されるように、第1のランプユニット103を構成するフィラメントランプ1の管軸方向は、第2のランプユニット104を構成するフィラメントランプ1の管軸方向に対して交差するよう配置される。なお、必ずしも図9に示すように2段のランプユニットを配設する必要はなく、1段のランプユニットのみを備える構成であっても良い。
【0073】
第1のランプユニット103の上方には反射鏡106が配置される。反射鏡106は、例えば、無酸素銅からなる母材に金をコートした構造であり、反射断面が、円の一部、楕円の一部、放物線の一部又は平板状等の形状を有する。反射鏡106は、第1のランプユニット103および第2のランプユニット104から上方に向けて照射された光を被処理体105側へ反射する。すなわち、第1のランプユニット103および第2のランプユニット104から放出される光は、直接または反射鏡106で反射されて、被処理体105に照射される。
【0074】
ランプユニット収容空間S1には、冷却風ユニット107からの冷却風がチャンバ102に設けられた冷却風供給ノズル108の吹出し口109から導入される。ランプユニット収容空間S1に導入された冷却風は、第1のランプユニット103および第2のランプユニット104における各フィラメントランプ1に吹き付けられ、各フィラメントランプ1を構成する発光管を冷却する。ここで、各フィラメントランプ1の封止部は他の箇所に比して耐熱性が低い。そのため、冷却風供給ノズル108の吹出し口109は、各フィラメントランプ1の封止部に対向して配置し、各フィラメントランプ1の封止部を優先的に冷却するように構成することが望ましい。
【0075】
各フィラメントランプ1に吹き付けられ、熱交換により高温になった冷却風は、チャンバ102に設けられた冷却風排出口110から排出される。なお、冷却風の流れは、熱交換されて高温になった冷却風が逆に各フィラメントランプ1を加熱しないように考慮される。上記冷却風は、反射鏡106も同時に冷却するように風の流れが設定される。なお、反射鏡106が図示を省略した水冷機構により水冷されるような場合は、必ずしも反射鏡106も同時に冷却するように風の流れを設定しなくともよい。
【0076】
ところで、加熱される被処理体105からの輻射熱により石英窓101での蓄熱が発生する。蓄熱された石英窓101から2次的に放射される熱線により、被処理体105は不所望な加熱作用を受けることがある。この場合、被処理体105の温度制御性の冗長化(例えば、設定温度より被処理体105の温度が高温になるようなオーバーシュート)や、蓄熱される石英窓101自体の温度ばらつきに起因する被処理体105における温度均一性の低下等の不具合が発生する。また、被処理体105の降温速度の向上が難しくなる。よって、これらの不具合を抑制するため、図9に示すような冷却風供給ノズル108の吹出し口109を石英窓101の近傍にも設け、冷却風ユニット107からの冷却風により石英窓101を冷却するようにすることが望ましい。
【0077】
第1のランプユニット103の各フィラメントランプ1は、一対の第1の固定台111、112により支持される。第1の固定台111、112は導電性部材で形成された導電台113と、セラミックス等の絶縁部材で形成された保持台114とからなる。保持台114は、チャンバ102の内壁に設けられて導電台113を保持している。第1のランプユニット103を構成するフィラメントランプ1の本数をn1、フィラメントランプ1が有するフィラメント体の個数をm1として、各フィラメント体全てに独立に電力が供給される場合、一対の第1の固定台111、112の組数は、n1×m1組となる。一方、第2のランプユニット104の各フィラメントランプ1は、第2の固定台により支持される。第2の固定台は、第1の固定台111、112と同様、導電台、保持台とからなる。第2のランプユニット104を構成するフィラメントランプ1の本数をn2、フィラメントランプ1が有するフィラメント体の個数をm2として、各フィラメント全てに独立に電力が供給される場合、一対の第2の固定台の組数は、n2×m2組となる。
【0078】
チャンバ102には、電源部115の給電装置からの給電線が接続される一対の電源供給ポート116、117が設けられる。なお、図9では1組の電源供給ポート116、117が示されているが、フィラメントランプ1の個数、各フィラメントランプ1内のフィラメント体の個数等に応じて、電源供給ポートの個数は決められる。図9では、電源供給ポート116、117は、第1のランプ固定台111、112の導電台113と電気的に接続される。第1のランプ固定台111、112の導電台113は、例えば、外部リードと電気的に接続される。このように構成することにより、電源部115における給電装置から、第1のランプユニット103における1つのフィラメントランプ1のフィラメント体への給電が可能となる。なお、フィラメントランプ1の他のフィラメント体、また、第1のランプユニット103における他のフィラメントランプ1の各フィラメント、第2のランプユニット104の各フィラメントランプ1の各フィラメントについても、他の一対の電源供給ポートより、各々同様の電気的接続がなされる。
【0079】
また、加熱処理空間S2には、被処理体105が固定される処理台118が設けられている。例えば、被処理体105が半導体ウエハである場合、処理台118は、モリブデンやタングステン、タンタルのような高融点金属材料やシリコンカーバイド(SiC)等のセラミック材料、または石英、シリコン(Si)からなる薄板の環状体であり、その円形開口部の内周部に半導体ウエハを支持する段差部が形成されているガードリング構造であることが好ましい。被処理体105である半導体ウエハは、上記した円環状のガードリングの円形開口部に半導体ウエハを嵌め込むように配置され、上記段差部で支持される。処理台118は、自らも光照射によって高温となり対面する半導体ウエハの外周縁を補助的に放射加熱し、半導体ウエハの外周縁からの熱放射を補償する。これにより、半導体ウエハの外周縁からの熱放射等に起因する半導体ウエハ周縁部の温度低下が抑制される。
【0080】
処理台118に設置される被処理体105の光照射面の裏面側には、温度測定部119が被処理体105に当接または近接して設けられている。温度測定部119は、被処理体105の温度分布をモニタするためのものであり、被処理体105の寸法に応じて個数、配置が設定される。温度測定部119は、例えば、熱電対や放射温度計が使用される。温度測定部119によりモニタされた温度情報は、温度計120に送出される。温度計120は、各温度測定部119により送出された温度情報に基づき、各温度測定部119の測定地点における温度を算出するとともに、算出された温度情報を温度制御部121を介して主制御部122に送出する。主制御部122は、被処理体105上の各測定地点における温度情報に基づき、被処理体105上の温度が所定の温度で均一となるように指令を温度制御部121に送出する。温度制御部121は、この指令に基づき、電源部115から各フィラメントランプ1のフィラメント体へ供給される電力を制御する。例えば、主制御部122は、ある測定地点の温度が所定の温度に比して低いという温度情報を温度制御部121から得た場合、当該測定地点に近接するフィラメント体の発光部から放射される光が増加するように、当該フィラメント体に対する給電量を増加させるよう温度制御部121に対し指令を送出する。温度制御部121は、主制御部122から送出された指令に基づいて、電源部115から当該フィラメント体に接続された電源供給ポート116、117に供給される電力を増加させる。
【0081】
主制御部122は、第1および第2のランプユニット103、104におけるフィラメントランプ1の点灯中、冷却風ユニット107に指令を送出することにより、発光管、石英窓101が高温状態とならないようにする。また、加熱処理の種類に応じて、加熱処理空間S2には、プロセスガスを導入・排気するプロセスガスユニット123を接続してもよい。例えば、熱酸化プロセスを行なう場合は、加熱処理空間S2に酸素ガス、および、加熱処理空間S2をパージするためのパージガス(例えば、窒素ガス)を導入・排気するプロセスガスユニットを接続する。プロセスガスユニット123からのプロセスガス、パージガスはチャンバ102に設けられたガス供給ノズル124の吹出し口125から加熱処理空間S2に導入される。また、排気は排出口126から行なわれる。
【0082】
以上のような本発明の光照射式加熱処理装置100によれば、以下の効果を奏することができる。光照射式加熱処理装置100の光源部であるランプユニット103、104に搭載されるフィラメントランプ1には、発光管内部に第1の実施形態から第3の実施形態で示したフィラメント体と絶縁支持体とからなる発光部が配置されており、フィラメントへ給電する電力を個別に調整することが可能であるので、上記光強度分布の設定は、発光管の軸方向についても調整可能である。よって、被処理体105表面における放射照度分布も、2次元方向に高精度に設定することが可能となる。例えば、従来の光照射式加熱処理装置の光源部に用いていたフィラメントランプの発光長よりも全長が短い狭小な特定領域(図10に示すような領域1)に対しても、この特定領域(領域1)に限定して、この特定領域(領域1)上の放射照度を設定することが可能である。すなわち、この特定領域(領域1)とその他の領域(図10に示すような領域2)において、それぞれの特性に対応した放射照度分布を設定することが可能となる。よって、上記特定領域(領域1)およびその他の領域(領域2)の温度が均一となるように制御することが可能となる。同様にして、被処理体105に場所的温度分布が発生することを抑制し、被処理体105全体にわたって均一な温度分布を得ることが可能となる。
【0083】
さらに、本発明の光照射式加熱処理装置においては、発光管内に配置される各フィラメント同士の離間距離を極めて小さくできるフィラメントランプ1を使用することから、発光しない各フィラメント間の離間部の影響を小さくすることができ、被処理体105上での照度分布の不所望なバラツキを極めて小さくすることが可能である。また、光照射式加熱処理装置100の高さ方向において複数の管状のフィラメントランプ1からなるランプユニット103、104を配設するスペースも小さくて済むため、光照射式加熱処理装置を小型化することができる。
【0084】
しかも、この光照射式加熱処理装置に搭載されたフィラメントランプ1によれば、第1の実施形態から第3の実施形態の発明に係るフィラメントランプ1において説明したように、フィラメントの各々の内側に配設された絶縁支持体により、当該フィラメント以外の他のフィラメントに係る各々のリードが互いに短絡することなく支持されるので、発光管の内部に複数のフィラメント体が配設される構成であっても、フィラメントの外側にリードが配置されることがないために、各々のリード間の絶縁を確保することが容易でありながら、フィラメントからの放射光がリードによって遮られることがなく、所望の光放射照度分布を得ることができる。
【0085】
なお、本発明の光照射式加熱処理装置においては、複数のフィラメントランプ1が並列に配置されて構成されたランプユニット103、104を加熱用光源として用いる場合について説明したが、必ずしもランプユニットを構成する必要はなく、単一のフィラメントランプ1によって光源部が構成されたものであっても良い。
【0086】
さらに、本発明の光照射式加熱処理装置において加熱処理される被処理体105は、半導体ウェハに限定されるものではなく、例えば、太陽電池パネル用の多結晶シリコン基板やガラス基板またはセラミックス基板、液晶表示用のガラス基板等にも適用することができる。
特に、太陽電池パネル用の各種材質の基板には四角形基板が多用されており、このような被処理体の加熱処理に用いられる光照射式加熱処理装置の多くのものは、四角形基板を水平移動させながら、管軸が基板移動方向と直交する方向に伸びるよう配置された単一のフィラメントランプによって、または、各々管軸が基板移動方向と直交する方向に伸びるよう並設された複数本のフィラメントランプによって、帯状の光を照射して加熱処理を行う構成とされている。このような場合には、4つ以上のフィラメント体が配設された、本発明に係るフィラメントランプ1が用いられることにより、基板の移動方向に平行な2辺部(帯状の両端部)の温度低下を補償しつつ、基板中央部(帯状の中央部)の放射照度分布を調整することができるので、より高精度の温度制御を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】第1の実施形態の発明に係るフィラメントランプ1の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示したフィラメントランプ1のフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体9とからなる発光部の構成を示す一部斜視図である。
【図3】図2に示したA−A’線によりフィラメントランプ1を管軸方向に切断したフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体9とからなる発光部の構成を示す一部断面図である。
【図4】図3に示したフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体9とからなる発光部の構成と異なるフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体9とからなる発光部の構成を示す一部断面図である。
【図5】図3に示したフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体9とからなる発光部の構成と異なるフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体9とからなる発光部の構成を示す一部正面図および一部断面図である。
【図6】図3に示したフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体9とからなる発光部の構成と異なるフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体9とからなる発光部の構成を示す一部斜視図および一部断面図である。
【図7】第2の実施形態の発明に係るフィラメントランプ1のフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体10とからなる発光部の構成を示す斜視図である。
【図8】第3の実施形態の発明に係るフィラメントランプ1のフィラメント体41、42、43、44、45と絶縁支持体12とからなる発光部の構成を示す斜視図である。
【図9】第4の実施形態の発明に係る光照射式加熱処理装置を示す正面断面図である。
【図10】図9に示した第1ランプユニット103および第2のランプユニット104の構成を示す平面図である。
【図11】従来技術に係る加熱処理装置200の断面図である。
【図12】図11に示した加熱処理装置200を簡略化して上下両段に設けられる加熱用白熱ランプ203、204と被処理体202とを取出して示した斜視図である。
【図13】従来技術に係る熱処理装置300の断面図である。
【図14】本件出願人が先の出願で提案したフィラメントランプ400の斜視図である。
【符号の説明】
【0088】
1 フィラメントランプ
2a、2b 封止部
3 発光管
41、42、43、44、45 フィラメント体
411、421、431、441、451 フィラメント
411a、411b、421a、421b、431a、431b、441a、441b、
451a、451b フィラメント
412、422、432、442、452 リード
412a、422a、432a、442a、452a リード
412b、422b、432b、442b、452b リード
4121a、4221a、4321a、4421a、4521a 鉛直リード部
4121b、4221b、4321b、4421b、4521b 鉛直リード部
4122a、4222a、4322a、4422a、4522a 水平リード部
4122b、4222b、4322b、4422b、4522b 水平リード部
5a、5b シール用絶縁体
61a、62a、63a、64a、65a 金属箔
61b、62b、63b、64b、65b 金属箔
71a、72a、73a、74a、75a 外部リード
71b、72b、73b、74b、75b)外部リード
81a、82a、83a、84a、85a 導電性部材
81b、82b、83b、84b、85b 導電性部材
9 絶縁支持体
91、92、93、94、95 通路
911、921、931、941、951、水平通路
911a、921a、931a、941a、951a 水平通路
911b、921b、931b、941b、951b 水平通路
912a、922a、932a、942a、952a 鉛直通路
912b、922b、932b、942b、952b 鉛直通路
913a、923a、933a、943a、953a 導出口
913b、923b、933b、943b、953b 導出口
913c、923c、933c、943c、953c 導出口
913d、923d、933d、943d、953d 導出口
961、962、963、964、965 水平開口溝
961a、962a、963a、964a、965a 水平開口溝
961b、962b、963b、964b、965b 水平開口溝
97a、97b 絶縁支持体サポートリング
10 絶縁支持体
101 中心部材
1021a、1022a、1023a、1024a、1025a 絶縁管
1021b、1022b、1023b、1024b、1025b 絶縁管
103a、103b 拘束部材
12 絶縁支持体
121 中央部
1221、1222、1223、1224、1225 区画壁
100 光照射式加熱処理装置
101 石英窓
102 チャンバ
103 第1のランプユニット
104 第2のランプユニット
105 被処理体
106 反射鏡
107 冷却風ユニット
108 冷却風供給ノズル
109 吹出し口
110 冷却風排出口
111、112 第1の固定台
113 導電台
114 保持台
115 電源部
116、117 電源供給ポート
118 処理台
119 温度測定部
120 温度計
121 温度制御部
122 主制御部
123 プロセスガスユニット
124 ガス供給ノズル
125 吹出し口
126 排出口
S1、S2 ランプユニット収容空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一端に封止部が形成された長管状の発光管の内部に、コイル状のフィラメントと該フィラメントに電力を供給するリードとが連結されてなる複数のフィラメント体が、各フィラメントが発光管の管軸に沿って伸びるよう順次に並んで配設され、各フィラメント体における各々のリードが封止部に配設された複数の各々の導電性部材に対して電気的に接続されて各フィラメントに対して各々独立に給電されるフィラメントランプにおいて、
前記コイル状のフィラメントの内側に、前記各々のフィラメント体のリードが挿通されていることを特徴とするフィラメントランプ。
【請求項2】
前記フィラメントの内側に、フィラメントの中心軸に沿って伸びる絶縁支持体が配置され、当該絶縁支持体には、前記各々のフィラメント体のリードを挿通するための複数の通路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィラメントランプ。
【請求項3】
前記封止部は、棒状のシール用絶縁体を配設すると共に、複数の導電性部材を前記シール用絶縁体の外周に間隔を設けて配列し、前記発光管と前記シール用絶縁体とが導電性部材を介して気密に封止されて形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフィラメントランプ。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1つの請求項に記載のフィラメントランプが配置されてなる光源部を備え、該光源部から放射される光を被処理体に照射して被処理体を加熱することを特徴とする光照射式加熱処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれか1つの請求項に記載のフィラメントランプが複数並列に配置されてなるランプユニットを備え、該ランプユニットから放射される光を被処理体に照射して被処理体を加熱することを特徴とする光照射式加熱処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−9927(P2009−9927A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−25142(P2008−25142)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】