フィルタデバイス
【課題】近接する周波数帯を用いる通信機器に使用可能とするべく,急峻な肩特性を実現するハイパスフィルタもしくはローパスフィルタを提供する。
【解決手段】前記格子型フィルタ回路が,外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間の直列腕に接続された第1の共振子と,前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間の直列腕に接続された第2の共振子と,前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続されたインピーダンス素子で構成される第1の共振回路と,前記第2の出力側平衡信号端子と前記第1の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続されたインピーダンス素子で構成される第2の共振回路とを有する。
【解決手段】前記格子型フィルタ回路が,外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間の直列腕に接続された第1の共振子と,前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間の直列腕に接続された第2の共振子と,前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続されたインピーダンス素子で構成される第1の共振回路と,前記第2の出力側平衡信号端子と前記第1の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続されたインピーダンス素子で構成される第2の共振回路とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,フィルタデバイスに関する。特に,VHF,UHF帯に共振特性を有する弾性表面波素子(SAW素子)等の音響波素子を用いて構成されるフィルタデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルタデバイスは通信分野で広く利用されている。特にSAW(Surface Acoustic Wave)共振子またはSAWフィルタ(以下,SAW素子と総称する)を用いたフィルタデバイスは,小型化かつ低損失化が可能であり,携帯電話等の移動体通信用途に多く用いられている。
【0003】
近年,携帯電話の高機能化により,アナログTVチューナーあるいは,ワンセグチューナーが搭載されTV放送を携帯電話で見られるようになってきた。しかし,TVチューナー側から見れば,携帯電話信号,特に携帯電話の送信信号が混信等の不具合原因に,携帯電話側から見ればTV信号が混信等の不具合原因となる。
【0004】
EU諸国の例を挙げると,TV信号は,VHF帯(10〜200 MHz),UHF帯(470〜750 MHz)に存在し,携帯電話の送信信号は,800 MHz帯(880〜915 MHz),1.8GHz帯(1710〜1785 MHz)に存在する。よってTVチューナー側ではTVのUHF帯以下を通過させて800 MHz帯以上を減衰させるローパスフィルタ,携帯電話側では800MHz帯以上を通過させてTVのUHF帯以下を減衰させるハイパスフィルタが必要となる。
【0005】
しかも,TV信号の高周波数側750MHzと携帯電話信号の低周波数側880MHzは非常に近接している為に,フィルタにおいて急峻な肩特性を実現する必要がある。
【0006】
さらに,一般的に通信機器の回路構成において,フィルタデバイスの前後には周波数コンバータやアンプ等の平衡端子を備えた素子が接続される為に,フィルタデバイスも平衡入出力が要求されている。
【0007】
従来,ハイパスフィルタもしくはローパスフィルタを実現する方法としては,ラダー型の構成を用いる方法(例えば,特許文献1参照)が知られている。
【0008】
図1は,特許文献1に記載されるラダー構成でハイパスフィルタを実現する場合の等価回路を示す図である。インダクタンスLとキャパシタンスCで構成される直列共振回路とインピーダンス素子Ieで構成する単位フィルタがカスケード接続された構成である。また,図2は,特許文献1に記載されるラダー構成でローパスフィルタを実現する場合の等価回路を示す図である。インダクタンスLとインピーダンス素子Ieの並列回路の単位フィルタがカスケード接続された構成である。
【特許文献1】特開平5−7125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の特許文献1に記載のハイパス及びローパスフィルタ構成では,図1,図2の等価回路から理解できるように,不平衡入出力となる。また,単位フィルタがカスケード接続された構成であり,急峻な肩特性を実現するためには,カスケード段数が増え,素子数が多くなるという欠点を有している。
【0010】
したがって,かかる従来の構成例に鑑みて,本発明の目的は,少ない素子数で平衡入出力のハイパスフィルタもしくはローパスフィルタを実現することにある。
【0011】
さらに,本発明の目的は,上記近接する周波数帯を用いる通信機器に使用可能とするべく,急峻な肩特性を実現するハイパスフィルタもしくはローパスフィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記本発明の目的を達成するフィルタデバイスの第1の側面は,共振子を備えた格子型フィルタ回路で構成されるフィルタデバイスであって,前記格子型フィルタ回路が,外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間の直列腕に接続された第1の共振子と,前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間の直列腕に接続された第2の共振子と,前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続されたインピーダンス素子で構成される第1の共振回路と,前記第2の出力側平衡信号端子と前記第1の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続されたインピーダンス素子で構成された第2の共振回路とを有することを特徴とする。
【0013】
上記本発明の目的を達成するフィルタデバイスの第2の側面は,共振子を備えた格子型フィルタ回路で構成されるフィルタデバイスであって,前記格子型フィルタ回路が,外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間の直列腕に接続されているインピーダンス素子で構成された第1の共振回路と,前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間の直列腕に接続されているインピーダンス素子で構成された第2の共振回路と,前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続された第1の共振子と,前記第2の出力側平衡信号端子と前記第1の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続された第2の共振子とを有することを特徴とする。
【0014】
上記第1又は第2の側面において,前記第1の共振回路と第2の共振回路のそれぞれを直列共振回路で構成することができる。
【0015】
上記第1又は第2の側面において,前記第1の共振回路と第2の共振回路のそれぞれを並列共振回路で構成することができる。
【0016】
上記第1又は第2の側面において,前記第1の共振子と第2の共振子の少なくとも一方の共振子に少なくとも1つのインピーダンス素子が直列接続されているように構成できる。
【0017】
上記第1又は第2の側面において,前記第1の共振子と第2の共振子の少なくとも一方の共振子に少なくとも1つのインピーダンス素子が並列接続されている構成とすることができる。
さらに,上記各側面において,前記格子型フィルタ回路が,複数接続されているように構成しても良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明の上記特徴構成により,少ない素子数で平衡入出力のハイパスフィルタもしくはローパスフィルタを実現される。また,急峻な肩特性が実現される。
【0019】
本発明の更なる特徴は,以下に図面に従い説明される発明の実施の形態例から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態例を図面に従い説明する。なお,実施の形態例は本発明の説明のためのものであり,本発明の技術的範囲がこれに限定されるものではない。
【0021】
図3は,本発明の第1の実施例構成を示す図である。
【0022】
図示されていない入力側の外部平衡回路に接続される入力側平衡信号端子IN1,IN2と,同様に図示されていない出力側の外部平衡回路に接続される出力側平衡信号端子OUT1,OUT2を有している。
【0023】
入力側平衡信号端子IN1と出力側平衡端子OUT1との間の直列腕に接続されている第1の共振子10と,入力側平衡信号端子IN2と出力側平衡端子OUT2との間の直列腕に接続されている第2の共振子11を有している。さらに,前記出力側平衡信号端子OUT1と入力側平衡信号端子IN2との間の格子腕にインピーダンス素子で構成された第1の共振回路20が接続されている。また,出力側平衡信号端子OUT2と入力側平衡信号端子IN1との間の格子腕にインピーダンス素子で構成された第2の共振回路21が接続されている。
【0024】
この構成により,最小の場合は共振子2つと共振回路2つという非常に少ない素子数で平衡入出力フィルタを実現出来る。
【0025】
第1の実施例として,図3のように直列腕に共振子,格子腕に直列共振回路を配置した場合を例に本発明の原理を説明する。ここで、直列腕の共振子10と11、及び格子腕の直列共振回路20と21はそれぞれ実質的に等しい周波数特性を有するものとする。
【0026】
図4は,本発明のフィルタ構成の原理を説明する共振特性図である。横軸に周波数,縦軸にリアクタンスを示している。図4において,1は格子腕の直列共振回路20,21の共振特性であり,2は直列腕の共振子10,11の共振特性を示す図である。
【0027】
一般に格子型フィルタの基本原理として、直列腕と格子腕のリアクタンスが異符号ならば通過域、同符号ならば阻止域となる。図3に示す実施例の場合も同様に,直列腕の共振子10,11と格子腕の直列共振回路20,21のリアクタンスが異符号ならば通過域,同符号ならば阻止域となる。
【0028】
図4に示すように,格子腕の直列共振回路20,21の共振周波数が直列腕の共振子10,11の反共振周波数に一致している場合(I),領域Aでは直列腕と格子腕のリアクタンスの符号が同じなので阻止域となる。領域Bと領域Cとでは,直列腕と格子腕のリアクタンスの符号が異なるので通過域となる。したがって,ハイパスフィルタ特性が実現される。
【0029】
また,直列共振回路20,21の共振特性1の共振周波数が直列腕の共振子10,11の共振特性1の共振周波数に一致する場合(II)は,図4の領域Aと領域Bで直列腕と格子腕のリアクタンスが同符号で阻止域が阻止域となり,領域Cで異符号であり通過域となる。したがって,かかる場合は,阻止域が高域まで広がるハイパスフィルタ特性となる。
【0030】
一方,直列共振回路20,21の共振周波数が直列腕の共振子10,11の共振周波数もしくは反共振周波数からずれた場合(III)は,通過域の間に阻止域が存在することになり,これが通過域の振幅特性のリップルとして表れることとなる。
【0031】
リップルを軽減する為の手段として,共振子10,11および直列共振回路20,21の周波数特性を変えることにより可能である。
【0032】
かかる手段以外にも,本発明に従いリップルを軽減する構成を実現できる。図5,図6は,かかる本発明に従う構成例である。
【0033】
すなわち,1つの共振子10,11に少なくとも1つのインピーダンス素子12,13を直列接続すること(図5),もしくは並列接続(図6)することで,見掛け上の共振特性を変化させることが出来る。
【0034】
これによりリップル軽減等のフィルタ特性の調整を図ることも可能である。
【0035】
図7は,上記第1の実施例により得られるハイパスフィルタ特性の例を示す図であり,共振子10,11として弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)共振子を用いている。非常に急峻な肩特性で,高域まで損失の少ないハイパスフィルタが得られている。
【0036】
図8は,図3に示す等価回路に対応するハイパスフィルタを弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)共振子で形成したデバイスの平面(レイアウト)を示す図である。
【0037】
図8において,圧電基板100上に平衡入力端子IN1,IN2及び平衡出力端子OUT1,OUT2が,Al等の金属が蒸着されて形成されている。
【0038】
さらに,共振子10,11は,電極パターンを圧電基板100上に蒸着し,櫛形電極とその両側に反射電極を形成してSAW共振子を構成している。直列共振回路20,21は,同様に圧電基板100上にAl等の導電材料をパターニング蒸着して,インダクタンスLとキャパシタンスCを形成して直列共振回路を構成している。
【0039】
ここで,上記説明において,本発明によりハイパスフィルタを構成する例を説明した。本発明の適用はかかるハイパスフィルタに限定されない。同様の原理により後述するローパスフィルタへの適用も可能である。
【0040】
図8に示すレイアウトでは,同一圧電基板100上に共振子10,11,直列共振回路20,21を配置することで,小型化が可能となっている。もちろんインピーダンス素子値が大きくなる場合は,同一基板上に配置することが困難になるので,集中定数もしくは分布定数素子等を用いて圧電基板とは別に同一パッケージ内に配置してもよい。
【0041】
あるいは,パッケージ外に外付け部品として配置することも可能であり,LTCC等でパッケージ自身にインピーダンス素子の機能を持たせてもよい。
【0042】
図9は,本発明の第2の実施例として,本発明に従うローパスフィルタの構成例である。
【0043】
図9において,図示されていない入力側の外部平衡回路に接続される入力側平衡信号端子IN1,IN2と,同様に図示されていない出力側の外部平衡回路に接続される出力側平衡信号端子OUT1,OUT2を有している。
【0044】
入力側平衡信号端子IN1と出力側平衡端子OUT1との間の直列腕に接続されている少なくとも1つの第1の共振子10と,入力側平衡信号端子IN2と出力側平衡端子OUT2との間の直列腕に接続されている少なくとも1つの第2の共振子11を有している。さらに,前記出力側平衡信号端子OUT1と入力側平衡信号端子IN2との間の格子腕にインピーダンス素子で構成された少なくとも1つの第1の共振回路22が接続されている。また,出力側平衡信号端子OUT2と入力側平衡信号端子IN1との間の格子腕にインピーダンス素子で構成された少なくとも1つの第2の共振回路23が接続されている。
【0045】
図3に示した構成との相違は,格子腕にインピーダンス素子で構成された第1の共振回路22及び第2の共振回路23が,並列共振回路である点にある。
【0046】
かかる図9に示す構成に対応し,図4の共振特性図との比較において,図10には共振子10,11と,並列共振回路22,23による共振特性が示される。
【0047】
先に説明したように,格子型フィルタの基本原理に基づき,直列腕の共振子10,11と格子腕の並列共振回路22,23のリアクタンスが異符号ならば通過域,同符号ならば阻止域となる。
【0048】
したがって,図10に示す例では,領域A及びBは異符号で通過域,領域Cは同符号で阻止域でありローパスフィルタが得られる。
【0049】
かかる構成により最小の場合は共振子2つと共振回路2つという非常に少ない素子数で平衡入出力を有するローパスフィルタを実現出来る。
【0050】
ここで,前記第1の実施例におけるハイパスフィルタの例で説明したと同様に,並列共振回路22,23の共振周波数が直列腕の共振子10,11の反共振周波数に一致する場合は,図10の領域Aで直列腕と格子腕のリアクタンスが異符号,領域BとCで同符号となり,阻止域が低域に広がることとなるが,これも特に問題無い。
【0051】
一方,並列共振回路22,23の共振周波数が直列腕の共振子10,11の共振周波数もしくは反共振周波数からずれた場合は,通過域の間に阻止域が存在することになり,これが通過域の振幅特性のリップルとして表れることとなる。
【0052】
リップルを軽減する為の手段として,共振子および並列共振回路の周波数特性を変えること以外にも,本構成における少なくとも1つの共振子に少なくとも1つのインピーダンス素子を直列(図11)もしくは並列接続(図12)することで,見掛け上の共振特性を変化させることが出来る。
【0053】
これによりリップル軽減等のフィルタ特性の調整を図ることも可能である。
【0054】
共振子10,11にSAW共振子を用いた場合の具体的な特性例を図13に示す。非常に急峻な肩特性でかつ,非常に低域までロスの少ない優れたローパスフィルタ特性が実現出来ている。
【0055】
上記した第2の実施例についても,先に図8で示したと第1の実施例と同様に,圧電基板にSAW共振子を形成してローパスフィルタを構成することが可能である。
【0056】
ここで,本発明の構成における共振子10,11の種類は,実施例として示したSAW共振子に限定されるものではないが,特に,弾性表面波(SAW)素子,バルク表面波(BAW)素子,圧電薄膜共振子(FBAR)等の音響波素子を用いた場合は,高い共振Q値が得られる為に,より急峻な肩特性を実現することが出来る。また同一圧電基板上に音響波素子を配置することが可能で,小型化も容易である。
【0057】
さらに,上記第1及び第2の実施例において,本発明に適用される直列回路及び並列回路を構成するインピーダンス素子も限定されるものではなく,インダクタンス素子,容量素子などであっても,集中定数素子や分布定数素子などであっても本発明内容の効果は変わらない。同様に、図5、図6、図11、図12の実施例に示されるリップル軽減等のフィルタ特性の調整を図る為のインピーダンス素子12、13も特定の種類が限定されるものではない。
【0058】
また,本発明の構成における共振子とインピーダンス素子とを同一パッケージ内に納めて1つの製品とすることも可能であるし,インピーダンス素子のうち少なくとも1つを同一パッケージには納めず,PC板実装時等に外付け部品とすることも可能である。また,特に本発明の構成における共振子が音響波素子である場合には,図8に示したように共振子10,11と同一圧電基板100上にインピーダンス素子を構成することが可能である。
【0059】
さらに,本発明の適用において,格子型フィルタの基本原理上,図14もしくは図15のように図3もしくは図9の直列腕と格子腕を入れ替えても特性は変わらない。
【0060】
また,本発明の構成のフィルタデバイスを少なくとも2つ以上カスケード接続することで,より阻止領域の減衰を強化することも出来る。あるいは,少なくとも2つ以上並列接続することで入出力のインピーダンスを低減することも出来る。
【0061】
図16は,図3の構成を2段カスケード接続した構成例である。図17は,図9の構成を2段カスケード接続した構成例である。
【0062】
図18は,図3の構成のハイパスフィルタを図16に示す2段カスケード接続した場合の特性例である。
【0063】
また,図19は,図9の構成のローパスフィルタを図17に示す2段カスケード接続した場合の特性例である。
【0064】
それぞれカスケード接続した際の特性が最適になるように,1段目と2段目の共振子および共振回路の設計は異ならせている。図18,図19のいずれの特性も2段カスケードにより,図7,図13と比較すると,更に阻止領域の高減衰特性が得られている。
【0065】
また,上記説明では,入力側及び出力側共に平衡回路に接続されるように説明した。これに対し,入力側もしくは出力側を不平衡にする必要が生じた場合には,本発明の構成のフィルタデバイスの入力側もしくは出力側の少なくとも一方に平衡−不平衡変換手段を接続すれば良い。この平衡−不平衡変換手段は本発明の構成のフィルタデバイスと同一パッケージに納めてもよいし,LTCC等でパッケージ自身に機能を持たせてもよいし、本発明を適用するフィルタデバイスをPC板等に実装する際に外付け部品として対応してもよい。
【0066】
上記したように,本発明により,少ない素子数で平衡入出力ハイパスフィルタもしくはローパスフィルタを実現出来る。また,急峻な肩特性を実現出来る。これにより,小型で優れた特性のフィルタデバイスの設計が可能となる。
【0067】
(付記1)共振子を備えた格子型フィルタ回路で構成されるフィルタデバイスであって,
前記格子型フィルタ回路が,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,
前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間の直列腕に接続された第1の共振子と,
前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間の直列腕に接続された第2の共振子と,
前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続されたインピーダンス素子で構成される第1の共振回路と,
前記第2の出力側平衡信号端子と前記第1の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続されたインピーダンス素子で構成された第2の共振回路とを,
有することを特徴とするフィルタデバイス。
【0068】
(付記2)共振子を備えた格子型フィルタ回路で構成されるフィルタデバイスであって,
前記格子型フィルタ回路が,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,
前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間の直列腕に接続されているインピーダンス素子で構成された第1の共振回路と,
前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間の直列腕に接続されているインピーダンス素子で構成された第2の共振回路と,
前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続された第1の共振子と,
前記第2の出力側平衡信号端子と前記第1の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続された第2の共振子とを,
有することを特徴とするフィルタデバイス。
【0069】
(付記3)
付記1又は2において,
前記第1の共振回路と第2の共振回路のそれぞれが直列共振回路であることを特徴とすフィルタデバイス。
【0070】
(付記4)
付記1又は2において,
前記第1の共振回路と第2の共振回路のそれぞれが並列共振回路であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0071】
(付記5)
付記1又は2において,
前記第1の共振子と第2の共振子の少なくとも一方の共振子に少なくとも1つのインピーダンス素子が直列接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0072】
(付記6)
付記1又は2において,
前記第1の共振子と第2の共振子の少なくとも一方の共振子に少なくとも1つのインピーダンス素子が並列接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0073】
(付記7)
付記1乃至6のいずれかにおいて,
前記格子型フィルタ回路が,複数接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0074】
(付記8)
付記7において,
前記フィルタ回路が複数カスケード接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0075】
(付記9)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子が実質的に等しい周波数特性を有することを特徴とするフィルタデバイス。
【0076】
(付記10)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振回路が実質的に等しい周波数特性を有することを特徴とするフィルタデバイス。
【0077】
(付記11)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子と,前記第1及び第2の共振回路を構成するインピーダンス素子が同一パッケージ内に納められていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0078】
(付記12)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振回路を構成するインピーダンス素子のうち少なくとも1つがパッケージ内には納められない外部接続素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0079】
(付記13)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子が音響波素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0080】
(付記14)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子が弾性表面波(SAW)素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0081】
(付記15)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子がバルク弾性波(BAW)素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0082】
(付記16)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子が圧電薄膜共振子(FBAR)であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0083】
(付記17)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子が同一圧電基板上に構成されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0084】
(付記18)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振回路もしくは前記第1及び第2の共振回路を構成するインピーダンス素子が集中定数素子で構成されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0085】
(付記19)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振回路もしくは前記第1及び第2の共振回路を構成するインピーダンス素子が分布定数素子で構成されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0086】
(付記20)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子と前記第1及び第2の共振回路もしくは前記第1及び第2の共振回路を構成するインピーダンス素子とが同一圧電基板上に構成されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0087】
(付記21)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記入力側もしくは出力側の少なくとも一方に平衡−不平衡変換手段を有することを特徴とするフィルタデバイス。
【0088】
(付記22)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振回路の共振周波数が,前記第1及び第2の共振子の共振周波数とほぼ同じであることを特徴とするフィルタデバイス。
【0089】
(付記23)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振回路の共振回路の共振周波数が,前記第1及び第2の共振子の反共振周波数とほぼ同じであることを特徴とするフィルタデバイス。
【0090】
(付記24)
付記3において,
ハイパスフィルタとして機能されることを特徴とするフィルタデバイス。
【0091】
(付記25)
付記4において,
ローパスフィルタとして機能されることを特徴とするフィルタデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】ラダー構成でハイパスフィルタを実現する場合の従来例を示す図である。
【図2】ラダー構成でローパスフィルタを実現する場合の従来例を示す図である。
【図3】本発明のハイパスフィルタの実施形態を表す図である。
【図4】本発明のハイパスフィルタの原理を表す図である。
【図5】本発明のハイパスフィルタ実施形態のうち,共振子にインピーダンス素子を直列接続した例を示す図である。
【図6】本発明のハイパスフィルタ実施形態のうち,共振子にインピーダンス素子を並列接続した例を示す図である。
【図7】本発明のハイパスフィルタ実施形態の特性例を示す図である。
【図8】本発明のハイパスフィルタ実施形態のレイアウト例を示す図である。
【図9】本発明のローパスフィルタの実施形態を表す図である。
【図10】本発明のローパスフィルタの原理を表す図である。
【図11】本発明のローパスフィルタ実施形態のうち,共振子にインピーダンス素子を直列接続した例を示す図である。
【図12】本発明のローパスフィルタ実施形態のうち,共振子にインピーダンス素子を並列接続した例を示す図である。
【図13】本発明のローパスフィルタ実施形態の特性例を示す図である。
【図14】本発明のハイパスフィルタ実施形態のうち,直列腕と格子腕を入れ替えた例を示す図である。
【図15】本発明のローパスフィルタ実施形態のうち,直列腕と格子腕を入れ替えた例を示す図である。
【図16】本発明のハイパスフィルタ実施形態のうち,本フィルタデバイスをカスケード接続した例を示す図である。
【図17】本発明のローパスフィルタ実施形態のうち,本フィルタデバイスをカスケード接続した例を示す図である。
【図18】本発明のハイパスフィルタをカスケード接続した実施形態の特性例を示す図である。
【図19】本発明のローパスフィルタをカスケード接続した実施形態の特性例を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
10,11 共振子
20,21 直列共振回路
12,13 インピーダンス素子
22,23 並列共振回路
100 圧電基板
IN1,IN2 平衡入力端子
OUT1,OUT2 平衡出力端子
【技術分野】
【0001】
本発明は,フィルタデバイスに関する。特に,VHF,UHF帯に共振特性を有する弾性表面波素子(SAW素子)等の音響波素子を用いて構成されるフィルタデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルタデバイスは通信分野で広く利用されている。特にSAW(Surface Acoustic Wave)共振子またはSAWフィルタ(以下,SAW素子と総称する)を用いたフィルタデバイスは,小型化かつ低損失化が可能であり,携帯電話等の移動体通信用途に多く用いられている。
【0003】
近年,携帯電話の高機能化により,アナログTVチューナーあるいは,ワンセグチューナーが搭載されTV放送を携帯電話で見られるようになってきた。しかし,TVチューナー側から見れば,携帯電話信号,特に携帯電話の送信信号が混信等の不具合原因に,携帯電話側から見ればTV信号が混信等の不具合原因となる。
【0004】
EU諸国の例を挙げると,TV信号は,VHF帯(10〜200 MHz),UHF帯(470〜750 MHz)に存在し,携帯電話の送信信号は,800 MHz帯(880〜915 MHz),1.8GHz帯(1710〜1785 MHz)に存在する。よってTVチューナー側ではTVのUHF帯以下を通過させて800 MHz帯以上を減衰させるローパスフィルタ,携帯電話側では800MHz帯以上を通過させてTVのUHF帯以下を減衰させるハイパスフィルタが必要となる。
【0005】
しかも,TV信号の高周波数側750MHzと携帯電話信号の低周波数側880MHzは非常に近接している為に,フィルタにおいて急峻な肩特性を実現する必要がある。
【0006】
さらに,一般的に通信機器の回路構成において,フィルタデバイスの前後には周波数コンバータやアンプ等の平衡端子を備えた素子が接続される為に,フィルタデバイスも平衡入出力が要求されている。
【0007】
従来,ハイパスフィルタもしくはローパスフィルタを実現する方法としては,ラダー型の構成を用いる方法(例えば,特許文献1参照)が知られている。
【0008】
図1は,特許文献1に記載されるラダー構成でハイパスフィルタを実現する場合の等価回路を示す図である。インダクタンスLとキャパシタンスCで構成される直列共振回路とインピーダンス素子Ieで構成する単位フィルタがカスケード接続された構成である。また,図2は,特許文献1に記載されるラダー構成でローパスフィルタを実現する場合の等価回路を示す図である。インダクタンスLとインピーダンス素子Ieの並列回路の単位フィルタがカスケード接続された構成である。
【特許文献1】特開平5−7125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の特許文献1に記載のハイパス及びローパスフィルタ構成では,図1,図2の等価回路から理解できるように,不平衡入出力となる。また,単位フィルタがカスケード接続された構成であり,急峻な肩特性を実現するためには,カスケード段数が増え,素子数が多くなるという欠点を有している。
【0010】
したがって,かかる従来の構成例に鑑みて,本発明の目的は,少ない素子数で平衡入出力のハイパスフィルタもしくはローパスフィルタを実現することにある。
【0011】
さらに,本発明の目的は,上記近接する周波数帯を用いる通信機器に使用可能とするべく,急峻な肩特性を実現するハイパスフィルタもしくはローパスフィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記本発明の目的を達成するフィルタデバイスの第1の側面は,共振子を備えた格子型フィルタ回路で構成されるフィルタデバイスであって,前記格子型フィルタ回路が,外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間の直列腕に接続された第1の共振子と,前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間の直列腕に接続された第2の共振子と,前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続されたインピーダンス素子で構成される第1の共振回路と,前記第2の出力側平衡信号端子と前記第1の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続されたインピーダンス素子で構成された第2の共振回路とを有することを特徴とする。
【0013】
上記本発明の目的を達成するフィルタデバイスの第2の側面は,共振子を備えた格子型フィルタ回路で構成されるフィルタデバイスであって,前記格子型フィルタ回路が,外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間の直列腕に接続されているインピーダンス素子で構成された第1の共振回路と,前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間の直列腕に接続されているインピーダンス素子で構成された第2の共振回路と,前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続された第1の共振子と,前記第2の出力側平衡信号端子と前記第1の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続された第2の共振子とを有することを特徴とする。
【0014】
上記第1又は第2の側面において,前記第1の共振回路と第2の共振回路のそれぞれを直列共振回路で構成することができる。
【0015】
上記第1又は第2の側面において,前記第1の共振回路と第2の共振回路のそれぞれを並列共振回路で構成することができる。
【0016】
上記第1又は第2の側面において,前記第1の共振子と第2の共振子の少なくとも一方の共振子に少なくとも1つのインピーダンス素子が直列接続されているように構成できる。
【0017】
上記第1又は第2の側面において,前記第1の共振子と第2の共振子の少なくとも一方の共振子に少なくとも1つのインピーダンス素子が並列接続されている構成とすることができる。
さらに,上記各側面において,前記格子型フィルタ回路が,複数接続されているように構成しても良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明の上記特徴構成により,少ない素子数で平衡入出力のハイパスフィルタもしくはローパスフィルタを実現される。また,急峻な肩特性が実現される。
【0019】
本発明の更なる特徴は,以下に図面に従い説明される発明の実施の形態例から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態例を図面に従い説明する。なお,実施の形態例は本発明の説明のためのものであり,本発明の技術的範囲がこれに限定されるものではない。
【0021】
図3は,本発明の第1の実施例構成を示す図である。
【0022】
図示されていない入力側の外部平衡回路に接続される入力側平衡信号端子IN1,IN2と,同様に図示されていない出力側の外部平衡回路に接続される出力側平衡信号端子OUT1,OUT2を有している。
【0023】
入力側平衡信号端子IN1と出力側平衡端子OUT1との間の直列腕に接続されている第1の共振子10と,入力側平衡信号端子IN2と出力側平衡端子OUT2との間の直列腕に接続されている第2の共振子11を有している。さらに,前記出力側平衡信号端子OUT1と入力側平衡信号端子IN2との間の格子腕にインピーダンス素子で構成された第1の共振回路20が接続されている。また,出力側平衡信号端子OUT2と入力側平衡信号端子IN1との間の格子腕にインピーダンス素子で構成された第2の共振回路21が接続されている。
【0024】
この構成により,最小の場合は共振子2つと共振回路2つという非常に少ない素子数で平衡入出力フィルタを実現出来る。
【0025】
第1の実施例として,図3のように直列腕に共振子,格子腕に直列共振回路を配置した場合を例に本発明の原理を説明する。ここで、直列腕の共振子10と11、及び格子腕の直列共振回路20と21はそれぞれ実質的に等しい周波数特性を有するものとする。
【0026】
図4は,本発明のフィルタ構成の原理を説明する共振特性図である。横軸に周波数,縦軸にリアクタンスを示している。図4において,1は格子腕の直列共振回路20,21の共振特性であり,2は直列腕の共振子10,11の共振特性を示す図である。
【0027】
一般に格子型フィルタの基本原理として、直列腕と格子腕のリアクタンスが異符号ならば通過域、同符号ならば阻止域となる。図3に示す実施例の場合も同様に,直列腕の共振子10,11と格子腕の直列共振回路20,21のリアクタンスが異符号ならば通過域,同符号ならば阻止域となる。
【0028】
図4に示すように,格子腕の直列共振回路20,21の共振周波数が直列腕の共振子10,11の反共振周波数に一致している場合(I),領域Aでは直列腕と格子腕のリアクタンスの符号が同じなので阻止域となる。領域Bと領域Cとでは,直列腕と格子腕のリアクタンスの符号が異なるので通過域となる。したがって,ハイパスフィルタ特性が実現される。
【0029】
また,直列共振回路20,21の共振特性1の共振周波数が直列腕の共振子10,11の共振特性1の共振周波数に一致する場合(II)は,図4の領域Aと領域Bで直列腕と格子腕のリアクタンスが同符号で阻止域が阻止域となり,領域Cで異符号であり通過域となる。したがって,かかる場合は,阻止域が高域まで広がるハイパスフィルタ特性となる。
【0030】
一方,直列共振回路20,21の共振周波数が直列腕の共振子10,11の共振周波数もしくは反共振周波数からずれた場合(III)は,通過域の間に阻止域が存在することになり,これが通過域の振幅特性のリップルとして表れることとなる。
【0031】
リップルを軽減する為の手段として,共振子10,11および直列共振回路20,21の周波数特性を変えることにより可能である。
【0032】
かかる手段以外にも,本発明に従いリップルを軽減する構成を実現できる。図5,図6は,かかる本発明に従う構成例である。
【0033】
すなわち,1つの共振子10,11に少なくとも1つのインピーダンス素子12,13を直列接続すること(図5),もしくは並列接続(図6)することで,見掛け上の共振特性を変化させることが出来る。
【0034】
これによりリップル軽減等のフィルタ特性の調整を図ることも可能である。
【0035】
図7は,上記第1の実施例により得られるハイパスフィルタ特性の例を示す図であり,共振子10,11として弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)共振子を用いている。非常に急峻な肩特性で,高域まで損失の少ないハイパスフィルタが得られている。
【0036】
図8は,図3に示す等価回路に対応するハイパスフィルタを弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)共振子で形成したデバイスの平面(レイアウト)を示す図である。
【0037】
図8において,圧電基板100上に平衡入力端子IN1,IN2及び平衡出力端子OUT1,OUT2が,Al等の金属が蒸着されて形成されている。
【0038】
さらに,共振子10,11は,電極パターンを圧電基板100上に蒸着し,櫛形電極とその両側に反射電極を形成してSAW共振子を構成している。直列共振回路20,21は,同様に圧電基板100上にAl等の導電材料をパターニング蒸着して,インダクタンスLとキャパシタンスCを形成して直列共振回路を構成している。
【0039】
ここで,上記説明において,本発明によりハイパスフィルタを構成する例を説明した。本発明の適用はかかるハイパスフィルタに限定されない。同様の原理により後述するローパスフィルタへの適用も可能である。
【0040】
図8に示すレイアウトでは,同一圧電基板100上に共振子10,11,直列共振回路20,21を配置することで,小型化が可能となっている。もちろんインピーダンス素子値が大きくなる場合は,同一基板上に配置することが困難になるので,集中定数もしくは分布定数素子等を用いて圧電基板とは別に同一パッケージ内に配置してもよい。
【0041】
あるいは,パッケージ外に外付け部品として配置することも可能であり,LTCC等でパッケージ自身にインピーダンス素子の機能を持たせてもよい。
【0042】
図9は,本発明の第2の実施例として,本発明に従うローパスフィルタの構成例である。
【0043】
図9において,図示されていない入力側の外部平衡回路に接続される入力側平衡信号端子IN1,IN2と,同様に図示されていない出力側の外部平衡回路に接続される出力側平衡信号端子OUT1,OUT2を有している。
【0044】
入力側平衡信号端子IN1と出力側平衡端子OUT1との間の直列腕に接続されている少なくとも1つの第1の共振子10と,入力側平衡信号端子IN2と出力側平衡端子OUT2との間の直列腕に接続されている少なくとも1つの第2の共振子11を有している。さらに,前記出力側平衡信号端子OUT1と入力側平衡信号端子IN2との間の格子腕にインピーダンス素子で構成された少なくとも1つの第1の共振回路22が接続されている。また,出力側平衡信号端子OUT2と入力側平衡信号端子IN1との間の格子腕にインピーダンス素子で構成された少なくとも1つの第2の共振回路23が接続されている。
【0045】
図3に示した構成との相違は,格子腕にインピーダンス素子で構成された第1の共振回路22及び第2の共振回路23が,並列共振回路である点にある。
【0046】
かかる図9に示す構成に対応し,図4の共振特性図との比較において,図10には共振子10,11と,並列共振回路22,23による共振特性が示される。
【0047】
先に説明したように,格子型フィルタの基本原理に基づき,直列腕の共振子10,11と格子腕の並列共振回路22,23のリアクタンスが異符号ならば通過域,同符号ならば阻止域となる。
【0048】
したがって,図10に示す例では,領域A及びBは異符号で通過域,領域Cは同符号で阻止域でありローパスフィルタが得られる。
【0049】
かかる構成により最小の場合は共振子2つと共振回路2つという非常に少ない素子数で平衡入出力を有するローパスフィルタを実現出来る。
【0050】
ここで,前記第1の実施例におけるハイパスフィルタの例で説明したと同様に,並列共振回路22,23の共振周波数が直列腕の共振子10,11の反共振周波数に一致する場合は,図10の領域Aで直列腕と格子腕のリアクタンスが異符号,領域BとCで同符号となり,阻止域が低域に広がることとなるが,これも特に問題無い。
【0051】
一方,並列共振回路22,23の共振周波数が直列腕の共振子10,11の共振周波数もしくは反共振周波数からずれた場合は,通過域の間に阻止域が存在することになり,これが通過域の振幅特性のリップルとして表れることとなる。
【0052】
リップルを軽減する為の手段として,共振子および並列共振回路の周波数特性を変えること以外にも,本構成における少なくとも1つの共振子に少なくとも1つのインピーダンス素子を直列(図11)もしくは並列接続(図12)することで,見掛け上の共振特性を変化させることが出来る。
【0053】
これによりリップル軽減等のフィルタ特性の調整を図ることも可能である。
【0054】
共振子10,11にSAW共振子を用いた場合の具体的な特性例を図13に示す。非常に急峻な肩特性でかつ,非常に低域までロスの少ない優れたローパスフィルタ特性が実現出来ている。
【0055】
上記した第2の実施例についても,先に図8で示したと第1の実施例と同様に,圧電基板にSAW共振子を形成してローパスフィルタを構成することが可能である。
【0056】
ここで,本発明の構成における共振子10,11の種類は,実施例として示したSAW共振子に限定されるものではないが,特に,弾性表面波(SAW)素子,バルク表面波(BAW)素子,圧電薄膜共振子(FBAR)等の音響波素子を用いた場合は,高い共振Q値が得られる為に,より急峻な肩特性を実現することが出来る。また同一圧電基板上に音響波素子を配置することが可能で,小型化も容易である。
【0057】
さらに,上記第1及び第2の実施例において,本発明に適用される直列回路及び並列回路を構成するインピーダンス素子も限定されるものではなく,インダクタンス素子,容量素子などであっても,集中定数素子や分布定数素子などであっても本発明内容の効果は変わらない。同様に、図5、図6、図11、図12の実施例に示されるリップル軽減等のフィルタ特性の調整を図る為のインピーダンス素子12、13も特定の種類が限定されるものではない。
【0058】
また,本発明の構成における共振子とインピーダンス素子とを同一パッケージ内に納めて1つの製品とすることも可能であるし,インピーダンス素子のうち少なくとも1つを同一パッケージには納めず,PC板実装時等に外付け部品とすることも可能である。また,特に本発明の構成における共振子が音響波素子である場合には,図8に示したように共振子10,11と同一圧電基板100上にインピーダンス素子を構成することが可能である。
【0059】
さらに,本発明の適用において,格子型フィルタの基本原理上,図14もしくは図15のように図3もしくは図9の直列腕と格子腕を入れ替えても特性は変わらない。
【0060】
また,本発明の構成のフィルタデバイスを少なくとも2つ以上カスケード接続することで,より阻止領域の減衰を強化することも出来る。あるいは,少なくとも2つ以上並列接続することで入出力のインピーダンスを低減することも出来る。
【0061】
図16は,図3の構成を2段カスケード接続した構成例である。図17は,図9の構成を2段カスケード接続した構成例である。
【0062】
図18は,図3の構成のハイパスフィルタを図16に示す2段カスケード接続した場合の特性例である。
【0063】
また,図19は,図9の構成のローパスフィルタを図17に示す2段カスケード接続した場合の特性例である。
【0064】
それぞれカスケード接続した際の特性が最適になるように,1段目と2段目の共振子および共振回路の設計は異ならせている。図18,図19のいずれの特性も2段カスケードにより,図7,図13と比較すると,更に阻止領域の高減衰特性が得られている。
【0065】
また,上記説明では,入力側及び出力側共に平衡回路に接続されるように説明した。これに対し,入力側もしくは出力側を不平衡にする必要が生じた場合には,本発明の構成のフィルタデバイスの入力側もしくは出力側の少なくとも一方に平衡−不平衡変換手段を接続すれば良い。この平衡−不平衡変換手段は本発明の構成のフィルタデバイスと同一パッケージに納めてもよいし,LTCC等でパッケージ自身に機能を持たせてもよいし、本発明を適用するフィルタデバイスをPC板等に実装する際に外付け部品として対応してもよい。
【0066】
上記したように,本発明により,少ない素子数で平衡入出力ハイパスフィルタもしくはローパスフィルタを実現出来る。また,急峻な肩特性を実現出来る。これにより,小型で優れた特性のフィルタデバイスの設計が可能となる。
【0067】
(付記1)共振子を備えた格子型フィルタ回路で構成されるフィルタデバイスであって,
前記格子型フィルタ回路が,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,
前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間の直列腕に接続された第1の共振子と,
前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間の直列腕に接続された第2の共振子と,
前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続されたインピーダンス素子で構成される第1の共振回路と,
前記第2の出力側平衡信号端子と前記第1の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続されたインピーダンス素子で構成された第2の共振回路とを,
有することを特徴とするフィルタデバイス。
【0068】
(付記2)共振子を備えた格子型フィルタ回路で構成されるフィルタデバイスであって,
前記格子型フィルタ回路が,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,
前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間の直列腕に接続されているインピーダンス素子で構成された第1の共振回路と,
前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間の直列腕に接続されているインピーダンス素子で構成された第2の共振回路と,
前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続された第1の共振子と,
前記第2の出力側平衡信号端子と前記第1の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続された第2の共振子とを,
有することを特徴とするフィルタデバイス。
【0069】
(付記3)
付記1又は2において,
前記第1の共振回路と第2の共振回路のそれぞれが直列共振回路であることを特徴とすフィルタデバイス。
【0070】
(付記4)
付記1又は2において,
前記第1の共振回路と第2の共振回路のそれぞれが並列共振回路であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0071】
(付記5)
付記1又は2において,
前記第1の共振子と第2の共振子の少なくとも一方の共振子に少なくとも1つのインピーダンス素子が直列接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0072】
(付記6)
付記1又は2において,
前記第1の共振子と第2の共振子の少なくとも一方の共振子に少なくとも1つのインピーダンス素子が並列接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0073】
(付記7)
付記1乃至6のいずれかにおいて,
前記格子型フィルタ回路が,複数接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0074】
(付記8)
付記7において,
前記フィルタ回路が複数カスケード接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0075】
(付記9)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子が実質的に等しい周波数特性を有することを特徴とするフィルタデバイス。
【0076】
(付記10)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振回路が実質的に等しい周波数特性を有することを特徴とするフィルタデバイス。
【0077】
(付記11)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子と,前記第1及び第2の共振回路を構成するインピーダンス素子が同一パッケージ内に納められていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0078】
(付記12)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振回路を構成するインピーダンス素子のうち少なくとも1つがパッケージ内には納められない外部接続素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0079】
(付記13)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子が音響波素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0080】
(付記14)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子が弾性表面波(SAW)素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0081】
(付記15)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子がバルク弾性波(BAW)素子であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0082】
(付記16)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子が圧電薄膜共振子(FBAR)であることを特徴とするフィルタデバイス。
【0083】
(付記17)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子が同一圧電基板上に構成されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0084】
(付記18)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振回路もしくは前記第1及び第2の共振回路を構成するインピーダンス素子が集中定数素子で構成されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0085】
(付記19)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振回路もしくは前記第1及び第2の共振回路を構成するインピーダンス素子が分布定数素子で構成されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0086】
(付記20)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振子と前記第1及び第2の共振回路もしくは前記第1及び第2の共振回路を構成するインピーダンス素子とが同一圧電基板上に構成されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【0087】
(付記21)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記入力側もしくは出力側の少なくとも一方に平衡−不平衡変換手段を有することを特徴とするフィルタデバイス。
【0088】
(付記22)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振回路の共振周波数が,前記第1及び第2の共振子の共振周波数とほぼ同じであることを特徴とするフィルタデバイス。
【0089】
(付記23)
付記1乃至7のいずれかにおいて,
前記第1及び第2の共振回路の共振回路の共振周波数が,前記第1及び第2の共振子の反共振周波数とほぼ同じであることを特徴とするフィルタデバイス。
【0090】
(付記24)
付記3において,
ハイパスフィルタとして機能されることを特徴とするフィルタデバイス。
【0091】
(付記25)
付記4において,
ローパスフィルタとして機能されることを特徴とするフィルタデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】ラダー構成でハイパスフィルタを実現する場合の従来例を示す図である。
【図2】ラダー構成でローパスフィルタを実現する場合の従来例を示す図である。
【図3】本発明のハイパスフィルタの実施形態を表す図である。
【図4】本発明のハイパスフィルタの原理を表す図である。
【図5】本発明のハイパスフィルタ実施形態のうち,共振子にインピーダンス素子を直列接続した例を示す図である。
【図6】本発明のハイパスフィルタ実施形態のうち,共振子にインピーダンス素子を並列接続した例を示す図である。
【図7】本発明のハイパスフィルタ実施形態の特性例を示す図である。
【図8】本発明のハイパスフィルタ実施形態のレイアウト例を示す図である。
【図9】本発明のローパスフィルタの実施形態を表す図である。
【図10】本発明のローパスフィルタの原理を表す図である。
【図11】本発明のローパスフィルタ実施形態のうち,共振子にインピーダンス素子を直列接続した例を示す図である。
【図12】本発明のローパスフィルタ実施形態のうち,共振子にインピーダンス素子を並列接続した例を示す図である。
【図13】本発明のローパスフィルタ実施形態の特性例を示す図である。
【図14】本発明のハイパスフィルタ実施形態のうち,直列腕と格子腕を入れ替えた例を示す図である。
【図15】本発明のローパスフィルタ実施形態のうち,直列腕と格子腕を入れ替えた例を示す図である。
【図16】本発明のハイパスフィルタ実施形態のうち,本フィルタデバイスをカスケード接続した例を示す図である。
【図17】本発明のローパスフィルタ実施形態のうち,本フィルタデバイスをカスケード接続した例を示す図である。
【図18】本発明のハイパスフィルタをカスケード接続した実施形態の特性例を示す図である。
【図19】本発明のローパスフィルタをカスケード接続した実施形態の特性例を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
10,11 共振子
20,21 直列共振回路
12,13 インピーダンス素子
22,23 並列共振回路
100 圧電基板
IN1,IN2 平衡入力端子
OUT1,OUT2 平衡出力端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共振子を備えた格子型フィルタ回路で構成されるフィルタデバイスであって,
前記格子型フィルタ回路が,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,
前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間の直列腕に接続された第1の共振子と,
前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間の直列腕に接続された第2の共振子と,
前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続されたインピーダンス素子で構成される第1の共振回路と,
前記第2の出力側平衡信号端子と前記第1の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続されたインピーダンス素子で構成される第2の共振回路とを,
有することを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項2】
共振子を備えた格子型フィルタ回路で構成されるフィルタデバイスであって,
前記格子型フィルタ回路が,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,
前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間の直列腕に接続されているインピーダンス素子で構成された第1の共振回路と,
前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間の直列腕に接続されているインピーダンス素子で構成された第2の共振回路と,
前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続された第1の共振子と,
前記第2の出力側平衡信号端子と前記第1の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続された第2の共振子とを,
有することを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項3】
請求項1又は2において,
前記第1の共振回路と第2の共振回路のそれぞれが直列共振回路であることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項4】
請求項1又は2において,
前記第1の共振回路と第2の共振回路のそれぞれが並列共振回路であることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項5】
請求項1又は2において,
前記第1の共振子と第2の共振子の少なくとも一方の共振子に少なくとも1つのインピーダンス素子が直列接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項6】
請求項1又は2において,
前記第1の共振子と第2の共振子の少なくとも一方の共振子に少なくとも1つのインピーダンス素子が並列接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて,
前記格子型フィルタ回路が,複数接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項8】
請求項7において,
前記フィルタ回路が複数カスケード接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項1】
共振子を備えた格子型フィルタ回路で構成されるフィルタデバイスであって,
前記格子型フィルタ回路が,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,
前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間の直列腕に接続された第1の共振子と,
前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間の直列腕に接続された第2の共振子と,
前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続されたインピーダンス素子で構成される第1の共振回路と,
前記第2の出力側平衡信号端子と前記第1の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続されたインピーダンス素子で構成される第2の共振回路とを,
有することを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項2】
共振子を備えた格子型フィルタ回路で構成されるフィルタデバイスであって,
前記格子型フィルタ回路が,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の入力側平衡信号端子と,
外部平衡回路に接続される第1及び第2の出力側平衡信号端子と,
前記第1の入力側平衡信号端子と前記第1の出力側平衡端子との間の直列腕に接続されているインピーダンス素子で構成された第1の共振回路と,
前記第2の入力側平衡信号端子と前記第2の出力側平衡端子との間の直列腕に接続されているインピーダンス素子で構成された第2の共振回路と,
前記第1の出力側平衡信号端子と前記第2の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続された第1の共振子と,
前記第2の出力側平衡信号端子と前記第1の入力側平衡信号端子との間の格子腕に接続された第2の共振子とを,
有することを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項3】
請求項1又は2において,
前記第1の共振回路と第2の共振回路のそれぞれが直列共振回路であることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項4】
請求項1又は2において,
前記第1の共振回路と第2の共振回路のそれぞれが並列共振回路であることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項5】
請求項1又は2において,
前記第1の共振子と第2の共振子の少なくとも一方の共振子に少なくとも1つのインピーダンス素子が直列接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項6】
請求項1又は2において,
前記第1の共振子と第2の共振子の少なくとも一方の共振子に少なくとも1つのインピーダンス素子が並列接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて,
前記格子型フィルタ回路が,複数接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【請求項8】
請求項7において,
前記フィルタ回路が複数カスケード接続されていることを特徴とするフィルタデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2008−131449(P2008−131449A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−315490(P2006−315490)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(398067270)富士通メディアデバイス株式会社 (198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(398067270)富士通メディアデバイス株式会社 (198)
【Fターム(参考)】
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