説明

フェノキシメチル複素環化合物

少なくとも1つのホスホジエステラーゼ10を阻害するフェノキシメチル化合物、そのような化合物を含む医薬組成物、および必要としている患者にそのような化合物を投与することで種々のCNS疾患を治療するための方法を記載する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
環状ホスホジエステラーゼは、環状のヌクレオチドcAMPおよびcGMPの加水分解を通してGタンパク質共役受容体のシグナル伝達カスケードでセカンドメッセンジャーとしても使用する一リン酸ヌクレオチドのレベルを調節する細胞内酵素である。さらにニューロンではPDEは、シナプス伝達およびホメオスタシスの調節に関わっているタンパク質をリン酸化する下流cGMPおよびcAMP依存性キナーゼの調節の役割をはたしている。今日までに、21の遺伝子でコードされている11の異なるPDEファミリーが同定されている。PDEは可変N末端調節ドメインおよび高度に保存されたC末端触媒ドメインを含んでいるが、CNSを含めて、細胞および組織コンパートメントにおける基質特異性、発現および局在化において異なる。
【0002】
新たなPDEファミリーであるPDE10の発見が1999年に3つのグループで同時に報告された(Soderling et al. "Isolation and characterization of a dual−substrate phosphodiesterase gene family: PDE10A" Proc. Natl Sci. 1999, 96, 7071−7076; Loughney et al. "Isolation and characterization of PDE10A, a novel human 3', 5'−cyclic nucleotide phosphodiesterase" Gene 1999, 234, 109−117; Fujishige et al. "Cloning and characterization of a novel human phosphodiesterase that hydrolyzes both cAMP and cGMP (PDE10A)" J. Biol. Chem. 1999, 274, 18438−18445)。ヒトPDE10配列は、ラットとマウスの変異株に対して高度に相同であり、アミノ酸同一性は全般的に95%であり、98%の同一性が触媒領域に保存されている。
【0003】
PDE10は主に脳(尾状核および被殻)で発現し、基底核に入る主な入力の1つである線条体の中型有棘神経細胞に局在する。PDE10のこの局在化は、種々の精神病性および神経変性障害の病態で役割をはたすドーパミンおよびグルタミン酸作動性経路の両方の経路に影響すると臆測されている。
【0004】
PDE10はcAMP(K= 0.05 uM)とcGMP(K= 3uM)の両方を加水分解する(Soderling et al. "Isolation and Characterization of a dual−substrate phosphodiesterase gene family: PDE10." Proc. Natl Sci. USA 1999, 96(12), 7071−7076)。加えて、PDE10はcAMPのVmaxと比べて5倍大きいcGMPを有し、これらのインビトロ動的データから、PDE10はインビボでcAMP阻害cGMPホスホジエステラーゼとして作用すると憶測されている(Soderling and Beavo "Regulation of cAMP and cGMP signaling: New phosphodiesterases and new functions," Curr. Opin. Cell Biol., 2000, 12, 174−179)。
【0005】
PDE10はN末端でタンデムなGAFドメインを含む5つのホスホジエステラーゼメンバーの1つである。PDE(PDE2、5、6、および11)を含有する他のGAFがcGMPを結合する一方で、最近のデータによると、cAMPがPDE10のGAFドメインにしっかりと結合しているという事実によって差別化できる(Handa et al. "Crystal structure of the GAF−B domain from human phosphodiesterase 10A complexed with its ligand, cAMP" J. Biol. Chem. 2008, May 13th, ePub)。
【0006】
PDE10阻害剤はパーキンソン病、統合失調症、ハンチントン病、妄想性障害、薬物性精神病、強迫性障害およびパニック障害を含めた種々の神経学的および精神的障害の治療用に開示されている(米国特許第2003/0032579号)。ラットでの試験(Kostowski et. al "Papaverine drug induced stereotypy and catalepsy and biogenic amines in the brain of the rat" Pharmacol. Biochem. Behav. 1976, 5, 15−17)は、選択的PDE10阻害薬であるパパベリンがアポモルフィン誘発常同症およびラット脳内ドーパミン量を減らし、かつ、ハロペリドール惹起カタレプシーを増やすことを示した。同様の傾向が既知で、販売されている抗精神病薬で認められるのでこの実験は抗精神病薬としてPDE10阻害剤の使用を支持している。
【0007】
抗精神病薬による薬物療法が統合失調症に対する現在行われている治療の中心である。パロペリドールに代表される従来または古典的抗精神病薬は1950年代の中ごろに導入され、統合失調症の治療で過去半世紀の間、実績を上げてきている。統合失調症の陽性の精神病症状に対して有効である一方で、陰性症状または疾患に関連する認知障害の緩和には効果がほとんどないことが示される。加えて、特異的なドーパミンD2受容体の相互作用により、パロペリドールなどの薬剤は、錐体外路系症状(EPS)などのような過度の副作用がある。また、長期で古典的な抗精神病薬による治療では、遅発性ジスキネジアとして知られる有意で長期の異常な運動で特徴づけされる重篤な病態が発現する可能性が有る。
【0008】
1999年代にはリスペリドン、オランザピンおよび最も効果的なクロザピンに代表される非定型抗精神病薬と呼ばれる数種類の新たな統合失調症用の薬剤が開発された。一般的に、これらの非定型抗精神病薬は統合失調症に関連する陽性および陰性症状の両方に対しての有効性で特徴づけられているが、認知障害に対しては効果が低いので永続的な認知障害が大きな公衆衛生上の関心として残ってしまう(Davis, J.M et al. "Dose response and dose equivalence of antipsychotics." Journal of Clinical Psychopharmacology, 2004, 24 (2), 192−208; Friedman, J.H. et al "Treatment of psychosis in Parkinson's disease: Safety considerations." Drug Safety, 2003, 26 (9), 643−659)。加えて、統合失調症用の陽性症状に効果的で陰性症状に対してもある程度効果的である一方で、非定型抗精神病薬は有意な副作用を生じる。例えば、最も臨床的効果のある抗精神病薬の1つであるクロザピンでは、観察された副作用による死亡患者の約1.5%が顆粒球減少症を表す。他の非定型抗精神病薬には臨床的有効性を低下させる代謝的副作用(2型糖尿病、有意な体重増加、および異脂肪血症)、性機能不全、鎮静、および心血管系疾患への副作用の可能性が含まれる有意な副作用がある。大規模で最近発表したNIH支援CATIE試験において(Lieberman et al "The Clinical Antipsychotic Trials Of Intervention Effectiveness (CATIE) Schizophrenia Trial: clinical comparison of subgroups with and without the metabolic syndrome." Schizophrenia Research, 2005, 80 (1), 9−43)、忍容性不良または不完全な有効性を含めた多くの要因が理由で、74%の患者が抗精神病薬の投与を18か月以内に中止した。従って、おそらくはPDE10阻害剤の使用によって、より効果があり忍容性が良好な抗精神病薬に対する要望が依然として存する。
【発明の概要】
【0009】
本開示はホスホジエステラーゼ10の阻害剤である化合物に関する。さらに本開示はヒトを含めた哺乳類において、中枢神経(CNS)疾患およびCNS機能に影響を与える他の疾患を含める治療での、該化合物のプロセス、医薬組成物、医薬調製物、および医薬用途に関する。また、本開示は認知障害または統合失調症の症状を含めるが、これに限定されるものではない神経系、神経変性および精神的障害の治療法に関する。
【0010】
少なくとも1つのホスホジエステラーゼ10阻害剤である式(I)の化合物を、本明細書に記載する。

【0011】
ここでHETは下記の式A29、A31およびA39から選択された複素環である。

さらにX基に最も左のラジカルが結合している。
Xは任意に置換されたアリールおよび任意に置換されたヘテロアリールから選択される。
Zは任意に置換されたヘテロアリールである。
各RはC−Cアルキルから独立して選択され、または2つのR基は結合された炭素と共に3員のシクロアルキニル環を形成する。
【0012】
一実施形態では、アルキル基は自身で、または他の基(例えば、アルキルアミノまたはアルコキシ)の一部で存在するかに関わらず、完全飽和状態である。
【0013】
特定の実施形態では、置換基はさらに置換されない。
【0014】
多様な実施形態では、任意に置換されると規定された基は、単一または独立して多数に任意に置換が可能である。
【0015】
一実施形態では、HETは式A29およびA31から選択される。
【0016】
別の実施態様では、HETは式A29である。
【0017】
別の実施態様では、HETは式A31である。
【0018】
一実施形態では、Xは、
ヘテロ原子総数の1つより多くが酸素または硫黄でなく、環ヘテロ原子の総数が4個以下であることを条件として、C、O、SおよびNから選択される5個の環原子を有する単環ヘテロアリールと、
環がC−Cアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、C−Cアルコキシ、CF、カルボキシ、アルコキシアルキル、C−Cシクロアルキルアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、チオアルキル、ハロゲン、シアノ、アルキルスルホニル、およびニトロから選択される最高で2つの基と任意に独立して置換されてもよく、3個以下の環原子がNであることを条件として、CおよびNから選択される6個の原子を有する単環芳香環と
から選択される。例としては、制限するものではないが、1H−プロピル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、1、2、3−トリアゾリル、1、2、4−トリアゾリル、1、2、3−オキサジアゾリル、1、2、4−オキサジアゾリル、1、2、5−オキサジアゾリル、1、3、4−オキサジアゾリル、1、2、3−チアジアゾリル、1、2、4−チアジアゾリル、1、2、5−チアジアゾリル、1、3、4−チアジアゾリル、テトラゾリル、1、2、3、4−オキサトリアゾリル、1、2、3、5−オキサトリアゾリル、1、2、3、4−チアトリアゾリル、1、2、3、5−チアトリアゾリル、1、2、3−トリアジニル、1、2、4−トリアジニル、1、3、5−トリアジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニルおよびピリミジニルを含む。
【0019】
さらに別の実施態様では、環がC−Cアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、C−Cアルコキシ、CF、カルボキシ、アルコキシアルキル、C−Cシクロアルキルアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、チオアルキル、ハロゲン、シアノ、アルキルスルホニル、およびニトロから選択される最高で2つの基と任意に独立して置換されてもよく、3個以下の環原子がNであることを条件として、XはCおよびNから選択される6個の環原子を有する単環ヘテロアリールである。例としては、制限するものではないが、1、2、3−トリアジニル、1、2、4−トリアジニル、1、3、5−トリアジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニルおよびピリミジニルを含む。
【0020】
さらに別の実施態様では、ヘテロ原子総数の1つより多くが酸素または硫黄でないことを条件として、かつ、環がC−Cアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、C−Cアルコキシ、CF、カルボキシ、アルコキシアルキル、C−Cシクロアルキルアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、チオアルキル、ハロゲン、シアノ、アルキルスルホニル、およびニトロから選択される最高で2つの基と任意に独立して置換されてもよく、環ヘテロ原子の総数が4個以下であることを条件として、XはC、O、SおよびNから選択される5個の環原子を有する単環ヘテロアリールである。例としては、制限するものではないが、1H−プロピル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、1、2、3−トリアゾリル、1、2、4−トリアゾリル、1、2、3−オキサジアゾリル、1、2、4−オキサジアゾリル、1、2、5−オキサジアゾリル、1、3、4−オキサジアゾリル、1、2、3−チアジアゾリル、1、2、4−チアジアゾリル、1、2、5−チアジアゾリル、1、3、4−チアジアゾリル、テトラゾリル、1、2、3、4−オキサトリアゾリル、1、2、3、5−オキサトリアゾリル、1、2、3、4−チアトリアゾリル、1、2、3、5−チアトリアゾリルを含む。
【0021】
さらに別の実施態様では、XはC−Cアルキル、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、シクロプロピルメチル、C−Cアルコキシ、CF、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオアルキル、ハロゲン、アルキルスルホニルおよびシアノから選択される1つの基と任意に置換される4−ピリジニルである。
【0022】
さらに別の実施態様では、Xは4−ピリジニルである。
【0023】
別の実施態様では、Xは束縛されたフェニルから選択される。
【0024】
さらに別の実施態様では、Xは3、4−二置換フェニル、4−置換フェニルおよび4−ピリジニルから選択される。
【0025】
さらに別の実施態様では、Xは3、4−二置換フェニルおよび4−置換フェニルから選択される。
【0026】
他の実施形態では、Xは4−ピリジニルおよび4−置換フェニルから選択される。
【0027】
さらなる実施形態では、Xは4−置換フェニルである。
【0028】
さらに別の実施態様では、Xは4−メトキシフェニルである。
【0029】
他の実施形態では、Xは4−クロロフェニルである。
【0030】
他の実施形態では、Xは4−シアノフェニルである。
【0031】
一実施形態では、Zはヘテロアリールであるが、キノリニルでもピリジルでもない。
【0032】
一実施形態では、Zはヘテロアリールであるが、キノリニルではない。
【0033】
一実施形態では、Zはヘテロアリールであるが、ピリジルではない。
【0034】
一実施形態では、Zはピリジン−2−イルではない。
【0035】
一実施形態では、Zはピリジニルではない。
【0036】
他の実施形態では、Zは、全てがC−Cアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、C−Cアルコキシ、CF、カルボキシ、アルコキシアルキル、C−Cシクロアルキルアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、チオアルキル、ハロゲン、シアノ、アルキルスルホニル、およびニトロから独立して選択される最高で2つの置換基で任意に置換されてもよいピリジン−2−イル、イミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−イル、イミダゾ[1、2−b]ピリダジン−2−イル、およびイミダゾ[1、2−b]ピリダジン−6−イルから選択される。
【0037】
さらに別の実施態様では、Zは、全てがC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ハロゲン、アルキルスルホニルおよびシアノから独立して選択される最高で2つの置換基で任意に置換されてもよいイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−イル、イミダゾ[1、2−b]ピリダジン−2−イル、およびイミダゾ[1、2−b]ピリダジン−6−イルから選択される。
【0038】
さらに別の実施態様では、Zは、各置換基がC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ハロゲン、アルキルスルホニルおよびシアノから独立して選択されている3、5−二置換−ピリジン−2−イルである。

【0039】
さらに別の実施態様では、Zは、各置換基がC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ハロゲン、アルキルスルホニルおよびシアノから独立して選択されている5−置換−ピリジン−2−イルである。

【0040】
他の実施形態では、Zは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ハロゲン、アルキルスルホニルおよびシアノから独立して選択された最高2つまでの置換基で置換したイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−イルである。
【0041】
他の実施形態では、Zは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ハロゲン、アルキルスルホニルおよびシアノから独立して選択された最高2つまでの置換基で置換したイミダゾ[1、2−b]ピリダジン−2−イルである。
【0042】
他の実施形態では、Zは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ハロゲン、アルキルスルホニルおよびシアノから独立して選択された最高2つまでの置換基で置換したイミダゾ[1、2−b]ピリダジン−6−イルである。
【0043】
さらに別の実施態様では、Z置換基は置換されていなくてもよい。
【0044】
一実施形態では、RはC−Cアルキルである。
【0045】
他の実施形態では、Rはメチルである。
【0046】
他の実施形態では、2つのR基は一緒になって3員のシクロアルキル環を形成する。
【0047】
本開示の化合物は不斉炭素原子を含み、かつ、様々なエナンチオマー、ジアステレオマー、またはこれらの混合物の形をとってもよい。式(I)のエナンチオマー形態およびジアステレオマー形態の全ては本明細書で実施されている。
【0048】
本開示の化合物は薬学的に許容される塩の形態でもよい。用語「薬学的に許容される」は無機および有機塩基および無機および有機酸を含む薬学的に許容される非毒性の塩基や酸を言う。無機塩基由来の塩はリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、カルシウムおよび亜鉛を含む。有機塩基由来の塩はアンモニア、1次、2次および3次アミン、ならびにアミノ酸を含む。無機酸由来の塩は硫酸、塩酸、リン酸、臭化水素酸を含む。有機酸由来の塩は酢酸、プロプリオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸およびクエン酸などのCアルキルカルボン酸、ジカルボン酸およびトリカルボン酸、ならびにメタンスルホン酸などのアルキルスルホン酸、ならびにp−トルエンスルホン酸およびベンゼンスルホン酸などのアリルスルホン酸を含む。
【0049】
本開示の化合物は溶媒和物の形態でもよい。このことは、式(I)の化合物が溶媒とエネルギ−的に有利な相互作用を有し、それが溶媒分子を結晶格子に取入れるかまたは複合体が固体または液状状態で溶媒分子により形成される様式で結晶化する場合に生じる。溶媒の例は水(水和物)、MeOH、EtOH、iPrOH、およびアセトンである。
【0050】
本開示の化合物は多形体として知られている様々な結晶形態で存在する。多形は2つ以上の結晶相で存在できる物質の能力であり、結晶相は結晶格子において様々な分子の配列および立体構造を有する。
【0051】
本開示の化合物は、同じ原子番号を有するが自然に多くみられる原子質量とは異なる原子質量の原子によって1つ以上の分子が置換えられた式(I)の同位体標識した化合物として存在する。同位体の例は、制限するものではないが、水素同位体(重水素、トリチウム)、炭素同位体(11C、13C、14C)および窒素同位体(13N、15N)が含まれる。例えば、重水素(H)などの重い同位体との置換は、好ましいと考えられるより大きな代謝安定性の結果が出るので臨床的に一定程度有利であり得、かつ哺乳類またはヒトにおけるより長いインビボ半減期または投与量の低減につながり得る。
【0052】
また、式(I)で実施される化合物のプロドラッグは本開示の範囲内である。それ自体ほとんどないか無視してよい程度の薬理学的活性しか有し得ない式(I)の化合物の特定の誘導体を、哺乳類またはヒトに投与した場合に、所望の生物活性を有する式(I)の化合物に変換できる。
【0053】
さらに、本開示の化合物およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、ならびに化合物の代謝物は、特定の摂食障害、肥満、強迫性賭博、性的障害、睡眠発作、睡眠障害、糖尿病、メタボリックシンドロ−ム、神経変性疾患およびCNS疾患/症状の治療ならびに禁煙治療に対して用いられる。
【0054】
一実施形態では、本開示の化合物によるCNS疾患および症状の治療にはハンチントン病、統合失調症および統合失調感情障害、妄想性障害、薬物に誘発された精神病、パニックおよび強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、加齢関連認知低下、注意欠陥多動性障害(ADHD)、双極性障害、妄想型の人格障害、スキゾイド型の人格障害、アルコール、アンフェタミン、フェンシクリジン、オピオイド幻覚剤に誘発された精神病または他の薬物に誘発された精神病、ジスキネジアまたはドーパミン作動薬、ドーパミン投与に誘導されたジスキネジアを含有した舞踏病症状、パーキンソン病に関連した精神病、アルツハイマー病を含めた他の神経変性障害に関連した精神病症状、特発性のジストニアなどのジストニーの症状、薬物に誘発されたジストニア、捻転性ジストニー、遅発性ジスキネジア、大うつ病エピソードを含有した気分障害、脳卒中後うつ病、小うつ病性障害、月経前不快気分症、限定するものではないが多発梗塞性痴呆、AIDS関連認知症、および神経変性認知症を含有した認知症を含む。
【0055】
他の実施形態では、本開示の化合物は、摂食障害、肥満、強迫性賭博、性的障害、睡眠発作、睡眠障害の治療、ならびに禁煙治療において用いられる。
【0056】
さらに別の実施態様では、本開示の化合物は、肥満、統合失調症、統合失調感情障害、ハンチントン病、ジストニーの症状、および遅発性ジスキネジアの治療に用いられる。
【0057】
他の実施形態では、本開示の化合物は、統合失調症、統合失調感情障害、ハンチントン病、および肥満の治療に用いられる。
【0058】
他の実施形態では、開示の化合物は統合失調症および統合失調感情障害の治療に用いられる。
【0059】
他の実施形態では、開示の化合物はハンチントン病および肥満の治療に用いられる。
【0060】
他の実施形態では、開示の化合物は肥満およびメタボリックシンドロ−ムの治療に用いられる。
【0061】
さらに、開示の化合物は、限定されるものではないが、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、パロペリドール、アリピプラゾール、セルチンドールおよびクエチアピンを含めて従来の抗精神病薬と併せて哺乳類およびヒトに用いてもよい。前述した従来の抗精神病薬の治療量以下の用量と式(I)の化合物と組み合せることで、副作用プロファイルの改善および投与必要条件の低下を含めた治療上の一定の利点をもたらす。
【0062】
定義
アルキルは3つまでのフッ素原子で任意に置換することができる、さらに指定する場合は他の基を置換することができる直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪族C−C炭化水素を意味する。二重あるいは三重の炭素−炭素結合の形態での不飽和は内部または末端であってもよく、二重結合の場合はシスおよびトランス異性体が含まれる。アルキル基の例は限定するものではないが、メチル、トリフルオロメチル、エチル、トリフルオロエチル、イソブチル、ネオペンチル、シスおよびトランス−2−ブテニル、イソブテニル、プロパルギルを含む。C−Cアルキルは、合計で4つの炭素原子までに限定されたアルキルのサブセットである。
【0063】
環または鎖中の原子数の粒径範囲を開示している各々の場合において、全てのサブセットを開示した。従って、Cx−Cyは全てのサブセットを含み、例えば、C−CはC−C、C−C、C−C等を含む。
【0064】
アシルは、アルキルが前記定義と同じである、アルキル−C(O)−基である。アシル基の例はアセチルおよびプロプリオニルを含む。
【0065】
アルコキシは、アルキルが前記定義と同じである、アルキル−O−基である。C−Cアルコキシは、アルキルのサブセットが合計で4つの炭素原子までに限定されたアルキル−O−のサブセットである。アルコキシ基の例は、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、トリフルオロエトキシおよびプロポキシを含む。
【0066】
アルコキシアルキルは、アルキルが前記定義と同じである、アルキル−O−(C−Cアルキル)−基である。アルコキシアルキル基の例はメトキシメチルおよびエトキシメチルを含む。
【0067】
アルコキシアルキルオキシは、アルコキシおよびアルキルが前記定義と同じである、アルコキシ−アルキル−O−基である。アルコキシアルキルオキシ基の例は、メトキシメチルオキシ(CHOCHO−)およびメトキシエチルオキシ(CHOCHCHO−)基を含む。
【0068】
アルキルチオは、アルキルが前記定義と同じである、アルキル−S−基である。アルキルチオはC−Cアルキルチオを含む。
【0069】
アルキルスルホニルは、アルキルが前記定義と同じである、アルキル−SO−である。アルキルスルホニルは、C−Cアルキルスルホニルを含む。
【0070】
アルキルアミノは、アルキルが前記定義と同じである、アルキル−NH−である。アルキルアミノはC−Cアルキルアミノを含む。
【0071】
ジアルキルアミノは、アルキルが前記定義と同じである、(アルキル)−N−である。
【0072】
アミドはHNC(O)−である。
【0073】
アルキルアミドはアルキルが前記定義と同じである、アルキル−NHC(O)−である。
【0074】
ジアルキルアミドはアルキルが前記定義と同じである、(アルキル)−NC(O)−である。
【0075】
芳香族は、ヘテロアリールおよびアリールが前記定義と同じである、ヘテロアリールまたはアリールである。
【0076】
アリールはフェニルまたはナフチル基である。アリール基は、ハロゲン、CF、CN、NO、OH、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アルコキシアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、−OCHCHOCH、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)NHR、−OC(O)N(R)、−SR、−S(O)R、−NH、−NHR、−N(R)(R)、−NHC(O)R、N(R)C(O)R、−NHC(O)OR、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)NH(R)、−N(R)C(O)NH(R、−C(O)NH、−C(O)NHR、C(O)N(R)(R)、−COH、−CO、−CORから選択された最高3つの基と任意に独立して置換されてもよい。ここでRおよびRは、アルキル、アルコキシアルキル、−CHCHOH、−CHCHOMe、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルアルキルから独立して選択され、これらは個々にハロゲン、Me、Et、Pr、Bu、非置換シクロプロピル、非置換シクロブチル、CN,NO、NH、CF、NHMe、NMe、OMe、OCFからのみ選択される最高3つまでの基で任意におよび独立して置換され、これらは個々に炭素−炭素または炭素−窒素または炭素−酸素単結合を通して結合されるものであり、またはRおよびRは、自身が結合されている原子と共に5−6員環を形成する。
【0077】
アリールアルキルは、アリールおよびアルキルが前記定義と同じである、アリール−アルキル−基である。
【0078】
アリールオキシは、アリールが前記定義と同じである、アリール−O−基である。
【0079】
アリールアルコキシは、アリールが前記定義と同じである、アリール−(C−Cアルキル)−O−基である。
【0080】
カルボキシは、Rがアルキル、C−Cアルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、CF、およびアルコキシアルキルから独立してから選択され、アルキルが前記定義と同じである、COHまたはCO基である。
【0081】
シクロアルキルは、単一の二重結合を含み、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシルおよびオキソから選択される最高3つの基で任意に独立して置換されるC−C環状非芳香族の炭化水素である。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニルまたはシクロヘキサノイルなどを含む。
【0082】
シクロアルキルオキシは、シクロアルキルが前記定義と同じである、シクロアルキル−O−基である。例としては、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシおよびシクロペンチルオキシを含む。C−Cシクロアルキルオキシは、シクロアルキルが3−6炭素原子を含む、シクロアルキル−O−のサブセットである。
【0083】
シクロアルキルアルキルは、シクロアルキル−(C−Cアルキル)−基である。例としては、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルエチレンを含む。
【0084】
シクロアルキルアルコキシは、シクロアルキルおよびアルキルが前記定義と同じである、シクロアルキル−(C−Cアルキル)−O−基である。シクロアルキルアルコキシ基の例は、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルメトキシおよびシクロヘキシルメトキシを含む。
【0085】
ハロゲンはF、Cl、BrまたはIである。
【0086】
ヘテロアリールは、テトラゾール、1、2、3、4−オキサトリアゾール、1、2、3、5−オキサトリアゾール、単環性または二環性の芳香族環系、またはいずれの単一環においても3個以下の環原子がC以外であるという条件でC、N、OおよびSから独立して選択される5から10個の環原子を有する芳香族環での複素二環系である。ヘテロアリール基の例は、限定するものではないが、チオフェニル、フラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、1、2、4−オキサジアゾリル、1、3、4−オキサジアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1、2、3−トリアゾリル、1、3、4−トリアゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、キノリル、テトラヒドロキノリル、イソキノリル、テトラヒドロイソキノリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾール、ベンゾオキサジアゾリルおよびベンズイミダゾリルを含む。ヘテロアリール基は、ハロゲン、CF、CN、NO、OH、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アルコキシアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、−OCHCHOCH、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)NHR、−OC(O)N(R)、−SR、−S(O)R、−NH、−NHR、−N(R)(R)、−NHC(O)R、N(R)C(O)R、−NHC(O)OR、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)NH(R)、−N(R)C(O)NH(R、−C(O)NH、−C(O)NHR、C(O)N(R)(R)、−COH、−CO、−CORから選択される最高で3つの置換基で任意に独立して置換されてもよい。ここでRおよびRは、アルキル、アルコキシアルキル、−CHCHOH、−CHCHOMe、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルアルキルから独立して選択され、これらは個々にハロゲン、Me、Et、Pr、Bu、非置換シクロプロピル、非置換シクロブチル、CN,NO、NH、CF、NHMe、NMe、OMe、OCFからのみ選択される最高3つまでの基で任意におよび独立して置換され、これらは個々に炭素−炭素または炭素−窒素または炭素−酸素単結合を通して結合されるものであり、またはRおよびRは、自身が結合されている原子と共に5−6員環を形成する。
【0087】
ヘテロアリールアルキルは、ヘテロアリールおよびアルキルが前記定義と同じである、ヘテロアリール−(C−Cアルキル)−基である。ヘテロアリールアルキル基の例は4−ピリジニルメチルおよび4−ピリジニルエチルを含む。
【0088】
ヘテロアリールオキシは、ヘテロアリールが前記定義と同じである、ヘテロアリール−O基である。
【0089】
ヘテロアリールアルコキシは、ヘテロアリールおよびアルコキシが前記定義と同じである、ヘテロアリール−(C−Cアルキル)−O−基である。ヘテロアリールアルキル基の例は4−ピリジニルメチルおよび4−ピリジニルエトキシを含む。
【0090】
複素二環系は、いずれの単一環においても3個以下の環原子が炭素以外であるという条件で、かつ、環の少なくとも1つが芳香族であるという条件で、C、N、OおよびSから独立して選択される8から10の原子を有する環系であり、該二環はアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、シクロアルキルアルキル、ハロゲン、ニトロ、アルキルスルホニルおよびシアノから独立して選択される最高で3つの置換基で任意に独立して置換されてもよい。8−10員複素二環系の例は限定するものではないが、1、5−ナフチリジル、1、2、3、4−テトラヒドロ−1、5−ナフチリジル1、6−ナフチリジル、1、2、3、4−テトラヒドロ−1、6−ナフチリジル1、7−ナフチリジル、1、2、3、4−テトラヒドロ−1、7−ナフチリジル1、8−ナフチリジル、1、2、3、4−テトラヒドロ−1、8−ナフチリジル、2、6−ナフチリジル、2、7−ナフチリジル、シンノリル、イソキノリル、テトラヒドロイソキノリニル、フタラジル、キナゾリニル、1、2、3、4−テトラヒドロキナゾリニル、キノリル、テトラヒドロクイノリニル、キノキサリル、テトラヒドロキノキサリニル、ベンゾ[d][1、2、3]トリアジル、ベンゾ[e][1、2、4]トリアジル、ピリド[2、3−b]ピラジル、ピリド[2、3−c]ピリダジル、ピリド[2、3−d]ピリミジル、ピリド[3、2−b]ピラジル、ピリド[3、2−c]ピリダジル、ピリド[3、2−d]ピリミジル、ピリド[3、4−b]ピラジル、ピリド[3、4−c]ピリダジル、ピリド[3、4−d]ピリミジル、ピリド[4、3−b]ピラジル、ピリド[4、3−c]ピリダジル、ピリド[4、3−d]ピリミジル、キナゾリニル、1H−ベンゾ[d][1、2、3]トリアゾリル、1H−ベンゾ[d]イミダゾイル、1H−インダゾイル、1H−インドイル、2H−ベンゾ[d][1、2、3]トリアゾリル、2H−ピラゾロ[3、4−b]ピリジニル、2H−ピラゾロ[4、3−b]ピリジニル、[1、2、3]トリアゾロ[1、5−a]ピリジニル、[1、2、4]トリアゾロ[1、5−a]ピリジニル、[1、2、4]トリアゾロ[4、3−a]ピリジニル、ベンゾ[b]チェニル、ベンゾ[c][1、2、5]オキサジアゾリル、ベンゾ[c][1、2、5]チアジアゾリル、ベンゾ[d]イソチアゾリル、ベンゾ[d]イソオキサゾイル、ベンゾ[d]オキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾイル、ベンゾフリル、イミダゾ[1、2−a]ピラジル、イミダゾ[1、2−a]ピリジニル、イミダゾ[1、2−a]ピリミジル、イミダゾ[1、2−b]ピリダジル、イミダゾ[1、2−c]ピリミジル、イミダゾ[1、5−a]ピラジル、イミダゾ[1、5−a]ピリジニル、イミダゾ[1、5−a]ピリミジル、イミダゾ[1、5−b]ピリダジル、イミダゾ[1、5−c]ピリミジル、インドリジル、ピラゾロ[1、5−a]ピラジル、ピラゾロ[1、5−a]ピリジニル、ピラゾロ[1、5−a]ピリミジル、ピラゾロ[1、5−b]ピリダジン、ピラゾロ[1、5−c]ピリミジン、ピロロ[1、2−a]ピラジン、ピロロ[1、2−a]ピリミジル、ピロロ[1、2−b]ピリダジル、ピロロ[1、2−c]ピリミジル、1H−イミダゾ[4、5−b]ピリジニル、1H−イミダゾ[4、5−c]ピリジニル、1H−ピラゾロ[3、4−b]ピリジニル、1H−ピラゾロ[3、4−c]ピリジニル、1H−ピラゾロ[4、3−b]ピリジニル、1H−ピラゾロ[4、3−c]ピリジニル、1H−ピロロ[2、3−b]ピリジニル、1H−ピロロ[2、3−c]ピリジニル、1H−ピロロ[3、2−b]ピリジニル、1H−ピロロ[3、2−c]ピリジニル、2H−インダゾイル、3H−イミダゾ[4、5−b]ピリジニル、3H−イミダゾ[4、5−c]ピリジニル、ベンゾ[c]イソチアジル、ベンゾ[c]イソオキサジル、フロ[2、3−b]ピリジニル、フロ[2、3−c]ピリジニル、フロ[3、2−b]ピリジニル、フロ[3、2−c]ピリジニル、イソチアゾロ[4、5−b]ピリジニル、イソチアゾロ[4、5−c]ピリジニル、イソチアゾロ[5、4−b]ピリジニル、イソチアゾロ[5、4−c]ピリジニル、イソオキサゾロ[4、5−b]ピリジニル、イソオキサゾロ[4、5−c]ピリジニル、イソオキサゾロ[5、4−b]ピリジニル、イソオキサゾロ[5、4−c]ピリジニル、オキサゾロ[4、5−b]ピリジニル、オキサゾロ[4、5−c]ピリジニル、オキサゾロ[5、4−b]ピリジニル、オキサゾロ[5、4−c]ピリジニル、チアゾロ[4、5−b]ピリジニル、チアゾロ[4、5−c]ピリジニル、チアゾロ[5、4−b]ピリジニル、チアゾロ[5、4−c]ピリジニル、チエノ[2、3−b]ピリジニル、チエノ[2、3−c]ピリジニル、チエノ[3、2−b]ピリジニルおよびチエノ[3、2−c]ピリジニルを含む。
【0091】
ヘテロシクロアルキルは、いずれの単一環においても2個以下の環原子がC以外であるという条件で、C、N、OおよびSから選択される5から10個の環原子を含む非芳香族、単環または二環飽和または部分的に不飽和環系である。ヘテロシクロアルキル基が窒素原子を含む場合、窒素は、アルキル、アシル、C(O)O−アルキル、−C(O)NH(アルキル)または−C(O)N(アルキル)基で置換してもよい。ヘテロシクロアルキル基は、ヒドロキシ、アルキルおよびアルコキシ基で任意に独立して置換してもよく、最高で2個までのオキソ基を含んでもよい。ヘテロシクロアルキル基は、炭素または窒素還原子のいずれかを経由して残りの分子に結合してもよい。ヘテロシクロアルキル基の例は、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロ−2H−ピラン、テトラヒドロ−2H−チオピラニル、ピロリジニル、ピロリドニル、スクシンイミジル、ピペリジニル、ピペラジニル、N−メチルピペラジニル、モルホリニル、モルホリン−3−オン、チオモルホリニル、チオモルホリン−3−オン、2,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタニル、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、オクタヒドロ−1H−ピリド[1,2−a]ピラジン、3−チア−6−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタンおよび3−オキサ−6−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニルを含む。
【0092】
ヘテロシクロアルキルアルキルは、ヘテロシクロアルキルが前記定義と同じである、ヘテロシクロアルキル−(C−Cアルキル)−基である。
【0093】
ヘテロシクロアルキルオキシは、ヘテロシクロアルキルが前記定義と同じである、ヘテロシクロアルキル−O−基である。
【0094】
ヘテロシクロアルキルアルコキシは、ヘテロシクロアルキルが前記定義と同じである、ヘテロシクロアルキル−(C−Cアルキル)−O−基である。
【0095】
オキソは−C(O)−基である。
【0096】
フェニルは、ハロゲン、CF、CN、NO、OH、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アルコキシアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、−OCHCHOCH、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)NHR、−OC(O)N(R)、−SR、−S(O)R、−NH、−NHR、−N(R)(R)、−NHC(O)R、N(R)C(O)R、−NHC(O)OR、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)NH(R)、−N(R)C(O)NH(R、−C(O)NH、−C(O)NHR、C(O)N(R)(R)、−COH、−CO、−CORからから選択される最高で3つの基で任意に独立して置換されてもよいベンゼン環である。ここでRおよびRは、アルキル、アルコキシアルキル、−CHCHOH、−CHCHOMe、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルアルキルから独立して選択され、これらは個々にハロゲン、Me、Et、Pr、Bu、非置換シクロプロピル、非置換シクロブチル、CN,NO、NH、CF、NHMe、NMe、OMe、OCFからのみ選択される最高3つまでの基で任意におよび独立して置換され、これらは個々に炭素−炭素または炭素−窒素または炭素−酸素単結合を通して結合されるものであり、またはRおよびRは、自身が結合されている原子と共に5−6員環を形成する。
【0097】
束縛されたフェニルはハロゲン、CF、CN、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アルコキシアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、−OCHCHOCH、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)N(R)、−N(R)(R)、−NHC(O)R、−N(R)C(O)R、−NHC(O)OR、N(R)C(O)OR、−C(O)N(R)(R)、−CORからから選択される最高で3つの基で任意に独立して置換されてもよいベンゼン環である。ここでRおよびRはアルキル、アルコキシアルキル、−CHCHOH、−CHCHOMe、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルアルキルから独立して選択されるが、これらは個々にハロゲン、Me、Et、Pr、Bu、非置換シクロプロピル、非置換シクロブチル、CN,NO、NH、CF、NHMe、NMe、OMe、OCFからのみ選択される最高3つまでの基で任意におよび独立して置換され、さらにこれら個々に炭素−炭素または炭素−窒素または炭素−酸素単結合を通して結合されるものであり、または自身が結合されている原子と共にRおよびRは5−6員環を形成する。
【0098】
下記の実施例と調製で用いられている略語は以下である。
Acはアシル(Me−C(O)−)である。
AcNはアセトニトリルである。
BINAPは2、2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1、1'−ビナフチルである。
Bnはベンジルである。
Celite(登録商標)は珪藻土である。
DBUは1、8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンである。
DCCはN.N',ジシクロヘキシルカルボジイミドである。
DCMはジクロロメタンである。
DIEAはジイソプロピルエチルアミンである。
DIPEAはジイソプロピルエチルアミンである。
DMAPは4−ジメチルアミノピリジンである。
DMFはジメチルホルムアミドである。
DMPはデス−マーチンペルヨージナンである。
DMSOはジメチルスルフォキシドである。
Dppfは1,4'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンである。
EDCは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩である。
EtNはトリエチルアミンである。
gはグラムである。
hは時間である。
hrは時間である。
HATUは2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロホスファートである。
HMDSはヘキサメチルジシラザンである。
HOBtは1−ヒドロキシベンゾトリアゾールである。
HPLCは高圧液体クロマトグラフィーである。
HRMSは高分解能質量分析法である。
i.v.は静脈内である。
KHMDSはヘキサメチルジシラザンカリウムである。
LDAはリチウムジイソプロピルアミドである。
mはマルチプレットである。
m−はメタである。
MEMはメトキシエトキシメチルである。
MeOHはメチルアルコールまたはメタノールである。
分は分である。
mmolはミリモルである。
mmoleはミリモルである。
Msはメシラートである。
MSは質量分析計である。
MWは分子量である。
NBSはN−ブロモスクシンイミドである。
NISはN−ヨードスクシンイミドである。
NMRは核磁気共鳴である。
NMMはN−メチルモルホリンである。
NMPはN−メチル−2−ピロリドンである。
oはオルソである。
o/nは一晩である。
pはパラである。
PCCはクロロクロム酸ピリジニウムである。
PEPPSIは1、3−ビス(2、6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリン)(3−クロロピリジニル)パラジウム(II)ジクロリドである。
PhNTfは1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−(トリフルオロメチルスルホニル)メタンスルホンアミドである。
POPdは二水素ジクロロビス(ジ−tert−ブチルホスフィナイト−kp)パラダート(2−)である。
p.s.i.は重量ポンド毎平方インチである。
PPAはポリリン酸である。
PPAAは1−プロパンホスホン酸環状無水物である。
PTSAはp−トルエンスルホン酸である。
PyBOP(登録商標)はベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファートである。
RT(またはrt)は室温(約20から25℃)である。
sはシングレットである。
sat.は飽和である。
tはトリプレットである。
TBAFはテトラブチルアンモニウムフルオリドである。
TEAはトリエチルアミンである。
TFAはトリフルオロ酢酸である。
THFはテトラヒドロフランである。
TLCは薄層クロマトグラフィーである。
TMSはトリメチルシリルである。
Tfはトリフレートである。
Tof−MSは飛行時間質量分析計である。
Tsはトシレ−トである。
v/vは容積/容積である。
wt/vは重量/容積である。
【発明を実施するための形態】
【0099】
詳細な説明
式(I)の1、2二置換複素環化合物は、確立された有機合成の手法を用いて当事者により有機合成の市販されている出発物質から、多段階の有機合成経路から調製してもよい。市販されていないフェニル酢酸は、当事者に周知の手法より市販されている有機合成の出発物質から作製が可能である。そのような手法は、ジアゾメタンを用いたウルフ転位を経由した対応するアリル酸からの合成を含む。
【0100】
一般的には、HETはA29およびA31である本開示の化合物を下記のスキーム1から8に示したように調整してもよい。
【0101】
一般的には、一般式LIVを有してHETがA29であり、X=フェニルまたはヘテロアリール(それぞれ任意に置換)である式(I)についての本開示の化合物を、スキーム1で示したように調整してもよい。
スキーム1:

【0102】
別法では、さらに一般的には、一般式LIVを有してHETがA29であり、X=フェニルまたはヘテロアリール(それぞれ任意に置換)である式(I)についての本開示の化合物を、スキーム2で示したように調整してもよい。
スキーム2:

【0103】
または、式LXIIIの中間化合物を、スキーム3に示したように合成してもよい。
スキーム3:

【0104】
一般的には、一般式LXXIVを有して以前に記載したようにHETがA31であり、X=フェニルまたはヘテロアリール(それぞれ任意に置換)である式(I)についての本開示の化合物を、スキーム4で示したように調整してもよい。
スキーム4:

【0105】
Zがイミダゾ[1、2−a]ピリド−2−イルに対応する複素環塩素中間体(Z−CH−Cl)の一般的な合成をスキーム5に示した。
スキーム5:

【0106】
Zがイミダゾ[1、2−b]ピリダジン−6−イルに対応する複素環塩素中間体(Z−CH−Cl)の一般的な合成をスキーム6に示した。
スキーム6:

【0107】
Zがイミダゾ[1、2−b]ピリダジン−2−イルに対応する複素環塩素中間体(Z−CH−Cl)の一般的な合成をスキーム7に示した。
スキーム7:

【0108】
Zが5−置換−ピリジン−2−イルか3、5−二置換−ピリジン−2−イルのいずれかに対応する複素環塩素中間体(Z−CH−Cl)の一般的な合成をスキーム8に示した。
スキーム8:

【0109】
上述の工程に含まれない反応基は、当業者に周知の標準的な手順(T. W. Greene & P. G. M. Wuts, Protecting Groups in Organic Synthesis, Third Edition, Wiley−Interscience)によって、反応中は標準的な保護基で保護され、その後除去することができる。現在好まれる保護基はヒドロキシル部分にはメチル、ベンジル、MEM、酢酸およびテトラヒドロピラニル、アミノ部分にはBOC、Cbz、トリフルオロアセトアミドおよびベンジル、カルボン酸部分にはメチル、エチル、ターシャリー−ブチルおよびベンジルエステルを含む。さらにある化学反応の順番を変更することができることを当事者は認識するであろう。また、様々な化学工程で代わりとなる試薬および条件が存在することを当事者は留意する。
【0110】
実験手順
対応するカルボン酸からN−メトキシ−N−メチルカルボキサミドの合成は当事者に公知である。代表的な手順を以下に記載し、ここにおいて以下から選択される。

DCM(50mL)中のカルボン酸(1当量、3mmol)の撹拌溶液に、HATU(1.5当量、4.5mmol)、N−メトキシメチルアミン(1.5当量、4.5mmol)およびTEA(3当量、9mmol)を、室温で窒素雰囲気下で添加した。次に反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、水性層をDCM(3x50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(50mL)とブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濾過および蒸発させることにより対応するN−メトキシ−N−メチルカルボキサミドを得た。
【0111】
HPLC条件
条件A:カラム:Acquity BEH C−18 (50x2.1mm、1.7μ,)
カラム温度:25℃
移動相A/B:アセトニトリル(0.025%TFA)および水
流量:0.50mL/分
【0112】
4−(5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル

室温でのTHF中のNaH(0.9g)の懸濁液に、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン(1g)およびエチルメチル4−シアノ安息香酸(1.58g)を添加した。得られた混合物を一晩還流し、12N HCl(6mL)でクエンチした。有機相が明瞭になるまでMgSO(過剰)を添加した。固体をろ過によって除去し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して4−(5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル(0.63g)を得た。
【0113】
4−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オンの合成
4−メトキシ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド

DCM(50mL)中の4−メトキシ安息香酸(10.0g、65.70mmol)の撹拌溶液に、EDCI(18.90g、98.60mmol)、HOBT(10.0g、65.70mmol)、N−メトキシメチルアミン(13.0g、131.40mmol)およびDIPEA(34.3mL、197.20mmol)を窒素雰囲気下で室温で添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、水性層をDCM(3x100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(2x100mL)とブライン(2x50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濾過および蒸発させることにより粗生成物を得た。粗生成物をヘキサンおよびシリカゲル(230−400メッシュ)中の20%酢酸エチルを用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し無色液体のN、4−ジメトキシ−N−メチルベンズアミド(11.0g、86%)を得る。
【0114】
4−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)−4−メチルペント−2−イン−1−オン

乾燥THF(80mL)中の2−メチルブタ−3−イン−2−オル(2.15g、25.6mmol)の撹拌液に、n−BuLi(24.0mL、38.7mmol、1.6Mヘキサン溶液)をマイナス20℃で不活性雰囲気の下で10分間滴下した。マイナス20℃で30分間撹拌後、乾燥THF(10mL)中のN、4−ジメトキシ−N−メチルベンズアミド(2.5g、12.8mmol)の溶液を反応混合物に添加し、撹拌をマイナス20℃でさらに3時間継続した。反応混合物を飽和NHCl溶液でクエンチし、EtOAc(2x100mL)で抽出した。混合した有機層を水(100mL)、ブライン(40mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して無色の液体の4−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)−4−メチルペント−2−イン−1−オン(2.25g、81%)を得た。
【0115】
5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン

4−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)−4−メチルペント−2−イン−1−オン(10g、45.8mmol)にメタノール性アンモニア(50mL)を室温で添加し、反応混合物を一晩撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、50%酢酸水溶液を添加した。得られた混合物を還流温度で4時間加熱した。飽和アンモニウムクロリド溶液でpHを8に調整し、DCMで抽出した。合わせた有機物を水とブラインの溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、ヘプタンで洗浄して白色固体の5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(8.6g、86%)を得た。

【0116】
4−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン

CHCl(100mL)中の5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(5.5g、0.025mol)の撹拌溶液に、NBS(6.733g、0.038mol)を室温で滴下添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をDCM(100mL)で希釈し、水(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過して減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をヘキサンおよびシリカゲル(230−400メッシュ)中の25%酢酸エチルを用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し固体の4−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(4.6g、65%)を得た。
【0117】
4−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン

トルエン(25mL)および水(8mL)中の4−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(2g、6.7mol)、2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−4、4、5、5−テトラメチル−1、3、2−ジオキサボロラン(2.43g、0.0067mol)、およびCsCO(11g、0.034mol)を脱気し、Pd(dppf)Cl(1.1g、0.0013mol)を不活性雰囲気下で添加し、混合物を再度脱気した。反応物を3時間加熱還流し、反応混合物をセライト(登録商標)パットで濾過し、ろ液をEtOAc(100mL)で希釈し、水(50mL)とブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をヘキサンおよびシリカゲル(230−400メッシュ)、Rf=0.30中の30%酢酸エチルを用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し固体の4−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(2.3g、73%)を得た。

【0118】
4−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン

炭素上の5%パラジウム(7.0g)をメタノール(25mL)中の4−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(19g、42.1mmol)の溶液に室温で窒素雰囲気下で添加した。窒素雰囲気を水素雰囲気に変更した。反応混合物を水素雰囲気下で室温で4時間撹拌した(反応をTLCでモニターした)。反応混合物をCelite(登録商標)パットを通して濾過し、メタノールで洗浄し、減圧濃縮して、得られた残渣をヘプタンでスラリー化した。固体を濾過し真空下で乾燥させ薄黄色の4−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(14.0g、95%)を得た。

HPLC: (98.8%, Eclipse XDB− C18, 150 X 4.6 mm, 5um. 移動相: 水中の0.1 % TFA. (A).ACN (B), 流量: 1.5ml/分).
【0119】
5−(4−ヒドロキシフェニル)−2、2−ジメチル−4−(ピリジン−4−イル)フラン−3(2H)−オンの合成
トリメチル(2−メチルブタ−3−イン−2−イルオキシ)シラン

HMDS(42.3g、0.261mol)中の2−メチルブタ−3−イン−2−オル(20g、0.23mol)に、LiClO(38.03g、0.35mol)を室温で添加した。次に反応混合物をさらに30分間撹拌し、水(100mL)で希釈した後にエ−テル(3x200mL)で抽出した。合わせたエ−テル層を水(100mL)とブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ濾過した。エ−テルを80℃で留去し、オイルのトリメチル(2−メチルブタ−3−イン−2−イルオキシ)シラン(25g)を得た。
【0120】
4−メチル−1−(ピリジン−4−イル)−4−(トリメチルシリルオキシ)ペント−2−イン−1−オン

乾燥THF(150mL)中の予めマイナス78℃に冷却したトリメチル(2−メチルブタ−3−イン−2−イルオキシ)シラン(5.0g、0.03mol)の撹拌溶液に、n−BuLi(23.82mL、0.03mol、1.6Mヘキサン)を不活性雰囲気下で10分間滴下した。反応物をマイナス78℃で30分間撹拌して、次に乾燥THF(30mL)中のN−メトキシ−N−メチルイソニコチンアミド(6.34g、0.03mol)の溶液を反応混合物に添加し、撹拌をマイナス78℃でさらに40分間継続した。反応混合物を飽和NHClでクエンチしてEtOAc(2x100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)とブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、最後に減圧濃縮して残渣を得た。ヘキサン中の5%EtOAcで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで残渣を精製し、オイルの4−メチル−1−(ピリジン−4−イル)−4−(トリメチルシリルオキシ)ペント−2−イン−1−オン(2.2g、27%)を得た。
【0121】
4−ヒドロキシ−4−メチル−1−(ピリジン−4−イル)ペント−2−イン−1−オン

DCM(10mL)中の4−メチル−1−(ピリジン−4−イル)−4−(トリメチルシリルオキシ)ペント−2−イン−1−オン(0.5g、1.915mmol)の撹拌溶液にPTSA(0.47g、2.49mmol)を室温で添加し、反応混合物を2時間撹拌した。反応混合物をDCM(50mL)で希釈した。有機層を飽和NaHSO溶液と水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、次に、減圧濃縮してオイルの4−ヒドロキシ−4−メチル−1−(ピリジン−4−イル)ペント−2−イン−1−オン(0.35g、96%)を得た。
【0122】
2、2−ジメチル−5−(ピリジン−4−イル)フラン−3(2H)−オン

エタノール(15mL)中の4−ヒドロキシ−4−メチル−1−(ピリジン−4−イル)ペント−2−イン−1−オン(1.49g、0.007mol)の撹拌溶液に、EtOH(15mL)中のジエチルアミン(0.511g、0.007mol)を室温で滴下した。次に、混合物をさらに40分間撹拌した。EtOHを蒸発させて混合物をEtOAc(100mL)で希釈した。有機層を水(50mL)とブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し減圧濃縮して、2、2−ジメチル−5−(ピリジン−4−イル)フラン−3(2H)−オン(1.4g)を得た。
【0123】
4−ブロモ−2、2−ジメチル−5−(ピリジン−4−イル)フラン−3(2H)−オン

CHCl(20mL)中の2、2−ジメチル−5−(ピリジン−4−イル)フラン−3(2H)−オン(0.81g、4.28mmol)の撹拌溶液に、NBS(1.3g、7.28mmol)を室温で少しずつ添加した。次に、反応混合物を2時間撹拌し、DCM(100mL)で希釈した。有機層を水(50mL)とブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、次に減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、固体の4−ブロモ−2、2−ジメチル−5−(ピリジン−4−イル)フラン−3(2H)−オン(0.25g、21%)を得た。
【0124】
4−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−2、2−ジメチル−5−(ピリジン−4−イル)フラン−3(2H)−オン

トルエン(100mL)および水(50mL)中の4−ブロモ−2、2−ジメチル−5−(ピリジン−4−イル)フラン−3(2H)−オン(10.0g、37.2mmol)、2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−4、4、5、5−テトラメチル−1、3、2−ジオキサボロラン(13.8g、44.7mmol)およびCsCO(36.27g、111.6mmol)の溶液を脱気した。ジクロロ[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(2.7g、3.7mmol)を不活性雰囲気の下で添加し、再度脱気した。次に、反応物を3時間還流し、TLCでモニターした。出発物質を完全に消費させて、反応混合物を酢酸エチルを用いてセライト(登録商標)ベッドを通して濾過した。次に、有機層を水とブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を230−400メッシュシリカゲルの上でn−ヘキサン中の20%酢酸エチルを用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、明るいオレンジ色の固体である4−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−2、2−ジメチル−5−(ピリジン−4−イル)フラン−3(2H)−オン(8.3g、60.2%)を得た。

HPLC: (97.5%, カラム: Eclipse XDB− C18, 150 X 4.6 mm, 5um. 移動相: 水中の0.1 % TFA . (A).ACN (B), 流量: 1.5ml/分).
【0125】
5−(4−ヒドロキシフェニル)−2、2−ジメチル−4−(ピリジン−4−イル)フラン−3(2H)−オン

MeOH(15mL)中の5−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−2、2−ジメチル−4−(ピリジン−4−イル)フラン−3(2H)−オン(620mg、0.001mmol)の撹拌溶液に、Pd(OH)(120mg、0.85mmol)を不活性雰囲気の下で室温で添加した。反応混合物を水素雰囲気下で1時間撹拌した。次に、反応混合物をセライト(登録商標)パットで濾過し、ろ液を減圧濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、固体の5−(4−ヒドロキシフェニル)−2、2−ジメチル−4−(ピリジン−4−イル)フラン−3(2H)−オン(280mg、60%)を得た。
【0126】
4−(3−(4−ヒドロキシフェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリルの合成
4−シアノ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド

DCM(75mL)中の4−シアノ安息香酸(5.0g、34.0mmol)の撹拌溶液に、HATU(19.40g、51.0mmol)、N−メトキシ、N−メチルアミン(4.90g、51.0mmol)およびTEA(14.30mL、102.0mmol)を窒素雰囲気下で室温で添加した。次に、反応混合物を室温で3時間撹拌し、水で希釈し、水性層をDCM(3x100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(60mL)とブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させて、黄色いオイルの4−シアノ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド(6.2g、96%)を得た。
【0127】
4−(4−メチル−4−(トリメチルシリルオキシ)ペント−2−イノイル)ベンゾニトリル

乾燥THF(45mL)中のトリメチル(2−メチルブタ−3−イン−2−イルオキシ)シラン(3.3g、20.00mmol)のマイナス78℃の撹拌溶液に、n−BuLi(4.1mL、9.00mmol、1.6Mヘキサン)を、不活性雰囲気の下で10分間滴下した。反応混合物をマイナス78℃で30分間撹拌し、次に、乾燥THF(15mL)中の4−シアノ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド(2.0g、10.00mmol)を反応混合物に添加し、撹拌をマイナス78℃でさらに1時間継続した。反応混合物を飽和NHCl溶液でクエンチし、EtOAc(2x100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(50mL)とブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮し、粗生成物を得た。ヘキサン中の15%EtOAcで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで粗生成物を精製し、黄色のオイルの4−(4−メチル−4−(トリメチルシリルオキシ)ペント−2−イノイル)ベンゾニトリル(3.8g、68%)を得た。
【0128】
4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペント−2−イノイル)ベンゾニトリル

DCM(15mL)中の4−(4−メチル−4−(トリメチルシリルオキシ)ペント−2−イノイル)ベンゾニトリル(1.7g、5.00mmol)の撹拌溶液に、PTSA(1.70g、8.90mmol)を室温で添加し、反応混合物を30分間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、DCM(2x50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHSO溶液と水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、次に減圧濃縮し、黄色いオイルの4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペント−2−イノイル)ベンゾニトリル(1.20g)を得た。
【0129】
4−(5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル

エタノール(12mL)中の粗4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペント−2−イノイル)ベンゾニトリル(1.2g、5.60mmol)の撹拌溶液に、EtOH(5mL)中のジエチルアミン(0.58mL、5.60mmol)の溶液を室温で滴下する。次に、反応混合物をさらに1時間撹拌する。エタノールを除去し、次に、混合物をEtOAc(50mL)で希釈する。合わせた有機層を水(10mL)とブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮し、淡い緑色の半固体の粗4−(5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル(1.2g)を得たが、これを更に精製することなく次の工程へ進めた。
【0130】
4−(3−ブロモ−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル

CHCl(12mL)中の4−(5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル(1.2g、5.60mmol)の撹拌溶液に、NBS(1.1g、6.00mmol)を室温で少しずつ添加した。次に反応混合物を3時間撹拌し、DCM(100mL)で希釈した。合わせた有機層を水(30mL)とブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、次に、減圧濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体の4−(3−ブロモ−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル(0.50g、31%)を得た。
【0131】
4−(3−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル

トルエン(200mL)および水(50mL)中の4−(3−ブロモ−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル(29.0g、107.4mmol)、2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−4、4、5、5−テトラメチル−1、3、2−ジオキサボロラン(34.7g、118.8mmol)、およびCsCO(104.7g、322.2mmol)の溶液を脱気した。ジクロロ[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(8.5g、10mmol)を、不活性雰囲気の下で添加し、溶液を再度脱気した。次に、反応物を3時間還流し、TLCで完了についてモニターした。出発物質を完全に消費させて、反応混合物を、酢酸エチルで洗浄したセライト(登録商標)ベッドを通して濾過した。次に、有機層を水とブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を230−400メッシュシリカゲル(Rf=0.3)の上で、n−ヘキサン中の20%酢酸エチルを用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、固体の4−(3−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル(31.5g、74.25%)を得た。

HPLC: (99.5%, Eclipse XDB− C18, 150 X 4.6 mm, 5um. 移動相: 水中の0.1 % TFA. (A).ACN (B), 流量: 1.5ml/分).
【0132】
4−(3−(4−ヒドロキシフェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル

三臭化ほう素(3.4g、15.8mmol)をDCM中の4−(3−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル(2.5g、6.3mmol)の溶液に0℃で添加し、混合物を1時間撹拌した(反応をTLCでモニターした)。出発物質を完全に消費させて、混合物を冷却水でクエンチし、DCMで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色の固体の4−(3−(4−ヒドロキシフェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル(1.8g、93.2%)を得た。

【0133】
2,3,5−トリメチルピリジン1−オキシド

3−クロロ過安息香酸(10g、164.2mmol)をDCM中の2,3,5−トリメチルピリジン(10g、82.1mmol)の溶液に0℃で添加し、混合物を室温で8時間撹拌した(反応はTLCでモニターした)。反応物を重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、室温で1時間撹拌した。有機層を分離し、乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、暗褐色の固体の2,3,5−トリメチルピリジン1−オキシド(6.5g、58.0%)を得た。

【0134】
2−(クロロメチル)−3,5−ジメチルピリジン

トシルクロリド(12.5g、65.6mmol)を、DCM(60ml)中の2,3,5−トリメチルピリジン1−オキシド(6.0g、43.7mmol)およびトリエチルアミン(6.6g、65.6mmol)の溶液に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を加熱還流させ、還流を4時間維持した(反応をTLCでモニターした)。反応物を水でクエンチし、DCMで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の10%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、褐色の濃厚なシロップの2−(クロロメチル)−3,5−ジメチルピリジン(4.5g、66.1%)を得た。

【0135】
4−(4−((3、5−ジメチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン

4−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(3.0g、9.6mmol)を、炭酸セシウム(12.6g、38.6mmol)およびDMF(1000mL)の混合物に、窒素雰囲気下で室温で添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、2−(クロロメチル)−3,5−ジメチルピリジン(2.25g、14.5mmol)を添加した。反応混合物を80℃で4時間加熱した(反応をTLCでモニターした)。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の15%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体の4−(4−((3、5−ジメチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(3.2g、65.3%)を得た。

HPLC (96.3%, 状態A).
【0136】
4−(4−((3、5−ジメチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン メタンスルホナート

メタンスルホン酸(445.0mg、4.6mmol)を、DCM(3mL)およびジエチルエ−テル(150mL)中の4−(4−((3、5−ジメチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(2.01g、4.6mmol)の溶液に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、固体を濾過で除去した。固体をジエチルエ−テル中の20%DCMで洗浄し、真空下で乾燥させ、白色の固体の4−(4−((3、5−ジメチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン メタンスルホナート(2.1g、87%)を得た。

HPLC: (98.9%, 状態A).
【0137】
2−(クロロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン

1、3−ジクロロアセトン(22.9g、180.3mmol)を、アセトニトリル(200ml)中の2−アミノピリジン(10g、106.3mmol)の溶液に添加した。混合物を14時間加熱還流した(反応をTLCでモニターした)。反応が終了次第、揮発物を減圧下で除去した。残渣を水で希釈し、重炭酸ナトリウム溶液でpHを7.5に調節し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の12%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色の固体の2−(クロロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン(8.0g、47.9%)を得た。

【0138】
4−(4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン

4−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(2.5g、8.06mmol)を、炭酸セシウム(10.5g、32.2mmol)およびDMF(20mL)の混合物に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で30分環撹拌し、2−(クロロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン(2.4g、12.0mmol)を添加した。混合物を80℃で4時間加熱した(反応をTLCでモニターした)。反応混合物を室温まで冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の20%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体の4−(4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(2.8g、77.7%)を得た。

HPLC: (97.3%, 状態A).
【0139】
4−(4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン メタンスルホナート

メタンスルホン酸(531mg、5.5mmol)を、DCM(5ml)およびジエチルエ−テル(150mL)中の4−(4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(2.5g、5.5mmol)の溶液に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温でさらに4時間撹拌した。固体をろ過によって収集し、ジエチルエ−テル中の20%DCMで洗浄し、真空下で乾燥させて、白色の固体の4−(4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン メタンスルホナート(2.4g、82.7%)を得た。

HPLC: (98.8%, 状態A).
【0140】
6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン

ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタ−ル(36.5g、216mmol)を、aq.cHBr(7.2ml)の溶液に添加し、次にこれを30分間加熱還流した。次に、混合物を0℃まで冷却して、エタノール(236ml)、重炭酸ナトリウム(8.09g、95mmol)および6−クロロピリダジン−3−アミン(4g、30mmol)を添加した。混合物を80℃まで3時間加熱し(反応をTLCでモニターした)、次に、室温まで冷却した。混合物を減圧濃縮し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の15%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体の6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン(4.0g、85.2%)を得た。

【0141】
メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−カルボキシレート

6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン(5.0g、32mmol)を、スチ−ルボンベ中のメタノール(75ml)およびアセトニトリル(75ml)の溶液に、室温で窒素通気下で添加した。次に、トリエチルアミン(4.0g、39.4mmol)、BINAP(2.0g、3.0mmol)およびビスアセトニトリルパラジウムジクロリド(0.854g、3.0mmol)を混合物に添加した。混合物を100℃まで加熱し、これを約10時間維持した(反応をTLCでモニターした)。反応混合物を、酢酸エチルで洗浄したセライト(登録商標)ベッドを通して濾過した。有機物を水とブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の10%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体のメチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−カルボキシレート(2.5g、43%)を得た。

【0142】
イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルメタノール

ナトリウムボロハイドライド(1.1g、31.1mmol)を、THF(35mL)およびメタノール(2.5ml)中のメチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−カルボキシレート(2.4g、15.5mmol)の溶液に、室温で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し(反応をTLCでモニターした)、混合物を減圧濃縮した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、白色の固体のイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルメタノール(1.6g、81%)を得た。

【0143】
6−(クロロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン

塩化チオニル(10ml)を、イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルメタノール(1.5g、9.0mmol)に、窒素雰囲気下で20℃で室温で添加した。反応混合物を3時間撹拌還流し(反応をTLCでモニターした)、揮発物を減圧下で除去した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の15%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体の6−(クロロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(1.2g、69%)を得た。

【0144】
4−(4−(イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルメトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン

4−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(1.2g、3.8mmol)を、炭酸セシウム(3.7g、11.6mmol)およびDMF(25mL)の混合物に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応物を室温で30分間撹拌し、6−(クロロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(0.96g、5mmol)を添加した。反応物を80℃で4時間加熱した(反応をTLCでモニターした)。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の30%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体の4−(4−(イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルメトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(0.8g、47%)を得た。

HPLC: (95.8%, 状態A).
【0145】
4−(4−(イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルメトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン メタンスルホナート

メタンスルホン酸(54mg、0.5mmol)を、DCM(2ml)およびジエチルエ−テル(20mL)中の化合物4−(4−(イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルメトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(250mg、0.5mmol)の溶液に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、混合物を濾過し、固体をジエチルエ−テル中の20%DCMで洗浄し、真空下で乾燥させ、オフホワイトの固体の4−(4−(イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルメトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン メタンスルホナート(240mg、80.0%)を得た。

HPLC: (98.3%, 状態A).
【0146】
6−クロロ−2−(クロロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン

1、3−ジクロロアセトン(21.4g、168.0mmol)を、アセトニトリル(200ml)中の6−クロロピリダジン−3−アミン(10g、77.2mmol)の溶液に添加した。混合物を14時間加熱還流した(反応をTLCでモニターした)。揮発物を減圧下で除去し、反応混合物を水で希釈した。重炭酸ナトリウム溶液でpHを〜7.5に調整し、次に、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の14%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、白色の固体の6−クロロ−2−(クロロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(6.0g、64.1%)を得た。

【0147】
4−(4−((6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン

4−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(200mg、0.64mmol)を、炭酸セシウム(838mg、2.5mmol)およびDMF(5mL)の混合物に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で30分撹拌し、6−クロロ−2−(クロロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(196mg、9.6mmol)を添加した。混合物を80℃で4時間加熱した(反応をTLCでモニターした)。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。有機残渣をn−ヘキサン中の30%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体の4−(4−((6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(180mg、63.0%)を得た。

HPLC: (96.7%, 状態A).
【0148】
4−(4−(イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−2−イルメトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン

水酸化パラジウム(36mg)を、メタノール(25ml)中の4−(4−((6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(180mg、0.37mmol)およびジエチルアミン(28mg、0.37)の溶液に、室温で窒素雰囲気下で添加した。窒素雰囲気を水素と交換し、室温で2時間撹拌した(反応をTLCでモニターした)。化合物をメタノールを用いて洗浄してセライト(登録商標)ベッドを通して濾過した。ろ液を減圧下で濃縮し、白色の固体の4−(4−(イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−2−イルメトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(160mg、96.7%)を得た。

HPLC: (97.4%, 状態A).
【0149】
4−(4−(イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−2−イルメトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン メタンスルホナート

メタンスルホン酸(34.8mg、0.36mmol)を、DCM(3ml)およびジエチルエ−テル(15mL)中の化合物4−(4−(イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−2−イルメトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(160mg、0.36mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、混合物を濾過し、固体をジエチルエ−テル中の20%DCMで洗浄した。固体を真空下で乾燥させ、白色の固体の4−(4−(イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−2−イルメトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン メタンスルホナート(110mg、56%)を得た。

HPLC: (98.5%, 状態A).
【0150】
4−(3−(4−((3、5−ジメチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル

4−(3−(4−ヒドロキシフェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル(1.5g、4.9mmol)を、炭酸(6.3g、19.6mmol)およびDMF(100mL)の混合物に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、2−(クロロメチル)−3,5−ジメチルピリジン(1.14g、7.3mmol)を添加した。混合物を80℃で4時間加熱した(反応をTLCでモニターした)。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の22%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色い固体の4−(3−(4−((3、5−ジメチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)(0.70g、35%)を得た。

HPLC: (96.3%, 状態A).
【0151】
4−(3−(4−((3、5−ジメチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル メタンスルホナート

メタンスルホン酸(158mg、1.6mmol)を、DCM(0.5ml)およびジエチルエ−テル(15mL)中の化合物4−(3−(4−((3、5−ジメチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)(700mg、1.6mmol)の溶液に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、混合物を濾過し、固体をジエチルエ−テル中の20%DCMで洗浄し、真空下で乾燥させ、白色の固体の4−(3−(4−((3、5−ジメチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル メタンスルホナート(2.1g、75%)を得た。

HPLC: (97.1%, 状態A).
【0152】
4−(3−(4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル

4−(3−(4−ヒドロキシフェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル(3.15g、10.3mmol)を、炭酸セシウム(13.4g、41.3mmol)およびDMF(100mL)の混合物に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、2−(クロロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン(2.0g、12.3mmol)を添加した。反応物を80℃で4時間加熱した(反応をTLCでモニターした)。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の20%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体の4−(3−(4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル(2.7g、60%)を得た。

HPLC: (97.3%, 状態A).
【0153】
4−(3−(4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル メタンスルホナート

メタンスルホン酸(309mg、3.2mmol)を、DCM(5ml)およびジエチルエ−テル(30mL)中の化合物4−(3−(4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル(1.4g、3.2mmol)の溶液に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、濾過し、固体をジメチルエ−テル中の20%DCMで洗浄し、真空下で乾燥させ、白色の固体の4−(3−(4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル メタンスルホナート(1.1g、64%)を得た。

HPLC: (98.5%, 状態A).
【0154】
3−クロロ−2−(クロロメチル)イミダゾ[1、2−a]ピリジン

N−クロロサクシニミド(329g、2.46mmol)を、DCM(15ml)中の2−(クロロメチル)イミダゾ[1、2−a]ピリジン(450mg、2.2mmol)の溶液に、室温で窒素雰囲気下で添加した。撹拌を2時間継続し(反応をTLCでモニターした)、反応混合物をDCMで希釈し、水とブライン溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の10%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体の3−クロロ−2−(クロロメチル)イミダゾ[1、2−a]ピリジン(400mg、76%)を得た。

HPLC: (98.3%, 状態A).
【0155】
4−(4−((3−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン

4−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(200mg、0.64mmol)を、炭酸セシウム(843mg、2.5mmol)およびDMF(20mL)の混合物に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、3−クロロ−2−(クロロメチル)イミダゾ[1、2−a]ピリジン(183mg、0.77mmol)を添加した。混合物を80℃で4時間加熱し(反応をTLCでモニターした)、混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の18%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体の4−(4−((3−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(250mg、81%)を得た。

HPLC: (97.2%, 状態A).
【0156】
4−(4−((3−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン メタンスルホナート

メタンスルホン酸(50.5mg、0.52mmol)を、DCM(2.5ml)およびジメチルエ−テル(25mL)中の4−(4−((3−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(250mg、0.52mmol)の溶液に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、化合物を濾過し、ジメチルエ−テル中の20%DCMで洗浄し、真空下で乾燥させ、白色の固体の4−(4−((3−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン メタンスルホナート(260mg、86%)を得た。

HPLC: (98.8%, 状態A).
【0157】
メチル5−メチルピコリン酸

2−クロロ−5−メチルピリジン(10g、78mmol)を、スチ−ルボンベ中のメタノール(75ml)およびアセトニトリル(75ml)の溶液に、室温で窒素雰囲気下で添加し、その後、トリエチルアミン(11.8g、117mmol)、BINAP(970mg、1.5mmol)およびビスアセトニトリルパラジウムジクロリド(0.4g、1.5mmol)を添加した。混合物を100℃に加熱し、この温度を一晩維持した(反応をTLCでモニターした)。反応混合物をセライト(登録商標)ベッドを通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を水とブラインで洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、n−ヘキサン中の10%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体のメチル5−メチルピコリン酸(6.5g、55%)を得た。

【0158】
(5−メチルピリジン−2−イル)メタノール

ナトリウムボロハイドライド(4.5g、115mmol)を、THF(60mL)およびメタノール(6ml)中のメチル5−メチルピコリン酸(6.0g、39.5mmol)の溶液に室温で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した(反応をTLCでモニターした)。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。有機層を真空下で濃縮し、オフホワイトの固体の(5−メチルピリジン−2−イル)メタノール(3.5g、72.9%)を得た。

【0159】
2−(クロロメチル)−5−メチルピリジン

塩化チオニル(30ml)を、(5−メチルピリジン−2−イル)メタノール(3.0g、24.3mmol)に、20℃で窒素化雰囲気下で添加した。反応混合物を3時間撹拌還流した(反応をTLCでモニターした)。反応混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の6%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体の2−(クロロメチル)−5−メチルピリジン(2.5g、73%)を得た。

【0160】
5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチル−4−(4−((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)フラン−3(2H)−オン

4−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(2.0g、6.5mmol)を、炭酸セシウム(10.5g、32.2mmol)およびDMF(50mL)の混合物に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、2−(クロロメチル)−5−メチルピリジン(1.36g、9.6mmol)を添加した。混合物を80℃に4時間加熱した(反応をTLCでモニターした)。反応混合物を冷却させ、水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の20%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体の5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチル−4−(4−((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)フラン−3(2H)−オン(2.0g、76.9%)を得た。

HPLC: (97.5%, 状態A).
【0161】
5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチル−4−(4−((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)フラン−3(2H)−オン メタンスルホナート

メタンスルホン酸(462mg、4.8mmol)を、DCM(5ml)およびジエチルエ−テル(50mL)中の5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチル−4−(4−((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)フラン−3(2H)−オン(2.0g、4.8mmol)の溶液に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、固体をろ過によって収集し、ジエチルエ−テル中の20%DCMで洗浄し、真空下で乾燥させて、白色の固体の5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチル−4−(4−((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)フラン−3(2H)−オン メタンスルホナート(2.0g、90.9%)を得た。

HPLC: (99.3%, 状態A).
【0162】
4−(5、5−ジメチル−3−(4−((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル

4−(3−(4−ヒドロキシフェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル(0.4g、1.3mmol)を、炭酸セシウム(1.7g、5.2mmol)およびDMF(20mL)の混合物に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、2−(クロロメチル)−5−メチルピリジン(306mg、1.9mmol)を添加した。混合物を80℃に4時間加熱した(反応をTLCでモニターした)。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の25%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体の4−(5、5−ジメチル−3−(4−((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル(160mg、30.1%)を得た。

HPLC: (97.3%, 状態A).
【0163】
4−(5、5−ジメチル−3−(4−((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル メタンスルホナート

メタンスルホン酸(36mg、0.3mmol)を、DCM(5ml)およびジエチルエ−テル(50mL)中の4−(5、5−ジメチル−3−(4−((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル(150mg、0.3mmol)の溶液に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、固体をろ過によって収集し、ジエチルエ−テル中の20%DCMで洗浄し、真空下で乾燥させて、白色の固体の4−(5、5−ジメチル−3−(4−((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル メタンスルホナート(120mg、67.0%)を得た。

HPLC: (98.3%, 状態A).
【0164】
メチル2−オキソブタン酸

トリメチルシリルクロリド(1.06g、9.8mmol)を、2,2−ジメトキシプロパン(90ml)およびメタノール(20ml)中の2−オキソブタン酸(10.0g、98.0mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を室温で18時間撹拌し(反応をTLCでモニターした)、混合物を減圧下で濃縮し、褐色の液体の粗メチル2−オキソブタン酸(8.0g)を得た。

【0165】
メチル3−ブロモ−2−オキソブタン酸

臭化銅(30.0g、137mmol)を、酢酸エチル(150ml)およびクロロホルム(100ml)中のメチル−2−オキソブタン酸(8.0g、68.9mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を18時間撹拌還流した(反応をTLCでモニターした)。混合物を濾過し、酢酸エチルで洗浄し、ろ液を真空下で濃縮して、無色の液体の粗メチル3−ブロモ−2−オキソブタン酸(6.5g)を得た。

【0166】
メチル3−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキシラート

メチル3−ブロモ−2−オキソブタン酸(6.5g、34.3mmol)を、アセトニトリル(100ml)中の2−アミノピリジン(4.0g、42.5mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を14時間加熱還流した(反応をTLCでモニターした)。混合物を減圧濃縮し、残渣を水で希釈し、重炭酸ナトリウム溶液でpHを7.5に調節した。混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の8%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色の固体のメチル3−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキシラート(2.0g、25.1%)を得た。

【0167】
(3−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メタノール

ナトリウムボロハイドライド(1.5g、41.6mmol)を、THF(50mL)およびメタノール(2.5ml)中のメチル3−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキシラート(2.0g、10.5mmol)の溶液に、室温で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し(反応をTLCでモニターした)、混合物を減圧濃縮した。残渣を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、オフホワイトの固体の(3−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メタノール(0.8g、47.05%)を得た。

【0168】
2−(クロロメチル)−3−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン

塩化チオニル(10ml)を、(3−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メタノール(0.8g、4.9mmol)に、20℃で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を3時間撹拌還流した(反応をTLCでモニターした)。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の6%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体の2−(クロロメチル)−3−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン(400mg、45.4%)を得た。

【0169】
5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチル−4−(4−((3−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)フラン−3(2H)−オン

4−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(0.1g、0.32mmol)を、炭酸セシウム(0.52g、1.62mmol)およびDMF(20mL)の混合物に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、2−(クロロメチル)−3−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン(87mg、0.48mmol)を添加した。混合物を4時間加熱した(反応をTLCでモニターした)。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の20%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの固体の5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチル−4−(4−((3−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)フラン−3(2H)−オン(2.8g、77%)を得た。

HPLC: (96.3%, 状態A).
【0170】
2−(クロロメチル)−5−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン

1、3−ジクロロアセトン(17.6g、138.3mmol)を、アセトニトリル(200ml)中の6−メチルピリジン−2−アミン(10g、92.5mmol)の溶液に添加した。混合物を14時間加熱還流した(反応をTLCでモニターした)。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を水で希釈し、重炭酸ナトリウム溶液でpHを7.5に調節した。混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の10%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色の固体の2−(クロロメチル)−5−メチルイミダゾール[1,2−a]ピリジン(7.0g、70.7%)を得た。

【0171】
5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチル−4−(4−((5−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)フラン−3(2H)−オン

4−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(250mg、0.8mmol)を、炭酸セシウム(1.05g、3.22mmol)およびDMF(20mL)の混合物に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、2−(クロロメチル)−5−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン(218mg、1.2mmol)を添加した。混合物を4時間加熱し(反応をTLCでモニターした)、反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の15%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、薄黄色の固体の5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチル−4−(4−((5−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)フラン−3(2H)−オン(280mg、77.7%)を得た。

HPLC: (97.3%, 状態A).
【0172】
5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチル−4−(4−((5−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)フラン−3(2H)−オン メタンスルホナート

メタンスルホン酸(53.1mg、0.5mmol)を、DCM(2.5ml)およびジエチルエ−テル(50mL)中の5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチル−4−(4−((5−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)フラン−3(2H)−オン(250g、0.5mmol)に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、固体をろ過によって収集し、ジエチルエ−テル中の20%DCMで洗浄し、真空下で乾燥させて、白色の固体の5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチル−4−(4−((5−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)フラン−3(2H)−オン メタンスルホナート(240mg、82.7%)を得た。

HPLC: (98.4%, 状態A).
【0173】
6−クロロ−2−(クロロメチル)イミダゾ[1、2−a]ピリジン

1、3−ジクロロアセトン(7.4g、58.3mmol)を、アセトニトリル(100ml)中の5−クロロピリジン−2−アミン(5.0g、38.9mmol)の溶液に添加した。混合物を14時間加熱還流した(反応をTLCでモニターした)。TLCによる判断で反応が終了次第、混合物を減圧濃縮した。残渣を水で希釈し、重炭酸ナトリウム溶液でpHを7.5に調節した。混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の10%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色の固体の6−クロロ−2−(クロロメチル)イミダゾ[1、2−a]ピリジン(1.5g、30%)を得た。

【0174】
4−(4−((6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン

4−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(300mg、0.96mmol)を、炭酸セシウム(1.05g、3.8mmol)およびDMF(20mL)の混合物に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、6−クロロ−2−(クロロメチル)イミダゾ[1、2−a]ピリジン(201mg、1.4mmol)を添加した。混合物を80℃に4時間加熱した(反応をTLCでモニターした)。TLCによる判断で反応が終了次第、反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をn−ヘキサン中の20%酢酸エチルおよびシリカゲル(230−400メッシュ)を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、白色の固体の4−(4−((6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(180mg、39.3%)を得た。

HPLC: (98.0%, 状態A).
【0175】
4−(4−((6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン メタンスルホナート

メタンスルホン酸(53.1mg、0.5mmol)を、DCM(2.5ml)およびジメチルエ−テル(50mL)中の化合物4−(4−((6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン(250g、0.5mmol)の溶液に、室温で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、固体をろ過によって収集し、ジエチルエ−テル中の20%DCMで洗浄し、真空下で乾燥させて、白色の固体の4−(4−((6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン メタンスルホナート(240mg、82%)を得た。

HPLC: (99.3%, 状態A).
【実施例】
【0176】

以下の表において、特定の実施例がRについて複数の例を含む場合、表内のコンマで分離される(例えば、Me、MeまたはEt、Meなど)。Rの欄が1つの値の「・・基・・」、例えば「・・シクロプロピル・・」を含む場合、両方のRを併せることでスピロ環になる。
【0177】
さらなる様態では、本開示の化合物は式(I)から作られた下記の表中に示した明確な例で実施できる。
【0178】

























































【0179】
用法および用量
本開示は、式(I)の化合物、誘導体またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤、担体、もしくは希釈剤の治療有効量を含有し、精神障害を有する対象を治療する医薬組成物を含む。
医薬組成物は、限定されないが、固体投与剤形または液体投与剤形、経口剤形、非経口投与剤形、点鼻剤形、座薬、ロゼンジ、トローチ、口腔内、制御放出剤形、制御放出する剤形、即放性剤形、点滴液、懸濁剤、およびこれらの組み合せを含む多様な剤形で投与される。用法は制御放出剤形の経口剤形であってもよい。経口投与剤形はタブレットまたはカプレットであってもよい。例えば、化合物は静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、経皮、気道(エアロゾル)、直腸、膣および局所(口腔内および舌下を含む)投与を含有する経口または非経口経路によって投与してもよい。一実施形態では、該化合物または該化合物を含有する医薬組成物は、シャントを経由した継続的な注入で、脳などの所望の箇所へ送達される。
【0180】
他の実施形態では、化合物を静脈内(IV)投与などの非経口の方法で投与することができる。投与のための剤形は薬学的に許容される担体に溶解した式(I)の化合物の溶液を一般的に含む。使用することが可能な許容されるビヒクルおよび溶媒は、水およびリンゲル液、等張塩化ナトリウムである。加えて、滅菌された固定油を溶媒または懸濁媒質として従来どおり使用することができる。この目的で、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含有する、いずれの銘柄の固定油も使用可能である。さらに、オレイン酸などの脂肪酸も注射剤の製造に用いられる。これらの溶液は滅菌されており一般的に不適切なものは含まれていない。これらの製剤は従来の周知である滅菌技術で滅菌することもできる。これらの製剤は生理学的状態に近似するために必要な薬学的に許容される補助物質、例えばpH調整剤および緩衝剤、毒性調整剤、例えば酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等を含んでもよい。これらの製剤における式(I)の化合物の濃度には大きな幅があるが、主に選択された投与の特定の態様および患者のニーズに適合した液体の容積、粘度、および体重などに基づいて選択される。IV投与については、本発明の医薬組成物は滅菌注射用調製品、例えば滅菌された注射用の水性または油性の懸濁液あってよい。この懸濁液は、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いながら当該分野で知られるとおり製剤化してよい。また、滅菌注射用調製品は、非毒性の非経口許容性の希釈剤または溶媒中の滅菌された注射用の溶液または懸濁液、例えば1,3−ブタンジオールの溶液であってよい。
【0181】
一実施形態では、式(I)の化合物を対象の中枢神経系、例えば、対象の脳脊髄液に導入することにより投与することができる。投与のための剤形は薬学的に許容される担体に溶解した式(I)の化合物の溶液を一般的に含む。ある局面では、式(I)の化合物をクモ膜下腔内、例えば、脳室、腰部、または大槽に導入する。別の局面では、式(I)の化合物を眼内に導入することで、網膜神経節細胞に接触させる。
【0182】
薬学的に許容される製剤は、水性ビヒクルで懸濁し、従来の皮下組織針経由または注入ポンプの使用で導入することが容易である。導入前に好ましくは、ガンマ線の照射または電子線による滅菌処理で製剤を滅菌することができる。
【0183】
一実施形態では、式(I)の化合物を含有する医薬組成物を、対象のクモ膜下腔内に投与する。本明細書においては、用語「クモ膜下投与」は、対象の脳脊髄液へ直接、骨孔または大槽または腰椎穿刺等によっておこなう側脳室注射を包含する技術で、式(I)の化合物を含有する医薬組成物を送達することを含むことが意図されている(Lazorthes et al. Advances in Drug Delivery Systems and Applications in Neurosurgery, 143−192 and Omaya et al., Cancer Drug Delivery, 1: 169−179に記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる)。用語「腰椎部」は第3および第4腰椎(腰部)の間の領域を含むことが意図されている。用語「大槽」は後頭部の頭蓋骨が終わり、脊髄が開始する領域を含むことが意図されている。用語「脳室」は脊髄中心管と連続する脳の空洞を含むことが意図されている。式(I)の化合物を上述の部位に投与することは、式(I)の化合物を含有する医薬組成物の直接注入、または注入ポンプを使用することで実現できる。注射については、薬学的組成物を水溶液において、好ましくはハンクス液、リンガー液のような生理学的に適合性のある緩衝液において製剤化してもよい。加えて、薬学的組成物を固体の形態で製剤化し、使用直前に再溶解または懸濁してもよい。また、凍結乾燥形態も含まれる。例えば、注入は医薬組成物をボーラス注射または持続注入(例えば、注入ポンプを用いて)する形態でもよい。
【0184】
一実施形態では、式(I)の化合物を含有する医薬組成物を対象の脳への側脳室注入により投与する。例えば、対象の頭蓋骨に開けられた骨孔を通して注入をすることができる。別の実施様態では、カプセル化された治療物質を対象の脳室へ外科的に挿入されたシャントを通して投与する。例えば、より大きな側脳室に注入を行うことができるが、第3および第4のより小さい脳室への注入も行うことができる。
【0185】
さらに他の実施形態では、医薬組成物を、対象の大槽、または腰部への注入によって投与する。
【0186】
経口投与であれば、一般的に患者による摂取に適するタブレット、ピル、糖衣錠、ロゼンジ、もしくはカプセルの単位投与形態で、粉剤もしくは顆粒として、または水溶液、懸濁剤、液体、ゲル、シロップ、スラリー等で化合物を提供する。経口で使用するための錠剤は、不活性希釈剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、甘味剤、芳香剤、着色剤および防腐剤などの薬学的に許容される賦形剤と混合された活性成分を含んでもよい。適切な不活性希釈剤には、炭酸ナトリウムおよびカルシウム、リン酸ナトリウムおよびカルシウムならびにラクトースが含まれるのに対して、コーンスターチおよびアルギン酸は適切な崩壊剤である。結合剤にはデンプンおよびゼラチンが含まれ得るのに対して、存在する場合、潤滑剤は、一般にステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクである。所望であれば、胃腸管中での吸収を遅延させるために、錠剤をモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの材料で被覆してもよい。
【0187】
式(I)の化合物を固体の賦形剤と混合し、生成した混合物を任意にすり潰し、必要に応じて適切な追加の化合物を加えた後に顆粒の混合物を加工して、錠剤または糖衣錠コアを得ることによって、経口使用のための製剤を得ることができる。先に記載したものに加えて、適した賦形剤は、以下を含むがそれらに限定されない糖質またはタンパク質フィラーである:乳糖、ショ糖、マンニトールまたはソルビトールを含む糖;トウモロコシ、コムギ、コメ、ジャガイモまたはその他の植物からのデンプン;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース;アラビアゴムおよびトラガカントゴムを含むゴム;ならびにゼラチンおよびコラーゲンのようなタンパク質。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、またはアルギン酸ナトリウムのようなその塩などの崩壊剤または可溶化剤を添加してもよい。
【0188】
経口で使用するためのカプセルには、活性成分が固体希釈剤と混合されている硬質ゼラチンカプセル剤と、活性成分が水または落花生油、流動パラフィンもしくはオリーブオイルなどの油と混合されている軟質ゼラチンカプセルとが含まれる。
糖衣錠コアは適切なコーティング剤と共に供給される。この目的で、濃縮糖溶液を使用してもよく、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液および適切な有機溶媒または溶媒混合物を任意に含んでもよい。染料または色素を識別のために、または活性化合物の異なる組み合せを特徴付けるために、錠剤または糖衣錠コーティング剤へ添加してもよい。
【0189】
経粘膜投与(例えば、頬、腸、鼻、眼など)の場合、通過すべきバリアに適した浸透剤が配合中で使用される。一般に、このような浸透剤は当技術分野において既知である。
【0190】
直腸投与するための製剤は、例えばカカオバターまたはサリチル酸を含有する適切な基剤を用いた座薬として提供してもよい。膣内投与に適する製剤は、活性成分の外に当該分野で適切なものとして知られている担体を含有するペサリー剤、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡状物またはスプレー製剤として提供してよい。筋肉内、腹腔内、皮下および静脈内での使用に関しては、化合物は一般に、適切なpHおよび等張性になるように緩衝化された無菌水溶液または懸濁液中に与えられる。適切な水性ビヒクルには、リンゲル溶液および等張塩化ナトリウムが含まれる。水性懸濁液には、セルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンおよびトラガカントゴムなどの懸濁剤並びにレシチンなどの湿潤剤が含まれてもよい。水性懸濁液のための適切な防腐剤には、p−ヒドロキシ安息香酸エチルおよびn−プロピルが含まれる。
【0191】
薬剤の直腸投与のために坐剤を適当な非刺激性の賦形剤と薬剤を混合することで調製でき、この賦形剤は常温では固体であり直腸温度では液体であるので直腸で溶けて薬剤を放出する。このような物質としては、カカオ脂およびポリエチレングリコールである。
【0192】
化合物は局所経路により経皮的に送達され、アプリケータ−スティック、溶液、懸濁剤、乳剤、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、ペイント、パウダー、またはエアロゾルとして製剤化できる。
【0193】
また、化合物を水溶剤またはリポゾーム剤として提供しても良い。水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適する賦形剤との混合物に式(I)の化合物を含めることができる。そのような賦形剤には、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアラビアガムのような沈殿防止剤、ならびに分散剤または湿潤剤、例えば天然に存在するホスファチド(例えばレシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えばポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリエチレンソルビトールモノオレート)、またはエチレンオキシドと脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)などを含む。また、水性懸濁物はエチルp−ヒドロキシ−ベンゾエートまたはn−プロピルp−ヒドロキシ−ベンゾエートなどの1種以上の保存料、1種以上の着色剤、1種以上の矯味矯臭剤、および、スクロース、アスパルテームまたはサッカリンなどの1種以上の甘味料も含むことができる。製剤はオスモル濃度に合わせて調整できる。
【0194】
油脂懸濁液は式(I)の化合物を植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはココナツ油中に、または流動パラフィンなどの鉱物油、またはこれらの混合液中に懸濁することにより製剤化することができる。経口用懸濁液は濃厚化剤、例えば蜜蝋、ハードパラフィンまたはセチルアルコールを含んでもよい。グリセロール、ソルビトールまたはサクロースなどの甘味剤を添加することにより服用し易い経口用調製品を提供できる。これらの製剤はアスコルビン酸のような抗酸化剤を添加することにより保存することができる。注射可能な油性ビヒクルの例としては、Minto, J. Pharmacol. Exp. Ther. 281:93−102, 1997を参照。また、医薬製剤としては水中油型乳濁液の形であってもよい。油相は、上記のように植物油または鉱物油、またはこれらの混合物でもよい。適切な乳化剤はアカシアゴムやトラガカントゴムなどの天然のゴム、大豆レシチンなどの天然のリン脂質、ソルビタン・モノオレエートなどの脂肪酸と無水ヘキシトールの配合に由来するエステルまたは部分エステル、そのような部分エステルのポリオキシエチレン・ソルビタン・モノオレエートなどのエチレンオキシドとの縮合物を含む。また、乳化剤はシロップ剤またはエリキシル剤の製剤のように、甘味剤および芳香剤を含んでもよい。そのような製剤は緩和剤、防腐剤、または着色剤を含んでもよい
【0195】
化合物は、すでに記載した剤形の他に、デポー剤としても製剤化することができる。このような長期間作用が持続する製剤は、植え込みまたは経皮的送達(例えば、皮下もしくは筋肉内)、筋肉注射または経皮パッチによって投与してもよい。従って、例えば、上記化合物を好適な高分子材料もしくは疎水性材料と共に(例えば、許容される油中の乳濁液として)、またはイオン交換樹脂と共に、あるいは難溶性誘導体(例えば難溶性塩)として製剤化してもよい。
【0196】
さらに、医薬組成物は適切な固体またはゲルの相キャリアまたは賦形剤を含んでもよい。そのようなキャリアまたは賦形剤の例は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコールなどのポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0197】
吸入による投与の場合、化合物は適切な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切なガスを使用して加圧パックまたはネブライザからのエアゾールスプレーの形態で供給される。加圧エアゾル剤の場合、投与単位は計量された量を送達するための弁を備えることにより決定することができる。例えば、吸入器または散布器で用いるゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、ラクトースまたはデンプン等の好適な粉末基剤と化合物との混合粉末を含有させて製剤化してもよい。
【0198】
一般的に、適切な用量は0.01から100mg/kgレシピエント体重/日の範囲、好ましくは、0.1から10mg/kg体重/日の範囲である。好ましくは、所望の用量は1日1回提供されるが、一日を通じて適切な間隔で別々に投与される2、3、4、5、6またはそれより多くのサブ用量として投与してもよい。
【0199】
化合物は単独の活性物質として、または神経疾患の治療に有益であると知られている他の治療との組み合せで投与することができる。いかなる場合においても、投与する医師は処置される障害の1つ以上の症状(標準的な臨床症状スケールまたは評価で測定した運動または認知機能)の観察を基礎として薬物投与の用量とタイミングを調節して予防的または治療的な治療法を提供できる。
【0200】
製剤および投与の技術に関する詳細は化学文献および特許文献に詳しく記載されている。例えば、the latest edition of Remington's Pharmaceutical Sciences, Maack Publishing Co, Easton Pa.を参照。許容されるキャリアに医薬組成物が製剤化されたら、適切な容器に収めて、適応症での治療用とラベルを付すことができる。式(I)の化合物の投与の場合、そのようなラベルは用量、頻度および投与法等に関する指示を含む。
【0201】
生物学上の実施例
インビボ法
対象:雄DBA/2Nマウス(Charles River, 20−25g)を使用したプレパレス阻害(PPI)を除いた、雄C57BL/6Jマウス(Charles River; 20−25 g)をすべてのアッセイで使用した。全ての試験では、動物を12時間の明暗周期でケージ当たり5匹の収容として、食事と水は自由に与えた。
【0202】
条件付け回避反応:試験を、市販されている回避箱(Kinder Scientific, Poway CA)で行った。箱はアーチ道で分離されている2つの区画に分かれている。各区画にはフットショックと天井照明を与える装置が備えられた電子グリット床が付いている。トレーニングは光(条件刺激)とその後のショック(無条件刺激)の反復する組み合せから成っている。各試験では、5秒間光が提供され、その後に0.5mAショックが与えられ、これはマウスが別の区画に移るか、または10秒たてば止まる設定である。試行間間隔を20秒に設定した。各トレーニングおよび試験セッションは、30回の試験後の4分間の順化期間を設定するように成っている。回避(光放出の間にマウスが別の側に渡る)、逸脱(ショック放出の間にマウスが別の側に渡る)、および失敗(試験期間の間マウスは渡ることが無い)の数をコンピュータで記録した。試験の対象とするマウスは、2回続けた試験セッションで少なくとも80%の回避の基準に達しなければならない。
【0203】
PPI:マウスを試験区画に一匹ずつ入れる(StartleMonitor, Kinder Scientific, Poway CA)。動物には試験区画に慣れる5分間の順応期間を与え、背景ノイズレベルを65デシベル(dB)に設定し、試験セッション中は継続した。順応させた後は、4回続けた試験で40ミリ秒間120dBを放出したがこの試験はデータ解析には含めなかった。次に、マウスを無作為にパルスのみ(120dB、40ミリ秒)、刺激無し、および20ミリ秒間の67、69、または74dB、その後100ミリ秒間の時間をおいて40ミリ秒間の120dBを放出する3つの異なるプレパレス+パルス試験からなる5つの異なるタイプを受けさせた。各動物は各条件について12回の試験で合計60回の試験を受けさせて、15秒の平均試行間隔を取った。パーセントPPIを次の式で計算した。(1−(プレパレス+パルスに対する驚愕反応)/パルスのみに対する驚愕反応))x100。
【0204】
MK−801誘発による活動亢進:30分間の試験室への順応後、30分間の順化期間の間マウスを試験ケージに個別に入れた。試験ケージへの順化の後で、ベースラインの活動を60分間記録した。次に、短い間マウスを取り出して試験化合物を投与し、すぐに試験ケージに戻した。試験開始の5分前にマウスを再度短い時間取り出してMK−801(0.3mg/kg、i.p.0.9%生理食塩水)を投与し、すぐに試験ケージに戻し、活動レベルを1時間記録した。活動レベルはセンチメートル単位で移動した距離を測定した(Ethovision tracking software, Noldus Inc. Wageningen, Netherlands)。
【0205】
カタレプシー:顔を上に向けさせ60℃の角度に設置した金網スクリーンにマウスを置き、動きまたはスタンスの変更の遅延を記録した。1つの試験当たり30秒のカットオフを採用して測定時点あたり3つの試験を動物に行った。
【0206】
データ解析:治療の全般的な違いを評価するために一元配置または二元配置の分散分析を使用したが、一元配置分散分析ではチューキーポストホック法またはスチューデントt−検定を使用し、二元配置分散分析にはボンフェローニの検定を使用して、治療群間の違いを評価した。統計学的有意性の基準はp0.05とした。
【0207】
インビトロ法
hPDE10A1酵素活性:50μlの連続希釈したヒトPDE10A1酵素を、50μlの[H]−cAMPと共に(37℃で)20分間インキュベートした。Greiner 96ディープウエル1mlマスターブロックで反応を実施した。酵素を20mM Tris HCl pH7.4で希釈し、[H]−cAMPを10mM MgClおよび40mM Tris HCl pH7.4で希釈した。PDE酵素の変性(70℃)で反応を中止し、その後、25μl蛇毒ヌクレオチダーゼの添加(37℃で)と10分間のインキュベートとにより、[H]−5'−AMPを[H]−アデノシンに変換した。200μlのDowex樹脂を添加することで、中性のアデノシンを帯電cAMPまたはAMPから分離した。サンプルを20分間振とうし、2,500r.p.m.で3分間遠心分離した。50μlの上清を取り出し、白色プレート(Greiner 96−well Optiplate)上の200μlのMicroScint20に添加し、30分間振とうした後で、Perkin Elmer TopCount Scintillation Counterで計測した。
【0208】
hPDE10A1酵素阻害:阻害プロファイルを確認するために、11μlの連続希釈阻害剤を、50μlの[H]−cAMPおよび50μlの希釈したヒトPDE10A1に添加し、アッセイを酵素活性アッセイ法と同じように実施した。データをPrism software (GraphPad Inc)で解析した。本開示の代表的な化合物を下の表に示した。「A」の値の化合物はIC50の値が10nM未満かそれに等しい。「B」の値の化合物はIC50の値が10nMより大きいか50nM未満である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩:

(I)
ここで、HETはA29およびA31から選択され、

ここで、式(I)のX基に最も左のラジカルが結合しており、
Xは任意に置換されたアリールおよび任意に置換されたヘテロアリールから選択され、置換基はC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、C−Cアルコキシ、CF、カルボキシ、アルコキシアルキル、C−Cシクロアルキルアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、チオアルキル、ハロゲン、シアノ、アルキルスルホニル、およびニトロから選択され、および
Zはそれぞれが任意で置換することができるピリジン−2−イル、イミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−イル、イミダゾ[1、2−b]ピリダジン−2−イル、およびイミダゾ[1、2−b]ピリダジン−6−イルから選択され、置換基はC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、C−Cアルコキシ、CF、カルボキシ、アルコキシアルキル、C−Cシクロアルキルアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、チオアルキル、ハロゲン、シアノ、アルキルスルホニル、およびニトロから選択され、
各Rは任意にフルオロ置換C−Cアルキルから独立して選択されるか、または結合している炭素と共に2つのR基は3員のシクロアルキル環を形成する。
【請求項2】
HETがA29である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
HETがA31である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
Xが任意に置換されたヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
Xが任意に置換されたアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
化合物が4−(4−((3、5−ジメチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−2、2−ジメチル−5−(ピリジン−4−イル)フラン−3(2H)−オン、4−(4−((3、5−ジメチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチルフラン−3(2H)−オン、4−(3−(4−((3、5−ジメチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5、5−ジメチル−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリル、2、2−ジメチル−4−(4−((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−5−(ピリジン−4−イル)フラン−3(2H)−オン、5−(4−メトキシフェニル)−2、2−ジメチル−4−(4−((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)フラン−3(2H)−オン、または4−(5、5−ジメチル−3−(4((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−4−オキソ−4、5−ジヒドロフラン−2−イル)ベンゾニトリルではない、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
Xが以下から選択される、
(a)環ヘテロ原子の総数が4個以下であり、かつ、環のヘテロ原子の1つより多くが酸素または硫黄ではないことを条件として、C、O、SおよびNから選択される5個の環原子を有する任意に置換される単環ヘテロアリール環であり、ここで置換基はC−Cアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、C−Cアルコキシ、CF、カルボキシ、アルコキシアルキル、C−Cシクロアルキルアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、チオアルキル、ハロゲン、シアノ、アルキルスルホニル、およびニトロから選択される、および
(b)3個以下の環原子がNであることを条件として、CおよびNから選択される6個の環原子を有する単環ヘテロアリール環であり、ここで芳香環がC−Cアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、C−Cアルコキシ、CF、カルボキシ、アルコキシアルキル、C−Cシクロアルキルアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、チオアルキル、ハロゲン、シアノ、アルキルスルホニル、およびニトロから選択される最高で2つの置換基と任意に独立して置換される、
請求項1から4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項8】
環ヘテロ原子の総数が4個以下であり、かつ、環のヘテロ原子の1つより多くが酸素または硫黄でないことを条件として、XがC、O、SおよびNから選択される5個の環原子を有する任意に置換される単環ヘテロアリール環であり、ここでヘテロアリール環が、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、C−Cアルコキシ、CF、カルボキシ、アルコキシアルキル、C−Cシクロアルキルアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、チオアルキル、ハロゲン、シアノ、アルキルスルホニル、およびニトロから選択される最高で2つの置換基と任意で独立して置換される、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
Xが、任意に置換された1、2、3−トリアジニル、1、2、4−トリアジニル、1、3、5−トリアジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、1H−プロピル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、1、2、3−トリアゾリル、1、2、4−トリアゾリル、1、2、3−オキサジアゾリル、1、2、4−オキサジアゾリル、1、2、5−オキサジアゾリル、1、3、4−オキサジアゾリル、1、2、3−チアジアゾリル、1、2、4−チアジアゾリル、1、2、5−チアジアゾリル、1、3、4−チアジアゾリル、テトラゾリル、1、2、3、4−オキサトリアゾリル、1、2、3、5−オキサトリアゾリル、1、2、3、4−チアトリアゾリル、および1、2、3、5−チアトリアゾリルから選択される、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
3個以下の環原子がNであることを条件として、XがCおよびNから選択される6個の環原子を有する単環ヘテロアリール環であり、ここでヘテロアリール環が、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、C−Cアルコキシ、CF、カルボキシ、アルコキシアルキル、C−Cシクロアルキルアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、チオアルキル、ハロゲン、シアノ、アルキルスルホニル、およびニトロから選択される最高で2つの置換基と任意で独立して置換される、請求項7記載の化合物。
【請求項11】
Xが、任意に置換される1、2、3−トリアジニル、1、2、4−トリアジニル、1、3、5−トリアジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニルおよびピリミジニルから選択される、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
Xが、C−Cアルキル、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、シクロプロピルメチル、C−Cアルコキシ、CF、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオアルキル、ハロゲン、アルキルスルホニルおよびシアノから選択される1つの基と任意に置換される4−ピリジニルである、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
Xが任意に置換することが可能な任意に置換されるフェニル基であり、置換基がC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、C−Cアルコキシ、CF、カルボキシ、アルコキシアルキル、C−Cシクロアルキルアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、チオアルキル、ハロゲン、シアノ、アルキルスルホニル、およびニトロから選択される、請求項5記載の化合物。
【請求項14】
フェニル基が少なくとも、任意に置換可能である4位で置換され、置換基がC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、C−Cアルコキシ、CF、カルボキシ、アルコキシアルキル、C−Cシクロアルキルアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、チオアルキル、ハロゲン、シアノ、アルキルスルホニル、およびニトロから選択される、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
Zが、それぞれ任意に置換が可能であるイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−イル、イミダゾ[1、2−b]ピリダジン−2−イル、およびイミダゾ[1、2−b]ピリダジン−6−イルから選択され、置換基がC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、C−Cアルコキシ、CF、カルボキシ、アルコキシアルキル、C−Cシクロアルキルアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、チオアルキル、ハロゲン、シアノ、アルキルスルホニル、およびニトロから選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項16】
Zが、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、ハロゲン、アルキルスルホニルおよびシアノから独立して選択される最高3つまでの置換基と置換される、請求項1記載の化合物。
【請求項17】
Zが

であり、ここで、R'とR''が、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、ハロゲン、アルキルスルホニルおよびシアノから独立して選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項18】
Zが

であり、ここで、R'とR''が、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、ハロゲン、アルキルスルホニルおよびシアノから独立して選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項19】
Zが、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、ハロゲン、アルキルスルホニルおよびシアノから独立して選択された最高2つまでの置換基で置換したイミダゾ[1、2−a]ピリジン−2−イルである、請求項15記載の化合物。
【請求項20】
Zが、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、ハロゲン、アルキルスルホニルおよびシアノから独立して選択された最高2つまでの置換基で置換したイミダゾ[1、2−b]ピリダジン−2−イルである、請求項15記載の化合物。
【請求項21】
Zが、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、ハロゲン、アルキルスルホニルおよびシアノから独立して選択された最高2つまでの置換基で置換したイミダゾ[1、2−b]ピリダジン−6−イルである、請求項15記載の化合物。
【請求項22】
Zがピリジン−2−イルではない、請求項1記載の化合物。
【請求項23】
Zが置換されない、請求項1〜19のいずれか一項記載の化合物。
【請求項24】
がC−Cアルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項25】
結合している炭素と共に2つのR基が3員のシクロアルキル環を形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項26】
置換基がC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、CF、カルボキシ、シアノ、アミノおよびハロゲンから独立して選択される、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項27】
実施例1−732のいずれかから選択される、請求項1記載の化合物およびその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれか一項記載の化合物と、薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項29】
請求項28記載の医薬組成物の治療有効量をヒトに投与する段階を含む、CNS疾患を治療するための方法。
【請求項30】
請求項28記載の医薬組成物の治療有効量をヒトに投与する段階を含む、摂食障害、肥満、強迫性賭博、性的障害、睡眠発作、睡眠障害、糖尿病、メタボリックシンドロ−ムを治療するため、または禁煙治療において使用するための方法。
【請求項31】
請求項28記載の医薬組成物の治療有効量をヒトに投与する段階を含む、肥満、統合失調症、統合失調感情障害、ハンチントン病、双極性障害、ジストニーの症状、および遅発性ジスキネジアを治療するための方法。
【請求項32】
請求項28記載の医薬組成物の治療有効量をヒトに投与する段階を含む、統合失調症、統合失調感情障害を治療するための方法。
【請求項33】
請求項28記載の医薬組成物の治療有効量をヒトに投与する段階を含む、ハンチントン病を治療するための方法。
【請求項34】
請求項28記載の医薬組成物の治療有効量をヒトに投与する段階を含む、肥満およびメタボリックシンドロ−ムを治療するための方法。
【請求項35】
請求項28記載の医薬組成物の治療有効量をヒトに投与する段階を含む、双極性障害を治療するための方法。

【公表番号】特表2012−526107(P2012−526107A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509778(P2012−509778)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/068644
【国際公開番号】WO2010/128995
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(507184074)エンビボ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】