説明

フェノフィブリン酸および/またはそれの塩を含む経口医薬製剤

本発明は、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチルプロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチルプロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチルプロパン酸のうちの少なくとも一つを含む活性薬剤を含む経口製剤に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つを含む固体製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
フィブラート類のファミリーからの「フェノフィブラート」とも称される2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸1−メチルエチルエステルは、脂質調節剤である。フェノフィブラートは、例えば米国特許第3907792号、4895726号、6074670号および6277405号に記載されている。フェノフィブラートは、各種の異なる製剤で市販されており、成人内因性高脂血症、高コレステロール血症および高トリグリセリド血症の治療で使用される。フェノフィブラートの活性代謝物質は、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸であり、それはフェノフィブリン酸とも称される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フェノフィブラートなどのフィブラート類に関連する問題の一つは、これらの化合物が疎水性で、水にほとんど溶けないという点である。従って、これら化合物の生物学的利用能(すなわち、それらの消化管での吸収)は低いものとなり得る。フェノフィブラートの水での疎水性および低い溶解度のために、被験者の消化管でのフェノフィブラートの吸収は、被験者の食物摂取後に高くなる(絶食条件下で被験者がフェノフィブラートを摂取する場合と比較した場合)。絶食条件と摂取したフェノフィブラートの生物学的利用能を比較した場合に、この食物効果は望ましくない。さらに、患者が食物摂取とともに薬剤投与を行う必要があることから、被験者の服用遵守が、食物効果を有する薬剤での問題である。最近、複雑な技術を用いて、フェノフィブラートに関連する食物効果問題の克服が行われている。
【0004】
フェノフィブラートとは対照的に、フェノフィブリン酸は小腸領域で相対的に高い溶解度を有する。しかしながら、この溶解度上昇によって、フェノフィブリン酸、フェノフィブリン酸の塩または緩衝フェノフィブリン酸の送達制御に関連する問題が生じる可能性がある(例えば、Cmaxがフェノフィブラートを含む基準医薬組成物の許容(承認)限界を超える可能性)。例えば、非晶質フェノフィブリン酸を含む即時放出製剤が、例えば米国特許出願第2005/0148594号に記載されている。そこに報告されているように、非晶質フェノフィブリン酸を含む製剤は、被験者に投与した場合に、前記公開特許出願の実施例6に記載のフェノフィブラート含有カプセル製剤の2倍の生物学的利用能を示す。その結果、溶解度における上記の差を考慮すると、有効成分、すなわちフェノフィブラートを、そのような製剤でフェノフィブリン酸と簡単に置き換えることはできない。そこで、固体製剤を患者に投与した時に、前記固体製剤のCmaxがフェノフィブラートを含む基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないように、フェノフィブリン酸、フェノフィブリン酸の塩および/またはフェノフィブリン酸の緩衝液の放出が制御される、フェノフィブリン酸、フェノフィブリン酸の塩および/または緩衝フェノフィブリン酸を含む固体製剤が、当業界では必要とされている。前記固体製剤のCmaxが基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないと、前記固体製剤が基準医薬組成物と同等の安全性プロファイルを与えるものと予想され得る。効力上の理由から、そのような基準医薬組成物のAUCと同様のAUCを示すフェノフィブリン酸、フェノフィブリン酸の塩および/またはフェノフィブリン酸の緩衝液の固体製剤も、当業界では必要とされている。
【0005】
さらに、摂食条件下または絶食条件下で患者に投与した場合に、あまり食物効果を示さないフェノフィブリン酸、フェノフィブリン酸の塩および/または緩衝フェノフィブリン酸の固体製剤が当業界では必要とされている。そのような固体製剤は、摂食条件下または絶食条件下のいずれでも前記固体製剤を服用する柔軟性を患者に与えることで、患者の服用遵守を高めるものと考えられる。そうではあっても、これらの固体製剤を開発する上で必要な時間および資源は非常にかなりのものである。固体製剤は、適切な動物モデルおよび/またはヒト被験者での試験を必要とする。固体製剤が適切なCmaxおよび/またはAUCを達成しない場合は、次の回のイン・ビトロ試験およびイン・ビボ試験が必要となり得る。従って、1以上のモデルが開発されてその関係を説明し、固体製剤のイン・ビトロ特性とイン・ビボ応答(例えば、食物効果、生物学的利用能およびCmaxなど)との間の相関を提供することができるようになれば、当業者には有用であると考えられる。そのようなモデルは、そのような固体製剤を開発するのに必要な時間および資源の量を低減するものと考えられる。さらに、そのようなモデルは、固体製剤を開発およびスクリーニングする上での指針を製剤者に提供し得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1態様において本発明は、活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている前記製剤のパーセントが、(a)30分で70%以下;(b)30分で少なくとも0.9%および30分で70%以下;(c)60分で80%以下;(d)60分で少なくとも7.0%および60分で80%以下;(e)30分で少なくとも0.9%および70%以下および60分で少なくとも7.0%および80%以下;(f)90分で90%以下;または(g)30分で少なくとも0.9%および70%以下、60分で少なくとも7.0%および80%以下および90分で90%以下である固体製剤に関するものである。
【0007】
上記製剤(すなわち、(a)〜(g))は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないCmaxを示す。具体的には、上記製剤(すなわち(a)〜(o))のCmaxは、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、(1)基準医薬組成物のCmax未満;(2)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも125%;(3)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも120%;(4)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも115%;(5)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも110%;(6)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも105%;(7)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも100%;(8)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも95%;(9)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも90%;(10)前記基準医薬組成物の少なくとも85%;または(11)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも80%である。
【0008】
さらに、上記製剤(すなわち、(a)〜(g))のAUCが、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、(1)基準医薬組成物のAUCの少なくとも65%;(2)基準医薬組成物のAUCの少なくとも70%;(3)基準医薬組成物のAUCの少なくとも75%;(4)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも80%;(5)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも85%;(6)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも90%;(7)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも95%;(8)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも100%;(9)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも105%;(10)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも110%;(11)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも115%;(12)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも120%;または(13)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも125%である。
【0009】
別の態様において本発明は、活性薬剤を含む固体製剤であって前記活性薬剤が、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている前記製剤のパーセントが、(a)0.5時間で少なくとも15.0%および57.0%以下であり;(b)1時間で少なくとも40.0%および70.0%以下であり;または(c)0.5時間で少なくとも15.0%および57.0%以下であり、1時間で少なくとも40.0%および70.0%以下であり、さらには前記固体製剤の溶解プロファイルが時間の平方根に従う固体製剤に関するものである。
【0010】
上記製剤は、絶食条件下にヒト被験者に投与した後に、(1)基準医薬組成物のAUCの少なくとも65%;(2)基準医薬組成物のAUCの少なくとも70%;(3)基準医薬組成物のAUCの少なくとも75%;(4)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも80%;(5)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも85%;(6)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも90%;(7)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも95%;(8)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも100%;(9)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも105%;(10)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも110%;(11)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも115%;(12)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも120%;または(13)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも125%である。
【0011】
さらに、上記製剤のAUCは、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、(1)基準医薬組成物のAUCの少なくとも65%;(2)基準医薬組成物のAUCの少なくとも70%;(3)基準医薬組成物のAUCの少なくとも75%;(4)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも80%;(5)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも85%;(6)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも90%;(7)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも95%;(8)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも100%;(9)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも105%;(10)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも110%;(11)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも115%;(12)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも120%;または(13)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも125%である。
【0012】
別の態様において本発明は、活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている前記製剤のパーセントが、(a)0.5時間(30分)で少なくとも0.9%および以下62%;(b)1時間で少なくとも7.0%および71.0%以下;または(c)0.5時間(30分)で少なくとも0.9%および62%以下および1時間で少なくとも7.0%および71.0%以下である固体製剤に関するものである。
【0013】
上記製剤(すなわち、(a)〜(c))は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないCmaxを示す。具体的には、上記製剤(すなわち(a)〜(o))のCmaxは、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、(1)基準医薬組成物Cmax未満;(2)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも125%;(3)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも120%;(4)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも115%;(5)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも110%;(6)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも105%;(7)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも100%;(8)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも95%;(9)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも90%;(10)前記基準医薬組成物の少なくとも85%;または(11)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも80%である。
【0014】
さらに、上記製剤(すなわち、(a)〜(c))のAUCは、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、(1)基準医薬組成物のAUCの少なくとも65%;(2)基準医薬組成物のAUCの少なくとも70%;(3)基準医薬組成物のAUCの少なくとも75%;(4)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも80%;(5)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも85%;(6)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも90%;(7)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも95%;(8)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも100%;(9)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも105%;(10)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも110%;(11)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも115%;(12)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも120%;または(13)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも125%である。
【0015】
別の態様において本発明は、活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが、(a)1時間で少なくとも7.0%であり;(b)2時間で少なくとも16.0%であり;(c)3時間で少なくとも24.0%であり;(d)3.5時間で少なくとも28.0%であり;(e)4時間で少なくとも29.0%であり;(f)1時間で少なくとも7.0%および2時間で少なくとも16.0%であり;(g)1時間で少なくとも7.0%、2時間で少なくとも16.0%および3時間で少なくとも24.0%であり;(h)1時間で少なくとも7.0%、2時間で少なくとも16.0%、3時間で少なくとも24.0%および3.5時間で少なくとも28.0%であり;(i)1時間で少なくとも7.0%、2時間で少なくとも16.0%、3時間で少なくとも24.0%、3.5時間で少なくとも28.0%および4時間で少なくとも29.0%であり;(j)1時間で41.0%以下であり;(k)2時間で79.0%以下であり;(l)1時間で41.0%以下および2時間で79.0%以下であり;(m)1時間で7.0%〜41.0%であり;(n)2時間で16.0%〜79.0%であり;または(o)1時間で7.0%〜41.0%および2時間で16.0%〜79.0%である固体製剤に関する。
【0016】
上記製剤(すなわち、(a)〜(o))は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないCmaxを示す。具体的には、上記製剤(すなわち(a)〜(o))のCmaxは、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、(1)基準医薬組成物のCmax未満;(2)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも125%;(3)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも120%;(4)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも115%;(5)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも110%;(6)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも105%;(7)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも100%;(8)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも95%;(9)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも90%;(10)前記基準医薬組成物の少なくとも85%;または(11)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも80%である。
【0017】
さらに、上記製剤(すなわち、(a)〜(o))のAUCは、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、(1)基準医薬組成物のAUCの少なくとも65%;(2)基準医薬組成物のAUCの少なくとも70%;(3)基準医薬組成物のAUCの少なくとも75%;(4)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも80%;(5)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも85%;(6)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも90%;(7)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも95%;(8)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも100%;(9)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも105%;(10)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも110%;(11)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも115%;(12)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも120%;または(13)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも125%である。
【0018】
さらに別の態様において本発明は、固体製剤でに関する。活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが、(a)1時間で少なくとも9.0%であり;(b)2時間で少なくとも21.0%であり;(c)3時間で少なくとも34.0%であり;(d)3.5時間で少なくとも39.0%であり;(e)4時間で少なくとも44.0%であり;(f)1時間で少なくとも7.0%および2時間で少なくとも21.0%であり;(g)1時間で少なくとも9.0%、2時間で少なくとも21.0%および3時間で少なくとも34.0%であり;(h)1時間で少なくとも9.0%、2時間で少なくとも21.0%、3時間で少なくとも34.0%および3.5時間で少なくとも39.0%であり;(i)1時間で少なくとも9.0%、2時間で少なくとも21.0%、3時間で少なくとも34.0%、3.5時間で少なくとも39.0%および4時間で少なくとも44.0%であり;(j)1時間で9.0%〜41.0%であり;(k)2時間で21.0%〜79.0%であり;または(l)1時間で9.0%〜41.0%および2時間で21.0%〜79.0%である。
【0019】
上記製剤(すなわち、(a)〜(l))は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないCmaxを示す。具体的には、上記製剤(すなわち(a)〜(o))のCmaxは、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、(1)基準医薬組成物のCmax未満;(2)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも125%;(3)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも120%;(4)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも115%;(5)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも110%;(6)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも105%;(7)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも100%;(8)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも95%;(9)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも90%;(10)前記基準医薬組成物の少なくとも85%;または(11)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも80%である。
【0020】
さらに、上記製剤(すなわち、(a)〜(l))のAUCは、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、(1)基準医薬組成物のAUCの少なくとも65%;(2)基準医薬組成物のAUCの少なくとも70%;(3)基準医薬組成物のAUCの少なくとも75%;(4)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも80%;(5)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも85%;(6)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも90%;(7)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも95%;(8)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも100%;(9)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも105%;(10)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも110%;(11)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも115%;(12)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも120%;または(13)前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも125%である。
【0021】
さらに別の態様において本発明は、活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、前記固体製剤が示す二重pHでのイン・ビトロ溶解と単一pHでのイン・ビトロ溶解の間の差が(a)−10.0〜17.0;(b)−10.0〜9.0;または(c)−10.0〜2.0であり;さらには、前記二重pHおよび前記単一pHでの前記溶解がそれぞれ2時間で測定されるものである固体製剤に関する。上記固体製剤のAUCは、摂食状態でヒト被験者に経口投与した時に、絶食状態でヒト被験者に経口投与時の前記製剤のAUCと比較して、ほとんど変わらない。さらに、摂食条件下での前記製剤のAUCを絶食条件下での前記製剤のAUCで割った値は、(a)0.7〜1.43;または(b)0.80〜1.25である。さらに、上記製剤は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないCmaxを示す。具体的には、上記製剤のCmaxは、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、(1)基準医薬組成物Cmax未満;(2)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも125%;(3)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも120%;(4)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも115%;(5)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも110%;(6)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも105%;(7)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも100%;(8)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも95%;(9)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも90%;(10)前記基準医薬組成物の少なくとも85%;または(11)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも80%である。
【0022】
さらに別の態様において本発明は、活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、前記固体製剤が予想Δ相対Cmax(a)−0.2〜+0.8;または(b)−0.2〜+0.2を有する固体製剤に関する。上記固体製剤のAUCは、摂食状態でヒト被験者に経口投与した時に、絶食状態でヒト被験者に経口投与時の前記製剤のAUCと比較して、ほとんど変わらない。さらに、摂食条件下での前記製剤のAUCを絶食条件下での前記製剤のAUCで割った値は、(a)0.7〜1.43;または(b)0.80〜1.25である。さらに上記製剤は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないCmaxを示す。具体的には、上記製剤のCmaxは、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、(1)基準医薬組成物のCmax未満;(2)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも125%;(3)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも120%;(4)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも115%;(5)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも110%;(6)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも105%;(7)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも100%;(8)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも95%;(9)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも90%;(10)前記基準医薬組成物の少なくとも85%;または(11)前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも80%である。
【0023】
さらに別の態様において本発明は、少なくとも一つの活性薬剤を含む新規な経口医薬製剤であって、前記活性薬剤が、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩、緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸または2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩もしくは緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つの混合物のうちの少なくとも一つである経口医薬製剤に関するものある。
【0024】
さらに別の態様において本発明は、少なくとも一つの活性薬剤を含む新規な放出調節経口医薬製剤であって、前記活性薬剤が、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩、緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸または2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩もしくは緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つの混合物のうちの少なくとも一つである放出調節経口医薬製剤に関する。適宜に、前記製剤は、少なくとも一つの速度制御機構、少なくとも一つの腸溶コーティング、または少なくとも一つの速度制御機構および少なくとも一つの腸溶コーティングの組み合わせを含むことができる。
【0025】
別の態様において、本発明の放出調節経口医薬組成物は、少なくとも一つの核を含むことができる。本発明の製剤の核は、少なくとも一つの活性薬剤を含むことができる。例えば前記核は、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つを含むことができる。あるいは前記核は、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の少なくとも一つの混合物を含むことができる。適宜に、前記核は、少なくとも一つの速度制御機構を含むこともできる。
【0026】
上記核は、少なくとも一つの速度制御をしない層、少なくとも一つの速度制御機構、少なくとも一つの腸溶コーティングまたはそれらのいずれかの組み合わせで囲まれているかコーティングされていることができる。例えば前記核は、腸溶コーティングによって囲まれていることができる。あるいは、前記核は、速度制御をしない層で囲まれているかコーティングされていることができる。適宜に、この速度制御をしない層は、速度制御機構、腸溶コーティングまたは速度制御機構および腸溶コーティングの組み合わせで囲まれているかコーティングされていることができる。あるいは、前記核は、速度制御機構で囲まれているかコーティングされていることができる。この速度制御機構は、速度制御をしない層、腸溶コーティングまたは非速度制御機構および腸溶コーティングの組み合わせで囲まれているかコーティングされていることができる。
【0027】
別の態様において前記核は、不活性基質を含むことができる。この不活性基質は、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩、緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸または2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩もしくは緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の少なくとも一つの混合物のうちの少なくとも一つでコーティングされていることができる。このコーティングされた基質は、少なくとも一つの速度制御をしない層、少なくとも一つの速度制御機構、少なくとも一つの腸溶コーティングまたはそれらのいずれかの組み合わせで囲まれているかコーティングされていることができる。例えば前記核は、腸溶コーティングによって囲まれていても良い。あるいは前記基質は、速度制御をしない層で囲まれているかコーティングされていることができる。適宜に、この速度制御をしない層は、速度制御機構、腸溶コーティングまたは速度制御機構および腸溶コーティングの組み合わせで囲まれているかコーティングされていることができる。あるいは前記基質は、速度制御機構で囲まれているかコーティングされていることができる。この速度制御機構は、速度制御をしない層、腸溶コーティングまたは非速度制御機構および腸溶コーティングの組み合わせで囲まれているかコーティングされていることができる。本明細書に記載の放出調節製剤は、少なくとも一つの製薬上許容される賦形剤を含むことができる。本発明の製剤で使用に適切である製薬上許容される賦形剤を使用または包含させることができ、それには充填剤、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、溶解度向上剤、懸濁剤、甘味剤および/または香味剤、保存剤、緩衝剤、湿展剤、崩壊剤、発泡剤、界面活性剤、保湿剤、溶解遅延剤およびそれらの組み合わせなどがあるが、それらに限定されるものではない。
【0028】
本明細書に記載の前記少なくとも一つの速度制御機構は、活性薬剤またはその活性薬剤を囲むコーティング(膜)を含む混合物で用いることができる。活性薬剤を含む混合物として用いられる場合、本発明の製剤で使用される速度制御機構は、親水性薬剤、疎水性薬剤またはそれらの組み合わせであることができる。さらに、本発明の速度制御機構は、親水性薬剤および/または疎水性薬剤の親水性および/または疎水性を調節する上で役立ち得る製薬上許容される賦形剤を含んでいても良い。使用可能な親水性薬剤の例には、セルロース類(ヒドロキシプロピルメチルセルロース類、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース類など)、ポリエチレンオキサイド類、ポリエチレングリコール類、キサンタンガム類、アルギン酸類、ポリビニルピロリドン類、デンプン類、アクリル酸の架橋ホモポリマーおよびコポリマー、ならびにそれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されるものではない。使用可能な疎水性薬剤には、ロウ類または水不溶性薬剤などがあるが、それらに限定されるものではない。使用可能なロウ類の例には、カルナウバロウ、蜜ロウ、カンデリラロウ、パラフィンロウ類などの天然および合成ロウ類、ならびにそれらの組み合わせなどがあるが、それらに限定されるものではない。使用可能な水不溶性薬剤には、アンモニオメタクリレートコポリマー類(オイドラギット(Eudragit;登録商標)RL100およびRS100など)、セルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース類、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、メタクリル酸エステルコポリマー類(オイドラギット(登録商標)NE30Dなど)、微結晶セルロースおよびリン酸二カルシウムおよびそれらの組み合わせなどがあるが、それらに限定されるものではない。活性薬剤を囲むコーティング(膜)を用いる場合、速度制御機構には、エチルセルロース(シュアリース(Surelease;登録商標)およびアクアコート(Aquacoat;登録商標)ECDなど)、アンモニオメタクリレートコポリマー類(オイドラギット(登録商標)RL30DおよびRS30Dなど)およびメタクリル酸エステルコポリマー類(オイドラギット(登録商標)NE30Dなど)などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
本明細書において前述のように、本発明製剤は、1以上の速度制御をしない層、膜またはコーティングを含むことができる。製剤中の速度制御をしない層の位置はあまり重要ではない。例えば、速度制御をしない層は少なくとも一つの核と腸溶コーティングもしくは速度制御機構との間に存在していても良い。あるいは、速度制御をしない層は、腸溶コーティングまたは速度制御機構を取り囲んだり、コーティングしていることができる。速度制御をしない層は、1以上のポリマー、ならびに可塑剤、顔料/乳白剤など(それらに限定されるものではない)の当業界で公知の他の成分で構成されていることができる。使用可能なポリマーの例には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、およびポリエチレングリコールなどがあるが、それらに限定されるものではない。使用可能な可塑剤の例には、ポリエチレングリコール(類)、グリセリン、トリアセチン、クエン酸トリエチル、フタル酸ジエチルおよび鉱油などがあるが、それらに限定されるものではない。使用可能な顔料/乳白剤の例には、水溶性染料、顔料および天然物などがあるが、それらに限定されるものではない。
【0030】
やはり本明細書において前述したように、本発明の製剤は少なくとも一つの腸溶コーティングを含むこともできる。本発明においてはいかなる腸溶コーティングも使用可能であり、それにはメタクリル酸およびメタクリル酸エステルコポリマー類、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、アクリル酸エチル/メタクリル酸コポリマー類、酢酸トリメリト酸セルロース、シェラックおよびそれらの組み合わせの溶液または分散液などがあるが、これらに限定されるものではない。さらに、本発明の製剤で使用される腸溶コーティングは、単一層または複数層で形成することができる。コーティングの厚さは、当業者が容易に決定することができるが、胃の酸性環境で製剤を保護できるだけのものでなければならない。
【0031】
本発明の製剤はさらに、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸以外の活性薬剤を含むことができる。これらの他薬剤の製剤内での位置はあまり重要ではない。あるいは本発明の製剤は、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩および/または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸以外の1以上の薬剤を含む1以上の別の製剤と併用投与することができる。使用可能な2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸以外の他薬剤の例には、脂質調節剤類(アトルバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、クロフィブリン酸、ナイアシン/ニコチン酸、トルセトラピブ、コレスチポール、オメガ−3酸エチルエステル類、コレセベラム、コレスチラミン、エゼチミベ、MD−0727、ゲムフィブロジルまたはプロブコールなどがあるが、それらに限定されるものではない);抗高血圧剤(アムロジピン、ベナゼプリル、ベニジピン、カンデサルタン、カプトプリル、カルベジロール、ダロジピン、ジルチアゼム、ジアゾキシド、ドキサゾシン、エナラプリル、エプレロノン(epleronone)、エプロサルタン、フェロジピン、フェノルドパム、フォシノプリル、グアナベンズ、イロプロスト、イルベサルタン、イスラジピン、レルカルジニピン(lercardinipine)、リシノプリル、ロサルタン、ミノキシジル、ネビボロール、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、オマパトリラット、フェノキシベンゾアミン、プラゾシン、キナプリル、レセルピン、セモチアジル、シタクスセンタン、テラゾシン、テルミサルタン、ラベトロール、バルサルタン、トリアムテレン、メトプロロール、メチルドーパ、ラミプリル、オルメサルタン、チモロール、ベラパミル、クロニジン、ナドロール、ベンドロメチアジド(bendromethiazide)、トルセミド、ヒドロクロロチアジド、スピンロノラクトン(spinronolactone)、ペリンドプリル、ヒドララジン、ベタキソロール、フロシミド(furosimide)、ペンブトロール、アセブトロール、アテノルール、ビソプロロール、ナドロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、チモロール、インダパミド、トランドプリル、アミロリド、モエキシプリル、メトロゾン(metolozone)またはバルサルタンなどがあるが、それらに限定されるものではない);抗糖尿病薬(アカルボース、経口インシュリン、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、シグリタゾン、ファルグリタザル、グリベンクラミド、グリクラジド、グリピジド、グルカゴン、グリブリド、グリメピリド、ミグリトール、ピオグリタゾン、ナテグリニド、ピマゲジン、レパグリニド、ロシグリタゾン、トラザミド、トルブタミド、トリアムプテリン(triampterine)またはトログリタゾンなどがあるが、それらに限定されるものではない);体重減少薬(フェンテルミン、フェンジメトラジン、ベンズフェタミン、ジエチルプロピオン、シブトラミン、オルリスタットまたはリモナバントなどがあるが、それらに限定されるものではない);抗レトロウィルス薬(アンプレナビル、チプリナビル(tiprinavir)、ラミブジン、インディナビル、エムトリシタビン、アバカビル、エンフビルチド、サクイナビル、ロピナビル、リトナビル、ホスアンプレナビル、メシル酸デラビラジン、ジドブジン、アタザナビル、エファビレンツ、テノフィビル(tenofivir)、エムトリシタビン、ディダノシン、ネルフィナビル、ネビラピンまたはスタブジンなどがあるが、これらに限定されるものではない);抗血小板薬(アスピリン、シロスタゾールまたはペントキシフィリンなどがあるが、これらに限定されるものではない);またはビタミン類、ミネラル類またはビタミンとミネラルの組み合わせ(葉酸、カルシウムまたは鉄などがあるが、これらに限定されるものではない)などがあるが、それらに限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
I.定義
本明細書および添付の特許請求で使用される場合、単数形の「一つの」、「ある」および「その」という用語は、文脈が別の意味を明瞭に示していない限り、複数での言及を含むものである。そこで例えば、「(一つの)活性薬剤」という場合は単一の活性薬剤ならびに2以上の異なる活性薬剤の組み合わせが含まれ、「(一つの)賦形剤」という場合は2以上の賦形剤の混合物ならびに単一の賦形剤などが含まれる等である。
【0033】
本発明を説明および特許請求するにおいて、下記の用語を、下記で示した定義に従って使用する。
【0034】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、「大体」という用語と同義で使用される。説明すると、「約」という用語の使用は挙げられている値の若干外側の値、すなわち±10%を含むものである。従ってそのような用量は、「約」および「大体」という用語を使う特許請求の範囲によって包含される。
【0035】
本明細書で使用される場合、「AUC」という用語は、台形法則を用いて計算される活性薬剤の血漿濃度時間曲線下の面積を指す。「AUC」という用語は、台形法則を用いて計算される単位ng・h/mLで投与後0〜120時間の血漿濃度時間曲線下の面積を意味する。「AUC」という用語は、0〜無限時間の血漿濃度時間曲線下の面積を意味する。AUCはAUC+LMT/(−β)として計算され、「LMT」は、最終測定可能血漿濃度であり、βは最終相排出速度定数である。本明細書において別段の断りがない限り、あUCについての報告値はAUCの中央値である。
【0036】
本明細書で使用される場合、「活性薬剤」、「薬理的に活性な薬剤」、および「医薬」という用語は、本明細書において互換的に、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸を指すのに用いられる。その用語は、塩類および緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸も包含する。「活性薬剤」、「薬理的に活性な薬剤」、および「医薬」という用語を用いる場合、理解すべき点として、本願人らは2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸自体、ならびに塩類および緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸を含むことを意図している。2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩類には、コリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、トロメタミン、リジン、ピペラジン、カルシウムおよびトロメタミンなどがあるが、それらに限定されるものではない。緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸を提供するのに用いることができる対イオンの例には、水酸化カルシウム、水酸化コリン、ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、グアニジン、水酸化マグネシウム、メグルミン、エタノールアミン、ピペラジン、ピペリジン、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、トロメタミン、ベンザチン、ベンゼン−エタンアミン、アデニン、水酸化アルミニウム、水酸化アンモニウム、シトシン、ジエチルアミン、グルコサミン、グアニン、ニコチンアミド、水酸化カリウム、水酸化亜鉛、ヒドラバミン、トリブチルアミン、デアノル、エポラミン、水酸化リチウム、プロカイン、ピリドキシン、トリエタノールアミン、オルニチン、グリシン、リジン、アルギニン、バリン、セリン、プロリン、アスパラギン酸、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニンまたはトレオニンなどがあるが、それらに限定されるものではない。本発明の固体製剤を製造するのに用いられる活性薬剤の固体形態はあまり重要ではない。例えば、固体製剤を製造するのに用いられる活性薬剤は、非晶質または結晶性であることができる。最終製剤は、少なくとも検出できる量の結晶性活性薬剤を含む。活性薬剤の結晶性は、粉末X線回折分析、示差走査熱量測定またはいずれか当業界で公知の他の技術を用いて検出することができる。
【0037】
本明細書に記載されている場合、2つの製剤間のAUCを比較するための90%信頼区間(「CI」)が0.70〜1.43である場合、より好ましくはCIが0.80〜1.25である場合に、2つの製造物、固体製剤または方法は「生理的に等価」と見なされる。
【0038】
本明細書で使用される場合、「CL/F」という用語は、見かけの経口クリアランスを指し、用量をAUCによって割ることで計算される。
【0039】
本明細書で使用される場合、「Cmax」という用語は、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の最大血漿濃度を指す。本明細書において別段の断りがない限り、Cmaxについての報告値はCmaxの中央値である。
【0040】
本明細書で使用される場合、「遅延放出」という用語は、医薬製剤がその医薬製剤の経口投与とその製剤からの医薬の放出との間で時間的遅れを示す一種の放出調節を指す。当業者には公知のパルス放出系(「パルス医薬放出」とも称される)および腸溶コーティングの使用は、遅延放出機構の例である。
【0041】
本明細書で使用される場合、「デルタ溶解時間」または「Δdiss」という表現は、下記式を指す。
【0042】
Δdiss=時間tでの溶解(二重pH法を使用)−時間tでの溶解(単一pH法を使用)。
【0043】
例えば、時間(「t」)は、0.5時間(30分)、1.0時間、2.0時間などであることができる。
【0044】
本明細書で使用される場合、「Δdiss0.5hr」は、ある製剤についての0.5時間(30分)での二重pHのイン・ビトロ溶解試験を用いた場合と同じ製剤についての0.5時間(30分)での単一pHのイン・ビトロ溶解を用いた場合での測定された放出における差から得られる値または数字を指す。
【0045】
本明細書で使用される場合、「Δdiss1.0hr」は、ある製剤についての1時間での二重pHのイン・ビトロ溶解試験を用いた場合と同じ製剤についての1時間での単一pHのイン・ビトロ溶解を用いた場合での測定された放出における差から得られる値または数字を指す。
【0046】
本明細書で使用される場合、「Δdiss2.0hr」は、ある製剤についての2時間での二重pHのイン・ビトロ溶解試験を用いた場合と同じ製剤についての2時間での単一pHのイン・ビトロ溶解を用いた場合での測定された放出における差から得られる値または数字を指す。
【0047】
本明細書で使用される場合、本明細書で互換的に使用される「二重pHでの溶解」、「二重pH」または「二重pH系」という表現は、下記の表1に記載の方法を指す。
【0048】
【表1】

【0049】
疑問を回避するため、二重pH系では、前記系に溶解した活性薬剤のパーセント(%)の測定は、製剤または組成物を酸段階媒体pH3.5で2時間曝露してから開始する。例えば、二重pH系に30分で溶けている活性薬剤Xの量を、酸段階媒体を加えてから2時間30分後に測定する。活性薬剤Xを含む製剤または組成物は、最初の2時間は酸段階で経過させる。製剤をpH3.5の酸段階に2時間曝露した後、0.05Mリン酸ナトリウム(pH約11.5)400mLを、0.05Mリン酸ナトリウム緩衝液+0.2M NaCl(pH3.5)500mLに加えて、0.05Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.8±0.05を得る。溶解した活性薬剤の量(すなわち溶解パーセント(%))を、緩衝液段階媒体を加えてから30分後に測定する。この二重pH法下で測定された溶解パーセント(%)を、製剤の強度に正規化した。
【0050】
本明細書で使用される場合、本明細書で互換的に使用される「単一pHでの溶解」、「単一pH」または「単一pH系」という表現は、下記の表2に記載の方法を指す。
【0051】
【表2】

【0052】
この二重pH法下で測定された溶解パーセント(%)を、製剤の強度に正規化した。
【0053】
「有効量」または「治療上有効量」の活性薬剤とは、無毒性であるが所望の効果を提供する上で十分な量の活性薬剤を意味する。「有効」な活性薬剤の量は、被験者ごとに変わるものであって、個人の年齢および全身の状態、特定の単一または複数の活性薬剤などによって決まる。そこで、正確な「有効量」を具体的に記載することが常に可能であるとは限らない。しかしながら、個々の場合での適切な「有効量」は、通常の実験を用いて当業者が決定することが可能である。
【0054】
本明細書で使用される場合、「延長放出」または「徐放」という用語は、長期間にわたって薬剤を徐々に放出する薬物製剤を指す。
【0055】
本明細書で使用される場合、「絶食」患者、「絶食状態」または「絶食」とは、摂食していない患者、すなわち少なくとも一つの活性薬剤を含む本発明の経口製剤の投与前の少なくとも10時間にわたって絶食しており、製剤投与から少なくとも4時間にわたって食物を摂取せず、絶食を継続する患者を指す。その製剤は好ましくは、絶食期間中は水240mLとともに投与し、水は摂取の前1時間までおよび1時間後は自由に摂取しても良い。
【0056】
本明細書で使用される場合に、「摂食患者」、「摂食状態」または「摂食」とは、少なくとも10時間の終夜にわたって絶食しており、その後全試験食を消費してから、30分後に試験製剤の最初の服用を行った患者を指す。本発明の製剤は、食事完了から5分以内に水240mLとともに投与する。その後、投与から少なくとも4時間は食物摂取はできない。水は摂取の前1時間までおよび1時間後は自由に摂取しても良い。高脂肪試験食は、カロリー含有量の約50%が食事の脂肪含有量由来のものである患者に約1000カロリーを提供するものである。代表的な高脂肪高カロリー試験食には、150タンパク質カロリー、250炭水化物カロリーおよび500〜600脂肪カロリーを提供するバターで揚げた卵2個、ベーコン2片、バターを塗ったトースト2切れ、ハッシュブラウンポテト4オンスおよび全乳8オンスが含まれる。高脂肪食は、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の食品試験の臨床効果で用いることができる。そのような高脂肪試験食を摂る患者は、本明細書において「高脂肪摂食条件」下にあると称される。低脂肪試験食は、カロリー含有量の約30%が食事の脂肪含有量由来である患者に対して約500カロリーを提供するものである。そのような低脂肪試験食を摂る患者は、本明細書において「低脂肪摂食条件」下にあると称される。
【0057】
本明細書で使用される場合、本明細書で互換的に使用される「製剤」、「形態」または「投与剤」という用語は、所望の治療効果を達成するだけの量の活性薬剤を含む医薬組成物の形態を示すものである。過量投与となることなく効率的に最も有効な結果を与える投与回数は、特定の活性薬剤の薬理的特性およびそれの物理的特性などのその活性薬剤の特性によって変わるものである。
【0058】
本明細書で使用される場合、「不活性基質」という用語は、(a)異なるオキサイド類、セルロース類、有機ポリマーおよび他の材料を単独もしくは混合物で含む水不溶性の基質またはシード;または(b)異なる無機塩、糖類、ノンパレイユおよび他の材料を単独もしくは混合物で含む水溶性の基質またはシードを指す。
【0059】
本明細書で使用される場合、「膜」という用語は、水溶液または体液に対して浸透性で、活性薬剤に対しても浸透性であり得るフィルムまたは層を指す。
【0060】
本明細書で使用される場合、「調整」という用語は、薬剤放出が即時ではない薬剤含有製剤を指す(例えば、Guidance for Industry SUPAC-MR: Modified Release Solid Oral Dosage Forms, Scale-Up and Postapproval Changes: Chemistry, Manufacturing, and Controls; In Vitro Dissolution, Testing and In Vivo Bioequivalence Documentation, U.S. Department of Health and Human services, Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research (″CDER″), September 1997 CMC 8, page 34を参照する。参照によって本明細書に組み込まれる)。調整製剤では、前記製剤の投与によって、薬剤や活性薬剤の吸収プールへの即時放出は生じない。その用語は、レミングトンの著作(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed. (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995))で定義の「非即時放出」と互換的に使用される。本明細書で使用される場合、「放出調節」という用語は、長期放出製剤、持続製剤、遅延放出製剤および徐放製剤を含む。
【0061】
本明細書で使用される場合、「観察ΔRelativemax」という表現は、下記式を指す。
【0062】
観察ΔRelativemax=摂食条件下での相対Cmax−絶食条件下での相対Cmax
本明細書で使用される場合、「製薬上許容される賦形剤」または「製薬上許容される添加剤」と言う場合などでの「製薬上許容される」という表現は、無毒性であるか他の形態で生理的に許容される材料を意味する。
【0063】
本明細書で使用される場合、「基準医薬組成物」または「基準薬」という用語は、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸・1−メチルエチルエステル200mgを含むカプセルを指す。基準医薬組成物は、低脂肪摂食条件下でヒト被験者に経口投与される。基準医薬組成物は、トリコール(登録商標)(Abbott Laboratories, Abbott Park, Illinois)である。
【0064】
本明細書で使用される場合、「相対Cmax」という用語は下記の式を指す。
【0065】
相対Cmax=(観察Cmax)/(基準医薬組成物で観察されるCmax
上記式における「観察Cmax」は、試験製剤(摂食もしくは絶食条件下での経口投与後の本発明の製剤などがあるが、それらに限定されるものではない)のCmaxである。
【0066】
本明細書で使用される場合、「類似性係数」または「f」という用語は、下記式を指す。
【0067】
【数1】

式中、LOG=底10に対する対数、n=サンプリング時間点数、Σ=時間点全体での合計、R=基準医薬製剤の時間点tでの平均溶解およびT=試験製剤(本発明の固体製剤などがあるが、それらに限定されるものではない)の時間点tでの平均溶解である。
【0068】
50〜100のf値は、2つの溶解プロファイルが類似していることを示唆する。類似性係数またはfについての詳細な説明が文献にある(the Guidance for Industry SUPAC-MR: Modified Release Solid Oral Dosage Forms, Scale-Up and Postapproval Changes: Chemistry, Manufacturing, and Controls; In Vitro Dissolution, Testing and In Vivo Bioequivalence Documentation, U.S. Department of Health and Human services, Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research (″CDER″), September 1997 CMC 8, pages 32-33;参照によって本明細書に組み込まれる)。
【0069】
本明細書で使用される場合、「被験者」という用語は、動物、好ましくはヒトもしくは非ヒトなどの哺乳動物を指す。患者および被験者という用語は、本明細書において互換的に用いることができる。
【0070】
本明細書で使用される場合、「Tmax」という用語は、最大観察血漿濃度までの時間を指す。
【0071】
本明細書で使用される場合、「処置」および「治療」という用語は、症状の重度および/または頻度の低減、症状および/または基礎原因の消失、症状および/またはそれの基礎原因の発生の予防、および損傷の改善もしくは修復を指す。そこで、例えば、患者「の治療」には、感受性個体における特定の障害もしくは有害生理事象の予防ならびに障害もしくは疾患を阻害もしくは退行を引き起こすことによる臨床的に症候性の個体の治療が関与する。
【0072】
本発明は、少なくとも一つの活性薬剤を含む固体製剤に関する。本発明の固体製剤は、多くの目的を達成するものである。最初に、本発明の固体製剤は、絶食条件下でヒト被験者に投与した場合、基準医薬組成物のCmaxを超えないCmaxを達成する。そのような固体製剤は、基準医薬組成物と同等の安全性プロファイルを提供する。第2に、本発明の固体製剤の中には、ヒト被験者に投与した場合に、基準医薬組成物AUCとほとんど変わらないAUCを示すものもある。そこで、そのような固体製剤は、基準医薬組成物と同様の効力を示す。第3に、本発明の固体製剤の中には、摂食および絶食条件下で被験者に投与した場合にほとんど食物効果を示さないものもある。そのような固体製剤によって、食中での服用や食事なしでの服用を確実に行う必要がないことから、被験者の簡便性が高くなり、それにより被験者の服用遵守が高まる。被験者の服用遵守性が低い場合には、薬剤を処方する医学的状態が適切に管理できない可能性があることから、この点は重要である。
【0073】
本発明はさらに、新たに開発された固体製剤が、イン・ビトロ溶解と生物学的等価性との間の相関に基づいて基準医薬組成物と生理的に等価である可能性があるか否かを決定するためのモデルを提供するものである。さらに本発明は、新たに開発された固体製剤がヒト被験者に投与された場合に有意な食物効果を示す可能性があるか否かを決定するためのモデルを提供するものである。さらに本発明は、イン・ビトロ溶解とCmaxとの間の相関に基づいて新たに開発された固体製剤のCmaxを予測するためのモデルをも提供する。本明細書に記載のモデルは、そのような固体形態を開発するのに必要な時間および資源を削減するものである。
【0074】
II.本発明の製剤
A.溶解
本明細書に示した溶解値は、別段の断りがない限り、活性薬剤130mgまたは135mgのいずれかを含む従来の製剤を用いて測定した。
【0075】
1態様において本発明は、少なくとも一つの活性薬剤を含む製剤であって、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶解している前記製剤の前記活性薬剤のパーセント(%)が下記の表3および4に示したものである製剤に関する。表3に示した溶解値は、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸(以下、「無希釈薬剤」と称する)135mgを含む従来のカプセルでの単一pH法を用いて測定した。実施例における表25〜30中のCmax値に基づくと、無希釈医薬のCmaxは、基準医薬組成物のCmaxを超えると予想される。表4に示した溶解値の上限は、表3からのものである。表4に示した溶解値の下限は、製剤1〜2および5〜13を用いる類似性係数計算に基づいて求めた(実施例に記載)。溶解値は、上記製剤についての全ての計算類似性係数の最低値を表している。
【0076】
【表3】

【0077】
【表4】

【0078】
上記の製剤はいずれも、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないCmaxを有する。好ましくは、上記の製剤はいずれも、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物Cmax未満であるCmaxを有する。さらに、上記の製剤は、前記基準医薬組成物のCmaxの約125%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約120%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約115%であるCmax、基準医薬組成物Cmaxの約110%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約105%であるCmaxまたは前記基準医薬組成物のCmaxの約100%であるCmaxを有することができる。さらに、上記の製剤は、前記基準医薬組成物のCmaxの約95%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約90%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約85%であるCmax、または前記基準医薬組成物のCmaxの約80%であるCmaxを有する。そこで本明細書に記載の製剤は、基準医薬組成物と同様以上の安全性プロファイルを提供するものと予想される。
【0079】
さらに、上記の製剤は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも65%であるAUCを示す。より具体的には、上記の製剤は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも70%であるAUCを示し、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも75%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも80%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも85%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも90%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも95%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも100%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも105%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも110%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも115%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも120%;または前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも125%であるAUCを示す。
【0080】
第2の態様において本発明は、前記固体製剤からの少なくとも一つの活性薬剤の放出特性が単一pHでのイン・ビトロ溶解における時間(t)の平方根に従う固体製剤に関する。時間の平方根に従う溶解プロファイルは当業界では公知であり、文献に記載されている(例えば、T. Higuchi, J. Pharm. Sci., 52:1145 (1963);Peppas et al., Pharm. Aata. HeIv., 60:110-111 (1985);およびJ.L. Ford et al., Int. J. Pharm., 71:95-104 (1991))。本明細書で使用される時間平方根プロファイルは下記式を有する。
【0081】
溶解%=A+B(t
式中、Aは溶解%の単位での推定Y切片である。Bは、溶解速度に関係する定数である。AおよびBは、少なくとも一つの活性薬剤を含む特定の固体製剤の特性であり、tは時間(時間)であり、nは拡散指数である。本発明の固体製剤の場合、nは約0.4〜約0.8、好ましくは約0.4〜約0.7である。
【0082】
単一pHにてイン・ビトロ溶解で溶けている製剤の活性薬剤のパーセント(%)を、下記の表5に示してある。
【0083】
【表5】

【0084】
単一pHでの前記イン・ビトロ溶解における活性薬剤の溶解を、溶解パーセントが約80%となる前に選択される最低3つの時間点で測定される。好ましくはこれらの測定は、少なくとも3回の繰り返しで(ただし、さらに大きい繰り返し数を用いることが可能である)行い、これら測定値の平均値(平均とも称される)を時間平方根式で用いる。上記の製剤はいずれも、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないCmaxを有する。好ましくは、上記の製剤はいずれも、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のCmax未満であるCmaxを有する。さらに、上記の製剤は、前記基準医薬組成物のCmaxの約125%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約120%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約115%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約110%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約105%であるCmax、または前記基準医薬組成物のCmaxの約100%であるCmaxを有することができる。さらに、上記の製剤は、前記基準医薬組成物のCmaxの約95%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約90%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約85%であるCmax、または前記基準医薬組成物のCmaxの約80%であるCmaxを有する。そこで、本明細書に記載の製剤は、基準医薬組成物に匹敵する以上の安全性プロファイルを提供するものと予想される。
【0085】
さらに、上記の製剤は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも65%であるAUCを示す。より具体的には、上記の製剤は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも70%であるAUCを示し、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも75%であるAUCを示し、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも80%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも85%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも90%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも95%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも100%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも105%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも110%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも115%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも120%;または前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも125%であるAUCを示す。
【0086】
第3の態様において本発明は、少なくとも一つの活性薬剤を含む製剤であって、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けていてる前記製剤の前記活性薬剤のパーセント(%)が下記の表に示した通りである製剤に関する。下記の表6に示した溶解値は、類似性係数を用いて測定したものである。表6で示した溶解値の下限は、製剤1〜2および5〜13を用いる類似性係数計算に基づいて決定したものである。前記溶解値は、上記製剤についての全ての類似性係数計算値の最低値を表す。表6で示した溶解値の上限は、無希釈医薬を用いての類似性係数計算に基づいて求めたものである。その溶解値は、無希釈医薬についての類似性係数計算値の相対的に低い値を表すものである。
【0087】
【表6】

【0088】
上記の製剤はいずれも、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないCmaxを有する。好ましくは、上記の製剤はいずれも、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のCmax未満であるCmaxを有する。さらに、上記の製剤は、前記基準医薬組成物のCmaxの約125%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約120%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約115%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約110%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約105%であるCmaxまたは前記基準医薬組成物のCmaxの約100%であるCmaxを有する。さらに、上記の製剤は、前記基準医薬組成物のCmaxの約95%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約90%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約85%であるCmax、または前記基準医薬組成物のCmaxの約80%であるCmaxを有する。そこで、本明細書に記載の製剤は、基準医薬組成物と同等以上の安全性プロファイルを提供するものと予想される。
【0089】
さらに、上記の製剤は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも65%であるAUCを示す。より具体的には、上記の製剤は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも70%であるAUCを示し、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも75%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも80%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも85%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも90%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも95%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも100%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも105%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも110%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも115%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも120%;または前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも125%であるAUCを示す。
【0090】
第4の態様において本発明は、少なくとも一つの活性薬剤を含む製剤であって、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている前記製剤の前記活性薬剤のパーセント(%)が下記の表7、8、9、10、11および12に示した通りである製剤に関するものである。下記の表7、8、9、10、11および12で示した溶解値は、類似性係数を用いて求めたものである。表7、8、11および12に示した溶解値の下限は、製剤1〜2および5〜13を用いる類似性係数計算に基づいて求めたものである。その溶解値は、上記製剤についての全ての類似性係数の計算値のうちの最低値を表すものである。表9、10、11および12に示した溶解値の上限は、製剤1〜2および5〜13を用いる類似性係数計算に基づいて求めたものである。その溶解値は、上記製剤についての全ての類似性係数計算値の最高値を表す。
【0091】
【表7】

【0092】
【表8】

【0093】
【表9】

【0094】
【表10】

【0095】
【表11】

【0096】
【表12】

【0097】
上記の製剤はいずれも、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないCmaxを有する。好ましくは、上記の製剤はいずれも、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物のCmax未満であるCmaxを有する。さらに、上記の製剤は、前記基準医薬組成物のCmaxの約125%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約120%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約115%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約110%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約105%であるCmaxまたは前記基準医薬組成物のCmaxの約100%であるCmaxを有することができる。さらに、上記の製剤は、前記基準医薬組成物のCmaxの約95%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約90%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約85%であるCmax、または前記基準医薬組成物のCmaxの約80%であるCmaxを有する。そこで、本明細書に記載の製剤は、基準医薬組成物と同等以上の安全性プロファイルを提供するものと予想される。
【0098】
さらに、上記の製剤は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも65%であるAUCを示す。より具体的には、上記の製剤は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも70%であるAUCを示し、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも75%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも80%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも85%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも90%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも95%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも100%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも105%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも110%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも115%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも120%;または前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも125%であるAUCを示す。
【0099】
第5の態様において本発明は、少なくとも一つの活性薬剤を含む製剤であって、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている前記製剤の前記活性薬剤のパーセント(%)が下記の表13、14、15および16に示した通りである製剤に関するものである。下記の表13、14、15および16に示した溶解値は、類似性係数を用いて求めたものである。表13および14に示した溶解値の下限は、製剤1、5、8および9〜13を用いる類似性係数計算に基づいて求めたものである。その溶解値は、上記製剤についての全ての類似性係数計算値のうちの最低値を表す。表15および16に示した溶解値の上限は、製剤1、5、8および9〜13を用いる類似性係数計算に基づいて求めたものである。その溶解値は、上記製剤についての全ての類似性係数計算値のうちの最高値を表す。
【0100】
【表13】

【0101】
【表14】

【0102】
【表15】

【0103】
【表16】

【0104】
上記で示した溶解値を有する製剤は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物のAUCと同様のAUCを示す(すなわち、それらは生理的に等価である)。そこで、本明細書に記載の製剤は、基準医薬組成物と同等の効力を提供するものと予想される。
【0105】
さらに、上記の製剤は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも65%であるAUCを示す。より具体的には、上記の製剤は、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも70%であるAUCを示し、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも75%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも80%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも85%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも90%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも95%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも100%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも105%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも110%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも115%、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも120%;または前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも125%であるAUCを示す。
【0106】
上記の製剤はいずれも、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないCmaxを有する。好ましくは、上記の製剤はいずれも、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、前記基準医薬組成物のCmax未満であるCmaxを有する。さらに、上記の製剤は、前記基準医薬組成物のCmaxの約125%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約120%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約115%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約110%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約105%であるCmaxまたは前記基準医薬組成物のCmaxの約100%であるCmaxを有することができる。さらに、上記の製剤は、前記基準医薬組成物のCmaxの約95%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約90%であるCmax、前記基準医薬組成物のCmaxの約85%であるCmax、または前記基準医薬組成物のCmaxの約80%であるCmaxを有する。そこで、本明細書に記載の製剤は、前記基準医薬組成物と同等以上の安全性プロファイルを提供するものと予想される。
【0107】
B.経口投与に対する有意な食物効果の欠如
本発明はまた、少なくとも一つの活性薬剤を含む固体製剤であって、処置を必要とする1以上の被験者に対して前記製剤を経口投与した時に有意な食物効果を持たない製剤に関する。本明細書で使用される場合、「有意な食物効果がない」という用語は、(a)活性薬剤を含む本発明の固体製剤を、摂食条件下でヒト被験者に経口投与した時に、その製剤が、絶食条件下でヒト被験者に経口投与した後の前記製剤のAUCと同様(またはそれとほとんど変わらない)のAUCを示す(摂食条件下でヒト被験者に経口投与下後の本発明の製剤のAUCが食物によって影響されないことを意味する)こと;または(b)摂食または絶食条件下でヒト被験者に経口投与した後の本発明の固体製剤のCmax(以下、「CmaxP.I.」)を基準医薬組成物のCmax(以下、「CmaxR.P.C.」)で割った時に、得られる比が1.25未満(すなわち、[CmaxP.I.(摂食または絶食)/CmaxR.P.C.(低脂肪摂食条件)]<1.25)であることを意味する。好ましくは、本発明の固体製剤は、摂食または絶食状態のヒト被験者に経口投与すると、0.70〜1.43、より好ましくは0.80〜1.25であるAUC(摂食)/AUC(絶食)を有する。
【0108】
1態様において本発明は、活性薬剤を含む製剤であって、前記製剤が−10.0〜17.0、好ましくは−10.0〜9.0、より好ましくは−10.0〜2.0のΔdiss2.0hrを示す製剤に関する。−10.0〜17.0、好ましくは−10〜9.0、より好ましくは、−10.0〜2.0のΔdiss2.0hr(以下、「Δ溶解範囲」と称する)を示す製剤は、摂食条件下でのヒト被験者に対する経口投与時に有意な食物効果を持たないことが認められている。Δ溶解範囲を示す製剤が経口投与時の有意な食物効果を示さないだけでなく、前述の相関、すなわちΔdissを用いて測定される放出における差が固体製剤のイン・ビトロ特性(すなわち溶解)とイン・ビボ特性、すなわち食物効果との間の関係を説明するのに用いることができる予測モデルを提供するものでもある。このモデルを用いて、前記有効成分を含む新たな固体製剤の開発を支援することができる。具体的には、このモデルによって製剤者は、比較的迅速なイン・ビトロ溶解試験を行って、より多くの経費を要するイン・ビボ(すなわちヒト)試験を実施する必要なく、有効成分を含む新たに開発された製剤が、摂食条件下での被験者に経口投与した時に有意な食物効果を示す可能性があるか否かを確認することができる。このモデルを用いると、経口投与時に有意な食物効果を示さない可能性があると確認された製剤を、それ以降の製品開発の対象とすることができるが、有意な食物効果を示す可能性があると確認された製剤は、それ以上の開発を中止することができる。
【0109】
上記モデルは最初に、少なくとも一つの活性薬剤を含む7種類の製剤(すなわち、実施例でより詳細に記載されている製剤1、2、5、6、7、8および10)のそれぞれについてのΔdiss2.0hrを求めることで開発された。各製剤について得られたΔdiss2.0hrは、Cmaxに関するイン・ビボ食物効果の予測因子と考えられた。
【0110】
Δdiss2.0hr以外に、上記の7種類の製剤のそれぞれについて観察Δ相対Cmaxを求めた。各製剤について得られた観察Δ相対Cmax値を、単純線形回帰を用いてΔdiss2.0hrについて回帰させることで、勾配と切片のみが関与する最小二乗回帰予測式を得た。この回帰予測式を用いて、予測Δ相対Cmax(以下、「予測Δ相対Cmax」)を得た。最小および最大予測Δ相対Cmax値を、予測Δ相対Cmaxについての許容範囲とした。予測Δ相対Cmaxについての最小範囲および最大範囲でΔdiss2.0hrについての回帰予測式の解を求めることで、Δdiss2.0hrについての関連許容範囲(すなわち、上記のΔ溶解範囲)を得た(図2参照)。
【0111】
別の態様において本発明は、活性薬剤を含む製剤であって、前記製剤が−0.2〜+0.8、好ましくは−0.2〜+0.2の予測Δ相対Cmax(以下、「予測Δ相対Cmax範囲」と称する)を有する製剤に関する。ある固体製剤が−0.2〜+0.8の予測Δ相対Cmaxを有するか否かを確認するには、下記の式を用いる。
【0112】
予測Δ相対Cmax=0.096−0.035Δdiss0.5h+0.082Δdiss1.0h+0.037Δdiss2.0h
【0113】
上記予測Δ相対Cmax範囲(すなわち、−0.2〜+0.8、好ましくは−0.2〜+0.2)内にある予測Δ相対Cmaxを有する製剤は、摂食または絶食条件下で被験者に経口投与した時に有意な食物効果を持たない。上記予測Δ相対Cmax範囲内の値を有する製剤が経口投与時の有意な食物効果を示さないだけでなく、前述の相関が固体製剤のイン・ビトロ特性(すなわち溶解)とイン・ビボ特性、すなわち食物効果との間の関係を説明するのに用いることができる予測モデルを提供するものでもある。このモデルを用いて、前記有効成分を含む新たな固体製剤の開発を支援することができる。具体的には、このモデルによって製剤者は、比較的迅速なイン・ビトロ溶解試験を行って、より多くの経費を要するイン・ビボ(すなわちヒト)試験を実施する必要なく、有効成分を含む新たに開発された製剤が、摂食条件下での被験者に経口投与した時に有意な食物効果を示す可能性があるか否かを確認することができる。このモデルを用いると、経口投与時に有意な食物効果を示さない可能性があると確認された製剤を、それ以降の製品開発の対象とすることができるが、有意な食物効果を示す可能性があると確認された製剤は、それ以上の開発を中止することができる。
【0114】
上記モデルは最初に、7種類の製剤(すなわち、実施例でより詳細に記載されている製剤1、2、5、6、7、8および10)についてのΔdiss0.5hr、Δdiss1.0hrおよびΔdiss2.0hrを求めることで開発された。これらの各時間点での各製剤について得られたΔdiss0.5hr、Δdiss1.0hrおよびΔdiss2.0hrは、Cmaxに関するイン・ビボ食物効果の予測因子と考えられた。
【0115】
上記のΔdiss0.5hr、Δdiss1.0hrおよびΔdiss2.0hrに加えて、上記の7種類の製剤のそれぞれについて観察Δ相対Cmaxを求めた。各製剤についての観察Δ相対Cmaxを、多重線形回帰を用いてΔdiss0.5hr、Δdiss1.0hrおよびΔdiss2.0hrについて回帰させることで、最小二乗回帰予測式を得た。
【0116】
得られた回帰予測式(以下「RPE」)は、本明細書に記載の予測Δ相対Cmaxに関して用いたものと同じ式であった(すなわち、予測Δ相対Cmax=0.096−0.035Δdiss0.5h+0.082Δdiss1.0h+0.037Δdiss2.0h)。従って、この等式を用いて予測Δ相対Cmaxを得た。最小および最大予測Δ相対Cmax値を、予測Δ相対Cmaxについての許容範囲とした。最小および最大予測Δ相対Cmax(X軸上)に対する観察Δ相対Cmax(Y軸上)の相関プロットを図1に示してある。相関係数は0.986であると確認された。
【0117】
III.本発明の製剤を製造するための組成物および方法
本発明の製剤の利点は、活性薬剤の放出調節を提供する製剤を用いて得ることができる。使用可能なそのような 製剤の例には、マトリクス系、膜制御系(「貯留系」とも称される)、パルス放出系または浸透圧ポンプなどがあるが、それらに限定されるものではない。これら各系について本明細書でさらに詳細に説明する。そのような製剤についての詳細な議論は、(i)ワイズらの著作(Handbook of Pharmaceutical Controlled Release Technology, ed. D. L. Wise, et al., Marcel Dekker, Inc., New York, New York (2000))および(ii)キドニエウスらの著作(Treatise on Controlled Drug Delivery, Fundamentals, Optimization, and Applications, ed. A. Kydonieus, Marcel Dekker, Inc., New York, New York (1992))にもある。
【0118】
マトリクス系は当業者には公知である。本発明の製剤の場合、少なくとも一つの活性薬剤を、少なくとも一つの速度制御機構に、そして適宜に少なくとも一つの製薬上許容される賦形剤とともに均一に分散させる。この混合物を、粉剤、粒剤、ビーズ、ペレット、粒子、錠剤、ミニ錠剤または凝集体など(それらに限定されるものではない)に製剤することができる。本発明は、粉剤、粒剤、ビーズ、ペレット、粒子、粒剤、ミニ錠剤または凝集体など(それらに限定されるものではない)の製剤を、食物の上に振りかけたり、適切な飲料に溶かしたりして被験者に消費させることが可能であることも想到するものである。本発明はさらに、前記製剤を製造した後に、それを本明細書でさらに詳細に説明する1以上の速度制御層および/または1以上の腸溶コーティングで囲んだり、コーティングできることも想到するものである。
【0119】
本明細書で使用される場合、「少なくとも一つの速度制御機構」という用語は、製剤からの活性薬剤の放出速度を制御または調節する薬剤を指す。少なくとも一つの速度制御機構が、少なくとも部分的に、通常は実質的に完全に使用環境で浸食可能な不活性で無毒性の材料を含む。本発明の速度制御機構に好適な材料の選択は、当業者には公知の製剤からの活性薬剤の放出の所望の期間によって決まる。
【0120】
マトリクス製剤で使用される速度制御機構は、親水性薬剤、疎水性薬剤またはそれらの組み合わせであることができる。さらに、速度制御機構は適宜に、親水性および/または疎水性薬剤の親水性および/または疎水性を調節する上で役立つ製薬上許容される賦形剤を含むことができる。使用可能な親水性薬剤には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール類(「PEG」)、キサンタンガム、アルギン酸類、ポリビニルピロリドン、デンプン類、アクリル酸の架橋ホモポリマーおよびコポリマーならびに膨潤性および/またはゲル形成性を有する他の製薬上許容される物質およびそれらの組み合わせなどがあるが、それらに限定されるものではない。使用可能な疎水性薬剤には、ロウ類および水不溶性剤などがあるが、それらに限定されるものではない。使用可能なロウ類の例には、カルナウバロウ、蜜ロウ、カンデリラロウ、パラフィンロウ類およびそれらの組み合わせのような天然および合成ロウ類などがあるが、それらに限定されるものではない。水不溶性薬剤には、アンモニオメタクリレートコポリマー類(オイドラギット(登録商標)RL100およびRS100など)、セルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース類、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、メタクリル酸エステルコポリマー類(オイドラギット(登録商標)NE30Dなど)、微結晶セルロースおよびリン酸二カルシウムおよびそれらの組み合わせなどがあるが、それらに限定されるものではない。コーティングまたは膜の形態で使用される速度制御機構の例には、エチルセルロース(シュアリース(登録商標)およびアクアコート(登録商標)ECDなど)、アンモニオメタクリレートコポリマー類(オイドラギット(登録商標)RL30DおよびRS30Dなど)およびメタクリル酸エステルコポリマー類(オイドラギット(登録商標)NE30Dなど)などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0121】
当業者であれば、そのようなマトリクス製剤に好適で適切であると考えられる製薬上許容される賦形剤の種類および量を決定することが可能であると考えられる。本発明の製剤で使用可能な製薬上許容される賦形剤の例には、1以上の充填剤、結合剤、潤滑剤/流動促進剤、溶解度向上剤、懸濁剤、甘味剤および/または香味剤、保存剤、緩衝剤、湿展剤、崩壊剤、発泡剤、界面活性剤、保湿剤、溶解遅延剤、吸収剤、溶媒、他の製薬上許容される添加剤ならびにそれらの組み合わせなどがあるが、それらに限定されるものではない。
【0122】
本発明で使用可能な充填剤には、デンプン類、乳糖、微結晶セルロース、ショ糖、グルコース、ソルビトール、マンニトールおよびそれらの組み合わせなどがあるが、それらに限定されるものではない。使用可能な充填剤の例は、アビセル(Avicel;登録商標)PH101およびアビセル(登録商標)PH102などの微結晶セルロース;乳糖・1水和物、無水乳糖およびファーマトシー(Pharmatosee)DCL21などの乳糖;エムコンプレス(Emcompress;登録商標)などのリン酸二カルシウムがある。
【0123】
本発明で使用可能な結合剤には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロースなどのセルロース類、ポリビニルピロリドン、デンプン類および他の製薬上許容される凝集性を有する物質などがあるが、それらに限定されるものではない。
【0124】
本発明で使用可能な潤滑剤および流動促進剤には、エアロジル(Aerosil;登録商標)200などのコロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、固体ポリエチレングリコール類、フマル酸ナトリウムステアリル、シリカゲルおよびそれらの混合物ならびに潤滑性および滑り性を有する他の物質などがあるが、それらに限定されるものではない。
【0125】
使用可能な溶解度向上剤には、エタノールまたはプロピレングリコールなどの共溶媒、ポリソルベート類、ポリアルキレングリコール類、ポロキサマー類またはポリビニルピロリドンなどの界面活性剤およびポリマー性物質、ならびにリノール酸またはモノラウリン酸グリセリルなどの油性脂肪酸類またはそれらのモノもしくはジグリセリルエステル類などがあるが、それらに限定されるものではない。
【0126】
使用可能な懸濁剤には、カルボキシメチルセルロース、ビーガム(veegum)、トラガカント、ベントナイト、メチルセルロースおよびポリエチレングリコール類などがあるが、それらに限定されるものではない。
【0127】
本発明で使用可能な甘味料は天然または人工甘味料であり、それにはショ糖、キシリトール、サッカリンナトリウム、シクラメート、アスパルテームおよびアセサルフェームなどがあるが、それらに限定されるものではない。香味剤の例にはマグナスイート(Magnasweet;登録商標))、風船ガム香味料、フルーツ香味料などがある。
【0128】
本発明で使用可能な保存剤には、ソルビン酸カリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸およびそれの塩、ブチルパラベンなどのパラヒドロキシ安息香酸の他のエステル、エチルまたはベンジルアルコールなどのアルコール類、フェノールなどのフェノール系化合物または塩化ベンザルコニウムなどの4級化合物などがあるが、それらに限定されるものではない。
【0129】
本発明で使用可能な好適な緩衝剤には、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩およびヒスチジン緩衝剤などがあるが、それらに限定されるものではない。
【0130】
本発明で使用可能な湿展剤には、ラウリル硫酸アンモニウムおよびラウリル硫酸ナトリウムなどがあるが、それらに限定されるものではない。
【0131】
本発明で使用可能な好適な崩壊剤には、架橋ポリビニルピロリドン、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプンおよび調整デンプン類、寒天、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、アルギン酸類、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、微結晶セルロースおよびそれらの混合物などがあるが、それらに限定されるものではない。
【0132】
本発明で使用可能な好適な発泡剤は、発泡性の組み合わせであり、それには有機酸と炭酸塩もしくは重炭酸塩などがあるが、それらに限定されるものではない。好適な有機酸には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸およびアルギン酸類ならびに無水物および酸の塩類などがあるが、それらに限定されるものではない。好適な炭酸塩および重炭酸塩には、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、グリシン炭酸ナトリウム、炭酸L−リジンおよび炭酸アルギニンなどがあるが、それらに限定されるものではない。
【0133】
「界面活性剤」という用語は、本発明において従来の意味で使用される。両性、ノニオン系、カチオン系またはアニオン系のいずれであるかは問わず、あらゆる界面活性剤が好適である。好適な界面活性剤の例には、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン・モノオレエート、モノラウレート、モノパルミテート、モノステアレートまたはポリオキシエチレンソルビタンの別のエステル(例:Tween(登録商標)20およびTween(登録商標)80(ICI Speciality Chemicals)などの市販のTween類(登録商標))などのポリソルベート類、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(DOSS)、レシチン、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、コレステロール、ポリオキシエチレンリシンオイル、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド類、ポロキサマー類(例:エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドのブロックコポリマーであるプルロニクF68(登録商標)およびF108(登録商標));ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体またはそれらの混合物などがあるが、それらに限定されるものではない。
【0134】
使用可能な保湿剤の例には、グリセリン、ソルビトール、ペンタトール、ポリエチレングリコールまたはプロピレングリコールなどがあるが、それらに限定されるものではない。
【0135】
使用可能な吸収剤の例には、カオリンおよびベントナイトなどがあるが、それらに限定されるものではない。
【0136】
前記製剤は、少なくとも一つの速度制御をしない層で囲まれているかコーティングされていても良い。速度制御をしない層の機能には、活性薬剤の安定化提供、プロセス助剤としての機能および/または製剤用の化粧性向上としての機能などがあるが、それらに限定されるものではない。速度制御をしない層は、単一層、コーティングまたは膜または複数の単一層、コーティングもしくは膜として形成することができる。
【0137】
製剤が速度制御をしない層を含む場合、前記速度制御をしない層は1以上のポリマー、ならびに可塑剤、顔料/乳白剤、ロウ類など(それらに限定されるものではない)の当業界で公知の他の成分で形成されていても良い。使用可能なポリマーの例には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコールおよびポリエチレングリコールなどがあるが、それらに限定されるものではない。使用可能な可塑剤の例には、ポリエチレングリコール(類)、グリセリン、トリアセチン、クエン酸トリエチル、フタル酸ジエチル、および鉱油などがあるが、これらに限定されるものではない。使用可能な顔料/乳薄剤の例には、水溶性染料(例えば、サンセットイエロー、キノリンイエロー、エリトロシン、およびタルトラジン)、顔料(例えば、アルミニウム・レーキ類、二酸化チタン類、鉄酸化物類およびタルク)、および天然物(例えば、リボフラビン、カルテノイド類、クロロフィル、アントシアニン類、およびカルミン)などがあるが、それらに限定されるものではない。使用可能なロウの例には、パラフィンロウがある。
【0138】
マトリクス製剤は、当業者には公知の標準的な技術を用いて製造することができ、それには直接混合、乾式造粒(ローラー圧縮)、湿式造粒(高剪断造粒)、粉砕または篩分け、乾燥(湿式造粒を用いる場合)、押出/球形化、ボーリング(balling)または圧縮、ならびに適宜にコーティングがある。例えばそのような製剤は、少なくとも一つの活性薬剤、少なくとも一つの速度制御機構および適宜に少なくとも一つの製薬上許容される賦形剤を混合することで粉末混合物を得ることによって製造することが可能である。次に、その粉末混合物をカプセルに充填するか、圧縮して錠剤とすることができる。さらに、その粉末混合物について、さらに造粒もしくは押出を行うことができるか、当業界で公知の通常の技術を用いて、造粒物または押出物を錠剤に成形したり、カプセルに充填することができる。そのようなマトリクス製剤は、製剤の最終重量に基づいた重量基準で約10〜約85%の料で活性薬剤を含むことができる。製剤の残りの部分は、調節して所望の活性薬剤放出プロファイルを達成することが可能な量で上記成分を含むことができ、それらの技術は当業界では公知である。
【0139】
本発明はさらに、本明細書に記載のマトリクス製剤が、カプセルへの充填または圧縮による錠剤化の後などに、1以上の腸溶コーティングでコーティングすることができることを想到するものである。そのようなコーティングに使用可能な腸溶コーティングについて、本明細書においてより詳細に説明する。例えばそのような製剤は、少なくとも一つの活性薬剤および少なくとも一つの製薬上許容される賦形剤を混合して粉末混合物を得ることで製造することができる。次にその粉末混合物を腸溶コーティングすることができ、腸溶コーティング可能な錠剤に圧縮することができるか、腸溶コーティング可能なカプセルに充填することができる。さらに、その粉末混合物について、当業界で公知の通常の技術を用いてさらに造粒することができ、得られた造粒物を腸溶コーティングすることができる。次に、得られた造粒物をカプセルに充填して、そのカプセルを、当業界で公知の通常の技術を用いて少なくとも一つの腸溶コーティングでコーティングすることができる。
【0140】
本発明の製剤を製造するのに用いることができる別の系は、貯留部系である。この系では、少なくとも一つの活性薬剤を含有もしくは含む少なくとも一つの核を、少なくとも一つの製薬上許容されるコーティング、層または膜でコーティングまたは層化する。そのコーティング、層または膜、およびそれの相対量は、貯留部から消化管への活性薬剤の拡散に対して所定の抵抗を与えるものである。従ってその活性薬剤は、核から消化管中に徐々に放出されることで、少なくとも一つの活性薬剤の所望の徐放を提供する。
【0141】
上記で簡単に言及したように、貯留部系およびそのような製剤の製造方法は当業界で公知である。例えば、米国特許第5286497号および5737320号(そのいずれも参照によって本明細書に組み込まれる)には、そのような製剤およびそれらの製造方法が記載されている。本発明の製剤では、核は顆粒、ビーズ、ペレット、粒子、ミクロスフィア、ミニ錠剤、錠剤または凝集体であることができる。その核は、各種の異なる方法で製造することができる。例えば核は、少なくとも一つの活性薬剤および少なくとも一つの本明細書で前述した速度制御機構および適宜に少なくとも一つの本明細書で前述した製薬上許容される賦形剤の混合物を含むことができる。あるいは核は、少なくとも一つの活性薬剤および適宜に少なくとも一つの製薬上許容される賦形剤を含むことができ、少なくとも一つの速度制御機構でさらに囲まれているかコーティングされていることができる。あるいは核は、少なくとも一つの活性薬剤が表面に付与される不活性基質および適宜に少なくとも一つの製薬上許容される賦形剤を含むことができる。さらにその基質は、少なくとも一つの速度制御機構、少なくとも一つの速度制御をしない層、少なくとも一つの腸溶コーティングまたはそれらのいずれかの組み合わせでさらに囲まれているかコーティングされていることができる。
【0142】
適宜に核は、本明細書において前述した1以上の速度制御をしない層をも含むことができる。製剤中での速度制御をしない層の位置はあまり重要ではない。例えば速度制御をしない層は、核と腸溶コーティングその他のポリマー性コーティングの間に存在することができる。あるいは、速度制御をしない層が、腸溶コーティングその他のポリマー性コーティングを取り囲んだり、コーティングしていることができる。
【0143】
核は、核の最終重量に基づいて重量基準で約10〜約99%の量で活性薬剤を含むことができる。核の残りの部分は、調節して所望の活性薬剤放出プロファイルを達成することが可能な量で上記成分を含むことができ、それらの技術は当業界では公知である。核は、当業界では公知の通常の技術を用いて製造することができ、それには直接混合、乾式造粒(ローラー圧縮)、湿式造粒(高剪断造粒)、粉砕または篩分け、乾燥(湿式造粒を用いる場合)、押出/球形化、ボーリング(balling)または圧縮、ならびに適宜にコーティングがあるが、それらに限定されるものではない。
【0144】
貯留部系の第2の主要な成分は、製剤からの活性薬剤の放出を制御するのに用いられる少なくとも一つのコーティング、層または膜である。使用可能なコーティング、層または膜の1例はポリマーコーティングである。使用可能な好適なポリマーの例には、エチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース(低、中程度または高分子量)、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、トリ酢酸セルロース、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(メタクリル酸ヘキシル)、ポリ(メタクリル酸イソデシル)、ポリ(メタクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸フェニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸イソプロピル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸オクタデシル)、ポリ(エチレン)、低密度ポリ(エチレン)、高密度ポリ(エチレン)、ポリ(プロピレン)、ポリ(エチレンオキサイド)、ポリ(テレフタル酸エチレン)、ポリ(ビニルイソブチルエーテル)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(塩化ビニル)またはポリウレタンまたはこれらの混合物などがあるが、それらに限定されるものではない。
【0145】
ポリマーコーティングは、当業界で公知の方法および技術を用いて核に施すことができる。好適なコーティング装置の例には、流動床コーターおよびパンコーターなどがある。その塗布技術については、i)マクギニティらの編著(Aqueous polymeric coatings for pharmaceutical compositions, ed. J. W. McGinity, Marcel Dekker, Inc. New York, New York (1997))およびii)リーベルマンらの編著(Pharmaceutical compositions: 錠剤s Vol. 3. ed. H. A. Lieberman, L. Lachman and J. B. Schwartz, Marcel Dekker, Inc. New York, New York pp. 77-287, (1990))により詳細に記載されている。
【0146】
核に施すことが可能な別のコーティング、層または膜は、少なくとも一つの腸溶コーティングである。1以上の腸溶コーティングを核に施すことができる(核は、1以上の速度制御層、速度制御をしない層または速度制御層もしくは速度制御をしない層の組み合わせを含んでいても含んでいなくても良い)。例えば、腸溶コーティングは、水または好適な有機溶媒のいずれかに分散もしくは溶解させ、次に核に噴霧するか、核にドライコーティングとして塗布することができる。いずれの腸溶コーティングも本発明において用いることができ、それにはメタクリル酸およびメタクリル酸エステルコポリマー、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、アクリル酸エチル/メタクリル酸コポリマー、酢酸トリメリト酸セルロース、シェラックおよびそれらの組み合わせの溶液または分散液などがあるが、これらに限定されるものではない。環境上の理由から、本発明では水系のコーティングも使用可能である。使用可能な水系コーティングの例には、メタクリル酸およびメタクリル酸エステルコポリマー、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸エチル/メタクリル酸コポリマー、酢酸フタル酸セルロースおよびそれらの組み合わせなどがあるが、それらに限定されるものではない。
【0147】
腸溶コーティングは、単一層または複数層として形成することが可能である。コーティングの厚さは、当業者であれば容易に決定することが可能であるが、胃の酸性環境で製剤を保護するだけのものでなければならない。
【0148】
腸溶コーティングは、1以上の製薬上許容される可塑剤を含むことができ(可撓性向上および腸溶コーティング強度(それらに限定されるものではない)などの所望の機械特性を得るため)、それにはトリアセチン、クエン酸エステル類、フタル酸エステル類、セバシン酸ジブチル、セチルアルコール、ポリエチレングリコール類、ポリソルベート類などがあるが、それらに限定されるものではない。使用される可塑剤の種類および量は、腸溶コーティングの所期の組成によって決まり、当業者であれば容易に決定することができる。1以上の可塑剤に加えて、腸溶コーティングはタルクなどの固化防止剤、ならびに分散剤、着色剤、顔料、消泡剤そして腸溶コーティングの厚さの増加および/または酸性胃液の核中への拡散の制御もしくは調節のための他の製薬上許容される薬剤を含むこともできる。
【0149】
1以上の腸溶コーティングを用いる場合、核と腸溶コーティングとの間のコーティングも用いることが可能である(そのようなコーティングは非常に多くの場合、「サブコーティング」と称される)。サブコーティングとしては、いずれのフィルム形成ポリマーも用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのポリマーを用いることができる。
【0150】
浸透圧ポンプ系では、核が少なくとも一つのオリフィスを有する半透膜の中に入っている。その半透膜は水に対して透過性であるが、活性薬剤に対しては不透性である。その系が体液に曝露されると、水が半透膜を通過して、浸透圧賦形剤および少なくとも一つの活性薬剤を含む錠剤核に入る。製剤内で浸透圧が上昇して、圧力を等しくしようとして活性薬剤がオリフィスから放出される。
【0151】
より複雑なポンプでは、核が複数の内部コンパートメントを含むことができる。例えば、第1のコンパートメントは少なくとも一つの活性薬剤を含むことができ、第2のコンパートメントは少なくとも一つの流体と接触すると膨潤するポリマーを含むことができる。摂取後、ポリマーが所定の速度で膨潤して活性薬剤含有コンパートメントに入り、その速度で製剤から活性薬剤を強制的に出す。
【0152】
パルス放出系も当業者には公知である。パルス放出系は、少なくとも一つの活性薬剤をパルスで(すなわち、異なる時間点で)放出する。パルス放出系は、即時放出および長期放出の組み合わせを含むこともできる。活性薬剤のパルス放出製剤には、複数の構成が好適である。
【0153】
浸透圧ポンプは当業界で公知であり、文献に記載されている。例えば、米国特許第4088864号、4200098号および5573776号(これらはいずれも参照によって本明細書に組み込まれる)には、浸透圧ポンプとそれの製造方法が記載されている。
【0154】
浸透圧ポンプは代表的には、浸透圧的に活性な薬剤(または浸透圧的に活性な薬剤またはオスマゲント(osmagent)と組み合わせた浸透圧的に不活性な薬剤)の錠剤を圧縮し、次に外部の水系液に対して浸透性であるが薬剤および/またはオスマゲントの通過に対しては不透性である半透膜でその錠剤をコーティングすることで形成される。1以上の送達オリフィスを、半透膜壁に開けることができる。あるいは、壁を通るオリフィスは、壁に浸出可能孔形成材料を組み込むことでイン・サイツで形成するすることができる。使用においては、外部水系液が半透膜壁を通って吸収され、少なくとも一つの活性薬剤と接触して活性薬剤の溶液または懸濁液を形成する。次に、新鮮な液が半透膜を通って吸収されるに連れて、活性薬剤溶液または懸濁液がオリフィスを通って「ポンプ」出しされる。
【0155】
本明細書で以前に言及したように、浸透圧ポンプは複数の異なるコンパートメントを含むことができる。第1のコンパートメントは上記の活性薬剤を含むことができ、第2のコンパートメントは、活性薬剤が占有する体積を低減するように作用することで長期間にわたって制御された速度で機器から活性薬剤を送達する膨潤可能な親水性ポリマーの層からなる膨張性駆動部材を含むことができる。あるいは、コンパートメントは、少なくとも一つの活性薬剤の別々の用量を含むことができる。
【0156】
使用可能な半透膜には、セルロースアシレート、セルロースジアシレート、セルローストリアシレート、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸寒天、三酢酸アミロース、β−グルカン・アセテート、アセトアルデヒド・ジメチルアセテート、酢酸セルロース・エチルカーバメート、ポリアミド類、ポリウレタン類、スルホン化ポリスチレン類、酢酸フタル酸セルロース、酢酸セルロース・メチルカーバメート、酢酸コハク酸セルロース、酢酸ジメチルアミノ酢酸セルロース、酢酸セルロース・エチルカーバメート、酢酸クロル酢酸セルロース、ジパルミチン酸セルロース、ジオクタン酸セルロース、ジカプロン酸セルロース、セルロース・ジペンタンレート(dipentanlate)、酢酸吉草酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、プロピオン酸コハク酸セルロース、メチルセルロース、酢酸p−トルエンスルホン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、米国特許第3173876号、3276586号、3541005号、3541006号および3546142号に開示のポリアニオンとポリカチオンの共沈によって形成される架橋選択的半透性ポリマー、米国特許第3133132号でレーブら(Loeb and Sourirajan)が開示している半透性ポリマー、軽架橋ポリスチレン誘導体、架橋ポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム)、ポリ(塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウム)、置換度1以下およびアセチル含有率50%以下の酢酸セルロース、置換度1〜2およびアセチル含有率21〜35%の二酢酸セルロース、米国特許第4160020号に開示されている置換度2〜3およびアセチル含有率35〜44.8%の三酢酸セルロースなどの当業界で浸透膜および逆浸透膜として知られる半透ポリマーなどがあるが、それらに限定されるものではない。
【0157】
前記少なくとも一つの活性薬剤自体が十分に浸透圧的に活性ではない場合に使用可能なポンプに存在する浸透圧剤は、ポンプに進入する流体に可溶な浸透圧的に有効な化合物であり、外部流体に対して半透壁横断方向に浸透圧勾配を示すものである。本発明に関して有用な浸透圧的に効果的なオスマゲントには、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、d−マンニトール、尿素、ソルビトール、イノシトール、ラフィノース、ショ糖、グルコース、セルロースポリマーなどの親水性ポリマー、それらの混合物などがある。オスマゲントは過剰量で存在させることができ、それは粒子、粉末、顆粒などのいかなる物理的形態のものであっても良い。本発明に好適なオスマゲント雰囲気下での浸透圧は、ゼロより大きく、通常は約500気圧またはそれより高い。
【0158】
膨張性駆動部材は、水および水系体液と相互作用し、膨潤もしくは膨張して平衡状態となる膨潤性の親水性ポリマーであることができる。そのポリマーは水中で膨潤する能力を示し、ポリマー構造中に吸収された水のかなりの部分を保持する。そのポリマーは非常に高度に膨潤または膨張して、通常は2〜50倍の体積増加を示す。そのポリマーは架橋することができるか、架橋していなくても良い。その膨潤性で親水性のポリマーは、例えば共有イオン性結合または水素結合によって架橋が形成されているように、軽く架橋されていても良い。そのポリマーは、植物、動物または合成起源のものであることができる。本発明で使用可能な親水性ポリマーには、分子量が30000〜5000000であるポリ(メタクリル酸ヒドロキシアルキル);κ−カラギーナン、分子量が10000〜360000であるポリビニルピロリドン;アニオン系およびカチオン系ヒドロゲル類;多価電解質錯体;グリオキサール、ホルムアルデヒドもしくはグルタルアルデヒドと架橋した低アセテート残基を有し、重合度が200〜30000であるポリ(ビニルアルコール);メチルセルロースの混合物;架橋寒天およびカルボキシメチルセルロース;コポリマー中マレイン酸無水物1モル当たり0.001〜約0.5モルの飽和架橋剤と架橋したスチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンまたはイソブチレンとマレイン酸無水物の微粉砕コポリマーの分散液を形成することで製造される水不溶性で水膨潤性のコポリマー;N−ビニルラクタム類の水膨潤性ポリマーなどがある。
【0159】
本明細書で使用される「オリフィス」という用語は、浸透圧系からの少なくとも一つの活性薬剤の放出に好適な手段および方法に関する。その表現は、機械的手順によって半透膜を通って開けられた1以上の開口またはオリフィスを含むものである。あるいはオリフィスは、半透膜にゼラチン栓などの浸食性要素を組み込むことで形成することができる。半透膜が活性薬剤の通過に対して十分透過性である場合、膜にある孔は、血漿閾値を満足するだけの量で少なくとも一つの活性薬剤を放出する上で十分なものとなり得る。そのような場合、「通路」という用語は、例え穴その他のオリフィスが貫通して開けられていなくとも、膜壁内の孔を指すものである。浸透圧通路ならびに通路の最大および最小寸法についての詳細な説明が、米国特許第3845770号および3916899号(これらの開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0160】
浸透圧ポンプは、当業者には公知の通常の技術を用いて作ることができる。例えば1実施形態において、少なくとも一つの活性薬剤、少なくとも一つの速度制御機構および適宜に少なくとも一つの製薬上許容される賦形剤を、通路に隣接するコンパートメントの一つの領域に収容することができ、少なくとも一つの活性薬剤が占有するコンパートメントの領域の内部寸法に相当する寸法を有する固体にプレスするか、または活性薬剤、速度制御機構および賦形剤および溶媒を、ボールミル粉砕、カレンダー処理、攪拌またはロールミル粉砕など(それらに限定されるものではない)の従来の方法によって混合して固体または半固体とし、次に所定の形状にプレスする。次に、親水性ポリマーの層を同様にして薬剤層と接触するように置き、その2層を半透性の壁で囲む。薬剤製剤および親水性ポリマーの層化は、従来の2層プレス法によって行うことができる。その壁は、成形、噴霧またはプレス成形物の壁形成材料への浸漬によって設けることができる。壁を設けるのに用いることができる別の技術は、空気懸濁法である。この手順は、壁が薬剤−親水性ポリマー複合材料に設けられるまで、圧縮薬剤および乾燥親水性ポリマーを空気および壁形成組成物の流れの中で懸濁および転動させる操作からなるものである。その空気懸濁手順は、米国特許第2799241号;J. Am. Pham. Assoc., 48: 451-459 (1979)に記載されている。他の製造手順が、文献に記載されている(Modern Plastics Encyclopedia, Vol. 46, pp. 62-70 (1969)およびPharmaceutical Sciences, by Remington, Fourteenth Edition, pp. 1626-1678 (1970), published by Mack Publishing Company, Easton, PA.)。
【0161】
本明細書において前述したように本発明は、カプセル、錠剤、丸薬、粉剤など(これらに限定されるものではない)の経口投与に好適な製剤を包含するものである。経口投与用の液体製剤も本発明においては想到され、それには製薬上許容される乳濁液、溶液、懸濁液またはシロップなどがあるが、それらに限定されるものではない。
【0162】
当業者には、いずれかの製剤に含まれる少なくとも一つの活性薬剤の有効量を、通常の実験を用いて経験的に決定することが可能であることは明らかであろう。本発明の製剤中の活性薬剤の実際の用量レベルを変動させて、所望の治療応答を得る上で有効な活性薬剤量を得ることができる。選択される用量レベルは、所望の治療効果、投与経路、投与される活性薬剤の効力、所望の治療期間および他の要素によって決まる。
【0163】
IV.他の製薬上許容される活性薬剤および併用療法
本発明の固体製剤は、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩および/または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸以外の製薬上許容される活性薬剤を含むこともできる(前記の2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩および/または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸以外の活性薬剤は、本明細書において「他薬剤」と総称される)。さらに、これらの他薬剤は、本発明の製剤と一緒に包装することができるか、本発明の固体製剤とともに1以上の別の製剤もしくは異なる製剤として同時投与することができる。これら他薬剤は、活性薬剤と同じ治療薬分類からのもの(例えば、脂質調節医薬)であることができるか、異なる治療薬分類からのもの(例えば、抗高血圧医薬)であることができる。本発明の製剤中もしくはそれの一部として含むことができるか、本発明の製剤と併用投与できる他薬剤の例には、脂質調節剤、抗高血圧剤、抗糖尿病薬、体重減少薬、抗レトロウィルス薬、抗血小板薬またはビタミン類およびミネラル類などがあるが、それらに限定されるものではない。
【0164】
そのような他の活性薬剤の例には、
・脂質調節剤(アトルバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、クロフィブリン酸、ナイアシン/ニコチン酸、トルセトラピブ、コレスチポール、オメガ−3酸エチルエステル類、コレセベラム、コレスチラミン、エゼチミベ、MD−0727、ゲムフィブロジルまたはプロブコールなどがあるが、それらに限定されるものではない);
・抗高血圧剤(アムロジピン、ベナゼプリル、ベニジピン、カンデサルタン、カプトプリル、カルベジロール、ダロジピン、ジルチアゼム、ジアゾキシド、ドキサゾシン、エナラプリル、エプレロノン、エプロサルタン、フェロジピン、フェノルドパム、フォシノプリル、グアナベンズ、イロプロスト、イルベサルタン、イスラジピン、レルカルジニピン、リシノプリル、ロサルタン、ミノキシジル、ネビボロール、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、オマパトリラット、フェノキシベンゾアミン、プラゾシン、キナプリル、レセルピン、セモチアジル、シタクスセンタン、テラゾシン、テルミサルタン、ラベトロール、バルサルタン、トリアムテレン、メトプロロール、メチルドーパ、ラミプリル、オルメサルタン、チモロール、ベラパミル、クロニジン、ナドロール、ベンドロメチアジド、トルセミド、ヒドロクロロチアジド、スピンロノラクトン、ペリンドプリル、ヒドララジン、ベタキソロール、フロシミド、ペンブトロール、アセブトロール、アテノルール、ビソプロロール、ナドロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、チモロール、インダパミド、トランドプリル、アミロリド、モエキシプリル、メトロゾンまたはバルサルタンなどがあるが、それらに限定されるものではない);
・抗糖尿病薬(アカルボース、経口インシュリン、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、シグリタゾン、ファルグリタザル、グリベンクラミド、グリクラジド、グリピジド、グルカゴン、グリブリド、グリメピリド、ミグリトール、ピオグリタゾン、ナテグリニド、ピマゲジン、レパグリニド、ロシグリタゾン、トラザミド、トルブタミド、トリアムプテリンまたはトログリタゾンなどがあるが、それらに限定されるものではない);
・体重減少薬(フェンテルミン、フェンジメトラジン、ベンズフェタミン、ジエチルプロピオン、シブトラミン、オルリスタットまたはリモナバントなどがあるが、それらに限定されるものではない);
・抗レトロウィルス薬(アンプレナビル、チプリナビル、ラミブジン、インディナビル、エムトリシタビン、アバカビル、エンフビルチド、サクイナビル、ロピナビル、リトナビル、ホスアンプレナビル、メシル酸デラビラジン、ジドブジン、アタザナビル、エファビレンツ、テノフィビル、エムトリシタビン、ディダノシン、ネルフィナビル、ネビラピンまたはスタブジンなどがあるが、これらに限定されるものではない);
・抗血小板薬(アスピリン、シロスタゾールまたはペントキシフィリンなどがあるが、これらに限定されるものではない);または
・ビタミン類、ミネラル類またはビタミンとミネラルの組み合わせ(葉酸、カルシウムまたは鉄などがあるが、これらに限定されるものではない)
などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0165】
本明細書において簡単に示唆したように、本発明の製剤に他薬剤を含有させることができる。本発明の製剤に含有させる他薬剤の正確な位置および量は、当業者が容易に決定することができ、投与される他薬剤および提供される治療によって決まる。本発明の製剤に他薬剤を含有させる場合、活性薬剤(2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩および/または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つ)および他薬剤は単一製剤で投与される。あるいは、他薬剤および活性薬剤をそれぞれ別個の製剤に含有させて、同時または順次投与することができる。
【0166】
V.本発明の製剤の使用方法
本発明の経口製剤は、多様な状態の治療に用いることができる。本発明の経口製剤が少なくとも一つの活性薬剤およびそれらの組み合わせを含む場合、そのような製剤を、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、心血管障害、冠状動脈性心臓病、末梢血管疾患(症候性頸動脈疾患など)および代謝障害(肥満、糖尿病、過食症、内分泌異常、トリグリセリド貯蔵疾患、バルデー・ビードル症候群、ローレンス・ムーン症候群、プラダー・ウィリー症候群、食欲不振、拒食症および悪液質などがあるが、それらに限定されるものではない)などの状態の治療において用いることができる。さらに、これらの製剤は、原発性高コレステロール血症または混合型異脂肪血症(フレドリクソンIIa型およびIIb型)の成人被験者での低密度リポタンパク質コレステロール(以下、「LDL−C」)、総コレステロール(以下、「総−C」)、トリグリセリド類およびアポリポタンパク質B(以下、「アポB」)の低減のための補助療法として用いることができる。これらの組成物は、高トリグリセリド血症(フレドリクソンIV型およびV型高脂血症)の成人被験者の治療のための補助療法としても用いることができる。顕著に高レベルの血清トリグリセリド(例えば、>2000mg/dL)は、膵炎発症のリスクを高め得る。さらにこれらの製剤は、脂質調節剤が通常使用される他の適応症にも用いることができる。
【0167】
例として、本発明の実施例を下記に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0168】
実施例1:医薬製剤
(a)2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸を含む3種類のミニ錠剤製剤(それぞれ、腸溶コーティングは含まない)(製剤1、2、および8);(b)2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のコリン塩を含む6種類の腸溶コートミニ錠剤製剤(製剤5および9〜13);(c)2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のコリン塩を含む1単位腸溶コート錠剤(製剤6);および(d)カプセルに2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸が入ったコート粒剤(製剤7)という製剤を調製し、イン・ビトロならびに健常ヒト被験者で試験を行った。製剤3および4(2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のコリン塩を含有)を調製し、イン・ビトロでの試験を行ったが、ヒト被験者での試験は行わなかった。さらに、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のコリン塩を含む試作の浸透圧ポンプについてイン・ビトロ試験を行ったが、ヒトでの試験は行わなかった。
【0169】
上記製剤の組成を下記の表15〜24に挙げた(これらの製剤は、後述の実施例において、それぞれ「製剤1」もしくは「剤型1」、「製剤5」もしくは「剤型5」、または「製剤10」もしくは「剤型10」などと称される)。製剤はいずれも、コーティング工程を除いて同様の製造方法を用いて製造される。具体的には、高剪断造粒法を用いて、有効成分および製薬上許容される賦形剤を粒剤中に組み込む。その顆粒を篩分けし、乾燥し、篩分け(または粉砕)し、残りの成分と混合して微粉末混合物を形成する。それから、各種工程を行う。製剤7を除く全ての製剤において、最終粉末混合物を、各種回転圧縮機を用いてさらに圧縮して、錠剤を製造する。製剤5〜6および9〜13の場合、錠剤を腸溶コーティングでコーティングする。製剤1、2、3および8はコーティングしなかった。製剤7からの粉末混合物および製剤4のミニ錠剤は、速度制御機構(すなわち、速度制御ポリマー)でコーティングした。
【0170】
下記において、全ての製造工程の詳細な説明を行う。
【0171】
表15
製剤1(カプセルに入った腸溶コーティングのないミニ錠剤)の組成。各錠剤の大きさは、直径約2mmである。各カプセルの用量強度は、遊離酸130mgと等価である。
【0172】
【表17】

【0173】
製剤1の製造方法
【0174】
【表18】

【0175】
表16
製剤2(カプセルに入った腸溶コーティングのないミニ錠剤)の組成。各錠剤の大きさは、直径約3.2mmである。各カプセルの用量強度は、遊離酸130mgと等価である。
【0176】
【表19】

【0177】
製剤2の製造方法
【0178】
【表20】

【0179】
表17
製剤3(コーティングのない1単位のHPMCに基づく錠剤)の組成。各カプセルの用量強度は、遊離酸130mgと等価である。
【0180】
【表21】

【0181】
製剤3の製造方法
【0182】
【表22】

【0183】
表18
製剤4(カプセル中のコートミニ錠剤)の組成。各カプセルの用量強度は、遊離酸130mgと等価である。
【0184】
【表23】

【0185】
製剤4の製造方法
【0186】
【表24】

【0187】
表19
製剤5(カプセルに入った腸溶コートミニ錠剤)の組成。各錠剤の大きさは、直径約3.2mmである。各カプセルの用量強度は、遊離酸130mgと等価である。
【0188】
【表25】

【0189】
製剤5の製造方法
【0190】
【表26】

【0191】
表20
製剤6(1単位腸溶コート錠剤)の組成。各カプセルの用量強度は、遊離酸130mgと等価である。
【0192】
【表27】

【0193】
製剤6の製造方法
【0194】
【表28】

【0195】
表21
製剤7(カプセル中のコート粒剤)の組成。各カプセルの用量強度は、遊離酸130mgと等価である。
【0196】
【表29】

【0197】
製剤7の製造方法
【0198】
【表30】

【0199】
表22
製剤8(カプセル中のコーティングなしのミニ錠剤)の組成。各錠剤の大きさは直径約2.0mmである。各カプセルの用量強度は、遊離酸130mgと等価である。
【0200】
【表31】

【0201】
製剤8の製造方法
【0202】
【表32】

【0203】
表23
製剤9、10および11(カプセルに入った腸溶コートミニ錠剤)の組成。各錠剤の大きさは直径約3mmである。各カプセルの用量強度は、遊離酸135mgと等価である。
【0204】
製剤9、10および11の組成
【0205】
【表33】

【0206】
製剤9、10および11の製造方法
【0207】
【表34】

【0208】
表24
製剤12および13(カプセル中の腸溶コートミニ錠剤)の組成。各錠剤の大きさは、それぞれ約3および4mmである。各カプセルの用量強度は、遊離酸135mgと等価である。
【0209】
製剤12および13の組成
【0210】
【表35】

【0211】
製剤12および13の製造方法
【0212】
【表36】

【0213】
実施例2:溶解方法
実施例1に記載の製剤1〜2および5〜13からの溶解データを集め、それを単一pH法を用いて図3に示してある。
【0214】
実施例1に記載の製剤1〜2および5〜13からの溶解データを集め、それを二重pH法を用いて図4に示してある。
【0215】
実施例3:ヒト生体試験
実施例4、5、6および7に記載の試験の目的は、製剤1〜2および5〜13の生物学的利用能を確認することにあった。これらは、交差デザインに従って実施されるI相単回投与非盲検試験を用いたものであった。被験者数は試験ごとに変動した。これらの試験に登録し、試験の少なくとも一部を完了した被験者数を、本明細書に記載の各実施例に示してある。被験者は試験に登録し、各試験期間において(1)基準薬;(2)高脂肪摂食条件下での試験製剤;または(3)絶食条件下での試験製剤という投与法のいずれかを受けるように割り当てられた。投与法の順序は、所定数の被験者が試験完了時に全ての投与法を受け、他の被験者は投与法の一部を受けるようにした。代表的には約14日のウォッシュアウト期間によって、投与を二つの連続する期間に分けた。健康状態がほぼ良好な成人男性被験者および女性被験者を選択して、試験に参加させた。
【0216】
代表的な試験では、被験者を試験施設に拘束し、各試験期間において約6日間監督した。各期間における拘束は、試験第−1日(投与日の1日前)の午後に開始し、120時間採血後に終了し、試験第6日の午前に予定の試験手順を完了した。拘束中の活発な活動は許可しなかった。
【0217】
各期間の試験第1日の朝食を除き、拘束中の全ての食事において、被験者には1日当たり脂肪から約34%のカロリーを提供する標準食を与えた。絶食条件下で試験製剤を投与された被験者の場合、薬剤投与10時間前から開始して、翌日(試験第1日)の4時間血液検体の採取後まで、渇きを癒すための水を除いて、食物や飲料の摂取を許可しなかった。投与前1時間および投与後1時間は、液体を許可しなかった。各期間における第1日の朝食については、被験者には、割り当てられた投与法に応じて、食事を与えたり、与えなかったりした。摂食条件下で試験製剤を投与されるよう割り当てられた被験者には、薬剤投与の30分前に開始して、約1000Kcalおよび脂肪からカロリーの50%を提供する高脂肪朝食を与えた。
【0218】
試験第1日には、全ての被験者に、4時間採血後に昼食を与え、10時間採血後に夕食を与え、夕食から約4時間後に間食を与えた。朝食を除くて食事の内容は、4つの全期間のうちの集中薬物動態サンプリング日(試験第1日)には同一とした。
【0219】
代表的には、投与前ならびに各期間における投与から0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、48、72、96および120時間後に、被験者からの採血を行った。血液検体は遠心して血漿を分離した。血漿献体は分析まで冷凍保存した。
【0220】
質量分析検出を行うバリデーションされた液体クロマトグラフィー法を用いて、フェノフィブリン酸の血漿濃度を測定した。
【0221】
非コンパートメント法を用いて、フェノフィブリン酸の薬物動態パラメータの値を計算した。最初に、最大観察血漿濃度(Cmax)およびCmaxまでの時間(ピーク時間、Tmax)を、血漿濃度−時間データから直接求めた。第2に、プロファイルの最終対数−直線相からの血漿濃度−時間データの対数の最小二乗線形回帰の傾きから、最終相排出速度定数の値(λ)を得た。3つの濃度−時間データ点の最小値を用いて、λを求めた。最終相排出半減期(t1/2)を、ln(2)/λとして計算した。第3に、時間0から最終計測可能濃度時間までの血漿濃度−時間曲線の下の面積(AUC)(AUC)を、線形台形法則によって計算した。最終測定可能血漿濃度(Q)をλで割ることでAUCを無限時間に外挿して、時間0から無限時間までのAUC(AUC)を得た。
【0222】
maxならびにCmaxおよびAUCの自然対数について分散分析(ANOVA)を行った。そのモデルには、順序、順序内に入っている被験者、期間および投与法についての効果を含めた。順序、期間および投与法の効果を固定しながら、被験者の効果をランダムとした。順序効果に関する検定の場合、F統計量についての分母平方和を、順序内に入る被験者についての平方和とした。期間効果および投与法効果に関する検定では、分母平方和は残差平方和とした。統計的検定は、有意水準0.05で行った。
【0223】
絶食投与法の場合と比較した高脂肪食投与法の生物学的利用能を、90%信頼区間による2つの片側検定法によって評価した。投与後のフェノフィブリン酸の薬物動態パラメータについて観察された平均±標準偏差(SD)ならびに最小および最大値を、実施例4、5、6または7に示した表に挙げてある。実施例4、5、6および7に示した表では、別段の断りがない限り、各セルで示した上の値は平均±標準偏差である。各セルで示した中央の値は最小値である。各セルで示した下の値は最大値である。
【0224】
実施例4:食物効果−製剤1、2、5、6、7および8
製剤1および2、5および6、7および8について、実施例3に記載のように絶食および摂食健常被験者での試験を行った。各検体について、血漿中のフェノフィブリン酸含有量を測定した。これらの試験からのデータを、下記の表25〜27にまとめてある。
【0225】
【表37】

【0226】
【表38】

【0227】
【表39】

【0228】
実施例5−製剤10の食物効果
絶食および高脂肪摂食条件下の健常被験者で、製剤10の試験を行った。その製剤を、実施例3に記載のように単回投与非盲検無作為化交差試験で用いた。各検体について、血漿中のフェノフィブリン酸含有量を測定した。これらの試験からのデータを、下記の表28にまとめてある。
【0229】
【表40】

【0230】
実施例6−製剤9、10および11の生物学的等価性
製剤9、10および11について、実施例3に記載のように単回投与非盲検無作為化3期間交差試験で絶食健常被験者で試験を行った。各検体について、血漿中のフェノフィブリン酸含有量を測定した。これらの試験からのデータを、下記の表29にまとめてある。
【0231】
【表41】

【0232】
実施例7−製剤10、12および13の生物学的等価性
製剤10、12および13について、絶食条件下の健常被験者で試験を行った。各製剤を、実施例3に記載のように単回投与非盲検無作為化交差試験で用いた。各検体について、血漿中のフェノフィブリン酸含有量を測定した。これらの試験からのデータを下記の表30にまとめてある。留意すべき点として、表30で言及されている「基準薬」製品は、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸135mgを含む従来のカプセルである(これは、本明細書において「無希釈医薬」とも称されている)。
【0233】
【表42】

【0234】
実施例8−薬物動態パラメータのまとめ
下記の表31は、実施例4〜7に記載の試験における製剤1、2、5、6、7、8、9、10、11、12および13についてのCmaxおよびAUCの点推定値のまとめを提供するものである。
【0235】
【表43】

【0236】
実施例9−浸透圧ポンプ製剤
本実施例は、フェノフィブリン酸コリン塩を含む浸透圧ポンプ製剤の製造方法を説明するものである。各錠剤の大きさは、直径約2mmである。その製剤は、下記の表32に挙げた成分を含む。
【0237】
【表44】

上記浸透圧ポンプ製剤の製造方法は下記の通りである。
【0238】
【表45】

【0239】
下記の表33に示した攪拌速度100RPMでの単一pH溶解媒体から上記で得られた上記浸透圧ポンプ製剤の溶解値(溶解値は、2連測定の平均を取ることで求めた)。表33からわかるように、試作浸透圧ポンプからの溶解速度(放出%)は、治療上有効な固体製剤に好適なイン・ビボ特性を達成しないと予想される。そうではあっても、改良および/または至適化を行うことで、穴面積の増加(すなわち、穴が有する直径の増加または穴の数の増加のいずれかまたは両方)または腸溶コーティングおよび速度制御機構のいずれかもしくは両方の厚さの変更など(これらに限定されるものではない)の浸透ポンプの溶解速度を高めることができることは、当業者には理解できるものと考えられる。
【0240】
【表46】

【0241】
実施例10−製剤3および4についての溶解値
下記の表34に示したように、75RPM(製剤3)または100RPM(製剤4)の攪拌速度で単一pH溶解媒体からの6連の測定の平均を取ることで、製剤3および4についての溶解値を求めた。
【0242】
【表47】

【0243】
本発明が、前記の目的を果たし、言及されている目的および利点ならびに本明細書に固有のものであるそれらを得る上で良好に作られていることは当業者には明らかであると考えられる。本明細書に記載の組成物、製剤、方法、手順、処理、分子、具体的な化合物は、現時点で好ましい実施形態を代表するものであり、例示的なものであって、本発明の範囲に対して限定を行うものではない。本発明の範囲および精神を逸脱しない限りにおいて、本明細書に開示されている本発明に対して多様な置き換えや変更を加えることが可能であることは、当業者には容易に明らかになろう。
【0244】
本明細書で言及されている全ての特許および刊行物は、本発明が関係する当業界の技術者のレベルを示すものである。全ての特許および刊行物は、あたかも参照によって各個々の刊行物が具体的かつ個別に組み込まれたことを示しているのと同程度に参照によって本明細書に組み込まれるものである。
【0245】
本明細書に説明的に記載されている本発明は好適には、本明細書に具体的に開示されていない要素もしくは複数の要素、限定もしくは複数の限定なしに実行することができる。そこで例えば、本明細書における各場合で、「含む」、「本質的に・・・からなる」および「からなる」という用語はいずれも、他の2つの用語のいずれかで置き換えることが可能である。使用されている用語および表現は、説明用語として用いられるものであって、限定の用語として用いられるものではなく、そのような用語および表現の使用は、示されたり記載されている特徴の均等物およびそれの部分を排除するものではなく、特許請求されている発明の範囲内で各種の変更が可能であることは明らかである。そこで理解すべき点として、好ましい実施形態および適宜の特徴によって本発明が具体的に開示されているが、当業者が本明細書に開示の概念の修正および変更を行うことができ、そのような修正および変更が添付の特許請求によって定義される本発明の範囲に含まれるものと見なされる。
【図面の簡単な説明】
【0246】
【図1】0.5時間、1.0時間および2.0時間の点でのイン・ビトロ溶解差からのイン・ビボCmax食物効果の予測を示す図である。
【図2】2.0時間でのイン・ビトロ溶解差からのイン・ビボCmax食物効果の予測を示す図である。
【図3】単一pH法を用いる製剤1〜13の溶解プロファイルを示す図である。
【図4】二重pH法を用いる製剤1〜13の溶解プロファイルを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが30分で70%以下である固体製剤。
【請求項2】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが30分で少なくとも0.9%および30分で70%以下である固体製剤。
【請求項3】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが60分で80%以下である固体製剤。
【請求項4】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが60分で少なくとも7.0%および60分で80%以下である固体製剤。
【請求項5】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが30分で少なくとも0.9%および70%以下であり、60分で少なくとも7.0%および80%以下である固体製剤。
【請求項6】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが90分で90%以下である固体製剤。
【請求項7】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが30分で少なくとも0.9%および70%以下、60分で少なくとも7.0%および80%以下、90分で90%以下である固体製剤。
【請求項8】
固体製剤が、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないCmaxを示す請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の固体製剤。
【請求項9】
固体製剤が、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物のCmax未満であるCmaxを示す請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の固体製剤。
【請求項10】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも125%である請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の固体製剤。
【請求項11】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも120%である請求項10に記載の固体製剤。
【請求項12】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも115%である請求項11に記載の固体製剤。
【請求項13】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも110%である請求項12に記載の固体製剤。
【請求項14】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも105%である請求項13に記載の固体製剤。
【請求項15】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも100%である請求項14に記載の固体製剤。
【請求項16】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも95%である請求項15に記載の固体製剤。
【請求項17】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも90%である請求項16に記載の固体製剤。
【請求項18】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物の少なくとも85%である請求項17に記載の固体製剤。
【請求項19】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物の投与後の前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも80%である請求項18に記載の固体製剤。
【請求項20】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが、基準医薬組成物のAUCの少なくとも65%である請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の固体製剤。
【請求項21】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが、基準医薬組成物のAUCの少なくとも70%である請求項20に記載の固体製剤。
【請求項22】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが、基準医薬組成物のAUCの少なくとも75%である請求項21に記載の固体製剤。
【請求項23】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも80%である請求項22に記載の固体製剤。
【請求項24】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが、前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも85%である請求項23に記載の固体製剤。
【請求項25】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも90%である請求項24に記載の固体製剤。
【請求項26】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも95%である請求項25に記載の固体製剤。
【請求項27】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも100%である請求項26に記載の固体製剤。
【請求項28】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも105%である請求項27に記載の固体製剤。
【請求項29】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも110%である請求項28に記載の固体製剤。
【請求項30】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも115%である請求項29に記載の固体製剤。
【請求項31】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも120%である請求項30に記載の固体製剤。
【請求項32】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも125%である請求項31に記載の固体製剤。
【請求項33】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが0.5時間で少なくとも0.9%から62.0%以下である固体製剤。
【請求項34】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが1時間で少なくとも7.0%から71.0%以下である固体製剤。
【請求項35】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが0.5時間で少なくとも0.9%から62.0%以下、1時間で少なくとも7.0%から71.0%以下である固体製剤。
【請求項36】
固体製剤が、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないCmaxを示す請求項33、34または35に記載の固体製剤。
【請求項37】
固体製剤が、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に基準医薬組成物のCmax未満であるCmaxを示す請求項33、34または35に記載の固体製剤。
【請求項38】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも125%である請求項33、34または35に記載の固体製剤。
【請求項39】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも120%である請求項38に記載の固体製剤。
【請求項40】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも115%である請求項39に記載の固体製剤。
【請求項41】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも110%である請求項40に記載の固体製剤。
【請求項42】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも105%である請求項41に記載の固体製剤。
【請求項43】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも100%である請求項42に記載の固体製剤。
【請求項44】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも95%である請求項43に記載の固体製剤。
【請求項45】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも90%である請求項44に記載の固体製剤。
【請求項46】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物の少なくとも85%である請求項45に記載の固体製剤。
【請求項47】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが、前記基準医薬組成物投与後の前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも80%である請求項46に記載の固体製剤。
【請求項48】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが基準医薬組成物のAUCの少なくとも65%である請求項33、34または35に記載の固体製剤。
【請求項49】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが基準医薬組成物のAUCの少なくとも70%である請求項48に記載の固体製剤。
【請求項50】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが基準医薬組成物のAUCの少なくとも75%である請求項49に記載の固体製剤。
【請求項51】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも80%である請求項50に記載の固体製剤。
【請求項52】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも85%である請求項51に記載の固体製剤。
【請求項53】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも90%である請求項52に記載の固体製剤。
【請求項54】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも95%である請求項53に記載の固体製剤。
【請求項55】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも100%である請求項54に記載の固体製剤。
【請求項56】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも105%である請求項55に記載の固体製剤。
【請求項57】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも110%である請求項56に記載の固体製剤。
【請求項58】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも115%である請求項57に記載の固体製剤。
【請求項59】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも120%である請求項58に記載の固体製剤。
【請求項60】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも125%である請求項59に記載の固体製剤。
【請求項61】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが1時間で少なくとも7.0%である固体製剤。
【請求項62】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが2時間で少なくとも16.0%である固体製剤。
【請求項63】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが3時間で少なくとも24.0%である固体製剤。
【請求項64】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが3.5時間で少なくとも28.0%である固体製剤。
【請求項65】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが4時間で少なくとも29.0%である固体製剤。
【請求項66】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが1時間で少なくとも7.0%であり、2時間で少なくとも16.0%である固体製剤。
【請求項67】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが1時間で少なくとも7.0%であり、2時間で少なくとも16.0%であり、3時間で少なくとも24.0%である固体製剤。
【請求項68】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが1時間で少なくとも7.0%であり、2時間で少なくとも16.0%であり、3時間で少なくとも24.0%であり、3.5時間で少なくとも28.0%である固体製剤。
【請求項69】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが1時間で少なくとも7.0%であり、2時間で少なくとも16.0%であり、3時間で少なくとも24.8%であり、3.5時間で少なくとも28.0%であり、4時間で少なくとも29.0%である固体製剤。
【請求項70】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが1時間で41.0%以下である固体製剤。
【請求項71】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが2時間で79.0%以下である固体製剤。
【請求項72】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが1時間で41.0%以下であり、2時間で79.0%以下である固体製剤。
【請求項73】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが1時間で7.0%〜41.0%である固体製剤。
【請求項74】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが2時間で16.0%〜79.0%である固体製剤。
【請求項75】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが1時間で7.0%〜41.0%であり、2時間で16.0%〜79.0%である固体製剤。
【請求項76】
固体製剤が、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないCmaxを示す請求項61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74または75に記載の固体製剤。
【請求項77】
固体製剤が、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物のCmax未満であるCmaxを示す請求項61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74または75に記載の固体製剤。
【請求項78】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも125%である請求項61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74または75に記載の固体製剤。
【請求項79】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも120%である請求項78に記載の固体製剤。
【請求項80】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも115%である請求項79に記載の固体製剤。
【請求項81】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも110%である請求項80に記載の固体製剤。
【請求項82】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも105%である請求項81に記載の固体製剤。
【請求項83】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも100%である請求項82に記載の固体製剤。
【請求項84】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも95%である請求項83に記載の固体製剤。
【請求項85】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも90%である請求項84に記載の固体製剤。
【請求項86】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物の少なくとも85%である請求項85に記載の固体製剤。
【請求項87】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物投与後の前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも80%である請求項86に記載の固体製剤。
【請求項88】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが基準医薬組成物のAUCの少なくとも65%である請求項61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74または75に記載の固体製剤。
【請求項89】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが基準医薬組成物のAUCの少なくとも70%である請求項88に記載の固体製剤。
【請求項90】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが基準医薬組成物のAUCの少なくとも75%である請求項89に記載の固体製剤。
【請求項91】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも80%である請求項90に記載の固体製剤。
【請求項92】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも85%である請求項91に記載の固体製剤。
【請求項93】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも90%である請求項92に記載の固体製剤。
【請求項94】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも95%である請求項93に記載の固体製剤。
【請求項95】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも100%である請求項94に記載の固体製剤。
【請求項96】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも105%である請求項95に記載の固体製剤。
【請求項97】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも110%である請求項96に記載の固体製剤。
【請求項98】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも115%である請求項97に記載の固体製剤。
【請求項99】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも120%である請求項98に記載の固体製剤。
【請求項100】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも125%である請求項99に記載の固体製剤。
【請求項101】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが1時間で少なくとも9.0%である固体製剤。
【請求項102】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが2時間で少なくとも21.0%である固体製剤。
【請求項103】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが3時間で少なくとも34.0%である固体製剤。
【請求項104】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが3.5時間で少なくとも39.0%である固体製剤。
【請求項105】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが4時間で少なくとも44.0%である固体製剤。
【請求項106】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセント1時間で少なくとも9.0%であり、2時間で少なくとも21.0%である固体製剤。
【請求項107】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが1時間で少なくとも9.0%であり、2時間で少なくとも21.0%であり、3時間で少なくとも34.0%である固体製剤。
【請求項108】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが1時間で少なくとも9.0%であり、2時間で少なくとも21.0%であり、3時間で少なくとも34.0%であり、3.5時間で少なくとも39.0%である固体製剤。
【請求項109】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが1時間で少なくとも9.0%であり、2時間で少なくとも21.0%であり、3時間で少なくとも34.0%であり、3.5時間で少なくとも39.0%であり、4時間で少なくとも44.0%である固体製剤。
【請求項110】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが1時間で9.0%〜41.0%である固体製剤。
【請求項111】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが2時間で21.0%〜79.0%である固体製剤。
【請求項112】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが1時間で9.0%〜41.0%であり、2時間で21.0%〜79.0%である固体製剤。
【請求項113】
固体製剤が、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないCmaxを示す請求項101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111または112に記載の固体製剤。
【請求項114】
固体製剤が、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物のCmax未満であるCmaxを示す請求項101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111または112に記載の固体製剤。
【請求項115】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも125%である請求項101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111または112に記載の固体製剤。
【請求項116】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも120%である請求項115に記載の固体製剤。
【請求項117】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも115%である請求項116に記載の固体製剤。
【請求項118】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも110%である請求項117に記載の固体製剤。
【請求項119】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも105%である請求項118に記載の固体製剤。
【請求項120】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも100%である請求項119に記載の固体製剤。
【請求項121】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも95%である請求項120に記載の固体製剤。
【請求項122】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも90%である請求項121に記載の固体製剤。
【請求項123】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも85%である請求項122に記載の固体製剤。
【請求項124】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが、前記基準医薬組成物投与後の前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも80%であるである請求項123に記載の固体製剤。
【請求項125】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが基準医薬組成物のAUCの少なくとも65%である請求項101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111または112に記載の固体製剤。
【請求項126】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが基準医薬組成物のAUCの少なくとも70%である請求項125に記載の固体製剤。
【請求項127】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが基準医薬組成物のAUCの少なくとも75%である請求項126に記載の固体製剤。
【請求項128】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも80%である請求項127に記載の固体製剤。
【請求項129】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも85%である請求項128に記載の固体製剤。
【請求項130】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも90%である請求項129に記載の固体製剤。
【請求項131】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも95%である請求項130に記載の固体製剤。
【請求項132】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも100%である請求項131に記載の固体製剤。
【請求項133】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも105%である請求項132に記載の固体製剤。
【請求項134】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも110%である請求項133に記載の固体製剤。
【請求項135】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも115%である請求項134に記載の固体製剤。
【請求項136】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも120%である請求項135に記載の固体製剤。
【請求項137】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも125%である請求項136に記載の固体製剤。
【請求項138】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが0.5時間で少なくとも15.0%および71.0%未満であり、1時間で少なくとも40.0%および81.0%未満であり、さらには前記固体製剤の溶解が時間平方根プロファイルに従う固体製剤。
【請求項139】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、単一pHでのイン・ビトロ溶解で溶けている製剤のパーセントが0.5時間で少なくとも15.0%および57.0%未満であり、1時間で少なくとも40.0%および70.0%未満であり、さらに前記固体製剤の溶解が時間平方根プロファイルに従う固体製剤。
【請求項140】
固体製剤が、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物のCmaxの125%を超えないCmaxを示す請求項138または139に記載の固体製剤。
【請求項141】
固体製剤が、絶食条件下でヒト被験者に投与した後に、基準医薬組成物のCmax未満であるCmaxを示す請求項138または139に記載の固体製剤。
【請求項142】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが、前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも125%である請求項138または139に記載の固体製剤。
【請求項143】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも120%である請求項142に記載の固体製剤。
【請求項144】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも115%である請求項143に記載の固体製剤。
【請求項145】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも110%である請求項144に記載の固体製剤。
【請求項146】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも105%である請求項145に記載の固体製剤。
【請求項147】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも100%である請求項146に記載の固体製剤。
【請求項148】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも95%である請求項147に記載の固体製剤。
【請求項149】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも90%である請求項148に記載の固体製剤。
【請求項150】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが前記基準医薬組成物の少なくとも85%である請求項149に記載の固体製剤。
【請求項151】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のCmaxが、前記基準医薬組成物投与後の前記基準医薬組成物のCmaxの少なくとも80%である請求項150に記載の固体製剤。
【請求項152】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが基準医薬組成物のAUCの少なくとも65%である請求項151に記載の固体製剤。
【請求項153】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが基準医薬組成物のAUCの少なくとも70%である請求項152に記載の固体製剤。
【請求項154】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが基準医薬組成物のAUCの少なくとも75%である請求項153に記載の固体製剤。
【請求項155】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも80%である請求項154に記載の固体製剤。
【請求項156】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも85%である請求項155に記載の固体製剤。
【請求項157】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも90%である請求項156に記載の固体製剤。
【請求項158】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも95%である請求項157に記載の固体製剤。
【請求項159】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも100%である請求項158に記載の固体製剤。
【請求項160】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも105%である請求項159に記載の固体製剤。
【請求項161】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも110%である請求項160に記載の固体製剤。
【請求項162】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも115%である請求項161に記載の固体製剤。
【請求項163】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも120%である請求項162に記載の固体製剤。
【請求項164】
絶食条件下でヒト被験者に投与した後の固体製剤のAUCが前記基準医薬組成物のAUCの少なくとも125%である請求項163に記載の固体製剤。
【請求項165】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、前記固体製剤が二重pHでのイン・ビトロ溶解と単一pHでのイン・ビトロ溶解との差:−10.0〜17.0を示し、さらには前記二重pHおよび前記単一pHでの前記溶解がそれぞれ2時間目に測定されるものである固体製剤。
【請求項166】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、前記固体製剤が二重pHでのイン・ビトロ溶解と単一pHでのイン・ビトロ溶解との差:−10.0〜9.0を示し、さらには前記二重pHおよび前記単一pHでの前記溶解がそれぞれ2時間目に測定されるものである固体製剤。
【請求項167】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、前記固体製剤が二重pHでのイン・ビトロ溶解と単一pHでのイン・ビトロ溶解との差:−10.0〜2.0を示し、さらには前記二重pHおよび前記単一pHでの前記溶解がそれぞれ2時間目に測定されるものである固体製剤。
【請求項168】
絶食状態でヒト被験者に経口投与した際の製剤のAUCと、摂食状態でヒト被験者に経口投与した時の前記製剤のAUCが実質的に差がない請求項165、166または167に記載の固体製剤。
【請求項169】
摂食条件下での製剤のAUCを絶食条件下での前記製剤のAUCで割った値が0.70〜1.43である請求項165、166または167に記載の固体製剤。
【請求項170】
摂食条件下での製剤のAUCを絶食条件下での前記製剤のAUCで割った値が0.80〜1.25である請求項167に記載の固体製剤。
【請求項171】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、前記固体製剤が−0.2〜+0.8の予測Δ相対Cmaxを有する固体製剤。
【請求項172】
活性薬剤を含む固体製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つであり、前記固体製剤が−0.2〜+0.2の予測Δ相対Cmaxを有する固体製剤。
【請求項173】
絶食状態でヒト被験者に経口投与した際の製剤のAUCと、摂食状態でヒト被験者に経口投与した時の前記製剤のAUCが実質的に差がない請求項171または172に記載の固体製剤。
【請求項174】
摂食条件下での製剤のAUCを絶食条件下での前記製剤のAUCで割った値が0.70〜1.43である請求項171または172に記載の固体製剤。
【請求項175】
摂食条件下での製剤のAUCを絶食条件下での前記製剤のAUCで割った値が0.80〜1.25である請求項172に記載の固体製剤。
【請求項176】
活性薬剤を含む経口製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つである経口製剤。
【請求項177】
活性薬剤を含む放出調節経口製剤であって、前記活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つである放出調節経口製剤。
【請求項178】
活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸である請求項177に記載の製剤。
【請求項179】
活性薬剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩である請求項177に記載の製剤。
【請求項180】
2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩がコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、トロメタミン、リジン、ピペラジン、カルシウムおよびトロメタミンからなる群から選択される請求項179に記載の製剤。
【請求項181】
2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩がコリンである請求項180に記載の製剤。
【請求項182】
製剤が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つの混合物を含む請求項177に記載の製剤。
【請求項183】
少なくとも一つの速度制御機構をさらに含む請求項177に記載の製剤。
【請求項184】
少なくとも一つの腸溶コーティングをさらに含む請求項177に記載の製剤。
【請求項185】
核をさらに含む請求項177に記載の製剤。
【請求項186】
核が少なくとも一つの活性薬剤を含む請求項185に記載の製剤。
【請求項187】
核が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸を含む請求項186に記載の製剤。
【請求項188】
核が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩を含む請求項186に記載の製剤。
【請求項189】
2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩がコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、トロメタミン、リジン、ピペラジン、カルシウムおよびトロメタミンからなる群から選択される請求項188に記載の製剤。
【請求項190】
2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩がコリンである請求項189に記載の製剤。
【請求項191】
核が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つの混合物を含む請求項186に記載の製剤。
【請求項192】
核を取り囲む少なくとも一つの腸溶コーティングをさらに含む請求項186に記載の製剤。
【請求項193】
核がさらに少なくとも一つの速度制御機構を含む請求項186に記載の製剤。
【請求項194】
核を取り囲む少なくとも一つの腸溶コーティングをさらに含む請求項193に記載の製剤。
【請求項195】
核を取り囲むか該核上にコーティングされた少なくとも一つの速度制御をしない層をさらに含む請求項193に記載の製剤。
【請求項196】
少なくとも一つの速度制御をしない層を取り囲む少なくとも一つの腸溶コーティングをさらに含む請求項195に記載の製剤。
【請求項197】
核を取り囲むか該核上にコーティングされた少なくとも一つの速度制御機構をさらに含む請求項186に記載の製剤。
【請求項198】
少なくとも一つの速度制御機構を取り囲む少なくとも一つの腸溶コーティングをさらに含む請求項197に記載の製剤。
【請求項199】
核と少なくとも一つの速度制御機構との間に存在する速度制御をしない層をさらに含む請求項197に記載の製剤。
【請求項200】
少なくとも一つの速度制御機構を取り囲む少なくとも一つの腸溶コーティングをさらに含む請求項199に記載の製剤。
【請求項201】
少なくとも一つの速度制御機構を取り囲むかその機構上にコーティングされた少なくとも一つの速度制御をしない層をさらに含む請求項197に記載の製剤。
【請求項202】
少なくとも一つの速度制御をしない層を取り囲む少なくとも一つの腸溶コーティングをさらに含む請求項201に記載の製剤。
【請求項203】
核が不活性基質を含む請求項185に記載の製剤。
【請求項204】
基質が2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の塩類または緩衝2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸のうちの少なくとも一つでコーティングされている請求項203に記載の製剤。
【請求項205】
基質を取り囲む少なくとも一つの腸溶コーティングをさらに含む請求項204に記載の製剤。
【請求項206】
基質を取り囲むか該基質上にコーティングされた少なくとも一つの速度制御機構をさらに含む請求項204に記載の製剤。
【請求項207】
少なくとも一つの速度制御層を取り囲むか該層上にコーティングされた少なくとも一つの速度制御をしない層をさらに含む請求項206に記載の製剤。
【請求項208】
少なくとも一つの速度制御機構を取り囲む少なくとも一つの腸溶コーティングをさらに含む請求項206に記載の製剤。
【請求項209】
少なくとも一つの速度制御をしない層を取り囲む少なくとも一つの腸溶コーティングをさらに含む請求項207に記載の製剤。
【請求項210】
基質を取り囲むか該基質上にコーティングされた少なくとも一つの速度制御をしない層をさらに含む請求項204に記載の製剤。
【請求項211】
少なくとも一つの速度制御をしない層を取り囲む少なくとも一つの腸溶コーティングをさらに含む請求項210に記載の製剤。
【請求項212】
少なくとも一つの速度制御をしない層を取り囲むか該層上にコーティングされた少なくとも一つの速度制御機構をさらに含む請求項210に記載の製剤。
【請求項213】
少なくとも一つの速度制御機構を取り囲む少なくとも一つの腸溶コーティングをさらに含む請求項212に記載の製剤。
【請求項214】
少なくとも一つの速度制御機構が親水性薬剤、疎水性薬剤またはそれらの組み合わせである請求項183、193、197、206または212に記載の製剤。
【請求項215】
親水性薬剤がセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、キサンタンガム、アルギン酸類、ポリビニルピロリドン、デンプン、アクリル酸の架橋ホモポリマーまたはコポリマーである請求項214に記載の製剤。
【請求項216】
セルロースがヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースである請求項215に記載の製剤。
【請求項217】
疎水性薬剤がロウまたは水不溶性薬剤である請求項216に記載の製剤。
【請求項218】
ロウが天然または合成ロウである請求項217に記載の製剤。
【請求項219】
水不溶性薬剤がアミノメタクリレートコポリマー、酢酸セルロース、セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、メタクリル酸エステルコポリマー、微結晶セルロースまたはリン酸二カルシウムである請求項217に記載の製剤。
【請求項220】
速度制御をしない層が1以上のポリマーからなる請求項195、199、201、207または210に記載の製剤。
【請求項221】
腸溶コーティングが1以上のメタクリル酸コポリマー類、酢酸フタル酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、酢酸トリメリト酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロースまたはシェラックである請求項181、184、192、194、196、200、202、204、208、209、211または213に記載の製剤。
【請求項222】
少なくとも一つの製薬上許容される賦形剤をさらに含む請求項177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201,202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212または213に記載の製剤。
【請求項223】
少なくとも一つの製薬上許容される賦形剤が充填剤、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、溶解度向上剤、懸濁剤、甘味剤および/または香味剤、保存剤、緩衝液、湿展剤、崩壊剤、発泡剤、界面活性剤、保湿剤、溶媒またはそれらの組み合わせである請求項221に記載の製剤。
【請求項224】
脂質調節剤をさらに含む請求項177に記載の製剤。
【請求項225】
脂質調節剤がアトルバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、クロフィブリン酸、ナイアシン/ニコチン酸、トルセトラピブ、コレスチポール、オメガ−3酸エチルエステル類、コレセベラム、コレスチラミン、エゼチミベ、MD−0727、ゲムフィブロジルまたはプロブコールである請求項224に記載の製剤。
【請求項226】
抗高血圧剤をさらに含む請求項177に記載の製剤。
【請求項227】
抗高血圧剤がアムロジピン、ベナゼプリル、ベニジピン、カンデサルタン、カプトプリル、カルベジロール、ダロジピン、ジルチアゼム、ジアゾキシド、ドキサゾシン、エナラプリル、エプレロノン、エプロサルタン、フェロジピン、フェノルドパム、フォシノプリル、グアナベンズ、イロプロスト、イルベサルタン、イスラジピン、レルカルジニピン、リシノプリル、ロサルタン、ミノキシジル、ネビボロール、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、オマパトリラット、フェノキシベンゾアミン、プラゾシン、キナプリル、レセルピン、セモチアジル、シタクスセンタン、テラゾシン、テルミサルタン、ラベトロール、バルサルタン、トリアムテレン、メトプロロール、メチルドーパ、ラミプリル、オルメサルタン、チモロール、ベラパミル、クロニジン、ナドロール、ベンドロメチアジド、トルセミド、ヒドロクロロチアジド、スピンロノラクトン、ペリンドプリル、ヒドララジン、ベタキソロール、フロシミド、ペンブトロール、アセブトロール、アテノルール、ビソプロロール、ナドロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、チモロール、インダパミド、トランドプリル、アミロリド、モエキシプリル、メトロゾンまたはバルサルタンである請求項226に記載の製剤。
【請求項228】
抗糖尿病薬をさらに含む請求項177に記載の製剤。
【請求項229】
抗糖尿病薬がアカルボース、経口インシュリン、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、シグリタゾン、ファルグリタザル、グリベンクラミド、グリクラジド、グリピジド、グルカゴン、グリブリド、グリメピリド、ミグリトール、ピオグリタゾン、ナテグリニド、ピマゲジン、レパグリニド、ロシグリタゾン、トラザミド、トルブタミド、トリアムプテリンまたはトログリタゾンである請求項228に記載の製剤。
【請求項230】
体重減少薬をさらに含む請求項177に記載の製剤。
【請求項231】
体重減少薬がフェンテルミン、フェンジメトラジン、ベンズフェタミン、ジエチルプロピオン、シブトラミン、オルリスタットまたはリモナバントである請求項230に記載の製剤。
【請求項232】
抗レトロウィルス薬をさらに含む請求項177に記載の製剤。
【請求項233】
抗レトロウィルス薬がアンプレナビル、チプリナビル、ラミブジン、インディナビル、エムトリシタビン、アバカビル、エンフビルチド、サクイナビル、ロピナビル、リトナビル、ホスアンプレナビル、メシル酸デラビラジン、ジドブジン、アタザナビル、エファビレンツ、テノフィビル、エムトリシタビン、ディダノシン、ネルフィナビル、ネビラピンまたはスタブジンである請求項232に記載の製剤。
【請求項234】
抗血小板薬をさらに含む請求項177に記載の製剤。
【請求項235】
抗血小板薬がアスピリン、シロスタゾールまたはペントキシフィリンである請求項234に記載の製剤。
【請求項236】
ビタミン、ミネラルまたはビタミンとミネラルの組み合わせをさらに含む請求項177に記載の製剤。
【請求項237】
ビタミンまたはミネラルが葉酸、カルシウムまたは鉄である請求項136に記載の製剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−535851(P2008−535851A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505585(P2008−505585)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/013121
【国際公開番号】WO2006/135480
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】