説明

フェノール樹脂

本明細書に開示された本発明は、フェノール樹脂を硬化させるための硬化剤として作用するオキサゾリジン、ニトロアルコール、ニトロン、ハロニトロパラフィン、オキサジン、アザアダマンタン、ヘキサメチレンテトラミン塩、ニトロアミン、イミダゾリジン、トリアジン、ニトロオキサゾリジン及びイミダゾリジン−オキサゾリジンハイブリッドの使用を含んでなる。本発明において記載された硬化剤及び促進剤/触媒は、繊維強化複合材料用途、例えば引抜成形、フィラメント巻き、バルクモールディングコンパウンド(BMC)、シートモールディングコンパウンド(SMC)、真空支援樹脂トランスファー、プリプレグ、接着剤、鋳物材料、研磨剤、摩擦材料、絶縁材、積層品、コーティング、電子機器、耐火剤及び難燃剤最終用途(これらに限定するものではない)を含む、フェノール樹脂を使用する全ての用途において適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本出願は、2003年3月7日に出願された米国特許出願第10/383,272号の一部継続出願である、2004年4月23日に出願された米国特許出願第10/830,808号の一部継続出願である。
発明の分野
本発明は、フェノールノボラック樹脂用の硬化剤(hardner)として有用な組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
フェノール樹脂は広くはノボラック樹脂及びレゾール樹脂の2つに大別される。ノボラック樹脂は、一般に、ホルムアルデヒドが不充分であるとして特徴づけられる。即ち、ホルムアルデヒド対フェノール基の比が<1である。レゾール樹脂は、一般に、ホルムアルデヒドが多いとして特徴づけられる。即ち、ホルムアルデヒド対フェノール基の比>1である。ノボラック樹脂及びレゾール樹脂は共に、フェノール、レゾルシノール、ビスフェノール、フロログルシノール、クレゾール、アルキルフェノール、フェニルエーテル、タンニン及びリグニンを含む(これらに限定するものではない)種々のフェノール化合物を単独で又は組合せて混和することができる。同様に、ホルムアルデヒドは、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、シクロヘキサンジカルボキサルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール及び他のアリール又は複素環式アルデヒドを含む(これらに限定するものではない)他のアルデヒドで全部又は一部分を置き換えることができる。
【0003】
ノボラック樹脂は通常、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド供与硬化剤化合物又はホルムアルデヒド等価化合物を用いて硬化(架橋)(cured(crosslinked,hardened))する。ノボラックの硬化には、商業的にはヘキサメチレンテトラミン(ヘキサ)及びパラホルムアルデヒドを用いることが多い。ホルムアルデヒド源の他に、硬化速度及び硬化度を増進するために加熱及び触媒の存在が通常用いられる。触媒としては、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム又は酸化カルシウム若しくは酸化マグネシウムのような無機塩基、塩化亜鉛又は酢酸亜鉛のようなルイス酸、或いはトリエチルアミンのようなアミンが挙げられる。
【0004】
ホルムアルデヒドを多く含むレゾール樹脂は、硬化を行うのに追加のホルムアルデヒドを必要としない。必要なのは、加熱単独又は触媒(通常は酸)の存在下における加熱だけである。
【発明の開示】
【0005】
本明細書中で開示する発明は、硬化剤として及び/又はフェノールノボラック樹脂を硬化させるための触媒として作用する、オキサゾリジン(OX)、ニトロアルコール(NA)、ニトロン(NIT)、ハロニトロパラフィン(HNP)、オキサジン(OZ)、アザアダマンタン(AZA)、ヘキサメチレンテトラミン塩(HEX−S)、ニトロアミン(NAm)、イミダゾリジン(ImA)、トリアジン(TRI)、ニトロオキサゾリジン(NIT−OX)及びイミダゾリジン−オキサゾリジンハイブリッド(ImA−OX)の使用を含む。これらの硬化剤は、完全に新しい組成物及び予想外の活性を有することが判明した既知化合物を共に含む。これらの硬化剤は、広範囲のフェノール樹脂の硬化に有効である。これらの硬化剤の活性は、塩基、例えばNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、Mg(OH)2、CaOのような(これらに限定するものではない)無機水酸化物若しくは酸化物;アミン、例えば、トリメチルアミン(TMA)、トリエチルアミン(TEA)、2−(ジメチルアミノ)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(DMTA)、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、1.4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(Dabco(登録商標))、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1.5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)(これらに限定するものではない);又は金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムフェノキシド及びカリウムフェノキシド(これらに限定するものではない)の組み入れによって更に増大させることができる。これらの硬化剤及び促進剤/触媒を適切に選択して、単独で又は種々の組合せで使用することによって、これらのフェノール樹脂系を硬化するための加工パラメーターを有利に変えることができる。比較的低い硬化温度、制御された硬化速度及び減少した後硬化サイクルは、標準ヘキサ−硬化ノボラック又は酸触媒レゾール系に比較して有利な改良である。これらのプロセスの改良及びサイクル時間の減少は、明らかに経済的に有利である。
【0006】
本発明において記載した硬化剤及び触媒は、繊維強化複合材料用途、例えば引抜成形(pultrusion)、フィラメント巻き(filament winding)、バルクモールディングコンパウンド(BMC)、シートモールディングコンパウンド(SMC)、真空支援樹脂トランスファー(vaccum assisted resin transfer)、プリプレグ、接着剤、鋳物材料、研磨剤、摩擦材料、絶縁材、積層品、コーティング、電子機器、耐火剤及び難燃剤最終用途(これらに限定するものではない)を含む、フェノール樹脂を使用する任意の用途において適用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明はまた、新規硬化剤、即ち、種々の既存の及び新しいオキサゾリジン(OX)、ニトロアルコール(NA)、ニトロアセタール(NAc)、ニトロン(NIT)、ハロニトロパラフィン(HNP)、オキサジン(OZ)、アザアダマンタン(AZA)、ヘキサメチレンテトラミン塩(HEX−S)、ニトロアミン(NAm)、イミダゾリジン(ImA)、ニトロイミダゾリジン(NIT−ImA)、トリアジン(TRI)、ニトロオキサゾリジン(NIT−OX)及びイミダゾリジン−オキサゾリジンハイブリッド(ImA−OX)(後述)から選ばれる硬化剤及び触媒を含む。硬化剤及び触媒は、以下からなる群から選ばれる:5−(2−フリル)−3−エチル−3−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン(FUR/モノZE)、5−エチル−1,8−ジ(2−フリル)−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン(FUR/ZE)、5−ニトロ−5−[(N−イソプロピル)−アミノメチル]−3−イソプロピル−1,3−テトラヒドロオキサジン(IPA−OZ)、7−ニトロ−1,3,5−トリアザアダマンタン(NTA)、7−アミノ−1,3,5−トリアザアダマンタン(ATA)、ヘキサメチレンテトラミン/ブロモニトロメタン塩(HEX−BNM)、ヘキサメチレンテトラミン/塩化ベンジル塩(HEX−BzCl)、2−フルフラール−IPHAニトロン(Fur−IPHA);ヒドロキシルアミン(HA)、N−イソプロピルヒドロキシルアミン(IPHA)、N−プロピルヒドロキシルアミン(PHA)、N−エチルヒドロキシルアミン(EHA)及びN−t−ブチルヒドロキシルアミン(tBuHA)を含むヒドロキシルアミンからのテレフタルアルデヒド、グリオキサール及びグルタルアルデヒドに基づくビス−ニトロン;ニトロアミンN−(2−ニトロイソブチル)アニリン(NMP−An)、1−イミダゾリジンエタノール(ImE)、3−オキサゾリンエタノール(3OE)、3−フェニルオキサゾリジン(3POX)、1−オキソ−3,5−ジアザ[1.2.4]ビシクロノナン(ODB)、3,3’−(2−メチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジイル)ビス[4,4−ジメチルオキサゾリジン](NMPD−ビス−1135)、4,4−ジメチル−1−オキサ−3−[N−(2−ヒドロキシメチル−2−ニトロプロピル0]アザシクロペンタン(NMPD−1135)、3,3’−メチレンビスオキサゾリジン(ビス−OX)、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(TRI)、オキサゾリジン(OX)、1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン(SER−OX)、4−エチルオキサゾリジン(AB−OX)、1,3−ジフェニルイミダゾリジン(DPI)。
【0008】
フェノールノボラック樹脂の硬化に使用する硬化剤の量が、達成したい機械的性質及び実施される適用方法に応じて異なることは、当業者には明白であろう。利用可能な樹脂部位の50%の架橋結合密度の達成が賢明であるようであるが、10%〜100%のレベルも必要に応じて実現できるであろう。商業的圧縮成形用途におけるヘキサの使用レベルは、個々の用途に必要な架橋結合密度レベルを達成するために、約5重量%〜15重量%又は更にそれ以上であることができる。
【0009】
本明細書中に開示した新規硬化剤は、種々の化学種から得られる。ほとんどの場合、これらの硬化剤は、本明細書の実施例中に記載したように、溶媒及び反応副生成物を含まない単離成分として使用するのが最も有利である。これらは、粗製単離生成物として又はさらなり精製後に使用することができる。必要な精製度を決定する要因としては、経済性、存在する活性成分のレベルを正確に測定する能力及び不活性成分が硬化反応を妨げないという知識が挙げられる。
【0010】
本発明の範囲には更に、それらの反応性成分から現場(又はその場で)生成された(in situ)硬化剤又は硬化剤の混合物が含まれる。例えば、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール(AEPD(登録商標))は室温又はほぼ室温においてホルムアルデヒド源(ホルムアルデヒド水溶液、パラホルムアルデヒド又は有機溶媒中ホルムアルデヒド、例えば、Formcel(登録商標))と容易に反応して、オキサゾリジンBioban(登録商標)CS−1246(ZE)を形成する。オキサゾリジンは、このような反応から、前述のように硬化剤として使用するために単離することができる。或いは、溶媒を含む又は含まない、適当なレベルのAEPD(登録商標)及びホルムアルデヒド源を含む混合物を、フェノールノボラック樹脂と混合し、続いて硬化させて、活性オキサゾリジン硬化剤成分を現場生成することができる。同様に、アミノエチルエタノールアミン(AEEA)のようなジアミンは、前述のようなホルムアルデヒド源と容易に反応して、イミダゾリジン1−イミダゾリジンエタノールを生成する。溶媒を含む又は含まない、AEEAと適当なレベルのホルムアルデヒド源との混合物を、フェノールノボラック樹脂と混合し、続いて硬化させて、反応性イミダゾリジン硬化剤を現場生成できる。
【0011】
モノマー硬化剤種の他に、ポリマー硬化剤の使用もまた、本発明の範囲内である。例えば、Dow Heavy Polyamine Xのようなポリアルキレンアミンとホルムアルデヒド源との反応によって、分子当たり複数のイミダゾリジン単位を含む反応性化合物を得ることができる。これらの硬化剤は、単離成分として使用することもできるし、或いは前述のように現場生成することもできる。
【0012】
各硬化剤の架橋可能性が個々の構造によって異なることは、当業者には容易にわかるであろう。従って、これらの新規硬化剤の推奨使用レベルは、非常に広い範囲に及ぶであろう。一般に、10%〜100%、好ましくは約50%〜80%の架橋結合密度を達成するためには充分な硬化剤を使用すべきである。これには、高官能化低分子量硬化剤の場合の総製剤重量に基づき、わずか5重量%から、低い官能性を有する高分子量硬化剤の場合の総製剤重量に基づき、>75重量%までの組入れが必要である。
【0013】
本明細書に開示した新規硬化剤は、種々の用途において完全に硬化されたフェノールノボラック樹脂を得るために単独で又は種々の組合せで使用できる。しかし、所望ならば、これらの硬化剤の硬化性は、促進剤/触媒の更なる組入れによって増大することができる。本発明において開示した新規硬化剤に関して有効であることがわかっている材料は典型的には塩基性であるが、無機化合物及び有機化合物の両者を含む多種の化学種から選ばれる。これらの化合物のいくつかの活性は真に触媒的であり、他の活性は実際に化学量論的であり得る。このため、それらは、本明細書中では促進剤/触媒と総称する。いずれにしても、これらの促進剤/触媒の作用は、DSC分析によって確かめられるように、硬化開始及びピーク温度を低下させることである。従って、これらの促進剤/触媒を用いて、所定温度における硬化速度を増加させるか、又は比較的低い温度における製剤の硬化を実施することができる。
【0014】
本明細書で開示された新規硬化剤に関して促進剤/触媒として有効な無機化合物としては、金属水酸化物及び酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム及び酸化カルシウムが挙げられるが、これらに限定するものではない。本明細書で開示された新規硬化剤に関して促進剤/触媒として有効な有機化合物としては、アミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、2−(ジメチルアミノ)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、又は金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムフェノキシド及びカリウムフェノキシド(これらに限定するものではない)が挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0015】
これらの促進剤/触媒の使用レベルは、化合物の選択、その化合物の活性並びに達成すべき硬化増大のレベル及び種類によって大幅に異なるであろう。総製剤重量に基づき、0.5重量から、総製剤重量に基づき、15重量%までの促進剤/触媒レベルを使用できるであろう。好ましい促進剤/触媒レベルは、総製剤重量に基づき、1〜5重量%であろう。
【0016】
一部の用途では必須ではないが、溶媒の使用は、製剤粘度の制御並び/又は取り扱い及び加工の改善に有利であることができる。当業者によって一般に使用されるたくさんの溶媒には、水、一般的アルコール、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、ケトン及び脂肪族エステルがあり、ここでは詳しく説明する必要がない。選択される溶媒は、保存寿命、可使時間又は硬化を損なわないように樹脂、硬化剤又は促進剤/触媒のいずれとも反応性であってはならないことは明白である。また、不活性溶媒の使用が硬化フェノール樹脂内に残留気孔を生じる可能性があり、それが機械的性質を低下させることも知られている。従って、加工性を得るためには不活性溶媒のレベルを可能な限り低く保つことが望ましい。本明細書中に開示した新規硬化剤を用いることによって、総製剤重量に基づき、<20重量%の溶媒を含む、容易に加工可能な製剤を得ることができる。
【0017】
前述のように、不活性溶媒の使用は、硬化フェノール樹脂製品中に気孔を生じる可能性がある。この問題は、場合によっては、不活性溶媒の使用を排除できる適当な硬化剤の選択によって対処することができる。他の場合には、気孔の生成は、不活性溶媒の全部又は一部を反応性希釈剤と交換することによって減少又は排除することができる。定義上は、反応性希釈剤は、典型的には樹脂、硬化剤及び場合によっては促進剤/触媒の溶媒として働くことができる液体である化合物である。更に、反応性希釈剤は、樹脂及び/又は硬化剤と共反応性であるために硬化フェノール樹脂中に混和される化合物でもある。このような用途に適当な反応性希釈剤としては、フェノール、クレゾール、レゾルシノール及びアニリン並びにこれらの化合物のアルキル、ヒドロキシアルキル又はアルキルエーテル誘導体;フルフラール、及びフルフリルアルコールが挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0018】
硬化樹脂中に完全に反応されるので、反応性希釈剤は固形分100%の製剤を得るのに使用できる。従って、反応性希釈剤の使用レベルは総製剤重量に基づき、1重量%から、総製剤重量に基づき、>50重量%まで、大幅に変化できる。反応性希釈剤を使用する場合には、硬化剤のレベルはそれに応じて調整しなければならないのは明らかである。
【実施例】
【0019】
オキサゾリジンであるBioban(登録商標)CS−1246(5−エチル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、ZE)、Bioban(登録商標)CS−1135(4,4−ジメチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン)、Bioban(登録商標)CS−1991(5−メチル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、ニトロアルコールであるトリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン(TN(登録商標))、アミノアルコールである2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール(AEPD(登録商標))、ニトロパラフィンであるニトロメタン(NM(登録商標))、ニトロエタン(NE(登録商標))、1−ニトロプロパン(1−NP)、2−ニトロプロパン(2−NP)、ヒドロキシルアミンであるN−イソプロピルヒドロキシルアミン(IPHA)、N−エチルヒドロキシルアミン(EHA)及びN−プロピル−ヒドロキシルアミン(PHA)は全て、ANGUS Chemical Companyから入手した。イソプロピルアミン(IPA)、ヘキサメチレンテトラミン(ヘキサ)、2−フルフラール、ホルムアルデヒド水溶液、塩化ベンジル、グリオキサール、グルタルアルデヒド、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)、塩化テトラメチルアンモニウム(メタノール中25重量%)(TMAOH)、並びに全ての一般的な実験室用の酸、塩基及び試薬は、Aldrich Chemical Companyから入手した。5−ヒドロキシメチル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン(M−3P)はUniroyalから入手した。2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(Bronopol)はDow Biocidesから入手した。アミノエチルエタノールアミン(AEEA)はDow Chemical Companyから入手した。Formacel(登録商標)(メタノール中55重量%ホルムアルデヒド)は、Celaneseから入手した。フェノールノボラック樹脂は、樹脂メーカーから得られる市販の材料である。他の材料は、以下のようにして合成した。
【0020】
GC分析
GC分析は、30m×0.25mmの1μフィルムDB−5カラム上にFID検出器を有するHewlett Packard Model 5890Aガスクロマトグラフを用いて行った。
【0021】
IR分析
IR分析は、Nicolet Model 560 FT/IRを用いて行った。サンプルは、必要に応じて、KBrペレットの形態で又はNaClプレート上の薄いフィルムとして分析した。
【0022】
NMR分析
NMR分析は、IBM NR/200FT/NMRを用いて行った。1H及び13Cプローブを共に用いた。サンプルの溶解度特性に適合するように重水素化溶媒を選択した。
【0023】
GC/MS分析
GC/MS分析は、Agilent Model 5973 MSに連結されたHewlett Packard Model HP6890GCを用いて実施した。EI法及びCI法を共に用いた。
【0024】
DSC分析
DSC分析は、TA Instruments Model Q100示差走査熱量計を用いて実施した。ノボラック樹脂に関する硬化剤をスクリーニングするための走査は、50cc/分の窒素流を用いて25℃から260℃までΔT=10℃/分で行った。高容積(100μL)アルミニウムパンを用いた。圧着の前に上部に小さな孔を開けた。オーブン硬化実験後の製剤の硬化性能の分析のための走査は、非密封アルミニウムパンを使用して50cc/分の窒素流を用いて25℃から400℃までΔT=10℃/分で行った。最初の走査後、サンプルを室温まで冷却し戻し、次いで走査を再び行って、Tgデータを得た。
【0025】
例1−FUR/モノZE及びFUR/ZEの合成
FUR/モノZE及びFUR/ZE: AEPD(登録商標)(14.06g,0.10モル)、フルフラール(19.22g,0.20モル)及びメタノール15mLを、500mLのジャケット付き重合がまに装入した。透明な琥珀色溶液を、窒素ブランケット下で65℃において48時間攪拌した。溶媒を回転蒸発によって除去して、ほとんど黒色の油を27.3g生成した。GC分析は、この生成物がモノ−及びビス−オキサゾリジンの約1:2の比の混合物からなることを示した。GC/MS分析によって、生成物の同一性を確認した。
【0026】
例2−IPAオキサジンの合成
IPAオキサジン: 窒素ブランケット、添加用漏斗、機械的撹拌機及び熱電対を装着した2リットルの3つ口丸底フラスコに、イソプロピルアミン(425mL、5.0モル)を装入した。添加用漏斗に、37%水性ホルムアルデヒド(202.9g,2.5モル)中トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン(TN(登録商標))(377.75g,2.5モル)の予め溶解された混合物を装入し、反応器内容物を冷水浴で15℃に冷却した。15〜19℃の内部反応温度を保持しながら1.5時間かけてイソプロピルアミンにTN/ホルムアルデヒド溶液を滴加した。添加完了後、冷却浴を除去した。混合物は透明な溶液から水/油エマルジョンに変化した。これを、40分にわたって34℃までゆっくりと加温した。次いで、加熱マントルを用いて混合物を70℃に5時間加温した。次に、反応マスを一晩、室温に冷却し戻した。反応生成物は黄色ペーストまで一部分固化した。次いで、ヘキサン(750mL)を添加し、水を共沸によって除去した。最後の水が除去されると、白色固体が析出した。スラリーを一晩フリーザーに入れて、結晶化を完了させた。白色結晶ヘキサヒドロピリジミン生成物を濾過によって回収した(245g,理論値の39.9%)。ヘキサン層を回転蒸発によって濃縮して、オキサジン(IPA−OZ)を黄色油として生成した(約370g,理論値の60%)。注:数週間にわたって、オキサジンはヘキサヒドロピリジミンにゆっくりと転化するであろう(油からのその結晶化によって示される)。
【0027】
例3−NTAの合成
NTA: この化合物は、米国特許第4,267,322号に記載された方法に従って製造した。
【0028】
例4−ATAの合成
ATA: 2リットルのステンレス鋼オートクレーブに、NTA 40g(0.22モル)、ラネーニッケル触媒(水中50重量%スラリー)25g及びメタノール1リットルを装入した。混合物を800rpmで攪拌し、750psigで水素添加した。最初の反応温度は60℃とし、水素の取り込みが減少するにつれて、>100℃まで徐々に上昇させた。還元は、GC分析によって監視した。還元は約4時間で完了した。反応混合物を濾過し、触媒をメタノール約100gで洗浄した。合した濾液及び洗液から、回転蒸発によって溶媒をストリップした。単離された湿潤固体分を、減圧下でトルエンとの共沸によって乾燥させた。結晶固体生成物としてのATAの収量は29.0g(87%)であった。化合物の同一性を、GC/MS分析によって確認した。
【0029】
例5−HEX−BNMの合成
HEX−BNM: ヘキサ(1.00g,7.1ミリモル)及びBNM(1.00g,7.1ミリモル)を、窒素ブランケット下で小フラスコ中で塩化メチレン15mLに溶解させた。室温で一晩攪拌後、最初は無色透明な溶液がオレンジ色のスラリーになった。固形分を濾過によって単離し、濾過器上で新鮮な塩化メチレンで洗浄した。薄いオレンジ−イエローのHEX−BNMの収量は0.8g(40%)であった。MP=188〜192℃。IR分析は、3429cm-1に強いアンモニウムN−H+バンドを示したが、−NO2バンドは示さなかった。これは、生成物がN−アルキル臭化物塩ではなく、ニトロネート塩であることを示した。
【0030】
例6−HEX−BzClの合成
HEX−BzCl: ヘキサ(1.4g,0.10モル)及び塩化ベンジル(1.26g,0.10モル)を、還流冷却器を装着した小フラスコ中でクロロホルム25gに溶解させた。無色透明の溶液を窒素ブランケット下で4時間還流させた。形成された白色固体を濾過によって回収し、濾過器上で新鮮なクロロホルムによって洗浄した。HEX−BzClの収量は2.2g(82%)であった。MP=175〜178℃。IR分析によって、生成物がN−アルキル化塩化物塩であることが確認された。
【0031】
例7−グルタルアルデヒド−ビス−IPHAニトロン(Glut−IPHA)の合成
Glut−IPHA: 500mLのフラスコに、15重量%IPHA水溶液100.14g(0.20モル)及び50重量%グルタルアルデヒド水溶液20.02g(0.10モル)を装入した。溶液は黄色に変わったが、依然として透明であった。この溶液を室温で数日間撹拌し、次いで35℃の浴温度で回転蒸発によって水の大部分を除去した。残りの水を、単離された黄色ペーストから、減圧下でトルエンとの共沸によって除去した。得られた黄色の非晶質固体生成物を最後に、室温において真空下で乾燥させた。Glut−IPHAの収量は21.4g(100%)であった。MP=44〜46℃。
【0032】
例8−グリオキサールに基づくビス−ニトロンの合成
グリオキサールに基づくビス−ニトロン: IPHA、PHA及びEHAからのグリオキサールに基づくビス−ニトロンを全て、以下の基本手順によって製造した。
【0033】
50mLのフラスコに15重量%IPHA水溶液25.05g(0.05モル)及び40重量%グリオキサール水溶液3.64g(0.025モル)を装入した。混合物を、室温において窒素ブランケット下で攪拌した。3時間後、白色固体生成物を濾過によって回収した。生成物を濾過器上で水洗し、次いで真空下で80℃において2時間乾燥させた。グリオキサール−ビス−IPHAニトロン(Gly−IPHA)の収量は3.49g(81%)であった。MP=197〜198℃(分解)。
【0034】
PHA及びEHAビス−ニトロンは共に、著しく水溶性であり、収率がより低かった。反応混合物又は濾液の濃縮によって生成物の収率を増大させる試みは行わなかった。
【0035】
例9−テレフタルアルデヒド−ビス−IPHAニトロンの合成
Tere−IPHA: 250mLのフラスコに、テレフタルアルデヒド26.89g(0.20モル)、固体IPHA37.56g(0.50モル)及びメタノール45gを装入した。混合物を、室温において窒素ブランケット下で攪拌した。反応体が溶解して透明な溶液になる際に最初に吸熱を示した後、反応混合物は約60℃まで発熱を始めた。発熱の過程において、固形分が反応溶液から分離し始めた。次に、反応混合物を室温で一晩攪拌した。白色固体生成物を混合物から濾過によって単離した。生成物を濾過器上で少量のイソプロパノールで洗浄し、次いで空気乾燥させた。ビス−ニトロンの収量は38.36g(77%)であった。MP=223〜225℃。GC/MS及びNMR分析によって、生成物の構造を確認した。
【0036】
例10−フルフラール−IPHAニトロンの合成
Fur−IPHA: 250mLのフラスコに、2−フルフラール9.61g(0.10モル)、固体IPHA 11.27g(0.15モル)及びメタノール50gを装入した。混合物を室温において窒素ブランケット下で攪拌して、透明な琥珀色溶液を生成した。反応混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を回転蒸発によって除去して、琥珀色の油を生成した。これは放置時に結晶化した。粗製生成物をヘキサンから再結晶して、Fur−IPHA 12.13g(79%)を黄褐色結晶質固体として生成した。MP=54〜56℃。生成物の構造を、GC/MS、IR及びNMR分析によって確認した。
【0037】
例11−N−(2−ニトロイソブチル)アニリン(NMP−An)の合成
NMP−An: 100mLのフラスコに、NMP 11.91g(0.10モル)、アニリン9.31g(0.10モル)、水5mL及び40重量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液1mLを装入した。この2相反応混合物を、窒素ブランケット下で55℃において37時間攪拌した。室温に冷却後、反応期間の間に分離した黄色結晶生成物を、濾過によって回収し、濾過器上で水洗した。生成物を濾過器上で空気中で、次いで真空オーブン中で40℃において乾燥させて、黄色結晶AMP−An 18.18g(94%)を生成した。MP=60〜62℃。生成物の構造を、GC/MS分析によって確認した。
【0038】
例12−NEPD(登録商標)/NB(登録商標)ブレンド及びNEPD(登録商標)/NB(登録商標)/TN(登録商標)ブレンドの現場合成
NEPD(登録商標)/NB(登録商標)ブレンド:2ブランケット、滴下漏斗、電磁撹拌機、加熱マントル及び外部冷却浴を装着した2リットルの3つ口丸底フラスコに、メチルFormcel(327.3g、6.0モル,ホルムアルデヒドの35%メタノール中55%溶液)及びトリエチルアミン(2.0mL,1.45g,0.014モル)を装入した。滴下漏斗に1−ニトロプロパン(356.4g,4モル)を装入し、加熱マントルを用いて反応器内容物を40℃に加温した。加熱マントルを取り除き、1−ニトロプロパンの急速な滴加を開始した。数分後、反応熱が反応マスを加温し始め;外部冷却を用いて、反応温度を約39〜41℃に保持した。1−NP添加の終了近くに、ホルムアルデヒドのほぼ全てが消費されると、反応温度が降下し始め;添加の最後の75mLの間に1−NP添加速度を大幅に増加させた。1−ニトロプロパン添加には、完了までに約1.54時間かかった。室温で一晩撹拌後、黄色溶液を55℃/到達真空度10トルにおいて回転蒸発で蒸発させた。低粘度の油状黄色生成物が約540g得られた。GC面積%の分析は、NEPD(登録商標)及びNB(登録商標)の60/40混合物を示した。
【0039】
NEPD(登録商標)/NB(登録商標)/TN(登録商標)物理的ブレンド: ガラス瓶に、前記で製造されたNEPD(登録商標)/NB(登録商標)混合物9.9gを装入した。TN(登録商標)結晶9.9gを添加し、瓶を40℃のオーブン中に数時間置いて、溶解させた。TN(登録商標)は40℃において完全に溶解していたが、室温への冷却時に結晶化した。NEPD(登録商標)/NB(登録商標)混合物の第2の9.9gのアリコートを、瓶に添加し、40℃において加熱することによって再び溶解させた。この生成物は数時間は油のままであるが、一晩でペーストに固化するであろう。溶融された形態のこの生成物を、製剤の研究に用いた。
【0040】
NEPD(登録商標)/NB(登録商標)/TN(登録商標)ブレンド:2ブランケット、滴下漏斗、電磁撹拌機、加熱マントル及び外部冷却浴を装着した2リットルの3つ口丸底フラスコに、メチルFormcel(319.1g、5.85モル,ホルムアルデヒドの35%メタノール中55%溶液)及びトリエチルアミン(2.0mL,1.45g,0.014モル)を装入した。滴下漏斗に1−ニトロプロパン(200.3g,2.25モル)とニトロメタン(45.8g,0.75モル)との混合物を装入し、加熱マントルを用いて反応器内容物を40℃に加温した。加熱マントルを取り除き、1−NP/NM(登録商標)の急速な滴加を開始した。数分後、反応熱が反応マスを加温し始め;外部冷却を用いて、反応温度を約39〜41℃に保持した。ニトロアルカン添加の終了近くに、ホルムアルデヒドのほぼ全てが消費されると、反応温度が降下し始め;添加の最後の75mLの間にニトロアルカン添加速度を大幅に増加させた。ニトロアルカン添加には、完了までに約50分かかった。黄色溶液を室温で数時間攪拌させてから、貯蔵のためのガラス瓶に移した。
【0041】
例13−1,3−ジフェニルイミダゾリジン(DPI)の合成
50mLの3つ口フラスコに、電磁撹拌機、電力供給装置を有する加熱マントル及び還流冷却器を装着した。このフラスコに、ジアニリノエタン(DAE)5.31g(0.025モル)及びメタノール15gを装入した。透明な暗褐色溶液が得られるまで、この混合物を窒素ブランケット下で加温及び撹拌した。溶液を室温まで冷却し、次いでFormcel(登録商標)1.36g(ホルムアルデヒド0.025モル)を一度に添加した。混合物を還流させながら18時間加熱した。最初の2時間後に、固形分が分離し始めた。固形分を濾過によって回収し、濾過器上で小容量のメタノールで洗浄した。乾燥後、DPIの収量はベージュ色の固体として4.13g(74%)であった。生成物の構造をIR、NMR及びGC/MS分析によって確認した。
【0042】
例14−イミダゾリジンエタノール(ImE)の合成
ImE: 500mLの3つ口フラスコに電磁撹拌機、電力供給装置を有する加熱マントル、還流冷却器及び添加用漏斗を装着した。このフラスコに、アミノエチルエタノールアミン(AEEA)104.17g(1.00モル)及びメタノール50gを装入した。添加用漏斗にFromcel(登録商標)59.02g(ホルムアルデヒド1.08モル)を装入した。窒素ブランケット下で撹拌しながら、アミン溶液を40℃まで加温した。Formcel(登録商標)を1時間かけて滴加した。反応混合物は添加の間に約70℃までの発熱を示した。次に、反応混合物を約50℃まで冷却し戻した。Formcel(登録商標)の添加完了後、反応混合物を3時間還流させ、次いで室温まで冷却させた。
【0043】
反応混合物から回転蒸発によって溶媒を除去した。最初の生成物にトルエンを添加して、共沸によって水を除去した。ImEの収量は、透明な黄色油として119.67g(103%)であった。GC分析は、若干のトルエン及び若干の未反応AEEAの存在を示した。生成物の構造を、IR、NMR及びGC/MS分析によって確認した。
【0044】
例15−1−オキソ−3,5−ジアザ[1.2.4]ビシクロノナン(ODB)の合成
ODB: 3リットルの3つ口フラスコに、ImE 849.13g(7.31モル)及びメタノール350mLを装入した。このフラスコに、電磁撹拌機、還流冷却器、電力供給装置を有する加熱マントル、及び添加用漏斗を装着した。添加用漏斗に、Formcel(登録商標)398.86g(ホルムアルデヒド7.31モル)を装入した。ImE溶液を窒素ブランケット下で還流させながら撹拌し、Formcel(登録商標)を5時間かけて添加した。Formcel(登録商標)添加完了後、還流を5時間続けた。溶媒の大部分を、回転蒸発によって反応混合物から除去した。トルエンを添加して、水を共沸混合物として除去した。ODBの収量は、粘稠なレッド−オレンジの油として928.20g(99%)であった。IR、NMR及びGC/MS分析は、生成物の大部分がODBの構造によることができることを示した。いくつかの他の成分がより少ない量で観察された。ImEは残っていなかった。
【0045】
例16−3−オキサゾリジンエタノール(3OE)の合成
3OE: 1リットルの3つ口フラスコに電磁撹拌機、還流冷却器、添加用漏斗、及び電力供給装置を有する加熱マントルを装着した。このフラスコに、ジエタノールアミン(DEA)262.82g(2.5モル)及びメタノール125gを装入した。添加用漏斗にFromcel(登録商標)136.48g(ホルムアルデヒド2.5モル)を装入した。溶液を窒素ブランケット下で還流させながら撹拌し、Formcel(登録商標)を3時間かけて滴加した。添加完了後、還流を2時間続けた。溶媒の大部分を、回転蒸発によって反応混合物から除去した。トルエンを添加して、水を共沸混合物として除去した。3OEの収量は、黄色油として291.03g(99%)であった。生成物の構造を、NMR及びGC/MS分析によって確認した。
【0046】
例17−3−フェニルオキサゾリジン(3POX)の合成
3POX: 500mLの3つ口フラスコに、電磁撹拌機、還流冷却器、添加用漏斗、及び電力供給装置を有する加熱マントルを装着した。このフラスコに、N−フェニルエタノールアミン(NPEA)137.17g(1.0モル)及びメタノール25gを装入した。添加用漏斗にFromcel(登録商標)55.20g(ホルムアルデヒド1.01モル)を装入した。NPEA溶液を室温において窒素ブランケット下で撹拌し、Formcel(登録商標)を1.25時間かけて滴加した。添加完了後、反応混合物を室温において一晩撹拌した。溶媒の大部分を、回転蒸発によって反応混合物から除去した。トルエンを添加して、水を共沸混合物として除去した。3POXの収量は、透明な琥珀色油として144.54g(97%)であった。生成物の構造を、NMR及びGC/MS分析によって確認した。
【0047】
例18−3,3’−(2−メチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジイル)ビス[4.4−ジメチルオキサゾリジン](NMPD−ビス−1135)及び4,4−ジメチル−1−オキサ−3−[N−(2−ヒドロキシメチル−2−ニトロプロピル)]アザシクロペンタン(NMPD−1135)の合成
NMPD−ビス−1135及びNMPD−1135: 25mLの3つ口フラスコに、電磁撹拌機、還流冷却器、添加用漏斗、並びに温度調節器及び熱電対を有する加熱マントルを装着した。このフラスコに、37重量%ホルムアルデヒド水溶液8.17g(0.10モル)及びニトロエタン3.81g(0.05モル)を装入した。添加用漏斗に、CS−1135を10.1g(0.10モル)装入した。CS−1135を約15分かけてフラスコに添加した。反応混合物の温度は、添加の間に35℃を越えなかった。添加完了後、混合物を窒素ブランケット下で60〜65℃において3時間加熱した。次に、反応混合物を室温まで冷却し戻した。冷却時に、混合物が層に分離し、層の1つは白色結晶質固体まで固化した。固体生成物を濾過によって単離し、容量比1:1の水−イソプパノール約25mLから再結晶させた。GC分析は、生成物が>70%のNMPD−ビス−1135からなることを示した。GC/MS分析によって、生成物の大部分がNMPD−1135であることが確認された。
【0048】
例19−オキサゾリジン(OX)、3,3’−メチレンビスオキサゾリジン(ビス−OX)及び1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(TRI)の合成
OX、ビス−OX及びTRI; 100mLの3つ口フラスコに、電磁撹拌機、還流冷却器、添加用漏斗、並びに温度調節器及び熱電対を有する加熱マントルを装着した。フラスコに、モノエタノールアミン(MEA)30.57g(0.50モル)を装入した。添加用漏斗に、Formcel(登録商標)27.31g(ホルムアルデヒド0.52モル)を装入した。MEAを室温において窒素ブランケット下で撹拌し、Formcel(登録商標)を1時間かけて添加した。反応フラスコは、添加の間、水浴中で冷却して、反応混合物を<35℃に保持した。次に、反応混合物を室温で一晩攪拌した。生成物を、大気圧において蒸留に供した。100℃までの頭部温度において数gの水が回収され、続いて105〜108℃において無色留出物約4gが回収された(「フラクション2」と称する)。次いで、蒸留が停止した。蒸留フラスコ中の粘稠で、透明な琥珀色油(「生成物」と称する)は、ポット温度150℃及び圧力5トルでさえ蒸留されなかった。IR、NMR及びGC/MSは、「フラクション2」がOXであること、及び「生成物」が主にビス−OXからなることを示した。若干のOXも検出され、TRIの存在は完全には無視できなかった。
【0049】
例20−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン(SER−OX)の合成
SER−OX: 電磁撹拌機、加熱マントル、滴下漏斗及びN2ブランケットを装着した3つ口フラスコに固体セリノール(18.2g,0.2モル)を装入した。フラスコを55℃に加温すると、セリノールが完全に融解した。Formcel(登録商標)(23.4g,0.43モル)を添加用漏斗に装入し、滴加を開始した。55〜62℃の内部反応温度を保持しながら、Formcel(登録商標)を15分かけて添加した。添加完了後、混合物を2時間60℃に保持した。フラスコに、真空蒸留ヘッドを取り付けた。透明なほとんど無色の溶液が蒸留された。62〜66℃/10トルにおいて沸点に達するフラクションを回収した(21g,収率91.1%)。この無色透明な流体生成物は、GCによって純度が>99%であることが示された。同一性を、GC/MS、NMR及びFTIRによって確認した。
【0050】
例21−4−エチルオキサゾリジン(AB−OX)の合成
AB−OX: セリノール−Oxに関して記載した手法を用いて製造した。2−アミノブタノールに対してモル濃度10%過剰のFormcel(登録商標)を用いた。粗製反応混合物を真空下で蒸留し;45〜52℃/15トルにおいて沸点に達するフラクションを回収した(45g,収率44.5%)。無色透明の流体生成物は、GCによって純度が>96%であることが示された。同一性を、GC/MS、NMR及びFTIRによって確認した。
【0051】
例22−比較DSCデータ調査−新規硬化剤
本発明において開示した硬化剤の有用性を証明するために、市販PFノボラック樹脂を用いて一連の製剤を製造した。成分の混合を容易にするために、この研究における樹脂は、エタノール中85重量%溶液として用いた。これらの製剤の硬化パターンにおいて観察される変動は、評価される硬化剤/触媒によるものであった、ヘキサが当業界で最も広範に使用される硬化剤であるので、ヘキサを比較のための基準として用いた。
【0052】
硬化事象が起こる場合の硬化開始温度及びピーク温度並びに硬化熱を観察するために。製剤を示差走査熱量計(DSC;TA Instruments Model Q100)を用いて評価した。DSC走査は50cc/分の窒素流下で25℃から260℃までΔT=10℃/分で行った。この研究において得られたデータを、以下の表に要約する。
【0053】
各具体例に関してここで評価した硬化剤の種類は以下の通りである:
【0054】
オキサゾリジン(OX)及びニトロオキサゾリジン(NIT−OX):
【0055】
【化1】

【0056】
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる];
【0057】
【化2】

【0058】
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる];
【0059】
【化3】

【0060】
[式中、nは1〜6の整数であり;R1、R2、R3、R4、R5は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる];
【0061】
【化4】

【0062】
[式中、R1〜R12は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる];
【0063】
【化5】

【0064】
[式中、R1〜R17は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる]。
【0065】
【化6】

【0066】
ニトロアルコール(NA)、ニトロアセタール(NAc)
【0067】
【化7】

【0068】
[式中、R1、R2は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる];
【0069】
【化8】

【0070】
[式中、R1、R2、R3は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる];
【0071】
【化9】

【0072】
1,2−、1,3−及び1,4−異性体
[式中、R1、R2は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる];
【0073】
【化10】

【0074】
[式中、R1、R2、R3、R4、R5は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる]。
【0075】
【化11】

【0076】
ニトロン(NIT)
【0077】
【化12】

【0078】
[式中、R1、R2、R3、R4は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ハロゲンから選ばれることができる];
【0079】
【化13】

【0080】
1,2−、1,3−及び1,4−異性体
[式中、R1、R2は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ハロゲンから選ばれることができる];
【0081】
【化14】

【0082】
[式中、Gは、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル;置換アリール;複素環;ポリオキシアルキレンから選ばれ;
1〜R6は、同一であっても異なってもよく、H、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル;置換アリール;複素環;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;ヒドロキシプロピル;ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる];
【0083】
【化15】

【0084】
[式中、Gは、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル;置換アリール;複素環;ポリオキシアルキレンから選ばれ;
1〜R5は、同一であっても異なってもよく、H、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル;置換アリール;複素環;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;ヒドロキシプロピル;ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる];
【0085】
【化16】

【0086】
[式中、Gは、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル;置換アリール;複素環;ポリオキシアルキレンから選ばれ;
1〜R4は、同一であっても異なってもよく、H、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル;置換アリール;複素環;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;ヒドロキシプロピル;ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる];
【0087】
【化17】

【0088】
[式中、R1〜R8は、同一であっても異なってもよく、H、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル;置換アリール;複素環;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;ヒドロキシプロピル;ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれる];
【0089】
【化18】

【0090】
[式中、R1〜R8は、同一であっても異なってもよく、H、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル;置換アリール;複素環;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;ヒドロキシプロピル;ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる];
【0091】
【化19】

【0092】
[式中、R1〜R8は、同一であっても異なってもよく、H、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル;置換アリール;複素環;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;ヒドロキシプロピル;ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる];
【0093】
【化20】

【0094】
[式中、Nは、0又は1〜12の整数であり;
R、R1〜R5は、同一であっても異なってもよく、H、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル;置換アリール;複素環;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;ヒドロキシプロピル;ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる]。
【0095】
【化21】

【0096】
ハロニトロパラフィン(HNP)
【0097】
【化22】

【0098】
[式中、R1、R2は、同一であっても異なってもよく、H、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル;置換アリール;複素環;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;ヒドロキシプロピル;ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができ;
XはCl、Br、F、Iである]。
【0099】
【化23】

【0100】
オキサジン(OZ)
【0101】
【化24】

【0102】
[式中、R1、R2、R3は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環から選ばれることができ;
4は、H、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル;置換アリール;複素環;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;ヒドロキシプロピル;ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれる]。
【0103】
【化25】

【0104】
アザアダマンタン(AZA)
【0105】
【化26】

【0106】
ヘキサメチレンテトラミン塩(HEX−S)
【0107】
【化27】

【0108】
[式中、R1は、H、メチル、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル;置換アリール;複素環;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;ヒドロキシプロピル;ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレンから選ばれ;
Yは、Cl、Br、F、I、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖又は環状又はアリール又は置換アリール又は複素環式又はヒドロキシアルキルハロニトロパラフィンである]。
【0109】
【化28】

【0110】
ニトロアミン(NAm)
【0111】
【化29】

【0112】
[式中、R1〜R9は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖、分岐鎖若しくは環状アルキル若しくはアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、又はハロゲンから選ばれる]。
【0113】
【化30】

【0114】
イミダゾリジン(ImA)及びニトロイミダゾリジン(NIT−ImA)
【0115】
【化31】

【0116】
[式中、R1〜R8は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる];
【0117】
【化32】

【0118】
[式中、R1〜R11は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる];
【0119】
【化33】

【0120】
[式中、nは、1〜6の整数であり;
1〜R7は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれることができる];
【0121】
【化34】

【0122】
[式中、R1〜R17は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれる];
【0123】
【化35】

【0124】
[式中、R1〜R17は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン、ハロゲンから選ばれる]。
【0125】
【化36】

【0126】
トリアジン(TRI)
【0127】
【化37】

【0128】
[式中、R1〜R3は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレンから選ばれる]。
【0129】
【化38】

【0130】
イミダゾリジン−オキサゾリジンハイブリッド(ImA−OX)
【0131】
【化39】

【0132】
[式中、nは、0又は1〜6の整数であり;
1〜R10は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレンから選ばれる]。
【0133】
【化40】

【0134】
新規フェノール樹脂
比較DSC調査
TA Instruments Model Q 100 DSC
ラン条件:50cc/分で窒素を用いながら、25℃から260℃まで10℃/分。
【0135】
15重量%エタノール中85重量%市販ノボラック樹脂
種類:
Am=アミン
NAm=ニトロアミン
OX=オキサゾリジン
NIT=ニトロン
HA=ヒドロキシルアミン
AZA=トリアザアダマンタン
NA=ニトロアルコール
Hex−S=ヘキサメチレンテトラミン塩
OZ=オキサジン
ImA=イミダゾリジン
NIT−OX=ニトロオキサゾリジン
ImA−OX=イミダゾリジンーオキサゾリジンハイブリッド
【0136】
【表1】

【0137】
【表2】

【0138】
【表3】

【0139】
前記表中のDSCデータは、硬化パターンの幅広い変動を示した。結果を、硬化剤種との関連で述べる。
【0140】
ヘキサメチレンテトラミン塩(Hex−S)
Hexaは、PFノボラック樹脂に関して最も一般的に用いられる硬化剤である。これは、DSCにおいて2つの発熱を示す。その主な欠点は、製剤が流動可能な溶融状態に達した直後に硬化し始めること−即ち、加工ウィンドウが限定されることである。
【0141】
米国特許第2,607,759号は、レゾール樹脂及び尿素―ホルムアルデヒド樹脂のような酸触媒フェノール樹脂の硬化に潜在性触媒としてHexa塩を用いることを開示している。ヘキサ塩は、酸を結合し、貯蔵安定性を改善する。樹脂硬化を触媒するのに必要とされた遊離酸は、高温で遊離される。
【0142】
特開平11−343384号公報(JP 11343384)は、ノボラック樹脂を硬化させるための硬化剤として、≧1の電子吸引基を有するHexa及びHexaの塩並びに安息香酸のブレンドを使用することを開示している。
【0143】
本発明者らは、ノボラック樹脂の硬化剤として、遊離Hexaを存在させずにHexa塩を単独で使用することをここに開示し、実証する。Hex―BzCl製剤のDSCは、Hexa単独で示される2つの発熱性硬化事象ではなく、発熱性硬化事象を1つだけ示した(例22−2)。同様に、Hex−MNMは、わずかに高い温度において単一の硬化発熱を示した(例22−3)。
【0144】
アザアダマンタン(AZA)
NTA及びATAのようなアザアダマンタン(AZA)はHexa及びニトロアミン(NAm)の両者に構造が類似しているが、ノボラック樹脂のための硬化剤としてそれらを使用することはこれまで開示されていない。本発明者らはここで、その適用を開示し、実証する。
【0145】
NTAは単独で、Hexaによって示される2つの硬化発熱の間の温度において単一の硬化発熱を示す。従って、それはより幅広い加工ウィンドウを提供する(例22−4)。ニトロアルコール(NA)又は脂環式ニトロアミン(NAm)とは異なり、NTAに関して得られる硬化開始及びピーク温度は、促進剤としてのIPHAの組み入れによって影響されなかった(例22−5〜22−7)。
【0146】
ATAの硬化パターンは、2つの硬化発熱が観察される点でHexaと似ていた(例22−8及び22−9)。しかし、第1の硬化事象がHexaより低い温度で起こり、第2の硬化事象がより高い温度で起こる。
【0147】
ニトロアルコール(NA)
本発明者らは、ニトロアルコール(NA)がノボラック樹脂に対して有効な硬化剤であることを既に示した。トリス−ニトロアルコールTNの他に、本発明者らは、ビス−ニトロアルコールNMPD(登録商標)及びハロゲン化ビス−ニオロアルコールBronopolもまたノボラック樹脂のための硬化剤であることを見出した。
【0148】
NMPD(登録商標)に関する硬化開始及びピーク発熱は、TNに関して観察されるのと本質的に同一であり、総硬化熱はそれより低い。TNに構造が類似していること及びホルムアルデヒド価を3ではなく2だけ供与することができるという事実を考えると、これらの結果は意外ではない(例22−10及び22−14)。
【0149】
Bronopolに関して得られた結果は若干予想外であった。比較的低温で分子を不安定化し且つホルムアルデヒドを放出させるのではなく、臭素の存在は実際に開始及びピーク硬化温度を増加させた(例22−16)。
【0150】
前述のように、ヒドロキシルアミン(HA)はニトロアルコールと共に触媒/促進剤として働く。化学量論レベル未満のIPHAの、NMPD(登録商標)又はBronopolの製剤中への混和は、製剤の硬化開始及びピーク温度を共に著しく低下させた(例22−15、22−17)。
【0151】
ヒドロキシルアミン(HA)の他に、アミンもニトロアルコールを不安定化させることが知られている。化学量論量未満のHexa又はDMTA(2−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)のTN製剤への添加は、硬化開始及びピーク温度を共に著しく低下させた(例22−12、22−13)。
【0152】
ニトロアミン(NAm)
本発明者らは、ニトロアルコール(NA)と第1又は第2アミンとのマンニッヒ反応によって得られるニトロアミン(NAm)がノボラック樹脂に対して有効な硬化剤であることを実証した。
【0153】
NAm硬化剤の不所望である可能性のある側面は、揮発性のアミン副生成物が生成され得ることである。本発明者らはここで、副生成物が、樹脂マトリックス中に容易に取り込まれる反応性アミン、アニリンである硬化剤としてのNMP−Anの使用を実証する。NMP−An製剤は、NA硬化剤の場合に観察されるより低い硬化開始及びピーク温度を示す(例22−31)。ここでの低い硬化熱は、一官能価でしかないNMP−Anの作用である。同様な二官能価又は三官能価誘導体をNMPD(登録商標)又はTN(登録商標)から製造できるであろうことは明白である。
【0154】
TNを含むNMP−Anの製剤は、NMP−Anの場合に観察されるよりも高いがTN(登録商標)の場合よりも更に低い硬化開始及びピーク温度を生じた(例22−32)。硬化パターンは、アミン触媒NA製剤の場合に観察されるのと非常に似ている。従って、NAm硬化剤は、他のNA硬化剤と配合された場合には、メチレン供与とアミン触媒作用の両方の利点を提供する。アニリンに基づくNAm硬化剤についての付加利益は、アミンが不揮発性であることである。
【0155】
オキサゾリジン(OX)及びニトロオキサゾリジン(NIT−OX)
オキサゾリジン(OX)は典型的には、アミノアルコールとアルデヒドとの反応によって製造される。ほとんどの市販オキサゾリジンは、ホルムアルデヒドに基づく。本発明者らはここで、ノボラック樹脂のための硬化剤としてフルフラールに基づくOXを開示し、実証する。
【0156】
ビス−オキサゾリジンFUR/ZEが主成分であるが、NEPD(登録商標)とフルフラールとの反応は、容易には完了しない。混合モノ−及びビス−オキサゾリジン反応生成物に基づく製剤は、Hexaの場合に見られるよりも低い開始及びピーク温度を有する2つの硬化発熱を示した(例22−33)。
【0157】
DSCデータを、一連のモノ−オキサゾリジン:AB−OX、3OE及び3POXについて作成した(例22−39、22−41、22−42)。これら3種のオキサゾリジンはいずれも非常に反応性であり、製剤の製造後すぐに硬化し始めた。このため、DSCデータは、硬化開始及びピーク温度をまずまず正確に捕らえるが、真の総硬化熱を正確には反映しない。
【0158】
DSCデータはまた、一連のビス−オキサゾリジン:ZE、CS−1991、SER−OX、ビス−OX及びNMPD−ビス−1135についても得た(例22−35〜22−38、22−40、2−43)。言うまでもなく、最初の3つは、橋頭炭素において異なる成分を有する一連の二環式ビス−オキサゾリジンを示す。H又はCH3の存在は、硬化性能に対してほとんど効果がないようであるが、C25基は、硬化開始及びピーク温度を増加させるのに充分な大きさであるようである。
【0159】
別の群のビス−オキサゾリジンはビス−OX及びNMPD−ビス−1135で表される。これらは、同一分子中でスペーサー基によって隔てられたモノ−オキサゾリジンである。前述の例19に記載されたように、ビス−OXは、モノ−オキサゾリジン、OXを合成する試みから得られた。分析によって、得られた生成物は主にビス−OXで構成されているが、OX及び/又はTRIの存在は無視できないことが示された。DSCの研究から、ビス−OXはこれら2つのより低い硬化開始温度を有するが、NMPD−ビス−1135はより低い硬化ピーク温度を有することがわかった(例22−37及び22−43)。
【0160】
オキサジン(OZ)
ニトロアルコールとアミン及びホルムアルデヒドとの反応によるヘキサヒドロピリジミン(PYRIM)の合成もまた、構造の類似したオキサジン(OZ)を副生成物として生成する可能性がある。本発明者らは、PYRIMがノボラック樹脂に対して有効な硬化剤であることを前に示した。本発明者らはここで、OZも同様に有効な硬化剤であることを開示し、実証したい。
【0161】
IPA−OZに基づく樹脂製剤は、2つの硬化発熱を示した(例22−34)。第1硬化事象に関する開始及びピーク温度は、Hexaの場合に見られる第1の硬化事象よりも低いが、IPA−OZに関する第2の硬化事象は、Hexaの場合に見られる第1の硬化事象と同等である。
【0162】
ニトロン(NIT)
ニトロン(NIT)は、今まで調べられたあらゆる種類のより広範囲の硬化パターンを示した。これは、カルボニル成分とヒドロキシルアミン成分の両構造の働きである。これは、ここに開示したビス−ニトロンに関しても同様に示された。
【0163】
観察された高い硬化開始及びピーク温度は、Tere−IPHAの結晶性1,4−置換構造の場合には意外でなかった。しかし、Glut−IPHA(曲がりやすい脂肪族鎖を含む低融点化合物)の場合に観察された比較的高い温度は意外であった。一連のグリオキサールに基づくビス−ニトロンは、ニトロンのヒドロキシルアミン部分の構造の硬化性に対する影響をうまく実証した。IPHAは、構造の類似したEHAよりもわずかだけ高い硬化温度を示す構造異性体PHAよりも著しく高い硬化温度を有するニトロンを生じる。複素環式モノ−ニトロンFur−IPHAが、ビス−ニトロンGlut−IPHAとほとんど同じ硬化パターン示すことが観察されるのは興味深い(例22−18、22−21〜22−24、22−27、22−29)。
【0164】
これらの研究の重要な発見は、ニトロン(NIT)とニトロアルコール(NA)との間に相乗効果が観察されることであった(例22―19、22−20、22−25、22−26、22−28、22−30)。Fur−IPHAとTNとのブレンドの場合は、硬化開始及びピーク温度はニトロンの方がニトロアルコールよりも高いが、ブレンドの硬化温度は個々の成分の硬化温度よりも低いことがわかった。ニトロアルコール成分よりも低い硬化ピーク温度を有するニトロン成分を組み込むブレンドの場合には、得られる硬化温度は中間にあるが、ニトロン成分の性能のより近くに位置する。実際は、ニトロン成分は、化学量論レベルよりもはるかに低いレベルで存在する場合であっても、ニトロアルコールの硬化温度を劇的に低下させる。
【0165】
イミダゾリジン(ImA)及びニトロイミダゾリジン(NIT−ImA)
イミダゾリジンは、オキサゾリジンに構造が類似しており、OがNHで置き換えられたものである。これらは、ジアミンとホルムアルデヒドの反応によって合成できる。構造類似性は、類似した反応性を意味する。ImEは、オキサゾリジン3OEに対する構造的類似体として合成された(例14)。DSCの研究は、ImEは、活性が3OEと同程度であるが、わずかに高い硬化開始及びピーク温度を有することを示した(例22−44及び22−41)。DPIの硬化プロフィールはImEの硬化プロフィールに類似していたが、低温の方の発熱は示さなかった(例22−65)。
利用できるImAの構造の範囲はOXと同様である。活性も同様であると予想される。
【0166】
イミダゾリジン−オキサゾリジンハイブリッド(ImA−OX)
ImAの合成(例14)によって、興味深いイミダゾリジン−オキサゾリジン(ImA−OX)ハイブリッド副生成物、ODBが発見された。ODBは、中間体ImEに追加のホルムアルデヒドを加えることによって直接合成できることが示された(例15)。
【0167】
硬化開始及びピーク温度に基づいて、DSC分析は、ODBが3OE又はImEよりも活性であることを示した(例22−45、22−41、22−44)。
【0168】
触媒/促進剤
ニトロアルコール(NA)の硬化反応性を、アミン(Am)、ヒドロキシルアミン(HA)、ニトロアミン(Nam)又はニトロン(NIT)の添加によって増大できたことは、前に示した通りである。ここに示したDSCの研究から、無機塩基及び有機塩基が共に有効な促進剤/触媒であり、オキサゾリジン、イミダゾリジン、及びイミダゾリジン−オキサゾリジンハイブリッドの硬化開始及びピーク温度を低下させることが明白に示される(例22−46〜22−64)。例えば、ZEに対して1PHRのKOHの添加でも、製剤の硬化開始及びピーク温度を約20℃低下させた(例22−35及び22−46)。これより高いKOHレベルは更に開始及びピーク温度を低下させるが、効果は直線的ではない(例22−46〜22−50)。KOHの他に、LiOHがZEに関する促進剤/触媒であることがわかったが、Mg(OH)2は増大を示さなかった。これはおそらく、製剤中への溶解度が低いためである。有機塩基、TMG、TMAPH及びNaOPhもまた、ZEに関して有効な促進剤/触媒であった。
無機及び有機塩基の促進/触媒作用は、ImA及びImA−OX硬化剤種においてもまた、同様に見られた。
【0169】
例23−比較DSCデータ調査−新規硬化剤/代替溶媒
この例の目的は、例22において使用したエタノールのような不活性溶媒の他に、反応性溶媒(反応性希釈剤と一般的に称される)もこれらの製剤中に使用できることを実証することである。これらの反応性希釈剤はとしては、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、ベンジルアルコール及びアニリン並びにこれらの化合物のアルキル、ヒドロキシアルキル又はアルキルエーテル誘導体;フルフラール、更にフルフリルアルコールが挙げられるが、これらに限定するものではない。種々の加工要件に適合させるための製剤粘度の調整において有用である他に、反応性希釈剤は、硬化時に気孔を生成するかもしれない揮発分を生じない点で魅力的である。アニリン及びベンジルアルコールは、以下の表中の例で使用した代替希釈剤である。いずれの場合にも、樹脂は示した溶媒中で85重量%である。
【0170】
新規フェノール樹脂
比較DSC調査/代替溶媒
TA Instruments Model Q 100 DSC
ラン条件:50cc/分で窒素を用いながら、25℃から260℃まで10℃/分。
【0171】
15重量%の示した溶媒中85重量%の市販ノボラック樹脂
種類: OX=オキサゾリジン
溶媒: AN−アニリン BZ=ベンジルアルコール
【0172】
【表4】

【0173】
前記データは、エタノール以外の製剤用溶媒が硬化を損なわずに使用できることを明白に示している。ベンジルアルコール中におけるZE/NaOPhの硬化プロフィールは、エタノールにおいてみられるのと同じ(実験誤差の範囲内)である(例22−59及び23−3)。
【0174】
アニリンは、溶媒として働く且つ反応性であるという2つの理由で有用であることがわかる。エタノール中及びアニリン中におけるZEの硬化プロフィールの比較は、アニリン製剤においてより低い硬化開始及びピーク温度を示している(例22−35及び23−1)。同様な効果が、置換アニリン、フェノール及び置換フェノールを溶媒として用いた場合に期待できる。これらの系に基づく製剤は、100%反応性の固形分であろう。これらは、水又は他の不活性有機溶媒に基づく製剤よりも速い硬化を示し、より少ない気孔を有する、従って、改良された機械的性質を有する粗製生成物を生じるはずである。
【0175】
例24−新規硬化剤に関する時間/温度硬化レスポンス
DSC分析から新規硬化剤を含む前記製剤が発熱事象を示すことがわかるが、それらは硬化反応ではなく硬化剤/樹脂分解である可能性があることを証明することができる。これらの新規硬化剤が実際に樹脂硬化を達成するという最も確実な証明は、硬化実験を行うことであった。
【0176】
これらの実験において従った基本手順は以下の通りである:試験製剤を製造する。小サンプル(0.5〜1g)を約4”×4”×0.003”の2枚のアルミ箔シートの間に入れ、これを次に、12”×10.75”の薄い箔片に包む。得られた試験パーセルを、所望の試験温度に予熱したオーブン中の、12”×12”×0.5”の2枚のステンレス鋼プレート間に素早く入れる。次いで、試験パーセルを、所定の時間後に(通常は15〜60秒後に)取り出す。冷却後、パーセルを開け、硬化製剤を、固体フィルムの存在によって示される硬化の達成を確認するために調べた。種々の温度及び種々の時間で一連のこれらの実験を行うことによって、各製剤に関する時間/温度硬化レスポンスを確認することができるであろう。しかし、これは単独で、固体硬化フィルムの生成範囲を得ることができる。硬化度に関する更なる洞察が、DSC分析によって得られた。
【0177】
硬化実験において生成された固体フィルムのサンプルをDSCによって分析して、残留発熱量の大きさ(J/g)を求める。次に、これを、配合されたままのサンプルにおける総硬化熱と比較して(例22)、各実験時間/温度における硬化%を得る。
【0178】
本発明において記載した硬化剤及び触媒は、例えば繊維強化複合材料用途、例えば引抜成形、フィラメント巻き、バルクモールディングコンパウンド(BMC)、シートモールディングコンパウンド(SMC)、真空支援樹脂トランスファー(vaccum asisted resin transfer)、プリプレグ、接着剤、鋳物材料、研磨剤、摩擦材料、絶縁材、積層品、コーティング、電子機器、耐火剤及び難燃剤最終用途(これらに限定するものではない)を含む、フェノール樹脂を使用する全ての用途において適用できる。
【0179】
時間/温度プロフィールにおいて得られる情報が、これらの用途の加工条件を求めるのに非常に貴重であることは容易にわかるであろう。例えば、製剤が所定の温度において、>85%の硬化に到達するのに必要な時間は、引抜成形法の場合にはダイ温度及び滞留時間に変換することができる。これらは同様に、圧縮/射出成形又はフィラメント巻きの後硬化操作の場合には金型温度及び時間を求めるのに使用できる。
【0180】
新規フェノール樹脂
時間/温度硬化プロフィール
TA Instruments Model Q100 DSC
ラン条件:窒素を50cc/分で用いて25℃から400℃まで10℃/分。
【0181】
15重量%エタノール中85重量%市販ノボラック樹脂
【0182】
【表5】

【0183】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.フェノール化合物;
b.アルデヒド;
c.オキサゾリジン、ニトロアルコール、ニトロアセタール、ニトロン、ハロニトロパラフィン、オキサジン、アザアダマンタン、ヘキサメチレンテトラミン塩、ニトロアミン、イミダゾリジン、ニトロイミダゾリジン、トリアジン、ニトロオキサゾリジン及びイミダゾリジン−オキサゾリジンハイブリッドからなる群から選ばれた架橋剤;並びに、場合によっては:
d.塩基性促進剤/触媒;
e.反応性希釈剤;
f.不活性溶媒希釈剤
を含んでなる硬化フェノール樹脂。
【請求項2】
前記フェノール化合物がフェノール、レゾルシノール、ビスフェノール、フロログルシノール、クレゾール、アルキルフェノール、フェノールエーテル、タンニン及びリグニンからなる群から選ばれる請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項3】
前記アルデヒドがホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、シクロヘキサンジカルボキサルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール、アリールアルデヒド及び複素環式アルデヒドからなる群から選ばれる請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項4】
オキサゾリジン、ニトロン、ハロニトロパラフィン、オキサジン、アザアダマンタン、ヘキサメチレンテトラミン塩、ニトロアミン、イミダゾリジン、ニトロイミダゾリジン、トリアジン、ニトロオキサゾリジン及びイミダゾリジン−オキサゾリジンハイブリッド並びにそれらの組合せからなる群から選ばれるフェノール樹脂硬化剤。
【請求項5】
下記構造:
【化1】

[式中、R1〜R9は同一であるか又は異なり、H、C1〜C12直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれる]
を有するニトロアミンを含んでなる硬化剤組成物。
【請求項6】
前記ニトロアミンがNMP−Anからなる群から選ばれる請求項5に記載の硬化剤組成物。
【請求項7】
下記構造:
【化2】

[式中、R1〜R6は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる];
【化3】

[式中、R1〜R7は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる];
【化4】

[式中、nは1〜6の整数であり;R1〜R5は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる];
【化5】

[式中、R1〜R12は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる]
を有するオキサゾリジンを含んでなる硬化剤組成物。
【請求項8】
前記オキサゾリジンがOX、ZE、AB−OX、30E、3POX、ビス−OX、SER−OX、FUR/モノZE及びFUR/ZEからなる群から選ばれる請求項7に記載の硬化剤組成物。
【請求項9】
下記構造:
【化6】

[式中、R1〜R17は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる]
を有するニトロオキサゾリジンを含んでなる硬化剤組成物。
【請求項10】
前記ニトロオキサゾリジンがNMPD−ビス−1135である請求項9に記載の硬化剤組成物。
【請求項11】
下記構造:
【化7】

[式中、R1〜R4は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる];
【化8】

[式中、R1、R2は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができ、1,2−、1,3−及び1,4−異性体が可能である];
【化9】

[式中、Gは、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル;置換アリール;複素環;ポリオキシアルキレンから選ばれ;R1〜R6は、同一であっても異なってもよく、H、C2〜C24直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる];
【化10】

[式中、Gは、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル;置換アリール;複素環;ポリオキシアルキレンから選ばれ;R1〜R5は、同一であっても異なってもよく、H、C2〜C24直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる];
【化11】

[式中、Gは、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル;置換アリール;複素環;ポリオキシアルキレンから選ばれ;R1〜R4は、同一であっても異なってもよく、H、C2〜C24直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる];
【化12】

[式中、R1〜R7は、同一であっても異なってもよく、H、C2〜C24直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる];
【化13】

[式中、R1〜R8は、同一であっても異なってもよく、H、C2〜C24直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる];
【化14】

[式中、R1〜R8は、同一であっても異なってもよく、H、C2〜C24直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる];
【化15】

[式中、Nは、1〜12の整数であり;R及びR1〜R5は、同一であっても異なってもよく、H、C2〜C24直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる]
を有するニトロンを含んでなる硬化剤組成物。
【請求項12】
前記ニトロンがGlut−IPHA、Gly−IPHA、Gly−PHA、Gly−EHA、Tere−IPHA及びFur−IPHAからなる群から選ばれる請求項11に記載の硬化剤組成物。
【請求項13】
下記構造:
【化16】

[式中、R1及びR2は、同一であっても異なってもよく、H、C2〜C24直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができ;XはCl、Br、F又はIであることができる]
を有するハロニトロパラフィンを含んでなる硬化剤組成物。
【請求項14】
前記ハロニトロパラフィンがBNMからなる群から選ばれる請求項13に記載の硬化剤組成物。
【請求項15】
下記構造:
【化17】

[式中、R1〜R3は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環から選ばれることができ;R4は、H、炭素数2〜24の直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル若しくはシクロアルケニル;フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる]
を有するオキサジンを含んでなる硬化剤組成物。
【請求項16】
前記オキサジンがIPA−OZからなる群から選ばれる請求項15に記載の硬化剤組成物。
【請求項17】
下記構造:
【化18】

を有するアザアダマンタンを含んでなる硬化剤組成物。
【請求項18】
前記アザアダマンタンがNTA及びATAからなる群から選ばれる請求項17に記載の硬化剤組成物。
【請求項19】
下記構造:
【化19】

[式中、R1は、H、メチル、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル;炭素数3〜24のシクロアルキル又はシクロアルケニル;フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレンから選ばれることができ;Yは、Cl、Br、F、I、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖又は環状又はアリール若しくは置換アリール又は複素環又はヒドロキシアルキルハロニトロパラフィンであることができる]
を有するヘキサメチレンテトラミン塩を含んでなる硬化剤組成物。
【請求項20】
前記ヘキサメチレンテトラミン塩がHex−BNM及びHex−BzClからなる群から選ばれる請求項19に記載の硬化剤組成物。
【請求項21】
下記構造:
【化20】

[式中、R1〜R8は、同一でも異なってもよく、H、C2〜C24直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる];
【化21】

[式中、R1〜R11は、同一でも異なってもよく、H、C2〜C24直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる];
【化22】

[式中、R1〜R17は、同一でも異なってもよく、H、C2〜C24直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる];
【化23】

[式中、R1〜R17は、同一でも異なってもよく、H、C2〜C24直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる];
【化24】

[式中、nは1〜6の整数であり;R1〜R7は、同一でも異なってもよく、H、C2〜C24直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる]
を有するイミダゾリジンを含んでなる硬化剤組成物。
【請求項22】
前記イミダゾリジンがImE及びDPIからなる群から選ばれる請求項21に記載の硬化剤組成物。
【請求項23】
下記構造:
【化25】

[式中、R1〜R3は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれる]
を有するトリアジンを含んでなる硬化剤組成物。
【請求項24】
前記トリアジンがTris−HETからなる群から選ばれる請求項23に記載の硬化剤組成物。
【請求項25】
下記構造:
【化26】

[式中、nは1〜6の整数であり;R1〜R10は、同一でも異なってもよく、H、C1〜C12直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、置換アリール、複素環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレン又はハロゲンから選ばれることができる]
を有するイミダゾリジン−オキサゾリジンハイブリッドを含んでなる硬化剤組成物。
【請求項26】
前記イミダゾリジン−オキサゾリジンハイブリッドがODBからなる群から選ばれる請求項25に記載の硬化剤組成物。
【請求項27】
前記硬化剤がOX、AB−OX、30E、3POX、ビス−OX、SER−OX、FUR/モノZE及びFUR/ZEからなる群から選ばれたオキサゾリジンを含む請求項4に記載のフェノール樹脂硬化剤。
【請求項28】
前記硬化剤がNMP−Anからなる群から選ばれたニトロアミンを含む請求項4に記載のフェノール樹脂硬化剤。
【請求項29】
前記硬化剤がBNMからなる群から選ばれたハロニトロパラフィンを含む請求項4に記載のフェノール樹脂硬化剤。
【請求項30】
前記硬化剤がIPA−OZからなる群から選ばれたオキサジンを含む請求項4に記載のフェノール樹脂硬化剤。
【請求項31】
前記硬化剤がNTA及びATAからなる群から選ばれたアザアダマンタンを含む請求項4に記載のフェノール樹脂硬化剤。
【請求項32】
前記硬化剤がHex−BNM及びHex−BzClからなる群から選ばれたヘキサメチレンテトラミン塩を含む請求項4に記載のフェノール樹脂硬化剤。
【請求項33】
前記硬化剤がGlut−IPHA、Gly−IPHA、Gly−PHA、Gly−EHA、Tere−IPHA及びFur−IPHAからなる群から選ばれたニトロンを含む請求項4に記載のフェノール樹脂硬化剤。
【請求項34】
前記硬化剤がImE及びDPIからなる群から選ばれたイミダゾリジンを含む請求項4に記載のフェノール樹脂硬化剤。
【請求項35】
前記硬化剤がTris−HETからなる群から選ばれたトリアジンを含む請求項4に記載のフェノール樹脂硬化剤。
【請求項36】
前記硬化剤がNMPD−ビス−1135からなる群から選ばれたニトロオキサゾリジンを含む請求項4に記載のフェノール樹脂硬化剤。
【請求項37】
前記硬化剤がODBからなる群から選ばれたイミダゾリジン−オキサゾリジンハイブリッドを含む請求項4に記載のフェノール樹脂硬化剤。
【請求項38】
前記塩基性無機促進剤/触媒が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム及び酸化カルシウムからなる群から選ばれる請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項39】
前記塩基性有機促進剤/触媒がトリメチルアミン(TMA)、トリエチルアミン(TEA)、2−(ジメチルアミノ)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(DMTA)、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)、水酸化テトラメチルアンモニウム、1.4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(Dabco(登録商標))、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1.5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)又は金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムフェノキシド及びカリウムフェノキシド(これらに限定するものではない)からなる群から選ばれる請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項40】
前記反応性希釈剤がアニリン、置換アニリン、フェノール、置換フェノール、フルフリルアルコール及びフルフラールからなる群から選ばれる請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項41】
前記不活性溶媒希釈剤が水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル及びベンジルアルコールからなる群から選ばれる請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項42】
前記硬化剤がZEを含み、且つ前記無機促進剤/触媒が水酸化カリウムを含む請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項43】
前記硬化剤がZEを含み、且つ前記有機促進剤/触媒がナトリウムフェノキシドを含む請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項44】
前記硬化剤がZEを含み、且つ前記有機促進剤/触媒がTMAOHを含む請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項45】
前記硬化剤がビス−OXを含み、且つ前記無機促進剤/触媒が水酸化カリウムを含む請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項46】
前記硬化剤がImEを含み、且つ前記有機促進剤/触媒がナトリウムフェノキシドを含む請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項47】
前記硬化剤がZEを含み、前記無機促進剤/触媒が水酸化カリウムを含み、且つ前記反応性希釈剤がアニリンを含む請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項48】
前記硬化剤がZEを含み、且つ前記不活性溶媒希釈剤がエタノールからなる請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項49】
前記硬化剤が3OEを含み、前記有機促進剤/触媒がナトリウムフェノキシドを含み、且つ前記反応性希釈剤がm−クレゾールを含む請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項50】
総組成物がフェノール化合物及びアルデヒドから得られた樹脂45〜85重量%;硬化剤10〜60重量%;促進剤/触媒0〜10重量%;並びに反応性希釈剤0〜25重量%を含む請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項51】
前記硬化樹脂が引抜成形用のマトリックス樹脂である請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項52】
前記硬化樹脂がフィラメント巻き用のマトリックス樹脂である請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項53】
前記硬化樹脂がバルクモールディングコンパウンド用のマトリックス樹脂である請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項54】
前記硬化樹脂がシートモールディングコンパウンド用のマトリックス樹脂である請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項55】
前記硬化樹脂が圧縮成形用のマトリックス樹脂である請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項56】
前記硬化樹脂がプリプレグ用のマトリックス樹脂である請求項1に記載の硬化フェノール樹脂。
【請求項57】
前記硬化剤がその構成成分の混合物から現場生成される請求項4に記載のフェノール樹脂硬化剤。
【請求項58】
2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールとFormcel(登録商標)との混合物からオキサゾリジン硬化剤が現場生成される請求項57に記載の硬化剤組成物。
【請求項59】
ポリアルキレンアミンDow Heavy PolyamineXとFormcel(登録商標)との混合物からポリマーイミダゾリジン硬化剤が現場生成される請求項57に記載の硬化剤組成物。

【公表番号】特表2007−533819(P2007−533819A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509447(P2007−509447)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/024470
【国際公開番号】WO2005/108453
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(591252611)アンガス ケミカル カンパニー (32)
【Fターム(参考)】