説明

フエンス締結具

【課題】 支柱と縦材を近接して設置する場合であっても、確実な締結を実現できるフエンス締結具を提供する。
【解決手段】
締結バンド2は支柱50に当接する支柱締結部20を有し、支柱締結部20に連続してフエンス体52の縦材51を挟持する1対の延出部21、21を備え、延出部21、21には夫々座面10、10が当接し、座面10に設けられたボルト孔11にボルトを通して締結バンド2を締め付けて、支柱50と縦材51とを締結する。座面10、10は連結部12,12より連結され、連結部12と12の間に上下方向にスペーサ部13が設けられ、延出部21、21の間にスペーサとして介装され、延出部21と延出部21がテーパ状になることがなく、支柱50と縦材51の締結を確実に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フエンス本体と支柱とを締結するフエンス締結具に関する。
【背景技術】
【0002】
フエンスは、フエンス体と支柱から構成されるが、フエンス体と支柱とを締結するためにフエンス締結具が使用される。
フエンス締結具には種々のものがあるが、格子フエンスなどの縦材を有するフエンス体を締結する場合、締結バンドが使用される場合が多い。
図6と図7に事例を示す。支柱50に締結バンド2を巻きかけ、延出部21、21でフエンス体52の縦材51を挟持して、座金1を延出部21の表裏に当てて、ボルト・ナットにより締結して支柱50とフエンス体52とを連結する構成になっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記構成の場合、支柱50と縦材51の間隔が狭いと、図8に示すように延出部21、21の先端が接触し、図示するように延出部21、21がテーパ状になり、矢印方向にすべりが生じて、十分な締結ができない問題があった。縦材51をボルト・ナット19の外側にもってくれば、上記問題は解決するが、取り付けの条件により図8に示すように、縦材51を支柱50に近接して設置しなければならない場合もあり、上記問題の解決が望まれていた。
本発明は上記問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するために、本発明は、支柱とフエンス本体とを締結するフエンス締結具であって、支柱に締結される支柱締結部と、フエンス本体の縦材を表裏から挟持する一対の延出部と、を備えた締結バンドと、該1対の延出部の夫々に当接する1対の座面を有するボルト・ナット用の座金と、前記1対の座面を上端部と下端部において連結し、前記延出部の上端の上側と下端の下側に位置する1対の連結部と、該1対の連結部間に上下方向に配設され、前記1対の延出部間に挟まれるスペーサ部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
上記構成においては、スペーサ部により締結バンドの延出部がテーパ状になることを防止するから、支柱と縦材を近接して設置する場合であっても、確実な締結を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する
本発明の締結具は、図6に示すように支柱50の片側にフエンス体52を設ける場合、図7に示すように支柱50の両側にフエンス体52、52を設ける場合の両方に適用可能であるが、図1乃至図5の説明では、支柱50の片側にフエンス体52を設ける場合の構成についてのみ説明し、両側に設ける場合の説明は省略する。
【0007】
図1において、締結バンド2は支柱50に当接する支柱締結部20を有し、支柱締結部20に連続してフエンス体52の縦材51を挟持する1対の延出部21、21を備えている。この実施形態では、締結バンド2は線材を折り曲げて作られている。
【0008】
延出部21、21には夫々座面10、10が当接し、座面10、10に設けられたボルト孔11にボルトを通して締結バンド2を締め付けて、支柱50と縦材51とを締結するように構成されている。
【0009】
座面10、10は連結部12,12より連結され、一体の座金1になっている。即ち座金1は図1と図3に示すように、座面10、10の上端と下端において連結部12、12より連結され、一体化されている。連結部12、12は図1と図2に示すように延出部21の上側と下側に夫々位置するようになっている。
【0010】
連結部12は図5に示すように、ほぼV字状に折り曲げられており、座金1は平面形状としては略U字形状を形成している。
【0011】
上端の連結部12と下端の連結部12の前記V字形状の頂点近傍を連結するように、上下方向にスペーサ部13が設けられている。このスペーサ部13もまたV字形状に曲げられており、図4に示すように横方向に所定の幅Wを有している。
【0012】
上記、連結部12、12とスペーサ部13とにより、座金1には貫通孔14、14が対称的に形成され、ここに延出部21、21の先端部分が貫通し、図2に示すようにスペーサ部13は延出部21、21の間にスペーサとして介装されるようになっている。
【0013】
以上の構成において、支柱50と縦材51が近い場合でも、図2の状態で、ボルト孔11を介してボルト・ナット19により締結すれば、スペーサ部13が延出部21、21間に介在して、スペーサ部13の幅W以上には延出部21と延出部21の先端部は近接しないから、図8に示すようにテーパ状になることがなく、縦材51の締結は確実に行われる。そのため、支柱50とフエンス体52の確実な連結が可能になる。
【0014】
なお、本発明を図7に示す構造に適用する場合、締結バンド2には両側に延出部21,21が設けられ、支柱締結部20、20が支柱50の夫々片面に当接する構成となる。その他は、上記と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
【図2】本発明の一実施形態を示す平面図。
【図3】本発明の一実施形態の座金1の構造を示す正面図。
【図4】本発明の一実施形態の座金1の構造を示す側面図。
【図5】本発明の一実施形態の座金1の構造を示す平面図。
【図6】本発明の一実施形態の使用状態の説明図。
【図7】本発明の他の実施形態の使用状態の説明図。
【図8】従来のフエンス締結具の一例を示す平面図。
【符号の説明】
【0016】
1:座金、2:締結バンド、10:座面、11:ボルト孔、12:連結部、13:スペーサ部、14:貫通孔、19:ボルト・ナット、20:支柱締結部、21:延出部、50:支柱、51:縦材、52:フエンス体、55:座金。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱とフエンス本体とを締結するフエンス締結具であって、
支柱に締結される支柱締結部と、フエンス本体の縦材を表裏から挟持する一対の延出部と、を備えた締結バンドと、
該1対の延出部の夫々に当接する1対の座面を有するボルト・ナット用の座金と、
前記1対の座面を上端部と下端部において連結し、前記延出部の上端の上側と下端の下側に位置する1対の連結部と、
該1対の連結部間に上下方向に配設され、前記1対の延出部間に挟まれるスペーサ部と、
を備えたことを特徴とするフエンス締結具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−299739(P2006−299739A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−126444(P2005−126444)
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(000213792)朝日スチール工業株式会社 (12)
【Fターム(参考)】