説明

フォトレジストパターンを被覆するための組成物

【課題】リソグラフィ性能を向上するためにフォトレジストパターンを被覆するための組成物、並びに基材上に像を形成するためにこのような被覆用組成物を使用する方法を提供する。
【解決手段】ポジ型化学増幅型レジスト中のフォトレジストパターンを被覆するための水性被覆用組成物であって、前記水性被覆用組成物は、第一級アミン(−NH2)を含むポリマーを含み、前記水性被覆用組成物は、塩基性でありかつ架橋性化合物を含まず、更に、フォトレジストは、前記アミノ基と反応できるラクトンまたは酸無水物官能基を含むフォトレジストポリマーを含み、更に水性被覆用組成物は、フォトレジストパターンの厚さを増大させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リソグラフィ性能を向上するためにフォトレジストパターンを被覆するための組成物、並びに基材上に像を形成するためにこのような被覆用組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体技術における集積回路の高密度化には、これらの集積回路内に非常に微細な配線を形成する必要が伴ってきた。超微細なパターンは、典型的には、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト被膜中にパターンを形成することによって作られる。一般的に、このような方法では、先ず、フォトレジスト組成物のフィルムの薄い塗膜を、集積回路の製造に使用されるシリコンウェハなどの基材上に形成する。この被覆された基材は次いでベーク処理してフォトレジスト組成物中の溶剤を蒸発させて、被膜を基材上に定着させる。この基材の被覆されそしてベーク処理された表面を次に放射線による像様露光に付す。この放射線露光は、被覆された表面の露光された領域において化学的な変化を引き起こす。可視光線、紫外線(UV)、電子ビーム及びX線放射エネルギーが、マイクロリソグラフィプロセスに現在常用されている放射線種である。この像様露光の後、この被覆された基材を現像剤溶液で処理して、フォトレジストの放射線露光された領域または未露光の領域のいずれかを溶解除去する。
【0003】
集積回路の微細化は、フォトレジスト内により一層小さい寸法をプリントすることを必要とする。フォトレジストの寸法を縮小するために様々な技術が開発されてきた。このような技術の例は、マルチレベルコーティング、反射防止膜、位相シフトマスク、より一層短い波長に感度のあるフォトレジストなどである。
【0004】
より小さな寸法をプリントするための重要は方法の一つは、フォトレジスト像を広げて隣接するフォトレジストパターン間の空間の寸法を縮尺する薄い層をフォトレジストの像の上に形成する技術に基づく。この狭められた空間は、基材のエッチング及び画定に使用できるか、または例えば金属などの材料を付着させるために使用することができる。この二層技術は、新規のフォトレジスト化学剤を再調製する必要なく、微細電子デバイスの製造方法の一部としてかなりより小さな寸法を画定することを可能にする。この上面被覆層または縮小材料は誘電性材料などの無機層であるか、または架橋可能なポリマー性材料などの有機材料であることができる。
【0005】
誘電性縮小材料は、米国特許第5,863,707号明細書に記載されている。これは、酸化ケイ素、窒化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、スピンオン材料または化学蒸着材料からなる。有機系ポリマー性被覆材は、米国特許第5,858,620号明細書に記載されている。このような被覆材は酸の存在下に架橋反応を起こすことによってフォトレジスト表面に粘着するが、この上面縮小材被膜が架橋していないところでは除去される。米国特許第5,858,620号明細書は、基材上のパターン化されたフォトレジストに上面層を被覆する半導体デバイスの製造方法を開示している。この際、フォトレジストは次いで露光、加熱され、そうして光により生じたフォトレジスト中の酸が上面層中を拡散して次いでこの上面層を架橋することができる。酸がどの程度上面被膜中を拡散するかが、架橋された層の厚さを決定する。架橋されていない部分の上面層は、それのポリマーを溶解することができる溶液を用いて除去される。
【0006】
本発明は、アミノ基を含むポリマーを含有する縮小材料の被覆用組成物に関する。アミノ基を含むポリマーは、塩基と反応し得る基を含むフォトレジストポリマーを含み193nm及び157nmに感度があるフォトレジストの上にコーティングするのに特に有用である。本発明の課題は、フォトレジストと反応しそしてフォトレジストパターンを安定化させる他、フォトレジストの厚さを増大する被膜を像が形成されたフォトレジスト上に形成することである。この新規の被膜縮小組成物の使用が、向上したパターンの画定、より高い解像度及び像が形成されたフォトレジストの安定したパターン形成を導くことが図らずしも見出された。
【本発明の概要】
【0007】
本発明は、アミノ基、好ましくは第一級アミン基を含むポリマーを含有する、フォトレジストパターンを被覆するための水性被覆用組成物に関する。また本発明は、基材にフォトレジストパターンを供し、このフォトレジストパターンを該新規被覆材で被覆してフォトレジストパターンと接触する部分の被覆材料を反応させ、そして反応していない部分の被覆材料を除去液で除去することを含む、微細電子デバイスの製造方法にも関する。
【0008】
更に本発明は、フォトレジストパターンを被覆するための、アミノ基、好ましくは第一級アミノ基を含むポリマーを含有する被覆用組成物の使用にも関する。
【0009】
加えて、本発明は、表面上にフォトレジストパターンが形成された基材を含む造形品であって、前記パターンが、アミノ基を含むポリマーを含有する層によって被覆されている前記造形品に関する。
【本発明の詳細な説明】
【0010】
本発明は、アミノ基を含むポリマーを含有する水性縮小被覆用組成物に関する。また本発明は、像が形成されたフォトレジストパターンの上に縮小被覆材料の層を形成し、フォトレジスト界面付近の部分の縮小材料を反応させ、そしてこの縮小材料の未反応の可溶性部分を除去液で除去することを含む、微細電子デバイスの製造方法にも関する。
【0011】
フォトレジストの結像されたパターンを、当業者に周知の方法に従い基材上に形成する。
【0012】
フォトレジストは、半導体工業において使用される任意の種のものであることができる。フォトレジスト組成物には、ネガ型とポジ型の二つのタイプのものがある。ネガ型フォトレジスト組成物を放射線による像様露光に付すと、放射線に曝された領域のレジスト組成物が現像剤溶液に溶けにくくなり(例えば、架橋反応が起こる)、他方、未露光の領域のフォトレジスト被膜はこのような溶液に比較的可溶性のまま残る。それゆえ、露光されたネガ型レジストを現像剤で処理すると、フォトレジスト被膜の未露光の領域が除去されて、被膜にネガ型の像が形成される。それによって、フォトレジスト組成物が付着していたその下にある基材表面の所望の部分が裸出される。
【0013】
これに対し、ポジ型フォトレジスト組成物を放射線で像様露光すると、放射線に曝された領域のフォトレジスト組成物が現像剤溶液に溶けやすくなり(例えば転位反応が起こる)、他方、未露光の領域は現像剤溶液に対し比較的不溶性のまま残る。それゆえ、露光されたポジ型フォトレジストを現像剤で処理すると、被膜の露光された領域が除去され、そしてフォトレジスト被膜中にポジ型の像が形成される。この場合もまた、下にある表面の所望の部分が裸出される。
【0014】
ポジ型フォトレジスト組成物は、ネガ型のものと比べて、一般的に解像能力及びパターン転写特性に優れるために、これらの組成物が現在優勢である。フォトレジスト解像度とは、露光及び現像の後に、レジスト組成物が、高いレベルの鋭い像縁をもってフォトマスクから基材に転写できる最小の図形と定義される。現在の多くの製造用途では、1ミクロン未満のオーダーのレジスト解像度が必要とされる。加えて、現像されたフォトレジスト壁の側面が基材に対してほぼ垂直であることが大概の場合において望まれる。レジスト塗膜の現像された領域と現像されていない領域との間のこのような明確な境界画定が、基材へのマスク像の正確なパターン転写につながるのである。微細化に向かう動向がデバイス上での微細寸法(CD)を小さくしているので、このことはより一層重要な事柄となっている。
【0015】
一般的に、フォトレジストは、ポリマー及び感光性化合物を含む。フォトレジストシステムの例は、次のものには限定されないが、ノボラック/ジアゾナフトキノン、ポリヒドロキシスチレン/オニウム塩、キャップしたポリヒドロキシスチレン/オニウム塩、環状脂肪族ポリマー/オニウム塩、フルオロポリマー/オニウム塩などである。これらのフォトレジストは、436nm〜157nmの範囲の波長で使用するものとして周知である。像を形成し得るものならば任意の種のフォトレジストを使用することができる。フォトレジストを基材上に塗布し、そしてこのフォトレジスト被膜をベーク処理してコーティング溶剤の実質的に全てを除去する。次いで、この被膜を適当な波長の光で露光して、そして適当な現像剤で現像する。
【0016】
フォトレジストパターンを基材上に画定した後、アミノ基を含む水性ポリマーを含有する縮小材料を、フォトレジストパターンを有する上記基材上に塗布し、そしてフォトレジストの表面と反応させて、水性除去液中に不溶性の界面層を形成する。この界面層は、適当な温度下に適当な時間、基材を加熱することによって形成される。この縮小材料のアミノ基は、フォトレジストのポリマーと反応する。この際、このフォトレジストポリマーは、アミノ基と反応することができる官能基、例えばラクトン、酸無水物及びエステルを含む。縮小材被膜の未反応部は、除去溶液で除去される。下にあるフォトレジストと反応し得る縮小材料のために適当なシステムの典型的な例は、アミノ基、特に第一級アミン基(−NH)を含むポリマーを含有する水溶液である。遊離のプロトンを有するアミン基はポリマーから側鎖として伸び、そして(C〜C10)アルキル基を介してポリマーに結合することができる。この際、このアルキル基は線状もしくは分枝状または環状である。有用なポリマーの例は、次のモノマーのホモポリマー及びコポリマー、すなわちアリルアミン、例えばポリアリルアミン、ポリ(アリルアミン−co−メタクリル酸)、ポリ(アリルアミン−co−アクリル酸)、ポリ(アリルアミン−co−アクリルアミド)、ポリ(アリルアミン−co−N−アルキルアクリルアミド)、ポリ(アリルアミン−co−アクリル酸−co−メタクリル酸)、ポリ(アリルアミン−co−アクリル酸−co−アクリルアミド)などのモノマーのホモポリマー及びコポリマーである。他のポリマーとしては、アミノ基を有するポリ(オキシアルキレン)、例えばビス(3−アミノプロピル)で末端が停止されたポリ(オキシエチレン)、アミンで末端が停止されたポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)などを例示することができる。その他、上記のポリマーの混合物、第二の水溶性ポリマー、例えばポリ(ビニルアルコール)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(オキシアルキレン)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(ビニルピロリドン)などを、当該縮小材料組成物に加えることができる。
【0017】
縮小材料の分子量が小さすぎると、パターンの縮小が充分ではない。他方、分子量が大きすぎると、未反応の縮小材料が除去されない。それゆえ、当該縮小材料のためのポリマーの重量平均分子量は約3,000〜200,000、好ましくはMw5,000〜100,000、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。
【0018】
当該縮小材料は、アミノ基を含む水溶性ポリマー、及び水を含む。この際、ポリマー濃度は、ポリマーの物理的パラメータ及びポリマーの異なる化学組成に依存して、約1重量%〜約20重量%、好ましくは2〜10重量%、より好ましくは2〜6重量%の範囲である。添加剤、及び/または水と混和性の他の溶剤を、当該組成物に加えることができる。例えばアルコール、特にイソプロパノールなどの溶剤を加えることができる。一つの態様では、該被覆用組成物は、架橋剤を含まず、特にメラミン及び尿素に基づく架橋剤を含まない。上面被膜のポリマーとフォトレジストポリマーとの間の反応には架橋剤は不要である。なぜならば、本発明では、フォトレジストポリマー中の官能基が塩基により誘発されて反応するからである。それ故、一つの態様では、当該縮小材組成物は架橋剤を含まない。
【0019】
フォトレジスト組成物は、ポリマー、光活性化合物、及び溶剤を含む。特に好適なフォトレジストは、該縮小被覆材ポリマーのアミノ基と反応することができる官能基を有するポリマーを含むものである。以下の説明に束縛されることは望まないが、アミノ基が官能基と反応してフォトレジストポリマーと結合して界面層を形成して、これがフォトレジストパターンを安定させると共に、フォトレジストの全体の寸法を大きくする。典型的には、ラクトン、酸無水物及びエステルなどの基を含むフォトレジストポリマーが好ましく、そしてこのようなポリマーは、193nm及び157nmで像を形成するのに有用なフォトレジストに最もよく使用されるものである。ラクトン、酸無水物、エステルなどの官能基を含むフォトレジストポリマー、及びフォトレジストシステムは、米国特許出願公開第2001/0044070号明細書、米国特許第5,843,624号明細書、米国特許第6,147,249号明細書及び米国特許第6,447,980号明細書に記載されている。なお、これらの特許文献の内容は本明細書中に掲載されたものとする。ラクトン基を有する少なくとも一種の単位を含むフォトレジストポリマーの例を表1に示す。表1中、R’及びR’’は独立して水素、OH及び(C〜C)アルキルであり、そしてnは1〜3である。
【0020】
【化1】

具体的には、米国特許出願公開第2001/0044070号明細書は、フォトレジストポリマーの一部を形成することができる様々な種類のラクトン基、より具体的にはアクリレートラクトンを含むモノマー性単位を記載している。
【0021】
酸無水物基を含むフォトレジストポリマーは、無水マレイン酸及び無水フマル酸によって例示されるものであることができる。
【0022】
エステル基を有する少なくとも一種の単位を含むフォトレジストポリマーは、アルキルエステルまたは脂肪環式エステル、好ましくは第三級エステル、例えば第三級ブチルエステル、2−アルキル−2−アダマンチルエステル、2−メチル−2−アダマンチルエステル、2−エチル−2−アダマンチルエステルなどによって例示される。
【0023】
従来技術において知られる193nmに感度のあるフォトレジストは、欧州特許出願公開第794458号明細書、国際公開第97/33198号パンフレット及び米国特許第5,585,219号明細書に記載されている。なおこれらの特許文献は本明細書中に掲載されたものとする。しかし、上面層からのアミンと反応する官能基を含むものならばどのようなフォトレジストでも使用することができる。193nm及び157nmで感度のあるフォトレジストが特に有用であり、これらは、環状脂肪族ポリマーに基づき、特にシクロオレフィンコポリマー、シクロオレフィン/無水マレイン酸コポリマー、シクロオレフィン/無水マレイン酸/アクリレートコポリマー、アクリレート/アダマンタン/ラクトンコポリマー、シクロオレフィン/シアノアクリレートコポリマー、フッ素化シクロオレフィンコポリマー、シクロオレフィン/フッ素化アクリレートコポリマーに基づくものである。この種のフォトレジストは、米国特許第6,447,980号明細書及び米国特許第6,365,322号明細書に記載されている。なお、これらの特許文献の内容は本明細書に掲載されたものとする。
【0024】
上記ポリマーの合成に使用される一種もしくはそれ以上のアクリレートモノマーは、以下の構造を有するものであり、更に、本願明細書で言うアクリレートとは、一般的に、アルキル置換されたもしくは置換されていないモノマー、例えばメタクリレート、エタクリレートなどを指す。
【0025】
【化2】

式中、Rは環状要素またはアルキル要素であり、好ましくは前記環状要素は非芳香族環状要素であり、そして上記の構造においてRは水素または(C〜C)アルキルである。一つの構造単位は、Rがラクトンであるものであることができる。Rの構造の例を表2に示す。
【0026】
【化3】

上記環状オレフィンは、ポリマーの主鎖中に組み入れられ、そしてこれは、不飽和結合を含む任意の置換されたもしくは置換されていない多環式炭化水素であることができる。該ポリマーは、不飽和結合を有する一種またはそれ以上の環状オレフィンモノマーから合成することができる。上記環状オレフィンモノマーは、置換されたもしくは置換されていないノルボルネン、またはテトラシクロドデセンであることができる。上記環状オレフィン上の置換基は、脂肪族または環状脂肪族アルキル、エステル、酸、ヒドロキシル、ニトリルまたはアルキル誘導体であることができる。環状オレフィンモノマーの例を、限定はされないが、表3に示す。
【0027】
【化4】

上記環状オレフィンモノマーは、t−ブチルノルボルネンカルボキシレート(BNC)、ヒドロキシエチルノルボルネンカルボキシレート(HNC)、ノルボルネンカルボン酸(NC)、t−ブチルテトラシクロ[4.4.0.1.2,61.7,10]ドデカン−8−エン−3−カルボキシレート、及びt−ブトキシカルボニルメチルテトラシクロ[4.4.0.1.2,61.7,10]ドデカン−8−エン−3−カルボキシレートから選択することができ;より好ましくは、環状オレフィンは、t−ブチルノルボルネンカルボキシレート(BNC)、ヒドロキシエチルノルボルネンカルボキシレート(HNC)及びノルボルネンカルボン酸(NC)から選択される。
【0028】
好ましいアクリレートモノマーは、メバロノラクトンメタクリレート(MLMA)、メバロノラクトンアクリレート(MLA)、2−メチルアダマンチルメタクリレート(MAdMA)、2−メチルアダマンチルアクリレート(MAdA)、2−エチルアダマンチルメタクリレート(EAdMA)、2−エチルアダマンチルアクリレート(EAdA)、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、3−ヒドロキシ−1−メタクリルオキシアダマンタン、3−ヒドロキシ−1−アクリルオキシアダマンタン、3,5−ジヒドロキシ−1−メタクリルオキシアダマンタン、3,5−ジヒドロキシ−1−アクリルオキシアダマンタン、β−メタクリルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−アクリルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−メタクリルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−アクリルオキシ−γ−ブチロラクトンノルボルネンラクトンメタクリレート、ノルボルネンラクトンアクリレートから選択することができる。より好ましくは、アクリレートモノマーは、メバロノラクトンメタクリレート(MLMA)、メバロノラクトンアクリレート(MLA)、2−メチルアダマンチルメタクリレート(MAdMA)、2−メチルアダマンチルアクリレート(MAdA)、2−エチルアダマンチルメタクリレート(EAdMA)、2−エチルアダマンチルアクリレート(EAdA)、3−ヒドロキシ−1−メタクリルオキシアダマンタン、3−ヒドロキシ−1−アクリルオキシアダマンタン、α−メタクリルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−アクリルオキシ−γ−ブチロラクトンノルボルネンラクトンメタクリレート、ノルボルネンラクトンアクリレートから選択される。環状酸無水物は好ましくは無水マレイン酸である。
【0029】
フォトレジストポリマーの例は、ポリ(2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−ベータ−ブチロラクトンメタクリレート)、ポリ(2−メチル−2−アダマンチルアクリレート−co−ベータ−ブチロラクトンメタクリレート)、ポリ(2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−メバロノラクトンメタクリレート)、ポリ(2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−ノルボルネンラクトン(メタ)アクリレート)、ポリ(2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート−co−ベータ−ブチロラクトンメタクリレート)、ポリ(2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート−co−アルファ−ブチロラクトンメタクリレート)、ポリ(2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート−co−ベータ−ブチロラクトンアクリレート)、ポリ(2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート−co−ノルボルネンラクトンメタクリレート)、ポリ(ノルボニルメタクリレート−co−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート−co−ベータ−ブチロラクトンメタクリレート)、ポリ(2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート−co−ノルボルネンラクトンメタクリレート)、ポリ(2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート−co−ベータ−ブチロラクトンアクリレート)、ポリ(2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート−co−アルファ−ブチロラクトンメタクリレート)、ポリ(2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート−co−ノルボルネンラクトンメタクリレート)、ポリ(2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート−co−ベータ−ブチロラクトンメタクリレート)、ポリ(2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート−co−アルファ−ブチロラクトンメタクリレート)、ポリ(2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート−co−ベータ−ブチロラクトンメタクリレート−co−ノルボルネンラクトンメタクリレート)、ポリ(2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート−co−ベータ−ブチロラクトンメタクリレート−co−ノルボルネンラクトンメタクリレート)である。
【0030】
フルオロアルコール基を側鎖として有するフッ素化ポリマーに基づく157nmに感度を示す基本的な二つの部類のフォトレジストが、この波長において実質的に透明であることが知られている。一方の部類の157nmフルオロアルコールフォトレジストは、フッ素化されたノルボルネンなどの基を含むポリマーから誘導され、そして金属触媒重合もしくはラジカル重合を用いて、単独重合されるかまたはテトラフルオロエチレンなどの他の透明モノマーと共重合される(Hoang V. Tran et al Macromolecules 35, 6539, 2002, 国際公開第00/67072号パンフレット及び国際公開第00/17712号パンフレット)。一般的に、これらの材料は、より高い吸光性を与えるが、脂肪環式要素の含有量が多いために良好な耐プラズマエッチング性を有する。より最近では、1,1,2,3,3−ペンタフルオロ−4−トリフルオロメチル−4−ヒドロキシ−1,6−ヘプタジエンなどの非対称性ジエンの共重合(Shun−ichi Kodama et al Advances in Resist Technology and Processing XIX, Proceedings of SPIE Vol. 4690 p76 2002; 国際公開第02/065212号パンフレット)またはフルオロジエンとオレフィンとの共重合(国際公開第01/98834−A1号パンフレット)からポリマー主鎖が誘導された部類の157nmフルオロアルコールポリマーが開示された。これらの材料は、157nmにおいて許容可能な吸光性を与えるが、上記フルオロ−ノルボルネンポリマーと比べて脂肪環式要素の含有量が少ないために、耐プラズマエッチング性が低い。これらの二つの部類のポリマーをブレンドして、上記第一の種のポリマーの高い耐エッチング性と、上記第二の種のポリマーの157nmにおける高い透明性との間のバランスを図ることがしばしばできる。これらのフッ素化ポリマーは、ラクトン基、酸無水物基またはエステル基を有する単位を少なくとも一種含む。
【0031】
193nm及び157nmでの露光に特に好ましいものは、非芳香族系ポリマー、光酸発生剤、場合により溶解防止剤、場合により塩基、及び溶剤を含むフォトレジストである。
【0032】
本発明の光酸発生剤(PAG)は、所望の露光波長、好ましくは193nm及び157nmにおいて吸収を示すものから選択される。酸発生性感光性化合物の適当な例には、以下のものには限定されないが、イオン性光酸発生剤(PAG)、例えばジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、または非イオン性PAG、例えばジアゾスルホニル化合物、スルホニルオキシイミド、及びニトロベンジルスルホネートエステルなどが挙げられるが、照射時に酸を生成するものであればどのような感光性組成物でも使用することができる。上記オニウム塩は、通常は、有機溶剤中に可溶性の形、大概の場合にヨードニウム塩もしくはスルホニウム塩の形で使用される。これの例は、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、及びこれらの類似物などである。使用し得る照射時に酸を生成する他の化合物は、トリアジン類、オキサゾール類、オキサジアゾール類、トリアゾール類、置換された2−ピロン類である。フェノール性スルホン酸エステル類、ビス−スルホニルメタン類、ビス−スルホニルメタン類もしくはビス−スルホニルジアゾメタン類、トリフェニルスルホニウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、トリフェニルスルホニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ジフェニルヨードニウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、ジフェニルヨードニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、及びこれらの同族体も可能な候補である。光活性化合物の混合物も使用できる。
【0033】
場合により、塩基または光活性塩基をフォトレジストに加えて、像が形成されたフォトレジストのプロフィルを制御し、そしてT−トップ等の表面阻止効果(surface inhibition effects)を防止する。窒素含有塩基が好ましく、これの具体的な例はアミン類、例えばトリエチルアミン、トリエタノールアミン、アニリン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドもしくはそれの塩である。感光性塩基の例は、ジフェニルヨードニウムヒドロキシド、ジアルキルヨードニウムヒドロキシド、トリアルキルスルホニウムヒドロキシドなどである。塩基は、光酸発生剤に対して100モル%までの量で加えることができる。塩基添加剤という用語を使用したが、酸を除去するための他のメカニズムも可能である。例えば、揮発性酸(例えばCFCO)もしくは求核性酸(例えばBr)のテトラアルキルアンモニウム塩を用いることができる。これらは、それぞれ、露光後ベーク処理の際の被膜からの気化によってまたは求核性部分と酸前駆体カルボアニオンとの反応(例えば、t−ブチルブロマイドを生成するtert−ブチルカルボカチオンとブロマイドとの反応)によって酸を除去する。
【0034】
非揮発性アミン添加物の使用も可能である。好ましいアミン類は、塩基性、低揮発性及びレジスト調合物中への溶解性を維持しながら求核性反応を妨げるように立体障害性構造を有するもの、例えばプロトンスポンジ、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、環状アルキルアミン類、またはポリエーテルを有するアミン類、例えば米国特許第6,274,286号明細書に開示されるものなどであろう。
【0035】
193nm及び157nmでの像の形成のためのフォトレジスト組成物は、典型的には、各成分を適当なフォトレジスト溶剤中でブレンドすることによって調製される。好ましい態様では、フォトレジスト中のポリマーの量は、固形物、すなわち溶剤以外のフォトレジスト成分の重量を基準にして、好ましくは90%〜約99.5%、より好ましくは約95%〜約99%の範囲である。好ましい態様では、光活性化合物は、固形フォトレジスト成分の重量を基準にして約0.5%〜約10%、好ましくは約4%〜約6%の量でフォトレジスト中に存在する。フォトレジスト組成物の調製の際は、フォトレジストの固形成分を、溶剤もしくは溶剤混合物、例えば、中でも、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、酢酸ブチル、キシレン、1,3−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、乳酸エチル、エチル−3−エトキシプロピオネート、及び乳酸エチルとエチル−3−エトキシプロピオネートとの混合物と混合する。
【0036】
調製したフォトレジスト組成物溶液は、フォトレジストの分野において使用される任意の慣用の方法によって基材に塗布することができ、このような方法には、ディップ塗布法、スプレー塗布法、遠心除滴法(whirling)及びスピン塗布法などが挙げられる。例えばスピン塗布法の場合には、使用したスピン塗布装置及びスピン塗布工程に許される時間量の下に、所望の厚さの被膜を与えるためにフォトレジスト溶液をそれの固形物含有率に関して調節することができる。適当な基材には、ケイ素、アルミニウム、ポリマー性樹脂、二酸化ケイ素、ドーピングした二酸化ケイ素、窒化ケイ素、タンタル、銅、ポリシリコン、セラミック、アルミニウム/銅混合物、ヒ化ガリウム、及び他のこのような第III/V族化合物などが挙げられる。またフォトレジストは、反射防止膜の上に塗布することもできる。
【0037】
次いで、フォトレジスト組成物溶液は基材上に塗布され、そしてこの基材は、約70℃〜約150℃の温度において、ホットプレートを用いた場合は約30秒〜約180秒または熱対流炉を用いた場合は約15〜約90分処理される。この温度処理は、フォトレジスト中の残留溶剤の濃度を減少させるために選択され、固形成分を熱分解させることは実質的にない。一般的に、溶剤の濃度は最小化することが望まれるので、この最初の温度処理は、実質的に全ての溶剤が蒸発して基材上に半ミクロン(マイクロメータ)のオーダーの厚さのフォトレジスト組成物の薄い被膜が残るまで行われる。好ましい態様の一つでは、その温度は約95℃〜約160℃、より好ましくは約95℃〜約135℃である。この処理は、溶剤除去の変化の割合が比較的取るに足らないものになるまで行われる。温度と時間の選択は、ユーザーによって望まれるフォトレジストの性質、並びに使用する装置及び商業的に望ましい塗布時間に依存する。この被覆された基材は、次いで、適当なマスク、ネガ、ステンシル、テンプレートなどの使用によって形成される任意の所望のパターンに、化学線、例えば約100nm(ナノメータ)〜約300nmの波長の紫外線、X線、電子ビーム、イオンビームまたはレーザー線で像様露光することができる。
【0038】
フォトレジストは、次いで、現像の前に露光後第二ベーク処理または熱処理に付される。その加熱温度は、約90℃〜約160℃、より好ましくは約100℃〜約130℃の範囲であることができる。この加熱は、ホットプレートを用いた場合には約30秒〜約5分、より好ましくは約60秒〜約90秒、または熱対流炉の場合は約15〜約45分行うことができる。
【0039】
フォトレジストは、当業界において周知の方法に従い、基材上に塗布し、このフォトレジストが感度を示す適当な放射線で像様露光し、ベーク処理及び現像する。
【0040】
次いで、本発明の新規縮小材料をフォトレジスト上に塗布してフォトレジストと反応させる。該縮小材層の厚さは、約50nm〜約500nm、好ましくは50nm〜300nm、より好ましくは100nm〜200nmの範囲であることができる。該被覆材料とフォトレジストとの反応は、典型的には加熱段階の間に起こる。基材は、ホットプレート上で、80℃〜200℃、好ましくは90℃〜180℃、より好ましくは90℃〜180℃の温度で30秒〜180秒間加熱することができる。
【0041】
該縮小材料の未反応の残留部分は除去液で除去される。この除去液は水であるかまたは界面活性剤の水溶液からなることができ、またこれらは更にアルカリ及び/または水混和性溶剤を含むこともできる。アルカリの例は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンまたはこれらの混合物である。水混和性溶剤は、例えば、低級脂肪族アルコール、例えばエタノールもしくはイソプロパノール;多官能性アルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールもしくはこれらのモノメチルエーテル、特にプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)である。水溶性非イオン性界面活性剤及び陰イオン性界面活性剤が、良好なリソグラフィの結果を供することが確認された。非イオン性界面活性剤の例は、アルキル、フルオロアルキルもしくは芳香族基によって末端が停止されたエチレンオキシド/プロピレンオキシドポリマーである。陰イオン性界面活性剤も優れたリソグラフィ性能を供する。このような界面活性剤の例は、長鎖アルカン酸の塩、例えばラウリン酸塩、ステアリン酸塩またはヘプタン酸塩、アルキルもしくはアラルキルスルホン酸の塩、例えばラウリルスルホン酸の塩、またはスルホン酸アミドの様々に置換された塩、あるいは上記の部類の化合物の部分的にもしくは完全にフッ素化された誘導体である。アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、または他のアルキルアンモニウムイオンが有用な対イオンである。除去液の実際の組成は、縮小材料、所望のリソグラフィ性能、材料の相溶性、製造規格などの要因に依存する。
【0042】
除去液は、当業界において公知の方法で基材表面に使用される。パドル現像、浸漬現像、スプレー現像、またはこれらの技術の組み合わせを、基材から化学組成物の除去のために使用することができる。除去工程の時間及び温度は、最良のリソグラフィ性を得るために変えられる。望ましいリソグラフィ性は、例えば、(a)未反応の縮小材料を除去した後の基材の綺麗さ、すなわち不溶性の付着物、ストリンガー、ブリッジなどが基材上にないこと、(b) 垂直な壁の角度、及び(c)滑らかな表面である。
【0043】
現在の解像度図票では、フォトレジスト図形間の空間の縮尺が約70nm〜約100nmであることが望ましい。正確な空間幅の縮尺の要件は、製造される微細電子デバイスの種類に大きく依存する。
【0044】
上記の方法によって画定される所望の狭い空間が形成されたら、フォトレジストパターンと縮小材料を含む、こうして得られた造形品を、要求される通りに、例えば微細電子デバイスの製造のために、更に加工することができる。この空間中に金属を付着させること、基材をエッチングすること、フォトレジストを平坦化することなどができる。
【0045】
上に引用した文献はそれぞれ全ての目的に関してその内容の全てが本明細書中に掲載されたものとする。以下の具体例は、本発明の組成物を製造及び使用する方法の詳細な例示を与えるものである。しかし、これらの例は、本発明の範囲を如何様にも限定もしくは減縮することを意図したものではなく、本発明を実施するために排他的に使用しなければならない条件、パラメータもしくは値を教示するものとは解釈されるべきものではない。
【実施例】
【0046】
例1:フォトレジストパターン形成
ポリ(2−メチルアダマンチルメタクリレート−co−ベータ−ブチロラクトンメタクリレート)34g、ポリ(2−メチルアダマンチルメタクリレート−co−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート−co−ベータ−ブチロラクトンメタクリレート)34g、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート1.5g、ジエタノールアミンの1重量%乳酸エチル溶液5g、及び界面活性剤(ミネソタ州セントポール在の3Mコーポレーションから供給されるフルオロ脂肪族ポリマー性エステル)の10重量%乳酸エチル溶液1.2gからなる混合物を、乳酸エチル923g中に溶解してフォトレジスト溶液を調製した。この溶液を0.2μmフィルターを用いて濾過した。これとは別に、底面反射防止膜溶液をケイ素基材上にスピン塗布することによって底面反射防止膜(B.A.R.C)で被覆したケイ素基材を用意し、そしてこれを175℃で60秒間ベーク処理した。このB.A.R.C膜の厚さは39nmに維持した。次いで、上記フォトレジスト溶液を上記B.A.R.C被覆ケイ素基材上に塗布した。スピン速度は、フォトレジスト膜の厚さが220nmとなるように調節した。そのレジスト膜を115℃で60秒間ベーク処理した。次いでこれを、6%減衰型位相シフトマスクを用いて193nmスキャナ(開口数0.78、コヒーレンス0.9)で露光した。露光後、このウェハを、110℃で60秒間、露光後ベーク処理し、そしてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶液を用いて60秒間現像した。次いで、走査電子顕微鏡でコンタクトホールを観察した。この調合物は、31.5mJ/cmの感度を有し、そして0.1μmのコンタクトホールを解像した。
【0047】
例2
例1に記載のフォトレジトコンタクトホールパターンを有する基材に、ポリアリルアミン(Mw:65,000)の4%水溶液をスピン塗布して厚さ200nmの被膜を得、これを110℃で60秒間ベーク処理し、そして水で60秒間現像した。次いで、走査電子顕微鏡でコンタクトホールを観察し、そして上記縮小材料の塗布前と塗布後でのパターンサイズを比較した。パターンサイズは、0.1ミクロンから0.07ミクロンに縮小した。
【0048】
例3
例1のフォトレジストコンタクトホールパターンを有する基材に、ポリアリルアミン(Mw17,000)の4%水溶液をスピン塗布して厚さ200nmの被膜を得、110℃で60秒間ベーク処理し、そして水で60秒間現像した。次いでコンタクトホールを走査電子顕微鏡で観察し、そして該縮小材料の塗布前と塗布後でのパターンサイズを比較した。パターンサイズは0.1ミクロンから0.07ミクロンに縮小した。
【0049】
例4
例1のフォトレジストコンタクトホールパターンを有する基材にポリアリルアミン(Mw17,000)の4%水溶液をスピン塗布して厚さ200nmの被膜を得、そしてこれを120℃で60秒間ベーク処理し、そして60秒間水で現像した。次いでコンタクトホールを走査電子顕微鏡で観察し、そして縮小材料を塗布する前と後でのパターンサイズを比較した。パターンサイズは0.12ミクロンから0.08ミクロンに縮小した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ基を含むポリマーを含有する、フォトレジストパターンを被覆するための水性被覆用組成物。
【請求項2】
アミノ基が第一級アミンである、請求項1の組成物。
【請求項3】
アミノ基がアルキルアミンである、請求項1または2の組成物。
【請求項4】
ポリマーがポリアリルアミンである、請求項1〜3のいずれか一つの組成物。
【請求項5】
ポリマーが、ポリ(アリルアミン−co−メタクリル酸)、ポリ(アリルアミン−co−アクリル酸)、ポリ(アリルアミン−co−アクリルアミド)、ポリ(アリルアミン−co−N−アルキルアクリルアミド)、ポリ(アリルアミン−co−アクリル酸−co−メタクリル酸)、ポリ(アリルアミン−co−アクリル酸−co−アクリルアミド)、ビス(3−アミノプロピル)で末端が停止されたポリ(オキシエチレン)、アミンで末端が停止されたポリ(エチレンオキシド)、及びポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)から選択される、請求項1〜3のいずれか一つの組成物。
【請求項6】
更に水混和性溶剤を含む、請求項1〜5のいずれか一つの組成物。
【請求項7】
架橋性化合物を含まない、請求項1〜6のいずれか一つの組成物。
【請求項8】
微細電子デバイスを製造する方法であって、
a)基材にフォトレジストパターンを供し、
b)このフォトレジストパターンを請求項1〜7のいずれか一つの被覆用組成物で被覆し、
c)フォトレジストパターンと接触している部分の被覆材料を反応させ、
d)未反応の部分の被覆材料を除去液で除去する、
ことを含む、上記方法。
【請求項9】
基材を加熱して、被覆材料とフォトレジスト像との反応を引き起こす、請求項8の方法。
【請求項10】
除去液が、水酸化物塩基を含む水溶液である、請求項8または9の方法。
【請求項11】
除去液が、水混和性溶剤を更に含む、請求項8〜10のいずれか一つの方法。
【請求項12】
フォトレジストが、ラクトン、酸無水物及びエステルから選択される基を含むポリマーを含有する、請求項8〜11のいずれか一つの方法。
【請求項13】
フォトレジストパターンを被覆するための、請求項1〜7のいずれか一つの被覆用組成物の使用。
【請求項14】
表面上にフォトレジストパターンが形成された基材を含む造形品であって、前記パターンが、請求項1〜5のいずれか一つに記載のアミノ基を含むポリマーを含有する層によって被覆されている、前記造形品。

【公開番号】特開2012−145960(P2012−145960A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−68775(P2012−68775)
【出願日】平成24年3月26日(2012.3.26)
【分割の表示】特願2007−538545(P2007−538545)の分割
【原出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【出願人】(305010827)エイゼット・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・コーポレイション (81)
【Fターム(参考)】