説明

フォールパイプ(落下管)の管状要素、そのような要素から組み立てられたフォールパイプ、2つのそのような管状要素間の連結およびフォールパイプを組み立てるための方法

本発明は、フォールパイプ船から海底に材料を堆積させる目的のために使用されるフォールパイプの管状要素に関する。フォールパイプ要素は、同様の形態の別の要素に連結するための雄および雌連結部を含む。連結部には、その外側周縁部と内側周縁部のそれぞれに、その間の凹部を空けたままで、周方向に、セグメントに分割される環状フランジが設けられる。連結する目的のため、雄連結部のセグメントが雌連結部の凹部中に配置され、回転によって雌連結部のセグメントの下に摺動される。本発明は、同様に、フォールパイプおよびその組立の方法に関する。フォールパイプは、特に大きい深度に材料を堆積させるのに適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料、特に、海底に岩を堆積させるために使用されるフォールパイプの管状要素に関する。本発明は、また、そのような要素から組み立てられたフォールパイプ、2つのそのような要素間の連結およびフォールパイプを組み立てるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
材料、特に岩を海底に堆積させるためのフォールパイプを組み立てるおよび担持するための設備を船に備えることは公知である。そのようなフォールパイプには高い基準が設けられている。例えば、船上に好適なフォールパイプを簡単に保管すること、およびそれを迅速に組立および分解することが可能でなければならない。適切なフォールパイプは、また、その上にかかる高荷重に耐えることができるよう十分に機械的に頑丈である。フォールパイプは、特に軸方向に十分に剛性がなければならないが、フォールパイプの底端部の水平面における変位を比較的限られた力で可能にするために特定の可撓性があると便利である。加えて、フォールパイプは、単位時間あたりに大量の材料を堆積させることができ、かつ十分に水密でなければならない。
【0003】
公知のフォールパイプは、通常、最下要素に取り付けられたケーブルによって支持される、一連の、相互に連結された、または積み重ねられた管状要素から組み立てられる。各要素は、したがって、基底要素上に支持される。ケーブルが耐えることのできる、フォールパイプの自重および、例えば、潮流、共振等に起因する等の外部荷重から生じる荷重は、限られている。公知のフォールパイプはこのため比較的限られた深度にのみ用いられうる。また、公知のフォールパイプの組立にはかなりの時間がかかり、組立には人的操作が必要なため、経験が重要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、それを使用して比較的大きい深度に用いられうるフォールパイプを組み立てることができ、かつ公知のフォールパイプよりも容易に組み立てることができる管状要素を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は、同様の形態の別の要素に連結するための雄および雌連結部を含む管状要素を設けることにより達成され、連結部には、その外側周縁部と内側周縁部とにそれぞれ、その間の凹部を空けたままで、周方向に、セグメントに分割される環状フランジが設けられ、連結する目的のため、雄連結部のセグメントは、雌連結部の凹部中に配置され、回転によって雌連結部のセグメントの下に摺動される。本発明による複数の要素の相互連結により、フォールパイプを支持するためのケーブルを必要としないフォールパイプが得られる。各フォールパイプ要素はその上方の要素から吊され、それにより自己支持型のフォールパイプが得られる。同じ長さであれば、これによって本発明によるフォールパイプはより軽量な形態、および特に、公知のフォールパイプに比べると軸方向により剛性のある形態を提供することができる。軸方向の剛性が高くなると、軸方向応力波の固有振動数は大きくなるため、船の動きに起因するフォールパイプの共振の発生が少なくなるか、またはさらには全く発生しなくなる。
【0006】
本発明によるフォールパイプの組立は、このため高度に電動化された、自動的な方式で行うことができ、それによってかなりの長さを、比較的高い組立または分解速度で作製および/または引き上げることができる。フォールパイプの要素の連結部分は、公知のフォールパイプに比べるとより広い荷重支持面を有しうるため、したがってより大きい深度に特に適したより頑丈なフォールパイプが提供される。
【0007】
本発明の特に適切な実施形態において、連結部に、共通の軸方向距離で配置され、かつその間の凹部を空けたままで、周方向に、セグメントに分割される、少なくとも2つの環状フランジが設けられる管状要素が設けられる。本実施形態は少なくとも2つの環状フランジを含むため、連結部分の荷重支持面がさらに増加し、これが軸方向の荷重負担能力をさらに向上させ、したがって、自己支持型のフォールパイプの潜在的な長さが増す。フォールパイプの許容曲げモーメントも大幅に増加する。
【0008】
本発明による管状要素は、フォールパイプを組み立てるのに特に適している。本発明は、また、そのようなフォールパイプを組み立てるための方法も提供する。本発明による方法は、本発明による複数の管状要素を用意するステップと、第1の要素の雄連結部のセグメントを第2の要素の雌連結部の凹部中に配置するステップと、第1の要素を第2の要素に対して回転させるステップと、を含み、これは雄連結部のセグメントを雌連結部のセグメントの下に摺動するような方式である。例えばケーブルなどの追加の連結手段を必要としないため、フォールパイプは、簡単な方式で、かつ公知のフォールパイプよりも短い時間内で組み立てられる。本発明によるフォールパイプは、より大きい深度における用途に特に適しているため、これはなおさら有利である。そのような用途には多数の要素の連結を必要とする。
【0009】
フォールパイプを組み立てるための有利な方法において、方法は、連結部に、共通の軸方向距離で配置され、かつその間の凹部を空けたままで、周方向に、セグメントに分割される少なくとも2つの環状フランジが設けられ、第1の要素の雄連結部のセグメントを第2の要素の雌連結部の凹部中に配置し、第1の要素を第2の要素に対して回転させ、これは雄連結部のセグメントを雌連結部のセグメントの下に摺動するような方式であり、少なくとも2回繰り返されることを特徴とする。
【0010】
本発明によるフォールパイプのさらに好適な実施形態において、共通の軸方向距離で配置されている連結部のセグメントは共通の距離で延在する。荷重支持面、したがって要素の連結部分の強度はこれによってさらに増加する。
【0011】
上記の実施形態は、フォールパイプ要素の連結部分および非連結部分を、高度に電動化した、自動的な方式で前進させることを可能とし、これは高いフォールパイプの組立および分解速度の維持を可能にする。要素を(非)連結するために、フォールパイプ船に、好ましくは、フォールパイプのための少なくとも1つのクランプ装置を含む装置が設けられ、クランプ装置内で要素を一時的に吊すことができる。クランプ装置は、さらに、例えばターンテーブルが設けられることにより、その中に吊された要素の軸方向の軸を中心として回転可能である。すでに部分的に組み立てられたフォールパイプに要素を連結するために、要素は、そのクランプ装置内の上端部から吊され、制御された状態で下ろされる。要素の下端部は、すでに部分的に組み立てられたフォールパイプの最上要素の雌連結部の凹部中に、要素の雄連結部のセグメントを配置することにより(またはその逆に)、およびすでに部分的に組み立てられたフォールパイプに対して要素を回転させることにより、すでに部分的に組み立てられたフォールパイプの上端部内に連結されるが、これは雄連結部のセグメントを雌連結部のセグメントの下に摺動するような方式(またはその逆)である。連結のための管状要素は、吊された状態のターンテーブルによって、吊された状態において上部で軸を中心として回転させることができる。クランプ装置には、好ましくは、制御システムも設けられ、それによって、連結のための要素が軽い引張力(非連結)または軽い押力(連結)のいずれかで前述の管状要素に作用しうるように、管状要素の質量を補償することができる。
【0012】
セグメントが、環状フランジまたは複数の環状フランジの周縁部上に延在する程度は、広い範囲内で変えることができる。環状フランジのセグメントは、好ましくは、要素の周縁部の25%より多くにわたって、より好ましくは35%より多くにわたって、最も好ましくは要素の周縁部のほぼ50%にわたって延在する。
【0013】
実際的な実施形態において、各環状フランジは、規則的に周方向に分配される4つのセグメントを含む。これは、フォールパイプの組立時、良好なロックと扱いやすさとの間の好適な妥協点となる。
【0014】
セグメントは様々な形態を有しうる。セグメントは、好ましくは、丸みのある部分を含み、それにより要素の連結部分がさらに簡略化される。丸みのある部分は、また、面取りされた部分を意味すると解釈される。
【0015】
有利な実施形態において、セグメントは、相互に連結される要素を互いに対して動かすことができるように配置および/または形成される。(非)連結するための2つの管状部(フォールパイプおよび(非)連結するための部分)のわずかな相対的な動きがそこで可能となるため、これによってフォールパイプの組立はより簡単に進む。フォールパイプの使用時に、例えば、潮流、衝撃およびフォールパイプの組立のために生じるおそれのある荷重は、これによって少なくとも部分的に吸収される。(XZおよびYZ面における)フォールパイプの特定の可撓性はさらに利点を有する。Z方向は、ここではフォールパイプの軸方向に一致し、一方で(X、Y)面はZ方向と垂直に延在する。
【0016】
連結部および/または環状フランジは種々の材料から製造することができる。連結部および/または環状フランジは、実質的に、鋼合金、アルミニウム合金および/または繊維強化プラスチックから製造されることが好ましい。これらの材料は、適度な強度と加工性に、軽量さを併せ持つ。大きい深度における作業の場合には、フォールパイプを吊っている設備にかかる荷重を不必要に大きくさせないよう、高強度/質量比を有する材料の使用が特に適切である。これは比較的短時間でフォールパイプを引き上げるために設置される動力にも当てはまる。
【0017】
繊維強化プラスチックは、プラスチックのマトリックスに組み込まれた強化繊維を含む。繊維強化プラスチックのマトリックスには、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を含みうる。強化繊維には、好ましくはガラス繊維および/または炭素繊維を含む。好適な実施形態において、繊維強化プラスチックはエポキシマトリックスの炭素繊維を含む。そのような繊維強化プラスチックは適度な強度と軽量さを併せ持つ。
【0018】
特に適切なアルミニウム合金は1980番のT1合金である。そのような合金は、比較的長大なフォールパイプを設けることができるような強度を有することがわかっているだけでなく、良好な耐食性に、良好な加工性と溶接性を併せ持つ。
【0019】
特に適切な実施形態は、押出し法によって製造されるため、特に軸方向に非常に高いかつ均一な機械的特性を有する管状要素を含み、雄連結部および雌連結部は、鍛造で製造されるため、確かな機械的特性を有する。
【0020】
連結部は種々の方法で要素に連結されうる。したがって、少なくとも1つの連結部を、例えば、要素と一体鋳造することによって、それを要素と一体に連結することが可能である。追加の連結手段を必要としないシンプルかつ頑丈な要素がこれにより提供される。しかしながら、連結部を別個に具現化し、いわゆる摩擦攪拌溶接の利用によって、それを要素に連結すると便利であることがわかっている。連結部の、要素への正確かつ強固な連結は、摩擦攪拌溶接の利用によって得られる。溶接部における、および溶接熱によって影響を受ける領域における材料の強度は母材の強度とほとんど変わらないことがわかっている。
【0021】
フォールパイプの要素は、例えば、材料の堆積、潮流および船の動きまたはフォールパイプの、海底への予想される接触のために変位する、特に、互いに回転する可能性があり、それにより隣接する要素の非連結の危険性が生じうる。さらに好適な実施形態において、本発明によるフォールパイプは、したがって、要素の雄連結部と、隣接する要素の雌連結部との相互ロックのためのロックまたは固定要素を含む。これは、特に使用時、隣接するセグメントが互いに変位され、それによっておそらくは非連結されうる危険性を低下させる。ロック要素は、特に、共通の距離で延在し、環状フランジのセグメント間に配置されうる突起が設けられるリングを含む。そのようなロック要素はシンプルかつ信頼性が高い。フォールパイプを組み立てるための類似の方法において、方法は、第1と第2の要素を、相対回転しないように、およびそれによって非連結しないように、これらの要素の相互連結後にロックすることを特徴とする。
【0022】
別の好適な実施形態において、上述のロック、または任意選択的に別の要素もまた、雌連結要素と雄連結要素との間の隙間の外側にシーリングを設ける。海中に浮遊する異物は最終的にこの隙間内に堆積するおそれがあり、それによって連結部分を閉塞するか、または海から連結部分を通ってフォールパイプ内の領域に到達する水流が発生するおそれがあり、これは望ましくない。
【0023】
シーリング要素は、好ましくは、実質的に、ゴムまたはポリエチレン等のポリオレフィン等の可撓性のある材料から製造される。シーリング要素は、特にロック要素と一体に具現化され、それがフォールパイプをシンプルかつ安価にし、また、フォールパイプの組立時の余分な操作を制限する。
【0024】
別の好適な実施形態において、管状要素は、2つの隣接する要素をフォールパイプの内壁に相互に液密連結するためのシーリング要素を含む。これがフォールパイプの操作を向上させる。予想されるフォールパイプ内への水の供給は、好ましくは制御された状態で行われるべきである。
【0025】
好適な実施形態において、フォールパイプには、内側に、荷重支持構造を保護する摩耗用ライニングが設けられる。このライニングは、修理可能および/または交換可能であることが好ましい。摩耗用ライニングに適した材料にはポリウレタン(PU)を含む。
【0026】
さらに好適な実施形態において、上述の摩耗用ライニングを利用して、上述のシールを、フォールパイプの内壁に、例えば、ライニングを、管状要素の一方の側においては45°で、もう一方の端部においては45°の対応角で仕上げ加工し、それによって部分的に重なったおよび簡略化した形態のラビリンスシールを作製することにより、ラビリンスシールの形態で実現する。
【0027】
本発明による要素を使用することで、所望のあらゆる長さのフォールパイプを組み立てることができるが、要素は、特に、1000メートルを超える、より好ましくは1250メートルを超える、最も好ましくは1500メートルを超える長さを有するフォールパイプを組み立てるのに適している。そのような、これまで達成不能であった長さが、材料を大きい深度に、およびこれを十分な精度で堆積させることを可能にする。
【0028】
本発明は、ここで、特にそれに限定されることのない添付の図を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による管状要素の斜視図である。
【図2a】図1の要素の雌連結部の斜視上面図である。
【図2b】図1の要素の雄連結部の斜視上面図である。
【図3a】連結のための図1の2つの要素の斜視上面図である。
【図3b】連結のための図1の2つの要素の斜視側面図である。
【図4a】図1の2つの要素の連結時の異なる段階を示す。
【図4b】図1の2つの要素の連結時の異なる段階を示す。
【図4c】図1の2つの要素の連結時の異なる段階を示す。
【図4d】図1の2つの要素の連結時の異なる段階を示す。
【図4e】図1の2つの要素の連結時の異なる段階を示す。
【図4f】図1の2つの要素の連結時の異なる段階を示す。
【図5a】本発明による雄連結要素の上面図を示す。
【図5b】図5aのBBに沿って切断した図を示す。
【図5c】図5aのAAに沿って切断した図を示す。
【図6a】本発明による雌連結要素の上面図を示す。
【図6b】図6aのBBに沿って切断した図を示す。
【図6c】図6aのAAに沿って切断した図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1を参照すると、本発明による管状要素1が示される。管状要素1は、管状部2の第1の外側端部2aに雌連結部10、および管状部2の第2の外側端部2bに雄連結部20を有する管状部2を含む。管状部2と連結部(10、20)は両方ともアルミニウム合金から製造される。連結部(10、20)は摩擦溶接部によって管状部2と同心に連結される。
【0031】
図2aを参照すると、図1に示される管状要素1の雌連結部10が示される。雌連結部10には、内側周縁部11に、共通の軸方向距離14で配置される2つの環状フランジ(12、13)が設けられる。環状フランジ(12、13)は、環状の連結部10の周方向において、その間の凹部(12b、13b)を空けたままにして内側突出セグメント(12a、13a)に分割される。上部環状フランジ12のセグメント12aは、下部環状フランジ13のセグメント13aに対してずらして配置される。したがって、同様のことが上部環状フランジ12の凹部12bおよび下部環状フランジ13の凹部13bに当てはまる。内側突出セグメント(12a、13a)には丸みがある。
【0032】
図2bを参照すると、図1に示される管状要素1の、対応する雄連結部20が示される。雄連結部20には、共通の軸方向距離24で配置される2つの環状フランジ(22、23)が外側周縁部21に設けられる。環状フランジ(22、23)は、環状の連結部20の周方向において、その間の凹部(22b、23b)を空けたままにして外側突出セグメント(22a、23a)に分割される。下部環状フランジ22のセグメント22aは、上部環状フランジ23のセグメント23aに対してずらして配置される。したがって、同様のことが下部環状フランジ22の凹部22bおよび上部環状フランジ23の凹部23bに当てはまる。外側突出セグメント(22a、23a)には丸みがある。
【0033】
図3aおよび3bを参照すると、連結のための2つの管状要素1aおよび1bが垂直方向に延在して示される。管状要素(1a、1b)は、ここで、セグメント1bの雌連結部10が上方向に延在し、セグメント1aの雄連結部20が下方向に延在するように方向づけられる。これが管状要素(1a、1b)の相互連結の開始位置である。相対的な位置は、要素1aの雄連結部20が上方向に延在し、要素1bの雌連結部20が下方向に延在するよう逆にすることもできることは明らかである。
【0034】
図5および図6は、連結位置において、雄連結部20がその底部縁端28によって雌連結部10の停止部18上に支持されることを示す。
【0035】
管状要素(1a、1b)を連結するために、第1の工程において、それらは図4aに示すように互いに並んで配置される。雄連結部20の下部環状フランジ22の外側突出セグメント22aは、ここで、雌連結部10の上部環状フランジ12の凹部12bと同一直線上にある。両要素(1a、1b)は、次に、示される垂直方向100に、互いに向かって動かされ、雄連結部20の上部環状フランジ12の外側突出セグメント22aは、それが雌連結部10の下部環状フランジ13の内側突出セグメント13aに接するまで雌連結部10の上部環状フランジ12の凹部12b(図4b)内に摺動される。要素1aは、その後、要素1bに対して、方向101に回転され(図4c)、雄連結部20の下部環状フランジ22の外側突出セグメント22aは、雌連結部10の上部環状フランジ12の内側突出セグメント12aの下を通って、雄連結部20の上部環状フランジ23の外側突出セグメント23aが雌連結部10の下部環状フランジ13の凹部13bと同一直線上にある位置に摺動される。この位置から、両要素(1a、1b)は、示される垂直方向100にさらに互いに向かって動かされ(図4d)、雄連結部20の上部環状フランジ22の外側突出セグメント23aは、雄連結部10の停止部25が雌連結部10の上部周端11上に載るまで雌連結部10の下部環状フランジ13の凹部13b内に摺動される。図4eを参照すると、上部要素1aは、要素1bに対して、方向102に回転され、雄連結部20の上部環状フランジ22の外側突出セグメント23aは、雌連結部10の下部環状フランジ13の内側突出セグメント13aの下を通って連結位置内に摺動される。本発明による要素には、さらに任意選択的に、ロックリング26の形態のロック要素が設けられ、それには、共通の距離で延在し、かつ2つの連結部の環状フランジ間に配置されうる突起が設けられる。ロックリング26は、図4fに示すように、2つの連結部の環状フランジ間の連結部分を完全なものにするために配置される。最後に、要素は、例えば水平保管時に雄要素を保護するために、所望であれば、例えばプラスチックの支持リング27を備えることができる。この支持リングは、管状要素が互いに水平かつ平行に保管されるように雌要素の最大直径と同じ直径を有することが好ましい。
【0036】
セグメントと凹部の寸法および幾何学的配置は、上述の相対的な動きを当分野において特に混乱なく実施できるよう互いに適合されることは明らかである。さらに、本発明は、図に示される実施形態に限定されず、その多くの変形が添付の特許請求の範囲の保護の範囲内において可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォールパイプ船から海底に材料を堆積させる目的のために使用されるフォールパイプの管状要素であって、その要素は、同様の形態の別の要素に連結するための雄および雌連結部を含み、その連結部には、その外側周縁部と内側周縁部のそれぞれに、その間の凹部を空けたままで、周方向に、セグメントに分割される環状フランジが設けられ、連結する目的のため、雄連結部のセグメントが、雌連結部の凹部中に配置され、かつ回転によって、前記雌連結部のセグメントの下に摺動される、要素。
【請求項2】
前記連結部には、共通の軸方向距離で配置され、かつその間の凹部を空けたままで、周方向に、セグメントに分割される、少なくとも2つの環状フランジが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の要素。
【請求項3】
共通の軸方向距離で配置される環状フランジのセグメントが共通の距離で延在することを特徴とする、請求項2に記載の要素。
【請求項4】
環状フランジの前記セグメントは、前記要素の前記周縁部の25%より多くにわたって、より好ましくは35%より多くにわたって、最も好ましくは前記要素の前記周縁部のほぼ50%にわたって延在することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の要素。
【請求項5】
各環状フランジは4つのセグメントを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の要素。
【請求項6】
前記セグメントは、丸みのある部分を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の要素。
【請求項7】
前記セグメントは、互いに連結される要素を互いに対して動かすことができるように配置および/または形成されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の要素。
【請求項8】
その前記連結部および/または前記環状フランジは、実質的に鋼合金、アルミニウム合金および/または繊維強化プラスチックから製造されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の要素。
【請求項9】
その前記連結部および/または前記環状フランジは、実質的に1000番台のアルミニウム合金、特に、1980番のT1合金から製造されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の要素。
【請求項10】
少なくとも1つの連結部が前記要素と一体に連結されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の要素。
【請求項11】
前記要素は、前記同様の形態の別の要素に相互に液密連結するためのシーリング要素を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の要素。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のいくつかの連結される要素を含むフォールパイプ。
【請求項13】
前記フォールパイプは、1000メートルを超える、より好ましくは1250メートルを超える、最も好ましくは1500メートルを超える長さを有することを特徴とする、請求項12に記載のフォールパイプ。
【請求項14】
前記フォールパイプは、要素の雄連結部と、隣接する要素の雌連結部との相互ロックのためのロック要素を含むことを特徴とする、請求項12または13に記載のフォールパイプ。
【請求項15】
前記ロック要素は、共通の距離で延在し、かつ2つの連結部の前記環状フランジ間に配置されうる突起が設けられるリングを含むことを特徴とする、請求項14に記載のフォールパイプ。
【請求項16】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の複数の管状要素を用意するステップと、第1の要素の雄連結部のセグメントを第2の要素の雌連結部の凹部中に配置するステップと、前記第1の要素を前記第2の要素に対して回転させるステップと、を含み、これは前記雄連結部の前記セグメントが前記雌連結部のセグメントの下に摺動されるような方式である、フォールパイプを組み立てるための方法。
【請求項17】
前記連結部に、共通の軸方向距離で配置され、かつその間の凹部を空けたままで、周方向に、セグメントに分割される少なくとも2つの環状フランジが設けられるステップと、第1の要素の雄連結部のセグメントを第2の要素の雌連結部の凹部中に配置するステップと、前記第1の要素を前記第2の要素に対して回転させるステップと、を含み、これは前記雄連結部の前記セグメントが前記雌連結部のセグメントの下に摺動されるような方式であり、少なくとも2回繰り返されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1と前記第2の要素は、相対回転および変位することのないよう、これらの要素の相互連結後にロックされることを特徴とする、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1と前記第2の要素の相互連結後、この連結部分は媒体密に封止されることを特徴とする、請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
フォールパイプ船から海底に材料を堆積させる目的のために使用される、フォールパイプの管状要素を、前記同様の形態の別の要素に連結するのに明らかに適した連結部分であって、前記連結部分には雄および雌連結部を含み、連結部には、その外側周縁部と内側周縁部それぞれに、その間の凹部を空けたままで、周方向に、セグメントに分割される環状フランジが設けられ、連結する目的のため、雄連結部のセグメントは、雌連結部の凹部中に配置され、回転によって前記雌連結部のセグメントの下に摺動される、連結部分。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図4f】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【公表番号】特表2012−530220(P2012−530220A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514907(P2012−514907)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【国際出願番号】PCT/NL2010/050361
【国際公開番号】WO2010/147460
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(511302460)タイドウェイ ビー.ヴイ. (1)
【氏名又は名称原語表記】TIDEWAY B.V.
【住所又は居所原語表記】Minervum 7442,NL−4817 ZG Breda,Netherlands
【Fターム(参考)】