説明

フマル酸ジエステル共重合体

【課題】優れた耐熱性、透明性を有する光学材料に好適な新規なフマル酸ジエステル共重合体を提供する。
【解決手段】 特定のフマル酸ジエステル残基単位と、特定のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は特定のテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位よりなり、数平均分子量が1,000〜500,000の範囲であることを特徴とするフマル酸ジエステル共重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なフマル酸ジエステル共重合体に関するものであり、さらに詳しくは、優れた耐熱性、透明性を有する新規なフマル酸ジエステル共重合体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フマル酸ジエステルから得られる単独重合体または共重合体は、一般的な熱可塑性ビニル重合体と比べて高い耐熱性を示し、さらに透明性に優れた樹脂となることが知られている。例えば、フマル酸ジイソプロピルやフマル酸ジシクロヘキシルから得られる単独重合体は、200℃以上でも軟化点およびガラス転移温度を示さず、光学分野において様々な用途に使用可能な透明樹脂として有望な材料である。(例えば、特許文献1または非特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特公平5−40281号公報
【非特許文献1】大津隆行著、未来材料、2002年、Vol.2、No.12発行、(第70〜74頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1または非特許文献1には、フマル酸ジエステル残基単位と、オキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又はテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位よりなる共重合体については記載されていない。
【0005】
そこで、本発明は優れた耐熱性、透明性を有する新規なフマル酸ジエステル共重合体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を行なった結果、新規なフマル酸ジエステル共重合体を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位と、下記一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は下記一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位よりなり、数平均分子量が1,000〜500,000であることを特徴とするフマル酸ジエステル共重合体に関するものである。
【0008】
【化1】

(ここで、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、あるいは炭素数3〜6の環状アルキル基を示す。)
【0009】
【化2】

(ここで、Rは水素、メチル基、Rは水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、n=1または2を示す。)
【0010】
【化3】

(ここで、Rは水素、メチル基、Rは水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基を示す。)
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明のフマル酸ジエステル共重合体は、特定の一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位と、特定の一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は特定の一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位よりなる共重合体である。ここで、一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位中のRおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、あるいは炭素数3〜6の環状アルキル基を示し、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜6の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、炭素数3〜6の環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、フマル酸ジエステル共重合体が耐熱性に優れるものとなることから、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が好ましく、特にイソプロピル基が好ましい。
【0012】
そして、具体的な一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位としては、例えばフマル酸ジメチル残基、フマル酸ジエチル残基、フマル酸ジプロピル残基、フマル酸ジ−n−ブチル残基、フマル酸ジペンチル残基、フマル酸ジヘキシル残基、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジイソブチル残基、フマル酸ジ−sec−ブチル残基、フマル酸ジ−tert−ブチル残基、フマル酸ジシクロプロピル残基、フマル酸ジシクロブチル残基、フマル酸ジシクロヘキシル残基等が挙げられる。これらの中でも、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−tert−ブチル残基、フマル酸ジシクロヘキシル残基等が好ましく、特にフマル酸ジイソプロピル残基が好ましい。
【0013】
本発明のフマル酸ジエステル共重合体を構成する一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位における、一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位中のRは水素、メチル基であり、Rは水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基であり、nは1または2である。Rにおける炭素数1〜4の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜4の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
【0014】
そして、具体的な一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位としては、例えばアクリル酸−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルエチル残基等が挙げられる。
【0015】
また、一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位のRは水素、メチル基であり、Rは水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基である。Rにおける炭素数1〜4の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜4の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
【0016】
そして、具体的な一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位としては、例えばアクリル酸テトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−メチルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−エチルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−プロピルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−n−ブチルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−イソプロピルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−イソブチルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−sec−ブチルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−tert−ブチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−メチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−エチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−プロピルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−n−ブチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−イソプロピルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−イソブチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−sec−ブチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−tert−ブチルテトラヒドロフルフリル残基等が挙げられる。
【0017】
そして、これら(メタ)アクリル酸エステル残基単位の中でも、耐熱性、透明性に優れたフマル酸ジエステル共重合体が得られることからアクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸テトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル残基が好ましく用いられる。
【0018】
本発明のフマル酸ジエステル共重合体における一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位と、一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位の混合割合は、本発明のフマル酸ジエステル共重合体が得られる限り如何なる混合割合でも可能であり、その中でも耐熱性、透明性に優れたフマル酸ジエステル共重合体が得られることから、フマル酸ジエステル残基単位50〜99モル%、オキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又はテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位50〜1モル%であることが好ましく、特にフマル酸ジエステル残基単位80〜99モル%、オキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又はテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位20〜1モル%であることが好ましい。
【0019】
本発明のフマル酸ジエステル共重合体のゲルパーミエイションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算による数平均分子量は、1,000〜500,000であり、好ましくは10,000〜100,000である。数平均分子量が1,000未満の場合は、フマル酸ジエステル共重合体の強度が不十分である。一方、数平均分子量が500,000を越える場合、フマル酸ジエステル共重合体の粘度が高く、取扱い性が悪化する。
【0020】
本発明のフマル酸ジエステル共重合体の製造方法としては、一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位と、一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位よりなるフマル酸ジエステル共重合体が得られる限り如何なる製造方法をも用いることができ、その中でも容易に製造可能であるから下記一般式(4)で表されるフマル酸ジエステルと、下記一般式(5)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及び/又は下記一般式(6)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステルをラジカル共重合する方法が好ましく用いられる。
【0021】
【化4】

(ここで、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、あるいは炭素数3〜6の環状アルキル基を示す。)
【0022】
【化5】

(ここで、Rは水素、メチル基、R10は水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、p=1または2を示す。)
【0023】
【化6】

(ここで、R11は水素、メチル基、R12は水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基を示す。)
本発明のフマル酸ジエステル共重合体の製造方法に用いられる一般式(4)で表されるフマル酸ジエステル中のRおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、あるいは炭素数3〜6の環状アルキル基を示し、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜6の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、炭素数3〜6の環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、容易にフマル酸ジエステル共重合体が得られることから、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が好ましく、特にイソプロピル基が好ましい。
【0024】
そして、具体的な一般式(4)で表されるフマル酸ジエステルとしては、例えばフマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジ−n−ブチル、フマル酸ジペンチル、フマル酸ジヘキシル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジイソブチル、フマル酸ジ−sec−ブチル、フマル酸ジ−tert−ブチル、フマル酸ジシクロプロピル、フマル酸ジシクロブチル、フマル酸ジシクロヘキシル等が挙げられる。これらの中でも、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジ−tert−ブチル、フマル酸ジシクロヘキシル等が好ましく、特にフマル酸ジイソプロピルが好ましい。
【0025】
本発明のフマル酸ジエステル共重合体の製造方法に用いられる一般式(5)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル中のRは水素、メチル基であり、R10は水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基であり、pは1または2である。R10における炭素数1〜4の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜4の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
【0026】
そして、具体的な一般式(5)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−オキセタニルエチル、アクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルエチル、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルエチル、アクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルエチル、アクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルエチル、アクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルエチル、アクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルエチル、アクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルエチル、アクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルエチル等が挙げられる。これらの中でもアクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチルが好ましく用いられる。
【0027】
本発明のフマル酸ジエステル共重合体の製造方法に用いられる一般式(6)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステルのR11は水素、メチル基であり、R12は水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基である。R12における炭素数1〜4の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜4の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
【0028】
そして、具体的な一般式(6)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸−2−メチルテトラヒドロフルフリル、アクリル酸−2−エチルテトラヒドロフルフリル、アクリル酸−2−プロピルテトラヒドロフルフリル、アクリル酸−2−n−ブチルテトラヒドロフルフリル、アクリル酸−2−イソプロピルテトラヒドロフルフリル、アクリル酸−2−イソブチルテトラヒドロフルフリル、アクリル酸−2−sec−ブチルテトラヒドロフルフリル、アクリル酸−2−tert−ブチルテトラヒドロフルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−2−メチルテトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−2−エチルテトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−2−プロピルテトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−2−n−ブチルテトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−2−イソプロピルテトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−2−イソブチルテトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−2−sec−ブチルテトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−2−tert−ブチルテトラヒドロフルフリル等が挙げられる。これらの中でもアクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリルが好ましく用いられる。
【0029】
本発明のフマル酸ジエステル共重合体を一般式(4)で表されるフマル酸ジエステルと、一般式(5)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及び/又は一般式(6)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとをラジカル共重合により製造する際の方法としては、特に制限はなく、公知のラジカル共重合方法で製造可能であり、例えば水性媒体中で懸濁剤を用いた懸濁共重合方法、乳化共重合方法、トルエン等の有機溶剤を用いた溶液共重合方法、溶媒を使用しない塊状共重合方法等が挙げられる。
【0030】
ラジカル共重合を行う際の重合開始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーブチルピバレート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系開始剤が挙げられる。
【0031】
ラジカル共重合を行う際に使用可能な溶媒としては、特に制限はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;シクロヘキサン;ジオキサン;テトラヒドロフラン;アセトン;メチルエチルケトン;ジメチルホルムアミド;酢酸イソプロピル等が挙げられ、これらの混合溶媒も用いることが可能である。
【0032】
ラジカル共重合を行う際の重合温度は、重合開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができ、一般的には40〜150℃の範囲で行うことが好ましい。
【0033】
本発明のフマル酸ジエステル共重合体には、本発明の目的を逸脱しない範囲において、他の単量体残基単位が含まれていても良く、他の単量体残基単位としては、例えばエチレン残基、プロピレン残基、1−ブテン残基等のオレフィン類残基;アクリル酸メチル残基、アクリル酸エチル残基、アクリル酸ブチル残基等のアクリル酸アルキルエステル類残基;メタクリル酸メチル残基、メタクリル酸エチル残基、メタクリル酸ブチル残基等のメタクリル酸アルキルエステル類残基;スチレン残基、α−メチルスチレン残基等のビニル芳香族炭化水素類残基;酢酸ビニル残基、プロピオン酸ビニル残基、ピバル酸ビニル残基等のカルボン酸ビニルエステル類残基;メチルビニルエーテル残基、エチルビニルエーテル残基、ブチルビニルエーテル残基等のビニルエーテル類残基;N−メチルマレイミド残基、N−シクロヘキシルマレイミド残基、N−フェニルマレイミド残基等のN−置換マレイミド類残基;アクリロニトリル残基;メタクリロニトリル残基等が挙げられる。
【0034】
本発明のフマル酸ジエステル共重合体は、より耐薬品性に優れたものとなることから、フマル酸ジエステル共重合体を架橋してなるフマル酸ジエステル共重合体の架橋体とすることが好ましく、特にフマル酸ジエステル共重合体中のオキセタニル基及び/又はテトラヒドロフルフリル基を開環してなるフマル酸ジエステル共重合体の架橋体とすることが好ましい。架橋体とする際の方法としては、フマル酸ジエステル共重合体の架橋体が得られる限り如何なる方法をも用いることが可能であり、その中でも容易に架橋体が得られることから、フマル酸ジエステル共重合体に架橋剤を添加した後、光照射によりフマル酸ジエステル共重合体の架橋体を製造する方法が好ましく、例えばフマル酸ジエステル共重合体と架橋剤を溶媒に溶解した状態で光照射し架橋体とする方法、フマル酸ジエステル共重合体と架橋剤を溶媒に溶融し、成形体、例えばフィルムとした後に光照射し架橋体とする方法等を用いることができる。
【0035】
架橋体とする際に用いられる架橋剤としては、架橋剤であれば特に制限はなく、公知のものを使用することができ、例えばフェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモン酸、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロリン酸、フェニルジアゾニウムテトラフルオロホウ酸等の芳香族ジアゾニウム塩;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロリン酸、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロホウ酸等の芳香族ヨードニウム塩;トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモン酸、トリフェニルヘキサフルオロリン酸、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロホウ酸等の芳香族スルホニウム塩;(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄錯体;o−ニトロベンジルシリルエーテル−アルミニウム錯体等が挙げられる。その際の架橋剤の添加量は、フマル酸ジエステル共重合体100gに対して、好ましくは0.1〜10g、特に好ましくは0.2〜5gである。
【0036】
架橋体とする際に用いられる光としては、特に制限はなく、例えば水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ等が挙げられる。
【0037】
本発明のフマル酸ジエステル共重合体は、耐熱性、透明性を有する新規なフマル酸ジエステル共重合体であり、フィルム、シート、射出成形品等の各種成形材料に用いることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明は、優れた耐熱性、透明性を有する新規なフマル酸ジエステル共重合体を提供することができる。
【実施例】
【0039】
本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下に実施例により得られたフマル酸ジエステル共重合体の評価・測定方法を示す。なお、断りのない限り用いた試薬は市販品を用いた。
【0040】
〜数平均分子量〜
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、HLC−802A)を用い、クロロホルムを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算から求めた。
【0041】
〜フマル酸ジエステル共重合体の組成〜
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM−GX270)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(H−NMR)スペクトル分析より求めた。
【0042】
〜透明性の評価方法〜
透明性の評価を行うために、溶媒としてテトラヒドロフランを用い溶液キャスト法で厚さ300μmのシートを作製し、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名NDH2000)にて、全光線透過率及びヘーズを測定した。
【0043】
〜耐熱性の評価方法〜
透明性の評価に用いたシートを、150℃のオーブン内に1時間保持し、変色、変形の有無を目視により判断した。判断基準は、変色、変形のない良好な場合を○、変色、変形が見られる場合を×とした。
【0044】
実施例1
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4つ口フラスコに、ポリビニルアルコール(分子量2,000、けん化度80%)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル122g(0.609モル)、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル18g(0.106モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、550rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル共重合を行なった。共重合反応の終了後、フラスコ中の重合物をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することにより共重合体を得た(収率:53%)。H−NMR測定により、得られた共重合体は、フマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基単位=86/14(モル%)であるフマル酸ジエステル共重合体であった。なお、フマル酸ジエステル共重合体の数平均分子量は81,000であった。
【0045】
得られたフマル酸ジエステル共重合体の耐熱性、透明性を評価した。結果を表1に示す。
【0046】
実施例2
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4つ口フラスコに、ポリビニルアルコール(分子量2,000、けん化度80%)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル137.5g(0.687モル)、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル2.5g(0.015モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、550rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル共重合を行なった。共重合反応の終了後、フラスコ中の重合物をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することにより共重合体を得た(収率:82%)。H−NMR測定により、得られた共重合体は、フマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基単位=96/4(モル%)であるフマル酸ジエステル共重合体であった。なお、フマル酸ジエステル共重合体の数平均分子量は47,000であった。
【0047】
得られたフマル酸ジエステル共重合体を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0048】
実施例3
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4つ口フラスコに、ポリビニルアルコール(重合度2,000、けん化度80%)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル134g(0.669モル)、アクリル酸テトラヒドロフルフリル6g(0.038モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート1.1g(0.006モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、550rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル共重合を行なった。共重合反応終了後、フラスコ中の重合物をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することにより共重合体を得た(収率:60%)。H−NMR測定により、得られた共重合体は、フマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸テトラヒドロフルフリル残基単位=95/5(モル%)であるフマル酸ジエステル共重合体であった。なお、フマル酸ジエステル共重合体の数平均分子量は40,000であった。
【0049】
得られたフマル酸ジエステル共重合体を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0050】
実施例4
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4つ口フラスコに、ポリビニルアルコール(重合度2,000、けん化度80%)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル103g(0.514モル)、アクリル酸テトラヒドロフルフリル37g(0.212モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、550rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル共重合を行なった。共重合反応終了後、フラスコ中の重合物をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することにより共重合体を得た(収率:65%)。H−NMR測定により、得られた共重合体は、フマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸テトラヒドロフルフリル残基単位=64/36(モル%)であるフマル酸ジエステル共重合体であった。なお、フマル酸ジエステル共重合体の数平均分子量は50,000であった。
【0051】
得られたフマル酸ジエステル共重合体を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0052】
実施例5
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4つ口フラスコに、ポリビニルアルコール(重合度2,000、けん化度80%)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル115g(0.574モル)、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル25g(0.136モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、550rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル共重合を行なった。共重合反応の終了後、フラスコ中の重合物をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することにより共重合体を得た(収率:55%)。H−NMR測定により、得られた共重合体は、フマル酸ジイソプロピル残基単位/メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基単位=80/20(モル%)であるフマル酸ジエステル共重合体であった。なお、フマル酸ジエステル共重合体の数平均分子量は120,000であった。
【0053】
得られたフマル酸ジエステル共重合体を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0054】
実施例6
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4つ口フラスコに、ポリビニルアルコール(重合度2,000、けん化度80%)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル130g(0.649モル)、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル10g(0.059モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、550rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル共重合を行なった。共重合反応の終了後、フラスコ中の重合物をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することにより共重合体を得た(収率:60%)。H−NMR測定により、得られた共重合体は、フマル酸ジイソプロピル残基単位/メタクリル酸テトラヒドロフルフリル残基単位=90/10(モル%)であるフマル酸ジエステル共重合体であった。なお、フマル酸ジエステル共重合体の数平均分子量は50,000であった。
【0055】
得られたフマル酸ジエステル共重合体を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】

【0057】
実施例7〜12
実施例1〜6で得られたフマル酸ジエステル共重合体30gと、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロリン酸0.5gをテトラヒドロフランに溶解した後、溶液キャスト法によって300μmのシートを得た。そのシートに水銀ランプを10分間照射した。その結果、得られたフィルムはテトラヒドロフランやトルエン等の溶媒に不溶であったことから、フマル酸ジエステル共重合体よりなる架橋体であることを確認した。そして、得られた架橋体の透明性を評価した。結果を表2に示す。なお、いずれの架橋体も実施例1と同様の耐熱性評価において、変色、変形が見られず良好であった。
【0058】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】実施例1で得られたフマル酸ジエステル共重合体のCDCl中でのH−NMRスペクトルである。
【図2】実施例3で得られたフマル酸ジエステル共重合体のCDCl中でのH−NMRスペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位と、下記一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は下記一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位よりなり、数平均分子量が1,000〜500,000であることを特徴とするフマル酸ジエステル共重合体。
【化1】

(ここで、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、あるいは炭素数3〜6の環状アルキル基を示す。)
【化2】

(ここで、Rは水素、メチル基、Rは水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、n=1または2を示す。)
【化3】

(ここで、Rは水素、メチル基、Rは水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基を示す。)
【請求項2】
フマル酸ジエステル残基単位が、フマル酸ジイソプロピル残基単位であることを特徴とする請求項1に記載のフマル酸ジエステル共重合体。
【請求項3】
(メタ)アクリル酸エステル残基単位が、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸テトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル残基であることを特徴とする請求項1に記載のフマル酸ジエステル共重合体。
【請求項4】
請求項1〜3に記載のフマル酸ジエステル共重合体を架橋してなることを特徴とするフマル酸ジエステル共重合体の架橋体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−193616(P2006−193616A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−6535(P2005−6535)
【出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】