説明

フラザノベンゾイミダゾール

【課題】アポトーシスを誘導する、新規な置換フラザノベンゾイミダゾール化合物の提供。
【解決手段】式(I)で示される化合物。


(式中、Rはアリール、ヘテロアリール等を表し、Xは酸素、カルボニル基、カルボニル基のオキシム誘導体、又はα,β−不飽和カルボニル基等であり、置換基R〜Rは、互いに独立して、水素、低級アルキル等を表す。)該化合物を含む医薬組成物は、新生物疾患及びリウマチ様関節炎、インシュリン依存性糖尿病、多発性硬化症、全身性紅斑性狼瘡などの自己免疫疾患の処置に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な置換フラザノベンゾイミダゾール、その製造方法、それを含む医薬組成物、新生物疾患および自己免疫疾患の治療のための、他の薬学的に活性のある化合物の1種以上と場合により混和したその使用、ならびにそのような疾患の処置方法に関する。
【0002】
発明の背景
癌は、ヒトにおける死亡の第一因の一つである。新生物疾患に対する様々な薬物が開発され、また手術および放射線療法などの技術を利用できるが、新生物疾患を処置する別の改善された方法が依然として求められている。
【0003】
自己免疫疾患は、リンパ球の活性化および増殖の終結に欠陥があることによる異常なリンパ球増殖に関連している。多くの場合そのような疾患は、リウマチ様関節炎などの炎症、インシュリン依存性糖尿病、多発性硬化症、全身性紅斑性狼瘡などに関連している。そのような疾患の処置は、抗炎症剤および免疫抑制剤を中心とするものであるが、多くの症例で重度の副作用が示されている。このため、副作用の少ない新規な作用機序の別の薬物が求められている。
【0004】
アポトーシスは、プログラム細胞死を起こす一連の細胞内イベントを説明するために用いられる用語である。様々なアポトーシス経路があり、その幾つかは特徴づけられているが、その他は未だに解明されていない。細胞分裂とアポトーシスの間のバランスが乱れると、癌、自己免疫疾患、神経変性疾患、および心臓血管疾患をはじめとする、生命を脅かす疾患が起こる可能性がある。
【0005】
近年になり、プログラム細胞死(アポトーシス)が、細胞分裂と同じくらい多細胞生物の健康にとって重要であることが明らかとなった。発育または組織修復の間繰り返される細胞分裂および分化によって、余剰の傷ついた細胞が生じる。組織の恒常性を維持するためには、これらの細胞を除去して死滅させなければならない。生物の細胞増殖とアポトーシスの間の繊細な相互作用は、各細胞が分裂を受けるか細胞周期を休止するか、またはプログラム細胞死にゆだねるかを決定する複雑な分子バランスに反映される。
【0006】
細胞増殖の調節障害、または適切な細胞死の欠如は、広範囲の臨床的意義を有する。そのような調節障害に関連する多くの疾患は、過剰増殖、炎症、組織再構築および修復を伴う。この分類でよく知られた適応症としては、癌、再狭窄、新生内膜増殖、血管形成、子宮内膜症、リンパ球増殖性疾患、移植関連病変(移植片拒絶)、ポリープ症、組織再構築の症例での神経機能喪失などが挙げられる。そのような細胞は、細胞分裂の健常な調整制御が欠如している可能性があり、適切な細胞死を行うことができない可能性もある。
【0007】
アポトーシスは、ほとんどの種類の増殖性新生物疾患を阻害または遅延させるため、アポトーシスを誘導することが、癌、特に古典的化学療法、放射線療法および免疫療法に耐性を示す癌のタイプを処置するための選択枝となる(Apoptosis and Cancer Chemotherapy, Hickman and Dive, eds., Blackwell Publishing, 1999)。自己免疫および移植関連の疾患および病変においても、アポトーシスを誘導する化合物を用いて、健常な細胞死の過程を保持させてもよく、それによって症状を根絶することができ、そして疾患が治癒することができる。更に、再狭窄、即ち動脈壁の血管平滑筋細胞の蓄積、ならびに細菌およびウイルス感染細胞の根絶不能による永続的感染において、アポトーシスを誘導する化合物を使用してもよい。その上、アポトーシスは、上皮細胞、内皮細胞、筋細胞、および細胞外マトリックスと接触していない他の細胞において、誘導または再健することができる。これらの細胞は、潜在的に他の器官でコロニーを形成する可能性があり、それにより新生物、子宮内膜症などの病変に発展する可能性がある。
【0008】
近年になり、多数の構造的に関連する化合物を開示する特許出願が発行された(WO03/066629)。これらの化合物は、GSK−3およびLCKキナーゼの阻害剤であることが記載されているが、アポトーシスおよびそれにつながる医療状態への関連性はない。
【0009】
発明の概要
式(I)で示されるフラザノベンゾイミダゾールは、癌細胞においてアポトーシスを選択的に誘導し、新生物および自己免疫疾患の処置に用いることができる。本発明は、式(I)で示される化合物、特に医薬として用いられるそのような化合物、そのような化合物の合成方法、式(I)で示される化合物を含む医薬組成物、新生物および自己免疫疾患の処置用の医薬組成物を製造するための式(I)で示される化合物の使用、ならびに式(I)で示されるそのような化合物またはそれを含む医薬組成物を使用した新生物および自己免疫疾患の処置方法に関する。
【0010】
本発明の詳細な説明
本発明は、式(I):
【0011】
【化1】

【0012】
〔式中、
Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル、ハロ低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、場合により置換されたアルケニルオキシ、場合により置換されたアルキニルオキシ、シクロアルコキシ、ハロ低級アルコキシ、シクロアルキル低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル低級アルコキシ、場合により置換されたフェニルオキシ、場合により置換されたフェニル低級アルコキシ、場合により置換されたヘテロアリールオキシ、場合により置換されたヘテロアリール低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルカルボニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、アミノスルホニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルスルホニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ(ここで、アルキルは、場合により置換されたフェニル、グアニジル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、場合により置換されたフェノキシ、アルキルメルカプト、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);低級アルケニルカルボニルアミノ(ここで、アルケニルは、低級アルキル、ハロ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);アミノ低級アルキルもしくはアミノ低級アルキルアミノ(ここで、窒素原子は、非置換かまたは低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、および低級アルキルカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している);低級アルキルカルボニル、ホルミル、シクロアルキルカルボニル、場合により置換されたフェニルカルボニル、場合により置換されたヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級アルキルメルカプト、場合により置換されたフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ低級アルキルスルフィニル、場合により置換されたフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニルスルホニル、アラルキルスルホニル、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される最大4個の置換基によって場合により置換された、アリールまたはヘテロアリール(ここで2個の隣接する置換基は、アリールまたはヘテロアリールの原子と一緒になって、5または6員の炭素環または複素環を形成していてもよい)を表し;
Xは、酸素、基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくはアルコキシによって置換された窒素を表す)、または基:−CO−CH=CH−(式中、C=C結合は、Rに結合している)を表し;
1およびR2は、互いに独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、場合により置換されたアリールアルキル、場合により置換されたヘテロアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、シアノアルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、または低級アルキルカルボニル(ここで、低級アルキルは、アリール、場合により置換されたアミノ、アルコキシ、およびアリールオキシから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている)を表し;
3、R4、R5およびR6は、互いに独立して、水素、低級アルキル、ハロ低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル、ハロ低級アルコキシ低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル低級アルコキシ、場合により置換されたフェニルオキシ、場合により置換されたフェニル低級アルコキシ、場合により置換されたヘテロアリールオキシ、場合により置換されたヘテロアリール低級アルコキシ、アミノ、カルバモイル、スルファモイル;アミノ低級アルキルもしくはアミノ低級アルキルアミノ(ここで、それぞれの場合の窒素原子は、非置換かまたは低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、および低級アルキルカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している);低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、場合により置換されたフェニルカルボニル、場合により置換されたヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級アルキルメルカプト、場合により置換されたフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ低級アルキルスルフィニル、場合により置換されたフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニルスルホニル、アラルキルスルホニル、ハロゲン、またはニトロを表すか;または
3およびR4、R4およびR5、またはR5およびR6は、フェニル環の原子と一緒になって、5または6員の炭素環または複素環を形成している〕で示される化合物、およびその塩に関する。
【0013】
前出または後出の一般的用語は、好ましくは、本開示の文脈内では、他に断りがなければ以下の意味を有する。
【0014】
接頭辞「低級」は、炭素原子を最大7個、特に最大4個有する基を示し、当該基は、直鎖状または分枝状(一つもしくは複数の枝分かれのあるもの)のいずれかである。
【0015】
化合物、塩などが複数形で用いられている場合、これは、単数の化合物、塩なども意味していると解釈する。
【0016】
原則として二重結合は、EまたはZ配置を有する可能性がある。それゆえ本発明の化合物は、異性体混合物または単一種の異性体として存在してもよい。明記されていなければ、両方の異性体形態を意図している。
【0017】
いくつかの不斉炭素原子は、(R)−、(S)−または(R,S)−配置、好ましくは(R)−または(S)−配置で存在してもよい。このため化合物は、異性体の混合物または純粋な異性体として、好ましくは鏡像異性体−純粋なジアステレオマーとして存在してもよい。
【0018】
本発明は、式(I)で示される化合物の可能な互変異性体にも関する。
【0019】
アルキルは、炭素原子を1〜12個、好ましくは1〜7個有し、直鎖状または分枝状である。アルキルは、好ましくは低級アルキルである。
【0020】
低級アルキルは、炭素原子を1〜4個有し、ブチル、例えばn−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルなど、プロピル、例えばn−プロピルもしくはイソプロピル、エチル、またはメチルである。好ましくは低級アルキルは、メチルまたはエチルである。
【0021】
シクロアルキルは、好ましくは環炭素原子を3〜7個有し、非置換かまたは例えば低級アルキルもしくは低級アルコキシによって置換されていてもよい。シクロアルキルは、例えばシクロヘキシル、シクロペンチルまたはメチルシクロペンチルである。
【0022】
アリールは、炭素原子を5〜10個含む単環式もしくは二環式の縮合環芳香族基、例えばフェニル、1−ナフチルもしくは2−ナフチルを表すか、またはフェニル基を含む部分飽和された二環式縮合環、例えばインダニル、ジヒドロナフチルもしくはテトラヒドロナフチルを表す。
【0023】
場合により置換されたフェニルにおいて、置換基は、好ましくは低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、メチレンジオキシ、ハロ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、ハロ、またはニトロである。
【0024】
ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1種のヘテロ原子を含む芳香族基を表し、単環式または二環式である。単環式ヘテロアリールとしては、窒素、硫黄および酸素から選択されるヘテロ原子を1、2、3または4個含む5または6員環ヘテロアリール基が挙げられる。二環式ヘテロアリールとしては、9または10員の縮合環ヘテロアリール基が挙げられる。ヘテロアリールの例としては、ピロリル、チエニル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、そのような単環式へテロアリール基のベンゾ縮合誘導体、例えばインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、またはプリニルが挙げられる。
【0025】
場合により置換されたヘテロアリールにおいて、置換基は、好ましくは低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ;低級アルキル、低級アルケニルおよびアルキルカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって場合により置換されたアミノ;ハロ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、ハロ、またはニトロである。
【0026】
アルケニルは、二重結合を1個以上、例えば2または3個含み、好ましくは低級アルケニル、例えば1−もしくは2−ブテニル、1−プロペニル、アリル、またはビニルである。
【0027】
アルキニルは、好ましくは低級アルキニル、例えばプロパルギルまたはアセチレニルである。
【0028】
場合により置換されたアルケニルまたはアルキニルにおいて、置換基は、好ましくは低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、アルケニルもしくはアルキニルの飽和炭素原子、またはアルケニルの不飽和炭素原子と結合している。
【0029】
ヘテロシクリルは、好ましくは窒素、酸素および硫黄から選択され、他に断りがなければ、炭素または窒素に結合していてもよいヘテロ原子を1、2または3個含む、原子が4〜10個の飽和、部分飽和または不飽和の、単環または二環を示し、ここで環窒素原子は、低級アルキル、アミノ低級アルキル、アリール、アリール低級アルキルおよびアシルから選択される基によって場合により置換されていてもよく、環炭素原子は、低級アルキル、アミノ低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、ヘテロアリール、低級アルコキシ、ヒドロキシまたはオキソによって置換されていてもよい。ヘテロシクリルの例は、ピロリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ジオキソラニルおよびテトラヒドロピラニルである。
【0030】
アシルは、例えばアルキルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、アリールカルボニル、アリール低級アルキルカルボニルまたはヘテロアリールカルボニルを示す。低級アシルは、好ましくは低級アルキルカルボニル、詳細にはプロピオニルまたはアセチルである。
【0031】
ヒドロキシアルキルは、特にヒドロキシ低級アルキル、好ましくはヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチルまたは2−ヒドロキシ−2−プロピルである。
【0032】
シアノアルキルは、好ましくはシアノメチルおよびシアノエチルを示す。
【0033】
ハロアルキルは、好ましくはフルオロアルキル、特にトリフルオロメチル、3,3,3−トリフルオロエチルまたはペンタフルオロエチルである。
【0034】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。
【0035】
低級アルコキシは、特にメトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシまたはtert−ブチルオキシである。
【0036】
アリールアルキルは、先に定義したアリールおよびアルキルを含み、例えばベンジル、1−フェネチルまたは2−フェネチルである。
【0037】
ヘテロアリールアルキルは、先に定義したヘテロアリールおよびアルキルを含み、例えば2−、3−もしくは4−ピリジルメチル、1−もしくは2−ピロリルメチル、1−ピラゾリルメチル、1−イミダゾリルメチル、2−(1−イミダゾリル)エチルまたは3−(1−イミダゾリル)プロピルである。
【0038】
アリールまたはヘテロアリールの原子と一緒になって5または6員の炭素環または複素環を形成していてもよい2個の隣接する置換基は、例えばプロピレン、1−もしくは2−オキソプロピレン、1−もしくは2−オキサプロピレン、1−オキサプロピリデン、メチレンジオキシ、ジフルオロメチレンジオキシ、1−もしくは2−アザプロピレン、1−もしくは2−アザプロピリデン、1,2−もしくは1,3−ジアザプロピレン、1,3−ジアザ−2−オキソプロピレン、ブチレン、1−もしくは2−オキサブチレン、エチレンジオキシ、1−もしくは2−アザブチレン、または1−もしくは2−アザブタジエニリデン、あるいは先に定義した更なる置換基を担持するこれらの基である。
【0039】
置換されたアミノにおいて、置換基は、好ましくは置換基R1およびR2として挙げたものである。詳細には置換されたアミノは、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、場合により置換されたアリールアルキルアミノ、または低級アルキルカルボニルアミノであり、同じく低級アルコキシカルボニルアミノまたは場合により置換されたアミノカルボニルアミノである。
【0040】
Xが、基:C=Y(式中、Yは、ヒドロキシによって置換された窒素を表す)を表す場合、これは、オキシム官能基に対応する。オキシムおよび対応するオキシムアルキルエーテル(アルコキシによって置換された窒素)は、EもしくはZ形態で、または異性体の混合物として存在してもよい。
【0041】
Xが、基:−CO−CH=CH−(式中、C=C結合は、Rに結合している)を表す場合、Rは、C=C結合の末端炭素原子に結合している。C=C結合は、EまたはZ形態、好ましくはE形態で存在してもよい。
【0042】
塩は、特に式(I)で示される化合物の薬学的に許容され得る塩である。
【0043】
そのような塩は、例えば塩基性窒素原子を含む式(I)で示される化合物から、好ましくは有機酸または無機酸との酸付加塩、特に薬学的に許容され得る塩として形成される。適切な無機酸は、例えばハロゲン酸、例えば塩酸、硫酸またはリン酸である。適切な有機酸は、例えばカルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、スルファミン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アミノ酸、例えばグルタミン酸またはアスパラギン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、シクロヘキサンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、フタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、桂皮酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、2−、3−もしくは4−メチルベンゼンスルホン酸、メチル硫酸、エチル硫酸、ドデシル硫酸、N−シクロヘキシルスルファミン酸、N−メチル−、N−エチル−もしくはN−プロピルスルファミン酸、または他の有機プロトン酸、例えばアスコルビン酸である。
【0044】
単離または精製の目的で、薬学的に許容できない塩、例えばピクリン酸塩または過塩素酸塩を使用することもできる。治療的使用では、薬学的に許容され得る塩または遊離化合物(医薬調製剤の形態で適用し得るもの)のみが用いられるため、これらは好ましい。
【0045】
例えば新規な化合物の精製または同定において、遊離形態の新規化合物と、中間体として用いられ得る塩などのそれらの塩の形態のものとには密接な関係があるため、前出または後出の遊離化合物を参照する際には、適宜そして都合によっては、対応する塩も指すと理解されるべきである。
【0046】
式(I)で示される化合物をプロドラッグの形態で投与して、ヒトまたは動物の体内で分解されて式(I)で示される化合物を付与してもよい。プロドラッグの例としては、インビボで加水分解性の式(I)で示される化合物のエステルおよびアミドが挙げられる。考慮される具体的なプロドラッグは、天然由来アミノ酸のエステルおよびアミド、ならびに小ペプチド、詳細には最大5個、好ましくは2または3個のアミノ酸からなる小ペプチドのエステルまたはアミド、ならびにペグ化ヒドロキシ酸、好ましくはヒドロキシ酢酸および乳酸のエステルおよびアミドである。プロドラッグエステルは、アミノ酸の酸官能基またはペプチドのC末端と、式(I)で示される化合物内の適切なヒドロキシ基とから形成される。プロドラッグアミドは、アミノ酸のアミノ官能基もしくはペプチドのN末端と、式(I)で示される化合物内の適切なカルボキシ基とから、またはアミノ酸の酸官能基もしくはペプチドのC末端と、式(I)で示される化合物内の適切なアミノ基とから形成される。
【0047】
式(I)で示される化合物は、重要な薬理学的性質を有している。本発明は、医薬として使用される、先に定義した式(I)で示される化合物にも関する。
【0048】
腫瘍細胞にアポトーシスを誘導する際の本発明の化合物の有効性を、以下のとおり実証することができる。
【0049】
緑色蛍光蛋白質(GFP)をトランスフェクトした適切な腫瘍細胞系の相対的蛍光活性を、本発明の化合物および標準的腫瘍薬の存在下で、WO99/35493号に記載された方法を利用して測定する。適切な腫瘍細胞系は、A20.2J:BALB/c B細胞リンパ腫、PB−3c:DBA/2マウスの骨髄から単離したIL−3依存性非腫瘍原性マスト細胞系、Jurkat:ヒト急性T細胞白血病細胞系、K562:ヒト慢性骨髄性白血病細胞系、HL60:ヒト急性前骨髄球白血病細胞系、RamosおよびRaji:ヒトB細胞リンパ腫細胞系、H9およびHut78:ヒトT細胞リンパ腫細胞系、HeLaおよびKB:ヒト扁平上皮癌細胞系、MCF7、SK−BR−3、PC3、HBL−100、SW480、H460およびH1792:ヒト腺癌細胞系、ならびにHT−1080:ヒト線維肉腫細胞系である。
【0050】
比較用の化合物として好ましい標準薬物は、a)代謝拮抗物質、例えば5−フルオロウラシル(ICN)、塩酸ゲムシタビン(Gemzar(商標)、Eli Lilly)、b)アルキル化剤、例えばオキサリプラチン(Eloxantin(商標)、Sanofi-Synthelabo)、ダカルバジン(Detimedac(商標)、Medac)、シクロホスファミド(Endoxan(商標)、Asta)、およびカルボプラチン(Paraplatin(商標)、Bristol-Meyers Squibb)、c)細胞周期阻害剤、例えばビノレルビン(Navelbine(商標)、Robapharm)、ビンブラスチン(Velbe(商標)、Eli Lilly)、ドセタキセル(Taxotere(商標)、Aventis)、d)DNA分解物質(トポイソメラーゼ阻害剤、インターカレーター、鎖分解物質)、例えば塩酸ドキソルビシン(Adriblastin(商標)、Pharmacia-Upjohn)、ブレオマイシン(Asta-Medica)、イリノテカン(Campto(商標)、Aventis)、リン酸エトポシド(Etopophos(商標)、Bristol-Meyers Squibb)、塩酸トポテカン(Hycamtin(商標)、GlaxoSmithKline)、e)それらの混合物、f)シグナル伝達経路を妨害する化合物、例えばカスパーゼ活性修飾剤、細胞死受容体のアゴニストおよびアンタゴニスト、ヌクレアーゼの修飾剤、ホスファターゼおよびキナーゼ、例えばメシル酸イマチニブ(Gleevec(商標)、Novartis)、デキサメタゾン、酢酸ミリスチン酸ホルボール、シクロスポリンA、ケルセチン、タモキシフェン(Alexis Corporation, Switzerland)である。
【0051】
アポトーシスは、蛍光プレートリーダーを用いた一次スクリーニングと、その後のFACS(蛍光活性化細胞分離分析法)を用いた二次スクリーニングで決定される。実質的な細胞毒性副作用を伴わずにアポトーシスを引き起こす化合物を選択して更にテストし、以下の十分に立証されたアッセイの組み合わせを用いることによって特徴づける:A)アポトーシスの証拠となる核形態およびDNA切断に関する情報を付与するHoechst 33342染料による核染色。B)細胞の代謝活性を測定するMTS増殖アッセイ。このテストで、生存する細胞は代謝活性があるが、呼吸鎖が損なわれた細胞は低い活性を示す。C)原形質膜の外側の脂質二重膜のホスファチジルセリン含量を反映するAnnexin V結合アッセイ。このイベントは、アポトーシスの初期の証拠とみなされる。D)細胞周期の異なる時期の細胞周期分布間の変化を示す細胞周期分布のためのPI染色。細胞周期休止ポイントを決定することができる。E)ブロモデオキシウリジン(BrdU)を組み込むことによりDNA合成をモニタリングする増殖アッセイ。増殖に対する阻害的影響を直接測定することができる。F)特異的阻害剤を用いることによって、それぞれシステインプロテイナーゼ依存性およびカスパーゼ依存性を決定する。これは、機序において特異的プロテアーゼが関与する可能性についての情報を付与する。
【0052】
これらの研究に基づけば、本発明による式(I)で示される化合物は、特に新生物疾患および自己免疫疾患に対する治療有効性を示す。詳細には、本発明の化合物は、癌腫、例えば上皮性新生物、扁平上皮細胞新生物、基底細胞性新生物、移行上皮乳頭癌および移行上皮癌、腺腫および腺癌、付属器および皮膚付属器新生物、粘液性類表皮新生物、嚢胞性新生物、粘液性および漿液性新生物、導管性、小葉性および髄様新生物、腺房細胞新生物、複合上皮性新生物、特殊な性器新生物、傍神経節腫およびグロムス腫瘍、母斑および黒色腫、軟部組織腫瘍および肉腫、線維腫性新生物、粘液腫性新生物、脂肪腫性新生物、筋腫性新生物、複合性混合性新生物および間質の新生物、線維上皮性新生物、滑膜新生物、中皮性新生物、胚細胞新生物、トロホブラスト性新生物、中腎腫、血管腫瘍、リンパ管腫瘍、骨および軟骨新生物、巨細胞腫、その他の骨腫瘍、歯原性腫瘍、グリオーマ、神経上皮腫性新生物、髄膜腫、神経鞘性腫瘍、顆粒細胞性腫瘍および胞巣性軟部肉腫、ホジキン病および非ホジキンリンパ腫、他のリンパ網状新生物、形質細胞腫瘍、肥満細胞腫瘍、免疫増殖性疾患、白血病、その他の骨髄増殖性障害、リンパ増殖性疾患、ならびに骨髄異形成症候群に対して活性がある。
【0053】
詳細には、本発明による式(I)で示される化合物は、特に固形新生物疾患、例えば上皮性新生物、扁平上皮細胞新生物、基底細胞性新生物、移行上皮乳頭癌および移行上皮癌、腺腫および腺癌、付属器および皮膚付属器新生物、粘液性類表皮新生物、嚢胞性新生物、粘液性および漿液性新生物、導管性、小葉性および髄様新生物、腺房細胞新生物、複合上皮性新生物、特殊な性器新生物、傍神経節腫およびグロムス腫瘍、母斑および黒色腫、軟部組織腫瘍および肉腫、線維腫性新生物、粘液腫性新生物、脂肪腫性新生物、筋腫性新生物、複合性混合性新生物および間質の新生物、線維上皮性新生物、滑膜新生物、中皮性新生物、胚細胞新生物、トロホブラスト性新生物、中腎腫、血管腫瘍、リンパ管腫瘍、骨および軟骨新生物、巨細胞腫、その他の骨腫瘍、歯原性腫瘍、グリオーマ、神経上皮腫性新生物、髄膜腫、神経鞘性腫瘍、顆粒細胞性腫瘍、および胞巣性軟部肉腫に対して治療的有効性を示す。
【0054】
本発明の化合物は同様に、全ての臓器(皮膚、心臓、腎臓、骨髄、目、肝臓、脾臓、肺、筋肉、中枢および末梢神経系、結合組織、骨、血管およびリンパ管、尿生殖器系、耳、軟骨、一次および二次リンパ系、例えば骨髄、リンパ節、胸腺、胃腸管(口−咽頭、食道、胃、小腸、結腸および直腸を含む)、上述の臓器の一部から単一細胞レベルおよび下部構造、例えば幹細胞まで)に関与する、自己免疫疾患、例えば全身性、円板状、または亜急性皮膚エリテマトーデス、リウマチ様関節炎、抗リン脂質症候群、CREST、進行性全身性硬化症、混合性結合組織病(Sharp症候群)、Reiter症候群、若年性関節炎、寒冷凝集素病、本態性混合性クリオグロブリン血症、リウマチ熱、強直性脊椎炎、慢性多発性関節炎、重症筋無力症、多発性硬化症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、Guillan-Barre症候群、皮膚筋炎/多発筋炎、自己免疫性溶血性貧血、血小板減少性紫斑症、好中球減少症、I型糖尿病、甲状腺炎(Hashimoto病およびGrave病を含む)、Addison病、多腺性症候群、天疱瘡(尋常性、落葉状、皮脂性および増殖性)、水疱性および瘢痕性類天疱瘡、妊娠性類天疱瘡(pemphigoid gestationis)、後天性表皮水疱症、線状IgA病、硬化性萎縮性苔癬、Duhring病、尋常性乾癬、滴状、汎発性膿疱性および局所性膿疱性乾癬、白斑、円形脱毛症、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、全ての形態の糸球体腎炎、肺出血(グッドパスチャー症候群)、IgA腎症、悪性貧血および自己免疫性胃炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびCrohn病を含む)、Behcet病、Celic-Sprue病、自己免疫性ブドウ膜炎、自己免疫性心筋炎、肉芽腫性睾丸炎、睾丸炎を伴わない精子形成欠如、特発性および続発性肺線維症、自己免疫病変の可能性のある炎症性疾患、例えば壊疽性膿皮症、扁平苔癬、類肉腫症(Lofgrenおよび皮膚/皮下型を含む)、環状肉芽腫、アレルギー性I型およびII型免疫反応、気管支喘息、花粉症、アトピー性、接触性および空中性皮膚炎(airborne-dermatitis)、大血管炎(巨細胞および高安血管炎)、中血管炎(結節性多発性動脈炎、川崎病)、小血管炎(Wegener肉芽腫症、Churg Strauss症候群、microscopic polangiitis、Henoch-Schoenlein紫斑病、本態性クリオグロブリン性血管炎、cutaneous leukoklastic angiitis)、過敏症症候群、中毒性表皮壊死(Stevens-Jonson症候群、多形性紅斑)、薬物副作用による疾患、I〜VI型(Coombs分類)免疫学的反応形態による全形態の皮膚的、臓器特異的および全身的影響、急性および慢性の対宿主性移植片病および対移植片性宿主病などの移植関連病変に対して活性がある。
【0055】
式(I)で示される化合物は、単独でまたは1種以上の他の治療剤と一緒に投与することができ、可能な併用療法を配合剤の形態で行うか、または本発明の化合物および1種以上の他の治療剤の投与を交互にもしくは互いに独立して投与するか、または配合剤と1種以上の他の治療剤とを併用投与することが可能である。その他にまたはそれに加えて、式(I)で示される化合物を、特に化学療法、放射線療法、免疫療法、外科的介入、またはこれらの組み合せを併用して腫瘍治療用に投与することができる。長期療法は、上記のとおり他の治療法に関連する補助療法であるため、同じく可能である。他の可能な処置は、腫瘍の退縮後の患者の状態を保持する治療、または、例えばリスクのある患者への化学予防療法である。特に好ましいのは、式(I)で示される化合物と放射線療法との併用である。
【0056】
可能な併用のための治療剤は、特に1種以上の細胞増殖抑制化合物または細胞毒性化合物、例えばインダルビシン、シタラビン、インターフェロン、ヒドロキシ尿素、ビスルファンからなる群より選択される1種以上の化学療法剤、またはポリアミン生合成の阻害剤、プロテインキナーゼの阻害剤、特にセリン/トレオニンプロテインキナーゼ、例えばプロテインキナーゼC、またはチロシンプロテインキナーゼの阻害剤、例えば上皮増殖因子受容体チロシンキナーゼの阻害剤、サイトカイン、負の増殖調節因子、例えばTGF−βまたはIFN−β、アロマターゼ阻害剤、古典的な細胞増殖抑制剤、SH2ドメインのリン酸化蛋白質との相互作用の阻害剤、BcI−2の阻害剤およびBcI−2類、例えばBax、Bid、Bad、Bim、Nip3およびBH3−only proteinの調整物質である。
【0057】
本発明による化合物は、ヒトの管理用(予防用、好ましくは治療用)だけでなく、他の温血動物、例えば商業的に有用な動物、例えばマウス、ウサギ、ラットまたはモルモットなどのげっ歯類の処置用のものでもある。そのような化合物は、上記の試験系で参考標準物質として用いて、他の化合物の比較を行ってもよい。
【0058】
後述の式(I)で示される好ましい化合物の群を用いて、前述の一般的定義にある置換基の定義を合理的に用いることによって、例えばより一般的な定義を、より具体的な定義または特に好ましいと特徴づけられた定義に置き換えてもよい。
【0059】
特に本発明は、
Rが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル、ハロ低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、場合により置換されたアルケニルオキシ、場合により置換されたアルキニルオキシ、シクロアルコキシ、ハロ低級アルコキシ、シクロアルキル低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル低級アルコキシ、場合により置換されたフェニルオキシ、場合により置換されたフェニル低級アルコキシ、場合により置換されたヘテロアリールオキシ、場合により置換されたヘテロアリール低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルカルボニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、アミノスルホニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルスルホニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ(ここで、アルキルは、場合により置換されたフェニル、グアニジル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、場合により置換されたフェノキシ、アルキルメルカプト、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);低級アルケニルカルボニルアミノ(ここで、アルケニルは、低級アルキル、ハロ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);アミノ低級アルキルもしくはアミノ低級アルキルアミノ(ここで、窒素原子は、非置換かまたは低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、および低級アルキルカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している);低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、場合により置換されたフェニルカルボニル、場合により置換されたヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級アルキルメルカプト、場合により置換されたフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ低級アルキルスルフィニル、場合により置換されたフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニルスルホニル、アラルキルスルホニル、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される最大4個の置換基によって場合により置換された、アリールまたはヘテロアリール(ここで2個の隣接する置換基は、アリールまたはヘテロアリールの原子と一緒になって、5または6員の炭素環または複素環を形成していてもよい)を表し;
Xが、酸素または基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくはアルコキシによって置換された窒素を表す)を表し;
1およびR2が、互いに独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、場合により置換されたアリールアルキル、場合により置換されたヘテロアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、シアノアルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、または低級アルキルカルボニル(ここで、低級アルキルは、アリール、場合により置換されたアミノ、アルコキシ、およびアリールオキシから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている)を表し;
3、R4、R5およびR6が、互いに独立して、水素、低級アルキル、ハロ低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル、ハロ低級アルコキシ低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル低級アルコキシ、場合により置換されたフェニルオキシ、場合により置換されたフェニル低級アルコキシ、場合により置換されたヘテロアリールオキシ、場合により置換されたヘテロアリール低級アルコキシ、アミノ、カルバモイル、スルファモイル;アミノ低級アルキルもしくはアミノ低級アルキルアミノ(ここで、それぞれの場合の窒素原子は、非置換かまたは低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、および低級アルキルカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している);低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、場合により置換されたフェニルカルボニル、場合により置換されたヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級アルキルメルカプト、場合により置換されたフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ低級アルキルスルフィニル、場合により置換されたフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニルスルホニル、アラルキルスルホニル、ハロゲン、またはニトロを表すか;または
3およびR4、R4およびR5、またはR5およびR6が、フェニル環の原子と一緒になって、5または6員の炭素環または複素環を形成している、式(I)で示される化合物、およびその塩に関する。
【0060】
より特別には本発明は、
Rが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル、ハロ低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、場合により置換されたアルケニルオキシ、場合により置換されたアルキニルオキシ、シクロアルコキシ、ハロ低級アルコキシ、シクロアルキル低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル低級アルコキシ、場合により置換されたフェニルオキシ、場合により置換されたフェニル低級アルコキシ、場合により置換されたヘテロアリールオキシ、場合により置換されたヘテロアリール低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルカルボニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、アミノスルホニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルスルホニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ(ここで、アルキルは、場合により置換されたフェニル、グアニジル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、場合により置換されたフェノキシ、アルキルメルカプト、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);低級アルケニルカルボニルアミノ(ここで、アルケニルは、低級アルキル、ハロ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);アミノ低級アルキルもしくはアミノ低級アルキルアミノ(ここで、窒素原子は、非置換かまたは低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、および低級アルキルカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している);低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、場合により置換されたフェニルカルボニル、場合により置換されたヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級アルキルメルカプト、場合により置換されたフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ低級アルキルスルフィニル、場合により置換されたフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニルスルホニル、アラルキルスルホニル、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される最大4個の置換基によって場合により置換された、フェニル、ナフチル、チエニル、フリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、インドリル、ベンゾイソオキサゾリル(ここで2個の隣接する置換基は、アリールまたはヘテロアリールの原子と一緒になって、5または6員の炭素環または複素環を形成していてもよい)を表し;
Xが、酸素または基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくはアルコキシによって置換された窒素を表す)を表し;
1およびR2が、互いに独立して、水素、低級アルキルカルボニル、または場合により置換されたフェニルカルボニルを表し;
3、R4、R5およびR6が、互いに独立して、水素、低級アルキル、ハロ低級アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、アミノ、カルバモイル、スルファモイル;アミノ低級アルキルもしくはアミノ低級アルキルアミノ(ここで、それぞれの場合の窒素原子は、非置換かまたは低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、および低級アルキルアミノカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している);カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級アルキルメルカプト、場合により置換されたフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ低級アルキルスルフィニル、場合により置換されたフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニルスルホニル、アラルキルスルホニル、ハロゲン、またはニトロを表すか;または
3およびR4、R4およびR5、またはR5およびR6が、一緒になってメチレンジオキシを表す、式(I)で示される化合物、およびその塩に関する。
【0061】
好ましくは、
Rが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル、ハロ低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、場合により置換されたアルケニルオキシ、場合により置換されたアルキニルオキシ、シクロアルコキシ、ハロ低級アルコキシ、シクロアルキル低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル低級アルコキシ、場合により置換されたフェニルオキシ、場合により置換されたフェニル低級アルコキシ、場合により置換されたヘテロアリールオキシ、場合により置換されたヘテロアリール低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルカルボニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、アミノスルホニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルスルホニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ(ここで、アルキルは、場合により置換されたフェニル、グアニジル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、場合により置換されたフェノキシ、アルキルメルカプト、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);低級アルケニルカルボニルアミノ(ここで、アルケニルは、低級アルキル、ハロ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);アミノ低級アルキルもしくはアミノ低級アルキルアミノ(ここで、窒素原子は、非置換かまたは低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、および低級アルキルカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している);低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、場合により置換されたフェニルカルボニル、場合により置換されたヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級アルキルメルカプト、場合により置換されたフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ低級アルキルスルフィニル、場合により置換されたフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニルスルホニル、アラルキルスルホニル、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される最大4個の置換基によって場合により置換された、フェニル、ナフチル、チエニル、フリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、インドリル、ベンゾイソオキサゾリル(ここで2個の隣接する置換基は、アリールまたはヘテロアリールの原子と一緒になって、5または6員の炭素環または複素環を形成していてもよい)を表し;
Xが、基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくはアルコキシによって置換された窒素を表す)を表し;
1およびR2が、互いに独立して、水素または低級アルキルカルボニルを表し;
3、R4、R5およびR6が、互いに独立して、水素、低級アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、またはニトロを表す、式(I)で示される化合物、およびその塩である。
【0062】
最も好ましくは本発明は、実施例の化合物、および薬学的に許容され得る塩、特に化合物:
4−(1−フェナシル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−フラザン−3−イルアミン;
4−(1−フェナシル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−フラザン−3−イルアミンオキシム;
4−(1−フェナシル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−フラザン−3−イルアミンオキシムメチルエーテル;
4−[1−(4−ブロモフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
4−[1−(4−ブロモフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシム;
4−[1−(4−ブロモフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシムメチルエーテル;
4−[1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
4−[1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシム;
4−[1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシムメチルエーテル;
4−[1−(4−メトキシフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
4−[1−(4−メトキシフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシム;
4−[1−(3−メトキシフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
4−[1−(3−メトキシフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシム;
4−[1−(3−メトキシフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシムメチルエーテル;
4−[1−(4−フェニルフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
4−[1−(4−フェニルフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシム;
4−[1−(4−フェニルフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシムメチルエーテル;及び
4−[1−(2,4−ジクロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
に関する。
【0063】
他の実施態様において、本発明は、
Rが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル、ハロ低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、場合により置換されたアルケニルオキシ、場合により置換されたアルキニルオキシ、シクロアルコキシ、ハロ低級アルコキシ、シクロアルキル低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル低級アルコキシ、場合により置換されたフェニルオキシ、場合により置換されたフェニル低級アルコキシ、場合により置換されたヘテロアリールオキシ、場合により置換されたヘテロアリール低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルカルボニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、アミノスルホニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルスルホニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ(ここで、アルキルは、場合により置換されたフェニル、グアニジル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、場合により置換されたフェノキシ、アルキルメルカプト、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);低級アルケニルカルボニルアミノ(ここで、アルケニルは、低級アルキル、ハロ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);アミノ低級アルキルもしくはアミノ低級アルキルアミノ(ここで、窒素原子は、非置換かまたは低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、および低級アルキルカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している);低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、場合により置換されたフェニルカルボニル、場合により置換されたヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級アルキルメルカプト、場合により置換されたフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ低級アルキルスルフィニル、場合により置換されたフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニルスルホニル、アラルキルスルホニル、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される最大4個の置換基によって場合により置換された、フェニル、ナフチル、チエニル、フリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、インドリル、ベンゾイソオキサゾリル(ここで2個の隣接する置換基は、アリールまたはヘテロアリールの原子と一緒になって、5または6員の炭素環または複素環を形成していてもよい)を表し;
Xが、基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくはアルコキシによって置換された窒素を表す)を表し;
1が、シアノアルキルを表し;
2が、水素を表し;
3、R4、R5およびR6が、互いに独立して、水素、低級アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、またはニトロを表す、式(I)で示される化合物、およびその塩に関する。
【0064】
あるいは本発明は、R、XおよびR2〜R6が先の段落で定義したとおりであり、R1がヒドロキシアルキルを表す、式(I)で示される化合物、およびその塩に関する。
【0065】
さらに他の実施態様において、本発明は、
Rが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、ホルミル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって場合により置換された、フェニル、チエニル、ピリジニル、またはピリダジニル(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである)を表し;
Xが、酸素、基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくはアルコキシによって置換された窒素を表す)、または基:−CO−CH=CH−(式中、C=C結合は、Rに結合している)を表し;
1が、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキル、またはシアノ低級アルキルを表し;
2、R3およびR6が、水素を表し;
4およびR5が、互いに独立して、水素、低級アルキル、もしくは低級アルコキシを表すか、またはR4およびR5が一緒になってメチレンジオキシを表す、式(I)で示される化合物、およびその塩に関する。
【0066】
好ましくは、
Rが、フェニル、チエニル、ピリジニル、またはピリダジニルを表し、
ここで、フェニルが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、ホルミル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって場合により置換されており(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである);
ピリジニルまたはピリダジニルが、低級アルコキシ、アミノ、またはハロゲンによって場合により置換されており;
Xが、基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくは低級アルコキシによって置換された窒素を表す)を表し;
1が、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキル、またはシアノ低級アルキルを表し;
2、R3およびR6が、水素を表し;
4およびR5が、互いに独立して、水素、低級アルキル、もしくは低級アルコキシを表すか、またはR4およびR5が一緒になってメチレンジオキシを表す、式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩である。
【0067】
より好ましくは、
Rが、フェニル、チエニル、またはピリジニルを表し、
ここで、フェニルが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって場合により置換されており(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである);
ピリジニルが、低級アルコキシ、アミノ、またはハロゲンによって場合により置換されており;
Xが、基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくは低級アルコキシによって置換された窒素を表す)を表し;
1が、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキル、またはシアノ低級アルキルを表し;
2、R3およびR6が、水素を表し;
4およびR5が、互いに独立して、水素、低級アルキル、もしくは低級アルコキシを表すか、またはR4およびR5が一緒になってメチレンジオキシを表す、式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩である。
【0068】
特に好ましくは、
Rが、フェニル、チエニル、ピリジニル、またはピリダジニルを表し、
ここで、フェニルが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、ホルミル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって場合により置換されており(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである);
ピリジニルまたはピリダジニルが、低級アルコキシ、アミノ、またはハロゲンによって場合により置換されており;
Xが、基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくは低級アルコキシによって置換された窒素を表す)を表し;
1が、シアノ低級アルキルを表し;
2、R3およびR6が、水素を表し;
4およびR5が、互いに独立して、水素、低級アルキル、もしくは低級アルコキシを表すか、またはR4およびR5が一緒になってメチレンジオキシを表す、式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩である。
【0069】
極めて好ましくは、
Rが、フェニルまたはピリジニルを表し、
ここで、フェニルが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ホルミル、シアノ、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって場合により置換されており(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである);
ピリジニルが、低級アルコキシ、アミノ、またはハロゲンによって場合により置換されており;
Xが、酸素を表し;
1が、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキル、またはシアノ低級アルキルを表し;
2、R3およびR6が、水素を表し;
4およびR5が、互いに独立して、水素、低級アルキル、もしくは低級アルコキシを表すか、またはR4およびR5が一緒になってメチレンジオキシを表す、式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩である。
【0070】
同様に好ましいのは、
RおよびR1〜R6が全段落に定義したとおりであり、Xがアルコキシによって置換された窒素を表す、式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩である。
【0071】
他の好ましい化合物は、
Rが、フェニルまたはピリジニルを表し、
ここで、フェニルが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ホルミル、シアノ、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって場合により置換されており(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである);
ピリジニルが、低級アルコキシ、アミノ、またはハロゲンによって場合により置換されており;
Xが、酸素を表し;
1が、シアノ低級アルキルを表し;
2、R3、R4、R5およびR6が、水素を表す、式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩であると考えられる。
【0072】
より好ましくは、
Rが、フェニルまたはピリジニルを表し、
ここで、フェニルが、アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって場合により置換されており(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである);
ピリジニルが、低級アルコキシ、アミノ、またはハロゲンによって場合により置換されており;
Xが、酸素を表し;
1が、シアノ低級アルキルを表し;
2、R3、R4、R5およびR6が、水素を表す、式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩である。
【0073】
特に好ましくは、
Rが、フェニルまたはピリジニルを表し、
ここで、フェニルが、アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって場合により置換されており(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである);
ピリジニルが、低級アルコキシ、アミノ、またはハロゲンによって場合により置換されており;
Xが、アルコキシによって置換された窒素を表し;
1が、シアノ低級アルキルを表し;
2、R3、R4、R5およびR6が、水素を表す、請求項8記載の式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩である。
【0074】
式(I)の他の好ましい化合物は、
Rが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって置換された、フェニル(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである)を表し;
Xが、基:−CO−CH=CH−(式中、C=C結合は、Rに結合している)を表し;
1が、シアノ低級アルキルを表し;
2、R3、R4、R5およびR6が、水素を表す、化合物、および薬学的に許容され得るその塩である。
【0075】
最も好ましいのは、
4−[1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)−アミン;
4−[1−(3−メトキシ−4−メトキシメトキシ−フェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
4−[1−(4−ブロモフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)−アミン;
4−[1−(4−アミノフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)−アミン;
4−[1−(4−メトキシフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)−アミン;
4−[1−(3,4−ジメチルフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)−アミン;
4−[1−(4−エチルフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)−アミン;
4−[1−(6−クロロ−3−ピリジル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
4−[1−(6−アミノ−3−ピリジル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)−アミン;及び
4−[1−(6−アミノ−3−ピリジル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
からなる群から選択される化合物、および薬学的に許容され得るその塩である。
【0076】
特に本発明は、医薬として使用される、先に記載した化合物に関する。
【0077】
本発明は、新生物疾患、自己免疫疾患、移植関連病変、および/または変性疾患の処置用、特に固形新生物疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、式(I)で示される化合物、そのような化合物のプロドラッグまたは薬学的に許容され得る塩の使用にも関する。
【0078】
更に本発明は、式(I)で示される化合物、そのような化合物のプロドラッグまたは薬学的に許容され得る塩(ここで基および記号は、先に定義した意味を有する)を、新生物疾患、自己免疫疾患、移植関連病変、および/または変性疾患、特に固形新生物疾患に対して効果的な量で、そのような処置を必要とする温血動物に投与することを含む、前記疾患の処置方法を提供する。
【0079】
製造方法
【0080】
本発明の化合物は、それ自体知られていたが、本発明の新規化合物については今まで利用されてこなかった方法、特に
A)式(II):
【0081】
【化2】

【0082】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、式(I)に関して定義したとおりである)で示される化合物または保護形態の官能基を含むその誘導体および/もしくはその塩を、式(III):
【0083】
【化3】

【0084】
(式中、Rは式(I)に関して定義したとおりであり、XはCOまたは−CO−CH=CH−であり、Zは求核性脱離基である)で示されるアルキル化剤によってアルキル化する工程、あるいは
B)式(II)(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、式(I)に関して定義したとおりである)で示される化合物または保護形態の官能基を含むその誘導体および/もしくはその塩を、式:Z1−CH2−Z2(IV)(式中、Z1およびZ2は、脱離基である)で示されるジハロメタン類の化合物と、式:R−XH(V)(式中、Rは式(I)に関して定義したとおりであり、Xは酸素である)で示される化合物との混合物によってアルキル化する工程;
式(I)で示される化合物の保護誘導体内の保護基を除去し;
所望なら、得られた式(I)で示される化合物を式(I)で示される別の化合物に変換し、式(I)で示される遊離化合物を塩に変換し、得られた式(I)で示される化合物の塩を遊離化合物もしくは別の塩に変換し、および/または式(I)で示される異性体化合物の混合物を各異性体に分別する、方法で製造することができる。
【0085】
式(III)で示されるアルキル化剤における適切な求核性脱離基のZは、例えばハロゲン化物、例えば塩化物、臭化物、もしくはヨウ化物、またはスルホン酸エステル、例として芳香族スルホン酸エステル、例えばベンゼンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、p−ニトロベンゼンスルホン酸エステル、メタンスルホン酸エステル、もしくはトリフルオロメタンスルホン酸エステルである。同じく他の慣例的脱離基として、例えばアンモニウム塩、アジド、ジアゾニウム塩、ジ(p−トルエンスルホニル)アミン、ニトラート、オキソニウム塩、スルホニウム塩、またはホスホニウム塩が考慮される。式(IV)で示されるジハロメタン類化合物中の適切な求核性脱離基のZ1およびZ2は、上述のもの、特に塩素、臭素、およびヨウ素である。
【0086】
式(III)で示されるアルキル化剤を用いた、式(II)で示される化合物のアルキル化は、それ自体が公知の手法によって、通常は適切な極性または二極性非プロトン性溶媒の存在下で、例えば約−30℃〜約150℃、特に約0℃前後〜室温の温度範囲で、冷却または加熱して実施される。場合により、適切な塩基、詳細には第三級アミン塩基、例えばトリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミン、または無機塩基性塩、例えば炭酸カリウムもしくは炭酸ナトリウムを添加する。
【0087】
式(II)で示される化合物および式(V)で示される化合物の、式(IV)で示されるジハロメタン類化合物での混合アルキル化は、適切な極性または二極性非プロトン性溶媒の存在下、例えば約−30℃〜約150℃、特に約0℃前後〜室温の温度範囲で、冷却または加熱しながら実施される。この反応で用いられる適切な塩基は、例えば炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムである。
【0088】
式(II)、(III)もしくは(V)で示される化合物中に1種以上の他の官能基、例えばカルボキシ、ヒドロキシもしくはアミノがあるならまたは保護される必要があるなら、それらを反応に関与させないため、通常アミド、特にペプチド化合物、セファロスポリン、ペニシリン、核酸誘導体、および糖の合成で使用されるような保護基が存在する。
【0089】
保護基は、前駆体内に既に存在してもよく、関与する官能基が望まない二次反応、例えばアルキル化、アシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解および類似の反応を受けるのを防がなければならない。即ち望まない二次反応を受けずに、例えば生理学的条件と類似の条件下で、代表的には加溶媒分解、還元、光分解または酵素活性によって容易に除去されること、そして最終生成物中に存在しないことが保護基の特徴である。保護基が上述および後述の反応に適していることは、専門家に公知であるか、または容易に確証できる。
【0090】
そのような保護基によるそのような官能基の保護、保護基そのもの、およびそれらの除去反応は、例えばペプチド合成のための標準的参考資料、ならびに保護基に関する専門書、例えばJ. F. W. McOmie, "Protective Groups in Organic Chemistry", Plenum Press, London and New York 1973、"Methoden der organischen Chemie" (Methods of organic chemistry) Houben-Weyl, 4th edition, Volume 15/l, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974およびT. W. Greene, "Protective Groups in Organic Synthesis", Wiley, New Yorkなどに記載されている。
【0091】
所望なら実行される追加の製造工程において、反応に関与してはならない出発化合物の官能基が、非保護形態で存在してもよく、または例えば「保護基」として先に述べた保護基1種以上によって保護されてもよい。その場合の保護基は、記載された方法の一つによって、完全にまたは部分的に除去される。
【0092】
得られる式(I)で示される化合物を式(I)で示される別の化合物に変化させる際に、C=Y(式中、Yは、酸素である)を意味するXは、例えば場合によりO置換ヒドロキシルアミンと反応して、式(I)で示される対応するオキシムまたはオキシムエーテル(ここでのXはC=Yであり、Yはヒドロキシまたはアルコキシで置換された窒素である)を与える。
【0093】
1および/またはR2が水素である、得られる式(I)で示される化合物を、それぞれ式:R1−ZまたはR2−Z(式中、Zは、上記の求核性脱離基である)で示される化合物によってアルキル化またはアシル化して、R1および/またはR2が水素とは異なる式(I)で示される化合物を得てもよい。好ましいアシル化条件は、高温、代表的には約30℃〜約150℃の範囲内での酸無水物および酸塩化物の使用を含む。所望なら、酸性または塩基性触媒を使用してもよい。R1および/またはR2がアルキルである式(I)で示される化合物を、式(I)で示される親化合物のアルキル化によって得てもよい。この変換を可能にする代表的反応条件は、強塩基、例えば金属水素化物または金属アルコラートと、式:R1−ZまたはR2−Zで示される化合物との併用を含む。
【0094】
アリールもしくはヘテロアリール基のR、または置換基のR3、R4、R5もしくはR6の一つに存在する更なるアミノ基を、当該技術分野で周知の条件下で、他の窒素含有置換基に変換してもよい。例えば窒素でのアルキル化を、還元条件下でアルデヒドを用いて実行してもよい。アシル化では、対応する塩化アシル(Z=Cl)が好ましい。あるいは酸無水物を用いてもよく、またはペプチド化学においてそれ自体が公知の、アミド形成で用いられる条件の下で遊離酸(Z=OH)を用い、例えば場合により適切な触媒または補助試薬の存在下で、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどのカルボキシ基用の活性化剤を用いて、アシル化を実行してもよい。
【0095】
X=NOHである式(I)で示される化合物をアルキル化して、対応するオキシムエーテルを得てもよい。この変換を誘導する反応条件は、弱塩基とアルキル化剤との併用を含む。代表的な塩基としては、金属炭酸塩または金属重炭酸塩が挙げられる。
【0096】
ニトロで置換されたアリールもしくはヘテロアリール基のRに、または置換基のR3、R4、R5もしくはR6の一つにあるニトロ基を、例えばアルコール中の鉄粉末または他の還元剤を用いて還元して、対応するアミノ基を得る。
【0097】
カルボキシで置換されたアリールもしくはヘテロアリール基のRに、または置換基のR3、R4、R5もしくはR6の一つにあるカルボキシ基を、例えば対応するアミンおよびカルボキシ基の活性化剤、例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを用いて、場合により適切な触媒または補助試薬の存在下で、ペプチド化学でそれ自体が公知のアミド形成で用いられる条件下でアミド化してもよい。
【0098】
アリールもしくはヘテロアリール基のRに、または置換基のR3、R4、R5もしくはR6の一つにあるブロモまたはヨード置換基を、可溶性パラジウム(0)または関連する金属触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下、好ましくは二極性非プロトン性溶媒、例えばジメチルホルムアミド中で、または極性エーテル、例えばテトラヒドロフランもしくはジメトキシエタン中で、Suzuki反応で適切なフェニルボロン酸と反応させることによって、フェニルまたはフェニル誘導体に置き換えてもよい。
【0099】
式(I)で示される化合物の塩形成基での塩を、それ自体が公知の手法で製造してもよい。つまり式(I)で示される化合物の酸付加塩を、酸または適切なアニオン交換試薬での処置によって得てもよい。
【0100】
通常は、例えば適切な塩基性薬剤、例えばアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、またはアルカリ金属水酸化物、代表的には炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウムで処置することによって、塩を遊離化合物に変換することができる。
【0101】
この章で述べられた変換に類似する反応を、適切な中間体のレベルで行ってもよいことが強調されなければならない。
【0102】
本明細書で記載された全ての工程を、低音、常温、または高温、例えば−100℃〜約190℃、好ましくは約−80℃〜約150℃、例えば−80℃〜60℃、−20℃〜40℃の範囲内、室温、または用いられる溶媒の沸点で、大気圧下または密閉容器内、適切ならば圧力下で、および/または不活性雰囲気中、例えばアルゴンまたは窒素下で、反応および/または反応体の種類に応じて、好ましくは利用される試薬に対して不活性でこれらを溶解することができるような溶媒または希釈剤の非存在下または通常は存在下で、触媒、縮合剤、または中和剤、例えばイオン交換体、代表的には例えばH+形態のカチオン交換体の非存在下または存在下で、公知の反応条件下、好ましくは具体的に挙げた条件下で実行することができる。
【0103】
塩は、出発化合物および過渡的物質の全てに、これらが塩形成基を含む場合、存在してもよい。塩によって反応が乱されないならば、塩がそのような化合物の反応時に存在してもよい。
【0104】
全ての反応段階で、生成した異性体混合物を、個々の異性体、例えばジアステレオマーもしくは鏡像異性体に、または異性体の混合物、例えばラセミ体もしくはジアステレオマー混合物に分離することができる。
【0105】
本発明は、いずれかの段階で過渡的物質として得ることができる化合物から出発して消失する工程を実行するか、またはいずれかの段階で工程を打ち切るか、または反応条件下で出発原料を形成するか、または反応誘導体もしくは塩の形態で前記出発原料を使用するか、または本発明による工程を利用して得られる化合物を生成して前記化合物をインシトゥー(in situ)で更に生成する、それらの形態の工程にも関する。好ましい実施形態において、好ましい、詳細には特に好ましい、主として好ましい、そして/またはとりわけ好ましい、前記化合物に誘導されるそれらの出発原料から出発する。
【0106】
好ましい実施形態において、式(I)で示される化合物を、実施例に定義した工程および製造工程によりまたはそれらに類似させて製造する。
【0107】
塩を含む式(I)で示される化合物を、水和物の形態で得ることもでき、またはそれらの結晶が、例えば結晶化に用いられる溶媒を含んでいてもよく、即ち溶媒化合物として存在してもよい。
【0108】
新規な出発原料および/または中間体、ならびにそれらの製造方法も、同様に本発明の対象である。好ましい実施形態において、そのような出発原料を用い、好ましい化合物が得られるように反応条件を選択する。
【0109】
式(II)、(III)、(IV)および(V)で示される出発原料は公知であり、市販されているか、または当該技術分野で周知の方法によりもしくはそれに類似させて合成することができる。
【0110】
医薬的調製、方法、および使用
本発明は、活性成分として式(I)で示される化合物を含み、特に冒頭に挙げた疾患の処置に用いられ得る医薬組成物にも関する。温血動物、特にヒトへの経腸投与、例えば経鼻、口腔内、直腸、特に経口投与用、および非経口投与、例えば静脈内、筋肉内または皮下投与用の組成物が特に好ましい。組成物は、活性成分を単独で、または好ましくは薬学的に許容され得る担体と一緒に含む。活性成分の用量は、処置される疾患、および動物種、その年齢、体重、および個々の状態、個々の薬物動態データ、ならびに投与様式に依存する。
【0111】
本発明は、特に式(I)で示される化合物、その互変異性体、プロドラッグ、薬学的に許容され得る塩、水和物、または溶媒化合物と、少なくとも1種の薬学的に許容され得る担体とを含む医薬組成物に関する。
【0112】
本発明は、ヒトまたは動物の体の予防的管理または特に治療的管理の方法において、詳細には新生物疾患、自己免疫疾患、移植関連病変、および/または変性疾患、特に上述のものを処置する方法において用いられる医薬組成物にも関する。
【0113】
本発明は、活性成分として式(I)で示される化合物を含む医薬調製剤の製造のための方法、およびそのための式(I)で示される化合物の使用にも関する。
【0114】
処置を必要とする温血動物、特にヒトまたは商業的に有用な哺乳類の新生物疾患、自己免疫疾患、移植関連病変、および/または変性疾患の予防的管理または特に治療的管理のために、式(I)で示される新規な化合物を、活性成分として、前記疾患に対して予防的活性または特に治療的活性のある量で含む医薬組成物が同じく好ましい。
【0115】
医薬組成物は、活性成分を約1〜約95%含み、単回投与形態は、好ましい実施形態で活性成分を約20%〜約90%含み、単回投与式でない形態は、好ましい実施形態で活性成分を約5%〜約20%含む。単位投与形態は、例えばコーティング錠および非コーティング錠、アンプル、バイアル、坐剤、またはカプセル剤である。更なる投与形態は、例えば軟膏、クリーム、ペースト、フォーム、チンキ、リプスティック、点滴、スプレー、分散剤などである。例は、活性成分を約0.05g〜約1.0g含むカプセル剤である。
【0116】
本発明の医薬組成物は、それ自体が公知の手法、例えば従来の混合、造粒、コーティング、溶解、または凍結乾燥法によって製造する。
【0117】
活性成分の溶液、および懸濁剤または分散剤、特に等張性の水溶液、分散剤、または懸濁剤の使用が好ましく、例えば活性成分を単独、または担体、例えばマンニトールと一緒に含む凍結乾燥組成物の場合には、使用前に作製してもよい。医薬組成物は、安定化されていてもよく、そして/または賦形剤、例えば保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調節する塩、および/または緩衝液を含んでいてもよく、それ自体が公知の手法、例えば従来の溶解および凍結乾燥法によって製造される。前記溶液または懸濁液が、粘度上昇剤、代表的にはカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドンもしくはゼラチン、または可溶化剤、例えばTween 80(登録商標)(モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン)を含んでいてもよい。
【0118】
油中の懸濁剤は、油成分として、注射目的で慣用される植物油、合成油、または半合成油を含む。それに関して、酸成分として、炭素原子を約8〜22個、特に12〜22個有する長鎖脂肪酸を含む液体脂肪酸エステルを特に挙げることができる。これらの脂肪酸エステルのアルコール成分は、炭素原子を最大6個有し、一価または多価、例えば一価、二価または三価のアルコール、特にグリコールおよびグリセリンである。脂肪酸エステルの混合物としては、植物油、例えば綿実油、アーモンド油、オリーブ油、ひまし油、ごま油、大豆油、およびグランドナッツ油が特に有用である。
【0119】
注射可能な調製剤の製造は通常、アンプルまたはバイアルへの充填、および容器の密閉と同じく、滅菌条件下で実行される。
【0120】
適切な担体は、特に充填剤、例えば糖、例としてラクトース、サッカロース、マンニトール、もしくはソルビトール、セルロース調製物、および/またはリン酸カルシウム、例えばリン酸三カルシウムもしくはリン酸水素カルシウム、ならびに結合剤、例としてデンプン、例えばトモウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、もしくはジャガイモデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドンなど、ならびに/あるいは所望なら、崩壊剤、例えば上述のデンプン、カルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸もしくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムである。さらなる賦形剤は、特に流動調整剤および滑沢剤、例えばケイ酸、タルク、ステアリン酸もしくはその塩、例えばステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングリコールもしくはその誘導体である。
【0121】
錠剤のコアは、中でもアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングロコール、および/もしくは二酸化チタンを含んでいてもよい濃縮した糖溶液、または適切な有機溶媒もしくは溶媒混合物中のコーティング溶液、または腸溶性コーティングを製造するための適切なセルロース調製物、例えばフタル酸アセチルセルロースもしくはフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースの溶液を使用することによって、適切で場合により腸溶性のコーティングを備えることができる。例えば同定目的でまたは異なる用量の活性成分を指示するために、色素または顔料を錠剤または錠剤コーティングに添加してもよい。
【0122】
経口投与のための医薬組成物は、ゼラチンからなるハードカプセル、ならびにゼラチンおよび可塑化剤、例えばグリセロールまたはソルビトールからなるソフト型の密封カプセルも含む。ハードカプセルは、顆粒の形態の活性成分を、例えばトウモロコシデンプンなどの充填剤、結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの流動促進剤、ならびに場合により安定化剤と混和して含んでいてもよい。ソフトカプセルでは、活性成分は好ましくは適切な液体賦形剤、例えば脂肪油、パラフィン油、もしくは液体ポリエチレングリコール、またはエチレングリコールもしくはポリエチレングリコールの脂肪酸エステルに溶解または懸濁させ、それに、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類の安定化剤および界面活性剤を添加してもよい。
【0123】
直腸投与に適した医薬組成物は、例えば活性成分と坐剤基剤との混合物からなる坐剤である。適切な坐剤基材は、例えば天然または合成トリグリセリド、パラフィン炭水化物、ポリエチレングリコール、または高級アルカノールである。
【0124】
非経口投与では、水溶性形態中の活性成分、例えば水溶性塩の水溶液、または粘度上昇物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストラン、ならびに所望なら安定化剤を含む水性注射用懸濁液が、特に適している。場合により賦形剤を一緒に含む活性成分は、凍結乾燥物の形態であってもよく、適切な溶媒の添加によって非経口投与前に溶液にしてもよい。
【0125】
液剤も用いることができ、例えば非経口投与では、輸液として用いることができる。
【0126】
好ましい保存剤は、例えばアスコルビン酸などの抗酸化剤、またはソルビン酸もしくは安息香酸などの殺菌剤である。
【0127】
その上、本発明は、式(I)で示される化合物または薬学的に許容され得るその塩(ここで基および記号は、式(I)に関して先に定義した意味を有する)を、新生物疾患、自己免疫疾患、移植関連病変、および/または変性疾患に対して効果的な量で、前記疾患の処置を必要とする温血動物に投与することを含む、前記疾患の処置方法に関する。式(I)で示される化合物を、単独または特に医薬組成物の形態で、好ましくは前記疾患に対して効果的な量で、そのような処置を必要とする温血動物、例えばヒトに、予防または治療的に投与することができる。体重約70kgの患者の場合、投与される一日用量は、本発明の化合物約0.05g〜約5g、好ましくは約0.25g〜約1.5gである。本発明は特に、上述の一つ以上の疾患、詳細には新生物疾患、自己免疫疾患、移植関連病変、および/または変性疾患の治療的および予防的管理のために、式(I)で示される化合物または薬学的に許容され得るその塩、特に好ましいと言われる式(I)で示される化合物または薬学的に許容され得るその塩を、単独または薬学的に許容され得る担体を少なくとも1種含む医薬配合剤の形態で使用することにも関する。
【0128】
各例で用いられる医薬配合剤(医薬)の好ましい用量、組成物、および製造は、先に記載した。
【0129】
以下の実施例は、本発明の例示であり、本発明をその範囲に限定するものではない。
【0130】
実施例
略語:DMSO=ジメチルスルホキシド、THF=テトラヒドロフラン、DMAP=N,N−ジメチルアミノピリジン、DMF=N,N−ジメチルホルムアミド、DIPEA=N,N−ジイソプリピル−N−エチルアミン
【0131】
実施例1:4−(1−フェナシル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)フラザン−3−イルアミン
フェナシルブロミド(0.1g、0.49mmol)を、乾燥DMF(5mL)中の4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)フラザン−3−イルアミン(0.1g、0.4mmol)[A. V. Sergievskii, O. A. Krasnoshek, S. F. Mel'nikova, I. V. Tselinskii, Russian Journal of Organic Chemistry, 2002, 38, 915-917]、および炭酸カリウム(0.172g、1.24mmol)の十分に撹拌した懸濁液に室温で添加した。4時間後に反応混合物を酢酸エチルで希釈して、有機相をブラインで繰り返し洗浄した。溶媒を乾燥し、ろ過して、減圧下で溶媒を蒸発させて、粗形態の表題化合物を得た。表題化合物は、シリカゲルのクロマトグラフィーによって純粋な形態で得た。融点:202〜204℃。
【0132】
実施例2:4−〔1−(4−ブロモフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イルアミンオキシム
エタノール(5mL)中の4−〔1−(4−ブロモフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イルアミン(実施例1により製造した0.083g、0.21mmol)、重炭酸ナトリウム(0.021g、0.25mmol)および塩酸ヒドロキシルアミン(0.014g、0.21mmol)を、20時間還流した。酢酸エチルと水との間で反応混合物を分配させ、有機相を分離し、次に乾燥させ、溶媒を蒸発させて粗生成物を得た。シリカゲルのクロマトグラフィーによる精製から、表題化合物をE/Z混合物として得た。融点198〜201℃。
【0133】
実施例3:メチル−{4−〔1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イル}アミン
アセトン(5mL)中の4−〔1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イルアミン(実施例1により製造した0.10g、0.282mmol)、炭酸カリウム(0.233g、1.69mmol)および硫酸ジメチル(0.142g、1.12mmol)の懸濁液を、室温で16時間撹拌した。固体をろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、溶離液としてヘキサン−酢酸エチルを用いて残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて、表題化合物を無色固体として得た。融点:210〜214℃。
【0134】
実施例4:ジメチル−{4−〔1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イル}アミン
DMF(5mL)中の4−〔1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イルアミン(0.10g、0.282mmol)、炭酸カリウム(0.60g、4.22mmol)および硫酸ジメチル(0.50g、2.82mmol)の懸濁液を、60℃で6時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムをろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、溶離液としてヘキサン−酢酸エチルを用いて残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて、表題化合物を黄色を帯びた固体として得た。融点:120〜123℃。
【0135】
実施例5:N−{4−〔1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イル}アセトアミド
DMF(5mL)中の4−〔1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イルアミン(0.05g、0.143mmol)、ピリジン(0.022g、0.282mmol)、塩化アセチル(0.013g、0.169mmol)および触媒量のDMAPの溶液を、80℃で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムをろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、溶離液としてヘキサン−酢酸エチルを用いて残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて、表題化合物を黄色を帯びた固体として得た。融点:202〜205℃。
【0136】
実施例6:4−〔1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)アミン
DMF(5mL)中の4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)アミン(0.10g、0.39mmol)、炭酸カリウム(0.08g、0.58mmol)、および臭化4−クロロフェナシル(0.11g、0.47mmol)の懸濁液を、室温で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムをろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、溶離液としてヘキサン−酢酸エチルを用いて残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて、表題化合物を黄色を帯びた固体として得た。融点:191〜192℃。
【0137】
実施例6a:4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)アミン
ピリジン(5mL)中の4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)フラザン−3−イルアミン(0.10g、0.497mmol)の溶液に、メタノール中のナトリウム(0.02g、1mL中に0.86mmol)およびアクリロニトリル(0.03g、0.39mmol)を0℃で引き続き添加した。混合物を一晩撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、得られた残渣を水と酢酸エチルとの間で分配させ、硫酸ナトリウムで有機溶液を乾燥させて、表題化合物を純粋な形態で得た。
【0138】
【表1】

【0139】
実施例7:4−(1−フェノキシメチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)フラザン−3−イルアミン
4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)フラザン−3−イルアミン(0.10g、0.497mmol)の溶液に、炭酸カリウム(0.172g、1.24mmol)およびヨードメトキシベンゼン(0.128g、0.546mmol)を添加した。混合物を一晩撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、得られた残渣を水と酢酸エチルとの間で分配させ、硫酸ナトリウムで有機溶液を乾燥させ、残渣をクロマトグラフィーにかけて、表題化合物を無色固体として得た。融点:171〜173℃。
【0140】
実施例8:4−〔1−(4−フルオロフェノキシメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イルアミン
4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)フラザン−3−イルアミン(0.10g、0.497mmol)の溶液に、炭酸カリウム(0.172g、1.24mmol)を添加し、その後4−フルオロフェノール(0.0557g、0.497mmol)およびジヨードメタン(0.133g、0.497mmol)を添加した。混合物を一晩撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、得られた残渣を水と酢酸エチルとの間で分配させ、硫酸ナトリウムで有機溶液を乾燥させ、残渣をクロマトグラフィーにかけて、表題化合物を無色固体として得た。融点:155〜158℃。
【0141】
実施例9:4−〔1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イル−N−(2−メトキシカルボニルエチル)アミン
DMF(5mL)中の4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)フラザン−3−イル−N−(2−メトキシカルボニルエチル)アミン(0.052g、0.181mmol)、炭酸カリウム(0.062g、0.452mmol)、および臭化4−クロロフェナシル(0.047g、0.199mmol)の懸濁液を、室温で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムをろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、溶離液としてヘキサン−酢酸エチルを用いて残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて、表題化合物を融点が確定していない吸湿性固体として得た。
【0142】
【表2】

【0143】
実施例9a:4−〔1−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イル−N−(2−メトキシカルボニルエチル)アミン
塩酸を飽和させたメタノール(5mL)中の4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)アミン(0.05g、実施例6a)の溶液を、40分間加熱還流した。水を1滴添加した後、還流を2時間継続した。重炭酸ナトリウムを用いて混合物を中和し、その後、酢酸エチルを用いて繰り返し抽出した。ひとまとめにした有機抽出物を乾燥させ、減圧下で蒸発乾固した。ヘキサンを加えて粉砕してろ過し、表題化合物を純粋な形態で得た。
【0144】
【表3】

【0145】
実施例10:4−〔1−(3,4−ジメチルフェノキシメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)アミン
DMF(5mL)中の4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)アミン(0.15g、0.59mmol、実施例6a)、炭酸カリウム(0.325g、2.36mmol)、ジヨードメタン(0.16g、0.59mmol)および3,4−ジメチルフェノール(0.072g、0.59mmol)の懸濁液を、室温で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムをろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、溶離液としてヘキサン−酢酸エチルを用いて残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて、表題化合物を黄色を帯びた固体として得た。融点:132〜135℃。
【0146】
実施例11:4−〔1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イル−N−(3−ヒドロキシプロピル)アミン
DMF(5mL)中の4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)フラザン−3−イル−N−(3−ヒドロキシプロピル)アミン(0.70g、0.27mmol)、炭酸カリウム(0.472g、3.42mmol)、および臭化4−クロロフェナシル(0.069g、0.29mmol)の懸濁液を、室温で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムをろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、溶離液としてヘキサン−酢酸エチルを用いて残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて、表題化合物を黄色を帯びた固体として得た。融点:166〜169℃。
【0147】
実施例11a:4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)フラザン−3−イル−N−(3−ヒドロキシプロピル)アミン
THF(5mL)中の4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)アミン(0.272g、0.947mmol、実施例6a)の溶液を、THF(5mL)中のLiAlH4(0.054g、1.42mmol)の十分に撹拌した懸濁液に0℃で滴下した。室温で16時間撹拌した後、硫酸ナトリウムの飽和水溶液を注意深く添加して混合物を急冷した。懸濁液をろ過して、ろ液を蒸発乾固した。ヘキサンを添加して結晶化させて、表題化合物を純粋な形態で得た。
【0148】
【表4】

【0149】
実施例12:E−1−〔2−(4−アミノフラザン−3−イル)ベンゾイミダゾール−1−イル〕−4−フェニルブタ−3−エン−2−オン
DMF(5mL)中の4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)フラザン−3−イルアミン(0.275g、1.37mmol)、炭酸カリウム(0.472g、3.42mmol)、および1−クロロ−4−フェニルブタ−3−エン−2−オン(0.297g、1.64mmol)の懸濁液を、室温で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムをろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、溶離液としてヘキサン−酢酸エチルを用いて残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて、表題化合物を黄色を帯びた固体として得た。融点:176〜180℃。
【0150】
実施例12a:1−クロロ−4−フェニルブタ−3−エン−2−オン
トルエン(10mL)中の1−クロロ−3−(トリフェニルホスファニリデン)プロパン−2−オン(2.8g、7.9mmol)と蒸留したてのベンズアルデヒド(0.7g、6.6mmol)との混合物を、20時間加熱還流した。蒸発乾固して、表題化合物を含む混合物を得、精製せずに次のステップで用いた。
【0151】
実施例12b:1−クロロ−3−(トリフェニルホスファニリデン)プロパン−2−オン
THF(20mL)中のトリフェニルホスフィン(10.0g、38.1mmol)と1,3−ジクロロアセトン(4.84g、38.1mmol)との混合物を、4時間加熱還流した。冷却して得られた沈殿をろ過し、THFで洗浄して乾燥させた。メタノール(20mL)中の十分に撹拌した沈殿に、炭酸ナトリウム(2.02g、19mmoL)の20%水溶液を添加し、その後、更に水を添加した。得られた生成物をろ過して乾燥させ、純粋な生成物を得た。
【0152】
【表5】

【0153】
実施例13:4−〔1−(4−アミノフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イル−N−(2−カルボキシエチル)アミン
水性塩酸(5mL、濃HCl)中の4−〔1−(4−アセトアミノフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)アミン(0.061g)の溶液を、2時間加熱還流した。混合物を水で希釈して、重炭酸ナトリウムを添加して中和した。酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させてろ過し、得られたろ液を蒸発乾固して、表題化合物を純粋な形態で得た。
【0154】
【表6】

【0155】
実施例14:4−〔1−(3−アミノ−4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イルアミン
エタノール(6mL)および水(1mL)中の4−〔1−(4−クロロ−3−ニトロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イルアミン(0.07g、0.175mmol)の撹拌溶液に、2滴の濃塩酸および鉄粉(0.1g、17.5mmol)を添加した。反応混合物を80℃で8時間加熱した。ろ過し減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。酢酸エチルで抽出して精製し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかけて、表題化合物を無色固形として得た。融点:228〜230℃。
【0156】
実施例14a:4−〔1−(4−クロロ−3−ニトロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イルアミン
DMF(5mL)中の4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)フラザン−3−イルアミン(0.228g、1.14mmol)、炭酸カリウム(0.40g、2.85mmol)、および臭化4−クロロ−3−ニトロフェナシル(0.35g、1.25mmol)の懸濁液を、室温で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムをろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、溶離液としてヘキサン−酢酸エチルを用いて残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて、表題化合物を固体として得た。融点:198〜200℃(この化合物は、表1の実施例66にも挙げている)
【0157】
実施例15:4−〔1−(3−メトキシ−4−メトキシメトキシ−フェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イルアミン
乾燥DMF中の4−〔1−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イルアミン(0.10g0.27mmol)と、DIPEAと、塩化メトキシメチルとの混合物を、室温で14時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムをろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、表題化合物を無色の純粋な固体として得た。融点:190℃。
【0158】
実施例15a:4−〔1−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イルアミン
THF(20mL)中の4−〔1−(3−メトキシ−4−ベンジルオキシフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル〕フラザン−3−イルアミン(1.00g)の溶液に、炭素上のパラジウム(10%、0.2g)を添加した。混合物を水素雰囲気下で1時間撹拌した。触媒をろ過し、ろ液を蒸発乾固して、表題化合物を純粋な形態で得た。融点:265℃(この化合物は、表1の実施例74にも挙げている)。
【0159】
以下の化合物を、実施例1〜15に類似させて製造した。
【0160】
【表7】













【0161】
【表8】



【0162】
【表9】

【0163】
【表10】

【0164】
WO03/066629からの以下の化合物を、先に記載した実施例に類似させ、それらの活性を比較するために製造した。
【0165】
【表11】

【0166】
本発明の化合物をテストするための一般的方法
【0167】
実施例121:細胞培養および細胞系
ウシ胎児血清5%または10%、2−メルカプトエタノール0.05mM、グルタミン2mMおよびペニシリン/ストレプトマイシン50μg/mLを含むRPMI組織培地(完全培地)(Sigma, Buchs, Switzerland)で、細胞系を培養した。一般的な増殖条件は、37℃および7.5%CO2であった。以下のマウス細胞系(EGFPを形質転換したもの、またはしていないもの)を用いた:A20.2J(ATCC:TIB−208)、MC57G(ATCC:CRL−2295)。以下のヒト細胞系(EGFPを形質転換したもの、またはしていないもの)を用いた:HeLa(ATCC:CCL−2)、KB(ATCC:CCL−17)、MCF7(ATCC:HTB−22)、SK−BR−3(ATCC:HTB−30)、SK−Mel1(ATCC:HTB−67)、SK−Mel28(ATCC:HTB−72)、PC−3(ATCC:CRL−1435)、SW480(ATCC:CCL−228)、NCI−H460(ATCC:HTB−177)、NCl−H1792(ATCC:CRL−5895)、HT1080(ATCC:CCL−21)、Jurkat(ATCC:TIB−152)、Ramos(ATCC:CRL−1596)、Raji(ATCC:CCL−86)、H9(ATCC:HTB−176)、Hut78(ATCC:TIB−161)、K562(ATCC:CCL243)、HL−60(ATCC:CCL240)、U−87MG(ATCC:HTB−14)、HepG2(ATCC:HB−8065)、U−2OS(ATCC:HTB−96)、Saos−2(ATCC:HTB−85)、U937(ATCC:CRL1593)、Hs578T(ATCC:HTB126)、HBL−100(ATCC:HTB124)、Molt−4(ATCC:CRL1582)。
【0168】
実施例122:一次スクリーニング設定
操作は全て、滅菌条件下で実施した。アッセイは、それぞれ組織培養技術に適した市販の96穴または384穴の平底透明マイクロタイタープレート(Greiner, Germany)で実施した。決まった数のEGFP形質転換接着テスト細胞(96穴プレート:104〜105個、384穴プレート:1500〜2×104個)を播種し、適切な塗布を確実に行うために24時間後にウェルあたり75μL(96穴プレート)または60μL(384穴プレート)の完全培地で処理した。このために、蠕動ポンプ(例えばThermolabsystems, FinlandによるMultidrop)または別の適切な装置を用いた。懸濁液中の細胞は、同様の手順によって播種したが、1時間後に処理した。播種から化合物の処理または添加までの間、細胞を7.5%CO2下、37℃でインキュベートした。次に、検査される化合物を、適切な装置(例えば液体取り扱い装置、マルチピペット他)を用いて、決まった濃度〔DMSOを最大4%含む完全培地25μL(96穴プレート)または20μL(384穴プレート)中で40〜80μM〕で添加し、テストウェル中の最終濃度をDMSO最大1%中の化合物10〜20μMにした。蛍光活性を標準化するために、細胞に化合物を添加した直後に、蛍光マイクロプレートリーダーを用いてゼロ蛍光値(t=0h)を測定した。その後、テストプレートを7.5%CO2下、37℃でトータル48時間、更にインキュベートして、それぞれ8時間、24時間、および48時間目に測定のためだけに短時間取り出した。
【0169】
実施例123:一次スクリーニングの測定および定量
対照細胞と、標準薬物で処理した細胞とに関して、化合物処理したテスト細胞のEGFPの相対的蛍光活性を、485nm/520nmの励起/発光のフィルター対を備えたBMG Fluostarマイクロプレート蛍光読取装置を用いて測定した。ノイズに対する最適シグナルの比を、遅延20μsで積算時間1msを超える時間分解の測定モードを利用して検出した。対照細胞が最大値の90%の蛍光活性を生じるように、増量を調整した。t=0h、8h、24hおよび48hで相対蛍光活性を測定することによって、反応速度を決めた。t=8h、24hおよび48hの各値をt=0hでの値で割ってE(8)、E(24)およびE(48)値を得ることによって、大まかな蛍光活性を、テスト化合物/プレートウェルの異なる細胞数および様々な光学活性について個々に標準化した。次に積E(8)×E(24)×E(48)の逆数(Q値)を得ることによってE(x)値を更に処理し、1を超える数値であれば化合物にはアポトーシス/壊死活性があり、1未満であれば化合物に増殖活性がある、とした。対照(未処理)は、1に近似する値を示した。2を超えるQ値をもたらす化合物は、アポトーシス/壊死活性について関連するとみなし、次に二次スクリーニング設定でテストした。
【0170】
実施例124:二次スクリーニング設定
操作は全て滅菌条件下で実施した。接着細胞の場合、市販の24穴平底組織培養プレート(Greiner, Germany)で、懸濁細胞の場合、ポリプロピレン管(P管)1.4mL(Matrix,UK)で、それぞれアッセイを実施した。
接着テスト細胞:完全培地0.5mL中のEGFP形質転換細胞2×104〜4×104個を播種し、24時間後に処理した。t=0で培地を除去し、新しい完全培地450μLを添加した。次にDMSO最大5%中にテスト化合物を含む完全培地50μLを添加して、テスト化合物の最終濃度をそれぞれ20μM、10μM、3μM、1μMおよび0.3μMにした。48時間インキュベートした後に細胞を剥離して収集し、標準的手順により蛍光活性化細胞スキャニング装置(FACS Calibur(商標), BD Biosciences)で分析した。
懸濁細胞:完全培地450μL中のテスト細胞105個を、P管にピペット注入した。化合物を含む完全培地50μL(接着細胞を参照)を直ちに添加した。48時間インキュベートした後に、テスト細胞をFACS Calibur(商標)で直接分析した。
【0171】
実施例125:二次スクリーニングの定量
FACS Calibur(商標)でFL1におけるEGFP蛍光活性をモニタリングすることによって、同じ細胞集団内の増殖細胞とアポトーシス細胞と壊死細胞とを識別することができる。増殖細胞は高いGFP蛍光活性を示し、アポトーシス集団は中間の蛍光活性を示すが、壊死細胞は擬似的に形質転換した細胞と同等の残存蛍光活性を示す。CellQuest Software(BD Biosciences)で、ヒストグラムで3つの領域:増殖細胞を含むM1、アポトーシス細胞集団を含むM2、および壊死細胞集団を含むM3、を定義した。M1、M2またはM3のいずれかに属する細胞の相対的存在量を、読取値として表した。M2値が50%を超えM3値が30%未満の化合物が関連するとみなし、三次/高度スクリーニング設定で更にテストして特徴づけた。
【0172】
実施例126:三次スクリーニング設定
A)Hoechst 33342核染色
このアッセイは、96穴組織培養プレートで実施した。適切な数の細胞(接着細胞:3〜5×103個、懸濁細胞:8〜10×103個)を完全培地80μLに播種した。接着細胞は、適切に塗布させるために24時間インキュベートした後にテスト化合物を添加し、懸濁細胞は播種の直後にテスト化合物で処理した。DMSOを最大5%含む完全培地20μLに、テスト化合物を添加した。アッセイにおける最終的な化合物濃度は、それぞれ10μM、3μM、1μMおよび0.3μMであった。培養条件で24hおよび48hインキュベートした後、Hoechst 33342染料を2〜5μg/mL含む培地10μL(Sigma B-2261)を、各ウェルに添加した。その後、アッセイプレートを30分間更にインキュベートし、次に標準的な倒立蛍光顕微鏡で分析した。読取値によって、アポトーシス核の画分、およびアポトーシスに特異的な他の形態的基準を処置の関数として決定した。結果を表6に示す。以下のスコアを用いた:0…活性なし、1…細胞を70%未満含む弱い活性、2…細胞が70%を超える強い活性
【0173】
【表12】















【0174】
B)MTS増殖アッセイ
そのアッセイは、96穴組織培養プレートで実施した。細胞(範囲:1.5×103〜104個)を完全培地80μLに播種し、24時間後に化合物処理した。DMSOを最大5%含む完全培地20μLに、テスト化合物を添加した。アッセイにおける最終的な化合物濃度は、それぞれ10μM、3μM、1μMおよび0.3μMであった。アッセイプレートを培養条件で72hインキュベートした。MTS試薬を、製造業者のプロトコル(Promega G1111)により製造した。MTS試薬20μLを各ウェルに添加し、アッセイプレートを急速に回転させて、培養条件で更に3時間インキュベートした。次に、プレートを短時間振とうして、492nmのマイクロプレートリーダーで吸収を測定した。IC50値をグラフ解析によって決定し、表7にμM濃度で示している。
【0175】
【表13】





【0176】
C)Annexin V/7-AAD染色
接着細胞(1〜2×105個)を24穴組織培養プレートに播種し、24時間後に化合物処理した。懸濁細胞は、処置の直前にP管にピペット注入した。テスト化合物を最終濃度10μMになるように添加した。24時間後に処理した細胞を回収して(接着細胞の場合トリプシン処理による)、FACS管(BD Biosciences)に移した。遠心分離して上清を除去した後、Annexin V-GST(10μg)を含む完全培地を100μL添加し、混合して、4℃で30分間インキュベートした。次に細胞を培地で1回洗浄し、1:500に希釈した培地中で抗GST Alexa 488(Molecular Probes A-11131)100μLと一緒に4℃で30分間インキュベートした。その後、細胞を1回洗浄し、培地250μL中の7−アミノアクチノマイシンD(7−AAD)(Molecular Probes A-1310) 1μg/mLで染色し、FACS Calibur(商標)で分析した。Annexin VはFL1中で測定したが、7−AADは、FL3で測定した。
【0177】
D)細胞周期分布のためのPI染色
細胞1〜2×105個を、24穴組織培養プレートに播種し、24時間インキュベートした後、化合物を添加した。最終濃度が3μMまたは10μMになるようにして、化合物を24時間添加した。トリプシン処理して、接着細胞を剥離した。ボルテックス撹拌しながら100%氷冷エタノールを2部添加することによって、細胞懸濁液を固定した。その後、試料を−20℃で2hを超える時間保存した。次に、細胞をPBSで1回洗浄し、PI(Calbiochem#537059)を50μg/mL含むPBS250μL中に再懸濁させ、その後、試料を37℃で30分間インキュベートし、次にFACS Calibur(商標)で分析して、FL2の直線PI蛍光活性をモニタリングした。読取値によって、細胞周期に対するテスト化合物の潜在的な直接的または間接的影響を検出した。以下のイベント:a)DNA切断を示すサブG1ピークの生成、b)G2M相で休止した細胞集団の増加、が起こる可能性があった。両方のイベントが、弱く発生すれば1、強く発生すれば2のスコアをつけた。0は全く発生しないことを示した。表8に、複数のテスト化合物の影響を示した。
【0178】
【表14】

【0179】
E)BrdU取り込み(増殖)
接着細胞を24穴組織細胞プレートに2〜4×104個/ウェル/mLとなるよう播種し、24時間後に処理した。懸濁細胞は、24穴組織細胞プレートに2×105個/mL/ウェルとなるよう播種した。化合物を、それぞれ最終濃度3μMおよび10μMになるように添加した。次に、最終濃度10μMのBrdU(Molecular Probes #B-23151)を添加して、プレートを48hインキュベートした。インキュベートの後、細胞を標準的手順により処理した。抗ブロモデオキシウリジンMab PRB-1、Alexa Fluor 660コンジュゲート(Molecular Probes #A-21306)を用いて、組み込まれたBrdUの検出を行った。FACSCalibur(商標)でFL3の蛍光活性をモニタリングすることによって、分析を実施した。読取値は、増殖の証拠であるDNA合成を表す。
【0180】
F)カスパーゼ依存性
カスパーゼ依存性は、処理化合物をパン−カスパーゼ阻害剤zVADまたは対照ペプチドzFA(それぞれICN Pharmaceuticals の#FK009および#FK029)と併用することにより評価した。ペプチドは両者とも、20μM濃度で用いた。カスパーゼ依存性の場合、全てのアポトーシステストにおいて特異的な読取値の明白な阻害が検出されなければならない。zVADおよびzFAで処理された試料の読取値を対照化合物と比較すれば、カスパーゼ応答性システインプロテイナーゼ依存性を検出することができる。zVADで阻害されてzFAで阻害されない場合、明らかなカスパーゼ依存性が示される。zVADおよびzFAによって阻害されれば、アポトーシスカスケードにおけるシステインプロテイナーゼの関与の証拠となる。表9は、Hoechst 33342染色により視覚化された核切断のプロテアーゼ依存性を示している。
【0181】
実施例127:ソフトカプセル
それぞれ先の実施例に述べられた式(I)で示される化合物の一種0.05gを活性成分として含むソフトゼラチンカプセルを5000個、以下のとおり製造した:粉砕した活性成分250gを、Lauroglykol(登録商標)(ラウリン酸プロピレングリコール、Gattefosse S. A., Saint Priest, フランス)2リットル中に懸濁させ、湿式粉砕機で粉砕して、粒度を約1〜3μmにした。その後、カプセル充填機を用いて、混合物の一部0.419gをソフトゼラチンカプセルに入れた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化4】


〔式中、
Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル、ハロ低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、場合により置換されたアルケニルオキシ、場合により置換されたアルキニルオキシ、シクロアルコキシ、ハロ低級アルコキシ、シクロアルキル低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル低級アルコキシ、場合により置換されたフェニルオキシ、場合により置換されたフェニル低級アルコキシ、場合により置換されたヘテロアリールオキシ、場合により置換されたヘテロアリール低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルカルボニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、アミノスルホニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルスルホニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ(ここで、アルキルは、場合により置換されたフェニル、グアニジル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、場合により置換されたフェノキシ、アルキルメルカプト、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);低級アルケニルカルボニルアミノ(ここで、アルケニルは、低級アルキル、ハロ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);アミノ低級アルキルもしくはアミノ低級アルキルアミノ(ここで、窒素原子は、非置換かまたは低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、および低級アルキルカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している);低級アルキルカルボニル、ホルミル、シクロアルキルカルボニル、場合により置換されたフェニルカルボニル、場合により置換されたヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級アルキルメルカプト、場合により置換されたフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ低級アルキルスルフィニル、場合により置換されたフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニルスルホニル、アラルキルスルホニル、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される最大4個の置換基によって場合により置換された、アリールまたはヘテロアリール(ここで2個の隣接する置換基は、アリールまたはヘテロアリールの原子と一緒になって、5または6員の炭素環または複素環を形成していてもよい)を表し;
Xは、酸素、基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくはアルコキシによって置換された窒素を表す)、または基:−CO−CH=CH−(式中、C=C結合は、Rに結合している)を表し;
1およびR2は、互いに独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、場合により置換されたアリールアルキル、場合により置換されたヘテロアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、シアノアルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、または低級アルキルカルボニル(ここで、低級アルキルは、アリール、場合により置換されたアミノ、アルコキシ、およびアリールオキシから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている)を表し;
3、R4、R5およびR6は、互いに独立して、水素、低級アルキル、ハロ低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル、ハロ低級アルコキシ低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル低級アルコキシ、場合により置換されたフェニルオキシ、場合により置換されたフェニル低級アルコキシ、場合により置換されたヘテロアリールオキシ、場合により置換されたヘテロアリール低級アルコキシ、アミノ、カルバモイル、スルファモイル;アミノ低級アルキルもしくはアミノ低級アルキルアミノ(ここで、それぞれの場合の窒素原子は、非置換かまたは低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、および低級アルキルカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している);低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、場合により置換されたフェニルカルボニル、場合により置換されたヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級アルキルメルカプト、場合により置換されたフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ低級アルキルスルフィニル、場合により置換されたフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニルスルホニル、アラルキルスルホニル、ハロゲン、またはニトロを表すか;または
3およびR4、R4およびR5、またはR5およびR6は、フェニル環の原子と一緒になって、5または6員の炭素環または複素環を形成している〕で示される化合物、およびその塩。
【請求項2】
Rが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル、ハロ低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、場合により置換されたアルケニルオキシ、場合により置換されたアルキニルオキシ、シクロアルコキシ、ハロ低級アルコキシ、シクロアルキル低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル低級アルコキシ、場合により置換されたフェニルオキシ、場合により置換されたフェニル低級アルコキシ、場合により置換されたヘテロアリールオキシ、場合により置換されたヘテロアリール低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルカルボニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、アミノスルホニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルスルホニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ(ここで、アルキルは、場合により置換されたフェニル、グアニジル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、場合により置換されたフェノキシ、アルキルメルカプト、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);低級アルケニルカルボニルアミノ(ここで、アルケニルは、低級アルキル、ハロ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);アミノ低級アルキルもしくはアミノ低級アルキルアミノ(ここで、窒素原子は、非置換かまたは低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、および低級アルキルカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している);低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、場合により置換されたフェニルカルボニル、場合により置換されたヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級アルキルメルカプト、場合により置換されたフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ低級アルキルスルフィニル、場合により置換されたフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニルスルホニル、アラルキルスルホニル、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される最大4個の置換基によって場合により置換された、アリールまたはヘテロアリール(ここで2個の隣接する置換基は、アリールまたはヘテロアリールの原子と一緒になって、5または6員の炭素環または複素環を形成していてもよい)を表し;
Xが、酸素または基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくはアルコキシによって置換された窒素を表す)を表し;
1およびR2が、互いに独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、場合により置換されたアリールアルキル、場合により置換されたヘテロアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、シアノアルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、または低級アルキルカルボニル(ここで、低級アルキルは、アリール、場合により置換されたアミノ、アルコキシ、およびアリールオキシから選択される置換基1もしくは2個によって場合により置換されている)を表し;
3、R4、R5およびR6が、互いに独立して、水素、低級アルキル、ハロ低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル、ハロ低級アルコキシ低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ低級アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキル低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル低級アルコキシ、場合により置換されたフェニルオキシ、場合により置換されたフェニル低級アルコキシ、場合により置換されたヘテロアリールオキシ、場合により置換されたヘテロアリール低級アルコキシ、アミノ、カルバモイル、スルファモイル;アミノ低級アルキルもしくはアミノ低級アルキルアミノ(ここで、それぞれの場合の窒素原子は、非置換かまたは低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、および低級アルキルカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している);低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、場合により置換されたフェニルカルボニル、場合により置換されたヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級アルキルメルカプト、場合により置換されたフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ低級アルキルスルフィニル、場合により置換されたフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニルスルホニル、アラルキルスルホニル、ハロゲン、またはニトロを表すか;または
3およびR4、R4およびR5、またはR5およびR6が、フェニル環の原子と一緒になって、5または6員の炭素環または複素環を形成している、請求項1記載の式(I)で示される化合物、およびその塩。
【請求項3】
Rが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル、ハロ低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、場合により置換されたアルケニルオキシ、場合により置換されたアルキニルオキシ、シクロアルコキシ、ハロ低級アルコキシ、シクロアルキル低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル低級アルコキシ、場合により置換されたフェニルオキシ、場合により置換されたフェニル低級アルコキシ、場合により置換されたヘテロアリールオキシ、場合により置換されたヘテロアリール低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルカルボニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、アミノスルホニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルスルホニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ(ここで、アルキルは、場合により置換されたフェニル、グアニジル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、場合により置換されたフェノキシ、アルキルメルカプト、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);低級アルケニルカルボニルアミノ(ここで、アルケニルは、低級アルキル、ハロ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);アミノ低級アルキルもしくはアミノ低級アルキルアミノ(ここで、窒素原子は、非置換かまたは低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、および低級アルキルカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している);低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、場合により置換されたフェニルカルボニル、場合により置換されたヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級アルキルメルカプト、場合により置換されたフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ低級アルキルスルフィニル、場合により置換されたフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニルスルホニル、アラルキルスルホニル、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される最大4個の置換基によって場合により置換された、フェニル、ナフチル、チエニル、フリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、インドリル、ベンゾイソオキサゾリル(ここで2個の隣接する置換基は、アリールまたはヘテロアリールの原子と一緒になって、5または6員の炭素環または複素環を形成していてもよい)を表し;
Xが、酸素または基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくはアルコキシによって置換された窒素を表す)を表し;
1およびR2が、互いに独立して、水素、低級アルキルカルボニル、または場合により置換されたフェニルカルボニルを表し;
3、R4、R5およびR6が、互いに独立して、水素、低級アルキル、ハロ低級アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、アミノ、カルバモイル、スルファモイル;アミノ低級アルキルもしくはアミノ低級アルキルアミノ(ここで、それぞれの場合の窒素原子は、非置換かまたは低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、および低級アルキルアミノカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している);カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級アルキルメルカプト、場合により置換されたフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ低級アルキルスルフィニル、場合により置換されたフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニルスルホニル、アラルキルスルホニル、ハロゲン、またはニトロを表すか;または
3およびR4、R4およびR5、またはR5およびR6が、一緒になってメチレンジオキシを表す、請求項2記載の式(I)で示される化合物、およびその塩。
【請求項4】
Rが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル、ハロ低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、場合により置換されたアルケニルオキシ、場合により置換されたアルキニルオキシ、シクロアルコキシ、ハロ低級アルコキシ、シクロアルキル低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル低級アルコキシ、場合により置換されたフェニルオキシ、場合により置換されたフェニル低級アルコキシ、場合により置換されたヘテロアリールオキシ、場合により置換されたヘテロアリール低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルカルボニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、アミノスルホニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルスルホニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ(ここで、アルキルは、場合により置換されたフェニル、グアニジル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、場合により置換されたフェノキシ、アルキルメルカプト、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);低級アルケニルカルボニルアミノ(ここで、アルケニルは、低級アルキル、ハロ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);アミノ低級アルキルもしくはアミノ低級アルキルアミノ(ここで、窒素原子は、非置換かまたは低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、および低級アルキルカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している);低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、場合により置換されたフェニルカルボニル、場合により置換されたヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級アルキルメルカプト、場合により置換されたフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ低級アルキルスルフィニル、場合により置換されたフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニルスルホニル、アラルキルスルホニル、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される最大4個の置換基によって場合により置換された、フェニル、ナフチル、チエニル、フリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、インドリル、ベンゾイソオキサゾリル(ここで2個の隣接する置換基は、アリールまたはヘテロアリールの原子と一緒になって、5または6員の炭素環または複素環を形成していてもよい)を表し;
Xが、基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくはアルコキシによって置換された窒素を表す)を表し;
1およびR2が、互いに独立して、水素または低級アルキルカルボニルを表し;
3、R4、R5およびR6が、互いに独立して、水素、低級アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、またはニトロを表す、請求項2記載の式(I)で示される化合物、およびその塩。
【請求項5】
4−(1−フェナシル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−フラザン−3−イルアミン;
4−(1−フェナシル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−フラザン−3−イルアミンオキシム;
4−(1−フェナシル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−フラザン−3−イルアミンオキシムメチルエーテル;
4−[1−(4−ブロモフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
4−[1−(4−ブロモフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシム;
4−[1−(4−ブロモフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシムメチルエーテル;
4−[1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
4−[1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシム;
4−[1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシムメチルエーテル;
4−[1−(4−メトキシフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
4−[1−(4−メトキシフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシム;
4−[1−(3−メトキシフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
4−[1−(3−メトキシフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシム;
4−[1−(3−メトキシフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシムメチルエーテル;
4−[1−(4−フェニルフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
4−[1−(4−フェニルフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシム;
4−[1−(4−フェニルフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシムメチルエーテル;及び
4−[1−(2,4−ジクロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
からなる群から選択される、請求項2記載の化合物、または薬学的に許容され得るその塩。
【請求項6】
Rが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル、ハロ低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、場合により置換されたアルケニルオキシ、場合により置換されたアルキニルオキシ、シクロアルコキシ、ハロ低級アルコキシ、シクロアルキル低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル低級アルコキシ、場合により置換されたフェニルオキシ、場合により置換されたフェニル低級アルコキシ、場合により置換されたヘテロアリールオキシ、場合により置換されたヘテロアリール低級アルコキシ、スルファモイルオキシ、カルバモイルオキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルカルボニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、アミノスルホニルアミノ(ここで、2個のアミノ基のそれぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ低級アルキルによって場合により置換されている)、ヘテロシクリルスルホニルアミノ(ここで、ヘテロシクリルは、窒素原子を介して結合している)、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ(ここで、アルキルは、場合により置換されたフェニル、グアニジル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、場合により置換されたフェノキシ、アルキルメルカプト、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);低級アルケニルカルボニルアミノ(ここで、アルケニルは、低級アルキル、ハロ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、および場合により置換されたアミノから選択される置換基1または2個によって場合により置換されている);アミノ低級アルキルもしくはアミノ低級アルキルアミノ(ここで、窒素原子は、非置換かまたは低級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェニル低級アルキル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロアリール低級アルキル、および低級アルキルカルボニルから選択される置換基1もしくは2個によって置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している);低級アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、場合により置換されたフェニルカルボニル、場合により置換されたヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級アルキルメルカプト、場合により置換されたフェニルメルカプト、低級アルキルスルフィニル、ハロ低級アルキルスルフィニル、場合により置換されたフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、ハロ低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニルスルホニル、アラルキルスルホニル、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される最大4個の置換基によって場合により置換された、フェニル、ナフチル、チエニル、フリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、インドリル、ベンゾイソオキサゾリル(ここで2個の隣接する置換基は、アリールまたはヘテロアリールの原子と一緒になって、5または6員の炭素環または複素環を形成していてもよい)を表し;
Xが、基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくはアルコキシによって置換された窒素を表す)を表し;
1が、シアノアルキルを表し;
2が、水素を表し;
3、R4、R5およびR6が、互いに独立して、水素、低級アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、またはニトロを表す、請求項1記載の式(I)で示される化合物、およびその塩。
【請求項7】
R、XおよびR2〜R6が、請求項6に定義したとおりであり、
1が、ヒドロキシアルキルを表す、請求項1記載の式(I)で示される化合物、およびその塩。
【請求項8】
Rが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、ホルミル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって場合により置換された、フェニル、チエニル、ピリジニル、またはピリダジニル(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである)を表し;
Xが、酸素、基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシまたはアルコキシによって置換された窒素を表す)、または基:−CO−CH=CH−(式中、C=C結合は、Rに結合している)を表し;
1が、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキル、またはシアノ低級アルキルを表し;
2、R3およびR6が、水素を表し;
4およびR5が、互いに独立して、水素、低級アルキル、もしくは低級アルコキシを表すか、またはR4およびR5が一緒になってメチレンジオキシを表す、請求項1記載の式(I)で示される化合物、およびその塩。
【請求項9】
Rが、フェニル、チエニル、ピリジニル、またはピリダジニルを表し、
ここで、フェニルが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、ホルミル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって場合により置換されており(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである);
ピリジニルまたはピリダジニルが、低級アルコキシ、アミノ、またはハロゲンによって場合により置換されており;
Xが、基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくは低級アルコキシによって置換された窒素を表す)を表し;
1が、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキル、またはシアノ低級アルキルを表し;
2、R3およびR6が、水素を表し;
4およびR5が、互いに独立して、水素、低級アルキル、もしくは低級アルコキシを表すか、またはR4およびR5が一緒になってメチレンジオキシを表す、請求項8記載の式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩。
【請求項10】
Rが、フェニル、チエニル、またはピリジニルを表し、
ここで、フェニルが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって場合により置換されており(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである);
ピリジニルが、低級アルコキシ、アミノ、またはハロゲンによって場合により置換されており;
Xが、基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくは低級アルコキシによって置換された窒素を表す)を表し;
1が、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキル、またはシアノ低級アルキルを表し;
2、R3およびR6が、水素を表し;
4およびR5が、互いに独立して、水素、低級アルキル、もしくは低級アルコキシを表すか、またはR4およびR5が一緒になってメチレンジオキシを表す、請求項8記載の式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩。
【請求項11】
Rが、フェニル、チエニル、ピリジニル、またはピリダジニルを表し、
ここで、フェニルが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、ホルミル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって場合により置換されており(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである);
ピリジニルまたはピリダジニルが、低級アルコキシ、アミノ、またはハロゲンによって場合により置換されており;
Xが、基:C=Y(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくは低級アルコキシによって置換された窒素を表す)を表し;
1が、シアノ低級アルキルを表し;
2、R3およびR6が、水素を表し;
4およびR5が、互いに独立して、水素、低級アルキル、もしくは低級アルコキシを表すか、またはR4およびR5が一緒になってメチレンジオキシを表す、請求項8記載の式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩。
【請求項12】
Rが、フェニルまたはピリジニルを表し、
ここで、フェニルが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ホルミル、シアノ、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって場合により置換されており(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである);
ピリジニルが、低級アルコキシ、アミノ、またはハロゲンによって場合により置換されており;
Xが、酸素を表し;
1が、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキル、またはシアノ低級アルキルを表し;
2、R3およびR6が、水素を表し;
4およびR5が、互いに独立して、水素、低級アルキル、もしくは低級アルコキシを表すか、またはR4およびR5が一緒になってメチレンジオキシを表す、請求項8記載の式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩。
【請求項13】
RおよびR1〜R6が、請求項12に定義したとおりであり、Xが、アルコキシによって置換された窒素を表す、請求項8記載の式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩。
【請求項14】
Rが、フェニルまたはピリジニルを表し、
ここで、フェニルが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ホルミル、シアノ、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって場合により置換されており(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである);
ピリジニルが、低級アルコキシ、アミノ、またはハロゲンによって場合により置換されており;
Xが、酸素を表し;
1が、シアノ低級アルキルを表し;
2、R3、R4、R5およびR6が、水素を表す、請求項8記載の式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩。
【請求項15】
Rが、フェニルまたはピリジニルを表し、
ここで、フェニルが、アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって場合により置換されており(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである);
ピリジニルが、低級アルコキシ、アミノ、またはハロゲンによって場合により置換されており;
Xが、酸素を表し;
1が、シアノ低級アルキルを表し;
2、R3、R4、R5およびR6が、水素を表す、請求項8記載の式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩。
【請求項16】
Rが、フェニルまたはピリジニルを表し、
ここで、フェニルが、アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって場合により置換されており(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシであり;
ピリジニルが、低級アルコキシ、アミノ、またはハロゲンによって場合により置換されており;
Xが、アルコキシによって置換された窒素を表し;
1が、シアノ低級アルキルを表し;
2、R3、R4、R5およびR6が、水素を表す、請求項8記載の式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩。
【請求項17】
Rが、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、およびニトロから独立して選択される置換基1または2個によって置換された、フェニル(ここで、2個の隣接する置換基はメチレンジオキシである)を表し;
Xが、基:−CO−CH=CH−(式中、C=C結合はRに結合している)を表し;
1が、シアノ低級アルキルを表し;
2、R3、R4、R5およびR6が、水素を表す、請求項8記載の式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩。
【請求項18】
4−[1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)−アミン;
4−[1−(3−メトキシ−4−メトキシメトキシ−フェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
4−[1−(4−ブロモフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)−アミン;
4−[1−(4−アミノフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)−アミン;
4−[1−(4−メトキシフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)−アミン;
4−[1−(3,4−ジメチルフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)−アミン;
4−[1−(4−エチルフェナシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)−アミン;
4−[1−(6−クロロ−3−ピリジル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
4−[1−(6−アミノ−3−ピリジル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)−アミン;及び
4−[1−(6−アミノ−3−ピリジル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン;
からなる群から選択される、請求項8記載の化合物、および薬学的に許容され得るその塩。
【請求項19】
A)式(II):
【化5】


(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、式(I)に関して定義したとおりである)で示される化合物、または保護形態の官能基を有するその誘導体および/またはその塩を、式(III):
【化6】


(式中、Rは、式(I)に関して定義したとおりであり、Xは、COまたは−CO−CH=CH−であり、Zは、求核性脱離基である)で示されるアルキル化剤によってアルキル化するか、あるいは
B)式(II)(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、式(I)に関して定義したとおりである)で示される化合物、または保護形態の官能基を有するその誘導体および/またはその塩を、式:Z1−CH2−Z2(IV)(式中、Z1およびZ2は、脱離基である)で示されるジハロメタン型化合物と、式:R−XH(V)(式中、Rは、式(I)に関して定義したとおりであり、Xは、酸素である)で示される化合物との混合物によってアルキル化して;
式(I)で示される化合物の保護誘導体の保護基を除去し;
所望なら、得られた式(I)で示される化合物を式(I)で示される別の化合物に変換し、式(I)で示される遊離化合物を塩に変換し、得られた式(I)で示される化合物の塩を遊離化合物もしくは別の塩に変換し、そして/または式(I)で示される異性体化合物の混合物を各異性体に分別する、請求項1記載の式(I)で示される化合物の製造方法。
【請求項20】
請求項1記載の式(I)で示される化合物、および薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
【請求項21】
新生物疾患、自己免疫疾患、移植関連病変、および/または変性疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、請求項1記載の式(I)で示される化合物、そのような化合物のプロドラッグまたは薬学的に許容され得る塩の使用。
【請求項22】
固形新生物疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、請求項1記載の式(I)で示される化合物、またはそのような化合物の薬学的に許容され得る塩の、請求項21記載の使用。

【公開番号】特開2011−207909(P2011−207909A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−137578(P2011−137578)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【分割の表示】特願2006−530690(P2006−530690)の分割
【原出願日】平成16年5月19日(2004.5.19)
【出願人】(501241380)バジリア ファルマスーチカ アーゲー (24)
【氏名又は名称原語表記】Basilea Pharmaceutica AG
【Fターム(参考)】