説明

フラックス洗浄装置

【課題】瞬間的な洗浄後に直ちに蒸発する高温高圧のスチーム特性を利用し、フラックスによって汚染されたフラックスツールやアタッチツールなどのフラックスによる汚染物を、瞬間的に早く、かつ正確に洗浄することによって、洗浄時間はもとより、乾燥時間及びクーリング時間を画期的に短縮させるフラックス洗浄装置を提供する。
【解決手段】本体と、前記本体に設置され、フラックスが付着した対象物が搭載される搭載台と、前記本体に設置され、前記フラックスが付着した対象物に残留するフラックスなどの異物を除去するために、前記搭載台に搭載されたフラックスが付着した対象物に向かってスチームを噴射する少なくとも一つのスチーム噴射ノズルと、前記本体に設置され、前記スチーム噴射ノズルにスチームを供給するスチーム供給装置とを有してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラックス洗浄装置に関し、さらに詳細には、瞬間的な洗浄後、直ちに蒸発するスチームの特性を利用し、フラックスによって汚染されたフラックスツール(flux tool)やアタッチツール(attach tool)などのフラックスが付着した対象物を、瞬間的に早く、かつ正確に洗浄でき、水分浸透によるフラックスツールやアタッチツールなどの変形を防止し、収率を大きく向上させるフラックス洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に半導体工程で、ワイヤやソルダボールなどのボンディング時、ボンディングの接着力を向上させるために、基板のパッドなどにフラックスを塗布するフラックス塗布作業が必要である。
このような、基板のパッド上にフラックスを塗布するフラックス塗布工程は、ボディに複数個のフラックスピン(flux pin)が設けられるフラックスツールを利用し、フラックスピンの終端にフラックスを塗り、フラックスツールを基板のパッドに接触させ、フラックスピンの終端に液滴となったフラックスを、基板のパッド上に落とすフラックスドッティング(flux dotting)工程などからなる。
【0003】
また、フラックスドッティング工程に続き、真空ホールにソルダボールを吸着させたアタッチツールを利用し、フラックスがドッティングされた基板のパッド上に、ソルダボールを載せたソルダボールアタッチング(solder ball attaching)工程などが続けてなされる。
このような、フラックスドッティング工程を終えたフラックスツールや、ソルダボールアタッチング工程を終えたアタッチツールのような装置に残留するフラックスを除去するために、従来では、高温の洗浄液体にフラックス・ピンなどを浸して、液体洗浄したり、あるいは洗浄液体に超音波を印加して、フラックスを液体中で分解させる洗浄装置が広く使われた。
【0004】
しかしながら、このような洗浄液体を利用する方式の洗浄装置は、液体洗浄の特性上、フラックスが液体中で分解されるのに時間が長くかかり、洗浄後、フラックスツールやアタッチツールに残留する洗浄液体を乾燥させる乾燥時間及びクーリング時間もやはり長くかかり、洗浄コストと洗浄時間が大きく浪費されるという問題点があった。
また、毛細管現象が発生し、微細な規格のフラックスピンに沿って多量の洗浄液体がフラックス・ツール内部に浸透し、部品がさびついてしまうなど、フラックスピンの位置が変形され、フラックスドッティング時に、基板のパッド上に部分的にフラックスがドッティングされないか、あるいは定位置を外れた位置にフラックスが誤ってドッティングされるなど、後続工程に悪影響を与えて、収率を大きく落とすという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は上記従来のフラックス洗浄装置における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、瞬間的な洗浄後に直ちに蒸発する高温高圧のスチーム特性を利用し、フラックスによって汚染されたフラックスツールやアタッチツールなどのフラックスによる汚染物を、瞬間的に早く、かつ正確に洗浄することによって、洗浄時間はもとより、乾燥時間及びクーリング時間を画期的に短縮させるフラックス洗浄装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、エアカーテン形成装置や正圧形成装置を利用し、フラックスツールやアタッチツールの内部に液体が流入することを防止することによって、工程の信頼度及び収率を大きく向上させるフラックス洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明によるフラックス洗浄装置は、本体と、前記本体に設置され、フラックスが付着した対象物が搭載される搭載台と、前記本体に設置され、前記フラックスが付着した対象物に残留するフラックスなどの異物を除去するために、前記搭載台に搭載されたフラックスが付着した対象物に向かってスチームを噴射する少なくとも一つのスチーム噴射ノズルと、前記本体に設置され、前記スチーム噴射ノズルにスチームを供給するスチーム供給装置とを有してなることを特徴とする。
【0007】
前記スチーム噴射ノズルは、噴射角度が調整できるように、ノズル回転軸に設けられることが好ましい。
前記ノズル回転軸をユーザが操作するために、前記ノズル回転軸の一側に回転ノブが設けられることが好ましい。
前記ノズル回転軸は、命令入力装置によって入力された命令に基づいて制御部から発せられた制御信号に従って、前記ノズル回転軸を回転させるモータが設けられることが好ましい。
前記スチーム噴射ノズルが、前記フラックスが付着した対象物の表面に沿って往復移動が可能なように前記スチーム噴射ノズルを往復移動させる往復移動装置をさらに有することが好ましい。
前記往復移動装置は、前記スチーム噴射ノズルが設置された可動台と、前記可動台の移動経路を案内するガイド部材と、前記本体に設置され、前記可動台を往復移動させるアクチュエータと、前記命令入力装置によって入力された命令に基づき、前記アクチュエータに制御信号を印加する制御部とを含んでなることが好ましい。
【0008】
前記フラックスが付着した対象物は、内部に流動空間が形成されたボディと、前記流動空間に収容されるバックプレートと、一端部が前記バックプレートに設けられ、他端部が前記ボディのピンホールを介して外部に露出されるフラックスピン(flux pin)と、前記フラックスピンを前進させる方向に復元力が作用するように、前記バックプレートとボディとの間に設けられる弾性スプリングとを含んでなるフラックスツール(flux tool)であることが好ましい。
前記フラックスツールのボディ内部の流動空間に、スチームが浸透することを防止するために、前記流動空間に正圧を形成する正圧形成装置をさらに有することが好ましい。
前記フラックスピン方向に噴射されるスチームが、前記フラックスが付着した対象物のボディまで達することを遮断するために、前記フラックスピンとボディとの間にエアカーテンを形成するエアカーテン形成装置をさらに有することが好ましい。
前記エアカーテン形成装置は、前記本体に設けられ、前記フラックスピンとボディとの間にエアを噴射するエア噴射ノズルであることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るフラックス洗浄装置によれば、高温高圧のスチーム特性を利用することにより、洗浄時間はもとより、乾燥時間及びクーリング時間を画期的に短縮させるという効果があり、洗浄コストを節減させ、生産性を大きく向上させ、工程の信頼度及び収率を大きく高めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態によるフラックス洗浄装置を示す概略図である。
【図2】図1のフラックス洗浄装置のフラックスツール洗浄状態を示す拡大図である。
【図3】本発明の他の実施形態によるフラックス洗浄装置の外観を示す前方斜視図である。
【図4】図3の後方斜視図である。
【図5】図3のフラックスが付着した対象物の搭載状態を示す部分切開斜視図である。
【図6】図5のスチーム噴射ノズルのスチーム噴射状態を示す拡大斜視図である。
【図7】図5の平面図である。
【図8】図5の側面図である。
【図9】図5の後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係るフラックス洗浄装置を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態は、添付図面に図示されているところに限定されず、同じ発明の範疇内で多様に変形されうるということを明記して置く。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態によるフラックス洗浄装置を示す概略図であり、図2は、図1のフラックス洗浄装置でのフラックスツール(flux tool)洗浄状態を示す拡大図である。
【0013】
まず、図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態によるフラックス洗浄装置は、大きく見て、本体10と、搭載台(mount)20と、スチーム噴射ノズル30と、スチーム供給装置40と、往復移動装置(reciprocator)50と、排水受け(discharging tray)60と、エアカーテン形成装置70と、正圧形成装置80と、排気装置90とを含んでなる構成が可能である。
【0014】
ここで、本体10は、装置の外観を形成すると同時に、搭載台20と、スチーム噴射ノズル30と、スチーム供給装置40と、往復移動装置50と、排水受け60と、エアカーテン形成装置70と、正圧形成装置80と、排気装置90との各種装置を支持する構造物であり、その内部に、搭載台20及びスチーム噴射ノズル30を収容するために、内部収容空間が形成される洗浄室Rが設けられる。
【0015】
図3は、本発明の他の実施形態によるフラックス洗浄装置の外観を示す前方斜視図であり、図4は、図3の後方斜視図である。
図3及び図4を参照すると、かような洗浄室Rは、洗浄室Rの外部にスチームが漏れ出さないように、各種パッキング部材を利用して密閉されうる構成であり、上部にフラックスが付着した対象物1(図1)の流出入が可能なように、取っ手(handle)11が付着した蓋(cap)12が設けられることが望ましい。
【0016】
従って、図3及び図4に示すように、ユーザは、取っ手11を取って、蓋12を開けた後、フラックスFで汚染されたフラックスが付着した対象物1を、洗浄室R内部の搭載台20に搭載した後、また蓋12を閉じて、洗浄室Rを密閉させることができる。
【0017】
また、図3に示すように、かような洗浄室Rは、側面にユーザの内部観察が可能なように、透明窓13が設けられ、ユーザが洗浄室R内部の洗浄状態を肉眼で確認することができる。
それ以外にも、図示してはいないが、洗浄室Rの内部状態及びフラックスが付着した対象物1の洗浄状態を、別途のモニタを介して確認するために、別途のカメラが設けられることも可能である。
【0018】
一方、図1及び図2に示すように、搭載台20は、本体10の洗浄室R内部に設けられるものであり、後述するフラックスツールや、その他アタッチツール(attach tool)など、フラックスが付着した対象物1が搭載される。
ここで、搭載台20は、フラックスが付着した対象物1の側面を押さえて固定するクランプ21が設けられうる。
【0019】
従って、フラックスが付着した対象物1は、搭載台20に搭載された後、クランプ21によって、洗浄工程の間、搭載台20で揺れずに、しっかりと固定されうる。
ここで、かようなクランプ21は、フラックスが付着した対象物1の左右側にいずれも設けられることも可能であり、フラックスが付着した対象物1を押さえて固定させることができる多様な形態のあらゆるクランプが適用されうる。
【0020】
一方、スチーム噴射ノズル30は、本体10の洗浄室R内部に少なくとも一つ以上設けられるものであり、フラックスが付着した対象物1に残留するフラックスFなどの異物7を除去するために、搭載台20に搭載されたフラックスが付着した対象物1方向に、瞬間的な洗浄後に直ちに蒸発しうる高温高圧のスチームSを噴射する。
【0021】
ここで、図1及び図2に示すように、スチーム噴射ノズル30は、噴射角度を調整することができるように、回転自在のノズル回転軸31に設けられ、ユーザによる操作が可能なように、ノズル回転軸31の一側に、回転ノブ32が設けられうる。
すなわち、ユーザは、フラックスが付着した対象物1方向に噴射されるスチームSの角度を手動で調整し、最適の角度(例えば、水平から40°〜90°の角度)で洗浄を行わせることが可能である。
【0022】
また、図1に示すように、ノズル回転軸31は、命令入力装置35によって入力された命令に基づき制御部34より発せられた制御信号によって、ノズル回転軸31を回転させるモータ33が設けられうる。
従って、ユーザは、フラックスが付着した対象物1方向に噴射されるスチームSの角度を、命令入力装置35を介して自動的に調整し、最適の角度(例えば、水平から40°〜90°の角度)で洗浄を行わせることも可能であり、あらかじめ入力されたプログラムによって、スチーム噴射ノズル30の噴射角度を自動的に多様に変化させつつ、洗浄効率を極大化させることができる。
【0023】
また、スチーム供給装置40は、本体10に設けられるものであり、スチーム噴射ノズル30と連結され、スチーム噴射ノズル30に、高温高圧のスチームSを供給する装置である。
ここで、かようなスチーム供給装置40は、水を加熱し、高温高圧の蒸気にするボイラなどの多様な形態のスチーム供給装置が適用されうる。
従って、スチーム供給装置40で発生した高温のスチームSは、スチーム噴射ノズル30を経て、高圧のスチームSの状態で、フラックスが付着した対象物1に残留するフラックスFを迅速に、かつ正確に溶かしつつ、フラックスが付着した対象物1を清潔に洗浄することができる。
【0024】
このとき、スチームSは、スチーム噴射ノズル30によって、高温でありつつ高圧である状態で、フラックスFと高速衝突しつつ、フラックスFを瞬間的に溶融させつつ、フラックスが付着した対象物1からいち早く分離させて瞬間洗浄できることはもとより、高温のスチームSは、蒸発が早くなされるように、洗浄後に瞬間的に早く乾燥しうる。
【0025】
従って、例えば従来の超音波水中洗浄方式は、超音波洗浄時間(27分)、別途のヒーティング・オーブンを利用したオーブン乾燥時間(40分)及びクーリング時間(20分)をいずれも加えた総洗浄時間がほぼ87分であるとするならば、本発明のスチーム洗浄方式は、わずかスチーム洗浄時間(1分)及びクーリング時間(1分)と、総洗浄時間がほぼ2分であり、洗浄時間を画期的に短縮することができる。
【0026】
図5は、図3でのフラックスが付着した対象物1の搭載状態を示す部分切開斜視図であり、図6は、図5のスチーム噴射ノズル30のスチーム噴射状態を示す拡大斜視図であり、図7は、図5の平面図であり、図8は、図5の側面図であり、図9は、図5の後面図である。
【0027】
図1〜図9を参照すると、往復移動装置50は、スチーム噴射ノズル30が、フラックスが付着した対象物1の表面に沿って往復移動が可能なように、スチーム噴射ノズル30を往復移動させるものであり、可動台51と、ガイド部材52と、アクチュエータ55と、制御部34とを含んでなる構成である。
【0028】
ここで、図5〜図7の可動台51は、スチーム噴射ノズル30が一列に設けられたノズル回転軸31が設けられたものであり、スチーム噴射ノズル30が、フラックスが付着した対象物1の表面に沿って自在に往復移動できるように設置される。
【0029】
また、ガイド部材52は、可動台51の移送経路を案内するように、可動台51を貫通して設けられるガイドロッド53、及び可動台51の下面を案内するガイドレール54からなるものであり、それ以外にも、多様な形態のガイド部材52が適用されうる。
【0030】
また、アクチュエータ55は、本体10に設置されるものであり、可動台51を往復移動させることが可能な各種のシリンダや、リニアモータなどの各種モータが設けられうる。
【0031】
ここで、図6に示すように、洗浄室R内部のスチームSが、可動台51、ガイド部材52及びアクチュエータ55などへの浸透防止のために、洗浄室Rとガイド部材52との間に遮断ブラシ36が一列に設置することも可能である。
また、制御部34は、命令入力装置35によって入力された命令に従って、アクチュエータ55に制御信号を印加する。
【0032】
従って、ユーザは、フラックスが付着した対象物1の下面に沿って、スチーム噴射ノズル30を往復移動させつつ、最適の位置又は最適の速度で洗浄が行わせることも可能であり、あらかじめ入力されたプログラムによって、スチーム噴射ノズル30の往復移動位置と往復移動速度とが自動的に多様に変化させつつ洗浄効率を極大化させることができる。
【0033】
一方、排水受け60は、スチームSによって、フラックスが付着した対象物1から除去された異物7を回収するように、本体10の洗浄室Rの下方に設けられるものであり、望ましくは、洗浄室R下部に引出し式に設けられ、回収された異物7の外部排出が容易なように、一側に取っ手61が設けられることが可能である。
それ以外にも、排水受け60の代わりに、洗浄室Rに別途の排水口を設け、異物7を本体10の外部に排出させることも可能である。
【0034】
一方、図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態によるフラックス洗浄装置は、フラックスドッティング(flux dotting)工程で使われるフラックスツール2を洗浄するものであり、上述のフラックス・ツール2以外にも、図示してはいないが、ソルダボールアタッチング(solder ball attaching)工程で使われるアタッチツールなど、フラックスFによって汚染されうる各種ツールなどを洗浄することができる。
【0035】
ここで、図1及び図2に示すように、フラックスツール2は、内部に流動空間(flow space)が形成されるボディ3と、流動空間に収容されるバックプレート5と、一端部がバックプレート5に取り付けられ、他端部がボディ3のピンホール1aを介して外部に露出されるフラックスピン6と、フラックスピン6を前進させる方向に復元力が作用するように、バックプレート5とボディ3との間に設けられる弾性スプリング4とを含んでなる構成である。
【0036】
このように、上述のフラックスツール2を洗浄する場合、フラックスツール2のボディ3内部の流動空間に、スチームSが浸透することを防止するために、流動空間に正圧を形成する正圧形成装置80がさらに設けられうる。
ここで、正圧形成装置80は、図1及び図2に示すように、フラックスツール2のボディ3に形成された吸気口1bに、正圧形成用ガスを供給する正圧形成ガス供給管81であることが可能である。
【0037】
従って、図2に示すように、正圧形成ガス供給管81を介して、正圧形成用ガス(例えば、エアや不活性ガスなど)を供給され、フラックスツール2のボディ3内部に、正圧(大気圧力より高い圧力)が形成される場合、正圧形成用ガスは、フラックスツール2の内部から、フラックスピン6とピンホール1aとの間の狭いギャップを介して外部に排出されつつ、洗浄室RのスチームSが、ピンホール1aを介して、ボディ3内部に入り込もうとするのをガスの圧力で押し出し、結果的に、フラックスツール2を水分から保護することができる。
【0038】
併せて、正圧形成用ガスは、フラックスツール2を乾燥させると同時に、スチームSによって温度が上昇するフラックスツール2の温度を下降させるクーリングの役割を同時に行うことも可能である。
また、フラックスピン6の方向に噴射されるスチームSが、フラックスが付着した対象物1のボディ3まで達することを遮断するために、フラックスピン6とボディ3との間に、エアカーテンを形成するエアカーテン形成装置70がさらに設けられうる。
【0039】
ここで、エアカーテン形成装置70は、本体10の洗浄室Rの内部に設けられるものであり、フラックスピン6とボディ3との間にエアを噴射するエア噴射ノズル71であることが可能である。
従って、図2に示すように、エア噴射ノズル71を介して、フラックスピン6とボディ3との間に、エアカーテンが形成されれば、ボディ3方向に流れる洗浄室RのスチームSの気流を事前に遮断し、フラックスツール2を水分から保護することができる。
併せて、エアは、フラックスツール2を乾燥させると同時に、スチームSによって温度が上昇するフラックスツール2の温度を下降させるクーリングの役割を同時に行うことも可能である。
【0040】
一方、図1及び図2に示すように、洗浄室Rは、スチーム噴射ノズル30によって噴射されたスチームSを、外部に速かに排出させる排気装置90をさらに含んでなることが可能である。
すなわち、図1及び図2に示すように、排気装置90は、洗浄室Rの側面に形成された図4の排気口10aから、スチームSを強制排気させる排気管91であることが可能である。
【0041】
従って、図2に示すように、スチーム噴射ノズル30によって噴射されたスチームSが、洗浄作業を終えれば、排気管91に沿って速かに外部に排出されつつ、フラックスツール2をスチームSの水分から保護することができると同時に、フラックスツール2を速かに乾燥させ、フラックスツール2の温度を下降させるクーリングが促進されうる。
【0042】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 フラックスが付着した対象物
1a ピンホール
1b 吸気口
2 フラックスツール
3 ボディ
4 弾性スプリング
5 バックプレート
6 フラックスピン
7 異物
10 本体
10a 排気口
11 取っ手
12 蓋
13 透明窓
20 搭載台
21 クランプ
30 スチーム噴射ノズル
31 ノズル回転軸
32 回転ノブ
33 モータ
34 制御部
35 命令入力装置
36 遮断ブラシ
40 スチーム供給装置
50 往復移動装置
51 可動台
52 ガイド部材
53 ガイドロッド
54 ガイドレール
55 アクチュエータ
60 排水受け
61 取っ手
70 エアカーテン形成装置
71 エア噴射ノズル
80 正圧形成装置
81 正圧形成ガス供給管
90 排気装置
91 排気管
F フラックス
R 洗浄室
S スチーム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に設置され、フラックスが付着した対象物が搭載される搭載台と、
前記本体に設置され、前記フラックスが付着した対象物に残留するフラックスなどの異物を除去するために、前記搭載台に搭載されたフラックスが付着した対象物に向かってスチームを噴射する少なくとも一つのスチーム噴射ノズルと、
前記本体に設置され、前記スチーム噴射ノズルにスチームを供給するスチーム供給装置とを有してなることを特徴とするフラックス洗浄装置。
【請求項2】
前記スチーム噴射ノズルは、噴射角度が調整できるように、ノズル回転軸に設けられることを特徴とする請求項1に記載のフラックス洗浄装置。
【請求項3】
前記ノズル回転軸をユーザが操作するために、前記ノズル回転軸の一側に回転ノブが設けられることを特徴とする請求項2に記載のフラックス洗浄装置。
【請求項4】
前記ノズル回転軸は、命令入力装置によって入力された命令に基づいて制御部から発せられた制御信号に従って、前記ノズル回転軸を回転させるモータが設けられることを特徴とする請求項2に記載のフラックス洗浄装置。
【請求項5】
前記スチーム噴射ノズルが、前記フラックスが付着した対象物の表面に沿って往復移動が可能なように前記スチーム噴射ノズルを往復移動させる往復移動装置をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のフラックス洗浄装置。
【請求項6】
前記往復移動装置は、前記スチーム噴射ノズルが設置された可動台と、
前記可動台の移動経路を案内するガイド部材と、
前記本体に設置され、前記可動台を往復移動させるアクチュエータと、
前記命令入力装置によって入力された命令に基づき、前記アクチュエータに制御信号を印加する制御部とを含んでなることを特徴とする請求項5に記載のフラックス洗浄装置。
【請求項7】
前記フラックスが付着した対象物は、内部に流動空間が形成されたボディと、
前記流動空間に収容されるバックプレートと、
一端部が前記バックプレートに設けられ、他端部が前記ボディのピンホールを介して外部に露出されるフラックスピン(flux pin)と、
前記フラックスピンを前進させる方向に復元力が作用するように、前記バックプレートとボディとの間に設けられる弾性スプリングとを含んでなるフラックスツール(flux tool)であることを特徴とする請求項6に記載のフラックス洗浄装置。
【請求項8】
前記フラックスツールのボディ内部の流動空間に、スチームが浸透することを防止するために、前記流動空間に正圧を形成する正圧形成装置をさらに有することを特徴とする請求項6に記載のフラックス洗浄装置。
【請求項9】
前記フラックスピン方向に噴射されるスチームが、前記フラックスが付着した対象物のボディまで達することを遮断するために、前記フラックスピンとボディとの間にエアカーテンを形成するエアカーテン形成装置をさらに有することを特徴とする請求項6に記載のフラックス洗浄装置。
【請求項10】
前記エアカーテン形成装置は、前記本体に設けられ、前記フラックスピンとボディとの間にエアを噴射するエア噴射ノズルであることを特徴とする請求項6に記載のフラックス洗浄装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−16699(P2012−16699A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150061(P2011−150061)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】