フラッシュパネル
【課題】フラッシュパネルのプレス加工において、フラッシュパネルの美観を良好に維持しながら、面材を框にプレス加工することを可能にする。
【解決手段】フラッシュ戸10は、四角柱状の各2つの横框12,13および縦框14,15を四角枠状に組み付けた框11の内側に四角柱状の中桟18,19,20を備えている。框11の横框12,13および縦框14,15における框11の内側の各角部は取り除かれて傾斜面からなる逃げ部12c,13c,14c,15cが形成されている。また、中桟18,19,20における面材16a,16bに対向する各4つの角部も取り除かれて傾斜面からなる逃げ部18c,19c,20cが形成されている。そして、これら框11および中桟18,19,20の両側から面材16a,16bが押し付けられて同面材16a,16bが框11の表裏面にそれぞれ貼り付けられる。
【解決手段】フラッシュ戸10は、四角柱状の各2つの横框12,13および縦框14,15を四角枠状に組み付けた框11の内側に四角柱状の中桟18,19,20を備えている。框11の横框12,13および縦框14,15における框11の内側の各角部は取り除かれて傾斜面からなる逃げ部12c,13c,14c,15cが形成されている。また、中桟18,19,20における面材16a,16bに対向する各4つの角部も取り除かれて傾斜面からなる逃げ部18c,19c,20cが形成されている。そして、これら框11および中桟18,19,20の両側から面材16a,16bが押し付けられて同面材16a,16bが框11の表裏面にそれぞれ貼り付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四角形状に組まれた框の表裏面の一方または両方に面材を貼り合わせて構成したフラッシュパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物に用いられるドアや戸などの建具、室内空間を仕切る間仕切り、または家具に用いられる扉などには、フラッシュパネルが用いられている。フラッシュパネルは、枠状に形成された框の表裏面の一方または両方に薄板状の面材を貼り合わせて構成したフラッシュ構造からなるパネルである。一般に、前記建具、間仕切りおよび家具の扉などに用いられるフラッシュパネルは、四角形状に組まれた木製の框の内側に、同框を補強するための木製の中桟が框の互いに対向する辺の間に掛け渡されて構成されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1に記載のフラッシュパネルにおいては、4つの四角柱状の棒材を四角形状に組んだ框の略中央部に、同框の横方向に延びる四角柱状の中桟を組み付けて構成されている。また、同框と中桟とによって囲まれた空間には、ハニカム状に形成されたコアが設けられている。コアは、框の表裏面に貼り付けられる薄板状の一対の面材を補強するための部材であり、段ボールなどの紙材により構成されている。このように構成されたフラッシュパネルは、通常、四角形状に組まれた框の内側にコアを配した後、同框の表裏面に一対の面材をプレス加工によって貼り合わせて組み付けられる。
【特許文献1】特開平10−711号公報
【0004】
しかしながら、このプレス加工においては、面材は同面材の略全面に対して略均等に圧力が掛けられることによって框、中桟およびコアにそれぞれ押し付けられる。この場合、コアは、框および中桟に比べて変形し易い部材であるため、面材におけるコアに押し付けられている部分は、同面材における框および中桟に押し付けられている部分に比べて撓む量、すなわち変形する量が大きい。このため、框および中桟とコアとの境界部分、すなわち框および中桟の各角部に面材が強く押し付けられることによって同面材が変形して同各角部に沿ってスジ状の痕が生じることがある。この結果、フラッシュパネルの美観を著しく損ねるという問題があった。また、コアを用いないフラッシュパネルにおいても同様の問題があった。
【発明の開示】
【0005】
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、フラッシュパネルの美観を良好に維持しながら、面材を框にプレス加工することができるフラッシュパネルを提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、断面が四角形状の4つの棒材の各端部を互いに連結して四角形状に形成した框と、同框の表裏面の少なくともいずれか一方の面に貼り合わせた面材とからなるフラッシュパネルにおいて、前記棒材における框の内側の角部を取り除いたことにある。この場合、前記棒材における前記角部を取り除くことによって形成される面の面材に対する傾斜角を5°〜45°とするとよい。また、この場合、前記棒材の角部の形状を曲面としてもよい。
【0007】
このように構成した本発明の特徴によれば、框を構成する棒材の内側の角部、すなわち面材が貼り合わされる框の表裏面における内側の角部を取り除いている。このため、棒材における前記取り除かれた部分の形状は面形状となる。これにより、面材を框にプレス加工する際、面材におけるコアに押し当てられる部分または同コアなどの支持部材のない部分が、同面材における框に押し付けられる部分に比べて大きく撓み、すなわち変形した場合であっても、面材は前記角部が取り除かれた面に沿って変形し、同面材が前記角部に押し当てられる場合のように面材を変形させる力が一直線上に集中することがない。すなわち、この場合、面材は框の外縁部に対して面接触となる。この結果、面材の表面に框の角部によるスジ状の痕が形成されることが防止され、フラッシュパネルの美観を維持しながら、面材を框にプレス加工することができる。
【0008】
さらに、本発明においては、断面が四角形状の中桟を前記框を補強するために同框の内側に設け、同中桟における前記面材に対向する角部を取り除いて構成してもよい。この場合、前記中桟における前記角部を取り除くことによって形成される面の面材に対する傾斜角を5°〜45°とするとよい。また、この場合、前記中桟の角部の形状を曲面としてもよい。これによっても、上記と同様にして、面材の表面に中桟の角部によるスジ状の痕が形成されることが防止され、フラッシュパネルの美観を維持しながら、面材を框にプレス加工することができる。
【0009】
また、本発明の他の特徴は、前記面材を補強するための面材を前記框および前記面材の材料よりも変形し易い材料で框の見込み寸法より大きい見込み寸法に形成して框の内側に設けたことにある。この場合、前記框を、例えば、木材または木材を用いた木質系部材(例えば、MDF(Medium Density Fiberboard)、PB(Particle Board)、LVL(Laminated Veneer Lumber))により構成し、前記コアを、段ボールなどの紙材により構成するとよい。
【0010】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、コアは框および面材よりも変形し易い材料によって構成されているため、面材を框にプレス加工する際、面材はコアの端面部を押し潰しながら框に貼り合わされる。このため、押し潰されたコアの抵抗力によって、面材におけるコアに押し付けられる部分の撓み、すなわち変形する量は小さくなり、面材が框の角部に強く押し付けられることがなくなる。この結果、より面材の表面に框の角部によるスジ状の痕が形成されることが防止され、フラッシュパネルの美観を維持しながら、面材を框にプレス加工することができる。
【0011】
また、本発明の他の特徴は、一対の面材を、断面が四角形状に形成されフラッシュパネルの見込み寸法を規定する中桟および前記面材を補強するためのコアの各表裏面にそれぞれ貼り合わせて構成したフラッシュパネルにおいて、前記中桟における前記面材に対向する角部を取り除いたことにある。この場合、前記中桟における前記角部を取り除くことによって形成される面の面材に対する傾斜角を5°〜45°とするとよい。また、この場合、前記中桟の角部の形状を曲面としてもよい。また、この場合、前記コアを、前記中桟および前記面材の材料よりも変形し易い材料で前記中桟の見込み寸法より大きい見込み寸法に形成してもよい。
【0012】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、フラッシュパネルの見込み寸法を規定する中桟における面材に対向する角部を取り除いている。このため、前記框と同様に中桟における前記取り除かれた部分の形状は面形状となる。これによっても、上記と同様にして、面材の表面に中桟の角部によるスジ状の痕が形成されることが防止され、フラッシュパネルの美観を維持しながら、面材を中桟およびコアにプレス加工することができる。また、コアの見込み寸法を中桟の見込み寸法より大きくした場合にも、上記と同様にして、面材はコアの端面部を押し潰しながら中桟およびコアに貼り合わされるため、押し潰されたコアの抵抗力によって、面材におけるコアに押し付けられる部分の変形する量は小さくなり、面材が中桟の角部に強く押し付けられることがなくなる。この結果、より面材の表面に中桟の角部によるスジ状の痕が形成されることが防止され、フラッシュパネルの美観を維持しながら、面材を中桟およびコアにプレス加工することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るフラッシュパネルの一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るフラッシュパネルとしてのフラッシュ戸10を示す一部切り欠き正面図である。フラッシュ戸10は、家屋における部屋と部屋との間に設置されるもので、敷居の上をスライドさせることにより部屋と部屋との間を開閉するようになっている。
【0014】
このフラッシュ戸10の外形は、四角形状の枠状に形成された框11で構成されている。框11は、上下両側で左右方向に延びる横框12,13と、左右両側で上下方向に延びる縦框14,15とで構成されている。これら横框12,13および縦框14,15は、杉や桧などの木材、これらの木材を積層して形成した合板または集成材、またはMDF(Medium density Fiberboard)、PB(Particle Board)、LVL(Laminated Veneer Lumber)などの木質系部材を四角柱状に形成した棒材である。これら4つの横框12,13および縦框14,15の各端部を互いに連結して四角形状の框11が構成されている。本実施形態においては、框11の上下方向の寸法は2000mm、左右方向の寸法は800mm、見込み寸法(フラッシュ戸10の表裏面方向の厚さ寸法)は、25mmにそれぞれ設定されている。
【0015】
横框12,13および縦框14,15における各4つの面のうち、框11の表裏面を構成する互いに対向する2つの面は、同各面の内側部の角部がそれぞれ取り除かれた形状となっている。具体的には、図2および図3に示すように、後述する面材16a,16bが貼り付けられる横框12,13および縦框14,15の各2つの取付面12a,12b,13a,13b(図示せず),14a,14b,15a,15bにおける框11の内側の外縁部が、框11の内側に向かうに従って低くなるように傾斜して形成された逃げ部12c,13c,14c,15cとなっている。これらの逃げ部12c,13c,14c,15cは、それぞれ面材16a,16bに対して20°の傾斜角となるように形成されている。なお、この傾斜角は、框11,面材16a,16bの各材質および後述する面材16a,16bをプレスする際の圧力などに応じて適宜設定されるものであり、本実施形態のように框11および面材16a,16bの各材料を前記した木材または木質系部材とした場合には、5°〜45°の範囲が好ましい。
【0016】
框11の表裏面には、一対の面材16a,16bが貼り付けられている。面材16a,16bは、前記した木材または木質系部材などからなり、框11の外形に対応した四角形状に形成された薄板である。本実施形態においては、面材16a,16bの厚さ寸法は、2.5mmにそれぞれ設定されている。したがって、本実施形態に係るフラッシュ戸10の見込み寸法は、30mmである。この面材16a,16bの各表面には、それぞれ上下方向の略中央部における左右方向の一方側(図において右側)に、上下方向に長円形に形成された凹状の引き手17がそれぞれ設けられている。
【0017】
框11の内側には、上下方向に所定の間隔で左右方向に伸びる3つの中桟18,19,20がそれぞれ掛け渡されている。中桟18,19,20は、前記した木材または木質系部材を四角柱状に形成した部材であり、主として框11を補強するために設けられる。これらの中桟18,19,20のうち上側の中桟18および下側の中桟20は、それぞれ一端側が框11の縦框14に固定されているとともに、それぞれ他端側が框11の縦框15に固定されており、これら縦框14,15間の内寸法に対応した長さに形成されている。また、框11の上下方向の中央部に位置する中桟19は、その一端側が框11の縦框14に固定されているとともに、他端側が引き手アンコ21を介して框11の縦框15に固定されており、これら縦框14と引き手アンコ21との間の内寸法に対応した長さに形成されている。本実施形態においては、中桟18,20の長さは700mmにそれぞれ設定されており、中桟19の長さは620mmに設定されている。また、中桟18,19,20の見込み寸法(フラッシュ戸10の表裏方向の厚さ寸法)は、框11の見込み寸法と同じ25mmに設定されている。
【0018】
中桟18,19,20における各4つの面のうち、框11の表裏面を構成する互いに対向する2つの面は、前記横框12,13および縦框14,15と同様に各面における面材16a,16bに対向する各角部がそれぞれ取り除かれた形状となっている。具体的には、図2に示すように、面材16a,16bが貼り付けられる中桟18,19,20の各2つの取付面18a,18b,19a,19b(図示せず),20a,20b(図示せず)における框11および中桟18,19,20によって囲まれた各空間の内側の外縁部が、同各空間の内側に向かうに従って低くなるように傾斜させて形成した逃げ部18c,19c,20cとなっている。すなわち、中桟18,19,20の各四辺に逃げ部18c,19c,20cがそれぞれ形成されている。これらの逃げ部18c,19c,20cは、それぞれ面材16a,16bに対して20°の傾斜角となるように形成されている。なお、この傾斜角は、框11,面材16a,16bの各材質および後述する面材16a,16bをプレスする際の圧力などに応じて適宜設定されるものであり、本実施形態のように框11および面材16a,16bの材料を前記した木材または木質系部材とした場合には、5°〜45°の範囲が好ましい。
【0019】
引き手アンコ21は、前記引き手17に対応する位置で框11の縦框15の内側に固定されて設けられている。引き手アンコ21は、前記した木材または木質系部材を四角形状に形成した板材であり、引き手17を面材16a,16bにそれぞれ固定するために設けられる。この引き手アンコ21の両面には、引き手17の形状に対応する凹部が形成されており、引き手17は、この凹部に嵌め込まれることによって面材16a,16bに取り付けられる。この引き手アンコ21の見込み寸法は、框11の見込み寸法より小さく設定されており、本実施形態においては23mmに設定されている。
【0020】
框11の外周面には、化粧縁22が貼り付けられている。化粧縁22は、框11の外周面を覆って框11の外周面を保護するとともにフラッシュ戸10の美観を向上させるために設けられている。
【0021】
このように構成されたフラッシュ戸10の製造方法について説明する。まず、作業者は、フラッシュ戸10の各部分を構成する部材を予め設計された所定の形状に加工する。具体的には、框11を構成する横框12,13および縦框14,15、面材16a,16b、中桟18,19,20および引き手アンコ21を加工する。この場合、横框12,13、縦框14,15、面材16a,16b、中桟18,19,20および引き手アンコ21は、前記した木材または木質系部材が使用され、これらの材料を前記した所定の寸法の形状に加工する。この場合、横框12,13、縦框14,15は、所定の四角柱状に形成された後、框11の内側となる各2つの角部がカンナなどの道具を用いて削られて逃げ部12c,13c,14c,15cがそれぞれ形成される。また、中桟18,19,20も所定の四角柱状に形成された後、カンナなどの道具を用いて各四辺が削られて逃げ部18c,19c,20cがそれぞれ形成される。
【0022】
なお、横框12,13、縦框14,15および中桟18,19,20の材料として前記木質系部材を採用した場合には、同木質系部材をそれぞれ四角柱状に形成する工程において、各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cを含めた形状に形成することもできる。すなわち、横框12,13および縦框14,15を六角柱状に形成し、中桟18,19,20を八角柱状に形成する。これによれば、カンナなどを用いて各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cを形成する作業を省略することができる。
【0023】
次に、作業者は、框11を組み立てる。具体的には、横框12,13および縦框14,15の各端部を互いに連結して四角形状の枠状に組み付け、それらの内側における所定の位置に中桟18,19,20および引き手アンコ21を配置させる。そして、これらの横框12,13、縦框14,15、中桟18,19,20および引き手アンコ21の各接合部をタッカー釘および接着剤などにより固定する。
【0024】
次に、作業者は、框11の表裏面に面材16a,16bをそれぞれ貼り付ける。この面材16a,16bの貼り付け作業は、図示しないプレス機によって行われる。まず、作業者は、プレス機のベッド上における所定の位置に裏面を上方に向けて面材16a,16bの一方(例えば面材16a)をセットする。そして、ベッド上に載置された面材16aの裏面に接着剤を塗布する。
【0025】
次に、作業者は、框11の四隅と面材16aの四隅とを一致させてベッド上に載置された面材16aの裏面上に框11を載置する。そして、作業者は、他方の面材である面材16bの裏面に接着剤を塗布した後、同裏面を框11側に向けるとともに、面材16bの四隅と框11の四隅とを一致させて面材16bを框11上に載置する。そして、作業者は、プレス機を操作してベッド上にセットされた框11、面材16a,16bおよび中桟18,19,20に圧力を掛けて、面材16a,16bを框11および中桟18,19,20に貼り付ける。この場合、プレス機は、作業者により予め設定された圧力(例えば2〜5Kg/cm2)を面材16a,16bの全面に対して掛ける。これにより、面材16a,16bは、框11および中桟18,19,20に押し付けられる。
【0026】
この面材16a,16bのプレス工程においては、框11および中桟18,19,20によって囲まれた空間部分に対応する面材16a,16bの部分は、同面材16a,16bにおける框11および中桟18,19,20に押し付けられる部分に比べて撓む量、すなわち変形する量が大きい。このため、同空間と框11および中桟18,19,20との境界部分、すなわち框11の内側の各逃げ部12c,13c,14c,15cおよび中桟18,19,20の各逃げ部18c,19c,20cに面材16a,16bが押し付けられる。
【0027】
この場合、各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cは、框11および中桟18,19,20によって囲まれた各空間の内側に向かうに従って低くなるように傾斜しているため、面材16a,16bが同各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cに強く押し付けられることがない。また、これらの各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cは、それぞれ面形状に形成されているため、同各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cと面材16a,16bとは面接触となる。このため、面材16a,16bは、各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cの傾斜面に沿って変形し、同面材16a,16bが前記角部に押し当てられる場合のように面材16a,16bを変形させる力が一直線上に集中しない。この結果、面材16a,16bの表面に框11および中桟18,19,20の角部によるスジ状の痕が生じることが防止され、フラッシュ戸10の美観を維持しながら、面材16a,16bを框11にプレス加工することができる。
【0028】
このプレス加工の後、作業者は、プレス機から面材16a,16bが貼り付けられた框11を取り出し、引き手17および化粧縁21の取り付けなど他の必要な作業を施工してフラッシュ戸10を完成させる。なお、このフラッシュ戸10の製造工程は、一例を示すに過ぎず、各工程は適宜変更して行われてもよい。例えば、面材16a,16bにそれぞれ塗布される接着剤は、框11の表裏面にそれぞれ塗布されていてもよい。
【0029】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0030】
上記実施形態においては、逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cを框11および中桟18,19,20によって囲まれた各空間の内側に向かうに従って低くなるように傾斜した傾斜面としたが、これに限定されるものではない。例えば、図4に示すように、逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cの各形状を框11および中桟18,19,20によって囲まれた各空間の内側に向かうに従って低くなるような曲面形状に形成してもよい。すなわち、面材16a,16bと各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cとの接触を面接触として、面材16a,16bを変形させる力が、同面材16a,16b上の一点または一直線上に集中しないような形状であればよい。これによっても、上記と同様の効果が期待できる。
【0031】
また、上記実施形態においては、框11、中桟18,19,20および面材16a,16bにより構成されるフラッシュ戸10に、本発明を適用した例を用いて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、框11の内側に面材16a,16bを補強するためのコアを備えたフラッシュ戸10にも本発明を適用することもできる。
【0032】
この場合、前記コアを框11および面材16a,16bより変形し易い部材で構成するとともに、同コアの見込み寸法を框11より大きく設定するとよい。例えば、図5に示すように、格子状に形成されたコア23を框11と中桟18,19,20とによって囲まれた4つの空間にそれぞれ配置する。コア23は、上下方向に一定間隔で左右方向に延びる3つの横桟23aと、左右方向に一定間隔で上下方向に延びる7つの縦桟23bとが、格子状に組み付けられて構成されている。横桟23aおよび縦桟23bは、框11および面材16a,16bよりも変形し易い材料である段ボールを略長方形状に形成した薄板状の部材である。また、このコア23の見込み寸法は、框11の見込み寸法(25mm)より0.5mmだけ大きい25.5mmに設定されている。コア23の外形は、框11と中桟18,19,20とによって囲まれた内側の形状に対応する形状、すなわち四角形状に形成されている。
【0033】
なお、コア23の材料は、框11および面材16a,16bより変形し易い材料であればよく、框11および面材16a,16bの材料として、前記した木材または木質系部材を採用した場合には、段ボール、ボール紙などの紙材の他に、ゴム、発泡スチロールなどを用いてもよい。また、コア23の見込み寸法も框11の見込み寸法より大きい寸法に設定すればよいが、框11の見込み寸法より0.2〜1.0mmだけ大きく設定することが好ましい。
【0034】
これによれば、コア23の端面が框11の表裏面の一方から突出しているとともに、同コア23が面材16a,16bより変形し易い材料で構成されているため、面材16a,16bのプレス工程の際、面材16a,16bは、コア23の端面を押し潰しながら框11の表裏面の一方に押し当てられる。この場合、面材16a,16bにおけるコア23に押し付けられている部分は、押し潰されたコア23の抵抗力により撓む量が小さく抑えられている。このため、框11および中桟18,19,20の各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cに面材16a,16bが強く押し付けられることがない。この結果、より効果的に面材16a,16bの表面に生じるスジ状の痕を防止することができ、フラッシュ戸10の美観を維持しながら、面材16a,16bを框11にプレス加工することができる。
【0035】
なお、このコア23は、図5に示した格子状の他に、例えば、図6に示すように、ハニカム状に形成したコア24を用いるようにしてもよい。また、図7に示すように、波形に形成したコア25を用いるようにしてもよいし、図8に示すように、ティアドロップ形(雫形)に形成したコア26を用いるようにしてもよい。また、図9に示すように、薄板で形成したコア27を框11の上下方向に所定の間隔で左右方向に掛け渡して設けるようにしてもよい。この場合、コア27を左右方向に所定の間隔で上下方向に掛け渡して設けるようにしてもよい。また、図10に示すように、円筒状に形成したコア28を用いるようにしてもよい。この場合、框11と中桟18,19,20とによって囲まれた空間内に、コア28を隙間なく詰め込んで用いてもよいし、同空間内に点在させて用いるようにしてもよい。
【0036】
また、上記実施形態においては、中桟18,19,20の見込み寸法を框11の見込み寸法と同じ寸法としたが、これに限定されるものではない。例えば、これらの中桟18,19,20の見込み寸法を、框11の見込み寸法より小さく設定してもよい。これによれば、面材16a,16bを框11および中桟18,19,20にプレス加工する際、面材16a,16bが中桟18,19,20に押し当てられる力が小さくなるため、より効果的に中桟18,19,20による面材16a、16bの表面に生じるスジ状の痕を防止することができる。
【0037】
また、上記実施形態においては、面材16a,16bのプレス加工において、同面材16a,16bが押し当てられる框11および中桟18,19,20に傾斜面からなる逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cを設けるようにしたが、面材16a,16bが押し当てられる部材であれば、これに限定されるものではない。例えば、引き手アンコ21の角部を取り除いて傾斜面としてもよい。
【0038】
また、上記実施形態においては、本発明に係るフラッシュパネルとして框11の内側に中桟18,19,20を備えたフラッシュ戸10を用いて説明したが、中桟18,19,20が配置される向き、位置および数などは、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、中桟18,19,20が配置される向き、位置および数が異なるフラッシュパネルおよび中桟18,19,20を備えていないフラッシュパネルにも広く適用できるものである。
【0039】
また、上記実施形態においては、本発明に係るフラッシュパネルとして框11の表裏面に一対の面材16a,16bを貼り合わせたフラッシュ戸10を用いて説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、框11の表裏面の一方に面材を貼り合わせて構成したフラッシュパネルにも広く適用できるものである。
【0040】
また、図11に示すように、フラッシュ戸10の見込み寸法を規定する中桟18’,19’,20’および面材16a,16bを補強するためのコア23の各表裏面に一対の面材16a,16bをそれぞれ貼り合わせて構成したフラッシュパネルにも広く適用できるものである。この場合、中桟18’,19’,20’は、それぞれ断面が四角形状に形成されており、同中桟18’,19’,20’における面材16a、16bに対向する角部が取り除かれて傾斜面からなる逃げ部18’c,19’c,20’cが形成されている。これによっても、上記と同様に中桟18’,19’,20’による面材16a、16bの表面に生じるスジ状の痕を防止することができる。なお、このフラッシュ戸10’の外周面には、周囲縁30が嵌め込まれている。周囲縁30は、上下側周囲縁30a,30bおよび左右側周囲縁30c,30dから構成されており、面材16a,16bを中桟18’,19’,20’およびコア23に貼り付けた後、フラッシュ戸10’の外周面を保護するとともにフラッシュ戸10’の美観を向上させるために設けられる。
【0041】
また、この場合、コア23を中桟18’,19’,20’および面材16a,16bより変形し易い部材で構成するとともに、同コア23の見込み寸法を中桟18’,19’,20’より大きく設定してもよい。これによっても、上記と同様により効果的に中桟18’,19’,20’による面材16a、16bの表面に生じるスジ状の痕を防止することができる。
【0042】
また、上記実施形態においては、本発明に係るフラッシュパネルをフラッシュ戸10に適用した例を用いて説明したがフラッシュ構造からなるパネルであれば、これに限定されるものではない。例えば、建物に用いられるドアなどの他の建具、室内空間を仕切る間仕切りまたは家具に用いられる扉などにも広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態に係るフラッシュ戸を示す一部切り欠き正面図である。
【図2】図1の2−2線に沿って見たフラッシュ戸の縦断面図である。
【図3】図1の3−3線に沿って見たフラッシュ戸の横断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るフラッシュ戸の横断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るフラッシュ戸を示す一部切り欠き正面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るフラッシュ戸を示す一部切り欠き正面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係るフラッシュ戸を示す一部切り欠き正面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るフラッシュ戸を示す一部切り欠き正面図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るフラッシュ戸を示す一部切り欠き正面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係るフラッシュ戸を示す一部切り欠き正面図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係るフラッシュ戸を示す一部切り欠き正面図である。
【符号の説明】
【0044】
10,10’…フラッシュ戸、11…框、12,13…横框、12c,13c…逃げ部、14,15…縦框、14c,15c…逃げ部、16a,16b…面材、18,18’,19,19’,20,20’…中桟、18c,18’c,19c,19’c,20c,20’c…逃げ部、23,24,25,26,27,28…コア。
【技術分野】
【0001】
本発明は、四角形状に組まれた框の表裏面の一方または両方に面材を貼り合わせて構成したフラッシュパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物に用いられるドアや戸などの建具、室内空間を仕切る間仕切り、または家具に用いられる扉などには、フラッシュパネルが用いられている。フラッシュパネルは、枠状に形成された框の表裏面の一方または両方に薄板状の面材を貼り合わせて構成したフラッシュ構造からなるパネルである。一般に、前記建具、間仕切りおよび家具の扉などに用いられるフラッシュパネルは、四角形状に組まれた木製の框の内側に、同框を補強するための木製の中桟が框の互いに対向する辺の間に掛け渡されて構成されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1に記載のフラッシュパネルにおいては、4つの四角柱状の棒材を四角形状に組んだ框の略中央部に、同框の横方向に延びる四角柱状の中桟を組み付けて構成されている。また、同框と中桟とによって囲まれた空間には、ハニカム状に形成されたコアが設けられている。コアは、框の表裏面に貼り付けられる薄板状の一対の面材を補強するための部材であり、段ボールなどの紙材により構成されている。このように構成されたフラッシュパネルは、通常、四角形状に組まれた框の内側にコアを配した後、同框の表裏面に一対の面材をプレス加工によって貼り合わせて組み付けられる。
【特許文献1】特開平10−711号公報
【0004】
しかしながら、このプレス加工においては、面材は同面材の略全面に対して略均等に圧力が掛けられることによって框、中桟およびコアにそれぞれ押し付けられる。この場合、コアは、框および中桟に比べて変形し易い部材であるため、面材におけるコアに押し付けられている部分は、同面材における框および中桟に押し付けられている部分に比べて撓む量、すなわち変形する量が大きい。このため、框および中桟とコアとの境界部分、すなわち框および中桟の各角部に面材が強く押し付けられることによって同面材が変形して同各角部に沿ってスジ状の痕が生じることがある。この結果、フラッシュパネルの美観を著しく損ねるという問題があった。また、コアを用いないフラッシュパネルにおいても同様の問題があった。
【発明の開示】
【0005】
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、フラッシュパネルの美観を良好に維持しながら、面材を框にプレス加工することができるフラッシュパネルを提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、断面が四角形状の4つの棒材の各端部を互いに連結して四角形状に形成した框と、同框の表裏面の少なくともいずれか一方の面に貼り合わせた面材とからなるフラッシュパネルにおいて、前記棒材における框の内側の角部を取り除いたことにある。この場合、前記棒材における前記角部を取り除くことによって形成される面の面材に対する傾斜角を5°〜45°とするとよい。また、この場合、前記棒材の角部の形状を曲面としてもよい。
【0007】
このように構成した本発明の特徴によれば、框を構成する棒材の内側の角部、すなわち面材が貼り合わされる框の表裏面における内側の角部を取り除いている。このため、棒材における前記取り除かれた部分の形状は面形状となる。これにより、面材を框にプレス加工する際、面材におけるコアに押し当てられる部分または同コアなどの支持部材のない部分が、同面材における框に押し付けられる部分に比べて大きく撓み、すなわち変形した場合であっても、面材は前記角部が取り除かれた面に沿って変形し、同面材が前記角部に押し当てられる場合のように面材を変形させる力が一直線上に集中することがない。すなわち、この場合、面材は框の外縁部に対して面接触となる。この結果、面材の表面に框の角部によるスジ状の痕が形成されることが防止され、フラッシュパネルの美観を維持しながら、面材を框にプレス加工することができる。
【0008】
さらに、本発明においては、断面が四角形状の中桟を前記框を補強するために同框の内側に設け、同中桟における前記面材に対向する角部を取り除いて構成してもよい。この場合、前記中桟における前記角部を取り除くことによって形成される面の面材に対する傾斜角を5°〜45°とするとよい。また、この場合、前記中桟の角部の形状を曲面としてもよい。これによっても、上記と同様にして、面材の表面に中桟の角部によるスジ状の痕が形成されることが防止され、フラッシュパネルの美観を維持しながら、面材を框にプレス加工することができる。
【0009】
また、本発明の他の特徴は、前記面材を補強するための面材を前記框および前記面材の材料よりも変形し易い材料で框の見込み寸法より大きい見込み寸法に形成して框の内側に設けたことにある。この場合、前記框を、例えば、木材または木材を用いた木質系部材(例えば、MDF(Medium Density Fiberboard)、PB(Particle Board)、LVL(Laminated Veneer Lumber))により構成し、前記コアを、段ボールなどの紙材により構成するとよい。
【0010】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、コアは框および面材よりも変形し易い材料によって構成されているため、面材を框にプレス加工する際、面材はコアの端面部を押し潰しながら框に貼り合わされる。このため、押し潰されたコアの抵抗力によって、面材におけるコアに押し付けられる部分の撓み、すなわち変形する量は小さくなり、面材が框の角部に強く押し付けられることがなくなる。この結果、より面材の表面に框の角部によるスジ状の痕が形成されることが防止され、フラッシュパネルの美観を維持しながら、面材を框にプレス加工することができる。
【0011】
また、本発明の他の特徴は、一対の面材を、断面が四角形状に形成されフラッシュパネルの見込み寸法を規定する中桟および前記面材を補強するためのコアの各表裏面にそれぞれ貼り合わせて構成したフラッシュパネルにおいて、前記中桟における前記面材に対向する角部を取り除いたことにある。この場合、前記中桟における前記角部を取り除くことによって形成される面の面材に対する傾斜角を5°〜45°とするとよい。また、この場合、前記中桟の角部の形状を曲面としてもよい。また、この場合、前記コアを、前記中桟および前記面材の材料よりも変形し易い材料で前記中桟の見込み寸法より大きい見込み寸法に形成してもよい。
【0012】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、フラッシュパネルの見込み寸法を規定する中桟における面材に対向する角部を取り除いている。このため、前記框と同様に中桟における前記取り除かれた部分の形状は面形状となる。これによっても、上記と同様にして、面材の表面に中桟の角部によるスジ状の痕が形成されることが防止され、フラッシュパネルの美観を維持しながら、面材を中桟およびコアにプレス加工することができる。また、コアの見込み寸法を中桟の見込み寸法より大きくした場合にも、上記と同様にして、面材はコアの端面部を押し潰しながら中桟およびコアに貼り合わされるため、押し潰されたコアの抵抗力によって、面材におけるコアに押し付けられる部分の変形する量は小さくなり、面材が中桟の角部に強く押し付けられることがなくなる。この結果、より面材の表面に中桟の角部によるスジ状の痕が形成されることが防止され、フラッシュパネルの美観を維持しながら、面材を中桟およびコアにプレス加工することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るフラッシュパネルの一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るフラッシュパネルとしてのフラッシュ戸10を示す一部切り欠き正面図である。フラッシュ戸10は、家屋における部屋と部屋との間に設置されるもので、敷居の上をスライドさせることにより部屋と部屋との間を開閉するようになっている。
【0014】
このフラッシュ戸10の外形は、四角形状の枠状に形成された框11で構成されている。框11は、上下両側で左右方向に延びる横框12,13と、左右両側で上下方向に延びる縦框14,15とで構成されている。これら横框12,13および縦框14,15は、杉や桧などの木材、これらの木材を積層して形成した合板または集成材、またはMDF(Medium density Fiberboard)、PB(Particle Board)、LVL(Laminated Veneer Lumber)などの木質系部材を四角柱状に形成した棒材である。これら4つの横框12,13および縦框14,15の各端部を互いに連結して四角形状の框11が構成されている。本実施形態においては、框11の上下方向の寸法は2000mm、左右方向の寸法は800mm、見込み寸法(フラッシュ戸10の表裏面方向の厚さ寸法)は、25mmにそれぞれ設定されている。
【0015】
横框12,13および縦框14,15における各4つの面のうち、框11の表裏面を構成する互いに対向する2つの面は、同各面の内側部の角部がそれぞれ取り除かれた形状となっている。具体的には、図2および図3に示すように、後述する面材16a,16bが貼り付けられる横框12,13および縦框14,15の各2つの取付面12a,12b,13a,13b(図示せず),14a,14b,15a,15bにおける框11の内側の外縁部が、框11の内側に向かうに従って低くなるように傾斜して形成された逃げ部12c,13c,14c,15cとなっている。これらの逃げ部12c,13c,14c,15cは、それぞれ面材16a,16bに対して20°の傾斜角となるように形成されている。なお、この傾斜角は、框11,面材16a,16bの各材質および後述する面材16a,16bをプレスする際の圧力などに応じて適宜設定されるものであり、本実施形態のように框11および面材16a,16bの各材料を前記した木材または木質系部材とした場合には、5°〜45°の範囲が好ましい。
【0016】
框11の表裏面には、一対の面材16a,16bが貼り付けられている。面材16a,16bは、前記した木材または木質系部材などからなり、框11の外形に対応した四角形状に形成された薄板である。本実施形態においては、面材16a,16bの厚さ寸法は、2.5mmにそれぞれ設定されている。したがって、本実施形態に係るフラッシュ戸10の見込み寸法は、30mmである。この面材16a,16bの各表面には、それぞれ上下方向の略中央部における左右方向の一方側(図において右側)に、上下方向に長円形に形成された凹状の引き手17がそれぞれ設けられている。
【0017】
框11の内側には、上下方向に所定の間隔で左右方向に伸びる3つの中桟18,19,20がそれぞれ掛け渡されている。中桟18,19,20は、前記した木材または木質系部材を四角柱状に形成した部材であり、主として框11を補強するために設けられる。これらの中桟18,19,20のうち上側の中桟18および下側の中桟20は、それぞれ一端側が框11の縦框14に固定されているとともに、それぞれ他端側が框11の縦框15に固定されており、これら縦框14,15間の内寸法に対応した長さに形成されている。また、框11の上下方向の中央部に位置する中桟19は、その一端側が框11の縦框14に固定されているとともに、他端側が引き手アンコ21を介して框11の縦框15に固定されており、これら縦框14と引き手アンコ21との間の内寸法に対応した長さに形成されている。本実施形態においては、中桟18,20の長さは700mmにそれぞれ設定されており、中桟19の長さは620mmに設定されている。また、中桟18,19,20の見込み寸法(フラッシュ戸10の表裏方向の厚さ寸法)は、框11の見込み寸法と同じ25mmに設定されている。
【0018】
中桟18,19,20における各4つの面のうち、框11の表裏面を構成する互いに対向する2つの面は、前記横框12,13および縦框14,15と同様に各面における面材16a,16bに対向する各角部がそれぞれ取り除かれた形状となっている。具体的には、図2に示すように、面材16a,16bが貼り付けられる中桟18,19,20の各2つの取付面18a,18b,19a,19b(図示せず),20a,20b(図示せず)における框11および中桟18,19,20によって囲まれた各空間の内側の外縁部が、同各空間の内側に向かうに従って低くなるように傾斜させて形成した逃げ部18c,19c,20cとなっている。すなわち、中桟18,19,20の各四辺に逃げ部18c,19c,20cがそれぞれ形成されている。これらの逃げ部18c,19c,20cは、それぞれ面材16a,16bに対して20°の傾斜角となるように形成されている。なお、この傾斜角は、框11,面材16a,16bの各材質および後述する面材16a,16bをプレスする際の圧力などに応じて適宜設定されるものであり、本実施形態のように框11および面材16a,16bの材料を前記した木材または木質系部材とした場合には、5°〜45°の範囲が好ましい。
【0019】
引き手アンコ21は、前記引き手17に対応する位置で框11の縦框15の内側に固定されて設けられている。引き手アンコ21は、前記した木材または木質系部材を四角形状に形成した板材であり、引き手17を面材16a,16bにそれぞれ固定するために設けられる。この引き手アンコ21の両面には、引き手17の形状に対応する凹部が形成されており、引き手17は、この凹部に嵌め込まれることによって面材16a,16bに取り付けられる。この引き手アンコ21の見込み寸法は、框11の見込み寸法より小さく設定されており、本実施形態においては23mmに設定されている。
【0020】
框11の外周面には、化粧縁22が貼り付けられている。化粧縁22は、框11の外周面を覆って框11の外周面を保護するとともにフラッシュ戸10の美観を向上させるために設けられている。
【0021】
このように構成されたフラッシュ戸10の製造方法について説明する。まず、作業者は、フラッシュ戸10の各部分を構成する部材を予め設計された所定の形状に加工する。具体的には、框11を構成する横框12,13および縦框14,15、面材16a,16b、中桟18,19,20および引き手アンコ21を加工する。この場合、横框12,13、縦框14,15、面材16a,16b、中桟18,19,20および引き手アンコ21は、前記した木材または木質系部材が使用され、これらの材料を前記した所定の寸法の形状に加工する。この場合、横框12,13、縦框14,15は、所定の四角柱状に形成された後、框11の内側となる各2つの角部がカンナなどの道具を用いて削られて逃げ部12c,13c,14c,15cがそれぞれ形成される。また、中桟18,19,20も所定の四角柱状に形成された後、カンナなどの道具を用いて各四辺が削られて逃げ部18c,19c,20cがそれぞれ形成される。
【0022】
なお、横框12,13、縦框14,15および中桟18,19,20の材料として前記木質系部材を採用した場合には、同木質系部材をそれぞれ四角柱状に形成する工程において、各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cを含めた形状に形成することもできる。すなわち、横框12,13および縦框14,15を六角柱状に形成し、中桟18,19,20を八角柱状に形成する。これによれば、カンナなどを用いて各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cを形成する作業を省略することができる。
【0023】
次に、作業者は、框11を組み立てる。具体的には、横框12,13および縦框14,15の各端部を互いに連結して四角形状の枠状に組み付け、それらの内側における所定の位置に中桟18,19,20および引き手アンコ21を配置させる。そして、これらの横框12,13、縦框14,15、中桟18,19,20および引き手アンコ21の各接合部をタッカー釘および接着剤などにより固定する。
【0024】
次に、作業者は、框11の表裏面に面材16a,16bをそれぞれ貼り付ける。この面材16a,16bの貼り付け作業は、図示しないプレス機によって行われる。まず、作業者は、プレス機のベッド上における所定の位置に裏面を上方に向けて面材16a,16bの一方(例えば面材16a)をセットする。そして、ベッド上に載置された面材16aの裏面に接着剤を塗布する。
【0025】
次に、作業者は、框11の四隅と面材16aの四隅とを一致させてベッド上に載置された面材16aの裏面上に框11を載置する。そして、作業者は、他方の面材である面材16bの裏面に接着剤を塗布した後、同裏面を框11側に向けるとともに、面材16bの四隅と框11の四隅とを一致させて面材16bを框11上に載置する。そして、作業者は、プレス機を操作してベッド上にセットされた框11、面材16a,16bおよび中桟18,19,20に圧力を掛けて、面材16a,16bを框11および中桟18,19,20に貼り付ける。この場合、プレス機は、作業者により予め設定された圧力(例えば2〜5Kg/cm2)を面材16a,16bの全面に対して掛ける。これにより、面材16a,16bは、框11および中桟18,19,20に押し付けられる。
【0026】
この面材16a,16bのプレス工程においては、框11および中桟18,19,20によって囲まれた空間部分に対応する面材16a,16bの部分は、同面材16a,16bにおける框11および中桟18,19,20に押し付けられる部分に比べて撓む量、すなわち変形する量が大きい。このため、同空間と框11および中桟18,19,20との境界部分、すなわち框11の内側の各逃げ部12c,13c,14c,15cおよび中桟18,19,20の各逃げ部18c,19c,20cに面材16a,16bが押し付けられる。
【0027】
この場合、各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cは、框11および中桟18,19,20によって囲まれた各空間の内側に向かうに従って低くなるように傾斜しているため、面材16a,16bが同各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cに強く押し付けられることがない。また、これらの各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cは、それぞれ面形状に形成されているため、同各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cと面材16a,16bとは面接触となる。このため、面材16a,16bは、各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cの傾斜面に沿って変形し、同面材16a,16bが前記角部に押し当てられる場合のように面材16a,16bを変形させる力が一直線上に集中しない。この結果、面材16a,16bの表面に框11および中桟18,19,20の角部によるスジ状の痕が生じることが防止され、フラッシュ戸10の美観を維持しながら、面材16a,16bを框11にプレス加工することができる。
【0028】
このプレス加工の後、作業者は、プレス機から面材16a,16bが貼り付けられた框11を取り出し、引き手17および化粧縁21の取り付けなど他の必要な作業を施工してフラッシュ戸10を完成させる。なお、このフラッシュ戸10の製造工程は、一例を示すに過ぎず、各工程は適宜変更して行われてもよい。例えば、面材16a,16bにそれぞれ塗布される接着剤は、框11の表裏面にそれぞれ塗布されていてもよい。
【0029】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0030】
上記実施形態においては、逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cを框11および中桟18,19,20によって囲まれた各空間の内側に向かうに従って低くなるように傾斜した傾斜面としたが、これに限定されるものではない。例えば、図4に示すように、逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cの各形状を框11および中桟18,19,20によって囲まれた各空間の内側に向かうに従って低くなるような曲面形状に形成してもよい。すなわち、面材16a,16bと各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cとの接触を面接触として、面材16a,16bを変形させる力が、同面材16a,16b上の一点または一直線上に集中しないような形状であればよい。これによっても、上記と同様の効果が期待できる。
【0031】
また、上記実施形態においては、框11、中桟18,19,20および面材16a,16bにより構成されるフラッシュ戸10に、本発明を適用した例を用いて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、框11の内側に面材16a,16bを補強するためのコアを備えたフラッシュ戸10にも本発明を適用することもできる。
【0032】
この場合、前記コアを框11および面材16a,16bより変形し易い部材で構成するとともに、同コアの見込み寸法を框11より大きく設定するとよい。例えば、図5に示すように、格子状に形成されたコア23を框11と中桟18,19,20とによって囲まれた4つの空間にそれぞれ配置する。コア23は、上下方向に一定間隔で左右方向に延びる3つの横桟23aと、左右方向に一定間隔で上下方向に延びる7つの縦桟23bとが、格子状に組み付けられて構成されている。横桟23aおよび縦桟23bは、框11および面材16a,16bよりも変形し易い材料である段ボールを略長方形状に形成した薄板状の部材である。また、このコア23の見込み寸法は、框11の見込み寸法(25mm)より0.5mmだけ大きい25.5mmに設定されている。コア23の外形は、框11と中桟18,19,20とによって囲まれた内側の形状に対応する形状、すなわち四角形状に形成されている。
【0033】
なお、コア23の材料は、框11および面材16a,16bより変形し易い材料であればよく、框11および面材16a,16bの材料として、前記した木材または木質系部材を採用した場合には、段ボール、ボール紙などの紙材の他に、ゴム、発泡スチロールなどを用いてもよい。また、コア23の見込み寸法も框11の見込み寸法より大きい寸法に設定すればよいが、框11の見込み寸法より0.2〜1.0mmだけ大きく設定することが好ましい。
【0034】
これによれば、コア23の端面が框11の表裏面の一方から突出しているとともに、同コア23が面材16a,16bより変形し易い材料で構成されているため、面材16a,16bのプレス工程の際、面材16a,16bは、コア23の端面を押し潰しながら框11の表裏面の一方に押し当てられる。この場合、面材16a,16bにおけるコア23に押し付けられている部分は、押し潰されたコア23の抵抗力により撓む量が小さく抑えられている。このため、框11および中桟18,19,20の各逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cに面材16a,16bが強く押し付けられることがない。この結果、より効果的に面材16a,16bの表面に生じるスジ状の痕を防止することができ、フラッシュ戸10の美観を維持しながら、面材16a,16bを框11にプレス加工することができる。
【0035】
なお、このコア23は、図5に示した格子状の他に、例えば、図6に示すように、ハニカム状に形成したコア24を用いるようにしてもよい。また、図7に示すように、波形に形成したコア25を用いるようにしてもよいし、図8に示すように、ティアドロップ形(雫形)に形成したコア26を用いるようにしてもよい。また、図9に示すように、薄板で形成したコア27を框11の上下方向に所定の間隔で左右方向に掛け渡して設けるようにしてもよい。この場合、コア27を左右方向に所定の間隔で上下方向に掛け渡して設けるようにしてもよい。また、図10に示すように、円筒状に形成したコア28を用いるようにしてもよい。この場合、框11と中桟18,19,20とによって囲まれた空間内に、コア28を隙間なく詰め込んで用いてもよいし、同空間内に点在させて用いるようにしてもよい。
【0036】
また、上記実施形態においては、中桟18,19,20の見込み寸法を框11の見込み寸法と同じ寸法としたが、これに限定されるものではない。例えば、これらの中桟18,19,20の見込み寸法を、框11の見込み寸法より小さく設定してもよい。これによれば、面材16a,16bを框11および中桟18,19,20にプレス加工する際、面材16a,16bが中桟18,19,20に押し当てられる力が小さくなるため、より効果的に中桟18,19,20による面材16a、16bの表面に生じるスジ状の痕を防止することができる。
【0037】
また、上記実施形態においては、面材16a,16bのプレス加工において、同面材16a,16bが押し当てられる框11および中桟18,19,20に傾斜面からなる逃げ部12c,13c,14c,15c,18c,19c,20cを設けるようにしたが、面材16a,16bが押し当てられる部材であれば、これに限定されるものではない。例えば、引き手アンコ21の角部を取り除いて傾斜面としてもよい。
【0038】
また、上記実施形態においては、本発明に係るフラッシュパネルとして框11の内側に中桟18,19,20を備えたフラッシュ戸10を用いて説明したが、中桟18,19,20が配置される向き、位置および数などは、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、中桟18,19,20が配置される向き、位置および数が異なるフラッシュパネルおよび中桟18,19,20を備えていないフラッシュパネルにも広く適用できるものである。
【0039】
また、上記実施形態においては、本発明に係るフラッシュパネルとして框11の表裏面に一対の面材16a,16bを貼り合わせたフラッシュ戸10を用いて説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、框11の表裏面の一方に面材を貼り合わせて構成したフラッシュパネルにも広く適用できるものである。
【0040】
また、図11に示すように、フラッシュ戸10の見込み寸法を規定する中桟18’,19’,20’および面材16a,16bを補強するためのコア23の各表裏面に一対の面材16a,16bをそれぞれ貼り合わせて構成したフラッシュパネルにも広く適用できるものである。この場合、中桟18’,19’,20’は、それぞれ断面が四角形状に形成されており、同中桟18’,19’,20’における面材16a、16bに対向する角部が取り除かれて傾斜面からなる逃げ部18’c,19’c,20’cが形成されている。これによっても、上記と同様に中桟18’,19’,20’による面材16a、16bの表面に生じるスジ状の痕を防止することができる。なお、このフラッシュ戸10’の外周面には、周囲縁30が嵌め込まれている。周囲縁30は、上下側周囲縁30a,30bおよび左右側周囲縁30c,30dから構成されており、面材16a,16bを中桟18’,19’,20’およびコア23に貼り付けた後、フラッシュ戸10’の外周面を保護するとともにフラッシュ戸10’の美観を向上させるために設けられる。
【0041】
また、この場合、コア23を中桟18’,19’,20’および面材16a,16bより変形し易い部材で構成するとともに、同コア23の見込み寸法を中桟18’,19’,20’より大きく設定してもよい。これによっても、上記と同様により効果的に中桟18’,19’,20’による面材16a、16bの表面に生じるスジ状の痕を防止することができる。
【0042】
また、上記実施形態においては、本発明に係るフラッシュパネルをフラッシュ戸10に適用した例を用いて説明したがフラッシュ構造からなるパネルであれば、これに限定されるものではない。例えば、建物に用いられるドアなどの他の建具、室内空間を仕切る間仕切りまたは家具に用いられる扉などにも広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態に係るフラッシュ戸を示す一部切り欠き正面図である。
【図2】図1の2−2線に沿って見たフラッシュ戸の縦断面図である。
【図3】図1の3−3線に沿って見たフラッシュ戸の横断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るフラッシュ戸の横断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るフラッシュ戸を示す一部切り欠き正面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るフラッシュ戸を示す一部切り欠き正面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係るフラッシュ戸を示す一部切り欠き正面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るフラッシュ戸を示す一部切り欠き正面図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るフラッシュ戸を示す一部切り欠き正面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係るフラッシュ戸を示す一部切り欠き正面図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係るフラッシュ戸を示す一部切り欠き正面図である。
【符号の説明】
【0044】
10,10’…フラッシュ戸、11…框、12,13…横框、12c,13c…逃げ部、14,15…縦框、14c,15c…逃げ部、16a,16b…面材、18,18’,19,19’,20,20’…中桟、18c,18’c,19c,19’c,20c,20’c…逃げ部、23,24,25,26,27,28…コア。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面が四角形状の4つの棒材の各端部を互いに連結して四角形状に形成した框と、
前記框の表裏面の少なくともいずれか一方の面に貼り合わせた面材とからなるフラッシュパネルにおいて、
前記棒材における前記框の内側の角部を取り除いたことを特徴とするフラッシュパネル。
【請求項2】
請求項1に記載のフラッシュパネルにおいて、
前記棒材における前記角部を取り除くことによって形成される面の前記面材に対する傾斜角を5°〜45°としたフラッシュパネル。
【請求項3】
請求項1または2に記載のフラッシュパネルにおいて、さらに、
断面が四角形状の中桟を前記框を補強するために同框の内側に設け、同中桟における前記面材に対向する角部を取り除いたフラッシュパネル。
【請求項4】
請求項3に記載のフラッシュパネルにおいて、
前記中桟における前記角部を取り除くことによって形成される面の前記面材に対する傾斜角を5°〜45°としたフラッシュパネル。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれか1つに記載のフラッシュパネルにおいて、さらに、
前記面材を補強するコアを前記框および前記面材の材料よりも変形し易い材料で前記框の見込み寸法より大きい見込み寸法に形成して前記框の内側に設けたフラッシュパネル。
【請求項6】
一対の面材を、断面が四角形状に形成されフラッシュパネルの見込み寸法を規定する中桟および前記面材を補強するためのコアの各表裏面にそれぞれ貼り合わせて構成したフラッシュパネルにおいて、
前記中桟における前記面材に対向する角部を取り除いたフラッシュパネル。
【請求項7】
請求項6に記載のフラッシュパネルにおいて、
前記中桟における前記角部を取り除くことによって形成される面の前記面材に対する傾斜角を5°〜45°としたフラッシュパネル。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のフラッシュパネルにおいて、
前記コアを、前記中桟および前記面材の材料よりも変形し易い材料で前記中桟の見込み寸法より大きい見込み寸法に形成したフラッシュパネル。
【請求項1】
断面が四角形状の4つの棒材の各端部を互いに連結して四角形状に形成した框と、
前記框の表裏面の少なくともいずれか一方の面に貼り合わせた面材とからなるフラッシュパネルにおいて、
前記棒材における前記框の内側の角部を取り除いたことを特徴とするフラッシュパネル。
【請求項2】
請求項1に記載のフラッシュパネルにおいて、
前記棒材における前記角部を取り除くことによって形成される面の前記面材に対する傾斜角を5°〜45°としたフラッシュパネル。
【請求項3】
請求項1または2に記載のフラッシュパネルにおいて、さらに、
断面が四角形状の中桟を前記框を補強するために同框の内側に設け、同中桟における前記面材に対向する角部を取り除いたフラッシュパネル。
【請求項4】
請求項3に記載のフラッシュパネルにおいて、
前記中桟における前記角部を取り除くことによって形成される面の前記面材に対する傾斜角を5°〜45°としたフラッシュパネル。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれか1つに記載のフラッシュパネルにおいて、さらに、
前記面材を補強するコアを前記框および前記面材の材料よりも変形し易い材料で前記框の見込み寸法より大きい見込み寸法に形成して前記框の内側に設けたフラッシュパネル。
【請求項6】
一対の面材を、断面が四角形状に形成されフラッシュパネルの見込み寸法を規定する中桟および前記面材を補強するためのコアの各表裏面にそれぞれ貼り合わせて構成したフラッシュパネルにおいて、
前記中桟における前記面材に対向する角部を取り除いたフラッシュパネル。
【請求項7】
請求項6に記載のフラッシュパネルにおいて、
前記中桟における前記角部を取り除くことによって形成される面の前記面材に対する傾斜角を5°〜45°としたフラッシュパネル。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のフラッシュパネルにおいて、
前記コアを、前記中桟および前記面材の材料よりも変形し易い材料で前記中桟の見込み寸法より大きい見込み寸法に形成したフラッシュパネル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−299683(P2006−299683A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−124455(P2005−124455)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【出願人】(300051526)有限会社静岡フスマ商会 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【出願人】(300051526)有限会社静岡フスマ商会 (6)
【Fターム(参考)】
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