説明

フルオロポリマーでコーティングした物品

物品はファブリックおよびその上のフルオロポリマーコーティング層を含む。このファブリックは、ヤーンを含むウォーブンファブリックである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にフルオロポリマーでコーティングした物品、詳細にはクッキングシート、コンベヤベルトおよびグリルシートに関する。
【背景技術】
【0002】
レストラン業界そして特にクイックサービスレストランにおいては、ビジネスは、より一貫した形で食品(food)を調理するさらに高速の方法へと方向転換しつつある。さらに、このようなビジネスは、後片付け作業を含めた作業の能率化を追求している。1つの特定例としては、ハンバーガーが多くの場合、上面および底面の両方から熱を供給するクラムシェル型2プラテングリル内で調理されている。典型的なグリル上では、ハンバーガーは両方の表面に付着する。2プラテングリルの上面プラテン上に付着防止表面が無いかぎり、ハンバーガーは、グリルを開いた時に二切れに引き裂かれ、ハンバーガーの一部分が上面および底面の両方のプラテンに付着すると考えられる。
【0003】
したがって、業界は、上面プラテンを付着防止表面にすることを考えた。一例では、グリルシートが使用されている。1つの従来のアプローチは、上面プラテンに挟持されるPTFEでコーティングされたホイルを利用している。別の例においては、上面プラテンには、ガラス繊維で強化されたPTFEシートが被覆されていてよい。しかしながら、上面グリルシートを底面プラテン上で使用した場合、このような製品は良好な性能を発揮しなかった。
【0004】
底面プラテンは多くの場合粗く処理されている。料理人はスパチュラで底面プラテン上を掻き取ることが多い。さらに、底面プラテンは、より勢いよく清浄されることが多い。その上底面プラテンはグリル上で調理されているハンバーガーなどの食品から発散する大量の油脂に曝露されることが多い。現在、クイックサービス業界は底面プラテングリルシートを使用していない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの特定の実施形態において、物品には、複数のヤーンを含むファブリックが含まれている。複数のヤーンの各々のヤーンは複数のフィラメントを含む。複数のフィラメントの各々のフィラメントは、フルオロポリマー糊剤塗膜を含む。この物品は同様に、ファブリック上のフルオロポリマーコーティング層も含んでいる。
【0006】
別の例示的実施形態において、クッキングシートには、平面ガラスファブリックおよびその上のフルオロポリマーコーティング層が含まれる。平面ガラスファブリックは複数のヤーンを含む。複数のヤーンの各々のヤーンは、複数のガラスフィラメントを含む。複数のガラスフィラメントの各々のガラスフィラメントはフルオロポリマー糊剤塗膜を含む。フルオロポリマーコーティング層はペルフルオロポリマーを含む。クッキングシートは、少なくとも10lbsの縦方向折皺引張り強度を示し、吸上げ合格評定を有する。
【0007】
別の例示的実施形態において、物品の形成方法には、ファブリックを送り出すステップが含まれる。ファブリックには複数のヤーンが含まれる。複数のヤーンの各々のヤーンは複数のフィラメントを含む。複数のフィラメントの各々のフィラメントは、フルオロポリマー糊剤塗膜を有する。この方法には、ファブリックをフルオロポリマーコーティング層でコーティングするステップも含まれている。
【0008】
追加の実施形態において、調理方法は、グリルの調理表面上に調理シートを設置するステップと、グリルを加熱するステップと、クッキングシート上に食料品(food article)を設置するステップとを含む。クッキングシートは、ファブリックおよびその上のフルオロポリマーコーティング層を含む。ファブリックは、複数のヤーンを含む。複数のヤーンの各々のヤーンは複数のフィラメントを含み、複数のフィラメントの各々のフィラメントはフルオロポリマー糊剤塗膜を含む。
【0009】
添付図面を参照することによって、本開示がより良く理解され、その数多くの特徴および利点が当業者に明らかとなるかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】例示的クッキングシートの図解を含む。
【図2】例示的クッキングシートの図解を含む。
【図3】例示的クラムシェルグリルの図解を含む。
【0011】
異なる図面中に同じ参照番号が使用されている場合、それは、類似のまたは同一の品目を表わす。
【発明を実施するための形態】
【0012】
特定の実施形態において、クッキングシートには、フルオロポリマーコーティング層でコーティングされたファブリックが含まれている。一実施例において、このファブリックは、ガラスフィラメントなどの複数のフィラメントを含むヤーンから形成される。この複数のフィラメントの各々のフィラメントは糊剤塗膜を有し、この糊剤塗膜は例えばフルオロポリマーを含んでいてよい。特定の実施形態において、各フィラメントは、ヤーンの中に取込まれる前に予備コーティングされ、このヤーンはその後ファブリック内に取込まれる。さらなる実施形態では、ファブリックは平面ガラスファブリックであってよい。例えば、各々のヤーンは、撚り合わされていないフィラメントで形成されていてよい。ファブリックは、フルオロポリマーコーティング層、例えばペルフルオロポリマーのコーティング層でコーティングされる。一実施例において、ペルフルオロポリマーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)またはペルフルオロアルコキシ(PFA)である。さらに、クッキングシートは、フルオロポリマーで形成されたトップコートを含んでいてよい。一実施例において、このトップコートはペルフルオロアルコキシを含む。特定の実施例において、クッキングシートはクラムシェルグリル内に取込まれる。
【0013】
さらなる実施形態において、食料品の調理方法には、グリルのプラテン上にクッキングシートを設置するステップ、グリルを加熱するステップおよびクッキングシート上に食料品を置くステップが含まれる。クッキングシートは、フルオロポリマーコーティング層でコーティングされたファブリックを含む。さらに、グリルプラテン上にクッキングシートを設置するステップには、グリルプラテンまたはクッキングシートに薄い油層を塗布するステップおよびクッキングシートとグリルプラテンの間に薄い油層が配置されている状態でグリルプラテン上にクッキングシートを設置するステップが含まれていてよい。
【0014】
図1に示されている実施形態においては、クッキングシート100は、フルオロポリマーコーティング層104でコーティングされたファブリック110を含む。任意には、トップコート102がフルオロポリマーコーティング層104の上に配置されるつまりそれに重畳していてよく、任意には、アンダーコート114がフルオロポリマーコーティング層104の下に配置されるつまりその基礎となっていてよい。図示されているように、トップコート102は調理表面108を形成する。任意のトップコート102が無い場合、フルオロポリマーコーティング層104が調理表面108を形成してよい。さらに、任意のアンダーコート114は、図示されている通り、グリルとのグリル接触表面112を形成する。任意のアンダーコート114が無い場合、フルオロポリマーコーティング層104がグリル接触表面112を形成してよい。
【0015】
ファブリック110は複数のヤーン106を含む。一実施例においては、ヤーン106は織り合わされてファブリックを形成する。ヤーン106は図1で均等に分布するものとして示されているが、束になっていてもよい。特定の実施例では、ファブリック110は、平面ガラスファブリックであり、ここでヤーン106は撚ることなくヤーン106の中に取込まれているフィラメントを含み、ヤーン106は撚ることなくファブリック110内に取込まれている。例えば、ヤーン106は、撚ることなくファブリック110に製織されてよい。結果として、結び目、節およびこぶは、典型的な撚りヤーン上に見られるものに比べて目立たない。
【0016】
特定の実施形態において、ヤーン106の各々のフィラメントは、ヤーン106内またはファブリック110内への取込みの前に前処理されてよい。例えば各フィラメントに、糊剤塗膜がコーティングされてもよい。特定の実施例では、糊剤塗膜は、ペルフルオロポリマーなどのフルオロポリマーを含む。一実施例では、フルオロポリマーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはそれらのコポリマーまたは配合物である。別の実施例においては、糊剤塗膜は、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)コポリマーまたはその配合物を含む。
【0017】
特定の実施形態において、ファブリックは、0.7osy〜2.3osyの範囲内の重量、例えば0.8osy〜1.5osyの重量、さらには1.0osy〜1.5osyの重量を有する。ファブリックは、1インチあたり20〜80本の範囲内、例えば1インチあたり30〜70本さらには40〜65本の範囲内のヤーンを有していてよい。さらに、ファブリックは、1.0ミル〜3.0ミルの範囲例えば1.0ミル〜2.0ミルの範囲、または特に1.5ミル〜2.0ミルの範囲内の厚みを有していてよい。
【0018】
ファブリックは、同様に表面積の1%〜30%の間を形成する開放部域を有していてもよい。例えば、ファブリックの開放部域は、3%〜20%の範囲内、例えば3%〜10%の範囲内にあってよい。フルオロポリマーコーティング層でコーティングした後、クッキングシートは、開口部が実質的に無い状態、開放部域0%などであってよい。
【0019】
任意には、ファブリック110は全体として、カップリング剤を用いて前処理されてよい。例えば、ファブリック110は、シランカップリング剤を用いて前処理されてよい。
【0020】
図示されているように、ファブリック110は、フルオロポリマーコーティング層104の内部に取込まれている。あるいは、フルオロポリマーコーティング層をファブリック110のいずれかの側に位置づけしてもよい。詳細には、ファブリック110は、グリル表面112により近いところにあるかまたは配置されてもよい。
【0021】
一実施形態において、フルオロポリマーコーティング層104はフルオロポリマーを含む。例示的フルオロポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、タ−ポリマー、またはモノマーから形成されたポリマー配合物、例えばテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ビニリデンフルオリド、ビニルフルオリド、ペルフルオロプロピルビニルエーテル、ペルフルオロメチルビニルエーテルまたはそれらの任意の組合せで形成されてよい。例示的フルオロポリマーには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロプロピルビニルエーテルのコポリマー(PFA)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロメチルビニルエーテルのコポリマー(MFA)、エチレンとテトラフルオロエチレンのコポリマー(ETFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンのコポリマー(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびビニリデンフルオリドを含むターポリマー(THV)またはそれらの任意の配合物または任意のアロイが含まれる。一実施例では、フルオロポリマーには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、PFA、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)またはそれらの任意の組合せが含まれる。詳細には、フルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、PFAまたはそれらの任意の組合せを含む。さらなる実施形態において、フルオロポリマーはペルフルオロポリマー例えばPTFEまたはFEPであってよい。
【0022】
特定の一実施例において、フルオロポリマーはペルフルオロポリマーを含む。例えば、ペルフルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシポリマーまたはそれらの任意の配合物またはコポリマーを含んでいてよい。特定の実施例において、フルオロポリマーコーティング層104にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が含まれる。
【0023】
任意には、トップコート102がフルオロポリマーコーティング層104の上面に形成される、つまりそれに重畳していてよい。一実施例において、トップコート102はフルオロポリマー例えばフルオロポリマーを含む。特定の実施例において、トップコート102は熱可塑性加工可能フルオロポリマーを含む。例えばトップコート102は、ペルフルオロアルコキシ(PFA)またはその配合物またはコポリマーを含んでいてよい。同様に、アンダーコート114はフルオロポリマーコーティング層104の下に形成される、つまりその基礎となっていてよい。一実施例において、アンダーコート114は、フルオロポリマー例えばペルフルオロポリマーを含む。特定の実施例において、アンダーコート114は、熱可塑性加工可能フルオロポリマーを含む。例えば、アンダーコート114は、ペルフルオロアルコキシ(PFA)またはその配合物またはコポリマーを含んでいてよい。一実施例において、アンダーコート114およびトップコート102は、フルオロポリマーコーティング層104の両側に対称的な層を形成する。あるいは、アンダーコート114およびトップコート102は、フルオロポリマーコーティング層104のまわりに非対称の層を形成する。さらなる実施例において、クッキングフイルム100は、トップコート102およびアンダーコート114の一方または他方、両方を含んでいてよく、あるいはいずれも含まなくてもよい。
【0024】
ファブリックの性質をさらに示すため、図2には、フルオロポリマーコーティング層204と任意のトップコート202を含むクッキングシート200の一部分の図解が含まれている。さらに、ファブリックのヤーン210が示されている。各々のヤーン210は、複数のフィラメント206を含む。各フィラメント206には、糊剤塗膜208が含まれる。特定の実施例において、フィラメント206は、ガラス繊維などのガラスで形成されていてよい。各々のフィラメント206は、ファブリックの内部に取込まれるヤーン210の内部に取込まれる前に、糊剤塗膜208でコーティングされる。例えば、フィラメント206は、加工または形成の直後にコーティングされてよい。詳細には、各フィラメント206は個別に糊剤塗膜208を含んでいる。このような糊剤塗膜208は、単一の糊剤塗膜マトリックスの内部に2つ以上のフィラメントが取込まれてよいヤーンの糊剤塗膜全般と対照的である。したがって、個別の糊剤塗膜208を有する各々のフィラメント206が、1本のヤーン210、例えばファブリックの形に製織されてよい撚りの無いヤーンの中に取込まれてよい。
【0025】
図1に戻ると、クッキングシート100は所望の特徴を示していてよい。詳細には、クッキングシート100は3.2ミル以下の厚みを有する。例えば、厚みは3.0ミル以下、例えば2.8ミル以下であってよい。さらに、クッキングシート100の調理表面108は、ミツトヨ製サーフテストSJ201Pにより測定した場合に100マイクロインチ以下の表面粗度(Ra)を有していてよい。例えば、表面粗度(Ra)は、70マイクロインチ以下であってよい。
【0026】
さらに、クッキングシート100は、所望の機械的特性を示す。例えばクッキングシート100は、縦方向と横方向の両方で所望の引張り強度を有していてよい。さらにクッキングシート100は、所望の台形引裂強度を有していてよい。さらに、クッキングシート100は、損傷(distress)後も所望の機械的特性を保持していてよい。例えば、クッキングシート100は、所望の折皺引張り強度および折皺台形引裂強度を示してよい。さらに、クッキングシート100は、所望のMIT屈曲性能を示してよい。
【0027】
特定の実施形態において、引張り強度はASTM D902を用いて測定されてよい。クッキングシート100は、少なくとも30lbs、例えば少なくとも50lbsの縦方向引張り強度を有していてよい。さらなる実施例において、横方向引張り強度は、少なくとも45lbs、例えば少なくとも65lbs、さらには少なくとも70lbsであってよい。
【0028】
クッキングシート100は、ASTM D4649として改定されたASTM D751に準じて測定された場合に望ましい台形引裂強度を有していてよい。例えば、クッキングシート100の台形引裂強度は、少なくとも3.5lbs例えば少なくとも4.0lbsであってよい。
【0029】
さらに、クッキングシート100は、折皺などの損傷の後に、所望の引張り強度および台形引裂強度を示してよい。詳細には、引張り強度および台形引裂強度は、折り目に対して平行に10lbのローラーを適用して1回折皺をつけた後に測定されてよい。10lbのローラーで折皺をつけた後の材料の引張り強度を折皺引張り強度として示し、折皺をつけた後の台形引裂強度を折皺台形引裂強度として示す。詳細には、クッキングシート100は、少なくとも10lbs、例えば少なくとも15lbs、さらには少なくとも17lbsの縦方向折皺引張り強度を有していてよい。さらにクッキングシート100は、少なくとも0.5lbs例えば少なくとも1.0lbsの折皺台形引裂強度を示してよい。
【0030】
損傷下のクッキングシート100の耐久性を、MIT屈曲性能によって特徴づけしてもよい。例えば、クッキングシート100は、少なくとも10,000、例えば少なくとも15,000、少なくとも20,000、さらには少なくとも25,000のMIT屈曲性能を有していてよい。MIT屈曲性能は、ASTM D2176−63Jの耐折強度試験にしたがって、幅1/2インチの供試体上で2ポンドを反復することにより測定される。
【0031】
クッキングシート100は、所望の剛性またはドレープ性を示してよい。例えば、クッキングシート100の剛性は、連邦試験方法191−5206により測定した場合に少なくとも70mmであってよい。詳細には、クッキングシート100の剛性は少なくとも73mm、例えば少なくとも74mm、少なくとも75mm、さらには少なくとも77mmであってよい。一般に、剛性は200mm以下である。
【0032】
さらに、クッキングシート100は、調理性能について試験された場合に、良好な性能を示す。詳細には、クッキングシート100は、油脂の吸上げおよび油脂の炭化に対する耐性を有し、かつハンバーガーに対し所望の焦げ目を提供する。一実施例においては、以下の実施例の中で記述される通り、400°Fで16時間グリルシートを高温油脂に付すことによって吸上げ試験を行う。油脂は、ファブリックまたはクッキングシート中に吸上げられると、ファブリックを炭化させ弱化させる傾向をもつ。さらに油脂は、ファブリックおよび個々のフィラメントの両方を変色させる傾向をもつ。以上で記述したクッキングシート100の実施形態は吸上げをほとんどまたは全く示さず、油脂の炭化もほとんどまたは全く示さず、フィラメントまたはファブリックの変色もほとんどまたは全く示さない。したがってクッキングシート100の実施形態は、吸上げ評定において合格評定を受けている。吸上げ評定は、以下の実施例で概略的に示した方法にしたがって決定される。同様に、クッキングシートの実施形態は、以下の実施例で記述されている染料浸透評定についても合格評定を示している。
【0033】
耐久性は、典型的な調理条件下でクッキングシート100を試験することによって決定されてよい。詳細には、耐久性は、24時間クイックサービスレストランにおいて一次グリル上にクッキングシート100を設置することによって決定される。クッキングシート100の実施形態は、実質的な分解無く少なくとも5日、例えば7日間の耐久性を示す。
【0034】
さらなる実施例においては、クッキングシート100は、少なくとも2500Vの絶縁耐力を示す。例えば絶縁耐力は、2500V〜6000Vの範囲内、例えば3000V〜6000Vの範囲内にあってよい。一実施例においては、所望の絶縁耐力が、フルオロポリマー層の圧密および不純物の不在を表わしてよい。
【0035】
さらに、クッキングシート100は、所望の調理性能を提供し、ハンバーガーなどの調理済み食料品に所望の表面テクスチャーおよび焦げ目を提供する。焦げ目評定は、以下で記述する方法にしたがって決定され、プラテン上での直接的調理に比較したクッキングシート100上で調理される食料品の焦げ目の性質を表わす。例えば、焦げ目合格評定とは、クッキングシート100上で調理された場合の食料品の焦げ目が、プラテン上で直接調理された場合の焦げ目に類似していることを表わす。焦げ目の不合格評定は、クッキングシート上での過剰な調理または焦げ目、あるいは不充分な焦げ目を表わしてよい。詳細には、焦げ目は、調理された物品の相対的な色の濃さによって目視で決定されてよい。
【0036】
特定の一実施形態において、クッキングシートは、グリルの表面に適用されてよい。例えば、グリルは、図3に示されているようなクラムシェルグリル300であってよい。一実施例においてはグリルは上面プラテン302および下部プラテン304を含む。グリルプラテン(302,304)が加熱される。食料品310がグリルプラテン(302,304)の間に配置され、この食料品310を調理するためにその周囲でグリルプラテン(302,304)は閉じられる。
【0037】
食料品310と上面グリルプラテン302の間にクッキングシート306を配置してよい。詳細には、クッキングシート306を上面プラテン302に機械的に連結してもよい。
【0038】
下部プラテン304の上にクッキングシート308を適用してもよい。一実施例においては、クッキングシート308を下部プラテン304に機械的に連結してもよい。あるいは、クッキングシート308を下部プラテン304に付着させてもよい。例えば、下部グリルプラテン304とクッキングシート308の間に液体耐高温性油の薄層を塗布し、表面張力を介してクッキングシート308を下部グリルプラテン304に有効に付着させてもよい。
【0039】
実際には、クッキングシート(306,308)は、それぞれのプラテン(302,304)に適用され、プラテン(302,304)は加熱される。食料品310がクッキングシート308の上面上およびクッキングシート306の下側でプラテンの間に置かれ、プラテン(302,304)は、一緒になって食料品310の上面および底面表面のそれぞれを加熱する。ひとたび調理された時点で、クラムシェルグリルは開かれ、上面プラテン302を下部プラテン304から分離させる。食料品は取出され、グリルシート306および308を所定の場所に残す。
【0040】
グリルシートは、ファブリック例えば個別に糊剤コーティングされたフィラメントを含む平面ガラス繊維ファブリックを送り出すステップを含む方法によって形成されてよい。ファブリックは、フルオロポリマーを含む分散中に浸漬被覆させてよい。ファブリックから余剰の分散を計量掻き取り(metered)してよく、フルオロポリマー分散を加熱して溶剤を放出させ、フルオロポリマーを圧密してよい。コーティングプロセスは、1回以上、例えば少なくとも2回、さらには少なくとも3回実施されてよい。任意には、コーティングされたファブリックの片方または両方の表面全体にわたり、トップコートを適用してよい。例えば、コーティングされたファブリックを浸漬被覆して異なるフルオロポリマーを含み入れてよい。あるいは、コーティングされたファブリックにフルオロポリマーフイルムをラミネートさせてもよいし、あるいは、コーティングされたファブリックの1つ以上の表面上にトップコートを押出し加工してもよい。
【0041】
特定の実施例において、クッキングシートは、キャリアウェブまたは補強材料(例えばファブリック)に、フッ素化ポリマーなどの低表エネルギー、低摩擦係数の材料をコーティングするプロセスを通して形成される。PTFEが、このようなフッ素化ポリマーの一種である。キャリアウェブまたは補強材料は、ロールから繰り出され、液体媒質中に分散されたフッ素化ポリマー粒子を含む懸濁液で少なくとも片側がコーティングされている。1つの特定の実施形態においては、この懸濁液には、界面活性剤を添加したDupont(登録商標)TE3859PTFE水性分散が含まれる。あるいは、懸濁液は界面活性剤を含まなくてよい。
【0042】
キャリアウェブから余剰の懸濁液を除去するために、ブレードまたは計量棒が位置づけされている。このとき懸濁液は乾燥され焼結されて、キャリアウェブ上に層を形成する。1つの特定の実施形態においては、コーティングされた懸濁液は約150°F〜約300°Fで乾燥され、約550°F〜約720°Fで焼結される。層の厚みは、コーティングプロセスを反復することにより増大させてもよい。1つの例示的実施形態においては、キャリアウェブを懸濁液でコーティングし、懸濁液を乾燥させ、乾燥済み懸濁液に第2のコーティングを適用した後焼結させてよい。
【0043】
フッ素化ポリマーの露呈表面に、ボンディング性が付与される。例えば、ナトリウム金属/ナフタレン/グリコールエーテル混合物および金属ナトリウム/無水アンモニア混合物などのエッチング組成物で表面を化学エッチングしてよい。その他の例示的実施形態において、表面は、電気化学処理、金属スパッタリングおよび金属および/または金属酸化物の被着を通して、ボンディング性が付与される。例えば、金属および金属酸化物の被着には、化学気相成長および物理的気相成長法が含まれてよい。
【0044】
別の例示的実施形態において、フッ素化ポリマーの表面は、コロイドシリカを材料に含浸させることによって、ボンディング可能となる。例えば、フッ素化ポリマーは25〜70wt%のコロイドシリカを含んでいてよい。さらなる実施例において、コロイドシリカを含むFEPまたはPFAのコーティングを表面に適用することによって表面をボンディング可能にしてもよい。FEPまたはPFAコーティングを乾燥させ焼結させるかまたはPTFEなどのフッ素化ポリマーの表面に融合させる。1つの特定の実施形態においては、フッ素化ポリマー表面に、DuPont FEP TE−9568、W.R.Grace Company製のLudox(登録商標)LS30コロイドシリカ分散およびTriton(登録商標)X−100非イオン界面活性剤の混合物がコーティングされる。あるいは、表面は、未処理のままにとどまってもよい。
【0045】
任意には、第1層全体にわたり、フルオロポリマーの第2の層を適用してもよい。例えば、第2層は、PFAなどの第2のフルオロポリマーを含んでいてよい。第2のフルオロポリマーの適用は、以上で記述された方法に類似する浸漬被覆方法を用いて実施されてよい。あるいは、第1の層全体にわたり一層を押出し加工することによって、第2の層を適用してもよい。別の実施例では、熱ラミネーションなどを通して、第2の層を第1の層にラミネートしてもよい。
【0046】
例示的実施形態においては、フッ素化ポリマー層の厚みは一般に約0.2〜12ミルである。例えば、厚みは約0.2〜4ミル、例えば約0.5〜3ミルであってよい。第2層は、約0.1ミル〜約5ミル、例えば約0.5ミル〜3ミル、さらには約0.1ミル〜1.0ミルの厚みを有していてよい。
【0047】
以上で記述した実施形態はグリル上での使用に関連して記述されているが、クッキングシートは、連続コンベヤベルトなどのコンベヤベルトの形に形成されてもよい。別の実施形態においては、クッキングシートは、コンベヤベルト上のカバーまたは調理用コンテナのライナーとして応用してもよい。
【0048】
クッキングシートの特定の実施形態は、所望の技術的利点を示す。詳細には、クッキングシートは、長期の耐久性と引裂き抵抗を有する。詳細には、コーティングされたシートは折皺、油脂の吸上げおよび炭化に対する耐性を有する。以下で記述する通り、試験により、過酷な条件下で所望の調理性能を伴う耐久性が示された。したがって、クッキングシートは食品の品質を維持する耐久性あるフイルムを提供する。
【実施例】
【0049】
実施例1
PTFEでコーティングされ、任意にはトップコートでコーティングされたファブリックを含む試料を調製する。表1は、この試料の形状、厚みおよび重量を示している。
【0050】
【表1】

【0051】
機械的特性
試料を、ASTM D902に準じて引張り強度について試験し、ASTM D4969により改定された通りのASTM D751に準じて台形引裂強度について試験する。ASTM D4032に準じて剛性を測定する。
【0052】
さらに、損傷後の機械的特性について試料を試験する。10lbのローラーを用いて折皺をつけた後、折皺引張り強度および折皺台形引裂強度を試験する。折皺引張り強度に関しては、試料を幅1”×長さ7”に切断し、中央で折り畳む。折り目に対し平行に10lbのローラーを用いて1回、試料に折皺をつける。折皺のついた試料の引張り強度をASTM D902に準じて試験する。折皺台形引裂強度については、台形引裂強度試験方法にしたがって試料を切断する。折皺が引裂かれるように、すなわち引裂を開始させる切断の終わりで、試料を折り畳む。折り目に平行な10lbのローラーを用いて1回、折り目に折皺をつける。折皺のついた試料の台形引裂強度を、ASTM D4969により修正された通りのASTM D751に準じて試験する。ASTM D2176−63Jの耐折強度試験にしたがって、MIT屈曲を測定する。
【0053】
吸上げ評定
試料を連続16時間高温油脂に曝露することにより、吸上げ試験を行う。型プレート(backing pan)には剥離フイルムがライニングされている。剥離フイルム上には2層の1080ガラスファブリックを設置する。完全に覆うために、リングに対し、真空グリースを塗布する。真空グリースを用いて試料シートにリングをしっかり固定して、漏れ箇所が無く、試料シートをプレートの中に設置できるようにする。ハンバーガーの油脂を、リング内部に形成されたタンクに追加する。飛散を防ぐように、リング上に金属ホイルを設置する。オーブンを400°Fまで加熱し、オーブン内にプレートを16時間置く。プレートと試料を取出し、冷却させる。
【0054】
冷えた時点で、リングとシートを漏洩について観察する。1080ガラスファブリックを、油脂の存在について観察する。油脂の不在は、吸上げの欠如を表わす。被験シートを、ガラスヤーンおよびフィラメントの色について顕微鏡で観察する。退色は吸上げを表わす。吸上げが全く観察されない場合、試料は、合格評定を受ける。
【0055】
染料浸透
水平面上で試料の上にMet−L−Chek VP−30を一滴置いて、染料浸透を測定する。液滴を一晩放置し、その後検査する。液滴は、なおも液滴の形状をしており表面全体に展延していないことが期待される。それが展延している場合、その試料は不合格である。染料をティッシュペーパで吸い取り、顕微鏡で表面を検査する。染料が1/8”超浸透し吸上げられている場合、その試料は不合格である。1/8”を超える浸透または吸上げが一切無い場合、試料は合格である。
【0056】
焦げ目評定
クイックサービスレストラン(QSR)のハンバーガーを対照としてクッキングシート無しのQSRグリル上で40秒間および38秒間焼く。少なくとも2個のハンバーガーをクッキングシートを備えたQSRグリル上で焼く。標本抽出された人物に、クッキングシートを用いて焼いた少なくとも2個のハンバーガーが対照と比べて色が薄いか、濃いか、またはほぼ同じであるかをたずねる。色が対照と同じであれば、クッキングシートには合格評定が与えられる。
【0057】
耐久性
QSRグリルに試料シートを適用し、平均的なQSR一次グリルの24時間調理条件に曝露する。実質的な引裂までの日数が、耐久性として判定される。合格するには少なくとも5日が必要であり、少なくとも7日間が好ましい。
【0058】
絶縁耐力
試料の絶縁耐力を、ASTM D149に準じて測定する。
【0059】
【表2】

【0060】
表2は、所与の試験についての試料の性能を示す。詳細には、糊剤コーティングされたフィラメントを含まない試料6は、損傷の後低い機械的特性を示し、油脂を吸上げる。さらに、試料6は耐久性試験に合格していない。シラン前処理済みファブリックを含むその他の試料(例えば試料2および3)は、吸上げ評定の改善を示すが、損傷後の性能は良くない。糊剤コーティングしたフィラメントを含む試料4および5は、吸上げ試験、焦げ目試験および耐久性で合格している。さらに、試料4および5は、損傷の前後両方で所望の機械的特性を提供する。
【0061】
以上の概要または実施例の中で記述した活動の全てが要求されるわけではないこと、具体的活動の一部は必要とされないかもしれないこと、そして1つ以上のさらなる活動が以上で記述したものに加えて実施されるかもしれないこと、に留意されたい。さらに、活動が列挙されている順序は、必ずしもそれらが実施される順序ではない。
【0062】
以上の明細書において、具体的実施形態を基準にして概念を説明した。しかしながら、当業者であれば、以下のクレーム中に記された本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな修正および変更を行なうことができるということを認識する。したがって、明細書および図は、限定的意味ではなく例証的意味を有するものとみなすべきであり、このような修正は全て、発明の範囲内に含み入れるように意図されている。
【0063】
本明細書で使用される「含む(comprises、comprising、includes、including)」、「有する(has、having)」という用語またはそれらのその他の任意の変形形態は、非排他的包含を網羅するものとして意図されている。例えば、特徴一覧を含むプロセス、方法、物品または装置は、必ずしもこれらの特徴のみに限定されず、このようなプロセス、方法、物品または装置に固有のまたは明示的に列挙されていないその他の特徴を含んでいてよい。さらに、別段の明示的記述のないかぎり、「または(or)」とは、排他的orではなく包含的orを意味する。例えば、条件AまたはBは、Aが真(または存在)でBが偽(または不在)である、Aが偽(または不在)でBが真(または存在)である、ならびにAおよびBが共に真(または存在)である、条件のうちのいずれか1つによって満たされる。
【0064】
同様に、「a」または「an」の使用は、本明細書中で記述されている要素および構成要素を記述するものとして利用される。これは、単に便宜上、そして本発明の範囲の一般的意味合いを提供するために行なわれているにすぎない。この記述は、1または少なくとも1を含むものとして読取られるべきものであり、他の意図があることが自明であるのでないかぎり、単数は複数をも含んでいる。
【0065】
恩典、その他の利点および課題に対する解決法は、具体的実施形態に関して以上で記述されてきた。しかしながら、恩典、利点、課題に対する解決法、および何らかの恩典、利点または解決法を生み出すかまたはより顕著にするかもしれないあらゆる特徴は、いずれかまたは全てのクレームの重要な、所要のまたは不可欠な特徴としてみなされるべきものではない。
【0066】
明細書を読んだ上で、当業者は、一部の特徴が明確さを期して本明細書中で別個の実施形態に関連して記述されているが、単一の実施形態と組合せて提供されてもよい、ということを認識するものである。換言すると、簡潔さを期して単一の実施形態に関連して記述されたさまざまな特徴を、別個にまたは任意の組合せで提供してもよい。さらに、範囲の形で記された値は、その範囲の中の各々全ての値を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 複数のヤーン(210)を含み、前記複数のヤーンの各々のヤーン(210)が複数のフィラメント(206)を含み、前記複数のフィラメント(206)の各々のフィラメント(206)がフルオロポリマー糊剤塗膜(208)を含んでいるファブリックと;
− ファブリック上のフルオロポリマーコーティング層(204)と;
を含む物品。
【請求項2】
前記ファブリックが平板ガラスファブリックである、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記各フィラメント(206)がガラス繊維を含む、請求項1または2に記載の物品。
【請求項4】
前記フルオロポリマー糊剤塗膜(208)がペルフルオロポリマーを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記ペルフルオロポリマーがポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項4に記載の物品。
【請求項6】
さらに前記ファブリック上にシラン処理を含む、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
前記フルオロポリマーコーティング層(204)がペルフルオロポリマーを含む、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
前記ペルフルオロポリマーがポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項7に記載の物品。
【請求項9】
前記ペルフルオロポリマーがフッ素化エチレンプロピレンを含む、請求項7に記載の物品。
【請求項10】
前記ペルフルオロポリマーがペルフルオロアルコキシを含む、請求項7に記載の物品。
【請求項11】
前記第1のフルオロポリマーコーティング層(204)に重畳する第2のフルオロポリマー層(202)をさらに含む、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項12】
前記第2のフルオロポリマー層(202)がペルフルオロアルコキシを含み、前記フルオロポリマーコーティング層(204)がポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
3.2ミル以下の厚みを有する、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項14】
前記厚みが3.0ミル以下である、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
前記厚みが2.8ミル以下である、請求項14に記載の物品。
【請求項16】
少なくとも10、000のMIT屈曲性能を示す、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項17】
前記MIT屈曲性能が少なくとも15、000である、請求項16に記載の物品。
【請求項18】
前記MIT屈曲性能が少なくとも20、000である、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記MIT屈曲性能が少なくとも25、000である、請求項18に記載の物品。
【請求項20】
少なくとも30lbsの縦方向引張り強度を有する、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項21】
前記縦方向引張り強度が少なくとも50lbsである、請求項20に記載の物品。
【請求項22】
少なくとも45lbsの横方向引張り強度を有する、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項23】
前記横方向引張り強度が少なくとも65lbsである、請求項22に記載の物品。
【請求項24】
前記横方向引張り強度が少なくとも70lbsである、請求項23に記載の物品。
【請求項25】
少なくとも3.5lbsの台形引裂強度を有する、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項26】
前記台形引裂強度が少なくとも4.0lbsである、請求項25に記載の物品。
【請求項27】
前記物品が少なくとも10lbsの縦方向折皺引張り強度を有する、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項28】
前記縦方向の前記折皺引張り強度が少なくとも15lbsである、請求項27に記載の物品。
【請求項29】
前記縦方向の前記折皺引張り強度が少なくとも17lbsである、請求項28に記載の物品。
【請求項30】
前記折皺台形引裂強度が少なくとも0.5lbsである、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項31】
前記折皺台形引裂強度が少なくとも1.0lbsである、請求項30に記載の物品。
【請求項32】
少なくとも70mmの剛性を有する、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項33】
前記剛性が少なくとも74mmである、請求項32に記載の物品。
【請求項34】
吸上げ合格評定を有する、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項35】
染料浸透合格評定を有する、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項36】
焦げ目合格評定を有する、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項37】
2500V〜6500Vの範囲内の絶縁耐力を有する請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項38】
前記絶縁耐力が3000V〜6000Vの範囲内にある、請求項37に記載の物品。
【請求項39】
100マイクロインチ以下の表面粗度を有する、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項40】
前記表面粗度が70マイクロインチ以下である、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項41】
グリルシートを形成する、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項42】
コンベヤベルトを形成する、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項43】
− 複数のヤーン(210)を含み、前記複数のヤーン(210)の各ヤーン(210)が複数のガラスフィラメント(206)を含み、前記複数のガラスフィラメント(206)の各ガラスフィラメント(206)がフルオロポリマー糊剤塗膜(208)を含んでいる平面ガラスファブリックと;
− ペルフルオロポリマーを含む前記ファブリック上のフルオロポリマーコーティング層(204)と;
を含むクッキングシートにおいて、
− 3ミル以下の厚みを有し;
− 少なくとも10lbsの前記縦方向折皺引張り強度を示し、かつ吸上げ合格評定を有する、
クッキングシート。
【請求項44】
前記フルオロポリマーコーティング層(204)に重畳するトップコート層(202)をさらに含む、請求項43に記載のクッキングシート。
【請求項45】
前記トップコート層(202)がペルフルオロアルコキシを含む、請求項44に記載のクッキングシート。
【請求項46】
前記ペルフルオロポリマーがポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項43〜45のいずれか一項に記載のクッキングシート。
【請求項47】
物品の形成方法において、
− 複数のヤーンを含み、前記複数のヤーンの各々のヤーンが複数のフィラメントを含み、前記複数のフィラメントの各フィラメントがフルオロポリマー糊剤塗膜を有するファブリックを送り出すステップと;
− 前記ファブリックをフルオロポリマーコーティング層でコーティングするステップと、
を含む方法。
【請求項48】
前記フルオロポリマーコーティング層にトップコート層をコーティングするステップをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
コーティングに先立ち前記ファブリックを前処理するステップをさらに含む、請求項47または48に記載の方法。
【請求項50】
前記ファブリックを前処理するステップが、シラン前処理による前記ファブリックの前処理ステップを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
− グリルの調理表面上にクッキングシートを設置するステップであって、前記クッキングシートが
・ 複数のヤーンを含み、前記複数のヤーンの各々のヤーンが複数のフィラメントを含み、前記複数のフィラメントの各フィラメントがフルオロポリマー糊剤塗膜を含んでいるファブリックと;
・ 前記ファブリック上のフルオロポリマーコーティング層と、
を含んでいるステップと;
− 前記グリルを加熱するステップと;
− 前記クッキングシート上に食料品を置くステップと;
を含む、調理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−500906(P2012−500906A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523813(P2011−523813)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/004728
【国際公開番号】WO2010/021708
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(510045634)サンゴバン・パフォーマンス・プラスティックス・コーポレーション (10)
【Fターム(参考)】