説明

フレキシブルプリント配線板、フレキシブルプリント配線板の製造方法、及びフレキシブルプリント回路板

【課題】異方性導電フィルムとの間の密着性が高く、この異方性導電フィルムを介して電子部品が実装する場合のこの電子部品との機械的接合と電気的接合とを十分に確保することができるフレキシブルプリント配線板を提供する。
【解決手段】可撓性を有する絶縁層1の表面に導体配線2が設けられた構造を有する。このフレキシブルプリント配線板Aの、導体配線2が形成されている面で露出する絶縁層1の表面のJIS B0601−1994で規定される十点平均粗さRzが、0.8〜2.0μmの範囲である。このように絶縁層1の表面粗さが調整されることで、この絶縁層1の表面と異方性導電フィルム3との間の密着性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異方性導電フィルムを介して電子部品が実装されるフレキシブルプリント配線板、このフレキシブルプリント配線板の製造方法、及びこのフレキシブルプリント配線板に異方性導電フィルムを介して電子部品が実装されることで構成されるフレキシブルプリント回路板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の電子機器の電子回路を構成する部品として柔軟性を有するフレキシブルプリント配線板が用いられている(特許文献1参照)。
【0003】
フレキシブルプリント配線板の製造の際には、可撓性を有する絶縁性フィルムの片側又は両側に銅箔等の金属箔を重ね、これを熱圧成形することで絶縁性フィルムと金属箔とを熱圧着し、絶縁性フィルムで形成された絶縁層に金属箔が積層した構造を有するフレキシブル積層板を作製する。このフレキシブル積層板の金属箔にパターンエッチングを施すことで導体配線を形成し、フレキシブルプリント配線板を得ることができる。
【0004】
一方、プリント配線板に半導体チップ等の電子部品を実装する方法の一つとして、プリント配線板の導体配線が形成された面に異方性導電フィルム(ACF)を介して電子部品を実装する方法がある。この方法には、簡便な操作により多数の電極を有する電子部品のプリント配線板への機械的な接合と電気的な接合とを一括しておこなうことができるという利点がある。
【0005】
しかし、フレキシブルプリント配線板の絶縁層を形成するために用いられている可撓性の高いポリイミドフィルム等の絶縁性フィルムは、異方性導電フィルムとの密着性が低いという問題がある。このため、フレキシブルプリント配線板に異方性導電フィルムを介して電子部品を実装した場合、電子部品とフレキシブルプリント配線板との機械的接合や電気的接合が十分になされなくなるおそれがある。
【特許文献1】特開2007−165417号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、異方性導電フィルムとの間の密着性が高く、この異方性導電フィルムを介して電子部品が実装する場合のこの電子部品との機械的接合と電気的接合とを十分に確保することができるフレキシブルプリント配線板、このフレキシブルプリント配線板の製造方法、及びフレキシブルプリント回路板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るフレキシブルプリント配線板Aは、可撓性を有する絶縁層1の表面に導体配線2が設けられた構造を有し、異方性導電フィルム3を介して電子部品4が実装される。このフレキシブルプリント配線板Aの、導体配線2が形成されている面で露出する絶縁層1の表面のJIS B0601−1994で規定される十点平均粗さRzが、0.8〜2.0μmの範囲である。
【0008】
このように絶縁層1の表面粗さが調整されることで、この絶縁層1の表面と異方性導電フィルム3との間の密着性が向上する。
【0009】
本発明に係るフレキシブルプリント配線板Aにおいては、導体配線2が形成されている面で露出する絶縁層1の表面のJIS B0601−1994で規定される算術平均粗さRaが、0.1〜0.6μmの範囲であることが好ましい。
【0010】
この場合、絶縁層1の表面と異方性導電フィルム3との間の密着性が更に向上する。
【0011】
本発明に係るフレキシブルプリント配線板Aの製造方法は、上記フレキシブルプリント配線板Aを製造する方法であって、絶縁性フィルム5の外面に金属箔6を熱圧着することで前記絶縁性フィルム5で構成される絶縁層1の表面に金属箔6が積層された構造を有するフレキシブル積層板Cを作製する工程と、前記フレキシブル積層板Cの金属箔6にパターンエッチング処理を施すことで導体配線2を形成する工程とを含む。前記金属箔6の絶縁性フィルム5と重ねられる面のJIS B0601−1994で規定される十点平均粗さRzは、0.8〜2.0μmの範囲である。
【0012】
このため、フレキシブルプリント配線板Aの、導体配線2が形成されている面で露出する絶縁層1の表面には、金属箔6の凹凸形状が転写され、この絶縁層1の表面を所望の表面粗さに容易に調整することができ、この絶縁層1の表面と異方性導電フィルム3との間の密着性が向上する。
【0013】
本発明に係るフレキシブルプリント配線板Aの製造方法においては、上記金属箔6の絶縁性フィルム5と重ねられる面のJIS B0601−1994で規定される算術平均粗さRaが、0.1〜0.6μmμmの範囲であることが好ましい。
【0014】
この場合、絶縁層1の表面と異方性導電フィルム3との間の密着性が更に向上する。
【0015】
本発明に係るフレキシブルプリント回路板Bは、上記フレキシブルプリント配線板A、又は上記製造方法により製造されたフレキシブルプリント配線板Aの、導体配線2が形成されている面に、異方性導電フィルム3を介して電子部品4が実装されていることを特徴とする。
【0016】
このため、絶縁層1の表面に対する異方性導電フィルム3の密着性が向上し、フレキシブルプリント配線板Aに対する電子部品4の機械的な接合強度と、電気的な接合性とが高くなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、フレキシブルプリント配線板における導体配線が形成されている面で露出する絶縁層の表面と、異方性導電フィルムとの間の密着性が向上し、フレキシブルプリント配線板に異方性導電フィルムを介して実装される電子部品とこのフレキシブルプリント配線板との機械的接合及び電気的接合が十分になされるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0019】
図1に、本発明に係るフレキシブルプリント配線板Aの一例を示す。このフレキシブルプリント配線板Aは、可撓性の高い絶縁性フィルム5で構成される絶縁層1の両面に、導体配線2が設けられている。この導体配線2は絶縁層1の片面のみに設けられていてもよい。
【0020】
絶縁層1を構成する絶縁性フィルム5は、例えばポリイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等の種々の可撓性の高い絶縁性材料で形成される。この絶縁性フィルム5(絶縁層1)の厚みは例えば12〜100μmの範囲に形成される。
【0021】
絶縁性フィルム5として用いられるポリイミドフィルムは、例えば熱硬化性ポリイミド樹脂で構成される内層9の両側の外面側に熱可塑性ポリイミド樹脂で構成される外層10が積層した構造を有している。このようなポリイミドフィルムとしては、宇部興産製の商品名「ユーピレックスVT」や、カネカ製の商品名「ピクシオBP」等があげられる。前記外層10の厚みは例えば2〜3μmの範囲に形成される。
【0022】
導体配線2は、銅等の適宜の金属材料で形成される。この導体配線2は、絶縁層1に積層して設けられた金属箔6にパターンエッチング処理を施したり、絶縁層1に対してパターンめっき処理を施したりするなど、公知の適宜の手法で形成される。
【0023】
このフレキシブルプリント配線板Aにおける導体配線2が形成されている面(配線形成面という)では、この配線形成面で露出する絶縁層1の表面(露出面)のJIS B0601−1994で規定される十点平均粗さRzが、0.8〜2.0μmの範囲となっている。この絶縁層1の露出面の十点平均粗さRzの範囲は、1.1〜2.0μmの範囲であれば更に好ましい。また、この絶縁層1の露出面の、JIS B0601−1994で規定される算術平均粗さRaは、0.1〜0.6μmの範囲であることが好ましく、0.3〜0.6μmの範囲であれば更に好ましい。
【0024】
このフレキシブルプリント配線板Aは、例えば次のようにして作製される。
【0025】
まず、絶縁性フィルム5の両側に、銅箔等の金属箔6を重ねる。この金属箔6としては、絶縁性フィルム5に重ねられる面の表面粗さが、上記絶縁層1の露出面に要求される表面粗さ(Rz、Ra)と一致するものが用いられる。すなわち、この金属箔6のJIS B0601−1994で規定される十点平均粗さRzが、0.8〜2.0μmの範囲であり、この十点平均粗さRzの範囲は、1.0〜2.0μmの範囲であれば更に好ましい。また、この金属箔6のJIS B0601−1994で規定される算術平均粗さRaは、0.1〜0.6μmの範囲であることが好ましく、0.3〜0.6μmの範囲であれば更に好ましい。この金属箔6の表面粗さは適宜の手法で調整される。
【0026】
この絶縁性フィルム5と金属箔6に熱圧成形を施して、絶縁性フィルム5に金属箔6を熱圧着することで、絶縁性フィルム5で構成される絶縁層1の両側に金属箔6が設けられたフレキシブル積層板Cを作製する。この熱圧成形時の成形条件は、成形時に絶縁性フィルム5が十分に軟化或いは溶融することで絶縁層14と金属箔6とが十分に密着するように適宜調整される。
【0027】
例えば、絶縁性フィルム5に金属箔6を重ねて構成される積層物を、図1に示すような適宜の熱圧プレス装置7で間欠的に熱圧成形したり、或いはいわゆるダブルベルト成形により連続的に熱圧成形する場合には、絶縁性フィルム5としてポリイミドフィルムを用いる場合、加熱温度を290〜380℃、加圧力を10〜60MPa、加熱加圧時間を1〜6分間の範囲とすることが好ましい。
【0028】
また、絶縁性フィルム5に金属箔6を重ねて構成される積層物を、図2に示すように一対の熱圧ロール8,8間に通過させることで連続的に熱圧成形する場合には、絶縁性フィルム5としてポリイミドフィルムを用いる場合、加熱温度を310〜400℃、加圧力を20〜70MPaの範囲とすることが好ましい。
【0029】
このフレキシブル積層板Cの金属箔6にパターンエッチング処理を施すことにより、この金属箔6の残存部分で構成される導体配線2を形成する。これにより、フレキシブルプリント配線板Aが得られる。このフレキシブルプリント配線板Aの配線形成面では、金属箔6が除去された部位で絶縁層1が露出するが、この部位における絶縁層1の表面(露出面)には、金属箔6の凹凸が転写されている。この絶縁層1の露出面の表面粗さ(Rz、Ra)は、金属箔6の表面粗さ(Rz、Ra)と、ほぼ一致する。このため、金属箔6の表面粗さを調整することで、絶縁層1の露出面の表面粗さを所望の値に調整することができる。
【0030】
尚、絶縁層1の片面のみに導体配線2が形成されたフレキシブルプリント配線板Aを作製する場合には、フレキシブル積層板Cの作製時に絶縁性フィルム5の片側にのみ金属箔6を重ねて熱圧着して片面のみに金属箔6を有するフレキシブル積層板Cを作製し、このフレキシブル積層板Cの片面の金属箔6にパターンエッチング処理を施せばよい。
【0031】
このフレキシブルプリント配線板Aに異方性導電性フィルムを介して電子部品4を実装する方法について説明する。
【0032】
異方性導電フィルム3は、熱硬化性樹脂と導電性フィラーとを含有する組成物を半硬化状態のフィルム状に成形したものである。異方性導電フィルム3としては、プリント配線板に対する電子部品4の実装に用いられる適宜のものが使用可能であるが、例えば熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂等を含有すると共に、導電性フィラーとして銀等を含有するものが用いられる。この異方性導電フィルム3の厚みは通常は30〜50μmの範囲である。
【0033】
また、電子部品4は、特に制限されないが、例えばICチップ等が挙げられる。
【0034】
電子部品4の実装時には、フレキシブルプリント配線板Aの配線形成面に異方性導電フィルム3を重ね、その上に電子部品4を配置する。この状態で、ヒータ等で異方性導電フィルム3を加熱しながら電子部品4にフレキシブルプリント配線板Aに向けて荷重をかける。これにより、異方性導電フィルム3が硬化して電子部品4が異方性導電フィルム3を介してフレキシブルプリント配線板Aに機械的に接合されると共に、この異方性導電性フィルム中の導電性フィラーを介して電子部品4の電極と導体配線2とが厚み方向に電気的に接合される。このとき、異方性導電フィルム3には電子部品4における電極11と導体配線2との間で集中的に圧力がかかることで、この部分における異方性導電フィルム3内の導電性フィラーが異方性導電フィルム3の厚み方向に接触して電極11と導体配線2の間が導通されると共に横方向には絶縁性が確保され、隣接する電極11間には短絡が生じなくなる。
【0035】
上記異方性導電フィルム3の加熱条件は、異方性導電フィルム3の組成等に応じて適宜設定されるが、例えば異方性導電フィルム3が熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含有する場合、150〜280℃の温度で10秒〜3分間加熱することができる。また、電子部品4にかける荷重も適宜設定されるが、例えば0.29〜1.47MPa(3〜15kg/cm2)の範囲とすることができる。
【0036】
このようにフレキシブルプリント配線板Aに電子部品4を実装して得られるフレキシブルプリント回路板Bでは、絶縁層1の露出面が上記のような表面粗さを有することから、異方性導電フィルム3と絶縁層1の露出面との間の密着性が高くなる。このため、異方性導電フィルム3がフレキシブルプリント配線板Aから剥離しにくくなり、電子部品4とフレキシブルプリント配線板Aとの機械的な接合強度及び電気的な接合性が高くなる。
【0037】
ここで、絶縁層1の露出面(金属箔6の絶縁性フィルム5と重ねられる面)の十点平均粗さRzが0.8μmに満たない場合や2.0μmを超える場合には、絶縁層1の露出面と異方性導電フィルム3との間の密着性が十分に向上されない。また、特にこの絶縁層1の露出面(金属箔6の絶縁性フィルム5と重ねられる面)の十点平均粗さRzが1.0〜2.0μmの範囲であれば、更に高い密着性を得られる
また、絶縁層1の露出面(金属箔6の絶縁性フィルム5と重ねられる面)の算術平均粗さRaが0.1〜0.6μmの範囲であれば、絶縁層1の露出面と異方性導電フィルム3との間の密着性が更に向上する。また、特にこの絶縁層1の露出面(金属箔6の絶縁性フィルム5と重ねられる面)の算術平均粗さRaが0.3〜0.6μmの範囲であれば、更に高い密着性を得られる。
【実施例】
【0038】
以下、本発明を実施例により更に詳述する。
【0039】
[実施例1]
絶縁性フィルム5として、厚み20μmのポリイミドフィルム(宇部興産製の商品名「ユーピレックスVT」を用いた。
【0040】
また、金属箔6として、厚み9μmの銅箔を用いた。この銅箔の一面(マット面)の表面粗さは、JIS B0601−1994で規定される十点平均粗さRzが、1.5μm、JIS B0601−1994で規定される算術平均粗さRaが0.3μmである。
【0041】
上記絶縁性フィルム5の両側にそれぞれ上記金属箔6をそのマット面が前記絶縁性フィルム5と重なるように積層し、加熱温度350℃、加圧力50MPa、加熱加圧時間5分の条件で熱圧成形し、フレキシブル積層板Cを作製した。
【0042】
このフレキシブル積層板Cを両面の金属箔6を全てエッチング処理により除去し、試験用基板を得た。尚、実使用上はこのフレキシブル積層板Cの両面の金属箔6にパターンエッチングを施すことにより、導体配線2を形成することでフレキシブルプリント配線板Aを得るが、ここでは下記評価試験で密着性を評価のために前記のような試験用基板を作製した。
【0043】
この試験用基板の表面に露出する絶縁層1に異方性導電フィルム3(日立化成製の品番「MF502」)を重ね、その上に更に電子部品4として平面視5mm×5mmのICチップを配置した。この状態で、電子部品4に試験用基板に向けて10MPaの荷重を加えながら異方性導電フィルム3を250℃で30秒間加熱することにより、試験用基板に電子部品4を実装した。
【0044】
[実施例2−6、比較例1,2]
実施例1において、絶縁性フィルム5(絶縁層1)の材質、並びに金属箔6の表面粗さを表1に示すように変更した。それ以外は実施例1と同じ条件で、試験用基板を作製すると共にこの試験用基板に電子部品4を実装した。尚、表1中の絶縁層1の材質について、PIとあるのは絶縁性フィルム5として実施例1と同一のポリイミドフィルムを使用したことを示し、LCPとあるのは絶縁性フィルム5として液晶ポリマーフィルム(クラレ製の商品名「Vecstar」)を使用したことを示す。
【0045】
[評価試験]
各実施例及び比較例において、試験用基板に電子部品4を実装する前に、この試験用基板の外面に露出する絶縁層1の表面のJIS B0601−1994で規定される十点平均粗さRz及び算術平均粗さRaを測定した。
【0046】
また、電子部品4が実装された試験用基板を切断して長さ50mm、幅5mm(電子部品4と同幅)の短冊状にし、電子部品4を固定した状態でこの電子部品4から試験用基板を90°方向にヘッドスピード50mm/minで引き剥がす引張り試験をおこなった際の剥離強度を測定して、絶縁層1と異方性導電フィルム3との間の密着性を評価した。
【0047】
また、電子部品4が実装された試験用基板について、吸湿後の劣化確認の為に温度85±3℃、湿度85±3%の雰囲気中に250時間曝露する処理(E−250/85/85)を施した後、30分以内に上記と同様にして密着性を評価した。
【0048】
以上の結果を表1に示す。この表1に示される通り、実施例1〜6では絶縁層1と異方性導電フィルム3との密着性が高く、またE−250/85/85の処理を施した後でも、密着性は充分に高く維持されていた。
【0049】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)はフレキシブル積層板、(b)フレキシブルプリント配線板、(c)フレキシブルプリント回路板の一例を示す概略の断面図である。
【図2】図1(a)に示すフレキシブル積層板の製造工程の一例を示す概略の断面図である。
【図3】図1(a)に示すフレキシブル積層板の製造工程の他例を示す概略の断面図である。
【符号の説明】
【0051】
A フレキシブルプリント配線板
B フレキシブルプリント回路板
C フレキシブル積層板
1 絶縁層
2 導体配線
3 異方性導電フィルム
4 電子部品
5 絶縁性フィルム
6 金属箔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する絶縁層の表面に導体配線が設けられた構造を有し、異方性導電フィルムを介して電子部品が実装されるフレキシブルプリント配線板であって、
導体配線が形成されている面で露出する絶縁層の表面のJIS B0601−1994で規定される十点平均粗さRzが、0.8〜2.0μmの範囲であることを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
【請求項2】
導体配線が形成されている面で露出する絶縁層の表面のJIS B0601−1994で規定される算術平均粗さRaが、0.1〜0.6μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフレキシブルプリント配線板を製造する方法であって、
絶縁性フィルムの外面に金属箔を熱圧着することで前記絶縁性フィルムで構成される絶縁層の表面に金属箔が積層された構造を有するフレキシブル積層板を作製する工程と、前記フレキシブル積層板の金属箔にパターンエッチング処理を施すことで導体配線を形成する工程とを含み、
前記金属箔の絶縁性フィルムと重ねられる面のJIS B0601−1994で規定される十点平均粗さRzが、0.8〜2.0μmの範囲であることを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項4】
上記金属箔の絶縁性フィルムと重ねられる面のJIS B0601−1994で規定される算術平均粗さRaが、0.1〜0.6μmμmの範囲であることを特徴とする請求項3に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項5】
請求項1若しくは2に記載のフレキシブルプリント配線板、又は請求項3若しくは4に記載の方法により製造されたフレキシブルプリント配線板の、導体配線が形成されている面に、異方性導電フィルムを介して電子部品が実装されていることを特徴とするフレキシブルプリント回路板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−147442(P2010−147442A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326515(P2008−326515)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】